説明

図形データ検索システム及び方法、及び図形データの画面表示方法

【課題】 時間軸方向の検索を行うのを高速かつ容易にする図形データ管理方法を提供することにある。
【解決手段】 図に示す図形データ507に地物の生成時間と消滅時間を表すデータ508、509を設け、例えば、建物Cが時間Tsに建てられ、時間Teに取り壊された場合、図形データ507に地物Cの生成時間Tsと消滅時間Teを登録することにより、地物Cが時間TsとTeの間だけ存在したことをデータベースで管理することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地理情報処理(GIS : Giographic Information System)や、計算機支援設計(CAD : Computer Aided Design)のような図形処理システムにおける図形データ管理方法に係り、特に家屋の新築・撤去による街の変化のような、時間によって変化していくデータの効率的な管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自治体などでの地理情報を用いる業務では、過去の履歴情報を保管することが重要となる。施設管理では、これまでのメンテナンス情報や利用状況の把握が必要となるし、また都市計画では、これまでの都市の変遷が現状の分析や将来の予測に役立つ。
これまで自治体などでは、これらの地理情報を紙地図で管理し、(1)変更個所は地図に直接加筆・変更し、(2)数年に一度地図全体を書き直し、(3)過去の紙地図は倉庫に保管する、という方法を取っていた。しかしこの方法では、過去の地図を検索するのは大変な作業であり、また過去の大量の紙地図の保管も負担となってきている。
近年、紙地図の電子化に基づく地理情報システム(GIS:Geographic Information System)が開発され、利用されてきた。GISは電子化された地図を扱うため、地図の更新、過去の地図の保管や検索も紙地図と比べて比較的容易となった。
従来のGISにおいて過去の地理情報を保管するためには、月一度など、定期的に地理情報DB(Data Base)の全内容をDAT(Digital Audio Tape)などの外部記憶メディアにバックアップする、という方式を取っていた。
また、地図利用システムとして、地図データベースにおける地図データの削除及び追加の管理、そして地図データの一括変更時における地図データベースの管理の方式がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、これらの方式は、(1)時間軸方向の検索、たとえば「現在から10年前までの、この地域の変遷」という検索を行う場合、過去のバックアップの全てを参照する必要がでてくるなど、非常に困難となる、(2)全地理データがバックアップの対象となるため、バックアップ時間、履歴データの格納空間が常に大きな負担となる、という問題点があった。
また、インターネット・イントラネットの普及に伴い、GISのネットワーク対応が行われてきた。地理情報DBサーバに地理情報を格納し、それぞれのユーザが自分の端末からサーバにアクセスし、ネットワークを経由して地図その他の地理情報を取得できるようになった。しかし地理情報は一般に大量のデータを持つため、(3)通信時間の増大、ネットワークへの負荷増大という問題点があった。
【0003】
【特許文献1】特開平8−44846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以下の三点の課題を解決することを目的としている。
(1)時間軸方向の検索を行うのを高速かつ容易にする履歴情報管理。
(2)メンテナンス(バックアップ)時間、履歴データの格納空間をできるだけ少なくする履歴情報管理。
(3)ネットワークを経由して地図その他の地理情報を取得する場合、通信時間、ネットワークへの負荷を最小限にする通信方法。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、
家屋・道路など、複数の地物のそれぞれを図形データとし、これら図形データをデータベースに登録して管理する図形データ管理方法であり、
前記地物の図形データとして該地物の生成時間と消滅時間のデータを設け、
時間経過により地物に変化が生じた場合、新たに生成された地物に対しては該地物の図形データに生成時間を格納して前記データベースに登録し、消滅した地物に対しては前記データベースに登録されている該地物の図形データに消滅時間を格納して前記データベースに登録し、
時間を指定して前記データベースに登録された地物の図形データが検索されたとき、該指定時間が前記生成時間と消滅時間の間に入る地物の図形データを取得可能にするようにしている。
【0006】
また、家屋・道路など、複数の地物のそれぞれを図形データとし、これら図形データをデータベースに登録して管理する図形データ管理方法であり、
前記地物の図形データとして該地物の変化時間、変化属性、属性の変化差分を一組としたデータを設け、
時間経過により地物に変化が生じた場合、変化が生じた度にその変化に応じて、前記データベースに登録された該地物の図形データの前記一組のデータのうち、変化時間に変化が生じた時間を、変化属性に図形の属性の内の変化が生じた属性を、属性の変化差分に該属性における変化量を格納して、該地物の図形データを前記データベースに登録し、
時間を指定して前記データベースに登録された地物の図形データが検索されたとき、該指定時間までの変化を含む地物の図形データを取得可能にするようにしている。
【0007】
また、前記各地物の図形データに一意なID番号を付与し、
前記図形データの生成時間の付加情報として過去の図形データのID番号データを、消滅時間の付加情報として未来の図形データのID番号データを設け、
時間経過により地物に変化が生じた場合、変化後の地物の図形データを作成し、該図形データの前記過去の図形データのID番号データとして変化前の地物の図形データのID番号を格納し、変化前の地物の図形データの前記未来の図形データのID番号データとして前記変化後の地物の図形データのID番号を格納して前記データベースにそれぞれ登録し、
時間経過による地物の変化を管理可能にするようにしている。
【0008】
また、家屋・道路など、複数の地物のそれぞれを図形データとし、図形の集合を領域とし、図形データを領域に属する図形データとしてデータベースに登録して管理する図形データ管理方法であり、
領域間にまたがる巨大な図形を折れ線で表現し、該巨大な図形のうちの各領域に属する図形データに接続図形の始点の図形IDと領域ID、及び終点の図形IDと領域IDを格納し、該図形データをデータベースに登録し、領域を超える巨大な地物を管理可能にするようにしている。
【0009】
また、前記データベースにネットワークを介して接続されたクライアントシステムに図形データを転送する際、該クライアントシステムが前記データベース中の古い図形データを既に取得している場合には、前記データベースにおける該古い図形データと指定された時間での図形データの変化差分を該クライアントシステムに転送するようにしている。
【0010】
また、前記データベースに対して時間に対する検索を必要とせず、かつ高速な空間検索が必要とされる場合には、該データベースから指定した時点に存在する図形データだけを抽出し、該抽出した図形データから時間データを除いて、一時的に時間データを除いたデータベースを再構築し、高速な空間検索を該再構築したデータベースに対して行うようにしている。
【0011】
また、前記変化属性として図形の回転角、平行移動量、拡大率を設定することにより、少ないパラメータで地物の変化を表現可能にするようにしている。
また、前記データベースにネットワークを介して接続されたクライアントシステムに、該クライアントシステムが過去に取得している図形データを転送する際、該過去に取得している図形データと指定された時間での図形データとの変化差分を該クライアントシステムに転送するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
本方式の効果は二点ある。
第一に、本方式は地理情報のデータ量を削減する。
時間情報を含まない地理情報のサイズをCとし、これまでn回地理情報の更新を行い、また一回の更新につき変更した地理情報の全体からの割合をpとすると、現在の地理情報のサイズは、更新するたびに地理情報全体をバックアップする従来方式では、(1+n)C、今回の方式では、(1+pn)C、となる。
更新回数n=100、更新個所の割合p=1%とすると、本方式は従来方式の約1/50のデータサイズとなる。
第二に、本方式は任意の時間の地理情報が抽出できる。
従来方式は前述のデータ量の問題から、更新間隔は年一回などの長い間隔であり、その間隔内の状況を知ることはできなかった。
本方式では、更新時に各更新対象がいつ変化したかの時間情報を付加することによって、任意の時間の地理情報の抽出を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図2は、本発明の時間履歴管理方法を用いた一実施例である、地理情報システムを実現するための構成図である。
ディスプレイ201は図形の表示等に用いられる。キーボード202、およびマウス203は、図形の検索・編集等を行う時の図形の指示等に用いられるインターフェース用の機器である。
プリンタ204は図形の印刷出力に用いられる。スキャナ205は紙地図等の図形を読み込んでディジタル化するのに用いられる。
ディジタル化した図形は、メモリ・ハードディスク等の記憶装置内の地理情報DB(Data Base)209に格納される。
地理情報システムは、パーソナルコンピュータやワークステーション等の計算機208上で実行される。
【0014】
また、地理情報システムをLAN(Local Area Network)等のネットワーク210上に分散することもできる。
地理情報を検索するユーザ・クライアント208と地理情報DBを持つサーバ212は別の計算機上に実装され、遠隔地からサーバ内の地理情報の検索を行うことができる。
さらに、地理情報DB211を地域別・分野別に複数のサーバに分散して管理し、一つのクライアントが複数のサーバにアクセスする事もできる。
地理情報システムは、自システム内のローカル地理情報DB209や、ネットワーク上の他地理情報DB211にアクセスし、地理情報を検索・更新するDB管理部207と、その上で動作する複数のアプリケーション部208から構成される。
アプリケーション部は、地理情報参照・更新ツールや、紙地図や航空写真などから地理情報を作成するツール、地理情報を用いた解析・シミュレーションを行うツールなどがある。
図3、図4に、本発明の拡張の基礎となる、地理情報のデータ構造について示す。
地理情報は、図形302、構成点303、領域301、属性情報304から構成される。
図形302は、家屋や道路などの地物の形状を表現する。
図形は基本的に折れ線で表現される。例えば道路は開いた折れ線、街区境界線や等高線は閉じた折れ線、家屋は閉じた折れ線に高さを付加した多角柱、地下配管は3次元に拡張した折れ線で表現する。
401に、図形のデータ構造を示す。
図形は、そのIDと、線色・構成点数などの属性、1個以上の構成点303から構成される。一つの点(305)も、構成点が一つの図形として見ることができる。
図形のIDは、システム全体で一意の通し番号等が用いられる。異なるシステム間での一意性を保つため、図形の座標(重心等)で代用することもできる。
【0015】
構成点303は、図形302の折れ線を構成する点である。402に、構成点のデータ構造を示す。
構成点は、点の色などの属性、その点の位置する座標xとy(3次元図形の場合zも含む)から構成される。
【0016】
領域301は、図形を含む領域を示す。これは紙地図の図葉に対応する。
領域の形状は任意で、たとえば500m×700mの長方形メッシュ、不定形形状の街区を領域とすることができる。
403に、領域のデータ構造を示す。
領域は、そのIDと、それがどんな地理情報か(道路地図、都市計画図など)、いつ作成されたか等の属性、領域内部に含まれる0個以上の図形302から構成される。
【0017】
属性情報304は、地理情報に結びついた、図形以外の情報である。
例えば、家屋図形にその家屋の敷地面積や世帯主名を、また道路図形に道路幅、道路種別、交通規制情報などを付加する場合、それらは属性情報として管理される。属性情報は文書・画像・他の図形など、任意の情報を付加できる。
属性情報は、地理情報を構成する図形401、構成点402、領域403の属性領域
(図では属性と書いてある)内に属性情報のIDを格納し、別テーブルの属性情報404を参照する事で管理できる。
404に、属性情報のデータ構造を示す。
属性情報は、そのIDと、属性の内容から構成される。
【0018】
以降では、これらの地理情報に対して行う時間拡張について示す。
本発明では、時間拡張を(1)「生成/消滅」拡張、(2)「変化」拡張、(3)「置換」拡張、の三つの拡張に分類する。
以降、地理情報を構成する図形を例にこれらの時間拡張を説明するが、地理情報を構成する構成点、領域、属性情報についても同様な時間拡張が可能となる。
【0019】
「生成/消滅」拡張は、例えば、家屋が新築され、解体徹去されるような、地理情報の生成/消滅を示す。
図5に、「生成/消滅」拡張の説明図を示す。
時間T1、T2、T3という時間経過に対し、501、502、503と新築され、解体徹去される家屋について考える。
501では建物Cのみが存在し、502では建物Aが新築され、503では建物Bが新築され、建物Cが解体撤去されたとする。
【0020】
従来の履歴管理(図18)は、ある時点での地理情報(図形)を全て保管することで実現していた。
時間T1の地理情報(1801)として建物C(1804)を、時間T2(1802)では家屋A、C(1805)を、時間T3(1803)では家屋A、B(1806)を保管していた。
【0021】
本発明では、図形のデータ構造507に、生成時間Ts(508)、消滅時間Te(509)を付加する。
図形A、B、Cの生成・消滅を時間軸上で表現すると、Aについては504、Bについては505、Cについては506となる。
「何年何月何日の地理情報を表示せよ」というような時間検索が、この地理情報に対して行われた時、対象時間と図形の生成/消滅時間を比較し、対象時間が生成/消滅時間の間であればその地理情報は存在し、それ以外では存在しないと判定することができる。
その図形が消滅せず、現在も存在している場合、消滅時間に「消滅時間未定」の識別子(∞)を格納する。
【0022】
「変化」拡張は、例えば、家屋の高さが平屋から二階建に改築されるような、地理情報の変化を示す。
図6に、「変化」拡張の説明図を示す。
建物Cは、時間Tsで生成し、時間Tcで属性が変化し(例えば一階建が二階建に変わり)、時間Teで消滅したとする。
「生成/消滅」拡張された図形のデータ構造(図5の507)を拡張して「変化」拡張を表現するため、図6の607のように、生成時間Ts(608)、消滅時間Te(609)の後ろに、変化時間610、変化属性611、属性の変化差分612、の三つの変化情報を挿入する。
変化時間610は、変化が起きた時間Tcを記述する。変化属性611、属性の変化差分612は、一組となり、その図形のどの種類の属性が変化したか、どの値に変化したかを示す。
この三つの変化情報は、変化が起こるたびにデータ構造に一組挿入される。
変化が何回行われたかは、図形のヘッダ情報に変化の回数を記述する。
また、同時刻Tcに複数の属性が変化した場合、省略表現として、変化時間610一つにつき複数の変化属性611、属性の変化差分612の組を格納することも出来る。
ある検索時間での図形の属性は、図形生成時の初期属性に、この検索時間までの変化差分を累積することによって求められる。
「変化」拡張は、図形の持つ属性を変化させるため、属性の数だけ種類が定義できる。
【0023】
図7に、代表的な属性の変化を示す。
例として、レイヤ/色の変化701、高さの変化702などが挙げられる。ここで、レイヤ(層)とは、市の境界線とか、家の枠とか、道路の線とか、家屋の階数とかの分類を示すものである。
「変化」拡張は、家屋の増改築による家屋高の変化、家屋材質の変化、住民情報の変化などで行われる。
また、図形全体の変化として、平行移動703、回転704、拡大・縮小705も定義できる。
地震による家屋位置のずれ、移転、都市計画の変更などによる図形位置の移動などが発生した時、図形の平行移動・回転・拡大縮小が行われる。
これらは、図形表示時/検索時に構成点を再計算する必要があるが、少ないパラメータで図形の変化を表現することができるため、地理情報全体の容量を低減することが出来る。
属性の変化差分612は、平行移動では図形の移動量(Δx、Δy)、回転では回転量θ、拡大・縮小では拡大率rを格納する。
【0024】
「置換」拡張も、「変化」拡張と同様に、地理情報の変化を示す。
「変化」拡張は図形の内に変化情報を持つが、「置換」拡張は二つ以上の図形を用い、図形を他の図形に置換することによって変化を表現する。
「置換」拡張は、「変化」拡張で表現するには大きすぎてデータサイズが大きくなる変化の記述に用いる。
また、同一図形が「変化」拡張を繰り返した場合、図形自体のサイズが大きくなって検索時間がかかるが、これを「置換」拡張で複数の図形に分割して、検索速度を向上することもできる。
【0025】
図8に、「置換」拡張の説明図を示す。
建物Cは、時間Tsで建物Bに建替えられ、時間Teで建物Aに建替えられたとする。
建物A、建物B、建物Cの図形を、それぞれ別の図形として領域内に格納する。
「生成/消滅」拡張された図形のデータ構造(図5の507)を拡張して「置換」拡張を表現するため、図8の809のように、生成時間Ts(804)、消滅時間Te(806)それぞれの付帯情報として、過去図形810を指すID805、未来図形808を指すID807を格納する。
そして、過去図形・未来図形のID欄が空の場合、その図形は生成/消滅したと定義し、ID欄が空でない場合、そのIDが指す図形に置換されたと定義する。
また、その図形が消滅せず現在も存在している場合、消滅時間に「消滅時間未定」の識別子(∞)を格納する。
【0026】
図1に、これまで述べた図形の三つの時間拡張、(1)「生成/消滅」拡張、(2)「変化」拡張、(3)「置換」拡張、を全て付加した汎用テーブルを示す。
ここで、生成前図形IDは過去図形IDと同じであり、消滅後図形IDは未来図形IDと同じである。また、変化時間、変化属性及び属性の変化差分の組は変化数分あり、構成点座標も構成点数分だけある。
これは、図形を例にとった時間拡張であるが、他の地理情報、構成点・領域・属性情報についても同様なテーブル拡張となる。
また、図の上部は、(1)時間方向への検索ができること、(2)更新分のみのバックアップができること、(3)最新データのみの送信ができること概略的に示している。
(1)時間方向への検索は、図形に時間情報を付加することにより、過去の任意の時間、未来の任意の時間における空間領域での地図や情報を高速に検索出来ることであり、(2)更新分のみのバックアップは、例えば、10年以上前の情報のみを選択して外部記憶装置にバックアップできることであり、(3)最新データのみの送信は、例えば、クライアントが1年前までの情報有していれば、その後の最新のデータのみ送信すればよいと云うことである。
【0027】
図9に、図形と同様な考え方で、構成点に適用した時間拡張の例を示す。
この時間拡張では、構成点の時間の経過による「生成/消滅」拡張を表現する。
図形のデータ構造901の中の各構成点情報904に、データ構造902のように、生成時間Tstart(905)、消滅時間Tend(906)を付加して1組の情報とすることによってこれを実現する。
構成点の生成/消滅は、例えば下水配管が1図形として表現されており、拡張工事によって配管の位置や方向が変化した場合などに用いることができる。
その他、土砂崩れで崖の形状(等高線)が変化した場合、家屋が増築されてその形状が変わった場合などにも用いる事ができる。
ただし、データ構造902は、全ての構成点に時間情報を持つ冗長な構造である。
【0028】
データ構造903は、データ構造902の拡張であり、データ圧縮を実現する。
データ構造903では、各構成点情報の先頭に1ビットの時間拡張フラグを設ける。
時間拡張フラグがONの構成点は、生成時間と消滅時間を持ち、時間拡張フラグがOFFの構成点は、時間情報を持たない。
時間情報を持たない構成点の生成時間/消滅時間は、図形のヘッダに格納された図形全体の生成/消滅時間に従う。
データ構造901で表現される家屋907(908)が、時間Tstartに家屋を増築し、家屋909となったとする。
四角形ABCDに、新規に構成点E、F、Gが追加され、多角形ABEFGCDとなった。
この場合、構成点E、F、Gが、開始時間と終了時間を伴って、点Bと点Cの間に挿入される。
テーブルのデータ構造は903となる。
【0029】
図10に、構成点に適用した時間拡張の別の例を示す。
図形ABD(1001)に時間Tstartで構成点C1が付加され(1002)、時間Tmoveで構成点C1がC2に変化し(1003)、時間TendでC2が削除される状況を考える。
この時間拡張では、構成点情報に、「生成/消滅」拡張、および「変化」拡張を付加する。
データ構造1005に、データ構造903を拡張して構成点情報に「変化」拡張を付加したデータ構造を示す。
時間拡張を行った構成点Cに対し、生成時間Tstart、消滅時間Tendに加え、0個以上の変化情報、すなわち変化時間Tmove、属性の変化差分として新たな座標値の組を挿入する。なお、‘1’、‘0’は記述の続きを示すフラグであり、‘1’は消滅時間Tendまで記述の続きがあることを示し、‘0’は記述の続きがないことを示す。
【0030】
図11に、図形と同様、領域テーブルに対する時間拡張の例を示す。
領域に時間範囲を持たせ、一定時間(例えば一年単位)で領域を分割する事により、地理情報の検索を高速化することができる。
全地理情報から、(x、y、z、t) のある点に位置する地理情報、あるいはある時間範囲内に存在する地理情報を検索する場合、システム内の全領域の全図形をしらみつぶしに検索するのではなく、初めに全領域から求める座標を含む領域を空間的・時間的にあらかじめ絞り込み、絞り込んだ領域に対して図形を検索することにより、検索が高速化できる。
【0031】
図11は、領域の「置換」拡張を表現する。
領域情報1101に、生成時間1102、消滅時間1104を付加し、さらに生成時間1102の付帯情報として生成前の領域のID1103を、消滅時間1104の付帯情報として消滅後の領域のID1105を挿入する。
この拡張を行った場合、生成・消滅時間は領域の生成・消滅ではなく、リンクした次の領域への切替え時間となる。
領域の「置換」拡張の別の例としては、地理情報DBの総容量が増加してシステムにおさまらなくなった場合、領域を分割して、古い地理情報を別の地理情報DB、あるいはDAT等の外部記憶装置に待避させる、という利用法が可能である。
生成前あるいは消滅後のリンク先IDを空にすることにより、領域の生成あるいは消滅を表現することができる。
領域の生成・消滅の例としては、たとえば区画整理のため、ある名称Aの街区が消滅し、新しい名称Bの街区が新規作成されると言う場合がある。
この場合、名称Aの街区については、消滅後のリンク先IDを空にし、名称Bの街区については、生成前のリンク先IDを空にし、消滅後のリンク先IDに「消滅時間未定」の識別子(∞)を格納する。
【0032】
図12に、属性情報に対する時間拡張の例を示す。
属性情報は、図形にリンクする文書・画像など(1201)で、1202のデータ構造を持つ。通常、属性は別テーブルで属性(1203)として管理され、図形内にはその属性のIDが格納される。
ここで、例えば毎年の調査ごとに変化する住民数など、時間によって変化する属性(1203)を管理する場合、属性情報に対する時間拡張を用いる。
図形情報1202に図6で示した「変化」拡張を行い(1205)、生成時間1208、消滅時間1209を付加し、その間に0個以上の変化時間1210・変化属性1211・属性ID1212の組を挿入し、属性ID1212の属性は、図で属性1206として示したテーブルで管理される。
【0033】
図13、14に、本発明である地理情報の時間拡張である「置換」拡張を、空間方向に応用した例について示す。
図13は、メッシュに区切られた4枚の領域を示している。
領域内に格納される図形の中には、たとえば国道など、複数の図面や領域にまたがって存在する巨大な図形もある。
これらの図形は、領域の境界線で二つに分断されて、分断された二図形はこのままでは何の関連性もない。
例えば、道路ネットワークを用いた最短距離検索を行う場合など、図形を一つとして扱わねばならない場合に、何らかの関連性を持たせる必要がある。
【0034】
これを解決するための方法として、「置換」拡張を空間領域間に適用する。
一般に図形は折れ線で表現され、始点と終点を持つ。そこで、図形テーブル1301に、始点に接続する図形のID、終点に接続する図形のIDを格納する。始点・終点で図形が終わる場合は終端ID(0)を格納する。
領域をまたがる図形を指すため、接続領域IDと接続図形IDのペアを格納する。領域IDは、隣接する領域として自動的に計算してもよい。
このように、隣接領域の続きの図形のIDを接続図形IDとして格納することにより、領域にまたがった巨大な図形の表現ができる。
図14では、複数階のビルの管理図を示す。
ビルは階毎に区切った平面図の組み合わせで表現できる。
しかし電気配線など、各階に渡る巨大な図形がある。
各階を各領域に分け、各階の上下方向境界に図形の始点・終点を設定し、隣接領域の続きの図形のIDを接続領域IDと接続図形IDのペアとして格納することにより、高さにまたがった巨大な図形の表現ができる。
【0035】
次に、時間履歴を管理する本発明の地理情報DBのメンテナンス方法として、領域の時間分割方法について示す。
本発明の時間履歴管理方式では、過去の地理情報も最新の地理情報も同列に扱うため、過去の情報が増えすぎると、DB格納空間の増大、検索時間の上昇などが生じ、システムの性能を低減する。
そのため、領域を過去の「旧領域」と現在に近い「新領域」に分割し、図形の最近の変化を検索する場合に、その図形データを全領域からではなく、新領域だけから検索するという効率化が必要となる。
また、過去の図形を検索する場合も同様に、一年単位などで領域を時間分割しておき、検索時にはまず検索したい時間範囲が含まれる領域を求め、その領域の中から図形データを検索すると効率的である。
【0036】
領域分割をするためには、領域情報自体の分割と、その中に含まれる図形情報の選り分け・分割が必要となる。
図形の中には、領域の時間範囲に完全に含まれる図形と、領域分割の時間にまたがる図形がある。
領域の時間範囲に完全に含まれる図形は、どの領域に含まれるかを選り分ければいいが、領域分割の時間にまたがる図形は、二つの領域で重複して管理する、どちらかの領域のみで管理する、図形自体を分割する、などの方法が必要になる。
【0037】
領域分割に伴う図形の選り分け・分割方法を、(1)検索速度向上のため領域を分割する場合、(2)過去履歴をバックアップメディアに待避・格納する場合、(3)クライアントがサーバに最新地理情報を要求する場合の三種類の場合に分けて示す。
図15に検索速度向上のため領域を分割する場合について示す。
【0038】
上記で述べたように、一年単位などで領域を時間分割しておき、検索時にはまず検索したい時間範囲が含まれる領域を求め、その領域の中から図形データを検索すると効率的である。
領域1501を時間Tcで領域1502と領域1503に二分割する場合、分割した領域1502と1503にはそれぞれの時間範囲に含まれる全ての図形が含まれていなければならない。従って時間Tcをまたぐ図形は両方の領域に重複して管理されなければならない。
「生成/消滅」拡張の図形A、B、C、D、「変化」拡張の図形E、「置換」拡張の図形Fを以下の方式で分割する。
「生成/消滅」拡張を行った図形のうち、二領域間にまたがる図形Aは、両領域で重複管理する。
片方の領域のみに存在する図形B、Cは、それぞれの領域のみで管理する。
また、まだ存在して消滅時間が未定である図形Dも、両領域で重複管理する。
「変化」拡張を行った図形Eは、その変化時間のうち分割時間Tcに最も近い時間で二つの図形情報に分割する。
なお、分割時間付近で時間検索を行った場合のため、分割時間をまたがる部分は両図形で重複して管理する。この二つの図形情報は、「置換」拡張を行った図形として、お互いにリンクする。
「置換」拡張を行った図形は、分割時間付近で時間検索を行った場合のため、分割時間をまたがる図形Fは両図形で重複して管理する。リンク先IDはそのままの値を保持する。
【0039】
上記の管理方法は、分割時間をまたぐ図形を重複管理するため、冗長である。
特に都市の地理情報の時間履歴を数年のオーダで管理した時、図15の図形情報のうち最も多く現れる「生成してから変化のない図形」である図形Dが重複管理されているので、格納空間が多く必要となる。
図16に、過去履歴をバックアップメディアに待避・格納する場合について示す。
領域1601を時間Tcで領域1602と領域1603に二分割する場合、分割した領域のうち現在に近い領域1602にはその時間範囲に含まれる全ての図を含む。
バックアップメディアに待避する方の時間Tcより過去の領域1603には、時間Tcをまたぐ図形を全く含まない。これにより図形の重複はなくなり、容量を最低に押さえられる。
【0040】
図16に領域分割処理について示す。
「生成/消滅」拡張の図形A、B、C、D、「変化」拡張の図形E、「置換」拡張の図形Fを以下の方式で分割する。
「生成/消滅」拡張を行った図形は、旧領域1603のみに存在する図形Bは旧領域で管理し、それ以外(A、C、D)は全て新領域1602で管理する。
「変化」拡張を行った図形Eは、変化時間で区切られる時間範囲のうち、完全に旧領域1603に存在する部分のみが旧領域1603で管理されるように分割される。
分割時間をまたがる部分の重複管理は行わない。この二つの図形情報は、「置換」拡張を行った図形として、お互いにリンクする。
「置換」拡張を行った図形Fは、完全に旧領域1603に存在する部分のみが旧領域1603で管理されるよう、選り分けられる。
分割時間をまたがる部分の重複管理は行わない。リンク先IDはそのままの値を保持する。
時間Tcより過去の時間検索を行う時は、領域1602と領域1603の両方の領域を検索する。
また時間Tcより現在に近い時間検索を行う時は、領域1602のみの検索で構わない。
【0041】
図17に、クライアントがサーバに最新地理情報を要求する場合について示す。
本発明は、LAN等のネットワーク上に分散する複数の地理情報DBサーバ、クライアント間での通信に応用することにより、ネットワーク負荷低減、高速応答性を実現する。
地理情報をネットワーク上のDBサーバに格納しておき、複数のユーザがそれぞれのクライアントから地理情報を参照・更新する機能は必要である。
例えば自治体などで地理情報システムを利用する場合、地理情報をメンテナンスする部署、利用する部署は複数あり、互いに交錯している。
道路は道路課、上下水道は水道課など、それぞれの担当課が自分の管理する地物に対してメンテナンスを行う。
また地理情報は膨大な量があるため、複数の担当者が地域を分担してメンテナンスを行う。
一方、地理情報の容量は一般に大きい。例えば、平均的な一領域(500m×500m)の3次元地理情報は1MB程度ある。4次元地理情報となると容量はさらに増大する。
そのため、地理情報のダウンロード・アップロード時におけるネットワークへの負荷、通信時間の低減が課題となる。特にこれは、転送速度の遅い電話回線を介した場合にさらに顕著となる。
以下に、この問題を解決するための、地理情報の差分情報通信方式を示す。
容量の多い4次元地理情報は、あらかじめCD-ROM、DVD-RAM等の大容量記憶メディアの形態でクライアントに配布しておく。
そしてユーザが最新の地理情報を要求した時に、最新の地理情報を「差分4次元地理情報」の形態で、ネットワークを経由して配布する。
図17において、クライアント1702は時間Tcにおける最新のデータ1705を所有しており、現在である時間Tsにおいて、時間TcからTsまでに更新された地理情報をダウンロードしたいとする。
またサーバには、「生成/消滅」拡張の図形A、B、C、D、「変化」拡張の図形E、「置換」拡張の図形Fが格納されているとする。
クライアントからTc〜Ts間の地理情報履歴を要求した時、サーバは更新差分情報1704を返す。更新差分情報1704となるのは、時間Tc〜Tsの間で変化のあった図形のみである。
「生成/消滅」拡張を行った図形のうち、時間Tc〜Tsの間で消滅したA、生成・消滅したCは更新差分情報となる。
「変化」拡張を行った図形Eは、その変化時間のうち分割時間Tcを含む最短の長さで分割される。
「置換」拡張を行った図形Fは、時間Tc〜Tsの間で変化のあった図形のみが格納される。リンク先IDはそのままの値を保持する。
【0042】
更新差分情報1704を受け取ったクライアントは、自分の持っている地理情報1705に更新差分情報1704をそのまま足す事により、時間Ts現在での最新の4次元地理情報1706を取得する事ができる。
本方法では更新された地理情報1704のみがネットワークを通過するため、通信時間、ネットワーク負荷を押さえる事ができる。
またクライアントが、履歴情報は不要で、現在有効な地理情報のみが欲しいという場合には、更新差分情報1704のうち現在で有効なもの(消滅していない図形)のみを送信すればよく、さらに通信時間、ネットワーク負荷を削減できる。
【0043】
最後に、履歴情報を含む地理情報を高速に検索する方法について示す。
本方式の時間履歴情報を含む地理情報格納方式は、上記に示したように、(1)情報格納領域を縮小する、(2)時間を含んだ検索を高速化する、というメリットがある。
しかし、領域の景観表示など、時間を含まない検索の機会も多い。特に景観表示では、リアルタイムに視点を変更して地理情報を再描画しなければならないため、高速検索が必須となる。
時間を含む4次元地理情報は、景観表示には不要な過去の履歴が図形や構成点内に混在するため、3次元地理情報に対して検索速度が遅くなる。
これを解決するため、ある空間領域・時点が検索された場合、該領域のオリジナルの4次元地理情報から、その時点に存在する図形だけを抜き出した3次元地理情報を再構成する。
再構成された3次元地理情報は一時領域に格納され、景観表示など高速性を要求される、かつ時間軸の検索を行わない検索に対して、オリジナルの代替となって用いる事ができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上述したように本発明の図形データ管理方法は、地理情報のデータサイズを従来方法に比較して大幅に削減することができる。
また、地理情報の更新時に各更新対象がいつ変化したかの時間情報を付加することにより、任意の時間の地理情報の抽出を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の特徴を示す概要図である。
【図2】本発明を適用した地理情報処理システムの構成図である。
【図3】地理情報を構成する、領域・図形・構成点・属性情報の関連を示す図である。
【図4】地理情報を構成する、領域・図形・構成点・属性情報のデータ構造を示す図である。
【図5】図形に対する「生成/消滅」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図6】図形に対する「変化」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図7】図形の「変化」時間拡張の例を示す図である。
【図8】図形に対する「置換」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図9】構成点に対する「生成/消滅」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図10】構成点に対する「変化」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図11】領域に対する「置換」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図12】属性に対する「変化」時間拡張の方法を説明するための図である。
【図13】XY座標方向で領域間を接続する図形の表現方法を説明するための図である。
【図14】Z座標方向で領域間を接続する図形の表現方法を説明するための図である。
【図15】検索速度向上のため領域を分割する場合の領域分割の方法を説明するための図である。
【図16】過去履歴をバックアップメディアに待避・格納する場合の領域分割の方法を説明するための図である。
【図17】クライアント・サーバ間で地理情報を更新する場合の領域分割の方法を説明するための図である。
【図18】時間管理を行うための従来の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0046】
201 ディスプレイ
202 キーボード
203 マウス
204 プリンタ
205 スキャナ
206 アプリケーション部
207 DB管理部
208、212 計算機
209、211 地理情報DB
210 LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋・道路など、複数の地物のそれぞれを図形データとし、これら図形データをデータベースに登録して管理する図形データ管理方法であって、
前記地物の図形データとして該地物の生成時間と消滅時間のデータを設け、
時間経過により地物に変化が生じた場合、新たに生成された地物に対しては該地物の図形データに生成時間を格納して前記データベースに登録し、消滅した地物に対しては前記データベースに登録されている該地物の図形データに消滅時間を格納して前記データベースに登録し、
時間を指定して前記データベースに登録された地物の図形データが検索されたとき、該指定時間が前記生成時間と消滅時間の間に入る地物の図形データを取得可能にすることを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項2】
家屋・道路など、複数の地物のそれぞれを図形データとし、これら図形データをデータベースに登録して管理する図形データ管理方法であって、
前記地物の図形データとして該地物の変化時間、変化属性、属性の変化差分を一組としたデータを設け、
時間経過により地物に変化が生じた場合、変化が生じた度にその変化に応じて、前記データベースに登録された該地物の図形データの前記一組のデータのうち、変化時間に変化が生じた時間を、変化属性に図形の属性の内の変化が生じた属性を、属性の変化差分に該属性における変化量を格納して、該地物の図形データを前記データベースに登録し、
時間を指定して前記データベースに登録された地物の図形データが検索されたとき、該指定時間までの変化を含む地物の図形データを取得可能にすることを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項3】
請求項1記載の図形データ管理方法において、
前記各地物の図形データに一意なID番号を付与し、
前記図形データの生成時間の付加情報として過去の図形データのID番号データを、消滅時間の付加情報として未来の図形データのID番号データを設け、
時間経過により地物に変化が生じた場合、変化後の地物の図形データを作成し、該図形データの前記過去の図形データのID番号データとして変化前の地物の図形データのID番号を格納し、変化前の地物の図形データの前記未来の図形データのID番号データとして前記変化後の地物の図形データのID番号を格納して前記データベースにそれぞれ登録し、
時間経過による地物の変化を管理可能にすることを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項4】
家屋・道路など、複数の地物のそれぞれを図形データとし、図形の集合を領域とし、図形データを領域に属する図形データとしてデータベースに登録して管理する図形データ管理方法であって、
領域間にまたがる巨大な図形を折れ線で表現し、該巨大な図形のうちの各領域に属する図形データに接続図形の始点の図形IDと領域ID、及び終点の図形IDと領域IDを格納し、該図形データをデータベースに登録し、領域を超える巨大な地物を管理可能にすることを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の図形データ管理方法において、
前記データベースにネットワークを介して接続されたクライアントシステムに図形データを転送する際、該クライアントシステムが前記データベース中の古い図形データを既に取得している場合には、前記データベースにおける該古い図形データと指定された時間での図形データの変化差分を該クライアントシステムに転送することを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の図形データ管理方法において、
前記データベースに対して時間に対する検索を必要とせず、かつ高速な空間検索が必要とされる場合には、該データベースから指定した時点に存在する図形データだけを抽出し、該抽出した図形データから時間データを除いて、一時的に時間データを除いたデータベースを再構築し、高速な空間検索を該再構築したデータベースに対して行うことを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項7】
請求項2記載の図形データ管理方法において、
前記変化属性として図形の回転角、平行移動量、拡大率を設定することにより、少ないパラメータで地物の変化を表現可能にすることを特徴とする図形データ管理方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の図形データ管理方法において、
前記データベースにネットワークを介して接続されたクライアントシステムに、該クライアントシステムが過去に取得している図形データを転送する際、該過去に取得している図形データと指定された時間での図形データとの変化差分を該クライアントシステムに転送することを特徴とする図形データ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−176808(P2008−176808A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58154(P2008−58154)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【分割の表示】特願2004−7572(P2004−7572)の分割
【原出願日】平成10年4月27日(1998.4.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】