説明

図書保管管理装置

【課題】ステーションにおけるコンテナの待ち時間を削減し、利用者のステーションにおける占有時間を極力短縮して、限られた数のステーションの有効利用を図るようにした図書保管管理装置を提供する。
【解決手段】書棚群11とステーションとの間のコンテナ搬送経路上にコンテナ12を一時保管する待機棚を設け、貸し出し予約された図書を含むコンテナ12を、書棚群11と待機棚との間で搬送する第1の搬送手段と、待機棚とステーションとの間で搬送する第2の搬送手段と、書棚群11とステーション32との間で搬送する第3の搬送手段とを選択的に制御してステーションに取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば多量の図書を保管する大型図書館等に使用して好適する図書保管管理装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近時、多量の蔵書を有する大規模図書館等にあっては、書庫からの図書の取り出しや書庫への図書の返却に要する作業の能率向上を図るために、自動入出庫システムが導入されてきている。
【0003】
この自動入出庫システムは、利用者が貸し出しを要求した図書を書庫から取り出して利用者カウンターまで搬送するとともに、その図書が貸し出されたことを記録する作業や、図書が返却されたことを記録し、その図書を書庫まで戻して収容位置を記録する作業等を自動化して、図書の取り出し及び返却に要する作業を正確かつ迅速に実行することができるようにしたものである。
【0004】
すなわち、自動入出庫システムにおいては、書庫に保管されている多量の図書の管理を容易にするために、各図書それぞれにバーコードを付している。また、各図書は、複数冊毎にコンテナに収容されており、書庫に対してコンテナ単位で入出庫されるようになされている。
【0005】
そして、図書の取り出しが要求された場合には、その図書の収容されたコンテナが書庫から自動出庫され利用者カウンターまで搬送される。図書館員は、利用者カウンターに搬送されてきたコンテナの中から所望の図書を取り出して利用者に渡し、ここに、図書の貸し出しが行なわれる。
【0006】
また、図書の返却が要求された場合には、その返却図書を収容すべきコンテナが書庫から自動出庫され利用者カウンターに取り出される。図書館員は、利用者カウンターに取り出されたコンテナに返却された図書を入れた後、そのコンテナを書庫の元の位置に入庫させ、ここに、図書の返却が行なわれる。
【0007】
ところで、現在の図書館では、利用者自身が自動入出庫システムを操作することによって、図書館員の手を煩わせることなく、必要な図書を借り出すことができるようにした図書保管管理システムが期待されている。
【0008】
すなわち、図書館サーバへのアクセスを可能とした端末を利用者に開放し、利用者が、その端末に用意されたOPEC(on-line public access catalog:オンライン閲覧目録)で、図書名、著者名、出版社、キーワード、発行年度等の項目を入力することにより、要求された図書を効果的に書誌レコードから検索して貸し出し予約を行ない、貸し出し要求された図書が閉架書庫に蔵書されている場合は、利用者情報と書誌レコードとを書庫サーバに送ることにより、利用者自身が、ある特定の場所(例えばステーション等)で一定手順の操作を行なうことによって、目的の図書をコンテナから受け取ることができる図書保管管理システムが望まれている。
【0009】
ところで、このように利用者自身が図書館サーバへアクセスして必要な図書を取り出す図書保管管理システムでは、書庫からコンテナを出庫し図書を出し入れする場所、つまり、ステーションを多数の利用者が効率よく利用することができる仕組みが求められることになる。
【0010】
すなわち、書庫からステーションまでコンテナを搬送するのに要する時間や、利用者が端末により貸し出し予約を行なったときから貸し出し場所(ステーション)に行くまでの時間等、個々の利用者毎に差異があり、限られた数のステーションの効率的使用を阻害する各種の要素を軽減する工夫が強く要望されている。
【0011】
特許文献1には、図書に無線タグを内蔵させることにより、コンテナから図書を取り出した際、図書のバーコードを読むことなく貸し出し登録することができる図書管理装置であって、利用者が図書館端末で図書を予約し、ステーションで取り出し後、完了操作するまでが開示されている。
【特許文献1】特開2003−11812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、この特許文献1には、利用者自身が図書館サーバへアクセスして借り出す図書を予約し、その図書をステーションにおいて取り出す図書保管管理システムにおいて、ステーションの利用効率を高めるようにすることについては、何らの記載もなされていないものである。
【0013】
上記したように、図書館端末で閉架書庫にある図書を検索し、貸し出し予約した個人の利用者が、ステーションに搬送されたコンテナから、その図書を直接取り出すようにした図書保管管理システムにおいては、複数の利用者が限られた数のステーションを利用することになる。
【0014】
そして、特に、複数の図書が予約され、その図書が複数のコンテナに分散されているような場合には、1つのコンテナから図書を取り出した後、次のコンテナが書庫からステーションに搬送されるまで待ち時間を要することになり、1人の利用者がステーションを占有する時間が長くなってしまうことになる。
【0015】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、ステーションにおけるコンテナの待ち時間を削減し、利用者のステーションにおける占有時間を極力短縮して、限られた数のステーションの有効利用を図るようにした図書保管管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明に係る図書保管管理装置は、書庫に収容され、それぞれが複数の図書を収容する複数のコンテナと、利用者に図書の貸し出し予約を行なわせるための入力手段と、書庫から取り出されたコンテナを保持し、利用者にコンテナからの図書の取り出しを行なわせるためのステーションと、書庫とステーションとの間のコンテナ搬送経路上に設けられ、コンテナを一時保管する待機棚と、書庫と待機棚との間でコンテナを搬送する第1の搬送手段と、待機棚とステーションとの間でコンテナを搬送する第2の搬送手段と、書庫とステーションとの間でコンテナを搬送する第3の搬送手段と、入力手段で予約された図書を含むコンテナを検索し、該コンテナを第1乃至第3の搬送手段を選択的に制御してステーションに取り出させるように制御する制御手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0017】
上記した構成によれば、書庫とステーションとの間のコンテナ搬送経路上に、コンテナを一時保管する待機棚を設け、貸し出し予約された図書を含むコンテナを、書庫と待機棚との間で搬送する第1の搬送手段と、待機棚とステーションとの間で搬送する第2の搬送手段と、書庫とステーションとの間で搬送する第3の搬送手段とを選択的に制御してステーションに取り出させるようにしたので、ステーションにおけるコンテナの待ち時間を削減し、利用者のステーションにおける占有時間を極力短縮して、限られた数のステーションの有効利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する図書保管管理システムの全体的な構成を示している。すなわち、図1において、符号11は書棚群である。この書棚群11は、例えば図書館の地階の書庫内に設置されているものとする。
【0019】
この書棚群11は、互いに一定間隔をあけて対向するように設置された複数対(図示の場合は3対)の書棚(11a,11b)、(11c,11d)、(11e,11f)から構成されている。これら各書棚11a〜11fには、それぞれに複数の図書(図1では図示せず)が収容された複数のコンテナ12,12,……が収容されている。
【0020】
ここで、上記書棚11a,11b相互間には、スタッカークレーン13が設置されている。このスタッカークレーン13は、書棚11a,11b相互間に形成された空間内を移動し、いずれかの書棚11aまたは11bから所望のコンテナ12を取り出して出庫用ラックステーション14に移送する。
【0021】
この出庫用ラックステーション14に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア15を介してコンテナ搬出口16に移送された後、垂直搬送機17を介して、1階向コンテナ搬入口18または2階向コンテナ搬入口19まで搬送される。
【0022】
このうち、1階向コンテナ搬入口18に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア20を介して、詳細は後述するが、複数のステーション(ブースともいう)を有する1階ステーションユニット21に搬送され、いずれかのステーションにおいて図書の取り出しまたは入庫に供される。
【0023】
また、2階向コンテナ搬入口19に移送されたコンテナ12は、搬送コンベア22を介して、複数のステーション(ブースともいう)を有する2階ステーションユニット23に搬送され、いずれかのステーションにおいて図書の取り出しまたは入庫に供される。
【0024】
一方、1階ステーションユニット21で図書の取り出しまたは入庫が完了したコンテナ12は、搬送コンベア24を介して1階向コンテナ搬出口25に移送される。また、2階ステーションユニット23で図書の取り出しまたは入庫が完了したコンテナ12は、搬送コンベア26を介して2階向コンテナ搬出口27に移送される。
【0025】
そして、1階向コンテナ搬出口25または2階向コンテナ搬出口27に移送されたコンテナ12は、垂直搬送機17により地階のコンテナ搬入口28に移送され、搬送コンベア29を介して入庫用ラックステーション30に移送された後、スタッカークレーン13により書棚11aまたは11bに入庫される。
【0026】
なお、他の書棚11c,11d相互間及び書棚11e,11f相互間にも、それぞれスタッカークレーン(図示せず)が設置されている。そして、上記と略同様の動作により、各書棚11c〜11fと1階及び2階ステーションユニット21,23との間で、コンテナ12を搬送することができる。
【0027】
ここで、図2(a)は、上記コンテナ12の詳細な構成を示している。すなわち、このコンテナ12は、その内部が略直交する仕切り板12a,12bによって、4つのブロックA,B,C,Dに分割されている。そして、各ブロックA,B,C,D内には、図2(b)に示すように、それぞれ複数の図書31,31,……が厚み方向に1列に並んで収容されるようになっている。つまり、コンテナ12内には、ブロックA,Bに収容された図書31,31,……の列と、ブロックC,Dに収容された図書31,31,……の列とが、2列に並んで収容されることになる。
【0028】
そして、コンテナ12内で2列に並んだ各図書31,31,……同士は、互いにその背表紙31aを外側に向けるようにして収容されている。なお、コンテナ12は、その側面にバーコードラベル12cが付されている。また、各図書31,31,……にも、それぞれ固有のバーコードが付されている。さらに、コンテナ12の両端部には、取っ手12dが設置されている。
【0029】
一方、図3は、上記1階ステーションユニット21の外観を示している。なお、2階ステーションユニット23については、1階ステーションユニット21と同様な構成であるため、その説明を省略する。
【0030】
すなわち、この1階ステーションユニット21は、それぞれ利用者が入退室可能な5基のステーション(ブース)32を備えている。各ステーション32は、それぞれ、ドア32aを有する個室状に構成されている。また、この1階ステーションユニット21の近傍の壁には、各ステーション32の利用状況を示すモニタ33が設置されている。
【0031】
図4は、1基のステーション32の内部を示している。他の4基のステーション32についても、全て同様な構成となっている。すなわち、ステーション32には、カウンター台34が設置されている。そして、このカウンター台34の奥側に上記書棚11a〜11fから取り出されたコンテナ12が保持され、利用者がそのコンテナ12から必要な図書31を取り出すことができる。
【0032】
また、このカウンター台34には、図5に示すように、入力タッチパネル式のモニタを有するステーション端末機(STU)35、無線タグリーダ36、プリンタ37、カードリーダ38及び図書31のバーコードを読み取るためのバーコードリーダ39が設置されている。なお、カウンター台34には、そこに保持されたコンテナ12のバーコードを読み取るための図示しないバーコードリーダも設置されている。
【0033】
図6は、上記1階ステーションユニット21の周辺の構造を示している。すなわち、5基のステーション32は、そのドア32aを同方向に向けて直線的に併設されている。そして、これらステーション32の背面側には、ステーション32の配列方向に沿ってレール40が敷設されている。
【0034】
また、このレール40の一端部は、前記垂直搬送機17によって1階向コンテナ搬入口18に移送されたコンテナ12を1階ステーションユニット21に搬送する搬送コンベア20と、1階ステーションユニット21で図書の取り出しまたは入庫が完了したコンテナ12を1階向コンテナ搬出口25に搬送する搬送コンベア24とに対向している。
【0035】
そして、上記レール40には、走行式移載台車41が自走可能に搭載されている。この走行式移載台車41は、1階向コンテナ搬入口18から搬送コンベア20によって搬送されてきたコンテナ12を搭載し、所定のステーション32まで移送してそのステーション32に設置されたコンテナ保持部42(図7参照)に保持させるように機能する。
【0036】
また、この走行式移載台車41は、所定のステーション32のコンテナ保持部42に保持されたコンテナ12を搭載し、搬送コンベア24まで移送して搬送コンベア24に搭載させるように機能する。
【0037】
この場合、走行式移載台車41には、図2に示したコンテナ12の取っ手12dを引くことにより、外部から台車上にコンテナ12を摺動移載し、また、取っ手12dの下方を押すことにより台車上から外部にコンテナ12を摺動移載するための、図示しない転載機構が搭載されている。
【0038】
また、上記搬送コンベア20,24と1階ステーションユニット21との間のレール40近傍には、回転台43が設置されている。この回転台43は、走行式移載台車41から受け取って搭載したコンテナ12を180度回転させる機能を有する。コンテナ12を回転させる目的は、図書31をその厚み方向に2列に収容するコンテナ12の場合、目的とする図書31の収容されている側が、ステーション32で利用者側に向くようにするためである。
【0039】
ここで、上記レール40の1階ステーションユニット21が設けられている側と反対の側には、複数のコンテナ12を載置可能なコンテナ待機棚44が設けられている。このコンテナ待機棚44は、図7に示すように、上下2段の棚44a,44bによって構成されている。この実施の形態では、各棚44a,44bに10個ずつ、合計20個のコンテナ12を搭載可能となっている。
【0040】
そして、上記走行式移載台車41には、昇降機構41aが設けられており、いずれの棚44a,44bに対してもコンテナ12の出し入れを行なえるようになっている。
【0041】
これにより、走行式移載台車41は、搬送コンベア20,24、各ステーション32のコンテナ保持部42、回転台43及びコンテナ待機棚44の相互間で、自由にコンテナ12を移送することができる。
【0042】
なお、図6において、垂直搬送機17の搬送コンベア20,24が設けられている側と反対の側には、職員用ステーション(ブース)45が設けられており、利用者用のステーション32を使用することなく、図書館員の手元にコンテナ12を取り出すことが可能になっている。
【0043】
図8は、上記のような図書保管管理システムの制御システムを示している。すなわち、図書館システムサーバ(LSS)46は、書棚群11に保管されている閉架保管区分の図書31だけでなく、図示しない開架保管区分の図書をも含めた図書館の全ての全ての図書31を統括管理するものである。
【0044】
この図書館システムサーバ46は、全図書31の開架、閉架保管区分の管理、新規図書31の図書コード登録処理等の業務管理を行なっている。また、この図書館システムサーバ46は、図示しないが、開架図書31の貸し出し返却処理を行なう図書館員カウンタ端末、開架/閉架図書31を対象とした図書検索端末(OPEC)47が接続され、検索結果として、閉架図書32の図書貸し出し情報を書庫システムサーバ(BSS)48に伝送している。また、図書検索端末47はプリンタを有し、貸し出し予約した図書31の内容、予約順にふられる予約番号を記入した図書予約票を発行する。
【0045】
そして、上記書庫システムサーバ48は、図書館システムサーバ46とLAN(local area network)回線で接続され、閉架書庫内の図書31の所在位置管理、貸し出し、返却処理の管理を行なっている。図書貸し出し情報は、図書館システムサーバ46から伝送され、貸し出しの作業が終了すると、図書館システムサーバ46に図書貸し出し実績報告を行なっている。また、返却図書31が書庫に戻されると、図書館システムサーバ46に図書返却実績報告を行なっている。図書貸し出し情報は、予約番号順に記憶される。
【0046】
また、書庫システムサーバ48の内部記憶装置には、書庫に保管された全図書31の図書コード、書誌データ、各図書31の保管位置に関するデータが記憶されている。これらのデータは、図示しない複数の障害対策用ハードディスク、マスタバックアップ管理用DAT、無停電電源装置により保護されており、図書貸し出し情報から、要求される図書31が収容されたコンテナ12の番号が検索される図書コードに対応して記憶される。
【0047】
さらに、書庫システムサーバ48は、書庫内の図書31を取り出し、返却する場所であるステーション32,45にそれぞれ設けられたステーション端末機35と、書庫内のスタッカークレーン13や各種の搬送機器をコントロールする統括制御盤49とに、LAN回線で接続されている。
【0048】
すなわち、図書31の貸し出し場所であるステーションは、1基の図書館職員用ステーション45と、複数基の個人利用者用のステーション32とがあり、それぞれにステーション端末機35が備えられている。ただし、職員用ステーション45は、図書31の入庫及び出庫を行なえるが、利用者用のステーション32は、出庫つまり図書31の取り出しのみを行なえる機能に制限している。
【0049】
そして、ステーション端末機35は、操作ガイダンス、コンテナ12の到着時の取り出し図書名等の表示、コンテナ12からの取り出し完了の都度操作を行なう入力タッチパネル式のモニタを有している。また、ステーション端末機35には、図書コードを読み取る無線タグリーダ36、プリンタ37、利用者カードから利用者コードを登録するカードリーダ38及びバーコードリーダ39が接続されている。
【0050】
すなわち、図書31に図書コードを記憶した無線タグが装着されているときは、無線タグリーダ36によって図書コードを読み取ることができ、図書31にバーコードが付されているときは、バーコードリーダ39によって図書コードを読み取ることができるようにしている。なお、ステーション端末機35は、ステーション32,45に保持されているコンテナ12のバーコードラベル12cを読み取るバーコードリーダも制御している。
【0051】
また、ステーション端末機35に入力された利用者カードから登録される利用者コードは、書庫システムサーバ48に送信される。すると、書庫システムサーバ48では、ステーション32の使用状況、コンテナ待機棚44の占有状況、予約番号順位等を判断し、出庫すべきコンテナ12を決定して、統括制御盤49経由でコンテナ12の出庫を開始させる。
【0052】
ここで、上記統括制御盤49は、ステーション搬送機制御盤50、入出庫搬送機制御盤51、垂直搬送機制御盤52及びスタッカークレーン地上盤53等を統括的に制御している。
【0053】
そして、ステーション搬送機制御盤50は、1階ステーションユニット21において、走行式移送台車41(昇降機構41aを含む)及び回転台43をそれぞれ制御するとともに、垂直搬送機17と職員用ステーション45との間でコンテナ12を移送する移送機構を制御している。また、このステーション搬送機制御盤50は、2階ステーションユニット23において、1階ステーションユニット21と同様の図示しない走行式移載台車、回転台及び移送機構を制御している。
【0054】
さらに、上記入出庫搬送機制御盤51は、入出庫搬送機54(前記搬送コンベア15,20,22,24,26,29に相当)を制御している。また、上記垂直搬送機制御盤52は、前述した垂直搬送機17を制御し、スタッカークレーン地上盤53は、スタッカークレーン制御盤55を介して書庫内におけるスタッカークレーン13を制御している。
【0055】
ここで、書庫システムサーバ48の内部記憶装置には、図書館システムサーバ46から登録された予約番号、利用者コード及び図書コードを基に、基本管理データファイルである図書貸し出し情報と4つのマスタとが構成され記憶されている。これら4つのマスタは、図書マスタ、コンテナマスタ、待機棚ロケーションマスタ及び書庫ロケーションマスタである。
【0056】
まず、図9は、図書貸し出し情報を示している。この図書貸し出し情報は、予約番号単位で作成される。すなわち、予約番号、利用者コード及び図書コードは、図書館システムサーバ46に接続された図書検索端末47で利用者が図書31を検索し、貸し出しを受ける図書31が決定した時点で、図書館システムサーバ46から書庫システムサーバ48に送られる。
【0057】
書庫システムサーバ48において、図書マスタからコンテナ番号が引用されて付加される。コンテナ番号には、後番の予約番号でも利用される場合に、その回数まで記載する引き当て情報が用意されている。
【0058】
対象コンテナ12をコンテナ待機棚44に一時保管したときの待機棚ロケーション、ステーション32に対象コンテナの全てを順次出庫できる準備ができたときの時刻、利用が決まったステーションNo.、図書取り出しの進捗状況は、利用者の利用開始に伴なう刻々の変化に応じて記録される。
【0059】
進捗状況は、その予約番号の取り出し処理の進捗管理フラグで、状況遷移を記録する。図書貸し出し情報は、最終的には、図書館システムサーバ46に図書貸し出し実績情報として返送される。
【0060】
なお、コンテナ12は、図1に示した2列型を想定しており、その両方の列に異なるコンテナ番号が付されている。ただし、その番号は連番であり、例えば、“123451”の反対側は“123452”としている。このため、図書コードの管理は別個としているが、コンテナ番号“123451”のコンテナ12を書庫に対して入出庫したときは、コンテナ番号“123452”のコンテナ12も書庫に対して入出庫したとする制御が行なわれる。
【0061】
コンテナ12の両面を使用するときには、図書貸し出し情報の最初のコンテナ番号側が
ステーション32で利用者側を向くように搬送される制御を行なっている。
【0062】
図10(a)は、図書マスタを示している。この図書マスタは、図書単位で作成される。すなわち、図書コード、書誌データ(書名、著者名、出版社等からなる)及び収容されているコンテナ12のコンテナ番号からなる。なお、図書31の保管区分を書庫外とする、または、図書31を廃棄する等の削除情報があるまでは、その図書31の図書マスタは残る。
【0063】
図10(b)は、コンテナマスタを示している。このコンテナマスタは、コンテナ単位で作成される。すなわち、コンテナマスタは、コンテナ番号ごとに構成され、コンテナ12のサイズを示すコンテナ種別コード、収容図書31のサイズを表わす図書サイズ識別コード、コンテナ12の図書充填率、コンテナ12に収容されている全図書31の図書コードからなる。
【0064】
コンテナ番号は、全てのコンテナ12に対して一連番号として付けられる固有の番号であり、バーコードラベル12cとしてコンテナ12の本体側面に貼られる。ステーション32のバーコードリーダで読み取ることにより、書庫から取り出されたコンテナ12の到着を知ることができる。
【0065】
図11(a)は、待機棚ロケーションマスタを示している。この待機棚ロケーションマスタは、棚44a,44b単位で作成される。すなわち、コンテナ待機棚44のコンテナ12の保管場所を示すロケーションと、、そこにあるコンテナ12のコンテナ番号とから構成される。
【0066】
コンテナ番号には、その時点で保管されている場合は、実保管フラグがセットされる。実保管フラグがセットされていないコンテナ番号は、書庫から出庫途中のコンテナ分、または、ステーション32にあり、他の予約番号でも利用するためステーション32から再び戻されるコンテナ分であって、その時点ではないとしても確保しておくべき収容場所を示している。
【0067】
コンテナ待機棚44の空き数は、実保管かどうかに関係なく、コンテナ番号の記載されていないロケーション数となる。なお、コンテナ12の両側を使用するときは、最初に使用する側のコンテナ番号が記憶される。反対側を利用することは、図書貸し出し情報に記憶されている。
【0068】
図11(b)は、書庫ロケーションマスタを示している。この書庫ロケーションマスタは、書棚11a〜11f単位で作成される。すなわち、書庫内の書棚11a〜11fのコンテナ保管場所を示すロケーションと、そのロケーションが付された書棚11a〜11fの大きさを示す棚領域区分コードと、そこに保管されているコンテナ12のコンテナ番号と、そのコンテナ種別コードとで構成される。
【0069】
上記のような構成となされた図書保管管理システムにおいて、以下、図12〜図15に示すフローチャートを参照して、その動作を説明する。まず、処理が開始されると、ステップS1で、貸し出しを受ける利用者は、図書館システムサーバ46に接続された図書検索端末47により、利用者カードを用いて利用者コードを登録してから図書検索を実行する。
【0070】
ステップS2で、図書検索の確定をすると、図16に示すような図書予約票が発行される。この図書予約票には、図書名、図書コード、予約番号、予約時間及び図書受け渡し場所が記載されている。図16に示す例では、予約番号が13で、3冊の貸し出し予約となっている。
【0071】
ステップS3で、予約番号、利用者コード及び図書コードが図書貸し出し情報として図書館システムサーバ46から書庫システムサーバ48に伝送される。
【0072】
ステップS4で、図書館システムサーバ46に図書貸し出し情報が予約番号単位でグループ化されて記憶される。該当図書31の図書マスタから、その図書31の収容されているコンテナ12のコンテナ番号が検索され、追加して記憶される。
【0073】
ステップS5で、図書貸し出し情報の進捗情報の中の書庫から出庫開始フラグのない、一番若い番号の予約番号を対象に制御が始まる。この処理が始まると、処理に入った予約番号と対応する進捗情報の中の書庫から出庫開始フラグをセットする。そして、コンテナ待機棚44及びステーション(フローチャートではブースという)32に、この予約番号で使用するコンテナ12と同じコンテナ12があるか否か、他の図書貸し出し情報を検索する。
【0074】
コンテナ待機棚44及びステーション32に、この予約番号で使用するコンテナ12と同じコンテナ12がある場合(YES)には、ステップS6で、該当する相手の図書貸し出し情報にあるコンテナ番号の引き当て情報をセットする。引き当て対象のコンテナ12は、その他の予約番号からも引き当てられたときは、引き当て情報に引き当て数も記憶される。また、同じ予約番号で同一のコンテナ12である2列両側のコンテナ番号に貸し出し図書があるときは、その予約番号の図書貸し出し情報に両方のコンテナ番号が記憶されているので、引き当て情報をセットする必要はなくなる。つまり、コンテナ番号が異なっても、反対側の例の番号を対象にするときは、存在するコンテナ番号を引き当てることで制御することができる。
【0075】
このように、他の予約番号で使用するコンテナ12を引き当てて使用することになったが、ステップS7で、それ以外に書庫から出庫するコンテナ12があるか否かを判断する。
【0076】
書庫から出庫するコンテナ12がない場合(NO)には、ステップS8で、待機棚ロケーションマスタの該当コンテナ番号の実保管により、引き当てコンテナ12が全てコンテナ待機棚44にあるか否かを判断する。コンテナ待機棚44にない引き当てコンテナ12がある場合(NO)には、その全てがコンテナ待機棚44に実保管されるまで待ち状態となる。
【0077】
他の予約番号のコンテナ12を利用することを引き当てたコンテナ12の全てがコンテナ待機棚44に実保管された場合(YES)には、ステップS9で、空きステーション32があるか否かを判断し、ない場合(NO)には、空きが生じるまで待ち状態となる。
【0078】
空きステーション32が発生した場合(YES)には、ステップS10で、図書貸し出し情報の進捗情報の中の取り出し準備完了フラグをセットする。利用者にステーション32の利用許可を与え、各ステーション32の利用状況を示すモニタ33によって、図17に示すように、予約番号13の利用者の入室を促す。この例では、予約番号13の利用者は、番号1か4のステーション32に入室することができる。今、番号1のステーション32に入るものとする。また、モニタ33によってステーション32に入室を促した時刻を、図書貸し出し情報の準備完了時刻に記録する。ここでは、その時刻を13時55分とする。
【0079】
一方、上記ステップS5で他の予約番号分に引き当たるコンテナ12が全く存在しない場合(NO)、または、上記ステップS7で書庫から出庫するコンテナ12がある場合(YES)には、ステップS11で、コンテナ待機棚44に空きがあるか否かを待機棚ロケーションマスタを参照して判断する。待機棚ロケーションマスタには、実保管されているコンテナ12のコンテナ番号と、現在はないがステーション32から戻って保管されるコンテナ12のコンテナ番号とが記憶されているので、コンテナ番号の記憶されていないロケーションが空きのある待機棚となる。コンテナ待機棚44に空きがない場合(NO)には、空きが生じるまで待ち状態となる。
【0080】
コンテナ待機棚44に空きがある場合(YES)には、ステップS12で、図書貸し出し情報のコンテナ番号から書庫のロケーションを書庫ロケーションマスタで検索し、スタッカークレーン13に出庫命令として与える。コンテナ番号は、待機棚ロケーションマスタに記憶される。この登録は、コンテナ12がステーション32で利用完了した時点で、他の予約番号に引き当てられていないと判断されるまで継続される。
【0081】
ステップS13で、ステップS12で書庫から出庫開始されたコンテナ12以外のコンテナ12は全てコンテナ待機棚44に実保管されていて、書庫からコンテナ12が出庫されれば準備完了となるか否かを判断する。ただし、対象コンテナ12の数が1個だけのときは、コンテナ待機棚44のコンテナ収容状態は関係ない。
【0082】
書庫からコンテナ12が出庫されれば準備完了となる場合(YES)には、ステップS14で、上記ステップS10と同様の処理が行なわれる。すなわち、利用者にステーション32の利用許可を与える。このようにすることにより、書庫から出庫開始されたコンテナ12がステーション32に到着するまでの搬送時間を有効に利用することができる。
【0083】
ステップS15で、書庫から出庫されたコンテナ12が垂直搬送機17と接続された搬送コンベア20に到着したとき、利用者が利用者カードを登録しているか否か、つまり、ステーション32の番号が決定しているか否かを判断する。ステーション32の利用が許可されて、利用状況を示すモニタ33で空きステーション32を案内された利用者は、そのステーション32のステーション端末機35の入力タッチパネル式モニタにより、図18(a)に示すように、利用者カードをカードリーダ38に読み取らせるように案内される。これにより、利用者カードが登録されることになる。登録すると、図18(b)に示す画面により、コンテナ数を知り、その到着を待つことになる。登録すると、図書貸し出し情報の進捗情報の中の利用者コード登録フラグがセットされ、ステーションNo.に記憶される。今、予約番号13は、ステーションNo.1と決定されたことになる。利用状況を示すモニタ33は、No.1のステーション32を利用中に切り替える。
【0084】
上記ステップS13で書庫からコンテナ12が出庫されても準備完了とならない場合(NO)、または、上記ステップS15でステーション32の番号が決定していない、つまり、ステーション32にコンテナ12を搬送できない場合(NO)には、ステップS16で、書庫から出庫したコンテナ12をステップS12で決めた待機棚ロケーションで示すコンテナ待機棚44に搬送する。
【0085】
ステップS17で、さらに書庫から出庫すべきコンテナ12があるか否かを判断する。
【0086】
ある場合(YES)には、上記ステップS11の判断を経てコンテナ待機棚44に空きがある場合、上記ステップS12により書庫からの出庫を実行する。
【0087】
上記ステップS17で書庫から出庫すべきコンテナ12がない場合(NO)には、ステップS18で、書庫からの未出庫コンテナ12がないが、既にステーション32の利用許可がなされているか否かを判断する。利用許可がなされている場合(YES)には、全てのコンテナ12がコンテナ待機棚44に揃ったことになるので、ステップS19で、利用者コードが登録されているか否かを判断する。すなわち、利用者登録待ち状態に入る。利用許可がなされていない場合(NO)には、コンテナ待機棚44に実保管されていない引き当てコンテナ12があることになるので、上記ステップS8に移行し全てのコンテナ12がコンテナ待機棚44に実保管されるまで待ち状態となる。
【0088】
上記ステップS19で利用者コードが登録されていない場合(NO)には、ステップS20で、ステーション32の利用許可を出した後、利用者コードの登録がないまま一定時間が経過したか否かを判断する。一定時間が経過していない場合(NO)には、ステップS19で利用者コードの登録待ち状態となる。
【0089】
そして、一定時間が経過した場合(YES)には、ステップS21で、そのステーション32の利用許可の取り消し処理を実行する。つまり、利用状況を示すモニタ33から予約番号13を消去する。これは、コンテナ12が準備完了しても、一定時間内に利用者コードの登録がないときは、予約取り消し処理を行なっている。この処理は、後番の利用者の迷惑を排除することを意図している。すなわち、貸し出し処理は、コンテナ12の重複利用時に少し前後することはあるとしても、また、予約順を狂わしてのステーション32の利用は可能であるとしても、原則として、予約番号順に行なわれるのであるから、遅滞者分のコンテナ12がコンテナ待機棚44に長時間滞留することは他者の迷惑になるとの理由がある。一定時間、例えば10分間の猶予時間を監視する。先の例では、13時55分に案内表示を開始したので、14時5分に予約取り消し処理が実行される。
【0090】
ステップS22で、対象とするコンテナ12が後番の予約番号で引き当てられているか否かを判断する。この判断は、後番の予約番号である図書貸し出し情報に同じコンテナ番号があり、かつ、引き当て情報フラグのセットを検索して行なうことができる。
【0091】
対象とするコンテナ12が後番の予約番号で引き当てられていない場合(NO)には、ステップS23で、そのコンテナ12を書庫に戻す作業が実行される。
【0092】
このステップS23の後、または、上記ステップS22で対象とするコンテナ12が後番の予約番号で引き当てられている場合(YES)には、ステップS24で、そのコンテナ12をコンテナ待機棚44に留め、予約番号13の図書貸し出し情報にある全てのコンテナ12に対してステップS22の判断を行ない、全てのコンテナ12に対して判断が完了した場合(YES)には、予約番号13の取り消し処理を終了する。全てのコンテナ12に対して判断が完了していない場合(NO)には、ステップS22の処理に移行され、判断が続けられる。
【0093】
上記ステップS15またはステップS19で利用者コードが登録されている場合(YES)には、ステップS25で、垂直搬送機17と接続された搬送コンベア20から直接、または、コンテナ待機棚44から、コンテナ12のステーション32への搬送が開始される。
【0094】
利用者登録操作を終わった利用者は、ステーション端末機35の入力タッチパネル式モニタにより、図18(b)に示すように、コンテナ12の数、この例では2つあることを知らされている。ステップS26で、ステーション32にコンテナ12が到着すると、入力タッチパネル式モニタの画面は、図18(c)または(e)のように切り替わる。図書貸し出し情報の進捗情報の中のブース取り出し中フラグをセットする。
【0095】
ステップS27で、複数のコンテナ12から図書31の取り出しが行なわれる場合、ステーション32に保持されているコンテナ12が最後のコンテナ12であるか否かを判別する。最初のコンテナ12がステーション32に到着したとき、入力タッチパネル式モニタの画面は、図18(c)のようになり、最後のコンテナ12または最初からコンテナ数が1個の場合は、そのコンテナ12がステーション32に到着したとき、入力タッチパネル式モニタの画面は、図18(e)のようになる。
【0096】
最後のコンテナ12である場合(YES)、ステップS28で、図18(e)の画面に表示された書名に基づいて図書31を取り出し、「終了」の項目をタッチする。入力タッチパネル式モニタの画面は、図18(f)のようになり、プリンタ37で図19に示すような図書貸し出し票が発行される。
【0097】
上記ステップS27で最後のコンテナ12でない場合(NO)には、ステップS29で、図18(c)の画面に表示された書名に基づいて図書31を取り出し、「次の図書」の項目をタッチする。入力タッチパネル式モニタの画面は、図18(d)のように切り替わる。
【0098】
上記ステップS28またはS29の後、図書31を取り出されたコンテナ12は、ステーション32から搬出されるが、ステップS30で、上記ステップS22と同じ判断がなされる。すなわち、対象とするコンテナ12が後番の予約番号で引き当てられているか否かを判断する。この判断は、後番の予約番号である図書貸し出し情報から引き当て情報フラグのセットされたコンテナ番号を検索して行なうことができる。
【0099】
対象とするコンテナ12が後番の予約番号で引き当てられている場合(YES)には、ステップS31で、そのコンテナ12をコンテナ待機棚44に戻す。この場合、引き当てコンテナ番号が今利用したコンテナ番号の反対側の番号であるときは、コンテナ12を回転させてからコンテナ待機棚44に保管させるようにしても良い。これは、その時点での走行式移載台車41の作業量で制御することになる。
【0100】
上記ステップS30で対象とするコンテナ12が後番の予約番号で引き当てられていない場合(NO)には、ステップS32で、そのコンテナ12を書庫に戻す作業が実行される。
【0101】
ステップS33で、次のコンテナ12があるか否かを判断する。
【0102】
次のコンテナ12がある場合(YES)、つまり、上記ステップS29で「次の図書」の項目のタッチ操作が行なわれた場合には、ステップS34で、次のコンテナ12をコンテナ待機棚44からステーション32まで搬送する。このとき、次のコンテナ番号が今使用したコンテナ12の反対側、つまり、コンテナ12としては同じであるが反対側の列に付されたコンテナ番号であるときには、コンテナ12を移載した走行式移載台車41は、回転台43の前面に進み、コンテナ12を回転台43に移載して180度回転させてから、再びステーション32に搬送するように制御する。以後、上記ステップS26の処理に移行される。
【0103】
上記ステップS33で次のコンテナ12がない場合(NO)、つまり、上記ステップS28で「終了」の項目のタッチ操作が行なわれた場合には、ステップS35で、図18(f)のような入力タッチパネル式モニタの画面の案内に基づいて、利用者は、プリンタ37で発行された図19に示すような図書貸し出し票を受領した後、ステーション32から退室する。図書貸し出し情報の進捗情報の中の取り出し完了フラグがセットされて、利用状況を示すモニタ33のステーションNo.1は空きなる。
【0104】
上記ステップS35の後、または、上記ステップS24で予約番号13の全コンテナ12に対して予約取り消し処理が終了した場合(YES)には、ステップS36で、書庫システムサーバ38から、処理中に記憶された情報を加えた図書貸し出し情報を図書貸し出し実績情報として図書館システムサーバ46に伝送して、全ての処理を終了する。
【0105】
なお、上記ステップS20以降において、取り消された予約番号については、図書貸し出し情報の進捗情報の中の取り出し完了フラグがセットされていないので、図書館システムサーバ46は、キャンセル情報として取り扱うことになる。
【0106】
上記した実施の形態によれば、書庫と1階及び2階ステーションユニット21,23との間のコンテナ搬送経路上で、1階及び2階ステーションユニット21,23の近傍に、コンテナ12を一時的に保管するコンテナ待機棚44を設けておき、利用者が図書検索端末47から予約した時点で、その予約図書31を収容したコンテナ12を書庫から出庫してコンテナ待機棚44に滞留させることにより、貸し出し図書31の検索からステーション32での利用者による図書31の取り出しまでの時間を短縮して、複数のステーション32の有効利用を図ることができる。
【0107】
すなわち、利用者が、図書館システムサーバ46の図書検索端末47で図書31を検索し予約すると、その貸し出し予約した図書31の図書コード、利用者コード及び予約番号からなる予約情報が書庫システムサーバ48に供給されて、その図書コードを収容する全てのコンテナ12のコンテナ番号が検索され、予約番号をキーとする図書貸し出し情報としてグルーピングされて記憶される。
【0108】
一方、書庫と1階及び2階ステーションユニット21,23との間のコンテナ搬送経路上で、1階及び2階ステーションユニット21,23の近傍に、コンテナ12を一時的に保管するコンテナ待機棚44を設け、ある予約番号の利用者が図書検索端末47から予約した時点で、その予約図書31を収容したコンテナ12を書庫から出庫してコンテナ待機棚44に保管し、貸し出し予約された全ての図書31を収容する各コンテナ12がコンテナ待機棚44に保管された時点で、予約番号、ステーションNo.を表示して取り出しが可能であることを案内する。
【0109】
利用者が案内されたステーション32で利用者コードを入力することにより、予約番号をキーとしてグルーピングされた図書貸し出し情報に基づき、コンテナ待機棚44からステーション32にコンテナが搬送される。ステーション32において、図書31の取り出しが完了したコンテナ12はステーション32から搬出され、コンテナ待機棚44から次のコンテナ12がステーション32に搬送される。
【0110】
コンテナ待機棚44は、ステーション32の近傍にあり、かつ、貸し出し図書31の入ったコンテナ12が全て収容されているので、ステーション32における図書31の取り出し作業に合わせて、コンテナ12を効率的にステーション32に順次送り込むことが可能となる。これにより、複数の利用者が限られた数のステーション32を有効に利用することが可能となる。
【0111】
図20は、ステーション32の他の例を示している。すなわち、ステーション32の数を3基とし、各ステーション32にそれぞれ2つのコンテナ12を保持させるようにしている。この場合、ステーション32において、コンテナ12eは利用者が図書31を取り出す位置にあり、コンテナ12fは、待機(バッファ)位置にある。コンテナ12eからの図書31の取り出し中にコンテナ12fをステーション32に搬送しておき、ステーション32からコンテナ12eが搬出されると、直ちに、コンテナ12fが取り出し位置に移動できることになる。なお、占有面積を小さくするため、回転台43は、レール40の末端に配置している。
【0112】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、図書保管管理システムの全体的な構成を説明するために示す斜視図。
【図2】同実施の形態におけるコンテナの詳細な構成とコンテナに図書を収容した状態とを説明するために示す斜視図。
【図3】同実施の形態における1階ステーションユニットの外観を説明するために示す斜視図。
【図4】同実施の形態における1階ステーションユニットの中の1基のステーションの内部を説明するために示す正面図。
【図5】同実施の形態における1階ステーションユニットの中の1基のステーションの内部を説明するために示す上面図。
【図6】同実施の形態における1階ステーションユニットの周辺の構造を説明するために示す平面図。
【図7】同実施の形態における1階ステーションユニットの周辺の構造を説明するために示す側面図。
【図8】同実施の形態における図書保管管理システムの制御システムを説明するために示すブロック構成図。
【図9】同実施の形態における図書保管管理システムで使用される図書貸し出し情報を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態における図書保管管理システムで使用される図書マスタ及びコンテナマスタを説明するために示す図。
【図11】同実施の形態における図書保管管理システムで使用される待機棚ロケーションマスタ及び書庫ロケーションマスタを説明するために示す図。
【図12】同実施の形態における図書保管管理システムの主要な処理動作の一部を説明するために示すフローチャート。
【図13】同実施の形態における図書保管管理システムの主要な処理動作の他の部分を説明するために示すフローチャート。
【図14】同実施の形態における図書保管管理システムの主要な処理動作のさらに他の部分を説明するために示すフローチャート。
【図15】同実施の形態における図書保管管理システムの主要な処理動作の残部を説明するために示すフローチャート。
【図16】同実施の形態における図書保管管理システムで使用される図書予約票を説明するために示す図。
【図17】同実施の形態における図書保管管理システムの動作中に表示される利用状況を示すモニタ画面を説明するために示す図。
【図18】同実施の形態における図書保管管理システムの動作中に表示される各種のモニタ画面を説明するために示す図。
【図19】同実施の形態における図書保管管理システムで使用される図書貸し出し票を説明するために示す図。
【図20】同実施の形態における1階ステーションユニットの他の例を説明するために示す平面図。
【符号の説明】
【0114】
11…書棚群、12…コンテナ、13…スタッカークレーン、14…出庫用ラックステーション、15…搬送コンベア、16…コンテナ搬出口、17…垂直搬送機、18…1階向コンテナ搬入口、19…2階向コンテナ搬入口、20…搬送コンベア、21…1階ステーションユニット、22…搬送コンベア、23…2階ステーションユニット、24…搬送コンベア、25…1階向コンテナ搬出口、26…搬送コンベア、27…2階向コンテナ搬出口、28…コンテナ搬入口、29…搬送コンベア、30…入庫用ラックステーション、31…図書、32…ステーション、33…モニタ、34…カウンター台、35…ステーション端末機、36…無線タグリーダ、37…プリンタ、38…カードリーダ、39…バーコードリーダ、40…レール、41…走行式移載台車、42…コンテナ保持部、43…回転台、44…コンテナ待機棚、45…職員用ステーション、46…図書館システムサーバ、47…図書検索端末、48…書庫システムサーバ、49…統括制御盤、50…ステーション搬送機制御盤、51…入出庫搬送機制御盤、52…垂直搬送機制御盤、53…スタッカークレーン地上盤、54…入出庫搬送機、55…スタッカークレーン制御盤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書庫に収容され、それぞれが複数の図書を収容する複数のコンテナと、
利用者に前記図書の貸し出し予約を行なわせるための入力手段と、
前記書庫から取り出されたコンテナを保持し、利用者に前記コンテナからの図書の取り出しを行なわせるためのステーションと、
前記書庫と前記ステーションとの間のコンテナ搬送経路上に設けられ、前記コンテナを一時保管する待機棚と、
前記書庫と前記待機棚との間で前記コンテナを搬送する第1の搬送手段と、
前記待機棚と前記ステーションとの間で前記コンテナを搬送する第2の搬送手段と、
前記書庫と前記ステーションとの間で前記コンテナを搬送する第3の搬送手段と、
前記入力手段で予約された図書を含むコンテナを検索し、該コンテナを前記第1乃至第3の搬送手段を選択的に制御して前記ステーションに取り出させるように制御する制御手段とを具備してなることを特徴とする図書保管管理装置。
【請求項2】
前記入力手段は、利用者の入力操作に基づいて、利用者を識別する利用者識別情報と貸し出しが要求された図書を識別する図書識別情報とを対応させた予約情報を生成することを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記コンテナを識別する情報と、前記コンテナの前記書庫内における収容位置を示す情報と、前記コンテナに収容されている前記図書を示す情報とを対応させて記憶する記憶手段を備え、前記入力手段で生成された予約情報に基づいて前記記憶手段の記憶内容を参照することにより、前記入力手段で予約された図書を含むコンテナを検索することを特徴とする請求項2記載の図書保管管理装置。
【請求項4】
前記入力手段で予約された図書が複数あり、その複数の図書が複数のコンテナに分散されている場合、前記制御手段は、その複数のコンテナの全てを前記待機棚に保管するように制御し、かつ、前記ステーションに空きがあるとき、該入力手段で生成された予約情報に含まれる利用者識別情報の利用者に対して、空きステーションに行くように案内する案内手段を備えることを特徴とする請求項3記載の図書保管管理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記案内手段によって案内が行なわれた後、その案内されたステーションにおいて、前記入力手段で生成された予約情報に含まれる利用者識別情報が登録されたとき、前記待機棚に保管された複数のコンテナを、前記ステーションのコンテナ保持状態に応じて、順次前記ステーションに搬送させることを特徴とする請求項4記載の図書保管管理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記案内手段によって案内が行なわれた後、予め設定された所定時間以内に、その案内されたステーションにおいて、前記入力手段で生成された予約情報に含まれる利用者識別情報が登録されないとき、その予約を取り消すことを特徴とする請求項4または5記載の図書保管管理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記ステーションで図書の取り出しが完了したコンテナについて、既に設定されている後番の貸し出し予約により、該コンテナが利用される場合は、そのコンテナを待機棚に戻すことを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項8】
前記コンテナは、前記図書をその厚み方向に2列に収容する構造であり、前記書庫と前記ステーションとの間のコンテナ搬送経路上には、そのコンテナが前記ステーションに保持されたとき利用者側に向ける列を変えるための回転手段が備えられることを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。
【請求項9】
前記図書には、その図書識別情報を記憶した無線タグが装着され、前記ステーションには、前記図書に装着された無線タグに記憶された図書識別情報を読み取る読み取り手段が備えられることを特徴とする請求項1記載の図書保管管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−327738(P2006−327738A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152325(P2005−152325)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】