説明

回転電機ステータ

【課題】回転電機ステータにおいて、導体セグメントから形成されるセグメントコイルを有する構成で、コイルエンドでの相間PDIVを有効に向上させることである。
【解決手段】ステータ10は、ステータコア14に分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部を含む。各相のセグメント環状部は、複数の導体セグメント28が互いに接続されることによりそれぞれコイル状に形成される複数のセグメントコイル22を含む。各セグメントコイル22のうち、ステータコア14の軸方向端面から外側に突出する部分により形成されるターン部側コイルエンド46において、径方向に隣り合う2の導体セグメント28同士の間に環状の突起部付絶縁紙50を挿入する。突起部付絶縁紙50は、環状本体部52のステータコア14と反対側の軸方向一端縁に軸方向に突出するように設けられた突起部54を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周方向複数個所に設けられたスロットを有するステータコアと、ステータコアに分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部とを備える回転電機ステータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転電機のステータとして、スロットと呼ばれる径方向に伸びる溝を周方向に複数設けたステータコアを備え、互いに周方向に離れた2ずつのスロットに挿入するように、ステータコアにステータコイルを分布巻きで巻装する構造が知られている。
【0003】
また、この場合にステータコイルを、複数の導体セグメントが互いに接続されることによりそれぞれコイル状に形成されるセグメントコイルとすることも考えられる。例えば、各導体セグメントは、2の平行な脚部と、2の脚部同士を連結するターン部とによりU字形に形成される。
【0004】
さらに、複数の導体セグメントを連結することによりコイル状に形成し、単位コイルであるセグメントコイルとしたものを複数個設け、ステータコアの周方向に複数のセグメントコイルを連結することにより各相の環状部分を構成することも考えられる。なお、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1〜3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−166592号公報
【特許文献2】特開2007−104826号公報
【特許文献3】特許第4461820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような導体セグメントから形成されるセグメントコイルを有するステータでは、セグメントコイルのうち、ステータコアの軸方向端面から外側に突出する部分により形成されるコイルエンドにおいて、隣り合う導体セグメントの間に絶縁紙を配置することにより、隣り合う導体セグメント間での部分放電を抑制することが考えられる。例えば、特許文献1には、セグメントコイル式ステータ構造において、各導体セグメントのターン部とは反対側の接合部側のコイルエンドで、径方向に隣接する2の導体セグメントの間に円環形状の絶縁紙を挿入することが記載されている。このような円環状に形成された絶縁紙は、接合部側のコイルエンドと同様に、ターン部側のコイルエンドに設けることも考えられる。
【0007】
ただし、コイルエンドに単なる円環状の絶縁紙を配置する場合、セグメントコイルの構造上、異相コイルとなる2のセグメントコイルの間で、互いに接近する部分であるにもかかわらず、その間に絶縁紙を介在させることができない部分が生じる可能性がある。このため、2のセグメントコイル同士の間で部分放電を抑制する面から改良の余地があり、相間の部分放電開始電圧である相間PDIVを大きくする面から改良の余地がある。
【0008】
例えば、上記の単なる円環状の絶縁紙をターン部側のコイルエンドに設ける場合で相間PDIVを測定すると、著しく相間PDIVの値が低い部分が存在し、絶縁信頼性能を保証する上で改良の余地があることが分かった。これに対して、異相コイルの寸法公差を小さくして、異相コイル間の距離を大きくすることで、異相コイルを離隔保証することも考えられる。ただし、実際のステータの組立品を製造する場合に、コイルの形状精度や組み付けばらつきから、ステータを大型化することなく異相コイルで必要とされる離隔距離を確保することは困難であり、絶縁紙を設けないと相間PDIVが小さくなる可能性がある。例えば、異相コイルが一部で接触すると相間PDIVが小さくなる。
【0009】
また、特許文献2,3には、セグメントコイルではない通常使用されるコイルを有するステータで、スロットに配置されるスロット配置部と、コイルエンドに配置されるコイルエンド配置部とを一体に連結することで形成される相間絶縁紙が記載されている。ただし、特許文献2,3には、導体セグメントから形成されるセグメントコイルを有するステータで、コイルエンドでの相間PDIVを有効に向上させる手段は開示されていない。
【0010】
本発明の目的は、回転電機ステータにおいて、導体セグメントから形成されるセグメントコイルを有する構成で、コイルエンドでの相間PDIVを有効に向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る回転電機ステータは、周方向複数個所に設けられたスロットを有するステータコアと、ステータコアに分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部とを備え、各相のセグメント環状部は、複数の導体セグメントが互いに接続されることによりそれぞれコイル状に形成される複数のセグメントコイルを含み、各セグメントコイルのうち、ステータコアの軸方向端面から外側に突出する部分により形成されるコイルエンドにおいて、径方向に隣り合う2の導体セグメント同士の間に挿入された環状の絶縁紙を備え、絶縁紙は、環状に形成された環状本体部と、環状本体部のステータコアと反対側の軸方向一端縁に軸方向に突出するように設けられた突起部とを含むことを特徴とする回転電機ステータである。
【0012】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、絶縁紙は、軸方向両側のコイルエンドのうち、少なくとも片側コイルエンドにおいて、径方向に隣り合う2の導体セグメント同士の間に挿入され、かつ、1の導体セグメントの片側コイルエンドを形成する部分の内側に挿入されている。
【0013】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、突起部は、使用時に異なる相の電流が流れる異相のステータコイル間で、互いの間隔が相対的に小さくなる位置に設けられている。
【0014】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、突起部は、環状本体部の軸方向一端縁の複数個所であって、周方向に隣り合う2のセグメントコイルの片側コイルエンドを形成する部分が互いに径方向に対向する部分の間となる複数個所に配置されている。
【0015】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、各導体セグメントの片側コイルエンドを形成する部分は、軸方向の外側に向かうほど周方向片側に向かう方向に傾斜する片側傾斜部と、片側傾斜部に連結部により連結され、軸方向の外側に向かうほど周方向他側に向かう方向に傾斜する他側傾斜部とを含み、絶縁紙は、片側傾斜部と他側傾斜部との間に挿入され、突起部は、1の導体セグメントの片側傾斜部の連結部寄り部分と、1の導体セグメントと周方向に隣り合う別の導体セグメントの他側傾斜部の連結部寄り部分とが対向する部分の間に配置されている。
【0016】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、絶縁紙は、帯状の絶縁紙素材の長さ方向に対し直交する幅方向の中間部において、波形形状の切断部で切断された2の絶縁紙要素の片側の絶縁紙要素を用いて、長さ方向両端部同士を接合して環状に形成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る回転電機ステータによれば、導体セグメントから形成されるセグメントコイルを有する構成で、コイルエンドにおいて、単なる円環状の絶縁紙で異相コイルとなる2のセグメントコイルの間で、互いに接近する部分の間に絶縁紙を介在させることができない部分でも、突起部を介在しやすくできる。このため、コイルエンドでの相間PDIVを有効に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態の回転電機ステータにおいて、絶縁紙を省略して示す斜視図である。
【図2】図1の各相ステータコイルを構成する1の導体セグメントを、ステータコアに配置する以前の状態で示す図である。
【図3】図1のステータにおいて、1相分であるU相分のステータコイルが巻装された様子を示す概略斜視図である。
【図4】図3における1相分であるU相分のステータコイルを取り出して示す図である。
【図5】図4のステータコイルのうち、前半部の巻き始めの1番目から8番目までの8個の単位コイルを示す図である。
【図6】図5の前半部の8個の単位コイルをステータコアに巻装する様子を説明する模式図である。
【図7】図6に引き続いて、後半部の8個の単位コイルをステータコアに巻装する様子を説明する模式図である。
【図8】図1のステータのターン部側コイルエンドにおいて、突起部付絶縁紙を配置した様子の周方向一部を示す斜視図である。
【図9】図1のステータのターン部側コイルエンドに配置する複数の環状の突起部付絶縁紙を示す斜視図である。
【図10】図9に示す突起部付絶縁紙を形成する途中の工程において、1の帯状の絶縁紙素材から2の絶縁紙要素を形成する様子を示す図である。
【図11】図1のステータにおいて、ステータコアと、ターン部側コイルエンドとを外周側から見た様子を、(a)は突起部付絶縁紙を配置する前で、(b)は突起部付絶縁紙を配置した状態で、それぞれ示す概略透視図である。
【図12】回転電機ステータの比較例を示す、図8に対応する図である。
【図13】図12の比較例において、ターン部側コイルエンドに配置する複数の環状の絶縁紙を示す斜視図である。
【図14】図12の比較例のターン部側コイルエンドにおいて、隣接するコイルの相間PDIVが小さくなる部分を、絶縁紙を省略して示す図である。
【図15】図12の比較例において、周方向一部での複数の異相間である、径方向に隣り合うU相導体セグメントとW相導体セグメント間の相間PDIVを示す図である。
【図16】本発明の実施形態において、突起部付絶縁紙の別例の第1例を形成する途中の工程において、1の帯状の絶縁紙素材から2の絶縁紙要素を形成する様子を示す図である。
【図17】本発明の実施形態において、突起部付絶縁紙の別例の第2例を形成する途中の工程において、1の帯状の絶縁紙素材から2の絶縁紙要素を形成する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下において、図1から図11を用いて本発明に係る実施の形態を説明する。本実施の形態の回転電機ステータ(以下、単に「ステータ」という。)は、例えば電動モータ、発電機等の回転電機を構成するために使用される。ステータ10は、環状の磁性材料製のステータコア14と、ステータコア14に分布巻きで巻装された複数相であるU相、V相、W相の3相のセグメント環状部16,18,20とを備える。ステータ10の使用時には、ステータ10の径方向内側に、回転軸に固定されたロータ(図示せず)を配置し、ステータ10とロータとを径方向に対向させることでラジアル型の回転電機を構成する。ステータコア14は、例えば、磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心、または電磁鋼板等の金属板の積層体等により構成されている。ステータコア14は、内周面の周方向複数個所に放射状に形成されたスロット12を有する。
【0020】
各相のセグメント環状部16,18,20は、それぞれ環状に複数のステータコイルであるセグメントコイル22を連結してなり、互いに連結される1周目要素24(図5)及び2周目要素26(図7)を含む。また、各セグメントコイル22は、図2に示す、略U字形の導体セグメント28を複数個並べて複数の導体セグメント28が互いに接続される、すなわち接合されることによりコイル状に形成されている。各導体セグメント28は、幅方向(図2の左右方向)両端部に2ずつのスロット12(図1)にそれぞれ挿入される直線部30を有する2本の平行な脚部32と、脚部32の一端同士を連結するターン部34とを有する。ターン部34は、2の脚部32のうち、片側(図2の左側)の脚部32の一端(図2の下端)から、脚部32の長さ方向に対し傾斜する方向に連結された片側傾斜部40と、他側(図2の右側)の脚部32の一端(図2の下端)から、脚部32の長さ方向に対し、片側傾斜部40とは反対側に傾斜する方向に連結された他側傾斜部42と、片側傾斜部40及び他側傾斜部42同士を連結する連結部44とを有する。また、導体セグメント28は、両端部を除く導体線36の周囲に、ポリアミドイミド等により構成されるエナメル樹脂等の絶縁部である絶縁被膜38が被覆されている。
【0021】
すなわち、本実施の形態のステータ10(図1)は、いわゆる「セグメントコイル巻き型」と呼ばれるもので、断面矩形の平角線等の角線である導体線36が絶縁被膜38により被覆されてなるコイル素線をコイル状に形成したセグメントコイル22(図1)を複数個設けている。そして、ステータコア14の周方向に複数のセグメントコイル22を少なくとも一周分(本実施形態の場合は2周分)連結することにより各相のセグメント環状部16,18,20(図1)が構成されている。図1では、「u」「v」「w」の符号を付した部分が、それぞれU相、V相、W相を表している。
【0022】
図3は、図1のステータ10において、1相分であるU相分のセグメント環状部16がステータコア14に巻装された様子を示す概略斜視図である。各相のセグメント環状部16,18,20(以下、代表してU相のセグメント環状部16で説明する。)は、それぞれ周方向の幅が予め定められた単位コイル間隔D1(図5)である8個の単位コイルであるセグメントコイル22を環状に連結するようにステータコア14に巻装したものを1周目要素24としてステータコア14を1周りさせ、続いて同様に8個のセグメントコイル22を環状に連結するようにステータコア14に巻装したものを2周目要素26としてステータコア14を1周りさせることにより、セグメント環状部16が構成されている。この場合、1周目要素24を配置するスロット12と、2周目要素26を配置するスロット12とは、周方向に1ずつずらせている。
【0023】
図4は、U相分のセグメント環状部16を取り出して示す図である。なお、V相、W相のセグメント環状部18,20の基本形状は、U相の場合と同様である。U相のセグメント環状部16は、コイル素線をコイル状に形成した単位コイルであるセグメントコイル22を16個組み合わせて構成している。図4で、C1、C2・・・C16と示しているのは、16個のセグメントコイル22を区別するためのコイル番号で、U相セグメント環状部16の巻き始めが1番目単位コイルであるセグメントコイルC1で、巻き終わりが16番目単位コイルであるセグメントコイルC16である。
【0024】
図4に示すように、セグメントコイルC1に隣接してセグメントコイルC2を配置し、以下C3、C4・・・C16と順次隣接して配置し、周方向に2周している。このため、コイル番号をiとして、i番目コイルと(i+8)番目コイルとは、1スロット分ずれているが一部径方向に重なり合うように配置されている。
【0025】
図5は、図4のセグメント環状部16のうち、1周目要素24を取り出して示す図である。セグメント環状部16の1周目要素24は、8個のセグメントコイル22が環状に連結されることにより構成されている。各セグメントコイル22は、複数の導体セグメント28から構成される。図5では、セグメントコイル22のうち、2周目要素26(図7参照)の9番目から16番目までのセグメントコイル22の図示を省略しているが、基本形状は図5の1周目要素24の形状と同様で、配置位置が1周目要素24に対し周方向にずれている。
【0026】
図6は、図4のセグメント環状部16のうち、1周目要素24をステータコア14に配置する様子を説明する模式図である。図7は、図4のセグメント環状部16のうち、2周目要素26をステータコア14に配置する様子を説明する模式図である。図7では、図6の1周目要素24の図を省略している。なお、図6、図7では、ステータコア14の平面図と、その外側の複数のセグメントコイル22とを示している。セグメントコイル22は、いくつかのスロット12をまたいで周方向に離れた2のスロット12に挿入するように、ステータコア14の周方向複数個所に巻装している。この2のスロット12は、予め定めた単位コイル間隔D1で離れている。以下、セグメントコイル22は、コイル番号を付して説明する場合がある。図6に示す、セグメントコイルC1は、セグメント環状部16(図4)の巻き始めで、回転電機の動力線側である入力端子側(IN側)に接続されている。
【0027】
セグメントコイルC1は、スロットS4とS10との間にコイル素線を複数回巻回してコイル状に形成している。この巻き始めは、入力端子側であるステータコア14の外周側であり、外周側から内周側に向かうようにスロット12にコイル状に巻装される。次いで、セグメントコイルC1の巻き終わりでセグメントコイルC2に接続される。すなわち、セグメントコイルC1の巻き終わりでスロットS10から単位コイル間隔D1離れたスロットS16に渡り、スロットS10とS16との間にコイル素線を複数回巻回してコイル状に形成することで、セグメントコイルC2を構成している。次いで順次これを繰り返してセグメントコイルC1からセグメントコイルC8までを形成することにより1周目要素24が構成される。
【0028】
1周目要素24の巻き終わりは、ステータコア14の最外周側で、図7に示す2周目要素26のセグメントコイルC9に接続される。このとき、セグメントコイルC9は、セグメントコイルC1から1スロット分ずれて、スロットS3とS9との間にわたって複数回巻回されることによりコイル状に形成されている。次いで、セグメントコイルC9の巻き終わりでセグメントコイルC10に接続される。すなわち、セグメントコイルC9の巻き終わりでスロットS9から単位コイル間隔D1離れたスロットS15に渡り、スロットS9とS15との間にコイル素線を複数回巻回してコイル状に形成することで、セグメントコイルC10を構成している。次いで順次これを繰り返してセグメントコイルC9からセグメントコイルC16までを形成することにより2周目要素26が構成される。
【0029】
また、セグメントコイルC16の巻き終わりは、ステータコア14の最外周側から取り出され、回転電機の中性点に接続される。図7では、セグメントコイルC16の巻き終わりがOUT(中性点)として示されている。このように、セグメント環状部16の1周目要素24と2周目要素26とが配置されるスロット12は、周方向にずれている。以上は、U相のセグメント環状部16について説明したが、V相、W相のセグメント環状部18,20についても同様に構成するとともに、図1に示すように、V相セグメント環状部18を配置するスロット12を周方向に2ずつずらせ、W相セグメント環状部20を配置するスロット12を、周方向にさらに2ずつずらせる。
【0030】
このような各相のセグメント環状部16,18,20を構成する際に、上記の図2に1つを示した複数の略U字形の導体セグメント28を使用している。すなわち、導体セグメント28を複数連結することにより1のセグメントコイル22を構成し、このセグメントコイル22を複数接続、すなわち連結することにより各相のセグメント環状部16,18,20を構成している。この場合、各導体セグメント28は、両端部に単位コイル間隔D1と同じ間隔で設けられた2本の平行な脚部32を有し、各脚部32の一端をターン部34で連結している。各セグメントコイル22(図1)を構成する場合、導体セグメント28を複数本、例えば5本を使用し、予め一定に定めた単位コイル間隔D1で配置される2のスロット12の径方向に沿って整列させるように、ステータコア14の軸方向片側(図1の下側)から軸方向他側(図1の上側)に向け挿入する。そして、各導体セグメント28の2の脚部32の先端部で、ステータコア14の軸方向他側面から突出した部分を曲げ形成する、すなわち互いに周方向(「周方向」とは、特に断らない限り、ステータの周方向を言う。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じとする。)に対向する側に折り曲げる。また、1の導体セグメント28の片側の脚部32の先端部で軸方向(図1の上下方向)に向くように曲げた部分と、この1の導体セグメント28に径方向(「径方向」とは、特に断らない限り、ステータの径方向を言う。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じとする。)に隣り合う他の導体セグメント28の他側の脚部32の先端部で軸方向に向くように曲げた部分とをTIG溶接等の溶接により接続する。このように1の導体セグメント28の片側の脚部32と、この1の導体セグメント28に径方向に隣り合う他の導体セグメント28の他側の脚部32とを接続する。そして、これを各導体セグメント28で繰り返すことにより、コイル状のセグメントコイル22を形成する。
【0031】
また、図1に示すように、ステータコア14に各相のセグメント環状部16,18,20を組み付けた状態で、各セグメントコイル22のうち、ステータコア14の軸方向両端面からそれぞれ外側に突出する部分により軸方向両側の2のコイルエンドである、ターン部側コイルエンド46と接合部側コイルエンド48とが形成されている。片側コイルエンドである、ターン部側コイルエンド46は、各セグメントコイル22のターン部34側部分により形成される。接合部側コイルエンド48は、各セグメントコイル22の接合部側である、各脚部32(図2)の先端側部分により形成される。
【0032】
また、各導体セグメント28のターン部側コイルエンド46を形成する部分は、軸方向の外側(図1の下側)に向かうほど周方向片側に向かう方向に傾斜する片側傾斜部40と、片側傾斜部40に連結部44により連結され、軸方向の外側に向かうほど周方向他側に向かう方向に傾斜する他側傾斜部42とを含む。
【0033】
また、ステータ10は、図8に示すように、ターン部側コイルエンド46において、それぞれ径方向に隣り合う2の導体セグメント28同士の間であって、1の導体セグメント28の片側傾斜部40(図1、図2)と別の導体セグメント28の他側傾斜部42との間に挿入されるように、ターン部側コイルエンド46の径方向に離れて設けられた複数の突起部付絶縁紙50を備えている。
【0034】
図9は、図1のステータ10のターン部側コイルエンド46に配置する複数の環状の突起部付絶縁紙50を示す斜視図である。複数の突起部付絶縁紙50は、互いに異なる直径を有する略円筒状に形成された絶縁材で造られている。また、各突起部付絶縁紙50は、環状に形成された環状本体部52と、環状本体部52の幅方向一端縁(図9の上端縁)の長さ方向である周方向複数個所に幅方向に突出するように設けられた突起部54とを含む。例えば、複数の突起部54は、突起部付絶縁紙50の幅方向一端縁の周方向等間隔複数個所に設けることができる。このような突起部付絶縁紙50は、例えばPPS等の絶縁性を有する樹脂等の絶縁材により造られる。そして突起部付絶縁紙50は、絶縁材製の帯状素材の長さ方向両端部同士を超音波溶着等により接合して環状に形成される。また、図8に示すように、各突起部54は、1の導体セグメント28の片側傾斜部40(図1)の連結部44寄り部分と、この1の導体セグメント28と周方向に隣り合う別の導体セグメント28の他側傾斜部42の連結部44寄り部分とが、径方向または径方向に対し傾斜する方向に、対向する部分の間に配置されている。
【0035】
例えば、図10に示すように1の帯状の絶縁紙素材の長さ方向(図10の左右方向)に対し直交する幅方向(図10の上下方向)中間部において、波形形状である矩形波形状の切断部56で切断された2の絶縁紙要素58,60の片側の絶縁紙要素58を用いて、片側の絶縁紙要素58の長さ方向両端部同士を接合して1の突起部付絶縁紙50を形成することもできる。この場合、2の絶縁紙要素58,60の他側の絶縁紙要素60を用いて、他側の絶縁紙要素60の長さ方向両端部同士を接合して別の突起部付絶縁紙50を形成することができる。このため、1の絶縁紙素材から複数の突起部付絶縁紙50を造ることができ、しかも歩留まりの向上を図れる。
【0036】
次に、図11を用いて、ターン部側コイルエンド46に突起部付絶縁紙50を配置する方法を説明する。図11は、図1のステータにおいて、ステータコア14と、ターン部側コイルエンド46とを外周側から見た様子を、(a)は突起部付絶縁紙を配置する前で、(b)は突起部付絶縁紙50を配置した状態で、それぞれ示す概略透視図である。図11(a)に示すように、ターン部側コイルエンド46には、各導体セグメント28のターン部34が設けられている。ターン部34は、ステータ10の軸方向に対し互いに逆方向に傾斜した片側傾斜部40及び他側傾斜部42を有する。このため、1の導体セグメント28の傾斜部40(または42)と別の複数の導体セグメント28の傾斜部42(または40)とが複数個所で径方向(図11の表裏方向)に対向するように交差する。
【0037】
ターン部側コイルエンド46に突起部付絶縁紙50を配置する場合、まず前段階として、複数のU字形の導体セグメント28の各脚部32を、ステータコア14の軸方向片側(図11の上側)から他側(図11の下側)に向け、対応するスロット12に軸方向に挿入する。また、ステータコア14のターン部34側端面(図1の上端面)からターン部34の頂部の内側縁部までの長さLaが突起部付絶縁紙50の突起部54の先端を含めた幅Lb(図11(b))よりも大きくなるように維持する(La>Lb)。
【0038】
次いで、ターン部側コイルエンド46の径方向の略同じ位置で、周方向複数個所に存在し、径方向に隣り合う2の導体セグメント28同士の間に絶縁紙要素58(または60)(図10)を順に挿入し、ターン部側コイルエンド46の全周にわたるように環状に形成し、絶縁紙要素58(または60)の長さ方向両端部同士を溶着接合することで、突起部付絶縁紙50を形成する。この場合、絶縁紙要素58(または60)に設けた複数の突起部54が、周方向に隣り合う導体セグメント28のターン部34の頂部同士の間で、片側傾斜部40と他側傾斜部42とが径方向に対向する部分の間と周方向で一致する位置に配置されるようにする。また、このような工程を径方向に離れた別の絶縁紙要素58(または60)でも繰り返し、ターン部側コイルエンド46の径方向に離れた複数個所に直径が異なる複数の突起部付絶縁紙50が組み付けられるようにする。
【0039】
次いで、図11(b)に示すように、各導体セグメント28の脚部32を、ステータコア14のスロット12に軸方向片側から他側(図11(b)の上側から下側)に向け、対応するスロット12にさらに挿入する。そして各突起部付絶縁紙50に設けた複数の突起部54が、周方向に隣り合う導体セグメント28のターン部34の頂部同士の間で、片側傾斜部40と他側傾斜部42とが径方向に対向する部分の間に配置されるようにする。その後、ターン部側コイルエンド46とは軸方向反対側の接合部側コイルエンド48の径方向複数個所に、軸方向両端縁が単なる平坦状であり、突起部を設けていない単なる環状に形成された第2絶縁紙(図示せず)をそれぞれ配置する。この状態で、各第2絶縁紙は、周方向複数個所に存在し、径方向に隣り合う2の導体セグメント28同士の間に挿入される。その後、各導体セグメント28の先端部を周方向に対し傾斜する方向に曲げ形成するとともに、その先端部を軸方向に向くように曲げ形成し、径方向または周方向に離れた2の導体セグメント28の絶縁被膜38により被覆されない先端部同士を溶接等により接合することで、ステータ10を形成する。
【0040】
ターン部側コイルエンド46に上記のようにように各突起部付絶縁紙50が組み付けられることで、各突起部付絶縁紙50は、ターン部側コイルエンド46において、径方向に隣り合う2の導体セグメント28同士の間に挿入され、かつ、1の導体セグメント28のターン部側コイルエンド46を形成する部分の内側に挿入される。また、各突起部付絶縁紙50の各突起部54は、環状本体部52のステータコア14と反対側の軸方向一端縁に軸方向に突出するように設けられる。
【0041】
また、各突起部54は、ターン部側コイルエンド46の周方向複数個所で、1の導体セグメント28の片側傾斜部40の連結部44寄り部分と、1の導体セグメント28と周方向に隣り合う別の導体セグメント28の他側傾斜部42の連結部44寄り部分とが対向する部分の間に配置される。しかも、各突起部54は、環状本体部52の軸方向一端縁の複数個所であって、周方向に隣り合う2のセグメントコイル22のターン部側コイルエンド46を形成する部分が互いに径方向に対向する部分の間となる複数個所に配置される。このため、各突起部54の少なくとも一部は、使用時に異なる相の電流が流れる異相のセグメントコイル22間である、異相コイル間で、互いの間隔が相対的に小さくなる位置にも設けられる。
【0042】
このようなステータ10によれば、導体セグメント28から形成されるセグメントコイル22を有する構成で、ターン部側コイルエンド46において、単なる円環状の絶縁紙で異相コイルとなる2のセグメントコイルの間で、互いに接近する部分の間に絶縁紙を介在させることができない部分でも、突起部付絶縁紙50の突起部54を介在しやすくできる。このため、ターン部側コイルエンド46での相間PDIVを有効に向上させることができる。
【0043】
この効果を説明するために、まず本実施の形態と同様の構成において、ターン部側コイルエンド46において、突起部付絶縁紙50の代わりに、突起部54を設けない単なる環状に形成された絶縁紙が設けられた比較例のステータ10aについて、図12から図14を用いて説明する。図12は、比較例のステータ10aを示す、図8に対応する図である。図13は、図12の比較例のステータ10aにおいて、ターン部側コイルエンド46に配置する複数の環状の絶縁紙62を示す斜視図である。図14は、図12の比較例のターン部側コイルエンド46において、隣接するコイルの相間PDIVが小さくなる部分を、絶縁紙を省略して示す図である。
【0044】
図12に示すように、ターン部側コイルエンド46に、図13に示す複数の環状の絶縁紙62を径方向に離れた複数個所に配置する場合、図14に示すように、ターン部側コイルエンド46の周方向一部で、2の同相コイルであるセグメントコイル22uと、これら2のセグメントコイル22uとは異相のコイルであり、互いに同相となる第2同相コイルであるセグメントコイル22wとが径方向に対向するように配置される場合を考える。この場合に、異相コイル間であるセグメントコイル22u、22w間に、軸方向両端が平坦な単なる環状の絶縁紙62(図13)を配置すると、ステータ10aの軸方向に関して図14に矢印αで示す範囲のみに絶縁紙62が配置され、図14にβで囲んだ部分の少なくとも一部に絶縁紙62が配置されない。このため、比較例では、このβで囲んだ部分で隣接するコイルの相間PDIV、すなわち相間の部分放電開始電圧が小さくなる。
【0045】
例えば、図15は、図12の比較例において、周方向一部での複数の異相間である、径方向に隣り合うU相導体セグメント28とW相導体セグメント28間の相間PDIVを示す図である。図15で横軸のUW1、UW2・・・は、ターン部側コイルエンド46の周方向一部で、径方向の異なる複数個所でのU相導体セグメント28とW相導体セグメント28間の相間PDIV(Vp)を、径方向の配置順に並んで示している。また、図15に示すK1は、設計上予め設定される相間PDIVの下限値である。図15から明らかなように、図15で下向き矢印で示す、UW3とUW7とでPDIVが下限値K1を下回るため、相間PDIVの下限値K1に到達しない点がステータ10aの径方向で2個所あることが分かる。
【0046】
これに対して上記の図1から図11に示した本実施形態によれば、上記の図14のβで囲む部分と対応する部分にも突起部54(図8、図9)により突起部付絶縁紙50(図8、図9)を異相の導体セグメント28間に設けることができる。すなわち、上記の図11(a)では、丸印を付した部分が異相コイル間において、比較例の絶縁紙62(図1)を設けた場合でも、異相の導体セグメント28が直接に(絶縁紙62を介さずに)径方向に対向する部分となる。これに対して、本実施の形態では、図11(b)に丸印を付した部分にも突起部54を介在させることができる。このため、ステータ10を大型化することなく、ターン部側コイルエンド46での相間PDIVを有効に向上させることができる。例えば、径方向に隣り合う2の導体セグメント28で相間PDIVが低下する傾向となる部分に突起部54を接触させ、相間PDIVを向上させることもできる。
【0047】
なお、本実施形態において、突起部付絶縁紙50(図9)に設けられる突起部54の形状は、上記の図9、図10に示すような形状に限定するものではない。例えば、図16、図17は、本発明の実施形態において、突起部付絶縁紙の別例の第1例、第2例をそれぞれ形成する途中の工程において、1の帯状の絶縁紙素材から2の絶縁紙要素58,60を形成する様子を示す図である。このように、突起部54の形状は、断面円弧形(図16)としたり、断面三角形(図17)等とすることができる。また、この場合に、図16に示すように、1の帯状の絶縁紙素材の長さ方向に対し直交する幅方向(図16の上下方向)中間部において、波形形状である円弧形の断面が連続する波形状の切断部56で切断された2の絶縁紙要素58,60の片側の絶縁紙要素58を用いて、片側の絶縁紙要素58の長さ方向両端部同士を接合して突起部付絶縁紙を形成することもできる。また、他側の絶縁紙要素60を用いて別の突起部付絶縁紙を形成することもできる。
【0048】
さらに、図17に示すように、1の帯状の絶縁紙素材の長さ方向に対し直交する幅方向(図17の上下方向)中間部において、波形形状であるのこぎり歯状、すなわち三角波形の切断部56で切断された2の絶縁紙要素58,60の片側の絶縁紙要素58を用いて、片側の絶縁紙要素58の長さ方向両端部同士を接合して突起部付絶縁紙を形成することもできる。また、同様に、他側の絶縁紙要素60を用いて別の突起部付絶縁紙を形成することもできる。
【0049】
なお、本実施形態では、突起部付絶縁紙50に設けた複数の突起部54が、同相間、異相間にかかわらず、周方向に隣り合う導体セグメント28のターン部34の頂部同士の間で、片側傾斜部40と他側傾斜部42とが径方向に対向する部分の間と周方向に関して一致する位置のすべてに配置されるようにしている。ただし、突起部付絶縁紙50の軸方向一端縁において、周方向に隣り合う異相の導体セグメント28のターン部34の頂部同士の間で、片側傾斜部40と他側傾斜部42とが径方向に対向する部分の間と周方向に関して一致する位置にのみ、すなわち異相間にのみ突起部54を設けることもできる。また、接合側コイルエンド48において、径方向に隣り合う導体セグメント28同士の間に配置された第2絶縁紙は、場合により、ターン部側コイルエンド46に配置された突起部付絶縁紙50と同様の形状を有するように構成することもできる。また、導体セグメントはU字形に形成されたものに限定するものではなく、互いに複数個を接続することでコイル状に形成されるものであれば種々の形状の導体セグメントを使用できる。
【符号の説明】
【0050】
10,10a ステータ、12 スロット、14 ステータコア、16,18,20 セグメント環状部、22,22u,22w セグメントコイル、24 1周目要素、26 2周目要素、28 導体セグメント、30 直線部、32 脚部、34 ターン部、36 導体線、38 絶縁被膜、40 片側傾斜部、42 他側傾斜部、44 連結部、46 ターン部側コイルエンド、48 接合部側コイルエンド、50 突起部付絶縁紙、52 環状本体部、54 突起部、56 切断部、58,60 絶縁紙要素、62 絶縁紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向複数個所に設けられたスロットを有するステータコアと、
ステータコアに分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部とを備え、
各相のセグメント環状部は、
複数の導体セグメントが互いに接続されることによりそれぞれコイル状に形成される複数のセグメントコイルを含み、
各セグメントコイルのうち、ステータコアの軸方向端面から外側に突出する部分により形成されるコイルエンドにおいて、径方向に隣り合う2の導体セグメント同士の間に挿入された環状の絶縁紙を備え、
絶縁紙は、環状に形成された環状本体部と、環状本体部のステータコアと反対側の軸方向一端縁に軸方向に突出するように設けられた突起部とを含むことを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機ステータにおいて、
絶縁紙は、軸方向両側のコイルエンドのうち、少なくとも片側コイルエンドにおいて、径方向に隣り合う2の導体セグメント同士の間に挿入され、かつ、1の導体セグメントの片側コイルエンドを形成する部分の内側に挿入されていることを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回転電機ステータにおいて、
突起部は、使用時に異なる相の電流が流れる異相のステータコイル間で、互いの間隔が相対的に小さくなる位置に設けられていることを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1に記載の回転電機ステータにおいて、
突起部は、環状本体部の軸方向一端縁の複数個所であって、周方向に隣り合う2のセグメントコイルの片側コイルエンドを形成する部分が互いに径方向に対向する部分の間となる複数個所に配置されていることを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1に記載の回転電機ステータにおいて、
各導体セグメントの片側コイルエンドを形成する部分は、軸方向の外側に向かうほど周方向片側に向かう方向に傾斜する片側傾斜部と、片側傾斜部に連結部により連結され、軸方向の外側に向かうほど周方向他側に向かう方向に傾斜する他側傾斜部とを含み、
絶縁紙は、片側傾斜部と他側傾斜部との間に挿入され、
突起部は、1の導体セグメントの片側傾斜部の連結部寄り部分と、1の導体セグメントと周方向に隣り合う別の導体セグメントの他側傾斜部の連結部寄り部分とが対向する部分の間に配置されていることを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1に記載の回転電機ステータにおいて、
絶縁紙は、帯状の絶縁紙素材の長さ方向に対し直交する幅方向の中間部において、波形形状の切断部で切断された2の絶縁紙要素の片側の絶縁紙要素を用いて、長さ方向両端部同士を接合して環状に形成されることを特徴とする回転電機ステータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−231638(P2012−231638A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99488(P2011−99488)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】