回転駆動方法および装置
【課題】構造が簡単で小型のマイクロマシン化も可能で、しかも、流動体の回転駆動が容易にでき、回転した状態で流動体を連続的に外に取り出すことのできる回転駆動装置を提供する。
【解決手段】流動体130を収容する筺体120と、筺体120を中心まわりに循環させることで、筺体120の外方においてこの筺体120に対して、収容された流動体130の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させることが発生可能な複数の駆動部材115a〜115dとを備える。
【解決手段】流動体130を収容する筺体120と、筺体120を中心まわりに循環させることで、筺体120の外方においてこの筺体120に対して、収容された流動体130の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させることが発生可能な複数の駆動部材115a〜115dとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、位相の異なる振動駆動を利用した流動体の回転駆動方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流動体に回転運動を発生させるには、モータに連動した回転翼を流動体の中に取り付け、回転翼を回転させることにより流動体に回転運動を発生させる方法(特許文献1参照)がある。
【0003】
また、流動体を入れた円筒容器を公転軸に対して斜めに配置させ、公転運動と円筒容器自体の自転運動を回転駆動させ、公転と自転によって発生する遠心力により、容器内の流動体に回転運動を発生させる方法(特許文献2参照)もある。
【特許文献1】特開2004−176640号公報
【特許文献2】米国特許第4497581号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような回転駆動装置では、流動体の中に回転翼を挿入し、かつ筺体の外部に設置された回転駆動装置より回転翼に回転駆動力を伝達するシャフト等の伝達機構が必要であり、小型化が困難であった。
【0005】
また、特許文献2に記載されたような回転駆動装置では、流動体をいれた容器の公転および自転駆動による方法であるため、連続的な処理が難しく、回転した状態で流動体を外に連続して流出できない等の問題があった。
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、構造が簡単で小型のマイクロマシン化も可能で、しかも、流動体の回転駆動が容易にでき、回転した状態で流動体を連続的に外に取り出すことのできる回転駆動方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の請求項1に係る回転駆動方法は、流動体を収容した筺体を中心まわりに循環させることで、前記筺体内で前記流動体に回転運動を発生させる回転駆動方法であって、前記筺体の外方で当該筺体に、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させることを特徴とする。
【0008】
この発明の請求項2に係る回転駆動方法は、請求項1記載の回転駆動方法において、前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容することを特徴とする。
【0009】
この発明の請求項3に係る回転駆動装置は、流動体を収容する筺体と、前記流動体を収容した前記筺体を中心まわりに循環させることで前記流動体に回転運動を発生させるため、前記筺体の外方において当該筺体に対して、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な複数の駆動部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明の請求項4に係る回転駆動装置は、請求項3記載の回転駆動装置において、前記複数の駆動部材は、前記筺体の外周方向に沿って相互に任意の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じた位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする。
【0011】
この発明の請求項5に係る回転駆動装置は、請求項3または請求項4記載の回転駆動装置において、前記複数の駆動部材は、前記筺体の循環方向に沿って相互にπ/2の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じたπ/2の位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする。
【0012】
この発明の請求項6に係る回転駆動装置は、請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、断面環状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明の請求項7に係る回転駆動装置は、請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、両端部に前記流動体の流入口および流出口を備えた筒状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明の請求項8に係る回転駆動装置は、請求項7記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記両端部間の中央部周囲に前記複数の駆動部材が配置され、当該複数の駆動部材の作動により、前記両端部を節とし、かつ、前記中央部を腹として運動することを特徴とする。
【0015】
この発明の請求項9に係る回転駆動装置は、請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記流動体を収容する収容部と、前記収容部を保持する保持部とを備え、前記収容部が前記保持部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明の請求項10に係る回転駆動装置は、請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記流動体の収容部を複数備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明の請求項11に係る回転駆動装置は、請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容する複数の収容部と、前記複数の収容部を一体に保持する保持部とを備え、前記複数の収容部が前記保持部に対してそれぞれ着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明の請求項12に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、電磁力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成されることを特徴とする。
【0019】
この発明の請求項13に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、静電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成されることを特徴とする。
【0020】
この発明の請求項14に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、圧電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成されることを特徴とする。
【0021】
この発明の請求項15に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、熱応力(熱膨張)を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明は以上のように、流動体を収容した筺体を中心まわりに循環させることで、前記筺体内で前記流動体に回転運動を発生させる回転駆動方法であって、前記筺体の外方で当該筺体に、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させるように構成したので、構造が簡単で小型のマイクロマシン化も可能であり、しかも、連続して流動体の回転駆動が容易にでき、回転した状態で流動体を外に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜図4は、この発明による回転駆動装置の動作原理の説明を兼ねた第1の実施形態を示す概略的断面図であり、この回転駆動装置101は、流動体130を収容する断面環状の筺体120を備えている。
【0025】
筺体120は、図示しない支持部材により、中心121を基準として移動限界122内を移動可能に支持されている。ここで、図1〜図4に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界122内を移動可能になっている。
【0026】
筺体120に収容される流動体130には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体130は、少なくとも図示の断面方向において、筺体120内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0027】
筺体120の周囲には、筺体120を中心まわりに循環させるため、筺体120に対して、収容された流動体130の回転方向(筺体120の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材115a,115b,115c,115dが配置されている。
【0028】
すなわち、これらの駆動部材115a,115b,115c,115dは、筺体120の循環方向(筺体120の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体120に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体120に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0029】
つぎに、図1〜図4を用いて、4つの駆動部材115a〜115dを順番に作動させることで、回転駆動装置101の筺体120が中心まわりに循環し、これにより、筺体120に収容された流動体130が回転することについて説明する。
【0030】
図1は、4つの駆動部材115a〜115dがいずれも作動していない状態を示す。この状態では、筺体120の中心121は、すべての駆動部材115a,115b,115c,115dで構成される全体の中心と一致している。
【0031】
まず、図2に示すように、駆動部材115aを作動させると、筺体120が吸引されて図示の位置に移動する。すなわち、筺体120は、駆動部材115aからの吸引力によって力125aを受け、駆動部材115aに接近する方向に移動限界122(またはその近傍)まで移動する。
【0032】
このとき、筺体120に内包された流動体130は、筺体120の移動によって、駆動部材115aとは反対側の筺体120内壁に押し付けられ、密度大の領域131が発生する。
【0033】
図3は、最初の駆動部材115aの作動が終了し、つぎの駆動部材115bの作動が開始した直後の状態を示す。このとき筺体120は、駆動部材115bからの吸引力によって力125bを受け、駆動部材115bに接近する方向に移動し始める。すると、これによって、流動体130は、駆動部材115bとは反対側の筺体120の内壁から力135bを受ける。
【0034】
このとき流動体111は、図2の状態の密度差によって、筺体120の図中上半分(駆動部材115a側)と図中下半分(駆動部材115c側)とで、流動体130に含まれる粒子数の違いが発生している。すなわち、密度大の領域131がある図中下半分(駆動部材115c側)は、図中上半分(駆動部材115a側)に比べて、加速される粒子数が多くなっているため、筺体120の内壁から受ける力135bは、図中下半分(駆動部材115c側)の方が大きくなる。
【0035】
図4は、駆動部材115bが作動開始から所定時間経過し、筺体120が駆動部材115bに吸引されて、移動限界122(またはその近傍)まで移動した状態を示す。このとき、流動体130は、駆動部材115bとは反対側の筺体120の内壁から力135bを受け、しかも、図3で説明した下半分(駆動部材115c側)の粒子数の多さにより、図で時計回りに回転123を始める。
【0036】
続いて、駆動部材115bの作動が終了し、つぎの駆動部材115cが作動することで、筺体120が駆動部材115cに吸引される。さらに、駆動部材115cの作動が終了し、つぎの駆動部材115dが作動することで、筺体120が駆動部材115dに吸引される。以後、このサイクルを繰り返すことによって、流動体130は図で時計回りの回転運動を行うこととなる。
【0037】
このような駆動部材115a〜115dは、例えば、電磁力を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dを電磁石で構成し、筺体120の全体または要部を磁性体で構成することにより、電磁力駆動部材115a〜115dに通電した時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向に吸引することができる。
【0038】
また、駆動部材115a〜115dは、例えば、静電力を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dは電極で構成し、筺体120を絶縁体または誘電体で構成することにより、静電力駆動部材115a〜115dに通電した時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向に吸引もしくは逆方向に反発させることができる。
【0039】
また、駆動部材115a〜115dは、例えば、圧電力を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dは圧電素子で構成し、筺体120に直接接触させることで、圧電力駆動部材115a〜115dを駆動させた時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0040】
また、駆動部材115a〜115dは、例えば、熱応力(熱膨張)を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dは熱源で構成し、筺体120に直接接触させ筺体120に熱応力(熱膨張)を加えることで、熱応力(熱膨張)駆動部材115a〜115dを駆動させた時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0041】
図1〜図4では、4個の駆動部材115a〜115dを筺体120の周囲に90°(π/2)毎に配置し、各駆動部材115a〜115dを90°(π/2)ずつ位相をずらして駆動することで、流動体130に回転運動を発生させた。しかし、流動体130の種類に応じて、また、流動体130の回転運動をより細かく制御する要求に応じて、駆動部材115の設置数、設置場所および位相ずれの角度を、適宜選択・設定することが可能である。
【0042】
なお、筺体120は、流動体130を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0043】
また、筺体120を球状にして、流動体130も球状内壁に内包し、多数の駆動部材115を球状の筺体120の外側に3次元的に配置すれば、流動体130に3次元的な回転運動を発生させることも可能である。
【0044】
図5は、この発明による回転駆動装置の第2の実施形態を示す概略的斜視図、図6は、図5のA−B−C−D面に沿った断面を示す概略的断面図である。この回転駆動装置201は、流動体230を収容し、両端部に流動体230の流入口226および流出口227を備えた筒状の筺体220を備えている。
【0045】
筺体220は、図示しない支持部材により、流入口226および流出口227を備えた両端部が支持されている。そして、両端部間の中央部が、中心221を基準として移動限界222内を移動可能に支持されている。すなわち、筺体220は、両端部に対して中央部が移動限界222内を移動できるように、所要の柔軟性を有する筒状材料で構成されている。
【0046】
筺体220に収容される流動体230には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体230は、少なくとも図6に示す断面方向において、筺体220内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0047】
筺体220の中央部周囲には、筺体220の中央部を中心まわりに循環させるため、筺体220の中央部に対して、収容された流動体230の回転方向(筺体220の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材215a,215b,215c,215dが配置されている。
【0048】
すなわち、これらの駆動部材215a,215b,215c,215dは、筺体220の循環方向(筺体220の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体220に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体220の中央部に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0049】
図5、図6の筺体220および流動体230は、駆動部材215aが作動している状態を示す。また、筺体220’および流動体230’は、駆動部材215cが作動している状態を示す。駆動部材215a,215b,215c,215dが順に作動することで、図1〜図4で説明した動作原理により、筺体220の中央部は中心まわりに循環し、これにより、駆動部材215a,215b,215c,215d近傍(筺体220の中央部)の流動体230は回転運動223を発生する。
【0050】
流入口226から流動体230を連続して導入すれば、流出口227からは回転した流動体230を連続した状態で取り出すことができる。
【0051】
筺体220の適当な2箇所(例えば両端部)を節部228として固定し、両箇所の中央部周囲に4つの駆動部材215a,215b,215c,215dを配置し、この中央部近傍が腹部229となるように、筺体220の共振モードに合わせた駆動を駆動部材215a,215b,215c,215dにより行えば、より少ない電力で効率的な回転運動を流動体230に起こすことが可能である。
【0052】
この回転駆動装置201の場合も、駆動部材215a〜215dは、例えば、電磁力を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dを電磁石で構成し、筺体220の少なくとも中央部を磁性体で構成することにより、電磁力駆動部材215a〜215dに通電した時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向に吸引することができる。
【0053】
また、駆動部材215a〜215dは、例えば、静電力を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dは電極で構成し、筺体220の少なくとも中央部を絶縁体または誘電体で構成することにより、静電力駆動部材215a〜215dに通電した時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向に吸引もしくは逆方向に反発させることができる。
【0054】
また、駆動部材215a〜215dは、例えば、圧電力を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dは圧電素子で構成し、筺体220の少なくとも中央部に直接接触させることで、圧電力駆動部材215a〜215dを駆動させた時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0055】
また、駆動部材215a〜215dは、例えば、熱応力(熱膨張)を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dは熱源で構成し、筺体220の少なくとも中央部に直接接触させ筺体220に熱応力(熱膨張)を加えることで、熱応力(熱膨張)駆動部材215a〜215dを駆動させた時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0056】
なお、筺体220は、流動体230を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0057】
図7は、この発明による回転駆動装置の第3の実施形態を示す概略的断面図、図8は、図7の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。この回転駆動装置301は、駆動部材315を、電磁力を用いて筺体320に駆動力を発生する電磁力駆動部材で構成したものである。
【0058】
流動体330を収容する断面環状の筺体320は、図示しない支持部材により、中心321を基準として移動限界322内を移動可能に支持されている。ここで、図7に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界322内を移動可能になっている。
【0059】
筺体320に収容される流動体330には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体330は、少なくとも図示の断面方向において、筺体320内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0060】
筺体320の周囲には、筺体320を中心まわりに循環させるため、筺体320に対して、収容された流動体330の回転方向(筺体320の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの電磁力駆動部材315a,315b,315c,315dが配置されている。
【0061】
すなわち、これらの電磁力駆動部材315a,315b,315c,315dは、筺体320の循環方向(筺体320の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体320に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体320に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0062】
この場合、各電磁力駆動部材315a〜315dは、電磁コイルで構成され、また、筺体320は、導電体で構成されるか、電磁力駆動部材315a〜315d側に導電体を具備している。
【0063】
図7は、電磁力駆動部材315aに通電し、かつ、電磁力駆動部材315cの通電を切断したときの状態を表している。
【0064】
電磁力駆動部材315aの近傍における筺体320の導電体には、電磁力駆動部材315aの電磁コイルから発生、増加する磁界により渦電流が発生する。この渦電流から発生した磁界と、前記電磁コイルから発生した磁界との間で発生する斥力により、筺体320は、電磁力駆動部材315aから離反する方向に力を受ける。
【0065】
同様に、電磁力駆動部材315cの近傍における筺体320の導電体には、電磁力駆動部材315cの電磁コイルから発生している磁界の減少に伴い、渦電流が発生する。この渦電流から発生した磁界と、前記電磁コイルから減少しつつある磁界との引力により、筺体320は、電磁力駆動部材315cに吸引される方向に力を受ける。
【0066】
筺体320は、電磁力駆動部材315aとの斥力および電磁力駆動部材315cとの吸引力により、その中心321が電磁力駆動部材315c側に移動する。
【0067】
電磁力駆動部材315aと電磁力駆動部材315c、電磁力駆動部材315bと電磁力駆動部材315d、電磁力駆動部材315cと電磁力駆動部材315a、電磁力駆動部材315dと電磁力駆動部材315bとがそれぞれ順に作動するに伴い、図1〜図4で説明した動作原理により流動体330は回転運動を発生する。
【0068】
図8は、電磁力駆動部材315a,315b,315c,315dのそれぞれの電磁コイルに通電する電流波形の一例を示している。時刻tは図7の状態を示している。
【0069】
なお、筺体320は、流動体330を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0070】
図9は、この発明による回転駆動装置の第4の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置401は、駆動部材415を、静電力を用いて筺体420に駆動力を発生する静電力駆動部材で構成したものである。
【0071】
流動体430を収容する断面環状の筺体420は、図示しない支持部材により、中心421を基準として移動限界422内を移動可能に支持されている。ここで、図9に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界422内を移動可能になっている。
【0072】
筺体420に収容される流動体430には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体430は、少なくとも図示の断面方向において、筺体420内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0073】
筺体420の周囲には、筺体420を中心まわりに循環させるため、筺体420に対して、収容された流動体430の回転方向(筺体420の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの静電力駆動部材415a,415b,415c,415dが配置されている。
【0074】
すなわち、これらの静電力駆動部材415a,415b,415c,415dは、筺体420の循環方向(筺体420の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体420に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体420に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0075】
この場合、各静電力駆動部材415a〜415dは、電極で構成され、また、筺体420は、導電体で構成されるか、静電力駆動部材415a〜415d側に導電体を具備している。
【0076】
図9は、静電力駆動部材415aおよび筺体420の導電体に電圧を印加したときの状態を示している。静電力駆動部材415aの近傍における筺体420の電荷(−)と、筺体420の電荷とは逆極性の、静電力駆動部材415aに発生した電荷(+)との間で発生する静電吸引力により、筺体420の中心421は静電力駆動部材415a側に移動する。
【0077】
静電力駆動部材415a,415b,415c,415dが順に作動するに伴い、図1〜図4で説明した動作原理により流動体430は回転運動を発生する。
【0078】
なお、筺体420は、流動体430を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0079】
図10は、この発明による回転駆動装置の第5の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置501は、駆動部材515を、静電力を用いて筺体520に駆動力を発生する静電力駆動部材で構成したものである。
【0080】
流動体530を収容する断面環状の筺体520は、図示しない支持部材により、中心521を基準として移動限界522内を移動可能に支持されている。ここで、図10に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界522内を移動可能になっている。
【0081】
筺体520に収容される流動体530には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体530は、少なくとも図示の断面方向において、筺体520内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0082】
筺体520の周囲には、筺体520を中心まわりに循環させるため、筺体520に対して、収容された流動体530の回転方向(筺体520の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの静電力駆動部材515a,515b,515c,515dが配置されている。
【0083】
すなわち、これらの静電力駆動部材515a,515b,515c,515dは、筺体520の循環方向(筺体520の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体520に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体520に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0084】
この場合、各静電力駆動部材515a〜515dは、電極で構成され、また、筺体520は、誘電体で構成され、外周と内周との間で分極処理をされている。
【0085】
図10は、静電力駆動部材515aに正極、静電力駆動部材515cに負極の電圧を印加したときの状態を示す。誘電体で構成された筺体520の外周に負極の電荷が発生しており、静電力駆動部材515aの正極の電荷と、静電力駆動部材515cの負極の電荷によって発生した静電力により、筺体520の中心521は静電力駆動部材515a側に移動する。
【0086】
筺体520は、静電力駆動部材515aと静電力駆動部材515c、および静電力駆動部材515bと静電力駆動部材515dとの相対面する駆動部材を組にして、相反する電極を順次印加、循環することにより、図1〜図4で説明した動作原理により流動体530は回転運動を発生する。
【0087】
なお、筺体520は、流動体530を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0088】
図11は、この発明による回転駆動装置の第6の実施形態を示す概略的断面図、図12は、図11の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。この回転駆動装置601は、駆動部材615を、圧電力を用いて筺体620に駆動力を発生する圧電力駆動部材で構成したものである。
【0089】
流動体630を収容する断面環状の筺体620は、図示しない支持部材により、中心621を基準として図示しない移動限界内を移動可能に支持されている。ここで、図11に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界内を移動可能になっている。
【0090】
筺体620に収容される流動体630には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体630は、少なくとも図示の断面方向において、筺体620内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0091】
筺体620の周囲には、筺体620を中心まわりに循環させるため、筺体620に対して、収容された流動体630の回転方向(筺体620の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの圧電力駆動部材615a,615b,615c,615dが配置されている。
【0092】
すなわち、これらの圧電力駆動部材615a,615b,615c,615dは、筺体620の循環方向(筺体620の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体620に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体620に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0093】
この場合、各圧電力駆動部材615a〜615dは、圧電体で構成されている。
【0094】
図11は、圧電力駆動部材615aの圧電体が筺体620方向に伸張する方向に電圧が印加され、かつ、圧電力駆動部材615cの圧電体が筺体620方向に収縮する方向に電圧が印加された状態を示す。
【0095】
筺体620は、圧電力駆動部材615aの圧電体の伸張と、圧電力駆動部材615cの圧電体の収縮により、筺体620の中心621は圧電力駆動部材615c側に移動する。
【0096】
圧電力駆動部材615aと圧電力駆動部材615c、圧電力駆動部材615bと圧電力駆動部材615d、圧電力駆動部材615cと圧電力駆動部材615a、圧電力駆動部材615dと圧電力駆動部材615bとがそれぞれ順に駆動するに伴い、図1〜図4で説明した動作原理により流動体630は回転運動を発生する。
【0097】
図12は、駆動部材615a,615b,615c,615dのそれぞれの圧電体に印加する電圧波形の一例を示す。時刻tは図11の状態を示している。
【0098】
なお、筺体620は、流動体630を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0099】
図13〜図16は、この発明による回転駆動装置の第7の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置701は、駆動部材715を、熱応力(熱膨張)を用いて筺体720に駆動力を発生する熱応力(熱膨張)駆動部材で構成したものである。
【0100】
流動体730を収容する断面環状の筺体720は、図示しない支持部材により、中心721を基準として図示しない移動限界内を移動可能に支持されている。ここで、図13〜図16に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界内を移動可能になっている。
【0101】
筺体720に収容される流動体730には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体730は、少なくとも図示の断面方向において、筺体720内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0102】
筺体720の周囲には、筺体720を中心まわりに循環させるため、筺体720に対して、収容された流動体730の回転方向(筺体720の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な2つの熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bが配置されている。
【0103】
すなわち、これらの熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bは、筺体720の循環方向(筺体720の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体720に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体720に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0104】
この場合、各熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bは、吸熱により大きく膨張する熱膨張物質で構成されている。熱膨張物質に対する発熱源は、抵抗体に通電することによって発生するオーム熱、数k〜数十kHzの交流電磁波照射による発熱、マイクロ波照射による発熱、またはレーザ照射による発熱等の方法がある。
【0105】
図13は、熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bの発熱をさせていない状態を示す。筺体720は図示しない弾性体によって、図中右下から左上方へ斜めに向いた方向すなわち、熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bに向けて付勢されていて、熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bに接触しており、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715b側にある。
【0106】
図14は、熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が吸熱により膨張している状態を示している。熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質の膨張により、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715aから離反する方向に移動する。
【0107】
図15は、熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が図14に示す膨張状態に保たれたまま、熱応力(熱膨張)駆動部材715bの熱膨張物質も吸熱により膨張している状態を示している。図14に示す状態からさらに熱応力(熱膨張)駆動部材715bの熱膨張物質の膨張により、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715bから離反する方向に移動する。
【0108】
図16は、熱応力(熱膨張)駆動部材715bの熱膨張物質が図15に示す膨張状態に保たれたまま、熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が収縮した状態を示している。図15に示す状態から熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が収縮することにより、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715aに接近する方向に移動する。
【0109】
熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bが発熱サイクルにより膨張、収縮を繰り返すことによって、図1〜図4で説明した動作原理により流動体730は回転運動を発生する。
【0110】
なお、筺体720は、流動体730を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0111】
図17は、この発明による回転駆動装置の第8の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置801は、筺体820が、流動体830の収容部824を複数(図では9個)備えたものである。
【0112】
筺体820は、図示しない支持部材により、中心821を基準として移動限界822内を移動可能に支持されている。ここで、図17に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界822内を移動可能になっている。
【0113】
筺体820の各収容部824に収容される流動体830には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体830は、少なくとも図示の断面方向において、筺体820内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0114】
筺体820の周囲には、筺体820を中心まわりに循環させるため、筺体820に対して、収容された流動体830の回転方向(筺体820の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材815a,815b,815c,815dが配置されている。
【0115】
すなわち、これらの駆動部材815a,815b,815c,815dは、筺体820の循環方向(筺体820の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体820に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体820に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0116】
そして、駆動部材815a,815b,815c,815dを順番に作動させるサイクルを繰り返すことによって、図1〜図4で説明した動作原理により各収容部824内の流動体830は回転運動を発生する。
【0117】
このような駆動部材815a〜815dは、例えば、電磁力を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dを電磁石で構成し、筺体820の全体または要部を磁性体で構成することにより、電磁力駆動部材815a〜815dに通電した時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向に吸引することができる。
【0118】
また、駆動部材815a〜815dは、例えば、静電力を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dは電極で構成し、筺体820を絶縁体または誘電体で構成することにより、静電力駆動部材815a〜815dに通電した時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向に吸引もしくは逆方向に反発させることができる。
【0119】
また、駆動部材815a〜815dは、例えば、圧電力を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dは圧電素子で構成し、筺体820に直接接触させることで、圧電力駆動部材815a〜815dを駆動させた時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0120】
また、駆動部材815a〜815dは、例えば、熱応力(熱膨張)を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dは熱源で構成し、筺体820に直接接触させ筺体820に熱応力(熱膨張)を加えることで、熱応力(熱膨張)駆動部材815a〜815dを駆動させた時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0121】
図17では、4個の駆動部材815a〜815dを筺体820の周囲に90°(π/2)毎に配置し、各駆動部材815a〜815dを90°(π/2)ずつ位相をずらして駆動することで、流動体830に回転運動を発生させた。しかし、流動体830の種類に応じて、また、流動体830の回転運動をより細かく制御する要求に応じて、駆動部材815の設置数、設置場所および位相ずれの角度を、適宜選択・設定することが可能である。
【0122】
なお、筺体820は、流動体830の複数(図では9個)の収容部824と、この収容部824を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、各収容部824が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0123】
図18は、この発明による回転駆動装置の第9の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置901は、筺体920の外形断面が矩形に形成されたものであり、また、流動体930の収容部924を複数(図では9個)備えたものである。
【0124】
筺体920は、図示しない支持部材により、中心921を基準として移動限界922内を移動可能に支持されている。ここで、図18に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界922内を移動可能になっている。
【0125】
筺体920の各収容部924に収容される流動体930には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体930は、少なくとも図示の断面方向において、筺体920内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0126】
筺体920の周囲には、筺体920を中心まわりに循環させるため、筺体920に対して、収容された流動体930の回転方向(筺体920の周囲方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材915a,915b,915c,915dが配置されている。
【0127】
すなわち、これらの駆動部材915a,915b,915c,915dは、筺体920の循環方向(筺体920の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体920に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体920に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0128】
そして、駆動部材915a,915b,915c,915dを順番に作動させるサイクルを繰り返すことによって、図1〜図4で説明した動作原理により各収容部924内の流動体930は回転運動を発生する。
【0129】
この回転駆動装置901の場合も、図17の回転駆動装置801の場合と同様に、駆動部材915a〜915dは、例えば、電磁力を用いて筺体920に振動(筺体920を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材、静電力を用いて筺体920に振動を発生させることが可能な静電力駆動部材、圧電力を用いて筺体920に振動を発生させることが可能な圧電力駆動部材、または、熱応力(熱膨張)を用いて筺体920に振動を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。
【0130】
なお、筺体920は、流動体930の複数(図では9個)の収容部924と、この収容部924を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、各収容部924が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0131】
また、この発明による回転駆動装置に太陽電池等の光起電力を発生させる素子を具備して、光起電力により発生した電力により駆動部材を作動させて、流動体に回転運動を発生させることも可能である。
【0132】
さらに、この発明による回転駆動装置にレーザ光を照射できる光ファイバー等を具備して、レーザ光による放射圧を利用して、流動体を収容している筐体に位相の異なる振動を付加させて、流動体に回転運動を発生させることも可能である。
【0133】
以上のようなこの発明によれば、2つ以上の駆動部材によって、流動体を内包した筺体に位相の異なる運動を与えて、内包された流動体を回転させるという原理を利用することによって、伝達部材に接続された回転翼を流動体の中に挿入する必要もなく、容易に連続した流動体に回転運動を発生させる駆動装置を提供でき、小型化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】この発明による回転駆動装置の動作原理の説明を兼ねた第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【図2】図1の回転駆動装置の作動(その1)を説明する概略的断面図である。
【図3】図1の回転駆動装置の作動(その2)を説明する概略的断面図である。
【図4】図1の回転駆動装置の作動(その3)を説明する概略的断面図である。
【図5】この発明による回転駆動装置の第2の実施形態を示す概略的斜視図である。
【図6】図5のA−B−C−D面に沿った断面を示す概略的断面図である。
【図7】この発明による回転駆動装置の第3の実施形態を示す概略的断面図である。
【図8】図7の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。
【図9】この発明による回転駆動装置の第4の実施形態を示す概略的断面図である。
【図10】この発明による回転駆動装置の第5の実施形態を示す概略的断面図である。
【図11】この発明による回転駆動装置の第6の実施形態を示す概略的断面図である。
【図12】図11の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。
【図13】この発明による回転駆動装置の第7の実施形態を示す概略的断面図である。
【図14】図13の回転駆動装置の作動(その1)を説明する概略的断面図である。
【図15】図13の回転駆動装置の作動(その2)を説明する概略的断面図である。
【図16】図13の回転駆動装置の作動(その3)を説明する概略的断面図である。
【図17】この発明による回転駆動装置の第8の実施形態を示す概略的断面図である。
【図18】この発明による回転駆動装置の第9の実施形態を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
【0135】
101,201,301,401,501,601,701,801,901 回転駆動装置
115a〜115d,215a〜215d,815a〜815d,915a〜915d 駆動部材
120,220,320,420,520,620,720,820,920 筺体
121,221,321,421,521,621,721,821,921 中心
122,222,322,422,522,822,922 移動限界
123,223 回転(回転運動)
125b,135b 力
130,230,330,430,530,630,730,830,930 流動体
131 密度大の領域
226 流入口
227 流出口
228 節部
229 腹部
315a〜315d 電磁力駆動部材
415a〜415d,515a〜515d 静電力駆動部材
615a〜615d 圧電力駆動部材
715a,715b 熱応力(熱膨張)駆動部材
824,924 収容部
【技術分野】
【0001】
この発明は、位相の異なる振動駆動を利用した流動体の回転駆動方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流動体に回転運動を発生させるには、モータに連動した回転翼を流動体の中に取り付け、回転翼を回転させることにより流動体に回転運動を発生させる方法(特許文献1参照)がある。
【0003】
また、流動体を入れた円筒容器を公転軸に対して斜めに配置させ、公転運動と円筒容器自体の自転運動を回転駆動させ、公転と自転によって発生する遠心力により、容器内の流動体に回転運動を発生させる方法(特許文献2参照)もある。
【特許文献1】特開2004−176640号公報
【特許文献2】米国特許第4497581号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような回転駆動装置では、流動体の中に回転翼を挿入し、かつ筺体の外部に設置された回転駆動装置より回転翼に回転駆動力を伝達するシャフト等の伝達機構が必要であり、小型化が困難であった。
【0005】
また、特許文献2に記載されたような回転駆動装置では、流動体をいれた容器の公転および自転駆動による方法であるため、連続的な処理が難しく、回転した状態で流動体を外に連続して流出できない等の問題があった。
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、構造が簡単で小型のマイクロマシン化も可能で、しかも、流動体の回転駆動が容易にでき、回転した状態で流動体を連続的に外に取り出すことのできる回転駆動方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の請求項1に係る回転駆動方法は、流動体を収容した筺体を中心まわりに循環させることで、前記筺体内で前記流動体に回転運動を発生させる回転駆動方法であって、前記筺体の外方で当該筺体に、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させることを特徴とする。
【0008】
この発明の請求項2に係る回転駆動方法は、請求項1記載の回転駆動方法において、前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容することを特徴とする。
【0009】
この発明の請求項3に係る回転駆動装置は、流動体を収容する筺体と、前記流動体を収容した前記筺体を中心まわりに循環させることで前記流動体に回転運動を発生させるため、前記筺体の外方において当該筺体に対して、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な複数の駆動部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明の請求項4に係る回転駆動装置は、請求項3記載の回転駆動装置において、前記複数の駆動部材は、前記筺体の外周方向に沿って相互に任意の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じた位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする。
【0011】
この発明の請求項5に係る回転駆動装置は、請求項3または請求項4記載の回転駆動装置において、前記複数の駆動部材は、前記筺体の循環方向に沿って相互にπ/2の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じたπ/2の位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする。
【0012】
この発明の請求項6に係る回転駆動装置は、請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、断面環状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明の請求項7に係る回転駆動装置は、請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、両端部に前記流動体の流入口および流出口を備えた筒状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明の請求項8に係る回転駆動装置は、請求項7記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記両端部間の中央部周囲に前記複数の駆動部材が配置され、当該複数の駆動部材の作動により、前記両端部を節とし、かつ、前記中央部を腹として運動することを特徴とする。
【0015】
この発明の請求項9に係る回転駆動装置は、請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記流動体を収容する収容部と、前記収容部を保持する保持部とを備え、前記収容部が前記保持部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明の請求項10に係る回転駆動装置は、請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記流動体の収容部を複数備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明の請求項11に係る回転駆動装置は、請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容する複数の収容部と、前記複数の収容部を一体に保持する保持部とを備え、前記複数の収容部が前記保持部に対してそれぞれ着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明の請求項12に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、電磁力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成されることを特徴とする。
【0019】
この発明の請求項13に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、静電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成されることを特徴とする。
【0020】
この発明の請求項14に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、圧電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成されることを特徴とする。
【0021】
この発明の請求項15に係る回転駆動装置は、請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置において、前記各駆動部材は、熱応力(熱膨張)を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明は以上のように、流動体を収容した筺体を中心まわりに循環させることで、前記筺体内で前記流動体に回転運動を発生させる回転駆動方法であって、前記筺体の外方で当該筺体に、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させるように構成したので、構造が簡単で小型のマイクロマシン化も可能であり、しかも、連続して流動体の回転駆動が容易にでき、回転した状態で流動体を外に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜図4は、この発明による回転駆動装置の動作原理の説明を兼ねた第1の実施形態を示す概略的断面図であり、この回転駆動装置101は、流動体130を収容する断面環状の筺体120を備えている。
【0025】
筺体120は、図示しない支持部材により、中心121を基準として移動限界122内を移動可能に支持されている。ここで、図1〜図4に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界122内を移動可能になっている。
【0026】
筺体120に収容される流動体130には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体130は、少なくとも図示の断面方向において、筺体120内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0027】
筺体120の周囲には、筺体120を中心まわりに循環させるため、筺体120に対して、収容された流動体130の回転方向(筺体120の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材115a,115b,115c,115dが配置されている。
【0028】
すなわち、これらの駆動部材115a,115b,115c,115dは、筺体120の循環方向(筺体120の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体120に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体120に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0029】
つぎに、図1〜図4を用いて、4つの駆動部材115a〜115dを順番に作動させることで、回転駆動装置101の筺体120が中心まわりに循環し、これにより、筺体120に収容された流動体130が回転することについて説明する。
【0030】
図1は、4つの駆動部材115a〜115dがいずれも作動していない状態を示す。この状態では、筺体120の中心121は、すべての駆動部材115a,115b,115c,115dで構成される全体の中心と一致している。
【0031】
まず、図2に示すように、駆動部材115aを作動させると、筺体120が吸引されて図示の位置に移動する。すなわち、筺体120は、駆動部材115aからの吸引力によって力125aを受け、駆動部材115aに接近する方向に移動限界122(またはその近傍)まで移動する。
【0032】
このとき、筺体120に内包された流動体130は、筺体120の移動によって、駆動部材115aとは反対側の筺体120内壁に押し付けられ、密度大の領域131が発生する。
【0033】
図3は、最初の駆動部材115aの作動が終了し、つぎの駆動部材115bの作動が開始した直後の状態を示す。このとき筺体120は、駆動部材115bからの吸引力によって力125bを受け、駆動部材115bに接近する方向に移動し始める。すると、これによって、流動体130は、駆動部材115bとは反対側の筺体120の内壁から力135bを受ける。
【0034】
このとき流動体111は、図2の状態の密度差によって、筺体120の図中上半分(駆動部材115a側)と図中下半分(駆動部材115c側)とで、流動体130に含まれる粒子数の違いが発生している。すなわち、密度大の領域131がある図中下半分(駆動部材115c側)は、図中上半分(駆動部材115a側)に比べて、加速される粒子数が多くなっているため、筺体120の内壁から受ける力135bは、図中下半分(駆動部材115c側)の方が大きくなる。
【0035】
図4は、駆動部材115bが作動開始から所定時間経過し、筺体120が駆動部材115bに吸引されて、移動限界122(またはその近傍)まで移動した状態を示す。このとき、流動体130は、駆動部材115bとは反対側の筺体120の内壁から力135bを受け、しかも、図3で説明した下半分(駆動部材115c側)の粒子数の多さにより、図で時計回りに回転123を始める。
【0036】
続いて、駆動部材115bの作動が終了し、つぎの駆動部材115cが作動することで、筺体120が駆動部材115cに吸引される。さらに、駆動部材115cの作動が終了し、つぎの駆動部材115dが作動することで、筺体120が駆動部材115dに吸引される。以後、このサイクルを繰り返すことによって、流動体130は図で時計回りの回転運動を行うこととなる。
【0037】
このような駆動部材115a〜115dは、例えば、電磁力を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dを電磁石で構成し、筺体120の全体または要部を磁性体で構成することにより、電磁力駆動部材115a〜115dに通電した時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向に吸引することができる。
【0038】
また、駆動部材115a〜115dは、例えば、静電力を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dは電極で構成し、筺体120を絶縁体または誘電体で構成することにより、静電力駆動部材115a〜115dに通電した時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向に吸引もしくは逆方向に反発させることができる。
【0039】
また、駆動部材115a〜115dは、例えば、圧電力を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dは圧電素子で構成し、筺体120に直接接触させることで、圧電力駆動部材115a〜115dを駆動させた時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0040】
また、駆動部材115a〜115dは、例えば、熱応力(熱膨張)を用いて筺体120に振動(筺体120を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材115a〜115dは熱源で構成し、筺体120に直接接触させ筺体120に熱応力(熱膨張)を加えることで、熱応力(熱膨張)駆動部材115a〜115dを駆動させた時、筺体120をそれぞれ駆動部材115a〜115dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0041】
図1〜図4では、4個の駆動部材115a〜115dを筺体120の周囲に90°(π/2)毎に配置し、各駆動部材115a〜115dを90°(π/2)ずつ位相をずらして駆動することで、流動体130に回転運動を発生させた。しかし、流動体130の種類に応じて、また、流動体130の回転運動をより細かく制御する要求に応じて、駆動部材115の設置数、設置場所および位相ずれの角度を、適宜選択・設定することが可能である。
【0042】
なお、筺体120は、流動体130を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0043】
また、筺体120を球状にして、流動体130も球状内壁に内包し、多数の駆動部材115を球状の筺体120の外側に3次元的に配置すれば、流動体130に3次元的な回転運動を発生させることも可能である。
【0044】
図5は、この発明による回転駆動装置の第2の実施形態を示す概略的斜視図、図6は、図5のA−B−C−D面に沿った断面を示す概略的断面図である。この回転駆動装置201は、流動体230を収容し、両端部に流動体230の流入口226および流出口227を備えた筒状の筺体220を備えている。
【0045】
筺体220は、図示しない支持部材により、流入口226および流出口227を備えた両端部が支持されている。そして、両端部間の中央部が、中心221を基準として移動限界222内を移動可能に支持されている。すなわち、筺体220は、両端部に対して中央部が移動限界222内を移動できるように、所要の柔軟性を有する筒状材料で構成されている。
【0046】
筺体220に収容される流動体230には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体230は、少なくとも図6に示す断面方向において、筺体220内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0047】
筺体220の中央部周囲には、筺体220の中央部を中心まわりに循環させるため、筺体220の中央部に対して、収容された流動体230の回転方向(筺体220の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材215a,215b,215c,215dが配置されている。
【0048】
すなわち、これらの駆動部材215a,215b,215c,215dは、筺体220の循環方向(筺体220の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体220に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体220の中央部に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0049】
図5、図6の筺体220および流動体230は、駆動部材215aが作動している状態を示す。また、筺体220’および流動体230’は、駆動部材215cが作動している状態を示す。駆動部材215a,215b,215c,215dが順に作動することで、図1〜図4で説明した動作原理により、筺体220の中央部は中心まわりに循環し、これにより、駆動部材215a,215b,215c,215d近傍(筺体220の中央部)の流動体230は回転運動223を発生する。
【0050】
流入口226から流動体230を連続して導入すれば、流出口227からは回転した流動体230を連続した状態で取り出すことができる。
【0051】
筺体220の適当な2箇所(例えば両端部)を節部228として固定し、両箇所の中央部周囲に4つの駆動部材215a,215b,215c,215dを配置し、この中央部近傍が腹部229となるように、筺体220の共振モードに合わせた駆動を駆動部材215a,215b,215c,215dにより行えば、より少ない電力で効率的な回転運動を流動体230に起こすことが可能である。
【0052】
この回転駆動装置201の場合も、駆動部材215a〜215dは、例えば、電磁力を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dを電磁石で構成し、筺体220の少なくとも中央部を磁性体で構成することにより、電磁力駆動部材215a〜215dに通電した時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向に吸引することができる。
【0053】
また、駆動部材215a〜215dは、例えば、静電力を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dは電極で構成し、筺体220の少なくとも中央部を絶縁体または誘電体で構成することにより、静電力駆動部材215a〜215dに通電した時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向に吸引もしくは逆方向に反発させることができる。
【0054】
また、駆動部材215a〜215dは、例えば、圧電力を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dは圧電素子で構成し、筺体220の少なくとも中央部に直接接触させることで、圧電力駆動部材215a〜215dを駆動させた時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0055】
また、駆動部材215a〜215dは、例えば、熱応力(熱膨張)を用いて筺体220に振動(筺体220を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。すなわち、駆動部材215a〜215dは熱源で構成し、筺体220の少なくとも中央部に直接接触させ筺体220に熱応力(熱膨張)を加えることで、熱応力(熱膨張)駆動部材215a〜215dを駆動させた時、筺体220をそれぞれ駆動部材215a〜215dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0056】
なお、筺体220は、流動体230を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0057】
図7は、この発明による回転駆動装置の第3の実施形態を示す概略的断面図、図8は、図7の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。この回転駆動装置301は、駆動部材315を、電磁力を用いて筺体320に駆動力を発生する電磁力駆動部材で構成したものである。
【0058】
流動体330を収容する断面環状の筺体320は、図示しない支持部材により、中心321を基準として移動限界322内を移動可能に支持されている。ここで、図7に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界322内を移動可能になっている。
【0059】
筺体320に収容される流動体330には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体330は、少なくとも図示の断面方向において、筺体320内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0060】
筺体320の周囲には、筺体320を中心まわりに循環させるため、筺体320に対して、収容された流動体330の回転方向(筺体320の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの電磁力駆動部材315a,315b,315c,315dが配置されている。
【0061】
すなわち、これらの電磁力駆動部材315a,315b,315c,315dは、筺体320の循環方向(筺体320の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体320に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体320に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0062】
この場合、各電磁力駆動部材315a〜315dは、電磁コイルで構成され、また、筺体320は、導電体で構成されるか、電磁力駆動部材315a〜315d側に導電体を具備している。
【0063】
図7は、電磁力駆動部材315aに通電し、かつ、電磁力駆動部材315cの通電を切断したときの状態を表している。
【0064】
電磁力駆動部材315aの近傍における筺体320の導電体には、電磁力駆動部材315aの電磁コイルから発生、増加する磁界により渦電流が発生する。この渦電流から発生した磁界と、前記電磁コイルから発生した磁界との間で発生する斥力により、筺体320は、電磁力駆動部材315aから離反する方向に力を受ける。
【0065】
同様に、電磁力駆動部材315cの近傍における筺体320の導電体には、電磁力駆動部材315cの電磁コイルから発生している磁界の減少に伴い、渦電流が発生する。この渦電流から発生した磁界と、前記電磁コイルから減少しつつある磁界との引力により、筺体320は、電磁力駆動部材315cに吸引される方向に力を受ける。
【0066】
筺体320は、電磁力駆動部材315aとの斥力および電磁力駆動部材315cとの吸引力により、その中心321が電磁力駆動部材315c側に移動する。
【0067】
電磁力駆動部材315aと電磁力駆動部材315c、電磁力駆動部材315bと電磁力駆動部材315d、電磁力駆動部材315cと電磁力駆動部材315a、電磁力駆動部材315dと電磁力駆動部材315bとがそれぞれ順に作動するに伴い、図1〜図4で説明した動作原理により流動体330は回転運動を発生する。
【0068】
図8は、電磁力駆動部材315a,315b,315c,315dのそれぞれの電磁コイルに通電する電流波形の一例を示している。時刻tは図7の状態を示している。
【0069】
なお、筺体320は、流動体330を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0070】
図9は、この発明による回転駆動装置の第4の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置401は、駆動部材415を、静電力を用いて筺体420に駆動力を発生する静電力駆動部材で構成したものである。
【0071】
流動体430を収容する断面環状の筺体420は、図示しない支持部材により、中心421を基準として移動限界422内を移動可能に支持されている。ここで、図9に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界422内を移動可能になっている。
【0072】
筺体420に収容される流動体430には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体430は、少なくとも図示の断面方向において、筺体420内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0073】
筺体420の周囲には、筺体420を中心まわりに循環させるため、筺体420に対して、収容された流動体430の回転方向(筺体420の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの静電力駆動部材415a,415b,415c,415dが配置されている。
【0074】
すなわち、これらの静電力駆動部材415a,415b,415c,415dは、筺体420の循環方向(筺体420の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体420に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体420に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0075】
この場合、各静電力駆動部材415a〜415dは、電極で構成され、また、筺体420は、導電体で構成されるか、静電力駆動部材415a〜415d側に導電体を具備している。
【0076】
図9は、静電力駆動部材415aおよび筺体420の導電体に電圧を印加したときの状態を示している。静電力駆動部材415aの近傍における筺体420の電荷(−)と、筺体420の電荷とは逆極性の、静電力駆動部材415aに発生した電荷(+)との間で発生する静電吸引力により、筺体420の中心421は静電力駆動部材415a側に移動する。
【0077】
静電力駆動部材415a,415b,415c,415dが順に作動するに伴い、図1〜図4で説明した動作原理により流動体430は回転運動を発生する。
【0078】
なお、筺体420は、流動体430を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0079】
図10は、この発明による回転駆動装置の第5の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置501は、駆動部材515を、静電力を用いて筺体520に駆動力を発生する静電力駆動部材で構成したものである。
【0080】
流動体530を収容する断面環状の筺体520は、図示しない支持部材により、中心521を基準として移動限界522内を移動可能に支持されている。ここで、図10に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界522内を移動可能になっている。
【0081】
筺体520に収容される流動体530には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体530は、少なくとも図示の断面方向において、筺体520内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0082】
筺体520の周囲には、筺体520を中心まわりに循環させるため、筺体520に対して、収容された流動体530の回転方向(筺体520の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの静電力駆動部材515a,515b,515c,515dが配置されている。
【0083】
すなわち、これらの静電力駆動部材515a,515b,515c,515dは、筺体520の循環方向(筺体520の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体520に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体520に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0084】
この場合、各静電力駆動部材515a〜515dは、電極で構成され、また、筺体520は、誘電体で構成され、外周と内周との間で分極処理をされている。
【0085】
図10は、静電力駆動部材515aに正極、静電力駆動部材515cに負極の電圧を印加したときの状態を示す。誘電体で構成された筺体520の外周に負極の電荷が発生しており、静電力駆動部材515aの正極の電荷と、静電力駆動部材515cの負極の電荷によって発生した静電力により、筺体520の中心521は静電力駆動部材515a側に移動する。
【0086】
筺体520は、静電力駆動部材515aと静電力駆動部材515c、および静電力駆動部材515bと静電力駆動部材515dとの相対面する駆動部材を組にして、相反する電極を順次印加、循環することにより、図1〜図4で説明した動作原理により流動体530は回転運動を発生する。
【0087】
なお、筺体520は、流動体530を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0088】
図11は、この発明による回転駆動装置の第6の実施形態を示す概略的断面図、図12は、図11の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。この回転駆動装置601は、駆動部材615を、圧電力を用いて筺体620に駆動力を発生する圧電力駆動部材で構成したものである。
【0089】
流動体630を収容する断面環状の筺体620は、図示しない支持部材により、中心621を基準として図示しない移動限界内を移動可能に支持されている。ここで、図11に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界内を移動可能になっている。
【0090】
筺体620に収容される流動体630には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体630は、少なくとも図示の断面方向において、筺体620内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0091】
筺体620の周囲には、筺体620を中心まわりに循環させるため、筺体620に対して、収容された流動体630の回転方向(筺体620の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの圧電力駆動部材615a,615b,615c,615dが配置されている。
【0092】
すなわち、これらの圧電力駆動部材615a,615b,615c,615dは、筺体620の循環方向(筺体620の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体620に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体620に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0093】
この場合、各圧電力駆動部材615a〜615dは、圧電体で構成されている。
【0094】
図11は、圧電力駆動部材615aの圧電体が筺体620方向に伸張する方向に電圧が印加され、かつ、圧電力駆動部材615cの圧電体が筺体620方向に収縮する方向に電圧が印加された状態を示す。
【0095】
筺体620は、圧電力駆動部材615aの圧電体の伸張と、圧電力駆動部材615cの圧電体の収縮により、筺体620の中心621は圧電力駆動部材615c側に移動する。
【0096】
圧電力駆動部材615aと圧電力駆動部材615c、圧電力駆動部材615bと圧電力駆動部材615d、圧電力駆動部材615cと圧電力駆動部材615a、圧電力駆動部材615dと圧電力駆動部材615bとがそれぞれ順に駆動するに伴い、図1〜図4で説明した動作原理により流動体630は回転運動を発生する。
【0097】
図12は、駆動部材615a,615b,615c,615dのそれぞれの圧電体に印加する電圧波形の一例を示す。時刻tは図11の状態を示している。
【0098】
なお、筺体620は、流動体630を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0099】
図13〜図16は、この発明による回転駆動装置の第7の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置701は、駆動部材715を、熱応力(熱膨張)を用いて筺体720に駆動力を発生する熱応力(熱膨張)駆動部材で構成したものである。
【0100】
流動体730を収容する断面環状の筺体720は、図示しない支持部材により、中心721を基準として図示しない移動限界内を移動可能に支持されている。ここで、図13〜図16に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界内を移動可能になっている。
【0101】
筺体720に収容される流動体730には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体730は、少なくとも図示の断面方向において、筺体720内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0102】
筺体720の周囲には、筺体720を中心まわりに循環させるため、筺体720に対して、収容された流動体730の回転方向(筺体720の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な2つの熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bが配置されている。
【0103】
すなわち、これらの熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bは、筺体720の循環方向(筺体720の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体720に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体720に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0104】
この場合、各熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bは、吸熱により大きく膨張する熱膨張物質で構成されている。熱膨張物質に対する発熱源は、抵抗体に通電することによって発生するオーム熱、数k〜数十kHzの交流電磁波照射による発熱、マイクロ波照射による発熱、またはレーザ照射による発熱等の方法がある。
【0105】
図13は、熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bの発熱をさせていない状態を示す。筺体720は図示しない弾性体によって、図中右下から左上方へ斜めに向いた方向すなわち、熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bに向けて付勢されていて、熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bに接触しており、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715b側にある。
【0106】
図14は、熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が吸熱により膨張している状態を示している。熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質の膨張により、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715aから離反する方向に移動する。
【0107】
図15は、熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が図14に示す膨張状態に保たれたまま、熱応力(熱膨張)駆動部材715bの熱膨張物質も吸熱により膨張している状態を示している。図14に示す状態からさらに熱応力(熱膨張)駆動部材715bの熱膨張物質の膨張により、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715bから離反する方向に移動する。
【0108】
図16は、熱応力(熱膨張)駆動部材715bの熱膨張物質が図15に示す膨張状態に保たれたまま、熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が収縮した状態を示している。図15に示す状態から熱応力(熱膨張)駆動部材715aの熱膨張物質が収縮することにより、筺体720の中心721は熱応力(熱膨張)駆動部材715aに接近する方向に移動する。
【0109】
熱応力(熱膨張)駆動部材715a,715bが発熱サイクルにより膨張、収縮を繰り返すことによって、図1〜図4で説明した動作原理により流動体730は回転運動を発生する。
【0110】
なお、筺体720は、流動体730を収容する適宜の収容部(図示省略)と、この収容部を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、収容部が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0111】
図17は、この発明による回転駆動装置の第8の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置801は、筺体820が、流動体830の収容部824を複数(図では9個)備えたものである。
【0112】
筺体820は、図示しない支持部材により、中心821を基準として移動限界822内を移動可能に支持されている。ここで、図17に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界822内を移動可能になっている。
【0113】
筺体820の各収容部824に収容される流動体830には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体830は、少なくとも図示の断面方向において、筺体820内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0114】
筺体820の周囲には、筺体820を中心まわりに循環させるため、筺体820に対して、収容された流動体830の回転方向(筺体820の円周方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材815a,815b,815c,815dが配置されている。
【0115】
すなわち、これらの駆動部材815a,815b,815c,815dは、筺体820の循環方向(筺体820の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体820に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体820に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0116】
そして、駆動部材815a,815b,815c,815dを順番に作動させるサイクルを繰り返すことによって、図1〜図4で説明した動作原理により各収容部824内の流動体830は回転運動を発生する。
【0117】
このような駆動部材815a〜815dは、例えば、電磁力を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dを電磁石で構成し、筺体820の全体または要部を磁性体で構成することにより、電磁力駆動部材815a〜815dに通電した時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向に吸引することができる。
【0118】
また、駆動部材815a〜815dは、例えば、静電力を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dは電極で構成し、筺体820を絶縁体または誘電体で構成することにより、静電力駆動部材815a〜815dに通電した時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向に吸引もしくは逆方向に反発させることができる。
【0119】
また、駆動部材815a〜815dは、例えば、圧電力を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dは圧電素子で構成し、筺体820に直接接触させることで、圧電力駆動部材815a〜815dを駆動させた時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0120】
また、駆動部材815a〜815dは、例えば、熱応力(熱膨張)を用いて筺体820に振動(筺体820を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。この場合、駆動部材815a〜815dは熱源で構成し、筺体820に直接接触させ筺体820に熱応力(熱膨張)を加えることで、熱応力(熱膨張)駆動部材815a〜815dを駆動させた時、筺体820をそれぞれ駆動部材815a〜815dの方向の逆方向に反発させることができる。
【0121】
図17では、4個の駆動部材815a〜815dを筺体820の周囲に90°(π/2)毎に配置し、各駆動部材815a〜815dを90°(π/2)ずつ位相をずらして駆動することで、流動体830に回転運動を発生させた。しかし、流動体830の種類に応じて、また、流動体830の回転運動をより細かく制御する要求に応じて、駆動部材815の設置数、設置場所および位相ずれの角度を、適宜選択・設定することが可能である。
【0122】
なお、筺体820は、流動体830の複数(図では9個)の収容部824と、この収容部824を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、各収容部824が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0123】
図18は、この発明による回転駆動装置の第9の実施形態を示す概略的断面図である。この回転駆動装置901は、筺体920の外形断面が矩形に形成されたものであり、また、流動体930の収容部924を複数(図では9個)備えたものである。
【0124】
筺体920は、図示しない支持部材により、中心921を基準として移動限界922内を移動可能に支持されている。ここで、図18に示す状態が、立面図の状態であってもよいし、平面図の状態であってもよい。いずれにしても、図示の断面が、紙面の平面内で移動限界922内を移動可能になっている。
【0125】
筺体920の各収容部924に収容される流動体930には、気体、液体等の流体や、粉体、粒体等の粉粒体、さらにこれらの混合物等の、各種の流動体が含まれる。粘度についてはある程度まで許容されるが、あまり粘度が高くないものが望ましい。そして、流動体930は、少なくとも図示の断面方向において、筺体920内に実質的に隙間なく充填されているものとして説明するが、これに限定しない。
【0126】
筺体920の周囲には、筺体920を中心まわりに循環させるため、筺体920に対して、収容された流動体930の回転方向(筺体920の周囲方向)に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な4つの駆動部材915a,915b,915c,915dが配置されている。
【0127】
すなわち、これらの駆動部材915a,915b,915c,915dは、筺体920の循環方向(筺体920の外周方向)に沿って相互に90°(π/2)の角度を挟んで配置され、筺体920に対して、この角度に応じた90°(π/2)の位相差を有する引力または斥力をそれぞれ作用させることにより、筺体920に相互に90°(π/2)位相が異なる振動を発生させることができるようになっている。
【0128】
そして、駆動部材915a,915b,915c,915dを順番に作動させるサイクルを繰り返すことによって、図1〜図4で説明した動作原理により各収容部924内の流動体930は回転運動を発生する。
【0129】
この回転駆動装置901の場合も、図17の回転駆動装置801の場合と同様に、駆動部材915a〜915dは、例えば、電磁力を用いて筺体920に振動(筺体920を中心まわりに循環させるための駆動力)を発生させることが可能な電磁力駆動部材、静電力を用いて筺体920に振動を発生させることが可能な静電力駆動部材、圧電力を用いて筺体920に振動を発生させることが可能な圧電力駆動部材、または、熱応力(熱膨張)を用いて筺体920に振動を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成することができる。
【0130】
なお、筺体920は、流動体930の複数(図では9個)の収容部924と、この収容部924を保持する適宜の保持部(図示省略)とで構成し、しかも、各収容部924が保持部に対して着脱可能に構成されることができる。
【0131】
また、この発明による回転駆動装置に太陽電池等の光起電力を発生させる素子を具備して、光起電力により発生した電力により駆動部材を作動させて、流動体に回転運動を発生させることも可能である。
【0132】
さらに、この発明による回転駆動装置にレーザ光を照射できる光ファイバー等を具備して、レーザ光による放射圧を利用して、流動体を収容している筐体に位相の異なる振動を付加させて、流動体に回転運動を発生させることも可能である。
【0133】
以上のようなこの発明によれば、2つ以上の駆動部材によって、流動体を内包した筺体に位相の異なる運動を与えて、内包された流動体を回転させるという原理を利用することによって、伝達部材に接続された回転翼を流動体の中に挿入する必要もなく、容易に連続した流動体に回転運動を発生させる駆動装置を提供でき、小型化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】この発明による回転駆動装置の動作原理の説明を兼ねた第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【図2】図1の回転駆動装置の作動(その1)を説明する概略的断面図である。
【図3】図1の回転駆動装置の作動(その2)を説明する概略的断面図である。
【図4】図1の回転駆動装置の作動(その3)を説明する概略的断面図である。
【図5】この発明による回転駆動装置の第2の実施形態を示す概略的斜視図である。
【図6】図5のA−B−C−D面に沿った断面を示す概略的断面図である。
【図7】この発明による回転駆動装置の第3の実施形態を示す概略的断面図である。
【図8】図7の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。
【図9】この発明による回転駆動装置の第4の実施形態を示す概略的断面図である。
【図10】この発明による回転駆動装置の第5の実施形態を示す概略的断面図である。
【図11】この発明による回転駆動装置の第6の実施形態を示す概略的断面図である。
【図12】図11の回転駆動装置の駆動部材に入力する入力波形の一例を示す波形図である。
【図13】この発明による回転駆動装置の第7の実施形態を示す概略的断面図である。
【図14】図13の回転駆動装置の作動(その1)を説明する概略的断面図である。
【図15】図13の回転駆動装置の作動(その2)を説明する概略的断面図である。
【図16】図13の回転駆動装置の作動(その3)を説明する概略的断面図である。
【図17】この発明による回転駆動装置の第8の実施形態を示す概略的断面図である。
【図18】この発明による回転駆動装置の第9の実施形態を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
【0135】
101,201,301,401,501,601,701,801,901 回転駆動装置
115a〜115d,215a〜215d,815a〜815d,915a〜915d 駆動部材
120,220,320,420,520,620,720,820,920 筺体
121,221,321,421,521,621,721,821,921 中心
122,222,322,422,522,822,922 移動限界
123,223 回転(回転運動)
125b,135b 力
130,230,330,430,530,630,730,830,930 流動体
131 密度大の領域
226 流入口
227 流出口
228 節部
229 腹部
315a〜315d 電磁力駆動部材
415a〜415d,515a〜515d 静電力駆動部材
615a〜615d 圧電力駆動部材
715a,715b 熱応力(熱膨張)駆動部材
824,924 収容部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動体を収容した筺体を中心まわりに循環させることで、前記筺体内で前記流動体に回転運動を発生させる回転駆動方法であって、
前記筺体の外方で当該筺体に、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させることを特徴とする回転駆動方法。
【請求項2】
前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容することを特徴とする請求項1記載の回転駆動方法。
【請求項3】
流動体を収容する筺体と、
前記流動体を収容した前記筺体を中心まわりに循環させることで前記流動体に回転運動を発生させるため、前記筺体の外方において当該筺体に対して、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な複数の駆動部材と、
を備えたことを特徴とする回転駆動装置。
【請求項4】
前記複数の駆動部材は、前記筺体の外周方向に沿って相互に任意の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じた位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする請求項3記載の回転駆動装置。
【請求項5】
前記複数の駆動部材は、前記筺体の循環方向に沿って相互にπ/2の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じたπ/2の位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の回転駆動装置。
【請求項6】
前記筺体は、断面環状に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項7】
前記筺体は、両端部に前記流動体の流入口および流出口を備えた筒状に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項8】
前記筺体は、前記両端部間の中央部周囲に前記複数の駆動部材が配置され、当該複数の駆動部材の作動により、前記両端部を節とし、かつ、前記中央部を腹として運動することを特徴とする請求項7記載の回転駆動装置。
【請求項9】
前記筺体は、前記流動体を収容する収容部と、前記収容部を保持する保持部とを備え、前記収容部が前記保持部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項10】
前記筺体は、前記流動体の収容部を複数備えたことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項11】
前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容する複数の収容部と、前記複数の収容部を一体に保持する保持部とを備え、前記複数の収容部が前記保持部に対してそれぞれ着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項12】
前記各駆動部材は、電磁力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項13】
前記各駆動部材は、静電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項14】
前記各駆動部材は、圧電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項15】
前記各駆動部材は、熱応力(熱膨張)を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項1】
流動体を収容した筺体を中心まわりに循環させることで、前記筺体内で前記流動体に回転運動を発生させる回転駆動方法であって、
前記筺体の外方で当該筺体に、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を作用させることを特徴とする回転駆動方法。
【請求項2】
前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容することを特徴とする請求項1記載の回転駆動方法。
【請求項3】
流動体を収容する筺体と、
前記流動体を収容した前記筺体を中心まわりに循環させることで前記流動体に回転運動を発生させるため、前記筺体の外方において当該筺体に対して、前記流動体の回転方向に沿って位相が異なる振動を発生させることが可能な複数の駆動部材と、
を備えたことを特徴とする回転駆動装置。
【請求項4】
前記複数の駆動部材は、前記筺体の外周方向に沿って相互に任意の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じた位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする請求項3記載の回転駆動装置。
【請求項5】
前記複数の駆動部材は、前記筺体の循環方向に沿って相互にπ/2の角度を挟んで配置され、前記筺体に対して、前記角度に応じたπ/2の位相差を有する振動を発生させることが可能であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の回転駆動装置。
【請求項6】
前記筺体は、断面環状に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項7】
前記筺体は、両端部に前記流動体の流入口および流出口を備えた筒状に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項8】
前記筺体は、前記両端部間の中央部周囲に前記複数の駆動部材が配置され、当該複数の駆動部材の作動により、前記両端部を節とし、かつ、前記中央部を腹として運動することを特徴とする請求項7記載の回転駆動装置。
【請求項9】
前記筺体は、前記流動体を収容する収容部と、前記収容部を保持する保持部とを備え、前記収容部が前記保持部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項10】
前記筺体は、前記流動体の収容部を複数備えたことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項11】
前記筺体は、前記流動体を複数箇所に分けて収容する複数の収容部と、前記複数の収容部を一体に保持する保持部とを備え、前記複数の収容部が前記保持部に対してそれぞれ着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項12】
前記各駆動部材は、電磁力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な電磁力駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項13】
前記各駆動部材は、静電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な静電力駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項14】
前記各駆動部材は、圧電力を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な圧電力駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【請求項15】
前記各駆動部材は、熱応力(熱膨張)を用いて前記筺体に振動を発生させることが可能な熱応力(熱膨張)駆動部材で構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項記載の回転駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−151395(P2007−151395A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2007−35183(P2007−35183)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000147350)株式会社精工技研 (154)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35183(P2007−35183)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000147350)株式会社精工技研 (154)
【Fターム(参考)】
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