説明

回転ドア装置

【課題】 回転ドアに通行者が衝突したり、回転ドアと出入り口の縁との間に通行者が挟み込まれたりする可能性を低減させる。
【解決手段】 対向する出入り口4a、4bを形成する円弧状の外壁パネル2a、2bに沿って仕切りパネル6が回転可能に設けられ、それの戸先に円弧パネル10a、10bが設けられている。出入り口4a、4bの縁近傍にゲート36が設けられている。ゲート36は、円弧パネル10a、10bの回転方向側にある閉じ位置付近への通行者の侵入を阻止する閉状態と、前記閉じ位置付近への通行者の侵入を可能とする開状態とを選択的にとる。このゲート36を前記開状態または閉状態にコントローラ42が制御する。コントローラ42は、円弧パネル10a、10bの戸先が閉じ位置付近を通過している間、ゲート36を閉状態にし、その後に開状態とする回転ドア装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ドア装置に関し、特に回転ドアの出入り口への通行者の駆け込みに対する安全装置を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
回転ドア装置では、円筒壁の内部を回転するように円筒壁内に回転ドアが設けられている。円筒壁には、対向して出入り口が設けられている。出入り口に通行者が入るときに、誤って出入り口の縁と回転ドアとの間に通行者が挟まれたり、回転ドアに衝突したりすることがある。この点を改善するために、例えば特許文献1に開示されているような技術が提案されている。
【0003】
特許文献1の技術では、出入り口の上方であって出入り口の縁付近の天蓋に、その直下を通過する通行者を検出する光電センサを配置し、出入り口の縁付近に位置する通行者をこの光電センサによって検出する。また、出入り口の縁に設けたタッチセンサによって、出入り口の縁に接触した通行者を検出する。光電センサまたはタッチセンサによって通行者が検出された場合、回転ドアは停止又は減速される。また、回転ドア自体にも光電センサが設けられ、出入り口上及び出入り口よりも内側にいる通行者を検出した場合にも、回転ドアは停止又は減速される。
【0004】
【特許文献1】実開平6−56445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この技術では、出入り口の縁付近に光電センサやタッチセンサが設けられているので、これらのいずれかが通行者を検知して、直ちに回転ドアに減速または停止の指令を与えても、回転ドアは慣性等の影響を受けており、瞬時に停止又は減速することがない。そのため、回転ドアと出入り口の縁との間に通行者が挟まれる可能性があった、また、回転ドアに設けられている光電センサによって、出入り口上及びそれより内側の位置で通行者を検知し、回転ドアに減速または停止の指示を与えても、瞬時に停止又は減速することができず、回転ドアに通行者が衝突する可能性がある。
【0006】
本発明は、回転ドアに通行者が衝突したり、回転ドアと出入り口の縁との間に通行者が挟み込まれたりする可能性を低減させる回転ドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による回転ドア装置は、対向する出入り口を形成する円弧状の外壁パネルを有している。この外壁パネルは、例えば円筒形に形成し、これに対向するように出入り口を形成したものでもある。この外壁パネルに沿って回転可能に仕切りパネルが設けられている。この仕切りパネルの戸先には、出入り口を開閉する円弧パネルが設けられている。前記出入り口の縁近傍であって、円弧パネルの回転方向側にある閉じ位置付近への通行者の侵入を阻止する閉状態と、前記閉じ位置付近への通行者の侵入を可能とする開状態とを選択的にとるようにゲートが設けられている。このゲートは、例えば前記出入り口の縁近傍であって、出入り口の外側に設けることができる。閉じ位置付近は、例えば出入り口における円弧パネルの回転方向側の縁の近傍に円弧パネルが到達した位置から、出入り口の円弧パネルの回転方向側の縁までの区間である。ゲートは制御手段によって開状態または閉状態とされる。制御手段は、円弧パネルの先端が閉じ位置付近を通過している間にはゲートを閉状態にし、その後に開放させる。
【0008】
このように構成した回転ドア装置では、円弧パネルが閉じ位置付近を通過している間、ゲートによって閉じ位置付近への通行者の侵入が阻止されているので、通行者の駆け込みを防止することができる。しかも、ゲートは、円弧パネルが閉じ位置付近を通過していない間には、開状態とされているので、この間には通行者の通行は阻害されない。このように、この回転ドア装置では、通行者の通行性を確保しつつ、通行者の駆け込みを防止することができる。
【0009】
閉じ位置付近であって回転ドア装置の外側に存在する通行者を検知するセンサを設けることができる。この場合、制御手段は、円弧パネルの先端が閉じ位置付近を通過する前からセンサが検知状態である場合には、ゲートを予め定めた速度よりも低速度で閉状態とする。
【0010】
このように構成した回転ドア装置では、円弧パネルが閉じ位置付近に到達する前から閉じ位置付近に通行者が待機している場合、低速度でゲートが閉状態に移行するので、この低速度での移行に通行者が気づき、自分でゲートから離れることができ、ゲートに通行者が接触することを回避できる。なお、ゲートに通行者が接触した場合に備えて、ゲートにセンサを設け、このセンサが通行者を検出したとき、ゲートを停止させることもできる。
【0011】
或いは、ゲートは、外壁パネルの出入り口の縁から外方側に離れた側を回転軸として、上記通行者が閉じ位置付近に侵入しようとする経路にほぼ平行な位置にある状態を開状態とし、上記経路に交差する状態を閉状態とし、開状態から閉状態まで揺動するパネルを備えているものとできる。
【0012】
このように構成すると、ゲートが開状態から閉状態に移行する際に、パネルは出入り口から離れる方向に揺動するので、円弧パネルとゲートのパネルとの間に通行者を挟み込むことが無く、更に安全性が向上する。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、円弧パネルが閉じ位置付近を通過する際、ゲートが閉状態となることにより、円弧パネルに通行者が衝突したり、円弧パネルと出入り口の縁との間に通行者が挟み込まれたりする可能性を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態の回転ドア装置は、図2(a)、(b)に示すように、外壁パネル2a、2bを有している。外壁パネル2a、2bは、同一の円弧状に形成され、建物の壁に形成された開口に取り付けられている。この開口を挟んで対向するように出入り口4a、4bを外壁パネル2a、2bが形成している。
【0015】
外壁パネル2a、2bの内部には、回転ドア、例えば仕切りパネル6が配置されている。仕切りパネル6は、外壁パネル2a、2bの直径方向に沿って配置され、その両端が外壁パネル2a、2bの内面にほぼ到達している。仕切りパネル6は、外壁パネル2a、2bの中心を中心として外壁パネル2a、2b内を例えば図2(a)における反時計方向に回転する。仕切りパネル6の中央には、引戸、例えば自動引戸8が設けられている。この引戸は両引きのものである。仕切りパネル6の両端部には、それぞれ円弧パネル10a、10bが取り付けられている。円弧パネル10a、10bは、出入り口4a、4bを閉鎖可能な大きさのもので、仕切りパネル6が回転している途中で、同時に出入り口4a、4bを閉鎖する。12a、12bは、仕切りパネル6の直線状壁体、14a、14bは、仕切りパネル6の円弧壁である。
【0016】
仕切りパネル6は、回転可能な天井に吊り下げられている。図3に示すように、仕切りパネル6の駆動は、駆動手段、例えばモータ16によって回転可能な天井を回転させることによって行われる。また、仕切りパネル6の制動は、制動手段、例えば電磁ブレーキ18によって行われる。モータ16、電磁ブレーキ18の制御は、仕切りパネル制御手段、例えば可動制御盤20によって行われる。図示しない回転検出装置が出入り口4aまたは4bにおいて通行者を検出したときに、仕切りパネル6を回転させるように、可動制御盤20がモータ16を回転させる。なお、自動引戸8を開閉するための構成も装備されているが、本願発明と直接に関連しないので、詳細な説明は省略する。可動制御盤20は、上記回転可能な天井に取り付けられている。
【0017】
仕切りパネル6の回転中において仕切りパネル6の回転方向の前端が、閉じ位置付近、例えば戸挟み区間を移動する際、通常の速度よりも仕切りパネル6が減速するように、可動制御盤20がモータ16及び電磁ブレーキ18を制御する。戸挟み区間は、出入り口4a、4bの回転方向側の端部を終点とし、この端部から所定角度だけ回転方向と反対側に回転した位置を始点とする円弧パネル10a、10bの移動領域である。この戸挟み区間を円弧パネル10a、10が回転する際に仕切りパネル6を減速しておけば、後述するように、通行者が仕切りパネル6と出入り口4a、4bの回転方向側端部との間に挟み込まれそうになったとき、停止指示を可動制御盤20からモータ16や電磁ブレーキ18に与えることによって、直ちに仕切りパネル6を停止することができる。
【0018】
この戸挟み区間を検出するために、戸挟み区間検出手段、例えばリードスイッチ22と、N及びS極の磁石体24N、24Sが設けられている。磁石体24N、24Sは、例えば円弧パネル10a、10bと共に回転する上記天井に設けられ、リードスイッチ22は、この回転する天井の外側の固定天井に設けられている。円弧パネル10a、10bが戸挟み区間の始点に対応する位置を通過するとき、磁石体24Nがリードスイッチ22の設置位置を通過し、リードスイッチ22はオンとなる。また円弧パネル10a、10bが戸挟み区間の終点を通過するとき、磁石体24Sがリードスイッチ22を通過し、リードスイッチ22はオフとなる。このリードスイッチ22のオンまたはオフの信号は、固定制御盤26を介して可動制御盤20に供給される。従って、リードスイッチ22がオンとなっている間、可動制御盤20は円弧パネル10a、10bを減速させている。
【0019】
また、上述したような円弧パネル10a、10bと出入り口4a、4bの回転方向側端部との間の挟み込みや、円弧パネル10a、10bへの通行者の衝突を未然に防止するために、この回転ドア装置には、安全センサが設けられている。安全センサが通行者を検出したとき、その検出信号に基づいて可動制御盤20がモータ16、電磁ブレーキ18を制御して、円弧パネル10a、10bを減速又は停止させる。
【0020】
安全センサとして、例えば可動側安全センサ28と、固定側安全センサ30とがある。
【0021】
可動側安全センサ28としては、例えばエッジセンサがある。これは、円弧パネル10a、10bの回転方向側端部に設けられ、これに通行者が接触したとき、その接触を検知した検知信号を可動制御盤20に供給する。これに応じて、円弧パネル10a、10bは減速又は停止される。
【0022】
固定側安全センサ30としては、例えばコラムセンサがある。コラムセンサは、出入り口4a、4bの回転方向側端部にある方立34、34に、その高さ方向に沿って所定間隔ごとに設けられた反射型光電センサで、戸挟み区間における出入り口4a、4bの回転方側端部に近い領域に使用者が存在するとき、検知信号を固定制御盤26を介して可動制御盤20に供給する。これに応じて、可動制御盤20が円弧パネル10a、10bを減速又は停止させる。更に、固定側安全センサとして、方立ゴムスイッチがある。方立ゴムスイッチは、方立34、34から出入り口4a、4b側に方立34、34の長さ方向に沿って突出させて設けられ、これに通行者が接触したとき、検知信号を固定制御盤26を介して可動制御盤20に供給する。これに応じて、制御装置20が円弧パネル10a、10bを減速又は停止させる。更に、固定側安全センサ30としては、戸挟み防止センサがある。戸挟み防止センサは、戸挟み区間の上方の外壁パネル2a、2bの非回転の天井に固定された反射型の光電センサで、天井から床面に向かう検知領域を形成する。この検知領域は出入り口4a、4bの近傍に設けられ、この領域内に通行者が存在する場合に、検知信号を固定制御盤26を介して可動制御盤20に供給する。これに応じて可動側制御盤20が円弧パネル10a、10bを減速または停止させる。
【0023】
これら安全センサ28、30は、出入り口4a、4bまたはこれに接近した位置に通行者が存在する場合に、これを検知し、円弧パネル10a、10bを減速又は停止させるものであるが、戸挟み区間を円弧パネル10a、10bが通過している際、通行者が戸挟み区間に物理的に侵入不能とした方がより高い安全性が得られる。
【0024】
そこで、この回転ドア装置では、図1(a)、(b)に示すように、出入り口4a、4bの回転方向側端部に近い床上の位置に、ゲート36が設置されている。ゲート36は、対向する2つの端部間に対向する2つの主表面を有する扁平な直方体状のゲート本体36aを有している。このゲート本体36aは、図2(b)に示すように、それの一方の端部が外壁パネル2a、2bとの間にわずかな隙間を有し、主面が開口4a、4bに対してほぼ垂直(通行者ができ入口4a、4bに向かう通行経路とほぼ平行)となるように配置されている。上記隙間から例えば出入り口4a、4bに向かって通行者が駆け込もうととしても、通行者が通過不能なように隙間が選択されている。
【0025】
ゲート本体36aの出入り口4a、4b側の主表面にはパネル38が設けられている。このパネル38は、その回転軸が出入り口4a、4bから離れた側に位置し、主表面と平行な状態、即ち、出入り口4a、4bに向かう通行者の経路とほぼ平行な開放位置と、この開放位置から揺動して上記通行者の経路と交差する閉鎖位置とのうち、いずれかの位置をとることができるものである。開放位置のパネル38が位置する状態では、通行者は出入り口4a、4b内に入ることが可能であるが、閉鎖位置にパネル38が位置する状態では、通行者は出入り口4a、4b内に侵入することは不可能である。なお、パネル38は、剛性の大きい材料によって構成し、その外表面を緩衝材で覆ったものとすることもできるし、或いは全体をゴムのような弾性材によって構成することもできる。
【0026】
このパネル38は、図3に示すように、駆動手段、例えば減速機付きモータ40によって前記開放位置と閉鎖位置との間を揺動させられる。この減速機付きモータ40の制御は、制御手段、例えばコントローラ42によって行われる。この制御を行うために、コントローラ42には、固定制御盤26を介してリードスイッチ22の信号が供給されている。さらに、センサ44の検出信号がコントローラ42に直接に供給され、更に、センサ46の検出信号が固定制御盤26を介してコントローラ42に供給されている。
【0027】
センサ44は、図1(b)に示すようにゲート本体36aにおいて、パネル38の上下にそれぞれ設けられた光電センサで、図1(a)、(b)、図2(b)に示すように戸挟み区間の外方側に通行者の通行経路を横切るように、検知領域44a、44bを形成している。この検知領域44a、44bにおいて通行者を検出したとき、検出信号をコントローラ42に供給する。なお、検知領域44a、44bは、閉鎖位置にあるパネル38を検出可能に作成されている。
【0028】
センサ46は、固定側安全センサの戸挟み防止センサと同様に、戸挟み区間の上方の外壁パネル2a、2bの非回転の天井に固定された反射型の光電センサで、図1(a)、図2(b)に示すように天井から床面に向かい、通行者の通行経路を横切る検知領域46aを形成する。この検知領域46aは、検知領域44a、44bよりも広い。この検知領域46a内に通行者が存在する場合に、検知信号を固定制御盤26を介して可動制御盤20に供給する。
【0029】
コントローラ42によるゲート36の制御を図4に示すフローチャートに従って説明する。まず、コントローラ42は、減速機付きモータ40を駆動して、ゲート36のパネル38を開放位置に移動させる(ステップS2)。これによって通行者は、パネル38に阻害されることなく、出入り口4a、4bを通過することができる。次に、円弧パネル10a、10bが閉じ位置付近、即ち戸挟み区間の通過を開始したか判断する(ステップS4)。具体的には、リードスイッチ22がオンであるかコントローラ42が判断する。この判断の答えがノーである場合、この判断の答えがイエスになるまで、ステップS4が繰り返される。従って、円弧パネル10a、10bが閉じ位置付近に到達していないときには、パネル38は開放位置に位置し、通行者は自由に出入り口4a、4b内に出入りできる。
【0030】
ステップS4の判断の答えがイエスになると、閉じ位置付近(戸挟み区間)を円弧パネル10a、10bが通過する前から、センサ44または46が通行者を検知していたかコントローラ42が判断する(ステップS6)。即ち、ゲート36の近傍に、通行者が既に存在しているかコントローラ42が判断する。この判断の答えがノーであると、コントローラ42が減速機付きモータ40を制御して、パネル38を閉鎖位置まで移動させる(ステップS8)。これによって、円弧パネル10a、10bが閉じ位置付近を通過している間であって通行者が閉じ位置付近に存在しない場合には、パネル38によって閉じ位置付近へ通行者が新たに駆け込むことが物理的に阻止される。
【0031】
次に、コントローラ42は、まだ円弧パネル10a、10bの戸先が閉じ位置付近を通過中であるか判断する(ステップS10)。この判断の答えがイエスの場合、ステップS8が実行される。従って、ステップS10の判断の答えがイエスの間、パネル38による通行阻止の状態が維持される。ステップS10の判断の答えがノーの場合、即ち円弧パネル10a、10bの戸先が閉じ位置付近を通過し終わっていると、ステップS2が実行され、パネル38は開放位置に移動する。これによって、再び通行者の通行が可能となる。
【0032】
ステップS6の判断の答えがイエスの場合、即ち、円弧パネル10a、10bの戸先が閉じ位置付近に到達する前から通行者が閉じ位置付近に存在していると、コントローラ42は、減速機付きモータ40を制御して、パネル38を通常の速度(通行者が閉じ位置付近に存在しないときのパネル38の移動速度)よりも遅い速度で閉鎖位置まで移動させる(ステップS12)。
【0033】
通行者が閉じ位置付近にまだ存在していない場合には、速い速度でパネル38を閉鎖位置まで移動させて、迅速に駆け込みを防止できる状態にすることが望ましい。しかし、既に閉じ位置付近に通行者がいる場合に、速い速度でパネル38を閉鎖位置に移動させると、パネル38が通行者に接触する可能性がある。そこで、遅い速度でパネル38を移動させ、閉じ位置付近に存在する通行者にパネル38の移動を気づかせて、通行者が自分の意思でパネル38に接触しないように移動することを促している。なお、パネル38の回転軸は、上述したように出入り口4a、4bから離れた位置にあるので、パネル38が開放位置から閉鎖位置に移動する場合、パネル38の移動によって通行者は必然的に出入り口4a、4bから遠ざかる。従って、このパネル38の移動の際に、通行者が移動中のパネル38と円弧パネル10a、10bとの間に挟まれることはない。
【0034】
ステップS12に続いて、通行者がパネル38に接触したかコントローラ42が判断する(ステップS14)。これは、図示していないが、例えばパネル38内に通行者の接触を検知可能なセンサを設けてあり、これが通行者を検知したかコントローラ42が判断することによって行われる。
【0035】
この判断の答えがノーの場合、コントローラ42は、円弧パネル10a、10bの先端が閉じ位置付近を通過しているか判断する(ステップS16)。この判断の答えがイエスの場合、ステップS12、S14、S16が実行される。そして、ステップS16の判断の答えがノーである限り、パネル38は閉鎖位置に向かって低速で移動をする。そして、ステップS16の判断の答えがイエスになったとき、即ち、円弧パネル10a、10bの先端が閉じ位置付近を通過し終わると、ステップS2が実行され、パネル38は開放位置に移動する。
【0036】
ステップS14における判断の答えがイエスになると、即ち、パネル38が通行者に接触すると、コントローラ42は、パネル38の移動を停止させる(ステップS18)。そして、円弧パネル10a、10bが閉じ位置付近を通過したか判断する(ステップS20)。この判断の答えがイエスの場合、ステップS20が再び実行される。従って、通行者がパネル38に接触すると、その接触した位置でパネル38は停止し、その停止状態を円弧パネル10a、10bが閉じ位置付近を通過し終わるまで維持する。ステップS20の判断の答えがノーになると、ステップS2を実行し、パネル38を開状態とする。即ち、停止させていたパネル38を開放位置まで移動させる。
【0037】
なお、上記の実施の形態では、センサ44、46を用いたが、いずれか一方のみを使用することもできる。
【0038】
本発明の第2の実施形態の回転ドア装置を図5に示す。この実施の形態では、パネル38の回転軸が出入り口4a、4bに近い側のゲート本体部36aの端部側にある以外、第1の実施の形態と同様に構成されている。同等部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0039】
本発明の第3の実施形態の回転ドア装置を図6(a)、(b)、図7に示す。この実施の形態では、図6(b)、図7に示すように、ゲート136では、固定柵140が出入り口4a、4bの閉じ位置付近の近傍に設けられ、この固定柵140にパネル138が取り付けられている。このパネル138の回転軸は、出入り口4a、4bから離れた固定柵140の端部側にある。この固定柵140の上記回転軸がある側にゲート本体部136aがあり、ここにセンサ144a、144bが取り付けられている。センサ144aはパネル138の上縁よりも上方に、センサ144bはパネル138の下縁よりも下方に位置している。これらセンサ144a、144bは、センサ44と同様に光電センサで、それらの検知領域144aAと、144bAとは、図7に示すようにパネル138の閉鎖位置(破線で示す)を内部に含むように、出入り口4a、4b側に向かって斜めに形成され、図6(a)に示すようにそれぞれ交差するように形成されている。他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成されている。同等部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
本発明の第4の実施形態の回転ドア装置を、図8(a)、(b)及び図9に示す。
この実施形態では、ゲート236のゲート本体236aが、その主表面を出入り口4a、4bに向かう通行経路に対してほぼ垂直に向けた状態で配置されている。パネル238は、このゲート本体236aの出入り口4a、4bに近い端部から通行経路内に進退する。センサ344は、図8(b)に示すようにパネル238の上下にそれぞれ設けられ、通行経路内に検知領域244a、244aをそれぞれ形成している。他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成されている。同等部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
上記の各実施の形態では、ゲート36、136、236は、出入り口4a、4bの縁にある方立34と間隔をあけて配置したが、方立34に結合するようにゲート36、136、236を設けることもできる。上記の各実施の形態では、センサ44、144a、144b、244、46には光電センサを使用したが、これに限ったものではなく、例えば測距式のセンサを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態の回転ドア装置の正面図及び、この回転ドア装置に使用されているゲートを側方から見た図である。
【図2】図1の回転ドア装置の平面図及びその部分拡大図である。
【図3】図1の回転ドア装置のブロック図である。
【図4】図1の回転ドア装置のコントローラが実行するプログラムのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態の回転ドア装置の部分拡大平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の回転ドア装置の正面図及び、この回転ドア装置に使用されているゲートを側方から見た図である。
【図7】図6の回転ドア装置の部分拡大平面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態の回転ドア装置の正面図及び、この回転ドア装置に使用されているゲートを側方から見た図である。
【図9】図8の回転ドア装置の部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0043】
2a、2b 外壁
4a、4b 出入り口
6 仕切り壁
10a、10b 円弧パネル
36 136 236 ゲート
38 138 238 パネル
42 コントローラ(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する出入り口を形成する円弧状の外壁パネルと、
この外壁パネルに沿って回転可能に設けられた仕切りパネルの先端に設けられている、出入り口を開閉する円弧パネルと、
前記出入り口の縁近傍であって、円弧パネルの回転方向側にある閉じ位置付近への通行者の侵入を阻止する閉状態と、前記閉じ位置付近への通行者の侵入を可能とする開状態とを選択的にとるゲートと、
このゲートを前記開状態または閉状態とする制御手段とを、
具備し、前記制御手段は、前記円弧パネルの先端が閉じ位置付近を通過している間に前記ゲートを前記閉状態にし、その後に前記開状態とする回転ドア装置。
【請求項2】
請求項1記載の回転ドア装置において、前記閉じ位置付近であって前記出入り口の外側に存在する通行者を検知するセンサが設けられ、前記制御手段は、前記円弧パネルの先端が前記閉じ位置付近を通過する前から、前記センサが検知状態である場合には、前記ゲートを予め定めた速度よりも低速度で閉状態とする回転ドア装置。
【請求項3】
請求項1記載の回転ドア装置において、前記ゲートは、前記出入り口から外方側に離れた側を回転軸として、前記通行者が前記閉じ位置付近に侵入しようとする経路にほぼ平行な位置にある状態を前記開状態とし、上記経路に交差する状態を前記閉状態とし、前記開状態と前記閉状態との間で揺動するパネルを備えている回転ドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−2465(P2006−2465A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180930(P2004−180930)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】