説明

固定具

【課題】 溶接することなく簡便に、かつ、受け部材と押し付け部材との隙間によって固定状態を視覚的に確認しながら被固定棒(セパレータ)を被固定材(支柱)に固定することができ、被固定棒の向きを三次元的に調整するのできる固定具を提供する。
【解決手段】 支柱21に固定される基台部54と、この基台部54に水平方向へ回動可能に取り付けられるボルト60と、このボルト60に垂直方向へ回動可能に取り付けられ、セパレータ52の雄ねじ部52bが押し付けられる半円状雌ねじ部65を有する受け部材63と、雄ねじ部52bを半円状雌ねじ部65aへ押し付ける半円状雌ねじ部73aを有する押し付け部材71と、この押し付け部材71を受け部材63へ向けて案内するとともに、半円状雌ねじ部65a,73aで雄ねじ部52bを保持した状態に、押し付け部材71を受け部材63に固定する第1固定部材(長ねじボルト67、第1ナット70)とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、一定の大きさをした矩形状の壁面構築用の型枠パネルを左右方向へ並べた上に、装着具を使用して型枠パネルを積み上げて壁面または擁壁を構築する際、型枠パネルの背面に取り付けた装着具に一端側が揺動自在に取り付けられた被固定棒の他端側を、積み上げた型枠パネルを倒れないように、被固定材としての支柱に固定する固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路などの壁面または擁壁を構築する場合、まず、コンクリートを打設して基礎を構築し、この基礎に型枠パネルを積み上げるための最下段の装着具を左右方向へ所定間隔で立設するとともに、この装着具から所定距離おいた後方位置に、被固定材としての支柱を装着具の間隔または装着具の間に一本おきに左右方向へ立設する。
そして、基礎から突出した最下段の装着具の部分を型枠パネルの背面の下側の左右に設けたフックへ挿入することにより、最下段の型枠パネルを左右方向へ隙間なく並べる。
次に、最下段の型枠パネルの背面の上側の左右に設けたフックへ装着具の下側を挿入し、その装着具の上側を、型枠パネルの背面の下側の左右に設けたフックへ挿入することにより、2段目の型枠パネルを左右方向へ積み上げて隙間なく並べる。
【0003】
このようにして型枠パネルを積み上げたならば、最下段の型枠パネルと2段目の型枠パネルとに取り付けた2段目の装着具に設けた、例えば、孔に被固定棒であるセパレータの一端側を揺動自在に引っ掛け、セパレータの他端側を支柱に固定することにより、最下段の型枠パネルを所望の傾斜または垂直に固定する。
以後は、装着具を使用して型枠パネルを順次積み上げるとともに、セパレータを使用して型枠パネルを支柱に倒れないように固定する。
そして、型枠パネルの背面側に、例えば、コンクリートを打設することにより、壁面または擁壁を構築する。
【特許文献1】特開2000−220156号公報
【特許文献2】特開2002−121852号公報
【特許文献3】特開2002−138501号公報
【特許文献4】特開2003−20746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにして型枠パネルを積み上げ、セパレータで型枠パネルを支柱に固定する場合、従来は、セパレータの他端側を支柱に溶接して固定していた。
したがって、セパレータと支柱とを溶接するために溶接機が必要になるので、狭隘な場所では溶接機が自由に使用できず、セパレータと支柱との溶接に手間取ることになり、また、有資格者でなければ溶接できないため、有資格者しかセパレータと支柱とを接続することができない。
また、溶接することによってセパレータと支柱とに防錆処理した防錆皮膜が破壊されることにより、セパレータおよび支柱の性能劣化を招いていた。
【0005】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、溶接することなく簡便に、かつ、受け部材と押し付け部材との隙間によって固定状態を視覚的に確認しながら被固定棒を被固定材に固定することができるとともに、被固定棒の向きを三次元的に調整するのできる固定具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以下のような発明である。
(1)外周に係合部が軸方向へ設けられた被固定棒を、被固定材に固定する固定具であって、前記被固定材に水平方向へ回動可能に取り付けられる水平方向回動部材と、この水平方向回動部材に垂直方向へ回動可能に取り付けられ、前記係合部が押し付けられる受け部を有する受け部材と、前記係合部を前記受け部へ押し付ける押し付け部を有する押し付け部材と、この押し付け部材を前記受け部材へ向けて案内するとともに、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態に、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第1固定部材とからなり、前記受け部と前記押し付け部との少なくとも一方に、前記係合部に係合する係止部を設けたことを特徴とする。
(2)(1)に記載の固定具において、前記第1固定部材は、前記水平方向回動部材に固定され、前記押し付け部材を貫通する第1雄ねじ部材と、この第1雄ねじ部材に螺合し、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第1ナットとで構成されていることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載の固定具において、前記受け部材と前記押し付け部材とは、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する一方の端部分に前記受け部または前記押し付け部を有し、対向する他方の端部分に前記係合部が貫通する貫通孔を有することを特徴とする。
(4)(1)または(2)に記載の固定具において、前記受け部材と前記押し付け部材とは、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する両端部分に前記受け部または前記押し付け部を有することを特徴とする。
(5)(1)から(4)のいずれか1つに記載の固定具において、前記押し付け部材を前記受け部材へ向けて案内するとともに、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態に、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第2固定部材を設けたことを特徴とする。
(6)(5)に記載の固定具において、前記第2固定部材は、前記受け部材に取り付けられ、前記押し付け部材を貫通する第2雄ねじ部材と、この第2雄ねじ部材に螺合し、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第2ナットとで構成されていることを特徴とする。
(7)(5)に記載の固定具において、前記第2固定部材は、前記押し付け部材に取り付けられ、前記受け部材を貫通する第2雄ねじ部材と、この第2雄ねじ部材に螺合し、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第2ナットとで構成されていることを特徴とする。
(8)(1)から(4)のいずれか1つに記載の固定具において、前記受け部材と前記押し付け部材とに掛け渡され、前記押し付け部材を前記受け部材側へ付勢する弾性バンドを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の固定具によれば、被固定棒の係合部が押し付けられる受け部を有する受け部材が取り付けられた水平方向回動部材を、被固定材に水平方向へ回動可能に取り付け、係合部を受け部へ押し付ける押し付け部を有する押し付け部材を、受け部材へ向けて案内する第1固定部材で受け部材に固定し、受け部と押し付け部との少なくとも一方に、係合部に係合する係止部を設けたので、溶接することなく簡便に、かつ、受け部材と押し付け部材との隙間によって被固定棒の固定状態を視覚的に確認しながら被固定棒を支柱に固定することができ、被固定棒の向きを三次元的に調整することができるとともに、受け部材と押し付け部材とをバラバラにならないように第1固定部材で対にすることができることにより、固定作業を容易、かつ、効率よく行うことができる。
そして、第1固定部材を、水平方向回動部材に固定され、押し付け部材を貫通する第1雄ねじ部材と、この第1雄ねじ部材に螺合し、押し付け部材を受け部材に固定する第1ナットとで構成したので、第1雄ねじ部材および第1ナットとして汎用部品が使用できることにより、第1固定部材、ひいては固定具が安価になる。
さらに、受け部材と押し付け部材とは、受け部と押し付け部とで係合部を保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する一方の端部分に受け部または押し付け部を有し、対向する他方の端部分に係合部が貫通する貫通孔を有するので、係止部を係合部に確実に係合させることができることにより、被固定棒を強固に固定することができる。
また、受け部材と押し付け部材とは、受け部と押し付け部とで係合部を保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する両端部分に受け部または押し付け部を有するので、被固定棒の係合部に少なくとも2つの係止部が係合することにより、被固定棒を強固に固定することができる。
さらに、押し付け部材を受け部材へ向けて案内するとともに、受け部と押し付け部とで係合部を保持した状態に、押し付け部材を受け部材に固定する第2固定部材を設けたので、押し付け部材を受け部材に2個所で固定することにより、押し付け部材を受け部材に強固に固定することができる、すなわち、被固定棒を強固に固定することができる。
そして、第2固定部材は、受け部材に取り付けられ、押し付け部材を貫通する第2雄ねじ部材と、この第2雄ねじ部材に螺合し、押し付け部材を受け部材に固定する第2ナットとで構成されているので、また、第2固定部材は、押し付け部材に取り付けられ、受け部材を貫通する第2雄ねじ部材と、この第2雄ねじ部材に螺合し、押し付け部材を受け部材に固定する第2ナットとで構成されているので、第2雄ねじ部材および第2ナットとして汎用部品が使用できることにより、第2固定部材、ひいては固定具が安価になり、また、2つの雄ねじ部材で押し付け部材を平行に案内することにより、固定作業を容易、かつ、効率よく行うことができる。
また、受け部材と押し付け部材とに掛け渡され、押し付け部材を受け部材側へ付勢する弾性バンドを設けたので、弾性バンドで押し付け部材を受け部材側へ移動させて係合部を受け部と押し付け部とで仮保持した状態にできることにより、固定作業を容易、かつ、効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1はこの発明の第1実施例である固定具の分解斜視図、図2は図1に示した受け部材、押し付け部材などの分解斜視図である。
そして、図1には、セパレータの他端側のみが図示され、セパレータの一端側の図示が省略されている。
また、図2には、右側の受け部材、押し付け部材などが図示されている。
なお、以下の説明では、断りがない限り、左右に存在するものは図1に示す右側のものについて説明する。
そして、左右に存在するものは、左右対称に構成されている。
【0010】
図1において、21は被固定材としての支柱を示し、平断面がC字状をした金属製のリップル溝形鋼(C形鋼)で構成され、防錆処理が施されている。
【0011】
51はセパレータ装置を示し、金属製の防錆処理が施された、被固定棒としてのセパレータ52と、このセパレータ52の端部を支柱21に固定する固定具53とで構成されている。
【0012】
上記したセパレータ52は、図1および後述する図3に示すように、金属製の丸棒で構成され、後述する装着具41,43の引っ掛け孔41a,43aに揺動自在に引っ掛けられる、U字状に折り曲げられた引っ掛け部52aが一端側に設けられ、他端側に係合部としての雄ねじ部52bが所定長設けられている。
【0013】
次に、固定具53は、図1および図2に示すように、金属製の防錆処理が施された基台部54と、金属製の防錆処理が施され、基台部54を支柱21に固定する基台部固定部材57と、水平方向回動部材としてのボルト60と、このボルト60を基台部54に水平方向へ回動可能に取り付ける際、ボルト60の頭部60aと基台部54との間に配置され、頭部60aを基台部54から一定間距離離すための、金属製の防錆処理が施されたスペーサ61と、このスペーサ61および基台部54を貫通したボルト60の雄ねじ部60bに螺合する、水平方向回動部材取付部材である金属製の防錆処理が施された取付ナット62と、セパレータ52の雄ねじ部52bが押し付けられる、金属製の防錆処理が施された受け部材63と、この受け部材63をボルト60に垂直方向へ回動可能に取り付ける受け部材取付部材と、セパレータ52の雄ねじ部52bを受け部材63へ押し付ける、金属製の防錆処理が施された押し付け部材71と、この押し付け部材71を受け部材63へ向けて案内するとともに、受け部材63と押し付け部材71とでセパレータ52の雄ねじ部52bを保持した状態に、押し付け部材71を受け部材63に固定する第1固定部材と、押し付け部材71を受け部材63へ向けて案内するとともに、受け部材63と押し付け部材71とでセパレータ52の雄ねじ部52bを保持した状態に、押し付け部材71を受け部材63に固定する、金属製の防錆処理が施された第2固定部材75とで構成されている。
【0014】
上記した基台部54は、図1および図2に示すように、金属板を側面視L字状に折り曲げた所定幅の水平部分55と、この水平部分55の一端(前端)に水平部分55の幅で下側へ連なる垂直部分56とで構成されている。
そして、水平部分55の幅方向の左右両端部分には、ボルト60を取り付けるための取付孔55a(図2参照)が設けられ、また、垂直部分56の幅方向の左右両端部分には、基台部固定部材57の固定棒58の両端(雄ねじ部58a)部分が挿入される、下端から立ち上がった後に水平方向、例えば、正面視左側へ延びる取付溝56aが左右に設けられるとともに、取付溝56aへ挿入された固定棒58の両端部分に螺合する取付ナット59が引っ掛かることにより、固定棒58の両端部分が取付溝56aから抜けるのを防止する抜け止め手段としての抜け止め突起56bが、図1および図2に図示されている面と反対側の面(後面)へ突出するようにプレス加工によって設けられている。
【0015】
上記した基台部固定部材57は、図1に示すように、支柱21の外形(四角形)に沿うように角張ったU字状に金属製の丸棒を折り曲げ、両端部に雄ねじ部58aが所定長設けられた固定棒58と、各雄ねじ部58aに螺合する2つの取付ナット59とで構成されている。
【0016】
次に、受け部材63は、図1および図2に示すように、側面視横長の長方形状の主平板部64と、この主平板部64の前後端から主平板部64に対して同じ方向、例えば、右側へ直角に水平方向へ折り曲げられ、外形形状が同じ直方体形状の第1屈曲部65および第2屈曲部66とで構成されている。
そして、主平板部64には、所定の間隔をあけて第1貫通孔64aと第2貫通孔64bとが水平方向に設けられ、また、第1屈曲部65には、上下方向の端面の中央部分にセパレータ52の雄ねじ部52bに螺合する受け部、係止部としての半円状雌ねじ部65aが設けられるとともに、右端部の上端に、右側へ下降する傾斜案内面65bが設けられ、また、第2屈曲部66には、上下方向の端面の中央部分にセパレータ52の雄ねじ部52bが遊嵌する半円状孔66aが設けられるとともに、右端部の上端に、右側へ下降する傾斜案内面66bが設けられている。
なお、半円状雌ねじ部65aと半円状孔66aとは、同一中心線上に設けられている。
【0017】
上記した受け部材取付部材は、図2に示すように、ボルト60の頭部60aから両端が突出するように頭部60aの上面に、雄ねじ部60bの軸に直交させて溶接され、一端側が受け部材63の第1貫通孔64aに挿通される長ねじボルト67と、この長ねじボルト67に受け部材63を垂直方向へ回動可能に取り付けた場合、受け部材63の半円状雌ねじ部65aへセパレータ52の雄ねじ部52bが押し付けられて半円状雌ねじ部65aと雄ねじ部52bとが係合したとき、雄ねじ部52bの中心が頭部60aおよび雄ねじ部60bの中心線上に位置するように、頭部60aと受け部材63との間に配置される、金属製の防錆処理が施されたスペーサ68と、このスペーサ68および第1貫通孔64aを貫通した長ねじボルト67に螺合し、受け部材63をボルト60に取り付ける、金属製の防錆処理が施された取付ナット69とで構成されている。
なお、ボルト60と長ねじボルト67とは、溶接された後に防錆処理が施される。
【0018】
次に、押し付け部材71は、図2に示すように、受け部材63の主平板部64と同一形状(側面視横長の長方形状)の主平板部72と、この主平板部72の前後端から主平板部72に対して同じ方向、例えば、左側へ直角に水平方向へ折り曲げられ、受け部63の第1屈曲部65と対向する直方体形状の第1屈曲部73、および、受け部63の第2屈曲部66と対向し、第1屈曲部73と外形形状が同じ第2屈曲部74とで構成されている。
そして、主平板部72には、受け部材63の第1貫通孔64aに対応し、長ねじボルト67が挿入される第1貫通孔72aと、受け部材63の第2貫通孔64bに対応する第2貫通孔72bとが所定の間隔をあけて水平方向に設けられ、また、第1屈曲部73には、上下方向の端面の中央部分にセパレータ52の雄ねじ部52bに螺合する押し付け部、係止部としての半円状雌ねじ部73aが受け部材63の半円状雌ねじ部65aに対応させて設けられるとともに、左端部の上端に、左側へ下降する傾斜案内面73bが設けられ、また、第2屈曲部74には、上下方向の端面の中央部分にセパレータ52の雄ねじ部52bが遊嵌する半円状孔74aが受け部材63の半円状孔66aに対応させて設けられるとともに、左端部の上端に、左側へ下降する傾斜案内面74bが設けられている。
なお、半円状雌ねじ部73aと半円状孔74aとは、半円状雌ねじ部65aと半円状孔66aとの中心線上に設けられている。
そして、押し付け部材71と受け部材63とは、第1屈曲部65,73同士および第2屈曲部66,74同士を接合させると、平面視ロ字状の筒(角筒)状になる。
【0019】
上記した第1固定部材は、図2に示すように、押し付け部材71の第1貫通孔72aへ挿通される第1雄ねじ部材としての長ねじボルト67と、この長ねじボルト67に螺合し、押し付け部材71を受け部材63および長ねじボルト67に取り付ける、金属製の防錆処理が施された取付ナット70とで構成されている。
【0020】
次に、第2固定部材75は、図2に示すように、雄ねじ部76bが受け部材63の第2貫通孔64bおよび押し付け部材71の第2貫通孔72bへ挿通される第2ねじ部材としてのボルト76と、第1屈曲部65側および第2屈曲部66側と反対側から第2貫通孔64bを貫通したボルト76の雄ねじ部76bに螺合し、頭部76aとで受け部材63の主平板部64を挟持することにより、ボルト76を受け部材63に取り付ける取付ナット77と、第1屈曲部73側および第2屈曲部74側から第2貫通孔72bを貫通したボルト76の雄ねじ部76bに螺合し、押し付け部材71を受け部材63およびボルト76に取り付ける第2ナット78とで構成されている。
【0021】
ここで、基台部54への各部材の取付について説明する。
まず、ボルト60の頭部60aから突出した長ねじボルト67の一方をスペーサ68に挿通した後、受け部材63の第1貫通孔64aへ第1屈曲部65側および第2屈曲部66側から挿通し、第1貫通孔64aを貫通した長ねじボルト67に取付ナット69を螺合させ、締め付けることにより、受け部材63を長ねじボルト67に対して垂直方向へ回動可能に取り付ける。
そして、第1屈曲部65側および第2屈曲部66側と反対側から受け部材63の第2貫通孔64bへボルト76の雄ねじ部76bを挿通し、第2貫通孔64bを貫通した雄ねじ部76bに取付ナット77を螺合させ、取付ナット77と頭部76aとで受け部材63の主平板部64を挟持することにより、受け部材63にボルト76を取り付ける。
【0022】
次に、ボルト60の頭部60aから突出した長ねじボルト67の他方を押し付け部材71の第1貫通孔72aへ第1屈曲部73側および第2屈曲部74側から挿通するとともに、ボルト76の雄ねじ部76bを第2貫通孔72bへ第2屈曲部73側および第2屈曲部74側から挿通した後、第1貫通孔72aを貫通した長ねじボルト67に第1ナット70を螺合させ、第2貫通孔72bを貫通した雄ねじ部76bに第2ナット78を螺合させることにより、押し付け部材71を長ねじボルト67に対して垂直方向へ回動可能に、および、押し付け部材71を長ねじボルト67、雄ねじ部76bに対して水平方向へ移動可能に取り付ける。
なお、押し付け部材71を長ねじボルト67および雄ねじ部76bに移動可能に取り付けた状態で、押し付け部材71を受け部材63から離した場合、第1屈曲部65,73同士の間隔、および、第2屈曲部66,74同士の間隔がセパレータ52の雄ねじ部52bを上側から挿入できる間隔にする。
【0023】
そして、ボルト60の雄ねじ部60bをスペーサ61に挿通した後、基台部54の取付孔55aへ上側から挿通し、取付孔55aを貫通した雄ねじ部60bに取付ナット62を螺合させ、締め付けることにより、ボルト60を基台部54(水平部分55)に対して水平方向へ回動可能に取り付け、各部材の基台部54への取付が完了する。
このようにボルト60を基台部54に取り付けることにより、受け部材63および押し付け部材71は、基台部54に対して水平方向および垂直方向へ回動可能となる。
【0024】
図3は型枠パネル、装着具およびセパレータを示す斜視図である。
なお、セパレータ52は、雄ねじ52b(他端側)の図示が省略されている。
【0025】
図3において、31は一定の大きさをした矩形状の壁面構築用の型枠パネルを示し、背面の下側の左右と、背面の上側の左右とに、左右方向の幅の左右の端から1/4の位置に位置させて、それぞれ防錆処理が施されたフック31aが水平に設けられている。
【0026】
41は金属板製の防錆処理が施された装着具を示し、最下段の型枠パネル31の下側のフック31aおよび最上段の型枠パネル31の上側のフック31aを固定するものであり、上側後方に位置し、セパレータ52の引っ掛け部52aが揺動可能に引っ掛けられる引っ掛け孔41aと、型枠パネル31のフック31a内へ挿入、嵌合させられる挿入部分41bと、型枠パネル31の背面(裏面)に当接する辺に位置する凹部41dとが設けられている。
【0027】
43は金属板製の防錆処理が施された装着具を示し、上下段の型枠パネル31を連結して固定するものであり、中央後方に位置し、セパレータ52の引っ掛け部52aが揺動可能に引っ掛けられる引っ掛け孔43aと、下段の型枠パネル31の上側のフック31a内へ上側から挿入、嵌合させられる下側挿入部分43bと、上段の型枠パネル31の下側のフック31a内へ下側から挿入、嵌合させられる上側挿入部分43cと、上下の型枠パネル31の背面に当接する辺に、上下の型枠パネル31に渡るように位置させた凹部43dとが設けられている。
【0028】
図4〜図13は図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【0029】
これらの図において、11はコンクリートを打設して構築した基礎を示し、支柱21が立設される。
【0030】
次に、型枠パネル31を積み上げ、固定する一例について説明する。
まず、道路などの壁面または擁壁を構築する場合、図4に示すように、コンクリートを打設して基礎11を構築し、この基礎11に積み上げる型枠パネル31の位置から所定距離おいた後方位置に、図5に示すように、支柱21を型枠パネル31の幅の間隔(フック31aの2倍の間隔)で左右方向へ立設する。
そして、最下段の型枠パネル31の下側のフック31aへそれぞれ挿入部分41bを上側から挿入、嵌合させることにより、装着具41を取り付ける。
【0031】
次に、最下段の型枠パネル31の下側のフック31aを支柱21に固定するため、図1に示すように、装着具41の高さ位置に対応させ、受け部材63および押し付け部材71を上側にして基台部54の垂直部分56を支柱21の後面に当接させ、U字状の間に支柱21を位置させるように支柱21の前方から支柱21の後方へ固定棒58を移動させて両雄ねじ部58a部分を取付溝56aの水平部分の最深部分へ挿入し、両雄ねじ部58aに取付ナット59を螺合させて締め付けることにより、または、両雄ねじ部58aに取付ナット59を螺合させ、U字状の間に支柱21を位置させるように支柱21の前方から支柱21の後方へ固定棒58を移動させて両雄ねじ部58a部分を垂直部分56の取付溝56aに沿ってL字状に挿入し、雄ねじ部58aに螺合させてあった取付ナット59を締め付けることにより、図4に示すように、支柱21に基台部54を基台部固定部材57で固定する。
【0032】
このようにして取付ナット59を締め付けると、雄ねじ部58aが取付溝56aの水平部分を抜ける方向へ移動しても、取付ナット59が抜け止め突起56bに衝合することにより、雄ねじ部58aが取付溝56aの水平部分を抜ける方向へ移動できず、雄ねじ部58aが取付溝56aから抜けるのを防止することができる。
【0033】
上記のようにして各支柱21に基台部54を取り付けたならば、図5に示すように、装着具41の間に支柱21を位置させて最下段の型枠パネル31を左右方向へ並べながら、装着具41の引っ掛け孔41aにセパレータ52の引っ掛け部52aを揺動自在に引っ掛け、図6(a)〜図6(c)に示すように、受け部材63と押し付け部材71との間へ上側から雄ねじ部52bを挿入できるように押し付け部材71を受け部材63から離すとともに、受け部材63および押し付け部材71を水平方向へ回動させ、雄ねじ部52bを受け部材63と押し付け部材71との間へ上側から挿入する。
そして、第1ナット70および第2ナット78を締め付けながら、半円状雌ねじ部65a,73aの間および半円状孔66a,74aの間に雄ねじ部52bを位置させるように受け部材63および押し付け部材71を垂直方向へ回動させ、図7(a),(b)および図8に示すように、半円状雌ねじ部73aで雄ねじ部52bを半円状雌ねじ部65aへ押し付けるとともに、雄ねじ部52bに半円状雌ねじ部65a,73aを螺合させることにより、図4および図5に示すように、型枠パネル31の下側を位置決めする。
【0034】
このようにして第1ナット70および第2ナット78を締め付けると、セパレータ52が受け部材63と押し付け部材71との間から抜ける方向へ移動しようとしても、雄ねじ部52bに半円状雌ねじ部65a,73aが螺合しているので、雄ねじ部52bが受け部材63と押し付け部材71との間から抜ける方向へ移動できず、雄ねじ部52bが受け部材63と押し付け部材71との間から抜けるのを防止することができる。
なお、図7(a),(b)に示すように、雄ねじ部52bに半円状雌ねじ部65a,73aを螺合させ、雄ねじ部52bを受け部材63と押し付け部材71とで保持した状態では、受け部材63に押し付け部材71が接するか、受け部材63と押し付け部材71との間にほんの僅かな隙間があるのが望ましい。
【0035】
上記のようにして最下段の型枠パネル31の下側を固定したならば、最下段の型枠パネル31の上側のフック31aへそれぞれ下側挿入部分43bを上側から挿入、嵌合させることにより、装着具43を型枠パネル31に取り付ける。
そして、2段目の型枠パネル31の下側のフック31aへ上側挿入部分43cを下側から挿入、嵌合させることにより、2段目の型枠パネル31を最下段の型枠パネル31の上に左右方向へ積み上げる。
【0036】
以後は、前述したように、支柱21に基台部54を基台部固定部材57で固定し、セパレータ52の雄ねじ部52bを半円状雌ねじ部65a,73aに螺合させて受け部材63および押し付け部材71で雄ねじ部52を保持することにより、最下段の型枠パネル31を所望の傾斜または垂直に固定する。
このようにして3段目、4段目と順次型枠パネル31を積み上げることにより、図4に示すように、型枠パネル31を積み上げることができる。
そして、型枠パネル31の背面側に、例えば、所定段数毎にコンクリートを打設することにより、壁面または擁壁を構築することができる。
【0037】
上述したように、この発明の第1実施例によれば、支柱21に固定される基台部54に、セパレータ52の雄ねじ部52bが押し付けられる半円状雌ねじ部65aを有する受け部材65が取り付けられたボルト60を、水平方向へ回動可能に取り付け、雄ねじ部52bを半円状雌ねじ部65aへ押し付ける半円状雌ねじ部73aを有する押し付け部材71を、受け部材63へ向けて案内する長ねじボルト67に第1ナット70を螺合させて受け部材63に固定し、半円状雌ねじ部65aと半円状雌ねじ部73aとを雄ねじ部52bに係合させたので、溶接することなく簡便に、かつ、受け部材63と押し付け部材71との隙間によってセパレータ52の固定状態を視覚的に確認しながらセパレータ52を支柱21に固定することができ、セパレータ52の向きを三次元的に調整することができるとともに、受け部材63と押し付け部材71とをバラバラにならないように長ねじボルト67および第1ナット70とで対にすることができることにより、固定作業を容易、かつ、効率よく行うことができる。
そして、押し付け部材71を受け部材63に固定する第1固定部材を、ボルト60に固定され、押し付け部材71を貫通する長ねじボルト67と、この長ねじボルト67に螺合し、押し付け部材71を受け部材63に固定する第1ナット70とで構成したので、長ねじボルト67および第1ナット70として汎用部品が使用できることにより、第1固定部材、ひいては固定具54が安価になる。
さらに、受け部材63と押し付け部材71とは、受け部63と押し付け部71とで雄ねじ部52bを保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する一方の端部分に半円状雌ねじ部65a,73aを有し、対向する他方の端部分に雄ねじ部52bが貫通する半円状孔66a,74aを有するので、半円状雌ねじ部65a,73aを雄ねじ部52bに確実に係合させることができることにより、セパレータ52を強固に固定することができる。
また、押し付け部材71を受け部材63へ向けて案内するとともに、半円状雌ねじ部65a,73aで雄ねじ部52bを保持した状態に、押し付け部材71を受け部材63に固定する第2固定部材75を設けたので、押し付け部材71を受け部材63に2個所で固定することにより、押し付け部材71を受け部材63に強固に固定することができる、すなわち、セパレータ52を強固に固定することができる。
そして、第2固定部材75を、受け部材63に取り付けられ、押し付け部材71を貫通するボルト76と、このボルト76に螺合し、押し付け部材71を受け部材63に固定する第2ナット78とで構成したので、ボルト76および第2ナット78として汎用部品が使用できることにより、第2固定部材75、ひいては固定具54が安価になり、また、長ねじボルト67およびボルト76で押し付け部材71を平行に案内することにより、固定作業を容易、かつ、効率よく行うことができる。
【0038】
さらに、基台部54に、固定棒58が取付溝56aから抜けるのを防止する抜け止め突起56bを設けたので、取付ナット59が少し緩んでも、または、取付ナット59を強固に締め付けなくとも、固定棒58が取付溝56aから抜けるのを防止することができる。
また、半円状雌ねじ部65a,73aが雄ねじ部52bに係合(螺合)し、受け部材63と押し付け部材71とでセパレータ52を保持すると、図7および図8に示すように、雄ねじ部52bの中心がボルト60の頭部60aおよび雄ねじ部60bの中心線上に位置するので、受け部材63および押し付け部材71を回転させる偶力が発生しなくなることにより、保持状態が緩まなくなり、保持状態を維持させることができる。
そして、基台部54に受け部材63および押し付け部材71が水平方向および垂直方向へ回動可能に取り付けられているので、図9に示すように、支柱21の立設位置が地形等の要因によって所期の位置よりも前後にずれても、または、図10に示すように、支柱21の立設位置が地形等の要因によって所期の位置よりも左右にずれても、または、図11に示すように、支柱21の立設位置が地形等の要因によって所期の位置よりも斜めにずれても、または、図12に示すように、基台部54の取付位置が所期の位置より下側にずれても、または、図13に示すように、基台部54の取付位置が所期の位置より上側にずれても、簡単な操作で、無理なくセパレータ52を支柱21に強固に固定することができる。
さらに、セパレータ52を支柱21に固定しても支柱21、フック31a、装着具41,43、セパレータ52および固定具54に防錆処理した防錆皮膜が破壊されないので、各部材の性能劣化を招く恐れがなくなる。
【0039】
図14(a),(b),(c)はこの発明の第2実施例である固定具の押し付け部材を受け部材から離した状態の背面図、180度回転させた平面図、および側面図、図15(a),(b)は図14に示したこの発明の第2実施例である固定具の受け部材と押し付け部材とでセパレータの雄ねじ部を保持した状態の背面図および180度回転させた平面図であり、図1〜図13と同一または相当部分に同一符号を付し、説明を省略する。
【0040】
これらの図において、64cは係止切欠を示し、受け部材63の主平板部64の上下に、第1実施例の第2貫通孔64bの位置に対応させて設けられ、後述するゴムバンド81を移動しないように位置決めするものである。
72cは係止切欠を示し、押し付け部材71の主平板部72の上下に、第1実施例の第2貫通孔72bの位置に対応させて設けられ、後述するゴムバンド81を移動しないように位置決めするものである。
81は弾性バンドとしてのゴムバンドを示し、受け部材63の係止切欠64cと、押し付け部材71の係止切欠72cとに掛け渡され、押し付け部材71を受け部材63側へ付勢するものである。
【0041】
次に、第1実施例と異なるセパレータ52の雄ねじ部52の保持について説明する。
まず、図14(a)〜図14(c)に示すように、対向する傾斜案内面65b,73bおよび対向する傾斜案内面66b,74bをガイドとして受け部材63と押し付け部材71との間へ上側から雄ねじ部52bを押し込むと、押し付け部材71はゴムバンド81の付勢力に抗して受け部材63から離れるので、雄ねじ部52bを受け部材63と押し付け部材71との間へ挿入することができる。
そして、雄ねじ部52bが半円状雌ねじ部65a,73aの間および半円状孔66a,74aの間の位置まで押し込まれると、ゴムバンド81の付勢力によって押し付け部材71が受け部材61側へ移動することにより、図15(a),(b)に示すように、半円状雌ねじ部65aと半円状雌ねじ部73aとで雄ねじ部52bを仮保持した状態になる。
この状態で第1ナット70を締め付けることにより、図15(a),(b)に示すように、半円状雌ねじ部73aで雄ねじ部52bを半円状雌ねじ部65aへ押し付けるとともに、雄ねじ部52bに半円状雌ねじ部65a,73aを螺合させることにより、半円状雌ねじ部65aと半円状雌ねじ部73aとに雄ねじ部52bを保持させることができる。
【0042】
この第2実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
そして、受け部材63と押し付け部材71とに掛け渡され、押し付け部材71を受け部材63側へ付勢するゴムバンド81を設けたので、ゴムバンド81で押し付け部材71を受け部材63側へ移動させて雄ねじ部52bを半円状雌ねじ部65aと半円状雌ねじ部73aとで仮保持した状態にできることにより、固定作業を容易、かつ、効率よく行うことができるとともに、第1実施例の固定具54よりも安価になる。
【0043】
上記した実施例では、被固定材を支柱21とした例を示したが、被固定材は、壁体や型枠パネルなどの他のものであってもよい。
そして、固定具53が基台部54を有する例を示したが、被固定材に直接ボルト60(水平方向回動部材)を取り付けることにより、基台部54、基台部固定部材57を省くことができる。
また、被固定棒であるセパレータ52に設ける係合部を雄ねじ部52bとした例を示したが、被固定棒に周回する溝を軸方向へ等間隔で設けて係合部とし、この係合部に係合する係止部も、周回する突出部(条)を軸方向へ等間隔で設けて係止部としてもよい。
そして、受け部材63を長ねじボルト67、スペーサ68および取付ナット69でボルト60に取り付ける例を示したが、ボルト60に溶接した金属棒に周回取付溝を設け、この周回取付溝に係合するEリングと称される止め輪で取り付けてもよい。
このように、止め輪で受け部材63を取り付ける場合も、受け部材63の半円状雌ねじ部65aへセパレータ52の雄ねじ部52bが押し付けられて半円状雌ねじ部65aと雄ねじ部52bとが係合したとき、雄ねじ部52bの中心がボルト60の頭部60aおよび雄ねじ部60bの中心線上に位置する位置に、止め輪を係合させる周回取付溝を設けるのが望ましい。
また、係止部としての半円状雌ねじ部65aを受け部材63に設けるとともに、押し付け部としての半円状雌ねじ部73aを押し付け部材71に設けた例を示したが、雄ねじ部52bに係合する係止部は、受け部材63と押し付け部材71との少なくとも一方に設ければよく、また、半円状孔66a,74aの部分にも、受け部と押し付け部とを設け、受け部と押し付け部との少なくとも一方を係止部としてもよい。
このように、受け部材と押し付け部材の、対向する両端部分に受け部または押し付け部を設けると、被固定棒の係合部に少なくとも2つの係止部が係合することにより、被固定棒を強固に固定することができる。
なお、係止部を設けない受け部または押し付け部は、雄ねじ部52が接する半円筒面、平面などの面としてもよい。
そして、第2固定部材75のボルト76を取付ナット77で受け部材63に取り付ける例を示したが、このボルト76も、前述したように、Eリングと称される止め輪で取り付けたり、溶接した後に防錆処理を施してもよい。
また、第2固定部材75を受け部材63に取り付けた例を示したが、第2固定部材75は押し付け部材71に取り付けても、同様な効果を得ることができる。
なお、型枠パネル31を固定し、積み上げるときに固定具53を使用する例を示したが、例えば、光源が先端に接続されたコードを支持して所望の位置を照らすための、被固定棒としての支持棒を支柱などの被固定材に取り付ける場合などにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の第1実施例である固定具の分解斜視図である。
【図2】図1に示した受け部材、押し付け部材などの分解斜視図である。
【図3】型枠パネル、装着具およびセパレータを示す斜視図である。
【図4】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図5】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図6】(a),(b),(c)は押し付け部材を受け部材から離した状態の背面図、180度回転させた平面図、および側面図である。
【図7】(a),(b)は受け部材と押し付け部材とでセパレータの雄ねじ部を保持した状態の背面図および180度回転させた平面図である。
【図8】左右の受け部材と押し付け部材とがセパレータの雄ねじ部を各々保持した状態の平面図である。
【図9】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図10】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図11】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図12】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図13】図1〜図3に示したこの発明の第1実施例の固定具を使用して型枠パネルを積み上げる説明図である。
【図14】(a),(b),(c)はこの発明の第2実施例である固定具の押し付け部材を受け部材から離した状態の背面図、180度回転させた平面図、および側面図である。
【図15】(a),(b)は図14に示したこの発明の第2実施例である固定具の受け部材と押し付け部材とでセパレータの雄ねじ部を保持した状態の背面図および180度回転させた平面図である。
【符号の説明】
【0045】
11 基礎
21 支柱(被固定材)
31 型枠パネル
31a フック
41 装着具
41a 引っ掛け孔
41b 挿入部分
41d 凹部
43 装着具
43a 引っ掛け孔
43b 下側挿入部分
43c 上側挿入部分
43d 凹部
51 セパレータ装置
52 セパレータ(被固定棒)
52a 引っ掛け部
52b 雄ねじ部(係合部)
53 固定具
54 基台部
55 水平部分
55a 取付孔
56 垂直部分
56a 取付溝
56b 抜け止め突起(抜け止め手段)
57 基台部固定部材
58 固定棒
58a 雄ねじ部
59 取付ナット
60 ボルト(水平方向回動部材)
60a 頭部
60b 雄ねじ部
61 スペーサ
62 取付ナット(水平方向回動部材取付部材)
63 受け部材
64 主平板部
64a 第1貫通孔
64b 第2貫通孔
64c 係止切欠
65 第1屈曲部
65a 半円状雌ねじ部(受け部、係止部)
65b 傾斜案内面
66 第2屈曲部
66a 半円状孔
66b 傾斜案内面
67 長ねじボルト(受け部材取付部材、第1固定部材、第1雄ねじ部材)
68 スペーサ(受け部材取付部材)
69 取付ナット(受け部材取付部材)
70 第1ナット(第1固定部材)
71 押し付け部材
72 主平板部
72a 第1貫通孔
72b 第2貫通孔
72c 係止切欠
73 第1屈曲部
73a 半円状雌ねじ部(押し付け部、係止部)
73b 傾斜案内面
74 第2屈曲部
74a 半円状孔
74b 傾斜案内面
75 第2固定部材
76 ボルト(第2ねじ部材)
76a 頭部
76b 雄ねじ部
77 取付ナット
78 第2ナット
81 ゴムバンド(弾性バンド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に係合部が軸方向へ設けられた被固定棒を、被固定材に固定する固定具であって、
前記被固定材に水平方向へ回動可能に取り付けられる水平方向回動部材と、
この水平方向回動部材に垂直方向へ回動可能に取り付けられ、前記係合部が押し付けられる受け部を有する受け部材と、
前記係合部を前記受け部へ押し付ける押し付け部を有する押し付け部材と、
この押し付け部材を前記受け部材へ向けて案内するとともに、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態に、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第1固定部材とからなり、
前記受け部と前記押し付け部との少なくとも一方に、前記係合部に係合する係止部を設けた、
ことを特徴とする固定具。
【請求項2】
請求項1に記載の固定具において、
前記第1固定部材は、前記水平方向回動部材に固定され、前記押し付け部材を貫通する第1雄ねじ部材と、この第1雄ねじ部材に螺合し、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第1ナットとで構成されている、
ことを特徴とする固定具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の固定具において、
前記受け部材と前記押し付け部材とは、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する一方の端部分に前記受け部または前記押し付け部を有し、対向する他方の端部分に前記係合部が貫通する貫通孔を有する、
ことを特徴とする固定具。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の固定具において、
前記受け部材と前記押し付け部材とは、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態で平面視ロ字状の筒状となり、対向する両端部分に前記受け部または前記押し付け部を有する、
ことを特徴とする固定具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固定具において、
前記押し付け部材を前記受け部材へ向けて案内するとともに、前記受け部と前記押し付け部とで前記係合部を保持した状態に、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第2固定部材を設けた、
ことを特徴とする固定具。
【請求項6】
請求項5に記載の固定具において、
前記第2固定部材は、前記受け部材に取り付けられ、前記押し付け部材を貫通する第2雄ねじ部材と、この第2雄ねじ部材に螺合し、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第2ナットとで構成されている、
ことを特徴とする固定具。
【請求項7】
請求項5に記載の固定具において、
前記第2固定部材は、前記押し付け部材に取り付けられ、前記受け部材を貫通する第2雄ねじ部材と、この第2雄ねじ部材に螺合し、前記押し付け部材を前記受け部材に固定する第2ナットとで構成されている、
ことを特徴とする固定具。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固定具において、
前記受け部材と前記押し付け部材とに掛け渡され、前記押し付け部材を前記受け部材側へ付勢する弾性バンドを設けた、
ことを特徴とする固定具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−226006(P2006−226006A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41773(P2005−41773)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(393010215)
【Fターム(参考)】