説明

固形製剤

本発明は、医薬化合物である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの固形製剤、ならびに、その調製および医薬使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化合物である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを含む固形製剤、および、その医薬としての使用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
抗精神病薬開発の目的は、高い有効性、および従来の抗精神病薬の投薬に通常関連する副作用がより少ないなどの安全性を有する薬剤を開発することであった。米国特許第4,879,288号(参照により本明細書に組み込まれる)において、フマル酸クエチアピンが記載されている。フマル酸クエチアピンは、精神病の陽性(幻覚、妄想)と陰性症状(感情的引きこもり、感情鈍麻、無感動)の両方を治療することができ、神経学的な副作用および内分泌関連の副作用がそれまでの薬物と比較して少ないことに関連する。またフマル酸クエチアピンは、敵意や攻撃性の減少にも関連している。フマル酸クエチアピンは、EPS、急性ジストニア、急性ジスキネジア、および、遅発性ジスキネジアのような関連する副作用がより少ない。またフマル酸クエチアピンは、常習性を減らしつつ、治療に対する患者のコンプライアンス、能力が機能すること、および、全体的な生活の質を、高めることにも役立つ。P.Weiden等,Atypical antipsychotic drugs and long−term outcome in schizophrenia,11 J.Clin.Psychiatry,53〜60,57(1996)。フマル酸クエチアピンの高められた忍容性のプロファイルのために、フマル酸クエチアピンの使用は、抗精神病薬の副作用に過敏な患者(例えば高齢の患者)の治療に特に有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
E.Warawa等,Behavioral approach to nondyskinetic dopamine antagonists:identification of Seroquel,44,J.Med.Chem.,372〜389(2001)において、11−(ピペラジン−1−イル)ジベンゾ[b,f][1,4]−チアゼピンの誘導体、および、関連する化合物(例えばクエチアピンの代謝産物)が製造され、評価されている。C.L.Devane等,Clin.Pharmacokinet.,40(7),509〜522(2001)では、クエチアピンの代謝が報告されており、その図1において11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの構造(以下の式Iを参照)が示されている。この化合物は、米国特許第3,539,573号でSchmutz等によって報告されている。またこの化合物は、米国特許第4,879,288号で報告されているようにクエチアピンの製造方法でも用いられている。今般思い出されたことは、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、ヒトにおいて、クエチアピンの血中代謝産物ということである。
【化1】

【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、固形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンと、賦形剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、コーティング剤、甘味料、着香料、および、滑沢剤から選択される少なくとも1種の医薬品添加剤とを含む固形製剤を提供する。
【0005】
本発明はさらに、これらに限定されないが:1)統合失調症、およびその他の精神病性障害、例えば、これらに限定されないが、精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、および、一般身体疾患による精神病性障害;2)認知症、およびその他の認識障害;3)不安障害、例えば、これらに限定されないが、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖、特定の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、および、一般身体疾患による全般性不安障害;4)気分障害、例えば、これらに限定されないが、a)抑うつ障害、例えば、これらに限定されないが、大うつ病性障害、および、気分変調性障害、および、b)双極性うつ病、および/または、双極性躁病、例えば、これらに限定されないが、双極性I型障害、例えば、これらに限定されないが、躁病、うつ病または混合エピソードを伴う双極性I型障害、および、双極性II型障害、c)気分循環性障害、d)一般身体疾患による気分障害;5)睡眠障害;6)通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害、例えば、これらに限定されないが、精神遅滞、学習障害、運動能力障害、コミュニケーション障害、広汎性発達障害、注意欠陥および破壊的行動障害、幼児期または小児期早期の哺育、摂食障害、チック障害、および、排泄障害;7)物質関連障害、例えば、これらに限定されないが、物質依存、物質乱用、物質中毒、物質離脱、アルコール関連障害、アンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害、カフェイン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤関連障害、吸入剤関連障害、ニコチン関連障害、オピオイド関連障害、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害、および、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬関連障害;8)注意欠陥および破壊的行動障害;9)摂食障害;10)人格障害、例えば、これらに限定されないが、強迫性人格障害;および、11)衝動制御障害に関連する少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、哺乳動物に、治療有効量の本発明の製剤を投与することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
式Iで示される化合物は、抗ドーパミン作動活性を示すジベンゾチアゼピンである。これは、広範囲の神経伝達物質の受容体と相互作用することが示されているが、脳内のドーパミン(D2)受容体に比べて高いセロトニン(5−HT2)受容体への親和性を有する。霊長類の被検体の予備的な陽電子放射断層撮影法(PET)スキャンによれば、式Iで示される化合物は脳に到達して、D1、D2、5−HT2Aおよび5−HT1A受容体、ならびに5−HT輸送体を占有することが示された。しかしながら、式Iで示される化合物は、マウスの標準的なアポモルヒネを用いた水泳試験(経口)、および、ラットのD−アンフェタミンを用いた自発運動活性試験(皮下)において有効性が示されなかった。
【0007】
また式Iで示される化合物は、5−HT1A部分アゴニスト活性を有することも示されており、さらにマウスおよびラットのうつ病モデルにおいて、インビボでの有効性も示されている。式Iで示される化合物は、抗精神病薬で典型的に観察されるような急性ジストニア、急性ジスキネジア、加えて、遅発性ジスキネジアのような副作用を引き起こす可能性が低い抗精神病薬として使用することができる。さらにアルファ受容体結合データから得られた結果によれば、式Iで示される化合物は、クエチアピンの忍容性よりも改善された忍容性を有することが示唆されており、さらに、観察される低血圧の発生率が低くなる可能性も示唆されている。さらに式Iで示される化合物を用いてあらゆる年齢の患者を治療することができ、なかでも高齢の患者の治療において有利である。
【0008】
本発明は特に、医薬化合物である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(式I)を含む固形製剤を提供する。本発明の製剤は、固体の形態であってもよく、このような形態としては、例えば経口投与に適した、または、懸濁液の調製に適した粉末形態もしくは圧縮粉末が挙げられる。固形製剤はあらゆる適切な方法で製造が可能であり、このような方法としては、例えば湿式造粒法が挙げられる。
【0009】
本発明の固形製剤は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを固体の形態で含んでいてもよく、例えば無定形固体、結晶質固体、または、それらの混合物の形態で含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、固形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、例えば、A型結晶、またはその他の結晶形の特徴を有する結晶質である。
【0010】
本発明の固形製剤はさらに、賦形剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、コーティング剤、甘味料、着香料、滑沢剤、またはその他の成分から選択される少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本固形製剤は、無機塩の賦形剤、セルロース賦形剤、オリゴ糖の賦形剤、非セルロース系結合剤、崩壊剤、および、滑沢剤から選択される添加剤を含む。
【0011】
適切な賦形剤としては、例えば、オリゴ糖(例えば、ラクトース)、糖類、スターチ、加工デンプン、糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール)、無機塩、セルロース誘導体(例えば、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、セルロース、ヒプロメロース)、硫酸カルシウム、アルミニウムおよびマグネシウムシリケート錯体および酸化物などが挙げられる。無機塩の賦形剤の例は、第二リン酸カルシウム二水和物のようなリン酸塩または硫酸塩である。
【0012】
適切な結合剤としては、例えば、ポビドン、ラクトース、スターチ、加工デンプン、糖類、アラビアゴム、トラガントゴム、グアーガム、ペクチン、ワックス系結合剤、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。非セルロース系結合剤としては、セルロース主鎖を含まない高分子結合剤およびその他の結合剤が挙げられる。非セルロース系結合剤の例としては、ポビドン、ラクトース、スターチ、加工デンプン、ゴム類、グアーガム、ペクチン、ワックス、ゼラチン、アルギン酸塩などが挙げられる。
【0013】
適切な崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、コーンスターチ、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
【0014】
適切な滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナウバロウ、硬化植物油、ミネラルオイル、ポリエチレングリコール、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。
【0015】
使用可能な甘味料としては、人工および天然甘味料、例えばアスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、および糖の甘味料、例えばキシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、デキストロース、スクロース、マルトース、部分加水分解デンプン(例えば、マルチトールのシロップ)、または、粉あめ(corn syrop solid)、および、糖アルコール、例えばソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセリン、ならびに、それらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、用いられるグリセリンの種類は米国薬局方グレードである。糖の甘味料として好ましくは、高フルクトースコーンシロップ、および、それらの混合物である。
【0016】
適切な着香料としては、これらに限定されないが、天然の着香料、天然の果実フレーバー、人工の着香料、人工の果実フレーバー、フレーバーを強化する物質、または、それらの混合物が挙げられる。天然の着香料、人工の着香料、または、それらの混合物としては、これらに限定されないが、ミント(例えば、ペパーミント、または、スペアミント)、メントール、桂皮、バニラ、人工バニラ、チョコレート、人工チョコレート、または、バブルガムが挙げられる。天然の果実フレーバー、人工の果実フレーバー、または、それらの混合物としては、これらに限定されないが、サクランボ、ブドウ、オレンジ、イチゴ、または、レモンが挙げられる。フレーバーを強化する物質としては、これらに限定されないが、クエン酸が挙げられる。
【0017】
適切な懸濁化剤としては、例えば、アルファ化デンプン、粉末セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、エチルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アタパルジャイト(コロイド状のケイ酸マグネシウムアルミニウム)、ベントナイト(コロイド状のケイ酸アルミニウム)、ヘクトライト(コロイド状のケイ酸マグネシウムアルミニウム)、海泡石(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカゲル、コロイド状二酸化ケイ素、アカシア、寒天、カラギーナン、グアーガム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、タマリンドガム、トラガント、キサンタンガム、カルボマー、ポビドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、グリシルリチン、および、デンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる。
【0018】
適切な持続放出性のコーティング剤としては、エチルセルロース、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
【0019】
添加することができる追加の従来の添加剤としては、保存剤、安定剤、抗酸化剤、シリカフローコンディショナー、固結防止剤、または、流動促進剤が挙げられる。
【0020】
保存剤としては、これらに限定されないが、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、エデト酸塩(また、エチレンジアミン四酢酸塩、または、EDTAとしても知られており、例えばエデト酸二ナトリウムである)、パラベン(例えば、メチル、エチル、プロピル、および、ブチルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、または、それらの混合物)、または、それらの混合物が挙げられる。
【0021】
その他の適切な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤およびその他の使用可能な添加剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients,第2版,American Lachman,Leon,1976;Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets 第1巻,第2版,Lieberman,Herbert A.等,1989;Modern Pharmaceutics,Banker,GilbertおよびRhodes,Christopher T,1979;および、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第15版,1975で説明されている(これらはそれぞれ、参照により本明細書にその全体が組み込まれる)。
【0022】
本発明の固形製剤は、例えば、約0.1〜約99%、約0.1〜約90、約0.1〜約85、約0.1〜約80、約0.1〜約75、約0.1〜約70、約0.1〜約65、約0.1〜約60、約0.1〜約55、約0.1〜約50、約0.1〜約45、約0.1〜約40、約0.1〜約35、約0.1〜約30、約0.1〜約25、約0.1〜約20、約0.1〜約15、約0.1〜約12、約0.1〜約10、約0.1〜約8、約0.1〜約5、約0.1〜約4、約0.1〜約3、約0.1〜約2、約0.1〜約1.5、約0.1〜約1、または、約0.1〜約0.5質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(式I)を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約0.3、約0.7〜約2.0、約4.0〜約10.0、約14.0〜約37.0、または、約40.0〜約60.0質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(式I)を含む。いくつかの実施態様において、本固形製剤は、約0.2、約0.8、約1.0、約1.7、約5.0、約8.3、約10.0、約16.7、約25.0、約33.3、または、約50.0質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(式I)を含む。
【0023】
本発明の固形製剤はさらに、賦形剤を含んでいてもよい。適切な賦形剤は、上記で示された通りである。いくつかの実施態様において、賦形剤としては、無機塩が挙げられ、例えばクロリド、リン酸、硫酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩などである。いくつかの実施態様において、賦形剤は、第二リン酸カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施態様において、無機の賦形剤は、約1〜約25、約1〜約20、または、約3〜約17質量%の量で存在する。いくつかの実施態様において、無機の賦形剤は、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、または、約17質量%の量で存在する。
【0024】
いくつかの実施態様において、本発明の製剤は、セルロース賦形剤を含み、例えば微結晶セルロース、または、ケイ化微結晶セルロースである。セルロース賦形剤は、約10〜約95、約10〜約75、約10〜約60、約15〜約50、約40〜約90、または、約50〜約90質量%のセルロース賦形剤の量で存在していてもよい。いくつかの実施態様において、微結晶セルロースは、約15〜約50質量%の量で存在する。いくつかの実施態様において、ケイ化微結晶セルロースは、約50〜約90質量%の量で存在する。いくつかの実施態様において、上記セルロースは、約15、約16、約17、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約53、約54、約55、約76、約77、約78、約81、約82、約83、約84、約85、または、約86質量%の量で存在する。
【0025】
いくつかの実施態様において、本発明の製剤は、ラクトースのようなオリゴ糖の賦形剤を含む。いくつかの実施態様において、オリゴ糖の賦形剤は、約15〜約50、約15〜約45、または、約18〜約43質量%の量で存在する。いくつかの実施態様において、オリゴ糖の賦形剤は、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、または、約44質量%の量で存在する。
【0026】
いくつかの実施態様において、本製剤は、非セルロース系結合剤を含み、例えばポビドン、または、コポビドン(copovidone)を含む。いくつかの実施態様において、結合剤は、約0.5〜約15、約0.5〜約10、または、約1〜約10質量%の量で存在する。いくつかの実施態様において、結合剤は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または、約10質量%の量で存在する。
【0027】
いくつかの実施態様において、本製剤は崩壊剤を含み、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、または、クロスポビドンを含む。例えば、崩壊剤は、約1〜約15、約1〜約12、または、約1〜約10質量%の崩壊剤の量で存在する。いくつかの実施態様において、本製剤は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または、約10質量%の崩壊剤を含む。
【0028】
いくつかの実施態様において、本発明の製剤は滑沢剤を含み、例えばステアリン酸マグネシウム、または、フマル酸ステアリルナトリウムを含む。例えば、滑沢剤は、約0.1〜約8、約0.5〜約6、約0.5〜約5、または、約0.5〜約3質量%の量で存在していてもよい。いくつかの実施態様において、滑沢剤は、約0.5、約0.75、約1、約1.5、約2、約3、約4、または、約5質量%の量で存在していてもよい。
【0029】
いくつかの実施態様において、本製剤は、懸濁化剤を含む。懸濁化剤は、約1〜約10%、約1〜約8%、または、約1〜約5質量%の量で存在していてもよい。いくつかの実施態様において、懸濁化剤は、約4、約5、または、約6質量%の量で存在する。
【0030】
いくつかの実施態様において、本製剤は、コーティング剤を含む。コーティング剤は、約1〜約15%、約1〜約10%、約1〜約8%、または、約1〜約5質量%の量で存在していてもよい。いくつかの実施態様において、コーティング剤は、約9、約10、または、約11質量%の量で存在する。
【0031】
いくつかの実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約1〜約25質量%の無機塩の賦形剤;約10〜約95質量%のセルロース賦形剤;約15〜約50質量%のオリゴ糖の賦形剤;約0.5〜約15質量%の非セルロース系結合剤;約1〜約15質量%の崩壊剤;および、約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む。
【0032】
さらなる実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約75質量%の前記11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約1〜約25質量%の第二リン酸カルシウム二水和物;約10〜約95質量%の微結晶セルロース、または、ケイ化微結晶セルロース;約15〜約50質量%のラクトース;約0.5〜約15質量%のポビドン、または、コポビドン;約1〜約15質量%のデンプングリコール酸ナトリウム、または、クロスポビドン;および、約0.1〜約8質量%のステアリン酸マグネシウム、または、フマル酸ステアリルナトリウムを含む。
【0033】
さらなる実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約40〜約90質量%のセルロース賦形剤;約1〜約15質量%の崩壊剤;および、約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む。
【0034】
さらなる実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約40〜約90質量%のケイ化結晶セルロース;約1〜約15質量%のクロスポビドン;および、約0.1〜約8質量%のフマル酸ステアリルナトリウムを含む。
【0035】
さらなる実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約25〜約55質量%のセルロース賦形剤;約15〜約50質量%のオリゴ糖の賦形剤;約1〜約15質量%の崩壊剤;および、約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む。
【0036】
さらなる実施態様において、本固形製剤は、約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約25〜約55質量%の微結晶セルロース;約15〜約50質量%のラクトース;約1〜約15質量%のクロスポビドン;および、約0.1〜約8質量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0037】
本発明の固形製剤は、錠剤、カプレット、カプセル、サシェなどの固形の剤形を調製するのに用いることができる。いくつかの実施態様において、固形の剤形は、経口投与に適している。固形の剤形中の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの量は、約0.1〜約1000mg、約0.1〜約750mg、または、約0.1〜約500mgであり得る。いくつかの実施態様において、固形の剤形中に存在する11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの量は、約1、約2、約3、約4、約5、約10、約25、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または、約600mgである。いくつかの実施態様において、固形の剤形の総質量(例えば、活性成分に加えて添加剤、コーティングなど)は、約50〜約1500mgである。例えば、固形の剤形の総質量は、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000、約1100、または、約1200mgである。
【0038】
活性成分である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、使用直前に懸濁液を調製するのに適した粉末の剤形として、または、あるいは食品に添加するのにに適した粉末の剤形として製剤化することができる。本製剤は、典型的には、軽いかさ密度を有する易流動性粉末である。このような製剤は、例えば賦形剤、甘味料、および、懸濁化剤などの添加剤の組み合わせを用いることによって製造できる。賦形剤の例としては、ラクトース、スターチ、マルトデキストリン、ヒプロメロース、微結晶セルロースなどが挙げられる。甘味料の例としては、アスパルテーム、ラクチトール、サッカリン、スクロース、フルクトース、キシリトールなどが挙げられる。懸濁化剤の例としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、キサンタンガム、セラオニア(ceraonia)、サポナイト、マルチトール、ヒプロメロース、コロイド状二酸化ケイ素などが挙げられる。
【0039】
本発明の固形製剤は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンに加えて、追加の活性成分を含んでいてもよい。追加の活性成分の例としては、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害剤、または、気分安定剤が挙げられる。
【0040】
典型的なベンゾジアゼピンとしては、これらに限定されないが、アジナゾラム、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロナゼパム、クロラゼプ酸塩、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、バレゼパム(balezepam)、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、および、それらと等価なものが挙げられる。
【0041】
典型的な5−HT1A、および/または、5−HT1Bリガンドとしては、これらに限定されないが、ブスピロン、アルネスピロン、エルザソナン、イプサピロン、ゲピロン、ゾピクロン、および、それらと等価なものが挙げられる。
【0042】
典型的なmGluR2アゴニストとしては(1S,3R)−1−アミノシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸(2S,3S,4S)アルファ−(カルボキシシクロプロピル)グリシン、および、3,5−ジヒドロキシフェニルグリシンが挙げられる。
【0043】
典型的な抗うつ薬としては、これらに限定されないが、マプロチリン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、SSRIおよびSNRI、例えばフルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、セルトラリン、ベンラファキシン、フルオキサミン、ならびに、レボキセチンが挙げられる。
【0044】
典型的な抗精神病薬としては、これらに限定されないが、クロザピン、リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アミスルプリド、スルピリド、ゾテピン、クロルプロマジン、ハロペリドール、ジプラシドン、および、セルチンドールが挙げられる。
【0045】
典型的な気分安定剤としては、これらに限定されないが、バルプロ酸(バルプロ酸塩)およびその誘導体(例えば、ジバルプロエックス(divalproex))、ラモトリギン、リチウム、ベラパミル、カルバマゼピン、ならびに、ガバペンチンが挙げられる。
【0046】
本発明の製剤は、従来技術を用いた従来の手法により得ることができる。例えば、上記活性成分は、典型的には、固形添加剤と混合してもよいし、固形添加剤で希釈してもよいし、または、例えばカプセル、サシェ、紙、またはその他の容器の形態のキャリアー内に封入してもよい。従って、本組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、例えば10質量%以下の上記活性な化合物を含む軟膏剤、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、および、滅菌パッケージ化散剤の形態が可能である。
【0047】
本発明の製剤は、例えば経口、皮下、局所などのあらゆる経路で投与することができる。
【0048】
単一剤形を生産するための1種またはそれ以上の固形添加剤と組み合わされる活性成分の量は、必然的に、治療されるホストおよび具体的な投与経路に応じて様々であると予想される。治療または予防目的のための上記活性な化合物の用量の規模は、当然ながら、症状または状態の性質および重症度、動物または患者の年齢および性別、ならびに投与経路によって、よく知られた医療の原則に従い様々であると予想される。
【0049】
本発明はさらに、統合失調症、およびその他の精神病性障害(例えば、精神病性障害、精神病);認知症、およびその他の認識障害、不安障害(例えば、全般性不安障害);気分障害(例えば、抑うつ障害、大うつ病性障害;双極性障害、例えば双極I型およびII型、双極性躁病、双極性うつ病);睡眠障害;通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害(例えば、注意欠陥障害、および、破壊的行動障害);および、神経変性障害に関連する少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、哺乳動物に、医薬的に有効な量の本発明の固形製剤、または、それらの1種またはそれ以上を含む組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、上記症状および状態としては、これらに限定されないが、一般的に精神病および神経変性障害に伴う不安、動揺、敵意、パニック、摂食障害、感情的な症状、気分症状、精神病の陰性および陽性症状が挙げられる。いくつかの実施態様において、上記症状および状態は、精神病、統合失調症、双極I型および不安のいずれかである。
【0050】
いくつかの実施態様において、本発明はさらに、これらに限定されないが:1)統合失調症、およびその他の精神病性障害、例えば、これらに限定されないが、精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、および、一般身体疾患による精神病性障害;2)認知症、およびその他の認識障害;3)不安障害、例えば、これらに限定されないが、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖、特定の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、および、一般身体疾患による全般性不安障害;4)気分障害、例えば、これらに限定されないが、a)抑うつ障害、例えば、これらに限定されないが、大うつ病性障害、および、気分変調性障害、および、b)双極性うつ病および/または双極性躁病、例えば、これらに限定されないが、双極性I型障害、例えば、これらに限定されないが、躁病エピソード、うつ病エピソードまたは混合性エピソードを伴う双極性I型障害、および、双極性II型障害、c)気分循環性障害、d)一般身体疾患による気分障害;5)睡眠障害;6)通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害、例えば、これらに限定されないが、精神遅滞、学習障害、運動能力障害、コミュニケーション障害、広汎性発達障害、注意欠陥および破壊的行動障害、幼児期または小児期早期の哺育、摂食障害、チック障害、および、排泄障害;7)物質関連障害、例えば、これらに限定されないが、物質依存、物質乱用、物質中毒、物質離脱、アルコール関連障害、アンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害、カフェイン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤関連障害、吸入剤関連障害、ニコチン関連障害、オピオイド関連障害、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害、および、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬関連障害;8)注意欠陥および破壊的行動障害;9)摂食障害;10)人格障害、例えば、これらに限定されないが、強迫性人格障害;および、11)衝動制御障害に関連する少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、患者に、医薬的に有効な量の本明細書で開示される製剤を投与することによってなされる。
【0051】
上記の状態および障害は、例えば、米国精神医学会(American Psychiatric Association):Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第四版,テキスト改訂版,ワシントンDC,米国精神医学会,2000で定義される。また物質乱用および物質依存、ならびに関連する障害も同書で定義される。またこのマニュアルは、物質の使用、乱用および依存性に関連する症状および診断上の特徴に関するさらなる詳細についても参照することができる。物質乱用および物質依存を引き起こす典型的な物質としては、アンフェタミン、大麻、コカイン、クラック、幻覚薬、吸入剤、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬、および、アルコールのような薬物が挙げられる。またニコチンも、物質依存を引き起こす可能性がある。
【0052】
いくつかの実施態様において、有効量の本発明の固形製剤を用いて治療が可能である症状および状態としては、抑うつ障害(例えば、大うつ病性障害)、不安障害(例えば、全般性不安障害)、および、物質関連障害が挙げられる。
【0053】
本発明はさらに、本明細書で開示される少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、哺乳動物に、医薬的に有効な量の本発明の固形製剤、および、治療有効量の少なくとも1種のその他の治療活性を有する物質を投与することによってなされ、ここにおいて上記その他の治療活性を有する物質は、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害剤、および、気分安定剤から選択される。
【0054】
2種またはそれ以上の活性物質の投与は、併用療法の利点が得られるように設計された適切な投与計画の一環として、例えば、同じ製剤の一部として組み合わせて行ってもよいし、または、別々に(例えば、連続的に、または、逐次的に)行ってもよい。適切な投与計画、投与される活性物質の各投与量、および、各活性物質の投与間の特定のインターバルは、治療される対象、投与される具体的な活性物質、および、治療される特定の障害または状態の性質および重症度に依存すると予想される。
【0055】
一般的に、本明細書で示される製剤は、哺乳動物に、単回投与で、または、反復投与で、活性物質を1日あたり約750mgの以下の量で、特に1日あたり約75mg〜約750mgの量で投与することができる。本発明のその他の形態において、本明細書で示される製剤は、哺乳動物に、1日あたり約1mg〜約600mgの量で投与してもよい。本発明のさらなる形態において、本明細書で示される製剤は、1日あたり約100mg〜約400mgの量で投与してもよい。本製剤は、1日あたり6回以下、または、1日あたり1〜4回の処方計画で投与してもよい。治療される哺乳動物、および、治療に対する個体の反応、ならびに選択された医薬製剤のタイプ、および、このような投与が行われる期間およびインターバルに応じて、バリエーションが生じ得る。場合によっては、前述の範囲の下限より低い用量レベルで十分な可能性があり、一方でその他のケースにおいては、上限よりも高い用量を用いて所望の効果を達成する可能性もあるが、ただしこのような高い用量を用いる場合、まずは一日投与量を数回の少ない用量に分割する。
【0056】
いくつかの実施態様において、哺乳動物には、予め決められた用量を含む製剤が1日1回〜4回で投与され、ここにおいて上記予め決められた用量は、約1mg〜約600mgである。
【0057】
本発明はまた、本明細書で示された症状または状態の治療方法を提供し、該方法は、本発明の製剤中の初期の予め決められた用量の上記活性成分を、患者(ヒト)に1日2回投与する工程を含み、ここにおいて上記予め決められた用量は1mg〜30mgであり、2日目および3日目には、許容される程度に1〜50mgずつ増加させて1日2回投与される。それに続いて、さらなる用量の調節は、2日のインターバル、またはそれより長いインターバルで行うことができる。
【0058】
本明細書において用いられる語句「製薬上許容できる」は、信用できる医療的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激性、アレルギー性応答、またはその他の問題、もしくは合併症を起こすことがなく、理にかなったベネフィット・リスク比に相応する、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適した化合物、材料、組成物および/または剤形を意味する。
【0059】
「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師またはその他の臨床医によって考慮されている組織、系、動物、個体またはヒトにおいて生物学的または医薬的な反応を惹起する活性化合物または薬剤の量を意味し、これは、臨床医によって当技術分野既知の多数の方法を用いることによって容易に決定することができ、このような方法の例は、敵意と陽性症状のレベルを評価するために用いることができるBPRSクラスタースコアである。
【0060】
本発明に関して、用語「治療(すること)」は、すでに存在する疾患の状態、急性もしくは慢性、または、再発性の症状もしくは状態のいずれかを軽減または抑制するために、治療有効量の式Iで示される化合物を投与することを含むことを意味する。また、再発性の状態を予防するための予防的治療、および、慢性障害のための継続的な治療も包含される。
【0061】
用語「哺乳動物」は、あらゆる温血動物を意味し、好ましくはヒトである。いくつかの実施態様において、哺乳動物は、上述の症状、疾患または障害の1種またはそれ以上に罹っているか、または、それらを発症する傾向があるため、治療が必要である。
【0062】
本明細書で開示される固形製剤のいずれか、または全部は、それらのあらゆる組み合わせも含めて、これらは本明細書で開示される疾患、障害または状態のいずれかを治療するための薬剤の製造において用いることができる。
【0063】
本明細書において開示された発明をより効率的に理解できるようにするために、以下の実施例を提供する。当然ながらこれらの実施例は単に説明のためであるが、どのような形でも本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0064】
実施例1:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの製造
製造A(A型)
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン塩酸塩を含む水溶液(584mL;例えば以下の製造Bで開示されているような、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンのトルエン溶液から水/HClへの抽出によって製造された)を、ジャケット付き1Lフラスコに入れた。次にこのフラスコに、トルエン(500mL)、および、水酸化ナトリウム(48%w/w,33.0g)を入れた。この混合物を70℃で30分間撹拌したところ、白濁した。次にこの混合物を30分間そのままにし、相分離させた。トルエン層を、70℃で、2×100mLの水で洗浄した(1回目の洗浄=pH10.3;2回目の洗浄=pH8.0)。最終的なトルエン体積は560mLであり、約74gの11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを優れた純度で含んでいた。
【0065】
上記の手法を繰り返してさらに4種の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン塩酸塩の水溶液を得て、その結果得られた5種のトルエン溶液を合わせ、乾燥するまでロータリーエバポレーターで蒸発させた。次に、得られた硬い固体をジャケット付き容器に入れ、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)(500mL)でスラリー化した。得られたスラリーを周囲温度で一晩撹拌し、続いて5℃に冷却し、4時間保持した。11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンである固形生成物をNo.3のシンターで単離し、冷たいMTBE(200mL)で洗浄した。得られたケークを真空オーブンで60℃で一晩乾燥させ、373gの生成物を得た。
【0066】
製造B(A型)
ピペラジンと、トルエン中の11−クロロ−ジベンゾ[b,f][1,4]−チアゼピンとの反応によって製造された11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンのトルエン溶液(1500mL,0.686mol)(例えば、米国特許第4,879,288号を参照)を、脱イオン水(1500mL)、および、HCl(32%w/w)(90mL)で処理した。得られた混合物を70℃に加熱し、45分間撹拌した。撹拌を止めて、この混合物をそのままにし、30分間かけて相を分離させた。11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンのHCl塩を含む下部の水相を単離した。続いて水相をトルエン1000mL、および、NaOH水溶液(47%w/w)99gで処理した。得られた混合物を70℃に加熱し、45分間撹拌した。撹拌を止めて、この混合物をそのままにし、30分間かけて相を分離させた。下部の水相を捨て、上部の有機相を保存して、これに脱イオン水300mLを添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、続いて30分間そのままにした。水相を捨て、有機相を保存した。有機相を脱イオン水300mLでもう一度抽出した。有機相からトルエン約750mLを蒸留して除いた。得られた濃縮物を60℃に冷却し、次にメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)200mLを添加した。得られた混合物を周囲温度に冷却し、次にA型の種結晶を入れた。次に、種結晶が入れられた混合物を10℃に冷却し、この温度でゆっくり撹拌しながら3時間保持した。No.3のシンターを介して得られた固体を吸引下で単離した。次に、この固体生成物をMTBE120mLで周囲温度で洗浄し、および、40℃で真空下で乾燥させ、結晶生成物175g(86.4%)を得た。HPLCによる面積の%による分析:99.9%w/w。
【0067】
上述のようにして製造された固形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(30g,0.1016mol)を、イソプロパノール(120mL)中でスラリー化した。得られた混合物を約63〜64℃に温め、固体を完全に溶解させた。得られた溶液を予熱した(約55℃)孔径6μmのろ紙を備えた分岐型のブーフナー漏斗でろ過した。次に、ろ過した溶液を55℃に調整し、A型の種結晶(0.024g)を入れた。種結晶が入れられた溶液を55℃で約2時間維持し、直線的な勾配で6時間かけて40℃に冷却し、直線的な勾配で2時間かけて20℃に冷却し、続いて直線的な勾配で1時間かけて0℃に冷却した。得られたスラリーを0℃で12時間保持し、固体生成物のケーク(高さ13mm×直径68mm)をろ過によって単離した。この生成物のケークを取り出し、予め0℃に冷却したイソプロパノール30mLで洗浄し、ケークを脱液させた。次に、生成物を40℃で真空下で乾燥させ、24.9g(83%)のA型を得た。NMRによる分析:98.9%w/w。
【0068】
以下のチャートAに、A型結晶の粉末X線回折ピークデータを示す。
【表1】

【0069】
製造C(無定形)
磁気式の撹拌棒と窒素注入口を有する還流冷却器を備えた1000mLの丸底フラスコに、乾燥固体としてジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11(10−H)−オン(J.Schmutz等,Helv.Chim.Acta.,48:336(1965)の方法によって製造された)25.0g(0.110mol)、それに続いてPOCl3(310mL)、および、N,N−ジメチルアニリン(3mL)を入れた。この反応混合物を6時間加熱還流し(106℃)、透明なオレンジ色の溶液を得た。次に、この反応液を室温に冷却し、POCl3をロータリーエバポレーターで除去したところ、オレンジ色の油が残留した。この残留物を、氷水(500mL)と酢酸エチル(800mL)との間で分配した。層を分離し、酢酸エチル(3×200mL)で水相を抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、続いてロータリーエバポレーターで揮発させたところ、未精製のイミノ塩化物が淡黄色の固体として残留した(26.26g,97%収量)。NMRとマススペクトロスコピーでその構造を確認した(300MHz,CDCl3;ES+,M+1=246.7)。磁気式撹拌子と窒素注入口を有する還流冷却器を備えた2000mLの丸底フラスコ中で、未精製のイミノ塩化物(27.35g,0.111mol)を、o−キシレン(1000mL)に添加した。この溶液に、市販のピペラジン(47.95g,0.557mol)を、室温で、乾燥固体として一度に添加した。この混合物を、ほぼ全てのピペラジンが溶解するまで撹拌した。次に、この反応混合物を(都合で)40時間加熱還流した(142℃)。次に、反応液を自然に室温に冷却させ、アリコートを1NのNaOHとCH2Cl2との間で分配した。TLC(シリカゲル、90:10のCH2Cl2/メタノール、ヨードの白金塩で可視化した)で有機相をチェックしたところ、1つの主要な生成物に良好に変換されたことを示した(Rf=0.45)。この反応溶液の一滴をCH3CNで希釈し、LC/MS解析のためのサンプルを製造し、この解析によって所望の生成物の存在を確認した(M+1=296.4)。この反応混合物をロータリーエバポレーターで高真空下で揮発させ、キシレンを除去した。残留物を1NのNaOH(400mL)とCH2Cl2(200mL)との間で分配した。層を分離し、CH2Cl2(3×200mL)で水相をさらに抽出した。合わせたCH2Cl2抽出物をブライン(200mL)で洗浄し、次にMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで揮発させ、未精製の表題の化合物を黄色のゴム状物として得た(35.3g)。未精製の遊離塩基を、フラッシュカラムクロマトグラフィーで、シリカゲル(600g)を用いてCH2Cl2中の0〜20%メタノールの濃度勾配で溶離させることによって精製した。純粋な所望の生成物を含む分画を合わせ、ロータリーエバポレーターで揮発させ、精製された遊離塩基を淡黄色の発泡体として得た(25.67g,78%収量)。
【0070】
実施例2:A型の安定性
A型の個々のサンプルを、様々な溶媒(アセトン、エタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、および、水)中でスラリー化した。これらの混合物を室温で密封した容器中で一晩撹拌した。次に、これらのサンプルをろ過し、真空中で50℃で2時間乾燥させた。試験されたそれぞれの溶媒中で得られた物質は、A型と一致するXRPD回折パターンを有する白色の結晶質の物質であった。従って、A型は、様々な溶媒およびワークアップ条件において優れた安定性を有する。
【0071】
実施例3:A型の熱分析
図2に、A型と一致するDSCおよびTGAデータを示す。このDSCデータによれば、123.1℃において1つのシャープな吸熱性の事象を示し、これは、分解の前に溶融が起こる事象に一致する。TGAデータによれば、水/溶媒領域における0.4%の質量減少が示された。
【0072】
実施例4:A型の動的ベーパーソープション分析(Dynamicvapor Sorption Analysis)
A型のDVSデータから、結晶形は、非吸湿性であり、ヒステリシスを起こすことなくほんのわずかな可逆的な水の増加しか示さないことが明らかになった。図3で示されるように、2つのサイクルはよく重なっており、形態の変化の証拠はみられない。
【0073】
実施例5:湿式造粒製剤
造粒機中で、固形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、ポビドン、第二リン酸カルシウム、および、微結晶セルロースの一部、および、デンプングリコール酸ナトリウムを水と混合し、顆粒を形成した。この顆粒を乾燥機中で乾燥させ、続いて適切なスクリーンを備えたミルを用いて用いられる大きさにした。粉砕した物質に、微結晶セルロースの残り、および、デンプングリコール酸ナトリウムをラクトースと共に添加し、ブレンドした。これにステアリン酸マグネシウムを添加して、さらにブレンドした。この混合物を、錠剤圧縮機を用いて錠剤に圧縮するか、または、カプセル化装置を用いてカプセルに充填するか、または、サシェに充填した。以下の表に、湿式造粒製剤の例を示す。
【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
【表6】

【0079】
実施例6:直接圧縮製剤
表Mに、圧縮製剤の例を示す。
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、および、コポビドンをブレンドした。この混合物に、第二リン酸カルシウム、微結晶セルロース、ラクトース、および、デンプングリコール酸ナトリウムを添加し、さらにブレンドした。続いてステアリン酸マグネシウムを添加して、さらにブレンドした。この混合物を、打錠成型機を用いて錠剤に圧縮するか、または、カプセル化装置を用いてカプセルに充填するか、または、サシェに充填した。
【0080】
【表7】

【0081】
表Nに、さらなる圧縮製剤の例を示す。
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、および、クロスポビドンをブレンドした。この混合物に、ケイ化微結晶セルロースを添加し、さらにブレンドした。次に、フマル酸ステアリルナトリウムを添加し、ブレンドした。この混合物を、錠剤圧縮を用いて錠剤に圧縮するか、または、カプセル化装置を用いてカプセルに充填するか、または、サシェに充填した。
【0082】
【表8】

【0083】
実施例7:ローラー圧縮製剤
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンをクロスポビドンと共にブレンドした。微結晶セルロースの一部、ラクトース、および、ステアリン酸マグネシウムを添加し、さらにブレンドした。このブレンドをローラーコンパクタを用いて圧縮し、粉砕した。微結晶セルロースの残り、および、ラクトースを添加し、ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンドした。この混合物を、錠剤圧縮機を用いて錠剤に圧縮するか、または、カプセル化装置を用いてカプセルに充填するか、または、サシェに充填した。表Oに、ローラー圧縮製剤の例を示す。
【0084】
【表9】

【0085】
実施例8:懸濁するための粉末製剤
式Iで示される化合物は、使用直前に懸濁液に調製したり、あるいは食品に添加することができる粉末の剤形として製剤化することができる。以下の表Uに、製剤の例を示す。本製剤は、軽いかさ密度を有する易流動性粉末と考えられる。この製剤は、結合剤、賦形剤、甘味料および懸濁化剤のような適切な添加剤と組み合わせて用いることによって製造できた。
【0086】
【表10】

【0087】
実施例9:持続放出性の粉末製剤
以下の表Vに、持続放出製剤の例を示す。このような製剤は、上記の剤形を配合し、続いて持続放出性のバリアまたはフィルムコートを塗布することによって製造できる。あるいは、上記製剤は、最初に医薬物質に持続放出性のコーティングを塗布することによっても製造できる。
【0088】
【表11】

【0089】
本明細書において説明されたことがらに加えて、本発明の様々な改変が、当業者であれば前述の説明から十分理解できるものと予想される。またこのような改変も、添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。本願で引用された各参考文献(例えば、これらに限定されないが、ジャーナルの論文、米国特許、および、米国以外の特許、公開特許公報、国際公開特許公報、遺伝子バンクの登録番号など)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】A型結晶と一致するXRPDパターンを示す。
【図2】A型結晶と一致するTGAおよびDSCデータを示す。
【図3】A型結晶と一致するDVSデータを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、ならびに、賦形剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、コーティング剤、甘味料、着香料、および、滑沢剤から選択される少なくとも1種の医薬品添加剤を含む固形製剤。
【請求項2】
添加剤は、無機塩の賦形剤、セルロース賦形剤、オリゴ糖の賦形剤、非セルロース系結合剤、崩壊剤、および、滑沢剤から選択される、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項3】
約0.1〜約99質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項4】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項5】
約0.1〜約50質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項6】
約1〜約25質量%の無機塩の賦形剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項7】
無機塩は、リン酸塩を含む、請求項6に記載の固形製剤。
【請求項8】
無機塩は、第二リン酸カルシウム二水和物である、請求項7に記載の固形製剤。
【請求項9】
約10〜約95質量%のセルロース賦形剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項10】
セルロース賦形剤は、微結晶セルロース、または、ケイ化微結晶セルロースである、請求項9に記載の固形製剤。
【請求項11】
約15〜約50質量%のオリゴ糖の賦形剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項12】
オリゴ糖の賦形剤は、ラクトースである、請求項11に記載の固形製剤。
【請求項13】
約0.5〜約15質量%の非セルロース系結合剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項14】
非セルロース系結合剤は、ポビドンまたはコポビドンである、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項15】
約1〜約15質量%の崩壊剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項16】
崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムまたはクロスポビドンである、請求項15に記載の固形製剤。
【請求項17】
約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項18】
滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはフマル酸ステアリルナトリウムである、請求項17に記載の固形製剤。
【請求項19】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約1〜約25質量%の無機塩の賦形剤;約10〜約95質量%のセルロース賦形剤;約15〜約50質量%のオリゴ糖の賦形剤;約0.5〜約15質量%の非セルロース系結合剤;約1〜約15質量%の崩壊剤;および、約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項20】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約1〜約25質量%の第二リン酸カルシウム二水和物;約10〜約95質量%の微結晶セルロース、または、ケイ化微結晶セルロース;約15〜約50質量%のラクトース;約0.5〜約15質量%のポビドン、または、コポビドン;約1〜約15質量%のデンプングリコール酸ナトリウム、または、クロスポビドン;および、約0.1〜約8質量%のステアリン酸マグネシウム、または、フマル酸ステアリルナトリウムを含む、請求項19に記載の固形製剤。
【請求項21】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約40〜約90質量%のセルロース賦形剤;約1〜約15質量%の崩壊剤;および、約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項22】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約40〜約90質量%のケイ化微結晶セルロース;約1〜約15質量%のクロスポビドン;および、約0.1〜約8質量%のフマル酸ステアリルナトリウムを含む、請求項21に記載の固形製剤。
【請求項23】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約25〜約55質量%のセルロース賦形剤;約15〜約50質量%のオリゴ糖の賦形剤;約1〜約15質量%の崩壊剤;および、約0.1〜約8質量%の滑沢剤を含む、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項24】
約0.1〜約75質量%の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン;約25〜約55質量%の微結晶セルロース;約15〜約50質量%のラクトース;約1〜約15質量%のクロスポビドン;および、約0.1〜約8質量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項23に記載の固形製剤。
【請求項25】
湿式造粒法によって製造された、請求項1〜24のいずれか一項に記載の固形製剤。
【請求項26】
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、結晶である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の固形製剤。
【請求項27】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の固形製剤を含む経口剤形。
【請求項28】
錠剤、カプレット、カプセル、または、サシェである、請求項27に記載の経口剤形。
【請求項29】
約0.1mg〜約750mgの固形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを含む、請求項27に記載の経口剤形。
【請求項30】
約50〜約1500mgの総質量を有する、請求項27に記載の経口剤形。
【請求項31】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の製剤を含む、液状媒体への懸濁に適した粉末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−516707(P2009−516707A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541498(P2008−541498)
【出願日】平成18年11月18日(2006.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/061071
【国際公開番号】WO2007/062338
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】