説明

回転コネクタ装置

【課題】部品点数の削減を図りつつ、ハーネスの仮止めや組付け作業性の向上を図ることができる回転コネクタ装置を提供する。
【解決手段】第1ケース2と、該第1ケース2と相対回転可能に嵌合される第2ケース3と、上記両ケース2,3の円環状空間13内に収容されたフラットケーブル14と、フラットケーブル14の一端に連結され、両ケース2,3よりも外側に設けられた所定長さのハーネスと、第1ケース2に設けられた第1係合部8と、第2ケース3に設けられた第2係合部18と、両係合部8,18に係合されて両ケース2,3の相対回転を規制する固定ピン20と、固定ピン20に一体的に設けられてハーネスを係脱可能に係止するフック24と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のステアリングシャフト等に取付けられ、第1ケース(いわゆる内筒)と第2ケース(いわゆる外筒)と、これら両ケース間に収容されたフラットケーブルとを備えたような回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のステアリングシャフトに取付けられる回転コネクタ装置は、該ステアリングシャフトに固定される第1ケース(いわゆる内筒)と、ステアリングコラムに取付けられる第2ケース(いわゆる外筒)と、これら両ケース間の円環状空間内に収容されるフラットケーブルとを備えている。
このフラットケーブルは、ステアリングホイールの回転を許容すべく、ある程度の余裕をもって上記両ケース間に渦巻き状に収納されている。
【0003】
回転コネクタ装置がステアリング装置に組込まれた後の通常時には、ステアリングシャフトはステアリングホイールを最大限に操舵すると止まるようになっているが、回転コネクタ装置をステアリング装置に組付けていない状態、つまり、回転コネクタ装置が単体で存在する場合には、第1ケース(内筒)と第2ケース(外筒)とが相対回転する。
この相対回転を防止して、両ケースを中立位置にロック保持するために中立固定ピンが設けられている。
【0004】
一方、上記フラットケーブルには所定長さのハーネスが接続され、このハーネスは両ケースよりも外側に設けられている。そこで、フロントウインドガラスが取付けられていない状態のボディに対して、予めステアリングシャフト、回転コネクタ装置やインパネメンバ等がアセンブリされたインストルメントパネルモジュールを、該ボディのフロントウインド用の開口部からボディ内に挿入して組付ける時、上記ハーネスがフリー状態であると、このハーネスがボディと干渉して損傷する問題点があった。
【0005】
そこで、上記所定長さのハーネスがボディと干渉しないように、ハーネスに輪ゴムを引っ掛けて、ライト&ディマスイッチ用の操作レバー(但し、ディマとは点滅切換えの意)またはワイパ・コンビスイッチ用の操作レバーに係止し、ハーネスとボディとの干渉を防止することが考えられるが、この場合には、輪ゴムを用いてハーネスを係止する工数と、インストルメントパネルモジュールのボディに対する組付け後に、輪ゴムを取外す工数とが必要となり、無駄な工数が増加する関係上、実用上好ましくない。
【0006】
一方、特許文献1には、第1ケース(内筒)の軸方向一方側端から径方向外側に延びる平面部に、逆L字状の一対の保持片を、所定間隔を隔てて2組設け、この2組の保持片対でハーネスを係止するように構成した回転コネクタが開示されているが、上記保持片を新たに設ける必要があるので、部品点数や部品の容積が増加する問題点があった。
【0007】
また、特許文献2には、両ケースからケース外側に導出された所定長さのハーネスに直線形状のチューブを被せ、このチューブをステアリングホイールのハーネス通し穴に通すことで、第1ケースとしての内筒とステアリングとの相対回転を規制して位置決めするように構成したものが開示されているが、別途上記チューブが必要なうえ、チューブを被せる工数と、一旦被せたチューブをハーネスから取外す工数とが必要となり、さらに、上記チューブと中立固定ピンとは別部材であるから、部品点数が増加するだけでなく、ハーネスの仮止め、組付けの作業性が悪化するという問題点があった。
【特許文献1】特開2000−260547号公報
【特許文献2】特許第3485228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明は、第1ケース(いわゆる内筒)に設けられた第1係合部と、第2ケース(いわゆる外筒)に設けられた第2係合部と、これら両係合部に係合されて第1、第2の両ケースの相対回転を規制する固定ピンと、この固定ピンに一体的に設けられてハーネスを係脱可能に係止するフックとを備えることで、部品点数の削減を図りつつ、ハーネスの仮止めや組付けの作業性向上を図ることができる回転コネクタ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による回転コネクタ装置は、第1円筒部および該第1円筒部の軸方向一方側端から径方向外側に延びる第1平面部を有する第1ケースと、上記第1ケースよりも大きい第2円筒部および該第2円筒部の軸方向他方側端から径方向内側に延びる第2平面部を有し、かつ、上記第1ケースと相対回転可能に嵌合される第2ケースと、上記両ケースにより形成される円環状空間内に収容され、一端が第1ケースの第1円筒部に連結され、他端が第2ケースの第2円筒部に連結された可撓性のフラットケーブルと、該フラットケーブルの一端に連結され、上記両ケースよりも外側に設けられた所定長さのハーネスと、上記第1ケースに設けられた第1係合部と、上記第2ケースに設けられた第2係合部と、上記両係合部に係合されて上記両ケースの相対回転を規制する固定ピンと、該固定ピンに一体的に設けられて上記ハーネスを係脱可能に係止するフックと、を備えたものである。
上述の固定ピンは、中立固定ピン(第1ケース、第2ケースを中立位置にロック保持するための固定ピン)に設定してもよい。
【0010】
上記構成によれば、上記所定長さのハーネスを係脱可能に係止するフックを、固定ピンに一体的に設けたので、部品点数の削減を図りつつ、該ハーネスの仮止めを行なうことができ、また、ハーネスはフックから簡単に取外せるので、組付けの作業性向上を図ることができる。
換言すれば、上記固定ピンにより、両ケースの相対回転規制機能と、ハーネスの仮止め機能とを兼ねることができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記第2ケースは、上記固定ピンが係合状態の時、該固定ピンが挿入される開口部または溝部を備え、上記フックは、上記固定ピンが係合状態の時、上記開口部または溝部に嵌合して上記フックの開口拡大を抑制するフック開放抑制部を備えたものである。
上記構成によれば、上記フックにフック開放抑制部を設けたので、固定ピンの係合状態下において、ハーネスを強く係止することができ、またハーネスの取外し時には、該ハーネスを容易に取外すことができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記フックは、無負荷時に該フックの開口が上記ハーネス径以上となる形状に構成されたものである。
上記構成によれば、固定ピンを引き抜くと、フックの開口がハーネス径以上に開放するので、ハーネスを容易に取外すことができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記フックの開口は、上記第1または第2ケースの外面に対して、上記ハーネス径よりも近接して対面するように設けられたものである。
上記構成によれば、ハーネスの仮止め時にはフックとケース外面との間で、ハーネスを仮止め保持することができ、固定ピンを引き抜くと簡単にハーネスを取外すことができる。また固定ピンのフックからハーネスを外す必要がなくなる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記ハーネスはステアリングホイールエアバッグ用であり、上記回転コネクタは自動車のステアリングシャフトに取付けられ、ステアリングホイールの未装着状態で車体取付け前のインストルメントパネルモジュールに組込まれるものである。
上記構成によれば、部品点数の増加を招くことなく、ハーネスと車体等との干渉を防止して、作業効率を高めることができる。特に、回転コネクタが組込まれたインストルメントパネルモジュールを車体に組付ける際、ハーネスが車体に当たらないので、該ハーネスの損傷を防止することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記フックは、上記両ケースから離れた側に該フックの開口が形成されたものである。
上記構成によれば、固定ピンを係止した状態のままで、フックの開口からハーネスを着脱することができる。このため、該ハーネスそれ自体の検査(いわゆる中間テスト)を容易に行なうことも可能となる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記フックは、上記固定ピンを上記両ケースと係合させた状態下において、該フックの開口に対して上記ハーネスを所定荷重以上で挿通できる弾性を備えたものである。
上記構成によれば、フックが上記弾性を備えているので、ハーネスを着脱可能としつつも、弾性を有する該フックにてハーネスの離脱を抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、第1ケース(いわゆる内筒)に設けられた第1係合部と、第2ケース(いわゆる外筒)に設けられた第2係合部と、これら両係合部に係合されて第1、第2の両ケースの相対回転を規制する固定ピンと、この固定ピンに一体的に設けられてハーネスを係脱可能に係止するフックとを備えたので、部品点数の削減を図りつつ、ハーネスの仮止めや組付けの作業性向上を図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
部品点数の削減を図りつつ、ハーネスの仮止めや組付けの作業性向上を図るという目的を、第1円筒部および該第1円筒部の軸方向一方側端から径方向外側に延びる第1平面部を有する第1ケースと、上記第1ケースよりも大きい第2円筒部および該第2円筒部の軸方向他方側端から径方向内側に延びる第2平面部を有し、かつ、上記第1ケースと相対回転可能に嵌合される第2ケースと、上記両ケースにより形成される円環状空間内に収容され、一端が第1ケースの第1円筒部に連結され、他端が第2ケースの第2円筒部に連結された可撓性のフラットケーブルと、該フラットケーブルの一端に連結され、上記両ケースよりも外側に設けられた所定長さのハーネスと、上記第1ケースに設けられた第1係合部と、上記第2ケースに設けられた第2係合部と、上記両係合部に係合されて上記両ケースの相対回転を規制する固定ピンと、該固定ピンに一体的に設けられて上記ハーネスを係脱可能に係止するフックと、を備えるという構成にて実現した。
【実施例1】
【0019】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は回転コネクタ装置を示し、図1は回転コネクタ装置を示す斜視図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図2から中立固定ピンを取外した状態の要部の斜視図、図4は図2の要部拡大図である。
【0020】
図1〜図4において、回転コネクタ1は、自動車のステアリングシャフト(図示せず)に取付けられる第1ケース2と、自動車のステアリングコラム(図示せず)に取付けられる2部材から成る第2ケース3とを備えている。
上述の第1ケース(いわゆる内筒)2は、ステアリングシャフトに嵌合される第1円筒部2aと、この第1円筒部2aの軸方向一方側端から径方向外側に延びるフランジ状の第1平面部2bとを有している。
【0021】
また、上述の第1ケース2には、その第1平面部2bからステアリングホイール側、いわゆる上方に延びる一対の取付けピン4,5と、同方向に延びるハーネス取付けコネクタボックス6と、コネクタC1(図1参照)とを一体または一体的に形成している。
上述のハーネス取付けコネクタボックス6内には、図1〜図3に示すように、第1ケース2とは別部材にて形成されたコネクタ7を設けている。このコネクタ7はハーネス取付けコネクタボックス6に沿って上下方向に延びる上片部7aと、第1平面部2bに対応する位置において内外径方向に延びる内片部7b、外片部7cと、内片部7bの内端から下方に延びて第1円筒部2aの外側に位置する下片部7dとを一体形成したもので、ステアリングホイールの操作時に、このコネクタ7が第1ケース2と一体的に回動するように構成されている。
【0022】
また、上述のコネクタ7の外片部7cには第1係合部としての固定突部8が上方に向けて一体形成されている。換言すれば、第1係合部としての固定突部8はコネクタ7を介して第1ケース2に設けられたものである。
【0023】
一方、ステアリングコラムに取付けられる第2ケース3(いわゆる外筒)は、第1ケース2の第1円筒部2aよりも大径の第2円筒部9と、この第2円筒部9の軸方向他方側端から径方向内側に延びる第2平面部としてのベースプレート10とを有し、第1ケース2に対して相対回転可能に嵌合されている。
【0024】
つまり、上述の第2ケース3は、第2円筒部9とベースプレート10との2部材から成り、図1に斜視図で示すようにベースプレート10側の複数の略門形状の係止片10aに、第2円筒部9側の複数の係止爪9aを係止させて、これら両者9,10を一体化したものである。
また、上述のベースプレート10には下方に向けて取付けピン11を一体形成している。この取付けピン11は第2ケース3をステアリングコラムに対して位置決め固定するためのものである。
【0025】
さらに、図2、図3に示すように、上述のベースプレート10の下方において、第1ケース2のネック部2cには、該第1ケース2と別部材から成る略円筒状のソケット部材12を設け、このソケット部材12を第1ケース2のネック部2cに固定している。すなわち、ソケット部材12の内周側の複数の略門形状の係止片12aに、第1ケース2のネック部2cの内周側の複数の係止爪2dを係止させて、これら両者2,12を一体化したものである。
【0026】
図2、図3に示すように、第1ケース2と第2ケース3との両ケースによりリング状の空間13が形成され、この空間(円環状空間)13内には、可撓性のフラットケーブル14(図2参照)が渦巻き状に収容されている。
このフラットケーブル14は、ステアリングホイールの回転を許容すべく、ある程度の余裕をもって両ケース2,3間に渦巻き状に収容されたものであって、該フラットケーブル14の一端は第1ケース2の第1円筒部2aに連結され、その他端は第2ケース3の第2円筒部9に連結されている。
【0027】
図1に示すように、上述のフラットケーブル14の一端に連結されたハーネス15を設け、このハーネス15を上記両ケース2,3よりも外側に導出させている。同図に示すように、このハーネス15は所定長さを有すると共に、2本のコード16,16(詳しくは絶縁電線)を備えており、これらコード16,16の先端には、コネクタ17,17を接続している。
【0028】
この実施例では、上述のハーネス15はステアリングホイールエアバッグ用に設定されており、また、上述のコネクタ17,17はステアリングホイールエアバッグコネクタに設定されている。
さらに、図1に示すように、第2ケース3の外側方には、導出方向を異にする2つのコネクタC2,C3を、一体的に導出させている。
【0029】
ところで、図3に示すように、第2ケース3の第2円筒部9の外周には径方向に離間して上下方向に延びるリブ9b,9cにより第2係合部としての溝部18を形成している。
そして、回転コネクタ1が自動車のステアリングに組込まれていない単体状態の時、渦巻き状のフラットケーブル14の回転許容量を超えて第1ケース2と第2ケース3とが相対回転するのを防止する目的で、上述の第1係合部としての固定突部8と、第2係合部としての溝部18に係合されて両ケース2,3の相対回転を規制する固定ピンとしての中立固定ピン20を設けている。
【0030】
図5は中立固定ピン20を溝部18に差し込んでいない無負荷時(ノーマル時)の該中立固定ピン20の断面図、図6は図5のB−B線矢視断面図であって、この中立固定ピン20は上端部に形成された把持部21と、下端部に形成された差込み片22と、中間部にスリット23を介して形成されたフック24と、を合成樹脂で一体形成した一部品から成るものである。
上述のフック24は中立固定ピン20に一体的(この実施例では一体)に設けられて上述のハーネス15を係脱可能に係止するものである。
【0031】
また、上述のフック24はスリット23に沿って上下方向に細長く形成されており、その上部から下端部にかけて、ハーネス保持部24a、連接片24b、支点部24cがこの順に一体形成されている。
さらに、上述のフック24は、第1および第2の両ケース2,3から上方に離れた側に該フック24の開口24dが形成されている。この開口24dはフック無負荷時の状態を図5に実線で示すように、該無負荷時においてハーネス15の外径以上となる形状に構成されている。
【0032】
図5に実線で示す無負荷状態の中立固定ピン20を、図4に示すように第2ケース3の溝部18に差込んで嵌合すると、該溝部18の溝壁により連接片24bがスリット23側に付勢されるので、フック24はその支点部24cを支点として、図4に実線で、図5に仮想線でそれぞれ示すように、開口24dがハーネス15の外径より極めて小さくなるように変位する。
【0033】
このように、中立固定ピン20が係合状態にある時(図4参照)、上記フック24における連接片24bの下部は、該フック24の開口24dの拡大を抑制するフック開放抑制部となる。
また、上述のフック24は、中立固定ピン20が図4に示す係合状態にある時、該フック24の開口24dに対してハーネス15を上方から所定荷重以上で挿通できる弾性を備えている。
【0034】
さらに、図5、図6に示すように、中立固定ピン20の上記支点部24cの直下には、縦長形状の係止孔25が開口形成されている。中立固定ピン20を上述の溝部18に嵌合させた時、この係止孔25内にリブ9c側の係止凸部9dが係入して、中立固定ピン20の抜け止めを図るようになっている。
【0035】
しかも、図5、図6に示すように、中立固定ピン20の上記支点部24cよりも上方部のスリット23外には、固定突部8側へ延びる一対の係止爪26,26が一体形成されている。
該係止爪26は第1ケース2側の固定突部8の動きを規制するものである。詳しくは、該係止爪26はコネクタ7の固定突部8の不所望の回動を抑制するものであって、中立固定ピン20を第2ケース3の溝部18に嵌合すると、該中立固定ピン20により、両ケース2,3の相対回転を規制することができる。
【0036】
ここで、上述の中立固定ピン20の把持部21は、図5、図6に示すように、作業者が該ピン20を着脱操作する時、適度な把持力が得られるように凹凸形状に形成されている。なお、図示の凹凸形状に代えて適度な把持力や摩擦抵抗が得られる他の形状であってもよい。
【0037】
また、中立固定ピン20の差込み片22は、図5、図6に示すように、該中立固定ピン20を溝部18に差込んだ時、摩擦力を確保して、抜き方向の耐力を得るように、その片面が鋸歯形状に形成されている。なお、図示の片面の鋸歯形状に代えて、両面ともに鋸歯形状と成してもよく、あるいは蛇腹形状その他の形状で抜き方向の耐力を確保するように構成してもよい。
【0038】
上述の中立固定ピン20を図1、図4に示すように溝部18に差込んで嵌合すると、この中立固定ピン20で第1ケース2と第2ケース3との相対回転を防止することができ、また両ケース2,3よりも外側に設けられた所定長さのハーネス15を、フック24の開口24dから所定荷重以上で上方から下方に押圧すると、該フック24のハーネス保持部24aは、その弾性力により一旦開放した後に、復元変位して、このハーネス保持部24aにてハーネス15を係脱可能に係止することができる。
ところで、上記回転コネクタ1は自動車のステアリングシャフトに取付けられ、図7に示すように、ステアリングホイールの未装着状態で車体取付け前のインストルメントパネルモジュール30に組込まれるものである。
【0039】
図7に示すように、上述のインストルメントパネルモジュール30は、インストルメントパネル31、グローブボックス32、インパネメンバ33、該インパネメンバ33の両端に設けられた取付けブラケット34,34等を一体モジュール化したものである。
【0040】
一方、フロントピラー35,35を備えた車体36側には、エンジンルームと車室とを前後方向に仕切るダッシュパネル37およびヒンジピラー38に左右一対のブラケット39,39を取付けている。
そして、フロントウインドガラスが配置されていない状態下において、左右のフロントピラー35,35とボンネット後端とルーフ前端とで囲繞された空間部40からインストルメントパネルモジュール30を車室内に挿入し、インパネメンバ33両端の取付けブラケット34,34を、車体側のブラケット39,39に取付けて、上述のインストルメントパネルモジュール30を車体に固定するものである。
【0041】
この場合、上述のハーネス15は中立固定ピン20のフック24に係止保持させているので、ハーネス15と車体36との干渉が防止できて、該ハーネス15の損傷を防止することができる。
また、上述の中立固定ピン20は、ステアリングシャフトに対するステアリングホイールの組付け完了後に取外されるものである。なお、図7において、41,42は操作レバーである。
【0042】
このように、図1〜図7で示した実施例の回転コネクタ装置(請求項1〜3、5〜7に相当)は、第1円筒部2aおよび該第1円筒部2aの軸方向一方側端から径方向外側に延びる第1平面部2bを有する第1ケース2と、上記第1ケース2よりも大きい第2円筒部9および該第2円筒部9の軸方向他方側端から径方向内側に延びる第2平面部(ベースプレート10参照)を有し、かつ、上記第1ケース2と相対回転可能に嵌合される第2ケース3と、上記両ケース2,3により形成される円環状空間(リング状の空間13参照)内に収容され、一端が第1ケース2の第1円筒部2aに連結され、他端が第2ケース3の第2円筒部9に連結された可撓性のフラットケーブル14と、該フラットケーブル14の一端に連結され、上記両ケース2,3よりも外側に設けられた所定長さのハーネス15と、上記第1ケース2に設けられた第1係合部(固定突部8参照)と、上記第2ケース3に設けられた第2係合部(溝部18参照)と、上記両係合部(固定突部8,溝部18)に係合されて上記両ケース2,3の相対回転を規制する中立固定ピン20と、該中立固定ピン20に一体的に設けられて上記ハーネス15を係脱可能に係止するフック24と、を備えたものである(図1、図2参照)。
【0043】
この構成によれば、上記所定長さのハーネス15を係脱可能に係止するフック24を、中立固定ピン20に一体的に設けたので、部品点数の削減を図りつつ、該ハーネス15の仮止めを行なうことができ、また、ハーネス15はフック24から簡単に取外せるので、組付けの作業性向上を図ることができる。
換言すれば、上記中立固定ピン20により、両ケース2,3の相対回転規制機能と、ハーネス15の仮止め機能とを兼ねることができる。
【0044】
また、上記第2ケース3は、上記中立固定ピン20が係合状態の時、該中立固定ピン20が挿入される溝部18を備え、上記フック24は、上記中立固定ピン20が係合状態の時、上記溝部18に嵌合して上記フック24の開口拡大を抑制するフック開放抑制部(連接片24b参照)を備えたものである(図4、図5参照)。
この構成によれば、上記フック24にフック開放抑制部(連接片24b)を設けたので、中立固定ピン20の係合状態下において、ハーネス15を強く係止することができ、またハーネス15の取外し時には、該ハーネス15を容易に取外すことができる。なお、上記溝部18に代えて開口部であってもよいことは勿論である。
【0045】
さらに、上記フック24は、図5に実線で示すように、無負荷時に該フック24の開口24dが上記ハーネス15径以上となる形状に構成されたものである(図5参照)。
この構成によれば、中立固定ピン20を引き抜くと、フック24の開口24dが、図5に実線で示すように、ハーネス15の外径以上に開放するので、ハーネス15を容易に取外すことができる。
【0046】
加えて、上記ハーネス15はステアリングホイールエアバッグ用であり、上記回転コネクタ1は自動車のステアリングシャフトに取付けられ、ステアリングホイールの未装着状態で車体36取付け前のインストルメントパネルモジュール30に組込まれるものである(図7参照)。
この構成によれば、部品点数の増加を招くことなく、ハーネス15と車体36等との干渉を防止して、作業効率を高めることができる。特に、回転コネクタ1が組込まれたインストルメントパネルモジュール30を車体36に組付ける際、ハーネス15が車体に当たらないので、該ハーネス15の損傷を防止することができる。
【0047】
また、上記フック24は、上記両ケース2,3から離れた側に該フック24の開口24dが形成されたものである(図2参照)。
この構成によれば、中立固定ピン20を係止した状態のままで、フック24の開口24dからハーネス15を着脱することができる。このため、該ハーネス15それ自体の検査(いわゆる中間テスト)を容易に行なうことも可能となる。
【0048】
さらに、上記フック24は、上記中立固定ピン20を上記両ケース2,3と係合させた状態下において、該フック24の開口24dに対して上記ハーネス15を所定荷重以上で挿通できる弾性を備えたものである(図4、図5参照)。
この構成によれば、フック24が上記弾性を備えているので、ハーネス15を着脱可能としつつも、弾性を有する該フック24にてハーネス15の離脱を抑制することができる。
【実施例2】
【0049】
図8〜図10は回転コネクタ装置の他の実施例を示し、図8は中立固定ピン20の側面図、図9は図8のD−D線矢視断面図、図10は中立固定ピン20の斜視図である。なお、中立固定ピン20以外の第1ケース2、第2ケース3等の構成は先の実施例1と同一であるから、図8〜図10においては、中立固定ピン20のみを示している。
【0050】
図8〜図10に示すように、この中立固定ピン20は上端部に形成された把持部21と、下端部に形成された差込み片22と、中間部上側にスリット23を介して形成されたフック24と、を一体形成した一部品から成るものである。
上述のフック24は、中立固定ピン20に一体に設けられて上述のハーネス15を係脱可能に係止するものであり、この実施例においても先の実施例1と同様に、該フック24は第1ケース2および第2ケース3から上方に離れた側に該フック24の開口24dが形成されている。
【0051】
また、該フック24は、中立固定ピン20を図2、図4に示す如く係合状態と成した時、該フック24の開口24dに対してハーネス15を所定荷重以上で上方から挿通できる弾性を備えている。
さらに、この実施例では実施例1で示した連接片24bを省略し、ハーネス保持部24aの下部に支点部24cを設ける一方、中立固定ピン20の上下方向の中間部下側に、固定突部8と対応するよう門形状の1つの係止爪26を一体形成して、該係止爪26それ自体の剛性および中立固定ピン20の剛性向上を図っている。
【0052】
このように、図8〜図10で示した実施例の回転コネクタ装置(請求項1、5〜7に相当)においても、第1円筒部2aおよび該第1円筒部2aの軸方向一方側端から径方向外側に延びる第1平面部2bを有する第1ケース2と、上記第1ケース2よりも大きい第2円筒部9および該第2円筒部9の軸方向他方側端から径方向内側に延びる第2平面部(ベースプレート10参照)を有し、かつ、上記第1ケース2と相対回転可能に嵌合される第2ケース3と、上記両ケース2,3により形成されるリング状の空間13内に収容され、一端が第1ケース2の第1円筒部2aに連結され、他端が第2ケース3の第2円筒部9に連結された可撓性のフラットケーブル14と、該フラットケーブル14の一端に連結され、上記両ケース2,3よりも外側に設けられた所定長さのハーネス15と、上記第1ケース2に設けられた第1係合部(固定突部8参照)と、上記第2ケース3に設けられた第2係合部(溝部18参照)と、上記両係合部(固定突部8、溝部18参照)に係合されて上記両ケース2,3の相対回転を規制する中立固定ピン20と、該中立固定ピン20に一体的に設けられて上記ハーネス15を係脱可能に係止するフック24と、を備えたものである(図1、図2、図8〜図10参照)。
【0053】
この構成によれば、上記所定長さのハーネス15を係脱可能に係止するフック24を、中立固定ピン20に一体に設けたので、部品点数の削減を図りつつ、該ハーネス15の仮止めを行なうことができ、また、ハーネス15はフック24から簡単に取外せるので、組付けの作業性向上を図ることができる。
換言すれば、上記中立固定ピン20により、両ケース2,3の相対回転規制機能と、ハーネス15の仮止め機能とを兼ねることができる。
【0054】
図8〜図10で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と同様であるから、図8〜図10において、前図と同一の部分には同一符合を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例3】
【0055】
図11は回転コネクタ装置のさらに他の実施例を示す。
この実施例においては、中立固定ピン20における係止爪26と反対の側に、断面L字形状のフック24(可撓変形しないフック)を一体形成し、このフック24の開口24dが第2ケース3のステアリングホイール側の外面(図示の上面)に対して、ハーネス15の外径よりも近接して対面するように設けられたものである。
つまり、フック24の開口24dを下向きに形成し、ハーネス15をフック24と第2ケース3の外側との面で仮り保持するように構成したものである。
【0056】
この実施例の場合、中立固定ピン20を溝部18に差込んで嵌合すると、第1および第2の両ケース2,3の相対回転を規制することができると共に、フック24の下部に形成されるハーネス保持空間(略閉空間)内に、ハーネス15を仮り保持することができる。
しかも、中立固定ピン20を溝部18から引き抜くと、自然とハーネス15が開放されるものである。
【0057】
このように、図11で示した実施例(請求項1、4、5に相当)においては、上記フック24の開口24dは、上記第1または第2ケース(この実施例では第2ケース3)の外面に対して、上記ハーネス15径よりも近接して対面するように設けられたものである(図11参照)。
この構成によれば、ハーネス15の仮止め時にはフック24とケース3外面との間で、ハーネス15を仮止め保持することができ、中立固定ピン20を引き抜くと簡単にハーネス15を取外すことができる。また中立固定ピン20のフック24からハーネス15を外す必要がなくなる。
【0058】
図11で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図11において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。なお、図11に示す中立固定ピン20の上下方向の中間部には、図示しない軽量化用の開口を形成してもよい。
【実施例4】
【0059】
図12は回転コネクタ装置のさらに他の実施例を示す。
この実施例においては、中立固定ピン20における係止爪26と反対の側に、断面鉤爪形状のフック24を一体形成し、このフック24の開口24dが第2ケース3のステアリングホイール側の外面に対して、ハーネス15の外径よりも近接して対面するように設けられたものである。
【0060】
つまり、フック24の開口24dを下向きに形成し、ハーネス15をフック24と第2ケース3の外面との間で仮り保持するように構成したものである。
しかも、このフック24は、図12に示すように、中立固定ピン20を、第1および第2の両ケース2,3と係合させた状態下において、該フック24の開口24dに対して上記ハーネス15を所定荷重以上で外方から内方に向けて挿通できる弾性を備えている。
【0061】
すなわち、上述のフック24の外方からコード16乃至ハーネス15を横方向に所定荷重以上で押圧すると、該フック24はその遊端が上方に変位して、開口24dが拡大され、拡大された開口24dからコード16乃至ハーネス15がフック24下部の略閉空間内に保持され、上述のフック24はその弾性復元力にて元位置(図12に実線で示す位置)に復帰する。一方、中立固定ピン20を溝部18から引き抜くと、ハーネス15は自然に開放されるものである。
【0062】
このように、図12で示した実施例(請求項1、4、5、7に相当)においては、上記フック24の開口24dは、上記第1または第2ケースの外面(この実施例では第2ケース3の外面)に対して、上記ハーネス15の外径よりも近接して対面するように設けられたものである(図12参照)。
この構成によれば、ハーネス15の仮止め時にはフック24とケース3外面との間で、ハーネス15を仮止め保持することができ、中立固定ピン20を引き抜くと簡単にハーネス15を取外すことができる。また中立固定ピン20のフック24からハーネス15を外す必要がなくなる。
【0063】
また、上記フック24は、上記中立固定ピン20を上記両ケース2,3と係合させた状態下において、該フック24の開口24dに対して上記ハーネス15を所定荷重以上で挿通できる弾性を備えたものである(図12参照)。
この構成によれば、フック24が上記弾性を備えているので、ハーネス15を着脱可能としつつも、弾性を有する該フック24にてハーネス15の離脱を抑制することができる。
【0064】
図12で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図12において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例5】
【0065】
図13、図14は回転コネクタ装置のさらに他の実施例を示す。
図13は中立固定ピン20を係合状態に嵌合した時の断面図、図14は無負荷時の中立固定ピン20を示す説明図である。
【0066】
図13、図14に示すうように、この実施例においては、中立固定ピン20における係止爪26と反対の側に、断面逆L字状のフック24を一体形成し、このフック24のハーネス保持部24aの下端には、フック開放抑制部としてのガイド片24eを一体形成している。
また、この実施例においては、第2ケース3側の溝部18上端の径方向外方にテーパ部9eをもった凹部43を形成している。
【0067】
ここで、上述のフック24の開口24dは図13、図14に示すように上記凹部43と対向すべく下向きに形成されている。しかも、該フック24は、その無負荷時の状態を図14に実線で示す如く、開口24dがハーネス15の外径以上となる形状に構成されており、図13に示すように、中立固定ピン20を溝部18に差込んで係合状態と成す時、第2ケース3のテーパ部9eにてフック24下端のガイド片24eが開口24dを挟める方向に案内され、これら両者9e,24eによりフック24の開口拡大を抑制し、該フック24と凹部43との間に、ハーネス15を仮り保持するものである。
【0068】
一方、溝部18に嵌合した中立固定ピン20を引き抜くと、フック24は図14の仮想線の状態から同図に実線で示すように、その開口24dがハーネス15の外径以上に拡大し、フック24の下方が開放されるので、ハーネス15を自然に取り出すことができる。
【0069】
このように、図13、図14で示した実施例(請求項1、2、3、5に相当)においては、上記第2ケース3は、上記中立固定ピン20が係合状態の時、該中立固定ピン20が挿入される溝部18を備え、上記フック24は、上記中立固定ピン20が係合状態の時、上記溝部18に嵌合して上記フック24の開口拡大を抑制するフック開放抑制部(ガイド片24e参照)を備えたものである(図13、図14参照)。
この構成によれば、上記フック24にフック開放抑制部(ガイド片24e参照)を設けたので、中立固定ピン20の係合状態下において、ハーネス15を強く係止することができ、またハーネス15の取り外し時には、該ハーネス15を容易に取外すことができる。
【0070】
また、上記フック24は、無負荷時に該フック24の開口24dが上記ハーネス15の外径以上となる形状に構成されたものである(図14参照)。
この構成によれば、中立固定ピン20を引き抜くと、フック24の開口24dがハーネス15径以上に開放するので、ハーネスを容易に取外すことができる。
【0071】
ここで、上述の溝部18に中立固定ピン20を係合する構成に代えて、第2ケース3側に開口部(図示せず)を設け、この開口部に対して中立固定ピン20を係合する構成を採用してもよいことは勿論である。
図13、図14で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と略同様であるから、図13、図14において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0072】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の第2平面部は、実施例のベースプレート10に対応し、
以下同様に、
円環状空間は、リング状の空間13に対応し、
第1係合部は、固定突部8に対応し、
第2係合部は、溝部18に対応し、
固定ピンは、中立固定ピン20に対応し、
フック開放抑制部は、連接片24b、ガイド片24eに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、既述したように第2係合部としては溝部18に代えて、開口部であってもよく、請求項4におけるフック24の開口24dが第2ケース3の外面に対してハーネス径よりも近接して対面する構成に代えて、第1ケース2の外面に対してハーネス径よりも近接して対面する構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の回転コネクタ装置を示す斜視図
【図2】図1のA−A線矢視断面図
【図3】図2の要部斜視図
【図4】図2の要部拡大図
【図5】中立固定ピンの側面図
【図6】図5のB−B線矢視断面図
【図7】インストルメントパネルモジュールの車体に対する取付けを示す説明図
【図8】中立固定ピンの他の実施例を示す側面図
【図9】図8のD−D線矢視断面図
【図10】図8、図9で示した中立固定ピンの斜視図
【図11】回転コネクタ装置の他の実施例を示す断面図
【図12】回転コネクタ装置のさらに他の実施例を示す断面図
【図13】回転コネクタ装置のさらに他の実施例を示す断面図
【図14】中立固定ピンの側面図
【符号の説明】
【0074】
1…回転コネクタ
2…第1ケース
2a…第1円筒部
2b…第1平面部
3…第2ケース
8…固定突部(第1係合部)
9…第2円筒部
10…ベースプレート(第2平面部)
13…空間(円環状空間)
14…フラットケーブル
15…ハーネス
18…溝部(第2係合部)
20…中立固定ピン(固定ピン)
24…フック
24b…連接片(フック開放抑制部)
24d…開口
24e…ガイド片(フック開放抑制部)
30…インストルメントパネルモジュール
36…車体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1円筒部および該第1円筒部の軸方向一方側端から径方向外側に延びる第1平面部を有する第1ケースと、
上記第1ケースよりも大きい第2円筒部および該第2円筒部の軸方向他方側端から径方向内側に延びる第2平面部を有し、かつ、上記第1ケースと相対回転可能に嵌合される第2ケースと、
上記両ケースにより形成される円環状空間内に収容され、一端が第1ケースの第1円筒部に連結され、他端が第2ケースの第2円筒部に連結された可撓性のフラットケーブルと、
該フラットケーブルの一端に連結され、上記両ケースよりも外側に設けられた所定長さのハーネスと、
上記第1ケースに設けられた第1係合部と、
上記第2ケースに設けられた第2係合部と、
上記両係合部に係合されて上記両ケースの相対回転を規制する固定ピンと、
該固定ピンに一体的に設けられて上記ハーネスを係脱可能に係止するフックと、
を備えたことを特徴とする
回転コネクタ装置。
【請求項2】
上記第2ケースは、上記固定ピンが係合状態の時、該固定ピンが挿入される開口部または溝部を備え、
上記フックは、上記固定ピンが係合状態の時、上記開口部または溝部に嵌合して上記フックの開口拡大を抑制するフック開放抑制部を備えた
請求項1記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
上記フックは、無負荷時に該フックの開口が上記ハーネス径以上となる形状に構成された
請求項2記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
上記フックの開口は、上記第1または第2ケースの外面に対して、上記ハーネス径よりも近接して対面するように設けられた
請求項1記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
上記ハーネスはステアリングホイールエアバッグ用であり、
上記回転コネクタは自動車のステアリングシャフトに取付けられ、
ステアリングホイールの未装着状態で車体取付け前のインストルメントパネルモジュールに組込まれる
請求項1〜4の何れか1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
上記フックは、上記両ケースから離れた側に該フックの開口が形成された
請求項1〜3の何れか1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
上記フックは、上記固定ピンを上記両ケースと係合させた状態下において、該フックの開口に対して上記ハーネスを所定荷重以上で挿通できる弾性を備えた
請求項1〜6の何れか1に記載の回転コネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−113806(P2010−113806A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282688(P2008−282688)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】