説明

固体触媒を用いたカルバメートの生成

少なくともアミンまたはポリアミンと、化学式(OR)(OR’)C=Oの有機カルボネートと、触媒とを反応させる工程を包含し、上記触媒が、少なくとも、金属酸化物、微小孔性の物質、メソ細孔性の物質、ヒドロタルサイト型のアニオン性の薄層状化合物もしくはその誘導体、または有機ポリマーから選択される担持体によって少なくとも形成され、上記触媒が、周期表における8族、9族、10族および11族の金属をさらに含んでいてもよいカルバメートの生成方法。上記得られたカルバメートは、対応するイソシアネートに変換されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、カルバメートおよびそれに対応するイソシアネートを、異種の触媒の存在下において、脂肪族アミンおよび芳香族アミンまたは脂肪族ポリアミンおよび芳香族ポリアミンと有機カルボネートとを反応させることによって生成する方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
有機カルバメートはアミンと反応し、カルバメートを生み出し得る。カルバメートは、薬剤の生成、農薬化合物(殺虫剤や除草剤)の生産を含む多くの用途において広く用いられる化合物である。特に関連があるのは、ポリウレタンの合成に際して単量体として用いられ得るイソシアネートを合成する際の前駆体として、カルバメートを用いることである。
【0003】
ポリウレタンを合成する工業的方法の一つは、アミンとホスゲンとの反応によってイソシアネートを生成することに基づいている。ホスゲンは毒性があるため、イソシアネートを生成するための試薬の代替品があれば極めて便利である。この意味で、イソシアネートを合成する可能性がある代替経路の一つは、媒介物としてカルバメートを用いることである。カルバメートの生成は、有機カルボネートとアミンとを反応させることによって行われ得る。
【0004】
しかし、ジアルキルカルボネートは、二通りの方法にてアミンと反応し得る。一つはカルバメートを形成することによって、もう一つはN−アルキル化産物を形成することによってである。この第二の反応は第一の反応と競合するので、選択的なカルバメート合成を行うときには望ましくない(図1)。
【0005】
【化1】

【0006】
もっとも広く用いられ、その入手のしやすさからもっとも注目されてきた有機カルボネートは、ジメチルカルボネートである。但し、他のジアルキルカルボネートや脂環式カルボネートも、ジメチルカルボネートと同様に作用し、そしてアミンの存在下においてはアルキル化剤またはカルバモイル化剤として作用してもよい。使用可能な他の有機カルボネートは、ジフェニルカルボネートのような芳香族カルボネートまたはポリフッ素化アルキル基を有するカルボネートである。
【0007】
有機カルボネート(本来はジメチルカルボネート)とアミンとからカルバメートを形成する反応は、特許文献(US 4,268,683, US 5,698,731, EP 0752414 B1, EP 0570071 B1, EP 0323514 B1, EP 0881213, WO 98/55450, WO 01/56977, WO 2007/015852)や公開文献(J. Molec. Catal., 91, 399-405, 1994, Tetrahedron Letters, 41, 6347-6350, 2000, J. of Technology and Biotechnology, 76, 857-861, 2001, Applied Catalysis A: General, 227, 1-6, 2002, Catalysis Letters, 82, 193-197, 2002, Pure Appl. Chem., 77, 1719-1725, 2005 and Green Chemistry, 7, 159-165, 2005)において報告されている。
【0008】
WO 99/47493は、不活性な担持体上の金属有機塩の存在下、または反応中もしくは反応後に沈殿物を形成する金属触媒の存在下において、ヘテロ原子を用いて置換したカルボネートとアルキルアミンとの反応によって有機カルバメートを生成する方法を開示している。
【0009】
WO 2005/063698は、尿素およびジメチルカルボネートまたはジフェニルカルボネートの合成のために、塩基性の固体触媒を用いることを提案している。
【0010】
上記の先行技術において提案された、アミンと有機カルボネートとを反応させてカルバメートを生成する方法には、一連の不利な点がある。第一に、上記反応に可溶性の金属触媒を用いるのは望ましくない。これは、可溶性の金属触媒は上記反応の産物を汚染し、また可溶性の金属触媒を除くのは困難であり、そして、後の工業用途によって必要とされる純度を有するカルバメートを得るのに高い費用がかかるからである。さらに、これらの触媒は、一般的に、反応の過程でその活性を失い、そして、仮に回収されたとしても、この工程で再利用することはできないため、触媒費用がかなりかさむと共に、環境の観点から望ましくない金属残留物が生じることにもなる。さらに、いくつかの工程は、過剰な量のN−アルキル化物および/または低収率のカルバモイル化物を生成するものもあり、高温および/または比較的長い反応時間がさらに必要となる。
【0011】
〔発明の表示〕
本発明は、少なくとも
アミンまたはポリアミンと、
化学式(OR)(OR’)C=Oの有機カルボネートと、
触媒と、
を反応させる工程を包含し、
上記触媒は、少なくとも、金属酸化物、微小孔性の物質、メソ細孔性の物質、ヒドロタルサイト型のアニオン性の薄層状化合物もしくはその誘導体、または有機ポリマーから選択される担持体によって少なくとも形成されているカルバメートの生成方法に関する。
【0012】
本発明に係る方法の好ましい実施形態によれば、上記触媒は、さらに、周期表における8族、9族、10族および11族の金属を含み、より好ましくは9族、10族および11族の金属を含んでいる。
【0013】
本発明に係る方法の他の好ましい実施形態によれば、上記言及された触媒担持体は、金属酸化物であり、当該金属酸化物は、以下の酸化物、すなわち、Al、MgO、CaO、Cu、Co、Fe、Ce、Cr、ZrO、Yの少なくとも一つから選ばれ、より好ましくは上記担持体は、Ce、ZrO、FeまたはYである。式中、xおよびyは、上記酸化物を含む上記金属の酸化の状態に応じた、あらゆる可能性のある値である。
【0014】
金属酸化物は、例えば、非晶質でも、結晶質でも、構造化されていてもよく、薄層状でかつ0.7〜100nmの範囲の孔を有していてもよい。担持体として用いられるこれらの酸化物は、二種以上の金属を含んでいてもよい。結晶相は、単一の相、またはあらゆる比率における複数の相の混合であり得る。担持体の粒子サイズは、数ナノメートルから数ミクロンの範囲であってもよい。上記酸化物は、化学量論に基づく組成であってもよく、または金属と酸素との比率がそれぞれの元素の価数に基づいて予想される比率と異なっていてもよい。これらの金属酸化物は、また、芳香族アミンと有機カルボネートとの間のN−カルバモイル化を促進する固有の触媒活性を示す。一般的に、反応速度の点で、金属酸化物に固有の触媒効率は、金ナノ粒子の堆積を用いて改善される。
【0015】
上記触媒の好ましい粒子サイズは、1〜50nmの間である。
【0016】
他の好ましい実施形態によれば、上記触媒担持体は、少なくとも微小孔性の物質であり、より好ましくはゼオライト物質である。
【0017】
他の好ましい実施形態によれば、上記触媒担持体は、少なくとも構造化されたメソ細孔性の物質である。
【0018】
他の好ましい実施形態によれば、上記触媒担持体は、少なくともヒドロタルサイト型のアニオン性の薄層状化合物またはその誘導体である。
【0019】
他の好ましい実施形態によれば、上記触媒担持体は、少なくとも有機ポリマーである。この有機ポリマーは、好ましくは、スチレン共重合体、4−ヒドロキシエチルスチレン共重合体および4−グリシジルスチレン共重合体から選択される共重合体であってもよい。上記有機ポリマーは、また、好ましくは、デンドリマー型のポリマーであってもよい。上記デンドリマーの中で、好ましい担持体は、第三、第四世代のポリエチレンイミンやポリアミドアミンなどの窒素原子を含有しているものであり、好ましくはPAMAM型のデンドリマーである。
【0020】
また、好ましくは、上記有機ポリマーは、PEI型のポリマーであってもよい。
【0021】
好ましくは、上記金属は、Fe、Cu、Ag、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Auまたはそれらのいずれかの組合せから選択され、より好ましくは、Cu、Ag、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Auまたはそれらのいずれかの組合せから選択される。この金属またはその組合せのいずれかは、上記触媒に対して、0.01〜10重量%の好ましい割合であってもよく、より好ましくは0.1〜6重量%であってもよい。さらに、上記金属は、1〜20nm、より好ましくは2〜10nmから選択される粒子サイズを有していてもよい。
【0022】
好ましい実施形態によれば、上記触媒の上記金属は、金である。
【0023】
本発明において、有機ポリマー性の担持体上の、金を含むまたは含まないナノ粒子化された金属酸化物および金ナノ粒子は、アミンもしくはポリアミンと有機カルボネートとの反応を選択的に触媒することができるという驚くべきことがわかった。上記金ナノ粒子の担持体型として用いられる、上記ナノ粒子化された金属酸化物の作用、または別の固体に担持された上記金ナノ粒子の作用から予期できることだが、アミンと有機カルボネートとの反応における触媒作用は、最新の技術知識から見ても驚くべきことにかつ意外なことに、N−カルバモイル化産物の排他的な生成を、非常に効率的かつ選択的に促進する。
【0024】
上述したように、上記金属が金である場合は、粒子の形態であることが好ましい。金粒子のサイズが20nmを超えると、触媒の活性が大きく低下するために、これらの金ナノ粒子のサイズは触媒活動において非常に重要である。本発明に係る方法によれば、さらに適した粒子サイズは、1〜20nmであり、好ましくは2〜10nmである。金粒子が担持されている場合、担持体の性質が触媒の活性と最終的な選択性とに影響を与える。例えば、金粒子が活性炭に担持されている場合、得られる物質は、芳香族アミンと有機カルボネートとのカルバモイル化反応にとって望ましい活性と選択性とを備えていない。金に適した担持体は、上記したもののいずれのものでもよい。金属酸化物の具体的な例において、金属酸化物は、芳香族アミンのカルバモイル化反応における触媒活性も備えている。このため、本研究においては、ナノメートルサイズの粒子のサイズ(>20nm)の酸化セリウムが、芳香族アミンのカルバモイル化を促進する触媒活性を示すことが好ましいと考えられる。同様に、上述した他のナノメートルサイズの金属酸化物も、芳香族アミンのカルバモイル化を促進する触媒活性を示す。しかし、意外にも、反応率として測定されたこの活性は、上記酸化セリウムが金ナノ粒子の吸収によって改変される好ましい実施形態において、N−カルバモイル化誘導体に対して大幅に増大する。
【0025】
触媒における金属として金が用いられる好ましい実施形態に従ったカルバメートを生成するための反応条件は、今日までに記載されている条件よりも穏やかであることを念頭に置くことが重要である。例えば、芳香族アミンのカルバモイル化を行うために、20〜200℃の温度を用いることができ、そして、試薬を液相に保つために充分な圧力が用いられる。
【0026】
いくつかの場合において、担持体の種類によっては、金を含有している触媒よりも活性が低いことがある。例えば、金ナノ粒子を有していない酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化鉄は、金ナノ粒子を含有している酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化鉄に比べて変換率が低い。これに対して、金が上記担持体のいずれかに組み込まれた場合、とりわけ、金属酸化物の量が上記触媒に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜6重量%の場合に、上記物質の活性および選択性は、驚くほど向上する。上述した反応における触媒の作用は、金を含むまたは含まない金属酸化物ナノ粒子を用いた触媒作用に関する最新の技術知識からは推測することも導き出すこともできないものである(S Carrettin, MC Blanco, A Corma, ASK Hashmi: Heterogeneous gold-catalysed synthesis of phenols. Advanced Synthesis & Catalysis 348 (2006) 1283-88; ASK Hashmi, J Hutchings Graham: Gold catalysis. Angew. Chem. Int. Ed. 45 (2006) 7896-936; SAK Hashmi: Gold-catalyzed organic reactions. Chemical Reviews 107 (2007) 3180-211; T Mallat, A Baiker: Chem. Rev. 104 (2004) 3037)。
【0027】
本発明では、金の担持体として、特に、π型の金属原子のエネルギーによって金ナノ粒子と相互作用し、そして、ポリマー鎖をナノ粒子の周囲につなぎ合わせる際に金ナノ粒子を捕捉し固定する有機ポリマーが挙げられる。例えば、ポリスチレンは、担持体またはスチレンと誘導体とを単量体として含む共重合体として用いることができる。好ましい実施形態は、三種の共重合体(スチレン、p−グリシジルスチレン、p−2−ヒドロキシエチルスチレン)からなるポリマー担持体である。単量体の比率は、広範囲にわたって変わってもよいが、好ましい比率は、スチレン/p−グリシジルスチレン/p−2−ヒドロキシエチルスチレンが、90/7/3となるものである。
【0028】
他の中性または正もしくは負の電荷を有する共重合体、ポリアクリレートおよびポリアクリルアミドを含むポリスチレンは、担持体として用いることのできる他のポリマーである。また、上述したように、デンドリマー型の可溶性のポリマーを、金ナノ粒子の担持体として用いることもできる。
【0029】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、酸化セリウム技術において、結晶の大きさが2〜10nmである0.1〜4重量%の金からなる。担持体は、非晶質であり得るが、いくつかの種類の構造を備えていてもよい。例えば、上記担持体は、例えば、ヒドロタルサイト型の物質またはAl、MgO、CaO、CuO、CoO、Fe、Ce、Cr、ZrO、Yの混合された酸化物に由来した物質のような、層状であり得る。
【0030】
本発明に係る方法に従って使用されるカルボネートは、少なくとも化学式(OR)(OR’)C=Oで表される有機カルボネートであり得、式中、RおよびR’は炭素原子数が1〜20である置換されたアルキル基、置換されたアリール基、置換されていないアリール基から選択されてもよい。
【0031】
好ましい実施形態によれば、RおよびR’は同一であり、そしてメチル基またはエチル基のような簡単なアルキル基である。好ましくは、上記カルボネートは、ジメチルカルボネートまたはジエチルカルボネートである。
【0032】
環状カルボネートのうち、グリセリンに由来するものが特に重要である。
【0033】
好ましい実施形態によれば、RおよびR’は、フッ素化アルキル基である。この好ましい実施形態によれば、上記有機カルボネートは、ビス(2−フルオロエチル)カルボネート、ビス(3−フルオロプロピル)カルボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カルボネート、ビス(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)カルボネート、ビス(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル)カルボネート、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カルボネート、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カルボネート、ビス(1−フルオロ−2−ブチル)カルボネート、ビス(2−フルオロ−1−ブチル)カルボネート、ビス(1−フルオロ−2−メチル−2−プロピル)カルボネート、ビス(2−フルオロ−2−メチル−1−プロピル)カルボネート、ビス(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘキシル)カルボネート、ビス(パーフルオロオクチル)カルボネート、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)カルボネートから選択されてもよく、好ましくはビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カルボネートであってもよい。
【0034】
さらに、本発明に係る方法は、特に、脂肪族アミンもしくは芳香族アミンまたは脂肪族ポリアミンもしくは芳香族ポリアミンを含み、当該アミンまたは当該ポリアミンは、化学式R(NHで表されるアミンである(式中、Rは、1〜20個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル、6〜15個の炭素原子を有する置換または非置換アリール、7〜15個の炭素原子を有する置換または非置換アリールアルキル、2〜20個の炭素原子を有する置換または非置換アルケニル、2〜20個の炭素原子を有する置換または非置換アルキニル、3〜20個の炭素原子を有する置換または非置換シクロアルキル、4〜20個の炭素原子を有する置換または非置換シクロアルケニルおよび5〜20個の炭素原子を有する置換または非置換シクロアルキニルからなる群から選択される。そして、nは、1、2、3、4、5または6である。)。
【0035】
好ましくは、上記アミンまたはポリアミンは、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ラウリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、1,2−ジアミノエタン、1,12−ジアミノドデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、水素化2,4−ジアミノジフェニルメタン、水素化トルエンジアミン、アニリン、ベンジルアミン、2−アミノトルエン、4−アミノトルエン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレンおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0036】
本発明に係る方法によって、アミンおよびポリアミンの脂肪族および芳香族のカルバメートを高い収率および純度にて得ることができ、一方で、固体触媒、好ましくは金に基づく固体触媒の不均一な性質によって、当該固体触媒を容易に分離、回収および再使用することができる。本発明に係る方法に従って得られた上記カルバメートを、例えば、熱処理もしくは基本媒質における反応によって、または触媒を用いて、対応するイソシアネートへとさらに変換してもよい。
【0037】
カルバメートは、熱分解によってアルコールを除去してイソシアネートを生成してもよいことが知られている。この反応は、一般に、触媒の存在が必要である。しかし、カルバメートのアルコキシル基または任意の官能基におけるヘテロ原子の存在によって、上記カルバメートをイソシアネートに変換することが容易になる。本発明においてとりわけ興味深いのは、アルコキシル基が1以上のフッ化物原子を含んでいる場合である。この場合に、対応するフッ素化アルコールを取り除くことによって、触媒がなくとも、カルバメートをイソシアネートに容易に変換することができる。したがって、これらは、モノイソシアネートおよびポリイソシアネートの合成に特に適している。本発明よる好ましいポリイソシアネートの中で、我々は、2,4−トルエンジイソシアネート、ジアミノフェニルメタンに由来する異性体ジイソシアネート、並びにヘキサメチレンジアミンおよび3〜12個の炭素原子の炭化水素化鎖を有している他の第一α,ω−ジアミンのジイソシアネートを有している。
【0038】
本明細書と特許請求の範囲の記載を通して、用語「含む」およびこれに類する用語は、他の技術的特徴、添加物、要素または工程を排除するものではない。当業者であれば、本発明の他の目的、長所および特徴を、本明細書の記載および本発明の実施からある程度は推測することができる。
【0039】
〔実施例〕
本発明の実施例を以下に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
実施例1
酸化セリウムに担持された金ナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
2,4−トルエンジアミン(0.1g)をジメチルカルボネート(2.138g)に溶解し、そして耐圧瓶に収容した上記混合物に対して、セリウムに担持された金からなる触媒(セリウムは金の0.4重量%)を180mg加える。上記瓶を気密封止し、そして6時間にわたって150℃にて加熱する。4時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−ビス−(メトキシカルボニルアミノ)トルエンが91%の収率で含まれている。上記触媒を濾過により回収し、pH10の水を用いて洗浄し、次いでアセトンを用いて洗浄する。固体を濾過し、そして2回目の反応に用いても、触媒の活性に感知できるほどの変化は認められない。
【0041】
実施例2
酸化セリウムの存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
2,4−トルエンジアミン(0.1g)をジメチルカルボネート(2.38g)に溶解し、そして耐圧瓶に収容した上記混合物に対して、酸化セリウムを85mg加える。上記瓶を気密封止し、6時間にわたって150℃にて加熱する。4時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−ビス−(メトキシカルボニルアミノ)トルエンが37%の収率で、そしてメトキシカルボニルアミノトルエン(オルト異性体およびパラ異性体)が54%の収率で含まれている。したがって、実施例1および2の触媒データを比較すれば、金ナノ粒子の堆積が担持体の触媒活性に影響を及ぼし、担持体のN,N’−ジカルバモイル化産物に対する担持体の活性を増大させることがわかる。しかし、反応時間が長ければ(22時間)、95%の収率で2,4−ビス(メトキシカルボニルアミノ)トルエンを生成し得る。
【0042】
実施例3
酸化セリウムに担持された金ナノ粒子の存在下における、ジエチルカルボネートとアニリンとの反応
アニリン(0.051g)をジエチルカルボネート(1.95g)に溶解し、そして耐圧瓶に収容した上記混合物に対して、酸化セリウムに担持された金からなる触媒(酸化セリウムは金の1.6重量%)を190mg加える。上記瓶を気密封止し、そして6時間にわたって150℃にて加熱する。6時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、N−(メトキシカルボニル)アニリンが98%の収率で含まれている。上記触媒を濾過により回収し、pH10の水を用いて洗浄し、次いでアセトンを用いて洗浄する。固体を濾過し、そして2回目の反応に用いても、触媒の活性に感知できるほどの変化は認められない。
【0043】
実施例4
スチレン由来の共重合体中の金ナノ粒子を触媒として用いた、2,4−トルエンジアミン[2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエチロキシカルボニルアミノ)トルエン]のビス(O−2,2,2−トリフルオロエチル)カルバメートの生成
スチレン共重合体、すなわち、金ナノ粒子を含む4−(2−ヒドロキシエトキシ)スチレンおよび4−グリシジルスチレンを、最新の技術に基づいて、とりわけ参考文献(H Miyamura, R Matsubara, Y Miyazaki, S Kobayashi: Aerobic oxidation of alcohols at room temperature and atmospheric conditions catalyzed by reusable gold nanoclusters stabilized by the benzene rings of polystyrene derivatives. Angewandte Chemie-International Edition 46 (2007) 4151-54)に記載されたように生成する。2,4−トルエンジアミン(1.22g)を、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カルボネート(67.8g、30当量)に加え、そして上記混合物を60℃まで加熱する。上記混合物が60℃に達したときに、1重量%において金ナノ粒子を含む上記共重合体を加える。上記混合物を1時間にわたって磁気的に攪拌する。1時間後に、上記混合物を室温にて放置して冷却し、そして濾過により固体を分離する。液相を室温にて放置して結晶化させ、2−4−トルエンジアミンのビス(O−2,2,2−トリフルオロエチル)カルバメートに相当する固体を、90%を超える純度にて回収する。反応の収率は、2−4−トルエンジアミンに対して95%である。カルバメートは、2,2,2−トリフルオロエタノールにおいて結晶化し得る。物性:融点119℃;IR波数:3286、2981、1708、1546、1772、1087cm−1,NMRHδ:2.35、4.60、7.02、7.26、7.90ppm。
【0044】
実施例5
酸化セリウムに担持された金ナノ粒子を触媒として用いた、4,4’−ジアミノジフェニルメタンのビス(O−2,2,2−トリフルオロエチル)カルバメートの合成
4,4’−ジアミノジフェニルメタン(1.98g)を、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カルボネート(67.8g、30当量)に加え、そして上記混合物を60℃まで加熱する。上記混合物が60℃に達したときに、酸化セリウムに担持された金ナノ粒子からなる触媒(100mg、金の0.44重量%)を加える。上記懸濁液を、1時間にわたって磁気的に攪拌する。1時間後に、上記混合物を室温にて放置して冷却し、そして濾過により固体を分離する。液相を室温にて放置して結晶化させ、4,4’−ジアミノジフェニルメタンのビス(O−2,2,2−トリフルオロエチル)カルバメートに相当する固体を、90%を超える純度にて回収する。反応の収率は、4,4’−ジアミノジフェニルメタンに対して90%である。カルバメートは、2,2,2−トリフルオロエタノールにおいて結晶化し得る。
【0045】
実施例6
酸化チタンに担持された金ナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
2,4−トルエンジアミン(0.145g)をジメチルカルボネート(2.138g)に溶解し、そして耐圧瓶に収容した上記混合物に対して、酸化チタンに担持された金からなる触媒(酸化チタンはP−25、80%アナターゼ、金の1.5重量%)を12.8mg加える。上記瓶を気密封止し、そして20時間にわたって130℃にて加熱する。20時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−(N,N’−ジメチルアミノ)トルエンが15%の収率で含まれ、2,4−ジアミノトルエンは反応せずに残ったままである(83%)。
【0046】
実施例7
ビス(O−トリフルオロエチルおよびトルエンジアミン)カルバメートからのトルエンジイソシアネートの生成
トリフルオエチル基を有しているビス(トルエンジアミン)カルバメート(1g)をキシレンに溶解した溶液を、触媒の非存在下において2時間にわたって150℃まで熱する。2時間後に、上記反応混合物には、トルエンジイソシアネートが収率70%で含まれている。
【0047】
実施例8
酸化セリウムに担持されたプラチナナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
2,4−トルエンジアミン(0.1g)をジメチルカルボネート(2.138g)に溶解し、そして耐圧瓶に収容した上記混合物に対して、セリウムに担持されたプラチナからなる触媒(セリウムはプラチナに対し0.44重量%)を180mg加える。この触媒は、9.25mgの水酸化テトラクロロ白金酸を含む100mlの水溶液から調製される。上記水酸化テトラクロロ白金酸は、0.2N NaOHの水溶液を用いてpH10まで中和されている。次に、ナノ粒子状になった粉状の酸化セリウムを加え、NaOH溶液を用いてpHを10の値へと再調整する。当該懸濁液を一晩中、磁気的に攪拌する。それから固体を濾過し、当該固体をミリQ水を用いて徹底的に洗浄し、そしてオーブンにおいて100℃にて乾燥させる。ひとたび乾燥したら、上記固体を、1−フェニルエタノールを含むフラスコに、160℃にて磁気的に攪拌しつつ注ぎ込む。上記懸濁液を20分にわたって160℃にて保持し、それから固体を濾過し、アセトンと水とを用いて連続的に抽出すれば、カルバモイル化触媒として使用可能になる。
【0048】
トルエンジアミン、ジメチルカルボネートおよび上記プラチナ触媒を含む瓶を気密封止し、そして22時間にわたって150℃まで加熱する。22時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−ビス−(メトキシカルボニルアミノ)トルエンが53%の収率で含まれている。さらに、上記反応混合物には、モノカルバモイル化誘導体のパラ異性体およびオルト異性体が27%含まれている。上記反応混合物にはN−メチル化化合物は含まれていない。上記触媒を濾過により回収し、pH10の水を用いて洗浄し、次いでアセトンを用いて洗浄する。固体を濾過し、そして2回目の反応に用いても、触媒の活性に感知できるほどの変化は認められない。
【0049】
実施例9
酸化セリウムに担持されたパラジウムナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
本実施例において用いられる0.44重量%のパラジウム触媒は、セリウムに担持されたプラチナを生成する上記方法に従って調製されるが、基質として20.1mgのビス(アセトニトリル)クロロパラジウム(II)錯体を用いる。
【0050】
このパラジウム触媒180mgを、耐圧瓶収容された、2,4−トルエンジアミン(0.1g)をジメチルカルボネート(2.138g)に溶かし込んだ溶液に加える。上記瓶を気密封止し、そして150℃まで加熱する。22時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−ビス−(メトキシカルボニルアミノ)トルエンが57%の収率で含まれている。さらに、上記反応混合物には、モノカルバモイル化誘導体のパラ異性体およびオルト異性体が30%含まれている。上記反応混合物にはN−メチル化化合物は含まれていない。上記触媒を濾過により回収し、pH10の水を用いて洗浄し、次いでアセトンを用いて洗浄する。固体を濾過し、そして2回目の反応に用いても、触媒の活性に感知できるほどの変化は認められない。
【0051】
実施例10
酸化セリウムに担持された銀ナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
ナノ粒子状の酸化セリウムに担持された0.44重量%の銀ナノ粒子からなる触媒は、セリウムに担持されたプラチナからなる触媒を生成する上記方法に従って調製されるが、基質として10.1mgの硝酸銀を用いる。
【0052】
この銀触媒180mgを、耐圧瓶に収容された、2,4−トルエンジアミン(0.1g)をジメチルカルボネート(2.138g)に溶かし込んだ溶液に加える。上記瓶を気密封止し、そして150℃まで加熱する。22時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−ビス−(メトキシカルボニルアミノ)トルエンが16%の収率で含まれている。さらに、上記反応混合物には、モノカルバモイル化誘導体のパラ異性体およびオルト異性体が3%含まれている。上記反応混合物にはN−メチル化化合物は含まれていない。上記触媒を濾過により回収し、pH10の水を用いて洗浄し、次いでアセトンを用いて洗浄する。固体を濾過し、そして2回目の反応に用いても、触媒の活性に感知できるほどの変化は認められない。
【0053】
実施例11
酸化セリウムに担持された銅ナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
ナノ粒子状の酸化セリウムに担持された1重量%の銅ナノ粒子からなる触媒は、セリウムに担持されたプラチナからなる触媒を生成する上記方法に従って調製されるが、基質として23.8mgの酢酸銅を用いる。
【0054】
この銅触媒180mgを、耐圧瓶に収容された、2,4−トルエンジアミン(0.1g)をジメチルカルボネート(2.138g)に溶かし込んだ溶液に加える。上記瓶を気密封止し、そして150℃まで加熱する。22時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、2,4−ビス−(メトキシカルボニルアミノ)トルエンが69%の収率で含まれている。さらに、上記反応混合物には、モノカルバモイル化誘導体のパラ異性体およびオルト異性体が29%含まれている。上記反応混合物にはN−メチル化化合物は含まれていない。上記触媒を濾過により回収し、pH10の水を用いて洗浄し、次いでアセトンを用いて洗浄する。固体を濾過し、そして2回目の反応に用いても、触媒の活性に感知できるほどの変化は認められない。
【0055】
実施例12
Fe/TiOナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
Feを用いてドープした酸化チタンからなる触媒を、酸化チタンDegussa P25(10g)から調製する。この酸化チタンを、10mlのミリQ水に0.1715gの鉄を加えた溶液を用いて含浸させる。上記混合物を50℃にて液相が蒸発するまで攪拌し、その後、固体を100℃にて乾燥し、オーブンにおいて400℃にて5時間にわたって焼成する。原子吸光によって測定された最終的な鉄含有量は、0.56重量%であった。この触媒(148mg)を用いて、ジメチルカルボネート(2.2g)における2,4−トルエンジアミン(0.11g)の反応を、耐熱瓶において15時間にわたって行う。
【0056】
15時間後に、混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達した後に開封する。濾過された液には、モノカルバモイル化が生じた混合物が74%の比率で含まれている。
【0057】
実施例13
Fe/CeOナノ粒子の存在下における、ジメチルカルボネートと2,4−トルエンジアミンとの反応
本実施例の触媒は、Au/CeO触媒を調製する際に用いられるものと同じ、ナノ粒子状の酸化セリウムから調製される。本実施例の触媒は、以下のように調製される。すなわち、100mlのミリQ水において24.2mgの塩化鉄六水和物を含む溶液を調製する。上記溶液のpHを、0.2M NaOH溶液を用いて10に調整する。ひとたび上記溶液が安定したら、ナノ粒子状のCeOを1g加え、pHを再調整して10にする。上記懸濁液を、8時間にわたって攪拌する。8時間後に、固体を濾過して、そして硝酸銀を試薬として用いた水中における塩化物試験が陰性となることを確認するまで、ミリQ水を用いて徹底的に洗浄する。1gのFe/CeO触媒の調製において用いられる体積は2Lであった。上記固体をオーブンにおいて100℃にて乾燥させ、それから10gの1−フェニルエタノールの入ったのフラスコに、160℃にて加える。懸濁液を30分間にわたって、この温度にて攪拌し続ける。固体を濾過し、アセトンを用いて洗浄し、そして放置して乾燥させてから、カルバモイル化触媒として用いる。
【0058】
この触媒(148mg)を用いて、ジメチルカルボネート(2.226g)における2,4−トルエンジアミン(97.3mg)の反応を、耐圧瓶において8時間にわたって行う。
【0059】
8時間後に、上記混合物を放置して冷却し、そして大気圧に達したら開封する。濾過された液には、ジカルバモイル化産物の混合物が84%、並びにオルトおよびパラモノカルバモイル化異性体の混合物が16%含まれている。N−メチル化に由来する産物の生成は認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
アミンまたはポリアミンと、
化学式(OR)(OR’)C=Oの有機カルボネートと、
触媒と
を反応させる工程を包含し、
上記触媒は、少なくとも、金属酸化物、微小孔性の物質、メソ細孔性の物質、ヒドロタルサイト型のアニオン性の薄層状化合物もしくはその誘導体、または有機ポリマーから選択される担持体によって少なくとも形成されていることを特徴とする、カルバメートを生成する方法。
【請求項2】
上記触媒は、周期表における8族、9族、10族および11族の金属をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記金属は、周期表における9族、10族および11族から選択される金属であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記触媒担持体は、金属酸化物であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1
項に記載の方法。
【請求項5】
上記担持体は、以下の金属酸化物、すなわち、Al、MgO、CaO、Cu、Co、Fe、Ce、Cr、ZrOまたはYの少なくとも一つから選択される金属酸化物であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記金属酸化物は、酸化セリウムであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記金属酸化物は、酸化ジルコニウムであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記金属酸化物は、酸化鉄であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
上記金属酸化物は、酸化イットリウムであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
上記触媒の粒子サイズは、1〜50nmの間であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
上記触媒担持体は、少なくとも微小孔性の物質であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
上記担持体は、ゼオライト物質であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記担持体は、少なくとも構造化されたメソ細孔性の物質であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
上記担持体は、少なくともヒドロタルサイト型のアニオン性の薄層状化合物またはその誘導体であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
上記担持体は、少なくとも有機ポリマーであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
上記担持体は、スチレン共重合体、4−ヒドロキシエチルスチレン共重合体および4−グリシジルスチレン共重合体から選択される共重合体であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記担持体は、デンドリマー型のポリマーであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
上記デンドリマーは、PAMAM型であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記ポリマーは、PEI型であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
上記金属は、Fe、Cu、Ag、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Auまたはそれらの組合せのいずれかを包含している群から選択されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項21】
上記金属は、Cu、Ag、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Auまたはそれらの組合せのいずれかを包含している群から選択されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記金属は、金であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記金属は、0.01〜10重量%の割合で存在していることを特徴とする、請求項2から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
上記金属は、0.1〜6重量%の割合で存在していることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記金属は、1〜20nmの粒子サイズを有していることを特徴とする、請求項2から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
上記金属は、2〜10nmの粒子サイズを有していることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
RおよびR’は、炭素原子数が1〜20である置換されたアルキル基、置換されたアリール基および置換されていないアリール基から選択されることを特徴とする、請求項1から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
上記カルボネートは、ジメチルカルボネートであることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記カルボネートは、ジエチルカルボネートであることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
RおよびR’は、フッ素化アルキル基であることを特徴とする、請求項1から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
上記カルボネートは、ビス(2−フルオロエチル)カルボネート、ビス(3−フルオロプロピル)カルボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カルボネート、ビス(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)カルボネート、ビス(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル)カルボネート、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カルボネート、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カルボネート、ビス(1−フルオロ−2−ブチル)カルボネート、ビス(2−フルオロ−1−ブチル)カルボネート、ビス(1−フルオロ−2−メチル−2−プロピル)カルボネート、ビス(2−フルオロ−2−メチル−1−プロピル)カルボネート、ビス(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘキシル)カルボネート、ビス(パーフルオロオクチル)カルボネート、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)カルボネートから選択されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
上記カルボネートは、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カルボネートであることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記アミンまたはポリアミンは、化学式R(NHのアミン(式中、Rは、1〜20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル、6〜15個の炭素原子を有する置換または非置換のアリール、7〜15個の炭素原子を有する置換または非置換のアリールアルキル、2〜20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルケニル、2〜20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキニル、3〜20個の炭素原子を有する置換または非置換のシクロアルキル、4〜20個の炭素原子を有する置換または非置換のシクロアルケニルおよび5〜20個の炭素原子を有する置換または非置換のシクロアルキニルからなる群から選択され、且つnは、1、2、3、4、5または6である。)であることを特徴とする、請求項1から32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
上記アミンまたはポリアミンは、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ラウリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、1,2−ジアミノエタン、1,12−ジアミノドデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、水素化2,4−ジアミノジフェニルメタン、水素化トルエンジアミン、アニリン、ベンジルアミン、2−アミノトルエン、4−アミノトルエン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレンおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
得られた上記カルバメートを、対応するイソシアネートに変換する工程をさらに包含していることを特徴とする、請求項1から34のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2011−526606(P2011−526606A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515489(P2011−515489)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/ES2008/070232
【国際公開番号】WO2010/000888
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(593005895)コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス (67)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS
【出願人】(510211723)ウニヴェルシダッド ポリテクニカ デ ヴァレンシア (3)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSIDAD POLITECNICA DE VALENCIA
【住所又は居所原語表記】CTT−Edif.6G,Camino de Vera s/n,E−46022 Valencia,Spain
【Fターム(参考)】