説明

回転機器の制振装置

【課題】多方向の振動を抑制でき、装着性に優れ、小型の制振装置を提供する。
【解決手段】制振装置10は、電動圧縮機の中心軸AXの上に同軸的に装着される。制振装置10は、取り付けのための基部11と、この基部11に対して振動可能な2つの錘13、14とを備える。2つの錘13、14は、筒状である。2つの錘13、14は、中心軸AXの上に同軸的に配置されている。2つの錘13、14は、径方向に重複するように多重的に配置されている。基部11と第1の錘13とは、連結部材15、16によって連結されている。第1の錘13と第2の錘14とは、連結部材17、18によって連結されている。第1の錘13と第2の錘14とは、軸Hの方向に振動可能な慣性体を提供する。第2の錘14は、軸Vの方向に振動可能な第2の慣性体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体を有する回転機器の振動を抑制する制振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両に搭載可能な電動圧縮機を開示している。この電動圧縮機は、車両のエンジンの側面に突出するように固定されている。電動圧縮機は、電動機の回転子、および圧縮機の回転軸などの回転体を備える回転機器である。従来、特許文献1に記載されるように、回転機器の固定構造を改良することによってその回転機器の振動を抑制することが試みられていた。
【0003】
一方、回転機器の振動を打ち消すように振動する動的な制振装置が知られている。例えば、特許文献2は、回転型圧縮機に内蔵された動吸収器を開示している。この動吸収器は、ひとつの慣性体と、慣性体と圧縮機のケースとを連結する連結体とを備えている。
【0004】
また、特許文献3は、回転電機に内蔵された制振部を開示している。この制振部は、慣性体としての錘と、錘と積層鉄心とを連結し、かつ半径方向に弾性変形可能な弾性部材とを備えている。また、特許文献3は、複数の制振部を備えることによって、複数の振動モードに対して振動抑制効果を発揮する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−138685号公報
【特許文献2】特開平3−271596号公報
【特許文献3】特開2010−124591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の制振装置では、回転機器に生じる複雑な振動を抑制することができない。
【0007】
特許文献3は、複数の制振部を備えることによって複雑な振動を抑制することを提案している。しかし、従来技術では、2つの制振部を、互いに離して回転機器に装着している。このような構造では、複数の離れた装着部位を設ける必要がある。また、制振部を取り付けるための作業工数が多いという問題点もあった。
【0008】
また、従来技術の制振部は、回転機器の径方向外側へ延び出すように、または回転機器の軸方向に延び出すように配置されている。このような構造では、回転機器の内部への装着が困難であった。また、回転機器の体格が大型化するという問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、多方向の振動を抑制でき、かつ回転機器への装着が容易な制振装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、多方向の振動を抑制でき、回転機器への装着が容易であり、かつ、回転機器の内部に区画された環状の室に収容可能な制振装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0012】
請求項1に記載の発明は、中心軸(AX)の周りに回転可能な回転部を備える回転機器のケーシングに固定される基部(11、311、411)と、基部に対して移動可能な第1の慣性体(13、14、313、314、413、414)と、基部に対して移動可能な第2の慣性体(14、314、414)と、第1の慣性体が中心軸(AX)に垂直なひとつの方向(H)に関して振動可能となるように、基部と第1の慣性体とを連結する第1の連結部材(15、16、215、216、315、316、415、416)と、第2の慣性体が中心軸(AX)に垂直な他のひとつの方向(V)に関して振動可能となるように、基部と第2の慣性体とを連結する第2の連結部材(17、18、217、218、317、318、417、418)とを備えることを特徴とする。
【0013】
この構成によると、第1の慣性体は、第1の連結部材によって基部に連結される。しかも、第1の慣性体は、中心軸に垂直なひとつの方向に関して振動可能に連結される。また、第2の慣性体は、第2の連結部材によって基部に連結される。しかも、第2の慣性体は、中心軸に垂直な他のひとつの方向に関して振動可能に連結される。したがって、2つの慣性体のそれぞれは、2つの異なる方向に関して振動可能である。これら2つの慣性体によって、中心軸に直交する2つの方向の振動が抑制される。この結果、多方向の振動を抑制することができ、装着性が改善された制振装置が提供される。
【0014】
請求項2に記載の発明は、ひとつの方向と、他のひとつの方向とは、中心軸(AX)上において直交することを特徴とする。この構成によると、中心軸において直交する2つの並進方向に関する振動を抑制することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、基部、第1の慣性体、第2の慣性体、第1の連結部材、および第2の連結部材は、ケーシングの内部に配置されることを特徴とする。この構成によると、回転機器の内部に制振装置を配置することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、第1の慣性体と第2の慣性体とは、中心軸(AX)の周りを囲むように配置されることを特徴とする。この構成によると、中心軸の周りを囲むように2つの慣性体が配置される。これにより、慣性体は、中心軸の周りに分散して配置される。この結果、小型の制振装置が提供される。
【0017】
請求項5に記載の発明は、第1の慣性体と第2の慣性体とは、円形または多角形の環状であることを特徴とする。この構成によると、環状の慣性体によって制振装置が構成される。これにより、小型の制振装置が提供される。
【0018】
請求項6に記載の発明は、第1の慣性体と第2の慣性体とは、径方向に関して重複するように配置されていることを特徴とする。この構成によると、径方向に重複するように2つの慣性体が配置される。よって、軸方向に短い制振装置が提供される。
【0019】
請求項7に記載の発明は、第1の慣性体と第2の慣性体とは、軸方向に関して重複するように配置されていることを特徴とする。この構成によると、軸方向に重複するように2つの慣性体が配置される。よって、径方向に小さい制振装置が提供される。
【0020】
請求項8に記載の発明は、基部、第1の慣性体、第2の慣性体、第1の連結部材、および第2の連結部材が構成する中心軸(AX)は、回転機器の中心軸(AX)と同じであることを特徴とする。この構成によると、制振装置としての中心軸と、回転機器の中心軸とが一致する。この結果、回転機器に装着しやすい形状の制振装置が提供される。
【0021】
請求項9に記載の発明は、基部、第1の慣性体、第2の慣性体、第1の連結部材、および第2の連結部材は、第1の慣性体および第2の慣性体の振動の中心(GD)と、回転機器の重心(GR)とが一致するように配置されていることを特徴とする。この構成によると、制振装置としての中心と、回転機器の重心とが一致する。この結果、高い振動抑制効果が得られる。
【0022】
請求項10に記載の発明は、回転機器は、流体を圧縮する圧縮機部分、および圧縮機部分を駆動するモータ部分をケーシング内に収容した電動圧縮機であることを特徴とする。この構成によると、電動圧縮機の振動を抑制することができる。
【0023】
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る電動圧縮機を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の電動圧縮機の振動モードのひとつを示す斜視図である。
【図3】第1実施形態の電動圧縮機の振動モードのひとつを示す斜視図である。
【図4】第1実施形態の制振装置を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の電動圧縮機の振動モデルを示すブロック図である。
【図6】第1実施形態の電動圧縮機の振動の周波数特性を示すグラフである。
【図7】本発明を適用した第2実施形態に係る制振装置を示す斜視図である。
【図8】本発明を適用した第3実施形態に係る電動圧縮機を示す断面図である。
【図9】第3実施形態の制振装置を示す正面図である。
【図10】第3実施形態の制振装置を示す断面図である。
【図11】本発明を適用した第4実施形態に係る電動圧縮機を示す断面図である。
【図12】第4実施形態の制振装置を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態の制振装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る電動圧縮機を示す断面図である。図中には、電動圧縮機1の中心軸AX、すなわち回転軸を通る断面が図示されている。電動圧縮機1は、この実施形態における回転機器である。電動圧縮機1は、車両用の冷凍サイクルに使用される。電動圧縮機1は、車両に搭載される。電動圧縮機1は、車両の車体、またはエンジンに固定される。
【0027】
電動圧縮機1は、モータ部分2と圧縮機部分3とを含む回転部を備え、回転部は中心軸AXの周りに回転可能である。モータ部分2と圧縮機部分3とは、共通のケーシング4に設けられている。ケーシング4は、複数の部材から構成されている。ケーシング4は、モータ部分2に属する部材と圧縮機部分3に属する部材とから構成されている。ケーシング4は、構成部品を収容するための室、および流体である冷媒が流れるための流路を区画している。ケーシング4は、例えば、モータ部分2の構成部品を収容するためのモータ室4aを区画している。ケーシング4は、電動圧縮機1の中心軸AXと同軸の円筒部分によってモータ室4aを区画している。よって、モータ室4aは、中心軸AXと同軸上に区画されている。ケーシング4は、例えば、圧縮機部分3により圧縮された吐出冷媒が流れる吐出室4bを区画している。ケーシング4は、電動圧縮機1の中心軸AXと同軸の円筒部分によって吐出室4bを区画している。よって、吐出室4bは、中心軸AXと同軸上に区画されている。
【0028】
モータ部分2は、固定子5と、回転子6とを備える。固定子5は、ケーシング4に固定されている。回転子6は、ケーシング4に回転可能に支持された回転軸7に固定されている。回転軸7の回転軸は、電動圧縮機1の中心軸AX上に位置している。
【0029】
圧縮機部分3は、容積型の圧縮機である。圧縮機部分3は、スクロール型圧縮機によって提供されている。圧縮機部分3は、可動スクロール部材8と、固定スクロール部材9とを備える。可動スクロール部材8は、回転軸7の偏心端部と作動的に噛合っている。可動スクロール部材8は、回転軸7と連動して回転運動する。可動スクロール部材8と固定スクロール部材9とは、それらの間に作動室を区画形成する。可動スクロール部材8が回転運動することにより作動室の容積が変化し、冷媒が圧縮される。冷媒は、冷凍サイクルから吸入口4cを経由して吸入され、モータ室4aを経由して圧縮機部分3に吸入される。冷媒は、圧縮機部分3から吐出室4bに吐出され、吐出口4dから冷凍サイクルに供給される。ケーシング4は、円柱状、または円筒状のボス部4eを備える。ボス部4eは、回転軸7を支持するためのベアリングを収容する部分でもある。ケーシング4には、電動圧縮機1を固定するための複数の固定部4fが形成されている。固定部4fは、ボルト4gが貫通して配置されるボルト穴を有する。固定部4fは、中心軸AXと直交する方向に沿って電動圧縮機1を固定することを可能とする。
【0030】
この電動圧縮機1が固定部4fとボルト4gとによって固定された状態では、電動圧縮機1を質量体とし、ボルト4gをばね要素および減衰要素とする1自由度の振動系が形成される。よって、電動圧縮機1の振動と、この振動系の共振とによって、騒音が発生する。
【0031】
電動圧縮機1は、振動を抑制するための制振装置10を備える。制振装置10は、電動圧縮機1を含む振動系の共振を抑制することにより騒音の発生を抑制する。制振装置10は、電動圧縮機1の内部に収容されている。制振装置10は、ケーシング4に固定されている。制振装置10は、吐出室4b内に収容されている。制振装置10は、ボルト20によってケーシング4の内面に固定されている。制振装置10は、電動圧縮機1の中心軸AXの方向に薄く、径方向に広がる板状、または環状と呼べる形状に形成されている。制振装置10の厚さは、少なくともモータ部分2および圧縮機部分3のいずれか一方より薄い。制振装置10の最大の直径は、固定子5の直径より小さい。制振装置10の最大の直径は、回転子6の直径より小さい。制振装置10の最大の直径は、固定スクロール部材9の直径より小さい。制振装置10の最大の直径は、可動スクロール部材8の直径より小さい。
【0032】
図2、図3は、第1実施形態の電動圧縮機1の2つの並進方向の振動モードを示す。図中において、軸V、H、Lは、電動圧縮機1が車両に搭載された状態における直交座標系を示している。軸Vは、垂直方向または上下方向に対応する。軸Hは、水平方向、または左右方向に対応する。軸Lは、前後方向、または中心軸AXの長手方向に対応する。
【0033】
電動圧縮機1の共振モードには、左右並進と、上下並進と、前後並進とを含む3つの並進方向と、左右軸回転と、上下軸回転と、前後軸回転とを含む3つの回転方向とが含まれる。しかし、電動圧縮機1においては、回転軸7に対して垂直な平面上の2つの並進方向の振動が特に大きく現れる。2つの並進方向のひとつは、図2に図示される軸Hの方向への振動である。2つの並進方向の他のひとつは、図3に図示される軸Vの方向への振動である。これらの例においては、電動圧縮機1は、中心軸AXを水平に位置付けて固定されている。
【0034】
図4は、第1実施形態の制振装置10を示す斜視図である。制振装置10は、固定のための基部11と、第1の錘13と、第2の錘14とを備える。さらに、制振装置10は、基部11と第1の錘13とを連結する第1の連結部材15、16と、第1の錘13と第2の錘14とを連結する第2の連結部材17、18とを備える。
【0035】
基部11は、制振装置10をケーシング4に固定するための部材である。基部11は、固定部、または取付部とも呼ぶことができる。基部11は、四角柱のブロック状に形成されている。基部11は、電動圧縮機1の中心軸AX上に位置付けられる。中心軸AXの方向に位置する基部11のふたつの端面のうち、一方の端面は、ケーシング4に押し付けられて固定される固定面を提供する。基部11は、径方向外側に面する外周面を有する。基部11には、固定のためのボルト20が配置される貫通穴12が形成されている。貫通穴12は、基部11の中央に位置付けられている。制振装置10が電動圧縮機1に装着されるとき、貫通穴12は、電動圧縮機1の中心軸AX上に位置付けられる。
【0036】
第1の錘13は、多角形の環状である。第1の錘13は、多角形の筒状に形成されている。第1の錘13は、四角形の筒状に形成されている。第1の錘13は、基部11の径方向外側に位置している。第1の錘13は、基部11の外周面を囲むように位置付けられている。言い換えると、基部11と第1の錘13とは、中心軸AX上に同軸的に位置付けられている。さらに、基部11と第1の錘13とは、径方向に関して少なくとも部分的に重複するように位置付けられている。第1の錘13の材料と大きさは、制振作用を発揮するために必要な質量となるように選定され、設定されている。
【0037】
第2の錘14は、多角形の環状である。第2の錘14は、多角形の筒状に形成されている。第2の錘14は、四角形の筒状に形成されている。第2の錘14は、基部11の径方向外側に位置している。第2の錘14は、基部11の外周面を囲むように位置付けられている。言い換えると、基部11と第2の錘14とは、中心軸AX上に同軸的に位置付けられている。さらに、基部11と第2の錘14とは、径方向に関して少なくとも部分的に重複するように位置付けられている。
【0038】
さらに、第2の錘14は、第1の錘13の径方向外側に位置している。第2の錘14は、第1の錘13の外周面を囲むように位置付けられている。言い換えると、第1の錘13と第2の錘14とは、中心軸AX上に同軸的に位置付けられている。さらに、第1の錘13と第2の錘14とは、径方向に関して少なくとも部分的に重複するように位置付けられている。第2の錘14の材料と大きさは、制振作用を発揮するために必要な質量となるように選定され、設定されている。
【0039】
基部11と、第1の錘13と、第2の錘14とは、中心軸AX上に同軸的に位置付けられている。しかも、基部11と、第1の錘13と、第2の錘14とは、径方向に関して重複するように位置付けられている。基部11は、第1の錘13および第2の錘14よりも軸方向にわずかに突出している。これにより、基部11はケーシング4に接触することにより固定される。一方、第1の錘13と第2の錘14とは、ケーシング4に直接に接触することなく、基部11と連結部材15、16、17、18を介して間接的に支持される。
【0040】
第1の連結部材15、16は、基部11と第1の錘13との間を部分的に連結している。連結部材15、16は、中心軸AXに対して径方向、すなわち軸Vの方向だけに延びることによって、基部11と第1の錘13との間を連結する第1のブリッジ部を形成している。連結部材15と連結部材16とは、中心軸AXに関して点対称となる位置にだけ設けられている。連結部材15、16は、基部11に対して第1の錘13を振動可能に連結する。連結部材15、16は、中心軸AXと直交する第1の振動方向に関して弾性変形しやすく形成されている。また、連結部材15、16は、上記振動方向以外の方向に関して弾性変形しにくく形成されている。図示の例においては、連結部材15、16は、軸Hに沿って撓むように変形しやすく形成されている。連結部材15、16は、軸Vおよび軸Lに沿って変形しにくく形成されている。連結部材15、16は、軸Hの方向だけに選択的に曲げ変形しやすく形成されている。連結部材15、16は、軸Vと軸Lとに平行な平面に沿って広がる板状に形成されている。連結部材15、16は、軸Hと軸Lとに平行な平面における断面形状が、軸Lに沿って長く延びる長方形である。連結部材15、16は、軸Vの方向に沿って圧縮、伸長されにくい材料によって形成されている。
【0041】
第2の連結部材17、18は、第1の錘13と第2の錘14との間を部分的に連結している。連結部材17、18は、中心軸AXに対して径方向、すなわち軸Hの方向だけに延びることによって、第1の錘13と第2の錘14との間を連結する第2のブリッジ部を形成している。連結部材17と連結部材18とは、中心軸AXに関して点対称となる位置にだけ設けられている。中心軸AXの周りにおいて、連結部材15、16が設けられた位置と、連結部材17、18が設けられた位置とは異なっている。中心軸AXの周りにおいて、連結部材15、16が設けられた位置と、連結部材17、18が設けられた位置とは、直交する関係にある。連結部材17、18は、第1の錘13に対して第2の錘14を振動可能に連結する。連結部材17、18は、中心軸AXと直交する第2の振動方向に関して弾性変形しやすく形成されている。第2の振動方向は、第1の振動方向とは異なる方向である。第2の振動方向は、第1の振動方向と直交する。また、連結部材17、18は、上記振動方向以外の方向に関して弾性変形しにくく形成されている。図示の例においては、連結部材17、18は、軸Vに沿って撓むように変形しやすく形成されている。連結部材17、18は、軸Hおよび軸Lに沿って変形しにくく形成されている。連結部材17、18は、軸Vの方向だけに選択的に曲げ変形しやすく形成されている。連結部材17、18は、軸Hと軸Lとに平行な平面に沿って広がる板状に形成されている。連結部材17、18は、軸Vと軸Lとに平行な平面における断面形状が、軸Lに沿って長く延びる長方形である。連結部材17、18は、軸Vの方向に沿って圧縮、伸長されにくい材料によって形成されている。
【0042】
連結部材15、16、17、18は、弾性変形可能な部材である。連結部材15、16、17、18は、ゴム製である。ゴムに代えて、合成樹脂、またはばね鋼などの金属によって連結部材15、16、17、18を提供することができる。連結部材15、16、17、18は、弾性変形の方向を制限するように、構成されている。連結部材15、16、17、18は、ばねとして見ることができる。連結部材15、16、17、18の特性は、軸Lの方向のばね定数kL、軸Hの方向のばね定数kH、および軸Vの方向のばね定数kVによって評価することができる。
【0043】
連結部材15、16のばね定数kHは、ばね定数kLおよびばね定数kVより十分に小さい。よって、連結部材15、16は、kL>>kH、かつkV>>kHとなるように、その材質、形状が設定されている。連結部材15、16のばね定数kLとばね定数kVとは、ほぼ等しく、または上記kHとの関係を満たす範囲で種々の要請に応えるように設定することができる。
【0044】
連結部材17、18のばね定数kVは、ばね定数kLおよびばね定数kHより十分に小さい。よって、連結部材17、18は、kL>>kV、かつkH>>kVとなるように、その材質、形状が設定されている。連結部材17、18のばね定数kLとばね定数kHとは、ほぼ等しく、または上記kVとの関係を満たす範囲で種々の要請に応えるように設定することができる。
【0045】
連結部材17、18のばね定数kHは、連結部材15、16のばね定数kHよりも大きい。この結果、第1の錘13と第2の錘14とは、軸Hの方向の振動に関して一体の慣性体となって振動する。この場合、第1の錘13と第2の錘14と連結部材17、18とによって、第1の慣性体が提供される。第1の慣性体の質量はW1である。
【0046】
連結部材15、16のばね定数kVは、連結部材17、18のばね定数kVよりも大きい。この結果、軸Vの方向の振動に関して、第1の錘13と基部11とは一体化する。一方、第2の錘14は、それだけで慣性体となって振動する。この場合、第2の錘14だけによって、第2の慣性体が提供される。第2の慣性体の質量はW2である。
【0047】
第1の錘13と第2の錘14とが提供する第1の慣性体と、第2の錘14が提供する第2の慣性体とは、径方向に関して重複するように同軸上に配置されている。この配置によると、軸方向の体格が小さい制振装置10が提供される。第1の慣性体と第2の慣性体とは、中心軸AXの周りを囲むように配置されている。これにより、慣性体は、中心軸の周りに分散して配置される。これにより、電動圧縮機1の内部に区画された環状の室に収容可能な制振装置10が提供される。
【0048】
基部11、第1の慣性体、第2の慣性体、第1の連結部材15、16、および第2の連結部材17、18が構成する中心軸AXは、電動圧縮機1の中心軸AXと同じである。この結果、電動圧縮機1の内部に区画された環状の室に装着しやすい形状の制振装置10が提供される。
【0049】
第1の錘13および第2の錘14は、基部11に作用する中心軸AXに直交するひとつの方向、すなわち軸Hの方向の振動加速度に対して、選択的に慣性体として機能する。また、第2の錘14は、基部11に作用する中心軸AXに直交するひとつの方向、すなわち軸Vの方向の振動加速度に対して、選択的に慣性体として機能する。固定部4fとボルト4gとによる電動圧縮機1の固定方向は、制振装置10の振動方向のひとつに一致している。すなわち、固定部4fとボルト4gとによる電動圧縮機1の固定方向は、軸Hの方向、または軸Vの方向に一致している。言い換えると、ボルト4gの長手方向は、第1の錘13の振動可能方向、または第2の錘14の振動可能方向に一致している。第1の錘13および第2の錘14は、基部11に作用する中心軸AXの周りの回転方向の振動加速度に対しても、慣性体として機能する。
【0050】
図5は、電動圧縮機の振動モデルを示す。電動圧縮機1は、取り付け部材MBに固定されている。取り付け部材MBは、車体またはエンジンである。図中には、軸Hの方向への振動fH、および軸Vの方向への振動fVが図示されている。電動圧縮機1は、ばね成分MkH、MkVおよびダンパ成分McH、McVによって取り付け部材MBに支持されている。制振装置10は、第1の慣性体質量W1と、第2の慣性体質量W2とを提供する。第1の慣性体質量W1は、ばね成分DkVおよびダンパ成分DcVによって電動圧縮機1に支持されている。ばね成分DkVは、連結部材17、18によって提供されている。第2の慣性体質量W2は、ばね成分DkHおよびダンパ成分DcHによって電動圧縮機1に支持されている。ばね成分DkHは、連結部材15、16によって提供されている。
【0051】
振動fHに対する制振装置10の共振周波数は、1/2π×(DkH/W1)1/2で表すことができる。振動fVに対する制振装置10の共振周波数は、1/2π×(DkV/W2)1/2で表すことができる。
【0052】
この構成によると、第1の錘13と第2の錘14とによって、第1の慣性体が提供される。また、第2の錘14によって、第2の慣性体が提供される。連結部材15、16は、第1の錘13を含む第1の慣性体が、主として軸Hだけに沿って振動することを許容する。第1の慣性体が軸Hに沿って選択的に振動することにより、電動圧縮機1における軸Hの方向の振動が抑制される。また、連結部材17、18は、第2の錘14を含む第2の慣性体が、主として軸Vだけに沿って振動することを許容する。第2の慣性体が軸Vに沿って選択的に振動することにより、電動圧縮機1における軸Vの方向の振動が抑制される。軸Hと軸Vとは、電動圧縮機1の中心軸AXと直交する2つの軸である。よって、この構成によると、電動圧縮機1の中心軸AXと直交する平面に沿った全方向の振動に対して、それらの振動を抑制する制振装置10が提供される。
【0053】
図6は、電動圧縮機の振動の周波数特性を示す。横軸は、振動の周波数fを示す。縦軸は、電動圧縮機1の振動VBを示す。破線は、制振装置10を設けない場合を示す。実線は、制振装置10を設けた場合を示す。この実施形態によると、電動圧縮機1の振動が抑制されている。
【0054】
この実施形態によると、制振装置10は、ケーシング4に固定される基部11を備える。制振装置10は、基部11に対して移動可能な第1の慣性体(13、14)と、基部11に対して移動可能な第2の慣性体(14)とを備える。さらに、制振装置10は、第1の慣性体が中心軸AXに垂直なひとつの方向(軸Hの方向)に関して振動可能となるように、基部11と第1の慣性体とを連結する第1の連結部材15、16を備える。また、制振装置10は、第2の慣性体が中心軸AXに垂直な他のひとつの方向(軸Vの方向)に関して振動可能となるように、基部11と第2の慣性体とを連結する第2の連結部材17、18を備える。第1の錘13と第2の錘14とを含む第1の慣性体は、第1の連結部材15、16によって基部11に連結される。しかも、第1の慣性体は、中心軸AXに垂直なひとつの方向に関して選択的に振動可能に連結される。また、第2の錘14だけを含む第2の慣性体は、第2の連結部材17、18によって間接的に基部11に連結される。しかも、第2の慣性体は、中心軸AXに垂直な他のひとつの方向に関して選択的に振動可能に連結される。したがって、2つの慣性体のそれぞれは、2つの異なる方向に関して振動可能である。これら2つの慣性体によって、中心軸AXに直交する2つの方向の振動が抑制される。この結果、多方向の振動を抑制することができ、装着性が改善された制振装置10が提供される。
【0055】
(第2実施形態)
図7は、本発明を適用した第2実施形態に係る制振装置210を示す斜視図である。上記実施形態では、連結部材15、16、17、18は、曲げ変形によって、対応する慣性体の振動を選択的に許容した。これに代えて、この実施形態では、連結部材215、216、217、218の圧縮変形および引張変形によって、対応する慣性体の振動を選択的に許容する。
【0056】
基部11と第1の錘13とを連結する連結部材215、216は、軸Vの方向および軸Lの方向に関して十分な幅を有している。このため、連結部材215、216は、軸Vの方向および軸Lの方向に沿ってほとんど弾性変形しない。一方、連結部材215、216は、軸Hの方向に沿って圧縮変形、または引張変形しやすい材料および構造を有する。この結果、連結部材215、216は、第1の錘13と第2の錘14とを含む第1の慣性体を軸Hの方向に沿ってだけ選択的に振動可能に支持する。
【0057】
第1の錘13と第2の錘14とを連結する連結部材217、218は、軸Hの方向および軸Lの方向に関して十分な幅を有している。このため、連結部材217、218は、軸Hの方向および軸Lの方向に沿ってほとんど弾性変形しない。一方、連結部材217、218は、軸Vの方向に沿って圧縮変形、または引張変形しやすい材料および構造を有する。この結果、連結部材217、218は、第1の錘13を含むことなく第2の錘14だけを含む第2の慣性体を軸Vの方向に沿ってだけ選択的に振動可能に支持する。
【0058】
(第3実施形態)
図8は、本発明を適用した第3実施形態に係る電動圧縮機1を示す断面図である。上記実施形態では、制振装置10は、吐出室4bに収容された。これに代えて、この実施形態では、制振装置310は、モータ室4aに収容される。モータ室4aは、吸入口4cに連通しているから、吸入室とも呼ばれる。冷凍サイクルにおいては、比較的低温の冷媒が吸入口4cに供給されるから、モータ室4aは、電動圧縮機1の中でも比較的温度が低い部位である。モータ室4aに制振装置310を収容することにより、制振装置310の熱に対する耐久性を改善することができる。
【0059】
図9は、制振装置310を中心軸AXに沿って見た正面図である。図10は、制振装置310の連結部材315、318を通る断面を示す。基部311、第1の錘313、および第2の錘314は、円形の筒状に形成されている。基部311には、ケーシング4のボス部4eの外径に対応する比較的大きい貫通穴312が形成されている。制振装置310は、ボス部4eを貫通穴312に圧入することによってモータ室4a内に支持される。連結部材315、316は、基部311と第1の錘313との間を連結する。連結部材317、318は、第1の錘313と第2の錘314との間を連結する。基部311の軸方向の少なくとも一端は、第1の錘313および第2の錘314より突出して位置付けられている。この突出端は、ケーシング4に押し付けられ、第1の錘313および第2の錘314をケーシング4から離して位置付けるために貢献する。
【0060】
(第4実施形態)
図11は、本発明を適用した第4実施形態に係る電動圧縮機1を示す断面図である。上記実施形態では、制振装置10、310は、電動圧縮機1の端部に配置された。これに代えて、この実施形態では、制振装置410は、電動圧縮機1のほぼ中央部に配置される。制振装置410は、モータ室4aの内部に収容されている。制振装置410は、電動圧縮機1の重心GRの径方向外側に配置されている。重心GRは、電動圧縮機1の中心軸AXの方向ならびに径方向に関する重心である。
【0061】
図12は、制振装置410を示す斜視図である。上記実施形態では、制振装置10は、径方向に関して重複するように同軸上に配置された複数の錘13、14を有していた。これに代えて、この実施形態では、制振装置410は、軸方向に関して重複するように同軸上に配置された複数の錘413、414を有している。この配置によると、径方向の体格が小さい制振装置410が提供される。
【0062】
図13は、制振装置410の連結部材415、418を通る断面を示す。基部411、第1の錘413、および第2の錘414は、円形の筒状に形成されている。基部411には、貫通穴412が形成されている。制振装置410は、基部411をケーシング4の内面に固定することによってモータ室4a内に支持される。基部411は、第1部分411aと第2部分411bとを軸方向に連結して構成されている。第1部分411aと第2部分411bとは、軸方向に連結される。第1部分411aは、第1の錘413のための基部を提供する。第2部分411bは、第2の錘414のための基部を提供する。第1の錘413と第2の錘414とは、中心軸AXの長手方向に沿って直列的に並べて配置されている。連結部材415、416は、基部411と第1の錘413との間を連結する。連結部材417、418は、基部411と第2の錘414との間を連結する。第1の錘413だけによって第1の慣性体が提供される。第2の錘414だけによって第2の慣性体が提供される。
【0063】
制振装置410は、制振装置410の中心GDと、電動圧縮機1の重心GRとが一致するように配置される。制振装置410の中心GDは、中心軸AXと直交する平面上にあり、かつ、複数の連結部材415、416、417、418によって許容される第1の慣性体および第2の慣性体の振動の中心に対応する。この結果、高い振動抑制効果が得られる。
【0064】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
【0065】
例えば、本発明の制振装置は、電動機、発電機、エンジンによって駆動される圧縮機、またはポンプなど種々の回転機器に適用することができる。
【0066】
また、連結部材は、高剛性の樹脂材料、または制振合金と呼ばれる高い制振性能をもつ金属によって提供されてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、基部の径方向外側に、第1の錘、および第2の錘を配置した。これに代えて、基部の径方向内側に、第1の錘または第2の錘を配置してもよい。例えば、多重の筒のうち、2番目の筒、または最も外側の筒を基部としてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、ひとつの基部と、2つの錘とを円形または矩形の筒状の部材によって提供した。これに代えて、三角形または五角形以上の多角形の筒状の部材を採用してもよい。また、基部と錘とは、C字型、U字型などの形状とすることができる。
【0069】
上記実施形態では、錘と連結部材とを別材料とし、それらの別々の部材として構成した。これに代えて、錘と連結部材とを一体としてもよい。例えば、錘と連結部材とを、連続した一の材料によって一体成型し、それらに必要な剛性と弾性とが得られるように、それらを異なる形状とすることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 回転機器(電動圧縮機)、 2 モータ部分、 3 圧縮機部分、 4 ケーシング、 4a モータ室、 4b 吐出室、 4c 吸入口、 4d 吐出口、 4e ボス部、 4f 固定部、 5 固定子、 6 回転子、 7 回転軸、 8 可動スクロール部材、 9 固定スクロール部材、 10、210、310、410 制振装置、 11、311、411 基部、 12、312、412 貫通穴、 13、313、413 第1の錘、 14、314、414 第2の錘、 15、16、17、18、215、216、217、218、315、316、317、318、415、416、417、418 連結部材、 20 ボルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸(AX)の周りに回転可能な回転部を備える回転機器のケーシングに固定される基部(11、311、411)と、
前記基部に対して移動可能な第1の慣性体(13、14、313、314、413、414)と、
前記基部に対して移動可能な第2の慣性体(14、314、414)と、
前記第1の慣性体が前記中心軸(AX)に垂直なひとつの方向(H)に関して振動可能となるように、前記基部と前記第1の慣性体とを連結する第1の連結部材(15、16、215、216、315、316、415、416)と、
前記第2の慣性体が前記中心軸(AX)に垂直な他のひとつの方向(V)に関して振動可能となるように、前記基部と前記第2の慣性体とを連結する第2の連結部材(17、18、217、218、317、318、417、418)とを備えることを特徴とする回転機器の制振装置。
【請求項2】
前記ひとつの方向と、前記他のひとつの方向とは、前記中心軸(AX)上において直交することを特徴とする請求項1に記載の回転機器の制振装置。
【請求項3】
前記基部、前記第1の慣性体、前記第2の慣性体、前記第1の連結部材、および前記第2の連結部材は、前記ケーシングの内部に配置されることを特徴とする請求項2に記載の回転機器の制振装置。
【請求項4】
前記第1の慣性体と前記第2の慣性体とは、前記中心軸(AX)の周りを囲むように配置されることを特徴とする請求項3に記載の回転機器の制振装置。
【請求項5】
前記第1の慣性体と前記第2の慣性体とは、円形または多角形の環状であることを特徴とする請求項4に記載の回転機器の制振装置。
【請求項6】
前記第1の慣性体と前記第2の慣性体とは、径方向に関して重複するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の回転機器の制振装置。
【請求項7】
前記第1の慣性体と前記第2の慣性体とは、軸方向に関して重複するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の回転機器の制振装置。
【請求項8】
前記基部、前記第1の慣性体、前記第2の慣性体、前記第1の連結部材、および前記第2の連結部材が構成する中心軸(AX)は、前記回転機器の中心軸(AX)と同じであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の回転機器の制振装置。
【請求項9】
前記基部、前記第1の慣性体、前記第2の慣性体、前記第1の連結部材、および前記第2の連結部材は、前記第1の慣性体および前記第2の慣性体の振動の中心(GD)と、前記回転機器の重心(GR)とが一致するように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の回転機器の制振装置。
【請求項10】
前記回転機器は、流体を圧縮する圧縮機部分、および前記圧縮機部分を駆動するモータ部分を前記ケーシング内に収容した電動圧縮機であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の回転機器の制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−68295(P2013−68295A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208321(P2011−208321)
【出願日】平成23年9月25日(2011.9.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】