説明

回転成形装置およびその使用方法

充填および非充填「枕」型製品などの製品を製造するための、回転成形装置および回転成形装置の使用方法である。一実施形態において、本発明は、複数の排出口を画成するダイプレートを含む筐体を含む装置を提供する。筐体は注入口を画成する。レースプレートはダイプレートに取り付けられている。レースプレートはダイプレートの排出口に外接する。成形輪はダイプレートに回転可能に取り付けられている。モータアセンブリは成形輪に取り付けられている。モータアセンブリは、成形輪を内サイクロイド運動で回転させるように、構成および配置されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、その開示が参照によって本願に援用される、2008年4月29日出願の米国仮出願番号第61/125,854号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、一般には製品成形装置に関し、特に、充填および非充填「枕(pillow)」型製品などの製品を製造するための回転成形装置、並びに回転成形装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]「枕」型の粒またはビスケットなどの製品は現在、一般的には押し出し機の排出口から2〜3メートル離れた位置にある独立型圧着装置によって作られる。そしてロープ状の押し出し成形品がこの圧着装置に搬送され、枕が成形されて、「スプロケット」圧着装置を使用して密封される。このタイプの圧着装置は、もつれやすく、処理量が制限され、高額であり、例えば多額の資本投資を必要とする。押し出し機の処理速度は、その他の従来型の圧着機によっても制限される。
【0004】
[0004]二重の多様食感食品もまた、従来の圧着機を使用して作られることが可能である。二重の多様食感食品は、ある材料からなる円筒形の外部殻と、異なる材料からなる中身または核とを同時押し出しすることによって、作られることが可能である。殻および核の材料の粘度が十分に高ければ、押し出されたロープを回転刃によって切断して、より小さいかけらまたは粒にすることが可能である。逆に、核の材料の粘度が低いと、切断された後に核の材料が殻から流れ出してしまう可能性がある。したがって、ロープをより小さいかけらに切断するだけではなく、流出し得るな核を包み込んで保持するために、殻の両端を圧着する必要がある。粉末充填粒または粒状物充填粒などの圧着粒の製造は、核内の繊細な材料を保護する、または不快な匂いを塞ぐ、方法でもある。
【0005】
[0005]核層が完全に包み込まれた中心充填粒を製造する現在の技術は、押し出し後に別の圧着機を必要とし、製造ラインが長くなる。さらに、同時押し出しロープを引き出して圧着する方法は、連続的なロープが圧着器に供給され続けるよう保持してもつれを防止するなどの課題を伴う。その結果、これらの課題は、封止または圧着された中心充填粒の生産量を減少させる。したがって、充填または非充填の「枕」型製品を成形する、新しい装置および方法の需要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明は、回転成形装置、および回転成形装置の使用方法を提供する。一般的な実施形態において、本発明は、排出口を画成するダイプレート(die plate)と、ダイプレートに取り付けられたレースプレート(race plate)と、ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪(forming wheel)とを含む、成形装置を提供する。
【0007】
[0007]一実施形態において、ダイプレートは、押し出し機などの押し出し装置に取り付けられている。
【0008】
[0008]一実施形態において、レースプレートはダイプレートの排出口に外接し、成形輪はレースプレート内にて内サイクロイド運動で回転するように、構成および配置されている。
【0009】
[0009]一実施形態において、成形輪の円周外面は、成形輪の各回転中に、特定の位置においてレースプレートの内面と接触し続ける。
【0010】
[0010]一実施形態において、成形輪の回転は、ダイプレートの排出口を出る材料を、レースプレートの内面に対して押しつける。
【0011】
[0011]一実施形態において、ダイプレートは、複数の排出口を画成する。
【0012】
[0012]一実施形態において、成形輪の円周外面の点は、成形輪の連続回転中に、ダイプレート排出口上の同じ対応する点を通って移動する。
【0013】
[0013]一実施形態において、ダイプレートは、排出口内に同心の中実の核(solid core)をさらに含む。中実の核は、排出口よりも小さい幅、すなわち径を有する。
【0014】
[0014]一実施形態において、ダイプレートは、排出口内に同心内部排出口をさらに含む。内部排出口は、排出口よりも小さい幅、すなわち径を有する。
【0015】
[0015]一実施形態において、成形輪は、成形輪の円周面に、凹状の型形状を画成している。
【0016】
[0016]別の実施形態において、本発明は、複数の排出口を画成するダイプレートを含む筐体を含む、成形装置を提供する。筐体は注入口を画成する。レースプレートがダイプレートに取り付けられている。レースプレートは、ダイプレートの排出口に外接している。成形輪は、ダイプレートに回転可能に取り付けられている。モータアセンブリが成形輪に取り付けられている。モータアセンブリは、成形輪を内サイクロイド運動で回転するように、構成および配置されている。一実施形態において、筐体は、押し出し機などの押し出し装置に取り付けられている。一実施形態において、モータアセンブリの1つ以上の部品が、筐体内に配置されている。一実施形態において、モータアセンブリは、モータアセンブリの軸に取り付けられた、少なくとも1つのカウンタバランスを含む。
【0017】
[0017]一実施形態において、成形輪の回転は、ダイプレートの排出口を出る材料を、レースプレートの内面に対して押しつける。
【0018】
[0018]代替実施形態において、本発明は、製品を成形する方法を提供する。本方法は、排出口を画成するダイプレート、ダイプレートに取り付けられたレースプレート、およびダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪を提供するステップを含む。本方法は、ダイプレートの排出口を通じて第1の距離だけ材料を押し出すステップと、成形輪を回転させることによって、ダイプレートの排出口を出る材料の一部をレースプレートの内面に対して押しつけるステップと、をさらに含む。
【0019】
[0019]一実施形態において、レースプレートはダイプレートの排出口に外接し、成形輪は内サイクロイド運動で回転する。
【0020】
[0020]一実施形態において、材料は、シリアルを基本とした食品、タンパク質を基本とした食品、ヒト用食品、ペットフードなどのヒト以外の動物用食品、可塑性ポリマ、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
[0021]さらに別の実施形態において、本発明は、製品を成形する方法を提供する。本方法は、複数の排出口を画成するダイプレートと、ダイプレートに取り付けられて排出口に外接するレースプレートと、ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪と、を提供するステップを含む。本方法は、ダイプレートの排出口を通じて第1の距離だけ材料を押し出すステップと、成形輪を内サイクロイド運動で回転させることによって、ダイプレートの排出口を出る材料の第1の部分をレースプレートの内面に対して押しつけるステップと、をさらに含む。材料は、ダイプレートの排出口を通じて第2の距離だけ押し出され、ダイプレートの排出口を出る材料の第2の部分は、成形輪を内サイクロイド運動で回転させることによって、レースプレートの内面に対して押しつけられる。
【0022】
[0022]本発明の利点は、改良された製品成形装置を提供することである。
【0023】
[0023]本発明の別の利点は、改良された製品成形方法を提供することである。
【0024】
[0024]本発明のさらに別の利点は、従来の圧着技術よりも速い圧着製品の生産速度を有する製品成形方法を提供することである。
【0025】
[0025]本発明のさらに別の利点は、結果的に既存の製品成形機よりも少ない資本支出となる成形装置を提供することである。
【0026】
[0026]本発明の別の利点は、中心充填製品を作るための改良された装置を提供することである。
【0027】
[0027]本発明のさらに別の利点は、中心充填製品を作るための改良された方法を提供することである。
【0028】
[0028]本発明のさらに別の利点は、改良された製品成型装置を提供することである。
【0029】
[0029]さらなる特徴および利点は本明細書に記載されており、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態による回転成形装置の前面斜視図を示している。
【図2】本発明の実施形態による回転成形装置の裏面斜視図を示している。
【図3】本発明の実施形態による回転成形装置の前面立面図を示している。
【図4】本発明の実施形態によるモータアセンブリおよび成形輪の前面斜視図を示している。
【図5】本発明の実施形態によるダイプレートに対する成形輪の回転の、前面図を示している。
【図6】本発明の別の実施形態による回転成形装置の前面立面図を示している。
【図7】本発明の代替実施形態による回転成形装置の前面立面図を示している。
【図8】本発明の代替実施形態による成形輪の前面斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0038]本発明は、回転成形装置、および回転成形装置の使用方法を提供する。回転成形装置は、熱可塑性の押し出し材料を成形し、押し出された食品を連続的に成形するために、使用することができる。回転成形装置は、従来型の圧着機および成型機に代わって使用することができ、押し出し装置の末端に直接取り付けることができる。回転成形装置は、様々な用途における、圧着、押印、または成型製品に使用することができる。また、回転成形装置は、従来型のメス駆動と同じ空間要件を有することができ、それによって外部成形装置および機械的搬送機の必要性を排除する。その結果、成形装置は、押し出し機の出力速度を減少せず、従来型の圧着機と比較して安価である(例えば費用のおよそ10%)という、顕著な利点を有する。
【0032】
[0039]図1〜4に示される一般的な実施形態において、本発明は、1つ以上の排出口22を画成するダイプレート20を含む成形装置10を提供する。当然のことながら、ダイプレート20は、任意の数の排出口22を画成することができる。排出口22は、任意の適切な形状(例えば円形、正方形、または多角形)を有することができ、ダイプレート20上に任意に構成されることができる。
【0033】
[0040]成形装置10は、ダイプレート20の面に取り付けられたレースプレート30をさらに含む。一実施形態において、レースプレート30は、ダイプレート20の排出口22に外接している。例えば、レースプレート30は、ダイプレート20の排出口22に外接する中空円筒形の形状であってもよい。レースプレート30は、任意の適切な径、幅、および厚さを有することができる。
【0034】
[0041]図1および3に示されるように、成形輪40は、ダイプレート20に回転可能に取り付けられることが可能である。成形輪40は、レースプレート30の内面の内を、内面に沿って内サイクロイド運動で回転するように構成および配置されることが可能である。回転成形装置10の動作中、成形輪40の回転は、ダイプレート20の排出口22から出る材料を、成形輪40の外周面とレースプレート30の内面との間に押しつける。その結果、押し出された材料は、成形輪40およびレースプレート30の回転速度に応じて、その位置で切断されるか、または実質的にサイズが減少される。
【0035】
[0042]図1および4に示されるように、モータアセンブリ50は、例えば成形輪40の内周内で回転する1つ以上の軸受を介して、成形輪40に取り付けられることが可能である。モータアセンブリ50は、成形輪40を内サイクロイド運動で回転させるように、構成および配置されることが可能である。一実施形態において、モータアセンブリ50は、モータアセンブリ50の軸56に取り付けられた1つ以上のカウンタバランス54を含む。カウンタバランス54は、モータアセンブリ50がダイプレート20の面で、またはその付近で、レースプレート30内で成形輪40を回転させる際の安定性を提供することができる。
【0036】
[0043]一実施形態において、成形装置10は、ダイプレート20に取り付けられた筐体60をさらに含む。筐体60は、注入口62を画成することができる。モータアセンブリ50の全てまたは一部は、筐体60内に配置されることができる。別の実施形態において、筐体60は、任意の適切な押し出し機に取り付けられることが可能であって、この押し出し機は筐体60の注入口62内に向けて材料を押し出す。代替実施形態において、ダイプレート20は、押し出し機などの押し出し装置に直接取り付けられることができる。
【0037】
[0044]さらに別の実施形態において、筐体60は、中心充填製品を作るときに使用するための、1つ以上の付加的注入口64を画成することができる。例えば、中心充填製品を製造するために、外側材料は筐体60の注入口62に進入することができ、中心充填物として使用される1つ以上の材料は注入口64に進入することができ、これは、以下により詳細に論じられるように、同心内部排出口またはノズルの中心から出ることができる。
【0038】
[0045]回転成形装置は、当業者に知られている任意の適切な方法で、押し出し機に取り付けられることが可能である。例えば、回転成形装置は、押し出し機の末端に直接取り付けられて、通常の押し出し機速度で(例えば押し出し機出力速度を減少させることなく)成形された製品を生産することができる。言い換えると、回転成形装置の筐体またはダイプレートを押し出し機に取り付けることにより、回転成形装置は押し出し機の生産速度を制限することがなく、もつれが最小限に抑えられるか、または解消される。さらに、回転成形装置に要する空間は、従来型の圧着機と比較して非常に減少する。
【0039】
[0046]熱可塑性挙動を呈して押し出し可能な任意の材料または組成物を、回転成形装置と共に用いて成形生成品を製造することができる。材料は、例えば、シリアルを基本とした食品、タンパク質を基本とした食品、ヒト用食品、ペットフードなどのヒト以外の動物用食品、可塑性ポリマ、またはそれらの組合せであってもよい。
【0040】
[0047]押し出し可能な材料は、1つ以上の筐体注入口に進入し、1つ以上の対応するダイプレート排出口から出ることができる。ダイプレート排出口から出る押し出し材料は、単一の組成物または同時押し出し組成物のロープの形状に成形され得る。ロープは中空であってもよい。したがって、代替実施形態において、成形装置は、押し出し成形品の特性に応じて、圧着製品、中心充填製品、および中空製品を作るために使用することができる。
【0041】
[0048]先に論じられたように、成形輪の動作は、内サイクロイドの動きにしたがって回転する。形状に関して、内サイクロイドは、大きい円の中を転がる小さい円上の固定点の軌跡によって形成される、特定の平面上の曲線である。内サイクロイドはサイクロイドと同様であるが、円は直線上を回転するのではなく円(例えばレースプレート)内を回転する。
【0042】
[0049]本発明の実施形態において内サイクロイドの原理を利用することにより、成形輪は、より径が大きく、ダイプレート排出口に外接するレースプレートの周りを移動するように構成することができる。ダイプレート排出口は、円形設計内に配置され、レースプレートの内面に近接することができる。成形輪の動作は、レースプレートと共に成形輪とレースプレートとの間でダイプレート排出口を出る材料のロープを圧着または成型し、封止し、その後伸ばしたり裂いたりすることなく、より小さいかけらに分離させる。
【0043】
[0050]一実施形態において、図5は、ダイプレート72の面にわたって成形輪70が横断する経路であって、回転および移動しながらレースプレート74に接近する経路を示している。単純化のため、成形輪70の経路が接近するレースプレート74の3つの点(80、82、および84)が図5に示されている。左記に言及した内サイクロイドの論理により、成形輪70上のある特定の点(図5の80’)は、成形輪70が移動する速度とは無関係に、毎回レースプレート80上の特定の点に接近することになる。点82および82’、84および84’、並びに図5の成形輪70およびレースプレート74上のその他の全ての対応する点にも、同じことが当てはまる。したがって、本発明の実施形態における成形装置は、成形輪70の回転中に相互に接近する成形輪70およびレースプレート74上の点は、内サイクロイドの原理によって常に同じであるという事実を利用している。
【0044】
[0051]本発明の実施形態による回転成形装置を使用して、成形または圧着製品を作るために、成形輪の一回目の回転中に、ダイプレート排出口を出る押し出されたロープまたはその他の形状の押し出し成形品(例えばシリアルを基本とした食品、タンパク質を基本とした食品、ヒト用食品、ペットフードなどのヒト以外の動物用食品、可塑性ポリマなどでできたもの)の第1の部分が、回転している成形輪と静止しているレースプレートとの間で押しつぶされるかまたは挟まれる(たとえば圧着される)。押しつぶされると、ロープのこの第1の部分は、残りのロープから直ちに分離されるか、またはロープの残り部分はより大きいまま十分にサイズが細められる。レースプレートおよび成形輪の縁の間の距離は、押しつぶされているロープの部分が残りのロープから直ちに分離されるか、または後の分離を容易にするようにサイズを十分に細くするかを決定する。
【0045】
[0052]切断または圧着された第1の末端を有する押し出しロープは、その後所定の距離だけさらに押し出されることが可能である。この所定の距離は、成形される製品の所望の長さであってもよい。ダイプレート排出口を出る押し出しロープの第2の部分はその後、成形輪の二回目以降の回転中に、回転している成形輪と静止しているレースプレートの間で押しつぶされるかまたは挟まれる。押しつぶされる際に、ロープのこの第2の部分は、残りのロープから直ちに分離されることができ、両側に圧着縁を有する成形品が残る。
【0046】
[0053]あるいは、ロープの第2の部分は、成形品の所望の特性に応じて、ロープの残りの部分はより大きいまま、十分にサイズが細められてもよい。言い換えると、ロープの圧着縁は、成形輪の回転の際に直ちに分離される必要はない。成形または圧着品はその後、別のステップにおいて、細められた部分で分離されることができる。この処理によって、回転成形装置によって押し出しロープから作られた成形または圧着品が生成される。
【0047】
[0054]レースプレートの径に対する成形輪の径の比率は、成形位置合わせを完全に繰り返し可能にする。成形輪は、固定されたレースプレートの周りを楕円状に移動し、回転中に最も近接する位置における成形輪とレースプレートとの間の距離に応じて、ダイプレート排出口を出る際に押し出し成形ロープを圧着または切断することができる。ダイプレート排出口または開口部の数は、回転圧着器によって制限されない。成形輪は楕円運動するため、駆動機構またはモータアセンブリは、回転成形装置の動作中に発生する力を排除または均衡させるように設計されることが可能である。
【0048】
[0055]成形輪の円周外面とレースプレートの内面との間の間隙は、任意の適切な距離であってよい。一実施形態において、成形輪の円周外面は、成形輪の回転中に、レースプレートの内面と接触し続ける。すなわち、成形輪の円周外面は、成形輪の回転中に、レースプレートの内面から所定の距離に配置されることができる。例えば、間隙は、1インチの約1〜9/1000であってもよい。この調整は、レースプレートまたはレース上のどこかに上死点が一致する成形輪によってなされることが可能である。
【0049】
[0056]図6に示される別の実施形態において、ダイプレートは、排出口内に中実の核をさらに含み、中実の核は排出口よりも小さい幅を有する。中実の核は、任意の適切な形状(例えば円形、正方形、または多角形)を含むことができ、排出口に対して同心となることができる。同心中実の核は、ダイプレートの排出口を出るロープを中空にさせることができ、それによって結果的に中空製品となる。
【0050】
[0057]図7に示される代替実施形態において、ダイプレートは、排出口内に内部排出口またはノズルをさらに含み、内部排出口は、排出口よりも小さい幅を有する。内部排出口またはノズルは、任意の適切な形状(例えば円形、正方形、または多角形)を含むことができ、排出口に対して同心となることができる。中心充填物用に使用される材料は、ダイプレートの排出口を出るロープと共に内部排出口を通じて押し出され、先に述べられた処理と同じように中心充填製品を製造することができる。
【0051】
[0058]図8に示される別の実施形態において、成形輪340は、型形状342を画成することができる。成形輪340の厚みを調整することにより、ダイプレート排出口を通じて押し出し機から出るロープは、成形輪が押し出しロープをレースプレートに押しつける際に、連続的に成型されて所望の形状となることができ、ロープの成形輪と接触している側に型形状が残る。押し出しロープの片側の成型のみが望ましければ、レースプレートは平坦な内面を備えたままであることが可能である。
【0052】
[0059]別の実施形態において、レースプレートの内面は、成形輪の型と位置合わせされた、対応する型形状を画成することができる。その結果、ダイプレート排出口を出る押し出しロープは、両側で(すなわちレースプレート型および成形輪型から)連続的に成型されることが可能である。レースプレート型および成形輪型は、成形品の所望される形状に応じて、同一、類似、またはまったく異なっていてもよい。
【0053】
[0060]代替実施形態において、本発明は、製品を成形する方法を提供する。製品は、例えば、圧着または成型された、シリアルを基本とした食品、タンパク質を基本とした食品、ヒト用食品、ペットフードなどのヒト以外の動物用食品、または可塑性ポリマであってもよい。本方法は、排出口を画成するダイプレート、ダイプレートに取り付けられたレースプレート、およびダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪を提供するステップを含む。本方法は、ダイプレートの排出口を通じて第1の距離だけ材料を押し出すステップと、成形輪を回転させることによって、ダイプレートの排出口を出る材料の一部をレースプレートの内面に対して押しつけるステップと、をさらに含む。材料は、ダイプレートの排出口を通じて第2の距離だけ押し出されてもよく、ダイプレートの排出口を出る材料の第2の部分は、成形輪を内サイクロイド運動で回転させることによって、レースプレートの内面に対して押しつけられる。
【0054】
[0061]さらに別の実施形態において、本発明は、圧着または成型された、シリアルを基本とした食品、タンパク質を基本とした食品、ヒト用食品、ペットフードなどのヒト以外の動物用食品、または可塑性ポリマを成形する方法を提供する。本方法は、複数の排出口を画成するダイプレート、ダイプレートに取り付けられて排出口に外接するレースプレート、およびダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪を提供するステップを含む。本方法は、ダイプレートの排出口を通じて第1の距離だけ材料を押し出すステップと、内サイクロイド運動するように成形輪を回転させることによって、ダイプレートの排出口を出る材料の第1の部分をレースプレートの内面に対して押しつけるステップと、をさらに含む。材料は、ダイプレートの排出口を通じて第2の距離だけ押し出され、ダイプレートの排出口を出る材料の第2の部分は、成形輪を内サイクロイド運動で回転させることによって、レースプレートの内面に対して押しつけられる。圧着または成型品は、成形装置の下で、例えばトレイまたは搬送ベルト上に、集められてもよい。
【0055】
[0062]別の態様において、本発明は、排出口を画成するダイプレート、ダイプレートに取り付けられたレースプレート、およびダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪を含む装置に取り付けられた押し出し機を含む押し出し装置を提供する。押し出し装置は、本明細書に記載された方法を使用して、充填または非充填「枕」型製品などの製品を生産する上で役立つ。押し出し装置は、例えばプラスチックおよび食品組成物に有用な短軸押し出し機および二軸押し出し機など、当業者に知られている任意の押し出し機であってもよい。このような押し出し機は、例えばWenger Manufacturing Inc.など、様々な製造業者から入手可能である。
【0056】
[0063]本明細書に記載された現在の好適な実施形態への様々な変更および修正が当業者にとって明らかとなることは、理解されるべきである。このような変更および修正は、本願の内容の精神および範囲を逸脱することなく、またその意図される利点を損なうことなく、実行することができる。したがって、このような変更および修正が添付の特許請求の範囲に含まれると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出口を画成するダイプレートと、
前記ダイプレートに取り付けられたレースプレートと、
前記ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪と
を備える装置。
【請求項2】
前記ダイプレートが押し出し装置に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レースプレートが前記ダイプレートの前記排出口に外接し、前記成形輪が内サイクロイド運動で回転するように構成され配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記成形輪の円周外面が、前記成形輪の回転中に、前記レースプレートの内面と接触し続ける、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記成形輪の回転が、前記ダイプレートの前記排出口を出る材料を、前記レースプレートの前記内面に対して押しつける、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ダイプレートが複数の排出口を画成している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記成形輪の円周外面上の点が、前記成形輪の連続回転中に、前記ダイプレート排出口上の同じ対応する点を通って移動する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ダイプレートが、前記排出口内に中実の核をさらに備え、前記中実の核は前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ダイプレートが、前記排出口内に内部排出口をさらに備え、前記内部排出口は前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記成形輪が、前記成形輪の円周面に凹状の型形状を画成している、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
複数の排出口を画成するダイプレートを備える筐体であって、注入口を画成する、筐体と、
前記ダイプレートに取り付けられたレースプレートであって、前記ダイプレートの前記排出口に外接する、レースプレートと、
前記ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪と、
前記成形輪に取り付けられたモータアセンブリであって、前記成形輪を内サイクロイド運動で回転させるように構成され配置されている、モータアセンブリと、
を備える装置。
【請求項12】
前記筐体が押し出し装置に取り付けられている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記モータアセンブリの一部が前記筐体内に配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記モータアセンブリが、前記モータアセンブリの軸に取り付けられた少なくとも1つのカウンタバランスを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記成形輪の円周外面が、前記成形輪の回転中に、前記レースプレートの内面と接触し続ける、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記成形輪の回転が、前記ダイプレートの前記排出口を出る材料を、前記レースプレートの前記内面に対して押しつける、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記成形輪の円周外面上の点が、前記成形輪の連続回転中に、前記ダイプレート排出口上の同じ対応する点を通って移動する、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記ダイプレートが、前記排出口内に同心の中実の核をさらに備え、前記中実の核は前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記ダイプレートが、前記排出口内に同心内部排出口をさらに備え、前記内部排出口は前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記成形輪が、前記成形輪の円周面に凹状の型形状を画成している、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
製品を成形する方法であって、
排出口を画成するダイプレートと、前記ダイプレートに取り付けられたレースプレートと、前記ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪とを用意するステップと、
前記ダイプレートの前記排出口を通じて第1の距離だけ材料を押し出すステップと、
前記成形輪を回転させることによって、前記ダイプレートの前記排出口を出る前記材料の一部を前記レースプレートの内面に対して押しつけるステップと
を含む方法。
【請求項22】
前記レースプレートが前記ダイプレートの前記排出口に外接し、前記成形輪が内サイクロイド運動で回転される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ダイプレートが前記排出口内に同心中実の核をさらに備え、前記中実の核が前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記成形輪の円周外面上の点が、前記成形輪の連続回転中に、前記ダイプレート排出口上の同じ対応する点を通って移動する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記ダイプレートが前記排出口内に同心内部排出口をさらに備え、前記内部排出口は前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記成形輪が、前記成形輪の円周面に凹状の型形状を画成している、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記材料が、シリアルを基本とした食品、タンパク質を基本とした食品、ヒト用食品、ヒト以外の動物用食品、可塑性ポリマ、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
製品を成形する方法であって、
複数の排出口を画成するダイプレートと、前記ダイプレートに取り付けられて前記排出口に外接するレースプレートと、前記ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪とを用意するステップと、
前記ダイプレートの前記排出口を通じて第1の距離だけ材料を押し出すステップと、
前記成形輪を内サイクロイド運動で回転させることによって、前記ダイプレートの前記排出口を出る前記材料の第1の部分を前記レースプレートの内面に対して押しつけるステップと、
前記ダイプレートの前記排出口を通じて第2の距離だけ前記材料を押し出すステップと、
前記成形輪を内サイクロイド運動で回転させることによって、前記ダイプレートの前記排出口を出る前記材料の第2の部分を前記レースプレートの前記内面に対して押しつけるステップと
を含む方法。
【請求項29】
前記ダイプレートが前記排出口内に同心中実の核をさらに備え、前記中実の核が前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ダイプレートが前記排出口内に同心内部排出口をさらに備え、前記内部排出口は前記排出口よりも小さい幅を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記成形輪が、前記成形輪の円周面に凹状の型形状を画成する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
排出口を画成するダイプレートと、
前記ダイプレートに取り付けられたレースプレートと、
前記ダイプレートに回転可能に取り付けられた成形輪と
を備える装置に取り付けられた押し出し機を具備する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−518574(P2011−518574A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507415(P2011−507415)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/002498
【国際公開番号】WO2009/151508
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】