説明

固定機構、および処理装置

【課題】容易に固定力を切り替え可能なディスク装置を提供する。
【解決手段】
回動制御ピン553Dが回動することで台座移動部580が回動し、台座保持部570が、保持部572の長手方向に沿って移動する。そして、保持部572が右側板部124の後面側に向かって移動すると、台座部210を固定してロックし、保持部572が左側板部125の前面側に向かって移動すると、台座部210のロックを解除する。このため、簡単な構成で台座部210の固定状態および非固定状態を容易に切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定部を固定する固定機構、および処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク装置に第1のディスク状記録媒体が処理可能な状態に装着されている状態で第2のディスク状記録媒体が挿入されると、第1のディスク状記録媒体に変えて第2のディスク状記録媒体を処理可能な状態に装着する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、ディスク装置のフロントパネルに、ディスクが出し入れされる出し入れ口が形成されている。また、ディスク装置の内部筐体には、記録再生部などを有する駆動ユニットと、ディスクを駆動ユニットのターンテーブルに固定するためのクランパ部材と、ディスクをディスク装置奥部にまたは出し入れ口に向けて搬送する搬送手段と、などが配設されている。さらに、内部筐体の後方部には、ディスクの外周縁部を外側から狭持する下側ガイド手段と、この下側ガイド手段の上方に設けられた上側ガイド手段と、などが配設されている。また、ディスク装置のフロントパネル近傍には、ディスクをディスク装置奥方にまたは出し入れ口へ向けて搬送する送り手段が配設されている。
【0004】
そして、ディスクD2−1が上側ガイド手段における第1の駆動位置に位置している状態において、出し入れ口に新たなディスクD2−2が挿入されると、クランプ部材を上昇させるとともに駆動ユニットを下降させディスクD2−1をアンクランプ状態にする。さらに、ディスクD2−2を送り手段でディスク装置奥方に搬送し、搬送手段の搬送ローラおよび振り分け部により下側ガイド手段に装着する。また、振り分け部を所定の角度だけ回動させ、ディスクD2−1を上側ガイド手段における第1の駆動位置から出し入れ口へ向けて搬送する。そして、ディスクD2−1の排出完了を検知すると、クランプ部材を下降させるとともに駆動ユニットを上昇させディスクD2−2をクランプ状態にする。この後、駆動ユニットのシャーシに設けられた記録再生手段にて、ディスクD2−2の再生動作を行う構成が採られている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−256701号公報(第4頁右欄−第11頁右欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載のような構成では、記録再生手段がシャーシに固定されている。このため、記録再生手段にてディスクに記録された情報を処理する際に、ディスクの回転の回転振動のためにディスクが振動し、情報の読み出しあるいは記録に支障をきたす場合がある。これに対して、記録再生手段を弾性部材などを介して所定の寸法分だけ上下方向に移動可能に設けた、いわゆるフロート状態とする構成も考えられる。しかしながら、上記特許文献1のような装置において、記録再生手段をフロート状態とすると、駆動ユニットが移動する度に、ディスクのターンテーブルへの脱着時に記録再生手段の高さ位置が不安定になるためにディスクの脱着に支障が出るおそれがあるという問題が一例として挙げられる。このため、ディスクのターンテーブルへの装着時に、記録再生手段を強固に固定し、一方でディスクの情報を処理する際には記録再生手段とフロート状態にする構成が要望されている。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて、容易に固定力を切り替え可能な固定機構、および固定機構を備えた処理装置を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、駆動力発生装置より伝達される駆動力により駆動される駆動伝達部と、被処理物を処理する処理部に加わる振動を振動吸収部材にて吸収する非固定状態から、振動を前記振動吸収部材にて吸収しない固定状態とする固定手段と、前記駆動伝達部から駆動力が伝達され、前記駆動伝達部の駆動状態に応じて、前記固定手段の前記非固定状態および前記固定状態を切り替える切替手段と、を具備したことを特徴とする固定機構である。
【0009】
請求項13に記載の処理装置は、被処理物を挿通可能な挿通口が開口形成されたケース体と、このケース体内に配設され、前記被処理物を処理するとともに振動を吸収する振動吸収部材を備えた処理部と、前記ケース体内に配設され、前記被処理物を前記挿通口および前記処理部で処理する位置の間で搬送する搬送手段と、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の固定機構と、を具備したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の処理装置の一実施の形態の構成について図面を参照して説明する。本実施の形態では、略平板状(ディスク状)の着脱可能な被処理物としてディスク状記録媒体である光ディスクに情報を記録および読み出す処理装置としてのディスク装置を例示して説明するが、情報の読み出しあるいは記録のみでもよい。さらには、記録媒体に限らず、MD(Mini DisC)などのようにケース内にディスク状記録媒体が収容されたもの、鋼板など、いずれのものも対象とすることができる。なお、ディスク状記録媒体としては、光ディスクに限らず、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの、いずれのディスク状記録媒体を対象とすることができる。また、ドライブ装置として、回転する光ディスクの記録面に沿って略径方向で光ピックアップを移動させる構成に限らず、例えば光ディスクを回転させずに記録面に沿って光ピックアップを移動させて、記録処理や読取処理を実施する構成などとしてもよい。
【0011】
〔ディスク装置の構成〕
図1は、ディスク装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、ディスク装置内部の概略構成を示す平面図である。図3は、下側筐体を上面側から見た平面図である。図4は、下側筐体の左側板部近傍の概略構成を示す断面図である。図5は、下側筐体を下面側から見た平面図である。図6は、ディスク装置内部のディスク保持機構および退避制御機構を取り外した状態の概略構成を示す平面図である。図7は、ディスク保持機構および退避制御機構の概略構成を示す平面図である。図8は、搬送手段の概略構成を示す部分断面図である。図9は、搬送基部の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図10は、押圧手段の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図11は、台座保持部の保持部を模式的に示す断面図である。図12は、駆動部の概略構成を示す平面図である。
【0012】
図1において、100はディスク装置で、このディスク装置100は、例えば車両などの移動体に搭載されるものである。このディスク装置100は、着脱可能に装着される略平板状である円板状の光ディスク1N(Nは1または2)に記録された情報を再生する再生処理、および、光ディスク1Nに情報を記録する記録処理を実施する。また、ディスク装置100は、例えば被処理物、および第1のディスク状記録媒体としての光ディスク11の再生中(以下、光ディスク11を再生ディスク11と適宜称す)に第2のディスク状記録媒体としての光ディスク12が挿入されると(以下、光ディスク12を交換ディスク12と適宜称す)、再生ディスク11を交換ディスク12に自動的に交換する。そして、ディスク装置100は、例えば金属製で内部空間を有する略四角箱状のケース体110を有している。
【0013】
ケース体110は、上面を開口する金属製の下側筐体120と、この下側筐体120の上面を閉塞する金属製の上側筐体130と、下側筐体120および上側筐体130の正面側に設けられる合成樹脂にて細長板状に形成された化粧板111と、を備えている。そして、化粧板111には、光ディスク1Nが挿通可能な長手方向に沿った細長スリット状の挿通口としてのディスク挿通口111Aが開口形成されている。また、ケース体110の化粧板111には、ケース体110内に挿入された再生ディスク11を排出する際に操作されるイジェクトボタン111Bなど、ディスク装置100全体の動作を設定するための図示しない各種操作ボタンや処理状態を表示により報知する表示パネルなどが適宜設けられている。
【0014】
下側筐体120は、図2に示すように、長方形平板状の底板部121を有している。この底板部121の短手方向の一側縁、すなわち底板部121の前面側には、前面板部122が略垂直に折曲形成されている。この前面板部122には、ディスク挿通口111Aに対応する図示しないスリット状の挿通孔が設けられ、化粧板111が取り付けられる。また、底板部121の短手方向の他側縁、すなわち底板部121の後面側には、前面板部122と同方向に略垂直に折曲されて前面板部122と対向する後面板部123が形成されている。さらに、底板部121の長手方向の一側縁には、略垂直に折曲された右側板部124が形成されている。この右側板部124は、前面板部122および後面板部123に略直交し、前面板部122から後面板部123に向かう前後方向が長手となるように形成されている。また、底板部121の長手方向の他側縁には、略垂直に折曲され、右側板部124と対向する左側板部125が形成されている。この左側板部125も、右側板部124と同様に、前面板部122および後面板部123に略直交し、前後方向が長手となるように形成される。そして、下側筐体120は、上面を開口した略箱状に折曲形成されている。
【0015】
また、右側板部124の上端側における後面板部123側および長手方向略中央には、長手方向に沿って開口形成された2つの図示しない爪挿入スリットが設けられている。さらに、右側板部124の上下方向の略中央における前面板部122側および後面板部123側には、長手方向に沿って開口形成された2つの図示しないねじ挿通スリットが開口形成されている。そして、左側板部125の上端側における前面板部122側および長手方向略中央には、右側板部124の爪挿通スリットと同様の爪挿通スリット125A(図4参照)が設けられている。さらに、左側板部125の上下方向略中央における前面板部122側および後面板部123側には、右側板部124のねじ挿通スリットと同様のねじ挿通スリット125B(図4参照)が開口形成されている。
【0016】
また、底板部121には、左側板部125側の前面側から底板部121の略中央位置に亘って長手状に開口形成された配置用窓部126が設けられている。そして、この配置用窓部126には、上面側に臨む状態に処理部としてのディスク処理部200が配設されている。
【0017】
ディスク処理部200は、軟質部材210Aを介して底板部121に配設された略矩形板状の台座部210を備えている。台座部210には、長手方向の一端側には、ディスク回転駆動手段220が配設されている。このディスク回転駆動手段220は、スピンドルモータである図示しない回転用電動モータと、この回転用電動モータの図示しない出力軸に一体的に設けられたディスク装着部としてのターンテーブル221と、を備えている。このターンテーブル221は、先端部が次第に径小となる軸支部221Aと、この軸支部221Aの周面にフランジ状に設けられた鍔部221Bと、軸支部221Aの周面から進退可能に設けられた図示しない係止爪部と、を備えている。そして、ディスク回転駆動手段220は、ターンテーブル221が底板部121の略中央に位置する状態で配設されている。
【0018】
また、台座部210には、処理移動手段230が配設されている。この処理移動手段230は、台座部210に配設されたガイドレール231と、例えばステッピングモータである移動用電動モータ232と、を備えている。移動用電動モータ232に設けられたスクリュ232Aには、例えば一端側および他端側にスクリュ232Aと係合する係合溝および後述するリードスクリュ233の係合溝と係合する係合溝がそれぞれ設けられた図示しないシャフトが略直交に配設されている。そして、このシャフトの他端側には、係合溝と係合する螺旋状の係合溝233Aが外周面に設けられたリードスクリュ233が、ガイドレール231と略平行に配設されている。
【0019】
さらに、台座部210には、処理移動手段230に支持された情報処理部240が配設されている。この情報処理部240は、ガイドレール231およびリードスクリュ233間に架橋する状態で保持される移動保持部241を備えている。この移動保持部241には、ガイドレール231に移動可能に係合される図示しない係合部と、移動用電動モータ232の出力軸に連結されたリードスクリュ233の係合溝233Aに係合する図示しない爪部と、が備えられている。また、情報処理部240の移動保持部241には、図示しない制御回路部の制御により、光ディスク1Nの記録面に記録された各種情報を読み取って出力回路部へ出力する読取処理や、制御回路部からの各種情報を記録面に記録する記録処理を実施するための光ピックアップ250が配設されている。
【0020】
また、台座部210には、情報処理部240の移動に連動して、ターンテーブル221の係止爪部を軸支部221Aの外周面から進退させる図示しないディスク着脱機構部が設けられている。すなわち、ディスク着脱機構部は、情報処理部240の移動用電動モータ232に近接する方向への移動に連動し、軸支部221Aの外周面から進出する係止爪部が次第に軸支部221Aの外周面から後退する状態に移動させる。
【0021】
さらに、台座部210には、長手方向に沿った側縁に沿って、長手方向に対して略直交する方向に突出する複数の台座固定片260が形成されている。これらの台座固定片260は、台座部210の前面側の側縁の両端側、および後面側の側縁の略中央位置に設けられている。なお、これらの台座部210は、台座部210の長手方向に沿った側縁に形成されていれば、その数や配置される位置、大きさは限定されない。
【0022】
そして、ケース体110の内部空間には、光ディスク1Nを昇降させるディスク昇降部300が設けられている。このディスク昇降部300は、略矩形枠状に形成され、ケース体110の内部空間で上下方向に昇降可能に配設された四角枠部材であるステージ310を有している。
【0023】
ステージ310は、図7に示すように、略長方形平板状の前面部311と、前面部311の長手方向の一側縁に略垂直に設けられた右面部312と、前面部311の長手方向の他側縁に右面部312と同方向に略垂直に設けられた左面部313と、前面部311と略対向しかつ右面部312および左面部313の一側縁を連結する状態に設けられた後面部314と、にて略矩形枠状に形成されている。また、右面部312、左面部313、後面部314のそれぞれの下端には、左面部313、右面部312、前面部311に向けて例えば略板状に突出する図示しない、右下面部、左下面部、後下面部がそれぞれ設けられている。さらに、ステージ310には、後面部314近傍の上面の一部を閉塞する後上面部材315が設けられている。この後上面部材315は、右面部312近傍から前面部311に向けて略三角形板状に突出する右上隅面部316と、この右上隅面部316と一体的に設けられ左面部313近傍から前面部311に向けて右上隅面部316と同様に突出する左上隅面部317と、を備えている。
【0024】
右面部312には、外面から突出する状態に設けられた2つの図示しない右昇降制御ピンが長手方向に並設されている。また、左面部313には、右昇降制御ピンと同様に設けられた2つの左昇降制御ピン313A(図4参照)が並設されている。そして、右上隅面部316の前面部311側には、略円形状のガイド軸孔316Aが開口形成されている。また、ガイド軸孔316Aの後面部314側には、中心がガイド軸孔316Aと略一致する略円弧状の円弧スリット316Bが開口形成されている。さらに、右上隅面部316の右面部312および後面部314の連結部近傍には、切欠部316Cが設けられている。また、この切欠部316Cの左面部313側には、図示しない右上ストッパ軸孔が開口形成されている。左上隅面部317におけるガイド軸孔316A、円弧スリット316B、切欠部316C、右上ストッパ軸孔に略対応する位置には、ガイド軸孔317A、円弧スリット317B、切欠部317C、図示しない左上ストッパ軸孔がそれぞれ設けられている。右下面部および左下面部におけるガイド軸孔316A,317A、右上ストッパ軸孔、左上ストッパ軸孔にそれぞれ略対応する位置には、図示しない、右下ガイド軸孔、左下ガイド軸孔、右下ストッパ軸孔、左下ストッパ軸孔が設けられている。そして、ステージ310には、ディスク保持機構320と、挿排検出部410と、退避制御機構420と、などが配設されている。
【0025】
ディスク保持機構320は、光ディスク1Nを保持する。そして、ディスク保持機構320は、光ディスク1Nの周縁に接離可能にそれぞれ設けられた右ガイド330と、左ガイド380と、右ストッパ390と、左ストッパ400と、を備えている。なお、右ガイド330および左ガイド380は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。また、右ストッパ390および左ストッパ400についても、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。さらに、右ガイド330および左ガイド380をまとめて表現する際には、各ガイド330,380と称して説明する。また、右ストッパ390および左ストッパ400をまとめて表現する際には、各ストッパ390,400と称して説明する。
【0026】
右ガイド330は、例えば金属などにより平面略細長矩形状に形成され長手方向の一側縁側がステージ310の略中央側に位置する状態で配設されたアーム部材331を有している。このアーム部材331の長手方向の一端側には、図示しない下回動軸孔が開口形成されている。また、アーム部材331における下回動軸孔近傍の長手方向の他側縁には、上方に略直角に屈曲された後に一側縁側に略直角に屈曲された回動中心部331Aが一体的に形成されている。この回動中心部331Aおよびアーム部材331が形成する空間には、後述する図示しない装置制御部の制御により適宜回転されるシャフト332の一端側が配設される。このシャフト332の両端部にはそれぞれスクリュ332A,332Bが設けられている。また、回動中心部331Aの上面における下回動軸孔に略対向する位置には、下回動軸孔と略同一の上回動軸孔331A1が開口形成されている。そして、アーム部材331は、下回動軸孔、右下ガイド軸孔、ガイド軸孔316A、上回動軸孔331A1に挿通された略筒状の回転軸部333Aが回動可能に設けられている。この回転軸部333Aの内径断面は、円弧部と直線部とを有した形状に形成されている。また、回転軸部333Aの内径に断面形状が回転軸部333Aの筒の内径断面形状と略同一形状となる右ガイド回転軸333が挿通される。そして、アーム部材331は、この回転軸部333Aに回動自在に取り付けられる。なお、回転軸部333Aの内径断面の形状は、円形以外であればよく、例えば矩形状に形成されていてもよく、楕円形状に形成されていてもよい。さらに、アーム部材331は、例えば板ばねなどの図示しないガイド付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部331Aの上面における一端には、上方に向けて舌片状に突出し円弧スリット316Bに挿通されるスイッチ動作爪331A2が設けられている。さらに、アーム部材331における回動中心部331Aよりも一端側には、下方に向けて突出する右ガイド係合ピン334が設けられている。
【0027】
また、回動中心部331Aの回転軸部333Aの周面には、図示しない歯車が形成されている。そして、シャフト332の一端部に設けられるスクリュ332Bは、この回転軸部333Aの周面の歯車に係合されている。さらに、回転軸部333Aを貫通する右ガイド回転軸333は、上下方向に長手に形成され、下側端部が下側筐体120に回転可能に取り付けられている。そして、右ガイド回転軸333の下側端部には、右ガイド歯車333C(図6参照)が右ガイド回転軸333を軸心として設けられている。これにより、右ガイド歯車333Cに回転駆動力が伝達されて、回転すると、右ガイド回転軸333が回転され、この右ガイド回転軸333の回転により回転軸部333Aが回転する。そして、この回転軸部333Aからスクリュ332Bと介してシャフト332に回転駆動力が伝達され、シャフト332が回転する。
【0028】
また、アーム部材331は、一端部が回動中心部331Aに連結され、長手方向に伸びる断面略コ字状のシャフト配置部331Bを備えている。そして、シャフト配置部331Bおよび回動中心部331Aの上面側および下面側に挟まれて形成される空間には、シャフト332が配設される。さらに、シャフト配置部331Bの上面には、長手方向の長さがシャフト配置部331Bと略同一の略細長矩形板状を有する例えば樹脂製のガイド部材335が積層される状態で配設されている。このガイド部材335における一端側には、側面が光ディスク1Nの外周面に対応する形状に膨出するガイド部335Aが設けられている。
【0029】
さらに、アーム部材331の長手方向の他端側には、シャフト332の他端側に設けられたスクリュ332Aに噛合される状態でローラ駆動ギア336が設けられている。また、アーム部材331の他端側には、光ディスク1Nの周縁近傍部分に摺接しつつ光ディスク1Nをステージ310内部または外部に搬送する搬送手段340が設けられている。そして、搬送手段340は、図8、図9(A),(B)、および図10(A),(B)に示すように、搬送基部350と、案内手段360と、押圧手段370と、などを備えている。そして、アーム部材331は、円弧スリット316Bの長手方向両端およびスイッチ動作爪331A2の接触により回動が規制されている。さらに、アーム部材331における回動中心部331Aよりも一端側には、下方に向けて突出する右ガイド係合ピン334が設けられている。
【0030】
また、アーム部材331は、一端部が回動中心部331Aに連結され、長手方向に伸びる断面略コ字状のシャフト配置部331Bを備えている。そして、シャフト配置部331Bおよび回動中心部331Aの上面側および下面側に挟まれて形成される空間には、シャフト332が配設される。さらに、シャフト配置部331Bの上面には、長手方向の長さがシャフト配置部331Bと略同一の略細長矩形板状を有する例えば樹脂製のガイド部材335が積層される状態で配設されている。このガイド部材335における一端側には、側面が光ディスク1Nの外周面に対応する形状に膨出するガイド部335Aが設けられている。
【0031】
さらに、アーム部材331の長手方向の他端側には、シャフト332の他端側に設けられたスクリュ332Aに噛合される状態でローラ駆動ギア336が設けられている。また、アーム部材331の他端側には、光ディスク1Nの周縁近傍部分に摺接しつつ光ディスク1Nをステージ310内部または外部に搬送する搬送手段340が設けられている。そして、搬送手段340は、図8ないし図10に示すように、搬送基部350と、案内手段360と、押圧手段370と、などを備えている。
【0032】
搬送基部350は、図8および図9に示すように、例えば金属などにより略円板状に形成された搬送台座351を有している。搬送台座351の平面方向の略中央には、中心軸が平面に対して傾斜する状態で突出する略円柱状の軸部352が一体的に設けられている。また、軸部352の面方向略中央には、軸が搬送台座351の面と略直交するとともに、アーム部材331の他端側に突出される図示しない軸が嵌挿される挿通部352Aが穿設されている。そして、搬送台座351は、この挿通部352Aに挿通された軸を中心にアーム部材331に対して回動可能に配設される。また、搬送台座351における軸部352の傾斜方向側の端部には、上方に向けて略矩形板状に立ち上がる立上部353が設けられている。立上部353の下部には、搬送台座351の面外方向に突出する2つの下爪部354が所定間隔離れた状態で並設されている。また、立上部353の上部における下爪部354の間に対応する位置には、下爪部354と略同一形状を有する2つの上爪部355が所定間隔離れた状態で並設されている。さらに、立上部353の上部には、搬送台座351の面内方向に突出する略リング状の本体リング部356が設けられている。そして、本体リング部356の上面における立上部353と略対向する端部には、上方へ向け突出する挿通部材357が設けられている。この挿通部材357は、本体リング部356の上面から突出し外周面が搬送台座351の面内方向に位置する略円弧板状の円弧板部357Aを有している。この円弧板部357Aの上端には、円弧板部357Aの上面を閉塞する略半円板状の閉塞部357Bが設けられている。
【0033】
案内手段360は、図8に示すように、搬送台座351の軸部352に挿通される孔部361Aを略中央に備えた歯車361を有している。この歯車361は、ローラ駆動ギア336が噛合される状態で軸部352に回転自在に軸支されている。また、歯車361の軸方向の一面には、歯車361の外径より小さい外径を有し略円筒状に突出するゴムリング嵌合部362が設けられている。ゴムリング嵌合部362の外周面には、例えばシリコンゴムなどにより略環状に形成されたゴムリング363が嵌合されている。このゴムリング363は、本体リング部356の内径よりも小さい外径を有するとともに、軸方向の一端面である上面が本体リング部356の上面から突出する厚さ寸法に形成されている。ここで、上述したように、搬送台座351の軸部352の軸が傾斜しているため、ゴムリング363は、上面が本体リング部356の上面に対して傾斜する状態に設けられる。
【0034】
押圧手段370は、図8および図10に示すように、例えば樹脂材などにより内径が本体リング部356の外径よりも大きい略リング状に形成された押圧リング部371を有している。この押圧リング部371の一端側の円弧には、下方へ向けて膨出する膨出部371Aが設けられている。そして、この膨出部371Aの円弧方向の略中央には、搬送台座351の下爪部354および上爪部355の間隔と略同一の直径を有する略丸棒状の2つの回動軸部371Bが、所定間隔離れた状態で設けられている。また、押圧リング部371には、膨出部371Aに対して反対側となる略直径方向の位置に、円弧板部357Aの略円弧と略一致する円弧を有する略半円板状の半円膨出部371Cが面内方向へ向けて膨出する状態で設けられている。さらに、押圧リング部371には、膨出部371Aに対して反対側となる略直径方向の位置に、押圧リング部371の一面側となる上方に向けて略台形柱状に突出する台形柱部372が形成されている。この台形柱部372の略中央には、円弧が押圧リング部371の他端側に位置する平面略半円状の半円溝部372Aが設けられている。ここで、押圧リング部371における半円溝部372Aの底面に対応する部分は、押圧ばね374(図8参照)が載置されるばね載置部371Dとされている。また、半円溝部372Aに略対向する位置には、円弧板部357Aの断面よりも大きい略円弧状の円弧板挿通孔372Bが開口形成されている。さらに、台形柱部372における略台形状の底辺の両端に対応する部分には、押圧リング部371の一端側へ向けて突出する突出部372C,372Dがそれぞれ設けられている。また、台形柱部372の上部には、押圧リング部371の面方向略中央にかけて略台形板状に突出する押圧片373が設けられている。この押圧片373は、先端にしたがって薄くなる形状に形成されている。すなわち、押圧片373には、押圧リング部371の他面側となる下面には、膨出部371A側に向く平面となる傾斜した傾斜面373Aを有している。
【0035】
そして、押圧リング部371は、図10に示すように、回動軸部371Bが下爪部354および上爪部355の間に配設されかつ円弧板挿通孔372Bに挿通部材357が挿通され、回動軸部371Bを中心に所定距離だけ回動可能に配設される。このとき、押圧片373およびゴムリング363の間には、押圧片373の傾斜面373Aと傾斜するゴムリング363の上面とにより、押圧片373の基端側にしたがって幅が狭くなる隙間部Pが形成される。そして、この隙間部Pに光ディスク1Nの周縁部が挿入される状態に保持されて案内される。さらに、閉塞部357Bと、半円膨出部371Cおよびばね載置部371Dと、の間には、押圧ばね374が載置される。この押圧ばね374の付勢力により、半円膨出部371Cおよびばね載置部371Dが下方に付勢されて、押圧リング部371が下方に回動される。そして、押圧リング部371が下方に回動されると、押圧手段370は、押圧片373にて、隙間部Pに挿入された光ディスク1Nをゴムリング363の方向へ押圧する。
【0036】
左ガイド380は、図7に示すように、アーム部材331と略同一形状に形成され長手方向の一側縁がステージ略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材381を有している。このアーム部材381には、図示しない下回動軸孔と、上回動軸孔381A1を有する回動中心部381Aと、が設けられている。そして、アーム部材381は、下回動軸孔、左下ガイド軸孔、ガイド軸孔317A、上回動軸孔381A1に挿通された左ガイド回動軸382を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材381は、図示しないガイド付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部381Aには、円弧スリット317Bに挿通されるスイッチ動作爪381A2が設けられている。さらに、アーム部材381の一端側には、下方に向けて突出する左ガイド係合ピン383が設けられている。また、アーム部材381には、シャフト配置部331Bと略同一に屈曲形成された屈曲部381Bが設けられている。そして、この屈曲部381Bの上面には、一端側にガイド部384Aを有するガイド部材384が積層される状態で配設されている。また、ガイド部材384の先端側には、ステージ310の面方向中央側が開口する断面略コ字状に一体形成され、光ディスク1Nの周縁近傍部分が係合されるディスク係合部384Bが設けられている。このディスク係合部384Bは、右ガイド330の搬送手段340における隙間部Pと同様の凹溝384Cが右ガイド330との対向方向側に開口する状態に設けられ、断面略コ字状に形成されている。なお、凹溝384Cは、中央部が円弧状に膨出する状態に形成されている。
【0037】
右ストッパ390は、例えば金属などにより平面略細長矩形状に形成され長手方向の一側縁がステージ310の略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材391を有している。このアーム部材391は、右ガイド330のアーム部材331よりも下方に位置する状態で配設されている。また、アーム部材391の長手方向の一端側には、図示しない下回動軸孔が開口形成されている。さらに、アーム部材391における一端側の長手方向の他側縁には、回動中心部331Aと同様に屈曲形成された回動中心部391Aが設けられている。この回動中心部391Aの上面における下回動軸孔に略対向する位置には、上回動軸孔391A1が開口形成されている。そして、アーム部材391は、右下ストッパ軸孔、下回動軸孔、上回動軸孔A1、右上ストッパ軸孔に挿通された右ストッパ回動軸392を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材391は、図示しないストッパ付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部391Aの上面における一端には、上方に向けて舌片状に突出し切欠部316Cに挿通されるスイッチ動作爪391A2が設けられている。
【0038】
また、アーム部材391の一端側の一側縁には、面方向に沿って略三角形板状に突出された三角突出部391Bが設けられている。この三角突出部391Bの先端には、下方に向けて突出する右ストッパ係合ピン393が設けられている。また、三角突出部391Bの略中央には、略四角形状に開口形成され右ガイド係合ピン334が移動可能に挿通されるピン挿通孔391B1が開口形成されている。このピン挿通孔391B1は、挿入された光ディスク1Nによる付勢により右ガイド330が回動された際に、右ガイド係合ピン334が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。さらに、アーム部材391の長手方向の他端側には、例えば略細長矩形板状を有する樹脂製のストッパ部材394が積層される状態で配設されている。そして、ストッパ部材394の他端側には、ステージ310の面方向中央側が開口する断面略コ字状に一体形成され光ディスク1Nの周縁近傍が係合されるディスク係合部394Aが設けられている。
【0039】
左ストッパ400は、図7に示すように、アーム部材391と略同一形状に形成され長手方向の一端縁がステージ310の略中央側に位置する状態に配設されたアーム部材401を有している。このアーム部材401は、左ガイド380のアーム部材381よりも下方に位置する状態で配設され、図示しない下回動軸孔と、上回動軸孔401A1を有する回動中心部401Aと、を備えている。そして、アーム部材401は、左下ストッパ軸孔、下回動軸孔、上回動軸孔401A1、左上ストッパ軸孔に挿通された左ストッパ回動軸402を中心に回動可能に設けられている。さらに、アーム部材401は、図示しないストッパ付勢部材によりステージ310の面方向略中央方向に回動する状態に付勢されている。また、回動中心部401Aには、切欠部317Cに挿通されるスイッチ動作爪401A2が設けられている。さらに、アーム部材401には、左ストッパ係合ピン403およびピン挿通孔401B1を有する三角突出部401Bが設けられている。ピン挿通孔401B1は、光ディスク1Nにより左ガイド380が回動された際に、左ガイド係合ピン383が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。また、アーム部材401には、ディスク係合部404Aを有するストッパ部材404が積層される状態で配設されている。
【0040】
挿排検出部410は、光ディスク1Nの挿入や排出(以下、挿入および排出をまとめて説明する際には、挿排と適宜称す)を検出する。そして、挿排検出部410は、右上隅面部316および左上隅面部317のそれぞれの上面に配設された回路部411,414を有している。回路部411は、装置制御部に接続されている。この回路部411には、右ガイド330の回動に伴う光ディスク1Nの挿排状態を検出する右ガイド検出部412と、右ストッパ390の回動に伴う光ディスク1Nの挿排状態を検出する右ストッパ検出部413と、が配設されている。右ガイド検出部412、右ストッパ検出部413は、一面にスイッチ動作爪331A2,391A2の接触により進退する進退部412A,413Aを有し、この進退部412A,413Aの進退状態で光ディスク1Nの挿排状態を検出して、その旨の信号を回路部411を介して装置制御部へ適宜出力する。回路部414には、光ディスク1Nの挿排状態をそれぞれ検出する左ガイド検出部415と、左ストッパ検出部416と、が配設されている。そして、左ガイド検出部415、左ストッパ検出部416は、スイッチ動作爪381A2,401A2の接触に対応する進退部415A,416Aの進退状態で光ディスク1Nの挿排状態を検出して、その旨の信号を回路部414を介して装置制御部へ適宜出力する。
【0041】
待避制御機構420は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400をステージ310の面外方向へ適宜待避させる。具体的には、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400は、待避位置と待機位置とに移動される。待避位置は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の先端側をステージ310の内周面側に向けて回動させ、ディスク処理部200のターンテーブル221に軸支された光ディスク1Nに対して、平面視で右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が重ならない位置である。また、待機位置は、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400の先端側をステージ310の中央側へ移動させた位置である。この待避制御機構420は、右待避制御板421と、左待避制御板422と、待避制御歯車423と、などを備えている。なお、右待避制御板421および左待避制御板422は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0042】
右退避制御板421は、図7に示すように、例えば金属などにより略矩形板状に形成され、後面部314側に長手方向がステージ310の左右方向と略一致する状態に配設された制御板中央部421Aを有している。この制御板中央部421Aにおける右面部312側および左面部313側には、後下面部から突出するピン318Aが摺動可能に係合されるピン係合スリット421A1が開口形成されている。また、制御板中央部421Aの左面部313側の側縁には、略矩形板状に突出し前面部311側の側縁に退避制御歯車423が噛合される噛合溝421B1が形成された噛合部421Bが設けられている。
【0043】
さらに、制御板中央部421Aの右面部312側には、前面部311側へ向けて略台形板状に突出する台形突出部421Cが設けられている。この台形突出部421Cの略中央には、右ガイド係合ピン334が摺動可能に係合される略三角形状のピン係合孔421C1が開口形成されている。このピン係合孔421C1は、右退避制御板421が左面部313側に移動された際に、右ガイド330をガイド付勢部材の付勢力に反して右面部312側へ回動させる状態に右ガイド係合ピン334を摺動させ、右面部312側に移動された際に、ガイド付勢部材により左面部313側に回動させる状態に右ガイド係合ピン334を摺動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合孔421C1は、右退避制御板421が右面部312に最も近接している状態で光ディスク1Nにより右ガイド330が回動された際に、右ガイド係合ピン334が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。
【0044】
また、台形突出部421Cにおける右面部312側の隅部には、前面部311側に突出した後に左面部313側に略直角に突出する形状に形成され右ストッパ係合ピン393が摺動可能に係合されるピン係合部421Dが設けられている。このピン係合部421Dは、右退避制御板421が左面部313側に移動された際に右ストッパ390をストッパ付勢部材の付勢力に反して後面部314側へ回動させる状態に右ストッパ係合ピン393を摺動させ、右面部312側に移動された際にストッパ付勢部材により前面部311側に回動させる状態に右ストッパ係合ピン393を摺動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合部421Dは、右退避制御板421が右面部312に最も近接している状態で光ディスク1Nにより右ストッパ390が回動された際に、右ストッパ係合ピン393が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。そして、右退避制御板421は、装置制御部の制御により右面部312側または左面部313側に適宜移動される。
【0045】
左退避制御板422は、略矩形板状に形成され、右退避制御板421から所定間隔離れた前面部311側に長手方向がステージ310の左右方向と略一致する状態に配設された制御板中央部422Aを有している。この制御板中央部422Aにおける左面部313側には、左ガイド係合ピン383が摺動可能に係合される略三角形状のピン係合孔422A1が開口形成されている。このピン係合孔422A1は、左退避制御板422が右面部312側に移動された際に左ガイド380をガイド付勢部材の付勢力に反して左面部313側へ回動させ、左面部313側に移動された際にガイド付勢部材の付勢力により右面部312側に回動させる形状に形成されている。さらに、ピン係合孔422A1は、左退避制御板422が左面部313に最も近接している状態で光ディスク1Nにより左ガイド380が回動された際に、左ガイド係合ピン383が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。また、制御板中央部422Aの右面部312側の側縁には、略矩形板状に突出し後面部314側の側縁に退避制御歯車423が噛合される噛合溝422B1が形成された噛合部422Bが設けられている。この噛合部422Bには、後下面部から突出するピン318Bが摺動可能に係合されるピン係合スリット422B2が開口形成されている。
【0046】
さらに、制御板中央部422Aにおける左面部313側には、後面部314側の側縁から略矩形板状に突出する矩形突出部422Cが設けられている。この矩形突出部422Cには、ピン318Bが摺動可能に係合されるピン係合スリット422C1が開口形成されている。また、制御板中央部422Aにおける左面部313側には、前面部311側の側縁から前面部311側に突出した後に右面部312側に略直角に突出する形状に形成され左ストッパ係合ピン403が摺動可能に係合されるピン係合部422Dが設けられている。このピン係合部422Dは、左退避制御板422が右面部312側に移動された際に左ストッパ400をストッパ付勢部材の付勢力に反して後面部314側へ回動させ、左面部313側に移動された際にストッパ付勢部材の付勢力により前面部311側に回動させる形状に形成されている。また、ピン係合部422Dは、左退避制御板422が左面部313に最も近接している状態で光ディスク1Nにより左ストッパ400が回動された際に、左ストッパ係合ピン403が一体的に移動することを妨げない形状に形成されている。
【0047】
退避制御歯車423は、上述したように右退避制御板421の噛合溝421B1および左退避制御板422の噛合溝422B1に噛合された状態で配設されている。この退避制御歯車423は、右退避制御板421が例えば左面部313側に移動されると左回りに回転され左退避制御板422を右面部312側へ移動させる。すなわち、右退避制御板421および左退避制御板422は、相対的に近接あるいは離間する方向で同等に移動する状態となる。具体的には、右退避制御板421および左退避制御板422の相対的な近接方向への移動により、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が待避位置となり、右退避制御板421および左退避制御板422の相対的な近接方向への移動により、右ガイド330、左ガイド380、右ストッパ390および左ストッパ400が待機位置となる。
【0048】
また、下側筐体120には、図2ないし図5に示すように、ディスク昇降部300の昇降状態を制御する昇降制御機構500が設けられている。この昇降制御機構500は、右側板部124および右面部312の間でケース体110の前後方向に移動可能に配設された薄板部材である右昇降制御板520と、左側板部125および左面部313の間でケース体110の前後方向に移動可能に配設された薄板部材である左昇降制御板530と、右昇降制御板520および左昇降制御板530の移動状態を制御する移動制御部540と、などを備えている。なお、右昇降制御板520および左昇降制御板530は、略同一の構成を有しているため、略同一の部材については同一名称を付し説明を簡略化する。
【0049】
左昇降制御板530の下端縁における後面板部123側には、図4および図6に示すように、下側筐体120の内部側へ向けて略直角に折曲形成された舌片状の左制御板連結部531が一体的に設けられている。この左制御板連結部531における先端から略中央にかけての部分には、後述するバーリング孔部563Aが移動可能に係合される切欠部531Aが形成されている。また、左昇降制御板530の前面板部122側および後面板部123側の側縁には、それぞれ面外方向へ向けて舌片状に突出形成され略中央にねじ孔532Aを有する移動規制部532が設けられている。これら移動規制部532のねじ孔532Aには、ねじ挿通スリット125Bを介してねじ532Bが挿通される。
【0050】
さらに、左昇降制御板530の上端縁における長手方向略中央および前面板部122側には、それぞれ上方へ向けて舌片状に突出形成された爪部533が設けられている。この爪部533は、左昇降制御板530の上端縁から上方へ向けて突出する爪基端部533Aを有している。そして、この爪基端部533Aの先端には、左昇降制御板530の外面方向へ向けて略直角に折曲形成された爪中間部533Bが一体的に形成されている。さらに、爪中間部533Bの先端には、上方へ向けて略直角に折曲形成された爪先端部533Cが一体的に形成されている。そして、爪部533は、爪挿通スリット125Aに爪中間部533Bが支持される状態で摺動可能に挿通される。また、それぞれの爪部533の爪中間部533Bから左昇降制御板530の下端縁近傍にかけての部分には、左昇降制御ピン313Aが摺動可能に挿通される左カム溝534が開口形成されている。この左カム溝534は、左昇降制御板530が下側筐体120の前面板部122側に位置する際にステージ310を下側筐体120における下方位置に位置させ、前後方向略中央に位置する際にステージ310を上下方向略中央位置に位置させ、後面板部123側に位置する際にステージ310を上方位置に位置させる形状に形成されている。ここで、下側筐体120における下方位置は、光ディスク1Nをターンテーブル221に装着する装着位置に対応している。また、略中央位置は、光ディスク1Nがディスク挿通口111Aを介して挿排される挿排位置に対応している。なお、この挿排位置は、光ディスク1Nの読取処理や記録処理を実施する再生位置でもある。さらに、上方位置は、光ディスク1Nを後述する仮固定部に仮固定する仮固定位置に対応している。
【0051】
右昇降制御板520の下端縁における後面板部123側には、下側筐体120の内部側へ向けて略直角に折曲形成され切欠部521Aを有する右制御板連結部521が一体的に設けられている。また、右昇降制御板520の前面板部122側および後面板部123側の側縁には、それぞれねじ522Bが挿通される図示しないねじ孔を有する移動規制部522が設けられている。さらに、右昇降制御板520の上端縁における長手方向略中央および後面板部123側には、爪部523が設けられている。また、爪中間部533Bから右昇降制御板520の下端縁近傍にかけての部分には、右昇降制御ピンが摺動可能に挿通される図示しない右カム溝が開口形成されている。この右カム溝は、右昇降制御板520が下側筐体120の後面板部123側に位置する際にステージ310を下方位置に位置させ、前後方向略中央に位置する際にステージ310を上下方向略中央位置に位置させ、前面板部122側に位置する際にステージ310を上方位置に位置させる形状に形成されている。なお、右昇降制御ピン、左昇降制御ピン313A、右カム溝、左カム溝534にて、本発明のカム部が構成されている。
【0052】
(移動制御部の構成)
移動制御部540は、図3および図5に示すように、動力伝達部550と、回動部材560と、切替手段としての台座保持部570と、駆動伝達部としての台座移動部580と、などを備えている。動力伝達部550は、回動部材560の回動状態を制御する。そして、動力伝達部550は、第1の動力伝達部551と、第2の動力伝達部552と、第3の動力伝達部553と、などを備えている。
【0053】
第1の動力伝達部551は、軸方向が底板部121の左右方向に略一致する状態で軸を中心に回転可能に配設されたシャフト551Aを有している。このシャフト551Aの右側板部124側および左側板部125側のそれぞれ端部には、スクリュ551Bおよびスクリュ551Cが一体的に設けられている。そして、シャフト551Aは、装置制御部の制御により後述する駆動部700から駆動力が伝達され、適宜回転される。
【0054】
第2の動力伝達部552は、スクリュ551Cに噛合される状態で上下方向と略一致する軸552Aを中心に回転可能に配設された歯車552Bを有している。
【0055】
第3の動力伝達部553は、図2、図3、図5、および図6に示すように、歯車552Bが噛合される状態で、底板部121に略直交する回転軸553Aを中心に回転可能に配設された歯車553Bを有している。この歯車553Bは、下面が底板部121の下面側から臨む状態に保持されている。そして、歯車553Bの下面には、底板部121から突出する略U字板状を有する回動制御部材553Cが設けられている。この回動制御部材553Cは、回転軸553Aを中心とし径寸法が歯車553Bよりも小さい第1の仮想円の一部の外形と略一致するU字円弧部553C1を有して形成されている。また、歯車553Bの下面における回動制御部材553Cの略U字状の開口側、すなわちU字円弧部553C1の両端部を結ぶ弦部553C2側の外縁近傍には、底板部121から突出する回動制御ピン553Dが設けられている。この回動制御ピン553Dは、歯車553Bが回転した際に回転軸553Aを中心とし第1の仮想円よりも大きい第2の仮想円を描く位置に設けられている。
【0056】
回動部材560は、例えば金属などにより略細長矩形板状に形成されている。この回動部材560は、長手方向の略中央から一端側へ向けて幅が狭くなり、他端側へ向けて幅が広くなった後に狭くなる形状に形成されている。また、回動部材560は、底板部121における後面側の下面にかつ長手方向の略中央の回動軸561を中心に回動可能に配設されている。さらに、回動部材560における長手方向の一端および他端には、面外方向に舌片状に突出形成された回動連結部562,563がそれぞれ設けられている。回動連結部562,563の略中央には、周縁が下方に向けて突出する状態に形成されたねじ孔部562A,563Aが設けられている。そして、これらねじ孔部562A,563Aは、右制御板連結部521の切欠部521Aおよび左制御板連結部531の切欠部531Aにそれぞれ係合される。
【0057】
さらに、回動部材560における長手方向略中央および回動連結部563の間には、回動制御部材553Cが適宜当接されたり回動制御ピン553Dが適宜係合されたりする回動制御孔564が開口形成されている。この回動制御孔564の回動連結部563側には、第2の仮想円の円弧と略一致する円弧部564Aが形成されている。この円弧部564Aと略対向する位置には、第1の仮想円の円弧と略一致する形状を有しステージ310が挿排位置に位置する際に回動制御部材553CのU字円弧部553C1が当接される挿排当接部564Bが形成されている。また、挿排当接部564Bの後面板部123側端部には、回動軸561方向に延びる形状を有し、ステージ310が装着位置に位置する際に回動制御ピン553Dが係合される装着係合部564Cが形成されている。さらに、円弧部564Aの後面側端部には、第1の仮想円と略同一の図示しない仮想円の円弧と略一致する形状を有しステージ310が装着位置に位置する際に回動制御部材553Cが当接される装着当接部564Dが形成されている。そして、装着当接部564Dの回動連結部562側の端部は、円弧部564A方向へ向けて略直線状に延びる連結部564Eを介して、装着係合部564Cの基端に連結されている。また、円弧部564Aおよび挿排当接部564Bの前面部311側端部には、円弧部564Aおよび挿排当接部564Bの略中央を結ぶ仮想線を中心に、装着係合部564C、装着当接部564D、連結部564Eと略線対称に設けられた仮固定係合部564F、仮固定当接部564G、連結部564Hがそれぞれ形成されている。
【0058】
台座保持部570は、回動部材560の回動制御孔564の動力伝達部550側に形成される台座駆動伝達部571と、配置用窓部126の開口領域を配置用窓部126の長手方向に沿って往復移動可能に設けられる固定手段としての保持部572と、などを備えている。これらの台座駆動伝達部571と保持部572とは、連結部573により連結されて一体形成されている。
【0059】
台座駆動伝達部571は、金属製の略平板状部材であり、配置用窓部126の長手方向に対して略直交する方向が長手となる形状に形成されている。また、この台座駆動伝達部571は、回動部材560、動力伝達部550の歯車553B、および570の上面側に配置される。そして、台座駆動伝達部571の回動制御孔564側は、第1の仮想円に重なる部分が円弧状に切り欠かれて形成されている。また、台座駆動伝達部571には、回動部材560の回動制御孔564と回動連結部563との間において、略V字状に開口形成される係合溝としてのV字孔574が形成されている。このV字孔574は、V字の両端を結ぶ線分、すなわちV字の開口を結ぶ直線が配置用窓部126の長手方向に対して略直交する状態に形成される。また、このV字孔574は、V字の開口から左側板部125側に斜線部が互いに近接する方向に延びて略ハ字状に形成されている。そして、V字孔574は、このV字孔574の互いに交差する斜線部のV字後面側の端部には、略直線状の係止部としての後面側係止部574AがV字孔574に連結して開口形成されている。また、V字孔574の互いに交差する斜線部のV字前面側の端部には、略直線状の係止部としての前面側係止部574BがV字孔574に連結して開口形成されている。さらに、V字孔574には、後面側係止部574Aおよび前面側係止部574Bを結ぶ中央がV字孔574内に向かう方向に突出した曲線状の曲線部574Cが形成されている。
【0060】
保持部572は、連結部573により台座駆動伝達部571よりも下面側に連結されて配設され、配置用窓部126の下面側に臨む状態に配設される。保持部572は、配置用窓部126と略同様に底板部121の左側板部125の前面側から底板部121の略中央位置に向かって長手形状となる略平板状に形成されている。そして、保持部572の長手方向に沿った一側縁側の両端側には、長手方向に沿って開口形成されたガイド開口溝572Aが設けられている。このガイド開口溝572A溝には、例えば底板部121から上面側に突出する係止ピン572Dが下面側から係止され、保持部572の移動方向が規制される。
【0061】
さらに、保持部572の長手方向に沿った他側縁の一端部には、移動規制ガイド溝572Bが開口形成されている。この移動規制ガイド溝572Bは、保持部572の長手方向に対して傾斜する方向に形成されている。そして、この移動規制ガイド溝572Bには、底板部121に回動可能に取り付けられた台座移動規制板576の一端部が係止される。
【0062】
台座移動規制板576は、略平板状の金属製部材であり、係止部576Aと、台座規制部576Bと、を備えている。また、台座移動規制板576は、係止部576Aと台座規制部576Bとが、略直交する状態で連結され、この連結位置において、底板部121に上面側から回動可能にねじ止めされる。
【0063】
台座移動規制板576の係止部576Aには、先端部に上面側に突出するピン576Cが形成されている。そして、係止部576Aは、保持部572の下面側に伸びて、ピン576Cが移動規制ガイド溝572Bに下面側から係止される。そして、台座移動規制板756の台座規制部576Bの先端部には、保持部572の長手方向の一端部に対向して立ち上がる立上規制部576Dが形成されている。これにより、台座移動規制板576は、保持部572が長手方向に沿って底板部121の略中央側に向かって移動すると、台座規制部576Bが台座部210に向かう方向に回動し、所定の位置で台座部210の端部に当接することで、保持部572の移動距離が規制される。
【0064】
また、台座保持部570には、台座駆動伝達部571の前面側の側縁、および保持部572の前面側の長手方向に沿った側縁の長手方向両端側に、図11に示すような立上片575が形成されている。そして、この立上片575には、右側板部124の後面側に向かって開口する固定溝としての係止ガイド溝575Aが切り欠かれて形成されている。また、この係止ガイド溝575Aには、上面側から右側板部124の後面側に向かって下方に傾斜するテーパ部575Bが形成されている。さらに、係止ガイド溝575A上面側端部には、左側板部125の前面側に向かって略直線状溝に形成された、台座固定片260が係止される固定係止部としての台座係止部575Cが設けられている。この係止ガイド溝575Aには、台座部210の台座固定片260が挿通される。そして、保持部572が長手方向に沿って右側板部124の後面側に向かって移動すると、台座固定片260がテーパ部575Bに沿って上面側に移動し、台座係止部575Cに係止され、台座部210が所定の高さ位置でロックされる。
【0065】
台座移動部580は、金属製の略平板状部材で、略扇形状に形成されている。この台座移動部580は、回動制御孔564の左側板部125側において、底板部121と台座保持部570の台座駆動伝達部571との間に配設される。そして、台座移動部580は、扇の中心角となる位置(支点としての回動中心位置580A)において、底板部121に回動自在に軸支されている。
【0066】
また、台座移動部580の扇円弧の両端部には、上面側の台座駆動伝達部571のV字孔574内に突出する移動伝達部を構成する係合部としての突出ピン581A、581Bが設けられている。これらの突出ピン581A,581Bは、それぞれV字孔574の後面側係止部574A、前面側係止部574Bに係合可能に設けられている。そして、これらの突出ピン581A,581Bの間には、扇の円弧に沿って、円弧状の円弧溝部581Cが形成されている。この円弧溝部581Cには、例えば底板部121から上面側に向かって突出して形成される図示しないピンが係合され、台座移動部580の回動方向、および回動範囲を規制している。またこれらの突出ピン581A,581Bは、回動中心位置580Aから後述するピン係止溝582Aの基端部までの径寸法よりも径大となる位置に形成されている。これにより、ピン係止溝582Aの回転移動距離に対して、突出ピン581A、581Bの回転移動距離が大きくなる。
【0067】
さらに、台座移動部580には、回動中心位置580Aから扇の円弧が形成される方向とは反対側方向に、移動駆動部としてのピン係止部582が回動制御孔564に向かって突出して形成されている。このピン係止部582の略中心には、回動中心位置580Aに向かう径方向に伸びるピン係止溝582Aが形成されている。このピン係止溝582Aは開口から台座移動部580の回動中心位置580Aに向かって延びて形成され、基端部が回動中心位置580Aの近傍に達する。そして、台座移動部580の回動時には、ピン係止溝582Aの基端部に回動制御ピン553Dが挿通される。さらに、ピン係止部582のピン係止溝582Aの側方には、第1の仮想円に沿った円弧状の円弧部582B,582Cが形成される。また、台座移動部580は、突出ピン581BがV字孔574の前面側係止部574Bに係止されている状態において、ピン係止部582の右側の円弧部582Bが回動制御部材553CのU字円弧部553C1に当接される状態に回動される。この時、ピン係止溝582Aの先端部は、第2の仮想円の装着当接部564D側の円周上に位置し、略後面側に向かって開口する状態となる。一方、台座移動部580は、突出ピン581AがV字孔574の後面側係止部574Aに係止されている状態では、ピン係止部582の左側の円弧部582Cが回動制御部材553CのU字円弧部553C1に当接される状態に回動される。この時、ピン係止溝582Aの先端部は、第2の仮想円の仮固定当接部564G側の円周上に配置され、略前面側に向かってか開口する状態となる。
【0068】
また、昇降制御機構500は、ステージ310の昇降移動に連動して、ターンテーブル221の係止爪部を軸支部221Aの外周面から進退させる図示しないディスク挿脱機構部が連結されている。すなわち、ディスク挿脱機構部は、ステージ310がディスク挿通口111Aに対応する挿排位置から下方の装着位置へ移動させる際に連動し、軸支部221Aの外周面から進出する係止爪部が次第に軸支部221Aの外周面から後退する状態に移動させる。さらに、昇降制御機構500は、ステージ310の昇降移動に連動し、ディスク処理部200を固定および解除、すなわち台座部210の移動規制および規制解除をする図示しないロック機構部が連結されている。すなわち、ロック機構部は、ステージ310がディスク挿通口111Aに対応する挿排位置から下方の装着位置へ移動させる際に連動し、台座部210が軟質部材にて底板部121に支持される規制解除状態から固定して移動規制する状態に動作する。
【0069】
一方、ケース体110の上側筐体130の略中央には、光ディスク1Nを着脱可能に一時的に固定する、すなわち仮固定する図示しない仮固定部が設けられている。この仮固定部は、例えば、昇降制御機構500に連結された図示しないディスク係脱機構部により、ステージ310の昇降移動に連動して仮固定あるいは仮固定状態の解除動作をする。すなわち、仮固定部は、ステージ310が上方の仮固定位置に移動した際に、搬送される光ディスク1Nを軸支し、軸支していた光ディスク1Nをディスク保持機構320に受け渡し可能に動作する。
【0070】
また、ケース体110における例えば下側筐体120の下方には、ディスク装置100全体の動作を制御する図示しない装置制御部が配設されている。この装置制御部により制御される動作としては、光ディスク1Nの再生や記録の処理動作、光ディスク1Nの挿排動作、光ディスク1Nの装着動作や仮固定動作、右ガイド330などの退避動作、ステージ310の昇降動作などが例示できるがこれらに限られない。
次に、前述した搬送手段340、退避制御機構420、および昇降制御機構500に駆動させるための駆動力を発生させ、各機構に駆動力を伝達する駆動部700について説明する。
【0071】
駆動部700は、図2および図6に示すように、ディスク装置100の底面の、ディスク処理機構が配設される側とは反対側のスペースで、ディスク処置機構に重ならない位置に設けられている。この駆動部700は、駆動力発生装置としてのモータ710の駆動力を各駆動機構、すなわち搬送手段340、退避制御機構420、および移動制御部540に伝達する。そして、この駆動部700は、図12に示すように、略平板状の駆動台座部701を備え、この駆動台座部701にモータ710と、駆動切替装置を構成する駆動歯車部720と、駆動切替装置を構成する駆動力伝達機構730と、ギア台座駆動部740と、ギア切替部750と、が設けられている。なお、本実施の形態では、駆動部700のギア切替部750が後面側に位置する構成を示すが、駆動部700の配置方向は特に限定されない。例えばギア切替部750が前面側に設けられる構成としてもよい。なお、駆動歯車部720および駆動力伝達機構730にて本発明の駆動切替装置が構成される。
【0072】
駆動台座部701は、長手状に形成された金属製の略平板状部材である。この駆動台座部701は、ディスク装置100のディスク挿入方向に対して長手となる状態に、下側筐体120に固定されている。この駆動台座部701のディスク装置100の後面板部123側、すなわち後面側の端部に後述するギア切替部750の歯車列753が回転可能に設けられている。また、駆動台座部701の後面側の端部には、駆動台座部701を下側筐体120の底板部121に固定する固定部707が2ヶ所形成され、この固定部707を下側筐体120に例えばねじ止めなどすることにより駆動台座部701が底板部121に固定される。
【0073】
また、駆動台座部701の略中心部には、一部が上面側に立ち上がったモータ取付部702が形成されている。このモータ取付部702には、モータ710が取り付けられる。
【0074】
さらに、駆動台座部701のモータ取付部702の後面側には、長手方向に略直交する幅方向における略中心位置に駆動歯車部720およびギア切替部750の伝達先切替制御部を構成するギア台座部751が設けられる主軸孔703が形成されている。また、この主軸孔703から駆動台座部701の長手方向に対して直交する2方向、すなわち、両側方に所定寸法だけ離間した位置には、開口部703Aが形成されている。そして、これらの開口部703Aの側方から主軸孔703に向かって爪部703Bが突出して形成されている。また、爪部703Bは、基端部が駆動台座部701の面から上面側に立ち上がって形成され、駆動台座部701の面から所定の寸法だけ上面側に突出して形成されている。そして、この爪部703Bには、ギア切替部750のギア台座部751が回動可能に保持される。さらに、駆動台座部701には、主軸孔703を中心とした所定の径寸法だけ離間した位置に、主軸孔703を中心とする円弧状のガイド孔部704が形成されている。このガイド孔部704は、駆動台座部701の上面側と下面側を連通して形成されている。
【0075】
そして、駆動台座部701の前面側には、この駆動台座部701の一側面から駆動台座部701の長手方向に対して略直交する方向に向かって略U字状に切り欠かれたU字開口部705が形成されている。そして、このU字開口部705が形成される一側面には、このU字開口部705を跨いで一対の立上部705Aが立ち上がって形成され、これらの一対の立上部705Aの上面側を連結する連結橋部706が駆動台座部701に一体形成されている。さらに、この連結橋部706は、U字開口部705側に突出する略V字状の軸支片706Aが形成されている。
【0076】
モータ取付部702は、中心が略U字状に切り欠かれた切欠部を有している。そして、この切欠部にモータ710の回転軸を貫通させた状態で、モータ710の一面がモータ取付部702に当接され、例えばねじ止めなどされることでモータ710が固定されている。また、モータ710の回転軸の先端には、スクリュ状に形成されたモータスクリュ歯車711が取り付けられている。モータ710は、図示しない制御回路部に電気的に接続され、この制御回路部の制御によりモータスクリュ歯車711を適宜正転反転させる。
【0077】
駆動歯車部720は、前述したように主軸孔703に回転可能に設けられている。駆動歯車部720は、回転軸となる主軸722と、この主軸722を回転軸として回転する駆動歯車721と、駆動歯車721の上方に主軸722に中心が支持される誘導部材723と、を備えている。
【0078】
主軸722は、主軸孔703の孔径と略同一径寸法に形成される金属軸であり、主軸孔703に回転可能に固定される。そして、主軸722は駆動歯車721および誘導部材723を貫通し、これらの駆動歯車721および誘導部材723を回転可能に支持している。
【0079】
駆動歯車721は、主軸孔703の軸中心位置に、回転可能に設けられている。なお、本実施の形態では、駆動歯車721が主軸孔703に対して回転可能に設けられる例を示すが、主軸722が主軸孔703に回転可能に取り付けられている構成としてもよく、この場合駆動歯車721が主軸孔703とともに回転する構成としてもよい。
【0080】
駆動歯車721の上面側の半周部分には、駆動歯車721の周縁部に沿って上面側に立ち上がる規制壁部724が形成されている。また、駆動歯車721の上面には、駆動歯車721を貫通する主軸722を中心軸として、主軸722から規制壁部724までの径寸法よりも径小となる円柱部725が形成されている。そして、これらの規制壁部724および円柱部725の間には、所定の幅寸法の溝部726が形成される。
【0081】
主軸722の駆動歯車721の上面側で支持される誘導部材723は、例えばアルミなどの金属にて形成されている。この誘導部材723は、略円盤状に形成され、円盤の中心には、主軸722を貫通する孔部が形成されている。そして、誘導部材723は、この孔部に主軸722が貫通されて回転可能に支持されている。また、誘導部材723の一部には、周縁部から、孔部の中心からの距離が円柱部725の径寸法と略同一寸法となる位置までを切り欠いた切欠き部727が形成されている。そして、この切欠き部727には、誘導部材723の周縁部に沿って、駆動歯車721の規制壁部724の壁の厚み寸法と略同一幅寸法の帯状の規制円弧部727Aが、円弧状に所定寸法だけ突出して形成されている。また、駆動歯車721の回転により駆動歯車721の上面側の設けられる規制壁部724が切欠き部727の開口を通過することで、この切欠き部727の開口が開閉される。この規制円弧部727Aは、誘導部材723を上面側から見たときに切欠き部727の周縁一端部から時計方向に向かって突出している。
【0082】
さらに、誘導部材723には、周方向沿って長手状の溝が形成されている。そして、この溝の一端部には、溝の長手方向に向かって突出する回転補助片728が形成されている。この回転補助片728は、上面側から見て反時計回りに突出するように形成されている。また、この回転補助片728の先端部は、誘導部材723の内径側に突出する摺接部728Aが形成されている。摺接部728Aは、下面側に略く字状に折り曲げ形成され、このく字状部分が駆動歯車721の円柱部725の上面側周縁部に当接している。
【0083】
そして、主軸722の誘導部材723の上面側には例えばCリングなどの図示しない止め部材が設けられている。この止め部材は、誘導部材723を主軸722の所定の高さ位置に保持しているとともに誘導部材723の抜け落ちを防止している。また、この止め部材により誘導部材723の周縁部が板ばねとして機能し、摺接部728Aを円柱部725側に付勢する。これにより、駆動歯車721が回転すると誘導部材723も摺接部728Aと円柱部725との摩擦により駆動歯車721の回転方向と同方向に回転する。
【0084】
そして、駆動台座部701のモータ710と駆動歯車部720との間には、モータ710の駆動力を駆動歯車部720に伝達する駆動力伝達機構730が設けられている。駆動力伝達機構730は、モータ710のモータスクリュ歯車711に噛合する第一駆動伝達歯車731と、第一駆動伝達歯車731に噛合する第二駆動伝達歯車732と、第二駆動伝達歯車732に噛合して駆動歯車721に駆動力を伝達可能な第三駆動伝達歯車733と、を備えている。
【0085】
第一駆動伝達歯車731は、駆動台座部701に軸心を中心として回転可能に軸支されている。この第一駆動伝達歯車731は、モータ710の駆動により回転するモータスクリュ歯車711に噛合し、モータ710の駆動力により回転する。そして、このモータ710の駆動力を第二駆動伝達歯車732に伝達する。
【0086】
第二駆動伝達歯車732は、第一駆動伝達歯車731と同様に駆動台座部701に回転可能に軸支されている。また、この第二駆動伝達歯車732の軸心が保持される駆動台座部701とは反対側となる先端部には、駆動伝達移動手段を構成する回転切替板734が第二駆動伝達歯車732の軸心に対して回動可能に取り付けられている。
【0087】
回転切替板734は、一端部が第二駆動伝達歯車732の軸に回動可能に取り付けられて、長手方向を有する平板状部材である。また、回転切替板734は、第二駆動伝達歯車732が時計回りに回転すると、この回転摩擦力により時計回りに付勢力を受け、時計回りに回動される。一方、第二駆動伝達歯車732が反時計回りに回転すると、この回転摩擦力により反時計回りに付勢力を受け、反時計回りに回動される。
【0088】
この回転切替板734の他端部には、下面側に突出する係合ピン735が取り付けられている。また、回転切替板734の第二駆動伝達歯車732の軸が取り付けられる位置と、係合ピン735との間には、第二駆動伝達歯車732に噛合される第三駆動伝達歯車733が回転自在に軸支されている。この第三駆動伝達歯車733と回転切替板734との間には、図示しないコイルばねが第三駆動伝達歯車733と同軸上に設けられている。このコイルばねは、第三駆動伝達歯車733を下面側に付勢して、第三駆動伝達歯車733の高さ位置を、駆動歯車721および後述するギア台座駆動部740のギア台座駆動歯車741と同一高さに保持している。さらに、回転切替板734の一部は、幅広に形成されており、この幅広部分に第二駆動伝達歯車732の軸心を中心とした円弧状のガイド溝736が形成されている。このガイド溝736には、駆動台座部701に立設される回動規制ピン736Aが係合されている。これにより、回転切替板734は、ガイド溝736に回動規制ピン736Aが係合される範囲内で回動範囲が規制される。
【0089】
ここで、モータ710の駆動力により第二駆動伝達歯車732が上面側から見て半時計周りに回転されると、上述したように第二駆動伝達歯車732の回転摩擦力により回転切替板734も反時計回りに回動される。この時、第二駆動伝達歯車732に噛合される第三駆動伝達歯車733は、駆動歯車721に噛合され、第二駆動伝達歯車732から伝達されたモータ710の駆動力を駆動歯車721に伝達する。また、係合ピン735は、誘導部材723の切欠き部727に係合されるとともに、駆動歯車721の上面側の円柱部725に近接または当接して配置される。また、駆動歯車721の回転により規制壁部724が係合ピン735に対向する位置まで回転したとしても、係合ピン735は、規制壁部724と円柱部725との間の溝部を通過して規制壁部724の回転を阻害しない。
【0090】
そして、モータ710の駆動力により第二駆動伝達歯車732が上面側から見て時計回りに回転されると、回転切替板734も時計回りへの回転摩擦力を受ける。この時、駆動歯車721の上面において、主軸722から係合ピン735の方向に規制壁部724が位置する場合、すなわち、切欠き部727の開口が規制壁部724により閉口されている場合、係合ピン735は規制壁部724に移動を規制され、誘導部材723の切欠き部727から係合されたままの状態、すなわちロック状態となり、回転切替板734は回動しない。また、さらに第二駆動伝達歯車732を時計回りに回転させると、駆動歯車721も時計回りに回転され、規制壁部724も時計回りに回転する。このとき、駆動歯車721の上面側の誘導部材723も、摺接部728Aと円柱部725との摩擦により時計回りに回転する。これにより、係合ピン735は、誘導部材723の切欠き部727の規制円弧部727Aが形成される端部側に相対的に移動し、規制円弧部727Aと円柱部725との間で係止される。
【0091】
一方、駆動歯車721の上面に主軸722から係合ピン735の方向に規制壁部724が位置しない場合、すなわち、切欠き部727が開口されている場合、第二駆動伝達歯車732が時計回りに回転されると、回転切替板734も時計回りへの回転摩擦力を受ける。これにより、係合ピン735は、誘導部材723の切欠き部727から外れ、回転切替板734は時計回りへ回動される。そして、第三駆動伝達歯車733は、駆動歯車721から離れ、後述するギア台座駆動部740のギア台座駆動歯車741に噛合される。
【0092】
また、駆動歯車721の近傍、例えば駆動台座部701の駆動歯車721の側方には、規制壁部724の位置を検出する図示しないセンサが設けられている。なお、センサとしては、特に限定されず、例えば赤外線センサやフォトセンサなどの光センサの他、マイクロ波センサや、磁気センサなどを用いてもよい。このセンサは、図示しない制御回路に接続され、規制壁部724の位置に関する検出信号を適宜制御回路に出力する。そして、制御回路にて、モータ710を回転させて所定の駆動力を所定の歯車に伝達する際に、このセンサにて検出された規制壁部724、規制円弧部727A、および係合ピン735の位置に基づいて、モータ710の回転方向を制御する。例えばモータ710の駆動力の伝達先を駆動歯車721からギア台座駆動歯車741に切り替える際に、センサにて規制壁部724が主軸722から係合ピン735の方向に位置すると検出されると、制御回路の制御により駆動歯車721は、反時計回りに所定角度回転される。そして、センサにて主軸722から係合ピン735の方向に規制壁部724および誘導部材723の規制円弧部727Aが位置しないことを検出されると、第二駆動伝達歯車732を時計回りに回転させて回転切替板734をギア台座駆動部740側に回動させ、第三駆動伝達歯車733をギア台座駆動歯車741に噛合させる。
【0093】
ギア台座駆動部740は、駆動台座部701の前面側に設けられ、後述するギア切替部750のギア台座部751を駆動させる。ギア台座駆動部740は、ギア台座駆動歯車741と、を備えている。
【0094】
ギア台座駆動歯車741は、駆動台座部701の軸支片706AのV字先端部から、軸支片706Aの下面側に向かって回転可能に軸支される。ギア台座駆動歯車741は、前述したように、回転切替板734が上面側から見て時計回りに回転した際に、第三駆動伝達歯車733と噛合し、第三駆動伝達歯車733から伝達されるモータ710の駆動力により回転される。また、このギア台座駆動歯車741の下面側の周縁部には、下方に突出する側方向ガイドピン741Aが設けられている。
【0095】
ギア台座駆動板742は、駆動台座部701およびギア台座駆動歯車741の下面側に設けられる。このギア台座駆動板742は、駆動台座部701の長手方向に沿って長手状に形成される略矩形状の金属製の平板状部材である。このギア台座駆動板742の略中心位置には、長手方向に略直交する側方向に長手状の側方向ガイド溝743が形成されている。この側方向ガイド溝743には、ギア台座駆動歯車741の下面側に突出する側方向ガイドピン741Aが係合される。
【0096】
また、ギア台座駆動板742の長手方向の両端部には、縦方向ガイド溝744が形成されている。この縦方向ガイド溝744は、このギア台座駆動板742の長手方向と略平行、すなわち側方向ガイド溝743の長手方向に対して略直交する方向に長手状となるように形成される。そして、これらの縦方向ガイド溝744には、駆動台座部701の下面側から下方側に突出する縦方向ガイドピン744A,744Bが係合される。この縦方向ガイドピン744Aは、駆動台座部701のU字開口部705が形成される一側面の、U字開口部705より後面側に設けられている。また、縦方向ガイドピン744Bは、駆動台座部701のU字開口部705よりも他端部側で、側方向における略中央位置に設けられている。そして、これらの縦方向ガイドピン744A,744Bの下方側先端部は、他の部分より若干径大に形成されており、これらの縦方向ガイドピン744A,744Bの先端部と駆動台座部701の下面側とにより、ギア台座駆動板742が長手方向に往復移動可能に挟持されている。
【0097】
さらに、ギア台座駆動板742の駆動台座部701のガイド孔部704が形成される位置の下面側と対向する位置には、ギア台座ガイド溝745が形成されている。このギア台座ガイド溝745は、駆動台座部701に設けられるガイド孔部704の径方向と略同一方向に長手となるように、ギア台座駆動板742の長手方向に対して傾斜する方向に形成されている。また、ギア台座ガイド溝745は、ギア台座駆動板742を長手方向に往復移動させた際に、ガイド孔部704とギア台座ガイド溝745との重なる部分がガイド孔部704の両端部間を往復する長さに形成されている。さらに、ギア台座ガイド溝745には、後面側の端部、略中心位置、および前面側の端部に、それぞれギア台座駆動板742の長手方向と平行となる直線状の第一係合部745A、第二係合部745B、および第三係合部745Cが形成されている。そして、ギア台座ガイド溝745には、駆動台座部701の主軸孔703の上面側に設けられる後述するギア切替部のギア台座部751から下面側に突出するギア台座ガイドピン751Aが、ガイド孔部704を介して係合されている。
【0098】
ギア切替部750は、モータ710の駆動力を各駆動機構に伝達する。このギア切替部750は、ギア台座部751と、首振台座部752と、歯車列753と、係合板754と、を備えて構成されている。
【0099】
ギア台座部751は、略円盤状の金属製部材であり、中心軸が駆動台座部701の主軸孔703に、駆動台座部701と駆動歯車部720の駆動歯車721との間に回転可能に取りけられる。また、ギア台座部751の上面側の周縁部には、駆動台座部701の開口部703Aから突出形成された爪部703Bが係合され、回転によるぐらつきなどを防止している。さらに、ギア台座部751の下面側で、駆動台座部701のガイド孔部704に対向する位置には、下面側にギア台座ガイドピン751Aが設けられている。このギア台座ガイドピン751Aは、前述したように、ガイド孔部704を介してギア台座ガイド溝745に係合されている。そして、ギア台座ガイドピン751Aは、ギア台座駆動板742の長手方向への移動に応じて、ガイド孔部704、およびギア台座ガイド溝745の両端間を移動し、ギア台座部751を主軸孔703を中心として回動させる。
【0100】
また、ギア台座部751の軸心を中心としてギア台座ガイドピン751Aの反対側の上面には、首振台座部752が回転可能に軸支されている。また、ギア台座部751の首振台座部752が配置される位置から、ギア台座部751の略接線方向、すなわちギア台座部751の中心位置から首振台座部752に向かう径方向に対して略直交する方向に所定寸法だけ離れた首振台座部752を挟む2位置には、それぞれ上面側に立ち上がる支持棒751C,751Dが形成されている。
【0101】
首振台座部752は、長手方向を有する金属製部材であり、一端部に首振台座部752を貫通する図示しない軸孔が形成されている。そして、この軸孔に図示しない軸棒を貫通され、この軸棒をギア台座部751に回転可能に配設することで、首振台座部752を回動自在に保持している。また、この軸棒の軸心を回転軸とし、駆動歯車部720の駆動歯車721に噛合する伝達移動制御部を構成する第一係合歯車752Aが回転可能に取り付けられている。一方、首振台座部752の他端部には、第一係合歯車752Aに噛合する第二係合歯車752Bが首振台座部752に回転可能に軸支されている。また、この第二係合歯車752Bを軸支する軸は、首振台座部752の下面側に所定寸法だけ突出して首振台座部752に配設されている。この所定寸法とは、例えば、後述する係合板754の厚み寸法と略同一に設定されている。
【0102】
そして、首振台座部752の両側面には、上面側に立ち上がって形成される支持棒752C,752Dが設けられている。これらの支持棒752C,752Dは、支持棒752C,752Dを結ぶ直線が、第一係合歯車752Aの軸心、および第二係合歯車752Bの軸心を結ぶ線分(以後、首振方向線と称す)に略直交する位置に設けられている。また、支持棒752C,752Dは、ギア台座部751の径方向と首振方向線の方向とが略同一方向となるとき、ギア台座部751の支持棒751C,751Dを結ぶ直線状と支持棒752C,752Dを結ぶ直線とが略同一直線となる状態に配置される。すなわち、ギア台座部751の径方向と首振方向線の方向とが略同一方向となるとき、支持棒751C,751D,752C,752Dが略同一直線上に配置される。
【0103】
また、首振台座部752には、第一係合歯車752Aの上部側に図示しないばね固定部が設けられている。ばね固定部は、略円筒状の部材であり、前述した首振台座部752の一端部に設けられる軸棒の先端部に固定される。また、ばね固定部の両端には、径方向に突出するフランジ部が形成され、これらのフランジ部に挟まれる位置にトーションスプリング752Fが設けられている。トーションスプリング752Fは、コイルと、コイルの両端から延びる2本の直線部と、を有し、これらの2本の直線部がそれぞれ後面側に付勢される。そして、このトーションスプリング752Fの一方の直線部は、支持棒751C,752Cの前面側に配置され、他方の直線部は、支持棒751D,752Dの前面側に配置される。そして、トーションスプリング752Fは、首振台座部752の首振方向線の方向がギア台座部751の径方向と同一方向になるように付勢する。つまり、首振台座部752の首振方向線の方向とギア台座部751の径方向が同一方向の状態では、トーションスプリング752Fの一方の直線部が支持棒751C,752Cに当接し、トーションスプリング752Fの他方の直線部が支持棒751D,752Dに当接している。この状態から、例えば、首振台座部752を、第一係合歯車752Aの軸心を中心として支持棒751C,752C側に回動した場合、トーションスプリング752Fの一方の直線部は、支持棒752Cと支持棒751Cが同一直線上となるように支持棒752Cが支持棒752Dに近接する方向に付勢する。
【0104】
さらに、首振台座部752には、第二係合歯車752Bの両側方には、首振方向線に対して略直交する位置に押出ピン752Eが下面側に突出して形成されている。この押出ピン752Eは、係合板754の厚み寸法と略同一寸法だけ突出して形成されている。そして、首振台座部752が第一係合歯車752Aを中心に回動する際、押出ピン752Eは係合板754の側縁に当接し、係合板754を後面方向に押圧する。
【0105】
歯車列753は、駆動台座部701の後面側に設けられる。この歯車列753は、第一歯車753Aと、第二歯車753Bと、第三歯車753Cと、を備えている。これらの第一歯車753A、第二歯車753B、および第三歯車753Cは、それぞれ、ギア台座部の中心点から所定の径寸法位置に配設されている。
【0106】
第一歯車753Aは、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第一係合部745Aの位置に係合され、首振台座部752の首振方向線がギア台座部751の径方向と略同一方向となるときに、首振台座部752の第二係合歯車752Bと噛合する。この第一歯車753Aは、下側筐体120の底板部121の右側板部124側に回転可能に設けられる第一伝達歯車753A1に噛合される。また、第1伝達歯車753A1は、前述した右ガイド回転軸333の下側端部に設けられた右ガイド歯車333Cに噛合されている。そして、第一歯車753Aは、駆動歯車721から第一係合歯車752A、第二係合歯車752Bを介して伝達される回転駆動力を、第一伝達歯車753A1、右ガイド歯車333C、右ガイド回転軸333、シャフト332を介して搬送手段340に伝達する。
【0107】
第二歯車753Bは、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第二係合部745Bの位置に係合され、首振台座部752の首振方向線がギア台座部751の径方向と略同一方向となるときに、首振台座部752の第二係合歯車752Bと噛合する。また、この第2歯車753Bは、下側筐体120の底板部121に回転可能に設けられた駆動伝達シャフト753B1の一端部に設けられたスクリュ753B2に噛合される。この駆動伝達シャフト753B1は、他端部にもスクリュ753B3が形成され、このスクリュ753B3は、底板部121に回転可能に軸支される退避伝達歯車753B4に噛合される。さらに、この退避伝達歯車753B4の下面側には、ピニオン753B5が一体形成されており、このピニオン753B5は、退避制御機構420の下部退避制御板424に形成されるラック424Aに噛合されている。そして、第二歯車753Bは、駆動歯車721から第一係合歯車752A、第二係合歯車752Bを介して伝達される回転駆動力を、駆動伝達シャフト753B1、退避伝達歯車753B4、ピニオン753B5を介して退避制御機構420に伝達する。
【0108】
第三歯車753Cは、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第三係合部745Cの位置で係合され、首振台座部752の首振方向線がギア台座部751の径方向と略同一方向となるときに、首振台座部752の第二係合歯車752Bと噛合する。この第三歯車753Cは、駆動台座部701に回転可能に軸支される第四歯車753C1に噛合され、さらに第四歯車753C1は、駆動台座部701に回転可能に軸支される第五歯車753C2に噛合される。また、第5歯車753C2は、移動制御部540の動力伝達部550のシャフト551Aのスクリュ551Bに噛合される。そして、第三歯車753Cは、駆動歯車721から第一係合歯車752A、第二係合歯車752Bを介して伝達される回転駆動力を、第四歯車753C1、第五歯車753C2、動力伝達部550を介して移動制御部540に伝達する。
【0109】
係合板754は、金属製の略平板状部材であり、ギア台座部751と略同一面上で、歯車列753の第一歯車753A、第二歯車753B、第三歯車753Cの下面側と駆動台座部701との間に設けられる。また、係合板754の前面側縁は、ギア台座部751の中心位置から所定径寸法の円弧状に形成されている。そして、係合板754の前面側縁には、第一歯車753Aの軸心、第二歯車753Bの軸心、および第三歯車753Cの軸心と、ギア台座部751の中心とを結ぶ直線上に、それぞれ第一係合溝754A、第二係合溝754B、第三係合溝754Cが形成されている。これらの第一係合溝754A、第二係合溝754B、および第三係合溝754Cは、第一歯車753A、第二歯車753B、および第三歯車753Cのそれぞれの軸心とギア台座部751の軸心とを結ぶ直線、すなわち第二係合歯車752Bの接離方向上に沿って凹溝状に切り欠き形成されている。そして、これらの第一係合溝754A、第二係合溝754B、および第三係合溝754Cは、首振台座部752の首振方向線の方向とギア台座部751の径方向とが同一方向であるとともに、首振方向線の延長上に第一歯車753A、第二歯車753B、第三歯車753Cが位置するときに、それぞれ第二係合歯車752Bの軸と係合可能となっている。
【0110】
また、係合板754の後面側の略中央部には、トーションばね754Dの一端部が取り付けられ、このトーションばね754Dの他端部は駆動台座部701の後面側の端部に立ち上がって形成されるばね止め部708に係止されている。そして、係合板754は、このトーションばね754Dにより前面側に付勢される。ただし、このトーションばね754Dによる付勢力は、首振台座部752に設けられるトーションスプリング752Fよりも弱く設定されている。
【0111】
〔ディスク装置の動作〕
次に、ディスク装置100の動作を図面を参照して説明する。
【0112】
(駆動歯車部およびギア台座駆動部の駆動切替動作)
まず、ディスク装置100の駆動部700の動作における駆動歯車部720およびギア台座駆動部740の駆動切替動作について、図13ないし図17に基づいて説明する。図13は、モータ710を正転させた際の駆動部700の一状態を示す平面図である。図14は、図13においてモータ710をさらに回転させた際の駆動部700の一状態を示す平面図である。図15は、図13においてモータ710をさらに回転させた際の駆動部700の他の一状態を示す平面図である。図16は、図15においてモータ710をさらに回転させた際の駆動部700の状態を示す平面図である。図17は、図16においてモータ710をさらに回転させた際の駆動部700の状態を示す平面図である。
【0113】
駆動部700は、図示しない制御回路部の制御により正転または反転し、モータスクリュ歯車711を所定の方向に回転させる。そして、モータ710によりモータスクリュ歯車711を正転させると、第一駆動伝達歯車731および第三駆動伝達歯車733は上面側から見て時計回り(図13において矢印で示す)に回転し、第二駆動伝達歯車732は上面側から見て反時計回りに回転される。また、回転切替板734は、第二駆動伝達歯車732の回転により時計回りに回転摩擦力を受ける。さらに、この回転切替板734の回転により、係合ピン735は、駆動歯車部720側に向かって移動し、切欠き部727に係合される。これにより第三駆動伝達歯車733は駆動歯車721に噛合され、駆動歯車721を反時計回りに回転させる。
【0114】
この状態において、さらにモータスクリュ歯車711が正転させると、誘導部材723も、回転補助片728の摺接部728Aが駆動歯車721の円柱部725に摺接するため、円柱部725の回転による回転摩擦力により反時計回りに回転する。この後、誘導部材723は、切欠き部727の規制円弧部727Aが設けられない側の端部に係合ピン735が当接する位置にて静止する。このように、係合ピン735が切欠き部727に係合している状態では、モータ710によりモータスクリュ歯車711が正転させられると、駆動歯車721は反時計回りに回転する。
【0115】
そして、制御回路部にて例えば搬送手段340から退避制御機構420または移動制御部540に駆動力の伝達先を変える旨の信号が出力されると、駆動部700の図示しないセンサは、駆動歯車721の規制壁部724、誘導部材723の規制円弧部727A、および係合ピン735の位置を検出し、適宜制御回路部に出力する。そして、制御回路部は、センサにて切欠き部727が開口されていることが検出されると、図15に示すように、モータ710の駆動回転方向を反転させる。一方、センサにて駆動歯車721の軸心から係合ピン735に向かう径方向に規制壁部724が位置し、切欠き部727が規制壁部724により閉塞されていることが検出されると、制御回路部は、モータ710を正転させて駆動歯車721を所定角度だけ反時計回りに回転させて、切欠き部727が開口される移動状態にする。この状態で、モータ710の駆動回転方向が反転すると、駆動力伝達機構730の第二駆動伝達歯車732が時計回りに回転されるため、回転切替板734は、第二駆動伝達歯車732の回転摩擦力を受けて時計回りに回動する。そして、第三駆動伝達歯車733がギア台座駆動歯車741に噛合され、ギア台座駆動部740にモータ710の駆動力が伝達される。
【0116】
一方、例えば移動制御部540の移動方向を反転動作させる場合などのように、駆動歯車721の回転を反転させる必要がある場合、制御回路部は、センサにて規制壁部724、切欠き部727、および係合ピン735の位置を検出させる。そして、制御回路部は、センサにて駆動歯車721の軸心から係合ピン735に向かう径方向に規制壁部724が位置し、切欠き部727が規制壁部724により閉塞されていることが検出されると、図16に示すように、モータ710の駆動回転方向を反転させる。なお、制御回路部は、センサにて切欠き部727が開口されていることが検出されると、モータ710を正転させて駆動歯車721を反時計回りに所定角度だけ回転させて、規制壁部724が閉口される状態に駆動歯車721を駆動させる。この状態でモータ710をさらに反転させ、駆動歯車721を時計回りに回転させると、誘導部材723も摺接部728Aと円柱部725との摩擦により時計回りに回転し、係合ピン735は切欠き部727の規制円弧部727Aと円柱部725との間に係止される(図17参照)。この状態では、係合ピン735は規制円弧部727Aと円柱部725に挟まれて係合されるため、回転切替板734は時計回りに回動しない。これにより、第三駆動伝達歯車733が駆動歯車721に噛合された状態で保持される当接状態となり、モータ710の反転方向の駆動力は、駆動歯車721に伝達され、駆動歯車721は時計回りに回転可能となる。
【0117】
(ギア切替部の動作)
次に、駆動部700の動作におけるギア切替部750の動作について、図12、および図18ないし図22に基づいて説明する。図18は、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第一係合部745Aに係合したときの駆動部700の平面図である。図19は、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第三係合部745Cに係合したときの駆動部700の平面図である。図20は、図12において、ギア台座部751を反時計回りに回動させた際のギア切替部750の状態を示す平面図である。図21は、図20において、さらにギア台座部751を反時計回りに回動させた状態を示す平面図である。図22は、第二係合歯車752Bと第三歯車753Cとが歯当たりした状態のギア切替部750を示す平面図である。
【0118】
上述したように、駆動部700のモータ710の反転駆動力によりギア台座駆動歯車741に第三駆動伝達歯車733が噛合すると、モータ710の駆動力はギア台座駆動部740に伝達される。具体的には、ギア台座駆動部740は、第三駆動伝達歯車733とギア台座駆動歯車741とが噛合されると、この第三駆動伝達歯車733からギア台座駆動歯車741に駆動力が伝達される。この駆動力により、ギア台座駆動歯車741は、時計回りに回転する。また、このギア台座駆動歯車741の回転により側方向ガイドピン741Aがギア台座駆動板742の側方向ガイド溝743に沿って往復移動し、これに伴ってギア台座駆動板742は、長手方向の縦方向ガイド溝744に沿って往復移動する。これにより、駆動台座部701のガイド孔部704とギア台座ガイド溝745との重なり合う位置は、ガイド孔部704の円弧に沿って往復移動する。したがって、このガイド孔部704とギア台座ガイド溝745との重なり合う位置に係合されるギア台座部751のギア台座ガイドピン751Aは、ガイド孔部704に沿って往復移動し、ギア台座部751を回動させる。
【0119】
そして、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第一係合部745Aに位置するとき、図18に示すように、第二係合歯車752Bが第一歯車753Aに噛合される。また、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第二係合部745Bに位置するとき、図12に示すように、第二係合歯車752Bが第二歯車753Bに指導される。さらに、ギア台座ガイドピン751Aがギア台座ガイド溝745の第三係合部745Cに位置するとき、図19に示すように、第二係合歯車752Bは、第三歯車753Cに噛合される。
【0120】
ここで、ギア台座部751が回動したときの首振台座部752の動作を、例えば第二係合歯車752Bが図12に示すような第二歯車753Bと噛合する状態から、図19に示すような第三歯車753Cと噛合する状態までを一例として説明する。図20は、図12において、ギア台座部を反時計回りに回転させたときのギア切替部750の状態を示す平面図である。図21は、図20において、ギア台座部をさらに反時計回りに回転させたときのギア切替部750の状態を示す平面図である。また、図22は、図21においてさらにギア台座部751を回動させた際の第二係合歯車752Bの歯と第三歯車753Cの歯が当接した状態のギア切替部750を示す平面図である。
【0121】
図12において、首振台座部752の第二係合歯車752Bの軸は、係合板754の第二係合溝754Bに係合されている。ここで、ギア台座部751が反時計回りに所定角度だけ回転されると、第一係合歯車752Aもギア台座部751の回動とともに回動方向に移動する。これに対して、第二係合歯車752Bの軸は、係合板754の第二係合溝754Bに沿って、第二歯車753Bから離れる方向に移動する。このため、首振台座部752は、図20に示すように、ギア台座部751の中心から第一係合歯車へ向かう径方向と、首振方向線の方向とが交差する状態となる。
【0122】
この後、さらにギア台座部751を反時計回りに回動させると、第二係合歯車752Bの軸が第二係合溝754Bから外れる。このとき、図20に示すように、上面から見て左側の押出ピン752Eが係合板754の前面側の側縁に当接された状態で、この係合板754を後面側に押す。そして、第二係合歯車752Bの軸は、押出ピン753Eを支軸として回動し、第二係合溝754Bから外れる。
【0123】
また、首振台座部752のばね固定部から、延出する一対のトーションスプリング752Fの直線部のうち一方は、ギア台座部751の支持棒751Dに係止され、他方は首振台座部752の支持棒752Cに係止される。そして、トーションスプリング752Fは、支持棒752Cを支持棒751Cに近接させる方向に付勢する。このため、首振台座部752は、首振方向線の方向がギア台座部751の径方向と一致するように付勢力を受ける。これにより、首振台座部752は、反時計回りに付勢力を受け、図21に示すように、第二係合歯車752Bの軸で係合板754を後面側に押し下げる。
【0124】
この後、さらにギア台座部751を反時計回りに回動させると、第二係合歯車の軸が第三係合溝754Cに係合され、係合板754がトーションばね754Dの付勢力により前面側に戻される。そして、第二係合歯車752Bと第三歯車753Cとが噛合される。
【0125】
また、図21に示すようなギア台座部751の中心位置から第一係合歯車752Aに向かう径方向と、首振方向線の径方向とが略同一直線状となる状態でギア台座部751を回動させると、図22のように、第二係合歯車752Bの歯先と、第三歯車753Cの歯先とが当接する、いわゆる歯当たりが発生する場合がある(図22内において、第二係合歯車752Bおよび第三歯車753Cの外周の一点鎖線は、歯車の先端を表す)。この場合、ギア台座部751を回動させることで、首振台座部752が回動し、第二係合歯車752Bが一旦歯当たり状態から逃げる状態となり、この後、第三歯車753Cに噛合する。すなわち、首振台座部752は、首振方向線がギア台座部751の中心位置から第一係合歯車752Aに向かう径方向に対して傾斜することで、歯当たり状態から一旦逃げた後、第三歯車753Cに噛合する。
【0126】
なお、上記において、第二歯車753Bから第三歯車753Cに向かってギア台座部751が回動する例を示したが、ギア台座部751が第二歯車753Bから第一歯車753Aに向かう場合、第三歯車753Cから第二歯車753Bに向かう場合、第一歯車753Aから第二歯車753Bに向かう場合も同様に動作する。さらに、第二係合歯車752Bと第三歯車753Cとの歯当たり状態時における動作を説明したが、第二係合歯車752Bが第一歯車753Aまたは第二歯車753Bと歯当たりした場合でも同様に動作する。
【0127】
上記のように、ギア切替部750にて、モータ710の駆動力を伝達させる歯車を切り替えた後、モータ710を正転させて回転切替板734を駆動歯車部720側に回動させる。そして、モータ710の駆動力は、駆動歯車721、第一係合歯車752A、および第二係合歯車752Bを介して所定の歯車列753に伝達される。
【0128】
(昇降制御機構の動作)
また、ギア切替部750において、第二係合歯車752Bが第三歯車753Cに噛合されている状態では、モータ710の駆動力は、第三歯車753C、第四歯車753C1、第五歯車753C2を介して、移動制御部540に伝達される。そして、移動制御部540は、伝達された駆動力で昇降制御機構500を駆動させる。
【0129】
ここで、昇降制御機構500および移動制御部540の動作について図23ないし図29に基づいて説明する。図23は、ディスク保持機構320が装着位置に到達している際の昇降制御機構500および移動制御部540の状態を示す平面図である。図24は、ディスク保持機構320が挿排位置に移動した際の昇降制御機構500および移動制御部540の状態を示す平面図である。図25ないし図27は、台座部210をロックする際の昇降制御機構500および移動制御部540の状態を示す平面図である。図28および図29は、ディスク保持機構320が挿排位置から仮固定位置に移動する際の昇降制御機構500および移動制御部540の状態を示す平面図である。
【0130】
ディスク昇降部300は、昇降制御機構500が例えば図23に示すような状態になると装着位置に到達する。具体的には、昇降制御機構500の回動制御ピン553Dが装着係合部564Cに係合されるとともに、回動制御部材553Cが装着当接部564Dに当接される。また、台座移動部580の円弧部582Bが回動制御部材553CのU字円弧部553C1に当接するとともに、突出ピン581Bが前面側係止部574Bに係合される。そして、台座保持部570の保持部572が長手方向の右側板部124の後面側に移動して、台座部210の台座固定片260が保持部572の立上片575に形成された係止ガイド溝575Aのテーパ部575Bに沿って移動し、台座係止部575Cに係止される。これにより、台座部210は、保持部572の面から立上片575の台座係止部575Cの高さ位置に持ち上げられてロックされる。また、台座部210が所定の位置にロックされることにより、ディスク処理部200全体も所定の高さ位置に固定された状態となり、ターンテーブル221に載置される光ディスク1Nも所定の高さ位置にロックされた状態となる。
【0131】
さらに、この状態では、回動部材560の回動連結部562が後面板部123に最も近接し、回動連結部563が後面板部123から最も離隔する。そして、右昇降制御板520が後面板部123に最も近接するとともに、左昇降制御板530が後面板部123から最も離隔する。これにより、ステージ310の右昇降制御ピンが右昇降制御板520の図示しない右カム溝の下端近傍に位置するとともに、左昇降制御ピンが左昇降制御板530の左カム溝534の下端近傍に位置する。そして、ステージ310に配設されたディスク保持機構320は、下側筐体120における下方である装着位置、すなわち右ガイド330の隙間部P(図8参照)および左ガイド380の凹溝384Cがディスク回転駆動手段220のターンテーブル221に軸支された光ディスク1Nの周縁に向けて開口して係合可能な位置関係となる位置に到達する。
【0132】
このディスク保持機構320が装着位置に位置する状態では、昇降制御機構500に連結するディスク挿脱機構部により、ターンテーブル221の係止爪部が軸支部221Aの外周面から後退した状態となる。
【0133】
次に、駆動部700からの駆動力により、動力伝達部550が上面側から見て反時計回りに回転されると、図24に示すように、回動制御ピン553Dが装着係合部564Cの側縁を後面板部123側に押し込み、回動部材560が付勢されて上面側から見て時計回りに回動され、回動制御ピン553Dが装着係合部564Cの基端側に相対的に移動される。また、右昇降制御板520が後面板部123から離隔する方向に移動するとともに、左昇降制御板530が後面板部123に近接する方向に移動する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右カム溝の長さ方向略中央に位置するとともに、左昇降制御ピンが左カム溝534の長さ方向略中央に位置する。そして、ディスク保持機構320は、下側筐体120における上下方向の略中央である挿排位置、すなわち、右ガイド330の隙間部Pおよび左ガイド380の凹溝384Cがディスク挿通口111Aに臨み、ディスク挿通口111Aを介して挿通する光ディスク1Nの周縁が係合可能な位置関係となる位置、すなわち挿排位置に到達する。また、この時、装着係合部564Cおよび仮固定係合部564Fの先端側の開口がそれぞれ第2の仮想円の円周上に位置する。
【0134】
さらに、駆動部700から駆動力により、動力伝達部550が上面側からみて反時計回りに回転されると、図25に示すように、回動制御ピン553Dが台座移動部580のピン係止溝582Aの開口位置に移動される。そして、さらに動力伝達部550を反時計回りに回転させると、回動制御ピン553Dがピン係止溝582Aに係合されるとともに、台座移動部580のピン係止部582を前面側に付勢する。これにより、台座移動部580は、上面側から見て時計回りに回動する。また、V字孔574の前面側係止部574Bに係止されていた台座移動部580の突出ピン581Bが時計回りに回動される。これにより、突出ピン581Bは、前面側係止部574Bを左側板部125の前面側に向かう方向に付勢して、この前面側係止部574Bから外れ、さらに、V字孔の前面側を押し込んで台座保持部570を左側板部125の前面側に向かう方向に付勢して移動させる。そして、この台座保持部570の移動に伴って、保持部572も長手方向に沿って、左側板部125の前面側に向かう方向に移動する。また、立上片575も左側板部125の前面側に向かう方向に移動するので、台座係止部575Cに係止されていた台座固定片260は、係止ガイド溝575Aに沿って移動し、台座部210のロックが解除される。すなわち、台座部210は軟質部材210Aの弾性力により移動可能な範囲で上下方向に移動可能な規制解除状態となる。この規制解除状態では、ディスク処理部200にて光ディスク1Nの読出処理や記録処理が実施可能な状態となる。
【0135】
そして、さらに、駆動部700からの駆動力により動力伝達部550が上面側からみて反時計回りに回転されると、図25に示すように、回動制御ピン553Dが台座移動部580のピン係止溝582Aを前面側に押し込み、台座移動部580を回動させる。そして、回動制御ピン553Dは、ピン係止溝582Aの開口位置が第2の仮想円の円周上に到達すると、ピン係止溝582Aから外れる。また、台座移動部580の回動により、突出ピン581Aが時計回りに回動し、V字孔574の曲線部574Cを右側板部124の後面側に向かう方向に付勢して台座保持部570を移動させる。さらに、突出ピン581Aは、曲線部574Cに沿って後面側係止部574Aに係止される。また、保持部572の立上片575は、右側板部124の後面側に向かう方向に移動し、台座固定片260を台座係止部575Cに係止させる。これにより、台座部210が再びロックされた状態となる。
【0136】
また、図24ないし図28に示す状態までは、回動制御部材553CのU字円弧部553C1は、回動制御孔564の挿排当接部564Bに沿って回動し、回動制御ピン553Dも回動部材560に当接しない。したがって、図24に示す状態から図25に示す状態までは、回動部材560は回動せず、ディスク保持機構320が挿排位置に位置する状態で維持される。
【0137】
この後、さらに駆動部700の駆動力により動力伝達部550が上面側からみて反時計回りに回転されると、図28のように回動制御ピン553Dは、第2の仮想円の円周上に位置する仮固定係合部564Fの開口に移動する。ここで、さらに動力伝達部550が反時計回りに回転されると、図29のように、回動制御ピン553Dは、仮固定係合部564Fに係合されるとともに、回動制御ピン553Dが仮固定係合部564Fの先端側に相対的に移動される。そして、回動制御ピン553Dは、仮固定係合部564Fの側縁を後面側に押し込み、回動部材560を時計回りに回動させる。また、回動部材560が時計回りに回動されると、右昇降制御板520が後面板部123から離隔する方向に移動するとともに、左昇降制御板530が後面板部123に近接する方向に移動する。さらに、ステージ310の右昇降制御ピンが右カム溝の上端近傍に位置するとともに、左昇降制御ピンが左カム溝534の上端近傍に位置する。そして、ディスク保持機構320は、下側筐体120における上方である仮固定位置、すなわちディスク保持機構320で保持する光ディスク1Nを仮固定部に係脱可能に仮固定させたり、仮固定された光ディスク1Nを仮固定部から受け取ったりが可能な位置関係となる位置に到達する。
【0138】
このディスク保持機構320が仮固定位置に移動される状態では、昇降制御機構500に連結されたディスク係脱機構部により、光ディスク1Nを仮固定部に仮固定、あるいは仮固定状態の解除をしてディスク保持機構320へ光ディスク1Nを仮固定部から受け渡させる。
【0139】
〔ディスク装置の作用効果〕
上述したように、上記一実施の形態では、回動制御ピン553Dが回動することで台座移動部580が回動し、台座保持部570が、保持部572の長手方向に沿って移動する。そして、保持部572が右側板部124の後面側に向かって移動すると、保持部572の立上片575に形成される台座係止部575Cに台座部210の台座固定片260が固定されて、軟質部材210Aが振動を吸収しない固定状態となる。一方、保持部572が左側板部125の前面側に向かって移動すると、台座部210の台座固定片260が台座係止部575Cから外れて、軟質部材210Aでディスク処理部200の振動を吸収可能な非固定状態となる。このため、ターンテーブル221への光ディスク1Nの脱着時には、台座部210が固定されるので所定位置で右ガイド330および左ガイド380を近接させるだけで容易に光ディスク1Nを保持することができる。また、ディスク処理部200の情報処理部240で光ディスク1Nの情報の読み込み処理および光ディスク1Nへの情報の書き込み処理を実施する際には、非固定状態となるので、光ディスク1Nが高速回転して振動したとしても、軟質部材210Aにて振動を吸収するので、処理に影響が出ない。したがって、簡単な構成で、ディスク処理部の固定状態を適切な状態に切り替えることができる。
【0140】
また、台座移動部580は、回動中心位置580Aを中心として、回動制御孔564側にピン係止部582を備え、回動中心位置580Aに対してピン係止部582の対称位置に台座保持部570に係合される突出ピン581A,581Bを備えている。このため、ピン係止部582に伝達された駆動力により台座移動部580が回動することで台座保持部570に容易に駆動力を伝達できる。また、このような構成では、台座移動部580は支点を中心に回動するだけであるため、台座移動部580の移動に必要なスペースを小さくでき、ディスク装置100の小型化に貢献できる。
【0141】
さらに、ピン係止部582のピン係止溝582Aは、開口から回動中心位置580Aの近傍まで延びて形成されていて、ピン係止溝582Aの回動中心位置580A近傍に回動制御ピン553Dが係合されて台座移動部580を回動させる。そして、突出ピン581A、581Bは、回動中心位置580Aから回動制御ピン553Dが形動されるピン係止溝582Aの基端部までの径寸法よりも径大となる位置に設けられている。このため、回動制御ピン553Dが係合されたピン係止溝582Aの基端部の移動距離に対して突出ピン581A,581Bの移動距離が大きくなる。したがって、突出ピン581A,581Bは、V字孔574をより強い力で押すことができる。よって、突出ピン581A,581Bは、後面側係止部574A、前面側係止部574Bをより強い力で押して係止される。したがって、台座保持部570もより強い力で右側板部124の後面側に向かって移動され、保持部572は台座部210をより強固に固定できる。
【0142】
そして、台座移動部580の突出ピン581A,581Bを台座保持部570のV字孔574に係合させている。このため、ピン係止部582から伝達される駆動力を、突出ピン581A,581BからV字孔574に容易に伝達でき、突出ピン581A,581BでV字孔574を押すことで容易に台座部210の固定を切り替えることができる。
【0143】
また、V字孔574は、左側板部125側、すなわち回動中心位置580Aから遠ざかる方向に互いに近接する斜線部を有している。このため、台座移動部580が回動すると、突出ピン581Aまたは突出ピン581BがこのV字孔574の斜線部のうち対応する一方の縁部に沿ってスムーズに移動できるとともに斜線部の縁部を押し込むことで台座保持部570を突出ピン581A,581Bの回動方向に応じた方向に移動させることができる。
【0144】
また、突出ピン581Bが前面側係止部574Bに係止された状態で台座移動部580が時計回りに回転されると、突出ピン581Bは、前面側係止部574Bを左側板部125側に押し込んで係止状態から外れ、V字孔574の溝に沿って、台座保持部570を左側板部125側に押し込んで移動させる。そして、台座移動部580が所定の角度だけ回動すると、突出ピン581AがV字孔574の曲線部574Cを押し込んで台座保持部570を右側板部124側に押し込んで、曲線部574Cに沿って後面側係止部574Aに係止される。このため、台座移動部580を所定の方向に移動させるだけで、台座部210の固定、固定解除、固定といった3動作を順番に実施できる。このため、台座部の固定、非固定の度に台座移動部580の回動方向を切り替える必要がない。したがって、台座移動部580を所定の方向に動作させるだけの動作で、固定状態と非固定状態を切り替えることができるので、固定非固定のための必要な駆動力を抑えることができ、消費電力を低減できる。
【0145】
さらに、V字孔574の後面側端部および前面側端部には、それぞれ後面側係止部574A、前面側係止部574Bが形成されている。このため、これらの後面側係止部574A、前面側係止部574Bに突出ピン581A,581Bを係止させることで、台座保持部570を所定の位置に位置決めして固定することができる。したがって、保持部572の移動を規制できるので、係止ガイド溝575Aの台座係止部575Cに台座部210の台座固定片260を係止した状態で維持できる。
【0146】
さらには、これらの後面側係止部574A、前面側係止部574Bから突出ピン581A,581Bが外れると、台座固定片260が台座係止部575Cから外れて非固定状態になる。したがって、保持部572の移動により容易に台座部210の固定状態、非固定状態を切り替えることができる。
【0147】
そして、保持部572は台座部210の台座固定片260に対応する位置に立上片575を有し、立上片575には、保持部572の長手方向に沿ってテーパ部575Bを有する係止ガイド溝575Aが形成されている。このため、保持部572を移動させると、係止ガイド溝575Aが移動し、この係止ガイド溝575Aのテーパ部575B上を台座固定片260が移動して台座係止部575Cに係止される。したがって、保持部572を移動させることで、容易に台座部210を固定することができる。
【0148】
また、駆動部700は、誘導部材723の切欠き部727に規制壁部724が位置せず開口されている状態では、第二駆動伝達歯車732を時計回りに回転させると、回転切替板734も時計回りに回転して係合ピン735が切欠き部727から外れ、第三駆動伝達歯車733はギア台座駆動歯車741に噛合する。また、誘導部材723の切欠き部727に規制壁部724が位置して閉口している状態では、第二駆動伝達歯車732を時計回りに回転させると、規制壁部724により係合ピン735が移動できず、切欠き部727の規制円弧部727Aに係止され、第三駆動伝達歯車733が駆動歯車721に噛合する位置に保持されて、駆動歯車721を時計回りに回転させる。したがって、簡単な構成で、1つのモータ710の駆動力を駆動歯車721およびギア台座駆動歯車741に伝達でき、さらに容易に駆動歯車721の駆動方向を正転反転させることができる。よって、駆動歯車721に伝達された正転駆動力、反転駆動力により容易に回動制御ピン553Dの正転、反転が実施できる。
【0149】
また、回動制御ピン553Dは、ピン係止部582から外れている状態では、回動制御孔564の装着係合部564C、仮固定係合部564Fに係合される状態になり、回動部材を回動させてステージ310を昇降させている。このため、回動制御ピン553Dは、台座部210の固定および非固定の切り替え動作を実施するとともに、ステージ310の昇降動作をも実施する。したがって、駆動部700から伝達された駆動力を2方向に分けて駆動させることができ、駆動力を効率よく利用することができる。よって、ステージ310を昇降させるための専用のモータなどの構成が不要であり、部品点数を低減できるとともに、ディスク装置100の小型化をも促進できる。
【0150】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0151】
すなわち、台座保持部570の台座駆動伝達部571にV字孔574が形成される例を示したが、これに限らない。例えば、左側板部125に近接するにしたがって互いの距離が近接する略ハ字状に形成された孔部であってもよい。
【0152】
台座移動部580が略扇状に形成されているが、これに限定されない。すなわち、台座移動部580は、回動中心位置580Aを中心とした回動自在に設けれ、左側板部125側に突出ピン581A,581Bが形成され、右側板部124側に回動制御孔564に面してピン係止部582が形成されていればよく、例えば略円形であってもよく、略三角形に形成されていてもよい。
【0153】
また、左昇降制御板530が後面板部123から最も離間する位置に移動し、右昇降制御板520が後面板部123に最も近接する位置に移動するとき、ステージ310が装着位置に移動する例を示したが、これに限らない。例えば、右昇降制御板520が後面板部123から最も離間する位置に移動し、左昇降制御板530が後面板部123に最も近接する位置に移動するとき、ステージ310が装着位置に移動する構成としてもよい。この場合、左昇降制御板530および右昇降制御板520のそれぞれに形成される左カム溝534および図示しない右カム溝の傾斜方向を逆にすればよい。
【0154】
さらに、立上片575の係止ガイド溝575Aは、右側板部124の後面側に向かって開口されて形成された例を示したが、左側板部125の前面側に向かって開口されて形成されていてもよい。この場合、例えば、台座保持部570は、連結部573にて回動自在に底板部121に取り付けられている構成とすることで、回動制御ピン553Dがピン係止溝582Aに係止された状態で回動すると、保持部572が長手方向に沿って右側板部124の後面側に回動し、立上片575の台座係止部575Cに台座部210の台座固定片260が係止されて固定できる。
【0155】
さらには、立上片575が取り付けられる位置も上記実施の形態に限定されず、保持部572の長手方向に沿った位置であればよい。
【0156】
そして、回転補助片728は誘導部材723の周方向に沿って形成される溝に反時計回りに向かって形成されている例を示したが、これに限定されない。例えば、回転補助片728は、時計回りに向かって形成されていてもよい。また、回転補助片728が形成されず、誘導部材723の下面側に摺接部728Aが突出して形成されていてもよい。ただし、回転補助片728のばね力がないため、摺接部728Aが下側に向かって付勢されず、円柱部725との摩擦力が低下する。この場合、誘導部材723と、この誘導部材723の抜け止めとして取り付けられるCリングとの間に例えばコイルばねを設けることで誘導部材を下面側に向かって付勢する構成としてもよい。
【0157】
また、上記実施の形態では、第二駆動伝達歯車732が反時計回りに回転すると、駆動歯車721も反時計回りに回転するため、規制円弧部727Aを切欠き部727の一端部から時計回りの方向に形成したが、これに限らない。例えば、第二駆動伝達歯車732、第三駆動伝達歯車733の後にさらに歯車を介して駆動歯車721に駆動力を伝達する場合などで、第二駆動伝達歯車732を駆動歯車721との回転方向が逆となる場合には、規制円弧部727Aを反時計回りの方向に形成してもよい。
【0158】
そして、上記実施の形態では、ギア切替部750は、ギア台座部751の回転角度を切り替えて、第一歯車753A、第二歯車753B、および第三歯車753Cの3つの歯車を切り替える例を示したが、これに限定されない。例えば、駆動力の伝達先である歯車は、2つであってもよく、また4つ以上であってもよい。
【0159】
また、上記実施の形態では、台座移動部580は、回動制御ピン553Dをピン係止溝582Aに係止して回動する例を示したが、これに限定されない。すなわち、例えば、台座移動部580は、歯車などに噛合され回動される構成としてもよい。このような構成でも、台座移動部580を回動させて台座保持部570を移動させることができ、台座部210の固定、非固定を切り替えることができる。
【0160】
また、台座移動部580が回動中心位置580Aを中心に回動される構成示したが、これに限られず、例えば台座移動部が溝に沿って往復移動する構成であってもよい。このような構成では、例えば台座移動部580と台座保持部570との間に駆動量を変化させる歯車列を導入することで、台座移動部580の移動を増幅させて台座保持部570に伝達することが好ましい。この構成では、台座移動部580を僅かに移動させるだけでも、台座保持部570に大きな駆動力を伝達させることができ、台座部210を固定する固定力を強化できる。
【0161】
また、V字孔574に沿って突出ピン581A,581Bが移動する例を示したが、例えば略ハ字状に細長に形成された溝部に突出ピン581A,581Bが係合されていてもよい。このような構成でも、台座移動部580を所定の方向に所定距離だけ回動させるだけで、台座部210を固定状態、非固定状態、固定状態と3段階に切り替えることができる。
【0162】
さらに、係止部としてV字孔574に連結して開口形成される後面側係止部574A、前面側係止部574Bを例示したが、これに限らない。例えば係止部として、V字孔574の前面側、後面側端部にフック状部材を取り付ける構成とし、突出ピン581A,581Bをフック部材で引っ掛けることで係止する構成としてもよい。また、突出ピン581A,581Bの移動を規制する移動規制ピンを備えた構成としてもよい。この構成では、例えば突出ピン581Aまたは突出ピン581BがV字孔574の前面側または後面側に達し、回動制御ピン553Dがピン係止溝582Aから外れると、移動規制ピンが突出ピン581Aまたは突出ピン581Bを係止する。
【0163】
そして、上記実施の形態では、突出ピン581Aまたは突出ピン581Bが係止部に係止されると台座保持部が右側板部124側に移動して台座部210を固定し、突出ピン581Aまたは突出ピン581Bが係止部から外れると、台座保持部570が左側板部125側に移動して台座部210の固定が解除される例を示したが、これに限定されない。例えば、突出ピンが係止部に係止された状態では、台座部210の固定を解除、すなわち非固定状態にし、突出ピンが係止部から離れたときに台座部210を固定する構成としてもよい。
【0164】
また、保持部572に立上片575を形成し、この立上片575に台座部210の台座固定片260を固定する係止ガイド溝575Aを備えた構成としたが、台座部210に係止ガイド溝を備えた立上片が形成され、この係止ガイド溝に保持部572から突出した固定片が係合される構成としてもよい。このような構成でも、台座保持部570を移動させるだけで、台座部210の係止ガイド溝が固定片に沿って移動して係止部にて固定することができる。
【0165】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記一実施の形態では、回動制御ピン553Dが回動することで台座移動部580が回動し、台座保持部570が、保持部572の長手方向に沿って移動する。そして、保持部572が右側板部124の後面側に向かって移動すると、台座部210を固定して軟質部材210Aが振動を吸収しない固定状態ロックし、保持部572が左側板部125の前面側に向かって移動すると、台座部210のロックを解除して、軟質部材210Aでディスク処理部200の振動を吸収可能な非固定状態となる。このため、ターンテーブル221への光ディスク1Nの脱着時には、台座部210が固定されるので所定位置で右ガイド330および左ガイド380を近接させるだけで容易に光ディスク1Nを保持することができる。また、ディスク処理部200の情報処理部240で光ディスク1Nの情報の読み込み処理および光ディスク1Nへの情報の書き込み処理を実施する際には、非固定状態となるので、光ディスク1Nが高速回転して振動したとしても、軟質部材210Aにて振動を吸収するので、処理に影響が出ない。したがって、簡単な構成で、ディスク処理部の固定状態を適切な状態に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の一実施の形態に係るディスク装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ディスク装置内部の概略構成を示す平面図である。
【図3】下側筐体を上面側から見た平面図である。
【図4】下側筐体の左側板部近傍の概略構成を示す断面図である。
【図5】下側筐体を下面側から見た平面図である。
【図6】ディスク装置内部のディスク保持機構および退避制御機構を取り外した状態の概略構成を示す平面図である。
【図7】ディスク保持機構および退避制御機構の概略構成を示す平面図である。
【図8】搬送手段の概略構成を示す部分断面図である。
【図9】搬送基部の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図10】押圧手段の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図11】台座保持部の保持部を模式的に示す断面図である。
【図12】駆動部の概略構成を示す平面図である。
【図13】モータを正転させた際の駆動部の一状態を示す平面図である。
【図14】図13においてモータをさらに回転させた際の駆動部の一状態を示す平面図である。
【図15】図13においてモータをさらに回転させた際の駆動部の他の一状態を示す平面図である。
【図16】図15においてモータをさらに回転させた際の駆動部の状態を示す平面図である。
【図17】図16においてモータをさらに回転させた際の駆動部の状態を示す平面図である。
【図18】ギア台座ガイドピンがギア台座ガイド溝の第一係合部に係合したときの駆動部の平面図である。
【図19】ギア台座ガイドピンがギア台座ガイド溝の第三係合部に係合したときの駆動部の平面図である。
【図20】図12において、ギア台座部を反時計回りに回動させた際のギア切替部の状態を示す平面図である。
【図21】図20において、さらにギア台座部を反時計回りに回動させた状態を示す平面図である。
【図22】第二係合歯車と第三歯車とが歯当たりした状態のギア台座部を示す平面図である。
【図23】ディスク保持機構が装着位置に到達している際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【図24】ディスク保持機構が挿排位置に移動した際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【図25】台座部をロックする際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【図26】図25において回動伝達部を回転させた際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【図27】図26において回動伝達部をさらに回転させた際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【図28】ディスク保持機構が挿排位置から仮固定位置に移動する際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【図29】図28において回動伝達部を回転させた際の昇降制御機構および移動制御部の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0167】
1N 被処理物およびディスク状記録媒体としての光ディスク
100 処理装置としてのディスク装置
110 ケース体
111A 挿通口としてのディスク挿通口
200 処理部としてのディスク処理部
210A 振動吸収部材としての軟質部材
221 ディスク装着部としてのターンテーブル
340 搬送手段
540 固定機構としての移動制御部
570 切替手段としての台座保持部
572 固定手段としての保持部
574 係合溝としてのV字孔
574A 係止部としての後面側係止部
574B 係止部としての前面側係止部
575 固定手段としての立上片
575A 固定溝としての係止ガイド溝
575B テーパ部
575C 固定係止部としての台座係止部
580 駆動伝達部としての台座移動部
580A 支点としての回動中心位置
581A 移動伝達部を構成する係合部としての突出ピン
581B 移動伝達部を構成する係合部としての突出ピン
582 移動駆動部としてのピン係止部
710 駆動力発生装置としてのモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力発生装置より伝達される駆動力により駆動される駆動伝達部と、
被処理物を処理する処理部に加わる振動を振動吸収部材にて吸収する非固定状態から、振動を前記振動吸収部材にて吸収しない固定状態とする固定手段と、
前記駆動伝達部から駆動力が伝達され、前記駆動伝達部の駆動状態に応じて、前記固定手段の前記非固定状態および前記固定状態を切り替える切替手段と、
を具備したことを特徴とする固定機構。
【請求項2】
請求項1に記載の固定機構であって、
前記駆動伝達部は、支点を中心に回動可能に設けられ、一端側に設けられる前記駆動力が伝達される移動駆動部、および他端側に設けられる前記切替手段に駆動力を伝達する移動伝達部を備えた
ことを特徴とする固定機構。
【請求項3】
請求項2に記載の固定機構であって、
前記移動伝達部は、前記支点からの径寸法が前記支点から前記移動駆動部が配置される位置までの径寸法よりも大きくなる位置に配設されている
ことを特徴とする固定機構。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の固定機構であって、
前記移動伝達部は、前記切替手段に係合して駆動力を伝達する係合部を有し、
前記切替手段は、前記係合部が係合される係合溝を備え、前記移動伝達部が移動すると前記係合部により前記係合溝が押されて移動し、移動量に応じて前記固定状態および前記非固定状態を切り替える
ことを特徴とする固定機構。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の固定機構であって、
前記移動伝達部は、一対の係合部を備え、
前記切替手段は、所定の角度で互いに交差するとともに前記一対の係合部がそれぞれ係合される一対の係合溝を備え、前記移動伝達部が移動すると、前記一対の係合部のうちいずれか一方に対応する係合溝が押されて移動し、移動状態に応じて前記固定状態および前記非固定状態を切り替える
ことを特徴とする固定機構。
【請求項6】
請求項5に記載の固定機構であって、
前記一対の係合溝は、前記支点から遠ざかる方向で互いの距離が近接する状態に設けられた
ことを特徴とする固定機構。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の固定機構であって、
前記係合溝は、端部に前記係合部を係止する係止部を有し、
前記切替手段は、前記係合部が前記係止部に係止された状態で前記固定状態に切り替える
ことを特徴とする固定機構。
【請求項8】
請求項7に記載の固定機構であって
前記切替手段は、前記係合部が前記係止部から遠ざかると前記非固定状態に切り替える
ことを特徴とする固定機構。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の固定機構であって、
前記固定手段は、前記駆動伝達手段の駆動力により移動する前記切替手段の移動方向に応じて前記処理部を固定する
ことを特徴とする固定機構。
【請求項10】
請求項9に記載の固定機構であって、
前記固定手段は、前記切替手段の移動方向に沿って前記処理部の一部を係止する固定係止部を備え、前記切替手段の移動により前記処理部の一部を前記固定係止部に係止して固定する
ことを特徴とする固定機構。
【請求項11】
請求項10に記載の固定機構であって、
前記固定手段は、前記処理部の一部を保持するとともに、テーパ部を備えた固定溝を備え、前記切替手段の移動により前記処理部の一部を前記固定溝のテーパに沿って前記固定係止部に係止される状態に相対移動させる
ことを特徴とする固定機構。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の固定機構であって、
前記被処理物は、ディスク状記録媒体であり、
前記処理部は、前記ディスク状記録媒体を装着するディスク装着部を備えた
ことを特徴とする固定機構。
【請求項13】
被処理物を挿通可能な挿通口が開口形成されたケース体と、
このケース体内に配設され、前記被処理物を処理するとともに振動を吸収する振動吸収部材を備えた処理部と、
前記ケース体内に配設され、前記被処理物を前記挿通口および前記処理部で処理する位置の間で搬送する搬送手段と、
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の固定機構と、
を具備したことを特徴とする処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−344319(P2006−344319A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170038(P2005−170038)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(591224825)株式会社ゼロエンジニアリング (22)
【Fターム(参考)】