説明

回転自走式内視鏡

【課題】
挿入部の回転筒体に確実に操作部側から回転駆動力を伝達する回転自走式内視鏡を実現すること。
【解決手段】
本発明の回転自走式内視鏡は、挿入部本体、該挿入部本体に回転自在に外嵌した回転筒体、及び該回転筒体に連結されたギヤが設けられていると共に、弾性体により支持された軸受け部によって上記回転筒体の回動軸が軸受けしてある挿入部と、上記挿入部本体と着脱自在であると共に、上記軸受け部に設けられた係合部が係合する被係合部、及び上記回転筒体に連結された第1のギヤが噛合する、上記回転筒体を回転させるための駆動力を発生する駆動手段の出力軸に連結された第2のギヤが設けられた操作部と、を具備することを特徴とすることで、挿入部の回転筒体に確実に操作部側から回転駆動力を伝達する回転自走式内視鏡を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の一部を構成し、体腔内に挿入される先端硬性部、及び推進力が与えられる回転筒体を備えた回転自走式内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、内視鏡は、医療、工業等の各種分野において、管内等の直接目視することができない部位を観察する目的で広く用いられており、一般に、被検部位へ挿入する細長の挿入部を備えて構成されている。
【0003】
このような内視鏡には、種々多様な構造のものが知られている。一例を挙げると、経肛門により大腸内へ挿入部の挿入を行う内視鏡において、挿入部の外周に、螺旋形状部を備えた軸回りに回動自在な回転筒体を設け、該回転筒体をモータ等で回転させることにより、螺旋形状部と腸壁との間に発生する摩擦を利用して、大腸内への挿入部の挿入を、ねじ作用により自動的に行うことができる回転自走式内視鏡が知られている。
このように、回転部材と体腔内の組織との摩擦を利用して、内視鏡等の医療用具を体腔内に挿入していく技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、生体管の深部まで容易に、且つ低侵襲の医療機器を誘導し得る、医療機器の推進装置が示されている。
【0004】
この推進装置では、回転部材に、この回転部材の軸方向に対して斜めのリブが設けてある。このため、回転部材を回転動作させることにより、回転部材の回転力がリブによって推進力に変換され、推進装置に連結されている医療機器が推進力によって、深部方向に移動される。
【0005】
このような技術を利用した内視鏡には種々のタイプのものがあるが、一例を挙げれば、経肛門により大腸内へ挿入を行うようになされた内視鏡において、挿入部の外周側に、軸回りに回動可能な可撓性を有する回転筒体を設けて、該回転筒体を回転させることにより、体腔内への挿入を自動的に行うことができるようにした回転自走式内視鏡装置がある。また、回転筒体は、体腔内に挿入するために長尺であり、その材質に回転伝達性の良い金属が用いられる。
【特許文献1】特開平10−113396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の回転自走式内視鏡を問わず、医療用の内視鏡は、未使用時の収納性、使用後の滅菌消毒作業性などの観点から、挿入部と操作部とが着脱自在な構成としたほうが好ましい。
【0007】
しかしながら、挿入部と操作部とを着脱自在にすると、回転自走式内視鏡は、その挿入部の外周に回動自在に配設される回転筒体に回転駆動力を操作部側から確実に伝達できる構造としなければならないという課題があった。
【0008】
つまり、挿入部と操作部とを着脱自在にした回転自走式内視鏡は、回転筒体に充分な回転駆動力が伝達されないと、体腔内への挿入部の挿入性が低減してしまうという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、挿入部と操作部を着脱自在にし、その挿入部の回転筒体に確実に操作部側から回転駆動力を伝達する回転自走式内視鏡を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、本発明の回転自走式内視鏡は、挿入部本体、該挿入部本体に回転自在に外嵌した回転筒体、及び該回転筒体に連結されたギヤが設けられていると共に、弾性体により支持された軸受け部によって上記回転筒体の回動軸が軸受けしてある挿入部と、上記挿入部本体と着脱自在であると共に、上記軸受け部に設けられた係合部が係合する被係合部、及び上記回転筒体に連結された第1のギヤが噛合する、上記回転筒体を回転させるための駆動力を発生する駆動手段の出力軸に連結された第2のギヤが設けられた操作部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の回転自走式内視鏡によれば、挿入部と操作部を着脱自在にし、その挿入部の回転筒体に確実に操作部側から回転駆動力を伝達する回転自走式内視鏡を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1〜図112は、本発明の一実施の形態に係り、図1は回転自走式内視鏡システムの全体構成図、図2は内視鏡の先端部、湾曲部、及び回転筒体の一部を示す断面図、図3は挿入補助具を示す斜視図、図4は案内管が接続される挿入補助具の分解斜視図、図5は案内管が接続された挿入補助具の断面図、図6は案内管が接続された挿入補助具の基端部分を示す断面図、図7は図6のVII−VII線に沿った挿入補助具の断面図、図8は収納ケース本体の分解斜視図、図9は収納ケース本体の断面図、図10は収納ケース本体を一側面から見た平面図、図11は案内管固定部材が取り付けられる収納ケース本体の一側面を示す拡大図、図12は図11の収納ケース本体の一側面に案内管固定部材が取り付けられた状態を示す拡大平面図、図13は推進力発生部材が配設される案内管固定部材の分解斜視図、図14は収納ケース本体上下方向から見た推進力発生部材が配設される案内管固定部材の部分断面図、図15は収納ケース本体左右方向から見た推進力発生部材が配設される案内管固定部材の部分断面図、図16は推進力発生部材を示す平面図、図17は回転筒体が挿通し、案内管固定部材内の推進力発生部材の作用を説明する断面図、図18は操作部側の案内管固定部材の部分断面図、図19は操作部側案内管とコネクタカバーとの接続状態を示す断面図、図20は操作部側案内管が接続されたコネクタカバーの一部を示す断面図、図21は図20のXXI−XXI線に沿った断面を示すコネクタボックスの平面図、図22は案内管に挿入部本体の回転筒体が挿通した状態を示す断面図、図23は収納ケース本体内の挿入部本体の回転筒体を一側面から見た断面図、図24はコネクタカバーの開口側の面から見た平面図、図25は図24のXXV−XXV線に沿ったコネクタカバーの断面図、図26は図25のXXVI−XXVI線に沿ったコネクタカバーの断面図、図27は、コネクタカバーのコネクタ本体を基端側から見た平面図、図28は図27の円XXVIIIを拡大した係止凸部を説明するための図、図29はコネクタ本体に配設される挿入部側ギヤ、回転軸、軸受け、及び弾性部材を説明するための分解斜視図、図30は電気コネクタ、及び弾性部材を説明するための図、図31は内蔵物保持体、及び弾性部材を説明するための図、図32は組み立てられたコネクタ本体に背面側を上方とした斜視図、図33はワイヤ接続板の上面を示す平面図、図34はワイヤ接続板の背面を示す平面図、図35は図33、及び図34のXXXV−XXXV線に沿ったワイヤ接続板の断面図、図36はワイヤ接続板の側面図、図37はワイヤ接続板を基端側から見た平面図、図38はワイヤ接続板を先端側から見た平面図、図39は湾曲操作ワイヤに接続されるワイヤ留金具の斜視図、図40はワイヤ留金具を先端側から見た平面図、図41はワイヤ留金具の側面を示す部分断面図、図42はワイヤ留金具を基端側から見た平面図、図43はワイヤ留金具がワイヤ接続板に配設される状態を説明するための図、図44はワイヤ留金具が配設されたワイヤ接続板の基端方向から見た平面図、図45はコネクタ本体にワイヤ接続板が取り付けられた状態を示す図、図46はワイヤ接続板がコネクタ本体に対して移動した状態を説明する図、図47はコネクタカバーの上面図、図48はコネクタカバーの背面図、図49は図48に示4XIX−4XIX線に沿ったコネクタカバーの断面図、図50は図49の5X―5X線に沿ったコネクタカバーの断面図、図51は操作部を示す上面図、図52は主操作部の背面を示す平面図、図53はモータボックスを示す上面図、図54はモータボックスの断面図、図55は雌側の電気コネクタを示す斜視図、図56は電気コネクタの横方向の断面図、図57は電気コネクタの縦方向の断面図、図58はモータカバーを示す斜視図、図59はモータカバーの係合孔部を説明するための断面図、図60は把持部、及び主操作部の内部構成を示す図、図61は図60の6XI−6XI線に沿った把持部の断面図、図62は図60の6XII−6XII線に沿った把持部の断面図、図63は把持部、及び主操作部の内部構成を示す図、図64は連結部材を示す斜視図、図65はストッパを示す斜視図、図66、及び図67は連結部材がストッパと当接した状態を説明するための図、図68は第1ガイド板を示す斜視図、図69は第2ガイド板を示す斜視図、図70はコネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す斜視図、図71はコネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す斜視図、図72はコネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す断面図、図73はコネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す断面図、図74はコネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す上面図、図75はコネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す側面図、図76は案内板にワイヤ接続板がガイドされる状態を示す部分断面図、図77はモータボックスの係合凸部がコネクタカバーの直進溝にガイドされる状態を説明するための図、図78はコネクタカバーがモータボックスにドッキングする直前の状態を示す側面図、図79〜図81はワイヤ接続板が第2ガイド板にガイドされる状態を説明するための図、図82〜図85はワイヤ接続板のワイヤ留金具が連結部材の留め金具係止穴に係入される状態を説明するための図、図86はコネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す側面図、図87〜図90はモータボックスの係合凸部がコネクタカバーの誘導溝、及び傾斜面にガイドされ、係合孔に係入される状態を説明するための図、図91は係合凸部が係合孔に係入している状態を示す拡大平面図、図92〜図94は軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入される状態を説明するための図、図95、及び図96は軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入され、挿入部側ギヤとモータギヤが噛合する状態を説明するための図、図97、及び図98は軸受けに固着された弾性部材の作用を説明するための図、図99〜図101は挿入部側ギヤとモータギヤの噛合における作用を説明するための図、図102〜図105は雄側の電気コネクタと雌側の電気コネクタの接続において、雄側の電気コネクタの突起部、及び固着された弾性部材の作用を説明するための図、図106はコネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す上面図、図107は収納ケース本体を上面から見た平面図、図108は挿入補助具が患者の肛門から直腸へ挿入された状態を示す作用説明のための図、図109は大腸内に挿入された挿入部本体がS字状結腸に到達し、その作用説明のための図、図110は大腸内に挿入された挿入部本体が盲腸近傍に到達し、その作用説明のための図、図111、及び図112はコネクタカバーをモータボックスから離脱させるときの動作を説明するための図である。
【0014】
先ず、図1に基づいて、回転自走式内視鏡システム1の全体構成について説明する。
図1に示すように、回転自走式内視鏡システム(以下、内視鏡システムと略記する)1は、回転自走式内視鏡(以下、単に内視鏡と略記する)2と、制御装置3と、モニタ4と、吸引器5と、によって主に構成されている。
【0015】
内視鏡2は、収納ケース付内視鏡挿入部6と、操作部7と、によって、主に構成されている。
収納ケース付内視鏡挿入部6は、先端から順に、先端硬性部(以下、単に先端部と略記する)8と、湾曲部9と、挿入部本体10と、回転筒体51と、挿入補助具11と、挿入部収納ケース本体(以下、収納ケース本体と略記する)12と、挿入補助具11と収納ケース本体12と間において介装されるコルゲート状のチューブである先端側案内管13と、操作部7と収納ケース本体12との間に介装されるコルゲート状のチューブである操作部側案内管14と、この操作部側案内管14の一端が連結されたコネクタカバー15と、から主に構成されている。
【0016】
操作部7は、収納ケース付内視鏡挿入部6の一部を構成するコネクタカバー15が着脱自在な回動手段であるモータボックス16と、把持部17と、主操作部18と、から主に構成されている。尚、上述のコネクタカバー15とモータボックス16によって、本実施の形態の内視鏡2の連結部が構成され、これらコネクタカバー15とモータボックス16の連結(ドッキング)によって、内視鏡2の各種機能を可能にするための後述する第1機能接続、第2機能接続、及び第3機能接続が行われる。
主操作部18には、収納ケース付内視鏡挿入部6の湾曲部9を4方向(内視鏡2が捉える内視鏡画像に対応する上下左右方向)に湾曲させる操作レバーである湾曲操作ノブ19と、流体を送出操作、或いは吸引操作するボタン類20と、各種撮像、照明などの光学系、プリンターなどの機器類を操作するスイッチ類21と、が配設されている。
【0017】
湾曲操作ノブ19は、略円盤状の2つのノブが重畳するように、操作部7の主操作部18の一面に配設されている。これら2つのノブは、回動自在に配設され、主操作部18側に湾曲部9の上記上下方向を操作のためのU(UP)/D(DOWN)用湾曲操作ノブ19aと、このU/D用湾曲操作ノブ19a上に湾曲部9の上記左右方向を操作するためのR(RIGHT)/L(LEFT)用湾曲操作ノブ19bと、からなる。
【0018】
主操作部18の一側面からは、電気ケーブルであるユニバーサルコード18aが延設されている。また、主操作部18には、ユニバーサルコード18aが延出する根元部分に折れ止め部18bが設けられている。
【0019】
このユニバーサルコード18aの延出端には、コネクタ部22が配設されている。このコネクタ部22は、制御装置3に接続されている。
【0020】
また、主操作部18の一側面に配設されているボタン類20は、内視鏡2の先端部8から被検体内へ気体を送気、或いは液体を送水するときに操作する送気/送水ボタン20aと、内視鏡2の先端部8から被検体内から汚物などの液体を吸引するときに操作する吸引ボタン20bと、からなる。
【0021】
モータボックス16に着脱されるコネクタカバー15からは、収納ケース付内視鏡挿入部6に挿通された3本のチューブ23が延出している。これら3本のチューブ23は、送気用チューブ23a、送水用チューブ23b、及び吸引用チューブ23c、からなる。これら3本のチューブ23の延出端は、夫々、着脱自在なコネクタを介して、制御装置3の前面部の所定の位置で接続されている。
【0022】
制御装置3には、送水タンク24が設けられている。この送水タンク24内には、蒸留水、或いは生理的食塩水が貯留されている。蒸留水、或いは生理的食塩水は、主操作部18の送気/送水ボタン20aが所定の操作がなされると、制御装置3によって、送水用チューブ23bに送液され、内視鏡2の先端部8から噴出する。尚、送気用チューブ23aには、主操作部18の送気/送水ボタン20aが所定の操作がなされると、制御装置3内の図示しないコンプレッサからの空気が送気され、この空気は内視鏡2の先端部8から噴出する。
【0023】
また、吸引ボタン20bが操作されると、内視鏡2の先端部8から汚物などが吸引され、この汚物などは、吸引用チューブ23cを介して、制御装置3から吸引器5に送り込まれる。尚、本実施の形態の回転自走式内視鏡システム1においては、吸引器5を使用しているが、病院に備え付けの吸引システムを利用しても良い。
【0024】
制御装置3には、電気ケーブル25aを介してフットスイッチ25が接続されている。このフットスイッチ25は、内視鏡2の挿入部本体10を所定の方向へ回動/停止操作するためのスイッチである。尚、この挿入部本体10の回転方向を操作、及び停止操作する進退スイッチは、図示しないが後述する操作部7の主操作部18にも配設されている。
【0025】
また、制御装置3の前面部には、電源スイッチ、内視鏡2の挿入部の回転速度を可変するダイヤルなどが配設されている。尚、操作部7のモータボックス16には、挿入部に回転力を付与する、ここでは図示しないモータが内蔵されている。
また、制御装置3は、モニタ4と電気的に接続されている。モニタ4は、内視鏡2が捉えた内視鏡画像を表示する。
【0026】
次に、図2を用いて、内視鏡2の挿入部を構成する先端部8、湾曲部9、挿入部本体10、及び回転筒体51について説明する。
【0027】
先ず、先端部8について、説明する。
先端部8は、生体適合性のある合成樹脂からなる硬質な略円環状の本体環26と、撮像ユニット27と、から主に構成されている。
【0028】
撮像ユニット27は、本体環26内に収容される合成樹脂からなる略円環状の保持環28aと、この保持環28aの基端側に嵌着される金属からなる略円環状のカバー環28bと、保持環28aの先端開口部を気密に封止するように嵌着され、生体適合性のある透明な合成樹脂によってドーム状に形成されたカバー体29と、によって外形が形成されている。
【0029】
これらの部材によって形成される撮像ユニット27の空間内には、対物レンズ群30と、この対物レンズ群30へ入射する撮影光が集光される位置に配置されるCCD、CMOSなどの撮像素子31と、この撮像素子31によって光電変換された画像信号が入力されるフレキシブルプリント基板(FPC)32が配設される。
【0030】
このFPC32には、通信ケーブル33が接続されている。この通信ケーブル33は、湾曲部9、及び挿入部本体10内に挿通して、コネクタカバー15(図1参照)に配設される図示しないコネクタに接続されている。
【0031】
また、対物レンズ群30を保持する保持環を固定している板体35には、照明部材である複数のLED34が対物レンズ群30を囲むように配設されている。尚、板体35は、カバー体29の略中心を通る部分に延長線上にある内面と固着できるように、略円形に形成されている。そして、対物レンズ群30は、板体35の板面における略中心位置に光軸が通るように配置されている。
【0032】
このように構成された撮像ユニット27は、本体環26の中心に対して、偏芯する位置に配置され、本体環26の先端側開口部に配設される先端キャップ36により本体環26に固定されている。
【0033】
撮像ユニット27の保持環28aと本体環26との間にできる隙間には、吸引用チューブ23cの先端部分と、この吸引用チューブ23cが基端側に接続された吸引管37が配置されている。この吸引管37の先端部分は、先端キャップ36に固着されている。
【0034】
先端キャップ36には、吸引用の開口部38が形成されている。尚、図示していないが、上述した保持環28aと本体環26との間にできる隙間を利用して、送気用チューブ23a、及び送水用チューブ23bに連通する管路が配設され、それら管路の開口部も先端キャップ36に形成されている。
【0035】
次に、湾曲部9について説明する。
湾曲部9には、先端部8の本体環26の基端開口部に嵌着された硬質な先端湾曲駒39と、硬質な複数の湾曲駒40(湾曲節輪とも言う)と、が枢支部40aによって回動自在に連設されている。これら駒39,40には、生体適合性のあるフッ素ゴムなどの弾性部材からなる湾曲外皮41が被覆されている。この湾曲外皮41の先端部分は、糸巻き接着部42により、先端部8の本体環26の基端部分と固着されている。
【0036】
複数の湾曲駒40は、その内周面から中心方向へ突出するワイヤガイド43を有している。このワイヤガイド43には、湾曲操作ワイヤ44(アングルワイヤとも言う)が挿通している。
【0037】
この湾曲操作ワイヤ44の先端部分は、湾曲部9内に4本存在し(図2では2本のみ図示している)、夫々に筒状の係止部材45が半田などにより溶着されている。これら湾曲操作ワイヤ44は、先端湾曲駒39に形成された4つの係止孔部39aに夫々の係止部材45が係止されている。
【0038】
4つの係止孔部39aは、先端湾曲駒39の軸に対して直交する面において、略等間隔となる4等分した位置に形成されている。この先端湾曲駒39は、上記内視鏡画像の上下左右に対応して、各係止孔部39aが位置するように軸回りの方向が決められている。そのため、4本の湾曲操作ワイヤ44は、上下左右方向に略等間隔に離間した4点において保持固定されている。
【0039】
また、これら湾曲操作ワイヤ44は、挿入部本体10内に挿通し、コネクタカバー15まで配設されている。尚、これら湾曲操作ワイヤ44の夫々の基端部分には、ここでは図示しない後述するワイヤ留が設けられている。各湾曲操作ワイヤ44のワイヤ留は、コネクタカバー15がモータボックス16に一体となっている状態において、把持部17内に設けられた、ここでは図示しない後述する湾曲ワイヤ係止部材である連結部材に夫々が対応して連結される。
【0040】
各連結部材は、主操作部18内に配設された湾曲操作ノブ19に連動する、ここでは図示しない後述の湾曲操作機構と、ここでは図示しない後述のチェーンにより、連結されている。つまり、湾曲操作ノブ19が回動操作されると、湾曲操作機構により各連結部材が交互に牽引又は弛緩され、その動きに連動して、各湾曲操作ワイヤ44が交互に牽引又は弛緩されるようになっている。
【0041】
従って、4本の湾曲操作ワイヤ44が夫々、前後に牽引弛緩されると、複数の湾曲駒40が対応して回動する。こうして、湾曲部9が上述した4方向へ湾曲操作される。
【0042】
湾曲部9の基端部分には、最基端にある湾曲駒40の内部に嵌着されたコイルパイプ固定用の金属からなる第1口金46と、最基端にある湾曲駒40の外周側に嵌着された内層チューブ固定用の金属からなる第2口金47と、この第2口金47の外周側に嵌着された回転筒体を回動自在に係合するための合成樹脂からなる第3口金48と、が配設されている。これらの口金46〜48は、接着剤などにより強固に固着されている。
尚、上述した湾曲外皮41は、第3口金48とも糸巻き接着部42により、固着されている。
【0043】
また、上述の湾曲操作ワイヤ44は、夫々、第1口金46から基端側がコイルシース49内に夫々挿通している。コイルシース49の先端部分は、第1口金46に形成された穴部に挿入固定されている。尚、本実施の形態で用いられるコイルシース49は、ワイヤをパイプ状に密着巻きした非圧縮性の構造を有している。
【0044】
第2口金47の基端部分は、挿入部内に挿通する軟性な内層チューブ49aの先端部分が固定されている。この内層チューブ49aは、細線のワイヤなどを筒状に編み込んで可撓性を持たせたチューブ体でも良い。
【0045】
第3口金48の基端部分には、突起部48aが設けられている。また、この第3口金48は、突起部48aの外周側に隙間ができるように、湾曲外皮41に完全にカバーされている。尚、突起部48aの作用については、後で説明する。
【0046】
次に、挿入部本体10について説明する。
挿入部本体10は、先端部分に連結用の合成樹脂からなる口金50と、この口金50と先端部分が接着材52により固着された外皮を構成する螺旋管である回転筒体51と、から主に構成されている。
【0047】
この挿入部本体10内には、上述した内層チューブ49aと、湾曲操作ワイヤ44が夫々挿通する4本のコイルシース49と、通信ケーブル33と、図示しない各種チューブ23と、が配設されている。すなわち、図からも判るように、内層チューブ49aが最も外側となっており、内部の各構成要素を保護している。
【0048】
回転筒体51には、先端部分に連結用の合成樹脂からなる口金50と、先端部分が接着材52により固着されている。
【0049】
口金50は、先端部分に上述した湾曲部9の第3口金48の突起部48aと係合する凹凸部50aが形成されている。つまり、口金50と、第3口金48は、夫々の軸回りに回動自在となっている。すなわち、挿入部本体10は、外嵌する回転筒体51が後述するように、その内層チューブ49aの軸回りに対して回動し、それ自体は回動しないような構成となっている。
【0050】
この口金50と連結された回転筒体51は、断面形状が凹凸となるように加工された生体適合性のある金属板体を螺旋状に巻回し、可撓性を備えた筒体である。この回転筒体51は、上述の凹凸が略隙間なく係合しており、その外周面に螺旋状凸部(あるいは、螺旋状凹部、さらにあるいは、螺旋に沿って連設されるように突設される凸部、など)となる螺旋形状部51aが形成される。
【0051】
具体的には、回転筒体51は、体腔内への挿通性を考慮した螺旋管であり、例えばステンレス製で所定の径寸法が設定されている。また、回転筒体51は、板体に形成する凹凸の寸法を変更して、凹凸のピッチ、螺旋の角度などを種々設定できる。尚、螺旋形状部51aを形成する凸部分の幅は、凹部分の幅よりも大きく設定されている。これにより、挿入部の外形を形成する回転筒体51が湾曲した状態で、重なり合ったとしても、凸部が凹部に入り込むことが防止される。
【0052】
この回転筒体51は、挿入方向の軸回りに回動可能となるように構成されている。そして、この回転筒体51が回転すると、外周面の螺旋形状部51aが被検体の体腔内壁と接触して推力が発生し、回転筒体51自体が挿入方向へ進行しようとする。
【0053】
このとき、回転筒体51の先端部に固着されている口金50が、湾曲部9の基端部分にある第3口金48に当接して湾曲部9を押圧し、先端部8を含めた挿入部全体が体腔内の深部に向かって前進する推進力が付与される。
【0054】
尚、回転筒体51は、操作部7のモータボックス16(図1参照)に配設された回動手段の1部を構成するモータ(不図示)により回転力が与えられる。また、本実施の形態では、上述した、先端部8、湾曲部9、挿入部本体10、及び回転筒体51により、回転自走式内視鏡2の挿入部が構成されている。
【0055】
次に、図3〜図7を用いて、挿入補助具11について説明する。
図3に示すように、挿入補助具11は、挿入管53と、迷入防止手段である迷入防止部54と、保持管55と、第1固定環56と、第2固定環57と、から主に構成されている。
【0056】
尚、挿入管53、迷入防止部54、及び保持管55は、一体となり、挿入補助具11におけるチューブ本体58を構成している。
【0057】
保持管55は、両端外周部分が外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどからなる硬質な筒体でも良い)である。この保持管55には、図4に示すように、基端側の内周面に雌螺子部55aが形成されている。
【0058】
第1固定環56は、基端外周部分が外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどからなる硬質な筒体でも良い)である。この第1固定環56の基端部分には、外周面側に雄螺子部56a、及び内周面側に雌螺子部56bが形成されている。
【0059】
第2固定環57は、中途外周部分が外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどからなる硬質な筒体でも良い)である。この第2固定環57の先端部分には、外周面側に雄螺子部57aが形成されている。
【0060】
この第2固定環57には、先端側案内管13が挿設される。この先端側案内管13は、第2固定環57の先端側で突出するように挿通し、その突出した先端部分の外周方向から2つに分離する留めリング59が嵌め込まれる。尚、先端側案内管13に関しての詳細な説明、及び留めリング59による挿入補助具11への固定に関しての詳細な説明は、後に記載する。
【0061】
図5に示すように、挿入管53は、先細りとなるように外周にテーパ面が形成されたシリコンなどの柔軟性を有する合成樹脂からなる略円環状の先端挿入管53aと、本体を形成している挿入筒体53bと、先端挿入管53aと挿入筒体53bとを内周側で連結している繋ぎ環53cと、を有して構成されている。
【0062】
この挿入筒体53bは、外表面側から順に、ポリウレタンなどの合成樹脂により形成された外チューブ53dと、金属線を網目状に織り込んで筒状に形成したブレード53eと、金属性の螺旋管であるフレックス管53fと、ポリウレタンなどの合成樹脂により形成された内チューブ53gとを有し構成されている。
【0063】
これらの外チューブ53d、ブレード53e、フレックス管53f、及び内チューブ53gは、4層構造となって夫々対応した部材間が接着、溶着などにより一体となるように固着されている。これにより、挿入筒体53bは、所定の剛性が設定された可撓性を有するチューブ体である。
【0064】
尚、挿入筒体53bは、所定の剛性、及び所定の可撓性が十分に得られる場合には、単一の部材からなる筒体として形成しても良い。さらに、挿入筒体53bは、その外周面、及び内周面に滑り性を良くする、例えば、テフロン(登録商標)加工などのコーティングを施しても良い。この挿入筒体53bの基端部分には、シリコンなどの合成樹脂からなる中空の円盤である上述の迷入防止部54が配設される。
【0065】
この迷入防止部54は、その孔径が挿入筒体54bの外形よりも小さく設定されている。迷入防止部54は、その弾性変形により、所定の保持強度を有して挿入筒体53bに密着固定されている。これにより、迷入防止部54の位置を変更することで、挿入管53の先端から基端にかけた体腔内への所望の挿入長が設定可能となっている。
【0066】
また、挿入筒体53bの基端部分は、図5に示すように、ブレード53e、フレックス管53f、及び内チューブ53gの3層構造となっており、円環状の口金60と接着などにより固着されている。保持管55は、挿入管53の挿入筒体53bの基端部となる口金60と螺着されている。
【0067】
チューブ本体58は、先端に上述の先端挿入管53aの先端開口である開口部58aを有している。尚、開口部58aは、挿入部が突出するための、挿入補助具11における開口部を構成している。
【0068】
チューブ本体58の基端部となる保持管55には、その雌螺子部55aに第1固定環56の雄螺子部56aが螺着することで、第1固定環56が固定される。
【0069】
この第1固定環56には、先端側案内管13が挿通した留めリング59が嵌入されると共に、第2固定環57が固定される。つまり、第1固定環56の雌螺子部56bと第2固定環57の雄螺子部57aとが螺着することで、第1固定環56に第2固定環57が固定される。
【0070】
このとき、留めリング59は、両端面が夫々対向する第1固定環56内の端面と第2固定環内の端面とにより嵌合固定される。また、この留めリング59には、その内周面の中央部、及び基端部に内周方向に向かった軸回りに内向フランジ59a,59bが形成されている。
【0071】
これら内向フランジ59a,59bは、図6、及び図7に示すように、先端側案内管13のコルゲート状の凹凸を係止する。これにより、先端側案内管13は、挿入補助具11に接続される。また、先端側案内管13は、その先端部分である、図6の符号Fで示す部分において、第1固定環56内に形成された段部の基端側の面と圧縮された状態となることで、挿入補助具11と水密が保持されて接続されている。すなわち、挿入補助具11と先端側案内管13とによって、チューブ本体58の開口部58aが先端開口となる管路が形成される。
【0072】
次に、図8〜図12を用いて、収納ケース本体12について説明する。
図8に示すように、収納ケース本体12は、アクリル板などの透明、或いは半透明の光透過性のある矩形状の2枚の板体61,62と、この2枚の板体61,62の夫々の一面を所定の距離だけ離間するように対向させて固着するための複数の枠体63a〜63fと、2つの案内管固定部材64,65と、から主に構成されている。
【0073】
尚、上述の板体61,62は、半透明、若しくは光透過性のある着色板とすることで、回転筒体51に付着した汚物が見難くし、且つ回転筒体51の回転を視認できるような構成にすることができる。
【0074】
2枚の板体61,62には、夫々が対向する面と反対側の面の角部にL字状の脚部66が固定されている。これら脚部66は、夫々の角部が各板体61,62の四つ角の何れかに合わせて、接着などにより板体61,62の各面上に固着されている。
【0075】
板体61,62には、上述の脚部66が固着される面と反対側の面の各縁辺部上に厚さ方向の寸法が夫々等しい枠体63a〜63fが接着などにより固着される。すなわち、2枚の板体61,62は、上述したように、各枠体63a〜63fの厚みだけ離間した距離で夫々の板面が平行となるように固定される。
【0076】
これら枠体63a〜63fは、夫々が所定の長さに設定された略四角柱形状をしており、図9に示すように、板体61,62の4辺に沿った縁辺部上の四囲に設けられる。すなわち、収納ケース本体12には、2枚の板体61,62と、各枠体63a〜63fとによって、内部空間が形成される。
【0077】
また、枠体63aの一端と枠体63bの一端との間、並びに枠体63cの一端と枠体63dの一端との間には、夫々、上述した挿入部が挿通可能なように、所定の間隔が空けられた隙間68が形成されている。この隙間68を形成する枠体63a〜63dの内部側の角部には、挿入部がスムーズに通過できるように、滑らかな曲面69が形成されている。
【0078】
各案内管固定部材64,65は、上述した隙間68に合わせた位置の枠体63a,63b、或いは枠体63c,63dを掛け渡すように、ボルト、及びナットからなる固定部材67により、収納ケース本体12の一側面に固定される。
【0079】
具体的には、各案内管固定部材64,65は、図10に示すように、金属からなり(合成樹脂、プラスティックなどからなる硬質な材料でも良い)筒体64a,65aの一端に長方形の矩形状の板部材64b,65bが固定された形状をしている。
【0080】
これら案内管固定部材64,65は、各枠体63a〜63dに形成されたねじ孔67a(図11では、枠体63a,63bのねじ孔67aのみ図示している)に挿通された固定部材67により図10、及び図12に示すように固定される。
【0081】
尚、これら各案内管固定部材64,65は、筒体64a,65aの孔部と上述した隙間68の夫々の中心が合わせられ、収納ケース本体12の内部空間と連通するように、固定される。また、隙間68、及び各案内管固定部材64,65の配置位置は、収納ケース本体12の角部近傍の側面部であり、各案内管固定部材64,65の筒体64a,65aの長手軸が直交するように設定されている。さらに、各案内管固定部材64,65は、収納ケース本体12の同一の角部近傍に配置がされないように設定される。
【0082】
すなわち、最適な各案内管固定部材64,65の配置位置は、図9に示すように、紙面に向かって見た、収納ケース本体12の下方向を臨む側面における左下部の角部近傍に案内管固定部材(以下、第1の案内管固定部材ということもある)64を固定された場合、案内管固定部(以下、第2の案内管固定部材ということもある)65が紙面に向かって見た、収納ケース本体12の左方向を臨む側面における右下部の角部近傍に固定される。
【0083】
また、各案内管固定部材64,65の夫々の板部材64b,65bと、各枠体63a〜63dと、の間には、水密を保持するためのラバー板76(図14、図15、及び図17参照)が介装されている。
【0084】
第1の案内管固定部材64には、上述した挿入補助具11に一端が接続された先端側案内管13の他端が接続される。
【0085】
具体的には、図13に示すように、収納ケース本体12と先端側案内管13とを連結する連結部である第1の案内管固定部材64の筒体64aは、基端側の内周面に雌螺子部64cが形成されている。この筒体64a内には、順に、第1の推進力発生部材70a、第1の押さえ環71、第2の推進力発生部材70b、及び第2の押さえ環73が列置される。そして、筒体64aには、その雌螺子部64cと第3固定環73の中途の外周面に形成される雄螺子部73aが螺着される。
【0086】
また、第3固定環73は、基端外周部分が外径方向に突出した形状をしている略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどからなる硬質な筒体でも良い)である。尚、この第3固定環73の基端側の内周面には、雌螺子部73bが形成されている。
【0087】
この第3固定環73には、先端側案内管13が挿通した留めリング74が嵌入されると共に、第4固定環75が固定される。つまり、第3固定環73の雌螺子部73bと第4固定環75の雄螺子部75aとが螺着することで、第3固定環73に第4固定環75が固定される。
【0088】
このとき、留めリング74は、両端面が夫々対向する第3固定環73内の端面と第4固定環75内の端面とにより、第3固定環73内に嵌合固定される。また、この留めリング74には、その内周面の中央部、及び基端部に内周方向に向かった軸回りに内向フランジ74a,74bが形成されている。
【0089】
これら内向フランジ74a,74bは、図14、及び図15に示すように、先端側案内管13のコルゲート状の凹凸を係止する。これにより、先端側案内管13は、案内管固定部材64に第3固定環73、及び第4固定環75を介して接続される。また、先端側案内管13は、その基端部分である、図15の符号Gで示す部分において、第3固定環73内に形成された段部の先端側の面と圧縮された状態となることで、案内管固定部材64、及び第3固定環73と水密が保持された状態で接続されている。
【0090】
この第1の案内管固定部材64内に配設される推進力発生手段である2枚の推進力発生部材70a,70bは、所定の厚さを有する略円盤形状をしている板部材からなる。
【0091】
各推進力発生部材70a,70bには、図16に示すように、略中央部に孔部77が穿設されている。この孔部77は、略長方形の角部を曲線状に形成した形状をしている。この曲線状の形成は、推進力発生部材70a,70bの裂け防止のためのものである。
【0092】
推進力発生部材70a,70bは、例えば、合成天然ゴム、シリコンゴムなどから形成されている。例えば、その材質は、スプリング式デュロメータ硬さ試験タイプA(規格番号:JIS−K−6253,国際標準化機構:ISO7619)により行われた硬さ範囲がA20〜A90の弾性体である。
【0093】
ここで、図14、図15、及び図17を用いて、第1の案内管固定部材64内における2枚の推進力発生部材70a,70b、2つの押さえ環71,72、及び第3固定環73の夫々の配置について詳しく説明する。
先ず、第1の推進力発生部材70aが第1の案内管固定部材64の筒体64aと板部材64bとの接続位置における板部材64bの端面に当接するように配置される。次いで押さえ環71、第2の推進力発生部材70b、押さえ環72の順で第1の案内管固定部材64の筒体64a内に収容される。すなわち、この状態において、筒体64a内には、基端側から順に第1の推進力発生部材70a,押さえ環71、第2の推進力発生部材70b、及び押さえ環72が配置されている。
【0094】
そして、第3固定環73が筒体64aの基端開口部に挿入され、第3固定環73の雄螺子部73aと筒体64aの雌螺子部64cが螺合される。この状態において、第1の推進力発生部材70aは、その円周部が板部材64bの端面と押さえ環71の基端円周部と当接して、各部材間で挟持された状態となる。
【0095】
また、第2の推進力発生部材70bは、その円周部が押さえ環71の先端円周部と押さえ環72の基端円周部と当接して、各部材間で挟持された状態となる。そして、押さえ環72は、その先端円周部が第3固定環73の基端円周部に押圧された状態となる。
【0096】
尚、筒体64a、2つの押さえ環71,72、及び第3固定環73は、夫々の軸方向の長さが第1,第2の推進力発生部材70a,70bを夫々所定の押圧力で挟持できるように設定されている。また、第1の推進力発生部材70aと第2の推進力発生部材70bとの対向面間の距離は、押さえ環71の軸方向の長さと同じ距離となる。そのため、押さえ環71の軸方向の長さによって、第1の推進力発生部材70aと第2の推進力発生部材70bとが所定の距離だけ離間するように設定されている。
【0097】
この第1の推進力発生部材70aと第2の推進力発生部材70bとが離間する距離は、回転筒体51の螺旋形状部51aに形成される凹凸の1ピッチと略等しい距離が設定されている。つまり、押さえ環71の軸方向の長さ、及び各推進力発生部材70a,70bの板厚長は、螺旋形状部51aに形成される凹凸の1ピッチに対応して設定されている。
【0098】
また、2つの押さえ環71,72の各推進力発生部材70a,70bを押圧する円周部分の端面には、第1,第2の推進力発生部材70a,70bとの当接時に、確実な挟持性を維持させるため、ズレ防止用の凹凸面などのズレ防止手段である粗面を形成しても良い。つまり、第1,第2の推進力発生部材70a,70bは、押圧される2つの押さえ環71,72の端面を粗面とすることで、これら粗面との接触面に大きな摩擦力が発生するため、外部からの力に対して、ズレが防止され、対応する案内管固定部材64内で確実に挟持される。
【0099】
このように案内管固定部材64内に設置された、第1、第2の推進力発生部材70a,70bの孔部77には、図17に示すように、収納ケース本体12内の挿入部本体10が挿通する。このとき、第1、第2の推進力発生部材70a,70bは、夫々の孔部77を形成する内周面の一部で回転筒体51をその弾性力で押圧した状態となる。
【0100】
また、第1、第2の推進力発生部材70a,70bの各孔部77は、図16に示すように、長辺の長さをL1とし、短辺の長さをL2とすると、勿論L1<L2という関係となっている。これら孔部77に挿通する挿入部本体10の外形部を形成する回転筒体51は、その螺旋形状部51aの凹凸により、凹部分の直径の長さがL3、凸部分の直径の長さがL4とすると、勿論、L3<L4という関係となっている。
【0101】
そして、本実施の形態においては、各孔部77と回転筒体51の螺旋形状部51aの凹凸の寸法が、孔部77の短辺の長さL2が螺旋形状部51aの凹部分の直径の長さL3よりも若干に短く(L2<L3)に設定され、且つ、孔部77の長辺の長さL1が螺旋形状部51aの凸部分の直径の長さL4よりも長く(L1>L4)に設定される。
【0102】
つまり、第1、第2の推進力発生部材70a,70bは、各孔部77の短辺方向の回転筒体51が接触する略2面で螺旋形状部51aの凹部を弾性変形により押圧する。そして、回転筒体51は、軸回りに回動すると、第1、第2の推進力発生部材70a,70bの摩擦力をうけると共に、その螺旋形状部51aが第1、第2の推進力発生部材70a,70bの各孔部77で螺子作用により軸方向に進退する。尚、上述の孔部77の短辺の長さL2、螺旋形状部51aの凹部分の直径の長さL3、及び螺旋形状部51aの凸部分の直径の長さL4の寸法関係をL3<L2<L4とすることで、回動する回転筒体51が螺子作用で進退するようにしても良い。
【0103】
また、挿入部本体10は、被検部内、例えば、体腔の腸壁などから所定量以上の抵抗を受けた場合、その抵抗力によって、回転筒体51が第1、及び第2の推進力発生部材70a,70bに対して、被検部深部方向へ前進しないように空回りする。
【0104】
すなわち、上述したように、第1、及び第2の推進力発生部材70a,70bの各孔部77の長辺の長さL1が螺旋形状部51aの凸部分の直径の長さL4よりも長く(L1>L4)設定されており、回転筒体51は、孔部77の長辺方向に対して、クリアランスを有して挿通しているため、所定の力(前進する方向への摩擦力)が加えられると、孔部77の位置で空回りし、被検部深部方向への前進ができなくなる。
【0105】
これは、回転筒体51による挿入部本体10が被検部である、例えば、体腔へ必要以上の挿入による負荷を与えないように、発生した推進力による過度の押し込みを防止している。
【0106】
尚、第2の案内管固定部材65は、その内部に推進力発生部材70a,70bが配設されておらず、第1の案内管固定部材64と略同じ構成で操作部側案内管14と接続される。
【0107】
具体的には、図18に示すように、第2の案内管固定部材65は、直接、上述した第4固定環75が接続される。つまり、第2の案内管固定部材65は、上述した第3固定環73と同様にして、操作部側案内管14を係止する留めリング74を第4固定環75と共に、保持することで、操作部側案内管14と接続される。
【0108】
尚、第2の案内管固定部材65の筒体65aの基端内周面には、第4固定環75の雄螺子部75aと螺着する雌螺子部65cが形成されている。
【0109】
ここでも、留めリング74が当接する第2の案内管固定部材65の端面において、操作部側案内管14の端部が圧縮した状態で押圧され、第2の案内管固定部材65と操作部側案内管14との水密が保持された状態となっている。また、第2の案内管固定部材65に一端が接続された操作部側案内管14の他端は、コネクタカバー15と接続される。
【0110】
次に、図19〜図21を用いて、操作部側案内管14とコネクタカバー15の接続について説明する。
図19、及び図20に示すように、操作部側案内管14には、略筒状の金属環(合成樹脂、プラスティックなどからなる硬質な筒体でも良い)からなる第5固定環78と、合成樹脂、プラスティックなどからなる接続筒体79との螺着によって、その基端部分の外周を係止する留めリング81が内嵌保持される。尚、留めリング81は、上述した先端側案内管13の両端部分、及び操作部側案内管14の先端部分を係止する各留めリング59,74と同じ構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【0111】
第5固定環78は、中途部分が外径方向に突出した形状をしており、基端部分の外周に雄螺子部78aが形成されている。また、接続筒体79は、先端部分が外径方向に突出した形状をしており、先端部分の内周面に雌螺子部79aが形成され、略等間隔で円を描くように基端側に向かって延設され、コネクタカバー15と着脱自在とするための複数の係止部80を有している。
【0112】
つまり、第5固定環78と接続筒体79は、雄螺子部78aと雌螺子部79aが螺合することで、接続され、その接続部内に留めリング81を内嵌保持している。この状態において、操作部側案内管14は、基端部分が圧縮された状態となり、基端外周部が接続筒体79の当接する端面に押圧される。これにより、操作部側案内管14は、第5固定環78と接続筒体79と水密が保持された状態で接続される。
【0113】
このコネクタカバー15と接続された接続筒体79は、その係止部80がコネクタカバー15に接続されている。詳述すると、コネクタカバー15は、先端と基端部分に外向フランジ82aが形成された筒体に軸方向に沿った切り欠き82b(図21参照)が形成された接続部82を有している。
【0114】
この接続部82には、接続筒体79の複数の係止部80が外嵌するように接続される。この複数の係止部80は、基端部に接続筒体79の内周方向に向かって突起する突部80aを有している。そのため、これら突部80aが接続部82の基端部分の外向フランジ82aを掛止することで、接続筒体79とコネクタカバー15が着脱自在に接続される。
【0115】
また、各係止部80の夫々の突部80aは、単に接続筒体79の外向フランジ82aを引っ掛けているため、接続筒体79がコネクタカバー15に対して、軸回りに回動自在となっている。従って、接続筒体79と連結する操作部側案内管14も、コネクタカバー15に対して、回動自在に接続される。
【0116】
また、図20に示すように、回転筒体51の基端部は、口金83に接着剤などにより固着されている。この口金83は、回転軸84の先端部分とビスにより接続されている。この回転軸84は、ここでは図示していないが、後述するようにコネクタカバー15内で回動支持されている。
【0117】
尚、コネクタカバー15がモータボックス16(図1参照)と接続されると、回転軸84に設けられる、ここでは図示していない後述の挿入部側ギヤと、モータボックス16に設けられる、ここでは図示していない後述のモータギヤとが噛合する。そして、モータの駆動力が各ギヤに伝達されて、回転軸84、及び口金83を介して、回転筒体51が軸回りに回転する。
【0118】
次に、図22を用いて、各案内管13,14について説明する。
案内管13,14は、上述したように、外周面と内周面に凹凸が形成された蛇腹管である所謂コルゲート状の透明、若しくは半透明の光透過性のある合成樹脂からなるチューブ体である。この案内管13,14は、その凹凸によって、可撓性を有し、湾曲されても座屈することなく内径寸法が略変化しない。
【0119】
案内管13,14は、その内径方向に突出する凸部位置で最小内径寸法である長さをL4とする。この案内管の最小内径の長さL6は、回転筒体51の螺旋形状部51aを形成する凸部位置における外径寸法である長さL5よりも大きく(L6>L5)に設定されている。つまり、案内管13,14は、回転筒体51が充分に挿通可能なチューブ体である。
【0120】
また、回転筒体51は、軸回りの回動力が与えられると、その内部で材料の内部にはすべり変化とせん断応力が生じ、捩れ応力が発生する。その捩れ応力によっては、回転筒体51は、その可撓性により、輪状に変化する場合がある。
【0121】
そのため、案内管13,14の最小内径の長さL6は、回転筒体51の螺旋形状部51aを形成する凸部位置における外径寸法である長さL5の2倍以下(L6≦2L5)に設定されている。また、案内管13,14は、回転筒体51の捩れ応力による変形した動き(暴れ)に耐えうる所定の硬度を有している。
【0122】
このことは、上述した収納ケース本体12にも同様なことが言え、図23に示すように、回転筒体51が捩れ応力により、輪状とならないように、板体61,62間の距離L7が回転筒体51の螺旋形状部51aを形成する凸部位置における外径寸法である長さL5の2倍以下(L7<2L5)に設定されている。すなわち、図8に示した、2枚の板体61,62の夫々を距離L7の平行な面上にしている各枠体63a〜63fの高さ方向の長さがL7に設定されている。勿論、板体61,62間の距離L7は、回転筒体51の螺旋形状部51aを形成する凸部位置における外径寸法である長さL5よりも長い(L7>L5)。
【0123】
尚、挿入部本体10は、上述した回転筒体51の螺旋形状部51aを形成する凸部位置においての長さL5の外径が最大外径寸法となる。
【0124】
次に、図24〜図32を用いて、コネクタカバー15のコネクタ本体85について詳しく説明する。
図24、及び図25に示すように、コネクタカバー15は、硬質な合成樹脂からなり、上述した接続部82が先端側に位置する一面が開口した略箱状のコネクタ本体85を有している。このコネクタ本体85は、剛性を向上させるための両側面を掛け渡すように複数の梁部を有している。
【0125】
このコネクタ本体85の底面には、図24に示すように、2つの軸受け取り付け面86,87と、内蔵物保持体材取り付け面88と、電気コネクタ取り付け面89と、が凹部状に形成されている。また、2つの軸受け取り付け面86,87、及び内蔵物保持体取り付け面88は、接続部82の中心軸に沿った直線状に位置している。
【0126】
コネクタ本体85の両側部には、上述した各チューブ23が内部から外部へ延設できるようにする略コの字状のチューブ挿通孔90と、略円に近い長孔の2つの係合孔91a,91bが形成されている。また、コネクタ本体の両側部の内面には、図25に示すように、その縁辺部に略三角形上の2つの誘導溝92a,92bと、基端部が広がるように斜部93aが形成された直進溝93と、が形成されている。
【0127】
これら2つの誘導溝92a,92bは、夫々が直進溝93上であって、この直進溝93の溝軸に直交する軸上に、対応する2つの係合孔91a,91bが並ぶような位置に形成される。また、コネクタ本体85の両側部の内面には、誘導溝92a,92bと係合孔91a,91bとの間に傾斜面94a,94b(図26参照)が形成されている。
【0128】
また、図26に示すように、コネクタ本体85の両外側面には、2つの係合孔91a,91bを結ぶように、前後方向に直線状の折れ溝85aが形成されている。
【0129】
図27に示すように、コネクタカバー15のコネクタ本体85の基端面には、後述するワイヤ接続板が着脱自在に係止される切り欠き95が形成されている。この切り欠き95を形成しているコネクタ本体85の基端面における下端部(図27では、上端に図示)には、横方向に突起した係止突起部95aが形成されている。また、切り欠き95を形成しているコネクタ本体85の基端面における中途部には、図28に示すように、若干に横方向に突起した係止凸部95bが形成されている。
【0130】
このコネクタ本体85には、図29に示す回転軸84を回動支持する2つの軸受け部(以下、単に軸受けという)97と、図30に示す雄側となる能動側電気コネクタ(以下単に、電気コネクタという)99と、図31に示す内蔵物保持体103と、が配設される。
【0131】
図29に示すように、回転軸84は、中途部に第2のギヤとなる挿入部側ギヤ96が嵌着されている。なお、回転軸84と挿入部側ギヤ96は、一体的に形成しても良い。この回転軸84の先端には、上述したように、回転筒体51が固着される口金83がビス83aにより固定される。
【0132】
この回転軸84は、2つの軸受け97により、回動支持される。詳述すると、一方の軸受け97は、口金83と挿入部側ギヤ96との間において、回転軸84の先端側を回動支持する。一方で、他方の軸受け97は、回転軸84の挿入部側ギヤ96より基端側を回動支持する。
【0133】
これら軸受け97は、回転軸84を回動支持する孔部が形成された略四角柱形状をしており、一面の4つの角部から夫々突起する係合脚部97aを有している。また、これら軸受け97は、4つの係合脚部97aを有している一面と反対側の面側が例えば、スポンジなどの軸受け側弾性部材98が貼着され、この軸受け側弾性部材98を介して、コネクタ本体85の軸受け取り付け面86,87に夫々固着される。
【0134】
図30に示すように、電気コネクタ99は、コネクタ部100と、両端部の一面から夫々突起する2つの突起部99aを有し、上述した、通信ケーブル33が延設している。この電気コネクタ99は、基板101に固定されている。
【0135】
この電気コネクタ99は、基板101の背面にスポンジなどの弾性部材102が貼着され、コネクタ本体85のコネクタ取り付け面89に固着される。これら2つの突起部99aは、突起方向に尖った略四角錐形状をしている。
【0136】
図31に示すように、内蔵物保持体103は、略四角柱形状をしており、一面の4つの角部から夫々突起する突部103aを有している。この内蔵物保持体103には、収納ケース付内視鏡挿入部6の内蔵物の1つである各湾曲操作ワイヤ44が夫々挿通する4つの案内溝105が形成され、収納ケース付内視鏡挿入部6の内蔵物である各チューブ23、及び通信ケーブル33が挿通する孔部104が貫穿されている。
【0137】
この内蔵物保持体103は、2つの突部103aを有している一面と反対側の面側が例えば、スポンジなどのコネクタ側弾性部材106が貼着され、このコネクタ側弾性部材106を介して、コネクタ本体85の内蔵物保持体取り付け面88に固着される。また、この内蔵物保持体103の先端側となる面には、内層チューブ固定管107が連結される。
【0138】
以上説明した、2つの軸受け97、電気コネクタ99、及び内蔵物保持体103は、各軸受け側弾性部材98,102,106を介して、図32に示すように、コネクタカバー15のコネクタ本体85の内部に配設される。尚、2つの軸受け97、及び内蔵物保持体103は、直線状に配置される。
【0139】
次に、コネクタカバー15の一部であり、コネクタ本体85の基端面に形成された上述の切り欠き95に係止されるワイヤ接続板108について説明する。
図33、及び図34に示すように、ワイヤ接続板108は、2枚の側板109と、ワイヤ留金具保持板110と、連結板体112と、から主に構成された横断面形状が略コの字状の板体である。
【0140】
2枚の側板109は、ワイヤ留金具保持板110の両側部において、このワイヤ留金具保持板110の板面に対して垂直に固定されている。これら側板109の夫々の対向面には、図35、及び図36に示すように、略菱形形状の2つの係合凸部113,114が突設されている。つまり、2つの係合凸部113,114は、ワイヤ接続板108の中央に向かって突起した段部を構成している。
【0141】
第1の係合凸部113は、連結板体112から離れた方向である側板109の基端側に、第2の係合凸部114は連結板体112の近傍である側板109の先端側に配設されている。
【0142】
第1の係合凸部113は、第2の係合凸部114に比して、側板109の板面に沿った上下左右方向の長さが小さく設定されている。この第1の係合凸部113は、その基端部分に先端方向にかけて、上方(図35、及び図36の紙面に向かって見た上方向)へ斜めとなる斜部113aが形成されている。
【0143】
その一方、第2の係合凸部114は、その基端部分が側板109の下端(図35、及び図36の紙面に向かって見た下部側)から上方へ斜めとなる斜部114aが形成されている。
【0144】
ワイヤ留金具保持板(以下、単に保持板と略記する)110は、図37に示すように、横断面が略ハット状の凹凸を有する縦長の板体である。詳述すると、このワイヤ留金具保持板110は、横断面がコの字状となっている凹形状をしている凹状板部110aと、この凹状板部110aの両縁辺部から側方へ夫々延出する鍔板部110bと、からなる。
【0145】
また、図33、及び図34に戻って、このワイヤ留金具保持板110には、長軸方向に沿って所定の長さの4本の長溝111が形成されている。これらの長溝111のうち、2本の長溝111b,111cは、凹状板部110aの底面に形成されている。また、残り2本の長溝111a,111dは、2つの鍔板部110bに夫々1本ずつ形成されている。つまり、2本の長溝111a,111dは、夫々が凹状板部110aの2本の長溝111b,111cを挟むように凹状板部110aの外側にある各鍔板部110b上に、それらのうちのどちらか1方が形成されている。
【0146】
これら側板109、及びワイヤ留金具保持板110の先端側には、夫々の板面に垂直な面を有する連結板体112が連結している。この連結板体112は、両側部に各側面に沿った凹状の係止溝112aを有している。また、この連結板体112は、図38に示すように、その板面の中央部に形成された複数の孔部であり、4本の湾曲操作ワイヤ44が夫々挿通する4つのワイヤ挿通部115を有している。
【0147】
これらのワイヤ挿通部115は、ワイヤ留金具保持板110に形成される4本の長溝111の夫々に対応して、各湾曲操作ワイヤ44を挿通保持する孔部が合うように、連結板体112に位置決めされている。
【0148】
詳しくは、4つのワイヤ挿通部115のうち、外側方向にある2つのワイヤ挿通部115a,115dは、連結板体112の板面における、ワイヤ留金具保持板110の各鍔板部110bに形成された長溝111a,111dに対応した位置に配設されている。また、2つのワイヤ挿通部115b,115cは、連結板体112の板面における、ワイヤ留金具保持板110の凹状板部110aに形成された長溝111b,111cに対応した位置に配設される。
【0149】
すなわち、連結板体112には、2つのワイヤ挿通部115a,115dが連結板体112の板面上方側に並設され、これらワイヤ挿通部115a,115dの間における連結板体112の板面下方側に2つのワイヤ挿通部115b,115cが配設される。
【0150】
また、連結板体112は、これらワイヤ挿通部115が設けられた中央部から両側部分に下方から形成された切り欠きである2つの案内溝116を有している。
【0151】
以上のように構成されたワイヤ接続板108には、そのワイヤ留金具保持板110に形成された4つの長溝111の夫々に、図39〜図42に示すような、4本の湾曲操作ワイヤ44の夫々の基端部が接続されるワイヤ留金具117が配設される。
【0152】
このワイヤ留金具117は、横断面が略T字状の係止板部119と、湾曲操作ワイヤ44が接続される略筒状のワイヤ留管118と、からなる。
ワイヤ留管118は、湾曲操作ワイヤ44が延出するように接続される側と反対側の基端部に外周方向に突出する略円環状のフランジ状の留金具側係止部118aと、側周面に形成される長軸に沿った2つのスリット118bと、湾曲操作ワイヤ44が挿通する孔部118cと、からなる。
また、係止板部119は、上板部119aと、この上板部119aの中央から長軸に沿って延設される、段部119cを有する連結板体119bと、からなる。
【0153】
この係止板部119とワイヤ留管118は、夫々の長軸方向が合わせられ、ワイヤ留管118の外周部に係止板部119の連結板体119bが配置される。
【0154】
このワイヤ留金具117のワイヤ留管118の孔部118cには、上述したように、湾曲操作ワイヤ44の基端部分が挿通され、半田などの溶着により、ワイヤ留金具117と湾曲操作ワイヤ44とが固着される。尚、本実施の形態においては、湾曲操作ワイヤ44が4本であるため、ワイヤ留金具117は、各湾曲操作ワイヤ44の夫々の基端部に夫々固着される。
【0155】
これら湾曲操作ワイヤ44の基端部に固着されたワイヤ留金具117は、図43、及び図44に示すように、上述した、ワイヤ接続板108のワイヤ留金具保持板110に形成された各長溝111に配置される。
【0156】
詳述すると、各ワイヤ留金具117は、夫々の上板部119aと連結板体119bの段部119cがワイヤ留金具保持板110の両面を挟んで保持されるように、各長溝111に1つずつ配設される。尚、各ワイヤ留金具117は、ワイヤ留金具保持板110の各長溝111へ配設される際、その配置方向が、夫々の湾曲操作ワイヤ44が延出する方向がワイヤ接続板108の連結板体112側となると共に、夫々の上板部119aが同一方向であって、ワイヤ接続板108の上面となる、各紙面に向かって見た上方側となるように方向が決められる。
【0157】
このとき、4つの湾曲操作ワイヤ44のうち、湾曲部9を上下方向に湾曲させるための2本の湾曲操作ワイヤ44が固着された2つのワイヤ留金具117は、ワイヤ留金具保持板110の鍔板部110bに形成される2本の長溝111a,111dに夫々配置される。
【0158】
また、湾曲部9を左右方向に湾曲させるための2本の湾曲操作ワイヤ44が固着された2つのワイヤ留金具117は、ワイヤ留金具保持板110の凹状板部110aに形成された2本の長溝111b,111cに夫々配置される。
【0159】
このように、ワイヤ留金具保持板110の各長溝111の夫々に配設される4つのワイヤ留金具117は、各長溝111に沿って進退自在となっている。つまり、4つのワイヤ留金具117は、ワイヤ留金具保持板110の各長溝111に沿った、前後牽引弛緩方向以外の移動が規制されている。そのため、各湾曲操作ワイヤ44は、前後牽引弛緩方向以外の移動が実質的に規制されている
以上のように、構成されたワイヤ接続板108は、図45、及び図46に示すように、側板109、及びワイヤ留金具保持板110が基端方向へ延設するように連結板体112がコネクタカバー15のコネクタ本体85の基端面に形成された切り欠き95に接続される。
【0160】
詳述すると、ワイヤ接続板108の連結板体112の両側部に形成された係止溝112a(図33、及び図34参照)がコネクタ本体85の切り欠き95を形成する縁辺部に係入される。このとき、コネクタ本体85の切り欠き95に配設される係止突起部95aにより、連結板体112が引っかかり、切り欠き95からワイヤ接続板108がコネクタ本体85から抜け落ちることが防止される。
【0161】
また、連結板体112は、切り欠き95の形成範囲内、すなわち、コネクタ本体85の深さ方向の切り欠き95の長さ範囲で、移動自在となるように、コネクタ本体85に配置される。
【0162】
また、連結板体112は、切り欠き95に配設されている係止凸部95bにより、係入方向に向かった切り欠き95を形成するコネクタ本体85の縁辺部(図45の紙面に向かって見た切り欠き95を形成するコネクタ本体85の上端面)近傍で保持されることもある。
【0163】
コネクタカバー15は、図47〜図50に示すように、以上のように構成された各部材が組み付けられて完成される。
尚、図48、及び図49に示すように、内層チューブ49aは、基端部分が拡がるように、内層チューブ固定管107の2つの円環部材に挟持されて固定されている。
【0164】
この内層チューブ49a内に挿通する内蔵物である各湾曲操作ワイヤ44は、図50に示すように、夫々が内蔵物保持体103の案内溝105に挿通し、区分けされる。
【0165】
これらの湾曲操作ワイヤ44は、図48、及び図49に示すように、内蔵物保持体103から基端に固着される各ワイヤ留金具117まで略直線状となる。
【0166】
また、図50に示すように、内層チューブ49a内に挿通する内蔵物である各種チューブ23、及び通信ケーブル33は、夫々が内蔵物保持体103の孔部104に挿通する。尚、各チューブ23のうち、吸引用チューブ23cの外径が最も大きく、この外径に合わせて、孔部104は、その孔面が長孔の段が形成された形状をしている。
【0167】
孔部104は、図50に示すように、吸引用チューブ23cが挿通可能な部分と、送気用チューブ23a、送水用チューブ23b、及び通信ケーブル33が挿通可能な部分が繋がった楕円状の孔面を有している。本実施の形態では、孔部104に、図50紙面に向かって見た左方から順に、送気用チューブ23a、吸引用チューブ23c、通信ケーブル33、及び送水用チューブ23bが並列して挿通している。
【0168】
この状態において、吸引用チューブ23cは、孔部104の段によって左側の中央付近から右側へ移動が抑制される。そのため、各チューブ23、及び通信ケーブル33には、無理な負荷が与えられないと共に、夫々が重ならないようになっている。
【0169】
次に、図51〜図69を用いて、操作部7のモータボックス16、把持部17、及び主操作部18について詳しく説明する。
尚、図1を使用して説明した操作部7の各構成については、それらの説明を省略する。
【0170】
この操作部7の主操作部18には、図51、及び図52に示すように、ユニバーサルコード18aが延出している面にモータボックス16に配設されるモータを駆動させる進退スイッチ120が図中の矢印に示す方向へ回動自在に配設されている。この進退スイッチ120は、上述したフットスイッチ25と同じように、挿入部本体10の回転筒体51の回動を指示するスイッチである。
【0171】
先ず、図53〜図59を用いて、モータボックス16について説明する。
【0172】
図53、及び図54に示すように、モータボックス16は、切り欠きが形成された蓋体121aが被せられた略箱状の金属、或いは硬質な合成樹脂からなる筐体121と、蓋体121aの切り欠き121bを一面で塞ぐ略箱状のカバー体であるモータカバー122と、第1のギヤとなるモータギヤ123を備えた駆動手段であるモータ124と、雌側の受動側電気コネクタ(以下単に、電気コネクタという)125と、蓋体121aから突起する2つの案内部126と、筐体121の両側面から突起する4つの係合凸部127と、から主に構成されている。また、モータボックス16には、先端側の側面から突起する案内凸部121cが形成されている。
【0173】
2つの案内部126は、筐体121に形成されるモータカバー122の長手方向の中心線の延長線から所定の距離に両側方向へ夫々が離間するように、筐体121の蓋体121aの基端部に配設される。これら案内部126は、先端側の外側面にテーパ面126aが形成された、図54に示すように突出側が円弧を描くような板である。また、これら案内部126は、夫々の長手方向が筐体121の長手方向と平行になるように蓋体121aに配設されている。
【0174】
図55に示すように、電気コネクタ125は、基板129上に配設され、その上面の略中央にコネクタ部128と、このコネクタ部128の両端側の同じ上面に2つの係合孔125aを有している。
【0175】
これら係合孔125aは、図56、及び図57に示すように下方に向かって先が細くなるような形状をしている。すなわち、電気コネクタ125は、各係合孔125aを形成する夫々の各側面に斜面部125bを有している。また、係合孔125aは、基板129に形成される孔部129aに連通している。
また、電気コネクタ125は、モータボックス16の蓋体121aの一面で露呈している。
【0176】
図54に示すように、モータカバー122は、その背面において、モータ124を固定保持している。また、図58に示すように、モータカバー122には、断面略コの字状をしており、底面を形成する一面には、複数の係合孔部130,132と、係合孔部130が四角に夫々形成されたモータ124のモータギヤ123が露呈する孔部131と、が穿設されている。
【0177】
係合孔部130は、モータカバー122の一面に8つ形成されている。これら係合孔部130には、後述するように、モータボックス16とコネクタカバー15との連結時に、コネクタカバー15の軸受け97の各係合脚部97aが夫々対応して係入される。また、これら係合孔部130は、図59に示すように、先端側から基端の中央にかけて、モータ124を収容している方向に向かって傾斜した傾斜面133を夫々有している。さらに、モータカバー122は、各係合孔部130が形成された縁部分に各係合脚部97aを送り込み易くするための面取りが形成されている。
【0178】
次に、図60〜図68を用いて、把持部17、及び主操作部18の内部構造について説明する。
図60〜図62に示すように、把持部17は、金属、或いは硬質な合成樹脂から形成され、先端部にモータボックス16と連結するための連結部17aを有する中空の略角柱により、外形が形成されている。
【0179】
この把持部17内には、UD(UP/DOWN)チェーン136、及びRL(RIGHT/LEFT)チェーン137の夫々の端部が接続された湾曲ワイヤ係止部材である4つの連結部材134,135と、2つのRL側連結部材135を直進ガイドし、把持部17、及び主操作部18の骨組となる地板138と、この地板138の先端側に配設される2つの第1ガイド板139と、地板138の両側部に固定されるワイヤ接続板係合部となる2枚の第2ガイド板140と、が配設されている。
【0180】
また、地板138は、その上面の両側部に連結部材134,135を上下に分割して保持する4つのスペーサ141が載置されている。これらスペーサ141の中央には、対向して垂直に折れ曲がったL字状の2本の腕部142aを一体的に備えた仕切り板142が配設されている。
【0181】
詳述すると、図61に示すように、地板138の上面には、2つのレール部138aが長軸に沿って突起している。また、各RL側連結部材135の底面には、対応するレール部138aに嵌入する凹状の直進溝が形成されている。また、RL側連結部材135の外側方向の端部がスペーサ141に進退自在に挟持されている。
【0182】
これらRL側連結部材135の夫々の外側部の上面にUD側連結部材134が仕切り板142を介して重畳している。これらUD側連結部材134は、外側方向の端部がスペーサ141に進退自在に挟持されると共に、仕切り板142の腕部142aに直進ガイドされている。また、スペーサ141の上面には、主操作部18内まで覆う上カバー145が配設されている。これら連結部材134,135を除いた各部材は、複数の固定螺子146により地板138に固定されている。
【0183】
また、2枚のガイド板140は、図62に示すように、地板138の両側面に複数のガイド板固定螺子147に固定されている。尚、各連結部材134,135に接続された各チェーン136,137は、UDチェーン136が仕切り板142の腕部142a上に、RLチェーン137が地板138上に配設されている。
【0184】
図61、及び図62に示す符号149は、電気ケーブルであって、これら電気ケーブル149は、モータボックス16のモータ124を駆動する電力供給用のケーブルと、収納ケース付内視鏡挿入部6の先端部8内の撮像素子31、及びLED34へ電力供給、並びに指示信号を供給するケーブルである。これら電気ケーブル149は、地板138の背面側に挿通している。
【0185】
また、図63に示すように、把持部17と主操作部18との連結部分の両側部には、進退自在な各連結部材134,135を停止するストッパ148が配設されている。
【0186】
尚、主操作部18には、2つのスプロケットが重畳するように回動自在に配設されている。これらスプロケットの一方は、図示していないがUD用湾曲操作ノブ19aに連結され、他方はRL用湾曲操作ノブ19bに連結されている。
【0187】
これらスプロケットは、各湾曲操作ノブ19の回動に連動して回動され、各チェーン136,137をその回動により、進退移動させる。また、これらスプロケット、各チェーン136,137などにより、湾曲操作機構18cが構成されている。
【0188】
次に、図64を用いて、4つの連結部材134,135について説明する。
図64に示すように、4つの連結部材134,135は、2つのUD側連結部材134が対となり、2つのRL用連結部材が対となっている。
【0189】
2つのUD側連結部材134の夫々は、金属からなる略四角柱形状をしており、主操作部18側に配置される基端部にUDチェーン136の一端が接続されるチェーン接続部134aと、上面となる一面の中央部から長手方向に沿って先端まで穿設された複数の凹部が連なるように形成された留め金具係止穴150と、夫々が対向する面と反対側の先端側面から突起した凸部134bと、を有している。
【0190】
また、2つのRL側連結部材の夫々は、UD側連結部材134の幅方向の寸法が約2倍の略四角柱形状をしており、主操作部18側に配置される基端部にRLチェーン137の一端が接続されるチェーン接続部135aと、上面となる一面の中央部から長手方向に沿って先端まで穿設された留め金具係止穴150と、夫々が対向する面と反対側の先端側面から突起した凸部135bと、を有している。
【0191】
各連結部材134,135に形成された留め金具係止穴150は、表面が複数の楕円が連なった長穴であり、各連結部材134,135の略中央の深さまで形成されている。各連結部材134,135には、留め金具係止穴150を形成している穴壁に、上面から見て、楕円が交わる部分が穴部中央に対向するように突起した連結部材側係止部150aが形成されている。
【0192】
これら連結部材134,135は、上述したように、スプロケットが湾曲操作ノブ19の回動により連動して各チェーン136,137の牽引弛緩により、前後に進退移動する。これら連結部材134,135の進退移動の基端方向への移動範囲は、上述した4つのストッパ148により規制されている。
【0193】
これらストッパ148は、図65に示すように、金属からなる略四角柱形状をしており、図63に示したように、把持部17と主操作部18の連結部分の地板138上の両側部に2つが重畳して、ビスなどの固定部材により固定される。
【0194】
これらストッパ148は、ここでは基端部側の夫々が対向する面から突起した係止凸部148aを有している。図66、及び図67に示すように、例えば、UD側連結部材134が基端側へ牽引されたとき、このストッパ148は、その係止凸部148aの先端面がUD側連結部材134の凸部134bの基端面と当接して、UD側連結部材134の基端方向への動きを停止させる。尚、RL側連結部材135も、同様にして、ストッパ148により基端方向への移動が規制される。
【0195】
また、各連結部材134,135は、先端側への移動に対して、対となる連結部材134,135が基端側で移動が規制されると、先端側へ移動されない。つまり、対となる連結部材134,135の一方が規制されると、各湾曲操作ノブ19の回動操作が出来なくなり、各チェーン136,137の牽引弛緩が停止する。すなわち、1本の各チェーン136,137の両端に各連結部材134,135が接続されているため、他方の連結部材134,135も停止される。
【0196】
従って、各連結部材134,135は、対となるもの同士が湾曲操作ノブ19の回動に伴って、スプロケットを介して各チェーン136,137が牽引弛緩する量で逆方向へ同じ距離だけ移動する構成となっている。これら各連結部材134,135の進退移動範囲は、ストッパ148により、予め設定された距離が規制されている。
【0197】
次に、図68、及び図69を用いて、第1ガイド板139、及び第2ガイド板140について説明する。
【0198】
図68に示すように、2つの第1ガイド板139は、上面部が台形状の板体であり、この台形を形成する上辺、及び下辺を結ぶ斜面である案内面139aを両端部に有している。これら第1ガイド板139は、各案内面139aが夫々、外側方向となるように、並べて地板138の先端側の両側部(図60参照)に固定ねじにより夫々固定される。
【0199】
また、図69に示すように、2つの第2ガイド板140は、一側辺部に略台形状の切り欠きである2つの係合切り欠き部151,152が形成されている。これら第2ガイド板140には、基端側に第1の係合切り欠き部151が、先端側に第2の係合切り欠き部152が配設されている。
【0200】
夫々の第2ガイド板140は、第1係合切り欠き部151を形成する基端側の一辺部に第1斜面部151aと、第2係合切り欠き部152を形成する基端側の一辺部に第2斜面部152aと、を有している。
【0201】
これら第2ガイド板140は、各係合切り欠き部151,152が形成された側辺部が上方となるように、地板138の両側部に、地板138の上面に対して、垂直に固定される。
【0202】
以上説明したように構成された、主操作部18が連設された把持部17は、モータボックス16の基端面に先端部分の連結部17aが嵌合することで、モータボックス16に連結される。尚、操作部7は、湾曲操作ノブ19が配設される主操作部18の一面と、モータボックス16のモータギヤ123が露呈している一面とが同一の方向を臨むように、把持部17がモータボックス16にドッキング(連結)されている。
【0203】
また、主操作部18には、ユニバーサルコード18a、折れ止め部18b、2つの湾曲操作ノブ19、各種スイッチ20,21,120などが組みつけられる。こうして、先端から順にモータボックス16、把持部17、及び主操作部18が連設されて、図51に示した、操作部7が構成される。
【0204】
次に、図70〜図106を用いて、コネクタカバー15と、モータボックス16との連結(以下、ドッキングという場合がある)について説明する。
コネクタカバー15は、図70に示す状態から図71に示す状態となるように、モータボックス16にドッキングされる。また、断面で見たときに、コネクタカバー15は、図72に示す状態から図73に示す状態となるように、モータボックス16にドッキングされる。
【0205】
このとき、コネクタカバー15に配設された挿入部側ギヤ96と、モータボックス16に内蔵されたモータ124のモータギヤ123と、が噛合される。また、モータボックス16に配設された雄側の電気コネクタ99と、モータボックス16に配設された雌側の電気コネクタ125と、が電気的に接続される。さらには、コネクタカバー15のワイヤ接続板108に配設された湾曲操作ワイヤ44の各端部に固着している4つのワイヤ留金具117は、把持部17に配設された4つの連結部材134,135に夫々対応して係入される。
【0206】
上述した、コネクタカバー15とモータボックス16のドッキングについて、具体的に説明する。尚、操作部7の把持部17内に配設されている各連結部材134,135は、図示していないが所定の補助具により、把持部17内の初期位置にスライド移動される。
【0207】
先ず、コネクタカバー15は、図74、及び図75に示すように、先端方向から、基端方向に向かって、モータボックス16に近づくように、第1アクションとなるスライドがされる。このとき、コネクタカバー15のワイヤ接続板108の基端部が把持部17の内部へ挿入される。
【0208】
このワイヤ接続板108は、図76に示すように、各側板109の内側の面がモータボックス16の基端部の一面から突起した2つの案内部126に直進ガイドされる。このとき、ワイヤ接続板108は、2つの案内部126の外側先端部分の面にテーパ面126a(図53参照)が形成されていることにより、多少横方向の位置にズレが生じていても、把持部17の長軸方向へ直進できるように、各側板109の先端部分の内側の面がガイドされる。
【0209】
さらに、ワイヤ接続板108は、各側板109の内側の面が把持部17内の2つの第1ガイド板139の各案内面139a(図68参照)により、多少横方向の位置にズレが生じていても、上述の2つの案内部126と同じように、各側板109の先端部分の内側の面が把持部17の長軸方向へ直進ガイドされる。尚、各案内面139aは、ワイヤ接続板108を横方向である左右方向の動きを規制し、多少のズレ許容が設定されている。
【0210】
そして、ワイヤ接続板108は、各側板109の内側の面が第1の案内部126の側面により直進ガイドされる。
【0211】
また、コネクタカバー15がモータボックス16にスライドするとき、図77に示すように、コネクタカバー15の内側面の基端に形成された斜部93aがモータボックス16の側面から突起している案内凸部121c、及び4つの係合凸部127(図77では1つのみ図示している)を案内し、これら案内凸部121c、及び係合凸部127が直進溝93へガイドされる。
【0212】
コネクタカバー15は、モータボックス16の2つの案内凸部121c、及び4つの係合凸部127が夫々直進溝93に沿ってガイドされることで、モータボックス16に対する平行なスライド移動が規制される。また、コネクタカバー15は、図78に示すように、内側面に形成された4つの誘導溝92aに夫々対応するモータボックス16の4つ係合凸部127が係入した位置まで、モータボックス16に対して平行にスライドされる。
【0213】
また、コネクタカバー15のワイヤ接続板108は、直進ガイド、及び位置規制されながら、把持部17内に収容される。このとき、ワイヤ接続板108は、把持部17内に配設された2枚の第2ガイド板140により、把持部17内で上下方向の位置決めがされる。
【0214】
詳述すると、図79〜図81に示すように、ワイヤ接続板108の各側板109が対向する夫々の面から突起した、2つの係合凸部113,114が2枚の第2ガイド版140に形成された2つの係合切り欠き部151,152に係入される。
【0215】
先ず、図79に示すように、直進ガイドされたワイヤ接続板108は、基端側の係合凸部113が第2ガイド版140の先端側の第2係合部切り欠き部152を通過して、係合凸部113の下面が第2ガイド版140の中央部の上面に沿った状態で把持部17の深部方向へ送り込まれる。
【0216】
そして、図80に示すように、ワイヤ接続板108は、先端側の第2係合凸部114の下面が第2ガイド版140の先端側の上面に沿った状態で把持部17の深部方向へ送り込まれる。このとき、第1係合凸部113の第1斜部113aは、第2ガイド版140の第1係合切り欠き部151の第1斜面部151aに当接して、この第1斜面部151aに沿って、基端方向の下方斜めに案内移動される。また、第2係合凸部114の第2斜部114aも、同様に、第2係合切り欠き部152の第2斜面部152aに当接して、この第2斜面部152aに沿って、基端方向の下方斜めに案内移動される。
【0217】
すなわち、ワイヤ接続板108は、各係合凸部113,114が第2ガイド版140の各係合切り欠き部151,152に夫々が沿って案内され、基端方向の下方斜めに落とし込まれるように平行移動される。つまり、各係合凸部113,114は、夫々対応する各係合切り欠き部151,152に係入される。
【0218】
このワイヤ接続板108が把持部17に挿入され、第2ガイド版140によって、把持部17内で、落とし込まれるように、基端方向の下方斜めに平行移動して、位置決めされるとき、ワイヤ接続板108のワイヤ留金具保持板110に進退自在に配設されたワイヤ留金具117は、把持部17内に配設された、各連結部材134,135の夫々対応する留め金具係止穴150に係入される。
【0219】
詳述すると、図82、及び図83に示すように、ワイヤ接続板108のワイヤ留金具保持板110が各連結部材134,135に向かってスライドされる。このとき、ワイヤ留金具保持板110は、その凹状板部110aが仕切り板142の各腕部142a間に沿って係入される。
【0220】
このワイヤ留金具保持板110が基端方向の下方斜めに平行移動する際、各ワイヤ留金具117は、図84、及び図85に示すように、夫々のワイヤ留管118が対応する各連結部材134,135の金具係止穴150に同時(一度)に入り込む。このとき、ワイヤ留管118の留金具側係止部118aが金具係止穴150の穴壁の一部を形成している連結部材側係止部150aにより先端側への移動が規制される。
【0221】
つまり、留金具側係止部118aは、外向フランジを構成し、連結部材側係止部150aは内向フランジを構成している。そのため、留金具側係止部118a、及び連結部材側係止部150aは、夫々が干渉して各ワイヤ留金具117に接続された湾曲操作ワイヤ44の先端側への移動が規制される。
【0222】
尚、金具係止穴150には、複数の凹部である連結部材側係止部150aが並設されているため、ワイヤ留管118の留金具側係止部118aが、これら連結部材側係止部150aのうち、いずれか1つと干渉する。つまり、各ワイヤ留金具117と各連結部材134,135との接続が本実施の形態の第1機能接続となる。
【0223】
また、これら留金具側係止部118a、及び連結部材側係止部150aは、湾曲操作ワイヤ係止接続手段を構成している。さらに、ワイヤ接続板108、各留金具側係止部118a、各連結部材側係止部150a、及び第2ガイド版140によって、ワイヤ接続機構が構成されている。
【0224】
また、上述したように、2つの連結部材134が対となって、UDチェーン136の両端に連結され、2つの連結部材135が対となって、RLチェーン137に対となって、連結されている。各連結部材134,135は、主操作部18の各湾曲操作ノブ19の回動により、各チェーン136,137が連動して、牽引弛緩することで、把持部17内において先端方向と基端方向の前後に進退する。このとき、各対となっている連結部材134,135同士は、相反する方向に進退移動する。
【0225】
そのため、UD側連結部材134とワイヤ留金具117によって連結された2本の湾曲操作ワイヤ44は、湾曲部9を上下に湾曲させるため、UD側連結部材134に連動して牽引弛緩される。このとき、一方の湾曲操作ワイヤ44が牽引されると、他方の湾曲操作ワイヤ44が弛緩する。
【0226】
湾曲部9は、一方の湾曲操作ワイヤ44による牽引のみで、内部の湾曲駒40が湾曲操作ワイヤ44の牽引方向へ回動するため、対となる他方の湾曲操作ワイヤ44には張力が与えられていない状態となる。そのため、2つのUD側連結部材134のうち、牽引する側の一方が接続されたワイヤ留金具117を基端方向へ牽引するために、留金具側係止部118aを連結部材側係止部150aで先端側へ移動しないように係止している。
【0227】
このことは、RL側連結部材135、及びワイヤ留金具117の連結による、対となる2本の湾曲操作ワイヤ44についても、同様なことが言える。すなわち、湾曲部9の左右の湾曲においても、同じ作用となる。
【0228】
こうして、内視鏡2の湾曲部9は、各湾曲操作ノブ19の回動操作により、各チェーン136,137が連動し、各連結部材134,135に接続された各湾曲操作ワイヤ44が牽引弛緩することで、上下左右の4方向へ湾曲される。
【0229】
また、コネクタカバー15は、図86に示すように、モータボックス16側へ押し込まれた状態で、ドッキングが完了する。このコネクタカバー15がモータボックス16側へ押し込まれる動作を本実施の形態の第2アクションとする。
第2アクションであるこのコネクタカバー15がモータボックス16に押し込まれるとき、図87〜図90に示すように、モータボックス16の側面に配設された4つの係合凸部127は、夫々がコネクタカバー15の内側面に形成された各誘導溝92a、92bから各傾斜面94a,94bに誘導され、対応する係合孔91a,91bに係入される。
【0230】
詳述すると、図87に示すように、コネクタカバー15の移動により、各係合凸部127は、夫々が対応した誘導溝92a,92bの上部側に形成された斜面に沿うように、各傾斜面94a,94bに送り込まれる。尚、各誘導溝92a、92bは、コネクタカバー15のワイヤ接続板108が把持部17内への挿入時にコネクタカバー15が下方に移動する際に各係合凸部127の移動を妨げないような許容範囲の溝形状が設定されている。つまり、コネクタカバー15と、そのワイヤ接続板108に多少のガタつきがあっても、コネクタカバー15がモータボックス16に容易にドッキングできるようになっている。
【0231】
これら係合凸部127は、各傾斜面94a,94bに直進ガイドされながら、対応した係合孔91a,91bに送り込まれる。このとき、各傾斜面94a,94bは、コネクタカバー15の内側壁の外側から各係合孔91a,91bに向かって内側へ傾斜しているため、図88〜図90に示すように、誘導溝92a,92bから対応した係合孔91a,91bへ係入される。つまり、コネクタカバー15の側壁は、若干拡がる。そして、ユーザは、各係合凸部127が係合孔91a,91bへ係入したときに生じるクリック感によりコネクタカバー15とモータボックス16のドッキング(連結)が完了したことが把握できる。
【0232】
こうして、コネクタカバー15は、モータボックス16にドッキングされる。
【0233】
尚、図91に示すように、各係合孔91a,91bは、略円柱状の各係合凸部127に対して、孔面が若干に上下に伸びた楕円形状となっている。つまり、各係合凸部127は、各係合孔91a,91b内で、図中L8の距離に遊動自在となる。換言すると、コネクタカバー15は、モータボックス16に対して、距離L8だけ、遊動できる状態となっている。
【0234】
これは、押し込み力を受けたコネクタカバー15に、後述する、各軸受け97、電気コネクタ99、及び内蔵物保持体103とコネクタカバー15の底面に介在する各軸受け側弾性部材98,102,106による反力に対して遊びを設けて調整し、確実なコネクタカバー15とモータボックス16とのドッキングを行うようにするためのものである。
【0235】
つまり、上述の各軸受け側弾性部材98,102,106の反力により、コネクタカバー15には、モータボックス16に押し込み方向と逆の方向に離れようとする力が加わる。その反力によって、各係合凸部127の側周面の一部と、各係合孔91a,91bを形成する内周面の一部とが所定の力で当接する。
【0236】
これにより、コネクタカバー15とモータボックス16とが所定の反力を受けた状態で略固定された状態で確実にドッキングする。
【0237】
このように、コネクタカバー15がモータボックス16にドッキングされるとき、本実施の形態における第2機能接続である挿入部側ギヤ96とモータギヤ123が噛合されると共に、本実施の形態における第3機能接続である雄側の電気コネクタ99と雌側の電気コネクタ125が電気的に接続される。
【0238】
これら、挿入部側ギヤ96とモータギヤ123との噛合、及び雄側の電気コネクタ99と雌側の電気コネクタ125との電気的な接続について、以下に詳しく説明する。
先ず、図92〜図99を用いて、第2機能接続である挿入部側ギヤ96とモータギヤ123との噛合について説明する。
コネクタカバー15がモータボックス16へドッキングされるとき、図92(図95)の状態から図93の状態に示すように、回転軸84の両端部分が2つの軸受け97に回動支持された状態でコネクタカバー15に配設される挿入部側ギヤ96も、モータボックス16のモータカバー122へ向かって移動する。
【0239】
このとき、各軸受け97は、夫々4つの係合脚部97aの端部がモータカバー122の表面上をスライドするように移動し、図93に示すように、モータカバー122に形成された対応する係合孔部130の傾斜面130aに案内される。
【0240】
そして、コネクタカバー15がモータボックス16に押し込まれると、各軸受け97の係合脚部97aが対応する係合孔部130に貫挿される。このとき、図94、及び図96に示すように、各軸受け97とコネクタカバー15の底面との間に設けられた各軸受け側弾性部材98があらゆる方向(図面上では、軸受け97が右方向へずれている)へ弾性変形可能であるため、コネクタカバー15が多少ずれても、各軸受け97の4つの係合脚部97aが対応する係合孔部130に呼び込まれて貫挿する。
【0241】
例えば、図97に示すような、コネクタカバー15がモータボックス16のモータカバー122の表面に対して平行となっていない状態、図98に示すような軸受け97が上下にずれて、回転軸84がモータボックス16のモータカバー122の表面に対して平行となっていない状態などでも、2つの軸受け97が夫々の軸受け側弾性部材98の変形により、独立してあらゆる方向へ動くことが出来るため、各軸受け97の4つの係合脚部97aが対応する係合孔部130に呼び込まれて貫挿することができる。
【0242】
すなわち、各軸受け97は、夫々の4つの係合脚部97aがモータカバー122の対応する係合孔部130に貫挿して、モータカバー122の表面上で位置決めされる。
【0243】
また、コネクタカバー15がモータボックス16にドッキングされた状態では、各軸受け側弾性部材98の反力により、各軸受け97がモータカバー122に押し付けられる状態となる。この軸受け97がモータカバー122に向かって軸受け側弾性部材98により押圧された状態において、回転軸84を介して挿入部側ギヤ96とモータギヤ123とが噛合する。尚、回転軸84は、軸受け97にクリアランスを有して回動支持されている。また、このクリアランスは、各ギヤ96,123同士の噛み合いが保たれるような寸法に設定されている。さらに、各ギヤ96,123の位置関係は、ギヤバックラッシュが生じないような範囲となっている。
【0244】
これにより、挿入部側ギヤ96と、モータカバー122の孔部131(図56参照)から露呈したモータギヤ123とが確実に噛合する。尚、本実施の形態では、図99、及び図100に示すように、挿入部側ギヤ96の回転軸となる中心Oと、モータギヤ123の回転軸となる中心Oと、が所定の距離でオフセットした状態で噛合される。
【0245】
すなわち、挿入部側ギヤ96の回転軸(中心O)とモータギヤ123の回転軸(中心O)とが、上述した所定の距離だけオフセットするように、各軸受け97の4つの係合脚部97aの突出位置、各軸受け97が回動保持する回転軸84の中心位置となる挿入部側ギヤ96の回転軸となる中心Oの設定位置、モータカバー122の各係合孔部130の形成位置、及びモータ124のモータギヤ123の回転軸となる中心Oの設定位置が決定されている。
【0246】
尚、図101に示すように、挿入部側ギヤ96の回転軸(中心O)とモータギヤ123の回転軸(中心O)とのオフセット量がゼロ(0)であった場合、各ギヤ96,123の夫々の歯頂が当接してしまい、確実な挿入部側ギヤ96とモータギヤ123とが噛合しない可能性がある。そのため、本実施の形態では、上述したような技術が適用されている。
【0247】
以上に説明した、挿入部側ギヤ96、この挿入部側ギヤ96が配設された回転軸84を回動保持する軸受け側弾性部材98が配設された2つの軸受け97、これら2つの軸受け97の位置決めのためのモータカバー122に形成された各係合孔部130、及び挿入部ギヤ96に回転駆動力を伝達するモータギヤ123によって、挿入部本体10の回転筒体51を回転駆動する回転伝達機構が構成される。
【0248】
以上のことから、モータ124の回転駆動力がモータギヤ123を介して挿入部側ギヤ96に伝達される。そして、この回転駆動力は、回転軸84に口金83を介して接続された回転筒体51が所定の軸回りに回動駆動する。尚、本実施の形態では、モータ124の回転駆動力を回転筒体51の基端側から先端側へ伝達して、回転筒体51全体を回動させているが、これに限るものではない。例えば、モータ124の回転駆動力を回転筒体51の先端から基端のいずれかの位置において伝達させて、回転筒体51全体を回転させても構わない。
【0249】
次に、図102〜図105を用いて、第3機能接続である雄側の電気コネクタ99と、雌側の電気コネクタ125との電気的な接続について説明する。
コネクタカバー15がモータボックス16へドッキングされるとき、図102の状態から図103の状態、及び図104の状態から図105の状態に示すように、コネクタカバー15の底面に弾性部材102を介して配設された雄側の電気コネクタ99も、モータボックス16のモータカバー122に露呈する雌側の電気コネクタ125へ向かって移動して接続される。
【0250】
このとき、電気コネクタ99の2つの突起部99aは、対応する電気コネクタ125に形成された係合孔125aに挿入される。このとき、電気コネクタ99の略四角錐状の各突起部99aは、その斜面が係合孔125aの斜面部125bに当接して案内され、呼び込まれるように係合孔125aへ嵌入する。
【0251】
このとき、上述の各軸受け97と同様に、電気コネクタ99とコネクタカバー15との間に介在する弾性部材102があらゆる方向へ変形自在となっているため、雄側の電気コネクタ99は、確実に雌側の電気コネクタ125へ接続される。
【0252】
つまり、図104の状態から図105の状態に示すように、電気コネクタ99のコネクタ部100と、電気コネクタ125のコネクタ部128とが電気的に接触して各種電気信号、及び電力供給の伝送路が確立される。これら電気コネクタ99,125は、伝送路接続機構を構成している。
【0253】
これにより、図1に示した、主操作部18に設けられた各種スイッチ21の指示信号、及び図2に示した先端部8に内蔵される電気装置の1つであるLEDなどの光源34、及び電気装置の1つである撮像素子31の駆動電力が操作部7の主操作部18、及びモータボックスから収納ケース付内視鏡挿入部6のコネクタカバー15、及び挿入部本体10を介して供給される。
【0254】
尚、内蔵物保持体103は、上述の各軸受け97と同様に、2つの突部103aがモータカバー122の対応する係合孔部132(図56参照)に貫挿する。この内蔵物保持体103も、コネクタカバー15の底面との間に介在するコネクタ側弾性部材106があらゆる方向へ変形するため、容易に2つの突部103aが対応した係合孔部132に嵌入する。
【0255】
また、コネクタ側弾性部材106の弾性変形により、内蔵物保持体103は、モータボックス16のモータカバー122の表面に押圧された状態で固定される。
【0256】
以上説明したように、本実施の形態の内視鏡システム1の内視鏡2は、図106に示すように、使用前にコネクタカバー15がモータボックス16にドッキングされることで、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7が連結される。尚、図106においては、収納ケース付内視鏡挿入部6の一部を構成する挿入補助具11、収納ケース本体12、及び2つの案内管13,14を図示していないが、図19〜図20を用いて説明した、接続筒体79がコネクタカバー15に接続される。
【0257】
以上、説明したように構成された、本実施の形態の内視鏡システム1は、先端部8、湾曲部9、及び挿入部本体10と、これらをカバーする挿入補助具11からコネクタカバー15までが収納ケース付内視鏡挿入部6(図1参照)として構成されており、この収納ケース付内視鏡挿入部6は使用毎に破棄されるディスポーザブルとしている。尚、本実施の形態では、収納ケース付内視鏡挿入部6をディスポーザブルにしたが、使用後に充分に滅菌消毒を行えば、リユースも可能である。
【0258】
これより、内視鏡システム1に対する収納ケース付内視鏡挿入部6の作用を説明する。尚、以下の説明において、主に図107〜図110を用いて、大腸検査を例に挙げて説明する。
先ず、内視鏡2の挿入部を大腸の例えば盲腸まで挿通するにあたり、医療関係者によって、図107に示す、本実施の形態の内視鏡システム1が所定に準備される。まず、ここでは医師である術者は、挿入補助具11を例えば、ベッド上に横たわっている患者の肛門から挿入する。尚、挿入部は、収納ケース本体12内において、図107に示すような湾曲した状態で収容されている。
【0259】
挿入補助具11は、図108に示すように、迷入防止部54が患者の肛門501近傍の臀部510に当接することで、挿入管53のみが肛門501から直腸502内に挿入された状態となっている。すなわち、挿入補助具11は、迷入防止部54によって、その全体が直腸502内に挿入されることが防止される。このとき、術者は、迷入防止部54をテープなどで患者の臀部510へ固定することが望ましい。
【0260】
このような状態で、内視鏡システム1がセットされると、術者は、操作部7の把持部17を握持し、図1に示した、フットスイッチ25の足元操作、或いは主操作部18にある進退スイッチ120の手元操作により、回転筒体51を所定方向の軸回りに回転させる。
【0261】
尚、収納ケース本体12の案内管固定部材64内に配設された2枚の推進力発生部材70a,70bは、図17に示したように、常に回転筒体51の螺旋形状部51aの凹部に圧接している。つまり、回転筒体51は、推進力発生部材70a,70bの各孔部77の略中央で所定の摩擦抵抗が与えられた状態となる。
【0262】
この接触状態において、術者は、操作部7のモータボックス16内に配設されるモータ124を上述した足元操作、或いは手元操作によって、回転駆動状態にする。すると、回転筒体51には、基端部分から先端側へ回転力が伝達され、その全体が図108の矢印に示すような軸回りに所定の方向へ回転する。
【0263】
このことによって、推進力発生部材70a,70bの各孔部77と回転する回転筒体51の螺旋形状部51aとの凹部の接触部分で、雄ねじが雌ねじに対して移動するような、回転筒体51を前進させる推進力が発生する。
【0264】
この回転しながら推進力が発生した回転筒体51は、図2に示した、先端に固着された口金50が湾曲部9の基端にある第3口金48を押圧する。これにより、先端部8、湾曲部9を含む挿入部が回転筒体51の推進力によって、先端側案内管13、及び挿入補助具11を介して、大腸内の深部に向かって進んでいく。
【0265】
このとき、術者は、挿入部を把持して押し進めることなく、挿入補助具11の保持管55を軽く把持し、各推進力発生部材70a,70bによる推進力のみで挿入部を大腸内の深部に向かって前進させることができる。
【0266】
また、挿入部は、案内管固定部材64内において、2つの第1,第2の推進力発生部材70a,70bが所定の距離で離間していることにより、長軸方向に安定した状態で保持されると共に、前進する推進力が効率良く発生する。
【0267】
これに加えて、回転筒体51の外表面に形成されている螺旋形状部51aが腸壁に接触する。このとき、回転筒体51に形成されている螺旋形状部51aと腸壁の襞との接触状態が、雄ねじと雌ねじとの関係になる。このとき、回転筒体51は、案内管固定部材64内の各推進力発生部材70a,70bにより発生した推進力と、腸壁の襞との接触により発生した推進力により、スムーズに前進してゆく。
【0268】
すると、挿入部は、推進力によって、直腸502からS字状結腸503に向かって進んでいく。そして、図109に示すように先端部8、及び湾曲部9がS字状結腸503に到達する。このとき、術者は、モニタ4により映し出された内視鏡画像を見ながら、主操作部18にある2つの湾曲操作ノブ19(図1参照)を操作して、湾曲部9をS字状結腸503の屈曲状態に合わせて、湾曲操作する。
【0269】
この湾曲部9の湾曲操作により、術者は、挿入が困難とされているS字状結腸503を推進力が与えられた挿入部がスムーズに通過することができる。
【0270】
そして、挿入部は、大腸の深部に挿入されるにつれ、案内管固定部材64内の推進力発生部材70a,70bにより発生した推進力が常に与えられている状態であり、且つ、螺旋形状部51aと腸壁との接触長が長くなる。
【0271】
そのため、螺旋形状部51aの一部がS字状結腸503の襞に接触している状態、挿入部が複雑に屈曲している状態などでも安定した大腸深部方向への推進力が得られる。加えて、挿入部が充分な可撓性を有していることから、容易に位置が変化するS字状結腸503の走行状態を変化させることなく、腸壁に沿ってスムーズに前進していく。
【0272】
そして、回転されている状態の回転筒体51を備えた挿入部は、S字状結腸503を通過し、その後、S字状結腸503と可動性に乏しい下行結腸504との境界である屈曲部,下行結腸504と可動性に富む横行結腸506との境界である脾湾曲505,横行結腸506と上行結腸508との境界である肝湾曲507の壁に沿うようにスムーズに前進して、図110に示すように大腸の走行状態を変化させることなく、例えば目的部位である盲腸509近傍に到達する。
【0273】
この挿入操作の際、術者は、先端部8が各屈曲部(脾湾曲505,肝湾曲507)に到達したとき、上述と同じように、モニタ4により映し出された内視鏡画像を見ながら、主操作部18にある2つの湾曲操作ノブ19を操作して、各部位の屈曲状態に合わせて、湾曲操作する。
【0274】
術者は、モニタ4の内視鏡画像により、先端部8が盲腸509近傍まで到達したと判断した後、上述の足元操作、或いは手元操作により、一度、回転筒体51の回転を停止する。そして、術者は、挿入時に回転させていた軸回りの回転方向とは逆の方向に、フットスイッチ25の足元操作、或いは主操作部18にある進退スイッチ120の手元操作で回転筒体51を回転させる操作を行う。
【0275】
つまり、回転筒体51を挿入時とは反転させて、先端部8を大腸の深部、盲腸509の近傍から抜去する方向へと挿入部を後進させながら大腸検査を行う。このときにおいても、術者は、挿入部に手を触れずとも、回転筒体51が案内管固定部材64内の各推進力発生部材70a,70b、及び腸壁の襞との接触により発生した推進力により、挿入部を後退させることができる。
【0276】
また、先端部8、及び湾曲部9が湾曲部9の基端に設けられた第3口金48の突起部48aと係合している回転筒体51の先端にある口金50の凹凸部50aにより、回転筒体51に引っ張られることで、挿入部全体が回転筒体51の推進力により後退する。
【0277】
そして、術者は、挿入部の先端部8が挿入補助具11まで到達したら、挿入補助具11と共に、挿入部を患者の肛門501より抜去して、大腸検査を終了する。
【0278】
このとき、挿入部は、案内管固定部材64内にある各推進力発生部材70a,70bにより後退する推進力が与えられ、収納ケース本体12内に図26に示したような元の状態に湾曲しながら収納される。
【0279】
また、本実施の形態の内視鏡2は、収納ケース本体12と、挿入補助具11、或いは操作部7とを連通するように連結する各案内管13,14が柔軟な可撓性を有しているため、収納ケース本体12を載置固定しても、術者による操作部7の把持位置、及び患者の肛門へアプローチする挿入補助具11の位置が限定されることが無く、ある程度の許容範囲で所望の位置を動かすことができる。
【0280】
つまり、挿入補助具11と収納ケース本体12とを接続する先端側案内管13が柔軟なチューブ体であるため、患者の肛門と収納ケース本体12との位置関係を一定にする必要がない。また、操作部7も操作部側案内管14の柔軟性により、その動きの自由度が制限されない。
【0281】
また、上述したような、例えば大腸検査の際に、進退する挿入部は、回転筒体51の回動により、捩れ応力が発生する可能性がある。しかし、本実施の形態の内視鏡システム1では、収納ケース本体12における板体61,62間の距離が挿入部の外形を形成している回転筒体51の螺旋形状部51aの最大外径となる凸部の直径の2倍以下であるため、収納ケース本体12内で挿入部が捩れ応力による輪形状となることが防止される。
【0282】
また、各案内管13,14においても、夫々の内径が回転筒体51の螺旋形状部51aの最大外径となる凸部の外径(直径)の2倍以下であるため、挿入部が捩れ応力によって、輪形状となることが防止される。そのため、挿入部は、スムーズに収納ケース本体12内、及び先端側案内管13内で軸回りの回転がなされる。
【0283】
また、術者は、収納ケース本体12、及び各案内管13,14が透明、若しくは半透明な材料で形成されるため、挿入部の動き、特に回転筒体51の回転状態を目視確認することができる。
【0284】
さらに、挿入補助具11から、先端側案内管13、収納ケース本体12、及び操作部側案内管14にかけて、夫々の接続部が水密保持されているため、例えば、大腸内の汚物などの液体が施術室内に飛び散ることが防止される。そのため、収納ケース付内視鏡挿入部6は、衛生的に優れた構造となっている。
【0285】
また、体腔内への挿入前の挿入部は、挿入補助具11によって、患者の肛門501による締め付けなどの抵抗を受けることが無いため、撓みの発生を軽減できると共に、回転による捩れが防止される。さらに、挿入部は、挿入補助具11により、大腸への導入時に、直接的に肛門501と接触しない。そのため、可撓性の高い挿入部は、肛門501による締め付けなどの抵抗を受けることが無いため、大腸への導入性が向上する。
【0286】
挿入補助具11内に配設される第1,第2の推進力発生部材70a,70bは、内視鏡システム1の回転筒体51に推進力を発生させ、その回転筒体51を体腔内、ここでは大腸内への導入性及び挿入性を向上させることができる。また、回転筒体51には、案内管固定部材64内に2つの第1,第2の推進力発生部材70a,70bが設けられることによって、案内管固定部材64内における長軸方向の位置が略中央で安定することで、第1,第2の推進力発生部材70a,70bから均等な押圧力を受けて前進する推進力が効率良く発生する。
【0287】
以上説明したように、本実施の形態の回転自走式内視鏡2、及びその収納ケース付内視鏡挿入部6は、被検部に挿入する前の挿入部本体10、及び回転筒体51をスムーズに被検部内へ挿入可能で、操作性に大変優れた構成となっている。
【0288】
尚、以上のような、例えば、大腸検査を終了後に、医療関係者は、本実施の形態の収納ケース付内視鏡挿入部6がディスポーザブルであるため、この使用済みの収納ケース付内視鏡挿入部6の再使用を防止しなければならない。また、医療関係者は、収納ケース付内視鏡挿入部6を操作部7から離脱するとき、コネクタカバー15をモータボックス16から離脱する。
【0289】
このとき、本実施の形態においては、図111、及び図112に示すように、コネクタカバー15は、その両外側面に前後に延設された折れ溝85aに沿って、外側方向へ破壊するように折れ曲げられ、モータボックス16から離脱される。こうして、医療関係者は、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7を容易に離脱することができる。
【0290】
また、コネクタカバー15は、折れ溝85aに沿って破壊されるため、モータボックス16への再ドッキングが不可能となる。これにより、使用済みの収納ケース付内視鏡挿入部6は、再使用されること無く医療廃棄物として、破棄される。その結果、本実施の形態の内視鏡システム1は、汚染された収納ケース付内視鏡挿入部6の再使用を防止した衛生面でも優れた構成となっている。尚、折れ溝85aが配設されたコネクタカバー15の側面にユーザが指を引っ掛け易いようにする、図1に示すような突起部15aを設けても良い。
【0291】
以上に説明したように、本実施の形態の内視鏡システム1の内視鏡2は、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7とが着脱自在な構成に実現されている。つまり、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7を連結するために、コネクタカバー15がモータボックス16にドッキングされる。
【0292】
このとき、内視鏡2は、モータボックス16に内蔵されたモータ124のモータギヤ123と、コネクタカバー15に配設された挿入部側ギヤ96が確実に噛合する構成となっている。つまり、挿入部側ギヤ96が配設された回転軸84を回動保持する各軸受け97が貼着された軸受け側弾性部材98によってコネクタカバー15に対して、ある程度の範囲で自由に動くことが出来る。そして、これら軸受け97は、夫々の係合脚部97aがモータカバー122の表面に形成された対応する係合孔部130に貫入され、モータカバー122上の所定の位置で位置決めされる。
【0293】
このことで、コネクタカバー15に配設された挿入部側ギヤ96がモータ124のモータギヤ123に確実に噛合する。また、各軸受け97が弾性部材により、モータカバー122側へ常に付勢されているため、挿入部側ギヤ96、及びモータギヤ123の歯が確実に噛合した状態が保持される。
【0294】
本実施の形態の内視鏡2は、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7とを着脱自在として、使用済みの収納ケース付内視鏡挿入部6をディスポーザブルにし、滅菌消毒する必要の無い衛生的に優れた構成にしている。尚、収納ケース付内視鏡挿入部6をリユースにしても、収納ケース付内視鏡挿入部6と、操作部7とを別々に滅菌消毒することができるため、内視鏡2は、収納ケース付内視鏡挿入部6、及び操作部7の夫々の滅菌消毒が容易となり、ユーザの負担を軽減することができる。
【0295】
また、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7とが連結されるとき、湾曲部9を牽引弛緩により湾曲操作するための4本の湾曲操作ワイヤ44は、各端部に設けられたワイヤ留金具117が操作部7の把持部17内の対応する各連結部材134,135に同時(一度)に接続される。そのため、本実施の形態の回転自走式内視鏡は、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7との接続が容易となり、使い勝手が良くなると共に、確実に湾曲操作ノブ19に連動して湾曲部8の湾曲操作を行う機構が構成される。
【0296】
また、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7とが連結している状態では、先端部8に配設された撮像素子31、及び光源34への電力供給、及び各種信号を授受するための各電気コネクタ99,125が確実に電気的に接続される。
【0297】
以上の結果、本実施の形態の内視鏡2は、収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7を着脱自在な構成にしても、回転筒体51に回転駆動力を伝達する各ギヤ96,123同士、湾曲部8を湾曲操作するための複数の湾曲操作ワイヤ44のワイヤ留金具117と各連結部材134,135、及び各電気コネクタ99,125同士を収納ケース付内視鏡挿入部6と操作部7の着脱動作と同時(一度)に夫々を着脱することが出来る構成となっている。
【0298】
以上の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0299】
例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0300】
以上の発明は、以下に記載する付記の特徴を有している。
【0301】
(付記1)
挿入部本体、該挿入部本体に回転自在に外嵌した回転筒体、及び該回転筒体に連結されたギヤが設けられていると共に、弾性体により支持された軸受け部によって上記回転筒体の回動軸が軸受けしてある挿入部と、
上記挿入部本体と着脱自在であると共に、上記軸受け部に設けられた係合部が係合する被係合部、及び上記回転筒体に連結された第1のギヤが噛合する、上記回転筒体を回転させるための駆動力を発生する駆動手段の出力軸に連結された第2のギヤが設けられた操作部と、
を具備することを特徴とする回転自走式内視鏡。
【0302】
(付記2)
上記挿入部と上記操作部とを連結操作時に、上記軸受け部に設けられた上記係合部が上記被係合部に係合してから、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤが上記出力軸に連結された上記第2のギヤに噛合するようにしてあることを特徴とする付記1に記載の回転自走式内視鏡。
【0303】
(付記3)
上記軸受け部に設けられた上記係合部との係合操作方向と、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤと上記出力軸に連結された上記第2のギヤとの噛合操作が実質的に同一であり、上記係合部が上記出力軸に連結された上記第2のギヤにおける上記回転筒体に連結された上記第1のギヤとの噛合部分より、上記係合操作方向に側に突出するものであり、上記弾性体が上記噛合操作方向に弾性変形することにより、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤと上記出力軸に連結された上記第2のギヤとが噛合するようにしてあることを特徴とする付記2に記載の回転自走式内視鏡。
【0304】
(付記4)
上記操作部が上記被係合部、及び上記第2のギヤが配設されたコネクタ部を有するものであり、
上記挿入部が上記コネクタに連結することにより、上記係合部と上記被係合部とが係合し、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤと、上記出力軸に連結された上記第2のギヤとが噛合するように、上記軸受け部、及び上記第1のギヤが配設されたコネクタ部を有するものであることを特徴とする付記1から付記3のいずれか1項に記載の回転自走式内視鏡。
【0305】
(付記5)
螺旋形状部を表面に形成され、軸回りに回動自在な螺旋管を備えた挿入部と、
該挿入部が着脱自在な操作部と、
該操作部に配設され、上記螺旋管に軸回りの回転駆動力を与える駆動手段と、
上記挿入部と上記操作部が連結した状態において、上記駆動手段の回転駆動力を上記螺旋管に伝達する回転伝達機構と、
を備えたことを特徴とする回転自走式内視鏡。
【0306】
(付記6)
上記挿入部は、上記螺旋管の基端側にコネクタカバーを備え、
上記操作部は、上記コネクタカバーと着脱自在なボックス体を備え、
上記回転伝達機構は、
上記ボックス体に配設され、上記駆動手段により回転する第1のギヤと、
上記ボックス体の一面を構成し、該第1のギヤが露呈するための孔部、及び係合孔部を有するカバー体と、
上記第1のギヤの回転が伝達される上記螺旋管に接続された回転軸に配設された第2のギヤと、
上記コネクタカバーに弾性部材を介して配設され、上記回転軸を回動保持し、該弾性部材と反対側の面から突起する係合脚部を備えた軸受けと、
を具備し、
上記コネクタカバーと上記ボックス体が連結した状態において、
上記軸受けは、上記係合脚部が上記カバー体の上記係合孔部に貫挿し、上記第1のギヤと上記第2のギヤとが噛合する上記カバー体上の所定の位置で位置決めされることを特徴とする付記5に記載の回転自走式内視鏡。
【0307】
(付記7)
上記カバー体は、上記軸受けの上記係合脚部が上記係合孔部へ案内して送り込まれるように、上記係合孔部を形成する先端側の壁面に基端方向へ向かった上記モータボックス内へ傾斜している傾斜面を有していることを特徴とする付記6に記載の回転自走式内視鏡。
【0308】
(付記8)
上記コネクタカバーと上記ボックス体が連結するとき、
上記軸受けは、上記係合脚部の端部が上記係合孔部の傾斜面に沿うように、上記弾性部材の弾性変形により移動して、上記所定の位置で位置決めされることを特徴とする付記7に記載の回転自走式内視鏡。
【図面の簡単な説明】
【0309】
【図1】本発明の実施の形態に係る、回転自走式内視鏡システムの全体構成図。
【図2】同、内視鏡の先端部、湾曲部、及び回転筒体の一部を示す断面図。
【図3】同、挿入補助具を示す斜視図。
【図4】同、案内管が接続される挿入補助具の分解斜視図。
【図5】同、案内管が接続された挿入補助具の断面図。
【図6】同、案内管が接続された挿入補助具の基端部分を示す断面図。
【図7】同、図6のVII−VII線に沿った挿入補助具の断面図。
【図8】同、収納ケースの分解斜視図。
【図9】同、収納ケースの断面図。
【図10】同、収納ケースを一側面から見た平面図。
【図11】同、案内管固定部材が取り付けられる収納ケースの一側面を示す拡大図。
【図12】同、図11の収納ケースの一側面に案内管固定部材が取り付けられた状態を示す拡大平面図。
【図13】同、推進力発生部材が配設される案内管固定部材の分解斜視図。
【図14】同、収納ケース上下方向から見た推進力発生部材が配設される案内管固定部材の部分断面図。
【図15】同、収納ケース左右方向から見た推進力発生部材が配設される案内管固定部材の部分断面図。
【図16】同、推進力発生部材を示す平面図。
【図17】同、回転筒体が挿通し、案内管固定部材内の推進力発生部材の作用を説明する断面図。
【図18】同、操作部側の案内管固定部材の部分断面図。
【図19】同、操作部側案内管とコネクタカバーとの接続状態を示す断面図。
【図20】同、操作部側案内管が接続されたコネクタカバーの一部を示す断面図。
【図21】同、図20のXXI−XXI線に沿った断面を示すコネクタボックスの平面図。
【図22】同、案内管に挿入部本体の回転筒体が挿通した状態を示す断面図。
【図23】同、収納ケース内の挿入部本体の回転筒体を一側面から見た断面図。
【図24】同、コネクタカバーの開口側の面から見た平面図。
【図25】同、図24のXXV−XXV線に沿ったコネクタカバーの断面図。
【図26】同、図25のXXVI−XXVI線に沿ったコネクタカバーの断面図。
【図27】同、コネクタカバーのコネクタ本体を基端側から見た平面図。
【図28】同、図27の丸円XXVIIIを拡大した係止凸部を説明するための図。
【図29】同、コネクタ本体に配設される挿入部側ギヤ、回転軸、軸受け、及び弾性部材を説明するための分解斜視図。
【図30】同、電気コネクタ、及び弾性部材を説明するための図。
【図31】同、内蔵物保持体、及び弾性部材を説明するための図。
【図32】同、組み立てられたコネクタ本体に背面側を上方とした斜視図。
【図33】同、ワイヤ接続板の上面を示す平面図。
【図34】同、ワイヤ接続板の背面を示す平面図。
【図35】同、図33、及び図34のXXXV−XXXV線に沿ったワイヤ接続板の断面図。
【図36】同、ワイヤ接続板の側面図。
【図37】同、ワイヤ接続板を基端側から見た平面図。
【図38】同、ワイヤ接続板を先端側から見た平面図。
【図39】同、湾曲操作ワイヤに接続されるワイヤ留金具の斜視図。
【図40】同、ワイヤ留金具を先端側から見た平面図。
【図41】同、ワイヤ留金具の側面を示す部分断面図。
【図42】同、ワイヤ留金具を基端側から見た平面図。
【図43】同、ワイヤ留金具がワイヤ接続板に配設される状態を説明するための図。
【図44】同、ワイヤ留金具が配設されたワイヤ接続板の基端方向から見た平面図。
【図45】同、コネクタ本体にワイヤ接続板が取り付けられた状態を示す図。
【図46】同、ワイヤ接続板がコネクタ本体に対して移動した状態を説明する図。
【図47】同、コネクタカバーの上面図。
【図48】同、コネクタカバーの背面図。
【図49】同、図48に示4XIX−4XIX線に沿ったコネクタカバーの断面図。
【図50】同、図49の5X―5X線に沿ったコネクタカバーの断面図。
【図51】同、操作部を示す上面図。
【図52】同、主操作部の背面を示す平面図。
【図53】同、モータボックスを示す上面図。
【図54】同、モータボックスの断面図。
【図55】同、雌側の電気コネクタを示す斜視図。
【図56】同、電気コネクタの横方向の断面図。
【図57】同、電気コネクタの縦方向の断面図。
【図58】同、モータカバーを示す斜視図。
【図59】同、モータカバーの係合孔部を説明するための断面図。
【図60】同、把持部、及び主操作部の内部構成を示す図。
【図61】同、図60の6XI−6XI線に沿った把持部の断面図。
【図62】同、図60の6XII−6XII線に沿った把持部の断面図。
【図63】同、把持部、及び主操作部の内部構成を示す図。
【図64】同、連結部材を示す斜視図。
【図65】同、ストッパを示す斜視図。
【図66】同、連結部材がストッパと当接した状態を説明するための図。
【図67】同、連結部材がストッパと当接した状態を説明するための図。
【図68】同、第1ガイド板を示す斜視図。
【図69】同、第2ガイド板を示す斜視図。
【図70】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す斜視図。
【図71】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す斜視図。
【図72】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す断面図。
【図73】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す断面図。
【図74】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す上面図。
【図75】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングする前の状態を示す側面図。
【図76】同、案内板にワイヤ接続板がガイドされる状態を示す部分断面図。
【図77】同、モータボックスの係合凸部がコネクタカバーの直進溝にガイドされる状態を説明するための図。
【図78】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングする直前の状態を示す側面図。
【図79】同、ワイヤ接続板が第2ガイド板にガイドされる状態を説明するための図。
【図80】同、ワイヤ接続板が第2ガイド板にガイドされる状態を説明するための図。
【図81】同、ワイヤ接続板が第2ガイド板にガイドされる状態を説明するための図。
【図82】同、ワイヤ接続板のワイヤ留金具が連結部材の留め金具係止穴に係入される状態を説明するための図。
【図83】同、ワイヤ接続板のワイヤ留金具が連結部材の留め金具係止穴に係入される状態を説明するための図。
【図84】同、ワイヤ接続板のワイヤ留金具が連結部材の留め金具係止穴に係入される状態を説明するための図。
【図85】同、ワイヤ接続板のワイヤ留金具が連結部材の留め金具係止穴に係入される状態を説明するための図。
【図86】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す側面図、
【図87】同、モータボックスの係合凸部がコネクタカバーの誘導溝、及び傾斜面にガイドされ、係合孔に係入される状態を説明するための図。
【図88】同、モータボックスの係合凸部がコネクタカバーの誘導溝、及び傾斜面にガイドされ、係合孔に係入される状態を説明するための図。
【図89】同、モータボックスの係合凸部がコネクタカバーの誘導溝、及び傾斜面にガイドされ、係合孔に係入される状態を説明するための図。
【図90】同、モータボックスの係合凸部がコネクタカバーの誘導溝、及び傾斜面にガイドされ、係合孔に係入される状態を説明するための図。
【図91】同、係合凸部が係合孔に係入している状態を示す拡大平面図。
【図92】同、軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入される状態を説明するための図。
【図93】同、軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入される状態を説明するための図。
【図94】同、軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入される状態を説明するための図。
【図95】同、軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入され、挿入部側ギヤとモータギヤが噛合する状態を説明するための図。
【図96】同、軸受けの係合脚部がモータカバーの係合孔部に係入され、挿入部側ギヤとモータギヤが噛合する状態を説明するための図。
【図97】同、軸受けに固着された弾性部材の作用を説明するための図。
【図98】同、軸受けに固着された弾性部材の作用を説明するための図。
【図99】同、挿入部側ギヤとモータギヤの噛合における作用を説明するための図。
【図100】同、挿入部側ギヤとモータギヤの噛合における作用を説明するための図。
【図101】同、挿入部側ギヤとモータギヤの噛合における作用を説明するための図。
【図102】同、雄側の電気コネクタと雌側の電気コネクタの接続において、雄側の電気コネクタの突起部、及び固着された弾性部材の作用を説明するための図。
【図103】同、雄側の電気コネクタと雌側の電気コネクタの接続において、雄側の電気コネクタの突起部、及び固着された弾性部材の作用を説明するための図。
【図104】同、雄側の電気コネクタと雌側の電気コネクタの接続において、雄側の電気コネクタの突起部、及び固着された弾性部材の作用を説明するための図。
【図105】同、雄側の電気コネクタと雌側の電気コネクタの接続において、雄側の電気コネクタの突起部、及び固着された弾性部材の作用を説明するための図。
【図106】同、コネクタカバーがモータボックスにドッキングした状態を示す上面図。
【図107】同、収納ケースを上面から見た平面図。
【図108】同、挿入補助具が患者の肛門から直腸へ挿入された状態を示す作用説明のための図。
【図109】同、大腸内に挿入された挿入部本体がS字状結腸に到達し、その作用説明のための図。
【図110】同、大腸内に挿入された挿入部本体が盲腸近傍に到達し、その作用説明のための図。
【図111】同、コネクタカバーをモータボックスから離脱させるときの動作を説明するための図。
【図112】同、コネクタカバーをモータボックスから離脱させるときの動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0310】
1・・・回転自走式内視鏡システム
2・・・回転自走式内視鏡
6・・・収納ケース付内視鏡挿入部
7・・・操作部
10・・・挿入部本体
15・・・コネクタカバー
16・・・モータボックス
17・・・把持部
18・・・主操作部
51・・・回転筒体
51a・・・螺旋形状部
84・・・回転軸
85・・・コネクタ本体
96・・・挿入部側ギヤ
97・・・軸受け
97a・・・係合脚部
98・・・軸受け側弾性部材
99a・・・突起部
99・・・電気コネクタ
102・・・コネクタ側弾性部材
108・・・ワイヤ接続板
109・・・側板
110・・・ワイヤ留金具保持板
110a・・・凹状板部
110b・・・鍔板部
113,114・・・係合凸部
117・・・ワイヤ留金具
118・・・ワイヤ留管
118a・・・留金具側係止部
122・・・モータカバー
123・・・モータギヤ
124・・・モータ
125a・・・係合孔
125b・・・斜面部
125・・・電気コネクタ
130・・・係合孔部
133・・・傾斜面
134,135・・・連結部材
140・・・ガイド板
150a・・・連結部材側係止部
150・・・金具係止穴
151a・・・斜面部
151,152・・・係合切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部本体、該挿入部本体に回転可能に外嵌した回転筒体、及び該回転筒体に連結されたギヤが設けられていると共に、弾性体により支持された軸受け部によって上記回転筒体の回動軸が軸受けしてある挿入部と、
上記挿入部本体と着脱可能であると共に、上記軸受け部に設けられた係合部が係合する被係合部、及び上記回転筒体に連結された第1のギヤが噛合する、上記回転筒体を回転させるための駆動力を発生する駆動手段の出力軸に連結された第2のギヤが設けられた操作部と、
を具備することを特徴とする回転自走式内視鏡。
【請求項2】
上記挿入部と上記操作部とを連結操作時に、上記軸受け部に設けられた上記係合部が上記被係合部に係合してから、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤが上記出力軸に連結された上記第2のギヤに噛合するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡。
【請求項3】
上記軸受け部に設けられた上記係合部との係合操作方向と、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤと上記出力軸に連結された上記第2のギヤとの噛合操作が実質的に同一であり、上記係合部が上記出力軸に連結された上記第2のギヤにおける上記回転筒体に連結された上記第1のギヤとの噛合部分より、上記係合操作方向に側に突出するものであり、上記弾性体が上記噛合操作方向に弾性変形することにより、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤと上記出力軸に連結された上記第2のギヤとが噛合するようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の回転自走式内視鏡。
【請求項4】
上記操作部が上記被係合部、及び上記第2のギヤが配設されたコネクタ部を有するものであり、
上記挿入部が上記コネクタに連結することにより、上記係合部と上記被係合部とが係合し、上記回転筒体に連結された上記第1のギヤと、上記出力軸に連結された上記第2のギヤとが噛合するように、上記軸受け部、及び上記第1のギヤが配設されたコネクタ部を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転自走式内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【図107】
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【図108】
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【図109】
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【図110】
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【図111】
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【図112】
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【公開番号】特開2007−185379(P2007−185379A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6778(P2006−6778)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】