図書保管管理装置
【課題】この発明は、通常図書についてフリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の特殊な図書に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することができる閉架書庫管理を可能とした図書保管管理装置を提供することを目的としている。
【解決手段】コンテナ12の識別情報と、コンテナ12の書庫内での収容位置情報と、コンテナ12を図書32の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、コンテナ12内の図書32の識別情報とを対応させて記憶し、入庫する図書32のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナ12の中で空きスペースのあるコンテナ12を書庫から取り出してステーション20,22に移送するとともに、その図書32が入庫されたコンテナ12に対する記憶内容を更新する。
【解決手段】コンテナ12の識別情報と、コンテナ12の書庫内での収容位置情報と、コンテナ12を図書32の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、コンテナ12内の図書32の識別情報とを対応させて記憶し、入庫する図書32のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナ12の中で空きスペースのあるコンテナ12を書庫から取り出してステーション20,22に移送するとともに、その図書32が入庫されたコンテナ12に対する記憶内容を更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば多量の図書を保管する大型図書館等に使用して好適する図書保管管理装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近時、多量の蔵書を有する大規模図書館等にあっては、書庫からの図書の取り出しや書庫への図書の返却に要する作業の能率向上を図るために、自動入出庫システムが導入されてきている。
【0003】
この自動入出庫システムは、利用者が貸し出しを要求した図書を書庫から取り出して利用者カウンターまで搬送するとともに、その図書が貸し出されたことを記録する作業や、図書が返却されたことを記録し、その図書を書庫まで戻して収容位置を記録する作業等を自動化して、図書の取り出し及び返却に要する作業を正確かつ迅速に実行することができるようにしたものである。
【0004】
すなわち、自動入出庫システムにおいては、書庫に保管されている多量の図書の管理を容易にするために、各図書それぞれにバーコードを付している。また、各図書は、複数冊毎にコンテナに収容されており、書庫に対してコンテナ単位で入出庫されるようになされている。
【0005】
そして、図書の取り出しが要求された場合には、その図書の収容されたコンテナが書庫から自動出庫され利用者カウンターまで搬送される。図書館員は、利用者カウンターに搬送されてきたコンテナの中から所望の図書を取り出して利用者に渡し、ここに、図書の貸し出しが行なわれる。
【0006】
また、図書の返却が要求された場合には、その返却図書を収容すべきコンテナが書庫から自動出庫され利用者カウンターに取り出される。図書館員は、利用者カウンターに取り出されたコンテナに返却された図書を入れた後、そのコンテナを書庫の元の位置に入庫させ、ここに、図書の返却が行なわれる。
【0007】
ところで、現在では、多量の図書をそれらの内容には無関係にサイズ(例えばA4版,B5版,A5版,B6版等で、厚さは不問)のみによって分類し、同一コンテナには同一サイズの図書のみを収容するようにして、各サイズの図書が収容されたそれぞれのコンテナを、書庫の異なる棚領域に格納する新規な保管管理システムが開発されている(特許文献1)。
【0008】
この保管管理システムによれば、書庫の各棚領域では、それぞれに収容される図書のサイズに応じて、その図書を効率的に収容することができるように、高さや奥行きを設定することができ、図書の収容効率を効果的に向上させることができるようになる。
【0009】
そして、上記のような新規な保管管理システムでは、複数のコンテナの書庫内における収容位置と、各コンテナに収容された複数の図書の各図書コードとを対応させて記憶しておき、図書の取り出しまたは返却が行なわれる毎にその記憶内容を更新する、いわゆるフリーロケーション方式が採用されている。
【0010】
このフリーロケーション方式によれば、同一サイズの図書ならばそのサイズの図書を収容するためのコンテナ内に空きのある限り任意に収容することができるので、書庫と利用者カウンターとの相互間でコンテナを搬送するための搬送機構の稼動回数を少なくすることができ、自動化による図書の取り出し及び返却作業の能率を効果的に向上させることができる。
【0011】
以上のように、フリーロケーション方式による保管管理は、図書の入出庫の作業能率を向上させる上で大きな効果をもたらしている。しかしながら、例えば新聞・雑誌のバックナンバー及び全集図書等のように、タイトルの同一性や相互の連続性を有する図書や資料等については、一括りにして同じコンテナに収容しておくほうが取り出し及び返却の作業効率を向上させることができる。このため、これらの図書や資料等については、取り出しても常に同じコンテナに固定的に返却する、いわゆる固定ロケーション方式での保管管理形態が適していることになる。
【0012】
また、電子式情報記録媒体であるCD(compact disk),DVD(digital versatile disk)等の光ディスクや、VTR(video tape recorder)のテープカセット等は、規格化された独自のサイズを有するとともに、その機械的強度、塵埃、傷付き等の観点から、図書と混在させて保管するのは好ましくないものである。つまり、光ディスクやテープカセット等は、図書と混在しない保管管理形態を採用することにより、良好な品質保持を図ることができ、また、タイトル視認性の良化により、取り出し及び返却の作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
さらに、現在の図書館では、貸し出し要求が集中する図書を予約する利用者が増加する傾向にある。この場合、予約を受け付けてから、その図書の別保管、または、貸し出し中のときはその図書の待ち受け保管を行ない、利用者に準備完了の連絡をしてから来館するまで、予約図書の滞留日数はかなり長くその保管場所に苦慮している。この解決策としては、予約図書を、開架図書も含めて閉架書庫に一時保管することが求められている。
【0014】
そして、予約利用者に拘束された図書は、通常図書とは隔絶した現物管理、情報管理が求められる。すなわち、予約後の他者への貸し出しの禁止措置や、通常の保管場所から移行しての集約管理等が求められることになる。これらの要求の実現には、閉架書庫管理とは別個の保管管理形態が求められることになる。
【0015】
すなわち、通常図書はフリーロケーション方式で保管管理し、タイトルの同一性や相互の連続性を有する図書や資料等(以下、固定図書という)は固定ロケーション方式で保管管理し、光ディスクやテープカセット等(以下、特定図書という)及び予約図書のように通常図書とは貸し出し管理の異なる図書は、通常図書と混在しないようにコンテナを区分して保管管理する必要がある。
【0016】
また、特定図書や予約図書の返却に際しては、取り出し時と同じ区分のコンテナに収容するという限定的な運用を採用しながらも、大部分を占めるその他の図書の取り出し及び返却に要する作業の能率を低下させることのない保管管理が必要となる。
【0017】
特許文献2には、各物品を固定ロケーション用の物品とフリーロケーション用の物品とに分別して、その分別情報を各物品の識別情報に対応付けて管理することにより、フリーロケーション用の物品は、複数の容器の中から物品を収納する空きスペースのある容器を選択して収容するようにした構成が開示されている。
【0018】
特許文献3には、新規に図書を書庫に保管する際、複数のサイズを有するコンテナの中から最適な収容効率を得られるサイズのコンテナを取り出して収容し、その収容した図書のサイズ情報を該当するコンテナのサイズ情報とすることにより、図書毎にサイズ情報の登録を行なうことを要しなくなり、新規図書の入庫作業の能率を向上させるようにした構成が開示されている。
【特許文献1】特開平7−82915号公報
【特許文献2】特開平11−310308号公報
【特許文献3】特開2004−75267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上に述べたように、特許文献1及び3では、サイズ別フリーロケーション方式に限定した図書の保管管理システムが述べられている。また、特許文献2では、フリーロケーション方式と固定ロケーション方式とを有効に併用して、物品の保管管理を行なうことには言及していない。
【0020】
すなわち、例えば、通常図書はコンテナとフリーに保管し、タイトルに同一性のある図書はコンテナを固定し、特定図書や貸し出し管理の異なる例えば予約図書等は通常図書と混載しないようにコンテナを区分して保管し、また、取り出し後の返却に際しては、取り出し時と同じ区分のコンテナに収容する限定的運用を採用しながら、大部分を占める通常図書の取り出し及び返却に要する作業の能率を低下させることのない図書保管管理装置が要求されることになる。
【0021】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、通常図書についてフリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の特殊な図書に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することができる閉架書庫管理を可能とした図書保管管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明に係る図書保管管理装置は、複数の棚領域を有する書庫と;書庫の各棚領域に格納されるもので、それぞれが複数の図書を収容する複数のコンテナと;コンテナを識別する識別情報と、コンテナの書庫内における収容位置を示す情報と、コンテナを図書の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、コンテナに収容された図書を識別する識別情報とを対応させて記憶する記憶手段と;入庫する図書のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを書庫から取り出してステーションに移送するとともに、その図書が入庫されたコンテナに対する記憶手段の記憶内容を更新する制御手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0023】
上記した構成によれば、入庫する図書のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを書庫から取り出してステーションに移送し、図書を入庫するようにしたので、通常図書についてフリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の特殊な図書に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することが可能となる。これにより、収容する図書の大部分を占める通常図書の取り出し及び返却に要する作業の能率を低下させずに、管理形態の異なる図書を混在させることのない図書保管管理装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する図書保管管理システムの全体的な構成を示している。この図書保管管理システムでは、通常図書についてサイズ別フリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の固定図書、特定図書及び予約図書等の特殊図書については、それらに適した保管管理を適宜採用することができる。
【0025】
すなわち、図1において、符号11は書棚群で、例えば図書館の地階の書庫内に設置されている。この書棚群11は、互いに一定間隔をあけて対向するように設置された複数対(図示の場合は3対)の書棚(11a,11b)、(11c,11d)、(11e,11f)から構成されている。
【0026】
これら各書棚11a〜11fは複数の領域に区分され、それらの領域には、通常図書、固定図書、特定図書及び予約図書のグループに分類した複数の図書(図1では図示せず)が収容された複数のコンテナ12,12,……が収容されるようになっている。
【0027】
ここで、上記書棚11a,11b相互間には、スタッカークレーン13が設置されている。このスタッカークレーン13は、書棚11a,11b相互間に形成された空間内を移動し、いずれかの書棚11aまたは11bから所望のコンテナ12を取り出して出庫用ラックステーション14に移送する。
【0028】
この出庫用ラックステーション14に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア15を介してコンテナ搬出口16に移送された後、垂直搬送機49を介して、1階向コンテナ搬入口17または2階向コンテナ搬入口18まで搬送される。
【0029】
このうち、1階向コンテナ搬入口17に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア19を介して利用者カウンターである1階ステーション20のコンテナ受入部20aに搬送される。また、2階向コンテナ搬入口18に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア21を介して利用者カウンターである2階ステーション22のコンテナ受入部22aに搬送される。
【0030】
一方、1階ステーション20のコンテナ受入部20aに搬送されたコンテナ12は、コンテナ排出部20bに移送され、搬送コンベア23を介して1階向コンテナ搬出口24に搬送される。また、2階ステーション22のコンテナ受入部22aに搬送されたコンテナ12は、コンテナ排出部22bに移送され、搬送コンベア25を介して2階向コンテナ搬出口26に搬送される。
【0031】
そして、1階向コンテナ搬出口24または2階向コンテナ搬出口26に搬送されたコンテナ12は、上記垂直搬送機49により地階のコンテナ搬入口27に移送され、搬送コンベア28を介して入庫用ラックステーション29に移送された後、スタッカークレーン13により書棚11aまたは11bに入庫される。
【0032】
なお、他の書棚11c,11d相互間及び書棚11e,11f相互間にも、それぞれスタッカークレーン(図示せず)が設置されている。そして、上記と略同様の動作により、各書棚11c〜11fと1階または2階ステーション20,22との間で、コンテナ12を搬送することができる。
【0033】
また、上記搬送コンベア15,19,21の経路途中には、搬送されるコンテナ12を180°回転させて向きを変えるための、回転機構部30,31a,31bがそれぞれ設置されている。
【0034】
ここで、図2(a)は、上記コンテナ12の詳細な構成を示している。すなわち、このコンテナ12は、その内部が略直交する仕切り板12a,12bによって、4つのブロックA,B,C,Dに分割されている。
【0035】
そして、各ブロックA,B,C,D内には、図2(b)に示すように、それぞれ複数の図書32,32,……が厚み方向に1列に並んで収容されるようになっている。つまり、コンテナ12内には、ブロックA,Bに収容された図書32,32,……の列と、ブロックC,Dに収容された図書32,32,……の列とが、2列に並んで収容されることになる。
【0036】
この場合、コンテナ12内で2列に並んだ各図書32,32,……同士は、互いにその背表紙32aを外側に向けるようにして収容されている。なお、各コンテナ12には、その側面にそれぞれコンテナ識別のためのバーコードラベル12cが付されている。また、各図書32,32,……にも、それぞれ識別のためのバーコードラベル(図示せず)が付されている。
【0037】
一方、図3は、上記1階ステーション20の詳細な構成を示している。なお、2階ステーション22については、1階ステーション20と同様な構成であるため、その説明を省略する。
【0038】
すなわち、この1階ステーション20には、カウンター台33が設置されている。このカウンター台33の裏側には、前記コンテナ受入部20aとコンテナ排出部20bとが配置されている。そして、搬送コンベア19を介して1階ステーション20に搬送されてきたコンテナ12は、コンテナ受入部20aで受け入れられた後、コンテナ排出部20bに移送されて保持される。
【0039】
また、上記カウンター台33には、コンテナ排出部20bに対応する部分に開口部33aが形成されている。そして、図書館員は、この開口部33aを介することにより、コンテナ排出部20bに保持されたコンテナ12に対して、図書32の取り出しや返却を行なうことができる。
【0040】
この場合、カウンター台33の開口部33aからは、コンテナ12内に厚み方向に2列になって収容されている図書32,32,……のうち、一方側の列の図書32,32,……がそれらの背表紙32aを含めて、外部に露出されることになる。そして、このコンテナ排出部20bに保持されたコンテナ12は、搬送コンベア23を介して1階向コンテナ搬出口24に搬送される。
【0041】
さらに、上記カウンター台33上には、図書館員が図書32,32,……の入出庫に関する種々の操作を行なうとともに、コンテナ排出部20bに保持されたコンテナ12の中から、取り出すべき図書32の図書名や図書番号等を表示するための、入力タッチパネル式の操作表示ユニット34と、図書32に付されたバーコードを読み取るためのバーコードリーダ35とが配設されている。
【0042】
また、図4は、1階ステーション20におけるカウンター台33の裏側の構造を示している。すなわち、前記搬送コンベア19を介して1階ステーション20に搬送されてきたコンテナ12は、1階ステーション20内のステーション搬送機20cを介してコンテナ受入部20aに移送される。
【0043】
そして、コンテナ受入部20aに移送されたコンテナ12は、ステーション搬送機20dを介してコンテナ排出部20bに移送され、図書32の取り出しや返却に供される。この場合、コンテナ12に付されたバーコードラベル12cがコンテナ排出部20bに設置されたバーコードリーダ36によって読み取られる。
【0044】
また、コンテナ排出部20bで図書32の取り出しや返却の終了したコンテナ12は、1階ステーション20内のステーション搬送機20eを介して、1階ステーション20外部の搬送コンベア23に移送され、書棚群11の所定の収容位置に入庫される。
【0045】
ここで、このステーション搬送機20eには、図書高さ検出器37が設置されている。この図書高さ検出器37は、ステーション搬送機29eによって搬送されるコンテナ12に収容された図書32の高さが、所定の高さを越えているか否かを判別するものである。そして、所定の高さを越えていると判断された場合、コンテナ12は、コンテナ排出部20bに戻され、その判別結果が操作表示ユニット34に表示される。
【0046】
また、上記搬送コンベア23の経路途中には、搬送コンベア23によって搬送されるコンテナ12内における図書32の充填率を検出するための図書充填率検出器38が設置されている。この図書充填率検出器38は、通過するコンテナ12内の図書32の在席部分または不在席部分を検知することにより、そのコンテナ12内における図書32の充填率を算出することができる。
【0047】
ここで、この実施の形態で説明する図書保管管理システムは、3種類のサイズのコンテナ12を備えている。そして、通常図書、固定図書、特定図書及び予約図書のグループ毎に、それぞれ多種多様なサイズの図書32を、全て、この3種類のサイズのコンテナ12に分類して収容するようにしている。この場合、書棚群11は、各グループ毎に、3種類のサイズのコンテナ12をそれぞれ収容するための3種類の棚領域に分割されている。
【0048】
図5は、上記のような図書保管管理システムの制御システムを示している。すなわち、図書館システムサーバ(LSS)40は、書棚群11に保管されている閉架保管区分の図書32だけでなく、図示しない開架保管区分の図書をも含めた図書館の全ての図書32を統括管理するものである。
【0049】
この図書館システムサーバ40は、主要な管理として、全図書32の開架,閉架保管区分の管理、通常図書,固定図書,特定図書及び予約図書等のグループ別管理、新規図書32の図書コード登録処理等の業務管理を行なっている。
【0050】
また、この図書館システムサーバ40は、図示しないが、開架図書32の貸し出し返却処理を行なう利用者カウンター端末、開架/閉架図書32を対象とした図書検索端末、閉架図書32の貸し出し要求端末等が接続されて、閉架図書32の貸し出し要求情報を書庫システムサーバ(BSS)41に伝送している。
【0051】
なお、図書館システムサーバ40の内部記憶装置には、図書館内の全図書32の図書マスタが記憶され、新規購入図書32の発注/納品/登録、全蔵書の貸し出し予約、貸し出し/返却情報を管理している。
【0052】
そして、上記書庫システムサーバ41は、図書館システムサーバ40とLAN(local area network)回線で接続され、開架書庫内の図書32の所在位置管理、貸し出し、返却処理の管理を行なっている。貸し出し要求は、図書館システムサーバ40から供給され、貸し出しの作業が終了すると、図書館システムサーバ40に図書貸し出し実績報告を行なっている。また、返却図書32が書庫に戻されると、図書館システムサーバ40に図書返却実績報告を行なっている。
【0053】
また、書庫システムサーバ41の内部記憶装置には、書庫に保管された全図書32の図書コード、書誌データ、各図書32のグループ分類及び保管位置等に関するデータが記憶されている。これらのデータは、図示しない複数の障害対策用ハードディスク、マスタバックアップ管理用DAT、無停電電源装置により保護されている。
【0054】
さらに、書庫システムサーバ41は、書庫内の図書32を取り出し、返却する場所である1階及び2階ステーション20,22にそれぞれ設けられたステーション端末機(STU)42と、書庫内のスタッカークレーン13や各種の搬送機器をコントロールする統括制御盤43とに、LAN回線で接続されている。
【0055】
このうち、1階ステーション20に設置されたステーション端末機42は、1階ステーション20において、前記操作表示ユニット34及びバーコードリーダ35,36をそれぞれ制御している。
【0056】
また、2階ステーション22に設置されたステーション端末機42は、2階ステーション22において、1階ステーション20と同様の図示しない操作表示ユニット及びバーコードリーダをそれぞれ制御している。
【0057】
ここで、操作表示ユニット34は、入庫処理及び出庫処理の選択設定、コンテナ12の種別、図書32のグループ分け情報や内容等を表示し、返却図書32のサイズ情報を設定する入力タッチパネル式の画面を備えている。
【0058】
バーコードリーダ35は、図書32に付されたバーコードラベルを読み取り、その図書32の図書コードを読み取る。バーコードリーダ36は、コンテナ12に付されたバーコードラベル12cを読み取り、そのコンテナ12のコンテナ番号を得る。
【0059】
また、上記統括制御盤43は、ステーション搬送機制御盤44、入出庫搬送機制御盤45、垂直搬送機制御盤46及びスタッカークレーン地上盤47等をそれぞれ統括的に制御している。
【0060】
このうち、ステーション搬送機制御盤44は、1階ステーション20において、ステーション搬送機20c,20d,20e及び図書高さ検出器37をそれぞれ制御している。また、このステーション搬送機制御盤44は、2階ステーション22において、1階ステーション20と同様の図示しないステーション搬送機及び図書高さ検出器をそれぞれ制御している。
【0061】
さらに、上記入出庫搬送機制御盤45は、入出庫搬送機48(前記搬送コンベア15,19,21,23,25,28及び回転機構部30,31a,31bに相当)、図書充填率検出器38等をそれぞれ制御している。また、上記垂直搬送機制御盤46は、前述した垂直搬送機49を制御し、スタッカークレーン地上盤47は、スタッカークレーン制御盤50を介して書庫内におけるスタッカークレーン13を制御している。
【0062】
ここで、書庫システムサーバ41には、図書館システムサーバ40から、書庫に入庫する図書32毎に登録図書情報が供給される。この登録図書情報は、図6に示すように、図書コード、書誌データ及びグループ指定コードで構成されている。このグループ指定コードは、図書32毎の管理区分け(グループ分類)を示す情報である。具体的には、図7に示すように、固定図書を‘10’、予約図書を‘90’、その他の図書を‘00’として指定している。
【0063】
そして、書庫システムサーバ41は、図書館システムサーバ40から供給された登録図書情報に基づいて、基本管理データファイルである4つのマスタを構成し、内部記憶装置に記憶している。これら4つのマスタは、図8(a)〜(d)にそれぞれ示すように、図書マスタ、予約図書マスタ、コンテナマスタ及びロケーションマスタである。
【0064】
まず、各マスタ内のデータ(棚領域区分コード、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コード及びグループ識別コード)について説明する。すなわち、前述したように、書庫内の書棚群11は、保管する図書32のサイズに応じて3種類のサイズの棚領域に分割されている。
【0065】
棚領域のサイズとは、3種類のサイズ別に分類されたコンテナ12をそれぞれ収容するために、書棚11a〜11fが備える空間領域の大きさのことである。すなわち、分類した3種類の図書32のサイズに対応した奥行き、幅、高さ等の寸法から決められる。
【0066】
棚領域のサイズは、ロケーションマスタの棚領域区分コードで示されており、コンテナ12が、主として、A4,B5,A5の3種類の図書32のサイズに対応して分類されているとすると、図9に示すように、棚領域区分コードは、“TLL”,“TMM”,“TSS”の3種類となる。この棚領域区分コードの数や種類は、システムの計画時にロケーション毎に規定され、通常は図書保管管理システムが稼動した後に変更されることはない。
【0067】
また、コンテナ種別コードは、通常、“CLL”,“CMM”,“CSS”の3種類となり、それぞれ、A4,B5,A5のサイズの図書32を収容することができる3種類のコンテナ12のサイズを示している。
【0068】
さらに、図書サイズ識別コードは、通常、“BA4”,“BB5”,“BA5”の3種類としており、これらに対応して収容するコンテナ識別コードが、それぞれ、“CLL”,“CMM”,“CSS”の3種類となっている。
【0069】
図9は、上記棚領域区分コード、コンテナ種別コード及び図書サイズ識別コードの対応関係をまとめた設定テーブルを示している。この設定テーブルでは、棚領域、コンテナサイズ及び図書サイズを、それぞれ3種類に分類している。
【0070】
そして、A4サイズに準じるサイズの図書32を収容したLサイズのコンテナ12が棚領域LLに保管され、B5サイズに準じるサイズの図書32を収容したMサイズのコンテナ12が棚領域MMに保管され、A5サイズに準じるサイズの図書32を収容したSサイズのコンテナ12が棚領域SSに保管される。
【0071】
また、上記グループ識別コードは、コンテナ12毎の管理区分け(グループ分類)を示す情報である。具体的には、図7に示すように、固定図書を‘10’、VTRのテープカセットを‘20’、CDを‘30’、予約図書を‘90’、通常図書を‘00’として識別している。さらに、別途の管理が生じたときは、新たなグループ識別コードを採用することができる。
【0072】
次に、上記図書マスタは、図書を新規に購入して、または、保管区分を開架区分から書庫区分にする変更処理に伴ない、図書館システムサーバ40から伝送される図書コード、書誌データ(書名、著者名、出版社等からなる)を登録図書情報として記憶している。そして、コンテナ12が書庫に保管されると、その収容したコンテナ番号が保管コンテナ番号として対応付けられて図書マスタが完成する。この時点で、登録図書情報から、その図書32の情報は消去される。
【0073】
なお、図書マスタの履歴コンテナ番号は、図書32がコンテナ12から取り出された際に、保管コンテナ番号の記憶内容を移行して記憶される領域であり、取り出された図書32がどのコンテナ12から取り出されたかを知ることができる。
【0074】
図書マスタは、図書館システムサーバ40からの書誌データ書き替え情報による変更があったとしても、保管区分を書庫外とする、または、廃棄する等の事情に基づく削除情報があって、その図書32がコンテナ12から取り出されるまで、その図書マスタは記憶される。
【0075】
また、ある図書32のグループ識別コード、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コードは、コンテナ番号を検索キーとしてコンテナマスタにリンクすることによって認識することが可能である。このため、新規登録処理後でも、返却時に収容するコンテナ番号を変えれば、グループ識別コード、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コードを変更することも可能であるが、グループ識別コードの変更は、基本的には禁止される。
【0076】
上記予約図書マスタは、登録図書情報にある図書32が書庫に保管され、その情報が登録図書情報から消去される時点で、予約図書として指示された図書32のマスタとされ、保管しているコンテナ12のコンテナ番号が対応付けられて記憶される。予約図書は、このコンテナ12から他のコンテナ12に移行することなく取り出されるので、履歴コンテナ番号を記憶する必要はない。
【0077】
予約図書の管理で、書庫に収容することの意味は、貸し出し図書を集約させるという意味であり、入庫に際し、登録図書情報で予約図書と指定された図書32であって、閉架図書も含まれる。要するに、恒常的に書庫に保管される図書32とは別個に取り扱うことにより、情報の混乱を避ける効果がある。
【0078】
また、上記コンテナマスタは、コンテナ番号毎に構成され、保管区分(グループ)を表わすグループ識別コード、コンテナ12のサイズを表わすコンテナ種別コード、収容図書32のサイズを表わす図書サイズ識別コード、コンテナ12の図書充填率、コンテナ12に収容されている全図書32の図書コードで構成される。
【0079】
コンテナ番号は、全てのコンテナ12に対して一連番号として付けられる固有の番号であり、バーコード標記され前記バーコードラベル12cとしてコンテナ12の本体側面に貼り付けられる。このコンテナ番号が、コンテナ排出部20bに設置されたバーコードリーダ36によって読み取られることにより、書庫から取り出されたコンテナ12の到着を検知することができる。
【0080】
さらに、ロケーションマスタは、書庫内の書棚11a〜11fの場所を数値符号で示すロケーション(通常、書庫内の一番手前の場所を01列01連01段と表現し、最奥の場所は書棚11a〜11fの規模に応じて付される)、そのロケーションが付された書庫内書棚11a〜11fの棚領域区分コード(領域の大きさ区分)、そこに保管されているコンテナ12のコンテナ番号、それに連係されたコンテナ種別コードで構成される。
【0081】
ロケーションマスタでロケーションを検索すると、そこに格納されているコンテナ12のコンテナ番号と、そのコンテナ12の種別とがわかり、コンテナ種類毎の入庫ロケーション割り付けに効果的である。
【0082】
上記のような構成となされた図書保管管理システムにおいて、以下、その動作について詳細に説明する。まず、図10は、図書館システムサーバ40が作成した登録図書情報を書庫システムサーバ41で図書マスタに記憶させる処理動作をまとめたフローチャートを示している。
【0083】
まず、処理が開始(ステップS10a)されると、図書館システムサーバ40は、ステップS10bで、新たに書庫に保管する図書32毎に、図書コード、書誌データ及び保管区分を指定するグループ指定コードからなる登録図書情報の作成処理を実行する。
【0084】
そして、図書館システムサーバ40は、ステップS10cで、保管する図書32が固定図書であるか否かを判別し、固定図書であると判断された場合(YES)、ステップS10dで、グループ指定コードを‘10’に設定する。
【0085】
その後、図書館システムサーバ40は、ステップS10eで、その図書32を、その図書32と同一シリーズの既に登録されている図書32に追加するか否かを判別し、追加すると判断された場合(YES)、ステップS10fで、保管履歴のある図書32の図書コード及び書名をメモして、図書32に添付する。この添付処理としてはいろいろな方法が考えられ、例えば、既に保管されている図書32の情報を登録図書情報にデータとして添えることや、新聞や雑誌等の場合は、その図書コードを一覧表として書庫に保持しておくようにすることも可能である。
【0086】
また、上記ステップS10eで追加しないと判断された場合(NO)、図書館システムサーバ40は、ステップS10gで、その図書32に、新シリーズであることのメモを添付する。
【0087】
一方、上記ステップS10cで、保管する図書32が固定図書でないと判断された場合(NO)、図書館システムサーバ40は、ステップS10hで、保管する図書32が予約図書であるか否かを判別し、予約図書であると判断された場合(YES)、ステップS10iで、グループ指定コードを‘90’に設定し、予約図書でないと判断された場合(NO)、ステップS10jで、グループ指定コードを‘00’に設定する。
【0088】
そして、上記ステップS10f,S10g,S10iまたはS10jの後、図書館システムサーバ40は、ステップS10kで、作成した登録図書情報を、随時、書庫システムサーバ41に伝送する。これにより、書庫システムサーバ41が、ステップS10lで、登録図書情報を図書マスタに記憶し、処理が終了(ステップS10m)される。
【0089】
次に、図11(a),(b)は、通常図書の入庫動作、つまり、通常入庫処理をまとめたフローチャートを示している。なお、初めて書庫に保管する図書32は、ステーション20または22に送付され、保管形態指示を基にした登録入庫作業が行なわれる。また、入庫する図書32は、保管形態別、サイズ別に仕分けされて、それらの量を図書サイズ毎に測定されている。
【0090】
まず、処理が開始(ステップS11a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。そして、図書館員が、ステップS11bで、処理選択画面上で「通常入庫」の項目をタッチすると、図16(b)に示すような通常入庫/予約入庫設定画面が表示される。
【0091】
この通常入庫/予約入庫設定画面では、「通常入庫」の項目が選択されていることをハッチングによって示している。この通常入庫/予約入庫設定画面で「予約入庫」の項目をタッチすることにより、後述する予約図書の入庫処理も可能となる。図16(b)に示す通常入庫/予約入庫設定画面では、通常入庫→予約入庫→通常入庫の順に設定が切り替えられた状態を示している。
【0092】
そして、図書館員は、ステップS11cで、通常入庫/予約入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。図16(b)に示す通常入庫/予約入庫設定画面では、「通常入庫」で、図書サイズが「A4」で、図書の量が「30cm」とした、No.3の設定状態を示している。
【0093】
なお、通常入庫/予約入庫設定画面の図書の量にある「キー入力」の項目は、選択項目にない詳細な数値入力を行なう場合に使用するもので、タッチすると、例えば図17(a)に示すようなテンキーが通常入庫/予約入庫設定画面上に表示される。そして、このテンキーを、例えば、「1」、「2」、「0」、「E(enter)」とタッチすることにより、図書の量を120cmに設定することができ、これに伴なって、画面窓枠内にあるNo.1の設定状態のように、コンテナ数が2と表示される。
【0094】
なお、No.3の設定状態を例にすると、コンテナ数は、以下の制御の結果として決定され表示される。すなわち、ステーション端末機42は、通常入庫であるためグループ識別コード‘00’、図書サイズ「A4」、図書の量「30cm」とした入庫設定情報を、書庫システムサーバ41に送信する。
【0095】
すると、書庫システムサーバ41では、図9に示した設定テーブルから、図書サイズ識別コード“BA4”に対応するコンテナ種別コード“CLL”が決定される。そして、書庫システムサーバ41は、コンテナマスタの該当するコンテナ種別コード及びグループ識別コードを有するコンテナ12の中から、入庫設定情報の図書の量「30cm」と充填率(空きスペース量)とを照合してコンテナ12の選択を行なう。
【0096】
最も大きい空きスペースが30cm(コンテナ12の長さが60cmの場合は、充填率=0.5に相当する)より小さいコンテナ12のみが存在するときは、最も空きスペースの大きいコンテナ12と、そのコンテナ12に収容した後の残りの図書の量が最も見合う空きスペースのコンテナ12とが選択される。
【0097】
また、30cmよりも大きい空きスペースがあるときは、その中で30cmに近い空きスペースのコンテナ12を選択する。この例では、30cm以上の空きスペースのあるコンテナ12が存在したため、または、空のコンテナ12を選択したので、コンテナ数が1となっている。
【0098】
書庫システムサーバ41は、決定されたコンテナ番号とコンテナ種別コードとグループ識別コードと図書サイズ識別コードとをステーション端末機42に送信し、ステーション端末機42は、これらの各データを入庫コンテナ情報として記憶し、コンテナ数を表示させる。
【0099】
空コンテナでない空きスペースコンテナの選択は、予約図書入庫時はグループ識別コード‘90’のコンテナ12の中から行ない、固定図書入庫時はグループ識別コード‘10’のコンテナ12の中から行ない、VTRのテープカセット入庫時はグループ識別コード‘20’のコンテナ12の中から行ない、CD入庫時はグループ識別コード‘30’のコンテナ12の中から行ない、空コンテナ12を選択するときはグループ識別コード‘00’のコンテナ12の中から行なうことになる。
【0100】
以上のようにしてコンテナ数が表示されると、図書館員は、通常入庫/予約入庫設定画面上で「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS11dで、グループ識別コード‘00’のコンテナ12の中から、既に決定されているコンテナ番号のコンテナ12がステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図18(a)に示すような通常入庫処理画面に切り替わる。
【0101】
この場合、書庫システムサーバ41は、ロケーションマスタにて、そのコンテナ番号のコンテナ12を格納しているロケーションを検索し、統括制御盤43に送信する。これにより、以下、スタッカークレーン地上盤47を経由してスタッカークレーン制御盤50、垂直搬送機制御盤46、入出庫搬送機制御盤45、ステーション搬送機制御盤44にて各種の搬送機器を制御し、該当ロケーションの書庫に保管されているコンテナ12をステーション20または22まで搬送する。
【0102】
ロケーションマスタの、このコンテナ12が保管されていたロケーションのコンテナ番号、コンテナ種別コードを消去する。
【0103】
書庫から出庫したコンテナ12がステーション20または22に到着すると、ステーション端末機42はバーコードリーダ36でコンテナ番号を読み取り、入庫コンテナ情報の中のコンテナ番号と照合することにより、どの設定により出庫されたコンテナ12であるかを特定する。その結果、ステーション20または22に保持されたコンテナ12が、図16(b)に示した通常入庫/予約入庫設定画面のNo.3の設定により選択されたコンテナであり、図18(a)に示す通常入庫処理画面は、その設定内容を反映したものとなる。
【0104】
ステップS11dの後、図書館員は、ステップS11eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図18(a)に示す通常入庫処理画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0105】
その後、ステップS11fで、その図書コードが既に図書マスタにある図書コードであるか否かが判別され、図書マスタにある図書コードでないと判断された場合(NO)、ステップS11gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であるか否かを判別する。
【0106】
このステップS11gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であると判断された場合(YES)、または、上記ステップS11fで、図書コードが既に図書マスタにあると判断された場合(YES)、ステップS11hで、登録図書情報の書誌データまたは既にある図書マスタの書誌データが、図18(a)に示す通常入庫処理画面上に表示させる。
【0107】
なお、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’である場合には、通常入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。読み込んだ図書コードが既に図書マスタにある場合には、「新登録図書です」のメッセージは表示されない。
【0108】
ステーション端末機42は、図書コードと、そのコンテナ12に係わる入庫コンテナ情報(コンテナ番号、コンテナ種別コード、グループ識別コード、図書サイズ識別コード)とを、書庫システムサーバ41に送信する。
【0109】
書庫システムサーバ41は、コンテナマスタの該当コンテナ番号の記憶エリアに図書コードを記憶する。また、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成し、コンテナ番号をその‘保管コンテナ番号’に記憶する。
【0110】
その後、図書館員は、ステップS11iで、図書32をコンテナ12に収納し、ステップS11jで、そのコンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS11eの処理に戻される。
【0111】
また、上記ステップS11jで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図18(a)に示す通常入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS11kで、コンテナ12が書庫に入庫され、処理が終了(ステップS11l)される。
【0112】
なお、上記ステップS11gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’でないと判断された場合(NO)には、ステップS11mで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS11jの処理に移行される。
【0113】
ステップS11kにおける入庫処理は、ステーション端末機42から、入庫コンテナ情報の付された入庫指令が、書庫システムサーバ41に伝送されることにより実行される。書庫システムサーバ41では、図9に示した設定テーブルから、コンテナ種別コードに対応する棚領域区分コードが決定され、ロケーションマスタにて該当棚領域でコンテナが格納されていないロケーションが決定される。決定されたロケーションに入庫コンテナ情報のコンテナ番号及びコンテナ種別コードが記憶される。
【0114】
そして、書庫システムサーバ41は、ステーション20または22のコンテナ12を、書庫のそのロケーションに格納する命令を統括制御盤43に伝送する。これにより、スタッカークレーン制御盤50、垂直搬送機制御盤46、入出庫搬送機制御盤45、ステーション搬送機制御盤44にて各種の搬送機器が制御され、コンテナ12が書庫の該当ロケーションに格納される。
【0115】
また、入庫用の搬送経路上にある図書充填率検出器38により、コンテナ12内の図書の量(空きスペース)を検出し、充填率に変換して、コンテナマスタの充填率を更新する。例えば、充填率50%のコンテナ12を引き当て、30cm(50%に相当する)の量の図書32を入庫したとすると、充填率は50→100に書き替えられる。
【0116】
その後、書庫システムサーバ41は、書庫へのコンテナ12の格納完了を待って、そのコンテナ12に収容された図書コードの登録格納完了を一括して図書館システムサーバ40に報告する。
【0117】
次に、図12(a),(b)は、予約図書の入庫動作、つまり、予約入庫処理をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS12a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。そして、図書館員が、ステップS12bで、処理選択画面上で「予約入庫」の項目をタッチすると、図16(b)に示すような通常入庫/予約入庫設定画面が表示される。
【0118】
そして、図書館員は、ステップS12cで、通常入庫/予約入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。通常入庫/予約入庫設定画面上でコンテナ数が表示されると、図書館員は、「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS12dで、グループ識別コード‘90’のコンテナ12の中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図18(b)に示すような予約入庫処理画面に切り替わる。
【0119】
その後、図書館員は、ステップS12eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図18(b)に示す予約入庫処理画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0120】
その後、ステップS12fで、その図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘90’であるか否かが判別される。そして、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘90’であると判断された場合(YES)、ステップS12gで、登録図書情報の書誌データが、図18(b)に示す予約入庫処理画面上に表示される。また、予約入庫処理画面上に「予約図書です」のメッセージが表示される。
【0121】
書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから予約図書マスタを作成する。予約図書は、開架図書の場合もあるので、書庫の図書マスタとは別個のマスタとしている。
【0122】
その後、図書館員は、ステップS12hで、予約図書とされた図書32をコンテナ12に収納し、ステップS12iで、空コンテナ12に収納したか否かを判別する。この判別は、図書コードが読み取られ、図書コード及び書誌データが画面表示されたとき、この図書32が空のコンテナ12であったかを判断する。当該のコンテナマスタのグループ識別コードが‘00’であることから判断される。また、この場合は、図書コードが全くないことになっている。
【0123】
ステップS12iで、空コンテナ12に収納したと判断された場合(YES)、ステップS12jで、コンテナマスタのグループ識別コードを‘90’とする。そして、ステップS12jの後、または、上記ステップS12iで、空コンテナ12に収納しないと判断された場合(NO)、ステップS12kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS12eの処理に戻される。
【0124】
また、上記ステップS12kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図18(b)に示す予約入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS12lで、コンテナ12が書庫に入庫され、処理が終了(ステップS12m)される。この場合も、入庫用の搬送経路上にある図書充填率検出器38により、コンテナ12内の充填率が検出されて、コンテナマスタの充填率が更新される。
【0125】
なお、上記ステップS12fで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘90’でないと判断された場合(NO)には、ステップS12nで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS12kの処理に移行される。
【0126】
予約図書は、コンテナ種別を最大のコンテナとする手法もある。そうすることにより、入出庫効率が向上する利点がある。予約図書の総量はそれほど多くないため、保管効率の劣化は少なく抑えられる。
【0127】
予約図書に関しては、それまでの管理形態が一時的に解除され、各管理形態で管理されていた図書32が集約されてコンテナ12に収容されることになる。
【0128】
次に、図13(a),(b)は、固定新規図書及び固定追加図書の登録入庫動作をまとめたフローチャートを示している。まず、固定新規図書の登録入庫について説明する。処理が開始(ステップS13a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0129】
そして、図書館員は、ステップS13bで、処理選択画面上で「固定入庫」の項目をタッチし、図16(c)に示すような新規固定入庫設定画面を表示させ、その新規固定入庫設定画面上で「新規」の項目をタッチする。
【0130】
そして、図書館員は、ステップS13cで、新規固定入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。シリーズが異なる毎に、サイズ及び図書の量の入力を繰り返すことにより、複数のシリーズ向けの設定が可能となる。
【0131】
図16(c)に示す新規固定入庫設定画面は、「新規」で、図書サイズが「A4」で、図書の量が「30cm」としたNo.2の設定状態で、「要求」の項目をタッチした例を示している。この場合、図書の量は、このシリーズの未収容分まで想定したスペースを確保する判断をして設定してスペースの予約をする。なお、固定図書グループのコンテナ12に対しては、充填率検出は行なわれない。
【0132】
その後、図書館員は、新規固定入庫設定画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS13dで、コンテナマスタのグループ識別コードが‘10’であるコンテナの中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図18(c)に示すような新規固定入庫画面に切り替わる。
【0133】
その後、図書館員は、ステップS13eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図18(c)に示す新規固定入庫画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0134】
その後、ステップS13fで、その図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であるか否かが判別される。そして、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であると判断された場合(YES)、ステップS13gで、登録図書情報の書誌データが、図18(c)に示す新規固定入庫画面上に表示される。また、新規固定入庫画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成する。
【0135】
そして、図書館員は、ステップS13hで、新規登録図書とされた図書32をコンテナ12に収納し、ステップS13iで、空コンテナ12に収納したか否かを判別する。この判別は、図書コードが読み取られ、図書コード及び書誌データが画面表示されたとき、この図書32が空のコンテナ12であったかを判断する。当該のコンテナマスタのグループ識別コードが‘00’であることから判断される。また、この場合は、図書コードが全くないことになっている。
【0136】
ステップS13iで、空コンテナ12に収納したと判断された場合(YES)、ステップS13jで、コンテナマスタのグループ識別コードを‘10’とする。そして、ステップS13jの後、または、上記ステップS13iで、空コンテナ12に収納しないと判断された場合(NO)、ステップS13kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS13eの処理に戻される。
【0137】
また、上記ステップS13kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS13lで、図書の量を拡張するか否か、つまり、収容したシリーズ図書の占有スペースを設定し直すか否かを判断する。全冊収容したとき、ステップS13cで入力した図書の量(新規固定入庫設定画面では設定した値として「30cm」の項目がハッチングされている)に代えて、新規固定入庫画面の下部で図書の量の再設定ができる。
【0138】
そして、ステップS13lで、図書の量を拡張すると判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS13mで、図18(c)に示す新規固定入庫画面で図書の量の再設定を行なう。このとき、コンテナ12内に他のシリーズ図書が既に存在するときは、そのシリーズで設定したスペースの残りスペースのみが許可される。
【0139】
このステップS13mの後、または、上記ステップS13lで、図書の量を拡張しないと判断された場合(NO)、図書館員が、ステップS13nで、図18(c)に示す新規固定入庫画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチすることにより、コンテナ12が書庫に入庫されて、処理が終了(ステップS13o)される。この場合、図書充填率の検出は行なわれない。
【0140】
なお、上記ステップS13fで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’でないと判断された場合(NO)には、ステップS13pで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS13kの処理に移行される。
【0141】
次に、固定追加図書の登録入庫について説明する。処理が開始(ステップS13q)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0142】
そして、図書館員は、ステップS13rで、処理選択画面上で「固定入庫」の項目をタッチし、図16(c)に示すような新規固定入庫設定画面を表示させ、その新規固定入庫設定画面上で「追加」の項目をタッチする。すると、図17(a)に示すような追加固定入庫画面が表示される。
【0143】
そして、図書館員は、ステップS13sで、図書32に追加されているメモにある図書コードを追加固定入庫画面のテンキーにて入力し、「要求」の項目をタッチする。この図書コードは既に図書マスタにあるので、書誌データを検索し、追加固定入庫画面の窓内に表示される。他に異なるシリーズ図書が存在する場合には、他の図書コードを入力する。
【0144】
その後、図書館員は、追加固定入庫画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS13tで、入力した図書コードからコンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図19(a)に示すような追加固定入庫処理画面に切り替わる。この追加固定入庫処理画面において、先に入力した図書コード及び書誌データが表示され、このコンテナ12に収容すべき図書32を確認する。
【0145】
その後、図書館員が、ステップS13eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取ると、ステップS13fで、その図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であるか否かが判別される。
【0146】
そして、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であると判断された場合(YES)、ステップS13gで、登録図書情報の書誌データが、図19(a)に示す追加固定入庫処理画面上に表示される。また、追加固定入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成する。以後の処理動作は、固定新規図書の登録入庫と同様である。
【0147】
次に、図14は、固定図書の入庫(返却)動作、つまり、固定入庫処理をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS14a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0148】
そして、図書館員は、ステップS14bで、処理選択画面上で「固定入庫」の項目をタッチし、図16(c)に示すような新規固定入庫設定画面を表示させ、その新規固定入庫設定画面上で「入庫」の項目をタッチする。すると、図17(b)に示すような固定入庫設定画面が表示される。
【0149】
そして、図書館員は、ステップS14cで、バーコードリーダ35により返却図書の図書コードを読み取り、固定入庫設定画面上で「要求」の項目をタッチする。すると、図書マスタが検索されて書誌データが表示される。明らかに同一シリーズの図書以外の図書の図書コードを続けて読み取ることにより、複数のシリーズの入庫設定ができる。
【0150】
その後、図書館員は、固定入庫設定画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS14dで、図書マスタの履歴コンテナ番号にあるコンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図19(b)に示すような固定入庫処理画面に切り替わる。この固定入庫処理画面において、先に入力した図書コード及び書誌データが表示され、このコンテナ12に収容すべき図書32を確認する。
【0151】
そして、図書館員は、ステップS14eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。
【0152】
その後、ステップS14fで、読み取った図書コードの属する図書マスタの履歴コンテナ番号と、出庫されたコンテナ12のコンテナ番号とが一致するか否かが判別される。そして、一致すると判断された場合(YES)、ステップS14gで、図書マスタの書誌データが、図19(b)に示す固定入庫処理画面上に表示される。固定入庫処理画面上の図書コードは、一旦消えた後に再び表示される。なお、固定入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージは表示されない。
【0153】
そして、図書館員は、ステップS14hで、書誌データの表示された図書32をコンテナ12に収納し、ステップS14iで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS14eの処理に戻される。
【0154】
また、上記ステップS14iで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS14jで、図書の量を拡張するか否か、つまり、収容したシリーズ図書の占有スペースを設定し直すか否かを判断する。
【0155】
そして、ステップS14jで、図書の量を拡張すると判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS14kで、図19(b)に示す固定入庫処理画面で図書の量の再設定を行なう。
【0156】
このステップS14kの後、または、上記ステップS14jで、図書の量を拡張しないと判断された場合(NO)、図書館員が、ステップS14lで、図19(b)に示す固定入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチすることにより、コンテナ12が書庫に入庫されて、処理が終了(ステップS14m)される。
【0157】
なお、上記ステップS14fで、一致しないと判断された場合(NO)には、ステップS14nで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS14iの処理に移行される。
【0158】
次に、図15(a),(b)は、形状が規格化された特定図書の入庫動作、つまり、特定入庫処理をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS15a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0159】
そして、図書館員は、ステップS15bで、処理選択画面上で「特定入庫」の項目をタッチし、図17(c)に示すような特定入庫設定画面を表示させ、ステップS15cで、その特定入庫設定画面上で「VTR」または「CD」の項目をタッチする。図17(c)では「CD」の項目が選択された状態をハッチングで示している。
【0160】
また、図書館員は、特定入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。なお、この特定入庫設定画面で、最初にVTR入庫を設定した後、CD入庫の設定に変更することができる。図17(c)では、VTR入庫→CD入庫と順に設定されたことを示している。
【0161】
なお、図書サイズは、CD入庫ではA5、VTR入庫ではB5と固定しても良いし、別途にサイズ指定しても良い。
【0162】
その後、図書館員は、特定入庫設定画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS15dで、VTRを入庫するときは、コンテナマスタのグループ識別コードが‘20’であるコンテナの中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索され、CDを入庫するときは、コンテナマスタのグループ識別コードが‘30’であるコンテナの中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索されて、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図19(c)に示すような特定入庫処理画面に切り替わる。
【0163】
その後、図書館員は、ステップS15eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図19(c)に示す特定入庫処理画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0164】
その後、ステップS15fで、その図書コードが既に図書マスタにある図書コードであるか否かが判別され、図書マスタにある図書コードでないと判断された場合(NO)、ステップS15gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であるか否かを判別する。
【0165】
このステップS15gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であると判断された場合(YES)、または、上記ステップS15fで、図書コードが既に図書マスタにあると判断された場合(YES)、ステップS15hで、登録図書情報の書誌データが、図19(c)に示す特定入庫処理画面上に表示される。
【0166】
なお、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’である場合には、特定入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。既に登録されている図書は返却入庫であるので、「新登録図書です」のメッセージは表示されない。書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成する。
【0167】
そして、図書館員は、ステップS15iで、新登録図書とされた図書32をコンテナ12に収納し、ステップS15jで、空コンテナ12に収納したか否かを判別する。この判別は、図書コードが読み取られ、図書コード及び書誌データが画面表示されたとき、この図書32が空のコンテナ12であったかを判断する。当該のコンテナマスタのグループ識別コードが‘00’であることから判断される。また、この場合は、図書コードが全くないことになっている。
【0168】
ステップS15jで、空コンテナ12に収納したと判断された場合(YES)、ステップS15kで、コンテナマスタのグループ識別コードを‘20’または‘30’とする。そして、ステップS15kの後、または、上記ステップS15jで、空コンテナ12に収納しないと判断された場合(NO)、ステップS15lで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS15eの処理に戻される。
【0169】
また、上記ステップS15lで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図19(c)に示す特定入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS15mで、コンテナ12が書庫に入庫され、処理が終了(ステップS15n)される。この場合も、入庫用の搬送経路上にある図書充填率検出器38により、コンテナ12内の充填率が検出されて、コンテナマスタの充填率が更新される。
【0170】
なお、上記ステップS15gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’でないと判断された場合(NO)には、ステップS15oで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS15lの処理に移行される。
【0171】
上記した実施の形態によれば、通常図書についてサイズ別フリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の固定図書、予約図書、特定図書等に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することができるようになる。
【0172】
具体的には、コンテナ12を複数の用途にグループ分けし、書庫システムサーバ41のコンテナマスタファイルにグループ識別コードを付加する。空のコンテナ12は、予め共通するグループ識別コード(実施の形態ではフリーロケーション用コンテナコードの‘00’としている)を付け、空きコンテナの検索はこのグループのコンテナを選択する。
【0173】
空のコンテナ12に図書32を収容したとき、そのコンテナ12に付されたグループ識別コードと、収容した図書32のグループ名とが異なるときは、その図書32の属するグループに対応したグループ識別コードを付ける。なお、空コンテナには、グループ識別コードの一切を付けないようにしておいても良い。
【0174】
固定扱いの図書32で始めて書庫に収容する図書は、図書館システムサーバ41から伝送される図書コード及び書誌データを含む登録図書情報に、固定入庫図書の意味を符号化されて付加される。既に入庫されている図書と同じコンテナに収容すべき図書は、既に入庫されている図書の図書コードを書いたメモ付きで書庫に渡される。
【0175】
返却は、図書コードをバーコードリーダ35で読み取ることにより、以前収納していたコンテナが出庫される。特定図書は、実際にはCD、VTR類であり、目視での判断基準が明らかであるから、使用者の選択操作による。予約図書は、全図書に、登録図書情報に予約図書の意味を符号化されて付加される。既に書庫に保管された履歴の有無は判断しない。
【0176】
図書入庫に際し、ステーション20または22でのグループ選択操作でグループ名を指示することにより、対応するグループ名のコンテナを選択する制御を行ない、ステーション20または22にコンテナ12を出庫する。空のコンテナ12の場合には、最初の図書登録がされたとき、その図書の属するグループ識別コードが付けられる。
【0177】
入庫する図書の図書コードを読み取ってコンテナに収容することにより、これらの図書コードは、コンテナ番号毎にコンテナマスタに記憶される。図書をグループ違いのコンテナに収容するとアラームを発生させる。コンテナから最後の図書が取り出されたとき、そのコンテナのグループ識別コードは、空のコンテナに付けられると定められたグループ識別コードに変えられる。
【0178】
図書マスタには、現在保管されているコンテナのコンテナ番号と、その前に保管されていたコンテナのコンテナ番号とがあるが、グループ識別コードはない。ある図書の属するグループは、コンテナマスタにアクセスして知り得る。サイズ別保管とするときは、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コードの両方を持つ。
【0179】
固定ロケーション及び特定図書フリーロケーションの両グループから、通常図書フリーロケーショングループへの移行は、図書館システムサーバ40の業務とする。通常図書フリーロケーショングループから他のグループへの移行は、書庫システムサーバ41の業務とする。すなわち、入庫作業者の判断でできる。
【0180】
固定図書を収容したコンテナ12は、設定した図書の量にて収容スペースを予約すると、この値を記憶し、計測充填率は適用しない。コンテナ収容時にも、保管している図書の量を量って再設定ができる。
【0181】
図書を入庫するコンテナは、図書の属するグループ識別コードを指定するとともに、入庫する図書の量を入力して選択する。
【0182】
コンテナに対するグループ識別コードの設定は、グループ識別コードを指定して出庫されたコンテナが空コンテナの場合、最初に収容される図書の図書コードが入力された時点でなされる。グループ識別コードの解除は、取り出した図書コードの入力で、コンテナが空になった時点でなされる。空になると‘00’とする。
【0183】
固定入庫操作時、コンテナの空きスペース予約処理ができる。実際の充填率は検出値を使用しない。空きスペースが使われないようにする処理で、これが行なわれていないと、出庫したとき空きが発生したとみなされ別の図書が入庫されることがあるため、このようなことを排除している。
【0184】
フリーロケーショングループから他のグループへの移行は書庫システムサーバ41の業務として実行できる。逆に、固定図書のフリーロケーショングループへの移行は禁止するようにしてもよい。
【0185】
また、上記した実施の形態では、ステーションにおいて、管理形態に応じた複数のグループ分けを行なうことにより、その入出庫処理を同一のステーションで行なうことを可能としているが、図書館には、他のグループとは入出庫処理を隔絶して行なう必要のあるグループの図書、例えば、貴重な図書や資料(以下、貴重図書という)も所蔵されている。
【0186】
これらの貴重図書のうち、最重要図書は展示室でのみ展示されるとしても、館内に限って貸し出しされる貴重図書もあり、この種の貴重図書の収納場所として書棚を使用することが考えられる。
【0187】
この場合、図書コードとコンテナ番号とを固定化することに加えて、防塵、防湿対策を施した特殊なコンテナを使用することもあり、グループ識別コードとコンテナ番号と書棚のロケーションとを固定化し、さらに、他のグループとの入出庫処理を隔絶するために、処理選択を特定のグループのみに特化したステーションを設けて入出庫処理を実施することができる。
【0188】
さらに、複数の棚領域を図書の寸法別に分類された複数の棚領域とすることもできる。固定新規入庫、特定図書でも、サイズ指定を可能にする。なお、特定図書がVTRやCDのようにサイズ規格されたものでは、サイズ指定は不要とできる。予約図書は、サイズ区分しないで、全てA4のコンテナに収容するようにしても良い。
【0189】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。上記した実施の形態では、各図書を識別するための情報をバーコードラベルに記載して図書に付加することについて説明したが、近年では、ICタグ(RFID)の普及により、図書識別情報をバーコードラベルに代えてICタグに格納させて各図書に付加することが考えられている。
【0190】
ところで、図書識別情報の記録媒体をバーコードラベルからICタグに変更することを考えた場合、当然のことながら、図書館内に所蔵されている膨大な数の図書を一挙にICタグに変更するわけにはいかないため、順次変更していくことになる。すなわち、バーコードラベルとICタグとが併用される期間が発生することになる。
【0191】
このため、このバーコードラベルとICタグとの併用期間において、図書館の運用が通常業務に支障なく行なえるように工夫を施すことが肝要なこととなる。そして、その結果として、バーコードラベルからICタグへの変更が円滑に促進されていくようにすることが望ましいものである。
【0192】
そこで、以下に説明する実施の形態では、既にバーコードラベルが付加されている各図書に、それぞれ、その図書の識別情報を格納したICタグを順次付加していくことを考える。
【0193】
そして、図書館システムサーバ40は、図書が書庫に入庫される毎に、図20に示すように、その図書の識別情報を記録した媒体の種類、つまり、その図書がバーコードラベルで管理される図書かICタグで管理される図書かを識別するための図書管理識別コードを含めた登録図書情報を作成する。この図書管理識別コードは、図21に示すように、バーコードラベルで管理される図書を‘00’、ICタグで管理される図書を‘10’として指定している。
【0194】
また、書庫システムサーバ41は、図書館システムサーバ40から供給された登録図書情報(図書管理識別コードを含む)に基づいて、コンテナマスタにも、図22に示すように、図書管理識別コードを付加する。
【0195】
これにより、コンテナ12が、バーコードラベルで管理される図書を収容するものと、ICタグで管理される図書を収容するものとに分類される。つまり、図書が書庫に入庫される毎に、バーコードラベルで管理される図書とICタグで管理される図書とが、それぞれ異なるコンテナ12に分類されて収納されるようになる。
【0196】
さらに、各ステーション20,22には、図書に付加されたICタグから図書管理識別コードを読み取るために、ステーション端末機42に接続されたICタグリーダが設けられている。
【0197】
図23及び図24は、バーコードラベルで管理される図書とICタグで管理される図書とが混在している期間における、通常図書の入庫動作、つまり、通常入庫処理をまとめたフローチャートを示している。
【0198】
まず、処理が開始(ステップS23a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図25(a)に示すような処理選択画面を表示させる。そして、図書館員が、ステップS23bで、処理選択画面上で「通常入庫」の項目をタッチすると、図25(b)に示すような通常入庫/予約入庫設定画面が表示される。
【0199】
この通常入庫/予約入庫設定画面では、図書のサイズと図書の量とを設定する項目の他に、その図書がバーコードラベルによる管理かICタグによる管理かを示す図書の管理形態を設定する項目が表示されている。そして、図書館員は、ステップS23cで、通常入庫/予約入庫設定画面上で図書サイズと図書の量と図書の管理形態とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。
【0200】
図25(b)に示す通常入庫/予約入庫設定画面では、「通常入庫」で、図書サイズが「A4」で、図書の量が「30cm」で、図書管理形態が「ICタグ」とした、No.3の設定状態を示している。この設定状態では、図書サイズ「A4」の項目、図書の量「30cm」の項目、図書管理形態「ICタグ」の項目が、それぞれハッチングで示すように、他の項目と異なる形態で表示されている。
【0201】
そして、このNo.3の設定状態では、通常入庫/予約入庫設定画面の窓枠内に示すように、コンテナ数が1と表示される。このようにしてコンテナ数が表示されると、図書館員は、通常入庫/予約入庫設定画面上で「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS23dで、グループ識別コードが‘00’(通常図書)で図書管理識別コードが‘10’(ICタグ)のコンテナ12の中から、空きスペースに基づいて既に決定されているコンテナ12が、ステーション20または22に搬送される。
【0202】
その後、図書館員は、ステップS23eで、ICタグリーダにより入庫する図書32の図書コードを読み取る。このとき、ステップS23fで、ICタグリーダによるICタグからの図書コードの読み取りが行なえたか否かを判別する。
【0203】
そして、ICタグリーダにより図書コードの読み取りが行なえたと判断された場合(YES)、ステップS23gで、その図書コードが既に図書マスタにある図書コードであるか否かが判別され、図書マスタにある図書コードでないと判断された場合(NO)、ステップS23hで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であるか否かが判別される。
【0204】
このステップS23hで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であると判断された場合(YES)、または、上記ステップS23gで、図書コードが既に図書マスタにあると判断された場合(YES)、ステップS24aで、登録図書情報の書誌データまたは既にある図書マスタの書誌データが、図18(a)に示した通常入庫処理画面上に表示される。
【0205】
その後、図書館員は、ステップS24bで、図書32をコンテナ12に収納し、ステップS24cで、その図書32がICタグリーダで図書コードの読み取られた図書であるか否かを判別する。そして、ICタグリーダで図書コードの読み取られた図書でないと判断された場合(NO)には、ステップS24dで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示される。この場合は、図書32のコンテナ12への収納を取りやめる。
【0206】
このステップS24dの後、または、上記ステップS24cでICタグリーダで図書コードの読み取られた図書であると判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS24eで、そのコンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS23eの処理に戻される。
【0207】
また、上記ステップS24eで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図18(a)に示した通常入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS24fで、コンテナ12が書庫に入庫され(このときコンテナマスタの充填率が更新)、処理が終了(ステップS24g)される。
【0208】
図23及び図24に示した図書の入庫動作が行なわれることにより、図書が書庫に入庫される毎に、バーコードラベルで管理される図書とICタグで管理される図書とが、それぞれ異なるコンテナ12に分類されて収納されるようになる。これにより、図書館の運用を通常業務に支障なく行なうことができるとともに、バーコードラベルからICタグへの移行が円滑に促進されていくようになる。
【0209】
なお、各ステーション20,22においては、図書32の入庫時及び出庫時のいずれの場合であっても、入庫対象及び出庫対象となる図書32が、バーコードラベルで管理される図書であるかICタグで管理される図書であるかを図書館員に表示して認識させる機能を有することができる。
【0210】
また、各ステーション20,22においては、図書32の入庫時に、コンテナ12にそのコンテナ12に付された図書管理識別コードと異なる図書管理識別コードの付された図書32を収容しようとした場合、図書コードの読み取り時と、コンテナ12に図書32を収容したことを検知する機能を設けることによりコンテナ12への図書32の収容時との2回、図書館員に収容することができない旨の通知を行なう機能を有することができる。
【0211】
さらに、例えば1階ステーション20をバーコードラベルで管理される図書32の入出庫専用とし、2階ステーション22をICタグで管理される図書32の入出庫専用とするような運用も可能となる。
【0212】
なお、この実施の形態で説明したICタグとバーコードラベル以外の分類として、バーコードラベルの桁数の違いでの分類、OCRを利用するキャラクタコードラベルでの分類等があり、これら媒体の組み合わせは2種類の分類に限定されるものではなく、2種類以上の分類であっても良い。
【0213】
以上、通常入庫処理について説明したが、他の入庫処理についても図書管理識別コードによる管理は同様に行なわれるものである。
【0214】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、図書保管管理システムの全体的な構成を説明するために示す斜視図。
【図2】同実施の形態におけるコンテナの詳細な構成とコンテナに図書を収容した状態とを説明するために示す斜視図。
【図3】同実施の形態における利用者カウンターである1階ステーションを表側から見た状態を説明するために示す斜視図。
【図4】同実施の形態における利用者カウンターである1階ステーションの裏側の構成を説明するために示す平面図。
【図5】同実施の形態における図書保管管理システムの制御システムを説明するために示すブロック構成図。
【図6】同実施の形態における図書館システムサーバから書庫システムサーバに供給される登録図書情報を説明するために示す図。
【図7】同実施の形態におけるグループ指定コードとグループ識別コードとの関係を説明するために示す図。
【図8】同実施の形態における書庫システムサーバに記憶された図書マスタ、予約図書マスタ、コンテナマスタ及びロケーションマスタを説明するために示す図。
【図9】同実施の形態における棚領域区分コード、コンテナ種別コード及び図書サイズ識別コードの関係を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態における登録図書情報を図書マスタに記憶させる処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図11】同実施の形態における通常図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図12】同実施の形態における予約図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図13】同実施の形態における固定新規図書及び固定追加図書の登録入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図14】同実施の形態における固定図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図15】同実施の形態における特定図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図16】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面の一例を説明するために示す図。
【図17】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面の他の例を説明するために示す図。
【図18】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面のさらに他の例を説明するために示す図。
【図19】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面のさらに他の例を説明するために示す図。
【図20】この発明の他の実施の形態を示すもので、図書館システムサーバから書庫システムサーバに供給される登録図書情報を説明するために示す図。
【図21】同他の実施の形態における図書管理形態と図書管理識別コードとの関係を説明するために示す図。
【図22】同他の実施の形態における書庫システムサーバに記憶されたコンテナマスタを説明するために示す図。
【図23】同他の実施の形態における通常図書の入庫処理動作の一部を説明するために示すフローチャート。
【図24】同他の実施の形態における通常図書の入庫処理動作の残部を説明するために示すフローチャート。
【図25】同他の実施の形態における通常入庫処理動作で表示される画面の一例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0216】
11…書棚群、12…コンテナ、13…スタッカークレーン、14…出庫用ラックステーション、15…搬送コンベア、16…コンテナ搬出口、17…1階向コンテナ搬入口、18…2階向コンテナ搬入口、19…搬送コンベア、20…1階ステーション、21…搬送コンベア、22…2階ステーション、23…搬送コンベア、24…1階向コンテナ搬出口、25…搬送コンベア、26…2階向コンテナ搬出口、27…コンテナ搬入口、28…搬送コンベア、29…入庫用ラックステーション、30…回転機構部、31a,31b…回転機構部、32…図書、33…カウンター台、34…操作表示ユニット、35…バーコードリーダ、36…バーコードリーダ、37…図書高さ検出器、38…図書充填率検出器、40…図書館システムサーバ、41…書庫システムサーバ、42…ステーション端末機、43…統括制御盤、44…ステーション搬送機制御盤、45…入出庫搬送機制御盤、46…垂直搬送機制御盤、47…スタッカークレーン地上盤、48…入出庫搬送機、49…垂直搬送機、50…スタッカークレーン制御盤。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば多量の図書を保管する大型図書館等に使用して好適する図書保管管理装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近時、多量の蔵書を有する大規模図書館等にあっては、書庫からの図書の取り出しや書庫への図書の返却に要する作業の能率向上を図るために、自動入出庫システムが導入されてきている。
【0003】
この自動入出庫システムは、利用者が貸し出しを要求した図書を書庫から取り出して利用者カウンターまで搬送するとともに、その図書が貸し出されたことを記録する作業や、図書が返却されたことを記録し、その図書を書庫まで戻して収容位置を記録する作業等を自動化して、図書の取り出し及び返却に要する作業を正確かつ迅速に実行することができるようにしたものである。
【0004】
すなわち、自動入出庫システムにおいては、書庫に保管されている多量の図書の管理を容易にするために、各図書それぞれにバーコードを付している。また、各図書は、複数冊毎にコンテナに収容されており、書庫に対してコンテナ単位で入出庫されるようになされている。
【0005】
そして、図書の取り出しが要求された場合には、その図書の収容されたコンテナが書庫から自動出庫され利用者カウンターまで搬送される。図書館員は、利用者カウンターに搬送されてきたコンテナの中から所望の図書を取り出して利用者に渡し、ここに、図書の貸し出しが行なわれる。
【0006】
また、図書の返却が要求された場合には、その返却図書を収容すべきコンテナが書庫から自動出庫され利用者カウンターに取り出される。図書館員は、利用者カウンターに取り出されたコンテナに返却された図書を入れた後、そのコンテナを書庫の元の位置に入庫させ、ここに、図書の返却が行なわれる。
【0007】
ところで、現在では、多量の図書をそれらの内容には無関係にサイズ(例えばA4版,B5版,A5版,B6版等で、厚さは不問)のみによって分類し、同一コンテナには同一サイズの図書のみを収容するようにして、各サイズの図書が収容されたそれぞれのコンテナを、書庫の異なる棚領域に格納する新規な保管管理システムが開発されている(特許文献1)。
【0008】
この保管管理システムによれば、書庫の各棚領域では、それぞれに収容される図書のサイズに応じて、その図書を効率的に収容することができるように、高さや奥行きを設定することができ、図書の収容効率を効果的に向上させることができるようになる。
【0009】
そして、上記のような新規な保管管理システムでは、複数のコンテナの書庫内における収容位置と、各コンテナに収容された複数の図書の各図書コードとを対応させて記憶しておき、図書の取り出しまたは返却が行なわれる毎にその記憶内容を更新する、いわゆるフリーロケーション方式が採用されている。
【0010】
このフリーロケーション方式によれば、同一サイズの図書ならばそのサイズの図書を収容するためのコンテナ内に空きのある限り任意に収容することができるので、書庫と利用者カウンターとの相互間でコンテナを搬送するための搬送機構の稼動回数を少なくすることができ、自動化による図書の取り出し及び返却作業の能率を効果的に向上させることができる。
【0011】
以上のように、フリーロケーション方式による保管管理は、図書の入出庫の作業能率を向上させる上で大きな効果をもたらしている。しかしながら、例えば新聞・雑誌のバックナンバー及び全集図書等のように、タイトルの同一性や相互の連続性を有する図書や資料等については、一括りにして同じコンテナに収容しておくほうが取り出し及び返却の作業効率を向上させることができる。このため、これらの図書や資料等については、取り出しても常に同じコンテナに固定的に返却する、いわゆる固定ロケーション方式での保管管理形態が適していることになる。
【0012】
また、電子式情報記録媒体であるCD(compact disk),DVD(digital versatile disk)等の光ディスクや、VTR(video tape recorder)のテープカセット等は、規格化された独自のサイズを有するとともに、その機械的強度、塵埃、傷付き等の観点から、図書と混在させて保管するのは好ましくないものである。つまり、光ディスクやテープカセット等は、図書と混在しない保管管理形態を採用することにより、良好な品質保持を図ることができ、また、タイトル視認性の良化により、取り出し及び返却の作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
さらに、現在の図書館では、貸し出し要求が集中する図書を予約する利用者が増加する傾向にある。この場合、予約を受け付けてから、その図書の別保管、または、貸し出し中のときはその図書の待ち受け保管を行ない、利用者に準備完了の連絡をしてから来館するまで、予約図書の滞留日数はかなり長くその保管場所に苦慮している。この解決策としては、予約図書を、開架図書も含めて閉架書庫に一時保管することが求められている。
【0014】
そして、予約利用者に拘束された図書は、通常図書とは隔絶した現物管理、情報管理が求められる。すなわち、予約後の他者への貸し出しの禁止措置や、通常の保管場所から移行しての集約管理等が求められることになる。これらの要求の実現には、閉架書庫管理とは別個の保管管理形態が求められることになる。
【0015】
すなわち、通常図書はフリーロケーション方式で保管管理し、タイトルの同一性や相互の連続性を有する図書や資料等(以下、固定図書という)は固定ロケーション方式で保管管理し、光ディスクやテープカセット等(以下、特定図書という)及び予約図書のように通常図書とは貸し出し管理の異なる図書は、通常図書と混在しないようにコンテナを区分して保管管理する必要がある。
【0016】
また、特定図書や予約図書の返却に際しては、取り出し時と同じ区分のコンテナに収容するという限定的な運用を採用しながらも、大部分を占めるその他の図書の取り出し及び返却に要する作業の能率を低下させることのない保管管理が必要となる。
【0017】
特許文献2には、各物品を固定ロケーション用の物品とフリーロケーション用の物品とに分別して、その分別情報を各物品の識別情報に対応付けて管理することにより、フリーロケーション用の物品は、複数の容器の中から物品を収納する空きスペースのある容器を選択して収容するようにした構成が開示されている。
【0018】
特許文献3には、新規に図書を書庫に保管する際、複数のサイズを有するコンテナの中から最適な収容効率を得られるサイズのコンテナを取り出して収容し、その収容した図書のサイズ情報を該当するコンテナのサイズ情報とすることにより、図書毎にサイズ情報の登録を行なうことを要しなくなり、新規図書の入庫作業の能率を向上させるようにした構成が開示されている。
【特許文献1】特開平7−82915号公報
【特許文献2】特開平11−310308号公報
【特許文献3】特開2004−75267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上に述べたように、特許文献1及び3では、サイズ別フリーロケーション方式に限定した図書の保管管理システムが述べられている。また、特許文献2では、フリーロケーション方式と固定ロケーション方式とを有効に併用して、物品の保管管理を行なうことには言及していない。
【0020】
すなわち、例えば、通常図書はコンテナとフリーに保管し、タイトルに同一性のある図書はコンテナを固定し、特定図書や貸し出し管理の異なる例えば予約図書等は通常図書と混載しないようにコンテナを区分して保管し、また、取り出し後の返却に際しては、取り出し時と同じ区分のコンテナに収容する限定的運用を採用しながら、大部分を占める通常図書の取り出し及び返却に要する作業の能率を低下させることのない図書保管管理装置が要求されることになる。
【0021】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、通常図書についてフリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の特殊な図書に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することができる閉架書庫管理を可能とした図書保管管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明に係る図書保管管理装置は、複数の棚領域を有する書庫と;書庫の各棚領域に格納されるもので、それぞれが複数の図書を収容する複数のコンテナと;コンテナを識別する識別情報と、コンテナの書庫内における収容位置を示す情報と、コンテナを図書の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、コンテナに収容された図書を識別する識別情報とを対応させて記憶する記憶手段と;入庫する図書のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを書庫から取り出してステーションに移送するとともに、その図書が入庫されたコンテナに対する記憶手段の記憶内容を更新する制御手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0023】
上記した構成によれば、入庫する図書のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを書庫から取り出してステーションに移送し、図書を入庫するようにしたので、通常図書についてフリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の特殊な図書に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することが可能となる。これにより、収容する図書の大部分を占める通常図書の取り出し及び返却に要する作業の能率を低下させずに、管理形態の異なる図書を混在させることのない図書保管管理装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する図書保管管理システムの全体的な構成を示している。この図書保管管理システムでは、通常図書についてサイズ別フリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の固定図書、特定図書及び予約図書等の特殊図書については、それらに適した保管管理を適宜採用することができる。
【0025】
すなわち、図1において、符号11は書棚群で、例えば図書館の地階の書庫内に設置されている。この書棚群11は、互いに一定間隔をあけて対向するように設置された複数対(図示の場合は3対)の書棚(11a,11b)、(11c,11d)、(11e,11f)から構成されている。
【0026】
これら各書棚11a〜11fは複数の領域に区分され、それらの領域には、通常図書、固定図書、特定図書及び予約図書のグループに分類した複数の図書(図1では図示せず)が収容された複数のコンテナ12,12,……が収容されるようになっている。
【0027】
ここで、上記書棚11a,11b相互間には、スタッカークレーン13が設置されている。このスタッカークレーン13は、書棚11a,11b相互間に形成された空間内を移動し、いずれかの書棚11aまたは11bから所望のコンテナ12を取り出して出庫用ラックステーション14に移送する。
【0028】
この出庫用ラックステーション14に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア15を介してコンテナ搬出口16に移送された後、垂直搬送機49を介して、1階向コンテナ搬入口17または2階向コンテナ搬入口18まで搬送される。
【0029】
このうち、1階向コンテナ搬入口17に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア19を介して利用者カウンターである1階ステーション20のコンテナ受入部20aに搬送される。また、2階向コンテナ搬入口18に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア21を介して利用者カウンターである2階ステーション22のコンテナ受入部22aに搬送される。
【0030】
一方、1階ステーション20のコンテナ受入部20aに搬送されたコンテナ12は、コンテナ排出部20bに移送され、搬送コンベア23を介して1階向コンテナ搬出口24に搬送される。また、2階ステーション22のコンテナ受入部22aに搬送されたコンテナ12は、コンテナ排出部22bに移送され、搬送コンベア25を介して2階向コンテナ搬出口26に搬送される。
【0031】
そして、1階向コンテナ搬出口24または2階向コンテナ搬出口26に搬送されたコンテナ12は、上記垂直搬送機49により地階のコンテナ搬入口27に移送され、搬送コンベア28を介して入庫用ラックステーション29に移送された後、スタッカークレーン13により書棚11aまたは11bに入庫される。
【0032】
なお、他の書棚11c,11d相互間及び書棚11e,11f相互間にも、それぞれスタッカークレーン(図示せず)が設置されている。そして、上記と略同様の動作により、各書棚11c〜11fと1階または2階ステーション20,22との間で、コンテナ12を搬送することができる。
【0033】
また、上記搬送コンベア15,19,21の経路途中には、搬送されるコンテナ12を180°回転させて向きを変えるための、回転機構部30,31a,31bがそれぞれ設置されている。
【0034】
ここで、図2(a)は、上記コンテナ12の詳細な構成を示している。すなわち、このコンテナ12は、その内部が略直交する仕切り板12a,12bによって、4つのブロックA,B,C,Dに分割されている。
【0035】
そして、各ブロックA,B,C,D内には、図2(b)に示すように、それぞれ複数の図書32,32,……が厚み方向に1列に並んで収容されるようになっている。つまり、コンテナ12内には、ブロックA,Bに収容された図書32,32,……の列と、ブロックC,Dに収容された図書32,32,……の列とが、2列に並んで収容されることになる。
【0036】
この場合、コンテナ12内で2列に並んだ各図書32,32,……同士は、互いにその背表紙32aを外側に向けるようにして収容されている。なお、各コンテナ12には、その側面にそれぞれコンテナ識別のためのバーコードラベル12cが付されている。また、各図書32,32,……にも、それぞれ識別のためのバーコードラベル(図示せず)が付されている。
【0037】
一方、図3は、上記1階ステーション20の詳細な構成を示している。なお、2階ステーション22については、1階ステーション20と同様な構成であるため、その説明を省略する。
【0038】
すなわち、この1階ステーション20には、カウンター台33が設置されている。このカウンター台33の裏側には、前記コンテナ受入部20aとコンテナ排出部20bとが配置されている。そして、搬送コンベア19を介して1階ステーション20に搬送されてきたコンテナ12は、コンテナ受入部20aで受け入れられた後、コンテナ排出部20bに移送されて保持される。
【0039】
また、上記カウンター台33には、コンテナ排出部20bに対応する部分に開口部33aが形成されている。そして、図書館員は、この開口部33aを介することにより、コンテナ排出部20bに保持されたコンテナ12に対して、図書32の取り出しや返却を行なうことができる。
【0040】
この場合、カウンター台33の開口部33aからは、コンテナ12内に厚み方向に2列になって収容されている図書32,32,……のうち、一方側の列の図書32,32,……がそれらの背表紙32aを含めて、外部に露出されることになる。そして、このコンテナ排出部20bに保持されたコンテナ12は、搬送コンベア23を介して1階向コンテナ搬出口24に搬送される。
【0041】
さらに、上記カウンター台33上には、図書館員が図書32,32,……の入出庫に関する種々の操作を行なうとともに、コンテナ排出部20bに保持されたコンテナ12の中から、取り出すべき図書32の図書名や図書番号等を表示するための、入力タッチパネル式の操作表示ユニット34と、図書32に付されたバーコードを読み取るためのバーコードリーダ35とが配設されている。
【0042】
また、図4は、1階ステーション20におけるカウンター台33の裏側の構造を示している。すなわち、前記搬送コンベア19を介して1階ステーション20に搬送されてきたコンテナ12は、1階ステーション20内のステーション搬送機20cを介してコンテナ受入部20aに移送される。
【0043】
そして、コンテナ受入部20aに移送されたコンテナ12は、ステーション搬送機20dを介してコンテナ排出部20bに移送され、図書32の取り出しや返却に供される。この場合、コンテナ12に付されたバーコードラベル12cがコンテナ排出部20bに設置されたバーコードリーダ36によって読み取られる。
【0044】
また、コンテナ排出部20bで図書32の取り出しや返却の終了したコンテナ12は、1階ステーション20内のステーション搬送機20eを介して、1階ステーション20外部の搬送コンベア23に移送され、書棚群11の所定の収容位置に入庫される。
【0045】
ここで、このステーション搬送機20eには、図書高さ検出器37が設置されている。この図書高さ検出器37は、ステーション搬送機29eによって搬送されるコンテナ12に収容された図書32の高さが、所定の高さを越えているか否かを判別するものである。そして、所定の高さを越えていると判断された場合、コンテナ12は、コンテナ排出部20bに戻され、その判別結果が操作表示ユニット34に表示される。
【0046】
また、上記搬送コンベア23の経路途中には、搬送コンベア23によって搬送されるコンテナ12内における図書32の充填率を検出するための図書充填率検出器38が設置されている。この図書充填率検出器38は、通過するコンテナ12内の図書32の在席部分または不在席部分を検知することにより、そのコンテナ12内における図書32の充填率を算出することができる。
【0047】
ここで、この実施の形態で説明する図書保管管理システムは、3種類のサイズのコンテナ12を備えている。そして、通常図書、固定図書、特定図書及び予約図書のグループ毎に、それぞれ多種多様なサイズの図書32を、全て、この3種類のサイズのコンテナ12に分類して収容するようにしている。この場合、書棚群11は、各グループ毎に、3種類のサイズのコンテナ12をそれぞれ収容するための3種類の棚領域に分割されている。
【0048】
図5は、上記のような図書保管管理システムの制御システムを示している。すなわち、図書館システムサーバ(LSS)40は、書棚群11に保管されている閉架保管区分の図書32だけでなく、図示しない開架保管区分の図書をも含めた図書館の全ての図書32を統括管理するものである。
【0049】
この図書館システムサーバ40は、主要な管理として、全図書32の開架,閉架保管区分の管理、通常図書,固定図書,特定図書及び予約図書等のグループ別管理、新規図書32の図書コード登録処理等の業務管理を行なっている。
【0050】
また、この図書館システムサーバ40は、図示しないが、開架図書32の貸し出し返却処理を行なう利用者カウンター端末、開架/閉架図書32を対象とした図書検索端末、閉架図書32の貸し出し要求端末等が接続されて、閉架図書32の貸し出し要求情報を書庫システムサーバ(BSS)41に伝送している。
【0051】
なお、図書館システムサーバ40の内部記憶装置には、図書館内の全図書32の図書マスタが記憶され、新規購入図書32の発注/納品/登録、全蔵書の貸し出し予約、貸し出し/返却情報を管理している。
【0052】
そして、上記書庫システムサーバ41は、図書館システムサーバ40とLAN(local area network)回線で接続され、開架書庫内の図書32の所在位置管理、貸し出し、返却処理の管理を行なっている。貸し出し要求は、図書館システムサーバ40から供給され、貸し出しの作業が終了すると、図書館システムサーバ40に図書貸し出し実績報告を行なっている。また、返却図書32が書庫に戻されると、図書館システムサーバ40に図書返却実績報告を行なっている。
【0053】
また、書庫システムサーバ41の内部記憶装置には、書庫に保管された全図書32の図書コード、書誌データ、各図書32のグループ分類及び保管位置等に関するデータが記憶されている。これらのデータは、図示しない複数の障害対策用ハードディスク、マスタバックアップ管理用DAT、無停電電源装置により保護されている。
【0054】
さらに、書庫システムサーバ41は、書庫内の図書32を取り出し、返却する場所である1階及び2階ステーション20,22にそれぞれ設けられたステーション端末機(STU)42と、書庫内のスタッカークレーン13や各種の搬送機器をコントロールする統括制御盤43とに、LAN回線で接続されている。
【0055】
このうち、1階ステーション20に設置されたステーション端末機42は、1階ステーション20において、前記操作表示ユニット34及びバーコードリーダ35,36をそれぞれ制御している。
【0056】
また、2階ステーション22に設置されたステーション端末機42は、2階ステーション22において、1階ステーション20と同様の図示しない操作表示ユニット及びバーコードリーダをそれぞれ制御している。
【0057】
ここで、操作表示ユニット34は、入庫処理及び出庫処理の選択設定、コンテナ12の種別、図書32のグループ分け情報や内容等を表示し、返却図書32のサイズ情報を設定する入力タッチパネル式の画面を備えている。
【0058】
バーコードリーダ35は、図書32に付されたバーコードラベルを読み取り、その図書32の図書コードを読み取る。バーコードリーダ36は、コンテナ12に付されたバーコードラベル12cを読み取り、そのコンテナ12のコンテナ番号を得る。
【0059】
また、上記統括制御盤43は、ステーション搬送機制御盤44、入出庫搬送機制御盤45、垂直搬送機制御盤46及びスタッカークレーン地上盤47等をそれぞれ統括的に制御している。
【0060】
このうち、ステーション搬送機制御盤44は、1階ステーション20において、ステーション搬送機20c,20d,20e及び図書高さ検出器37をそれぞれ制御している。また、このステーション搬送機制御盤44は、2階ステーション22において、1階ステーション20と同様の図示しないステーション搬送機及び図書高さ検出器をそれぞれ制御している。
【0061】
さらに、上記入出庫搬送機制御盤45は、入出庫搬送機48(前記搬送コンベア15,19,21,23,25,28及び回転機構部30,31a,31bに相当)、図書充填率検出器38等をそれぞれ制御している。また、上記垂直搬送機制御盤46は、前述した垂直搬送機49を制御し、スタッカークレーン地上盤47は、スタッカークレーン制御盤50を介して書庫内におけるスタッカークレーン13を制御している。
【0062】
ここで、書庫システムサーバ41には、図書館システムサーバ40から、書庫に入庫する図書32毎に登録図書情報が供給される。この登録図書情報は、図6に示すように、図書コード、書誌データ及びグループ指定コードで構成されている。このグループ指定コードは、図書32毎の管理区分け(グループ分類)を示す情報である。具体的には、図7に示すように、固定図書を‘10’、予約図書を‘90’、その他の図書を‘00’として指定している。
【0063】
そして、書庫システムサーバ41は、図書館システムサーバ40から供給された登録図書情報に基づいて、基本管理データファイルである4つのマスタを構成し、内部記憶装置に記憶している。これら4つのマスタは、図8(a)〜(d)にそれぞれ示すように、図書マスタ、予約図書マスタ、コンテナマスタ及びロケーションマスタである。
【0064】
まず、各マスタ内のデータ(棚領域区分コード、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コード及びグループ識別コード)について説明する。すなわち、前述したように、書庫内の書棚群11は、保管する図書32のサイズに応じて3種類のサイズの棚領域に分割されている。
【0065】
棚領域のサイズとは、3種類のサイズ別に分類されたコンテナ12をそれぞれ収容するために、書棚11a〜11fが備える空間領域の大きさのことである。すなわち、分類した3種類の図書32のサイズに対応した奥行き、幅、高さ等の寸法から決められる。
【0066】
棚領域のサイズは、ロケーションマスタの棚領域区分コードで示されており、コンテナ12が、主として、A4,B5,A5の3種類の図書32のサイズに対応して分類されているとすると、図9に示すように、棚領域区分コードは、“TLL”,“TMM”,“TSS”の3種類となる。この棚領域区分コードの数や種類は、システムの計画時にロケーション毎に規定され、通常は図書保管管理システムが稼動した後に変更されることはない。
【0067】
また、コンテナ種別コードは、通常、“CLL”,“CMM”,“CSS”の3種類となり、それぞれ、A4,B5,A5のサイズの図書32を収容することができる3種類のコンテナ12のサイズを示している。
【0068】
さらに、図書サイズ識別コードは、通常、“BA4”,“BB5”,“BA5”の3種類としており、これらに対応して収容するコンテナ識別コードが、それぞれ、“CLL”,“CMM”,“CSS”の3種類となっている。
【0069】
図9は、上記棚領域区分コード、コンテナ種別コード及び図書サイズ識別コードの対応関係をまとめた設定テーブルを示している。この設定テーブルでは、棚領域、コンテナサイズ及び図書サイズを、それぞれ3種類に分類している。
【0070】
そして、A4サイズに準じるサイズの図書32を収容したLサイズのコンテナ12が棚領域LLに保管され、B5サイズに準じるサイズの図書32を収容したMサイズのコンテナ12が棚領域MMに保管され、A5サイズに準じるサイズの図書32を収容したSサイズのコンテナ12が棚領域SSに保管される。
【0071】
また、上記グループ識別コードは、コンテナ12毎の管理区分け(グループ分類)を示す情報である。具体的には、図7に示すように、固定図書を‘10’、VTRのテープカセットを‘20’、CDを‘30’、予約図書を‘90’、通常図書を‘00’として識別している。さらに、別途の管理が生じたときは、新たなグループ識別コードを採用することができる。
【0072】
次に、上記図書マスタは、図書を新規に購入して、または、保管区分を開架区分から書庫区分にする変更処理に伴ない、図書館システムサーバ40から伝送される図書コード、書誌データ(書名、著者名、出版社等からなる)を登録図書情報として記憶している。そして、コンテナ12が書庫に保管されると、その収容したコンテナ番号が保管コンテナ番号として対応付けられて図書マスタが完成する。この時点で、登録図書情報から、その図書32の情報は消去される。
【0073】
なお、図書マスタの履歴コンテナ番号は、図書32がコンテナ12から取り出された際に、保管コンテナ番号の記憶内容を移行して記憶される領域であり、取り出された図書32がどのコンテナ12から取り出されたかを知ることができる。
【0074】
図書マスタは、図書館システムサーバ40からの書誌データ書き替え情報による変更があったとしても、保管区分を書庫外とする、または、廃棄する等の事情に基づく削除情報があって、その図書32がコンテナ12から取り出されるまで、その図書マスタは記憶される。
【0075】
また、ある図書32のグループ識別コード、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コードは、コンテナ番号を検索キーとしてコンテナマスタにリンクすることによって認識することが可能である。このため、新規登録処理後でも、返却時に収容するコンテナ番号を変えれば、グループ識別コード、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コードを変更することも可能であるが、グループ識別コードの変更は、基本的には禁止される。
【0076】
上記予約図書マスタは、登録図書情報にある図書32が書庫に保管され、その情報が登録図書情報から消去される時点で、予約図書として指示された図書32のマスタとされ、保管しているコンテナ12のコンテナ番号が対応付けられて記憶される。予約図書は、このコンテナ12から他のコンテナ12に移行することなく取り出されるので、履歴コンテナ番号を記憶する必要はない。
【0077】
予約図書の管理で、書庫に収容することの意味は、貸し出し図書を集約させるという意味であり、入庫に際し、登録図書情報で予約図書と指定された図書32であって、閉架図書も含まれる。要するに、恒常的に書庫に保管される図書32とは別個に取り扱うことにより、情報の混乱を避ける効果がある。
【0078】
また、上記コンテナマスタは、コンテナ番号毎に構成され、保管区分(グループ)を表わすグループ識別コード、コンテナ12のサイズを表わすコンテナ種別コード、収容図書32のサイズを表わす図書サイズ識別コード、コンテナ12の図書充填率、コンテナ12に収容されている全図書32の図書コードで構成される。
【0079】
コンテナ番号は、全てのコンテナ12に対して一連番号として付けられる固有の番号であり、バーコード標記され前記バーコードラベル12cとしてコンテナ12の本体側面に貼り付けられる。このコンテナ番号が、コンテナ排出部20bに設置されたバーコードリーダ36によって読み取られることにより、書庫から取り出されたコンテナ12の到着を検知することができる。
【0080】
さらに、ロケーションマスタは、書庫内の書棚11a〜11fの場所を数値符号で示すロケーション(通常、書庫内の一番手前の場所を01列01連01段と表現し、最奥の場所は書棚11a〜11fの規模に応じて付される)、そのロケーションが付された書庫内書棚11a〜11fの棚領域区分コード(領域の大きさ区分)、そこに保管されているコンテナ12のコンテナ番号、それに連係されたコンテナ種別コードで構成される。
【0081】
ロケーションマスタでロケーションを検索すると、そこに格納されているコンテナ12のコンテナ番号と、そのコンテナ12の種別とがわかり、コンテナ種類毎の入庫ロケーション割り付けに効果的である。
【0082】
上記のような構成となされた図書保管管理システムにおいて、以下、その動作について詳細に説明する。まず、図10は、図書館システムサーバ40が作成した登録図書情報を書庫システムサーバ41で図書マスタに記憶させる処理動作をまとめたフローチャートを示している。
【0083】
まず、処理が開始(ステップS10a)されると、図書館システムサーバ40は、ステップS10bで、新たに書庫に保管する図書32毎に、図書コード、書誌データ及び保管区分を指定するグループ指定コードからなる登録図書情報の作成処理を実行する。
【0084】
そして、図書館システムサーバ40は、ステップS10cで、保管する図書32が固定図書であるか否かを判別し、固定図書であると判断された場合(YES)、ステップS10dで、グループ指定コードを‘10’に設定する。
【0085】
その後、図書館システムサーバ40は、ステップS10eで、その図書32を、その図書32と同一シリーズの既に登録されている図書32に追加するか否かを判別し、追加すると判断された場合(YES)、ステップS10fで、保管履歴のある図書32の図書コード及び書名をメモして、図書32に添付する。この添付処理としてはいろいろな方法が考えられ、例えば、既に保管されている図書32の情報を登録図書情報にデータとして添えることや、新聞や雑誌等の場合は、その図書コードを一覧表として書庫に保持しておくようにすることも可能である。
【0086】
また、上記ステップS10eで追加しないと判断された場合(NO)、図書館システムサーバ40は、ステップS10gで、その図書32に、新シリーズであることのメモを添付する。
【0087】
一方、上記ステップS10cで、保管する図書32が固定図書でないと判断された場合(NO)、図書館システムサーバ40は、ステップS10hで、保管する図書32が予約図書であるか否かを判別し、予約図書であると判断された場合(YES)、ステップS10iで、グループ指定コードを‘90’に設定し、予約図書でないと判断された場合(NO)、ステップS10jで、グループ指定コードを‘00’に設定する。
【0088】
そして、上記ステップS10f,S10g,S10iまたはS10jの後、図書館システムサーバ40は、ステップS10kで、作成した登録図書情報を、随時、書庫システムサーバ41に伝送する。これにより、書庫システムサーバ41が、ステップS10lで、登録図書情報を図書マスタに記憶し、処理が終了(ステップS10m)される。
【0089】
次に、図11(a),(b)は、通常図書の入庫動作、つまり、通常入庫処理をまとめたフローチャートを示している。なお、初めて書庫に保管する図書32は、ステーション20または22に送付され、保管形態指示を基にした登録入庫作業が行なわれる。また、入庫する図書32は、保管形態別、サイズ別に仕分けされて、それらの量を図書サイズ毎に測定されている。
【0090】
まず、処理が開始(ステップS11a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。そして、図書館員が、ステップS11bで、処理選択画面上で「通常入庫」の項目をタッチすると、図16(b)に示すような通常入庫/予約入庫設定画面が表示される。
【0091】
この通常入庫/予約入庫設定画面では、「通常入庫」の項目が選択されていることをハッチングによって示している。この通常入庫/予約入庫設定画面で「予約入庫」の項目をタッチすることにより、後述する予約図書の入庫処理も可能となる。図16(b)に示す通常入庫/予約入庫設定画面では、通常入庫→予約入庫→通常入庫の順に設定が切り替えられた状態を示している。
【0092】
そして、図書館員は、ステップS11cで、通常入庫/予約入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。図16(b)に示す通常入庫/予約入庫設定画面では、「通常入庫」で、図書サイズが「A4」で、図書の量が「30cm」とした、No.3の設定状態を示している。
【0093】
なお、通常入庫/予約入庫設定画面の図書の量にある「キー入力」の項目は、選択項目にない詳細な数値入力を行なう場合に使用するもので、タッチすると、例えば図17(a)に示すようなテンキーが通常入庫/予約入庫設定画面上に表示される。そして、このテンキーを、例えば、「1」、「2」、「0」、「E(enter)」とタッチすることにより、図書の量を120cmに設定することができ、これに伴なって、画面窓枠内にあるNo.1の設定状態のように、コンテナ数が2と表示される。
【0094】
なお、No.3の設定状態を例にすると、コンテナ数は、以下の制御の結果として決定され表示される。すなわち、ステーション端末機42は、通常入庫であるためグループ識別コード‘00’、図書サイズ「A4」、図書の量「30cm」とした入庫設定情報を、書庫システムサーバ41に送信する。
【0095】
すると、書庫システムサーバ41では、図9に示した設定テーブルから、図書サイズ識別コード“BA4”に対応するコンテナ種別コード“CLL”が決定される。そして、書庫システムサーバ41は、コンテナマスタの該当するコンテナ種別コード及びグループ識別コードを有するコンテナ12の中から、入庫設定情報の図書の量「30cm」と充填率(空きスペース量)とを照合してコンテナ12の選択を行なう。
【0096】
最も大きい空きスペースが30cm(コンテナ12の長さが60cmの場合は、充填率=0.5に相当する)より小さいコンテナ12のみが存在するときは、最も空きスペースの大きいコンテナ12と、そのコンテナ12に収容した後の残りの図書の量が最も見合う空きスペースのコンテナ12とが選択される。
【0097】
また、30cmよりも大きい空きスペースがあるときは、その中で30cmに近い空きスペースのコンテナ12を選択する。この例では、30cm以上の空きスペースのあるコンテナ12が存在したため、または、空のコンテナ12を選択したので、コンテナ数が1となっている。
【0098】
書庫システムサーバ41は、決定されたコンテナ番号とコンテナ種別コードとグループ識別コードと図書サイズ識別コードとをステーション端末機42に送信し、ステーション端末機42は、これらの各データを入庫コンテナ情報として記憶し、コンテナ数を表示させる。
【0099】
空コンテナでない空きスペースコンテナの選択は、予約図書入庫時はグループ識別コード‘90’のコンテナ12の中から行ない、固定図書入庫時はグループ識別コード‘10’のコンテナ12の中から行ない、VTRのテープカセット入庫時はグループ識別コード‘20’のコンテナ12の中から行ない、CD入庫時はグループ識別コード‘30’のコンテナ12の中から行ない、空コンテナ12を選択するときはグループ識別コード‘00’のコンテナ12の中から行なうことになる。
【0100】
以上のようにしてコンテナ数が表示されると、図書館員は、通常入庫/予約入庫設定画面上で「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS11dで、グループ識別コード‘00’のコンテナ12の中から、既に決定されているコンテナ番号のコンテナ12がステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図18(a)に示すような通常入庫処理画面に切り替わる。
【0101】
この場合、書庫システムサーバ41は、ロケーションマスタにて、そのコンテナ番号のコンテナ12を格納しているロケーションを検索し、統括制御盤43に送信する。これにより、以下、スタッカークレーン地上盤47を経由してスタッカークレーン制御盤50、垂直搬送機制御盤46、入出庫搬送機制御盤45、ステーション搬送機制御盤44にて各種の搬送機器を制御し、該当ロケーションの書庫に保管されているコンテナ12をステーション20または22まで搬送する。
【0102】
ロケーションマスタの、このコンテナ12が保管されていたロケーションのコンテナ番号、コンテナ種別コードを消去する。
【0103】
書庫から出庫したコンテナ12がステーション20または22に到着すると、ステーション端末機42はバーコードリーダ36でコンテナ番号を読み取り、入庫コンテナ情報の中のコンテナ番号と照合することにより、どの設定により出庫されたコンテナ12であるかを特定する。その結果、ステーション20または22に保持されたコンテナ12が、図16(b)に示した通常入庫/予約入庫設定画面のNo.3の設定により選択されたコンテナであり、図18(a)に示す通常入庫処理画面は、その設定内容を反映したものとなる。
【0104】
ステップS11dの後、図書館員は、ステップS11eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図18(a)に示す通常入庫処理画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0105】
その後、ステップS11fで、その図書コードが既に図書マスタにある図書コードであるか否かが判別され、図書マスタにある図書コードでないと判断された場合(NO)、ステップS11gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であるか否かを判別する。
【0106】
このステップS11gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であると判断された場合(YES)、または、上記ステップS11fで、図書コードが既に図書マスタにあると判断された場合(YES)、ステップS11hで、登録図書情報の書誌データまたは既にある図書マスタの書誌データが、図18(a)に示す通常入庫処理画面上に表示させる。
【0107】
なお、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’である場合には、通常入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。読み込んだ図書コードが既に図書マスタにある場合には、「新登録図書です」のメッセージは表示されない。
【0108】
ステーション端末機42は、図書コードと、そのコンテナ12に係わる入庫コンテナ情報(コンテナ番号、コンテナ種別コード、グループ識別コード、図書サイズ識別コード)とを、書庫システムサーバ41に送信する。
【0109】
書庫システムサーバ41は、コンテナマスタの該当コンテナ番号の記憶エリアに図書コードを記憶する。また、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成し、コンテナ番号をその‘保管コンテナ番号’に記憶する。
【0110】
その後、図書館員は、ステップS11iで、図書32をコンテナ12に収納し、ステップS11jで、そのコンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS11eの処理に戻される。
【0111】
また、上記ステップS11jで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図18(a)に示す通常入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS11kで、コンテナ12が書庫に入庫され、処理が終了(ステップS11l)される。
【0112】
なお、上記ステップS11gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’でないと判断された場合(NO)には、ステップS11mで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS11jの処理に移行される。
【0113】
ステップS11kにおける入庫処理は、ステーション端末機42から、入庫コンテナ情報の付された入庫指令が、書庫システムサーバ41に伝送されることにより実行される。書庫システムサーバ41では、図9に示した設定テーブルから、コンテナ種別コードに対応する棚領域区分コードが決定され、ロケーションマスタにて該当棚領域でコンテナが格納されていないロケーションが決定される。決定されたロケーションに入庫コンテナ情報のコンテナ番号及びコンテナ種別コードが記憶される。
【0114】
そして、書庫システムサーバ41は、ステーション20または22のコンテナ12を、書庫のそのロケーションに格納する命令を統括制御盤43に伝送する。これにより、スタッカークレーン制御盤50、垂直搬送機制御盤46、入出庫搬送機制御盤45、ステーション搬送機制御盤44にて各種の搬送機器が制御され、コンテナ12が書庫の該当ロケーションに格納される。
【0115】
また、入庫用の搬送経路上にある図書充填率検出器38により、コンテナ12内の図書の量(空きスペース)を検出し、充填率に変換して、コンテナマスタの充填率を更新する。例えば、充填率50%のコンテナ12を引き当て、30cm(50%に相当する)の量の図書32を入庫したとすると、充填率は50→100に書き替えられる。
【0116】
その後、書庫システムサーバ41は、書庫へのコンテナ12の格納完了を待って、そのコンテナ12に収容された図書コードの登録格納完了を一括して図書館システムサーバ40に報告する。
【0117】
次に、図12(a),(b)は、予約図書の入庫動作、つまり、予約入庫処理をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS12a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。そして、図書館員が、ステップS12bで、処理選択画面上で「予約入庫」の項目をタッチすると、図16(b)に示すような通常入庫/予約入庫設定画面が表示される。
【0118】
そして、図書館員は、ステップS12cで、通常入庫/予約入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。通常入庫/予約入庫設定画面上でコンテナ数が表示されると、図書館員は、「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS12dで、グループ識別コード‘90’のコンテナ12の中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図18(b)に示すような予約入庫処理画面に切り替わる。
【0119】
その後、図書館員は、ステップS12eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図18(b)に示す予約入庫処理画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0120】
その後、ステップS12fで、その図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘90’であるか否かが判別される。そして、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘90’であると判断された場合(YES)、ステップS12gで、登録図書情報の書誌データが、図18(b)に示す予約入庫処理画面上に表示される。また、予約入庫処理画面上に「予約図書です」のメッセージが表示される。
【0121】
書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから予約図書マスタを作成する。予約図書は、開架図書の場合もあるので、書庫の図書マスタとは別個のマスタとしている。
【0122】
その後、図書館員は、ステップS12hで、予約図書とされた図書32をコンテナ12に収納し、ステップS12iで、空コンテナ12に収納したか否かを判別する。この判別は、図書コードが読み取られ、図書コード及び書誌データが画面表示されたとき、この図書32が空のコンテナ12であったかを判断する。当該のコンテナマスタのグループ識別コードが‘00’であることから判断される。また、この場合は、図書コードが全くないことになっている。
【0123】
ステップS12iで、空コンテナ12に収納したと判断された場合(YES)、ステップS12jで、コンテナマスタのグループ識別コードを‘90’とする。そして、ステップS12jの後、または、上記ステップS12iで、空コンテナ12に収納しないと判断された場合(NO)、ステップS12kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS12eの処理に戻される。
【0124】
また、上記ステップS12kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図18(b)に示す予約入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS12lで、コンテナ12が書庫に入庫され、処理が終了(ステップS12m)される。この場合も、入庫用の搬送経路上にある図書充填率検出器38により、コンテナ12内の充填率が検出されて、コンテナマスタの充填率が更新される。
【0125】
なお、上記ステップS12fで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘90’でないと判断された場合(NO)には、ステップS12nで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS12kの処理に移行される。
【0126】
予約図書は、コンテナ種別を最大のコンテナとする手法もある。そうすることにより、入出庫効率が向上する利点がある。予約図書の総量はそれほど多くないため、保管効率の劣化は少なく抑えられる。
【0127】
予約図書に関しては、それまでの管理形態が一時的に解除され、各管理形態で管理されていた図書32が集約されてコンテナ12に収容されることになる。
【0128】
次に、図13(a),(b)は、固定新規図書及び固定追加図書の登録入庫動作をまとめたフローチャートを示している。まず、固定新規図書の登録入庫について説明する。処理が開始(ステップS13a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0129】
そして、図書館員は、ステップS13bで、処理選択画面上で「固定入庫」の項目をタッチし、図16(c)に示すような新規固定入庫設定画面を表示させ、その新規固定入庫設定画面上で「新規」の項目をタッチする。
【0130】
そして、図書館員は、ステップS13cで、新規固定入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。シリーズが異なる毎に、サイズ及び図書の量の入力を繰り返すことにより、複数のシリーズ向けの設定が可能となる。
【0131】
図16(c)に示す新規固定入庫設定画面は、「新規」で、図書サイズが「A4」で、図書の量が「30cm」としたNo.2の設定状態で、「要求」の項目をタッチした例を示している。この場合、図書の量は、このシリーズの未収容分まで想定したスペースを確保する判断をして設定してスペースの予約をする。なお、固定図書グループのコンテナ12に対しては、充填率検出は行なわれない。
【0132】
その後、図書館員は、新規固定入庫設定画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS13dで、コンテナマスタのグループ識別コードが‘10’であるコンテナの中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図18(c)に示すような新規固定入庫画面に切り替わる。
【0133】
その後、図書館員は、ステップS13eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図18(c)に示す新規固定入庫画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0134】
その後、ステップS13fで、その図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であるか否かが判別される。そして、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であると判断された場合(YES)、ステップS13gで、登録図書情報の書誌データが、図18(c)に示す新規固定入庫画面上に表示される。また、新規固定入庫画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成する。
【0135】
そして、図書館員は、ステップS13hで、新規登録図書とされた図書32をコンテナ12に収納し、ステップS13iで、空コンテナ12に収納したか否かを判別する。この判別は、図書コードが読み取られ、図書コード及び書誌データが画面表示されたとき、この図書32が空のコンテナ12であったかを判断する。当該のコンテナマスタのグループ識別コードが‘00’であることから判断される。また、この場合は、図書コードが全くないことになっている。
【0136】
ステップS13iで、空コンテナ12に収納したと判断された場合(YES)、ステップS13jで、コンテナマスタのグループ識別コードを‘10’とする。そして、ステップS13jの後、または、上記ステップS13iで、空コンテナ12に収納しないと判断された場合(NO)、ステップS13kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS13eの処理に戻される。
【0137】
また、上記ステップS13kで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS13lで、図書の量を拡張するか否か、つまり、収容したシリーズ図書の占有スペースを設定し直すか否かを判断する。全冊収容したとき、ステップS13cで入力した図書の量(新規固定入庫設定画面では設定した値として「30cm」の項目がハッチングされている)に代えて、新規固定入庫画面の下部で図書の量の再設定ができる。
【0138】
そして、ステップS13lで、図書の量を拡張すると判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS13mで、図18(c)に示す新規固定入庫画面で図書の量の再設定を行なう。このとき、コンテナ12内に他のシリーズ図書が既に存在するときは、そのシリーズで設定したスペースの残りスペースのみが許可される。
【0139】
このステップS13mの後、または、上記ステップS13lで、図書の量を拡張しないと判断された場合(NO)、図書館員が、ステップS13nで、図18(c)に示す新規固定入庫画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチすることにより、コンテナ12が書庫に入庫されて、処理が終了(ステップS13o)される。この場合、図書充填率の検出は行なわれない。
【0140】
なお、上記ステップS13fで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’でないと判断された場合(NO)には、ステップS13pで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS13kの処理に移行される。
【0141】
次に、固定追加図書の登録入庫について説明する。処理が開始(ステップS13q)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0142】
そして、図書館員は、ステップS13rで、処理選択画面上で「固定入庫」の項目をタッチし、図16(c)に示すような新規固定入庫設定画面を表示させ、その新規固定入庫設定画面上で「追加」の項目をタッチする。すると、図17(a)に示すような追加固定入庫画面が表示される。
【0143】
そして、図書館員は、ステップS13sで、図書32に追加されているメモにある図書コードを追加固定入庫画面のテンキーにて入力し、「要求」の項目をタッチする。この図書コードは既に図書マスタにあるので、書誌データを検索し、追加固定入庫画面の窓内に表示される。他に異なるシリーズ図書が存在する場合には、他の図書コードを入力する。
【0144】
その後、図書館員は、追加固定入庫画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS13tで、入力した図書コードからコンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図19(a)に示すような追加固定入庫処理画面に切り替わる。この追加固定入庫処理画面において、先に入力した図書コード及び書誌データが表示され、このコンテナ12に収容すべき図書32を確認する。
【0145】
その後、図書館員が、ステップS13eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取ると、ステップS13fで、その図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であるか否かが判別される。
【0146】
そして、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘10’であると判断された場合(YES)、ステップS13gで、登録図書情報の書誌データが、図19(a)に示す追加固定入庫処理画面上に表示される。また、追加固定入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成する。以後の処理動作は、固定新規図書の登録入庫と同様である。
【0147】
次に、図14は、固定図書の入庫(返却)動作、つまり、固定入庫処理をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS14a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0148】
そして、図書館員は、ステップS14bで、処理選択画面上で「固定入庫」の項目をタッチし、図16(c)に示すような新規固定入庫設定画面を表示させ、その新規固定入庫設定画面上で「入庫」の項目をタッチする。すると、図17(b)に示すような固定入庫設定画面が表示される。
【0149】
そして、図書館員は、ステップS14cで、バーコードリーダ35により返却図書の図書コードを読み取り、固定入庫設定画面上で「要求」の項目をタッチする。すると、図書マスタが検索されて書誌データが表示される。明らかに同一シリーズの図書以外の図書の図書コードを続けて読み取ることにより、複数のシリーズの入庫設定ができる。
【0150】
その後、図書館員は、固定入庫設定画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS14dで、図書マスタの履歴コンテナ番号にあるコンテナ12が検索され、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図19(b)に示すような固定入庫処理画面に切り替わる。この固定入庫処理画面において、先に入力した図書コード及び書誌データが表示され、このコンテナ12に収容すべき図書32を確認する。
【0151】
そして、図書館員は、ステップS14eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。
【0152】
その後、ステップS14fで、読み取った図書コードの属する図書マスタの履歴コンテナ番号と、出庫されたコンテナ12のコンテナ番号とが一致するか否かが判別される。そして、一致すると判断された場合(YES)、ステップS14gで、図書マスタの書誌データが、図19(b)に示す固定入庫処理画面上に表示される。固定入庫処理画面上の図書コードは、一旦消えた後に再び表示される。なお、固定入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージは表示されない。
【0153】
そして、図書館員は、ステップS14hで、書誌データの表示された図書32をコンテナ12に収納し、ステップS14iで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS14eの処理に戻される。
【0154】
また、上記ステップS14iで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS14jで、図書の量を拡張するか否か、つまり、収容したシリーズ図書の占有スペースを設定し直すか否かを判断する。
【0155】
そして、ステップS14jで、図書の量を拡張すると判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS14kで、図19(b)に示す固定入庫処理画面で図書の量の再設定を行なう。
【0156】
このステップS14kの後、または、上記ステップS14jで、図書の量を拡張しないと判断された場合(NO)、図書館員が、ステップS14lで、図19(b)に示す固定入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチすることにより、コンテナ12が書庫に入庫されて、処理が終了(ステップS14m)される。
【0157】
なお、上記ステップS14fで、一致しないと判断された場合(NO)には、ステップS14nで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS14iの処理に移行される。
【0158】
次に、図15(a),(b)は、形状が規格化された特定図書の入庫動作、つまり、特定入庫処理をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS15a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図16(a)に示すような処理選択画面を表示させる。
【0159】
そして、図書館員は、ステップS15bで、処理選択画面上で「特定入庫」の項目をタッチし、図17(c)に示すような特定入庫設定画面を表示させ、ステップS15cで、その特定入庫設定画面上で「VTR」または「CD」の項目をタッチする。図17(c)では「CD」の項目が選択された状態をハッチングで示している。
【0160】
また、図書館員は、特定入庫設定画面上で図書サイズと図書の量とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。なお、この特定入庫設定画面で、最初にVTR入庫を設定した後、CD入庫の設定に変更することができる。図17(c)では、VTR入庫→CD入庫と順に設定されたことを示している。
【0161】
なお、図書サイズは、CD入庫ではA5、VTR入庫ではB5と固定しても良いし、別途にサイズ指定しても良い。
【0162】
その後、図書館員は、特定入庫設定画面の「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS15dで、VTRを入庫するときは、コンテナマスタのグループ識別コードが‘20’であるコンテナの中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索され、CDを入庫するときは、コンテナマスタのグループ識別コードが‘30’であるコンテナの中から設定した図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナ12、または、グループ識別コード‘00’の空コンテナ12が検索されて、ステーション20または22に搬送される。また、操作表示ユニット34の表示画面が、図19(c)に示すような特定入庫処理画面に切り替わる。
【0163】
その後、図書館員は、ステップS15eで、バーコードリーダ35により入庫する図書32の図書コードを読み取る。すると、図19(c)に示す特定入庫処理画面に、読み取った図書コードが表示される。
【0164】
その後、ステップS15fで、その図書コードが既に図書マスタにある図書コードであるか否かが判別され、図書マスタにある図書コードでないと判断された場合(NO)、ステップS15gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であるか否かを判別する。
【0165】
このステップS15gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であると判断された場合(YES)、または、上記ステップS15fで、図書コードが既に図書マスタにあると判断された場合(YES)、ステップS15hで、登録図書情報の書誌データが、図19(c)に示す特定入庫処理画面上に表示される。
【0166】
なお、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’である場合には、特定入庫処理画面上に「新登録図書です」のメッセージが表示される。既に登録されている図書は返却入庫であるので、「新登録図書です」のメッセージは表示されない。書庫システムサーバ41は、登録図書情報の図書コード及び書誌データから図書マスタを作成する。
【0167】
そして、図書館員は、ステップS15iで、新登録図書とされた図書32をコンテナ12に収納し、ステップS15jで、空コンテナ12に収納したか否かを判別する。この判別は、図書コードが読み取られ、図書コード及び書誌データが画面表示されたとき、この図書32が空のコンテナ12であったかを判断する。当該のコンテナマスタのグループ識別コードが‘00’であることから判断される。また、この場合は、図書コードが全くないことになっている。
【0168】
ステップS15jで、空コンテナ12に収納したと判断された場合(YES)、ステップS15kで、コンテナマスタのグループ識別コードを‘20’または‘30’とする。そして、ステップS15kの後、または、上記ステップS15jで、空コンテナ12に収納しないと判断された場合(NO)、ステップS15lで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS15eの処理に戻される。
【0169】
また、上記ステップS15lで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図19(c)に示す特定入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS15mで、コンテナ12が書庫に入庫され、処理が終了(ステップS15n)される。この場合も、入庫用の搬送経路上にある図書充填率検出器38により、コンテナ12内の充填率が検出されて、コンテナマスタの充填率が更新される。
【0170】
なお、上記ステップS15gで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’でないと判断された場合(NO)には、ステップS15oで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示されて、ステップS15lの処理に移行される。
【0171】
上記した実施の形態によれば、通常図書についてサイズ別フリーロケーション方式による保管管理を主として採用する中で、それ以外の固定図書、予約図書、特定図書等に対してもそれらに適した保管管理を適宜選択することができるようになる。
【0172】
具体的には、コンテナ12を複数の用途にグループ分けし、書庫システムサーバ41のコンテナマスタファイルにグループ識別コードを付加する。空のコンテナ12は、予め共通するグループ識別コード(実施の形態ではフリーロケーション用コンテナコードの‘00’としている)を付け、空きコンテナの検索はこのグループのコンテナを選択する。
【0173】
空のコンテナ12に図書32を収容したとき、そのコンテナ12に付されたグループ識別コードと、収容した図書32のグループ名とが異なるときは、その図書32の属するグループに対応したグループ識別コードを付ける。なお、空コンテナには、グループ識別コードの一切を付けないようにしておいても良い。
【0174】
固定扱いの図書32で始めて書庫に収容する図書は、図書館システムサーバ41から伝送される図書コード及び書誌データを含む登録図書情報に、固定入庫図書の意味を符号化されて付加される。既に入庫されている図書と同じコンテナに収容すべき図書は、既に入庫されている図書の図書コードを書いたメモ付きで書庫に渡される。
【0175】
返却は、図書コードをバーコードリーダ35で読み取ることにより、以前収納していたコンテナが出庫される。特定図書は、実際にはCD、VTR類であり、目視での判断基準が明らかであるから、使用者の選択操作による。予約図書は、全図書に、登録図書情報に予約図書の意味を符号化されて付加される。既に書庫に保管された履歴の有無は判断しない。
【0176】
図書入庫に際し、ステーション20または22でのグループ選択操作でグループ名を指示することにより、対応するグループ名のコンテナを選択する制御を行ない、ステーション20または22にコンテナ12を出庫する。空のコンテナ12の場合には、最初の図書登録がされたとき、その図書の属するグループ識別コードが付けられる。
【0177】
入庫する図書の図書コードを読み取ってコンテナに収容することにより、これらの図書コードは、コンテナ番号毎にコンテナマスタに記憶される。図書をグループ違いのコンテナに収容するとアラームを発生させる。コンテナから最後の図書が取り出されたとき、そのコンテナのグループ識別コードは、空のコンテナに付けられると定められたグループ識別コードに変えられる。
【0178】
図書マスタには、現在保管されているコンテナのコンテナ番号と、その前に保管されていたコンテナのコンテナ番号とがあるが、グループ識別コードはない。ある図書の属するグループは、コンテナマスタにアクセスして知り得る。サイズ別保管とするときは、コンテナ種別コード、図書サイズ識別コードの両方を持つ。
【0179】
固定ロケーション及び特定図書フリーロケーションの両グループから、通常図書フリーロケーショングループへの移行は、図書館システムサーバ40の業務とする。通常図書フリーロケーショングループから他のグループへの移行は、書庫システムサーバ41の業務とする。すなわち、入庫作業者の判断でできる。
【0180】
固定図書を収容したコンテナ12は、設定した図書の量にて収容スペースを予約すると、この値を記憶し、計測充填率は適用しない。コンテナ収容時にも、保管している図書の量を量って再設定ができる。
【0181】
図書を入庫するコンテナは、図書の属するグループ識別コードを指定するとともに、入庫する図書の量を入力して選択する。
【0182】
コンテナに対するグループ識別コードの設定は、グループ識別コードを指定して出庫されたコンテナが空コンテナの場合、最初に収容される図書の図書コードが入力された時点でなされる。グループ識別コードの解除は、取り出した図書コードの入力で、コンテナが空になった時点でなされる。空になると‘00’とする。
【0183】
固定入庫操作時、コンテナの空きスペース予約処理ができる。実際の充填率は検出値を使用しない。空きスペースが使われないようにする処理で、これが行なわれていないと、出庫したとき空きが発生したとみなされ別の図書が入庫されることがあるため、このようなことを排除している。
【0184】
フリーロケーショングループから他のグループへの移行は書庫システムサーバ41の業務として実行できる。逆に、固定図書のフリーロケーショングループへの移行は禁止するようにしてもよい。
【0185】
また、上記した実施の形態では、ステーションにおいて、管理形態に応じた複数のグループ分けを行なうことにより、その入出庫処理を同一のステーションで行なうことを可能としているが、図書館には、他のグループとは入出庫処理を隔絶して行なう必要のあるグループの図書、例えば、貴重な図書や資料(以下、貴重図書という)も所蔵されている。
【0186】
これらの貴重図書のうち、最重要図書は展示室でのみ展示されるとしても、館内に限って貸し出しされる貴重図書もあり、この種の貴重図書の収納場所として書棚を使用することが考えられる。
【0187】
この場合、図書コードとコンテナ番号とを固定化することに加えて、防塵、防湿対策を施した特殊なコンテナを使用することもあり、グループ識別コードとコンテナ番号と書棚のロケーションとを固定化し、さらに、他のグループとの入出庫処理を隔絶するために、処理選択を特定のグループのみに特化したステーションを設けて入出庫処理を実施することができる。
【0188】
さらに、複数の棚領域を図書の寸法別に分類された複数の棚領域とすることもできる。固定新規入庫、特定図書でも、サイズ指定を可能にする。なお、特定図書がVTRやCDのようにサイズ規格されたものでは、サイズ指定は不要とできる。予約図書は、サイズ区分しないで、全てA4のコンテナに収容するようにしても良い。
【0189】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。上記した実施の形態では、各図書を識別するための情報をバーコードラベルに記載して図書に付加することについて説明したが、近年では、ICタグ(RFID)の普及により、図書識別情報をバーコードラベルに代えてICタグに格納させて各図書に付加することが考えられている。
【0190】
ところで、図書識別情報の記録媒体をバーコードラベルからICタグに変更することを考えた場合、当然のことながら、図書館内に所蔵されている膨大な数の図書を一挙にICタグに変更するわけにはいかないため、順次変更していくことになる。すなわち、バーコードラベルとICタグとが併用される期間が発生することになる。
【0191】
このため、このバーコードラベルとICタグとの併用期間において、図書館の運用が通常業務に支障なく行なえるように工夫を施すことが肝要なこととなる。そして、その結果として、バーコードラベルからICタグへの変更が円滑に促進されていくようにすることが望ましいものである。
【0192】
そこで、以下に説明する実施の形態では、既にバーコードラベルが付加されている各図書に、それぞれ、その図書の識別情報を格納したICタグを順次付加していくことを考える。
【0193】
そして、図書館システムサーバ40は、図書が書庫に入庫される毎に、図20に示すように、その図書の識別情報を記録した媒体の種類、つまり、その図書がバーコードラベルで管理される図書かICタグで管理される図書かを識別するための図書管理識別コードを含めた登録図書情報を作成する。この図書管理識別コードは、図21に示すように、バーコードラベルで管理される図書を‘00’、ICタグで管理される図書を‘10’として指定している。
【0194】
また、書庫システムサーバ41は、図書館システムサーバ40から供給された登録図書情報(図書管理識別コードを含む)に基づいて、コンテナマスタにも、図22に示すように、図書管理識別コードを付加する。
【0195】
これにより、コンテナ12が、バーコードラベルで管理される図書を収容するものと、ICタグで管理される図書を収容するものとに分類される。つまり、図書が書庫に入庫される毎に、バーコードラベルで管理される図書とICタグで管理される図書とが、それぞれ異なるコンテナ12に分類されて収納されるようになる。
【0196】
さらに、各ステーション20,22には、図書に付加されたICタグから図書管理識別コードを読み取るために、ステーション端末機42に接続されたICタグリーダが設けられている。
【0197】
図23及び図24は、バーコードラベルで管理される図書とICタグで管理される図書とが混在している期間における、通常図書の入庫動作、つまり、通常入庫処理をまとめたフローチャートを示している。
【0198】
まず、処理が開始(ステップS23a)されると、ステーション端末機42は、操作表示ユニット34に、図25(a)に示すような処理選択画面を表示させる。そして、図書館員が、ステップS23bで、処理選択画面上で「通常入庫」の項目をタッチすると、図25(b)に示すような通常入庫/予約入庫設定画面が表示される。
【0199】
この通常入庫/予約入庫設定画面では、図書のサイズと図書の量とを設定する項目の他に、その図書がバーコードラベルによる管理かICタグによる管理かを示す図書の管理形態を設定する項目が表示されている。そして、図書館員は、ステップS23cで、通常入庫/予約入庫設定画面上で図書サイズと図書の量と図書の管理形態とをそれぞれ設定し、「要求」の項目をタッチする。
【0200】
図25(b)に示す通常入庫/予約入庫設定画面では、「通常入庫」で、図書サイズが「A4」で、図書の量が「30cm」で、図書管理形態が「ICタグ」とした、No.3の設定状態を示している。この設定状態では、図書サイズ「A4」の項目、図書の量「30cm」の項目、図書管理形態「ICタグ」の項目が、それぞれハッチングで示すように、他の項目と異なる形態で表示されている。
【0201】
そして、このNo.3の設定状態では、通常入庫/予約入庫設定画面の窓枠内に示すように、コンテナ数が1と表示される。このようにしてコンテナ数が表示されると、図書館員は、通常入庫/予約入庫設定画面上で「完了」の項目をタッチする。すると、ステップS23dで、グループ識別コードが‘00’(通常図書)で図書管理識別コードが‘10’(ICタグ)のコンテナ12の中から、空きスペースに基づいて既に決定されているコンテナ12が、ステーション20または22に搬送される。
【0202】
その後、図書館員は、ステップS23eで、ICタグリーダにより入庫する図書32の図書コードを読み取る。このとき、ステップS23fで、ICタグリーダによるICタグからの図書コードの読み取りが行なえたか否かを判別する。
【0203】
そして、ICタグリーダにより図書コードの読み取りが行なえたと判断された場合(YES)、ステップS23gで、その図書コードが既に図書マスタにある図書コードであるか否かが判別され、図書マスタにある図書コードでないと判断された場合(NO)、ステップS23hで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であるか否かが判別される。
【0204】
このステップS23hで、読み込んだ図書コードが登録図書情報にあって、かつ、そのグループ指定コードが‘00’であると判断された場合(YES)、または、上記ステップS23gで、図書コードが既に図書マスタにあると判断された場合(YES)、ステップS24aで、登録図書情報の書誌データまたは既にある図書マスタの書誌データが、図18(a)に示した通常入庫処理画面上に表示される。
【0205】
その後、図書館員は、ステップS24bで、図書32をコンテナ12に収納し、ステップS24cで、その図書32がICタグリーダで図書コードの読み取られた図書であるか否かを判別する。そして、ICタグリーダで図書コードの読み取られた図書でないと判断された場合(NO)には、ステップS24dで、その図書32をコンテナ12に収納することを禁止する旨のメッセージが表示される。この場合は、図書32のコンテナ12への収納を取りやめる。
【0206】
このステップS24dの後、または、上記ステップS24cでICタグリーダで図書コードの読み取られた図書であると判断された場合(YES)、図書館員は、ステップS24eで、そのコンテナ12への図書32の収納が全て完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS23eの処理に戻される。
【0207】
また、上記ステップS24eで、コンテナ12への図書32の収納が全て完了したと判断された場合(YES)、図書館員は、図18(a)に示した通常入庫処理画面上で「コンテナ返却」の項目をタッチする。すると、ステップS24fで、コンテナ12が書庫に入庫され(このときコンテナマスタの充填率が更新)、処理が終了(ステップS24g)される。
【0208】
図23及び図24に示した図書の入庫動作が行なわれることにより、図書が書庫に入庫される毎に、バーコードラベルで管理される図書とICタグで管理される図書とが、それぞれ異なるコンテナ12に分類されて収納されるようになる。これにより、図書館の運用を通常業務に支障なく行なうことができるとともに、バーコードラベルからICタグへの移行が円滑に促進されていくようになる。
【0209】
なお、各ステーション20,22においては、図書32の入庫時及び出庫時のいずれの場合であっても、入庫対象及び出庫対象となる図書32が、バーコードラベルで管理される図書であるかICタグで管理される図書であるかを図書館員に表示して認識させる機能を有することができる。
【0210】
また、各ステーション20,22においては、図書32の入庫時に、コンテナ12にそのコンテナ12に付された図書管理識別コードと異なる図書管理識別コードの付された図書32を収容しようとした場合、図書コードの読み取り時と、コンテナ12に図書32を収容したことを検知する機能を設けることによりコンテナ12への図書32の収容時との2回、図書館員に収容することができない旨の通知を行なう機能を有することができる。
【0211】
さらに、例えば1階ステーション20をバーコードラベルで管理される図書32の入出庫専用とし、2階ステーション22をICタグで管理される図書32の入出庫専用とするような運用も可能となる。
【0212】
なお、この実施の形態で説明したICタグとバーコードラベル以外の分類として、バーコードラベルの桁数の違いでの分類、OCRを利用するキャラクタコードラベルでの分類等があり、これら媒体の組み合わせは2種類の分類に限定されるものではなく、2種類以上の分類であっても良い。
【0213】
以上、通常入庫処理について説明したが、他の入庫処理についても図書管理識別コードによる管理は同様に行なわれるものである。
【0214】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、図書保管管理システムの全体的な構成を説明するために示す斜視図。
【図2】同実施の形態におけるコンテナの詳細な構成とコンテナに図書を収容した状態とを説明するために示す斜視図。
【図3】同実施の形態における利用者カウンターである1階ステーションを表側から見た状態を説明するために示す斜視図。
【図4】同実施の形態における利用者カウンターである1階ステーションの裏側の構成を説明するために示す平面図。
【図5】同実施の形態における図書保管管理システムの制御システムを説明するために示すブロック構成図。
【図6】同実施の形態における図書館システムサーバから書庫システムサーバに供給される登録図書情報を説明するために示す図。
【図7】同実施の形態におけるグループ指定コードとグループ識別コードとの関係を説明するために示す図。
【図8】同実施の形態における書庫システムサーバに記憶された図書マスタ、予約図書マスタ、コンテナマスタ及びロケーションマスタを説明するために示す図。
【図9】同実施の形態における棚領域区分コード、コンテナ種別コード及び図書サイズ識別コードの関係を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態における登録図書情報を図書マスタに記憶させる処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図11】同実施の形態における通常図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図12】同実施の形態における予約図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図13】同実施の形態における固定新規図書及び固定追加図書の登録入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図14】同実施の形態における固定図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図15】同実施の形態における特定図書の入庫処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図16】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面の一例を説明するために示す図。
【図17】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面の他の例を説明するために示す図。
【図18】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面のさらに他の例を説明するために示す図。
【図19】同実施の形態における各種の処理動作で表示される画面のさらに他の例を説明するために示す図。
【図20】この発明の他の実施の形態を示すもので、図書館システムサーバから書庫システムサーバに供給される登録図書情報を説明するために示す図。
【図21】同他の実施の形態における図書管理形態と図書管理識別コードとの関係を説明するために示す図。
【図22】同他の実施の形態における書庫システムサーバに記憶されたコンテナマスタを説明するために示す図。
【図23】同他の実施の形態における通常図書の入庫処理動作の一部を説明するために示すフローチャート。
【図24】同他の実施の形態における通常図書の入庫処理動作の残部を説明するために示すフローチャート。
【図25】同他の実施の形態における通常入庫処理動作で表示される画面の一例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0216】
11…書棚群、12…コンテナ、13…スタッカークレーン、14…出庫用ラックステーション、15…搬送コンベア、16…コンテナ搬出口、17…1階向コンテナ搬入口、18…2階向コンテナ搬入口、19…搬送コンベア、20…1階ステーション、21…搬送コンベア、22…2階ステーション、23…搬送コンベア、24…1階向コンテナ搬出口、25…搬送コンベア、26…2階向コンテナ搬出口、27…コンテナ搬入口、28…搬送コンベア、29…入庫用ラックステーション、30…回転機構部、31a,31b…回転機構部、32…図書、33…カウンター台、34…操作表示ユニット、35…バーコードリーダ、36…バーコードリーダ、37…図書高さ検出器、38…図書充填率検出器、40…図書館システムサーバ、41…書庫システムサーバ、42…ステーション端末機、43…統括制御盤、44…ステーション搬送機制御盤、45…入出庫搬送機制御盤、46…垂直搬送機制御盤、47…スタッカークレーン地上盤、48…入出庫搬送機、49…垂直搬送機、50…スタッカークレーン制御盤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棚領域を有する書庫と、
前記書庫の各棚領域に格納されるもので、それぞれが複数の図書を収容する複数のコンテナと、
前記コンテナを識別する識別情報と、前記コンテナの前記書庫内における収容位置を示す情報と、前記コンテナを図書の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、前記コンテナに収容された図書を識別する識別情報とを対応させて記憶する記憶手段と、
入庫する図書のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを前記書庫から取り出してステーションに移送するとともに、その図書が入庫されたコンテナに対する前記記憶手段の記憶内容を更新する制御手段とを具備してなることを特徴とする図書保管管理装置。
【請求項2】
前記複数のグループは、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態を含むことを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項3】
前記複数のグループは、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態を含むことを特徴とする請求項1または2記載の図書保管管理装置。
【請求項4】
前記複数のグループは、前記コンテナに収容される図書をサイズ別に分類する管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項5】
前記複数のグループは、前記コンテナに収容される図書を形状別に分類する管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項6】
前記複数のグループは、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態、前記コンテナに収容される図書をサイズ別に分類する管理形態または前記コンテナに収容される図書を形状別に分類する管理形態を一時的に解除し、各管理形態で管理されていた図書を集約して前記コンテナに収容する管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項7】
前記複数のグループは、前記コンテナとそのコンテナの前記書庫内における収容位置とそのコンテナの属するグループとを固定化し、そのグループに属するコンテナの入出庫処理を専用のステーションで行なう管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項8】
前記書庫は、前記図書のサイズ別に分類された複数の棚領域を有することを特徴とする請求項4記載の図書保管管理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、入庫する図書の量を指定することにより、指定されたグループ識別情報の付されたコンテナの中で、指定された図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナを前記書庫から取り出してステーションに移送することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態の場合、前記コンテナに対する図書の入庫時に、そのコンテナ内の空きスペースを予約して確保することが可能であることを特徴とする請求項1または3記載の図書保管管理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記図書に対して、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態のグループから、他の管理形態のグループへの移行を可能とすることを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記図書に対して、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態のグループから、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態のグループへの移行を禁止することを特徴とする請求項1または11記載の図書保管管理装置。
【請求項13】
前記記憶手段は、前記制御手段が前記図書の入庫要求に基づいて空のコンテナを前記ステーションに取り出した場合、そのコンテナに対して、入庫した図書の属するグループに対応するグループ識別情報を対応付けることを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項14】
前記記憶手段は、前記ステーションに取り出されたコンテナから図書が全て取り出されて空になった場合、そのコンテナに対するグループ分類を解除することを特徴とする請求項1または13記載の図書保管管理装置。
【請求項15】
複数の棚領域を有する書庫と、
それぞれに図書を識別する識別情報を記録した複数種類の媒体が付加された図書識別情報を有する複数の図書と、
前記書庫の各棚領域に格納されるもので、それぞれが前記複数の図書を収容する複数のコンテナと、
前記コンテナを識別する識別情報と、前記コンテナの前記書庫内における収容位置を示す情報と、前記コンテナを図書の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、前記コンテナに収容された図書を識別する識別情報と、前記図書をどの種類の媒体に記録された図書識別情報で管理するかを示す図書管理識別情報とを対応させて記憶する記憶手段と、
入庫する図書のグループ識別情報と図書管理識別情報とを指定することにより、指定された図書管理識別情報で管理されているグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを前記書庫から取り出してステーションに移送するとともに、その図書が入庫されたコンテナに対する前記記憶手段の記憶内容を更新する制御手段とを具備してなることを特徴とする図書保管管理装置。
【請求項16】
前記図書に付加される複数種類の媒体は、バーコードラベルとICタグとキャラクタコードラベルとのいずれかを含むことを特徴とする請求項15記載の図書保管管理装置。
【請求項17】
前記図書管理識別情報で示される媒体の種類別に専用のステーションが設けられることを特徴とする請求項15または16記載の図書保管管理装置。
【請求項18】
前記図書管理識別情報で示される媒体の種類と異なる図書をコンテナに収容しようとした場合、収容できない旨の通知を行なう手段を有することを特徴とする請求項15乃至17いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項1】
複数の棚領域を有する書庫と、
前記書庫の各棚領域に格納されるもので、それぞれが複数の図書を収容する複数のコンテナと、
前記コンテナを識別する識別情報と、前記コンテナの前記書庫内における収容位置を示す情報と、前記コンテナを図書の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、前記コンテナに収容された図書を識別する識別情報とを対応させて記憶する記憶手段と、
入庫する図書のグループ識別情報を指定することにより、そのグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを前記書庫から取り出してステーションに移送するとともに、その図書が入庫されたコンテナに対する前記記憶手段の記憶内容を更新する制御手段とを具備してなることを特徴とする図書保管管理装置。
【請求項2】
前記複数のグループは、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態を含むことを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項3】
前記複数のグループは、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態を含むことを特徴とする請求項1または2記載の図書保管管理装置。
【請求項4】
前記複数のグループは、前記コンテナに収容される図書をサイズ別に分類する管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項5】
前記複数のグループは、前記コンテナに収容される図書を形状別に分類する管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項6】
前記複数のグループは、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態、前記コンテナに収容される図書をサイズ別に分類する管理形態または前記コンテナに収容される図書を形状別に分類する管理形態を一時的に解除し、各管理形態で管理されていた図書を集約して前記コンテナに収容する管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項7】
前記複数のグループは、前記コンテナとそのコンテナの前記書庫内における収容位置とそのコンテナの属するグループとを固定化し、そのグループに属するコンテナの入出庫処理を専用のステーションで行なう管理形態を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項8】
前記書庫は、前記図書のサイズ別に分類された複数の棚領域を有することを特徴とする請求項4記載の図書保管管理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、入庫する図書の量を指定することにより、指定されたグループ識別情報の付されたコンテナの中で、指定された図書の量に見合う空きスペースのあるコンテナを前記書庫から取り出してステーションに移送することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の図書保管管理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態の場合、前記コンテナに対する図書の入庫時に、そのコンテナ内の空きスペースを予約して確保することが可能であることを特徴とする請求項1または3記載の図書保管管理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記図書に対して、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態のグループから、他の管理形態のグループへの移行を可能とすることを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記図書に対して、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係を固定化する管理形態のグループから、前記コンテナとそこに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとする管理形態のグループへの移行を禁止することを特徴とする請求項1または11記載の図書保管管理装置。
【請求項13】
前記記憶手段は、前記制御手段が前記図書の入庫要求に基づいて空のコンテナを前記ステーションに取り出した場合、そのコンテナに対して、入庫した図書の属するグループに対応するグループ識別情報を対応付けることを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項14】
前記記憶手段は、前記ステーションに取り出されたコンテナから図書が全て取り出されて空になった場合、そのコンテナに対するグループ分類を解除することを特徴とする請求項1または13記載の図書保管管理装置。
【請求項15】
複数の棚領域を有する書庫と、
それぞれに図書を識別する識別情報を記録した複数種類の媒体が付加された図書識別情報を有する複数の図書と、
前記書庫の各棚領域に格納されるもので、それぞれが前記複数の図書を収容する複数のコンテナと、
前記コンテナを識別する識別情報と、前記コンテナの前記書庫内における収容位置を示す情報と、前記コンテナを図書の管理形態に応じた複数のグループに分類するグループ識別情報と、前記コンテナに収容された図書を識別する識別情報と、前記図書をどの種類の媒体に記録された図書識別情報で管理するかを示す図書管理識別情報とを対応させて記憶する記憶手段と、
入庫する図書のグループ識別情報と図書管理識別情報とを指定することにより、指定された図書管理識別情報で管理されているグループ識別情報の付されたコンテナの中で空きスペースのあるコンテナを前記書庫から取り出してステーションに移送するとともに、その図書が入庫されたコンテナに対する前記記憶手段の記憶内容を更新する制御手段とを具備してなることを特徴とする図書保管管理装置。
【請求項16】
前記図書に付加される複数種類の媒体は、バーコードラベルとICタグとキャラクタコードラベルとのいずれかを含むことを特徴とする請求項15記載の図書保管管理装置。
【請求項17】
前記図書管理識別情報で示される媒体の種類別に専用のステーションが設けられることを特徴とする請求項15または16記載の図書保管管理装置。
【請求項18】
前記図書管理識別情報で示される媒体の種類と異なる図書をコンテナに収容しようとした場合、収容できない旨の通知を行なう手段を有することを特徴とする請求項15乃至17いずれかに記載の図書保管管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
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【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−290622(P2006−290622A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62792(P2006−62792)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
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