説明

圧縮データ構造

【課題】 高速で処理でき、高圧縮率な圧縮データ構造を提供すること。
【解決手段】 直接データ22と、入力したデータの他の箇所又は予め用意した固定辞書とデータが一致する場合に一致する位置と長さを示すよう置き換えた位置データ部分と長さデータ部分からなる間接データ23が予め設定されたビット長である圧縮データ構造において、間接データ23は、位置データ部分と長さデータ部分の割合を可変とし、間接データ23のビット長における位置データ部分と長さデータ部分の割合を示す一致深度データ24を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを可逆的に元のデータに復元できるデータ圧縮構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、LZ法におけるデータ圧縮フォーマットはQIC−122符号化として、広く知られている。このQIC−122符号化は、ビットストリーム表現であることから、その複合化にはビット演算が多用されることになり、ソフトウェアで複合化処理を行う場合にはプロセッサへの負荷が大きくなり、ソフトウェア向きではないとされています。
【0003】
そこで、このQIC−122符合化に相当するソフトウェア向きのデータ圧縮フォーマットを設定している(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】奥村晴彦著、「Software Technology 13 C言語による最新アルゴリズム事典」、初版、株式会社技術評論者、平成3年6月1日、p.389-397
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来のデータ圧縮フォーマットは、QIC−122符号化に比較すると格段に高速な処理が可能となっているが、さらなる高速化、高圧縮率が要求されている。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、高速で処理でき、高圧縮率な圧縮データ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の圧縮データ構造では、入力したデータのそのままである直接データと、入力したデータの他の箇所とデータが一致する場合に一致する位置と長さを示すよう置き換えた位置データ部分と長さデータ部分からなる間接データとで構成され、前記直接データ及び前記間接データが予め設定されたビット長である圧縮データ構造において、前記間接データは、前記位置データ部分と前記長さデータ部分の割合を可変とし、前記間接データのビット長における前記位置データ部分と前記長さデータ部分の割合を示す分割率データを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、高速に処理でき、高圧縮率にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の圧縮データ構造を実現する実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず構造を説明する。
図1は実施例1の圧縮データ構造を用いてデータ圧縮を行う装置のブロック図である。
圧縮処理を行う装置1は、RAM11、VRAM12、ディスプレイコントローラ13、ディスプレイ14、ROM15、プロセッサ16、ストレージコントローラ17、ストレージ18、データバス19からなる。
RAM11は、プロセッサの演算のために、データ等を一時的に記憶する。
VRAM12は、ディスプレイ14に表示させる画像データを一時的に記憶する。
【0010】
ディスプレイコントローラ13は、VRAM12の画像データを表示させるようディスプレイ14の駆動制御を行う。
ディスプレイ14は、画像表示を行う。
ROM15は、プロセッサ16で行うプログラム等のデータを記憶している。
プロセッサ16は、データ圧縮の制御、演算を行う。
ストレージコントローラ17は、データの記憶、記憶させたデータの読み出し等の制御を行う。
ストレージ18は、データを記憶する。
【0011】
次に、実施例1における圧縮データ構造を説明する。
図2(a)は、識別データ21の構造を示す説明図である。識別データ21は、後続するデータが直接データか間接データかを示す。実施例1では、1を直接データ、0を間接データとしている。
図2(b)は、直接データ22を示す説明図である。直接データ22は、置き換えをしないデータを8ビットで表現する。
【0012】
図2(c)は、間接データ23を示す説明図である。間接データ23は、置き換えるデータ列の位置と長さを、16ビットで表現する。図中、Lは長さ、Oは位置を表現している。なお、L/Oは別に設定される一致深度データ24により、LかOを選択する。
図2(d)は、一致深度データ24を示す説明図である。一致深度データ24は、図2(f)に示すように、間接データ23における位置データ部分と長さデータ部分の分割率を示すものである。
例えば、一致深度が1の場合、長さは1ビット表現で、3又は4を示し、位置は15ビット表現で、最大32768を示す。
【0013】
図2(e)は、辞書選択データ25を示す説明図である。辞書選択データ25は、予め参照するデータを固定したデータとして、備えたものである固定辞書を参照するか、圧縮するデータ自身を参照するスライド辞書によるものかを表現する。実施例1では、固定辞書を0、スライド辞書を1とする。
実施例1のスライド辞書によるデータ圧縮には、複合化する場合に環状バッファを用いるものと、復元データを用いるものがあり、どちらか一方を用いるようにしてもよいし、両方を場合分けして用いるようにしてもよい。
【0014】
次に作用を説明する。
[高速処理作用、高圧縮作用]
実施例1におけるデータ圧縮について、説明する。図1に示す装置において、ディスプレイ14にVRAM12の画像データを表示する場合に、その画像データをプロセッサ16で圧縮してストレージ18に圧縮データとして記憶させる場合を例に説明する。
(a)固定辞書の場合
圧縮を行う場合に、データの先頭もしくは最後から順に見て、予め用意されている固定辞書データと一致する場合には、位置データを固定辞書データの先頭もしくは最後から何番目と指定することで、データを圧縮する。
(b)環状バッファを用いるスライド辞書の場合
圧縮を行う場合に、データの先頭もしくは最後から順に見て、そのデータの前後の所定範囲、つまり、環状バッファで指定される範囲の位置に一致するデータがあると、環状バッファ上の位置を指定することで、データを圧縮する。
(C)圧縮データを用いるスライド辞書の場合
圧縮を行う場合に、データの先頭もしくは最後から順に見て、圧縮したデータ、または直接データに同じものがある場合に、位置と長さを指定することで、データを圧縮する。
【0015】
実施例1では、辞書選択データ25により、固定辞書かスライド辞書かを選択して使用することができるため、スライド辞書はどちらかに予め設定しておくこととなるが、固定辞書かスライド辞書かを適切に指定して用いることができるため、さらに圧縮を進めることができる。辞書選択データ25を設けて、わかりやすくしているため、固定辞書とスライド辞書のどちらも用いることにより処理速度が低下しないようにしている。
【0016】
実施例1の圧縮データ構造を用いて、データを圧縮する際に、識別データ21、直接データ22、一致深度データ24、辞書選択データ25は、8ビットデータであり、間接データは16ビットである。この点は、実施例1の圧縮データ上、変わらない。そのため、動的にデータの長さを変更する圧縮データを用いるものに比べて処理が高速化する。
【0017】
さらに、実施例1の圧縮データ構造によるデータ圧縮では、一致深度データ24を用いることにより、位置が近い場合には、非常に長いデータ部分を圧縮する。例えば、図2(f)に示すように、位置が2であれば、長さを3〜32770まで一致させるのである。また、長さが短い場合には、非常に遠い位置のデータ部分と一致させ、圧縮する。例えば、図2(f)に示すように、長さが3〜4であれば、位置は、最大32768離れてもよい。さらに実施例1では、一致深度を1〜15まで15段階、用意し、位置が2〜32768まで、長さが位置の条件のもと、つまり、位置が遠い場合は長さが短いという条件のもと、長さは3〜32770となるのである。
【0018】
これにより、圧縮データ構造の位置を示すデータビット数と、長さを示すデータビット数が一定であるデータ圧縮に比べると、非常に圧縮が進むことになる。
つまり、長さ、位置が一定であるデータ圧縮では、できなかった長さの圧縮が可能となり、できなかった遠い位置での圧縮が可能となる。よって、高い圧縮率となる。
言い換えて説明すると、データの長さを変更せずに間接データの位置と長さの割合を15段階に変更することによって、処理速度を高速にし、かつ非常にデータ一致による圧縮が進むようにして、高圧縮率となる。
【0019】
次に効果を説明する。
本実施の形態の圧縮データ構造にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
(1)入力したデータのそのままである直接データ22と、入力したデータの他の箇所又は予め用意した固定辞書とデータが一致する場合に一致する位置と長さを示すよう置き換えた位置データ部分と長さデータ部分からなる間接データ23が予め設定されたビット長である圧縮データ構造において、間接データ23は、位置データ部分と長さデータ部分の割合を可変とし、間接データ23のビット長における位置データ部分と長さデータ部分の割合を示す一致深度データ24を設けたため、データの長さは一定として処理を高速化し、位置データと長さデータの割合を変更することで、一致、圧縮するデータを多くして圧縮率を高くすることができる。
なお、圧縮率は、処理するデータの冗長性に依存するが、実用環境が複合化のみであるROM化データやネット配信データなどでは、とても高い効果が得られる。
【0020】
(2)置き換え用のデータ群を固定辞書26として設け、位置データ部分は、設定値に対するオフセット値にし、固定辞書26を用いるか、あるいはスライド辞書を用いるかを選択する辞書選択データ25を設け、1つの圧縮データ構造の中で、固定辞書26とスライド辞書のどちらも選択して用いるため、固定辞書26の場合には、固定辞書26における位置をオフセット値で示すようにし、スライド辞書の場合には、その処理位置等からのオフセット値で示すようにし、固定辞書26に適した圧縮と、スライド辞書に適した圧縮のどちらもできるため、さらに圧縮率を高くすることができる。
【0021】
また、実施例1の圧縮データ構造の作用効果について、言い換えて説明すると、辞書選択データ25における指定により、オフセット値を固定値として扱うことにより、固定辞書を用いる圧縮が可能になる。
また、辞書選択データ25における指定により、オフセット値を複合化時に複合化したデータ列の最後尾とし、スライドさせることで、スライド辞書を用いることが可能となる。
【0022】
これにより、複合化したデータ列をリニア(メモリ上で直線的)に配置可能な場合は、そのデータ列の最後尾をオフセット値としてスライドすることで、複合化のために環状バッファを用意する必要もなくなり、RAM資源の削減が可能となり、また環状バッファを操作する時間も省略すること(高速複合化)が可能となる。これは、資源の小さいシステムでは、非常に有効な効果である。
【0023】
また、符号化(圧縮)するデータの内容に依存して、スライド辞書よりも固定辞書の方が高圧縮率を得られる場合もあるので、選択により容易に両者の複合化を実現できること
は、実用環境が複合化のみであるROM化データやネット配信データでは、とても有効な効果である。
【実施例2】
【0024】
実施例2は、間接データ23を16ビットとし、複合化単位を16ビットとした例である。
図4は、実施例2の圧縮データ構造を示す図である。
実施例2では、間接データ23を実施例1と同様に16ビットデータとし、識別データ31、直接データ32、一致深度データ34、辞書選択データ35も、16ビットデータとする。
また、8ビットデータである、識別データ21、直接データ22、一致深度データ24、辞書選択データ25を用いる際には、図4(h)に示す設定ビット長データ36を設け、8ビットデータを用いるか、16ビットデータを用いるかを選択できるようにする。
その他構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0025】
作用を説明する。
[複合化処理の高速化作用]
実施例2では、複合化する単位の大きさが2倍(8ビット→16ビット)となることから、複合化する数が反比例して1/2倍となり、高速化する。
特に、小規模マイコンにおいては、間接データのビット数と複合化単位のビット数が同じであることは、処理を容易にする。
【0026】
さらに、単位を2倍にしたことによって、符号化、つまりデータ圧縮の際に、間接データ23をそのままとしても、参照可能な範囲と長さが2倍となり、広い範囲からより長いパターンの置き換えが可能となる。
このことは、データの規模が大きくなるほど効果が高くなる。
またさらに、8ビットデータと16ビットデータの使い分けを行うことができるため、さらにデータ圧縮の最適化を進めることになる。
【0027】
次に、効果を説明する。実施例2の圧縮データ構造では、上記(1),(2)に加えて以下の効果を有する。
(3)複合化のデータ単位の設定をベースとなるものと、ベースの2倍のビット長となるものの2つとし、どちらの設定ビット長を用いるかを示す設定ビット長データ36を設けたため、複合化処理を高速化でき、データ圧縮をさらに最適化することができる。
その他作用効果は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0028】
実施例3は、間接データを32ビットとし、複合化単位を8ビット、16ビット、32ビットを切り替えて用いるようにした例である。
図5、図6は実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位8ビット、間接データ32ビットを示す図である。図7、図8は実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位16ビット、間接データ32ビットを示す図である。図9、図10、図11は実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位32ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【0029】
実施例3では設定ビット長データ46,56,66を設け、複合化単位を8ビット、16ビット、32ビットまで選択できるようにする。
識別データ41,51,61、直接データ42,52,62、一致深度データ44,54,64、辞書選択データ45,55,65、設定ビット長データ46,56,66は、それぞれ8ビット、16ビット、32ビットの3種類を用意する。
【0030】
作用を説明する。
[複合化処理の高速化作用]
実施例3では、複合化する単位の大きさが4倍(8ビット→32ビット)となることから、複合化する数が反比例して1/4倍となり、高速化する。
単位が4倍となると、符合化、つまりデータ圧縮の際に、間接データ43をそのままとしても、参照可能な範囲と長さが4倍となり、広い範囲からより長いパターンの置き換えが可能となる。
このことは、データの規模が大きくなるほど効果が高くなり、特に色数の多い高画質な画像データなどでは、さらなる高圧縮率が得られる。
【0031】
またさらに、実施例3では、設定ビット長データ46,56,66により符合化単位を選択することができる。これにより、符号化、つまりデータ圧縮のためのデータの一致をより多くすることができ、また最適化が可能になるため、さらに高圧縮率化が進む。
また、ROM化データ等を作成する際の選択肢が増えることになる。
【0032】
図12〜図15には、複合化単位を8ビット、16ビット、32ビット、間接データのビット長を16ビット、32ビットとした場合の、Cソースファイル、写真画質画像データ、無地画像データ、256色画像データのそれぞれの一致深度における圧縮率を示す。図において、100%は圧縮が全くされなかったことを意味する。つまり、低いものほど、高い圧縮率である。圧縮するデータによって、圧縮の度合いが異なるが高い圧縮効果を得られることがわかる。
【0033】
図16には、QIC-122符合化に相当するソフトによるデータ圧縮を従来とし、本発明によるデータ圧縮を後述する特定の条件にしたものを当該とし、広く知られているデータ圧縮形式である、gzip、lzh、zipにより圧縮したものを示す。
当該と示した、本発明に相当するデータ圧縮では、図16(a)に示す256色画像データでは、複合化単位を8ビット、間接データを16ビット(位置:8ビット、長さ:8ビット)としたものを示す。図16(b)における単色画像データでは、複合化単位を8ビット、間接データを16ビット(位置:3ビット、長さ:13ビット)としたものを示す。図16(c)における写真画質画像データでは、複合化単位を8ビット、間接データを16ビット(位置:13ビット、長さ3ビット)としたものを示す。図16(d)における繰り返しパターンバイナリデータでは、複合化単位を32ビット、間接データを32ビット(位置:18ビット、長さ14ビット)としたものを示す。
【0034】
なお、図16では、グラフの棒が短い方が高圧縮率を示す。
図16(b)の単色画像データ、図16(d)の繰り返しパターンバイナリデータでは、従来、gzip、lzh、zipよりも、高い圧縮率を得ている。
また、図16(a)の256色画像データ、図16(c)の写真画質画像データでは、gzip、lzh、zipほど高い圧縮率とはならないが従来よりも、高い圧縮率を得ている。
図16では、それぞれのデータに対し、変更した一つの一致深度を用いたのみである。それによっても図16の効果が得られるのであり、一致深度の最適化及び複数の使用、複合化単位等による最適化により、図16に示すよりも、さらに高い圧縮率を得られることがわかる。
【0035】
効果を説明する。
(4)複合化のデータ単位の設定を、8ビットデータとなるもの、8ビットデータベースの2倍の16ビットデータとなるもの、8ビットデータの4倍32のビット長となるものの3つとし、どの設定ビット長を用いるかを示す設定ビット長データ46,56,66を設けたため、複合化処理をさらに高速化でき、データ圧縮をさらに最適化し、高圧縮化することができる。
その他作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例4】
【0036】
実施例4は、本発明の圧縮データ構造を用いた画像データファイルフォーマットの例である。
図17は実施例4の画像データファイルフォーマットの例である。
画像データは、大きく分けると、ヘッダ部7とデータ部8で構成されている。
ヘッダ部7は、属性71、幅バイト数72、幅73、高さ74、オプション75、データアドレス76からなり、データ部の前に配置される。
属性71は、描画プレーンの属性を示し、以下のもので構成される。N(b15)は、エンディアン識別のための非ゼロである。Dir(b14)は、イメージ方向を示し、1はトップダウン、0はボトムアップを示す。Dic(b13)は、辞書タイプを示し、1は固定辞書、0はスライド辞書を示す。dx(b12〜b08)は、符号タイプを示し、0は非圧縮、1〜31は一致深度を示す。Z(b07)は、エンディアン識別のためのゼロである。m(b06)は、間接データのデータ幅である記号タイプを示し、0は16ビット、1は32ビットを示す。ex(b05〜b04)は、直接データのデータ幅である要素タイプを示し、0は無効、1は8ビット、2は16ビット、3は32ビットを示す。fx(b03〜b00)は、ピクセルタイプを示し、0は無効、2は16ビットRGB、3は24ビットRGB、8は256色パレット、その他は予約を示す。
【0037】
幅バイト数72は、横1ラインのバイト数を示す。
幅73は、横1ラインの描画要素(ピクセル)数を示す。
高さ74は、総ライン数を示す。
オプション75は、パレット使用の場合に、パレットデータ配列の先頭を示す。
データアドレス76は、圧縮データの場合は符号化されたデータ配列の先頭を示し、非圧縮データの場合は描画要素データ配列の先頭を示す。
【0038】
データ部8は、固定辞書最後尾アドレス81、データ配列82、固定辞書データ配列83からなる。
固定辞書最後尾アドレス81は、固定辞書圧縮データの場合にのみ用いられ、固定辞書データ配列の最後尾を示す。
データ配列82は、圧縮データの場合は符号化されたデータ配列を示し、非圧縮データの場合は描画要素データ配列を示す。
固定辞書データ配列83は、固定辞書圧縮データの場合にのみ用いられ、固定辞書データ配列を示す。
【0039】
以上、具体的に画像データのフォーマットについて示した。このデータフォーマットにおいては、固定辞書とスライド辞書の選択、間接データのデータ幅(ビットデータ長)の16ビットと32ビットの選択、直接データのデータ幅(ビットデータ長)の8ビット、16ビット、32ビットの選択、1〜31の一致深度を選択して、最適なデータ圧縮を行えるようにしている。
【0040】
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態を実施例1〜実施例4に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例1の圧縮データ構造を用いてデータ圧縮を行う装置のブロック図である。
【図2】実施例1の圧縮データ構造を示す図である。
【図3】実施例1の圧縮データ構造により圧縮されたデータの複合化処理の説明図である。
【図4】実施例2の圧縮データ構造を示す図である。
【図5】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位8ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図6】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位8ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図7】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位16ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図8】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位16ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図9】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位32ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図10】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位32ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図11】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位32ビット、間接データ32ビットを示す図である。
【図12】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位と間接データのビット長を変更して、Cソースファイルを圧縮した場合の圧縮率を示す図である。
【図13】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位と間接データのビット長を変更して、写真画質画像データを圧縮した場合の圧縮率を示す図である。
【図14】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位と間接データのビット長を変更して、無地画像データを圧縮した場合の圧縮率を示す図である。
【図15】実施例3の圧縮データ構造において、複合化単位と間接データのビット長を変更して256色画像データを圧縮した場合の圧縮率を示す図である。
【図16】実施例3の圧縮データ構造において、所定の条件下で、他のデータ圧縮と比較した場合の圧縮率を示す図である。
【図17】実施例4において、本発明の圧縮データ構造を用いた画像データファイルフォーマットの例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 (データ処理を行う)装置
11 RAM
12 VRAM
13 ディスプレイコントローラ
14 ディスプレイ
15 ROM
16 プロセッサ
17 ストレージコントローラ
18 ストレージ
19 データバス
21 識別データ
22 直接データ
23 間接データ
24 一致深度データ
25 辞書選択データ
26 固定辞書
31 識別データ
32 直接データ
34 一致深度データ
35 辞書選択データ
36 固定辞書
41 識別データ
42 直接データ
43 間接データ
44 一致深度データ
45 辞書選択データ
46 設定ビット長データ
51 識別データ
52 直接データ
54 一致深度データ
55 辞書選択データ
56 設定ビット長データ
61 識別データ
62 直接データ
64 一致深度データ
65 辞書選択データ
66 設定ビット長データ
71 属性
72 幅バイト数
73 幅
74 高さ
75 オプション
76 データアドレス
81 固定辞書最後尾アドレス
82 データ配列
83 固定辞書データ配列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力したデータのそのままである直接データと、入力したデータの他の箇所又は用意したものとデータが一致する場合に一致する位置と長さを示すよう置き換えた位置データ部分と長さデータ部分からなる間接データとで構成され、前記直接データ及び前記間接データが予め設定されたビット長である圧縮データ構造において、
前記間接データは、前記位置データ部分と前記長さデータ部分の割合を可変とし、
前記間接データのビット長における前記位置データ部分と前記長さデータ部分の割合を示す分割率データを設けた、
ことを特徴とする圧縮データ構造。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮データ構造において、
置き換え用のデータ群を固定辞書データとして設け、
前記位置データ部分は、設定値に対するオフセット値にし、
固定辞書データを用いるか、あるいはスライド辞書を用いるかを選択する辞書選択データを設け、
1つの圧縮データ構造の中で、固定辞書とスライド辞書のどちらも選択して用いることを特徴とする圧縮データ構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧縮データ構造において、
複合化のデータ単位の設定を、ベースとなるものと、前記ベースの2倍のビット長となるものの2つとし、
どちらの設定ビット長を用いるかを示す設定ビット長データを設けた、
ことを特徴とする圧縮データ構造。
【請求項4】
請求項2に記載の圧縮データ構造において、
複合化のデータ単位の設定を、ベースとなるもの、前記ベースの2倍のビット長となるもの、前記ベースの4倍のビット長となるものの3つとし、
どの設定ビット長を用いるかを示す設定ビット長データを設けた、
ことを特徴とする圧縮データ構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧縮データ構造において、
前記分割率データ、辞書選択データ、設定ビット長データのうち、少なくとも一つは、ヘッダ部又はフッタ部に設ける、
ことを特徴とする圧縮データ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−186604(P2006−186604A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377344(P2004−377344)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】