説明

圧縮成形方法及びその装置

【課題】ペレットがキャビティの中央部とずれた位置に供給されてもセンターリング機能を有し、ペレットの偏りによる成形不良の発生を抑制する。
【解決手段】キャビティ4を形成する雌型5の底部型面の中央部を他の底部型面7と別体に形成して可動底部型面15とし、該可動底部型面15を雌型支持体6に一体に保持し、雌型5を雌型支持体6に対して軸方向に相対的に変位可能とし、型締め前は底部型面中央に段差部20を形成し、キャビティ内に供給されたペレットが段差部20に転がり落ちることによりペレットを底部型面中央に変位させ、型締めと共に可動底部型面15をキャビティ形成位置に変位させて圧縮成形を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレットを圧縮成形するための圧縮成形方法、特にキャビティ内に供給されたペレットのセンターリング機能を有するようにした圧縮成形方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の例えば合成樹脂キャップの圧縮成形装置40は、図4に概略的に示すような構成となっており、キャビティ41を形成する雌型42に対して、コアとなる雄型43が嵌合してキャビティに供給されたペレット45を雄型43と雌型42との協働により所定形状に圧縮成形する。圧縮成形は、図4(a)に示すように、雌型42と雄型43が開いている状態で溶融樹脂押出装置の押出ダイ46から連続的に押し出される溶融樹脂をダイ46先端に設けられた回転カッター(図示してない)により所定長さに切断してペレット45を形成してキャビティ内に落下させ、ついで雄型43がストリッパー44と一体に下降して、ストリッパー44が雌型上面と接触して型を閉じた状態で雄型43が下降してペレット45を所定形状に圧縮成形する。その際、図4(a)〜(c)に示すようにペレットがキャビティの中心に供給されていないと、成形の際に樹脂の偏りが生じ、極端な場合は、同図(d)に示すように溶融樹脂が一側のランドからはみ出すはみ出し部47が生じるなどの成形不良が発生する。特にペレットが複合樹脂で形成されている場合、例えば図5(a)に示すように、本体樹脂の内部にガスバリヤ性樹脂等を包含して成形品内部の特定位置にガスバリヤ層など内包樹脂層51を形成する成形品50である場合、ペレットがキャビティの中心部に位置している状態で圧縮成形を行わないと、例えば図5(b)に示すように、内包樹脂層51の偏りが生じ成形不良が発生する。
【0003】
押出ダイから所定形状に押し出されるペレットはカッターにより切断してキャビティに落下させるが、カッターや樹脂の状態・樹脂量・機械速度などによりペレットの落下軌道は常に変動するため、常にペレットをキャビティのセンターに落下させることは非常に困難である。従来、ペレットをキャビティの中心に落下させるために、現場でカッターの位相調整とダイヘッドの位置調整をしているが、ペレット先端の落下点をキャビティの中心部に合わせるとペレット後端部がキャビティに干渉する場合があるなど、一律な調整は困難である。特に、合成樹脂製キャップ等の圧縮成形装置の場合、大量生産を可能にするため、ターレットに多数の金型装置を配置したロータリー式が採用されており(特許文献1参照)、しかも近年は高速化しているため、回転移動している金型に対してペレットをキャビティの中心部に安定して投入することは至難である。
【0004】
従来、合成樹脂製蓋の製造において、蓋の天壁内面にライナー素材である溶融樹脂塊を供給して圧縮成形によりライナーを成形する場合に、天壁内面中央に突起を形成して天壁内面中央に供給された溶融樹脂塊が動かないようにしたもの(特許文献2)、あるいは天壁内面中央部に環状凸条を形成して供給されたライナー素材が天壁内面に対して相対的に移動しなしいようにしたもの(特許文献3)が提案されているが、これらは溶融樹脂塊が天壁中央部に供給されることを前提として、それが動かないようにするための工夫であり、中央部からずれて供給された樹脂塊を中央部に位置決めするセンターリング機能を有するものではない。しかも、これらは既に成形されたキャップの内面にライナーを形成する場合であり、金型のキャビティに直接ペレットを供給して圧縮成形する圧縮成形装置において、キャビティの中央部とずれて供給されたペレットを中央部に位置するようにセンターリング機能を有する圧縮成形装置はまだ知られていない。
【特許文献1】特開平11−129269号公報
【特許文献2】特公平2−44699号公報
【特許文献3】特公平5−34132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明はペレットがキャビティの中央部とずれた位置に供給されても、成形時には中央部に位置するようにペレットのセンターリング機能を有し、ペレットの偏りによる成形不良の発生を抑制し、圧縮成形の生産性を高めることができる圧縮成形方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成する本発明の圧縮成形方法は、雌型のキャビティ内に供給されたペレットを圧縮成形する圧縮成形方法において、型締め前は前記キャビティの底部型面中央部にキャビティ形成位置に対して段差部を形成し、前記キャビティ内に供給されたペレットが前記段差部に転がり落ちることにより前記ペレットをキャビティ中央部に変位させ、型締めと共に前記底部型面中央部をキャビティ形成位置に移動させて圧縮成形を行うことを特徴とするものである。
【0007】
上記圧縮成形方法を実施するための本発明の請求項2に記載の圧縮成形装置は、雄型とキャビティを有する雌型が相対変位して圧縮成形を行う圧縮装置において、前記雌型のキャビティを形成する底部型面の中央部を他の底部型面と別体の可動底部型面として形成し、且つ該可動底部型面をキャビティ形成位置に対して段差部を形成する段差形成位置とキャビティを形成するキャビティ形成位置とに変位させる変位手段を有してなることを特徴とする。前記底部型面が平坦面である場合は、前記キャビティ形成位置では当然可動底部型面は他の底部型面と一致する。
【0008】
また、請求項3には記載の発明は、請求項2に記載の圧縮成形装置において、前記変位手段が、前記可動底部型面を有する可動底部型を前記雌型を支持する雌型支持体に保持し、前記雌型を前記雌型支持体に対して軸方向に相対的に変位させるものであることを特徴とするものである。請求項4の発明は、前記変位手段が、前記雌型と前記雌型支持体との間に設けられ、前記可動底部型面を前記段差部形成位置と前記キャビティ形成位置に位置決めする位置決め手段と、前記雌型を前記可動底部型面が前記段差部形成位置に位置するように付勢する付勢手段とからなることを特徴とするものである。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の圧縮成形装置において、前記雄型の外周部に該雄型と相対移動可能にストリッパーを有し、型締め時に該ストリッパーが前記雌型を前記付勢手段に抗して押し下げることによって前記可動底部型面を相対的に前記キャビティ形成位置に変位させるようにしてなることを特徴とするものである。請求項6に記載の発明は、請求項2〜5何れかに記載の圧縮成形装置がカップ状合成樹脂成形物成形用の圧縮成形装置であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1及び請求項2の発明の圧縮成形方法及び装置によれば、型締め前にはキャビティの底部型面中央部に段差部が形成されているので、キャビティに落下供給されるペレットがキャビティの中央部とずれた位置に供給されても、成形時には中央部に位置するようにセンターリングされ、ペレットの偏りによる成形不良の発生を抑制し、圧縮成形の生産性を高めることができる。特に、多層複合樹脂成形品の成形の場合は、ペレットの偏りによって内層樹脂の配置が変化するため成形不良の発生率が高いが、本発明によればペレットのセンターリング機能を有するので、このような複合樹脂の成形により有効である。さらに、請求項3に記載の圧縮成形装置によれば、雌型を雌型支持体に軸方向に変位させることによって、キャビティの底部型面中央部を段差形成位置とキャビティ形成位置に簡単に変位させることができ、構成が単純である。さらに、請求項4の発明によれば、前記可動底部型面の変位手段は、可動底部型面を段差部形成位置とキャビティ形成位置とに位置決めする位置決め手段が雌型と雌型支持体との間に設けられているので、簡単な構成で確実に可動底部型面の位置決めができ、且つ付勢手段で常に可動底部型面を段差形成位置に位置させているので、段差部を形成するのに特別な駆動手段を必要とせず、構成を単純化できる。さらに、また請求項5の発明によれば、可動底部型面を駆動するための特別な駆動手段を設けることなく、型締め時には型締めに連動して自動的に段差部を確実に解消することができる。そして、本発明をカップ状成形物、特に容器のキャップの圧縮成形方法及び装置に適用することによって、近年の高速生産ラインであってもキャビティへのペレットの偏り供給による成形不良の発生を減少させることができ、生産効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る圧縮成形装置の金型装置部の要部概略断面図であり、本実施形態では合成樹脂製キャップを圧縮成形する場合の金型装置を示し、(a)は金型が開いている状態、(b)は型締めしている状態を示している。
本実施形態の圧縮成形装置の金型装置1は、雌型(下型)組立体2と雄型(上型)組立体3とから構成され、かつ雌型組立体2はキャビティ4を形成する雌型5と雌型支持体6からなり、雌型支持体6の上部にスプリング13を介在させて雌型5が軸方向に変位可能に一体に支持されている。そして、本実施形態の基本的構造は、前記雌型のキャビティを形成する底部型面の中央部を他の底部型面7と別体に形成して可動底部型面15とし、且つ該可動底部型面15を前記他の底部型面7と段差部を形成する段差形成位置と前記他の底部型面と一致してキャビティを形成するキャビティ形成位置とに変位させる変位手段を有していることを特徴とする。なお、本実施形態では、底部型面が平坦面になっている場合であるが、たとえば底部型面で成形される成形面の中央部に凸部又は凹部があるような成形品である場合、底部型面の中央位置のキャビティは中央部に凹部又は凸部を有する形状となっているので、前記可動底部型面の前記キャビティ形成位置は、他の底部型面よりも成形品の凸部又は凹部に相当する量だけ窪んだ又は突出した位置にある。
【0011】
雌型組立体2の雌型5は、キャビティ4の底部型面7の中央部に貫通穴が形成され、該貫通穴に後述するように雌型支持体のガイドロットが嵌合している。貫通穴の上方部が雌型5の可動底部型面15を有する可動底部型16を上下動させるためのガイド穴8となっている。ガイド穴8の断面形状や大きさは、円形、楕円形、矩形等キャビティの大きさや形状によって最適な形状と大きさとが任意に選択できる。そして、貫通穴の中間部の一定区間を径大に形成して、雌型5を雌型支持体6に軸方向(上下)に変位自在に嵌合支持させるための上端位置決め面10と下端位置決め面11とを有する位置決め空間9が形成されている。そして、雌型5の下端部は、雌型支持体6との間に挿入される付勢手段であるスプリング13を受けるスプリング受面を有し、且つ後述する雌型支持体の位置決め係合部17の底面と係合する環状の係合凸条12となっている。
【0012】
一方、雌型支持体6は、図1に示すように、上部が雌型のガイド穴8に嵌合する可動底部型面15を有する可動底部型16となっており、その下方が外方に突出して前記位置決め空間9に嵌合する位置決め係合部17、その下方から一定区間は径小に形成されたスプリング嵌合部18となっている。前記位置決め係合部17の高さは、雌型の位置決め空間9の高さより高さhだけ低く形成され、且つ雌型のガイド穴8に嵌合する雌型の可動底部型16の高さはガイド穴8と同じ高さに形成されている。
【0013】
したがって、図1(a)に示すように、雌型5を雌型支持体6に嵌合支持させた状態では、雌型5はスプリング13により付勢されて係合凸条12が雌型支持体6の位置決め係合部17の下端位置決め面11と衝合し、最上方位置にある。この状態では、雌型の底部型面7と雌型支持体に保持された可動底部型16の頂面である可動底部型面15との間には高さhの段差部20が形成される。また、同図(b)に示すように、雌型5をスプリング13に抗して最下位まで押し下げた状態では、雌型の位置決め空間9の上端位置決め面10が雌型支持部材の位置決め係合部17の上面と衝合して位置決めされる。その状態ではちょうどキャビティ4の底部型面7と可動底部型面15とは面一状態となり、段差面がないキャビティが形成される。したがって、本実施形態では、雌型支持体の位置決め係合部17と雌型に形成された位置決め空間9が可動底部型面15を段差部形成位置とキャビティ形成位置に位置決めする位置決め手段となっている。
【0014】
雄型組立体3は、従来と同様な構成が採用でき、ストリッパー25に雄型26が変位可能に嵌合している。雄型組立体3のストリッパー25及び雄型26は、ロータリー型成形装置の場合、それぞれストリッパー駆動用カム及び雄型駆動用カムにより駆動されて軸方向に上下駆動され、ペレット供給、型締め、成形、型開き、成形品の取り出しの工程を順に行う。
【0015】
次に、以上のように構成されたペレットのセンターリング機能を有する本実施形態の圧縮成形装置によるキャップの圧縮成形方法を図2に示す成形工程図に基づいて説明する。
圧縮成形装置は図2(a)に示すように、ペレット押出機が位置しているペレット供給位置に到達する時点では、雌型2はスプリング13により付勢されて雌型支持体6の最上位置にあり、キャビティの中央部には深さhの段差部20が形成されている状態にある。この状態でダイヘッド27から溶融樹脂が押し出されてカッター(図示せず)で所定大きさに切断することにより、落下してキャビティ内にペレット30として供給される。その際、ペレット30がキャビティの中心とずれた位置に供給されてもキャビティ底部型面に段差部20が形成されているので、同図(a)〜(c)に示すようにペレット30が自然に段差部に転がり落ちることによって、キャビティの中央部に移動し、センターリングされる。その間に、雄型組立体3のストリッパー25と雄型26がほぼ一体に下降し、ストリッパー25の下端が雌型5の頂面に衝合して型閉めがなされ、さらにストリッパー25が下降して雌型5をスプリングに抗して押し下げることによって、相対的に可動底部型16が上昇し、雌型支持体6の位置決め係合部17の上端面が上端位置決め面10に当たり、それ以上の可動底部型16の上昇は阻止される。この状態において、ちょうど、可動底部型面15がキャビティ底部型面と同一面となり、キャビティが形成される(e)。この状態からは雄型26のみが下降して、ペレットの圧縮成形が開始され、さらに雄型が所定量下降することによって、図示のようにカップ状樹脂成形物であるキャップ35が成形される(f)。その後、雄型組立体3が上昇し型開きが行われ成形された樹脂成形物が得られる。図3は、上記図2(a)〜(f)工程における雄型ユニットの雄型(コア)26とストリッパー25を駆動するためのカムのカム線図であり、イは雄型駆動カムのカム線図、ロはストリッパー駆動カムのカム線図である。同図における(a)〜(f)の各位置は、図2の(a)〜(f)に対応している。
【0016】
得られた樹脂成形物は、ペレットがキャビティの中央部に位置している状態で成形されるので、樹脂の偏りがなく良好な成形品が得られる。特に、成形品が単一樹脂でなく、図5(a)に示すように、内部に例えばガスバリヤ性樹脂層等の中間樹脂層51を含む場合、中間樹脂層51が所定の中央部(図の実施形態ではキャップの天壁部)に配置された良好な成形品を得ることができる。本発明によれば、底部型面で形成させる部分が平坦面である成形品に限らず、凸部や凹部を有する場合の成形品の成形の場合であっても、ペレットをキャビティ中央部への位置決めが可能となる。たとえば、底部型面の中央部に突部がある型面である場合(即ち中央部に凹部を有する成形品の成形の場合)、ペレットをその中央部に供給することは特に困難であるが、本発明の場合は、ペレット供給時には積極的に底部型面の中央部に段差面を形成するので、位置決めが容易となる。
【0017】
以上、本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は上記実施形態に限るものではない。例えば、上記実施形態では、雌型2及び雌型支持体6は、それぞれ一体部材で形成されているように図示されているが、実際は図示のように組み立てるには、雌型2及び雌型支持体6はそれぞれ複数の部材に分割して構成し、それらを一体に組み立てる必要がある。たとえば可動底部型16は、雌型支持体と別体の部材で構成し、それを適当な手段で雌型支持体本体に固着して一体にしてもよい。また、本発明の圧縮成形装置は、必ずしもダイヘッドから押し出される溶融樹脂塊のペレットの圧縮成型に限らず、予め形成されて冷えたペレットを加熱しながら圧縮成形する場合にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によれば、キャビティ内に落下供給されたペレットが自動的にセンターリングされるので、ペレットの偏りがなく圧縮成形されて良好な圧縮成形品が得られ、特にキャップ等のカップ状成形品の圧縮成形するのに好適に利用可能であるが、必ずしもカップ状成形物に限らず、種々の物品の圧縮成形にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る圧縮成形装置の金型装置部の要部概略断面図であり、(a)は金型が開いている状態、(b)は型締めした状態を示している。
【図2】本実施形態の圧縮成形装置によるキャップの圧縮成形工程を示す工程図である。
【図3】雄型駆動カムとストリッパー駆動カムのカム線図である。
【図4】従来の圧縮成形装置によるキャップの圧縮成形工程を示す工程図である。
【図5】内部に中間樹脂層を含む場合のキャップ成形品の断面概略図で、(a)は中間樹脂層が良好に配置された状態に成形された場合、(b)は中間層が偏って成形された成形不良の場合をそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0020】
1 金型装置 2 雌型組立体
3 雄型組立体 4 キャビティ
5 雌型 6 雌型支持体
7 底部型面 8 ガイド穴
9 位置決め空間 10 上端位置決め面
11 下端位置決め面 12 係合凸条
13 スプリング 15 可動底部型面
16 可動底部型 17 位置決め係合部
20 段差部 25 ストリッパー
26 雄型 27 ダイヘット
30 ペレット 35 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌型のキャビティ内に供給されたペレットを圧縮成形する圧縮成形方法において、型締め前は前記キャビティの底部型面中央部にキャビティ形成位置に対して段差部を形成し、前記キャビティ内に供給されたペレットが前記段差部に転がり落ちることにより前記ペレットをキャビティ中央部に変位させ、型締めと共に前記底部型面中央部をキャビティ形成位置に移動させて圧縮成形を行うことを特徴とする圧縮成形方法。
【請求項2】
雄型とキャビティを有する雌型が相対変位して圧縮成形を行う圧縮装置において、前記雌型のキャビティを形成する底部型面の中央部を他の底部型面と別体の可動底部型面として形成し、且つ該可動底部型面をキャビティ形成位置に対して段差部を形成する段差形成位置とキャビティを形成するキャビティ形成位置とに変位させる変位手段を有してなることを特徴とする圧縮成形装置。
【請求項3】
前記変位手段は、前記可動底部型面を有する可動底部型を前記雌型を支持する雌型支持体に保持し、前記雌型を前記雌型支持体に対して軸方向に相対的に変位させるものである請求項2に記載の圧縮成形装置。
【請求項4】
前記変位手段は、前記雌型と前記雌型支持体との間に設けられ、前記可動底部型面を前記段差部形成位置と前記キャビティ形成位置に位置決めする位置決め手段と、前記雌型を前記可動底部型面が前記段差部形成位置に位置するように付勢する付勢手段とからなる請求項3に記載の圧縮成形装置。
【請求項5】
前記雄型の外周部に該雄型と相対移動可能にストリッパーを有し、型締め時に該ストリッパーが前記雌型を前記付勢手段に抗して押し下げることによって前記可動底部型面を相対的に前記キャビティ形成位置に変位させるようにしてなる請求項4に記載の圧縮成形装置。
【請求項6】
前記圧縮成形装置が、カップ状合成樹脂成形物成形用の圧縮成形装置である請求項2〜5何れかに記載の圧縮成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−237692(P2007−237692A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66556(P2006−66556)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】