説明

圧力調理器

【課題】容器の内圧が所定値以上のときに蓋体のロック解除機構を操作しても開動作できないようにして安全性を高めた圧力調理器を提供すること。
【解決手段】被調理物を収納して加熱調理する容器7と、この容器の開口を覆う開閉自在な蓋体10と、蓋体を前記容器にロックする蓋体ロック機構およびこのロックを解除するロック解除機構を有する蓋体開閉機構22と、容器内の被調理物を加熱する加熱手段5と、加熱手段を制御する制御手段とを備え、蓋体10は、容器7の開口を覆う内蓋11およびこの内蓋を上下動自在に懸架した中蓋13で構成して、中蓋13にロック解除機構の操作を一時不能にする解除釦ロック部材18および容器7の内力が所定値以上になったときに作動して解除ロック部材の作動をストップさせるストッパー部材19を設けて、制御手段により解除ロック部材を蓋体ロック機構に連携させて、ストッパー部材の作動で解除ロック部材Rの作動をストップさせてロック解除機構の操作を不能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温下で圧力をかけて炊飯や煮物等の調理を行う圧力調理器に係り、特に、調理中に蓋体のロック解除釦を押しても蓋体が開かないようにした圧力安全機構を備えた圧力調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力調理器、例えば圧力式炊飯器は、容器内に米と水とからなる被炊飯物を投入し、この容器内の被炊飯物を加熱すると共に容器内を昇圧して炊飯するもので、炊飯時は、容器内が高温でしかも圧力が高くなっている。このため、炊飯時に容器の蓋体が不意に開放されると、熱湯および加熱された米飯が外へ飛散して、周囲の状況によっては使用者に当たり火傷させる恐れがあるので、この種の炊飯器には、通常、蓋体ロック機構が設けられて、炊飯中に蓋体が不意に開放されないように工夫されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
図11は下記特許文献1に記載された圧力調理器の縦断面図であり、図12は図11の要部の拡大縦断面図である。
【0004】
この圧力調理器50は、容器本体51と蓋体52とからなり、蓋体52は、ロック機構53により容器本体51の開口部51aに閉塞状態にロックされるようになっている。
【0005】
このロック機構53は、蓋体カバー54に回動自在に軸着されたロックレバー55と、このロックレバー55の下端の突起部55aが係合される蓋体側面に形成された横穴52aと、ロックレバー55の上端の真下に形成された穴52bに嵌合する安全ゴム弁56と、この安全ゴム弁56の縦穴に挿入され上下動自在なフロート弁57とで構成されている。
【0006】
この調理器50は、操作スイッチがオンされると、容器本体51内の内圧が上昇する。この内圧上昇により、フロート弁57は上方へ移動し、ロックレバー55の一端を突き上げる。すると、ロックレバー55は軸58を中心として回転して、ロックレバー55の下端の突起部55aが、蓋体の側面の横穴52aから蓋体52の側面内側に突出して、ロックレバー55の突起部55aは容器本体の突起部(図示省略)と横並びに並ぶ。この横並びにより、蓋体52を容器本体51に対して回転させようとしても、ロックレバー55の突起部55aが容器本体の突起部の縁部と係止しており、蓋体と容器本体との嵌合を解除する方向の回転ができなくなり、蓋体52を容器本体51から外すことができなくなる。
【0007】
したがって、この調理器は、容器本体内に内圧が掛かっている間は、容器本体と蓋体の嵌合が外れなくなるので安全性が確保される。
【0008】
また、本願の出願人も、このような蓋体ロック機構を備えた炊飯器の特許を取得している(下記特許文献2、3参照)。
【0009】
この炊飯器は、内鍋を収容しこの内鍋を加熱する熱源を有した炊飯器本体と、この炊飯器本体の一側に枢支して開閉自在とした蓋体と、前記内鍋の上方開口部を覆う中蓋と、前記蓋体の枢支側とは反対側に位置しこの蓋体を閉塞状態に保持するロック装置とを備え、前記ロック装置は、蓋体内に設けられ端部に掛止部を有し一部に係当片を有した係止板と、炊飯器本体の上部に設けられ前記係当片に係止するロック解除釦と、前記掛止部に掛止するストッパーとで構成し、前記蓋体の閉塞状態において、前記係止板は、内鍋内の圧力上昇によって前記中蓋が浮き上がるのに伴い掛止部が前記ストッパーに斜めに喰い込んで係止するようにしたものである。
【0010】
この炊飯器によると、内鍋内の圧力上昇に伴って係止板の掛止部がストッパーに斜めに喰い込んで蓋体と炊飯器本体との掛止(ロック状態)が確実となり、不意に蓋体が開いて鍋内の被炊飯物が外へ飛び散ったりすることがなくなる。
【特許文献1】実開平2−74658号公報(図3、図4、実用新案登録請求の範囲)
【特許文献2】特許第2816112号公報(図1、図3、特許請求の範囲)
【特許文献3】特許第2869389号公報(図1、図3、段落〔0024〕〜〔0035〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1〜3に記載された圧力調理器は、容器の内圧が高くなると蓋体ロック機構の係止度合が高められて調理中に蓋体が不意に開放されることがなくなる。しかしながら、この種の圧力調理器は、使用開始時に蓋体をロックしたにも拘わらず確実にロックされず半ロック状態になっていたり、或いは蓋体を完全にロックしたにも拘わらず調理中に誤ってロック解除釦を押して蓋体を開放しまうことがある。
【0012】
このような場合、例えば、蓋体が半ロックになっていると、調理器が転倒したときに蓋体が開いて被調理物が外へ飛び出して周囲を汚染してしまい、或いは調理中であると不意に蓋体が開いて加熱された熱湯および被調理物が外へ飛散してしまうことがある。また、蓋体がロックされているにも拘わらず、調理中に誤って蓋体を開けてしまうと加熱された被調理物が外へ飛散して使用者に当たり火傷させる等の事故原因となる。
【0013】
近年、ユーザのグルメ志向が高まり、これに対応して種々タイプの圧力調理器が開発・製品化されて広く普及してきているが、このような広い普及に伴って使用形態も様々なものとなり、時に誤った使われ方、例えば容器内の被調理物が高温に加熱され内圧が高い状態になっているにも拘わらず、容器内の被調理物の様子を観察するために蓋体を開いてしまうことがある。このような場合、蓋体を開くと当然のことながら火傷等の事故となる。このため、この種の圧力調理器の安全基準は年々改訂され、より安全性の高い製品作りがメーカーに要求されてきている。
【0014】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、容器の内圧が所定値以上のときに蓋体のロック解除機構を操作しても開動作できないようにして安全性を高めた圧力調理器を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、蓋体が半ロック状態になるのを未然に防止して安全性を高めた圧力調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の圧力調理器の発明は、被調理物を収納して加熱調理する容器と、前記容器の開口を覆う開閉自在な蓋体と、前記蓋体を前記容器にロックする蓋体ロック機構およびこの蓋体ロックを解除する蓋体ロック解除機構を有する蓋体開閉機構と、前記容器内の被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段等を制御する制御手段とを備えた圧力調理器において、前記蓋体は、前記容器の開口を覆う内蓋およびこの内蓋を上下動自在に懸架した中蓋で構成して、前記中蓋に前記蓋体ロック解除機構の操作を一時不能にする解除ロック部材および前記容器の内力が所定値以上になったときに作動して前記解除ロック部材の作動をストップさせるストッパー部材を設けて、前記制御手段により前記解除ロック部材を前記蓋体ロック機構に連携させて、前記ストッパー部材の作動で前記解除ロック部材の作動をストップさせて前記蓋体ロック解除機構の操作を不能にすることを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載の圧力調理器において、前記ストッパー部材には、このストッパー部材を所定の付勢力で降下させる調節弾性部材を付設して、前記容器の内圧上昇を受けて前記内蓋が持ち上げられたときに、この内蓋の上昇に応じて前記ストッパー部材が前記調節弾性部材の付勢力に抗して作動して前記解除ロック部材に係合されることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1に記載の圧力調理器において、前記蓋体ロック機構は、一端に係止爪並びに他端に解除釦および当接片を有し略中間部が前記蓋体に枢支された蓋体ロックレバーを有し、前記解除ロック部材を構成する部材が前記蓋体ロックレバーの当接片に突き当たることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3に記載の圧力調理器において、前記解除ロック部材は、一端に解除釦ロック突起および他端に係止部を有し中間部が前記蓋体に枢支された解除釦ロックレバーで形成し、前記ストッパー部材は、前記内蓋の昇降により昇降する昇降部材で形成して、前記制御手段により前記解除釦ロックレバーの解除釦ロック突起を前記蓋体ロックレバーの当接片に当接させて、前記昇降部材を前記係止部に係合させることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項3に記載の圧力調理器において、前記解除ロック部材は、解除釦ロック突起および係止部を有するスライド移動可能な移動部材で形成し、前記ストッパー部材は、前記内蓋の昇降により昇降する昇降部材で形成して、前記制御手段により前記移動部材の解除釦ロック突起を前記蓋体ロックレバーの当接片に当接させて、前記昇降部材を前記係止部に係合させることを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の圧力調理器において、前記解除ロック部材の解除釦ロックレバーおよび移動部材には、前記昇降部材を前記係止部への係合から解除された後に元の位置に復帰する復帰手段が設けられていることを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の圧力調理器において、前記制御手段は、前記圧力調理器の動作開始時および該動作開始時点からの所定時間内の所定のタイミングに前記解除ロック部材を駆動させることを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の圧力調理器において、前記蓋体は、前記容器内の内圧を調整する圧力弁と、前記圧力弁を制御する圧力弁開放機構とを備え、前記解除ロック部材は前記圧力弁開放機構に連結されて、前記圧力弁開放機構は前記制御手段により作動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、容器内の圧力が所定値以上になったときに、ストッパー部材が作動して解除ロック部材の移動を停止させて蓋体ロック解除機構の操作を不能にするので、容器内が所定の圧力、すなわち調理中に蓋体ロック解除機構の操作、例えば解除釦を押しても蓋体が開かないので加熱された被調理物が容器外へ飛散することがなく安全性が向上する。
【0025】
請求項2の発明によれば、ストッパー部材は、調節弾性部材の弾性力(付勢力)に抗して作動するので、この弾性力に相応した容器内圧により、解除ロック部材の移動が停止されて蓋体ロック解除機構の操作を不能にすることが可能になる。また、容器の内圧は、内蓋で検知されるので内圧検知が的確になる。すなわち、内蓋は容器の開口の全面を覆い、この開口を覆った内蓋の全面で内圧を検知(局部的な検知でない)するので、低い値から高い値に亘る広範囲で的確な内圧検出ができる。さらに、弾性力の異なる調整弾性部材を種々用意して置き、この弾性部材を選択することにより、この弾性力に対応した容器内圧により、解除ロック部材の移動を停止させて、蓋体ロック解除機構の操作を不能にすることが可能になる。
【0026】
請求項3の発明によれば、蓋体ロック機構は、一端に係止爪および他端に当接片を有し蓋体に枢支された蓋体ロックレバーからなり、解除ロック部材が蓋体ロックレバーの当接片に突き当たって作動させるので、このロックレバーの梃子作用を利用してロックレバーの係止爪を係止部に小さい力で簡単に食い込ませ、またロックさせることができる。
【0027】
請求項4の発明によれば、解除ロック部材を一端に解除釦ロック突起および他端に係止部を有し中間部を蓋体に枢支した解除釦ロックレバーで形成することにより、このロックレバーの梃子作用を利用して小さい力で蓋体ロックレバーの当接片に突き当てることができる。
【0028】
請求項5の発明によれば、解除ロック部材を解除釦ロック突起および係止部を有するスライド移動可能な移動部材で形成することにより、移動部材の小型化が可能になりスライド移動がスムーズに行うことができる。
【0029】
請求項6の発明によれば、解除ロック部材は、復帰手段により昇降部材と係止部との係合が解除されると元の位置に復帰するので、蓋体ロック解除機構の操作に何ら支障をきたすことなくこの解除機構の操作が可能になる。
【0030】
請求項7の発明によれば、制御手段により、調理器の作動開始時やこの作動開始時点からの所定時間内に、すなわち、容器内の圧力が未だ上昇しない時間帯に、解除ロック部材を駆動させて、この解除ロック部材で蓋体ロックレバーを叩き又は押し当ててこのレバーの係止爪を係止部に係止させるので、蓋体が半ロック状態になることがなくなり、調理中に蓋体が不意に開放されることを防ぐことができる。
【0031】
請求項8の発明によれば、解除ロック部材が圧力弁開放機構に連結されこの圧力弁開放機構が制御手段により制御されるので、簡単な機構で蓋体ロック解除機構の操作を不能にし、また、蓋体の半ロックを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための圧力調理器として圧力式炊飯器を例示するものであって、本発明をこの圧力式炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。なお、この炊飯器は、炊飯時における鍋内圧が1.01気圧以上になるものを対象にするのが好ましい。
【実施例1】
【0033】
図1は本発明の実施例1に係る圧力式炊飯器を略中央部で切断した縦断面図、図2は図1の炊飯器の蓋体の外カバーを外して上方からみた平面図、図3は図1の蓋体部分の拡大断面図、図4は炊飯器を制御する制御手段のブロック図、図5は炊飯工程における温度―圧力の関係を示す特性図である。
【0034】
圧力式炊飯器1は、図1に示すように、被炊飯物が投入される鍋7と、上方にこの鍋7が収容される開口部および内部にこの鍋7を加熱し被炊飯物を加熱する加熱手段(以下、ヒータという)5を有する炊飯器本体(以下、本体という)2と、この本体2の一側に枢支されて開口部を覆う開閉自在な蓋体10と、この蓋体を本体2にロックする蓋体ロック部材およびこのロックを解除する解除釦を有する蓋体ロック機構22と、この蓋体10に装着されて鍋7内の内圧を調整する圧力弁16と、この圧力弁16を制御する圧力弁開放機構Pと、各種の炊飯メニューを表示して選択できる表示操作部8と、選択された炊飯メニューに基づいてヒータ5および圧力弁開放機構Pを制御して鍋7内の被炊飯物を所定温度に加熱して調理する制御手段30を備えている。
【0035】
以下、この炊飯器の構造、蓋体ロック機構、圧力安全機構および制御手段を説明する。
【0036】
本体2は、図1に示すように、有底の箱状外部ケース3と、この外部ケース3に収容される内部ケース4とからなり、外部ケース3と内部ケース4との間に隙間が形成されて、この隙間に制御回路基板等(図示省略)が配設されている。内部ケース4は、その底部および側部にヒータ5、底部4aに鍋底温度を検知するサーミスタ等からなる鍋底温度センサ6が設けられている。ヒータ5には、環状に巻装した電磁誘導コイルが使用されている。なお、ヒータは、電磁誘導コイルに限定されず、通常の電熱ヒータでもよい。また、本体2は、その正面に各種炊飯メニューを表示する表示パネルおよびこの炊飯メニューを選択等する操作釦からなる表示操作部8が設けられている。
【0037】
鍋7は、水および米とからなる所定量の被炊飯物が投入される比較的深底の容器からなり、アルミニウムとステンレスとのクラッド材で形成され内部ケース4の内部に収容される。
【0038】
蓋体10は、図1、図3に示すように、鍋7の開口部を閉蓋する内蓋11と、この内蓋を上下動自在に懸架する中蓋13と、この中蓋を覆い本体2の開口部の全体を閉蓋する外蓋21等とで構成されている。内蓋11は、外周囲に環状のパッキン12が装着され、このパッキン12は鍋7の開口部の内周囲に弾性接触される大きさになっている。また、この内蓋11は、中央部で中蓋13に上下動自在で且つ取外し自在に装着されている。この装着手段には、例えば嵌め込み挟持する手段が使用される。内蓋11を中蓋13に上下動自在に装着すると、鍋7の圧力上昇に応じて、効率よく持ち上げられて後述するストッパー部材の作動を的確に行うことができる。すなわち、内蓋は鍋7の開口部の全体を覆い、この開口部を覆った内蓋の全面で内圧を検知(局部的な検知でない)できるので、低い圧力値から高い圧力値に亘って広範囲で的確な内圧検出が可能になる。
【0039】
この蓋体10は、一側がヒンジ機構Hにより本体2に枢支され、他側が蓋体ロック機構22により本体に係止されている。この蓋体ロック機構22は、図1〜図3に示すように、略中間部が支軸23で枢支され、この支軸23から延びた第1、第2アーム23a、23bを有し、断面形状が「略くの字状」の蓋体ロック部材(なお、この部材は蓋体ロックレバーともいう)23と、この蓋体ロック部材23を内部ケース4に係止される方向へ付勢するバネ体(図示省略)とで構成されている。第1アーム23aには、先端に内部ケース4の係止部4cに係止される係止爪23が設けられている。この係止爪23は第1アーム23aに隣接させて複数個設けるのが好ましい。第2アーム23bは、先端が後述する圧力安全機構Rの解除釦ロック部材18が差込まれる当接片23となっている。また、この当接片23の近傍には、蓋体ロック解除釦(以下、解除釦という)24が装着されている。この構成によると、この解除釦24を押下げると、蓋体ロック部材23は、支軸23を中心にして不図示のバネ体の付勢力に抗して回動され係止爪23が係止部4cから外れ蓋体10が開放される。
【0040】
蓋体10の中蓋13には、支持基板14が取付けられて、この基板14には炊飯中に圧力弁16を開放させる圧力弁開放機構Pおよびこの圧力弁開放機構に連動して作動する圧力安全機構Rが設けられている。
【0041】
圧力弁開放機構Pは、圧力弁16と、この圧力弁16を開放するプランジャ機構17とを有し、圧力弁16は中蓋13に、プランジャ機構17は支持基板14にそれぞれ設けられている。圧力弁16は、所定径の弁孔16が形成された弁座16aと、この弁孔16を塞ぐように弁座16a上に載置される所定の自重を有する金属製ボール16bと、このボール16bの移動を規制することで弁座16a上にボール16bを保持するカバー体16cとで構成されている。このカバー体16cには開口が形成され、この開口に弾性を有するシール部材16が装着されている。プランジャ機構17は、図1〜図3に示すように、電磁コイルが巻回されたシリンダ17aと、このシリンダ17a内を電磁コイルの励磁によりボール16bを移動させるロッド17b(図3参照)と、このロッド17bの先端に装着された作動桿17cと、シリンダ17aの一端部と作動桿17cとの間に設けられたバネ体17d(図2参照)とで構成されている。作動桿17cの先端部は、シール部材16に結合され、このシール部材16は作動桿17cの移動によりボール方向へ撓みボール16bを押動するようになっている。また、作動桿17cは支持基板14にX方向(図2参照)へスライド移動可能な固定部材14aで固定されている。
【0042】
この圧力弁開放機構Pは、図4に示す制御手段30により制御される。すなわち、プランジャ機構17は、制御手段30からの出力を受けていない通常状態の時は、ロッド17bがシリンダ17aから突出して弁孔16上のボール16bを弁孔の横方向へ押し、この弁孔16を強制的に開放する。また、プランジャ機構17は、制御手段30の出力を受けた時にはロッド17bがシリンダ17a内へ没入する。このときボール16bは、自重により弁孔16上に戻りこの弁孔16を閉塞する。このようにしてプランジャ機構17は、圧力弁開放機構Pに連動して作動し、圧力弁16と圧力弁開放機構Pとは炊飯工程中に加圧された鍋内の圧力を強制的に降下させるための圧力変更手段として用いられる。また、外蓋21には弁孔16を介して鍋内と大気とを連通し、鍋内の圧力や蒸気を大気中に逃がす蒸気口25が設けられている(図1参照)。さらに、この外蓋21には、安全弁が設けられている。
【0043】
圧力安全機構Rは、圧力弁開放機構Pに隣接して支持基板14上に設けられている。この圧力安全機構Rは、図1〜図3に示すように、解除釦24の押動をロックする解除釦ロック部材(以下、解除釦ロックレバーという)18と、内蓋11の上昇により押上げられるストッパー部材(以下、ストッパーという)19と、内蓋11と解除釦ロックレバー18との間にあって鍋7の圧力によって伸縮してストッパー19を作動させるコイルスプリング20と、を有している。解除釦ロックレバー18は、略中間部が支持基板14に支軸18で枢支され、この支軸18から所定の角度で延びた第1、第2アーム18a、18bを有し、上方からみた形状が「略逆く字状」をなし、第1アーム18aの端部に解除釦ロック突起(以下、ロック突起という)18が形成され、第2アーム18bの端部に係止穴18が形成されている。また、第2アーム18bの端部とプランジャ機構17との間には伸張したコイルスプリングSが装着されている。このロックレバー18は、圧力弁開放機構Pのプランジャ機構17の作動に連動して作動される。
【0044】
この圧力安全機構Rの動作は、プランジャ機構17の作動桿17cにより第1アーム18aが押動されると、コイルスプリングSが圧縮されてロック突起18が蓋体ロック部材23の当接片23の下側へ入り込む(図6(a)参照)。このロック突起18が蓋体ロック部材23の当接片23の下側へ入り込む動作を数回繰り返して行うと、蓋体ロック部材23の係止爪23が半ロックになっていても、係合の度合いが増大されて蓋体の半ロックを防止できる。また、プランジャ機構の作動桿17cが後退すると、コイルスプリングSの復元力により元の位置へ戻り、通常通り、解除釦24を操作することができ、この解除釦の操作に何ら支障を与えることがない(図6(b)参照)。
【0045】
ストッパー19は、下方に中蓋13への取付け部19cおよびバネ支持部19a並びにこのバネ支持部19aから上方へ突出した円柱状の突出ピン19bを有している。取付け部19cは、弾性片からなるリング状のフランジからなり、また、突出ピン19bの直径は、係止穴18に嵌入可能な大きさになっている。このストッパー19は、中蓋13と支持基板14間の隙間Gにコイルスプリング20で付勢されて固定される。すなわち、中蓋13に円形状の穴13aを設けて、この穴13aの外周囲にストッパー19のリング状のフランジを固定する。一方、支持基板14には、ストッパー19の突出ピン19bを突出させる穴14aをあけ、突出ピン19bをこの穴から突出するようにする。
【0046】
コイルスプリング20は、圧力安全機構のストッパーの作動、すなわち鍋7の内圧の大きさに応じて作動する調節部材となるもので、所定の圧縮力で圧縮されるスプリングが使用される。すなわち、このコイルスプリング20によりストッパー19を下方へ押下げておき、鍋7内の圧力が上昇すると、内蓋11が上方へ持ち上げられて、この内蓋11が持ち上がることにより、ストッパー19が上昇して、突出ピン19bがロックレバー18の係合穴18に係合されるようにするものである。このコイルスプリング20の付勢力(圧縮力)を所定値のものにし、鍋7の内圧に応じたものを選択することにより、ロックレバー18の係止穴との係合のタイミングを変更することができる。例えば、コイルスプリング20の付勢力を内圧が大気圧に対して4KPa(気圧に換算すると約0.04気圧)のものに選定すると、鍋内の圧力上昇が4KPa未満のときは、コイルスプリング20のバネ力が勝って内蓋11の下降とともに降下してストッパーの突出ピン19bが係止穴18から抜け出る。一方、内圧上昇が4KPa以上になると、このコイルスプリング20が圧縮されて、このピンが上昇して係止穴と係合する。この状態は、内圧上昇が4KPa未満になるまで継続される。このストッパー19の係合により、ロック突起18が蓋体ロック部材の下に位置して解除釦24を押しても、蓋体10のロックが外れることがない。
【0047】
制御手段30は、図4に示すように、制御部31a、演算部31b、計時部31cおよび記憶部31dを有するマイクロコンピュータ31からなり、この制御手段の入力部31には、炊飯スタート釦32、メニュー選択釦33、タイマ設定釦35および鍋底の温度を検出する温度センサ34が接続され、また、出力部31には、ヒータ(誘導コイル)5、圧力弁開放機構P、および表示手段8Aが接続されている。記憶部31dには、各種の炊飯メニューおよびこのメニューを実行するプログラムが収納されている。すなわち、炊飯プログラムは、例えば、所定量の水分を米粒に吸水させる吸水工程、この吸水された米粒を沸騰するまで昇温加熱する立上り加熱工程、この米粒を沸騰状態に維持する沸騰維持工程、この沸騰維持工程後にご飯を蒸らす蒸らし工程等となっている(図5参照)。
【0048】
次に、図1〜図5および図6、図7を参照して圧力安全機構Rの動作を説明する。なお、図6は図1の圧力安全機構を説明する平面図であって、図6(a)は鍋の内圧上昇が所定値以上で圧力弁が閉状態、図6(b)は所定値未満で圧力弁が開放状態、図6(c)は所定値以上で圧力弁が開放状態を示している。図7(a)は図6(a)に、図7(b)は図6(b)に図7(c)図6(c)にそれぞれ対応する断面図である。
【0049】
この圧力安全機構Rは、圧力弁開放機構Pの動作に連動して、以下の動作となる。
(1)炊飯器スタート時
蓋体10を閉じ炊飯スタート釦32を押す前は、例えば図3、図6(b)、図7(b)に示すように、プランジャ機構17は、バネ体17dの蓄勢力により、ロッド17bがシリンダ17aから突出して弁孔16上のボール16bを弁孔16の横方向に押して強制的に開放している。
【0050】
炊飯スタート釦32を押すと、圧力弁開放機構Pのプランジャ機構17は、制御手段30の出力を受けて、ロッド17bがシリンダ17a内へ引き込まれる。このときボール16bは、自重により弁孔16上に戻りこの弁孔16を閉塞する(図6(a)、図7(a)参照)。
【0051】
このロッド17bがシリンダ17a内へ引き込まれると、このロッド17bが作動桿17cに連結されているので、この作動桿17cがロックレバー18のアーム18aに衝突して、このアームのロック突起18で蓋体ロックレバーの当接片23を押動する。このとき、蓋体10が半掛かりになっていると、この作動桿17cの衝突により、ロック突起18が蓋体ロックレバー23の当接片23の下方へ差し込まれて、この蓋体ロックレバー23が支軸23を中心に回動して梃子作用が働き、小さい押動で係止爪23aが係止部4cに深く係止されて半ロック状態が解消される。
【0052】
この圧力弁開放機構Pは、図5に示す炊飯工程の初期、すなわち、炊飯器1の作動開始時および/又はこの作動開始時点からの所定時間内で鍋7内の圧力が未だ上昇しない時間帯に、秒単位で間歇的にプランジャ機構17を作動させて、ロックレバー18を作動させて蓋体ロックレバー23を数回叩いて蓋体ロックレバーの係止爪23を炊飯器本体の係止部4cに喰い込ませるのが好ましい。これにより、蓋体が半ロック状態であっても炊飯工程の初期段階でこの半ロック状態が解消されるので、炊飯中に蓋体が不意に開放されることを防止できる。なお、圧力弁開放機構Pを数回作動させると、圧力弁はその都度開状態となるが、スタート時には、米の吸水工程であるので圧力弁の開閉により鍋の加熱に影響を及ぼすことがない。また、このスタート時は、鍋7の内圧上昇が所定値、例えば4KPa未満となっているので、内蓋11は自重で下方へ下降しており、一方、ストッパー19はコイルスプリング20の伸張力により下方へ押下げられている。したがって、圧力弁開放機構Pを数回作動させても解除釦ロックレバー18の移動が停止されることなく、スプリングSの復帰力により元の位置へ復帰する。
(2)吸水・立上り加熱工程
この吸水・立上り工程では、圧力弁開放機構Pの圧力弁は、閉状態で鍋7内の被炊飯物が加熱される。立上り加熱工程に入ると、図5に示すように、鍋7の内圧が急上昇するので、この内圧上昇が所定値、例えば4KPaを超えると、内蓋11がこの内圧上昇を受けて上方へ持ち上げられて、ストッパー19がコイルスプリング20の伸張力に抗して上昇されて、解除釦ロックレバー18に当接する。このストッパーの上昇タイミングに合わせて、圧力弁開放機構Pを作動させてロックレバー18を押動することにより、ストッパー19の突出ピン19bが係合穴18に係合されてこの移動が停止される。ロックレバー18がストッパー19によりロックされると、ロック突起18が当接片23の下方に位置して、解除釦24を押しても、この当接片23がロック突起18にぶつかって下降が阻止されて蓋体10の開動作ができなくなる。この状態では、コイルスプリングSは、第2アーム18bの端部とプランジャ機構17との間にあって圧縮された状態になっている。
(3)沸騰維持工程
ロックレバー18がストッパー19でロックされた後も、圧力弁開放機構Pの圧力弁が閉状態で鍋7の加熱が継続されて、沸騰維持工程に移行すると、鍋7内の圧力は大気圧以上の所定圧力、例えば約1.2気圧となり、米粒はこの圧力に対応する飽和温度で沸騰する。この沸騰維持工程で制御手段30により圧力弁開放機構Pを作動させてボール16bを移動させることで圧力弁16の開動作が行われる。この圧力弁の強制的開動作は所定時間、例えば4秒間継続する(図6(c)、図7(c)参照)。この圧力弁の強制的開動作により、鍋7内の圧力が大気圧近傍まで低下する。鍋7内の圧力を所定沸騰圧力(約1.2気圧)から一気に大気圧近傍まで低下させると、鍋7内は激しい突沸状態となる。この突沸状態になると、鍋内に泡が発生し、この泡によって米粒が撹拌される。この結果、米粒が均一に加熱され、炊き上げられることになる。圧力弁を複数回開放する操作を終えると、圧力弁開放機構Pによる圧力弁の強制的開放が停止され、圧力弁を閉状態とされる(図6(a)、図7(a)参照)。
【0053】
この沸騰維持工程では、既にロックレバー18がストッパー19により移動がストップされているので、圧力弁開放機構Pが圧力安全機構Rのロックレバー18に作用することがない。
(4)蒸らし・追い炊き工程
鍋7内の水が枯れて強制ドライアップが終了すると、ヒータ5による加熱作用が停止されて、蒸らし工程が開始される。蒸らし工程1では、所定の蒸らし時間が所定時間、例えば4分行われて、圧力弁開放機構Pにより圧力弁16が強制的に開放され、追炊き工程に移行される。この追炊き工程に入ると、ヒータ5により再加熱して米の表面に付着した水を蒸発させると共に、所定の時間、例えば3分追炊き(再加熱)を行い、その後、ヒータによる加熱を停止して蒸らし工程2に移行して炊飯を終了する。
【0054】
炊飯工程が終了すると、鍋7の内圧が低下するので、内蓋11は下降し、同時にストッパー19は、これまで圧縮されていたコイルスプリング20の復元力により降下して、突出ピン19bは係止穴18から抜け出る。この係合が外れると、ロックレバー18はコイルスプリングSの伸張力により元に戻りロック突起18が当接片23から離れる。これにより、解除釦24を下方に押動の操作が可能となり蓋体10を開くことができる。
【0055】
この圧力安全機構Rは、圧力弁開放機構Pに連結されているので、圧力弁開放機構を構成する部品、例えば圧力弁16に作用するプランジャ17aおよび励磁コイルを共用することが可能になる。この部品の共用により、部品点数が少なく、組立て等が簡単になると共にコストを低減できる。なお、本実施例においては、圧力安全機構Rを作動させるための駆動手段として、圧力弁開放機構15に連結したが、この圧力安全機構Rを作動させるための駆動手段を別に設けてもよい。また、制御手段30は、温度センサ6の出力により器内の温度状態に応じて半ロック防止機構を作動させてもよい。この構成によると、調理器内の温度が低いときあるいは上昇初期およびその途中において、作動手段を作動させることにより、係止爪と係止部との係合度合いを大きくして蓋体の半ロックを未然に防止することが可能になる。また、容器および蓋体のいずれか一方に、圧力検知手段を設け、制御手段はこの圧力検知手段の出力により圧力安全機構Rを作動させてもよい。
【実施例2】
【0056】
図8は本発明の実施例2に係る圧力式炊飯器を略中央部で切断した縦断面図、図9は図8の圧力安全機構を説明する平面図であって、図9(a)は鍋の内圧上昇が所定値以上で圧力弁が閉状態、図9(b)は所定値未満で圧力弁が開放状態、図9(c)は所定値以上で圧力弁が開放状態を示している。図10(a)は図9(a)に、図10(b)は図9(b)に、図10(c)図9(c)にそれぞれ対応する断面図である。
【0057】
実施例2に係る圧力式炊飯器1Aは、実施例1の炊飯器と解除釦ロック部材26の構成が異なるのみで、他は同じ構成となっているので、共通の構成部品には同じ符号を付して重複説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0058】
この炊飯器1Aの圧力安全機構R’は、圧力弁開放機構Pに隣接して支持基板14上に設けられている。この圧力安全機構R’は、図8〜図10に示すように、解除釦24の押動をロックする解除釦ロック部材26を有し、このロック部材26はバネ体27によりプランジャ機構17の作動桿17cに連結された構成を有している。解除釦ロック部材26には、ストッパー19と係合される係合穴26が設けられている。このロック部材26は、実施例1のロックレバーと同じ働きをしている。すなわち、(1)炊飯器スタート時は、作動桿17cにより解除釦ロック部材26をスライド移動させて、蓋体の半ロックをなくする。このとき、ストッパー19はコイルスプリング20の伸張力により下方へ押下げられている。(2)吸水・立上り加熱工程では、内蓋11が鍋7の内圧上昇を受けて上方へ持ち上げられて、ストッパー19がコイルスプリング20の伸張力に抗して上昇されて、解除釦ロック部材26に当接する。このストッパーの上昇タイミングに合わせて、圧力弁開放機構Pを作動させてロック部材26を押動することにより、ストッパー19が係合穴18に係合されてこの移動が停止される。また、(3)沸騰維持工程では、作動桿17cがバネ体27を伸張しながらロック部材26から離れて圧力弁16の開閉動作が行われる。さらに、(4)蒸らし・追い炊き工程では、炊飯工程が終了すると、鍋の内圧が低下するので、内蓋11は下降し、同時にストッパー19は、これまで圧縮されていたコイルスプリング20の復元力により降下して、係止穴18から抜け出る。この係合が外れると、ロック部材26はバネ体27の伸張力により元に戻りロック部材26が当接片23から離れる。これにより、解除釦24の操作が可能となり蓋体10を開くことができる。
【0059】
この構成によると、解除ロック部材を解除釦ロック突起および係止部とを有するスライド移動可能なロック部材で形成することにより、ロック部材の小型化が可能になりスライド移動をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る圧力式炊飯器を略中央部で切断した縦断面図である。
【図2】図2は図1の炊飯器の蓋体の外カバーを外して上方からみた平面図である。
【図3】図3は図1の蓋体部分の拡大断面図である。
【図4】図4は、炊飯器を制御する制御手段のブロック図である。
【図5】図5は炊飯工程における温度―圧力の関係を示す特性図である。
【図6】図6は図1の圧力安全機構を説明する平面図であって、図6(a)は鍋の内圧上昇が所定値以上で圧力弁が閉状態、図6(b)は所定値未満で圧力弁が開放状態、図6(c)は所定値以上で圧力弁が開放状態を示している。
【図7】図7(a)は図6(a)に、図7(b)は図6(b)に図7(c)図6(c)にそれぞれ対応する断面図である。
【図8】図8は本発明の実施例2に係る圧力式炊飯器を略中央部で切断した縦断面図である。
【図9】図9は図8の圧力安全機構を説明する平面図であって、図9(a)は鍋の内圧上昇が所定値以上で圧力弁が閉状態、図9(b)は所定値未満で圧力弁が開放状態、図9(c)は所定値以上で圧力弁が開放状態を示している。
【図10】図10(a)は図9(a)に、図10(b)は図9(b)に、図10(c)図9(c)にそれぞれ対応する断面図である。
【図11】図11は従来の圧力調理器の縦断面図である。
【図12】図12は図11の要部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1、1A 炊飯器
2 炊飯器本体
3 外部ケース
4 内部ケース
4c 係止部
5 加熱手段(ヒータ)
6 鍋底温度センサ
7 鍋(容器)
8 表示操作部
10 蓋体
11 内蓋
13 中蓋
16 圧力弁
16 弁孔
17 プランジャ機構
17a シリンダ(プランジャ)
17b ロッド
17c 作動桿
18 解除釦ロック部材(解除釦ロックレバー)
18 係止穴(係止部)
18 (解除釦)ロック突起
19 ストッパー
20 コイルスプリング(調節弾性部材)
21 外蓋
22 蓋体ロック機構
23 蓋体ロック部材(蓋体ロックレバー)
23 係止爪
23 当接片
24 解除釦
25 蒸気口
30 制御手段
H ヒンジ機構
P 圧力弁開放機構
R 圧力安全機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収納して加熱調理する容器と、前記容器の開口を覆う開閉自在な蓋体と、前記蓋体を前記容器にロックする蓋体ロック機構およびこの蓋体のロックを解除する蓋体ロック解除機構を有する蓋体開閉機構と、前記容器内の被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段等を制御する制御手段と、を備えた圧力調理器において、前記蓋体は前記容器の開口を覆う内蓋および該内蓋を上下動自在に懸架した中蓋で構成し、前記中蓋に前記蓋体ロック解除機構の操作を一時不能にする解除ロック部材および前記容器の内力が所定値以上になったときに作動して前記解除ロック部材の作動をストップさせるストッパー部材を設けて、前記制御手段により前記解除ロック部材を前記蓋体ロック機構に連携させて、前記ストッパー部材の作動で前記解除ロック部材の作動をストップさせて前記蓋体ロック解除機構の操作を不能にすることを特徴とする圧力調理器。
【請求項2】
前記ストッパー部材には、該ストッパー部材を所定の付勢力で降下させる調節弾性部材を付設して、前記容器の内圧上昇を受けて前記内蓋が持ち上げられたときに、該内蓋の上昇に応じて前記ストッパー部材が前記調節弾性部材の付勢力に抗して作動して前記解除ロック部材に係合されることを特徴とする請求項1に記載の圧力調理器。
【請求項3】
前記蓋体ロック機構は、一端に係止爪並びに他端に解除釦および当接片を有し略中間部が前記蓋体に枢支された蓋体ロックレバーを有し、前記解除ロック部材を構成する部材が前記蓋体ロックレバーの当接片に突き当たることを特徴とする請求項1に記載の圧力調理器。
【請求項4】
前記解除ロック部材は、一端に解除釦ロック突起および他端に係止部を有し中間部が前記蓋体に枢支された解除釦ロックレバーで形成し、前記ストッパー部材は、前記内蓋の昇降により昇降する昇降部材で形成して、前記制御手段により前記解除釦ロックレバーの解除釦ロック突起を前記蓋体ロックレバーの当接片に当接させて、前記昇降部材を前記係止部に係合させることを特徴とする請求項3に記載の圧力調理器。
【請求項5】
前記解除ロック部材は、解除釦ロック突起および係止部を有するスライド移動可能な移動部材で形成し、前記ストッパー部材は、前記内蓋の昇降により昇降する昇降部材で形成して、前記制御手段により前記移動部材の解除釦ロック突起を前記蓋体ロックレバーの当接片に当接させて、前記昇降部材を前記係止部に係合させることを特徴とする請求項3に記載の圧力調理器。
【請求項6】
前記解除ロック部材の解除釦ロックレバーおよび移動部材には、前記昇降部材を前記係止部への係合から解除された後に元の位置に復帰する復帰手段が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の圧力調理器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記圧力調理器の動作開始時および該動作開始時点からの所定時間内の所定のタイミングに前記解除ロック部材を駆動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の圧力調理器。
【請求項8】
前記蓋体は、前記容器内の内圧を調整する圧力弁と、前記圧力弁を制御する圧力弁開放機構とを備え、前記解除ロック部材は前記圧力弁開放機構に連結されて、前記圧力弁開放機構は前記制御手段により作動されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の圧力調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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