説明

回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構

【課題】適当に回転変形し湾曲抵抗を克服することができる回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構を提供する。
【解決手段】回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構において、ローリング体保持チェーン1は扁平ストリップ2を設置し、その上には軸方向に配列する孔21を備え、孔21の間には隔絶片22を形成し、2個の孔21を隔て、上、下間隔ブロック31、32を隔絶片22上に結合し、しかも上、下間隔ブロック31、32と隔絶片22との間には欠槽4を備え、欠槽4は上、下間隔ブロック31、32の左右の異なる辺において相互に互い違いに設置し、これによりローリング体が保持チェーン面1の循環通路100において非垂直に運行する時、保持チェーン1の間隔ブロック31、32は回転変形を生じ、湾曲の抵抗を克服することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構に関し、特にローリング体保持チェーンは、軸方向に延伸して列を成す多数のローリング体を、2個ずつ相互に隔ててその中に保持し、しかもローリング体が、保持チェーン面の循環通路において、非垂直に運行する時、保持チェーンは回転変形を生じ、湾曲の抵抗を克服する回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のリニア運動機構中には、運動部品及び軸方向に延伸可能なレール部品を備える。運動部品とレール部品とは、相互に対応する少なくとも1列のレールをそれぞれ提供する。レールの間には、1列のローリング体を備え、レールと接触し、レール上でローリングする。運動部品は、相互に対応する各列のレールに対して、1本の回流直線通路と2本のユーターン通路を提供する。ユーターン通路は、回流直線通路及びレールの端面出入口に連接し、循環通路を形成する。これにより、ローリング体は、レール区から、ユーターン通路を経て回流直線通路に入り、回流直線通路から、さらにユーターン通路を経て、レール区に入ることができる。こうして、ローリング体は、循環通路内において循環運行でき、ローリング体のローリングにより、運動部品は、レール部品上で、レールに沿って、無限に運行することができる。
【0003】
隣接するローリング体の相互衝突を回避するため、特許文献1中では、ローリングボールの間に、間隔ブロックの設計を提供する。しかし、間隔ブロックとローリングボールとの間には間隙があるため、間隔ブロックは傾斜、偏移し易く、循環通路と相互干渉を生じ、スムーズな運行は難しい。
【0004】
一方、特許文献2及び特許文献3は、ローリングボール連接チェーン設計を開示する。ローリングボール連接チェーンは、軸方向に配列する2本のストリップを備え、間隔ブロックを軸方向配列方式により連接する。これにより、ローリングボールは、間隔ブロックの間に位置し、保持される。ローリングボール連接チェーンは、扁平な細長いストリップ形状を呈するため、扁平ストリップの撓み性により、ローリングボール連接チェーンは、2本のストリップにより構成する平面、すなわち扁平方向(以下では、ローリングボール連接チェーン面と略称)に垂直に、障害がない状態で湾曲することができる。しかし、垂直方向には、より大きな剛性があるため、この方向へ湾曲する時には、抵抗を生じる。よって、この設計は、循環通路がローリングボール連接チェーン面の平面上に完全に垂直に位置し、またローリングボール連接チェーンが、二次元空間上において湾曲運行する際にのみ適用することができる。循環通路が、この平面上に完全に在る訳ではない時には、ローリングボール連接チェーンは、ローリングボール連接チェーン面方向へと傾斜して湾曲しなければならず、すなわち垂直方向へと湾曲する抵抗を克服しなければならない。よって、この設計は、抵抗力を生じ、運行がスムーズに行かないという問題がある。
【0005】
上記に鑑み、本発明者はかつて、特許文献4の「ローリングボールチェーン」を提出した。これは、ローリングボール連接チェーンが、回転運行する時にスムーズにいかないという欠点を解決することができる。上記したローリングボールチェーンは、1列となって前後に多数が配列したローリングボール、及び軸方向に延伸する間隔チェーンにより構成する。間隔チェーンは、前後に配列する多数の窪みを備え、ローリングボールは、その中に位置する。間隔チェーンは、前後に配列する多数の間隔ブロック、少なくとも2本の軸方向に延伸する細長い形状の弾性ベルト、横方向に延伸する弾性連結ストリップを備える。間隔ブロックは、ローリングボールの間に位置し、2個のローリングボールの間を隔てる。弾性連結ストリップ両端には、弾性ベルトを連結し、両者の間は間隔ブロックと弾性連結し、弾性連結ストリップは、最大の長さと十分な弾性を保持する。これにより、より自由に、前後左右に湾曲可能となり、間隔ブロックも弾性連結を経て、弾性連結ストリップに対して、各方向の回転傾斜が行えるようになる。こうして、ローリングボールチェーンは、十分な自由度を備え、三次元空間において方向を変え、循環通路中で、非常に小さな抵抗の下でスムーズに運行することができる。
【0006】
上記したように、特許文献4が開示する「ローリングボールチェーン」は、弾性連結ストリップ両端に弾性ベルトを連結し、両者の間は、間隔ブロックと弾性連結し、この構造により、チェーンは、極めて高い回転変形の自由度を保持することができる。しかし、本発明者は、間隔ブロックと弾性連結ストリップの連結区域が比較的小さいため、往復湾曲作動を持続することで、強度が不足する恐れがあることを発見した。同時に、この構造は、ローリングボールカバー面と弾性連結ストリップとの間に形成する欠槽において、保持チェーンのローリングボールカバー面がローリングボールを抱える効果がやや劣り、これによりローリングボールの運行がスムーズにいかないという欠点がある。
本発明は、ローリング体保持チェーンの上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5927858号
【特許文献2】米国特許第5947605号
【特許文献3】米国特許第6155718号
【特許文献4】台湾特許第I273185号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、ローリング体カバー面を備え、しかも回転運行可能なローリング体保持チェーンは、ローリング体保持の効果を高め、しかも適当に回転変形し湾曲抵抗を克服可能な保持チェーン構造である回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は下記の回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構を提供する。回転運行可能なローリング体保持チェーンは、扁平ストリップ及び多数の間隔ブロックを備え、該扁平ストリップは、軸方向に配列する孔を備え、孔の間には、隔絶片を形成し、該2個の孔を隔て、該間隔ブロックは、上間隔ブロック及び下間隔ブロックに分かれ、該隔絶片の相対する両側にそれぞれ結合し、しかも、該上間隔ブロック及び該下間隔ブロックと該隔絶片との間には、それぞれ欠槽を備え、該欠槽は、該上間隔ブロック及び該下間隔ブロックの左右の異なる辺において、相互に互い違いに設置し、該孔は、該扁平ストリップの垂直方向及び該2個の間隔ブロックの間に、孔面を形成し、該上間隔ブロック及び該下間隔ブロックと該孔が隣接する面は、平滑面で、該平滑面の一部分は、ローリング体カバー面を呈し、該扁平ストリップ上の孔面と平滑に接し、該孔面はさらに、隣接する上間隔ブロック或いは下間隔ブロックのローリング体カバー面と平滑に接し、上カバー面或いは下カバー面を形成し、該ローリング体カバー面は、開口を備え、平滑面の他の一部分は、該ローリング体カバー面の開口接線方向に沿って、曲面を呈し外へと延伸し、該上カバー面或いは該下カバー面の開口方向は、該扁平ストリップの軸方向垂直面と軸方向横側面との間に、斜めに位置し、該上間隔ブロックと該下間隔ブロックのローリング体カバー面は、互い違いに設置し、それぞれ左右の異なる辺に配置し、しかも、開口の方向は反対で、該欠槽は、該上間隔ブロック及び該下間隔ブロックに属する平滑面の曲面部分に位置し、該ローリング体カバー面は、球状カバー面、或いは円柱状カバー面で、該曲面は、円筒面、或いは円錐面で、該ローリング体保持チェーンを使用するリニア運動機構は、導引部品、台体を備え、該導引部品は、少なくとも片側に、第一レールを設置し、該台体は、該導引部品上を跨いで設置し、該第一レールに対応し第二レールを設置し、該第二レール上の両端には、それぞれカーブ通路を設置し、該カーブ通路の反対端は、回流直線通路により連接し、該第二レール、該カーブ通路及び該回流直線通路は、循環通路を形成し、該循環通路内には、少なくとも1個の封鎖状の導引溝を設置し、該ローリング体保持チェーンの扁平ストリップ両側の少なくとも片側は、導引溝内に位置し、該ローリング体保持チェーンの孔内には、それぞれローリング体を設置し、該ローリング体保持チェーン及び該各ローリング体は、該ローリング体のローリングにより、循環通路内において循環運動を行い、同時に、該ローリング体が、該第一レール及び該第二レール中においてローリングすることで、該台体は、該導引部品上において、該第一レールに沿って無限に運動することができ、該ローリング体保持チェーンと、該孔内に保持され列を成すローリング体は、リニア運動機構の循環通路内において運行時、該循環通路は導引溝を提供し、該ローリング体保持チェーンの扁平ストリップ両側は溝内に位置し、導引され、こうしてローリング体保持チェーンは、正確な位置において確実に運行することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の回転運行可能なローリング体保持チェーン及びそれが構成するリニア運動機構のローリング体保持チェーンは、上間隔ブロック及び下間隔ブロックに属する平滑面の曲面部分と隔絶片との間に、射出成型時に、欠槽を予め残し、これにより保持チェーンが保持チェーン面の循環通路において非垂直に運行する時、保持チェーンの上、下間隔ブロックは回転変形を生じ、湾曲の抵抗を克服することができる。しかも、上、下間隔ブロックと隔絶片との間には、十分な連結強度を備え、同時に、ローリング体カバー面も、ローリング体に対して十分な拘束力を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明ローリングボール保持チェーンの右上方からの俯瞰図である。
【図2】本発明ローリングボール保持チェーンと列を成すローリングボールの斜視図である。
【図3】図1中のA-A位置における断面図である。
【図4】図1中のB-B位置における断面図である。
【図5】図1中のC-C位置における断面図である。
【図6】本発明に開示するローリングボール保持チェーンと列を成すローリングボールの、リニア運動機構の循環通路内における模式図である。
【図7】本発明に開示する回流直線通路が、導引面H1の垂直面T1上にない様子を示す模式図である。
【図8】本発明のローリングボール保持チェーンが、カーブ通路において抵抗変形を受け止める様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明のローリング体保持チェーンは、ローリングボール保持チェーン1を例(ローリング柱に用いる保持チェーンも可)とする。該ローリングボール保持チェーン1設計は、扁平ストリップ2及び多数の間隔ブロック3により構成する。扁平ストリップ2は、軸方向に配列する孔21を備え、孔21の間には、隔絶片22を形成し、2個の孔21を隔てる。間隔ブロック3は、その上に結合し、間隔ブロック3は、上間隔ブロック31と下間隔ブロック31に分かれる。孔21は、扁平ストリップ2垂直方向及び2個の間隔ブロック3の間に、孔面35を形成する。
【0014】
図2に示すように、1列を成すローリングボール5は、間隔ブロック3により、1個ずつ隔てられ、孔21内に保持される。1個ずつのローリングボール5が相互に隔てられることで、ローリングボール5が、後述のリニア運動機構の循環通路内において、ローリングする時(図6参照)、相互に隣接するローリングボール5の間は、相互に衝突することはなく、こうしてローリングボール5は、スムーズにローリングすることができる。
【0015】
さらに、図1に示すように、上間隔ブロック31と下間隔ブロック32が、それぞれ孔21と相対応する面は、平滑面33、34である。平滑面33、34の一部分は、ローリングボール5よりやや大きい球状カバー面33a、34a(ローリング柱に用いる保持チェーンの場合には、円柱状カバー面)を呈し、扁平ストリップ2上の孔面35と平滑に接する。孔面35はさらに、隣接する上間隔ブロック31或いは下間隔ブロック32の球状カバー面33a、34aと平滑に接し、ローリングボール5の上カバー面37及び下カバー面38を形成する。
【0016】
図4、5に示すように、上、下球状カバー面33a、34aの、孔面35と接していない一端は、平滑面33、34上において、開口39を形成する。また、上、下球状カバー面33a、34aは、それぞれ左右の異なる辺に配置する。しかも、上、下球状カバー面33a、34aの開口39方向N1、N2の方向は反対で、上、下球状カバー面33a、34aの開口39方向N1、N2は、扁平ストリップ2断面上の垂直方向Vと水平方向Hの間に位置する(図3参照)。
【0017】
さらに図4、5に示すように、扁平ストリップ2の孔面35は、上間隔ブロック31及び下間隔ブロック32の球状カバー面33a、34aが形成する開口口径e1、e2は、ローリングボール直径ψdより小さいため、ローリングボール5を、扁平ストリップ2の孔21中において、確実に拘束して保持することができる。よって、ローリングボール5は、孔21内において傾斜、偏移の状況が生じることはなく、しかもローリングボール5は、循環通路と相互干渉を生じることはない。そして、球状カバー面33a、34aの開口方向N1、N2の、扁平ストリップ2の水平方向Hにおける傾斜が大きくなればなるほど、球状カバー面33a、34aは大きくなり、垂直方向Vの、ローリングボール5に対する拘束力も大きくなる(図3参照)。
【0018】
図3に示すように、上、下球状カバー面33a、34aの開口39方向N1、N2は、扁平ストリップ2断面上の垂直方向Vと水平方向Hの間に位置する。そのため、ローリングボール保持チェーン1を射出成型する時には、斜側向に脱型が可能であるため、1回の射出成型工程で、全部のローリングボール保持チェーン1を形成することができる。
【0019】
しかも、図1、2に示すように、上間隔ブロック31と下間隔ブロック32の平滑面33、34の他の一部分は、球状カバー面33a、34a開口39の接線方向に沿って、外へと延伸して円筒状或いは円錐状の曲面33b、34bを呈する。しかも、上間隔ブロック31及び下間隔ブロック32に属する平滑面33、34の曲面33b、34b部分と隔絶片22との間には、欠槽4を備える。ローリングボール5と上間隔ブロック31及び下間隔ブロック32の円筒状或いは円錐状を呈する曲面33b、34bとの間は、貯油空間とでき、ここに潤滑油を貯めることができる。
【0020】
図6に示すように、ローリングボール保持チェーン1は、リニアスライドレールなどリニア運動機構に使用される。リニアスライドレールは、スライドレール9を備え、側面には、少なくとも1個の第一レール91を設置する。台体10は、スライドレール9上をまたいで設置し、第一レール91に対応し第二レール101を設置する。台体10両端には、端蓋11をそれぞれ設置する。端蓋11は、少なくとも1個のカーブ通路130を提供する。カーブ通路130の一端は、第二レール101の端部に連接し、反対端は、台体10が提供する回流直線通路120と連接する。
【0021】
第二レール101、カーブ通路130及び回流直線通路120は、循環通路100を形成する。循環通路100内には、導引溝110を設置する。ローリングボール保持チェーン1と孔21内に保持され、列を成すローリングボール5とが、リニア運動機構の循環通路100内において、循環ローリング運行を行う時、ローリングボール保持チェーン1の扁平ストリップ2両側は、導引溝内110に位置し、導引される。こうして、ローリングボール保持チェーン1は、正確な位置において確実に運行する。同時に、ローリングボール5が、第一レール91及び第二レール101中においてローリングすることで、台体10は、スライドレール9上において、第一レール91に沿って無限に運動することができる。
【0022】
図7に示すように、導引溝110は、第一レール91及び第二レール101内において、導引面H1を構成し、回流直線通路120内において、導引面H2を構成する。回流直線通路120を、最適な位置に設計するため、回流直線通路120は、導引面H1の垂直面T1上にしなければならない訳ではなく、回流直線通路120のローリングボール5中心点と第一レール91及び第二レール101内のローリングボール5中心点が形成する平面C1と導引面H1の垂直面T1とは、角度Φ1を形成する。よって、導引面H1の垂直面T1と導引面H2の垂直面T3とは、移動Δを生じる。そのため、ローリングボール保持チェーン1が、第一レール91及び第二レール101内から、カーブ通路130に入ると、回転形状変化を生じ、抵抗を生み出す。
【0023】
図8に示すように、本発明は、上間隔ブロック31及び下間隔ブロック32と隔絶片22との間に、欠槽4状の緩衝区を形成する。これにより、ローリングボール保持チェーン1は、カーブ通路130に入ると、上間隔ブロック31及び下間隔ブロック32の曲面33b、34b部分により、扁平ストリップ2の隔絶片22に向かい湾曲変形する。こうして、カーブ通路130は、移動Δの高度差を備えることによる、カーブ通路130において生じる連続高度変化が引き起こす抵抗を、低下させることができる。これにより、ローリングボール保持チェーン1が作動時に受ける抵抗は低くなり、ローリングボール5に対して十分な拘束力を備えるため、循環通路100内においてスムーズな運行が行われる。同時に、上間隔ブロック31及び下間隔ブロック32と隔絶片22との連結位置は、十分な連結強度を備え、持続的な往復湾曲変形に耐えることができる。
【0024】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品構造の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0026】
1:ローリングボール保持チェーン
2:扁平ストリップ
21:孔
22:隔絶片
3:間隔ブロック
31:上間隔ブロック
32:下間隔ブロック
33、34:平滑面
33a、34a:球状カバー面
33b、34b:曲面
35:孔面
37:上カバー面
38:下カバー面
39:開口
4:欠槽
5:ローリングボール
9:スライドレール
91:第一レール
10:台体
11:端蓋
101:第二レール
100:循環通路
110:導引溝
120:回流直線通路
130:カーブ通路
e1、e2:開口口径
ψd:ローリングボール直径
N1、N2:球状カバー面
33a、34a:開口方向
V:扁平ストリップ断面上垂直方向
H:扁平ストリップ断面上水平方向
H1、H2:導引面
T1、T2:垂直面
C1:回流直線通路のローリングボール中心点と第一レール及び第二レール内のローリングボール中心点が形成する平面
Φ1:平面C1と垂直面T1が形成する角度
Δ:垂直面T1と垂直面T2との間の移動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平ストリップ及び多数の間隔ブロックを備える、ローリング体保持チェーンであって、
前記扁平ストリップは、軸方向に配列する孔を備え、前記孔の間には、隔絶片を形成し、2個の前記孔を隔て、
前記間隔ブロックは、上間隔ブロック及び下間隔ブロックに分かれ、前記隔絶片の相対する両側にそれぞれ結合し、
前記上間隔ブロック及び前記下間隔ブロックと前記隔絶片との間には、それぞれ欠槽を備え、しかも前記欠槽は、前記上間隔ブロック及び前記下間隔ブロックの左右の異なる辺において、相互に互い違いに設置することを特徴とするローリング体保持チェーン。
【請求項2】
前記孔は、前記扁平ストリップの垂直方向及び前記2個の間隔ブロックの間に、孔面を形成し、前記上間隔ブロック及び前記下間隔ブロックと前記孔が隣接する面は、平滑面で、前記平滑面の一部分は、ローリング体カバー面を呈し、前記扁平ストリップ上の孔面と平滑に接し、前記孔面はさらに、隣接する上間隔ブロック或いは下間隔ブロックのローリング体カバー面と平滑に接し、上カバー面或いは下カバー面を形成し、前記ローリング体カバー面は、開口を備え、平滑面の他の一部分は、前記ローリング体カバー面の開口接線方向に沿って、曲面を呈し外へと延伸し、前記上カバー面或いは前記下カバー面の開口方向は、前記扁平ストリップの軸方向垂直面と軸方向横側面との間に、斜めに位置し、前記上間隔ブロックと前記下間隔ブロックのローリング体カバー面は、互い違いに設置し、それぞれ左右の異なる辺に配置し、しかも開口の方向は反対で、前記欠槽は、前記上間隔ブロック及び前記下間隔ブロックに属する平滑面の曲面部分に位置することを特徴とする請求項1に記載のローリング体保持チェーン。
【請求項3】
前記ローリング体カバー面は、球状カバー面であることを特徴とする請求項2に記載のローリング体保持チェーン。
【請求項4】
前記ローリング体カバー面は、円柱状カバー面であることを特徴とする請求項2に記載のローリング体保持チェーン。
【請求項5】
前記曲面は、円筒面であることを特徴とする請求項2に記載のローリング体保持チェーン。
【請求項6】
前記曲面は、円錐面であることを特徴とする請求項2に記載のローリング体保持チェーン。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のローリング体保持チェーンを使用するリニア運動機構であって、
導引部品、台体を備え、
前記導引部品は、少なくとも片側に、第一レールを設置し、
前記台体は、前記導引部品上を跨いで設置し、前記第一レールに対応し、第二レールを設置し、前記第二レール上の両端には、それぞれカーブ通路を設置し、前記カーブ通路の反対端は、回流直線通路により連接し、前記第二レール、前記カーブ通路及び前記回流直線通路は、循環通路を形成し、前記循環通路内には、少なくとも1個の封鎖状の導引溝を設置し、
前記ローリング体保持チェーンの扁平ストリップ両側の少なくとも片側は、前記導引溝内に位置し、前記ローリング体保持チェーンの孔内には、それぞれローリング体を設置し、前記ローリング体保持チェーン及び前記各ローリング体は、前記ローリング体のローリングにより、循環通路内において循環運動を行うことを特徴とするリニア運動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−87870(P2013−87870A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229283(P2011−229283)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(511251984)直得科技股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】