回転角度検出装置
【課題】磁電変換素子を備える回転角度検出装置であって、回転軸ずれや磁石の偏心に起因する角度誤差を抑制することのできる回転角度検出装置を提供すること。
【解決手段】回転角度検出装置400は、センサ実装基板7上の、第1及び第2の磁電変換素子を備えるセンサパッケージ6と、所定の回転軸8に対して回転する磁石5とを備える。センサパッケージ6が有する第1及び第2の磁電変換素子は、例えば図2に示したように、センサチップに設けられ、センサチップの表面に水平な磁場を検知することができる。磁石の回転軸8は、当該センサチップの表面に垂直な方向に配置されている。回転角度検出装置400では、磁石5として、センサチップの表面に平行な方向に着磁方向を有するものを用いる。磁石5は、さらに、着磁方向の最大長さが、着磁方向および回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短い。
【解決手段】回転角度検出装置400は、センサ実装基板7上の、第1及び第2の磁電変換素子を備えるセンサパッケージ6と、所定の回転軸8に対して回転する磁石5とを備える。センサパッケージ6が有する第1及び第2の磁電変換素子は、例えば図2に示したように、センサチップに設けられ、センサチップの表面に水平な磁場を検知することができる。磁石の回転軸8は、当該センサチップの表面に垂直な方向に配置されている。回転角度検出装置400では、磁石5として、センサチップの表面に平行な方向に着磁方向を有するものを用いる。磁石5は、さらに、着磁方向の最大長さが、着磁方向および回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転角度検出装置に関し、より詳細には、磁電変換素子を備える回転角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回転角度の検出方法として、磁電変換素子が設けられたセンサチップの表面に対して水平な磁場を磁石により印加し、当該磁石の回転軸回りの絶対角度を検出する方法がある。磁電変換素子としては、ホール素子、磁気収束板を用いたホール素子(特許文献1参照)、縦型ホール素子(特許文献2参照)、磁気抵抗素子等が挙げられる。
【0003】
ホール素子を用いた例としては、少なくとも2つのホール素子を、それぞれの感磁面が上記磁場に対して異なる方向を向いた状態で設置する。このとき、ホール素子から出力される異なる位相の正弦波を用いて絶対角度を算出することができる。
【0004】
また、特許文献2に記載の縦型ホール素子は、センサチップの表面に対して垂直に電流を印加し、当該表面に水平な一軸方向の磁場を検出することが可能なホール素子である。この縦型ホール素子を少なくとも2つ異なる方向を向けて設置し、それらの素子から出力される異なる位相の正弦波を用い絶対角度を算出することができる。
【0005】
また、図2(a)及び2(b)のような軟磁性体薄膜の磁気収束板14の近傍にホール素子16のある構成において、図2(c)は、x方向に水平な磁場が印加された際の磁力線を表わしている。水平方向の磁場を、磁気収束板14がホール素子16の感じることのできるホール素子感磁面に垂直な磁場に変換している。図2(d)のような磁場が印加された際、各ホール素子16(x+)、16(x−)、16(y+)、16(y−)からの出力差動電圧V(16(x+))、V(16(x−))、V(16(y+))、V(16(y−))は、次式(1)に従うような正弦波電圧および余弦波電圧である。
【0006】
V(16(x+))=A×cosθ
V(16(x−))=−A×cosθ (1)
V(16(y+))=A×sinθ
V(16(y−))=−A×sinθ
ここで、Aは比例定数、θは図2(d)記載の磁場印加角度である。これらの出力電圧を次式(2)のように差分をとることにより、X側、Y側の信号Vx、Vyを作り出す。
【0007】
Vx=V(16(x+))−V(16(x−))=2A×cosθ (2)
Vy=V(16(y+))−V(16(y−))=2A×sinθ
ここで作り出される信号Vx、Vyを用いて絶対角度を算出する。
【0008】
また、センサチップの表面に対して水平な磁場を検出する異方性磁気抵抗素子(Anisotropic MagnetoResistance:AMR)、巨大磁気抵抗素子(Giant MagnetoResistance:GMR)、トンネル磁気抵抗素子(Tunnel MagnetoResistance:TMR)のような磁気抵抗素子を磁電変換素子として用いる場合も、上述したホール素子や縦型ホール素子と同様に検出方向を変えた少なくとも2つの素子を配置し、位相の異なる正弦波電圧を用いることにより回転角度を算出することができる。
【0009】
信号処理としては、2つの磁電変換素子が回転軸を中心として直交する2軸で磁場を検知し、これらの磁電変換素子から出力される2種類の位相の異なる正弦波信号が正弦と余弦の関係である場合、次式(3)のように除算し、アークタンジェントをとることにより絶対角度を算出できる。
【0010】
θ=arctan(sinθ/cosθ) (3)
式(3)のθは、任意のx軸から反時計回りの角度を表わす。
【0011】
このように、磁電変換素子を備える回転角度検出装置が既に複数知られているが、実用上は、回転角度検出装置を組み立てる際に、理想的な構成状態である図1(a)ではなく、図1(b)のようなセンサパッケージの中心と磁石の回転軸との相対的なずれや、図1(c)のような磁石の偏心により、角度誤差が生じてしまう。磁電変換素子を有するセンサパッケージ1の中心と、磁石4の中心2と、磁石4の回転軸3とが直線上に並んでいればよいが、センサパッケージ1がずれたり、回転軸3がずれたりすると誤差が生まれる。
【0012】
過去に特許文献3で提案された回転角度センサの構成は、磁電変換素子の位置ずれには強いが、磁石やセンサを2つ使うなどコスト高になる傾向がある。
【0013】
また、その他には、特許文献4のような構成の回転角度検出方式が提案されている。この方式では、磁性体の厚みを巧みに変化させて、磁電変換素子に対して磁場を均一にかけることを可能にし、位置ずれの誤差を低減させることが可能となっている。しかし、この構成は、複雑な磁気回路が必要となり、一般に安価で汎用性が高い構成とすることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2003/081182号
【特許文献2】特開2006−32396号公報
【特許文献3】特開2006−47227号公報
【特許文献4】特開2005−3590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述した特許文献3及び4の構成は、回転軸ずれの影響を抑えようとすると複雑になり、キャリブレーションの必要性や大きな回転角度検出装置になることが指摘され、副次的にコスト高になることが予想される。
【0016】
さらに、従来の円形磁石下の水平磁場を検知する磁気抵抗素子、縦型ホール素子、磁気収束板を用いたホール素子のような方式では、回転軸ずれや偏心に対して大きな角度誤差が現れるという問題がある。この構成は、特にセンサと対向する面における面積の小さな径方向着磁円柱磁石の回転軸が変化した際や、磁石が偏心しているなどの際には角度誤差が発生し、その大きさは少なくない。例えば直径7mm、厚み2mmの径方向着磁円柱磁石においてx方向に回転軸ずれが起こった場合には図3(a)、偏心の中心がx方向に−0.2mmで回転した場合は図3(b)のような角度誤差となる。
【0017】
また、今後、希土類元素等の希少元素の枯渇等の資源問題を含んでおり、回転角度検出装置における磁石の小型化が要求されている。
【0018】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、磁電変換素子を備える回転角度検出装置であって、回転軸ずれや磁石の偏心に起因する角度誤差を抑制することのできる回転角度検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、センサチップに設けられ、前記センサチップの表面に水平な磁場を検知するための第1及び第2の磁電変換素子と、前記センサチップの前記表面に平行な方向に着磁方向を有し、前記センサチップの前記表面に垂直な方向の回転軸を中心に回転する磁石とを備え、前記第1及び第2の磁電変換素子から出力される位相の異なる正弦波信号を用いて前記磁石の回転角度が算出され、前記磁石は、前記着磁方向の最大長さが、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短いことを特徴とする回転角度検出装置である。
【0020】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記磁石が二極直方体磁石であり、前記着磁方向に短辺、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向に長辺を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが2以上10以下であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが4以上10以下であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様において、前記第1及び第2の磁電変換素子が、前記回転軸を中心として直交する2軸で前記磁場を検知するように配置されていることを特徴する。
【0024】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様において、前記第1及び第2の磁電変換素子が、軟磁性体材料で構成されている磁気収束板近傍に配置されたホール素子であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様において、前記センサチップがシリコン基板であり、前記ホール素子は前記センサチップ上に他の演算回路とともに集積されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、着磁方向の最大長さが、着磁方向および回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短い磁石を用いることにより、磁電変換素子を備える回転角度検出装置であって、回転軸ずれや磁石の偏心に起因する角度誤差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1(a)】回転角度検出装置を組み立てる際の理想的な構成状態を示す図であり、(a−1)は上面図、(a−2)は側面図である。
【図1(b)】回転角度検出装置を組み立てる際に回転軸ずれが生じた状態を示す図であり、(b−1)は上面図、(b−2)は側面図である。
【図1(c)】回転角度検出装置を組み立てる際に回転軸が偏心している状態を示す図であり、(c−1)は上面図、(c−2)は側面図である。
【図2(a)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図2(b)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図2(c)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図2(d)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図3(a)】従来の回転角度検出装置における回転軸ずれによる角度誤差を示す図である。
【図3(b)】従来の回転角度検出装置における偏心による角度誤差を示す図である。
【図4(a)】本発明の一実施形態に係る回転角度検出装置を一方向から示す図である。
【図4(b)】本発明の一実施形態に係る回転角度検出装置を図4(a)と直交する方向から示す図である。
【図5】図4(a)及び4(b)の磁石5の具体例を示す図である。
【図6】磁石の種類を変えてアスペクト比a/bと角度誤差との関係を評価した結果を示す図である。
【図7(a)】偏心の角度誤差に与える影響を説明するための図であり、(a−1)は上面図、(a−2)は側面図である。
【図7(b)】従来の円柱磁石と本発明で用いる直方体磁石について、偏心と角度誤差との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図4(a)及び4(b)に、本発明の一実施形態に係る回転角度検出装置を示す。回転角度検出装置400は、センサ実装基板7上の、第1及び第2の磁電変換素子を備えるセンサパッケージ6と、所定の回転軸8に対して回転する磁石5とを備える。
【0029】
センサパッケージ6が有する第1及び第2の磁電変換素子は、例えば図2に示したように、センサチップに設けられ、センサチップの表面に水平な磁場を検知することができる。磁石の回転軸8は、当該センサチップの表面に垂直な方向に配置されている。上述したように、第1及び第2の磁電変換素子から出力される位相の異なる正弦波信号を用いて磁石5の回転角度が算出される。
【0030】
本実施形態に係る回転角度検出装置400では、磁石5として、センサチップの表面に平行な方向(図4(a)及び4(b)におけるXY平面内の方向)に着磁方向を有するものを用いる。磁石5は、さらに、着磁方向(図4(a)のX方向)の最大長さが、着磁方向および回転軸に垂直な方向(図4(b)のY方向)の最大長さよりも短いことを特徴とする。このような磁石5を用いることで、言わば、幅の広いベクトルというような、センサチップの表面の広い範囲に対して同一方向の水平磁場を作り出すことができ、回転軸ずれや磁石の偏心の角度誤差への影響を著しく低減することができる。
【0031】
なお、本実施形態において「回転軸」とは、磁石5の重心付近を通り、センサチップの表面に垂直な直線を指すものとする。幾何学上の正確な重心点だけでなく、その近傍も含むため、回転軸ずれ等による角度誤差が発生しうることを想定している。
【0032】
図5に、磁石5の具体例を示す。図5に示すように、高いアスペクト比(a>b)を有する二極直方体磁石を用いることができる。ここで、着磁方向はX方向であり、着磁方向Xの最大長さbが、着磁方向Xおよび回転軸Zに垂直な方向Yの最大長さaよりも短い。言い換えると、長辺ではなく、短辺の方向に着磁がなされている。「直方体磁石」といっても、完全な直方体に限定されるものではなく、直方体の頂点部が丸みを帯びた形状等が含まれることを理解されたい。
【0033】
図6に、磁石の種類を変えてアスペクト比a/bと角度誤差との関係を測定した結果を示す。すべての結果は、磁石5の回転軸ずれが0.5mmという条件下で得られたものである。センサパッケージ6内の磁電変換素子としては、図2に示した磁気収束板下側部にホール素子を構成したものを用いた。
【0034】
ポイントHは、従来の径方向着磁を行った二極円柱磁石を用いた場合で、直径5mm、厚み2mmとした。図6の表記の際、その他のデータと比べる為、a/b=1の点をx座標とした。ポイントIは、直径を7mm、ポイントJは、直径を10mmとして、ポイントHと同様にプロットした。
【0035】
ポイントKは、ポイントJで用いた直径10mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とほぼ同等の角度誤差を1/4の体積で与える本発明に係る直方体磁石のアスペクト比(a/b=7)を示す。
【0036】
ポイントLは、ポイントHで用いた直径5mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とアスペクト比a/b=5において同じ体積となる本発明に係る直方体磁石の角度誤差を示す。ポイントMは、ポイントIで用いた直径7mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とアスペクト比a/b=5において同じ体積となる本発明に係る直方体磁石の角度誤差を示し、ポイントNは、ポイントJで用いた直径10mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とアスペクト比a/b=5において同じ体積となる本発明に係る直方体磁石の角度誤差を示す。
【0037】
ライン9は、ポイントHで用いた直径5mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比a/bを変化させた際の角度誤差を表わす。ライン10は、ポイントIで用いた直径7mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比a/bを変化させた際の角度誤差を表わす。ライン11は、ポイントJで用いた直径10mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比a/bを変化させた際の角度誤差を表わす。
【0038】
図6から、直径5mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比を10とすることで、角度誤差を1/6以下にできることが分かる。アスペクト比a/b=5のパラメータを用いたポイントL、M、Nは、それぞれポイントH、I、Jで用いた円柱磁石と同じ体積の直方体磁石であるが、軸ずれの影響を著しく抑えることを実現し、同一体積の円柱磁石H、I、Jに比べてLは約1/3、Mは約1/3.3、Nは約1/3.5にまで角度誤差を低減させている。
【0039】
特に、アスペクト比a/bが2以上であると、従来の円柱磁石と比較して有利な効果があり、4以上であることがより好ましい。しかし、小型化の要求を鑑みると、現実的な大きさとしてはアスペクト比a/bが10以下であることが好ましい。
【0040】
また、本発明により、円柱磁石よりも質量が小さく、コストの低い直方体磁石で回転角度センサ系を構成することを実現できる。現市場では一般的に、直方体磁石の方が円柱磁石よりも安価で、かつ作製における無駄が少ないことが知られている。例えば、ポイントKを見ると、アスペクト比a/b=7にすることにより、体積が1/4にもかかわらず回転軸ずれに対して同等以上の性能を持たせることができる。このように、使用する磁石の体積を減らしても回転軸ずれ等に起因する角度誤差が増大しないことから、使用磁石の小型化を実現でき、副次的に回転角度検出装置の低コスト化になる。磁石材料として、高価な希土類元素や希少金属を用いるネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石等が用いられるため、簡便な構成により磁石の体積を低減させることのできる本発明に係る回転角度検出装置の意義は大きい。
【0041】
また、本発明により、円柱磁石ではDカットなどの加工をしなければ着磁方向が見分けにくい点も、直方体磁石を用いることにより簡便な方向決定が実現できる。
【0042】
図7(b)に、偏心の角度誤差への影響を示しており、ライン12が直径7mm、厚み2mmの円柱磁石、ライン13がアスペクト比a/b=3.5、a=11.6、b=3.3、c=2の直方体磁石である。図7の横軸は、磁石の重心と回転軸のX軸方向(図7(a)参照)へのずれである。この図から明らかなように体積が同じ磁石を用いているが、直方体磁石の方が明らかに偏心に対しても高い耐性を実現した。
【0043】
なお、上述の説明は、磁電変換素子の具体例としてホール素子を用いたが、縦型ホール素子、AMR、GMR、TMR等においても効果的であることに留意されたい。
【0044】
また、磁石形状が楕円体等であっても、着磁方向の最大長さがその方向に垂直な最大長さに比べて短い立体であればよい。
【0045】
また、角度算出方法は、電子計算機に用いられるCORDIC(COordinate Rotation DIgital Computer)アルゴリズムやレゾルバからの信号を回転角度に変換するRD変換ICに用いられるようなアルゴリズム等であっても同様である。センサチップをシリコン基板で構成し、センサチップ上にホール素子等の磁電変換素子と、角度算出のための他の演算回路を集積させてもよい。
【0046】
この方式は、回転軸端使用型水平磁場検知の非接触回転角度センサにおいて低コスト・小型で、かつ取り付け・方向検知が容易な構成を実現した。この形態のセンサ構成は、非常に簡便かつ低コストであり、例えばローテーションスイッチ、ポテンショメータ、入力デバイスなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
5 磁石
6 センサパッケージ
7 センサ実装基板
8 回転軸
14 磁気収束板
15 センサチップ
16 ホール素子
400 回転角度検出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転角度検出装置に関し、より詳細には、磁電変換素子を備える回転角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回転角度の検出方法として、磁電変換素子が設けられたセンサチップの表面に対して水平な磁場を磁石により印加し、当該磁石の回転軸回りの絶対角度を検出する方法がある。磁電変換素子としては、ホール素子、磁気収束板を用いたホール素子(特許文献1参照)、縦型ホール素子(特許文献2参照)、磁気抵抗素子等が挙げられる。
【0003】
ホール素子を用いた例としては、少なくとも2つのホール素子を、それぞれの感磁面が上記磁場に対して異なる方向を向いた状態で設置する。このとき、ホール素子から出力される異なる位相の正弦波を用いて絶対角度を算出することができる。
【0004】
また、特許文献2に記載の縦型ホール素子は、センサチップの表面に対して垂直に電流を印加し、当該表面に水平な一軸方向の磁場を検出することが可能なホール素子である。この縦型ホール素子を少なくとも2つ異なる方向を向けて設置し、それらの素子から出力される異なる位相の正弦波を用い絶対角度を算出することができる。
【0005】
また、図2(a)及び2(b)のような軟磁性体薄膜の磁気収束板14の近傍にホール素子16のある構成において、図2(c)は、x方向に水平な磁場が印加された際の磁力線を表わしている。水平方向の磁場を、磁気収束板14がホール素子16の感じることのできるホール素子感磁面に垂直な磁場に変換している。図2(d)のような磁場が印加された際、各ホール素子16(x+)、16(x−)、16(y+)、16(y−)からの出力差動電圧V(16(x+))、V(16(x−))、V(16(y+))、V(16(y−))は、次式(1)に従うような正弦波電圧および余弦波電圧である。
【0006】
V(16(x+))=A×cosθ
V(16(x−))=−A×cosθ (1)
V(16(y+))=A×sinθ
V(16(y−))=−A×sinθ
ここで、Aは比例定数、θは図2(d)記載の磁場印加角度である。これらの出力電圧を次式(2)のように差分をとることにより、X側、Y側の信号Vx、Vyを作り出す。
【0007】
Vx=V(16(x+))−V(16(x−))=2A×cosθ (2)
Vy=V(16(y+))−V(16(y−))=2A×sinθ
ここで作り出される信号Vx、Vyを用いて絶対角度を算出する。
【0008】
また、センサチップの表面に対して水平な磁場を検出する異方性磁気抵抗素子(Anisotropic MagnetoResistance:AMR)、巨大磁気抵抗素子(Giant MagnetoResistance:GMR)、トンネル磁気抵抗素子(Tunnel MagnetoResistance:TMR)のような磁気抵抗素子を磁電変換素子として用いる場合も、上述したホール素子や縦型ホール素子と同様に検出方向を変えた少なくとも2つの素子を配置し、位相の異なる正弦波電圧を用いることにより回転角度を算出することができる。
【0009】
信号処理としては、2つの磁電変換素子が回転軸を中心として直交する2軸で磁場を検知し、これらの磁電変換素子から出力される2種類の位相の異なる正弦波信号が正弦と余弦の関係である場合、次式(3)のように除算し、アークタンジェントをとることにより絶対角度を算出できる。
【0010】
θ=arctan(sinθ/cosθ) (3)
式(3)のθは、任意のx軸から反時計回りの角度を表わす。
【0011】
このように、磁電変換素子を備える回転角度検出装置が既に複数知られているが、実用上は、回転角度検出装置を組み立てる際に、理想的な構成状態である図1(a)ではなく、図1(b)のようなセンサパッケージの中心と磁石の回転軸との相対的なずれや、図1(c)のような磁石の偏心により、角度誤差が生じてしまう。磁電変換素子を有するセンサパッケージ1の中心と、磁石4の中心2と、磁石4の回転軸3とが直線上に並んでいればよいが、センサパッケージ1がずれたり、回転軸3がずれたりすると誤差が生まれる。
【0012】
過去に特許文献3で提案された回転角度センサの構成は、磁電変換素子の位置ずれには強いが、磁石やセンサを2つ使うなどコスト高になる傾向がある。
【0013】
また、その他には、特許文献4のような構成の回転角度検出方式が提案されている。この方式では、磁性体の厚みを巧みに変化させて、磁電変換素子に対して磁場を均一にかけることを可能にし、位置ずれの誤差を低減させることが可能となっている。しかし、この構成は、複雑な磁気回路が必要となり、一般に安価で汎用性が高い構成とすることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2003/081182号
【特許文献2】特開2006−32396号公報
【特許文献3】特開2006−47227号公報
【特許文献4】特開2005−3590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述した特許文献3及び4の構成は、回転軸ずれの影響を抑えようとすると複雑になり、キャリブレーションの必要性や大きな回転角度検出装置になることが指摘され、副次的にコスト高になることが予想される。
【0016】
さらに、従来の円形磁石下の水平磁場を検知する磁気抵抗素子、縦型ホール素子、磁気収束板を用いたホール素子のような方式では、回転軸ずれや偏心に対して大きな角度誤差が現れるという問題がある。この構成は、特にセンサと対向する面における面積の小さな径方向着磁円柱磁石の回転軸が変化した際や、磁石が偏心しているなどの際には角度誤差が発生し、その大きさは少なくない。例えば直径7mm、厚み2mmの径方向着磁円柱磁石においてx方向に回転軸ずれが起こった場合には図3(a)、偏心の中心がx方向に−0.2mmで回転した場合は図3(b)のような角度誤差となる。
【0017】
また、今後、希土類元素等の希少元素の枯渇等の資源問題を含んでおり、回転角度検出装置における磁石の小型化が要求されている。
【0018】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、磁電変換素子を備える回転角度検出装置であって、回転軸ずれや磁石の偏心に起因する角度誤差を抑制することのできる回転角度検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、センサチップに設けられ、前記センサチップの表面に水平な磁場を検知するための第1及び第2の磁電変換素子と、前記センサチップの前記表面に平行な方向に着磁方向を有し、前記センサチップの前記表面に垂直な方向の回転軸を中心に回転する磁石とを備え、前記第1及び第2の磁電変換素子から出力される位相の異なる正弦波信号を用いて前記磁石の回転角度が算出され、前記磁石は、前記着磁方向の最大長さが、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短いことを特徴とする回転角度検出装置である。
【0020】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記磁石が二極直方体磁石であり、前記着磁方向に短辺、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向に長辺を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが2以上10以下であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが4以上10以下であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様において、前記第1及び第2の磁電変換素子が、前記回転軸を中心として直交する2軸で前記磁場を検知するように配置されていることを特徴する。
【0024】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様において、前記第1及び第2の磁電変換素子が、軟磁性体材料で構成されている磁気収束板近傍に配置されたホール素子であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様において、前記センサチップがシリコン基板であり、前記ホール素子は前記センサチップ上に他の演算回路とともに集積されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、着磁方向の最大長さが、着磁方向および回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短い磁石を用いることにより、磁電変換素子を備える回転角度検出装置であって、回転軸ずれや磁石の偏心に起因する角度誤差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1(a)】回転角度検出装置を組み立てる際の理想的な構成状態を示す図であり、(a−1)は上面図、(a−2)は側面図である。
【図1(b)】回転角度検出装置を組み立てる際に回転軸ずれが生じた状態を示す図であり、(b−1)は上面図、(b−2)は側面図である。
【図1(c)】回転角度検出装置を組み立てる際に回転軸が偏心している状態を示す図であり、(c−1)は上面図、(c−2)は側面図である。
【図2(a)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図2(b)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図2(c)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図2(d)】従来の磁気収束板とホール素子を用いた回転角度検出装置を説明するための図である。
【図3(a)】従来の回転角度検出装置における回転軸ずれによる角度誤差を示す図である。
【図3(b)】従来の回転角度検出装置における偏心による角度誤差を示す図である。
【図4(a)】本発明の一実施形態に係る回転角度検出装置を一方向から示す図である。
【図4(b)】本発明の一実施形態に係る回転角度検出装置を図4(a)と直交する方向から示す図である。
【図5】図4(a)及び4(b)の磁石5の具体例を示す図である。
【図6】磁石の種類を変えてアスペクト比a/bと角度誤差との関係を評価した結果を示す図である。
【図7(a)】偏心の角度誤差に与える影響を説明するための図であり、(a−1)は上面図、(a−2)は側面図である。
【図7(b)】従来の円柱磁石と本発明で用いる直方体磁石について、偏心と角度誤差との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図4(a)及び4(b)に、本発明の一実施形態に係る回転角度検出装置を示す。回転角度検出装置400は、センサ実装基板7上の、第1及び第2の磁電変換素子を備えるセンサパッケージ6と、所定の回転軸8に対して回転する磁石5とを備える。
【0029】
センサパッケージ6が有する第1及び第2の磁電変換素子は、例えば図2に示したように、センサチップに設けられ、センサチップの表面に水平な磁場を検知することができる。磁石の回転軸8は、当該センサチップの表面に垂直な方向に配置されている。上述したように、第1及び第2の磁電変換素子から出力される位相の異なる正弦波信号を用いて磁石5の回転角度が算出される。
【0030】
本実施形態に係る回転角度検出装置400では、磁石5として、センサチップの表面に平行な方向(図4(a)及び4(b)におけるXY平面内の方向)に着磁方向を有するものを用いる。磁石5は、さらに、着磁方向(図4(a)のX方向)の最大長さが、着磁方向および回転軸に垂直な方向(図4(b)のY方向)の最大長さよりも短いことを特徴とする。このような磁石5を用いることで、言わば、幅の広いベクトルというような、センサチップの表面の広い範囲に対して同一方向の水平磁場を作り出すことができ、回転軸ずれや磁石の偏心の角度誤差への影響を著しく低減することができる。
【0031】
なお、本実施形態において「回転軸」とは、磁石5の重心付近を通り、センサチップの表面に垂直な直線を指すものとする。幾何学上の正確な重心点だけでなく、その近傍も含むため、回転軸ずれ等による角度誤差が発生しうることを想定している。
【0032】
図5に、磁石5の具体例を示す。図5に示すように、高いアスペクト比(a>b)を有する二極直方体磁石を用いることができる。ここで、着磁方向はX方向であり、着磁方向Xの最大長さbが、着磁方向Xおよび回転軸Zに垂直な方向Yの最大長さaよりも短い。言い換えると、長辺ではなく、短辺の方向に着磁がなされている。「直方体磁石」といっても、完全な直方体に限定されるものではなく、直方体の頂点部が丸みを帯びた形状等が含まれることを理解されたい。
【0033】
図6に、磁石の種類を変えてアスペクト比a/bと角度誤差との関係を測定した結果を示す。すべての結果は、磁石5の回転軸ずれが0.5mmという条件下で得られたものである。センサパッケージ6内の磁電変換素子としては、図2に示した磁気収束板下側部にホール素子を構成したものを用いた。
【0034】
ポイントHは、従来の径方向着磁を行った二極円柱磁石を用いた場合で、直径5mm、厚み2mmとした。図6の表記の際、その他のデータと比べる為、a/b=1の点をx座標とした。ポイントIは、直径を7mm、ポイントJは、直径を10mmとして、ポイントHと同様にプロットした。
【0035】
ポイントKは、ポイントJで用いた直径10mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とほぼ同等の角度誤差を1/4の体積で与える本発明に係る直方体磁石のアスペクト比(a/b=7)を示す。
【0036】
ポイントLは、ポイントHで用いた直径5mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とアスペクト比a/b=5において同じ体積となる本発明に係る直方体磁石の角度誤差を示す。ポイントMは、ポイントIで用いた直径7mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とアスペクト比a/b=5において同じ体積となる本発明に係る直方体磁石の角度誤差を示し、ポイントNは、ポイントJで用いた直径10mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とアスペクト比a/b=5において同じ体積となる本発明に係る直方体磁石の角度誤差を示す。
【0037】
ライン9は、ポイントHで用いた直径5mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比a/bを変化させた際の角度誤差を表わす。ライン10は、ポイントIで用いた直径7mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比a/bを変化させた際の角度誤差を表わす。ライン11は、ポイントJで用いた直径10mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比a/bを変化させた際の角度誤差を表わす。
【0038】
図6から、直径5mm、厚み2mmの径方向着磁二極円柱磁石とc=2において同じ体積となる直方体磁石に関し、アスペクト比を10とすることで、角度誤差を1/6以下にできることが分かる。アスペクト比a/b=5のパラメータを用いたポイントL、M、Nは、それぞれポイントH、I、Jで用いた円柱磁石と同じ体積の直方体磁石であるが、軸ずれの影響を著しく抑えることを実現し、同一体積の円柱磁石H、I、Jに比べてLは約1/3、Mは約1/3.3、Nは約1/3.5にまで角度誤差を低減させている。
【0039】
特に、アスペクト比a/bが2以上であると、従来の円柱磁石と比較して有利な効果があり、4以上であることがより好ましい。しかし、小型化の要求を鑑みると、現実的な大きさとしてはアスペクト比a/bが10以下であることが好ましい。
【0040】
また、本発明により、円柱磁石よりも質量が小さく、コストの低い直方体磁石で回転角度センサ系を構成することを実現できる。現市場では一般的に、直方体磁石の方が円柱磁石よりも安価で、かつ作製における無駄が少ないことが知られている。例えば、ポイントKを見ると、アスペクト比a/b=7にすることにより、体積が1/4にもかかわらず回転軸ずれに対して同等以上の性能を持たせることができる。このように、使用する磁石の体積を減らしても回転軸ずれ等に起因する角度誤差が増大しないことから、使用磁石の小型化を実現でき、副次的に回転角度検出装置の低コスト化になる。磁石材料として、高価な希土類元素や希少金属を用いるネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石等が用いられるため、簡便な構成により磁石の体積を低減させることのできる本発明に係る回転角度検出装置の意義は大きい。
【0041】
また、本発明により、円柱磁石ではDカットなどの加工をしなければ着磁方向が見分けにくい点も、直方体磁石を用いることにより簡便な方向決定が実現できる。
【0042】
図7(b)に、偏心の角度誤差への影響を示しており、ライン12が直径7mm、厚み2mmの円柱磁石、ライン13がアスペクト比a/b=3.5、a=11.6、b=3.3、c=2の直方体磁石である。図7の横軸は、磁石の重心と回転軸のX軸方向(図7(a)参照)へのずれである。この図から明らかなように体積が同じ磁石を用いているが、直方体磁石の方が明らかに偏心に対しても高い耐性を実現した。
【0043】
なお、上述の説明は、磁電変換素子の具体例としてホール素子を用いたが、縦型ホール素子、AMR、GMR、TMR等においても効果的であることに留意されたい。
【0044】
また、磁石形状が楕円体等であっても、着磁方向の最大長さがその方向に垂直な最大長さに比べて短い立体であればよい。
【0045】
また、角度算出方法は、電子計算機に用いられるCORDIC(COordinate Rotation DIgital Computer)アルゴリズムやレゾルバからの信号を回転角度に変換するRD変換ICに用いられるようなアルゴリズム等であっても同様である。センサチップをシリコン基板で構成し、センサチップ上にホール素子等の磁電変換素子と、角度算出のための他の演算回路を集積させてもよい。
【0046】
この方式は、回転軸端使用型水平磁場検知の非接触回転角度センサにおいて低コスト・小型で、かつ取り付け・方向検知が容易な構成を実現した。この形態のセンサ構成は、非常に簡便かつ低コストであり、例えばローテーションスイッチ、ポテンショメータ、入力デバイスなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
5 磁石
6 センサパッケージ
7 センサ実装基板
8 回転軸
14 磁気収束板
15 センサチップ
16 ホール素子
400 回転角度検出装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサチップに設けられ、前記センサチップの表面に水平な磁場を検知するための第1及び第2の磁電変換素子と、
前記センサチップの前記表面に平行な方向に着磁方向を有し、前記センサチップの前記表面に垂直な方向の回転軸を中心に回転する磁石と
を備え、
前記第1及び第2の磁電変換素子から出力される位相の異なる正弦波信号を用いて前記磁石の回転角度が算出され、
前記磁石は、前記着磁方向の最大長さが、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短いことを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
前記磁石は、二極直方体磁石であり、前記着磁方向に短辺、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向に長辺を有することを特徴とする請求項1記載の回転角度検出装置。
【請求項3】
前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが2以上10以下であることを特徴とする請求項2記載の回転角度検出装置。
【請求項4】
前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが4以上10以下であることを特徴とする請求項3記載の回転角度検出装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の磁電変換素子は、前記回転軸を中心として直交する2軸で前記磁場を検知するように配置されていることを特徴する請求項1から4のいずれかに記載の回転角度検出装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の磁電変換素子は、軟磁性体材料で構成されている磁気収束板近傍に配置されたホール素子であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転角度検出装置。
【請求項7】
前記センサチップはシリコン基板であり、前記ホール素子は前記センサチップ上に他の演算回路とともに集積されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の回転角度検出装置。
【請求項1】
センサチップに設けられ、前記センサチップの表面に水平な磁場を検知するための第1及び第2の磁電変換素子と、
前記センサチップの前記表面に平行な方向に着磁方向を有し、前記センサチップの前記表面に垂直な方向の回転軸を中心に回転する磁石と
を備え、
前記第1及び第2の磁電変換素子から出力される位相の異なる正弦波信号を用いて前記磁石の回転角度が算出され、
前記磁石は、前記着磁方向の最大長さが、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向の最大長さよりも短いことを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
前記磁石は、二極直方体磁石であり、前記着磁方向に短辺、前記着磁方向および前記回転軸に垂直な方向に長辺を有することを特徴とする請求項1記載の回転角度検出装置。
【請求項3】
前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが2以上10以下であることを特徴とする請求項2記載の回転角度検出装置。
【請求項4】
前記短辺の長さに対する前記長辺の長さが4以上10以下であることを特徴とする請求項3記載の回転角度検出装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の磁電変換素子は、前記回転軸を中心として直交する2軸で前記磁場を検知するように配置されていることを特徴する請求項1から4のいずれかに記載の回転角度検出装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の磁電変換素子は、軟磁性体材料で構成されている磁気収束板近傍に配置されたホール素子であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転角度検出装置。
【請求項7】
前記センサチップはシリコン基板であり、前記ホール素子は前記センサチップ上に他の演算回路とともに集積されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の回転角度検出装置。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【公開番号】特開2013−2835(P2013−2835A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131204(P2011−131204)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】
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