説明

土壌への添加剤吐出装置及び土壌への添加剤添加方法

【課題】 添加剤の移送部分を二重管構造にする必要がなく、添加剤の供給を切り替えるための弁を別個に設ける必要がない土壌への添加剤吐出装置を提供する。
【解決手段】回転外面と、添加剤を流通させる流路と、該流路と連通するように該回転外面に形成された内吐出口と、を有する内シャフトと、所定範囲内で回動自在に内シャフトに外嵌される中空の外シャフトであって、該回転外面に面する回転内面に形成された第1受入口及び第2受入口と、第1受入口に連通するように外面に形成された第1外吐出口と、第2受入口に連通するように外面に形成された第2外吐出口と、を有する外シャフトと、を備えてなり、内シャフトに対する外シャフトの回動位置のうち第1回動位置において内吐出口と第1受入口とが連通し、かつ第2回動位置において内吐出口と第2受入口とが連通する、土壌への添加剤吐出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌への添加剤吐出装置及び土壌への添加剤添加方法に関し、より詳細には、土壌中に進行又は後退する際に土壌へ添加剤をうまく添加することができる土壌への添加剤吐出装置及び土壌への添加剤添加方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌へ添加剤を添加することは、様々な目的によりこれまで行われてきた。例えば、土壌に汚染物質が含まれているときに該汚染物質を無害化するために該汚染物質に対応する添加剤を土壌に添加することや、土壌に養分を与えるために養分を含んだ添加剤を土壌に添加することや、建造物等を構築する際に建造物等の荷重を地盤が支持できるように元の軟弱地盤(土壌)を固化させるための添加剤(固化剤。例えば、セメント系固化材スラリ−、セメントミルク等)を土壌に添加すること等が行われてきた。
これら土壌への添加剤の添加は、添加対象とする土壌へできるだけむらなく均一になるように添加剤を添加する必要があるが、添加する土壌が地面下の深い位置に存している等で困難なことも多い。
【0003】
例えば、前述のような軟弱地盤(土壌)を固化させるために土壌に添加剤を添加する場合、通常、軟弱地盤中の深い位置まで添加剤(固化剤。例えば、セメント系固化材スラリ−、セメントミルク等)を添加して十分に攪拌混合し固化させる必要があることから、そのための装置や方法が数多く提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、「二重管の外管外周にスクリュー羽根を形成し、該スクリュー羽根外径が撹拌羽根先端外径より小さく、所定の外径を有するスクリューロッド下端に、撹拌ヘッドを連結して成り、該撹拌ヘッドには複数段の撹拌羽根を軸方向に配設すると共に、上・下部2カ所に固化材の吐出口を設け、該吐出口のそれぞれを前記二重管ロッドの内・外管に連通したことを特徴とする地盤改良装置。」(特許文献1中の請求項2)が開示されている。
さらに、特許文献1には、「撹拌羽根先端外径より小さく、所定の外径を有するスクリューロッド下端に、複数段の撹拌羽根を有する撹拌ヘッドを連結したロッド体を正転・給進し、改良区間の所定深度まで掘削した後、前記撹拌ヘッドの上下に設けた吐出口の内、下部吐出口から固化材を吐出しながら正転・給進して、ほぼ前記上下の吐出口間の距離を掘削・撹拌することにより先端部改良を行って改良区間下端に到達し、次に上部吐出口から固化材を吐出しながら前記ロッド体を正転・引揚げして、撹拌羽根で撹拌すると共に、前記スクリューロッドによる排土を行い、次に改良不要区間を前記ロッド体を正転又は逆転して引揚げることを特徴とする地盤改良工法。」(特許文献1中の請求項1)が開示されている。
このような特許文献1に記載の地盤改良装置及び地盤改良工法においては、「先端部Cの改良を行うため、第1図ハ、ニの如く撹拌ヘッド11の下部吐出口20から固化材Sを吐出させながらロッド13を正転させて給進し、ほぼ上下吐出口間の距離を改良区間Bの下端部まで掘削撹拌を行う。・・・・・次いで、第1図ホ、ヘの如く上部吐出口18から固化材Sを吐出させ、かつスクリューロッド13を正転させながら撹拌・引揚げを行う。」(特許文献1中の第2頁第4欄第16行乃至第24行)ものであり、このように下方に向けて撹拌ヘッド11が掘進する際には下部吐出口20から固化材Sを吐出させると共に撹拌ヘッド11を引き揚げる(即ち、後退させる)際には上部吐出口18から固化材Sを吐出させることで「注入撹拌引揚げ工程における固化材の吐出口を上部吐出口18とした理由は、撹拌羽根14、15、16の混合撹拌効果をより有効とするためである。」(特許文献1中の第2頁第4欄第36行乃至第39行)という効果を奏するものである。
【0004】
【特許文献1】特公平5−62167号公報(例えば、特許請求の範囲(請求項1、請求項2)、第2頁第3欄第29行乃至第4欄第39行、第1図、第2図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の地盤改良装置及び地盤改良工法においては、「スクリューロッド13と撹拌ヘッド11とはそれぞれ二重管構造に形成され、内管17の下端部には上部吐出口18が外管19の下端部には下部吐出口20がそれぞれ開口している。それら内管17及び外管19には、例えばセメント系固化材等の固化材が地上の装置から供給され、それぞれ吐出口18、20から固化材が所定の圧力で吐出されるように構成され」(特許文献1中の第2頁第3欄第36行乃至第44行)ている。
このように特許文献1に記載の地盤改良装置及び地盤改良工法は、通常、長さが長くなりがちなスクリューロッド13を二重管構造にした上で、固化材の供給を弁等によって切り替える必要があり、スクリューロッドの構造が複雑になるためいきおい装置が高価になったり重たくなるという問題があり、そして工法の実施に際しては弁操作等を要することから作業負荷が大きいという問題があったり弁操作を誤る可能性もあった。
そこで、本発明においては、このような添加剤を移送するもの(例えば、特許文献1においてはスクリューロッド13)を二重管構造にする必要がなく、添加剤(特許文献1においては固化材)の供給を切り替えるための弁を別個に設ける必要がない土壌への添加剤吐出装置及び土壌への添加剤添加方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の土壌への添加剤吐出装置(以下、「本装置」という。)は、回転軸を軸とする回転面の少なくとも一部を形成する回転外面と、土壌を掘削及び/又は攪拌する際に土壌に添加される添加剤を流通させる流路と、該流路と連通するように該回転外面に形成された内吐出口と、を有する内シャフトと、土壌を掘削及び/又は攪拌する回転翼が外面に取り付けられ、該回転軸の周りに所定範囲内で回動自在に内シャフトに外嵌される中空の外シャフトであって、該回転軸を軸とする回転面の少なくとも一部を形成し該回転外面に面する回転内面に形成された第1受入口及び第2受入口と、第1受入口に連通するように外面に形成された第1外吐出口と、第1外吐出口とは該回転軸方向に関し離れた外面に第2受入口に連通するように形成された第2外吐出口と、を有する外シャフトと、を備えてなり、内シャフトに対する外シャフトの回動位置のうち回動可能な該所定範囲の一方向の限界である第1回動位置において内吐出口と第1受入口とが連通し、かつ他方向の限界である第2回動位置において内吐出口と第2受入口とが連通するものである、土壌への添加剤吐出装置である。
【0007】
本装置は、内シャフトと、内シャフトに外嵌される中空の外シャフトと、を備えている。
内シャフトは、土壌を掘削及び/又は攪拌する際に土壌に添加される添加剤を流通させる流路を有しており、該流路を経由し該流路と連通する内吐出口へ添加剤を流通させる。内吐出口は、回転軸を軸とする回転面の少なくとも一部を形成する回転外面に形成されているので、かかる回転外面に位置する内吐出口から添加剤は吐出されることができる。なお、「回転軸を軸とする回転面」とは、回転軸が属する平面を回転軸を軸として1回転させたとき、該平面上の一つの曲線(直線を含む)が描く曲面をいう(以下、同じ)。
中空の外シャフトは、該回転軸の周りに所定範囲内で回動自在に内シャフトに外嵌され、内シャフトに対する外シャフトの回動位置のうち回動可能な該所定範囲の一方向(回動方向)の限界を第1回動位置とし、他方向(回動方向をいい、該一方向とは反対方向である。)の限界を第2回動位置とする。即ち、内シャフトに対する外シャフトの回動は、一方向の限界である第1回動位置から他方向(該一方向とは反対方向)の限界である第2回動位置まで許容される(換言すれば、回動可能な該所定範囲は、第1回動位置から第2回動位置までの範囲である。)。外シャフトは、該回転外面(内シャフトの内吐出口が形成される。)に面する回転内面(回転内面も、該回転軸を軸とする回転面の少なくとも一部を形成する。)に形成された第1受入口及び第2受入口を有すると共に、第1受入口に連通するように外面(外シャフトの外面)に形成された第1外吐出口と、第2受入口に連通するように外面(外シャフトの外面)に形成された第2外吐出口と、を有する。ここに第2外吐出口は、「第1外吐出口とは該回転軸方向に関し離れた外面」に形成されるが、これは第2外吐出口が形成される外シャフトの外面位置から該回転軸が属する直線(以下、「軸直線」という。)に下ろした垂線の足の位置である第2垂線足位置と、第1外吐出口が形成される外シャフトの外面位置から軸直線に下ろした垂線の足の位置である第1垂線足位置と、が異なることを意味する。また、外シャフトの外面には、土壌を掘削及び/又は攪拌する回転翼が取り付けられるので、該回転軸の周りに回転された状態で回転翼を土壌に当接させることで土壌を掘削及び/又は攪拌することができる。
この内シャフトに対する外シャフトの回動位置のうち第1回動位置(一方向への回動限界)においては内吐出口と第1受入口とが連通し、内吐出口から添加剤は第1受入口に受け入れられ、第1受入口に連通する第1外吐出口から吐出することができる。一方、内シャフトに対する外シャフトの回動位置のうち第2回動位置(該一方向とは反対の他方向への回動限界)においては内吐出口と第2受入口とが連通し、内吐出口から添加剤は第2受入口に受け入れられ、第2受入口に連通する第2外吐出口から吐出される。このようにして本装置においては、内シャフトに対する外シャフトの回動位置を第1回動位置と第2回動位置とに変更することで、添加剤が吐出される吐出位置を、回転軸方向に関し互いに離れた第1外吐出口又は第2外吐出口のいずれかに変更することができる。即ち、本装置は、内シャフトとそれに外嵌される中空の外シャフトとを用いた簡単な構成により両シャフトの相対的回動位置を変更することで、回転軸方向に関し離れた異なる位置から添加剤を吐出することができる。本装置においては、内シャフトに対する外シャフトの回動位置を変更することで本装置自身が第1外吐出口と第2外吐出口とを切り替えて添加剤を吐出するので、本装置まで添加剤を移送するもの(例えば、特許文献1においてはスクリューロッド13)を二重管構造にする必要がなく(即ち、本装置までの添加剤の移送流路は単一でよい。)、さらに添加剤の供給を切り替えるための弁を別個に設ける必要がない。
なお、内シャフトに対する外シャフトの回動位置を第1回動位置と第2回動位置とに変更することは、様々な方法が用いられてよく何ら制限されるものではないが、例えば、次のように内シャフトを回転する方向を一方向と他方向とで変えることによってもよい。即ち、該回転軸の周りに一方向に内シャフトが回転される際、外シャフトの周囲に存する土壌から外シャフトが該一方向に回転しない方向への摩擦力や抵抗力を外シャフトは受けるが、この摩擦力や抵抗力によって内シャフトに対する外シャフトの回動位置が回動可能な該所定範囲の一方向の限界である第1回動位置になる。そして、該回転軸の周りに他方向に内シャフトが回転される際、外シャフトの周囲に存する土壌から外シャフトが該他方向に回転しない方向への摩擦力や抵抗力を外シャフトは受けるが、この摩擦力や抵抗力によって内シャフトに対する外シャフトの回動位置が回動可能な該所定範囲の他方向の限界である第2回動位置になる。
【0008】
内シャフトが有する内吐出口は、単一のものであっても、2のものであってもよい。内吐出口が単一のものであれば、内シャフトに対する外シャフトの回動位置が変更されることで、一つの内吐出口が第1回動位置の場合は第1受入口に連通し、第2回動位置の場合は第2受入口に連通するようにすればよい。
また、2の内吐出口が存する場合、内吐出口が、前記第1回動位置において第1受入口と連通する第1内吐出口と、前記第2回動位置において第2受入口と連通する第2内吐出口と、を有するようにしてもよく、こうすることにより第1受入口と第1外吐出口との間に形成される添加剤の第1流路と、第2受入口と第2外吐出口との間に形成される添加剤の第2流路と、を短く簡単に構成することができるので(前述のように、一つの内吐出口が、第1回動位置の場合は第1受入口に第2回動位置の場合は第2受入口にそれぞれ連通するようにする場合は、第1外吐出口と第2外吐出口とを該回転軸方向に関し離すために第1流路と第2流路との少なくとも一方が該回転軸方向に沿ってのびる部分を有する必要がある。)、外シャフトを堅牢かつ簡単に構成することができる(外シャフトは、回転翼が取り付けられたり、土壌や岩石との摩擦や衝突を受けるので、外シャフトは、空洞である第1流路や第2流路が長くない方が好ましい。)。
【0009】
前記第1回動位置において、内シャフトが有する第1回動制限内部分が、外シャフトが有する第1回動制限外部分に当接することで、内シャフトに対して外シャフトが前記一方向へさらに回動することを禁止するものであり、前記第2回動位置において、内シャフトが有する第2回動制限内部分が、外シャフトが有する第2回動制限外部分に当接することで、内シャフトに対して外シャフトが前記他方向へさらに回動することを禁止するものであってもよい。
こうすることで第1回動位置において第1回動制限内部分が第1回動制限外部分に当接することにより内シャフトに対して外シャフトが前記一方向へさらに回動することが禁止され、そして第2回動位置において第2回動制限内部分が第2回動制限外部分に当接することにより内シャフトに対して外シャフトが前記他方向へさらに回動することが禁止されることから、内シャフトに対する外シャフトの回動可能位置を第1回動位置と第2回動位置との間に確実かつ容易に制限することができ、内シャフトに対する外シャフトの回動位置を第1回動位置と第2回動位置とのいずれかに確実に位置させることで、添加剤の吐出を第1外吐出口又は第2外吐出口のいずれかから確実に行うことができる。
なお、第1回動制限内部分と第2回動制限内部分とは互いに一体と別体とのいずれであってもよく、同様に、第1回動制限外部分と第2回動制限外部分とは互いに一体と別体とのいずれであってもよい。
【0010】
回転翼の少なくとも一部が、第1外吐出口と第2外吐出口との間に存するものであってもよい。
こうすることで第1外吐出口又は第2外吐出口から吐出された添加剤を、回転翼によって土壌と攪拌混合できる。
なお、「第1外吐出口と第2外吐出口との間に存する」とは、第1外吐出口が形成される外シャフトの外面位置から軸直線に下ろした垂線の足の位置である第1垂線足位置を含むと共に軸直線に対して垂直な平面である第1基準面と、第2外吐出口が形成される外シャフトの外面位置から軸直線に下ろした垂線の足の位置である第2垂線足位置を含むと共に軸直線に対して垂直な平面である第2基準面と、の間の空間に回転翼の少なくとも一部が存している(該回転軸の周りに本装置が回転されるとき、少なくともいずれかの1の回転位置において、該空間に回転翼の少なくとも一部が存していることで足りる。)ことをいう。
【0011】
前記回転外面及び前記回転内面が、前記回転軸を軸とする直円柱の側面により形成されるものであってもよい。
こうすることで内シャフトが直円柱形状の丸棒部材により形成することができると共に、外シャフトが、直円柱形状の丸棒を内嵌することができるような中空の棒状部材(内部空間が直円柱形状の丸棒を収容することができるようにすればよい。)とすればよく、これら両部材とも形成することが容易であり本装置を安価かつ容易に構成することができる。
【0012】
前記回転軸の周りに一方向に内シャフトが回転されることで、内シャフトに対して外シャフトが前記第1回動位置に位置した状態で一方向に外シャフトが回転し、外シャフトに取り付けられた回転翼が土壌を掘進し土壌中に進入する作用を有するものであり、前記回転軸の周りに他方向に内シャフトが回転されることで、内シャフトに対して外シャフトが前記第2回動位置に位置した状態で他方向に外シャフトが回転され、外シャフトに取り付けられた回転翼が土壌から後退する作用を有するものであり、第1外吐出口が第2外吐出口よりも掘進方向に位置するもの(以下、「土壌駆動攪拌混合本装置」という。)であってもよい。
こうすることで前記回転軸の周りに一方向に内シャフトが回転されることで、内シャフトに対して外シャフトが前記第1回動位置に位置した状態で一方向に外シャフトが回転し、外シャフトに取り付けられた回転翼が土壌を掘進し土壌中に進入するので、掘進方向に位置する第1外吐出口から添加剤を吐出することで(第1回動位置においては添加剤は内吐出口から第1受入口に受け入れられ第1外吐出口から吐出する。)、第1外吐出口から吐出された添加剤と掘進された土壌とをうまく攪拌混合することができる。逆に、前記回転軸の周りに他方向に内シャフトが回転されることで、内シャフトに対して外シャフトが前記第2回動位置に位置した状態(例えば、前記回転軸の周りに他方向に内シャフトが回転される際、外シャフトの周囲に存する土壌から外シャフトが該他方向に回転しない方向への摩擦力や抵抗力を外シャフトは受けるが、この摩擦力や抵抗力によって第1回動位置から第2回動位置へと回動する。)で他方向に外シャフトが回転され、外シャフトに取り付けられた回転翼が土壌から後退するので、掘進方向とは反対方向に位置する第2外吐出口から添加剤を吐出することで(第2回動位置においては添加剤は内吐出口から第2受入口に受け入れられ第2外吐出口から吐出する。)、第2外吐出口から吐出された添加剤と土壌とをうまく攪拌混合することができる。このように土壌駆動攪拌混合本装置によれば、回転翼が土壌を駆動する作用を利用して、添加剤と土壌とをうまく攪拌混合することができる。
【0013】
本発明は、土壌駆動攪拌混合本装置を用いた土壌に添加剤を添加する方法(以下、「本方法」という。)をも提供する。本方法は、前記回転軸の周りに一方向に内シャフトを回転させ土壌を掘進進入しつつ、第1外吐出口から添加剤を吐出させる第1添加ステップと、前記回転軸の周りに他方向に内シャフトを回転させ土壌に対して後退しつつ、第2外吐出口から添加剤を吐出させる第2添加ステップと、を含んでなる、土壌への添加剤添加方法である。
こうすることにより、前述のように、回転翼が土壌を駆動する作用を利用して、添加剤と土壌とをうまく攪拌混合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0015】
図1は本発明の土壌への添加剤吐出装置(本装置)11を示す正面図であり、図2は本装置11を示す右側面図(図1中、矢印D方向から見たところを示している。)である。また、図3は図1のA−A端面図(図2にも端面位置をA−Aとして示した。)であり、図4は図1のB−B端面図(図2にも端面位置をB−Bとして示した。なお、図示と理解とを容易にするため、後述の内シャフト21の嵌入部27と、嵌入部27に接する外シャフト51と、に端面を示すハッチングを付し、それ以外のものにはハッチングを省略した。)であり、図5は図1のC−C端面図(図2にも端面位置をC−Cとして示した。なお、図示と理解とを容易にするため、後述の内シャフト21の嵌入部27と、嵌入部27に接する外シャフト51と、に端面を示すハッチングを付し、それ以外のものにはハッチングを省略した。)である。また、図6は、図1のE−E端面(図2に示された面と平行な平面による端面)のうち、後述の内シャフト21と外シャフト51と先端部材81とを含む部分を示した一部端面図である。そして、図7は後述の内シャフト21の正面図であり、図8は内シャフト21の右側面図(図8(a))及び図7の端面図(図8(b)は図7のF−F端面図であり、図8(c)は図7のG−G端面図であり、図8(d)は図7のH−H端面図である。)である。さらに、図9は後述の外シャフト51の断面図(断面位置は、図1のE−E断面(即ち、図6)と同じ。)であり、図10は外シャフト51の平面図(図9中、矢印J方向から見たところを示している。)である。図1乃至図10を参照して、本装置11について説明する。なお、図中、先端方向(本装置11が、図示しない土壌を掘削する方向)を矢印P1にて示し、基端方向(先端方向とは反対方向)を矢印P2にて示した(矢印P1及び矢印P2のいずれも点線Kにより示される回転軸と平行である。)。
本装置11は、大まかには、内シャフト21と外シャフト51と先端部材81と掘削翼91と攪拌翼95と自由回転翼97とを備えている。
【0016】
内シャフト21は、鋼製の棒状部材により形成されており、内シャフト21の基端側に位置し略直六角柱形状をした接続部23と、接続部23の先端側に取り付けられた略直円柱形状をしたつば部25と、つば部25の先端側に取り付けられた略直円柱形状をした嵌入部27と、つば部25に隣接するように嵌入部27の外面から突出するように形成された突出部29と、を有してなる。そして、内シャフト21は、図7中の点線Kにより示される回転軸の周りに円滑に回転されることができる(内シャフト21の重心が該回転軸上に存する。なお、つば部25が形成する略直円柱形状の軸と、嵌入部27が形成する略直円柱形状の軸と、は該回転軸上に存し、かつ接続部23が形成する略直六角柱形状の母線は該回転軸に略平行である(接続部23の重心も該回転軸上に存する。))。
一方、内シャフト21には、図7中の点線Kにより示される該回転軸に沿って内部流路31が形成されている。内部流路31は、該回転軸を軸とした直円柱形状をしており、基端側と先端側とが開放されている(即ち、内シャフト21の基端から先端まで内部流路31により連続した流路が形成されている。)。
【0017】
接続部23は、本装置11を回転させる重機等(図示せず)に接続するためのものであり略直六角柱形状をしている。略直六角柱の両底面のうち一方(基端側)の近傍周囲はほぼ直円錐台形状になるように角が取られて丸められている(略直円錐台部分23a)が、これは本装置11を回転させる重機等(図示せず)には略直六角柱形状の接続部23を内嵌させることで接続部23を連結する内嵌部分(図示せず)が設けられるので、略直円錐台部分23aを設け接続部23を該内嵌部分(図示せず)に容易かつ迅速に内嵌させることで、本装置11を回転させる重機等(図示せず)に容易かつ迅速に接続するためのものである。なお、接続部23が形成する略直六角柱形状のうち互いに略平行な側面に一対の凹溝23b1、23b2が形成されているが、これら一対の凹溝23b1、23b2は、接続部23を該内嵌部分(図示せず)に内嵌した際、該内嵌部分(図示せず)の内壁から突出するように設けられた爪部(図示せず)が係合することにより接続部23が該内嵌部分(図示せず)から不意に抜け落ちることを防止するためのものである。
つば部25は、嵌入部27が形成する略直円柱形状の半径よりも半径が大きい略直円柱形状をしている。
嵌入部27は、略直円柱(該直円柱の軸は、点線Kにより示される該回転軸と同一直線に含まれる。)形状をしており外シャフト51(後で詳述)に内嵌される。嵌入部27の側面27aには、内部流路31と連通するように第1内吐出口27h1及び第2内吐出口27h2が形成されている。第1内吐出口27h1及び第2内吐出口27h2いずれも、嵌入部27が形成する略直円柱の軸(図7中の点線Kにより示される該回転軸に含まれる。)に対して略垂直方向に形成されることで、側面27aと内部流路31とを最短距離により連通させている。第1内吐出口27h1と第2内吐出口27h2とは、該回転軸(点線K)方向に関し離れており(図7及び図6中、距離M)、そして嵌入部27が形成する略直円柱の軸(点線K)周りの回転位置も異なる(図8(b)と図8(c)とを参照されたい。図8(c)中の角度Nだけ第1内吐出口27h1と第2内吐出口27h2との回転位置が異なる。)。
突出部29は、つば部25に隣接するように嵌入部27の外面の所定位置に一対29a、29b形成されている。これは外シャフト51(後で詳述)の基端近傍に形成された切り欠き55a、55bに嵌入されることで(突出部29a、29bが、切り欠き55a、55bを規定する外シャフト51の面に当接することにより)、図7中の点線Kにより示される該回転軸の周りの、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置を所定範囲内でのみ許容する(即ち、該所定範囲外への回動を禁止する。)ためのものである。
【0018】
外シャフト51は、内シャフト21の嵌入部27(略直円柱)を嵌入する内部空間53(図9参照)を有する中空の略直円筒(点線Kにより示される本装置11の前記回転軸を軸とする。)形状をしている。内部空間53は基端側と先端側とが開放された略直円柱(点線Kにより示される該回転軸を軸とする直円柱)形状をしており、外シャフト51全体としては円筒形の管(パイプ)形状をしている。
外シャフト51の基端側近傍には一対の切り欠き55a、55bが形成されており、一対の切り欠き55a、55bは、前述したようにそれぞれ内シャフト21の突出部29a、29bを受け入れ、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置を所定範囲内でのみ許容する。
外シャフト51が形成する略直円筒の1の母線上に存する異なる2点に、第1外吐出口57aと第2外吐出口57bとが形成されている。そして、第1外吐出口57aは、外シャフト51の内部空間53を規定する内面に形成された第1受入口59aに連通している。同様に、第2外吐出口57bは、外シャフト51の内部空間53を規定する内面に形成された第2受入口59bに連通している。なお、内シャフト21の嵌入部27が内部空間53に嵌入された場合(かかる場合には、嵌入部27の側面27aと、外シャフト51の内部空間53を規定する内面と、はほぼ摺接する。)、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置が所定の位置(第1回動位置)においては第1内吐出口27h1が第1受入口59aに連通する(後述する図11、図12、図13及び図14はこの状態を示している。)と共に、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置がまた別の所定の位置(第2回動位置)においては第2内吐出口27h2が第2受入口59bに連通する(図3、図4、図5及び図6はこの状態を示している。なお、図3に示すように、切り欠き55a、55bは内シャフト21の突出部29a、29bを受け入れており、突出部29a、29bが、切り欠き55a、55bを規定する外シャフト51の面に当接することにより、内シャフト21に対する外シャフト51のさらなる回動(図3中、時計回り方向へのさらなる回動)を禁止しており、これにより図3中、時計回り方向へ外シャフト51をさらに回動させるように力が加わっても外シャフト51は回動しないので第2内吐出口27h2から第2受入口59bへの連通状態が保持される。)。
また、第1外吐出口57aと第1受入口59aとは外シャフト51が形成する略直円筒の軸に対して垂直な直線上に存すると共に、第1外吐出口57aと第1受入口59aとを連通させる流路は該直線に沿って形成されている(該流路は最短になるようされている。)。同様に、第2外吐出口57bと第2受入口59bとは外シャフト51が形成する略直円筒の軸に対して垂直な直線上に存すると共に、第2外吐出口57bと第2受入口59bとを連通させる流路は該直線に沿って形成されている(該流路は最短になるようされている。)。なお、外シャフト51が形成する略直円筒のうち第1外吐出口57aと反対側には、外シャフト51の内部空間53と外部61とを連通させるように第1潤滑孔63aが形成されると共に、該略直円筒のうち第2外吐出口57bと反対側には、外シャフト51の内部空間53と外部61とを連通させるように第2潤滑孔63bが形成されているが、これら第1潤滑孔63a及び第2潤滑孔63bのいずれも、外シャフト51の内部空間53を規定する内面と、内部空間53に嵌入された内シャフト21の嵌入部27の外面と、の潤滑を良くするためにグリスや潤滑油等を注入するために形成されている。
一方、後述する自由回転翼97が、点線Kにより示される本装置11の前記回転軸の周りに回転自在に支持されるよう、外シャフト51の外面(第1外吐出口57aと第2外吐出口57bとの間の該外面の部分)には自由回転翼支持部65が形成されている。自由回転翼支持部65は、前記回転軸(点線K)に対して垂直な異なる2の平面に沿って外シャフト51の外面から突出するようにリング状に形成された第1リング部65a及び第2リング部65bと、第1リング部65aと第2リング部65bとの間の外シャフト51の外面を覆う筒状の筒部65cと、を有している。後述するように、自由回転翼97の外嵌筒部97aが、筒部65cに遊びをもって外嵌されることで、自由回転翼97は、第1リング部65a及び第2リング部65bにより前記回転軸(点線K)方向への移動は制限されるが(前記回転軸(点線K)方向に関する位置は所定位置に保たれる。)、前記回転軸の周りに回転自在に外シャフト51により支持される。
【0019】
先端部材81は、内シャフト21の嵌入部27の先端に着脱自在に取り付けられる(具体的にはネジ止めであるが、嵌入部27に穿設されたネジ孔を図8(a)中、ネジ孔27dとして示した。)。
先端部材81は、主表面が略円形をした板状部材により形成された円盤部分83と、円盤部分83に取り付けられ主表面が五角形をした板状部材により形成された突出部分85と、を有している。円盤部分83は、その主表面が形成する略円形の中心を前記回転軸(点線K)がほぼ通過するように嵌入部27の先端に取り付けられる。突出部分85は、主表面が形成する五角形の1の頂点(該1の頂点を前記回転軸(点線K)がほぼ通過する。)が先端方向を向くように円盤部分83に取り付けられている。
円盤部分83の主表面が形成する略円形の直径は、外シャフト51の内部空間53が形成する略直円柱の直径よりも大きく形成されており(無論、嵌入部27が形成する略直円柱の直径よりも大きい)、円盤部分83が外シャフト51の先端部分に当接することと、つば部25が外シャフト51の基端部分に当接すること、により、内シャフト21に対する外シャフト51の前記回転軸(点線K)方向への相対的な位置変化が制限される。ここでは外シャフト51の基端部分と先端部分との間の長さが、つば部25の先端側の面と円盤部分83の基端側の面との間の距離にほぼ同じにされている(該長さが該距離よりもやや小さくされる)。このように内シャフト21に対する外シャフト51の前記回転軸(点線K)方向への相対的な位置変化が制限された状態では、第1内吐出口27h1と第1受入口59aとが前記回転軸(点線K)に対して垂直な平面上に存し、さらに第2内吐出口27h2と第2受入口59bとが前記回転軸(点線K)に対して垂直な他の平面上に存する。このため内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置のうちある回動位置(ここでは回動可能な所定範囲の一方向の限界である第1回動位置)において第1内吐出口27h1と第1受入口59aとが連通し、かつ他のある回動位置(ここでは回動可能な所定範囲の他方向の限界である第2回動位置)において第2内吐出口27h2と第2受入口59bとが連通する。
【0020】
掘削翼91は、一端が外シャフト51の先端近傍の外面に取り付けられた一対の板状(細長い短冊状)の支持部材92a、92b(支持部材92a、92bいずれも長手方向が、外シャフト51が形成する略直円筒の軸に対して略垂直になるように取り付けられている。)と、支持部材92aに取り付けられた3の掘削刃93aと、支持部材92bに取り付けられた3の掘削刃93bと、を有してなる。掘削刃93a及び掘削刃93bは、それら刃93a、93bの先端方向が前記回転軸(点線K)に対して垂直な面と所定角度101a、101b(図2参照)をなすように取り付けられているので、前記回転軸(点線K)の周りに外シャフト51が回転すると回転の一方向では土壌を掘進し土壌中に進入する作用を有し、回転の他方向では土壌から後退する作用を有する。
なお、支持部材92a、92bの主表面は、前記回転軸(点線K)に対して垂直な面と所定の角度(図2中、角度103)をなすように、支持部材92a、92bは外シャフト51の外面に取り付けられており、前記回転軸(点線K)の周りに外シャフト51が該一方向に回転すると土壌を掘進し土壌中に進入する作用を有し、該他方向に回転すると土壌から後退する作用を有する(即ち、掘削刃93a及び掘削刃93bが土壌を掘進し土壌中に進入する際には支持部材92a、92bもそれと同様の作用を有し、掘削刃93a及び掘削刃93bが土壌から後退する際には支持部材92a、92bもそれと同様の作用を有する。)。
【0021】
攪拌翼95は、一端が外シャフト51の外面(第1外吐出口57aと第2外吐出口57bとの間の部分)に取り付けられた一対の板状(細長い短冊状)の先端側撹拌翼95a1、95a2と、一端が外シャフト51の外面(第1外吐出口57aと第2外吐出口57bとの間の部分)に取り付けられた一対の板状(細長い短冊状)の基端側撹拌翼95b1、95b2と、を有してなる。先端側撹拌翼95a1、95a2及び基端側撹拌翼95b1、95b2いずれも長手方向が、外シャフト51が形成する略直円筒の軸に対して略垂直になるように取り付けられている。
先端側撹拌翼95a1、95a2及び基端側撹拌翼95b1、95b2いずれも、それらの主表面が、前記回転軸(点線K)に対して垂直な面と所定の角度(図2中、角度94)をなすように外シャフト51の外面に取り付けられており、前記回転軸(点線K)の周りに外シャフト51が該一方向に回転すると土壌を掘進し土壌中に進入する作用を有し、該他方向に回転すると土壌から後退する作用を有する(即ち、掘削刃93a及び掘削刃93bが土壌を掘進し土壌中に進入する際には先端側撹拌翼95a1、95a2及び基端側撹拌翼95b1、95b2もそれと同様の作用を有し、掘削刃93a及び掘削刃93bが土壌から後退する際には先端側撹拌翼95a1、95a2及び基端側撹拌翼95b1、95b2もそれと同様の作用を有する。)。
【0022】
自由回転翼97は、自由回転翼支持部65の筒部65cに遊びをもって外嵌される外嵌筒部97aと、外嵌筒部97aに取り付けられた一対の板状(細長い短冊状)の翼本体97b、97cと、を有してなる。
外嵌筒部97aは、中空の直円筒(無底無蓋)をその軸を含む平面により切断した中空の半円筒部分2つがボルトナット4対により連結されることで形成されており、筒部65cに遊びをもって外嵌されることで外シャフト51に対して前記回転軸(点線K)の周りに自由に回転することができる。一方、外嵌筒部97aは、第1リング部65a及び第2リング部65bのいずれも通過させることはできないので(第1リング部65aの外径と第2リング部65bの外径とのいずれもが外嵌筒部97aの内径よりも大きく、外嵌筒部97aの先端側の環状縁が第1リング部65aに当接すると共に、外嵌筒部97aの基端側の環状縁が第2リング部65bに当接する)前記回転軸(点線K)方向への移動は制限される。なお、外嵌筒部97aにはその外面と内面とを連通させるノズル形状の開口97ahが形成されているが、この開口97ahは、外嵌筒部97aの内面と筒部65cとの間にグリースや潤滑油等を注入するためのものである。
そして、一対の板状(細長い短冊状)の翼本体97b、97cは、それら長手方向が、外シャフト51が形成する略直円筒の軸に対して略垂直になるように取り付けられている。また、翼本体97b、97cの主表面は、外シャフト51が形成する略直円筒の軸に対して略平行になるよう、翼本体97b、97cは外シャフト51に取り付けられている。
【0023】
本装置11においては、前述したように、突出部29a、29bが切り欠き55a、55bに嵌入されており、突出部29a、29bが切り欠き55a、55bを規定する外シャフト51の面に当接することによって、図7中の点線Kにより示される該回転軸の周りの、内シャフト21に対する外シャフト51の回動を所定範囲内でのみ許容する。上述の図3、図4、図5及び図6に示した状態は、図3、図4及び図5において内シャフト21に対して外シャフト51が時計回り方向へさらなる回動することを禁止された状態を示しており、かかる状態(この状態を第2回動位置という。)においては第2内吐出口27h2が第2受入口59bに連通しているが、第1内吐出口27h1は第1受入口59aに連通していない。
そして、図3、図4及び図5の状態から内シャフト21に対して外シャフト51を反時計回り方向(図3中、矢印Q方向)へ回動させることができるが、その回動に伴い第2内吐出口27h2から第2受入口59bへの連通は断たれ、さらに回動させると突出部29a、29bが切り欠き55a、55bを規定する外シャフト51の面に当接する状態になり、この当接によって図7中の点線Kにより示される該回転軸の周りに、内シャフト21に対して外シャフト51が反時計回り方向(図3中、矢印Q方向)へさらに回動することが禁止される(図11に示すように、切り欠き55a、55bは内シャフト21の突出部29a、29bを受け入れており、突出部29a、29bが、切り欠き55a、55bを規定する外シャフト51の面に当接することにより、内シャフト21に対する外シャフト51のさらなる回動(図11中、反時計回り方向へのさらなる回動)を禁止しており、これにより図11中、反時計回り方向へ外シャフト51をさらに回動させるように力が加わっても外シャフト51は回動しないので第1内吐出口27h1から第1受入口59aへの連通状態が保持される。)。この状態(この状態を第1回動位置という。)を、図11乃至図14に示した。なお、図11は図3と同様の端面を示しており、図12は図4と同様の端面を示しており、図13は図5と同様の端面を示しており、そして図14は図6と同様の端面を示している。図11乃至図14に示した第1回動位置においては、第1内吐出口27h1が第1受入口59aに連通しているが、第2内吐出口27h2は第2受入口59bに連通していない。
即ち、第1回動位置と第2回動位置とでは、内シャフト21に対して外シャフト51が、第1内吐出口27h1と第2内吐出口27h2との回転位置の差(図8(b)と図8(c)とに示すように、図8(c)中の角度Nだけ第1内吐出口27h1と第2内吐出口27h2との回転位置に差がある。)の角と同じ角だけ回動する。これにより第1回動位置では第1内吐出口27h1と第1受入口59aとは連通すると共に第2内吐出口27h2と第2受入口59bとの連通は断たれ、逆に、第2回動位置では第2内吐出口27h2と第2受入口59bとは連通すると共に第1内吐出口27h1と第1受入口59aとの連通は断たれる。このようになるよう内シャフト21に対する外シャフト51の回動自在な所定範囲が定められる(具体的には、所望の回動範囲を許容しそれ以外の回動を禁止するよう、点線Kにより示される該回転軸の周りに関する突出部29a、29bと切り欠き55a、55bとの形状を定めればよい。)。
【0024】
図15は本装置11の使用方法を示す一部断面図である。図15を参照して本装置11の使用方法(本方法)について簡単に説明しておく。
まず、図15(a)に示すよう本装置11を重機201に取り付ける。具体的には、重機201が有する内嵌部分(図示せず)に接続部23を内嵌させることにより取り付ける。このとき土壌301に添加する添加剤(例えば、セメントミルク)を内部流路31に供給することができるよう、内部流路31の開放端(接続部23の基端に存する内部流路31の開口)に添加剤の供給配管(図示せず)を接続する。なお、重機201は、それに取り付けられた本装置11を、点線Kにより示される回転軸(図15以外の図中に示された点線Kと同じ)の周りに一方向と他方向との正逆両方向に自由に回転させることができる。
【0025】
(第1添加ステップ)
次に、第1添加ステップを行う。重機201により、回転軸Kの周りに一方向に内シャフト21を回転させることで本装置11が土壌301を掘進(先端方向。ここでは下方)し土壌301中に進入する。前述したように、掘削翼91(支持部材92a、92b、掘削刃93a、掘削刃93b)及び攪拌翼95は、前記回転軸(点線K)の周りに外シャフト51が回転すると回転の一方向では土壌301を掘進し土壌301中に進入する作用を有し、回転の他方向では土壌301から後退する作用を有する。第1添加ステップにおいては、回転軸Kの周りに該一方向に内シャフト21を回転させることで外シャフト51も該一方向に回転させ、本装置11を土壌301中に進入させる。本装置11を該一方向に回転させ土壌301中に進入させつつ、土壌301に添加する添加剤(例えば、セメントミルク)を内部流路31へ圧送供給する。内部流路31の基端側に供給された添加剤は、内部流路31を先端側に向かって流れるが、このときは内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置は第1回動位置(即ち、図11乃至図14)にあり、第1内吐出口27h1が第1受入口59aに連通しているが、第2内吐出口27h2は第2受入口59bに連通していない。このため添加剤は、内部流路31、第1内吐出口27h1、第1受入口59aの順に流れ、第1外吐出口57aから土壌301に向けて吐出される。第1外吐出口57aから土壌301に向けて吐出された添加剤は、その後、回転する掘削翼91(ここでは主として支持部材92a、92b)及び攪拌翼95により周囲の土壌301とうまく撹拌混合される(自由回転翼97により周囲の土壌301が掘削翼91や攪拌翼95と共回りすることが防止され、添加剤と土壌301とをうまく撹拌混合することができる。)。
なお、本装置11を該一方向に回転させ土壌301中に進入させる際、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置が第1回動位置(即ち、図11乃至図14)にあるのは、重機201が該一方向に内シャフト21を回転させると、外シャフト51はその周囲に存する土壌301から摩擦や抵抗(該一方向に回転させない方向への力を受ける。)を受け、その摩擦や抵抗によって内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置が第1回動位置(回動限界)になる。
このように回転軸Kの周りに該一方向に内シャフト21を回転させ土壌301を掘進進入しつつ、第1外吐出口57aから添加剤を吐出させ土壌301に添加する第1添加ステップが終了したところを図15(b)に示した。
【0026】
(第2添加ステップ)
そして、第2添加ステップを行う。第1添加ステップが終了した図15(b)の状態から、回転軸Kの周りに他方向(即ち、第1添加ステップとは逆方向)に内シャフト21を回転させ土壌301に対して後退(基端方向。ここでは上方)しつつ、第2外吐出口57bから添加剤を吐出させる。前述のように、掘削翼91(支持部材92a、92b、掘削刃93a、掘削刃93b)及び攪拌翼95は、前記回転軸(点線K)の周りに外シャフト51が前記他方向に回転すると土壌301から後退する作用を有するので、第2添加ステップにおいては、回転軸Kの周りに該他方向に内シャフト21を回転させることで外シャフト51も該他方向に回転させ、本装置11を土壌301から後退させる。本装置11を該他方向に回転させ土壌301から後退させつつ、土壌301に添加する添加剤を内部流路31へ圧送供給する。内部流路31の基端側に供給された添加剤は、内部流路31を先端側に向かって流れるが、このときは内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置は第2回動位置(即ち、図3乃至図6に示した状態)にあり、第2内吐出口27h2が第2受入口59bに連通しているが、第1内吐出口27h1は第1受入口59aに連通していない。このため添加剤は、内部流路31、第2内吐出口27h2、第2受入口59bの順に流れ、第2外吐出口57bから土壌301に向けて吐出される。第2外吐出口57bから土壌301に向けて吐出された添加剤は、その後、回転する攪拌翼95及び掘削翼91により周囲の土壌301とうまく撹拌混合される(自由回転翼97により周囲の土壌301が掘削翼91や攪拌翼95と共回りすることが防止され、添加剤と土壌301とをうまく撹拌混合することができる。)。
なお、本装置11を該他方向に回転させ土壌301に対して後退させる際、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置が第2回動位置(即ち、図3乃至図6に示した状態)にあるのは、重機201が該他方向に内シャフト21を回転させると、外シャフト51はその周囲に存する土壌301から摩擦や抵抗(該他方向に回転させない方向への力を受ける。)を受け、その摩擦や抵抗によって内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置が第2回動位置(回動限界)になる。
このように回転軸Kの周りに該他方向に内シャフト21を回転させ土壌301に対して後退(基端方向。ここでは上方)しつつ、第2外吐出口57bから添加剤を吐出させ土壌301に添加する第2添加ステップの途中を図15(c)に、そして第2添加ステップが終了したところを図15(d)に示した。以上のようにして、添加剤と撹拌混合された土壌303を形成することができる。
【0027】
このように本装置11を使用すれば、土壌301に添加剤をうまく撹拌混合し添加することができる。
特に、本装置11が、土壌301を掘進(先端方向。ここでは下方)しつつ添加剤を添加する場合には先端側(ここでは下方側)に存する第1外吐出口57aから添加剤が土壌301に向けて吐出され、土壌301に対して後退(基端方向。ここでは上方)しつつ添加剤を添加する場合には基端側に存する第2外吐出口57bから添加剤が土壌301に向けて吐出されるので、いずれの場合も、土壌301に向けて吐出された添加剤は、その後、回転する攪拌翼95及び掘削翼91により周囲の土壌301とうまく撹拌混合される(自由回転翼97により周囲の土壌301が掘削翼91や攪拌翼95と共回りすることが防止され、添加剤と土壌301とをうまく撹拌混合することができる。)。
さらに、添加剤と撹拌混合された土壌303は、第1添加ステップ及び第2添加ステップにより2度添加剤と撹拌混合されているので、添加剤がまんべんなく混合されている。
【0028】
以上説明したように、本装置11は、回転軸Kを軸とする回転面の少なくとも一部を形成する回転外面(略直円柱形状の嵌入部27の側面27a)と、土壌301を掘削及び/又は攪拌する際に土壌に添加される添加剤を流通させる流路たる内部流路31と、該流路たる内部流路31と連通するように該回転外面(嵌入部27の側面27a)に形成された内吐出口(第1内吐出口27h1、第2内吐出口27h2)と、を有する内シャフト21と、土壌301を掘削及び/又は攪拌する回転翼(掘削翼91、攪拌翼95)が外面に取り付けられ、該回転軸Kの周りに所定範囲内(ここでは第1回動位置と第2回動位置との間の範囲内)で回動自在に内シャフト21に外嵌される中空の外シャフト51であって、該回転軸Kを軸とする回転面の少なくとも一部を形成し該回転外面(嵌入部27の側面27a)に面する回転内面(外シャフト51の内部空間53を規定する内面が該回転内面を構成している。なお、ここでは該回転外面と該回転内面とはほぼ摺接している。)に形成された第1受入口59a及び第2受入口59bと、第1受入口59aに連通するように外面に形成された第1外吐出口57aと、第1外吐出口57aとは該回転軸K方向に関し離れた外面に第2受入口59bに連通するように形成された第2外吐出口57bと、を有する外シャフト51と、を備えてなり、内シャフト21に対する外シャフト51の回動位置のうち回動可能な該所定範囲(ここでは第1回動位置と第2回動位置との間の範囲)の一方向の限界である第1回動位置において内吐出口(第1内吐出口27h1、第2内吐出口27h2)と第1受入口59aとが連通し、かつ他方向の限界である第2回動位置において内吐出口(第1内吐出口27h1、第2内吐出口27h2)と第2受入口59bとが連通するものである、土壌301への添加剤吐出装置である。
【0029】
そして、本装置11においては、内吐出口(第1内吐出口27h1、第2内吐出口27h2)が、前記第1回動位置において第1受入口59aと連通する第1内吐出口27h1と、前記第2回動位置において第2受入口59bと連通する第2内吐出口27h2と、を有するものである。
さらに、前記第1回動位置において、内シャフト21が有する第1回動制限内部分たる突出部29(29a、29b)が、外シャフト51が有する第1回動制限外部分たる切り欠き55a、55b(を規定する外シャフト51の面)に当接することで、内シャフト21に対して外シャフト51が前記一方向へさらに回動することを禁止するものであり、前記第2回動位置において、内シャフト21が有する第2回動制限内部分たる突出部29(29a、29b)が、外シャフト51が有する第2回動制限外部分たる切り欠き55a、55b(を規定する外シャフト51の面)に当接することで、内シャフト21に対して外シャフト51が前記他方向へさらに回動することを禁止する。
また、回転翼(掘削翼91、攪拌翼95)の少なくとも一部が、第1外吐出口57aと第2外吐出口57bとの間に存する。
さらに、前記回転外面(嵌入部27の側面27a)及び前記回転内面(外シャフト51の内部空間53を規定する内面)が、前記回転軸Kを軸とする直円柱の側面によりほぼ形成されている。
加えて、前記回転軸Kの周りに一方向に内シャフト21が回転されることで、内シャフト21に対して外シャフト51が前記第1回動位置に位置した状態で一方向に外シャフト51が回転し、外シャフト51に取り付けられた回転翼(掘削翼91、攪拌翼95)が土壌301を掘進し土壌301中に進入する作用を有するものであり、前記回転軸Kの周りに他方向に内シャフト21が回転されることで、内シャフト21に対して外シャフト51が前記第2回動位置に位置した状態で他方向に外シャフト51が回転され、外シャフト51に取り付けられた回転翼(掘削翼91、攪拌翼95)が土壌301から後退する作用を有するものであり、第1外吐出口57aが第2外吐出口57bよりも掘進方向(先端方向)に位置するものである。
上で図15を参照して説明した本装置11の使用方法は、本装置11を用いて土壌301に添加剤を添加する方法であって、前記回転軸Kの周りに一方向に内シャフト21を回転させ土壌301を掘進進入しつつ、第1外吐出口57aから添加剤を吐出させる第1添加ステップと、前記回転軸Kの周りに他方向に内シャフト21を回転させ土壌301に対して後退しつつ、第2外吐出口57bから添加剤を吐出させる第2添加ステップと、を含んでなる、土壌への添加剤添加方法である。
なお、本装置11は、前述した特許文献1に記載の地盤改良装置及び地盤改良工法における撹拌ヘッド11と同様に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の土壌への添加剤吐出装置(本装置)を示す正面図である。
【図2】本装置を示す右側面図である。
【図3】図1のA−A端面図である(第2回動位置)。
【図4】図1のB−B端面図である(第2回動位置)。
【図5】図1のC−C端面図である(第2回動位置)。
【図6】図1のE−E端面のうち、内シャフトと外シャフトと先端部材とを含む部分を示す一部端面図である(第2回動位置)。
【図7】内シャフトの正面図である。
【図8】内シャフトの右側面図(図8(a))及び図7の端面図(図8(b)は図7のF−F端面図であり、図8(c)は図7のG−G端面図であり、図8(d)は図7のH−H端面図である。)である。
【図9】外シャフトの断面図である。
【図10】外シャフトの平面図である。
【図11】図1のA−A端面図である(第1回動位置)。
【図12】図1のB−B端面図である(第1回動位置)。
【図13】図1のC−C端面図である(第1回動位置)。
【図14】図1のE−E端面のうち、内シャフトと外シャフトと先端部材とを含む部分を示す一部端面図である(第1回動位置)。
【図15】本装置の使用方法を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0031】
11 本装置
21 内シャフト
23 接続部
23a 略直円錐台部分
23b1、23b2 凹溝
25 つば部
27 嵌入部
27a 側面
27d ネジ孔
27h1 第1内吐出口
27h2 第2内吐出口
29、29a、29b 突出部
31 内部流路
51 外シャフト
53 内部空間
55a、55b 切り欠き
57a 第1外吐出口
57b 第2外吐出口
59a 第1受入口
59b 第2受入口
61 外部
63a 第1潤滑孔
63b 第2潤滑孔
65 自由回転翼支持部
65a 第1リング部
65b 第2リング部
65c 筒部
81 先端部材
83 円盤部分
85 突出部分
91 掘削翼
92a、92b 支持部材
93a、93b 掘削刃
94 角度
95 攪拌翼
95a1、95a2 先端側撹拌翼
95b1、95b2 基端側撹拌翼
97 自由回転翼
97a 外嵌筒部
97ah 開口
97b、97c 翼本体
101a、101b、103 角度
201 重機
301 土壌
303 添加剤と撹拌混合された土壌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を軸とする回転面の少なくとも一部を形成する回転外面と、土壌を掘削及び/又は攪拌する際に土壌に添加される添加剤を流通させる流路と、該流路と連通するように該回転外面に形成された内吐出口と、を有する内シャフトと、
土壌を掘削及び/又は攪拌する回転翼が外面に取り付けられ、該回転軸の周りに所定範囲内で回動自在に内シャフトに外嵌される中空の外シャフトであって、該回転軸を軸とする回転面の少なくとも一部を形成し該回転外面に面する回転内面に形成された第1受入口及び第2受入口と、第1受入口に連通するように外面に形成された第1外吐出口と、第1外吐出口とは該回転軸方向に関し離れた外面に第2受入口に連通するように形成された第2外吐出口と、を有する外シャフトと、
を備えてなり、
内シャフトに対する外シャフトの回動位置のうち回動可能な該所定範囲の一方向の限界である第1回動位置において内吐出口と第1受入口とが連通し、かつ他方向の限界である第2回動位置において内吐出口と第2受入口とが連通するものである、
土壌への添加剤吐出装置。
【請求項2】
内吐出口が、前記第1回動位置において第1受入口と連通する第1内吐出口と、前記第2回動位置において第2受入口と連通する第2内吐出口と、を有するものである、請求項1に記載の土壌への添加剤吐出装置。
【請求項3】
前記第1回動位置において、内シャフトが有する第1回動制限内部分が、外シャフトが有する第1回動制限外部分に当接することで、内シャフトに対して外シャフトが前記一方向へさらに回動することを禁止するものであり、
前記第2回動位置において、内シャフトが有する第2回動制限内部分が、外シャフトが有する第2回動制限外部分に当接することで、内シャフトに対して外シャフトが前記他方向へさらに回動することを禁止するものである、請求項1又は2に記載の土壌への添加剤吐出装置。
【請求項4】
回転翼の少なくとも一部が、第1外吐出口と第2外吐出口との間に存するものである、請求項1乃至3のいずれか1に記載の土壌への添加剤吐出装置。
【請求項5】
前記回転外面及び前記回転内面が、前記回転軸を軸とする直円柱の側面により形成されるものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載の土壌への添加剤吐出装置。
【請求項6】
前記回転軸の周りに一方向に内シャフトが回転されることで、内シャフトに対して外シャフトが前記第1回動位置に位置した状態で一方向に外シャフトが回転し、外シャフトに取り付けられた回転翼が土壌を掘進し土壌中に進入する作用を有するものであり、
前記回転軸の周りに他方向に内シャフトが回転されることで、内シャフトに対して外シャフトが前記第2回動位置に位置した状態で他方向に外シャフトが回転され、外シャフトに取り付けられた回転翼が土壌から後退する作用を有するものであり、
第1外吐出口が第2外吐出口よりも掘進方向に位置するものである、請求項1乃至5のいずれか1に記載の土壌への添加剤吐出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の土壌への添加剤吐出装置を用いて土壌に添加剤を添加する方法であって、
前記回転軸の周りに一方向に内シャフトを回転させ土壌を掘進進入しつつ、第1外吐出口から添加剤を吐出させる第1添加ステップと、
前記回転軸の周りに他方向に内シャフトを回転させ土壌に対して後退しつつ、第2外吐出口から添加剤を吐出させる第2添加ステップと、
を含んでなる、土壌への添加剤添加方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−56603(P2007−56603A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245194(P2005−245194)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(394006059)岩水開発株式会社 (4)
【Fターム(参考)】