説明

土壌水分量の測定方法

【課題】 簡易で容易な測定素子、電源装置、測定装置の構成により対象土壌の水分量を測定する。
【解決手段】 あからじめ測定対象の乾燥土壌の比熱基準値をペルチェ素子10で測定しておく。ペルチェ素子10を測定対象の土壌内に埋設して電源1から供給される一定電流を、所定時間通電してペルチェ素子を所定温度までの温度上昇させる。通電停止後の電圧降下までを測定解析装置20で測定、解析し、これらの測定データと比熱基準値との相関式へのあてはめを行う。これにより測定対象の土壌水分量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土壌水分量の測定方法に係り、ペルチェ素子をセンサとして測定対象の土壌に埋設し、同素子による起電力の変化から対象土壌の水分量を測定するようにした土壌水分量の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌、地盤等の非飽和帯の水分量を連続的に測定することが要求される分野に、土木、防災、水環境観測、農業技術等がある。一般に、土壌、地盤の構成をモデル化すると、土壌、地盤は、固相(土粒子)、液相(土粒子間隙中の水分)、気相(土粒子間隙中の空気)の3相から成り立っている。同一地点で掘り起こしや転圧をしない原地盤では、たとえば土壌を構成するこの間隙容積の変化はほとんどないが、降水や微小な地盤変動の影響を反映して、土壌空隙中の水と空気の比率は大きく変化することが知られている。
【0003】
そこで、この土壌水分量の測定は、農業分野では作物の育成や作土としての土壌の保全管理として、環境分野では地球水循環としての存在量を知ることや、降水を土壌中への貯留可能性など、また、防災分野では切土斜面等の動態観測等として重量な測定項目として挙げられている。
【0004】
この土壌水分量の測定方法には、従来、浸透圧(PF値)を測定して土壌の吸湿過程及び脱水過程に分けて水分量の変化に伴うPF値と土壌水分量を測定する方法(特許文献1参照)、対をなすステンレスロッドの一方の先端から電磁波を出力し、対向した受信側のステンレスロッドに反射して帰還する時間を測定することにより水分量を測定する方法(TDR法)(特許文献2参照)、誘電率の変化を測定する方法(ADR法)、熱を与えてその温度上昇率を測定する方法等が実用化されている。農業技術では比較的土壌水分量の低い領域を扱うPF値を用いた土壌水分測定が行われ、土木、防災分野では高い水分量の領域での測定が望まれ、TDR法、ADR法などが用いられている。
【0005】
TDR法による土壌水分測定では、センサー基部にあるエポキシで覆われた回路機器から発振する電磁波が、ステンレスロッドの先端から反射して帰還すると次の発振を行います。その発振間隔を測定し、その計測時間(たとえばmSオーダー)に補正式を与えて土壌水分を求めるようになっている。また、ポーラス材で覆った誘電率測定法(ADR法)を用いた感応部は、埋設された周囲土壌の水分ポテンシャルにバランスするようになっている。
【0006】
これらのうち、熱を与えて温度上昇を測定する原理には、比熱測定と熱伝導度測定がある。比熱測定は水の比熱が他の物質に比べ大きいことを利用して、土中の熱容量の測定によって水分量の変化に着目した測定を行うものである。熱伝導度による方法は、水分変化による熱の拡散の相違に着目した測定を行うものである。
【0007】
土粒子中の水の量に応じて土壌としての比熱が変わる点を応用した比熱測定法では、測定対象土壌範囲を電熱線ヒーターにより一定時間(一定熱量)加熱し、温度センサーでその温度上昇量を測定し、比熱を考慮した土壌水分量へ換算する方法が実施されている。
【0008】
【特許文献1】特開平10−78401号公報
【特許文献2】特開20000−146867公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に示したPF値測定器は、植物生育用の限られた用途にしか適用できず、広域な斜面等の水分計測には適用できない。また、特許文献2に開示された水分計測装置は基本的なTDR法のS/N比の改善を図ることを目的とする改良装置であり、後述するように、本願発明のペルチェ素子による温度変化による起電力の変化に着目するという点とは異なる技術的課題を解決するものである。
【0010】
一方、土中に熱を与えてその温度上昇率を測定する方法は、熱を発生させるための発熱源として電熱線ヒーター等を用いるため、継続的な電力供給を行うことができる電源装置が必要となる。さらに、計測場所によっては、継続的な商用電源の供給が受けられない場合も多く、バッテリー等では長期間の測定が行えないという問題もある。
【0011】
測定現場での問題として、電熱線と温度センサーを設置する際、熱源とセンサーとの位置関係によっては温度測定の精度が低下し、また反応時間の時間的ずれによる誤差も生じるため、精度上の問題がある。そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、電熱線ヒーターによる発熱の代わりに、電子冷却素子として活用されているペルチェ素子を用い、電流を与えることでその両面に生じた温度差を利用した起電力を連続測定することにより、土壌内の水分量の変化を把握できるようにした土壌水分量の測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明はあからじめ測定対象の乾燥土壌の比熱基準値をペルチェ素子で測定しておき、該ペルチェ素子を測定対象の土壌内に埋設して一定電流を所定時間通電して前記ペルチェ素子を所定温度までの温度上昇させ、通電停止後の電圧降下までを測定し、これらの測定データと前記比熱基準値との相関式へのあてはめにより、測定対象の土壌水分量を算出するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、他の測定方法として、ペルチェ素子を測定対象の土壌内に埋設して一定電流を所定時間通電し、前記ペルチェ素子の両面の温度差を一定値に収束させ、該収束時の電圧と、前記ペルチェ素子により求めた乾燥土壌における電圧値との差から熱伝導率値を求め、相関式へのあてはめにより、測定対象の土壌水分量を算出するようにしたことを特徴とする。
【0014】
上述のペルチェ素子は、防護部材で保護され、測定対象土壌内に乱さない状態で埋設されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
土壌水分量の測定を比熱法によって測定する際に、耐久性を有し、省電力、省スペースの装置を設定でき、これにより、測定対象の土壌の水分量を長期計測することが可能となり、また設置場所等の制約がほとんど無く、土壌水分量の測定を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の土壌水分量の測定方法の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
【0017】
本発明では、電熱部と温度センサーに相当する部材としてペルチェ素子を用い、両者の作用を果たす一体構造部材を用いることとした。公知のペルチェ素子は、内部に配列された半導体への通電時に、セラミックス等で覆われた素子の両面に温度差を発生させる特性(ゼーベック効果)と、温度差が発生すると端子間に起電力(ペルチェ効果)が発生する効果を有する。そこで、電熱線ヒーターによって土壌部分を発熱させるのに代えてペルチェ素子を用い、素子端子間に所定電圧電流を印加することで、片面発熱、片面冷却状態となるときの素子両面の温度差を利用する。
【0018】
また、素子の他の効果として、素子両面間に発生した温度差により、端子間において所定の電圧が得られ、起電力効果が現れる。この起電力を測定し、温度差との関係から温度センサーとしての機能を得ることができる。このように、ペルチェ素子を用いることで、発熱体と温度センサーが1つの素子で連続測定することが可能になる。
【0019】
上述のペルチェ素子による温度差利用は、電熱線ヒーターによる発熱に比べ測定部全体の発熱量が少なく、土中の局部的な温度上昇による土質の乱れを軽減できる。また、2点の温度差による測定原理であるため、季節、日照などによる環境温度変化に対して温度差を測定することで環境温度変化による測定誤差を極めて少なくできる。
【0020】
また、発生した温度差の信号検出はペルチェ素子本来の性質である温度差電圧(ペルチェ効果)により、同時に電圧信号として検出できる。このため別途の温度センサーを必要とせず、正確な温度差信号を検出できる。
【実施例】
【0021】
以下、上述のペルチェ素子を用いた土壌水分量測定方法に用いる装置の概略構成および解析手法の実施例を説明する。
図1は、本発明の土壌水分量測定に用いられる測定〜解析のためのシステム全体を示した概略構成図である。図2は、土壌中に埋設されるペルチェ素子の防護形態例を示した概略斜視図である。
【0022】
本測定方法の測定〜解析システムは概略、図1に示したように、土壌水分量の測定点に埋設される水分測定部としてのペルチェ素子10と、ペルチェ素子10の両面に一定の熱量の移動を発生させて温度差を与える、電源1と、得られた起電力信号を検出する増幅部(増幅回路)22、A/D変換器23、演算部24、データの出力/記録部25、表示部26とを備えた測定装置20から構成される。
【0023】
電源1からの供給電流は、定電流電源回路3、タイマー制御回路2を経て、ペルチェ素子の端子間に、一定電流がタイマーで制御された一定時間印加される。また電源1は、現場での測定期間、測定場所状況等に応じて長期間の使用が可能な直流バッテリー電源を使用することが好ましい。
【0024】
ペルチェ素子10は、図2各図に示したように、防水性、耐衝撃性を有し、長期の埋設状態においても素子機能の低下が生じないような耐久構造を有することが必要である。図2(a)は、素子側面に薄銅板を貼着して素子側面の保護、熱伝導性の向上を図った例を、同図(b)は、セラミックス製の素子側面は露出した状態にあるが、その周囲にステンレス製の枠体12を貼着し、素子の防護を図っている。なお、防護部材が施されていないペルチェ素子の本来の仕様に対して、防護部材を付加したことによって特性変化が生じる場合には、ペルチェ素子自体のキャリブレーションを行うことが好ましい。
【0025】
測定に際しては防水加工して土壌中に埋設し、周辺土壌を安定させた状態の水分測定部としてのペルチェ素子に所定の電流を印加し、素子両面間に所定の温度差を発生させる。このとき土中の水分量の大小により素子両面の温度差に変化が現れる。そこで、この温度差の変動率を測定し、あらかじめ求めておいた対象土壌の比熱(熱容量)を利用した換算式によって水分量を算出し、出力データ記録あるいはデータ表示する。
【0026】
通電時は、一定電流回路を用いて常に電流を一定にして与え、熱量の調整は与える時間により規定する。ペルチェ素子への通電による発生熱量(J)は、電流値(A)×電圧(V)×時間(秒)の積分値で与えられるが、ペルチェ素子の大きな利点として発熱面には冷却面により吸熱された熱量が加算され、供給電力以上の発熱をさせることができる。このため、少ない電力で大きな発生熱量の測定が可能となる。発熱面での実際の発生熱量(J)は、以下の関係式
発生熱量(J)=投入電力による熱量(J)+冷却面の吸熱熱量(J)
で求めることができる。なお、そのときの冷却熱量はペルチェ素子の仕様効率によって決まる。一般的な素子の吸熱量は投入熱量の0.3〜0.4倍程度となる。
【0027】
[解析方法]
ここで、土壌水分量の多少に応じた好ましい解析方法について説明する。
(比熱法による解析)
土壌を構成する成分は、モデル上、液相(水)、気相(空気)、固相(土粒子)に区分される。これらの比熱は、
液相:水の比熱は1(cal/g・K)、単位質量あたりの熱容量は約4.18(J/g・K)
気相:空気の比熱は約0.24(cal/g・K)、単位質量あたりの熱容量は約1(J/g・K)
固相:土の比熱は約0.2(cal/g・K)程度、単位質量あたりの熱容量は約0.8〜1.0(J/g・K)
であることが知られている。
【0028】
土壌全体に対する土粒子の占める熱容量は、それに空隙率を乗じた値であり相対的に小さな熱容量である。気相は重量が少なく、空隙中の単位体積当たりの熱容量は非常に小さい。このとき、物質に一定の熱量を与えた時の物質の温度変化は、
温度変化(K)=熱量(J)/熱容量(J・K)
の関係があり、発熱に対して熱容量に逆比例した温度変化として測定できる。水に対する比熱で表すと、上式から、
温度変化(K)=熱量(J)/(物質の質量(g)×比熱×4.18(J/g・K))
となる。
上述のように、対象土壌の土質モデル全体の熱容量は、土粒子、水、空気の各熱容量の和となり、その中でも水分量の占める熱容量の影響は大きい。
【0029】
(測定部材の設置〜現場測定〜比熱法による信号処理)
土質全体の比熱は、空隙中に占める水分の重量比率に比例することから、重力水の観測などの降水分量の領域で有効な解析手段となる。まず、測定部材としてのペルチェ素子のキャリブレーションを行う。キャリブレーション方法としては、測定部を設置する測定場所の土壌サンプルを非破壊で採取し、実験室等で絶対乾燥状態とし、そのサンプルに測定に用いる仕様と同一のペルチェ素子を埋め込み、比熱の基準値を測定しておく。次いで、測定対象土壌を乱さないように、測定部材としてのペルチェ素子および素子から導出された配線を土中に埋設する。このときペルチェ素子を傷めないように、図2に示したような防護部材を用いることが好ましい。
【0030】
測定部材が埋設されたフィールドでの測定方法は、出力部から直接データ取得し、あるいは記憶部に連続して蓄積された蓄積測定データを用いた解析を行う。まず、測定データ値(生データ)からキャリブレーションで得た基準値を引いた差分を求め、得られたデータから、演算部にて比熱データの演算を行う。実際は、測定部材であるペルチェ素子に一定時間(たとえば10秒)通電し、通電停止させた後、定常状態に安定するまでの過渡特性を求め、その差分が、対象土壌の熱容量の変化に対する成分として検出される。水分量への変換は、キャリブレーション係数により水分量換算すればよい。また、相関精度を上げるために、多項式近似補正を用いることも有効である。測定例として図3,その測定例における差分算出後の特性変化の一例を図4に示す。
【0031】
(熱伝導率法による解析)
比較的低含水率(PF4.0〜4.2程度)領域においては、水分量の変動に対して熱伝導率の変化が大きく、土壌中の水分量の変化に伴い、その熱伝導率が顕著である点に着目して熱伝導率の変化することを利用する解析も可能である。この解析を行うためには、埋設された測定部材としてのペルチェ素子に一定電流を通電する際、両面の温度差が一定値に収束するまで、比熱法に比べて、長時間(1分程度)通電を行う。そして、収束点での電圧を測定し、土壌の絶対乾燥状態での電圧値との差を測定する。この解析手法は、比熱法に比べ、比較的低水分率の測定に有効である。
【0032】
以下、ペルチェ素子による電圧測定結果と測定土壌の水分量との関係を把握するために行った実験及びその解析手法の一例について説明する。
[実験例]
(1)ペルチェ素子電圧過渡特性確認試験
(実験概要)
ペルチェ素子を完全乾燥させた土槽内に埋設し、一定の電流値(1A)を一定時間(10秒)ペルチェ素子の両端子に印加し、ペルチェ素子の両面に温度差を発生させ、通電停止後のペルチェ素子の電圧過渡特性を把握する。このとき、対象となる土槽内に水を添加し、測定位置での土壌の含水率を5,10,20,40,60%と増加させて、同様の通電及び、通電停止後の電圧降下状態を測定し、含水率の相違による温度差の過渡特性を把握する。
【0033】
(測定結果)
上述の完全乾燥状態および5種類の含水率における通電時発生起電力および、通電停止の後の電圧の低減状態を図3に、水分による熱容量の影響を考慮し、完全乾燥状態の電圧値を差し引いた差分電圧の変化を図4に示した。完全に乾燥した試料では温度差上昇、降下率が大きく早い時間で定常状態に戻り、含水率が高くなるに連れて、すなわち湿潤した試料になるにつれて、含水分による熱容量が上昇するため、温度差の上昇、降下率が小さくなり、その結果、定常状態に戻るまでの時間も長くなる傾向にある。
【0034】
(2)水分量換算式の設定と解析式
上述のように、電圧値を連続して、通電停止後の温度変化を波形記録し、その波形データから解析を行うが、測定範囲全域において波形記録する方法ではデータ容量が膨大になるため、特定の実験値を抽出し、それらの値から土中水分換算値を得るようにすることが好ましい。
【0035】
図5は一例として測定波形データのうち特定の実験値(V0〜V4)を抽出した例を示した測定グラフである。これら特異点のうち、V0〜V4を用いて水分換算式を下式のように求めることができる。
温度差上昇電圧:Vt1
t1=V2−V1 …(式1)
温度差降下電圧:Vt2
t2=V4 …(式2)
温度差降下率:ΔT2
ΔT=V4/V3 …(式3)
と設定する。これら温度差上昇電圧Vt1、温度差降下電圧Vt2、温度差降下率ΔT2として、各測定時で得られた算出した結果としての温度差変化率ΔTの変化傾向を模式的に示したのが図6である。
【0036】
実際の水分量を換算する手順において、温度差変化率ΔTを例に説明する。
測定対象とする土壌のサンプルを完全乾燥し、上記(式3)から、温度降下時の温度差変化率ΔTを求める。サンプルに一定量の水分を順次添加し、多点にわたる含水状態を設定し、そのときの温度差変化率ΔTを測定する。測定土質の土壌水分量に対する温度変化率の相関関係式を求めることができる。
この測定サイクルを演算部で実現可能な測定装置を用い、対象土壌に可能な測定部材としてのペルチェ素子を埋設し、電源からの供給電流に応じた温度変化率ΔTから、下式(式4)のように土壌質量水分比の換算を測定することもできる。

Q=K×(ΔT0−ΔT1) …(式4)

ここで、
ΔT0:乾燥土の温度変化率
ΔT1:測定土の温度変化率
K:相関係数
Q:土壌質量水分比
【0037】
以上の土壌水分量の測定方法は、地表面付近の土壌に限らず、所定の深度に水位面がある地下水の分布測定、その水位変動の連続観測にも適用できる。これらの情報は、たとえば強雨時に斜面崩壊等のおそれがある地域での斜面安定度の判断、斜面崩壊に至る臨界水分量の観測、定量的に設定された警戒値等との比較による避難警報等の発令等の基礎情報として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の土壌水分量の測定方法に用いられる電流供給・電圧測定システムの概略構成ブロック図。
【図2】ペルチェ素子の防護形態の例を示した斜視図。
【図3】土壌水分量(含水率)を変化させた状態での起電力(電圧)変化を示したグラフ。
【図4】図3に示したグラフから差分電圧の変化を得て示したグラフ。
【図5】土壌水分量(含水率)を変化させた起電力(電圧)変化の特異点を示したグラフ。
【図6】図5に示したグラフから温度差変化率ΔTの変化を得て示したグラフ。
【符号の説明】
【0039】
1 電源
10 ペルチェ素子
20 測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あからじめ測定対象の乾燥土壌の比熱基準値をペルチェ素子で測定しておき、該ペルチェ素子を測定対象の土壌内に埋設して一定電流を所定時間通電して前記ペルチェ素子を所定温度までの温度上昇させ、通電停止後の電圧降下までを測定し、これらの測定データと前記比熱基準値との相関式へのあてはめにより、測定対象の土壌水分量を算出するようにしたことを特徴とする土壌水分量の測定方法。
【請求項2】
ペルチェ素子を測定対象の土壌内に埋設して一定電流を所定時間通電し、前記ペルチェ素子の両面の温度差を一定値に収束させ、該収束時の電圧と、前記ペルチェ素子により求めた乾燥土壌における電圧値との差から熱伝導率値を求め、相関式へのあてはめにより、測定対象の土壌水分量を算出するようにしたことを特徴とする土壌水分量の測定方法。
【請求項3】
前記ペルチェ素子は、防護部材で保護され、測定対象土壌内に乱さない状態で埋設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の土壌水分量の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−194821(P2006−194821A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8925(P2005−8925)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(591168563)株式会社CTIサイエンスシステム (4)
【Fターム(参考)】