説明

圧縮型コイルばねのばね特性調節方法、及びばね特性調節型圧縮付勢体

【課題】この発明は、ばね特性を調節して所望のばね力(付勢力)を得ることのできるばね特性調整方法及びばね特性調節型圧縮付勢体を提供して、さらなる用途の拡大を図ることを目的とする。
【解決手段】帯状のばね鋼11をコイル状に巻き回すとともに、ばね鋼11の長さ方向に連続するウェーブ12を形成し、回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触するコイルドウェーブスプリング10に回転を付与して、ばね特性を調整した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ばね特性を調整できる圧縮型コイルばねに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、省スペース化、コンパクト化に富み、単純な構造で曲げ応力を主とする強力なばね力(付勢力)を備えた圧縮コイルばねであるコイルドウェーブスプリングがある。このようなコイルドウェーブスプリングは、長さ方向に連続する波型を形成した帯状のばね鋼をコイル状に巻き回して構成され、主として自動車用クラッチ部品として使用されている。そして、このコイルドウェーブスプリングは、圧縮方向に隣合う前記波型の山型頂上部と谷型頂上部とが接した状態におけるばね力(付勢力)が設計されている。
【0003】
このコイルドウェーブスプリングについて、例えば、特許文献1に示すように、設計されたばね力(付勢力)をコントロールするために、前記山型頂上部と前記谷型頂上部との接触状態を保持する係止機構を備える等の工夫がされている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2576027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コイルドウェーブスプリングは、機構が単純で軽量でありながらも、少ないスペースで強力なばね力(付勢力)が得られるため、様々な用途が期待されている。
しかし、特許文献1に示すように、これまでのコイルドウェーブスプリングは圧縮方向に圧縮して設計されたばね力(付勢力)を得ることにしか用いられていなかった。
この発明は、ばね特性を調節して所望のばね力(付勢力)を得ることのできるばね特性調整方法及びばね特性調節型圧縮付勢体を提供して、さらなる用途の拡大を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は帯状のばね鋼をコイル状に巻き回すとともに、前記ばね鋼の長さ方向に連続する波型を形成した圧縮型コイルばねに、回転を付与してばね特性を調節する圧縮型コイルばねのばね特性調節方法であることを特徴とする。
【0007】
上記圧縮型コイルばねは、コイルドウェーブスプリングや、並列多重巻きリングであることを含む。
上記ばね特性は、コイルドウェーブスプリングや、並列多重巻きリング等の圧縮型コイルばねの押圧量とばね力(付勢力)の関係に関する特性であることを含む。
上記回転は、圧縮型コイルばねの周回方向の回転であることを含み、この回転により、圧縮型コイルばねに螺旋方向のねじりを入力することができる。
【0008】
これにより、圧縮型コイルばねに回転を付与して、圧縮型コイルばねを所望のばね特性に調節することができる。したがって、例えば、使用用途に応じて、ばね特性を調節することができ、圧縮型コイルばねの利用用途を拡大することができる。
【0009】
さらに、押圧途中の圧縮型コイルばねに回転を付与することで、無回転状態において線形状態を示すばね特性を非線形状態に変化させることができ、通常の圧縮型ばねでは想定のできない押圧途中からばね特性を任意に調整することができる。
【0010】
この発明の態様として、回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触することができる。
上述の圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部は、コイル状に巻き回したばね鋼において、圧縮型コイルばねの圧縮方向、すなわち高さ方向に隣合う周回部分における周方向の略一致する位置に形成された凸状の波型部分の頂部と凹状の波型部分の頂部であることを含む。
【0011】
これにより、回転が付与されていない無回転状態において自由高さが最も高く、回転を付与することによって自由高さが低くなる圧縮型コイルばねを構成することができる。したがって、圧縮型コイルばねに回転を付加することによって、自由高さから所定のばね高さになるまで押圧する押圧量を低減させ、所定ばね高さまで押圧した状態での付勢力を低下させることができる。
このように、所定のばね高さまで付勢した状態での付勢力を、圧縮型コイルばねに付加する回転によって調整することができる。
【0012】
また、この発明の態様として、前記圧縮型コイルばねの波型部分を回転位相において半波長分ずらす回転の付与を許容することができる。
上述の波型部分を回転位相において半波長分ずらす回転とは、例えば、回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触する圧縮型コイルばねの場合、圧縮方向に隣合う凸状の波型部分同士、或いは凹状の波型部分同士が重なりあう状態まで回転位相をずらす回転であることを含む。
【0013】
これにより、例えば、回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触する圧縮型コイルばねにおいて回転位相に対する半波長分の回転を付与することで、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部同士及び凹状頂部同士が接触する状態、すなわちコイル状に巻き回すとともに、長さ方向に連続する波型を形成した帯状のばね鋼が重なり合って密着する最も自由高さを低い状態にすることができる。
【0014】
このように、圧縮型コイルばねにおいて回転位相に対する半波長分の回転を付与することで、自由高さが最も高い状態と最も低い状態とを両状態となることができる。したがって、圧縮型コイルばねに回転を付与することによるばね特性の調整範囲を広げることができ、利便性の高い圧縮型コイルばねのばね特性調整方法を実現することができる。
【0015】
また、この発明は、帯状のばね鋼をコイル状に巻き回すとともに、前記ばね鋼の長さ方向に連続する波型を形成した圧縮型コイルばねと、該圧縮型コイルばねに、回転を付与してばね特性を調節する回転付与手段とを備えたばね特性調節型圧縮付勢体であることを特徴とする。
【0016】
これにより、回転付与手段が圧縮型コイルばねに回転を付与して、圧縮型コイルばねを所望のばね特性に調節することができる。したがって、例えば、使用用途に応じて、ばね特性を調節することができ、ばね特性調節型圧縮付勢体としての圧縮型コイルばねの利用用途を拡大することができる。
【0017】
また、押圧途中の圧縮型コイルばねに回転を付与することで、無回転状態において線形状態を示すばね特性を非線形状態に変化させることができ、通常の圧縮型ばねでは想定のできない押圧途中からばね特性を任意に調整できる圧縮型コイルばねを構成することができる。
【0018】
この発明の態様として、前記ばね鋼の少なくとも一方の端部に握持部を備え、
前記回転付与手段が、前記握持部を握持して前記回転を付与することができる。
これにより、前記回転付与手段は、前記圧縮型コイルばねに対して確実に回転を付与することができる。したがって、所望のばね特性に設定されたばね特性調節型圧縮付勢体を確実に実現することができる。
【0019】
また、この発明の態様として、前記回転付与手段による回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触することができる。
【0020】
これにより、回転が付与されていない無回転状態において自由高さが最も高く、回転を付与することによって自由高さが低くなる圧縮型コイルばねを備えたばね特性調節型圧縮付勢体を構成することができる。
【0021】
したがって、回転付与手段を用いて圧縮型コイルばねに回転を付加することによって、自由高さから所定のばね高さになるまで押圧する押圧量を低減させ、所定ばね高さまで押圧した状態での付勢力を低下させることができる。
このように、所定のばね高さまで付勢した状態での付勢力を、回転によって調整することができる。
【0022】
また、この発明の態様として、前記回転付与手段を、前記圧縮型コイルばねの波型部分の回転位相を半波長分までずらす回転を付与する構成とすることができる。
【0023】
これにより、例えば、回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触する圧縮型コイルばねにおいて回転位相に対する半波長分の回転を付与することで、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部同士及び凹状頂部同士が接触する状態、すなわちコイル状に巻き回すとともに、長さ方向に連続する波型を形成した帯状のばね鋼が重なり合って密着する最も自由高さを低い状態にすることができる。
【0024】
このように、圧縮型コイルばねにおいて回転位相に対する半波長分の回転を付与することで、無回転状態で自由高さが最も高い状態と最も低い状態とを両状態となることができる。したがって、圧縮型コイルばねに回転を付与することによるばね特性の調整範囲を広げることができ、利便性の高い圧縮型コイルばねのばね特性調整方法を実現することができる。
【0025】
また、この発明は、上述したばね特性調節型圧縮付勢体を圧縮方向に押圧する押圧部と、前記回転付与手段を制御する制御部とを備えた調節型付勢装置であることを特徴とする。
【0026】
これにより、前記制御部で制御され、所望のばね特性に設定されたばね特性調節型圧縮付勢体で前記押圧体を付勢することができる。したがって、所望の付勢力で押圧体を付勢する調節型付勢装置を得ることができる。
【0027】
また、この発明は、上述したばね特性調節型圧縮付勢体に、入力された衝撃力を伝達する衝撃力伝達部を備えた調節型衝撃吸収装置であることを特徴とする。
これにより、衝撃力伝達部を介して入力された衝撃力を、所望のばね特性が設定されたばね特性調節型圧縮付勢体で吸収することができる。したがって、用途に応じた衝撃吸収性能を有する調節型衝撃吸収装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、ばね特性を調節して所望のばね力(付勢力)を得ることのできるばね特性調整方法及びばね特性調節型圧縮付勢体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施例について説明する。
コイルドウェーブスプリング10の斜視図による説明図である図1と、回転が付与された場合のウェーブ12の状態を説明する説明図である図2と、各状態における押圧量と付勢力との関係グラフを示す図3とともに、コイルドウェーブスプリング10について説明する。
コイルドウェーブスプリング10は、長さ方向に連続するウェーブ12を形成した帯状のばね鋼11をコイル状に巻き回して構成している。
【0030】
また、ばね鋼11の両端部分をコイルドウェーブスプリング10の伸縮方向Dに折り曲げてアーム14を形成している。なお、この伸縮方向Dのうち、コイルドウェーブスプリング10を圧縮する側の方向を圧縮方向D1、コイルドウェーブスプリング10を伸長する側の方向を伸長方向D2としている。
【0031】
ウェーブ12は、上向きに凸な円弧形状で形成した上向ウェーブ12aと、該上向ウェーブ12aと上下対称な形状で下向きに凸な円弧形状で形成した下向ウェーブ12bとを、ばね鋼11の長さ方向において交互に配置して連続する波型形状を形成している。
【0032】
また、回転が付与されていない無回転状態のコイルドウェーブスプリング10(以下において「無回転状態」)のウェーブ12部分の拡大図である図2(a)に示すように、上記無回転状態において、伸縮方向Dに隣り合うウェーブ12の上向ウェーブ12aの頂部13aと、下向ウェーブ12bの頂部13bとが突き合わせる様な態様を構成している。
【0033】
このときの自由高さを無回転自由高さL1とする。なお、自由高さとは、コイルドウェーブスプリング10に圧縮方向D1の押圧力が付与されていない状態でのコイルドウェーブスプリング10の下部から上部までの高さをいう。
【0034】
このコイルドウェーブスプリング10のアーム14を握持してR方向の回転を付与することによって、回転状態のウェーブ12部分の拡大図である図2(b)に示すように、上向ウェーブ12aと下向ウェーブ12bとが回転方向にずれることとなる。
【0035】
すなわち、例えば、回転固定側(下側)の下向ウェーブ12bに対して、回転側(上側)の上向ウェーブ12aが回転方向に移動し、それぞれの位相がずれた状態で接触することとなる。したがって、コイルドウェーブスプリング10の自由高さは低くなる(このときの自由高さを「回転自由高さL2」という)。
【0036】
さらに、回転を加えると、図1(b)及び図2(c)に示すように、伸縮方向Dに隣り合うウェーブ12の上向ウェーブ12aの頂部13a同士と、下向ウェーブ12bの頂部13b同士とが重なり合う状態、すなわち、ばね鋼11同士が密着する状態(以下において「フル回転状態」という)になる。
【0037】
このときの自由高さをフル回転自由高さL3とする。なお、回転状態から押圧されてばね鋼11同士が密着する状態やフル回転状態を「ばね鋼密着状態」とし、該ばね鋼密着状態のばね高さを密着状態高さL4とする。
【0038】
このように、コイルドウェーブスプリング10は付与された回転によって、自由高さLが低くなり、ばね鋼11同士が密着して重なり合うフル回転自由高さL3まで低くすることができる。ここで、コイルドウェーブスプリング10のばね定数は、図3に示すように、ばね鋼11が密着するばね鋼密着状態までの第1ばね定数k1と、ばね鋼11が密着したばね鋼密着状態からさらに押圧する際の第2ばね定数k2となる。
【0039】
したがって、圧縮方向D1の押圧力が付与されていない状態でばね鋼11が密着したフル回転状態におけるバネ定数は第2ばね定数k2のみとなり、これに対し、無回転状態や回転状態のコイルドウェーブスプリング10は、無回転自由高さL1や回転自由高さL2からばね鋼11が密着するばね鋼密着状態までの押圧量に対する第1ばね定数k1と、ばね鋼11が密着したばね鋼密着状態からの更なる押圧に対する第2ばね定数k2とからなる2段階バネ定数で構成される。
【0040】
したがって、図3に示すように、コイルドウェーブスプリング10の下部から所望の付勢高さL5となる高さまで押圧して付勢力を得る場合、例えば、無回転状態のコイルドウェーブスプリング10は、無回転自由高さL1から密着状態高さL4までの第1ばね定数k1分と、密着状態高さL4から付勢高さL5までの第2ばね定数k2分の付勢力を得ることができる。
【0041】
これに対し、R方向の回転が付与され、自由高さが回転自由高さL2である回転状態のコイルドウェーブスプリング10は、回転自由高さL2から密着状態高さL4までの第1ばね定数k1分と、密着状態高さL4から付勢高さL5までの第2ばね定数k2分の付勢力を得ることができる。
【0042】
このように、回転自由高さL2である回転状態のコイルドウェーブスプリング10を付勢高さL5まで押圧した場合、回転状態のコイルドウェーブスプリング10は無回転状態のコイルドウェーブスプリング10から押圧する場合と比べて、無回転自由高さL1から回転によって回転自由高さL2まで低くなった分の第1ばね定数k1に対する付勢力が低減している。
【0043】
さらに回転が付与されて、自由高さが密着状態高さL4と同じフル回転自由高さL3となるフル回転状態のコイルドウェーブスプリング10は、密着状態高さL4から付勢高さL5までの第2ばね定数k2分のみの付勢力を得ることができる。
【0044】
このようにして、コイルドウェーブスプリング10に回転を付与することによって、同じ付勢高さまで押圧した場合でも得ることのできる付勢力が異なるコイルドウェーブスプリング10、すなわち、付与した回転によってばね特性を静的に調整することができるコイルドウェーブスプリング10を構成することができる。
したがって、圧縮方向に圧縮して設計されたばね力(付勢力)以外の調整されたばね特性による所望のばね力(付勢力)を得ることができる。
【0045】
次に、このコイルドウェーブスプリング10のばね特性を動的に調整する調整方法について、押圧途中から回転を付与した場合のたわみと付勢力との関係グラフを示す図4とともに説明する。
【0046】
図4における無回転押圧領域に示すように、たわみが所定量になるまで押圧することによりコイルドウェーブスプリング10の付勢力は上述の第1ばね定数k1に比例して増加する。
【0047】
このまま押圧すると図4における一点鎖線で示すように線形増加するが、ここでコイルドウェーブスプリング10に回転を付与することにより、図4における回転押圧領域の実線で示すように、コイルドウェーブスプリング10の付勢力は非線形増加する。
【0048】
これは、コイルドウェーブスプリング10に付与した回転によってウェーブ12の位相がずれた状態で接触することによる吸い込み効果によって、たわみの増加と付勢力の増加との関係が上記状態となる。したがって、コイルドウェーブスプリング10に付与する回転量と押圧量との調整により、例えば、回転押圧領域における付勢力を増加させず、押圧力を一定にしたままたわみを増加させたり、図4における二点鎖線で示すような非線形変化となる任意のばね特性を実現することができる。
【0049】
さらに、コイルドウェーブスプリング10に回転を付与したり、押圧することで上述のばね鋼密着状態になると、それまで回転押圧領域において示す非線形増加していたコイルドウェーブスプリング10の付勢力は、図4における第二無回転押圧領域に示すように、上述の第2ばね定数k2による線形増加となる。
このように、押圧途中にコイルドウェーブスプリング10に回転を付与することにより、ばね特性を動的に調整することができる。
【0050】
次に、ばね特性調節型圧縮付勢体1の斜視図を示す図5と、ばね特性調節型圧縮付勢体1の側面図を示す図6とともに、このようなコイルドウェーブスプリング10を用いたばね特性調節型圧縮付勢体1について説明する。
ばね特性調節型圧縮付勢体1は、上記コイルドウェーブスプリング10と、該コイルドウェーブスプリング10に回転を付与する回転機構20とで構成している。
【0051】
回転機構20は、コイルドウェーブスプリング10の下端に備えたリングギア21と、リングギア21を回転する回転モータ22と、回転モータ22に電気的に接続され回転モータ22の回転を制御する制御装置(図示省略)とで構成している。
【0052】
リングギア21は、コイルドウェーブスプリング10より径の大きな平面視円形の薄板状であり、コイルドウェーブスプリング10より径外方の上面に放射状のギア溝21aを形成している。なお、ギア溝21aは回転モータ22の回転ギア22aと噛合している。
【0053】
また、リングギア21には、コイルドウェーブスプリング10の底面側のアーム14の挿入を許容する挿入部21bを備えるとともに、リングギア21の底面側には、回転が固定された台座部30との回転摩擦を低減するためのボール23を備えている。
【0054】
なお、コイルドウェーブスプリング10の上端側のアーム14は、伸縮方向Dにスライドするが、回転が固定された回転固定部31の挿通孔31aに挿通され、回転が固定されている。
【0055】
上記構成により、ばね特性調節型圧縮付勢体1は、伸縮方向Dにスライド可能な回転固定部31を介して圧縮方向D1に向かってコイルドウェーブスプリング10が押圧されると、ばね鋼11をコイル状に巻き回して構成されたコイルドウェーブスプリング10は、押圧量に応じたばね定数およびそれに対応する付勢力によって回転固定部31を伸長方向D2に付勢することができる。
【0056】
そして、ばね特性調節型圧縮付勢体1は、回転機構20でコイルドウェーブスプリング10に回転を付与することによって、コイルドウェーブスプリング10のばね特性を調整することができる。
【0057】
詳しくは、制御装置によって回転制御された回転モータ22を回転させることにより、下端のアーム14を挿入部21bに挿入することによってコイルドウェーブスプリング10の下端を相対回転不可能な状態、すなわち挿入部21bでアーム14を握持したリングギア21がコイルドウェーブスプリング10の下端とともに回転する。
【0058】
したがって、回転固定部31に固定されて上端が回転しないコイルドウェーブスプリング10の下端はリングギア21とともに回転し、コイルドウェーブスプリング10には平面方向の回転Rが付与される。この回転により、コイル状に巻き回されたばね鋼11の全体に回転力が付与される。
【0059】
その結果、上述の図2(b)に示すように、上向ウェーブ12aと下向ウェーブ12bとが回転方向によって、それぞれの位相がずれた状態で接触することとなり、上記無回転状態においては突き合せた状態で接触していた頂部13a,13bは回転方向にずれたことによって、他方のウェーブ12の傾斜辺部分に接触することとなる。
【0060】
このように、コイルドウェーブスプリング10に回転機構20が回転を付与することによって、図2(a)に示す上記無回転状態と比較して、コイルドウェーブスプリング10の自由高さLを低くすることができる。
【0061】
よって、コイルドウェーブスプリング10に回転を付与することによって、同じ付勢高さまで押圧した場合でも得ることのできる付勢力が異なるコイルドウェーブスプリング10、すなわち、付与した回転によってばね特性を調整することができるコイルドウェーブスプリング10を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1を構成することができる。
したがって、圧縮方向に圧縮して設計されたばね力(付勢力)以外の調整されたばね特性による所望のばね力(付勢力)を得ることができる。
【0062】
このように、ばね特性調節型圧縮付勢体1は、回転機構20によってコイルドウェーブスプリング10に回転を付与することで、所望のばね特性に調整されたコイルドウェーブスプリング10を有するばね特性調節型圧縮付勢体1を構成することができる。
【0063】
また、上述の説明においては回転機構20でコイルドウェーブスプリング10に対して静的に回転を付与したが、押圧途中でコイルドウェーブスプリング10に回転を付与し、図4に示すような線形状態のばね特性の後に非線形状態のばね特性が続くようなばね特性に調整可能なばね特性調節型圧縮付勢体1を構成してもよい。これにより、通常の圧縮型ばねを備えた圧縮付勢体では想定できないような利用可能性が向上する。
【0064】
なお、上述のばね特性調節型圧縮付勢体1は、ばね鋼11の両端部分をコイルドウェーブスプリング10の伸縮方向Dに折り曲げてアーム14を形成し、挿入部21bや挿通孔31aに挿通して回転を固定しているが、別の形態ばね特性調節型圧縮付勢体1の斜視図である図7に示すように、ばね鋼11の両端部分を接線方向に伸ばしてアーム14’を形成するとともに、該アーム14’を固定する固定凸部21b’,31a’をリングギア21や回転固定部31に備えて構成してもよい。この場合、上記アーム14と同様に確実にリングギア21や回転固定部31に対して回転を固定することができる。また、ばね鋼11の両端部分を接線方向に伸ばしたアーム14’の先端を伸縮方向Dに折り曲げて構成してもよい。
【0065】
次に、異なる構成の回転機構20’を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1’の斜視図を示す図8と、ばね特性調節型圧縮付勢体1’の側面図による説明図を示す図9とともにばね特性調節型圧縮付勢体1’について説明する。
【0066】
ばね特性調節型圧縮付勢体1’は、ばね特性調節型圧縮付勢体1と同様の上記コイルドウェーブスプリング10と、該コイルドウェーブスプリング10に回転を付与する回転機構20’とで構成している。
【0067】
なお、コイルドウェーブスプリング10は下端側のアーム14が図示省略する回転固定部に挿入固定され、コイルドウェーブスプリング10の下端は前記回転固定部に対して回転が固定されている。
【0068】
回転機構20’は、コイルドウェーブスプリング10の上端に押圧軸25と、該押圧軸25の伸縮方向Dへのスライドが可能な挿通を許容するガイド管26とで構成している。
押圧軸25は、ガイド管26より2倍程度の高さを有する円筒形状であり、高さ方向中央付近に、径方向に突出する係止ピン25aを両側に備えている。
【0069】
ガイド管26は、平面視内側に押圧軸25の挿通を許容する円筒形の挿通開口26aを備え、挿通開口26aの内周面の対向箇所には、係止ピン25a,25aのそれぞれの係着を許容する制御溝27,27を形成している。
【0070】
制御溝27は、上部から鉛直方向の第1鉛直溝部27aと、該第1鉛直溝部27aの下端から連続する螺旋状の螺旋溝27bと、該螺旋溝27bの下端から連続する鉛直方向の第2鉛直溝部27cとで構成している。
【0071】
なお、螺旋溝27bに沿う係止ピン25aによる押圧軸25の回転によって回転が付与されるコイルドウェーブスプリング10が、係止ピン25aが第2鉛直溝部27cに達した際に上記フル回転状態になるよう、螺旋溝27bの回転量が設定されている。
【0072】
このように構成した回転機構20’を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1’の作動について、図9とともに説明すると、まず、図9(a)に示すように、第1鉛直溝部27aに係止した係止ピン25aによって、押圧軸25はそのまま圧縮方向D1にコイルドウェーブスプリング10を押圧する。このときのコイルドウェーブスプリング10におけるたわみと付勢力の関係は図4の無回転押圧領域に示す線形状態となる。
【0073】
さらに、押圧軸25を圧縮方向D1に押圧すると、螺旋溝27bによって押圧軸25は回転しながら圧縮方向D1にコイルドウェーブスプリング10を押圧することとなる。このときのコイルドウェーブスプリング10におけるたわみと付勢力の関係は図4の回転押圧領域に示す非線形状態となる。
【0074】
そのままさらに押圧して、係止ピン25aが第2鉛直溝部27cに達すると、コイルドウェーブスプリング10はフル回転状態となり、押圧軸25はフル回転状態のコイルドウェーブスプリング10を圧縮方向D1に押圧することとなる。このときのコイルドウェーブスプリング10におけるたわみと付勢力の関係は図4の第二押圧領域に示す線形状態となる。
【0075】
このようにして、回転機構20’を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1’は、ガイド管26に備えた制御溝27によって、コイルドウェーブスプリング10を押圧する押圧軸25の回転を制御することができる。したがって、例えば、図4に示すような、所定の線形状態の後に非線形状態が続くようなばね特性を有するばね特性調節型圧縮付勢体1’を構成することができる。
【0076】
よって、例えば、初動時に線形状態にある付勢力を利用し、所定以上のたわみが生じる継続動作時に付勢力の増加を抑制するといった利用方法を設定することができる。
なお、螺旋溝27bの螺旋形状に応じて、非線形領域におけるばね特性を調整することができる。
【0077】
次に、上述のように構成されたばね特性調節型圧縮付勢体のうちばね特性調節型圧縮付勢体1を用いたコントローラ100について、図10とともに説明する。なお、図10(a)はコントローラ100の斜視図を示し、図10(b)は押圧ボタン102付近の拡大縦断面図を示している。
【0078】
このコントローラ100は、接続コード110によって接続されたテレビゲーム機等のコントローラであり、横長の直方体に形成され、表面に、方向キー101と、2つの押圧ボタン102とを備えている。なお、押圧ボタン102は、筐体100aに対して押圧方向に摺動可能であるとともに、押圧面102aの内側に通電部102bを備えている。
【0079】
コントローラ100の内部の高さ方向中央付近に、表面に電気配線が印刷された基板104が配設され、該基板104上で押圧ボタン102との間に上記ばね特性調節型圧縮付勢体1が装備されている。したがって、上述のばね特性調節型圧縮付勢体1の説明における台座部30が基板104に該当し、回転固定部31が押圧ボタン102に該当することとなり、ばね特性調節型圧縮付勢体1は押圧ボタン102を筐体100a側に付勢している。
さらに詳しくは、ばね特性調節型圧縮付勢体1は予め所定高さまで縮められて設置されており、この縮められたことによる付勢力で押圧ボタン102を筐体100a側に付勢している。
【0080】
また、基板104上の通電部102bに対応する箇所に通電部104aを備えている。これにより、利用者によって押圧ボタン102が押圧されて通電部102bと通電部104aとが接触することで、コントローラ100はテレビゲーム機本体に押圧ボタン102の押圧信号を送信することができる。
【0081】
さらに、このコントローラ100は、テレビゲーム機本体からの制御によってばね特性調節型圧縮付勢体1の回転機構20を回転させる。これにより、押圧ボタン102を付勢するばね特性調節型圧縮付勢体1の自由高さLを調節することができるため、テレビゲーム機のアプリケーションに応じた、さらにはアプリケーションにおけるゲーム状況に応じたばね特性調節型圧縮付勢体1のばね特性に調整することができる。
【0082】
したがって、例えば、緊迫感のあるゲーム状況の際には、自由高さLを低くしたり、高くしたりするように回転機構20を回転制御することによって、利用者の押圧ボタン102の押圧に要する押圧力を高めたり、弱めたりすることができ、ゲームの臨場感を利用者に体験させることができる。
【0083】
また、ばね特性調節型圧縮付勢体1を利用した別の実施形態であるマットレス200について、マットレス200の内部の斜視図を示す図11とともに説明する。なお、図11においてばね特性調節型圧縮付勢体1で構成されたマットレス200の構成の理解を容易にするために、ばね特性調節型圧縮付勢体1における回転機構20の図示を省略している。
【0084】
このマットレス200は、上述したばね特性調節型圧縮付勢体1を行列配置し、その外側を枠線201で固定して偏平直方体形状に形成し、その外側を布体カバー202で囲繞して構成している。
【0085】
マットレス200に配設したばね特性調節型圧縮付勢体1のコイルドウェーブスプリング10の上端が回転固定されており、各ばね特性調節型圧縮付勢体1における回転機構20の回転モータ22はそれぞれが図示省略する制御装置で制御されている。
【0086】
また、マットレス200に行列配置されたばね特性調節型圧縮付勢体1は予め所定高さまで縮められて設置されており、この縮められたことによる付勢力でマットレス200の上面を上向きに付勢している。
【0087】
これにより、マットレス200を構成するばね特性調節型圧縮付勢体1を所望の自由高さLに設定することができる。したがって、例えば、マットレス200の上面に横たわる利用者の体型に合わせ、体の部位に応じたばね特性を設定することができ、マットレス200を利用する利用者の満足度を向上することができる。
【0088】
なお、上述の説明においては、ばね特性調節型圧縮付勢体1を装備したマットレス200について説明したが、ソファーのクッションスプリングとしてばね特性調節型圧縮付勢体1を装着する構成であってもよい。これにより、座る人の体重に応じたばね特性を設定することで、いずれの体重の利用者が座っても同様の座り心地を実現することができる。
【0089】
このように、制御部で回転モータ22の回転を制御された回転機構20を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1は、所望の付勢力を得るために、回転機構20によってコイルドウェーブスプリング10に回転を付与して所望の自由高さLを設定することができる。
したがって、例えば、使用状況は異なる場合であっても同様の使用感を得ることができたり、臨場感を得るための押圧力をコントロールすることができる。
【0090】
なお、上記ばね特性調節型圧縮付勢体1においては、コイルドウェーブスプリング10に対して回転機構20が制御装置に制御されて回転を付与していたが、利用者が直接コイルドウェーブスプリング10に回転を付与して所望の自由高さLに調節する構成であってもよい。この場合について、ラジオコントロールカー300の斜視図を示す図12と、ラジオコントロールカー300のショックアブソーバ310について説明する説明図を示す図13とともに説明する。
【0091】
ラジオコントロールカー300は、4輪独立懸架方式のバギータイプのラジオコントロールカーであり、各車輪301を支持するサスペンションにはそれぞれショックアブソーバ310が装備されており、ラジオコントロールカー300の走行時の衝撃を吸収する構成である。
【0092】
ショックアブソーバ310は、ショックアブソーバ310の断面図である図13(a)と、ショックアブソーバ310の側面図である図13(b)に示すように、内部にオイルが充填されたオイルダンパ313と、オイルダンパ313の一端に固定された上部取付治具311と、オイルダンパ313の他端に固定された下部取付治具312と、上部取付治具311と下部取付治具312との間で、調節リング314を介して装着されたコイルドウェーブスプリング10とで構成されている。
【0093】
なお、上部取付治具311は車体側に固定され、下部取付治具312は車輪側に固定されており、車輪301を介して入力された衝撃は下部取付治具312によってショックアブソーバ310に伝達される。
【0094】
コイルドウェーブスプリング10の下端は、下部取付治具312に回転固定され、コイルドウェーブスプリング10の上端は調節リング314に回転固定されている。
また、上部取付治具311と下部取付治具312との間で、調節リング314を介して装着されたばね特性調節型圧縮付勢体1は予め所定高さまで縮められて設置されており、この縮められたことによる付勢力で上部取付治具311と下部取付治具312を上下外向きに付勢している。
【0095】
調節リング314は、上部取付治具311の外径よりわずかに大きな内径を有するリング形状で形成され、上端の周縁部に、等間隔に配置された嵌合凸部314aを備えている。そして、上部取付治具311の外周に回転可能に装着された調節リング314は、上部取付治具311の外周に、周方向に等間隔で同様の凹形状で形成された嵌合溝部311aに嵌合凸部314aを嵌合させて、上部取付治具311に対して回転が固定されている。
【0096】
利用者は、このように構成したショックアブソーバ310を、ラジオコントロールカー300を走行させる路面状況に応じて、ショックアブソーバ310、すなわちコイルドウェーブスプリング10を所望の自由高さLに設定することができる。
【0097】
詳しくは、利用者は、ショックアブソーバ310の調節リング314を一旦、圧縮方向D1にスライドさせて、嵌合溝部311aと嵌合凸部314aとの嵌合を解除する。そして、所望のばね特性を得るために調節リング314を回転させてコイルドウェーブスプリング10に回転を付与し、この状態で、調節リング314を伸長方向D2にスライドさせ、嵌合溝部311aと嵌合凸部314aとを嵌合させて固定する。
【0098】
これにより、利用者は、ショックアブソーバ310のコイルドウェーブスプリング10に容易に回転を付与できるとともに、回転を付与した状態で調節リング314を固定することができる。したがって、所望のばね特性に設定されたショックアブソーバ310を利用してラジオコントロールカー300を走行させることができる。すなわち、所望の衝撃吸収性能を有するショックアブソーバ310を備えたラジオコントロールカー300を得ることができる。
【0099】
このように、様々な用途で用いられるコイルドウェーブスプリング10を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1であるが、例えば、ばね鋼11が降伏する程度までコイルドウェーブスプリング10が圧縮方向D1に圧縮された場合であっても、コイルドウェーブスプリング10に回転Rを付与することによって、コイルドウェーブスプリング10の自由高さLが調節され、ばね鋼11の降伏を回避することができる。したがって、本発明により、安全で、耐久性のあるコイルドウェーブスプリング10を備えたばね特性調節型圧縮付勢体1を構成することができる。
【0100】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の波型部分は、ウェーブ12に対応し、
以下同様に、
圧縮型コイルばねは、コイルドウェーブスプリング10に対応し、
ばね特性は、第1ばね定数k1及び第2ばね定数k2とその押圧量に応じた付勢力に対応し、
回転付与手段は、回転機構20,20’に対応し、
握持部は、アーム14,14’に対応し、
凸状頂部は、上向ウェーブ12aの頂部13aに対応し、
凹状頂部は、下向ウェーブ12bの頂部13bに対応し、
押圧部は、押圧ボタン102に対応し、
制御部は、制御装置に対応し、
調節型付勢装置は、コントローラ100、又はマットレス200に対応し、
衝撃力伝達部は、下部取付治具312に対応し、
調節型衝撃吸収装置は、ショックアブソーバ310に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】コイルドウェーブスプリングの斜視図による説明図。
【図2】回転が付与された場合のウェーブの状態を説明する説明図。
【図3】各状態における押圧量と付勢力との関係グラフ。
【図4】押圧途中から回転を付与した場合のたわみと付勢力との関係グラフ。
【図5】ばね特性調節型圧縮付勢体の斜視図。
【図6】ばね特性調節型圧縮付勢体の側面図。
【図7】別の実施形態のばね特性調節型圧縮付勢体の斜視図。
【図8】異なる構成の回転機構を備えたばね特性調節型圧縮付勢体の斜視図
【図9】異なる構成の回転機構を備えたばね特性調節型圧縮付勢体の側面図による説明図。
【図10】コントローラの説明図。
【図11】マットレスの内部の斜視図。
【図12】ラジオコントロールカーの斜視図。
【図13】ショックアブソーバについての説明図。
【符号の説明】
【0102】
1,1’…ばね特性調節型圧縮付勢体
10…コイルドウェーブスプリング
11…ばね鋼
12…ウェーブ
12a…上向ウェーブ
12b…下向ウェーブ
13a,13b…頂部
14,14’…アーム
20,20’…回転機構
100…コントローラ
102…押圧ボタン
200…マットレス
310…ショックアブソーバ
312…下部取付治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のばね鋼をコイル状に巻き回すとともに、前記ばね鋼の長さ方向に連続する波型を形成した圧縮型コイルばねに、回転を付与してばね特性を調節する
圧縮型コイルばねのばね特性調節方法。
【請求項2】
回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触する
請求項1に記載の圧縮型コイルばねのばね特性調節方法。
【請求項3】
前記圧縮型コイルばねの波型部分を回転位相において半波長分ずらす回転の付与を許容する
請求項1又は2に記載の圧縮型コイルばねのばね特性調節方法。
【請求項4】
帯状のばね鋼をコイル状に巻き回すとともに、前記ばね鋼の長さ方向に連続する波型を形成した圧縮型コイルばねと、
該圧縮型コイルばねに、回転を付与してばね特性を調節する回転付与手段とを備えた
ばね特性調節型圧縮付勢体。
【請求項5】
前記ばね鋼の少なくとも一方の端部に握持部を備え、
前記回転付与手段が、前記握持部を握持して前記回転を付与する
請求項4に記載のばね特性調節型圧縮付勢体。
【請求項6】
前記回転付与手段による回転が付与されていない状態において、圧縮方向に隣合う波型部分の凸状頂部と凹状頂部とが接触する
請求項4又は5に記載のばね特性調節型圧縮付勢体。
【請求項7】
前記回転付与手段を、
前記圧縮型コイルばねの波型部分を回転位相において半波長分ずらす回転を付与する構成とした
請求項4,5又は6に記載のばね特性調節型圧縮付勢体。
【請求項8】
請求項4から7のうちいずれかに記載のばね特性調節型圧縮付勢体を圧縮方向に押圧する押圧部と、
前記回転付与手段を制御する制御部とを備えた
調節型付勢装置。
【請求項9】
請求項4から7のうちいずれかに記載のばね特性調節型圧縮付勢体に、入力された衝撃力を伝達する衝撃力伝達部を備えた
調節型衝撃吸収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−192035(P2009−192035A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35712(P2008−35712)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(597095773)株式会社昌和発條製作所 (1)
【Fターム(参考)】