説明

固形粉末化粧料

【課題】化粧もち、なめらかさやのびなどの使用感、および落下などに対する耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料を提供する。
【解決手段】(A)平均一次粒子径が1〜20nmの疎水化煙霧状シリカ 0.1〜3質量%と、(B)平均一次粒子径が1〜30μmのシリコーンエラストマー球状粉末 0.1〜20質量%と、(C)25℃における硬度が0.1〜10Nである半固形油分を油分総量に対して0.1〜50質量%、を配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固形粉末化粧料に関し、さらに詳しくは、化粧もち、なめらかさやのびなどの使用感、および落下などに対する耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
固形粉末化粧料はファンデーション、白粉、頬紅などのメーキャップ化粧料に用いられているが、これらの固形粉末化粧料は、主として粉末の配合量が80質量%を超える組成からなるものであるため、粉末の性質が固形粉末化粧料の性質を大きく左右する。
粉末として、煙霧状シリカは、化粧持ちがよく、ケーキングを防止できることから、固形粉末化粧料用の粉末として多用されているが(特許文献1参照)、この煙霧状シリカを多量配合した場合にはのびが悪くなり、きしみが生じて使用性が悪くなるという欠点がある。煙霧状シリカを配合しつつも使用性を改善する試みとして、エラストマー粉体を併用することが知られている(特許文献2参照)。
しかしエラストマー粉体を加えると使用性は良くなるものの、耐衝撃性が悪くなるという欠点があった。耐衝撃性はプレストパウダーのような固形粉末化粧料においては必須の要求特性であり、これを改善することが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−204112号公報
【特許文献2】特開平07−258028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明者は、煙霧状シリカやシリコーンエラストマー球状粉末を配合しながら、耐衝撃性を有する固形粉末化粧料を提供することを目的として鋭意研究した結果、以下に述べるような特定組成の固形粉末化粧料が、化粧持ちや使用性に優れ、かつ落下などに対する耐衝撃性にも優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(A)平均一次粒子径が1〜20nmの疎水化煙霧状シリカ 0.1〜3質量%と、
(B)平均一次粒子径が1〜30μmのシリコーンエラストマー球状粉末 0.1〜20質量%と、
(C)25℃における硬度が0.1〜10Nである半固形油分を油分総量に対して0.1〜50質量%、
を含むことを特徴とする固形粉末化粧料である。
【0006】
本発明において、上記半固形油分は、ダイマージリノール酸エステルであって、アルコール残基が、フィトステリル基および、炭素数が16〜22の直鎖高級アルコール残基を含むダイマージリノール酸・フィトステロール・高級アルコールエステルであることが好ましい。また、前記半固形油分が、ダイマージリノール酸エステルであって、アルコール残基が、フィトステリル基および、ベヘニルアルコール残基からなるダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の固形粉末化粧料は、化粧もち、なめらかさやのびなどの使用性、および落下などに対する耐衝撃性に優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明の固形粉末化粧料に用いられる(A)成分としての疎水化煙霧状シリカは、煙霧状無水ケイ酸表面を疎水化処理したものである。この疎水化煙霧状シリカは、平均一次粒子径が1〜20nmのものである。
【0009】
疎水化処理の方法としては、無水ケイ酸に撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。
例えば疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キシレン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。
この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉末表面上で重合させる方法(特公平1−54380号公報)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号公報)等も用いることができる。
【0010】
疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシケイ酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシケイ酸処理粉末、メチルフェニルシロキシケイ酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシケイ酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度〜高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
【0011】
本発明では、例えば煙霧状シリカの表面をオルガノシラン系化合物、シリコーン化合物、フッ素化合物等で覆うことにより調製することができる。具体的には、ジメチルシリル化無水ケイ酸、トリメチルシリル化無水ケイ酸、オクチルシリル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸、メチルポリシロキサン処理無水ケイ酸等が例示される。
【0012】
本発明に用いられる(A)成分は、例えば、ジメチルシリル化無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルR972、表面積110±20m2/g)、オクチルシリル化無水ケイ酸(デグッサ社製、アエロジルR805、表面積150±25m2/g)、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルRY200、表面積100±20m2/g)等が挙げられる。これら疎水化煙霧状シリカはBET法による表面積が80m2/g以上であることが必要である。
【0013】
本発明において、(A)成分の配合量の下限は、化粧持ち効果を得る点から0.1質量%であり、また上限は、キシミのなさや、なめらかさ等の使用性の点から3質量%までであり、好ましくは0.5〜2.0質量%である。
【0014】
本発明の固形粉末化粧料に用いられる(B)シリコーンエラストマー粉末は平均一次粒子径が1〜30μmのものが好ましい。かかるシリコーンエラストマー粉末としては、例えば(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーなどに代表される弾性シリコーン樹脂球状粉体から選ばれる粉末の一種または二種以上が挙げられる。
【0015】
このうち、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーとしては、信越化学工業株式会社製のKSP−100、KSP−101、KSP−102等が挙げられる。(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーとしては、信越化学工業株式会社製のKSP−300等が挙げられる。(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、東レ・ダウコーニング社製のトレフィルE−506等が挙げられる。
また、シリコーンエラストマーをタルクやシリカで被覆したり、疎水化処理したものを用いても良い。
【0016】
本発明において(B)シリコーンエラストマー粉末の配合量は0.1〜20質量%であり、特に0.5〜10質量%が好ましい。(B)シリコーンエラストマー粉末の配合量が組成物に対して0.1質量%未満であると、なめらかさやのびに欠けて使用性が悪くなり、20質量%を超えると塗布した時にヨレが生じて使用性が悪くなり、耐衝撃性も劣るようになる。
【0017】
本発明の固形粉末化粧料に用いられる(C)半固形油分は、25℃における硬度が0.1〜10Nであるものを指す。この硬度の測定には、レオテック社製レオメーターで、感圧軸5φ、針入速度2cm/min、針入度3mmで測定した時の値を指す。したがって、ポリブテンなどの高粘度液状油や、硬化ヒマシ油、硬質ラノリンのような室温で硬い油剤は含まれない。
【0018】
(C)半固形油分としては、通常化粧品に使用されるラノリン、ワセリンなどの市販品を用いることができ、このほか、日清オイリオグループ株式会社製、コスモール168AR(ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル)、コスモール168ARV(ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル)、コスモール168EV((ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル)、コスモール168M(ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル)、日本精化社製のYOFCO−MAS(マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル)、プランドゥール−S(ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル))、プランドゥール−H(ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル))、プランドゥール−G(ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル))、阪本薬品工業社製のSフェイスVL−211(マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネート)などを用いることが出来る。
【0019】
本発明においては、このうち、ダイマージリノール酸エステルであって、アルコール残基が、フィトステリル基および、炭素数が16〜22の直鎖高級アルコール残基を含むダイマージリノール酸・フィトステロール・高級アルコールエステルを用いることが好適である。特に、アルコール残基が、フィトステリル基および、ベヘニルアルコール残基からなる、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)を用いることが好ましい。
【0020】
ダイマージリノール酸エステルの構造は、混合物であるため一義的には表現することはできないが、一般的には以下のような構造で表される。
【0021】
【化1】

【0022】
(式中、R1、R2は、アルコール残基を表し、フィトステロール残基および炭素数が16〜22の直鎖高級アルコール残基を含み、そのほかに、炭素数が16〜22の分岐または、不飽和高級アルコールを含んでもよい。)
【0023】
上記ダイマージリノール酸・フィトステロール・高級アルコールエステルは半固形油分であり、高級アルコール残基としては、セチルアルコール残基、ステアリルアルコール残基、ベヘニルアルコール残基が挙げられるが、その中でもベヘニルアルコール残基を持つことが好ましい。分岐または不飽和アルコール残基としては、イソステアリル基を含んでもよい。
上記ダイマージリノール酸・フィトステロール・高級アルコールエステルとしては、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)などが挙げられ、特に、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)が好適である。
【0024】
ダイマージリノール酸・フィトステロール・高級アルコールエステルは、例えば、1モルのダイマージリノール酸と、1モルのフィトステロール及び1モルの高級アルコールとをエステル化反応させた後、水洗し、脱臭処理を行うことにより得ることができる。
【0025】
本発明において(C)半固形油分の配合量は油分総量に対して0.1〜50質量%であり、特に5〜40質量%が好ましい。(C)半固形油分の配合量が油分総量に対して0.1質量%未満であると、耐衝撃性に欠けるようになり、50質量%を超えて用いるとのびが重くなって使用性に劣るようになり、またヨレが生じて化粧持ちが悪くなる。また、半固形油分に代えて、液状油分と固形油分の組み合わせを用いても耐衝撃性が不十分である。
【0026】
本発明に用いられる(C)半固形油分以外の油分としては、下記の液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等が用いられる。
【0027】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0028】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0029】
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0030】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。
【0031】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0032】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0033】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル-L-グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0034】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0035】
本発明の固形粉末化粧料は、ファンデーション、アイシャドウ、チークカラー、プレストパウダー、おしろいなどの固形状の粉末化粧料に適用される。
【0036】
本発明の固形粉末化粧料には、本発明の効果を損なわない限り、任意の成分を配合することが出来る。
好ましく配合されるその他の成分としては上記以外の粉末、各種界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤等がある。
【0037】
上記以外の粉末成分としては、例えば、例えば、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、焼成タルク、焼成セリサイト、焼成白雲母、焼成金雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、窒化ホウ素、フォトクロミック性酸化チタン(酸化鉄を焼結した二酸化チタン)、還元亜鉛華、有機粉末(例えば、シリコーン粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等)、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン等)、無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等)、無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等)、無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料{例えば、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、低次酸化チタン被覆雲母チタン、フォトクロミック性を有する雲母チタン、基板として雲母の代わりタルク、ガラス、合成フッ素金雲母、シリカ、オキシ塩化ビスマス等を使用したもの、被覆物として酸化チタン以外に、低次性酸化チタン、着色酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化コバルト、アルミ等を被覆したもの、機能性パール顔料として、パール顔料表面に樹脂粒子を被覆したもの(特開平11-92688号公報)、パール顔料表面に水酸化アルミニウム粒子を被覆したもの(特開2002-146238号公報)、パール顔料表面に酸化亜鉛粒子を被覆したもの(特開2003-261421号公報)、パール顔料表面に硫酸バリウム粒子を被覆したもの(特開2003-61229号公報)等}、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。本発明においては、これらのうち1種又は2種以上の粉末成分を用いることができ、表面処理されていても構わない。
【0038】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0039】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0040】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、トレハロース、エリスリトール、POE・POPランダム共重合体メチルエーテル等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。
(1)安息香酸系紫外線吸収剤
例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステルなど。
(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤
例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレートなど。
(3)サリチル酸系紫外線吸収剤
例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレートなど。
(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤
例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメートなど。
(5)トリアジン系紫外線吸収剤
例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。
さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジンなど。
(6)その他の紫外線吸収剤
例えば、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0043】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0044】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0045】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、4−メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤等が挙げられる。
【0046】
これら必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより、本発明の固形粉末化粧料を製造することができる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については質量%で示す。
【0048】
実施例1〜8、比較例1〜9
下記の表1〜3に示す固形粉末化粧料(固形パウダリーファンデーション)を常法により調製し、得られた固形粉末化粧料を用いて専門パネルにより官能特性評価(なめらかさ、のび、粉っぽさ、化粧持ち(テカリ防止効果)、化粧持ち(ヨレ)、化粧持ち(くすみ))及び耐衝撃性評価を以下の基準で行った。
【0049】
なお、実施例1〜8及び比較例1〜9の粉末化粧料においては、処方中の粉末成分に油性成分を添加してヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて一定時間混合した後、ハンマー式粉砕機であるパルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕処理したものを中皿に充填し、加圧成型することで固形パウダリーファンデーションを得た。
【0050】
(1)官能特性評価
各実施例及び比較例で得られた粉末化粧料について、20名の女性パネラーにより、各化粧料を全顔に塗布し、なめらかさ、のび、粉っぽさ、及び3時間後の化粧持ち(テカリ、ヨレ、くすみ)について、それぞれ比較評価した。
【0051】
◎:17名以上が良いと回答
○:12名〜16名が良いと回答
△:9名〜11名が良いと回答
×:8名以下が良いと回答
【0052】
(2)耐衝撃性評価
各実施例及び比較例で得られた粉末化粧料を樹脂中にプレス成型し、化粧品用のコンパクト容器にセットし、サンプルとした。厚さ20mmの鉄板上に高さ30cmからサンプルを水平状態にて落下し、破損するまでの落下回数を耐衝撃性の評価とした。
【0053】
◎:10回以上で割れが生じた。
○:8回〜9回で割れが生じた。
△:6回〜7回で割れが生じた。
×:5回以下で割れが生じた。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
※1:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(信越化学工業株式会社製のKSP−100、平均一次粒子径:5μm)
※2:(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(信越化学工業株式会社製のKSP−300、平均一次粒子径:5μm)
※3:ジメチルシリル化無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルR972、平均一次粒子径:16nm)
※4:ダイマージリノール酸・フィトステロール・ベヘニルアルコールエステル(硬度:5.4N)
【0058】
比較例1では疎水化煙霧状シリカが配合されていないため化粧持ちに劣る結果となっており、また比較例2では疎水化煙霧状シリカが5質量%と多量に配合されているため、化粧持ちはよいがなめらかさ、のび、粉っぽさに劣り使用性が悪い。
それに対して、実施例1〜3は、疎水化煙霧状シリカが適正に配合されているため、全体的によい結果となっている。
【0059】
比較例3および比較例5ではいずれもシリコーンエラストマー球状粉末が配合されていないため、なめらかさ、のび、粉っぽさの使用性すべてに満足する固形粉末化粧料は得られていない。また比較例4はシリコーンエラストマー球状粉末が30質量%と多量に配合されているため、塗布時にヨレが生じ、耐衝撃性にも劣る結果となっている。
それに対して実施例1、4、5は、シリコーンエラストマー球状粉末が適正に配合されているため、いずれも全体的によい結果となっている。
【0060】
比較例6、8、9は、いずれも半固形油分が配合されていないため、耐衝撃性を満足する固形粉末化粧料は得られていない。このうち比較例9は、液状油分と固形油分を組み合わせて用いた例である。また比較例7は油分全体にしめる半固形油分の量が60質量%と多いため、耐衝撃性はよいものの、使用性や化粧持ちに劣る結果となっている。
それに対して実施例1、6、7、8は、半固形油分が適正に配合されているため、いずれも全体的によい結果となっている。
【0061】
次に、種々の剤型の本発明による固形粉末化粧料の配合例を実施例として説明する。
実施例9:固形パウダリーファンデーション 質量%
フッ素アクリル処理タルク 30
フッ素アクリル処理セリサイト 残余
合成マイカ 10
シリコーンエラストマー球状粉末 2
(トレフィルE−506S:東レ・ダウコーニング株式会社製)
シリコーンエラストマー球状粉末 5
(シリコーンパウダーKSP300:信越化学工業株式会社製)
ナイロン末 4
フッ素処理酸化チタン 11
ステアリン酸アルミ処理微粒子酸化チタン 5
赤色干渉系パール顔料 2
亜鉛華 2
疎水化煙霧状シリカ 1
(アエロジルR972:日本アエロジル社製)
フッ素処理ベンガラ 0.8
フッ素処理黄酸化鉄 2
フッ素処理黒酸化鉄 0.1
ジメチルポリシロキサン(6mPa・s) 2
メトキシケイヒ酸オクチル 3
スクワラン 2
ダイマージリノール酸・フィトステロール・ベヘニルアルコールエステル 2
ソルビタンセスキイソステアレート 1
クロルフェネシン 適量
酸化防止剤 適量
香料 適量
【0062】
(製法)
処方中の粉末成分に油性成分を添加してヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて一定時間混合した後、ハンマー式粉砕機であるパルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕処理したものを中皿に充填し加圧成型することで、固形パウダリーファンデーションを得た。
【0063】
実施例10:固形おしろい(プレストパウダー) 質量%
デシルトリシロキサンカルボン酸亜鉛被覆タルク 10
タルク 残余
亜鉛華 5
赤色干渉系パール顔料 3
微粒子酸化チタン 3
シリコーンエラストマー球状粉末 2
(シリコーンパウダーKSP100:信越化学工業株式会社製)
シリコーンエラストマー球状粉末 2
(シリコーンパウダーKSP300:信越化学工業株式会社製)
球状シリコーン粉末 1
(トスパール2000B:東芝シリコーン社製)
球状多孔質シリカ 2
(サンスフェアL−51:旭硝子社製)
疎水化煙霧状シリカ 1
(アエロジルR972:日本アエロジル社製)
ワセリン 1.5
リンゴ酸ジイソステアリル(2000mPa・s) 1
スクワラン 1
流動パラフィン 2
パラベン 適量
酸化防止剤 適量
香料 適量
【0064】
(製法)
処方中の粉末成分に油性成分を添加してヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて一定時間混合した後、ハンマー式粉砕機であるパルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕処理したものを中皿に充填し加圧成型することで、固形おしろいを得た。
【0065】
上記実施例9及び10により得られた粉末化粧料は、いずれもなめらかさ、のび、粉っぽさのなさ、化粧もちといった各種実用特性の点で優れており、また、耐衝撃性も良好なものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)平均一次粒子径が1〜20nmの疎水化煙霧状シリカ 0.1〜3質量%と、
(B)平均一次粒子径が1〜30μmのシリコーンエラストマー球状粉末 0.1〜20質量%と、
(C)25℃における硬度が0.1〜10Nである半固形油分を油分総量に対して0.1〜50質量%、
を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項2】
前記半固形油分が、ダイマージリノール酸エステルであって、アルコール残基が、フィトステリル基および、炭素数が16〜22の直鎖高級アルコール残基を含むダイマージリノール酸・フィトステロール・高級アルコールエステルであることを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
前記半固形油分が、ダイマージリノール酸エステルであって、アルコール残基が、フィトステリル基および、ベヘニルアルコール残基からなるダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)であることを特徴とする請求項2記載の固形粉末化粧料。

【公開番号】特開2009−209139(P2009−209139A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25676(P2009−25676)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】