説明

固形燃料及び固形燃料の製造方法

【課題】製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、林地残材等の廃物を有効利用し、着火性能が良く、家庭用暖房用として適度の火力を有し、火持ちがすると共に、取り扱い易く、安価な固形燃料を提供する。
【解決手段】ペーパースラッジ30〜50重量%、木質廃材70〜50重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加し、加圧成形して成る成形物である固形燃料1を提供する。前記バインダーは、でん粉系バインダーである。前記成形物は長手方向である縦方向全長に及んで延びる縦V字溝2が形成されると共に、横方向全長に及んで延びる横V字溝3が前記縦V字溝2と十字形を成す如く形成されている。又、前記成形物は、上下方向に貫通する複数の貫通孔4が開穿されている。前記成形物外側面は、複数の通気孔6が開穿された孔開きフィルム5により被覆されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙スラッジ等の廃物や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、林地残材等の有効利用を図ることができると共に、家庭用暖房用として適度の火力を有し、安価に製造できる固形燃料及び固形燃料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストーブ、暖炉等の家庭用暖房用の燃料として、おが屑や、木チップ等を加熱し、圧縮し固形化した燃料、又は、加熱しないで圧縮し固形化した燃料等が知られている。
しかし、これらの燃料も生産に限りがあり、将来的に十分な供給が期待できず、又、燃料としてのコストも安くはないという問題がある。
そのような問題を解決すべく、将来的に十分な供給が期待でき、又、燃料としてのコストも安い、例えば、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の燃料としての利用が期待されている。
この種技術に関する先行文献として、例えば、特許文献1には、製紙スラッジや、下水道汚泥、食品汚泥等を燃料として有効利用することができる固形燃料の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−265186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したように、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物が燃料として利用されることが期待されるが、現状では、まだ十分な活用がなされていない。
特許文献1は、製紙スラッジを利用するものであるが、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物は利用されていない。
又、特許文献1の固形燃料は造粒するものであるが、造粒したものは、早く燃え尽きてしまうため火持ちが悪く、燃料の補給を頻繁に行なわなければならない。
【0005】
以上の現状に鑑み、本発明は、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物を有効利用し、着火性能が良く、家庭用暖房用として適度の火力を有し、火持ちがすると共に、取り扱い易く、安価な固形燃料及び固形燃料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、ペーパースラッジ30〜50重量%、木質廃材70〜50重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加し、加圧成形して成る成形物であることを特徴とする固形燃料を提供するものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、ペーパースラッジ20〜40重量%、木質廃材60〜40重量%、コークス10〜30重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加し、加圧成形して成る成形物であることを特徴とする固形燃料を提供するものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記バインダーは、でん粉系バインダーであることを特徴とする請求項1又は2記載の固形燃料を提供するものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記成形物は長手方向である縦方向全長に及んで延びる縦V字溝が形成されると共に、横方向全長に及んで延びる横V字溝が前記縦V字溝と十字形を成す如く形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の固形燃料を提供するものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記成形物は、略直方体に加圧成形され、前記略直方体の上面横方向略中央部に縦方向全長に及んで延びる縦V字溝が形成されると共に、上面縦方向略中央部に横方向全長に及んで延びる横V字溝が前記縦V字溝と十字形を成す如く形成されていることを特徴とする請求項4記載の固形燃料を提供するものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記成形物は、上下方向に貫通する複数の貫通孔が開穿されていることを特徴とする請求項4又は5記載の固形燃料を提供するものである。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記成形物外側面は、複数の通気孔が開穿された孔開きフィルムにより被覆されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の固形燃料を提供するものである。
【0013】
請求項8に係る発明は、ペーパースラッジ30〜50重量%、廃材70〜50重量%の割合で混合して混合物を生成する工程と、
生成した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加する工程と、
バインダーを添加した混合物を加圧成形して成形物を作る工程とを有することを特徴とする固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0014】
請求項9に係る発明は、ペーパースラッジ20〜40重量%、廃材60〜40重量%、コークス10〜30重量%の割合で混合して混合物を生成する工程と、
生成した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加する工程と、
バインダーを添加した混合物を加圧成形して成形物を作る工程とを有することを特徴とする固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0015】
請求項10に係る発明は、前記バインダーとしてでん粉系バインダーを添加することを特徴とする請求項8又は9記載の固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0016】
請求項11に係る発明は、前記成形物に、長手方向である縦方向全長に及んで延びる縦V字溝を形成すると共に、横方向全長に及んで延びる横V字溝を前記縦V字溝と十字形を成す如く形成することを特徴とする請求項9又は10記載の固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0017】
請求項12に係る発明は、前記成形物を略直方体に加圧成形し、前記略直方体の上面横方向略中央部に縦方向全長に及んで延びる縦V字溝を形成すると共に、上面縦方向略中央部に横方向全長に及んで延びる横V字溝を前記縦V字溝と十字形を成す如く形成することを特徴とする請求項11記載の固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0018】
請求項13に係る発明は、前記成形物に、上下方向に貫通する複数の貫通孔を開穿することを特徴とする請求項8乃至12のうちいずれか一に記載の固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0019】
請求項14に係る発明は、前記成形物の外側面を、複数の通気孔が開穿された孔開きフィルムにより被覆することを特徴とする請求項8乃至13のうちいずれか一に記載の固形燃料の製造方法を提供するものである。
【0020】
請求項15に係る発明は、前記フィルムにより被覆された成形物を、所定温度で加熱した後、冷却し、前記フィルムを膨張収縮させることにより、前記フィルムに前記成形物を圧接被覆させることを特徴とする請求項14記載の固形燃料の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1記載の発明によれば、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物を有効利用できると共に、着火性能が良く、家庭用暖房用として適度の火力を有し、火持ちがすると共に、取り扱い易く、極めて安価な固形燃料を提供することができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物を有効利用できると共に、着火性能が良く、家庭用暖房用として比較的高い火力を有し、適度な硬さを有し、火持ちがすると共に、取り扱い易く、安価な固形燃料を提供することができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、接着力が強く且つ有害物質の発生しないバインダーを用いた固形燃料を提供できる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、縦V字溝や、横V字溝の部位で割ることにより、割った部位の凹凸断面により火付きが良く、且つ、家庭用暖房用として大きさや、火持ちを調節できる固形燃料を得ることができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加え、均一な大きさに分割できると共に、取り扱い易く、且つ、積み重ね易く、外観の良好な固形燃料を得ることができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の発明の効果に加え、複数の貫通孔により着火性能を高めることができる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、成形物が崩れることなく、成形物の破片の飛散を防止できると共に、通気性を有し、更に、取り扱い時に汚れにくく、且つ、良好な外観を有する固形燃料を得ることができる。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物を有効利用できると共に、着火性能が良く、家庭用暖房用として適度の火力を有し、火持ちがすると共に、取り扱い易く、極めて安価な固形燃料を得ることができる。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、製紙スラッジ等や、建築物解体の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等の廃物を有効利用できると共に、着火性能が良く、家庭用暖房用として高い火力を有し、適度な硬さを有し、火持ちがすると共に、取り扱い易く、安価な固形燃料を得ることができる。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、請求項8又は9記載の発明の効果に加え、接着力が強く且つ有害物質の発生しないバインダーを用いた固形燃料を得ることができる。
【0031】
請求項11記載の発明によれば、請求項9又は10記載の発明の効果に加え、縦V字溝や、横V字溝の部位で割ることにより、割った部位の断面の凹凸により火付きが良く、且つ、家庭用暖房用として大きさや、火持ちを調節できる固形燃料を得ることができる。
【0032】
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載の発明の効果に加え、均一な大きさに分割できると共に、取り扱い易く、且つ、積み重ね易く、外観の良好な固形燃料を得ることができる。
【0033】
請求項13記載の発明によれば、請求項8乃至12のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、複数の貫通孔により着火性能を高めることができる。
【0034】
請求項14記載の発明によれば、請求項8乃至13のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、成形物が崩れることなく、成形物の破片の飛散を防止できると共に、通気性を有し、更に、取り扱い時に汚れにくく、且つ、良好な外観を有する固形燃料を得ることができる。
【0035】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載の発明の効果に加え、フィルムにより成形物を確実に圧接保持でき、更に、取り扱い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1に係る固形燃料の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る固形燃料の製造方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0038】
図1に於いて、1は本発明の実施例1の固形燃料であり、固形燃料1は、ペーパースラッジ30重量%、木質廃材50重量%、コークス20重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、水分調整した後、でん粉系のバインダー0.8重量%を添加し、加圧成形したものである。
尚、前記配合割合は家庭用暖房用として適度の高火力を有し、着火性能が良く、適度な硬さを有し火持ちがすると共に、取り扱い易く、安価な固形燃料を得るための最適な割合を示したものであり、これに限定されるものではなく、好適な範囲として、例えば、ペーパースラッジ20〜40重量%、廃材60〜40重量%、コークス10〜30重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、例えばでん粉系のバインダー0.7〜0.9重量%を添加しても良い。
【0039】
前記木質廃材は、主に家屋を解体した時に発生する木質の廃材、製材所や木工品加工場等から出る廃材、間伐材等の林地残材等であり、その他、あらゆる種類の木質廃材であっても良く、ペーパースラッジは主に製紙工程で排出される製紙スラッジである。
ペーパースラッジは5000kcal/kg、木質廃材は5000kcal/kg、コークスは8000〜8500kcal/kg程度の熱量を燃やした時に発生する。
前記固形燃料1は5700〜5800kcal/kg程度の熱量を燃やした時に発生する。
前記固形燃料1は主としてストーブ、暖炉等の家庭用暖房として用いるものであり、前記配合割合により生成した固形燃料1は適度の熱量を発生し、且つ、暖房器具を過度に加熱しない熱量であるので家庭用暖房として好適な燃料となる。
【0040】
そして、前記固形燃料1は、略直方体に圧縮成形され、直方体の上面横方向中央部に長手方向である縦方向全長に及んで延びる縦V字溝2が形成されると共に、上面縦方向中央部に横方向全長に及んで延びる横V字溝3が縦V字溝2と十字形を成す如く形成される。
前記直方体は、例えば、縦25cm、横15cm、高さ10cm程度の大きさに成形する。
尚、縦V字溝2は、直方体の上面から高さの半分以上の深さに形成され、横V字溝3は、縦V字溝2よりも浅く形成される。
縦V字溝2は、例えば、幅4.5cm、深さ6.5cm、横V字溝3は、例えば、幅6.0cm、深さ4.5cm程度に形成する。
前記固形燃料1は、略直方体に圧縮成形されることにより、取り扱いやすい形状や硬さとなる。尚、略直方体に限定して圧縮成形されるものではなく、例えば、丸棒等の他の形状に圧縮成形されても良い。
【0041】
前記縦V字溝2と横V字溝3は、成形時に固形燃料1を溝形に圧縮して内部まで適度の硬さにするためのものであり、適度の硬さにすることにより着火したあと火が長持ちする。
又、前記縦V字溝2と横V字溝3は、使用時に固形燃料1を割るためのものであり、割ることにより適度の大きさになると共に、割った部位の断面の凹凸により火付きが良く、且つ、家庭用暖房用として大きさや、火持ちを調節できる固形燃料を得ることができる。割った部位の断面の凹凸による火付きについては、例えば、割り箸10本ぐらいで固形燃料1が着火する。
【0042】
更に、直方体上面の縦V字溝2及び横V字溝3が形成されない部位に、上面から下面に向かって貫通する複数の貫通孔4,4…が形成されている。
貫通孔4は、着火をよくするためのものであり、内部まで燃焼しやすくし、燃焼を助けるためのものである。
更に又、前記固形燃料1は、外側面を、複数の通気孔6,6…が開穿された孔開きフィルム5により圧接被覆されている。フィルム5は加熱後冷却することにより収縮する。
前記フィルム5は、固形燃料1である成形物が崩れることを防止できると共に、成形物の破片の飛散を防止でき、更に、取り扱い時に汚れにくく、且つ、固形燃料を良好な外観にすることができる。
通気孔6は、固形燃料1内に通気し、乾燥させるためのものである。
【0043】
図2は、本発明の固形燃料を製造する方法を示すフローチャートである。
先ず、ペーパースラッジ30重量%、廃材50重量%、コークス20重量%の割合で混合して混合物を生成する(ステップS1)。尚、前記配合割合は最適な割合を示したものであり、これに限定されるものではなく、好適な範囲として、例えば、ペーパースラッジ20〜40重量%、廃材60〜40重量%、コークス10〜30重量%の割合で混合しても良い。
ステップS1の混合は、例えばフレットミルを用いる。
【0044】
次に、生成した混合物100重量%に対し、水分を加えて水分調整した後(ステップS2)、でん粉系のバインダー0.8重量%を添加する(ステップS3)。
尚、前記配合割合は最適な割合を示したものであり、これに限定されるものではなく、好適な範囲として、例えば、生成した混合物100重量%に対し、バインダー0.7〜0.9重量%を添加しても良い。
ステップS3では、例えばパグミキサー、モルタルミキサー等を用いる。
次に、バインダーを添加した混合物を加圧成形して成形物を作る(ステップS4)。
そして、前記成形物の外周面をフィルム5で被覆する(ステップS5)。
更に、フィルム5により被覆された成形物を、所定温度で加熱した後、冷却し(ステップS6)、即ち、前記フィルム5を膨張収縮させることにより、フィルム5に前記成形物を圧接被覆させる。
圧接被覆するフィルムにより成形物を確実に圧接保持でき、更に、取り扱い易くなる。
【実施例2】
【0045】
本発明の実施例2の固形燃料は、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)の変形例である。実施例2の固形燃料については、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)と異なる部分のみを説明する。
本発明の実施例2の固形燃料は、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)に用いた図1及び図2と同図となるので、図示は省略するが、本発明の実施例2の固形燃料は、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)が、「ペーパースラッジ30重量%、木質廃材50重量%、コークス20重量%の割合で配合」するのに代えて、「ペーパースラッジ40重量%、木質廃材60重量%の割合で配合」するものである。
尚、前記配合割合は最適な割合を示したものであり、これに限定されるものではなく、例えば、ペーパースラッジ30〜50重量%、木質廃材70〜50重量%の割合で配合しても良い。
【0046】
本発明の実施例2の固形燃料は、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)に比較して熱量が比較的少なくなるが、家庭用暖房用としての必要な熱量を有しており、又、硬さもやや減少して火持ちも短くなるが、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)よりも極めて安価に提供できる利点がある。
そして、本発明の実施例2の固形燃料を製造する場合は、実施例1の固形燃料(図1に於いて1)を製造する方法を示すフローチャート図(図2)に於いて、ステップS1で、「ペーパースラッジ30重量%、廃材50重量%、コークス20重量%の割合で混合」することに代えて「ペーパースラッジ40重量%、廃材60重量%の割合で混合」するものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の固形燃料は、家庭用暖房用固形燃料として、ストーブや、暖炉等の燃料に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 固形燃料
2 縦V字溝
3 横V字溝
4 貫通孔
5 フィルム
6 通気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパースラッジ30〜50重量%、木質廃材70〜50重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加し、加圧成形して成る成形物であることを特徴とする固形燃料。
【請求項2】
ペーパースラッジ20〜40重量%、木質廃材60〜40重量%、コークス10〜30重量%の割合で配合した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加し、加圧成形して成る成形物であることを特徴とする固形燃料。
【請求項3】
前記バインダーは、でん粉系バインダーであることを特徴とする請求項1又は2記載の固形燃料。
【請求項4】
前記成形物は長手方向である縦方向全長に及んで延びる縦V字溝が形成されると共に、横方向全長に及んで延びる横V字溝が前記縦V字溝と十字形を成す如く形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の固形燃料。
【請求項5】
前記成形物は、略直方体に加圧成形され、前記略直方体の上面横方向略中央部に縦方向全長に及んで延びる縦V字溝が形成されると共に、上面縦方向略中央部に横方向全長に及んで延びる横V字溝が前記縦V字溝と十字形を成す如く形成されていることを特徴とする請求項4記載の固形燃料。
【請求項6】
前記成形物は、上下方向に貫通する複数の貫通孔が開穿されていることを特徴とする請求項4又は5記載の固形燃料。
【請求項7】
前記成形物外側面は、複数の通気孔が開穿された孔開きフィルムにより被覆されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の固形燃料。
【請求項8】
ペーパースラッジ30〜50重量%、廃材70〜50重量%の割合で混合して混合物を生成する工程と、
生成した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加する工程と、
バインダーを添加した混合物を加圧成形して成形物を作る工程とを有することを特徴とする固形燃料の製造方法。
【請求項9】
ペーパースラッジ20〜40重量%、廃材60〜40重量%、コークス10〜30重量%の割合で混合して混合物を生成する工程と、
生成した混合物100重量%に対し、水分調整した後、バインダー0.7〜0.9重量%を添加する工程と、
バインダーを添加した混合物を加圧成形して成形物を作る工程とを有することを特徴とする固形燃料の製造方法。
【請求項10】
前記バインダーとしてでん粉系バインダーを添加することを特徴とする請求項8又は9記載の固形燃料の製造方法。
【請求項11】
前記成形物に、長手方向である縦方向全長に及んで延びる縦V字溝を形成すると共に、横方向全長に及んで延びる横V字溝を前記縦V字溝と十字形を成す如く形成することを特徴とする請求項9又は10記載の固形燃料の製造方法。
【請求項12】
前記成形物を略直方体に加圧成形し、前記略直方体の上面横方向略中央部に縦方向全長に及んで延びる縦V字溝を形成すると共に、上面縦方向略中央部に横方向全長に及んで延びる横V字溝を前記縦V字溝と十字形を成す如く形成することを特徴とする請求項11記載の固形燃料の製造方法。
【請求項13】
前記成形物に、上下方向に貫通する複数の貫通孔を開穿することを特徴とする請求項8乃至12のうちいずれか一に記載の固形燃料の製造方法。
【請求項14】
前記成形物の外側面を、複数の通気孔が開穿された孔開きフィルムにより被覆することを特徴とする請求項8乃至13のうちいずれか一に記載の固形燃料の製造方法。
【請求項15】
前記フィルムにより被覆された成形物を、所定温度で加熱した後、冷却し、前記フィルムを膨張収縮させることにより、前記フィルムに前記成形物を圧接被覆させることを特徴とする請求項14記載の固形燃料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−196021(P2010−196021A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45956(P2009−45956)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509058759)
【出願人】(509059561)有限会社クリーンシステム (1)
【Fターム(参考)】