圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路
駆動回路(18)は、圧電アクチュエータ(14)を有する装置(10)のために予め定められた波形形状の波形を有する駆動信号を生成する。駆動回路(14)は、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データを記憶するメモリ(140)を含む。駆動回路は、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを利用する。波形形状データは、好ましくは、装置の1つ以上の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである。好ましくは、波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する。波形方程式について求められた係数の数は、装置の帯域幅内にある波形の高調波の数に依存する。他の局面は、駆動回路を利用する装置、装置を動作させるための方法、駆動回路(たとえば圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路)によって利用されるメモリ(212)、および最適化された波形形状データを発生させるための機器および方法に関与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、同時に出願された以下の米国特許出願、すなわち米国特許出願第10/815,975号「圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路」(Piezoelectric Devices And Methods And Circuits For Driving Same)、米国特許出願第10/816,000号「圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路」、および米国特許出願第10/815,978号「圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路」に関する。これらはすべて、それら全体がここに引用により援用される。
【0002】
背景
1.発明の分野
この発明は圧電素子に関し、特に、たとえばポンプなどの装置に利用される圧電素子を駆動するための回路および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術および他の考慮事項
圧電素子とは、機械的圧力を受けると電圧を生成する結晶材料である。それらのさまざまな特性に鑑みて、圧電素子は、ダイヤフラム変位ポンプにおけるアクチュエータとして使用されてきた。一般に、ポンプにおいて使用されるタイプの圧電アクチュエータは、規則的に反転する高電圧電界による励振を必要とする。用途により、励振電圧は25〜1000ボルト以上であってもよく、電界反転の頻度は数分の1サイクル/秒〜数千サイクル/秒であってもよい。通常、この励振信号は、1.5〜25ボルトという比較的低い電圧源から導出されなければならない。この導出または変換がエネルギ効率に非常に優れていること、および関連する構成要素が安価であることが望ましい。
【0004】
加えて、圧電アクチュエータおよびそれらを採用している装置が共に多くの共振特性をしばしば有する場合には、電界反転が単調であること、たとえば正弦波であることが望ましい。
【0005】
ポンプアクチュエータとして使用される圧電素子を駆動するためのかなり有効な駆動回路の一例が、米国特許出願第10/380,547号および米国特許出願第10/380,589号(共に2003年3月17日に出願され、「圧電アクチュエータおよびそれを用いるポンプ」(Piezoelectric Actuator and Pump Using Same)と題されており、それら全体がここに引用により援用される)に開示されている。その駆動回路はELランプ駆動回路を含んでおり、それは元々エレクトロルミネセント(EL)ランプを駆動するために設計されたものの、今では引用文献において圧電ポンプを駆動するために巧みに採用されている。このELランプ駆動回路は、カラーLCDの背面照光および自動車用途のために意図された、高パワーのスイッチモード集積回路(IC)インバータである。この特に設計されたELランプドライバICと、放電回路などのいくつかの構成要素とが、ELランプ駆動回路の完成品を構成している。
【0006】
より詳細に説明すると、このELランプ駆動回路は、比較的高い周波数の発振器または状態機械を使用してフライバック回路を駆動し、蓄積キャパシタに蓄積される高電圧電荷を生成する。蓄積キャパシタは次に直流電流の高電圧源として取扱われ、直流電流がブリッジタイプのスイッチング回路に印加され、それは、第2の発振器または状態機械によって、もしくはフライバック発振器から導出された信号によって駆動され、反転した電界効果を生成する。
【0007】
これらのELランプ駆動回路はエレクトロルミネセント照明業界においてすでに広範に採用されており、したがって、回路素子の多くは「ワンチップ」解決策に統合されている。このELランプ駆動技術/回路は進化して、携帯電話、携帯情報端末(PDA)および電子ゲームなどの手持ち型電子装置のディスプレイを駆動するようになった。回路は、低い周波数と少ない電流引込みとで、および比較的高い周波数で動作可能であり、携帯用途にとっては非常に魅力あるものになっている。さらに、放電回路設計に搭載されると、EL回路は、ELランプシステムノイズ、すなわち他のICまたはチップの動作に影響を与えるノイズを最小限に抑える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
圧電ポンプにおける全体的に巧妙で全体的に有利なその利用にも拘らず、ELランプ駆動回路を使用するいくつかの局面は問題をはらんでいる。いくつかの問題例をここで簡単に説明する。
【0009】
第1の問題例としては、ELランプドライバは、一旦設置されるとそれが固定周波数でしか動作しないという点で制限されている。ELランプドライバにおいて使用される発振器および/または状態機械は固定されている。したがってELランプ駆動回路は「モナ・リザ」、すなわち各回路が固定フライバック周波数を有する回路である。その結果、圧電ポンプで使用される場合、ELランプ駆動回路は、固定された圧電駆動周波数と、固定された出力電圧対入力電圧/負荷比とを提供する。圧電ポンプで使用される場合、ELランプ駆動回路は、製造時点で構成要素の値を変えることによって、ある特定の圧電用途に「調整」される。
【0010】
第2の問題例としては、ELランプ駆動回路からの出力波形は、(ELランプ駆動回路による波形出力における鋭いピークに起因する)負荷の下でも圧電において可聴ノイズを作り出す修正された鋸波である。これは、1つには、未加工で幾分直流の電流源を採用しているELランプ駆動回路のアーキテクチャに起因する。この電流源は反転電界を生成するためにブリッジ回路によってデジタル式に切換えられ、そのため、結果として生じる駆動波形は純粋なものとは程遠い。方形波および鋸波は、不規則に時間変化する周波数成分信号が典型的である状態では一般的である。しかしながら、非音声用途では、圧電アクチュエータおよびそれを採用している装置は通常、最大限の効率を得るために純粋な周波数で動作すること、および最小量の可聴ノイズしか生成しないことを必要とする。そのため、目標とする基本駆動周波数以外の周波数成分を有する駆動波形が印加されると、その異質の周波数成分は圧電素子の作業出力を少ししか増大させず、しかしながら望ましくないアクチュエータ可聴ノイズを多大に増加させる。
【0011】
第3の問題例としては、ELランプ駆動回路への唯一の可変ユーザ入力は電圧入力(Vin)である。ELランプドライバアーキテクチャは、圧電アクチュエータをバイポーラ式に駆動するためにユニポーラ電圧源を採用している。この事実を考慮すると、圧電アクチュエータの両「側」がシステム接地以外の電圧電位を受けることは避けられない。導電性液体を汲み上げるポンプなどの用途では、アクチュエータの流体側が常にシステム接地のままであることが非常に望ましい。これは、ELランプ駆動回路を使用しては達成できない。
【0012】
現在の駆動アプローチは、外部制御入力を受入れ、またはローカルアクチュエータに関連したパラメータを監視する手段を有していない。共振検出、圧力フィードバック、温度フィードバック、外部変調などの能力は、考慮すらされていない。一旦設置された基板における周波数または電圧を変更する能力の欠如は、逆圧、温度および他の動作条件に対処するために周波数または電圧を最適化しようとする際に、回路の能力を厳しく制限する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡単な概要
駆動回路は、圧電アクチュエータを有する装置のために予め定められた波形形状の波形を有する駆動信号を生成する。駆動回路は、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データを記憶するメモリを含む。駆動回路は、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを利用する。
【0014】
例示的な一実現例では、駆動回路は、メモリに記憶された波形形状データを使用してデジタル信号を発生させるコントローラを含む。
【0015】
例示的な態様では、波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある。たとえば、例示的な一態様では、波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある振幅値を含む。別の例示的な態様では、波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にあるパルス幅変調値を含む。
【0016】
波形形状データは、好ましくは、装置の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである。装置がポンプである例示的な一実現例では、波形形状データによって最適化される動作パラメータは、ポンプ内の流体流、ポンプ内の圧力、加速度、およびノイズの無さのうちの1つであり得る。代替的な一実施例では、波形形状データは、ポンプの複数の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである。
【0017】
好ましくは、波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する。波形方程式について求められた係数の数は、装置の帯域幅内にある波形の高調波の数に依存する。
【0018】
その局面のうちの別のものでは、この開示は、駆動回路を利用する、または取入れている装置に関与する。非限定的な一例では、そのような装置は圧電ポンプである。そのようなポンプは、たとえば、少なくとも部分的にポンプ室を規定するための、かつポンプ室と連通する入口および出口を規定するためのポンプ本体をさらに含む。圧電アクチュエータはポンプ本体内に位置し、入口と出口との間の流体を汲み上げるための駆動信号に応答する。
【0019】
その局面のうちの別のものでは、この開示は、駆動回路(たとえば、圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路)によって利用されるメモリにも関与する。メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データを記憶する。
【0020】
その局面のうちのさらに別のものでは、この開示は、圧電アクチュエータを有する圧電装置を動作させる方法にも関与し、圧電アクチュエータは駆動信号に応答する。そのような方法のいくつかの態様は、メモリに記憶された波形形状データを使用して、駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成するステップと、次に駆動信号を圧電アクチュエータに印加するステップとを含む。いくつかのそのような方法では、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを使用して駆動信号を生成する。
【0021】
その局面のうちのさらに別のものでは、この開示は、ターゲット圧電装置のターゲット
駆動回路によって使用されるための波形形状データを作成する方法にも関与する(その圧電装置は、その駆動回路によって発生する駆動信号を受取る圧電アクチュエータを含む)。そのような方法は、動作装置の動作圧電アクチュエータに印加すべき駆動信号を発生させるステップと、装置の動作パラメータに従って装置からフィードバック信号を取得するステップと、フィードバック信号を使用して波形方程式の係数を求めるステップと、波形方程式を解いて波形形状データを取得するステップと、波形形状データをメモリに記憶させるステップとを含む。いくつかの例示的な態様では、この方法はさらに、ターゲット駆動回路にメモリをインストールするステップを含む。他の例示的な態様では、この方法はさらに、メモリから波形形状データを読出すステップと、波形形状データをターゲット駆動回路の別のメモリに記憶させるステップとを含む。さらに他の例示的な態様では、この方法はさらに、波形形状データをプロセッサに記憶させるステップを含む。いくつかの例示的な実現例では、この方法はさらに、波形形状の周期を構成する複数のポイントと対の関係にあるメモリ内の波形形状データをフォーマット化するステップを含む。好ましくは、フィードバック信号を使用して、1つ以上の動作パラメータの点で装置の性能を最適化する係数を求める。
【0022】
前述のおよび他の目的、特徴、および利点は、添付図面に図示されているような以下の好ましい実施例のより特定的な説明から明らかであり、図面では、さまざまな図全体を通し、参照符号は同じ部分を指している。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、発明の原理を例示することに強調がおかれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面の詳細な説明
以下の説明では、限定のためではなく説明のために、特定のアーキテクチャ、インターフェイス、手法といった特定の詳細が、この発明の完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、これらの特定の詳細からそれた他の実施例でこの発明が実践されてもよいことは、当業者には明らかである。他の点では、この発明の説明を不必要な詳細で不明瞭にしないよう、周知の装置、回路および方法の詳細な説明は省略されている。さらに、図面のいくつかには個々の機能ブロックが図示されている。当業者であれば、個々のハードウェア回路を用いて、好適にプログラムされたデジタルマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータとともに機能するソフトウェアを用いて、特定用途向け集積回路(ASIC)を用いて、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を用いて機能が実現されてもよいことを理解するであろう。この詳細な説明に表れる表題または本文の見出しは、ここに説明する発明をどのようにも定義または限定せず、単に読者の便宜のために挿入されている。
【0024】
1.0 代表的な圧電ポンプ構造
図1および図2は、駆動回路と、駆動回路によって駆動される圧電アクチュエータのホストとして働く例示的な利用装置とを図示するための単なる非限定的な例としての役割を果たす代表的な圧電ポンプ10を示している。少なくとも部分的に圧電素子から構成されるアクチュエータを有すること以外は、ポンプ10の図示された物理的構造は重大ではない。実際、ここに開示される駆動方法および駆動回路は、多くのタイプの利用装置で使用可能であり、ポンプ10の構造上の構成要素のうちのいくつかまたはすべての変形を有する異なるタイプの利用装置を含むもののそれらに限定されない。
【0025】
図1および図2の例示的なポンプ10は一般に、薄い円筒の形をしている。ポンプ10は、ポンプ本体12と、圧電アクチュエータ14と、ポンプカバー16と、圧電アクチュエータ駆動回路18とを含む。ポンプ本体12は入口22と出口24とを有し、それらの一方または双方はポンプ本体12の一部であってもよく、またはポンプ本体12に別の方法で固締された別個の部品であってもよい。ポンプカバー16は、任意の好適な手段によ
ってポンプ本体12に固締されてもよい。圧電アクチュエータ駆動回路18は、図1に示すように、ポンプ本体上の外部に位置付けられてもよい。また、これに代えて、ポンプカバーは、圧電アクチュエータ駆動回路18を構成する回路素子を有する回路基板(たとえばプリント回路基板、プリント配線基板)を部分的にまたは全体的に含んでいてもよい。この代替例では、回路基板は、ポンプ用の機械的または構造的部品という追加機能を果たす。圧電アクチュエータ駆動回路18のさらに別の位置も可能であり、圧電アクチュエータ駆動回路18が、圧電アクチュエータ14への電気導線/接続を含む適切な導線および/または導通を有することが理解される。
【0026】
ポンプ室30は、ポンプ本体12の中央にたとえば成型または機械加工によって形成される。ポンプ10の寸法、ひいてはポンプ室30の寸法は特定の用途に依存する。台座32は,ポンプ本体12の内部のポンプ室30の上部に設けられる。図2に示すように、圧電アクチュエータ14は台座32の上に取付けられて、ポンプ室30の上部にダイヤフラム(隔壁)を形成する。圧電アクチュエータ14と本質的に同じ外径を有するシールワッシャ34が、台座32の上にある。Oリングシール36が圧電アクチュエータ14の上部に位置して、圧電アクチュエータ14を所定の位置に保持する。
【0027】
例示された一実施例では、圧電アクチュエータ14は、1つ以上の高耐久化層(たとえば金属層)に/間に積層された圧電ウェハの形を取り得る。そのような圧電アクチュエータの一例は、米国特許出願第10/380,547号および米国特許出願第10/380,589号(共に2003年3月17日に出願され、「圧電アクチュエータおよびそれを用いるポンプ」と題されており、それら全体がここに引用により援用される)に例示されている。しかしながら、ここに開示される駆動方法および駆動回路は、任意の特定のタイプの圧電アクチュエータに制限されない。
【0028】
上述のように、図1および図2に示すような例示的なポンプの構造的局面は制約的ではない。たとえば、ポンプ本体の形状寸法、サイズ、組成および内部構成は、他の実施例または用途では変わり得る。さらに、ポンプ本体における圧電アクチュエータ14の載置または密封もしくは位置付けの態様は重大ではない。さらに、入口および出口の位置、数、配向および構造は重大ではなく、そのような入口および/または出口の1つ以上に、またはその近くにあり得る任意の特定の弁の存在またはタイプも重大ではない。
【0029】
圧電アクチュエータ駆動回路18は、好ましくは電子プリント回路基板(PCB)に具現化されているものの、必ずしもそうである必要はない。圧電アクチュエータ駆動回路18は、実施例および態様のいくつかが他の実施例および態様とともに実現される状態では、多くの異なる形または実施例を取り得、多くの異なる実施態様を有し得る(たとえば、いくつかの実施例/態様は、さらに他の実施例および態様を実現するために組合せられることが可能である)。
【0030】
2.0 駆動回路の例示的な実施例
圧電アクチュエータ駆動回路18の一般的で非限定的な例を、図3および図3A、図3B、図3C、図3D、図3E(1)、図3E(2)、図3F、図3G、図3H(1)、図3H(2)、図3I(1)、図3I(2)、図3I(3)、図3Jに示す。例示的な実施例および態様の各々では、圧電アクチュエータ駆動回路18は、一連の低電力長周期デジタルパルスを変換回路102に印加し、そのため変換回路102は、圧電アクチュエータ14によって一体化されるパケット電荷を印加することができる。これらの実施例の各々では、圧電アクチュエータ駆動回路18は駆動信号を圧電アクチュエータ14に印加し、圧電アクチュエータ14は利用装置を構成するかまたはそれに隣接もしくは近接している。圧電アクチュエータ14を使用する、または取入れている特定の利用装置は、用途および/または環境に依存する。ここで説明する1つの例示的で非限定的な利用装置は、圧電
ポンプである。
【0031】
2.1 デジタルパルスを提供する駆動回路
図3に簡略化された形で示されるように、圧電アクチュエータ駆動回路18は、デジタルパルス発生器100と変換回路102とを含む。電源103は、パルス発生器100および変換回路102の双方に電力を供給する。パルス発生器100は、低電圧長周期デジタルパルスを変換回路102に供給する。変換回路102は、高電圧短周期パルス(電荷パケット)の流れを圧電アクチュエータ14への線104上に出力する。このため、その局面のうちの1つとして、図3の(およびここに説明する駆動回路の他のすべての実施例の)圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータ14によって一体化されるデジタルパルスストリーム(たとえば一連の電荷パケット)を出力する。
【0032】
2.2 フィードバック信号を受取る駆動回路
その動作の一局面として、圧電アクチュエータ14は実際に、圧電アクチュエータ駆動回路18の一部としての役割を果たす。たとえばそのキャパシタンスなどにより、圧電アクチュエータ14は、変換回路102によって出力された短周期パルス(電荷パケット)を、線104上の駆動信号として一体化する。線104上の駆動信号の一体化に鑑み、線104上の駆動信号は実際に、正弦波の一般的形状を得る。このため、圧電アクチュエータ14は、圧電アクチュエータ駆動回路18の波形(たとえば線104上に印加される駆動信号)を形作るのに寄与する。
【0033】
変換回路102は、パルス発生器100からデジタルパルスを受取り、高電圧短周期パルス(電荷パケット)の流れを線104上に発生させる。図示された例示的な実施例では、パルス発生器100から変換回路102に印加されたデジタルパルスは、パルス幅変調と、線104上の駆動信号として生じる正弦波波形の振幅および周期に影響を与える周期またはサイクルとを有する。基本的な例示のため、図4Aは、パルス幅変調された一連のデジタルパルスを示している。図4Aの信号は周期Pを有し、デジタルパルスはパルス幅Wを有している。後で説明するように、幅Wを有する正のパルスは、線104上の駆動信号としての電荷の次の送出のために変換回路102のインダクタンスが充電される周期Pの一部に対応している。
【0034】
図3Aは、パルス発生器100が線105上のフィードバック信号を受取る圧電アクチュエータ駆動回路18Aの一実施例/態様を示している。線105上のフィードバック信号は、好ましくは、さまざまな目的に利用可能な電圧フィードバック信号であり、そのような場合にはアナログ信号である。たとえば、線105上の電圧フィードバック信号は、圧電アクチュエータ14の共振またはキャパシタンスを求めるために利用可能である。線105上の電圧フィードバック信号を用いて、圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータ14へ印加するための所望するどんな波形も構築することができる。このため、その局面のうちの別のものとして、圧電アクチュエータ駆動回路は、フィードバック信号を利用して、圧電アクチュエータ14のための駆動信号の波形を形作ることができる。
【0035】
2.3 アナログ入力信号を受取る駆動回路
図3Bは、駆動回路へのアナログ入力信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Bの一実施例/態様を示している。このアナログ入力信号はユーザ入力装置から取得され、それらのうちの2つを、図3Bに示すユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108として、図3Bに例示する。より少ない、またはより多い数のユーザ入力装置が利用可能であることが理解されるべきである。ユーザ入力装置106および108は、たとえば、ユーザが選択した数に従ってアナログ信号を発生させる、または印加する可変抵抗器またはトリマー抵抗器もしくは任意の他
の装置であり得る。例示的な一実施例では、ユーザ入力装置106は、パルス発生器100によって変換回路102に印加されるパルス幅変調されたデジタルパルスの周期P(図4参照)を設定することによって、線104上の駆動信号の周期を設定するために使用可能である。ユーザ入力装置108は、パルス発生器100によって変換回路102に印加されるパルス幅変調されたデジタルパルスのパルス幅W(図4参照)を設定することによって、線104上の駆動信号の電圧/振幅を設定するために使用可能である。ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108は、(たとえばパルス発生器100を構成し得るマイクロコントローラの)接地とA/D基準レベルとの間の電圧を発生させるために、ユーザによって調節される。動作の一局面として、これらの信号は、ソフトウェアにおいて、周波数およびポンプのピークツーピーク駆動電圧のための制御信号に変換可能である。通常、ユーザは抵抗器を(たとえば)周波数60Hz、ピークツーピーク駆動電圧350ボルトに設定するかもしれない。このため、その局面のうちの別のものとして、圧電アクチュエータ駆動回路は、アナログ入力信号を利用して、圧電アクチュエータにデジタルパルスとして印加される駆動信号に影響を与えることができる。
【0036】
2.4 デジタル入力信号を受取る駆動回路
図3Cは、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)などを介して入力されるデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Cの一実施例/態様を示している。図3Cの特定の例示では、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)は、(図示されているようなデスクトップ、またはラップトップもしくは他のコンピュータ状端末であり得る)コンピュータ109にあり、キーボード、ポインタ(たとえばマウス)、タッチスクリーン、または他の好適な入力装置の形を取り得る。コンピュータ109からのデジタル信号は、コネクタ110を介してパルス発生器100に印加可能である。このため、その局面のうちの別のものとして、圧電アクチュエータ駆動回路は、デジタル入力信号を利用して、圧電アクチュエータに印加される駆動信号に影響を与えることができる。
【0037】
2.5 利用装置のセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Dは、たとえばポンプ10のポンプ室30といった利用装置の内部に配置されたセンサ112−3Dによって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Dの一実施例/態様を示している。例示された実施例では、センサ112−3Dは、ポンプ室30内の流体に浸漬されており、または少なくとも部分的に流体と接触している。センサ112−3Dは、ポンプ室30の内壁と同一平面上に取付け可能であり、またはポンプ室30内に他の方法で配置可能である。センサ112−3Dは、圧電アクチュエータ14およびポンプ10の動作と関わりがあるポンプ室30内の流体の適切なパラメータ、たとえば温度、粘度、圧力、または圧電アクチュエータ14の撓みなどを感知可能である。センサ112−3Dの使用は、ポンプの感知された動作パラメータに依存して、駆動回路が駆動信号を(たとえば動的に)変化させるのを容易にする態様の一例である。
【0038】
2.6 利用装置内/上のどこかにあるセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Dが利用装置の内部に配置されたセンサを示しているのに対し、図3E(1)および図3E(2)は、利用装置の周囲、たとえばポンプ10の周囲のどこかに配置されたそれぞれのセンサ112−3E(1)および112−3E(2)によって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18E(1)および18E(2)の実施例/態様を示している。図3E(1)では、センサ112−3E(1)はポンプの後部に位置しており、圧電アクチュエータ14と当接するよう図示されている。センサ112−3E(1)は、たとえば圧電アクチュエータ14の変位を感知するために使用可能であり、ポンプ室30内の流体にさらされてはいない。図3E(2)のセンサ112−3E(2)は出口24に位置付けられており、ポン
プ10の動作に関わる適切なパラメータ、たとえば温度、粘度、流量、または圧力なども感知可能である。
【0039】
2.7 サービス対象装置の内部にあるセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Fは、サービス対象装置114−3F内に配置されたセンサ112−3Fによって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Fの一実施例/態様を示している。装置114−3Fは、ポンプ10によって汲み上げられた流体がサービス対象装置を包囲して、貫通して、または近接して向けられる、もしくは循環されるという意味で、サービス対象装置と呼ばれる。サービス対象装置114−3Fは、たとえば、電子部品(たとえば、冷却を招くプロセッサまたは他の熱放散電気装置、熱交換器(汲み上げられた流体によって冷却される)、または医療機器であり得る。そのため、流体流の経路は、ポンプ10の出口24からサービス対象装置114−3Fへ、そしてサービス対象装置114−3Fからポンプ10の入口22へと戻るよう例示されている。
【0040】
2.8 サービス対象装置に近接するセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Gは、サービス対象装置114−3G上またはその近傍に配置されたセンサ112−3Gによって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Gの一実施例/態様を示している。サービス対象装置114−3Gの独自性および本質は、ポンプ10の用途および使用に依存しており、上述のもののような電子分野および医療分野での用途を含むものの、それらに限定されない。
【0041】
2.10 送出スケジューラとともに動作する駆動回路
図3H(1)は、送出スケジューラ160とともに機能する圧電アクチュエータ駆動回路18Gの一実施例/態様を示している。送出スケジューラ160から入力を受取ることにより、圧電アクチュエータ駆動回路18Gは、圧電アクチュエータ14の非連続的な動作を制御する。たとえば、送出スケジューラ160は、圧電アクチュエータ駆動回路18Gを制御してもよく、または、圧電アクチュエータ14への線104上の駆動信号の印加のタイミングについての情報を圧電アクチュエータ駆動回路18Gに供給してもよい。送出スケジューラ160は、線105上のフィードバックを受取る実施例において利用可能であるが、必ずしも利用される必要はなく、そのため、図3H(1)では線105は破線で示されている。
【0042】
送出スケジューラ160の論理および動作は、アプリケーションによって異なり得る。たとえば、送出スケジューラ160は、圧電アクチュエータ駆動回路18Gに、(たとえば送出スケジューラ160または圧電アクチュエータ駆動回路18Gへの外部刺激または信号に応答して)1つ以上の有限時間周期の間、駆動信号を供給するよう命令してもよい。そのような有限送出のためのシナリオの一例は、所定の流れおよび/または容積量に従って流体(たとえば薬剤)を送出または投与するためのポンプにおいて圧電アクチュエータ14を駆動することを伴う。
【0043】
また、これに代えて、送出スケジューラ160は、圧電アクチュエータ駆動回路18Hに、圧電アクチュエータ14への線104上の駆動信号を始動または終了させるために監視されるべき或る感知条件を知らせてもよい。たとえば、(たとえば流体の)温度が予め定義された温度範囲外にあることが検出された場合、圧電アクチュエータ駆動回路18Hは、圧電アクチュエータ14に駆動信号を印加し、それによりそれを取入れた利用装置をオンにするよう、送出スケジューラ160を介して命令されてもよい。
【0044】
送出スケジューラ160はさまざまなやり方で実現可能である。たとえば、送出スケジ
ューラ160のための論理は、デジタルパルス発生器のマイクロプロセッサに含まれ、グラフィカルユーザインターフェイスまたは他の入力装置を介してアクセスされ得る。また、これに代えて、送出スケジューラ160は、図3Cを参照して理解されるように、別個のプロセッサまたはコンピュータであってもよい。
【0045】
図3H(2)によって総称的に例示されたさらに別の実施例/態様では、送出スケジューラ160は、適切な通信チャネル164を介してデジタルパルス発生器100に接続された遠隔ユニット162を含んでいてもよい。たとえば、通信チャネル164は無線ネットワークであってもよく、その場合、送出スケジューラ160および遠隔ユニット162は共に、ユーザが無線インターフェイス(たとえば無線周波数または他の電磁スペクトル)を通してプログラミング情報(たとえば駆動信号開始および/または停止時刻)を送出スケジューラ160に送信できるよう、無線局(たとえばモバイル終端を有するラップトップ、携帯電話、ブルートゥースユニットなど)を含む。
【0046】
別の例としては、遠隔ユニットはブラウザであってもよく、通信チャネル164は、たとえばインターネットといったパケットネットワークを含み得る。そのような例では、圧電アクチュエータ駆動回路18H、または利用装置自体が、それ自体のインターネットまたはネットワークアドレスを有していてもよい。
【0047】
これらのまたは他の実現例のいずれかを用いて、ユーザは、送出スケジューラ160が圧電アクチュエータ14への駆動信号の印加および停止のタイミングを制御できるよう、遠隔ユニットを介して送出スケジューラ160にデータを入力することができる。
【0048】
2.11 複数のアクチュエータを駆動する駆動回路
図3I(1)〜図3I(3)は、複数の圧電アクチュエータのために働く圧電アクチュエータ駆動回路18I(1)〜18I(3)の実施例/態様を示している。図3I(x)の独特の要素は、対応する挿入的接尾辞「x」を有しており、各図3I(x)について、圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)は複数の圧電アクチュエータ14(x)yのために働き、ここでyは1〜nの範囲にある。各実施例について、複数の圧電アクチュエータ14(x)yは、それぞれの複数の利用装置(たとえば複数のポンプ10)に取入れられてもよく、または複数のタイプの利用装置にも取入れられてもよい。たとえば、圧電アクチュエータ14(x)1がポンプに含まれ、圧電アクチュエータ14(x)2がファンまたは他のタイプの(ポンプではない)利用装置に含まれていてもよい。また、これに代えて、他の実施例では、単一の装置またはシステムで複数の圧電アクチュエータが利用されてもよい。圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)は好ましくは、複数の圧電アクチュエータ14(x)yの各々について別個の変換回路102(x)yを含むが、必ずしもそうである必要はない。
【0049】
図3I(1)の実施例/態様では、パルス発生器100によって発生する同じPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスが、別個の圧電アクチュエータ14(1)1および14(1)nにそれぞれ関連する変換回路102(1)1および102(1)nに印加される。図3I(1)の実施例/態様は、複数の圧電アクチュエータ14(x)yが並列で、および/または時刻同期して機能する際に特に好適である。
【0050】
図3I(2)の実施例/態様では、パルス発生器100(2)は変換回路102(2)yのうちの少なくとも2つのために異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスを生成し、そのため複数の圧電アクチュエータ14(2)yは異なるように駆動される。図3I(2)の実施例/態様は、線105(2)y上のフィードバック信号、または他の入力信号(たとえば図3D、図3E(1)および図3E(2)を参照して説明されたようなセンサ入力信号など)が異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスを必要とする
かまたは招く場合に特に有益である。異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスは、独自に機能する/感知された複数の圧電アクチュエータ14(2)yの同期またはタイミングを取るために、もしくは他の方法で各圧電アクチュエータ14(2)yを独自に駆動するために必要とされる場合がある。たとえば、並列で駆動される2つの圧電アクチュエータ14(2)yが、それでもなお、流体特性、管の長さ、管の組成などの異なる要因に鑑みて、異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスを必要とする場合がある。図3I(3)は、圧電アクチュエータ14(3)yの1つ以上が流体操作に関して直列で位置している、図3I(2)の実施例の変形を示している。
【0051】
前述の説明から理解されるように、所望すれば、圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)のための入力信号を、1つ以上のアナログ入力装置または1つ以上のデジタル入力装置(たとえばセンサ)から取得することが可能であり、そのため圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)は(複数の圧電アクチュエータ14(x)yのために働くことに加え)いずれかの前述の実施例の属性を呈し得る。
【0052】
2.12 アナログおよびデジタル入力信号を受取る駆動回路
図3Jは、1つ以上のアナログ入力信号および1つ以上のデジタル信号の双方に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Jの一実施例/態様を示している。図示された非限定的な例では、2つのアナログ信号が、ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108から受取られている。1つ以上のデジタル信号が、コネクタ110を介してパルス発生器100によって受取られ、前述の実施例で例示のために図示されたもののようなユーザ入力装置またはセンサによって生成され得る。
【0053】
3.0 例示的な駆動回路実現例
ここでの駆動回路または圧電アクチュエータ駆動回路(圧電アクチュエータ駆動回路18など)への以下の包括的な言及は、1つ以上のタイプの圧電アクチュエータ駆動回路、たとえば概して上述されたタイプの駆動回路に言及し得る。駆動回路または圧電アクチュエータ駆動回路(圧電アクチュエータ駆動回路18など)への言及は、ここに提供される例によって制約または限定されない。
【0054】
図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、(たとえば上述の圧電アクチュエータ駆動回路18のうちの1つ以上のために利用可能な)圧電アクチュエータ駆動回路18の例示的な(非限定的な)実現例をより詳細に示している。前述のように、ここに説明する圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータを有するポンプのための駆動信号を生成し、その圧電アクチュエータは駆動回路の一部を形成して、圧電アクチュエータのための駆動信号の波形を形作る役割を果たす。
【0055】
3.1 第1の例示的な駆動回路:構造
図5Aの例示的な実施例では、圧電アクチュエータ駆動回路18は、パルス発生器100と、変換回路102と、圧電アクチュエータ14とを含む。変換回路102は、パルス発生器100によって生成されたデジタルパルスを用いて、高電圧短周期パルス(電荷パケット)を生成する。以下に説明するように、圧電アクチュエータ14は、その容量性により、電荷パケットを一体化して、好ましくは正弦波に近似する駆動電界を産出する。圧電アクチュエータのキャパシタンスは本質的に固定されているものの、発生器のデジタルパルスをパルスごとに制御する(たとえばパルス幅変調デューティサイクルを変える)ことによって、任意の複雑度の波形が生成可能である。
【0056】
図5Aの非限定的で例示的な実施例では、パルス発生器100は、(1つ以上のマイクロコントローラ116を有する)マイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM
)回路を含み、変換回路102はフライバック回路を含む。フライバック回路102は、電気接地に対してバイポーラである電位を生成する。フライバック回路102によって生成されるパルスが圧電アクチュエータ14における機械的非効率性およびノイズのうちの1つに寄与しないよう、好ましくは、フライバック回路102によって生成される電荷パケットの周波数は、圧電アクチュエータ14が機械的に応答する能力のものよりも大きい。有利には、図5Aの実施例では、フライバック回路102と圧電アクチュエータ14との間に、ブリッジ変換回路も電荷蓄積回路も接続される必要はない。
【0057】
例示された非限定的な実施例では、パルス発生器100はマイクロコントローラ116を含むよう図示されている。パルス発生器100は、1つ以上のマイクロコントローラまたはプロセッサおよび/または他の回路を含んでいてもよい。加えて、ここにマイクロコントローラ116に起因する或る動作または機能性が、マイクロコントローラ116を含むマイクロプロセッサを含むもののそれに限定されない1つ以上のプロセッサによって実行されることも考慮され得る。この点に関し、たとえば、図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様では、パルス発生器100(2)および100(3)はそれぞれ、複数のまたは偶数のy個のマイクロコントローラを、y個の圧電アクチュエータ14(x)yを制御するために含んでいてもよい。また、これに代えて、図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様のためのパルス発生器100(2)および100(3)は、y個の圧電アクチュエータ14(x)yを駆動するためのマルチタスク能力および異なる出力ピン配置を有する好適なマイクロコントローラを含んでいてもよい。
【0058】
圧電アクチュエータ駆動回路18は、電源103に接続されている。圧電アクチュエータ駆動回路18は、電源モニタ118を含む。電源モニタ118は、入力電圧分割網119(電源103と接地との間で直列に接続されている抵抗R1およびR2を含む)と、電源103と接地との間に接続された入力キャパシタンスC1と、電圧入力調整器120とを含む。抵抗R1、R2によって形成された電圧分割網は、入力供給電圧を監視するために(ピン118において印加された)マイクロコントローラ116へのアナログ入力を発生させる役割を果たす。これにより、マイクロコントローラ116は、ソフトウェアを介して、変動する供給のために回路性能全体を最大にするよう調整を行なう。キャパシタC1は、電源103からの主要供給をフィルタにかける。電圧入力調整器120は、パルス発生器100に接続された入力端子と、マイクロコントローラ116のピン15に接続された出力端子とを有する。
【0059】
有利には、圧電アクチュエータ駆動回路18は、ユーザ入力および外部センサ入力を含む入力を受取ることができる。この目的を達成するために、それぞれ抵抗器(トリマー抵抗器)R8およびR9の形をした2つの例示的なユーザ入力装置106および108が、マイクロコントローラ116のピン17と接地との間に接続されている。より多い、またはより少ない数のユーザ入力装置を設けることができる。コネクタ110は、マイクロコントローラ116の一定のピンに接続された導線を有する。上述のように、コネクタ110のピンのうちのいくつかは、線104上に印加される駆動信号の波形を形作る際にマイクロコントローラ116によって利用され得る信号を生成する源(たとえばコンピュータまたは1つ以上のセンサ)に接続されてもよい。そのような外部センサの数は、ユーザの要望および/またはポンプ10の使用の用途または環境に従って変更可能である。
【0060】
(抵抗R6およびR7を含む)フィードバック電圧分割網の形をした出力モニタ122は、線104上に印加される駆動信号と接地との間に接続されている。抵抗R6とR7との間のフィードバック電圧分割網のノードは、マイクロコントローラ116のピン19に接続されている。
【0061】
前述の事項から理解されるように、パルス発生器100はマイクロコントローラであり
得る。また、パルス発生器100は、ここに説明した一般的な目的のためにフライバック回路102および圧電アクチュエータ14によって使用されるのに好適なパルスを発生させるASICまたは任意の他の装置もしくは回路でもあり得る。図示された非限定的で例示的な実施例では、パルス発生器100は、ATTINY26Lマイクロコントローラなどのマイクロコントローラ116である。
【0062】
図示された実施例のマイクロコントローラ116についてのピン接続を、ここで簡単に説明する。ピン1、2、3および4は、回路内プログラミングピンとして、および以下に説明する機能として二役をこなす。たとえば、ピン2および4は、マイクロコントローラ116に具現化されたソフトウェア制御パルス幅変調器の出力であり、フライバック回路102を駆動するために使用される。特に、信号PWM−Aは、ピン2から線124を伝ってフライバック回路102へ出力され、信号PWM−Bはピン4から線126を伝ってフライバック回路102へ出力される。パルス幅変調された信号PWM−Aは、周期Pと(正の)パルス幅Wとを有するような、図4Aに示すもののような正のデジタルパルスを含む。パルス幅変調された信号PWM−Bは、周期Pと(負の)パルス幅Wとを同様に有するような、図4Bに示すもののような負のデジタルパルスを含む。
【0063】
ピン2および3は、他のシステムとの通信のためにマイクロコントローラ116に2線式シリアルインターフェイスバス128を提供する(たとえば、バス128を介して、一連のポンプがデスクトップコンピュータなどの別のシステムによって遠隔で制御可能である)。ピン5は、電圧入力調整器120の出力端子に、およびフィルタ「バイパス」キャパシタC2に接続されている。ピン7、8、9、11、12および20は、温度センサまたは圧力センサといったさまざまなものがポンプに取付けられてその動作を制御することができるよう、外部アナログおよび/またはデジタル通信を提供する汎用入力/出力ピンである。ピン13および14はそれぞれユーザ入力装置108およびユーザ入力装置106からの入力信号である。ピン17は、(たとえばユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108のための)アクセスをマイクロコントローラ116のアナログ基準バンドパス基準電圧に提供する。ピン17と接地との間に接続されたキャパシタC3は、マイクロコントローラ116のアナログデジタル変換器のためのアナログ基準電圧用バイパスキャパシタである。ピン18は、電源モニタ103からのアナログ入力であり、入力電圧分割網119の抵抗R1と抵抗R2との間のノードに接続されている。ピン19は、出力モニタ122のためのアナログ入力であり、出力モニタ122を含む電圧分割網の抵抗R6と抵抗R8との間のノードに接続されている。
【0064】
フライバック回路102は、トランジスタQ1と、トランジスタQ2と、トランジスタQ3と、トランジスタQ4とを含む。図示された実施例では、トランジスタは金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。マイクロコントローラ116のピン2から出力されたパルス幅変調された信号PWM−Aは、線124を伝い、キャパシタC4を介してトランジスタQ1のゲートに印加され、マイクロコントローラ116のピン4から出力されたパルス幅変調された信号PWM−Bは、線126上を伝ってトランジスタQ2のゲートに印加される。線126と接地との間に接続された抵抗R10は、ノイズ排除性を高めるプルダウンとしての役割を果たす。
【0065】
トランジスタQ1のソースは、線130によって電源103に接続されている。トランジスタQ2のドレインは、線132によってインダクタL2を介して電源103に接続されている。トランジスタQ2のソースは接地に接続されている。
【0066】
抵抗R3およびダイオードD1は、線124と130との間に接続されている。キャパシタC4、抵抗R3およびダイオードD1は、主要供給電圧がマイクロコントローラ116の供給電圧を大幅に上回った場合でもマイクロコントローラ116がトランジスタQ1
をオンおよびオフにすることができるよう、主要供給電圧を下回る或るマイクロコントローラ出力電圧レベルに至るまでマイクロコントローラ116の出力にバイアスをかける役割を果たす。
【0067】
トランジスタQ1のドレインは、インダクタンスL1を通って接地に接続され、また、ダイオードD2の陰極に接続されている。ダイオードD2の陰極は、スナバキャパシタC5を通って接地に接続され、また、トランジスタQ3のエミッタに接続されている。トランジスタQ3のドレインは、抵抗R4を取って接地に接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、線104を介して圧電アクチュエータ14に接続されている。
【0068】
トランジスタQ4のエミッタは、線132により、インダクタL2およびダイオードD3を通って電源103に接続されている。ダイオードD3の陽極は、インダクタL2に、およびトランジスタQ2のドレインに接続されている。ダイオードD3の陰極は、スナバキャパシタC6を通って接地に接続され、また、トランジスタQ4のエミッタに接続されている。トランジスタQ4のゲートは、抵抗R5を通って線132に接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、線104を介して圧電アクチュエータ14に接続されている。
【0069】
トランジスタQ1、トランジスタQ2、インダクタL1、インダクタL2、ダイオードD2、およびダイオードD3は、上述のような正および負の高電圧フライバックパルスを発生させるための主要構成要素である。キャパシタC5およびC6は、制御トランジスタQ3およびQ4の周波数応答能力の範囲内にフライバックパルスの基本周波数成分を収めるようにする「スナバ」キャパシタである。
【0070】
トランジスタQ3、トランジスタQ4、抵抗R4、および抵抗R5は、フライバック電圧のためのステアリング回路を形成しており、他の場合では回路を機能不全にするであろう電荷クロス伝導を防止する。
【0071】
抵抗R6およびR7は、出力モニタ122のための分圧器を形成しており、マイクロコントローラ116に出力電圧の監視、ひいては駆動電圧の調整を行なわせるようにする役割を果たす。駆動電圧の調整は、マイクロコントローラ116がPWM−Aとして線124上に、およびPWM−Bとして線126上に印加されたパルスバーストのパルス幅W(図4B参照)を変えることによって達成される。線104上に印加された実際の駆動信号は本質的に、変換回路102に印加されたパルス幅変調された信号、たとえば線124上に印加された信号PWM−A、および線126上に印加された信号PWM−Bから導出される。
【0072】
3.2 第1の例示的な駆動回路:動作
動作中に、圧電アクチュエータ駆動回路18のパルス発生器100(たとえば、マイクロコントローラ116)は出力パルスを発生させる。特に、図3に示される実施例では、パルスサイクルの前半または正の半分(たとえば、前半のサイクル)の間、マイクロコントローラ116は、図4Aに示される信号などのパルス幅変調信号PWM−Aを線124上で発生させる。次いで、サイクルの後半または負の半分(たとえば、後半のサイクル)の間、マイクロコントローラ116は、図4Bに示される信号などの対応するパルス幅変調信号PWM−Bを線126上で発生させる。サイクル全体は周波数または周期PまたはPumpRateに対応し、これらは1つの例示的な実施例ではユーザ入力値であり得る。
【0073】
フライバック回路102は、マイクロコントローラ116によって発生される信号PWM−AおよびPWM−Bによって駆動される。示される実施例では、信号PWM−AおよびPWM−Bは、周波数が125KHzの可変周波数パルス列である。たとえば60Hz
で駆動されるポンプの典型的な動作中に、前半のサイクルの間、約1/120秒続くパルスのバーストはPWM−Aとして線124に沿って送られるであろうが、線126上のPWM−Bの信号は接地に保持される(トランジスタQ2を「オフ」にする)。線124に沿ってPWM−Aとして印加される一連のデジタルパルスの例は図4Aに示される。逆に、後半のサイクルの間、線124上のPWM−A信号はハイに保持され(トランジスタQ1をオフにする)、同一の一連の駆動パルスは信号PWM−Bとして線126に沿ってトランジスタQ2に送られる。線126に沿ってPWM−Bとして印加される一連のデジタルパルスの例は図4Bに示される。
【0074】
後に本明細書に説明されるように、線124に沿って信号PWM−Aとしておよび線126に沿って信号PWM−Bとして印加されるデジタルパルスのパルス幅は、1つ以上の要因に従ってマイクロコントローラ116によって制御されることが可能である。たとえば、励振電圧および反転頻度は、アクチュエータの負荷、アクチュエータの共振、ポンプ圧力、温度などの局所的に監視される外部制御信号またはパラメータに基づいて動的に操作されることが可能である。さらに、1つの例示的なモードでは、信号PWM−AおよびPWM−Bの周期Pは、以下に記載されるように所望であれば調整されることが可能である。
【0075】
マイクロコントローラ116から線124に沿ってフライバック回路102に印加されるPWM−Aデジタルパルスは、トランジスタQ1のスイッチをオンおよびオフにさせる。オンであるとき、トランジスタQ1は磁束をインダクタL1に蓄積させる。トランジスタQ1がオフになったすぐ後、蓄積された磁束は、ダイオードD2およびキャパシタC5によって取込まれる負の「フライバック」電圧を発生させ、トランジスタQ3を導通させ、したがって、取込まれた電荷はさらにポンプ10および特に圧電アクチュエータ14に分散される。
【0076】
前半のサイクルの終わりに、たとえば1/120秒の周期の終わりに、線124上の信号PWM−Aはハイに保持され(トランジスタQ1をオフにする)、同一の一連の駆動パルスは信号PWM−Bとして線126に沿ってトランジスタQ2に送られ、インダクタL2から一連の正のフライバックパルスを発生させる。これらのフライバックパルスは、ダイオードD3、キャパシタC6およびトランジスタQ4を介してポンプ10に供給される。これらの正のパルスは最初に、制御された態様でポンプの中の負の電荷を放電する働きをし、次いでポンプの中に正の電荷を構築する働きをする。
【0077】
このように、パルス発生器100はデジタルパルスをフライバック回路102に印加する。フライバック回路102はデジタルパルスを受取り、電荷パケット(たとえば35)を生成する。変換回路102によって線104に沿って出力される電荷パケットは、図4Cに示されるものと同等の態様で基本的には現われ、周波数Fおよび振幅を有する。電荷パケットの振幅は、線124および126に沿って変換回路102に印加されるPWMパルスのパルス幅Wと関連する。
【0078】
線104に沿って印加される繰返すフライバックまたは電荷パケットは、ポンプのキャパシタンス、つまり圧電アクチュエータ14の中に電荷を構築し、正弦波に近似する電圧曲線の形をとる線104上の信号をもたらす。言い換えると、圧電アクチュエータは、駆動信号の波形を成形するために正の電荷パケットと負の電荷パケットとを一体化するように使用される。上述の周期が何度も繰返され、その結果、ポンプ10は図4Dに示される態様で60Hzの正弦波に近似する線104上の駆動信号を「見る」。マイクロコントローラ116のピン19に印加される、出力モニタ122からのフィードバック信号は、一体化された電圧である。125KHzのパルス周波数は、応答時間が125KHzよりも非常に遅いために、ポンプによって完全に除去される。
【0079】
このように、フライバック回路102は圧電アクチュエータ14に、圧電アクチュエータ14によって電界に一体化される電荷パルス、たとえば電荷パケットを印加する。圧電アクチュエータ14は、電荷パケットをより低い周波数の励振信号に変換する。言い換えると、圧電アクチュエータ14の中に電荷を構築することによって(たとえば、多少の電荷を加えることによって)、圧電アクチュエータ14は圧電アクチュエータ14で波形を構築することに関与する。このような一体化によって、圧電アクチュエータ14は基本的には電源103のための電荷蓄積装置の役割を果たす。基本的に、圧電アクチュエータ14は電源におけるフィルタキャパシタンスとよく似たように作動する。
【0080】
電荷発生構成要素トランジスタQ1、インダクタL1、トランジスタQ2およびインダクタL2は常にデジタル方式で駆動されており(オンでもオフでも)、したがって、最高効率で動作している(切換電源理論)。しかしながら、ポンプ10は正弦波の駆動波形を「見る」。これは、この擬似切換電源の構成の中で一次電荷蓄積装置として圧電アクチュエータ14自体を使用することによって絶対最小数の部品を用いて達成される。
【0081】
フライバック信号の最速の構成要素は、キャパシタC5およびキャパシタC6によって「抑えられる」。フライバック高周波数の大部分は、ポンプ自体によってフィルタにかけられる。125KHzのPWM/フライバック周波数は、機械的に応答するポンプの能力を少なくとも2桁上回る。
【0082】
このように、圧電アクチュエータ駆動回路18は、切換タイプの駆動供給回路の一体化した部品としてポンプキャパシタンス自体、たとえば圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを使用する。
【0083】
これまでに記載された実施例の局面では、圧電アクチュエータ駆動回路18はマイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM)回路である可能性があり、マイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM)回路は、システム接地に対してバイポーラである電位を生成する能力を非常に独自に有するフライバック回路を駆動するために使用される。ブリッジ切換回路も電荷蓄積回路も利用されない。その代わりに、フライバック回路は、アクチュエータの所望の駆動周波数に等しい率で、正のパルスを生成することと負のパルスを生成することとを切換える。回路の効率およびEMI低減のために、パルスのより高い周波数の構成要素のうちのいくつかは容量的にフィルタをかけられる。パルスは次いで圧電アクチュエータに直接に渡され、正弦波に非常に近く近似する駆動電界を生み出すように圧電アクチュエータの容量性の性質によって一体化される。フライバックパルスの周波数は、機械的に応答するアクチュエータの能力よりも大きいように設計され、そのため、フライバックパルスは機械的な非効率またはアクチュエータにおけるノイズの一因にはならない。
【0084】
図3Iは、圧電アクチュエータ駆動回路18の変形例を示す。特に、図3Iの圧電アクチュエータ駆動開路18(3A)は、同一の電圧および周波数で一度にいくつかの圧電素子を駆動する。図3Iに基本的に示されるように、マイクロコントローラ116は線124上の信号PWM−Aおよび線126上の信号PWM−Bを複数のフライバック回路1021から102nに供給する。複数のフライバック回路1021から102nの各々は、それぞれの線1041から104nに沿って、対応する圧電アクチュエータ141から14nに駆動信号を印加する。圧電アクチュエータ駆動回路18は、複数のポンプの圧電アクチュエータが複数のダイヤフラムポンプの用途向けに適切に位相を等しくされることを確実にする。いずれの位相整合もPWM信号を反転させることによって達成され得る。
【0085】
3.3 第2の例示的な駆動回路:構造
図5Cは、図3ならびに図3A、図3B、図3C、図3D、図3E(1)、図3E(2)、図3F、図3G、図3H(1)、図3H(2)、図3I(1)、図3I(2)、図3I(3)、および図3Jのすべての実施例とともに利用されることも可能である駆動回路18Cの別の実現例を示す。図5Cに示されるように、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、パルス発生器100、変換回路102Cおよび圧電アクチュエータ14を含む。変換回路102Cは、高電圧で短い周期のパルス(電荷パケット)を生成するために、パルス発生器100によって生成されたデジタルパルスを使用する。以前に記載されたのと同様の態様で、圧電アクチュエータ14は、その容量性の性質によって、線104上の駆動信号の波形を成形するように電荷パケットを一体化する。好ましくは、圧電14アクチュエータは、正弦波に概して近似する駆動電界を生み出すように電荷パケットを一体化する。
【0086】
図5Cの非限定的で例示的な実施例では、パルス発生器100は、マイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM)回路を含む。以前に説明されたように、パルス発生器100は1つ以上のマイクロコントローラもしくはプロセッサおよび/または他の回路を含んでもよいことが理解されるべきである。さらに、本明細書においてマイクロコントローラに帰する特定の動作または機能性は、マイクロプロセッサを含むがマイクロプロセッサに限定されない1つ以上のプロセッサによって実行されると考えられることもできる。マイクロコントローラなどではなく、パルス発生器100は、本明細書に記載される一般的な目的のために変換回路102および圧電アクチュエータ14によって使用されるのに好適なパルスを発生させる任意のASICまたは他の装置もしくは回路である可能性もある。
【0087】
駆動回路18Cは、単一の圧電アクチュエータを駆動する実施例および複数の圧電アクチュエータを駆動する実施例を含むすべての実施例とともに利用されることが可能である。たとえば、再び図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様に関して、パルス発生器100(2)および100(3)は、それぞれのy数の圧電アクチュエータ14(x)yを制御するための複数のマイクロコントローラまたはy数のマイクロコントローラさえ含んでもよい。代替的には、図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様のためのパルス発生器100(2)および100(3)は、y数の圧電アクチュエータ14(x)yを駆動するためのマルチタスク式機能および異なる出力ピンの構成を有する好適なマイクロコントローラを含んでもよい。
【0088】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cは電源103に接続される。以前の実施例を参照して理解される電源モニタも含まれることが可能である。
【0089】
有利に、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、ユーザ入力および外部センサ入力を含む入力を受取ることができる。圧電アクチュエータ駆動回路18Cによって受取られる可能な入力は、図3ならびに図3A、図3B、図3C、図3D、図3E(1)、図3E(2)、図3F、図3G、図3H(1)、図3H(2)、図3I(1)、図3I(2)、図3I(3)、および図3Jに関連して以前に記載されたものすべてを含む。ユーザ入力装置106および108、他の信号源、外部センサなどからの入力が含まれるが、これらの入力に限定されない。さらに、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、電圧フィードバック信号が線105に沿ってパルス発生器100に与えられる状態で、出力モニタ122を任意に有し得る。
【0090】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cのパルス発生器は、たとえば図5Aの圧電アクチュエータ駆動回路18Aの二重のPWMパルス列ではなく単一のPWMパルス列を発生させる。本明細書における説明の多くは図5Aの実施例のPWMデジタルパルスPWM−AおよびPWM−Bを参照するが、いずれのこのような参照も、図5Cの圧電アクチュエータ
駆動回路18Cのパルス発生器によって出力される単一のPWMパルス列に同様に当てはまることが理解されるべきである。
【0091】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cは線104上でバイポーラ駆動信号を発生させ、圧電アクチュエータ14または他の容量性負荷に印加する。圧電アクチュエータ駆動回路18Cの典型的ではあるが非限定的な適用例は、5ボルトのDC電源から圧電ポンプを駆動するというものであり、+300ボルトから−100ボルトまで変動するおよそ60Hzの正弦波である励振電圧を圧電アクチュエータで発生させる。
【0092】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cはユニポーラ電源を使用する。変換回路102Cは、比較的小さい電圧の電力切換素子Q1およびトランスT1を含み、トランスT1はタップを持たない二次トランスを1つだけ有するが、高電圧のバイポーラ出力を発生させる。変換回路102Cは単一のユニポーラパルス源に関連して機能し、単一のユニポーラ極性制御信号は動作に必要である。示される実現例では、パルス発生器100はユニポーラパルス源およびユニポーラ極性制御信号の供給源の両方の役割を果たす。さらに、パルス発生器は線105に沿って圧電アクチュエータ14からフィードバック信号を受取る。
【0093】
変換回路102Cはさらに、トランジスタQ2およびQ3を含む。トランジスタQ2およびQ3のゲートは、抵抗器R1およびR2を介してそれぞれに極性駆動信号の供給源に接続される。トランジスタQ3のエミッタは電源103に接続され、トランジスタQ3のコレクタはダイオードD2を介してトランスT1の二次トランスに接続される。図5Cでは、電流I4はトランスT1の二次トランスとダイオードD2との間の電流を示す。トランジスタQ2のコレクタはダイオードD1を介してトランスT1の二次トランスに接続される。図5Cでは、電流I3はトランジスタQ2のコレクタとダイオードD2との間の電流を示す。
【0094】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cでは、トランスT1の二次トランスの「遅い側」で(電圧に対する)電流を制御することによって極性切換が達成される。これは、大量生産される非常に低コストで遅い高電圧のトランジスタの使用を可能にする。さらに、単一の低電位で低周波数のユニポーラステアリング信号のみが動作に必要である。このような簡略さは、できる限り複数の、より複雑な、より高い電圧駆動およびバイアス要件を有するより高価なSCRまたはMOSFETSまたはトランジスタと対照的である。
【0095】
バイポーラ電圧発生は、トランスの巻線の寄生キャパシタンスによって発生される、半分のサイクルでのトランスT1の「共振戻り」起電力(emf)を捉えることによって圧電アクチュエータ駆動回路18Cで達成される。逆説的に、トランスにおける寄生キャパシタンスは概して、トランスおよびその関連の回路の効率を低減する設計障害であると考えられる。しかしながら、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、反対のemfを発生させるためにトランスT1の寄生キャパシタンスを巧妙におよび独自に使用する。有利に、これはトランスT1が非常に低コストで製造されることができるようにする。代替的には、図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dの中でT1′として示されるトランスなどの2つの二次トランス(またはタップ付き二次トランス)が利用されることが可能である。図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cの素子と共通の、図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dの素子は同程度に少ない。図5CのトランスT1の使用が好ましいが、それにもかかわらず、トランスT1′を有する図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dは、圧電アクチュエータ駆動回路18Cおよび圧電アクチュエータ駆動回路18Dの両方に共通する極性切換の考慮すべき事項に特に鑑みて、かなり有用である。
【0096】
3.4 第2の例示的な駆動回路:動作
図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cは2つのモードで動作し、モードは変換回
路102Cに印加される極性駆動信号の論理レベルによって決定される。極性駆動信号の出力極性との関係は、二次トランスに対する一次トランスの巻線の意味によって決定される。いくつかの例示的な圧電アクチュエータの物理学は、アクチュエータが負の電位よりも高い正の電位(たとえば、+300、−100)で駆動されることを必要とする。圧電アクチュエータ駆動回路18Cによってもたらされる寄生/共振戻り技術は、「戻り」を捉えるときよりも一次フライバックemfを捉えるときにより高い電位を自然に生成する。したがって、効率および利便性のために、本明細書において利用されるトランスは、駆動回路が以下に記載されるように動作するように巻かれる。他の構成が確実に可能であり、本明細書に記載される実施例の範囲内である。
【0097】
図20Aは、図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cを動作させる第1のモードについての信号図を示す。第1のモードでは、極性駆動信号はローであり、正に向かう圧電駆動波をもたらす。図20Bは、図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cを動作させる第2のモードについての信号図を示す。第2のモードでは、極性駆動信号はハイであり、負に向かう圧電駆動波をもたらす。図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dは同様に動作され得ることが理解される。
【0098】
図20Aに示される動作の第1のモードでは、パルス発生器100は入力レベル(たとえば、5ボルト)のパルス列を発生させ、そのパルス幅は「PWM Drive」で任意に変調されてもよい。このようなパルス列は図20Aで信号PWMによって示される。極性駆動信号はローであり、そのため、トランジスタQ3は「オン」であり、したがって、電流は必要に応じてダイオードD2に流入し得る。PWM駆動パルスがハイであるとき、トランジスタQ1は「オン」であり、電流はトランスT1の一次トランスに流入し、磁束をトランスの鉄芯に蓄積する。
【0099】
信号PWMの各々のハイのパルスの終わりに、トランジスタQ1は「オフ」になり、一次トランスT1は、一次トランス(V1)および二次トランス(V2)で「フライバック」正電荷パルスを発生させることによって反応する(v=di/dt)。示される例示的な実施例では、二次トランスは一次トランスに対して15:1の割合で巻かれ、そのため、V2における誘導電圧はV1よりも15倍大きい。トランジスタQ3が順方向バイアスをかけられるので、電流はI2から(線104に沿って)圧電アクチュエータ104に流れることができ、圧電アクチュエータで電位の正のステップ(S+)が結果として生じる。例示的な実現例では、PWM駆動パルスは約100KHzで発生する。これらのPWMパルスの個々のパルス幅は、いずれの正の方向の振幅/波の形状も圧電アクチュエータ14で誘導されることができるように変調されることが可能である。
【0100】
図10Bに示される動作の第2のモードでは、パルス発生器100は入力レベル(たとえば、5ボルト)のパルス列を発生させ、そのパルス幅は「PWM Drive」で任意に変調されてもよい。これは第1のモードと同様の態様であるが、PWMパルス幅は異なってもよい。第2のモードでは、極性駆動信号はハイであり、そのためトランジスタQ2は「オン」であり、したがって電流は必要に応じてダイオードD1に流入し得る。PWM Driveパルスがハイであるとき、トランジスタQ1は「オン」であり、電流はトランスT1の一次トランスに流入し、磁束をトランスの鉄芯に蓄積する。
【0101】
第1のモードと同様に、各々のハイのパルスの終わりに、トランジスタQ1は「オフ」になり、トランスT1の一次トランスは、一次トランス(V1)および二次トランス(V2)で「フライバック」正電荷パルスを発生させることによって反応する(v=di/dt)。しかしながら、第2のモードでは、トランジスタQ3は「オフ」であり、したがって、電流はダイオードD2に流入することができず、その方向のためにダイオードD1に流入することもない。これは、フライバック電位をトランスT1に「閉じ込めさせ」、ト
ランスの抵抗損失中で部分的に放散させ、残りはトランスT1の寄生キャパシタンスに蓄積される。寄生キャパシタンスおよびトランスのインダクタンスは、極性が逆のV2において「戻り」電荷を生成することによってすぐ後に応答するLC共振回路を形成する。その新しい極性のために、電流はここで圧電アクチュエータ14からダイオードD1およびトランジスタQ2を通って流出することができ、圧電アクチュエータ14で電位の負の方向のステップを誘導する。PWM駆動パルスの個々のパルス幅は、いずれの負の方向の振幅/波の形状も圧電アクチュエータ14で誘導されることができるように変調されることが可能である。
【0102】
したがって、圧電アクチュエータ駆動回路18C(もしくは、圧電アクチュエータ駆動回路18D)を使用してPWM駆動および極性駆動信号のデューティサイクルならびに/または周波数を適切に変調することによって、実質的に任意の所望のバイポーラ波形が圧電または他の容量性負荷で誘導されることが可能である。
【0103】
4.0 例:アナログ入力を受取る駆動回路
図3Bに示される実施例などの実施例では、たとえば、圧電アクチュエータ駆動回路18はユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108を介してユーザ入力を受取る。特に示される実現例では、ユーザ入力装置106は線104に沿って印加される駆動信号の周期/周波数を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器であり、ユーザ入力装置108は線104に沿って印加される駆動信号の電圧/振幅を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器である。ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108からのアナログ信号はマイクロコントローラ116のピン14および13にそれぞれ印加され、線104に沿って印加される駆動信号の電圧および周波数に最終的に影響を及ぼす。線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号は、マイクロコントローラ116から出力されるデジタルPWM−AおよびPWM−B信号に基づき、そのため、線104に沿って印加される駆動信号はそれ自体がデジタルである。したがって、ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108によって生成され、マイクロコントローラ116に印加される信号は、マイクロコントローラ116がデジタル駆動信号を発生させることに従うアナログ入力信号の2つの例である。アナログ入力信号はマイクロコントローラ116の内部(マルチチャネル)アナログデジタル変換器(ADC)に印加される。周波数/周期および振幅/電圧以外のパラメータまたは基準を圧電アクチュエータ駆動回路18に供給するために同等のユーザ入力装置が利用され得ることが理解される。
【0104】
5.0 駆動信号:固定PWMモード
上述のように、1つの示される実施例では、線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号は、マイクロコントローラ116から出力されるデジタルPWM−AおよびPWM−B信号に基づく。以下に記載される動作のPWMサーボモードでは、変換回路102に印加されるパルス幅変調信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅は、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の波形を変化させるために変化されることが可能であり、ポンプ10のリアルタイムの動作中に動的に変化されることさえ可能である。しかしながら、固定PWMモードとして公知の別の実施例では、パルス発生器100によって実行される論理(たとえば、ソフトウェア)は、信号PWM−Aおよび信号PWM−Bのパルス幅が均一であるように構成される。
【0105】
固定PWMモードは、圧電アクチュエータ14の共振を判断する場合のように、圧電アクチュエータ駆動回路18の動作中に選択的に開始され、終了されてもよい。これに対して、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅が決して変化しないことが予想される特定の「固定」用途では、圧電アクチュエータ14のための動作パラメータ(たとえば、駆動信号のパルス幅、周波数)は不揮発性記憶装置に格納されてもよい。たとえば、固定PWMモードに必要な動作パラメータは、製造時に、適用時に、またはさらに言えばいつで
もマイクロコントローラ116に「バーンイン」されてもよい。したがって、マイクロコントローラ116は基本的にはいずれの用途でも動作するように構成されることが可能である。
【0106】
6.0 駆動信号:最適化された波形モード
圧電アクチュエータ駆動回路は、最適化された波形モードでも動作することができる。最適化された波形モードでは、圧電アクチュエータ駆動回路18は、基本的には一定の波形の形状を維持するために予め格納された値を使用する。図12に示される例示的な正弦波形は、ポイントX1、X2...などを有する360度の周期の波形を示す働きをし、各々のポイントは1つの周期の1度または数分の1度に対応する。各々のポイントXにおいて、波形は対応する(電圧)振幅Vを有する。たとえば、ポイントX1では、図12の波形は振幅V1を有する。
【0107】
最適化された波形モードでは、最適化された波形を有する駆動信号を発生させるために利用される特定の値は、圧電アクチュエータ14のための駆動信号を発生させる際にパルス発生器100によって使用されるテーブル(図5Bのルックアップテーブル140など)に準備され、予め格納される。図18Aのテーブル140−18Aによって代表的に示される1つの実現例では、最適化された波形を生み出す予め格納された値は、振幅値自体である(たとえば、対応するポイントX1、X2などに関連付けられる値V1、V2など)。
【0108】
図18Bのテーブル140−18Bによって代表的に示される別の実現例では、最適化された波形を生み出す予め格納された値は、ポイントX1、X2などの各々についてのパルス幅変調値であるかまたはそれらのパルス幅変調値を含み、このパルス幅変調値は所望のそれぞれの振幅、したがって所望の全体波形を生み出す。言い換えると、最適化された波形モードの第2の実現例では、周期Pの間に波形に沿って選択された間隔またはポイントで、線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのために利用されるようにパルス幅を判断するためにルックアップテーブル140−18Bが利用される。したがって、最適化された波形モードのこの実現例のバージョンは、線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅が少なくとも最初に使用するためにそれぞれに予め格納されるという点で固定PWMモードに似ている。これらの予め格納されたPWMの値は、入力信号に基づいて(たとえば、センサ入力信号またはユーザ入力信号には基づかずに)後に動的に調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0109】
上述の一例として、ポイントX1=P/20では、PWMルックアップテーブル140からの第1の値がPWM−A信号のパルス幅のために利用され、ポイントX2=2*P/20では、PWMルックアップテーブル140からの第2の値がPWM−A信号のパルス幅のために利用されるなどである。中間ポイント、たとえばこの例ではポイント10*P/20では、PWM−A信号ではなく信号PWM−Bが利用され、この場合にはPWM−Bの適切な値はPWMルックアップテーブル140から得られ、ポイント11*P/20ではPWMルックアップテーブル140の別の対応する値が続くなどである。
【0110】
したがって、ルックアップテーブル140は、波形ポイントおよび適切なパルス幅の値(上述のように、任意の特定のパルス幅の値はPWM−A信号またはPWM−B信号のためのものである)の対を含む。さらに本明細書に記載されるように、PWMルックアップテーブル140に格納されるパルス幅の値は、圧電アクチュエータが利用されている特定のポンプに従って、ポンプが利用される特定の環境に従って、1つ以上の基準(たとえば、センサ入力値)に従って、および/または上述の1つ以上に従って予め定められるかまたは「最適化」されることができる。
【0111】
ルックアップテーブル140は好ましくは不揮発性メモリに格納される。典型的には、
ルックアップテーブル140はマイクロコントローラ116に格納される。代替的には、いくつかの用途の場合、ルックアップテーブル140はさらにマイクロコントローラ116に外付けであってもよい。図5Bにおけるルックアップテーブル140の図は、圧電アクチュエータ駆動回路にルックアップテーブル140を与える任意の態様を包含するように意図される。本明細書に記載される最適化は利用装置としてのポンプの1つの特定の例と関連しているが、他の圧電利用装置のための波形の最適化も包含され、本明細書において明白な実現例である。
【0112】
7.0 駆動信号制御プログラム:概要
ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108から受取られるアナログ入力信号などの入力信号を扱う際にマイクロコントローラ116によって実現される論理の1つの例示的なモードの例示的な基本ステップならびに動作の固定PWMモードおよびPWMサーボモードは、図6A〜図6Gに関連して理解される。マイクロコントローラ116によって実現される論理は、マイクロコントローラ116によって実行されるプログラム可能命令(たとえば、駆動信号制御プログラム150)の形態であり得る。代替的には、同等の命令は、特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を使用して、汎用コンピュータの形態を取るマイクロコントローラ116とともに実行されることが可能である。本明細書に記載される駆動信号制御プログラム150のステップおよび任意の構成要素のルーチンまたは他のルーチンのステップは単に例証のためのものであり、さまざまな他の論理および/もしくはプログラミング技術を使用して実現または達成され得ることが理解されるべきである。
【0113】
前に記載されたように、示される例では、ユーザ入力装置106は線104に沿って印加される駆動信号の周期/周波数を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器であり、ユーザ入力装置108は線104に沿って印加される駆動信号の電圧/振幅を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器である。「周期」または「周波数」によって、図4AにPとして示される周期などの周期、たとえば信号PWM−Aの起動に続く信号PWM−Bの起動で構成される周期が意味される。図6A〜図6Gの論理では、ユーザ入力装置106によって入力される値はCheckRateInputと称される。なぜなら、ユーザ入力周期はポンプが動作する率にも対応するためである。「振幅」または「電圧」によって、線124および126に沿って印加される信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅Wにそれぞれに関連し(たとえば、導出され)、フライバック回路102が実際にインダクタL1(図5A参照)を荷電する持続時間にも関連する、図4Dに示される振幅または電圧Aが意味される。図6A〜図6Gの論理では、振幅または電圧を設定するためにユーザ入力装置108によって入力される値は、SetVoltsInputと称される。
【0114】
7.1 駆動信号制御プログラム:メインルーチン
図6Aは、駆動信号制御プログラム150のメインルーチンにかかわる選択された基本ステップを示す。図6Aのメインルーチンは、ステップ6A−1で開始されるのだが、基本的には初期化およびユーザインターフェイスモニタリングにかかわる。メインルーチンのステップ6A−2は概して、オンボードアナログデジタル変換器(ADC)のポート、メモリ、タイマ(割込タイマを含む)、チャネル選択などのもの、および特定のPWMの値を初期化するために特定の他の初期化ルーチンを呼出すメインルーチンを示す。ステップ6A−3として、メインルーチンは、図6Bを参照して以下に記載される割込処理ルーチンのための割込を含む特定の割込をイネーブルにする。ステップ6A−4では、メインルーチンは周期カウンタ(「Counter」)および半周期カウンタ(「CounterHalf」)のデフォルト値を設定する。ステップ6A−5において、プロセッサがリセット段階に入らないように、メインルーチンはウォッチドッグタイマをリセットする。
【0115】
ステップ6A−6において、メインルーチンは、ポンプ10の動作に影響を及ぼす外部
ユーザデジタル入力が受取られたかどうかを判断するために調べる。外部ユーザデジタル入力が受取られたかどうかを調べることは、スタートビットがシリアルインターフェイスバス(ユニバーサルシリアルインターフェイス(USI)バス)128上で設定されたかどうかを調べることを伴う可能性がある。外部ユーザデジタル入力が受取られた場合、ステップ6A−7において、外部ユーザデジタル入力の受取を扱うようにルーチンが呼出される(USIハンドラ)。ステップ6A−6における判断がノーである場合、およびステップ6A−7の実行の後、実行はステップ6A−6に戻る。
【0116】
7.2 駆動信号制御プログラム:割込処理ルーチン
図6Bは、Timer0 ISRとも略称を付けられている割込処理ルーチンにかかわる基本ステップを示す。図6Bの割込処理ルーチンは毎秒3906回実行され、ステップ6B−1において開始される。図6Bの割込処理ルーチンは、タイマ(Timer 0)に対してオーバーフローが発生するたびに呼出される。言い換えると、示される実施例では、このオーバーフロー、したがって図6Bの割込処理ルーチンの呼出は3906Hzの率で発生する。
【0117】
ポンプ10の動作がソフトウェアによって終了されるかまたは止められることができるので、ポンプ10のソフトウェア終了が存在したかどうかの調査がステップ6B−2において行なわれる。ソフトウェア終了の場合には、ステップ6B−3において示されるように、図6Bの割込処理ルーチンも終了される。
【0118】
図6Bの割込処理ルーチンは、変数CounterおよびCounterHalfを利用する。変数CounterおよびCounterHalfのデフォルト値は、メインルーチンのステップ6A−4において設定される。その後、変数Counterの値は、図6Gに示されるCheckRateInputルーチンによって(ユーザ入力に従って、たとえばユーザ入力装置108において)リセットされる。図6Gの示されるCheckRateInputルーチンの実行は、値CounterResetを得るまたは計算し、この値は変数Counterをリセットするために使用される。値CounterResetは、3906(値タイマT0)を、ユーザ入力装置106から取得されるユーザ入力値PumpRateで除算することによって計算される。したがって、カウンタはCounterReset=3906/PumpRateとしてリセットされる。変数Counterがリセットされた後、変数CounterHalfはCounter/2としてリセットされる。
【0119】
変数Counterの値は、駆動信号の周期または周波数(図4A〜図4D参照)に影響を及ぼす。この例では、変数Counterの値は、ユーザ入力装置106においてユーザによって設定される値に依存する。以下に説明されるように、カウンタCounterは周波数の跡を追い、図4Cの電荷パケットの構築を通じて実際に波形を辿る。
【0120】
ポンプの動作が終了されないことがステップ6B−2において判断されるとき、ステップ6B−4においてカウンタCounterはデクリメントされる。ステップ6B−5は、カウンタCounterの(デクリメントされたばかりの)値が波形の半分の直前のポイントに対応するかどうか(たとえば、Counterが値CounterHalf+1に到達したかどうか)調べることを伴う。
【0121】
イエスの判断がステップ6B−5において行なわれる場合、ステップ6B−6として、図6Bの割込処理ルーチンは線124および126上の信号PWM−Aおよび信号PWM−Bの両方をオフにする。信号PWM−Aが正の方向に圧電アクチュエータ14を駆動し、信号PWM−Bが負の方向に圧電アクチュエータ14を駆動することが想起される。そして、図4Dの波形の中間ポイントに近づくと、信号PWM−Aおよび信号PWM−Bの両方がオフにされる。
【0122】
信号PWM−Aおよび信号PWM−Bは、その後のステップ6B−7の準備をするために波形の中間ポイントの直前でオフにされる。ステップ6B−7は、マイクロコントローラ116のマルチチャネルアナログデジタル変換器(ADC)から得られる電圧を調べることを伴う。PWM信号PWM−AおよびPWM−Bは、万一ADCからの電圧判断と干渉するかもしれないノイズをそれらの信号が発生させる場合には、オフにされる。
【0123】
そして、ステップ6B−6において信号PWM−Aおよび信号PWM−Bがオフにされるとすぐに、ステップ6B−7において電圧の測定ができる限りすばやく行われる。ステップ6B−7のADC読取は、ポンプ10に印加される電圧の読取である。この読取は、ポンプが振幅の所望の設定値で駆動されていることを確実にするように行なわれる。言い換えると、ステップ6B−7における読取は、ポンプ10に印加される図4Dの駆動信号の振幅Aの読取である。以前に説明されたように、ポンプへの出力における電圧は、たとえばR6およびR7(たとえば、図5A参照)を含む分圧器の中間ポイントにおいて電圧モニタ122から得られる。ポンプ10に印加される実際の電圧(400ボルトと同じぐらい高いかまたは400ボルト付近である可能性があるだろう)は、マイクロコントローラ116のADCで読取可能ではない場合があり、このため、出力モニタ122の分圧器はマイクロコントローラ106のために電圧をより低い電圧まで(たとえば、2.68ボルト未満に)下げる。
【0124】
このように、波形の中間の直前のポイントが到達されたというイエスの判断がステップ6B−5においてなされるとき、信号PWM−AおよびPWM−Bがオフにされ、ステップ6B−14において図6Bの割込処理ルーチンを終了する前に、ポンプ10への電圧のサンプルが取られる。したがって、電圧のサンプルは(できる限りピークに最も近い)波形上の最高ポイントで取られる。
【0125】
ステップ6B−5におけるノーの判断は、波形がサンプリングポイントにない(中間波形ポイントの直前ではない)ことを意味する。ノーの判断がステップ6B−5においてなされるとき、デクリメントされたCounterの値がCounterHalfに厳密に等しい(波形がその厳密な中間ポイントに到達したことを意味する)かどうかの調査がステップ6B−8において実行される。ステップ6B−8における調査がイエスである場合、ステップ6B−9として、図6Bの割込処理ルーチンは信号PWM−B(線126に沿って変換回路102に印加される負のPWM信号)をオンにするようにマイクロコントローラ116を促し、そのため、図4Cの負の一連の電荷パケットが形成されることが可能である。その後、図6Bの割込処理ルーチンは終了される(ステップ6B−14)。
【0126】
ステップ6B−8における調査がノーである(これは、波形の形成がその中間ポイントを過ぎていることを意味する)場合、Counterの値が1に到達したかどうかの調査がステップ6B−10においてなされる。Counterが1に到達することは、負のパルスの形成が基本的に完了されることを意味する。したがって、ステップ6B−10における判断がノーである場合、ステップ6B−11において、図6Bの割込処理ルーチンは線124上の信号PWM−Aおよび線126上の信号PWM−Bの両方をオフにするようにマイクロコントローラ116に命令し、この時点で、図6Bの割込処理ルーチンは終了される(ステップ6B−14)。
【0127】
ステップ6B−10における調査がノーである場合、Counterのデクリメントされた値が0に到達したかどうかのさらなる調査がステップ6B−12においてなされる。もし到達していれば、新しい波形の形成を始めるときであり、したがって、ステップ6B−13において、図6Bの割込処理ルーチンは信号PWM−Aをオンにし、新しいパルスの正の部分を始めるために線124に沿って印加するようにマイクロコントローラ116を促す(新しい波形は図6Bの割込処理ルーチンの連続する繰返しの間に形成されることになる
)。次いで、ステップ6B−14において、図6Bの割込処理ルーチンは終了される。
【0128】
任意のステップとして、ステップ6B−11において信号PWM−Aおよび信号PWM−Bの両方をオフにした後、ユーザ入力装置106のADCにおける電圧は再びステップ6B−7の態様で調べられることができるであろう。
【0129】
このように、図6Bの割込処理ルーチンの繰返される実行は、図4Cの電荷パケットなどの一連の電荷パケットの形成をもたらし、この電荷パケットは線に沿って印加される線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号である。図6Bの割込処理ルーチンはポンプの率を制御する。Counterの値は、タイマ(Timer 0)周波数(たとえば、3906)を、所望の率(PumpRate)を示すユーザ入力値で除算することによって設定される。Counterの値は、割込処理ルーチンの各々の実行中にデクリメントされ、割込処理ルーチンの各々の実行時に、ステップ6B−5、ステップ6B−8、ステップ6B−10、およびステップ6B−12の比較のうちの少なくとも1つが実行される。
【0130】
図6Bの割込処理ルーチンの実行の結果、線104に沿って印加される信号は一連の正の電荷パケットの後に一連の負の電荷パケットが続くように現われるであろうということが予想されるであろう。これらの連なりは、信号が図4Cの電荷パケットの包絡線の形状と同等の全体的に方形波の形状を有するであろうように配置される。このような場合には、図4Cに示される電荷パケットは、ユーザ入力値InputVoltに依存する振幅と、ユーザ入力値RateInputに依存する周期とを有するであろう。しかしながら、前に記載されたように、圧電アクチュエータ14はたとえば線104に沿って印加される信号を一体化する働きをし、そのため、少なくとも1つの例示的な実現例では、線104上の実際の波形はむしろ図4Dに示される正弦波形に近いように現われる。図4Dにおける一体化された信号の波形は図4Cの信号と同一の周期を有するが、図4Dの一体化された信号は正方形の形状よりも正弦波の形状を有する。特に、図4Dにおける一体化された信号の波形のパルスの各々のサイクルは、第1の正の傾斜する部分4D−1、第2の正の傾斜する部分4D−2、ピーク4D−3、第1の負の傾斜する部分4D−4、および第2の負の傾斜する部分4D−5を有する。
【0131】
一体化された波形の形状は、(たとえば、図5Aの回路におけるそれぞれに線124および126上のPWM−AおよびPWM−B信号の)パルス幅変調を特に考慮して、駆動回路の制御下にある。基本的には正弦形状の波形が本明細書において記載されるが、駆動回路は複雑な波形の形状を含む他の波の形状を達成するために、さまざまな(たとえば、各々のおよびすべての)PWMパルスの後の波形をサンプリングすることができ、PWM周期を調整することができるであろうということが専ら可能である。
【0132】
7.3 駆動信号制御プログラム:ADCを調べる
上述のステップ6B−7は、マイクロコントローラ116のアナログデジタル変換器(ADC)を調べることを伴う。ステップ6B−7は基本的には、CheckAtoDsと名づけられるルーチンの実行を伴う。ルーチンCheckAtoDsの選択された例示的な基本ステップは図6Cに示される。
【0133】
ルーチンCheckAtoDsはステップ6C−1において開始される。マイクロコントローラ116のADCはマルチチャネルADCであり、したがって、対応する数の供給源からいくつかのチャネルでアナログ信号を受取ることができることが想起される。たとえば、マイクロコントローラ116のマルチチャネルADCは、ポンプ10の圧電アクチュエータ14に印加される線104上の電圧に関する、出力モニタ122からの電圧フィードバック信号と、ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108から入力される2つの別個の他の電圧信号とを受取る。
【0134】
ルーチンCheckAtoDsは、予め定められたシーケンスで、出力モニタ122からの電圧を受取るADCのチャネルと、RateInputを示すユーザ入力装置106からの電圧を受取るADCのチャネルと、VoltInputを示すユーザ入力装置108からの電圧を受取るADCのチャネルと、電源103からの供給電圧を受取るADCのチャネルとを調べるように構成される。ルーチンCheckAtoDsの動作の順序付けはカウンタAtoDCtrに基づき、このカウンタAtoDCtrは、ステップ6C−20においてインクリメントされるときには1から6まで数える。
【0135】
ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−2において、カウンタAtoDCtrが現在1という値を有するかどうかの調査が実行される。ステップ6C−2における調査がイエスである場合、ステップ6C−3において、ルーチンCheckAtoDsはマイクロコントローラ116のADCの以前に選択されたチャネルから以前に読取られた値を処理する。特に、ステップ6C−3において、ルーチンCheckAtoDsはルーチンCheckVoltsを呼出す。ルーチンCheckVoltsは、出力モニタ122から得られる、マイクロコントローラ116のADCによってたった今デジタルに変換された電圧フィードバック信号を実際には処理する。ステップ6C−3において処理されるデジタル電圧値は、そのピーク(図4D参照)における駆動信号の振幅Aに対応するはずである。そうでなければ、以下に記載されるように、ルーチンCheckVoltsは、線104に沿って印加される駆動信号に所望の振幅を達成するために、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を調整する。デジタル方式で変換されたフィードバック電圧信号を処理するためにルーチンCheckVoltsを呼出した後、ルーチンCheckAtoDsは、ステップ6C−4において、選択されたチャネルがそこに印加されたアナログ情報を取得するように、ユーザ入力装置108を扱うADCのチャネルを(ステップ6C−4において)選択することによって、次の実行の準備をする。その後、ルーチンCheckAtoDsは、(ステップ6C−20において)カウンタAtoDCtrをインクリメントし、終了される(ステップ6C−21)。
【0136】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−5において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が2である場合、ルーチンCheckAtoDsは、ユーザ入力装置108を扱うADCのチャネルが、ユーザ入力装置108から得られかつステップ6C−4の以前の実行時に読取られたアナログ値を処理するように、ルーチンCheckVoltsInputを呼出す。ユーザ入力装置108において設定されるユーザ設定値はVoltInputに対応し、線124および126に沿って信号PWM−AおよびPWM−Bとしてそれぞれに印加されるデジタルパルスのパルス幅を求め、したがって、線104上の駆動信号の振幅を求めることが想起される。アナログ値を読取るようにADCの適切なチャネルをイネーブルにした後、ステップ6C−7において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122からの電圧(したがって、線104に沿って印加される駆動信号)の読取を扱うADCのチャネルを選択する。ステップ6C−7のチャネル選択は、ルーチンCheckAtoDsの次の実行に備えて、そこに印加されたアナログ値を読取る選択されたチャネルをもたらす。その後、カウンタAtoDCtrがインクリメントされ(ステップ6C−20)、ルーチンCheckAtoDsは終了される(ステップ6C−21)。
【0137】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−8において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が3である場合、ステップ6C−9において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122から取得されるデジタル方式で変換されたフィードバック電圧(圧電アクチュエータ14への駆動信号として印加される電圧の実際の振幅を表わす)を処理するために、ルーチンCheckVoltsを呼出す。必要であれば、その処理の際に、ルーチンCheckVoltsは、圧電アクチュエータ14への駆動信号に所望の振幅を達成するために、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を調整する。次いで、ルーチンCheckAtoDsは、ステップ6C−10において、選択されたチャネルがそこに印加されたアナログ情報を取
得するように、ユーザ入力装置106を扱うADCのチャネルを(ステップ6C−10において)選択することによって次の実行の準備をする。その後、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−20において)カウンタAtoDCtrをインクリメントし、終了される(ステップ6C−21)。
【0138】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−11において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が4である場合、ルーチンCheckAtoDsは、ユーザ入力装置106を扱うADCのチャネルが、ユーザ入力装置106から得られかつステップ6C−10の以前の実行時に読取られたアナログ値を処理するように、ルーチンCheckRateInputを呼出す。ユーザ入力装置108において設定されるユーザ設定値は、RateInputまたはPumpRateに対応し、線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の周波数または周期を求めることが想起される。アナログ値を読取るようにADCの適切なチャネルをイネーブルにした後、ステップ6C−13において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122からの電圧(したがって、線104に沿って印加される駆動信号)の読取を扱うADCのチャネルを選択する。ステップ6C−13のチャネル選択は、ルーチンCheckAtoDsの次の実行に備えて、そこに印加されたアナログ値を読取る選択されたチャネルをもたらす。その後、カウンタAtoDCtrはインクリメントされ(ステップ6C−20)、ルーチンCheckAtoDsは終了される(ステップ6C−21)。
【0139】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−14において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が5である場合、ステップ6C−15において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122から取得されるデジタル方式で変換されたフィードバック電圧(圧電アクチュエータ14への駆動信号として印加される電圧の実際の振幅を表わす)を処理するために、ルーチンCheckVoltsを呼出す。必要であれば、その処理の際に、ルーチンCheckVoltsは、圧電アクチュエータ14への駆動信号に所望の振幅を達成するために、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を調整する。次いで、ルーチンCheckAtoDsは、ステップ6C−16において、選択されたチャネルがそこに印加されたアナログ情報を取得するように、電源103からの供給電圧を扱うADCのチャネルを(ステップ6C−16において)選択することによって次の実行の準備をする。その後、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−20において)カウンタAtoDCtrをインクリメントし、終了される(ステップ6C−21)。
【0140】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−17において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が6である場合、ステップ6C−18において、ルーチンCheckAtoDsは変数SupplyVoltsRawを、ステップ6C−16において読取られたデジタル方式で変換された値に設定し、カウンタAtoDCtrの値を0に戻すようにリセットする。次いで、ステップ6C−19において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122からの電圧(したがって、線104に沿って印加される駆動信号)の読取を扱うADCのチャネルを選択する。ステップ6C−19のチャネル選択は、ルーチンCheckAtoDsの次の実行に備えて、そこに印加されたアナログ値を読取る選択されたチャネルをもたらす。その後、カウンタAtoDCtrはインクリメントされ(ステップ6C−20)、ルーチンCheckAtoDsは終了される(ステップ6C−21)。
【0141】
このように、上述および図6Cから見られるように、ルーチンCheckAtoDsは、線104上の圧電アクチュエータ14への駆動信号が適切なまたは所望の振幅を確実に有するようにするために、ルーチンCheckVoltsを呼出す。さらに、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−6において)、ユーザ入力装置108から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の振幅がユーザによって変更されたことを示すかどうか、およびもし示すのであれば所望の振幅の調整を行なうかどうかを判断するために、ルーチンCheckVoltsInputを呼出す。同様に、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−12において)、ユーザ入力装置1
06から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の周波数がユーザによって変更されたことを示すかどうか、およびもし示すのであれば所望の周波数の調整を行なうかどうかを判断するために、ルーチンCheckRateInputを呼出す。
【0142】
7.4 駆動信号制御プログラム:CheckVoltsInputルーチン
ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−3、ステップ6C−9、およびステップ6C−15において呼出されたルーチンCheckVoltsInputにおける基本ステップは図6Dに示される。ルーチンCheckVoltsInputはステップ6D−1において開始される。次いで、ステップ6D−2において、出力モニタ122を扱うチャネルによって(ステップ6C−19、ステップ6C−7およびステップ6C−13においてそれぞれに)読取られたばかりの(たった今デジタル方式で変換された)電圧は、変数actual_voltsの値として設定される。ステップ6D−3において、ポンプ短絡検出が実行される。短絡状態がポンプ10に対して存在することが分かった場合、短絡タイムアウトカウンタが切れた後(ステップ6D−5)、ウォッチドッグタイマのリセットは待たれる(ステップ6D−6)。短絡が検出されない場合、ステップ6D−7において短絡タイマはリセットされる。
【0143】
ステップ6D−8において、変数actual_voltsの値が変数SetVoltsを超えるかどうかの調査がなされる。変数SetVoltsの値は、線104上の圧電アクチュエータ14のための駆動信号に所望の実際の振幅を表わす。変数SetVoltsの値は、ユーザ入力、たとえばユーザ入力装置108によって与えられるかまたは図3Cの実施例によって以前に示された態様でGUIから与えられるVoltInputなどのアナログ入力によって設定されることが可能である。いずれにしても、変数actual_voltsの値が変数SetVoltsの値を超えることがステップ6D−8において判断される場合、ステップ6D−9において変数PWMカウンタはデクリメントされる。これに対して、変数actual_voltsの値が変数SetVoltsの値未満であるかまたは変数SetVoltsの値に等しいことがステップ6D−10において判断される場合、ステップ6D−11において変数PWMカウンタはインクリメントされる。変数PMWカウンタのデクリメント(ステップ6D−9)またはインクリメント(ステップ6D−11)の後、変数PWMカウンタの値は値PWMとしてルーチンPWM Setに送られる。
【0144】
7.5 駆動信号制御プログラム:PWM設定ルーチン
ルーチンPWM Setは、線124に沿って変換回路102に印加される信号PWM−Aおよび線126に沿って変換回路102に印加される信号PWM−Bの両方に含まれるデジタルパルスのパルス幅Wを調整する(適宜増加または減少させる)働きをする。パルス幅Wは、変換回路102のインダクタL1が荷電されている電荷時間の時間量に対応することが想起される。ルーチンPWM Setの例示的な基本ステップは図6Eに示される。ルーチンPWM Setはステップ6E−1において開始される。ステップ6E−2において、ルーチンPWM Setは、(図6DのルーチンCheckVoltsから得られた)変数PWMが許容し得る最大(PWM最大)を超えたかどうかを調べる。もし超えていれば、ステップ6E−3において変数PWMはPWM最大に設定され、その後、ステップ6E−6においてルーチンPWM Setは終了される。変数PWMが許容し得る最大を超えていない場合、ステップ6E−4において、ルーチンPWM Setは信号PWM−A(PWM正)および信号PWM−B(PWM負)の両方のパルス幅をPWMの値に設定し、そのため、信号PWM−AおよびPWM−Bは所望のパルス幅W(図4A参照)を有することになる。
【0145】
図7A〜図7Dは、線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を変化させることが線104上の圧電アクチュエータ14の駆動信号にどのように影響を及ぼすかを図示する。図7A〜図7Dに示される周期P1は図4A〜図4Dに示される周期Pに似ており、信号PWM−AおよびPWM−Bのデジタルパルスはパルス幅Wを
有する。周期P1では、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号は振幅Aを有し、この振幅Aはパルス幅Wに依存する。しかしながら、ユーザ入力値VoltInputが(たとえば、ユーザ入力装置108を介して実現される設定の変化によって)変更される場合、ルーチンCheckVoltsInputはVoltInputのために使用されるように新しい制御電圧を得て、ルーチンCheckVoltsはそれに従ってPWM値をインクリメントまたはデクリメントする。たとえば、VoltInputのユーザ入力値が増加される場合、PWM値はインクリメントされる(ステップ6D−11)。図7A〜図7Dは、周期P2に影響を及ぼすパルス幅のこのようなインクリメントを示し、そのため、周期P2では(図7Aおよび図7Bにそれぞれに示される)信号PWM−AおよびPWM−Bのデジタルパルスの幅はWからW′に増加される。信号PWM−AおよびPWM−Bのパルスのパルス幅の増加の結果、線に沿って印加されるパルス出力、線104に沿って印加される駆動信号の振幅、および圧電アクチュエータ14による一体化から結果として生じる正弦波の振幅は周期P2の間にAからA′に増加される。図7A〜図7Dでは、周期P1およびP2は、異なる添字を有するが、同一の持続期間を有する。図7A〜図7Dにおける周期Pについての異なる添字は単に、WからW′へのパルス幅の変化およびAからA′への結果として生じる振幅の変化を強調するためのものである。パルス幅のこの変化、したがって圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の振幅の変化は、ポンプのリアルタイムの動作中に駆動信号(たとえば、駆動信号の形状)を動的に変化させる一例である。
【0146】
上述のように、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−6において)、ユーザ入力装置108から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の振幅がユーザによって変更されたことを示すかどうかを判断するために、ルーチンCheckVoltsInputを呼出す。必要であれば、ルーチンCheckVoltsInputは所望の振幅の調整を行なう。ルーチンCheckVoltsInputの例示的な実現例の基本ステップは図6Fに示される。ルーチンCheckVoltsInputはステップ6F−1において開始される。ステップ6F−2において、ユーザ入力装置108を扱うチャネルによって(ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−4において)読取られたばかりの(たった今デジタル方式で変換された)電圧は、変数volts_ctlの値として設定される。念のため、(1)トリマー抵抗器106および108がイネーブルにされているという調査、および(2)取得されたばかりの変数volts_ctlの値が閾値を超えるという調査がステップ6F−3においてなされる。ステップ6F−3のいずれかの条件が満たされない場合、ステップ6F−7においてルーチンCheckVoltsInputは終了される。
【0147】
ステップ6F−4において、変数volts_ctlの値が変数MAX_VOLTS未満であるかどうかの調査がなされる。変数MAX_VOLTSの値は、圧電アクチュエータ14のための駆動信号の最大許容振幅を表わす。変数volts_ctlの値が変数MAX_VOLTS未満である場合、ステップ6F−5において変数SetVoltsの値は変数volts_ctlに等しく設定される。そうでなければ、ステップ6F−6において変数volts_ctlは値MAX_VOLTSに設定される。変数volts_ctlの値が(ステップ6F−5またはステップ6F−6において)確立された後、ステップ6F−7においてルーチンCheckVoltsInputは終了される。
【0148】
7.6 駆動信号制御プログラム:CheckRateInputルーチン
上述のように、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−12において)、ユーザ入力装置106から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の周波数がユーザによって変更されたことを示すかどうかを判断するために、ルーチンCheckRateInputを呼出す。必要であれば、ルーチンCheckRateInputは所望の周波数の調整を行なう。ルーチンCheckRateInputの例示的な実現例の基本ステップは図6Gに示される。ルーチンCheckRateInputはステップ6G−1において開始される。念のため、トリマー抵抗器106および108がイネーブルにされているという調査がステップ6G−2においてなされる。ステップ6G−2の調査がイエスである場合、ステップ6G−3において、変数PumpRateの値は、ユーザ入
力装置106を扱うチャネルによって(ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−10において)読取られたばかりの(たった今デジタル方式で変換された)電圧に設定される。ステップ6G−2の調査がノーであることが判明した場合、変数PumpRateの値が値MIN_RATE未満であるかどうかの調査がステップ6G−4においてなされる。ステップ6G−4における調査がイエスである場合、ステップ6G−5において変数PumpRateの値は値MIN_RATEに等しく設定される。これに対して、ステップ6G−6において、変数PumpRateの値が値MAX_RATEよりも大きいかどうかの調査がなされる。ステップ6G−6における調査がイエスである場合、ステップ6G−7において変数PumpRateの値は値MAX_RATEに等しく設定される。ステップ6G−9において終了する前に、ステップ6G−8において、ルーチンCheckRateInputは変数CounterResetを求めるために変数PumpRateの値を使用する。特に、ステップ6G−8において、ルーチンCheckRateInputは、変数CounterResetを求めるために、3906(図6Bの割込処理ルーチンが呼出される周波数)を変数PumpRateの値で除算する。以前に説明されたように、変数CounterResetの値は、変数Counterの値を確立するために使用される。変数Counterは、図6Bの割込処理ルーチンを参照して以前に説明されたように、線104上の圧電アクチュエータ14への駆動信号のための周期または周波数の所望の設定に影響を及ぼす。
【0149】
図8A〜図8Dは、線104に沿って印加される駆動信号の周期または周波数の変化を図示する。図8A〜図8Dでは、PAは図4A〜図4Dにおける周期Pと同等の持続時間を有する第1の周期を指す。しかしながら、図8A〜図8Dの周期PBは、(たとえば、ユーザ入力装置106を介して入力され得る)変数PumpRateの新しいユーザ入力値に従ってどのように周期が変化され得るかを示す。特に、図8A〜図8Dは、変数PumpRateの新しい(より小さな)値を考慮して周期PAよりも短い周期PBを示す。上で説明されたように、線104に沿って印加される駆動信号の周期は、図6Gを参照して上述されたルーチンCheckRateInputを使用して実現される。圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の周期または周波数のこの変化は、ポンプのリアルタイムの動作中に駆動信号(たとえば、駆動信号の形状)を動的に変化させる別の例である。
【0150】
PWM−AおよびPWM−Bの波形のパルス周期は、「リアルタイム」でパルスごとに調整されることができ、際限ない数々の駆動波形の可能性を生成する。このような複雑な波形のために、デジタル信号プロセッサタイプのマイクロコントローラを利用することが必要であり得る。
【0151】
8.0 圧電アクチュエータのパラメータを求める
上述の圧電アクチュエータ駆動回路18の1つ以上の実施例および動作のモードのうちの1つの使用例は、圧電アクチュエータ14もしくは圧電アクチュエータ14が動作するシステムの1つ以上のパラメータまたは特徴を求めることを伴う。
【0152】
8.1 圧電アクチュエータのキャパシタンスを求める
ポンプ10の正確な動作のために、圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを正確に求めることが重要である。原則として、より高いキャパシタンスの圧電素子はより低いキャパシタンスの圧電素子よりも多くのエネルギを有し、より遠くに移動させる。圧電アクチュエータ14で利用される特定の圧電材料は規定または公称キャパシタンスを有し得るが、同一の生産ロットで製造される圧電素子のキャパシタンスは部品ごとに5%ほども異なる場合があり、異なるロットで製造される同一のタイプの圧電素子のキャパシタンスは25%ほども異なる場合があることが経験から明らかである。
【0153】
本明細書に記載される圧電アクチュエータ駆動回路18の実施例によって、ポンプ製造業者はそのタイプについての公称キャパシタンスとは異なる圧電素子を使用することができる。有利に、圧電アクチュエータ駆動回路18のこれらの実施例は、自動的に実際のキ
ャパシタンスを求め、それによって、実際のキャパシタンスを考慮して適切な電圧を送出する。言い換えると、圧電アクチュエータ駆動回路18は圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを検出し、それに従って駆動信号をカスタマイズする。たとえば、セラミックが時間とともに劣化する圧電アクチュエータ14の場合、圧電アクチュエータ駆動回路18は負荷(たとえば、圧電アクチュエータ14)を検査することができ、その後、ある期間にわたる圧電素子の劣化または変化を補償するためにより高い電圧で圧電アクチュエータ14を駆動する。
【0154】
図9Aは、動作の例示的なモードのための圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを求めるキャパシタンスチェックルーチンにかかわるいくつかの選択された代表的な基本ステップを示す。図9Aのキャパシタンスチェックルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行され、ステップ9A−1において開始される。ステップ9A−2において、キャパシタンスチェックルーチンは、圧電アクチュエータ駆動回路18のPWMサーボ機能をオフにする。言い換えると、キャパシタンスチェックルーチンは(図6Dに示された)ルーチンCheckVoltsの呼出をディスエーブルにし、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号を制御するための固定PWMモードに入る。固定PWMモードでは、ステップ9A−3として、デジタルパルスがパルス発生器100によって発生され、線124および126に沿ってそれぞれに印加される信号PWM−AおよびPWM−Bのこのパルス幅は一貫しており、圧電アクチュエータ14にパルスの状態で印加される電荷の量(たとえば、メモリに予め格納され得る確認可能な電荷の量)は公知である。ステップ9A−4として、ユーザ入力装置106は、圧電アクチュエータ14に印加される電荷に注目する。
【0155】
電荷の公知の量を(クーロン単位で)圧電アクチュエータに印加し、その後(ステップ9A−5において)圧電アクチュエータで電圧を(ボルト単位で)測定することによって、キャパシタンスは直接に計算されることができる。電圧測定は、出力モニタ122によって線105に沿ってマイクロコントローラ106に印加される電圧フィードバック信号によって得られる。キャパシタンスチェックルーチンは、出力モニタ122によって線105に沿ってマイクロコントローラ106に印加される電圧フィードバック信号をサンプリングする。
【0156】
代替的には、キャパシタンスチェックルーチンは、波形に沿った連続するポイント、特に波形のピークにおいておよび波形のピーク後に、出力モニタ122から得られる電圧フィードバック信号をサンプリングする。たとえば、キャパシタンスチェックルーチンは、図10Aの波形などの波形のピークK付近の時間の中のいくつかのポイントにおいて電圧測定値を求める。線S10Aは、ピークK後の図10Aの波形についての電圧測定値の傾きを示す。キャパシタンス定数を求める1つの方法は、この傾きを使用することである。さらなる代替例として、PWMモードが終了されることができ、2つの正確にタイミングが取れた電圧読取が行なわれることができる。次いで、キャパシタンスは、(実験的にまたは製造およびEEPROMなどのメモリへの格納時に)回路の抵抗性のリークを知り、単純なRC時定数計算を使用して計算されることができる。
【0157】
圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを求めた後、(ステップ9A−7によって示されるように)キャパシタンスチェックルーチンは終了することが可能である。しかしながら、より好ましくは、キャパシタンスチェックルーチンはキャパシタンス補償ルーチンを呼出す、またはキャパシタンス補償ルーチンによって受け継がれることができる。図9Bは、キャパシタンス補償ルーチンにかかわる選択された基本ステップを示し、キャパシタンス補償ルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行され、ステップ9B−1において開始される。
【0158】
ステップ9B−2において、キャパシタンス補償ルーチンは、圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを考慮して、PWM信号(たとえば、図5Aの回路における線124上の信号PWM−Aおよび線126上の信号PWM−B、または図5Cの回路におけるPWM信号)に適切なパルス幅の値を求める。言い換えると、キャパシタンス補償ルーチンはここで、圧電アクチュエータへの駆動信号を制御するために、圧電アクチュエータの検出されたパラメータを使用する。圧電アクチュエータ14のキャパシタンスは、キャパシタンスチェックルーチン(図9A参照)の以前の実行によって求められたかもしれない。パルス幅の値はいくつかの方法のうちのいずれでも求められ得る。たとえば、ステップ9B−2のパルス幅の値の決定は、(圧電アクチュエータ14の測定されたキャパシタンス値を示す)格納されたフィードバック電圧値と、(圧電アクチュエータ14のための対応する電荷をもたらす)格納されたパルス幅の値との間で対になった対応を有するルックアップテーブルなどを調べることを伴ってもよい。別の例として、キャパシタンス補償ルーチンはパルス幅の計算を行なってもよい。基本的な例として、以前に求められたキャパシタンスは、所望のアクチュエータ電圧をもたらすことになるPWM幅の設定を求めるために好適な方程式の中で使用されることが可能である。代替的には、ルックアップテーブルの動作はパルス幅を求めるためにも使用されてもよい。
【0159】
キャパシタンスを考慮してPWM信号(たとえば、線124上のPWM−Aおよび線126上の信号PWM−B)に必要なパルス幅を求めた後、ステップ9B−3として、キャパシタンス補償ルーチンは値PWMを、ステップ9B−2において求められた適切なキャパシタンスを求められたパルス幅の値に設定する。次いで、ステップ9B−4として、キャパシタンス補償ルーチンは動作の固定PWMモードを起動すべきかまたは動作のPWMサーボモードを起動すべきかを調べる。
【0160】
ステップ9B−4において動作の固定PWMモードが選択される場合、ステップ9B−5として、キャパシタンス補償ルーチンは固定PWMモードを開始させるかまたは固定PWMモードをイネーブルにする。固定PWMモードを開始させるまたはイネーブルにすることは基本的には、一貫したPWMの値(ステップ9B−2において求められ、ステップ9B−3において設定された値)が信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を形成するために一貫して利用されることを意味する。言い換えると、固定PWMモードでは、ルーチンCheckVoltsは省略され、そのため、PWMの値はフィードバック信号または他の信号によって更新されない。
【0161】
ステップ9B−4において動作のPWMサーボモードが選択される場合、ステップ9B−6として、キャパシタンス補償ルーチンはPWMサーボモードを開始させるかまたはPWMサーボモードをイネーブルにする。PWMサーボモードを開始させるまたはイネーブルにすることは基本的には、PWMの値が出力モニタ122によって線105に沿って印加されるフィードバック電圧信号などの入力に従って更新または変更され得ることを意味する。そうする際に、キャパシタンス補償ルーチンは最初に固定PWMモードをオフにする必要があるかもしれない(たとえば、ステップ9A−2などにおいて、固定PWMモードがオンにされていた場合)。PWMサーボの機能性をオンにすることは、ルーチンCheckVoltsをマイクロコントローラ116の実行の一部として含むことを伴い、そのため、PWMの値は入力値(たとえば、ステップ6D−2において得られたADC読取値)に従って更新される(たとえば、ステップ6D−9においてデクリメントされる、またはステップ6D−11においてインクリメントされる)。
【0162】
図10Aは、第1の例示的な圧電アクチュエータのキャパシタンスを求めるための(たとえば、キャパシタンスチェックルーチンのステップ9A−5において得られた)電圧測定値の波形を示すように上述された。図10Bは、第2の例示的な圧電アクチュエータのキャパシタンスを求めるために得られる電圧測定値の別の波形を図示する。図10Bの第
2の圧電アクチュエータは、図10Aの第1の圧電アクチュエータよりも少ないキャパシタンスを偶然有し、これは図10Bの波形の傾きが図10Aの波形の傾きよりも(負の方向に)大きいという事実によって図示される。
【0163】
8.2 圧電システムのインピーダンス/共振を求める
圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータ14が動作するシステムのインピーダンスを求めることを容易にし、インピーダンスは圧電アクチュエータ14の共振周波数を表わす。たとえば、圧電アクチュエータ14がポンプで動作するとき、システムのインピーダンスは圧電ポンプ、取付けられた管、流体粘性、閉じ込められた空気などを含む。システムのインピーダンスはこのシステムの共振周波数と関係がある。周波数スペクトルにおける低インピーダンスのポイントは共振周波数を示す。このシステムの共振周波数が分かっている場合、ポンプの性能はその特定のシステムのために最適化されることが可能である。典型的には、システムの共振周波数は40から130Hertzのどこかである。2つの異なるシステムの中の1つのポンプは2つの異なる共振周波数を有することになり、したがって、リアルタイムでシステムの共振周波数を測定できることが望ましい。一旦共振周波数がわかると、マイクロコントローラは最大性能を求めて駆動周波数を調整することが可能である。
【0164】
2つの例示的で非限定的なインピーダンス/共振決定手法は、インピーダンス測定法およびインパルス応答法である。インピーダンス測定法およびインパルス応答法の両方は、ポンプ10のリアルタイムの動作中、たとえば、圧電アクチュエータ14がポンプ10の中で流体を実際に汲み上げている間に好ましくは実現される。
【0165】
8.2.1 インピーダンス測定法
第1の手法は、以前に記載されたキャパシタンス法と非常に似ている。定電力駆動がさまざまな駆動周波数で印加され、信号減衰が測定される。最大減衰が発生する周波数は最小インピーダンスを示し、したがって、共振周波数を示す。
【0166】
インピーダンス測定法の例示的な基本ステップは図11Aに示される。インピーダンス測定法では、ポンプ10の共振周波数は、多くの異なる周波数で圧電アクチュエータ14の一連の粗いインピーダンス測定を行なうことによって、および最小周波数を見つけることによって、間接的に見つけられる。インピーダンス測定法を実現するためのルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行されることができ、ステップ11A−1において開始される。
【0167】
ステップ11A−2として、インピーダンス測定ルーチンは圧電アクチュエータ駆動回路18のPWMサーボ機能をオフにする。これは、電圧制御サーボ回路がディスエーブルにされた状態で圧電アクチュエータ14を駆動することによって、特定の周波数の圧電アクチュエータ14のインピーダンスが作られるためである。これは、(図6Dに示された)ルーチンCheckVoltsの呼出をディスエーブルにするかまたはそうでなければルーチンCheckVoltsを省略し、ステップ11A−3によって示される固定PWMモードに入るインピーダンス測定ルーチンによって達成される。固定PWMモードでは、マイクロコントローラ116は固定パルス幅変調を有する信号PWM−AおよびPWM−Bを発生させ、そのため、圧電アクチュエータ14は定電力入力で駆動され、定電力入力はそのインピーダンスに比例する、圧電アクチュエータ14で達成されるピーク電圧に変換することになる。
【0168】
残りのステップで、図11Aのインピーダンス測定ルーチンは、一連の励振周波数にわたって掃引し、各々の周波数ごとに電圧フィードバック測定を行ない、電圧フィードバック信号を正規化し、次いで最小のインピーダンスを求める。ステップ11A−4において、インピーダンス測定ルーチンは最初の励振周波数を設定する。励振周波数が設定された
状態で、ステップ11A−5において、インピーダンス測定ルーチンは圧電アクチュエータ14からのピーク電圧フィードバック信号を(出力モニタ122から線105に沿って)得る。ステップ11A−5において得られた電圧フィードバック信号は、生成された励振周波数に関連付けられて格納される。ステップ11A−6において、インピーダンス測定ルーチンは、それが掃引する励振周波数の全帯域を完了したかどうかを判断する。完了していなければ、ステップ11A−7において帯域の次の励振周波数が選択され、その後、ステップ11A−5において次の励振周波数のためのピーク電圧フィードバックが得られ、格納される。したがって、インピーダンス測定ルーチンは、励振周波数の帯域を通じて駆動信号を変更しており、励振周波数の各々ごとのフィードバック信号から電圧値を得ている。
【0169】
励振周波数の全帯域が調べられたことがステップ11A−6において判断された後、ステップ11A−8において、全帯域にわたって得られたピーク電圧フィードバック信号値が正規化される。次いで、ステップ11A−9として、インピーダンス測定ルーチンは、最小インピーダンス値(つまり、最小電圧フィードバックピーク値)をもたらす走査範囲で特定の励振周波数としてポンプ10の共振周波数を求める。
【0170】
8.2.2 インパルス応答法
第2の手法は、動的インピーダンスを測定することによってではなく、システムのインパルス応答を測定することによって共振周波数を測定する。これは、ハンマーを用いて音叉を打ち、その音叉の周波数を測定することと全く等価である。圧電は電気インパルスで打たれ、次いでポンプシステムの中に伝わる物理的な衝撃波のための電圧フィードバック線を介して「聞かれ」、次いで圧電に「戻り」、物理的に圧電を移動させ、反響した電気インパルスを発生させる。インパルス励振とエコーとの間の時間の逆数は、システムの共振周波数である。
【0171】
インパルス応答法の例示的な基本ステップは図11Bに示される。インパルス応答法を実現するためのルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行されることができ、ステップ11B−1において開始される。以前の記載を考慮して理解されるように、ステップ11B−2において、インパルス応答ルーチンは、圧電アクチュエータ駆動回路18のPWMサーボ機能をオフにする。次いで、インパルス応答ルーチンの残りのステップで、ポンプ10の共振周波数はステップ機能駆動信号を用いて圧電ダイヤフラム(たとえば、圧電アクチュエータ14)を「検査(ping)し」、次いで、「エコー」を探すために圧電アクチュエータ14の両端の電圧を連続的に監視することによって直接に測定される。エコー周期の逆数は共振周波数である。
【0172】
ステップ11B−4として、マイクロコントローラ116はステップ機能駆動モードを開始させ、ステップ機能駆動モードでは、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅はステップ機能に従って設定される。つまり、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅は最初に第1の値で設定され、次いで第2の(より大きな)値に増加され、次いで第3の(さらにより大きな)値に増加されるなどである。言い換えると、インパルス応答ルーチンは駆動信号を変化させ、その間中、ステップ11B−5として、線に沿った出力モニタ122からの電圧フィードバック信号線105に沿った電圧フィードバック信号は、マイクロコントローラ116またはいくつかの他のプロセッサによって監視される。エコーが見つけられるとき、ステップ11B−6において、エコー周期の逆数は圧電アクチュエータ14の共振周波数として考えられる。
【0173】
9.0 センサ信号を受取る駆動回路
上述のように、コネクタ110は1つ以上のセンサに接続されることが可能である。このようなセンサは、対応するセンサ信号を圧電アクチュエータ駆動回路18および特にマ
イクロコントローラ116に供給する。たとえば、図19は、アクチュエータ駆動回路18に印加される、たとえばセンサからのデジタル入力信号を示す。パルス発生器(たとえば、マイクロコントローラ116)は、デジタル入力を受取り、デジタル入力信号を線105上のフィードバック信号と組合せて、組合せられた出力191を生成する信号論理組合せ機能190を有する。信号論理組合せ機能に入力される前に、線105上のフィードバック信号はアナログからデジタルに変換されることができる。当業者は、幅広く理解されている制御理論を考慮して信号論理組合せ機能190の働きを理解する。なぜなら、信号論理組合せ機能190は基本的には、パルス発生器100の出力を修正するためにデジタル入力信号を使用するためである。
【0174】
図19に示されるデジタル入力信号は、図3Cに示されるグラフィカルユーザインターフェイスなどから、または図3Dに示されるポンプ内センサから、または図3E、図3Fおよび図3Gに示される(たとえば)その他の場所に位置するセンサからのものであり得る。たとえば、ポンプが冷却のために使用され、検出された温度が上昇していることをパルス発生器100へのデジタル入力信号が示す場合、制御理論を使用して、信号論理組合せ機能190はポンプ動作を強めるであろう。逆に、デジタル入力信号によって示されるように温度が低下する場合、パルス発生器はポンプ動作を低下させるであろう。
【0175】
10.0 駆動信号の波形の最適化
以前に示されたように、波形最適化モードでは、圧電アクチュエータ駆動回路18は、最適化された波形を有する駆動信号を発生させてポンプの圧電アクチュエータ14に印加するために、以前に準備されたおよび/または予め格納された情報(たとえば、波形形状データ)を使用し得る。以前に準備されたおよび予め格納された情報は、ルックアップテーブル140(図5B参照)などのテーブルに格納されることができる。この情報は、波形が1つ以上の基準(たとえば、1つ以上の動作パラメータ/変数)に対して最適化されるように準備されることができる。波形形状データは、より効率的に、より少ないノイズのために、および願わくは最小限の(もしあれば)電荷回復措置を用いて供給される電力を圧電アクチュエータに使用させる目的を含む目的のために波形最適化モードで最適化される。
【0176】
10.1 波形最適化装置
図13は、波形最適化値のテーブルを生成する例示的な実施例の波形オプティマイザー200を示す。波形オプティマイザー200によって作り出される波形最適化値は、ターゲット圧電ポンプのための駆動信号を発生させるためのターゲット駆動回路によって波形形状データとして使用されるように意図される。これらの波形最適化値を作り出すために、波形オプティマイザー200は、デジタルアナログ変換器(DAC)201に印加される駆動信号を発生させ、その後アナログ駆動信号は(増幅器202によって)増幅され、線204に沿って圧電アクチュエータに印加される。圧電アクチュエータは動作ポンプの中に位置する。圧電アクチュエータ14およびポンプ10の素子を参照するために以前の図と同一の参照数字が図13で利用されているが、波形オプティマイザー200によって準備される波形最適化データはターゲットポンプおよびターゲット圧電アクチュエータのためのものであり、ターゲットポンプおよびターゲットアクチュエータは波形最適化データの生成中に駆動される同一のポンプ/圧電アクチュエータであり得るが、必ずしも同一のポンプ/圧電アクチュエータではないことが理解されるべきである。この点に関して、波形オプティマイザー200によって準備される波形最適化データは、別の(しかしながら、好ましくは同様のタイプの)圧電アクチュエータのためのものである場合もあれば、波形最適化データの生成中に利用されるものとは別の(しかしながら、好ましくは同様のタイプの)ポンプのためのものである場合もある。
【0177】
以前に示されたように、波形オプティマイザー200によって準備される波形データは
、1つ以上の動作パラメータ、たとえば1つ以上の基準に対して最適化されることができる。最適化可能な基準の例は、流れ(たとえば、ポンプを通る流体の流量)、加速度、ノイズのなさ、圧力、温度、高度、電力消費、および他のアナログもしくはデジタルフィードバック装置からの信号または入力を含む。駆動信号波形の最適化は典型的には、最適化される動作パラメータに関する信号(たとえば、フィードバック信号)を得るためにセンサを使用することを伴う。2つ以上のこのようなセンサが利用されてもよく、このようなセンサの位置および/または位置決めは検出/最適化されるパラメータに依存する。簡潔にするために、図13は総称的に単一のセンサ112−13を示す。利用されるセンサのタイプおよび性質に応じて、波形オプティマイザー200は、センサ信号を波形オプティマイザー200によって使用可能なものにするセンサインターフェイス208を含んでもよい。たとえば、センサインターフェイス208はアナログデジタル変換器(ADC)222(図16参照)を含んでもよい。
【0178】
続く説明には、最適化されるパラメータがポンプを通る流体の流れである、例示的で非限定的な波形最適化シナリオが記載される。このような例示的なシナリオでは、センサは流量計である可能性があり、この流量計はポンプの出口またはポンプの出口から下流に位置決めされてもよいことが理解されるべきである。
【0179】
波形オプティマイザー200は線204に沿って駆動信号を出力する。1つの例示的な実施例では、波形オプティマイザー200は駆動信号として使用されるデジタル出力信号を発生させるための、以前に記載されたパルス発生器および/またはマイクロコントローラのものと似た構成要素ならびに動作を有することが認識される。さらに、波形オプティマイザー200は典型的には、波形最適化プログラム210などの実行可能なプログラムを含む。波形最適化プログラム210は、圧電アクチュエータに印加されるべき駆動信号を発生させるため、および波形最適化データ値のテーブルを得るために解かれる波形方程式を発生させるためにメモリに格納された命令に基づいてステップを実行する。波形最適化データ値は、図13にテーブル212として示される波形オプティマイザー200のテーブルメモリに格納される。
【0180】
入力/出力装置220は波形オプティマイザー200に接続され、そのため、テーブル212に格納された波形最適化データはそこから取出されることができる。入力/出力装置220は、(テーブル212からデータ値を読取るための)ディスプレイ、または(リードオンリメモリ(ROM)に値を格納するためのROMバーナーなどの)ハードウェアメモリ生成装置などのさまざまな形態を取り得る。
【0181】
10.2 波形最適化伝達技術
図14は、圧電ポンプのパルス発生器が最適化された波形を生成できるようにするための手順の一般的な局面またはイベントを示す。イベント14−1として、波形オプティマイザー200は、機能ポンプの中で動作している圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように(図13に示される例示的な態様で)接続される間、(たとえば、波形最適化プログラム210を実行することによって)波形最適化手順を実行する。上述のように、この接続にかかわる特定のアクチュエータまたはポンプは、波形最適化データが利用されることになるターゲットアクチュエータ/ポンプと同一のものである場合もあれば、同一のものでない場合もある。図14に示されるように、イベント14−1の実行中に、波形オプティマイザー200は波形最適化に影響を及ぼす1つ以上の動作パラメータ(「基準」)に関するフィードバックまたは少なくとも境界条件を受取ってもよい。上述の例示的なセンサ112−13は、動作パラメータの1つのタイプのための信号を印加する一例である。いくつかの実施例では、波形最適化は1つだけの動作パラメータのために実行され得るが、図14は任意の数(「N」)の動作パラメータのための入力を考慮する。
【0182】
波形オプティマイザー200の出力は、波形形状データとしても公知の波形最適化データのテーブルまたは一覧である。このようなテーブルのための波形最適化データの生成は、図14のイベント14−2として示される。このようなテーブルの例示的なフォーマットは、後に記載される図18Aおよび図18Bに示される。
【0183】
波形オプティマイザー200によって生成される波形最適化データは後に、ターゲットポンプにおいて線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号を線に沿って印加される波形を最適化するために(本明細書に記載される実施例などの)ターゲット圧電アクチュエータ駆動回路18において使用されることになる。波形オプティマイザー200によって生成される波形最適化データのターゲットポンプへの伝達は、図14にイベント14−3A、14−3Bおよび14−3Cによってそれぞれに示されるモードなどのいくつかのモードで発生し得る。
【0184】
波形最適化データ伝達モード14−3Aとして、波形オプティマイザー200によって生成される特定の波形最適化データは、利用されるターゲットポンプのパルス発生器100を含むかまたはパルス発生器100にアクセス可能なメモリテーブルへの入力であり得る。たとえば、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)などは、波形オプティマイザー200によって作り出された波形最適化データを圧電アクチュエータ駆動回路18のためのメモリに入力するために利用されることが可能である。メモリは、(たとえば、マイクロコントローラ116のための)オンボードメモリである可能性もあれば、メモリの他の形態(たとえば、リードオンリメモリ(ROM))である可能性もある。
【0185】
波形最適化データ伝達モード14−3Bとして、波形オプティマイザー200によって生成される特定の波形最適化データは、メモリチップまたは他のメモリ装置にテーブル形式で格納されることができ、その後、波形最適化データを有するメモリチップ/装置はターゲットポンプの圧電アクチュエータ駆動回路18にインストールされることが可能である。このモードは図15Aおよび図15Bにも示され、ターゲットポンプのパルス発生器100に基本的には組入れられる、メモリテーブル212の形式の波形最適化データのバージョンを示す。
【0186】
波形最適化データ伝達モード14−3Cとして、波形オプティマイザー200によって生成される特定の波形最適化データは、テーブル形式で、またはそうでなければターゲットポンプのマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラに格納されることができる。たとえば、伝達モード14−3Cでは、マイクロコントローラ116全体およびおそらく圧電アクチュエータ駆動回路18全体がターゲットポンプに供給される。
【0187】
10.3 波形最適化データ準備手順
波形オプティマイザー200によって実行される波形最適化プログラム210の論理は、さまざまな方法で順に行なわれることができ、配置されることができ、フォーマット化されることができ、プログラムされることができる。さらに、波形オプティマイザー200は、分散された態様でまたは統合された態様で、以下に示される例示的なステップなどの基本的な動作を実行する1つ以上のコントローラ、プロセッサまたはASICを含んでもよい。図16に示される1つの非限定的で例示的な構成では、波形最適化プログラム210は、ダイナミックローダブルライブラリ226に関連して機能するプログラムインターフェイスツール224を含む。好適なプログラムインターフェイスツールの一例は、ナショナルインスツルメンツラボVIEW(National Instruments LabVIEW)(登録商標)である。ダイナミックローダブルライブラリ226は、コンパイラによって作られるモジュールであり、たとえばCなどのプログラミング言語で書かれるコードであってもよい。プログラムインターフェイスツールまたはプログラミングアプローチの他のタイプが代替的に利用されてもよい。
【0188】
図17A〜図17Dは、波形オプティマイザー200によって実行される非限定的で例示的な波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。ステップ17−1は波形最適化手順の始まりを表わす。
【0189】
基本的には、波形最適化手順は最初に波動方程式の係数を求める。波動方程式の係数は、ポンプの少なくとも1つの動作パラメータを最適化するために求められる。次いで、波形最適化手順は、ポンプの圧電アクチュエータ駆動回路によって利用されることができる波形形状データを得るために波形方程式を解き、そのため、波形の周期内の複数のポイントの各々ごとに、駆動信号は予め定められた波形の形状(たとえば、ポンプのために最適化される波形の形状)に適切な振幅を有する。波形形状データはメモリ(図13のテーブルメモリ212など)に格納され、図14のイベント14−3A、14−3Bおよび14−3Cによって示されるモードなどのモードで圧電アクチュエータ駆動回路に伝達されることができる。波形形状データは、振幅値、たとえば図18Aのテーブル140−18Aの態様のように波形周期の複数のポイントが対になった振幅値の形態を取ってもよい。代替的にまたは追加として、波形形状データは、たとえば図18Bのテーブル140−18Bの態様で波形周期の複数のポイントが対になったパルス幅変調値の形態を取ってもよい。
【0190】
任意の好適な基本波形方程式は、たとえば正弦波、方形波、矩形波などの波形オプティマイザー200によって利用されることが可能である。ここで記載される非限定的で例示的なモードでは、方程式1の一般的な形態を有する基本波動方程式が利用される。
【0191】
【数1】
【0192】
方程式1では、Dはボルト単位の駆動振幅であり、fはHz単位の動作周波数であり、Nは考慮されるべき高調波の数であり、i=0,...N−1は高調波の指数範囲である。
上に記載され、以下により詳細に説明されるように、方程式1の波形方程式の係数AiおよびBiが最初に求められ、その後、波形方程式がその振幅(電圧)Vのために解かれる。方程式1では、係数AiおよびBiについて、添字iは基本項の対(i=0のとき)および高調波項の対(i>0の項)のサイン項ならびにコサイン項にそれぞれに関連付けられる。
【0193】
ステップ17−2からステップ17−4は、波形最適化手順で利用されるさまざまな変数のための初期化動作を伴う。これらの初期化動作は、図17Cに示される例示的なステップを有する係数決定ルーチンの呼出の準備として実行される。係数決定ルーチンは、さらなる高調波項が波形方程式に加えられるときに、係数添字カウンタiとしても公知の係数のための高調波の対のカウンタがインクリメントされる外側ループの実行を伴う。したがって、ステップ17−2として、係数添字カウンタiは0で初期化される。さらに、係数決定ルーチンによって実行される各々の係数の決定は、特定の値step_sizeによって係数の大きさを増加または減少させることを伴う。したがって、ステップ17−3として、最初のstep_size(たとえば、0.2)が選択される。さらに、係数決定ルーチンは項の高調波の対のサイン項およびコサイン項の対の両方のために波形方程式の係数を求めるが、1つの項(「アクティブな」項)だけが任意の所与の時間に求められた係数を有する。したがって、ステップ17−4として、サイン項は第1のアクティブな項(たとえば、active_term=sine)として設定される。
【0194】
上述のように、波形最適化手順は、1つ以上の動作パラメータ(たとえば、動作基準)に従って最適化される波形形状データを生成することが可能である。1つ以上のこれらの動作パラメータに対して特定の境界条件が存在する可能性があり、その範囲内でポンプは動作しなければならない。たとえば、流体の流れがこのような動作パラメータである場合、ポンプの動作は流れの値の特定の範囲内でのみ許容可能であり得る。したがって、任意のステップ17−5は、波形最適化手順のための境界条件を入力することを伴う。たとえば、ステップ17−5において、上部の流体流量および/または下部の流体流量が波形最適化手順に入力されてもよい。
【0195】
次のステップ17−10は、波形方程式の係数を求めるための係数決定ルーチンの実行を伴う。前触れとして波形方程式の係数AiおよびBiの公称予備値がステップ17−7において得られる。1つの例示的な実現例では、係数AiおよびBiのこれらの公称予備値は好ましくは不揮発性メモリに格納される。次いで、波形方程式の係数AiおよびBiのこれらの公称予備値を使用して、波形方程式は、動作するポンプの圧電アクチュエータに線204に沿って印加される駆動信号を発生させるために、ステップ17−8において波形オプティマイザー200によって利用される。ステップ17−9によって示されるように、波形最適化プログラム210は、さらなる動作を継続する前に(好ましくは予め定められた)整定時間を待つ。整定時間はポンプの利用の分野に依存するが、たとえば約20秒であってもよい。整定時間が経過した後、シンボル17−10によって示されるように、波形最適化プログラム210は図17Bに示されるステップで実行を継続する。
【0196】
図17Bのステップ17−10として、波形方程式の係数は第1の動作基準に基づいて計算される。このステップ17−10は基本的には、図17Cに示されるサブステップを有する係数決定ルーチンを呼出すことを伴う。後に説明されるように、図17Cの係数決定ルーチンの実行は(図17Dに示される)テーブル生成ルーチンを呼出し、テーブル生成ルーチンは最終的には(図13のテーブル212などの)波形形状データのテーブルの生成をもたらす。
【0197】
ステップ17−10の係数決定ルーチンが波形方程式のすべての係数、たとえばすべての高調波項の対を求めた後、ステップ17−11において波形最適化プログラム210は係数をさらに正確なものにする機会を与える。特に、ステップ17−10において求められた係数から始まり、その係数を基にして、波形オプティマイザーはステップ17−10を基本的には繰返すことによって動作し続ける。そのようにする前に、ステップ17−12において適切なカウンタおよび値がリセットまたは再初期化される。たとえば、係数添字カウンタは0で再初期化され、step_sizeの値は再びリセットされ、active_termはサイン項を指し示すように設定される。波形オプティマイザーは、ステップ17−10を数回繰返すように元に戻ってもよく、そのたびに最後のループの間に計算された係数を次にくるループの開始係数として使用する。たとえば、ステップ17−10が第1の基準に基づいて三回実行されるようにループが繰返されてもよい。
【0198】
さらに正確にすることに加えて、オプションとして、波形オプティマイザーは冗長性検査のための機会ももたらす。つまり、第1の基準に対して波形係数を最初に求めた後、ステップ17−13において、波形オプティマイザーは、新しく初期化された係数で最初からやり直すことができ、ステップ17−10の冗長性によって起動される実行がステップ17−10の元々の実行と同等の係数を生み出したかどうかを調べるためにステップ17−10を一回以上実行する。ステップ17−13の冗長性検査は、同一の基本的な波形方程式または別の波形方程式を使用することを伴い得る。ステップ17−11の冗長性検査は、所望の回数実行されることが可能である。示されていないが、ステップ17−10の係数決定ルーチンを繰返す前に、ステップ17−12と同様の態様で、適切なカウンタおよび値がリセットまたは再初期化されることが認識される。(ステップ17−13におい
て判断されるように)冗長性検査が実行された場合、図17Cの係数決定ルーチンによって準備される波形形状データのテーブルの複数のバージョン(係数決定ルーチンの各々の実行ごとに1つのバージョン)が存在することになる。ステップ17−14は、両方のテーブルにおいて係数が同様に収束することを確認するために複数のバージョンを比較することを伴う。確認が比較によって得られない場合、適切な措置(たとえば、係数決定ルーチンのさらなる繰返し、または多数決、または一方のテーブルもしくは他方のテーブルを受入れるための予め定められた論理の実現)が取られ得る。
【0199】
上述のように、いくつかの用途および/または動作のモードでは、波形最適化プログラム210は1つの動作パラメータのみ(たとえば、1つの基準のみ)に基づいて波形形状データを最適化し得る。これに対して、他の用途および/または動作のモードでは、波形最適化プログラム210は複数の動作パラメータ(たとえば、2つ以上の基準)に基づいて波形形状データを最適化し得る。ステップ17−15からステップ17−18と称される図17Bの一連のステップは、最適化が複数の動作基準に基づくかまたは複数の動作基準を考慮に入れるときに実行されることができる。これらの複数の基準ステップが任意である(たとえば、1つだけの動作パラメータのために最適化されるモードに対しては実行されないかもしれない)ので、これらのステップは破線で枠を付けられて示される。
【0200】
例示的で非限定的な実現例では、波形最適化プログラム210が複数の動作基準に基づいてその最適化を実行する(たとえば、多変数最適化)場合、波形方程式の係数は一つずつおよびシーケンシャルな態様で考慮される。たとえば、波形方程式の係数は最初に、係数決定ルーチンの第1の実行によって、第1の動作パラメータ(たとえば第1のフィードバック信号に基づく第1の動作基準)に対してステップ17−10において求められる。次いで、係数の第1の組が求められた後、それらの係数は(ステップ17−16において)係数決定ルーチンの第2の実行のための開始ポイントとして利用され、係数決定ルーチンの第2の実行中に、第2の動作パラメータが(たとえば、第2のフィードバック信号に基づいて)係数決定に影響を及ぼす。同様に、最適化が依存する他の動作基準が存在する場合、最も最近に求められた係数が(ステップ17−18において)係数決定ルーチンの別の実行のための開始ポイントとして利用され、係数決定ルーチンの別の実行中に、別の動作パラメータが(たとえば、さらに別のフィードバック信号に基づいて)係数決定に影響を及ぼす。
【0201】
もちろん、係数決定ルーチンの各々の実行の前に、適切な初期化およびリセットがなされなければならない(たとえば、i=0、step_size、active_term=sine)。これらの初期化およびリセットはステップ17−15およびステップ17−17によって表され、これらはそれぞれのステップ17−16およびステップ17−18に先行する。
【0202】
複数の基準を受取る(たとえば、複数のセンサ入力を受取る)ときに波形最適化を実行するための他の技術が可能である。たとえば、代替的な実現例として、ステップ17−10などのステップは、(一次入力と考えられる)センサ/入力のうちの1つに対して実行されることができる。たとえば、一次入力はポンプにおける流れであるかもしれない。波形オプティマイザ−は、ニ次基準として考えられる他のセンサからの信号の後を辿ることもする。特に、この代替的な実現例における波形オプティマイザ−は、ニ次基準センサのために受取られた入力信号が確実にニ次基準のための所定の境界値内であるようにするために監視する。ニ次基準センサのために受取られた入力信号が所定の境界値内である限り、一次センサのために得られた読取は有効化され、波形係数を計算するために使用される。しかしながら、ニ次センサのための入力がその境界条件以外であるときにはいつでも、一次入力信号は廃棄され、したがって、係数計算では使用されない。したがって、複数のセンサ入力のすべてが境界条件内であるときに集められたデータのみが、一次入力に基づいて波形係数を計算するために使用される。
【0203】
必要に応じてわずかな動作パラメータが、または必要なだけ多くの動作パラメータが考慮され、最終的な係数が求められた後、図17Dのテーブル生成ルーチンは最終波形形状データを含む。ステップ17−19として、最終波形形状データはテーブル212に格納またはバーンインされる。
【0204】
上記の例示的な説明では、係数を求める際に複数の動作基準が基本的にはシーケンシャルに考慮されたが、他の実施例では、波形方程式の係数はすべての動作基準を基本的には同時に考慮しながら求められ得ることが理解されるべきである。
【0205】
10.3.1 係数決定ルーチン
係数決定ルーチンの例示的なシナリオに関わる基本ステップは図17Cに示される。以前に示されたように、係数決定ルーチンは、波形最適化プログラム210の波形最適化手順が波形方程式の係数を求める準備が整うたびに呼出される。たとえば、図17Aおよび図17Bの波形最適化手順の例示的な論理では、波形方程式の係数が第1の動作基準に従って波形形状データを最適化するために求められることになるとき、ステップ17−10において係数決定ルーチンが呼出される。さらに、図17Aおよび図17Bの波形最適化手順の例示的な論理では、波形形状データがポンプのための複数の動作基準に依存して最適化されることになるとき、係数決定ルーチンは図17Bにおける例示的なステップ17−16および例示的なステップ17−18におけるように複数の動作基準の各々ごとに後に呼出されてもよい。
【0206】
続く説明から明らかであるように、係数決定ルーチンは、ステップの外側ループ内で入れ子にされたステップの内側ループを含む。ステップの外側ループは、係数添字カウンタiをインクリメントする。つまり、外側ループの第1の実行中に、内側ループは、波形方程式の項の基本的な対についてサイン項の係数A0およびコサイン項の係数B0の両方を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行される。外側ループの第2の実行中に、内側ループは、波形方程式の項の第1の高調波の対についてサイン項の係数A1およびコサイン項の係数B1の両方を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行される。同様に、外側ループの第3の実行中に、内側ループは、波形方程式の項の第2の高調波の対についてサイン項の係数A2およびコサイン項の係数B2の両方を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行されるなどである。
【0207】
ステップの内側ループは、波形方程式の単一の項の最適化された係数値を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行される。波形方程式の項の所与の対(たとえば、項の基本的な対または項の高調波の対のいずれか)について、内側ループは最初に、サイン項の最適係数を見つけるために(active_term=sineである間)必要に応じて何度でも実行される。サイン項の最適係数が求められた後、内側ループがコサイン項の最適係数を見つけるために必要に応じて何度でも実行されるようにactive_termは(active_term=cosineに)切換えられる。したがって、任意の所与の瞬間に求められる係数は、(サイン項またはコサイン項のいずれかを示す)active_term変数および(項がどちらの項の対に属するか、つまり項の基本的な対(i=0)に属するか、または項の高調波の対のうちの1つ(i>0)に属するかを示す)係数添字カウンタiによって求められる。
【0208】
係数決定ルーチンの始まりはステップ17C−1によって示される。係数決定ルーチンが起動された後、ステップ17C−2として、波形オプティマイザー200に接続された動作ポンプの圧電アクチュエータ14に駆動信号を印加するために波形方程式の現在の既存のバージョンが使用される。その後、たとえばおそらく時間遅延の後、ステップ17C−3として、係数決定ルーチンはポンプから受取られたフィードバック信号を評価する。たとえば、係数決定ルーチンのこの実行にとって関心のある基準がポンプにおける流体の
流れである場合、ステップ17C−3として流量計からのセンサ信号が評価される。
【0209】
この評価に関連して、ステップ17C−4として、係数決定ルーチンは基準センサからのフィードバック信号がその基準の必要条件と一致するかどうかを判断する。たとえば、フィードバック信号が流体の流れである場合、ステップ17C−3の論理はポンプを通る流体の流れが(所望のごとく)増加し続けるか、または流体の流れが不所望に減少するかどうかを判断し得る。フィードバックが必要条件と一致する場合(たとえば、流体の流れが増加し続ける場合)、次いでステップ17C−5として、求められている係数の現在の値は最新の最良の係数として格納される。これに対して、フィードバックが必要条件と一致しない場合(たとえば、流体の流れが増加するのではなく減少する場合)、次いで係数決定ルーチンは係数を求めようとする際に進みすぎたことを知り、したがって、ステップ17C−6として、係数決定ルーチンは係数の添字iのための最新の最良の係数値を使用することを受け入れる。
【0210】
ステップ17C−4のフィードバック一致調査は、波形最適化プログラム210が係数、したがって波形形状データを現在最適化しようとしていることを考慮して、1つの動作基準を参照して記載されてきた。ステップ17C−4のフィードバック一致調査は、波形形状データを最適化するために波形オプティマイザー200も要求され得る他の動作基準に関する調査も伴ってもよいことが理解されるべきである。たとえば、ポンプを通る流体の流れが増加していることを流量計からの信号が確実に示すようにステップ17C−4において調べている間に、ステップ17C−4における調査は、別の動作パラメータ(たとえば、動作基準)に関するフィードバック信号またはセンサ信号がその他のパラメータ/基準のための境界条件内であることを判断することを伴ってもよい。例として、流体の流れだけではなく流体の温度も考慮して波形形状データが最適化される例示的な実施例を考慮されたい。このような例では、ステップ17C−4において実行される第2の調査は、ポンプ室の中の温度を示す信号が確実に境界条件の範囲内である(たとえば、予め定められた温度を上回るかもしくは予め定められた温度未満である、または第1の予め定められた温度と第2の予め定められた温度との間である)ようにするというものであってもよい。
【0211】
基準センサからのフィードバック信号がその基準の必要条件に一致することがステップ17C−4において判断される場合、ステップ17C−5の後に、step_sizeの値が予め定められた値未満であるかまたは予め定められた値に等しいかどうかの調査がなされる。示されるモードでは、係数決定ルーチンによって利用されるstep_sizeの予め定められた最小値は0.001である。
【0212】
変数step_sizeがその予め定められた最小値に到達していない場合、係数決定ルーチンの内側ループのさらなる繰返しが係数を最適化するのに必要である。同一の係数のための内側ループのさらなる実行に備えて、ステップ17C−8からステップ17C−10が実行される。ステップ17C−8において、変数step_sizeの符号および大きさが調整される(たとえば、より小さな値にデクリメントされる)。これは、係数決定ルーチンが現在扱われている係数の最適値により近づくにつれてstep_sizeを減少させるためになされる。1つの例示的な実現例では、ステップ17C−8において、step_sizeの値は半分にされる。ステップ17C−9において、係数決定ルーチンによって現在扱われている項の新しい係数値は、(ステップ17C−8において計算されたばかりの)変数step_sizeの値を現在の項の最新の最良の係数値に加算することによって計算される。次いで、ステップ17C−10として、波形方程式は、係数決定ルーチンによって現在扱われている項の係数がステップ17C−9において求められたばかりの値を有するように更新される。その後、ステップ17C−10において更新される波形方程式が駆動信号をポンプに印加するために使用されるように内側ループが繰返される(ステップ17C−2に戻るように分岐
する)。
【0213】
変数step_sizeがその予め定められた最小値に到達したことがステップ17C−7において判断される場合、係数決定ルーチンの内側ループのさらなる繰返しは係数を最適化するのに必要ではない。この時点で、係数決定ルーチンによって現在扱われている項の係数の最適値は、少なくとも最適化が現在実行されている動作基準に対して求められている。したがって、係数決定ルーチンはここで、波形方程式の次の項の係数を求める準備ができており、ステップ17C−11を継続する。
【0214】
予め定められた最小値に到達する変数step_sizeの値は、係数決定ルーチンが特定の項の係数を求めることで終了されることを認識し得る1つの方法に過ぎない。係数決定ルーチンは、ステップ17C−4の必要条件の調査が満たされないときに(少なくとも現在の基準の)最適係数を求めたことも認識することができる。ステップ17C−4の調査が失敗する(たとえば、流体の流れが増加するのではなく減少し始める)とき、係数決定ルーチンは係数の値の増加の際に行き過ぎたことを認識する。したがって、このような場合には、ステップ17C−6として、係数決定ルーチンは現在扱われている項の係数として(ステップ17C−5の以前の実行時に求められた)係数の最新の最良の値を使用する。その後、係数決定ルーチンはステップ17C−11を継続する。
【0215】
ステップ17C−11は、係数決定ルーチンが現在最適化されている基準の最適係数を見つけたばかりであることを認識するときに実行される。係数決定ルーチンはここで、波形方程式の次の項のための内側ループを(必要に応じて何度でも)実行する準備ができている。処理されたばかりの項がサインであった場合、次の項はコサインになり、その逆の場合も同様である。このために、ステップ17C−11として、係数決定ルーチンは(たとえば、サインからコサインへ、またはコサインからサインへ)active_term変数を切換える。
【0216】
ステップ17C−12として、係数決定ルーチンは、所与の項の対についてサイン項およびコサイン項の両方の係数が完了されたかどうかを確認する。係数の添字iが0である場合、ステップ17C−12として、係数決定ルーチンは基本項の対についてサイン項の係数A0およびコサイン項の係数B0が完了されたかどうかを調べる。または、係数の添字iが1である場合、ステップ17C−12として、係数決定ルーチンは第1の高調波項の対のサイン項の係数A1およびコサイン項の係数B1が完了されたかどうかを調べる。所与の項の対の両方の係数が処理されていない場合、内側ループが項の対のコサイン項の係数を求めるために必要に応じて繰返し実行されることができるように実行はステップ17C−2に戻る。
【0217】
所与の項の対のサイン項およびコサイン項の両方の最適係数が求められたことがステップ17C−12において判断されたとき、すべての項の対が処理されたかどうかのさらなる調査がステップ17C−13においてなされる。言い換えると、ステップ17C−13は、係数添字カウンタの値が、波形方程式が最適化されている高調波の最大数に等しいかどうかを判断する。示される実施例では、波形方程式の7つの高調波がポンプの帯域幅内にあると考えられ、このために、係数決定ルーチンは、ステップ17C−13における調査がi=7であることを示すときにすべての項の対のすべての係数を見つけたことを認識する。
【0218】
(ステップ17C−13において判断されるように)係数が求められる必要のある他の項の対が残っているとき、係数決定ルーチンの外側ループが再び開始される。この点に関して、ステップ17C−14として、さまざまな再初期化およびリセットが発生する。たとえば、係数添字カウンタの値はインクリメントされ(たとえば、i=i+1)、step_
sizeの値は再びその初期値にリセットされ、active_term=sineである。ステップ17C−15として、新しい高調波のための項の新しい対が波形方程式に加えられる。その後、外側ループは再び、ステップ17C−2に戻るように分岐することによって、今回は新しい高調波項の対のために内側ループを起動する。
【0219】
(ステップ17C−13において判断されるように)波形方程式のすべての項の対の係数の最適値が(少なくとも現在のところ考えられる動作基準に対して)求められたとき、ステップ17C−16として、図17Dのテーブル生成ルーチンが実行される。図17Dのテーブル生成ルーチンが完了され、図18Aのテーブル212−18Aまたは図18Bのテーブル212−18Bなどのテーブルのバージョンが係数決定ルーチンのこの実行の間に生成された後、係数決定ルーチンはステップ17C−17によって示されるように終了される。
【0220】
10.3.2 テーブル生成ルーチン
図17Dのテーブル生成ルーチンは、係数決定ルーチン(図17C参照)のいくつかの可能な実行のうちの1つが(少なくとも係数決定ルーチンが呼出された動作基準に対して)波形方程式の最適係数を求めたことを判断するたびに、呼出される。図17Cの係数決定ルーチンの例示的な論理では、テーブル生成ルーチンはステップ17C−16として呼出される。
【0221】
テーブル生成ルーチンへの入りはステップ17D−1として示される。この時点で、最適化された基準に対して求められる波形方程式のすべての最適化された係数は公知である。ステップ17D−2として、波形オプティマイザー200によって実行される波形最適化プログラム210は、波形に沿った各々のポイントごとに振幅(たとえば、電圧V)を求めるために、波形に沿った各々のポイントごとに波形方程式(波形方程式はここで公知の最適化された係数を有する)を解くかまたは評価する。波形周期が360度として考えられるので、波形に沿ったポイントは度として考えられる(または、ポイントの数は数分の1度のように十分に大きいものであるはずである)。図12の例示的な正弦波形では、各々のポイントX1,X2,...などは1つの周期の1度または数分の1度に対応し、波形に沿った各々のポイントXは対応する(電圧)振幅Vを有する。
【0222】
ステップ17D−3として、テーブル生成ルーチンはステップ17D−2において求められた振幅値を使用して初期テーブルを構築する。例示的なこのようなテーブルは、概して図18Aに示されるテーブル212−18Aのフォーマットに似たフォーマットを有し、振幅値Vは波形に沿った対応する周期ポイントXと対になる。
【0223】
1つの実現例では、波形方程式がステップ17D−2において評価されるポイントXの数は1000を超えてもよい(たとえば、10000または20000でさえあってもよい)。しかしながら、現実的な問題として、はるかに小さい数のポイントの値が実際には必要である。したがって、任意のステップ17D−4として、ステップ17D−3において生成されたテーブルの大きさは、波形に沿って選択された(好ましくは、等間隔に置かれた)ポイントのみを使用することによって低減されてもよい。たとえば、ステップ17D−3において生成されたテーブルの大きさが20000ポイントである場合、テーブルの大きさは波形に沿った1000番目のポイントごとのみを利用することによって低減されてもよい。
【0224】
別の任意の動作ではあるが、好ましい動作として、ステップ17D−5として、テーブル生成ルーチンは、それが生成するテーブルの中に、ポイントX1、X2などの各々ごとにパルス幅変調値を含むこともでき、このパルス幅変調値は所望のそれぞれの振幅、したがって所望の全体的な波形を生み出す。このようなテーブルの例示的なフォーマットは図1
8Bのテーブル140−18Bによって示される。この実現例では、テーブル140−18Bは、周期Pを通る波形に沿って選択された間隔またはポイントにおいて(ターゲットポンプのための圧電アクチュエータ駆動回路18によって利用されるように)線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのためのパルス幅をもたらす。
【0225】
図17Dのテーブル生成ルーチンがそのテーブルの生成を完了した後、テーブル生成ルーチンはステップ17D−6によって示されるように終了される。図17Aおよび図17Bの波形最適化プログラム210が完了された際に、そのように生成されたテーブルがテーブルの最新バージョンとして残る場合、ステップ17−19として、テーブルは適切に格納され、バーンインされ、または利用される。言い換えると、そこに格納される波形形状データをターゲットポンプのためのターゲット圧電アクチュエータ駆動回路に伝達するための選択された伝達モードと一致するテーブルが格納または利用される。
【0226】
11.0 駆動回路:投与量送出のスケジューリング
マイクロコントローラ116の内部クロックシステムは、(1)フライバック回路102のための信号PWM−Aおよび信号PWM−Bを発生させるため、および(2)印加された電界の反転を制御するために使用される。これらの信号はもっぱらソフトウェア制御下にあり、したがって、駆動振幅および周波数はリアルタイムでおよび無限の数の方法で操作されることができる。たとえば、圧電ポンプは、連続的な流れを生成するために(たとえば)60Hzで400ボルトという従来の態様で駆動されることができ、または予定通りに患者に少量の薬剤を確実に送出するために1分ごとに400ボルトで1/30秒の間(1ポンプ「ストローク」)たとえば60Hzというもっぱら従来とは異なる、はるかにより複雑な態様で駆動されることができる。このような従来とは異なる動作は、図3H(1)および図3H(2)に関連して記載される送出スケジューラ160によって起動されることができる。このような例の場合、駆動回路は駆動信号を動的に変化させ、それによって、基本的には非連続的な投与量の流体がポンプによって送出されるように駆動信号は時間が経つにつれて変化する。
【0227】
低流量の用途では、ポンプは非常に遅い周波数(つまり、1分あたり1ストローク)で駆動されてもよい。この回路によって、フライバック発生は、ポンプがある期間の間電気的に浮動することになる方法でいつでも割込まれることが可能であり、機械的なポンプのストロークサイクルの中のいずれのポイントでもポンプの位置を保持する。したがって、マイクロコンピュータはトランスデューサを浮動させることができ、ある期間の間スリープ状態に行くことができ、フライバック発生が再開するまでポンプがその前回の位置に留まることになることを知っている。これによって、低流量の用途で非常に低い電力消費が可能になる。非常に長い「浮動」期間は、わずかな回路の修正によって達成されることができる。
【0228】
さらに、マイクロコントローラおよび送出スケジューラ160の正確なタイミング機能は、1日に1度工場に水を供給するために圧電ポンプを使用するなどの世界の時刻に関連する方法で特定の用途において圧電アクチュエータを制御するためにさらに利用される。
【0229】
12.0 駆動回路を用いた2方向の通信
不揮発性オンボードメモリによっても、各々の圧電制御回路18または圧電作動ホスト(利用)装置は直列化され、独自に特定されることが可能である。これは、製造品質制御に役立ち、アクチュエータが特定のリモートシステムの用途で利用されるときには特に重要である。たとえば、図3H(2)に示される通信チャネル164および通信インターフェイスは、1つ以上のポンプと制御エンティティ(たとえば、リモートユニット162)との間の2方向の通信をもたらすことができる。上述の直列化によって、ネットワークの中の各々のポンプは個々に制御可能であり、監視されるいずれの局所的なパラメータもシ
ステムコントローラによってアクセス可能である。
【0230】
13.0 エピローグ
圧電アクチュエータ14を駆動するためにさまざまな周波数で動作する、電子プリント回路基板(PCB)の形態で好ましいが排他的ではないように実施される圧電アクチュエータ駆動回路18は、比較的低いDC電圧を非常に高いAC電圧まで進める。圧電アクチュエータ駆動回路18は、いくつかの例を挙げると、(たとえば)首振り扇風機、空気圧縮機、スピーカ励振器、エアゾール器(たとえば、超音波撹拌器)、アクチュエータ、アクティブ弁、精密アクチュエータなどの、ポンプ以外の電気化学装置を駆動することもできるであろう。圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電素子および他の電気化学装置を駆動するために必要な電圧および周波数をもたらし、圧電アクチュエータ14の効率を最適化するのに必要な電圧および周波数を変更するオンボード機能を有利に有する。
【0231】
圧電アクチュエータ駆動回路18は、電圧、周波数、波形およびフィードバックループの点で、圧電/電気化学装置を基本的には完全に制御する。圧電アクチュエータ駆動回路18は、電力増幅器、信号発生器およびオシロスコープなどの大きな検査ならびに駆動装置が圧電装置を検査、評価および動かす必要性を排除する。圧力および温度などのフィードバックループによって、PDCは効率的な動作に適切な周波数を自動的に設定することができる。
【0232】
動作のPWMサーボモードでは、マイクロコントローラ116は、従来の切換電源の種類の方法で印加電圧を調整するために、トランスデューサに印加される電圧を連続的に監視し、PWMの特徴を動的に変更する。マイクロコントローラ116がポンプ駆動環境の要素−電圧、PWMデューティ、駆動周波数にアクセスできるので、アクチュエータの負荷および/または効率は駆動周波数を負荷に相互に関連付けることによって測定されることができる。これは、たとえば圧電ポンプにおける非常に価値ある機能である。この機能を使用して、ポンプの「共振周波数」は動的に求められることができ、ポンプ逆圧が測定され得ることが予想される。
【0233】
マイクロコントローラ116を有する圧電アクチュエータ駆動回路18は、調整抵抗器および温度もしくは圧力トランスデューサによって、またはオン/オフスイッチと同じぐらい単純な何かによってさえもたらされる入力などの外部ローカル入力を監視することができる。これらの入力は、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号を制御することによって圧電アクチュエータ14を制御するために使用され得る。
【0234】
上述のように、マイクロコンピュータは多くの利用可能なデジタル/アナログI/O線を有する。これらは、デジタルまたはアナログセンサ手段によって、温度、圧力、ダイヤフラムの位置、流れなどのものを監視するために使用されることができる。これらの入力は次いで、多くの方法でソフトウェアを介してポンプを制御するためにマイクロコンピュータの中で使用されることができる。入力は、システム監視のための2線式シリアルインターフェイスを介して制御システムに戻るように供給されることもできる。
【0235】
1つ以上の複数のおよび別個の局面に従って、圧電アクチュエータ駆動回路18は、エレクトロルミネッセント(EL)ランプ駆動装置および他の回路に勝るいくつかの利点を提供する。これらの利点の中で、圧電アクチュエータ駆動回路18はその選択された局面に従って以下をもたらすことができる。
【0236】
・ 圧電素子(たとえば、圧電アクチュエータ14)のための共振周波数の自動的な探索。これによって、変化する圧力および流れの下での最適性能を保証する。
【0237】
・ 1つ以上のフィードバックループ。これによって、1つ以上のセンサが駆動信号、したがって駆動波形に影響を及ぼすための検出された情報(圧力および温度など)を提供できる。
【0238】
・ 圧電素子からの直接のフィードバック。これによって、圧電素子によってなされる「動作」の検出が可能になる。
【0239】
・ 電力消費の低減、およびリモート検出用途のためのスリープモード。
・ ELランプ駆動装置による、以前に達成可能であったものよりも高い電圧。
【0240】
・ 可変駆動信号波形。これによって、圧電がより静かに、およびより効率的になる。
・ 電界において変更されることができないキャパシタまたは抵抗器などのボード構成要素によって電圧および周波数トリマー/抵抗器を設定するのではなく、ボード上で電圧および周波数トリマー/抵抗器を制御すること。
【0241】
・ プリントデジタル回路上の複数の駆動電子機器。これによって、いくつかの圧電素子が同一の電圧および周波数で1度に駆動されることができる。
【0242】
・ 「注射器」のようなモード。つまり、非常に正確な流れのための圧電素子の注意深い位置決め。
【0243】
・ 圧電素子を十分な偏向位置に位置決めでき、液体圧電弁の開発を可能にするようにそこに圧電素子を保持できるようにするための「設定および保持」機能。
【0244】
基本的には、圧電アクチュエータ駆動回路18によって、圧電素子(たとえば、圧電アクチュエータ14)がその動作の範囲内で常に最適効率および正確性で動作できるようになる。これによって、以下のものが可能になる。
【0245】
・ 正確な汲み上げを必要とする薬剤注入のために使用される圧電ポンプ。
・ 空気ではなく液体の冷却を使用するより効果的な電子冷却装置。(たとえば、コンピュータ製造業者は、受動的な冷却で現在のところ達成されることができる周波数よりもはるかに高い周波数でプロセッサを動作させることができ、それによって、コンピュータ/電子機器産業全体の様相を変える)
・ (たとえば、コンピュータ産業にとって)これまで以上により小さく、より軽量におよびより安くされる圧電装置。
【0246】
・ 燃料電池のための技術を可能にする圧電ポンプ。
このように、圧電アクチュエータ駆動回路18は、アクチュエータ駆動信号を反転させる必要な高電圧を発生させ、変化する周波数および電圧で圧電素子または電気化学装置を駆動し、アクチュエータおよびその環境の多くの鍵となるパラメータを監視するための手段、および外部入力を受取るための手段をもたらす。圧電アクチュエータ駆動回路18の別個に実現可能な局面に従って、これらのパラメータおよび入力は、圧電アクチュエータを制御し、その性能を最適化するためにリアルタイムで作用されることが可能である。圧電アクチュエータの動作特徴は、いつでもマイクロコントローラの中にプログラムされることができ、既存の構造の「モナリザ」特徴を完全に排除する。
【0247】
さらに、本明細書に記載される駆動回路は、(たとえば、インストールされた後)周波数または電圧を動的に変化させる機能を有し、それによって、周波数または電圧の最適化を容易にし、逆圧、温度および他の動作条件に対処する。
【0248】
この発明は、最も実用的および好ましい実施例であると現在のところ考えられているものに関連して記載されてきたが、この発明は開示される実施例に限定されるべきではなく、それどころか、特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれるさまざまな修正例および等価の構成を包含するように意図されることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】例示的な圧電ポンプの上面図である。
【図2】線2−2に沿った図1のポンプの側断面図である。
【図3】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3A】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3B】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3C】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3D】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3E(1)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3E(2)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3F】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3G】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3H(1)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3H(2)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3I(1)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3I(2)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3I(3)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3J】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図4A】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図4B】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図4C】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図4D】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図5A】例示的で非限定的な圧電アクチュエータ駆動回路の詳細な概略図である。
【図5B】PWMルックアップテーブルを含むことを示す例示的で非限定的な圧電アクチュエータ駆動回路の詳細な概略図である。
【図5C】別の例示的で非限定的な圧電アクチュエータ駆動回路の詳細な概略図である。
【図5D】図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路の変形例の詳細な概略図である。
【図6A】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6B】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6C】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6D】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6E】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6F】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6G】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図7A】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図7B】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図7C】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図7D】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8A】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8B】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8C】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8D】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図9A】キャパシタンスチェックルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図9B】キャパシタンス補償ルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図10A】圧電アクチュエータのキャパシタンスの決定に関与する原理を図示する波形の波形図である。
【図10B】圧電アクチュエータのキャパシタンスの決定に関与する原理を図示する波形の波形図である。
【図11A】インピーダンス測定ルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図11B】インピーダンスインパルス応答ルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図12】圧電ポンプのための駆動信号用の最適化された波形の波形図である。
【図13】圧電ポンプのための駆動信号用の波形最適化値のテーブルを生成する波形オプティマイザーの使用を示す概略図である。
【図14】圧電ポンプのパルス発生器が最適化された波形を生成できるようにするための手順の一般的な局面の概略図である。
【図15A】開ループ制御手法を用いて最適化された波形を生成する圧電ポンプのための駆動回路の概略図である。
【図15B】閉ループ制御手法を用いて最適化された波形を生成する圧電ポンプのための駆動回路の概略図である。
【図16】例示的な波形オプティマイザーの概略図である。
【図17】図17A〜図17Dの関係を示す概略図である。
【図17A】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図17B】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図17C】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図17D】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図18A】例示的な一実施例に従った、最適化された波形テーブルの概略図である。
【図18B】別の例示的な一実施例に従った、最適化された波形テーブルの概略図である。
【図19】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路によるデジタル入力信号の受取および取扱を示す概略図である。
【図20A】図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路を動作させる第1のモードについての信号図である。
【図20B】図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路を動作させる第2のモードについての信号図である。
【技術分野】
【0001】
本願は、同時に出願された以下の米国特許出願、すなわち米国特許出願第10/815,975号「圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路」(Piezoelectric Devices And Methods And Circuits For Driving Same)、米国特許出願第10/816,000号「圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路」、および米国特許出願第10/815,978号「圧電装置、およびそれを駆動するための方法ならびに回路」に関する。これらはすべて、それら全体がここに引用により援用される。
【0002】
背景
1.発明の分野
この発明は圧電素子に関し、特に、たとえばポンプなどの装置に利用される圧電素子を駆動するための回路および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術および他の考慮事項
圧電素子とは、機械的圧力を受けると電圧を生成する結晶材料である。それらのさまざまな特性に鑑みて、圧電素子は、ダイヤフラム変位ポンプにおけるアクチュエータとして使用されてきた。一般に、ポンプにおいて使用されるタイプの圧電アクチュエータは、規則的に反転する高電圧電界による励振を必要とする。用途により、励振電圧は25〜1000ボルト以上であってもよく、電界反転の頻度は数分の1サイクル/秒〜数千サイクル/秒であってもよい。通常、この励振信号は、1.5〜25ボルトという比較的低い電圧源から導出されなければならない。この導出または変換がエネルギ効率に非常に優れていること、および関連する構成要素が安価であることが望ましい。
【0004】
加えて、圧電アクチュエータおよびそれらを採用している装置が共に多くの共振特性をしばしば有する場合には、電界反転が単調であること、たとえば正弦波であることが望ましい。
【0005】
ポンプアクチュエータとして使用される圧電素子を駆動するためのかなり有効な駆動回路の一例が、米国特許出願第10/380,547号および米国特許出願第10/380,589号(共に2003年3月17日に出願され、「圧電アクチュエータおよびそれを用いるポンプ」(Piezoelectric Actuator and Pump Using Same)と題されており、それら全体がここに引用により援用される)に開示されている。その駆動回路はELランプ駆動回路を含んでおり、それは元々エレクトロルミネセント(EL)ランプを駆動するために設計されたものの、今では引用文献において圧電ポンプを駆動するために巧みに採用されている。このELランプ駆動回路は、カラーLCDの背面照光および自動車用途のために意図された、高パワーのスイッチモード集積回路(IC)インバータである。この特に設計されたELランプドライバICと、放電回路などのいくつかの構成要素とが、ELランプ駆動回路の完成品を構成している。
【0006】
より詳細に説明すると、このELランプ駆動回路は、比較的高い周波数の発振器または状態機械を使用してフライバック回路を駆動し、蓄積キャパシタに蓄積される高電圧電荷を生成する。蓄積キャパシタは次に直流電流の高電圧源として取扱われ、直流電流がブリッジタイプのスイッチング回路に印加され、それは、第2の発振器または状態機械によって、もしくはフライバック発振器から導出された信号によって駆動され、反転した電界効果を生成する。
【0007】
これらのELランプ駆動回路はエレクトロルミネセント照明業界においてすでに広範に採用されており、したがって、回路素子の多くは「ワンチップ」解決策に統合されている。このELランプ駆動技術/回路は進化して、携帯電話、携帯情報端末(PDA)および電子ゲームなどの手持ち型電子装置のディスプレイを駆動するようになった。回路は、低い周波数と少ない電流引込みとで、および比較的高い周波数で動作可能であり、携帯用途にとっては非常に魅力あるものになっている。さらに、放電回路設計に搭載されると、EL回路は、ELランプシステムノイズ、すなわち他のICまたはチップの動作に影響を与えるノイズを最小限に抑える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
圧電ポンプにおける全体的に巧妙で全体的に有利なその利用にも拘らず、ELランプ駆動回路を使用するいくつかの局面は問題をはらんでいる。いくつかの問題例をここで簡単に説明する。
【0009】
第1の問題例としては、ELランプドライバは、一旦設置されるとそれが固定周波数でしか動作しないという点で制限されている。ELランプドライバにおいて使用される発振器および/または状態機械は固定されている。したがってELランプ駆動回路は「モナ・リザ」、すなわち各回路が固定フライバック周波数を有する回路である。その結果、圧電ポンプで使用される場合、ELランプ駆動回路は、固定された圧電駆動周波数と、固定された出力電圧対入力電圧/負荷比とを提供する。圧電ポンプで使用される場合、ELランプ駆動回路は、製造時点で構成要素の値を変えることによって、ある特定の圧電用途に「調整」される。
【0010】
第2の問題例としては、ELランプ駆動回路からの出力波形は、(ELランプ駆動回路による波形出力における鋭いピークに起因する)負荷の下でも圧電において可聴ノイズを作り出す修正された鋸波である。これは、1つには、未加工で幾分直流の電流源を採用しているELランプ駆動回路のアーキテクチャに起因する。この電流源は反転電界を生成するためにブリッジ回路によってデジタル式に切換えられ、そのため、結果として生じる駆動波形は純粋なものとは程遠い。方形波および鋸波は、不規則に時間変化する周波数成分信号が典型的である状態では一般的である。しかしながら、非音声用途では、圧電アクチュエータおよびそれを採用している装置は通常、最大限の効率を得るために純粋な周波数で動作すること、および最小量の可聴ノイズしか生成しないことを必要とする。そのため、目標とする基本駆動周波数以外の周波数成分を有する駆動波形が印加されると、その異質の周波数成分は圧電素子の作業出力を少ししか増大させず、しかしながら望ましくないアクチュエータ可聴ノイズを多大に増加させる。
【0011】
第3の問題例としては、ELランプ駆動回路への唯一の可変ユーザ入力は電圧入力(Vin)である。ELランプドライバアーキテクチャは、圧電アクチュエータをバイポーラ式に駆動するためにユニポーラ電圧源を採用している。この事実を考慮すると、圧電アクチュエータの両「側」がシステム接地以外の電圧電位を受けることは避けられない。導電性液体を汲み上げるポンプなどの用途では、アクチュエータの流体側が常にシステム接地のままであることが非常に望ましい。これは、ELランプ駆動回路を使用しては達成できない。
【0012】
現在の駆動アプローチは、外部制御入力を受入れ、またはローカルアクチュエータに関連したパラメータを監視する手段を有していない。共振検出、圧力フィードバック、温度フィードバック、外部変調などの能力は、考慮すらされていない。一旦設置された基板における周波数または電圧を変更する能力の欠如は、逆圧、温度および他の動作条件に対処するために周波数または電圧を最適化しようとする際に、回路の能力を厳しく制限する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡単な概要
駆動回路は、圧電アクチュエータを有する装置のために予め定められた波形形状の波形を有する駆動信号を生成する。駆動回路は、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データを記憶するメモリを含む。駆動回路は、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを利用する。
【0014】
例示的な一実現例では、駆動回路は、メモリに記憶された波形形状データを使用してデジタル信号を発生させるコントローラを含む。
【0015】
例示的な態様では、波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある。たとえば、例示的な一態様では、波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある振幅値を含む。別の例示的な態様では、波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にあるパルス幅変調値を含む。
【0016】
波形形状データは、好ましくは、装置の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである。装置がポンプである例示的な一実現例では、波形形状データによって最適化される動作パラメータは、ポンプ内の流体流、ポンプ内の圧力、加速度、およびノイズの無さのうちの1つであり得る。代替的な一実施例では、波形形状データは、ポンプの複数の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである。
【0017】
好ましくは、波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する。波形方程式について求められた係数の数は、装置の帯域幅内にある波形の高調波の数に依存する。
【0018】
その局面のうちの別のものでは、この開示は、駆動回路を利用する、または取入れている装置に関与する。非限定的な一例では、そのような装置は圧電ポンプである。そのようなポンプは、たとえば、少なくとも部分的にポンプ室を規定するための、かつポンプ室と連通する入口および出口を規定するためのポンプ本体をさらに含む。圧電アクチュエータはポンプ本体内に位置し、入口と出口との間の流体を汲み上げるための駆動信号に応答する。
【0019】
その局面のうちの別のものでは、この開示は、駆動回路(たとえば、圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路)によって利用されるメモリにも関与する。メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データを記憶する。
【0020】
その局面のうちのさらに別のものでは、この開示は、圧電アクチュエータを有する圧電装置を動作させる方法にも関与し、圧電アクチュエータは駆動信号に応答する。そのような方法のいくつかの態様は、メモリに記憶された波形形状データを使用して、駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成するステップと、次に駆動信号を圧電アクチュエータに印加するステップとを含む。いくつかのそのような方法では、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを使用して駆動信号を生成する。
【0021】
その局面のうちのさらに別のものでは、この開示は、ターゲット圧電装置のターゲット
駆動回路によって使用されるための波形形状データを作成する方法にも関与する(その圧電装置は、その駆動回路によって発生する駆動信号を受取る圧電アクチュエータを含む)。そのような方法は、動作装置の動作圧電アクチュエータに印加すべき駆動信号を発生させるステップと、装置の動作パラメータに従って装置からフィードバック信号を取得するステップと、フィードバック信号を使用して波形方程式の係数を求めるステップと、波形方程式を解いて波形形状データを取得するステップと、波形形状データをメモリに記憶させるステップとを含む。いくつかの例示的な態様では、この方法はさらに、ターゲット駆動回路にメモリをインストールするステップを含む。他の例示的な態様では、この方法はさらに、メモリから波形形状データを読出すステップと、波形形状データをターゲット駆動回路の別のメモリに記憶させるステップとを含む。さらに他の例示的な態様では、この方法はさらに、波形形状データをプロセッサに記憶させるステップを含む。いくつかの例示的な実現例では、この方法はさらに、波形形状の周期を構成する複数のポイントと対の関係にあるメモリ内の波形形状データをフォーマット化するステップを含む。好ましくは、フィードバック信号を使用して、1つ以上の動作パラメータの点で装置の性能を最適化する係数を求める。
【0022】
前述のおよび他の目的、特徴、および利点は、添付図面に図示されているような以下の好ましい実施例のより特定的な説明から明らかであり、図面では、さまざまな図全体を通し、参照符号は同じ部分を指している。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、発明の原理を例示することに強調がおかれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面の詳細な説明
以下の説明では、限定のためではなく説明のために、特定のアーキテクチャ、インターフェイス、手法といった特定の詳細が、この発明の完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、これらの特定の詳細からそれた他の実施例でこの発明が実践されてもよいことは、当業者には明らかである。他の点では、この発明の説明を不必要な詳細で不明瞭にしないよう、周知の装置、回路および方法の詳細な説明は省略されている。さらに、図面のいくつかには個々の機能ブロックが図示されている。当業者であれば、個々のハードウェア回路を用いて、好適にプログラムされたデジタルマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータとともに機能するソフトウェアを用いて、特定用途向け集積回路(ASIC)を用いて、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を用いて機能が実現されてもよいことを理解するであろう。この詳細な説明に表れる表題または本文の見出しは、ここに説明する発明をどのようにも定義または限定せず、単に読者の便宜のために挿入されている。
【0024】
1.0 代表的な圧電ポンプ構造
図1および図2は、駆動回路と、駆動回路によって駆動される圧電アクチュエータのホストとして働く例示的な利用装置とを図示するための単なる非限定的な例としての役割を果たす代表的な圧電ポンプ10を示している。少なくとも部分的に圧電素子から構成されるアクチュエータを有すること以外は、ポンプ10の図示された物理的構造は重大ではない。実際、ここに開示される駆動方法および駆動回路は、多くのタイプの利用装置で使用可能であり、ポンプ10の構造上の構成要素のうちのいくつかまたはすべての変形を有する異なるタイプの利用装置を含むもののそれらに限定されない。
【0025】
図1および図2の例示的なポンプ10は一般に、薄い円筒の形をしている。ポンプ10は、ポンプ本体12と、圧電アクチュエータ14と、ポンプカバー16と、圧電アクチュエータ駆動回路18とを含む。ポンプ本体12は入口22と出口24とを有し、それらの一方または双方はポンプ本体12の一部であってもよく、またはポンプ本体12に別の方法で固締された別個の部品であってもよい。ポンプカバー16は、任意の好適な手段によ
ってポンプ本体12に固締されてもよい。圧電アクチュエータ駆動回路18は、図1に示すように、ポンプ本体上の外部に位置付けられてもよい。また、これに代えて、ポンプカバーは、圧電アクチュエータ駆動回路18を構成する回路素子を有する回路基板(たとえばプリント回路基板、プリント配線基板)を部分的にまたは全体的に含んでいてもよい。この代替例では、回路基板は、ポンプ用の機械的または構造的部品という追加機能を果たす。圧電アクチュエータ駆動回路18のさらに別の位置も可能であり、圧電アクチュエータ駆動回路18が、圧電アクチュエータ14への電気導線/接続を含む適切な導線および/または導通を有することが理解される。
【0026】
ポンプ室30は、ポンプ本体12の中央にたとえば成型または機械加工によって形成される。ポンプ10の寸法、ひいてはポンプ室30の寸法は特定の用途に依存する。台座32は,ポンプ本体12の内部のポンプ室30の上部に設けられる。図2に示すように、圧電アクチュエータ14は台座32の上に取付けられて、ポンプ室30の上部にダイヤフラム(隔壁)を形成する。圧電アクチュエータ14と本質的に同じ外径を有するシールワッシャ34が、台座32の上にある。Oリングシール36が圧電アクチュエータ14の上部に位置して、圧電アクチュエータ14を所定の位置に保持する。
【0027】
例示された一実施例では、圧電アクチュエータ14は、1つ以上の高耐久化層(たとえば金属層)に/間に積層された圧電ウェハの形を取り得る。そのような圧電アクチュエータの一例は、米国特許出願第10/380,547号および米国特許出願第10/380,589号(共に2003年3月17日に出願され、「圧電アクチュエータおよびそれを用いるポンプ」と題されており、それら全体がここに引用により援用される)に例示されている。しかしながら、ここに開示される駆動方法および駆動回路は、任意の特定のタイプの圧電アクチュエータに制限されない。
【0028】
上述のように、図1および図2に示すような例示的なポンプの構造的局面は制約的ではない。たとえば、ポンプ本体の形状寸法、サイズ、組成および内部構成は、他の実施例または用途では変わり得る。さらに、ポンプ本体における圧電アクチュエータ14の載置または密封もしくは位置付けの態様は重大ではない。さらに、入口および出口の位置、数、配向および構造は重大ではなく、そのような入口および/または出口の1つ以上に、またはその近くにあり得る任意の特定の弁の存在またはタイプも重大ではない。
【0029】
圧電アクチュエータ駆動回路18は、好ましくは電子プリント回路基板(PCB)に具現化されているものの、必ずしもそうである必要はない。圧電アクチュエータ駆動回路18は、実施例および態様のいくつかが他の実施例および態様とともに実現される状態では、多くの異なる形または実施例を取り得、多くの異なる実施態様を有し得る(たとえば、いくつかの実施例/態様は、さらに他の実施例および態様を実現するために組合せられることが可能である)。
【0030】
2.0 駆動回路の例示的な実施例
圧電アクチュエータ駆動回路18の一般的で非限定的な例を、図3および図3A、図3B、図3C、図3D、図3E(1)、図3E(2)、図3F、図3G、図3H(1)、図3H(2)、図3I(1)、図3I(2)、図3I(3)、図3Jに示す。例示的な実施例および態様の各々では、圧電アクチュエータ駆動回路18は、一連の低電力長周期デジタルパルスを変換回路102に印加し、そのため変換回路102は、圧電アクチュエータ14によって一体化されるパケット電荷を印加することができる。これらの実施例の各々では、圧電アクチュエータ駆動回路18は駆動信号を圧電アクチュエータ14に印加し、圧電アクチュエータ14は利用装置を構成するかまたはそれに隣接もしくは近接している。圧電アクチュエータ14を使用する、または取入れている特定の利用装置は、用途および/または環境に依存する。ここで説明する1つの例示的で非限定的な利用装置は、圧電
ポンプである。
【0031】
2.1 デジタルパルスを提供する駆動回路
図3に簡略化された形で示されるように、圧電アクチュエータ駆動回路18は、デジタルパルス発生器100と変換回路102とを含む。電源103は、パルス発生器100および変換回路102の双方に電力を供給する。パルス発生器100は、低電圧長周期デジタルパルスを変換回路102に供給する。変換回路102は、高電圧短周期パルス(電荷パケット)の流れを圧電アクチュエータ14への線104上に出力する。このため、その局面のうちの1つとして、図3の(およびここに説明する駆動回路の他のすべての実施例の)圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータ14によって一体化されるデジタルパルスストリーム(たとえば一連の電荷パケット)を出力する。
【0032】
2.2 フィードバック信号を受取る駆動回路
その動作の一局面として、圧電アクチュエータ14は実際に、圧電アクチュエータ駆動回路18の一部としての役割を果たす。たとえばそのキャパシタンスなどにより、圧電アクチュエータ14は、変換回路102によって出力された短周期パルス(電荷パケット)を、線104上の駆動信号として一体化する。線104上の駆動信号の一体化に鑑み、線104上の駆動信号は実際に、正弦波の一般的形状を得る。このため、圧電アクチュエータ14は、圧電アクチュエータ駆動回路18の波形(たとえば線104上に印加される駆動信号)を形作るのに寄与する。
【0033】
変換回路102は、パルス発生器100からデジタルパルスを受取り、高電圧短周期パルス(電荷パケット)の流れを線104上に発生させる。図示された例示的な実施例では、パルス発生器100から変換回路102に印加されたデジタルパルスは、パルス幅変調と、線104上の駆動信号として生じる正弦波波形の振幅および周期に影響を与える周期またはサイクルとを有する。基本的な例示のため、図4Aは、パルス幅変調された一連のデジタルパルスを示している。図4Aの信号は周期Pを有し、デジタルパルスはパルス幅Wを有している。後で説明するように、幅Wを有する正のパルスは、線104上の駆動信号としての電荷の次の送出のために変換回路102のインダクタンスが充電される周期Pの一部に対応している。
【0034】
図3Aは、パルス発生器100が線105上のフィードバック信号を受取る圧電アクチュエータ駆動回路18Aの一実施例/態様を示している。線105上のフィードバック信号は、好ましくは、さまざまな目的に利用可能な電圧フィードバック信号であり、そのような場合にはアナログ信号である。たとえば、線105上の電圧フィードバック信号は、圧電アクチュエータ14の共振またはキャパシタンスを求めるために利用可能である。線105上の電圧フィードバック信号を用いて、圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータ14へ印加するための所望するどんな波形も構築することができる。このため、その局面のうちの別のものとして、圧電アクチュエータ駆動回路は、フィードバック信号を利用して、圧電アクチュエータ14のための駆動信号の波形を形作ることができる。
【0035】
2.3 アナログ入力信号を受取る駆動回路
図3Bは、駆動回路へのアナログ入力信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Bの一実施例/態様を示している。このアナログ入力信号はユーザ入力装置から取得され、それらのうちの2つを、図3Bに示すユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108として、図3Bに例示する。より少ない、またはより多い数のユーザ入力装置が利用可能であることが理解されるべきである。ユーザ入力装置106および108は、たとえば、ユーザが選択した数に従ってアナログ信号を発生させる、または印加する可変抵抗器またはトリマー抵抗器もしくは任意の他
の装置であり得る。例示的な一実施例では、ユーザ入力装置106は、パルス発生器100によって変換回路102に印加されるパルス幅変調されたデジタルパルスの周期P(図4参照)を設定することによって、線104上の駆動信号の周期を設定するために使用可能である。ユーザ入力装置108は、パルス発生器100によって変換回路102に印加されるパルス幅変調されたデジタルパルスのパルス幅W(図4参照)を設定することによって、線104上の駆動信号の電圧/振幅を設定するために使用可能である。ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108は、(たとえばパルス発生器100を構成し得るマイクロコントローラの)接地とA/D基準レベルとの間の電圧を発生させるために、ユーザによって調節される。動作の一局面として、これらの信号は、ソフトウェアにおいて、周波数およびポンプのピークツーピーク駆動電圧のための制御信号に変換可能である。通常、ユーザは抵抗器を(たとえば)周波数60Hz、ピークツーピーク駆動電圧350ボルトに設定するかもしれない。このため、その局面のうちの別のものとして、圧電アクチュエータ駆動回路は、アナログ入力信号を利用して、圧電アクチュエータにデジタルパルスとして印加される駆動信号に影響を与えることができる。
【0036】
2.4 デジタル入力信号を受取る駆動回路
図3Cは、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)などを介して入力されるデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Cの一実施例/態様を示している。図3Cの特定の例示では、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)は、(図示されているようなデスクトップ、またはラップトップもしくは他のコンピュータ状端末であり得る)コンピュータ109にあり、キーボード、ポインタ(たとえばマウス)、タッチスクリーン、または他の好適な入力装置の形を取り得る。コンピュータ109からのデジタル信号は、コネクタ110を介してパルス発生器100に印加可能である。このため、その局面のうちの別のものとして、圧電アクチュエータ駆動回路は、デジタル入力信号を利用して、圧電アクチュエータに印加される駆動信号に影響を与えることができる。
【0037】
2.5 利用装置のセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Dは、たとえばポンプ10のポンプ室30といった利用装置の内部に配置されたセンサ112−3Dによって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Dの一実施例/態様を示している。例示された実施例では、センサ112−3Dは、ポンプ室30内の流体に浸漬されており、または少なくとも部分的に流体と接触している。センサ112−3Dは、ポンプ室30の内壁と同一平面上に取付け可能であり、またはポンプ室30内に他の方法で配置可能である。センサ112−3Dは、圧電アクチュエータ14およびポンプ10の動作と関わりがあるポンプ室30内の流体の適切なパラメータ、たとえば温度、粘度、圧力、または圧電アクチュエータ14の撓みなどを感知可能である。センサ112−3Dの使用は、ポンプの感知された動作パラメータに依存して、駆動回路が駆動信号を(たとえば動的に)変化させるのを容易にする態様の一例である。
【0038】
2.6 利用装置内/上のどこかにあるセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Dが利用装置の内部に配置されたセンサを示しているのに対し、図3E(1)および図3E(2)は、利用装置の周囲、たとえばポンプ10の周囲のどこかに配置されたそれぞれのセンサ112−3E(1)および112−3E(2)によって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18E(1)および18E(2)の実施例/態様を示している。図3E(1)では、センサ112−3E(1)はポンプの後部に位置しており、圧電アクチュエータ14と当接するよう図示されている。センサ112−3E(1)は、たとえば圧電アクチュエータ14の変位を感知するために使用可能であり、ポンプ室30内の流体にさらされてはいない。図3E(2)のセンサ112−3E(2)は出口24に位置付けられており、ポン
プ10の動作に関わる適切なパラメータ、たとえば温度、粘度、流量、または圧力なども感知可能である。
【0039】
2.7 サービス対象装置の内部にあるセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Fは、サービス対象装置114−3F内に配置されたセンサ112−3Fによって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Fの一実施例/態様を示している。装置114−3Fは、ポンプ10によって汲み上げられた流体がサービス対象装置を包囲して、貫通して、または近接して向けられる、もしくは循環されるという意味で、サービス対象装置と呼ばれる。サービス対象装置114−3Fは、たとえば、電子部品(たとえば、冷却を招くプロセッサまたは他の熱放散電気装置、熱交換器(汲み上げられた流体によって冷却される)、または医療機器であり得る。そのため、流体流の経路は、ポンプ10の出口24からサービス対象装置114−3Fへ、そしてサービス対象装置114−3Fからポンプ10の入口22へと戻るよう例示されている。
【0040】
2.8 サービス対象装置に近接するセンサからの入力信号を受取る駆動回路
図3Gは、サービス対象装置114−3G上またはその近傍に配置されたセンサ112−3Gによって発生したデジタル信号に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Gの一実施例/態様を示している。サービス対象装置114−3Gの独自性および本質は、ポンプ10の用途および使用に依存しており、上述のもののような電子分野および医療分野での用途を含むものの、それらに限定されない。
【0041】
2.10 送出スケジューラとともに動作する駆動回路
図3H(1)は、送出スケジューラ160とともに機能する圧電アクチュエータ駆動回路18Gの一実施例/態様を示している。送出スケジューラ160から入力を受取ることにより、圧電アクチュエータ駆動回路18Gは、圧電アクチュエータ14の非連続的な動作を制御する。たとえば、送出スケジューラ160は、圧電アクチュエータ駆動回路18Gを制御してもよく、または、圧電アクチュエータ14への線104上の駆動信号の印加のタイミングについての情報を圧電アクチュエータ駆動回路18Gに供給してもよい。送出スケジューラ160は、線105上のフィードバックを受取る実施例において利用可能であるが、必ずしも利用される必要はなく、そのため、図3H(1)では線105は破線で示されている。
【0042】
送出スケジューラ160の論理および動作は、アプリケーションによって異なり得る。たとえば、送出スケジューラ160は、圧電アクチュエータ駆動回路18Gに、(たとえば送出スケジューラ160または圧電アクチュエータ駆動回路18Gへの外部刺激または信号に応答して)1つ以上の有限時間周期の間、駆動信号を供給するよう命令してもよい。そのような有限送出のためのシナリオの一例は、所定の流れおよび/または容積量に従って流体(たとえば薬剤)を送出または投与するためのポンプにおいて圧電アクチュエータ14を駆動することを伴う。
【0043】
また、これに代えて、送出スケジューラ160は、圧電アクチュエータ駆動回路18Hに、圧電アクチュエータ14への線104上の駆動信号を始動または終了させるために監視されるべき或る感知条件を知らせてもよい。たとえば、(たとえば流体の)温度が予め定義された温度範囲外にあることが検出された場合、圧電アクチュエータ駆動回路18Hは、圧電アクチュエータ14に駆動信号を印加し、それによりそれを取入れた利用装置をオンにするよう、送出スケジューラ160を介して命令されてもよい。
【0044】
送出スケジューラ160はさまざまなやり方で実現可能である。たとえば、送出スケジ
ューラ160のための論理は、デジタルパルス発生器のマイクロプロセッサに含まれ、グラフィカルユーザインターフェイスまたは他の入力装置を介してアクセスされ得る。また、これに代えて、送出スケジューラ160は、図3Cを参照して理解されるように、別個のプロセッサまたはコンピュータであってもよい。
【0045】
図3H(2)によって総称的に例示されたさらに別の実施例/態様では、送出スケジューラ160は、適切な通信チャネル164を介してデジタルパルス発生器100に接続された遠隔ユニット162を含んでいてもよい。たとえば、通信チャネル164は無線ネットワークであってもよく、その場合、送出スケジューラ160および遠隔ユニット162は共に、ユーザが無線インターフェイス(たとえば無線周波数または他の電磁スペクトル)を通してプログラミング情報(たとえば駆動信号開始および/または停止時刻)を送出スケジューラ160に送信できるよう、無線局(たとえばモバイル終端を有するラップトップ、携帯電話、ブルートゥースユニットなど)を含む。
【0046】
別の例としては、遠隔ユニットはブラウザであってもよく、通信チャネル164は、たとえばインターネットといったパケットネットワークを含み得る。そのような例では、圧電アクチュエータ駆動回路18H、または利用装置自体が、それ自体のインターネットまたはネットワークアドレスを有していてもよい。
【0047】
これらのまたは他の実現例のいずれかを用いて、ユーザは、送出スケジューラ160が圧電アクチュエータ14への駆動信号の印加および停止のタイミングを制御できるよう、遠隔ユニットを介して送出スケジューラ160にデータを入力することができる。
【0048】
2.11 複数のアクチュエータを駆動する駆動回路
図3I(1)〜図3I(3)は、複数の圧電アクチュエータのために働く圧電アクチュエータ駆動回路18I(1)〜18I(3)の実施例/態様を示している。図3I(x)の独特の要素は、対応する挿入的接尾辞「x」を有しており、各図3I(x)について、圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)は複数の圧電アクチュエータ14(x)yのために働き、ここでyは1〜nの範囲にある。各実施例について、複数の圧電アクチュエータ14(x)yは、それぞれの複数の利用装置(たとえば複数のポンプ10)に取入れられてもよく、または複数のタイプの利用装置にも取入れられてもよい。たとえば、圧電アクチュエータ14(x)1がポンプに含まれ、圧電アクチュエータ14(x)2がファンまたは他のタイプの(ポンプではない)利用装置に含まれていてもよい。また、これに代えて、他の実施例では、単一の装置またはシステムで複数の圧電アクチュエータが利用されてもよい。圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)は好ましくは、複数の圧電アクチュエータ14(x)yの各々について別個の変換回路102(x)yを含むが、必ずしもそうである必要はない。
【0049】
図3I(1)の実施例/態様では、パルス発生器100によって発生する同じPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスが、別個の圧電アクチュエータ14(1)1および14(1)nにそれぞれ関連する変換回路102(1)1および102(1)nに印加される。図3I(1)の実施例/態様は、複数の圧電アクチュエータ14(x)yが並列で、および/または時刻同期して機能する際に特に好適である。
【0050】
図3I(2)の実施例/態様では、パルス発生器100(2)は変換回路102(2)yのうちの少なくとも2つのために異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスを生成し、そのため複数の圧電アクチュエータ14(2)yは異なるように駆動される。図3I(2)の実施例/態様は、線105(2)y上のフィードバック信号、または他の入力信号(たとえば図3D、図3E(1)および図3E(2)を参照して説明されたようなセンサ入力信号など)が異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスを必要とする
かまたは招く場合に特に有益である。異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスは、独自に機能する/感知された複数の圧電アクチュエータ14(2)yの同期またはタイミングを取るために、もしくは他の方法で各圧電アクチュエータ14(2)yを独自に駆動するために必要とされる場合がある。たとえば、並列で駆動される2つの圧電アクチュエータ14(2)yが、それでもなお、流体特性、管の長さ、管の組成などの異なる要因に鑑みて、異なるPWM−AおよびPWM−Bデジタルパルスを必要とする場合がある。図3I(3)は、圧電アクチュエータ14(3)yの1つ以上が流体操作に関して直列で位置している、図3I(2)の実施例の変形を示している。
【0051】
前述の説明から理解されるように、所望すれば、圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)のための入力信号を、1つ以上のアナログ入力装置または1つ以上のデジタル入力装置(たとえばセンサ)から取得することが可能であり、そのため圧電アクチュエータ駆動回路18I(x)は(複数の圧電アクチュエータ14(x)yのために働くことに加え)いずれかの前述の実施例の属性を呈し得る。
【0052】
2.12 アナログおよびデジタル入力信号を受取る駆動回路
図3Jは、1つ以上のアナログ入力信号および1つ以上のデジタル信号の双方に従って、または影響されて線104上の駆動信号が発生する圧電アクチュエータ駆動回路18Jの一実施例/態様を示している。図示された非限定的な例では、2つのアナログ信号が、ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108から受取られている。1つ以上のデジタル信号が、コネクタ110を介してパルス発生器100によって受取られ、前述の実施例で例示のために図示されたもののようなユーザ入力装置またはセンサによって生成され得る。
【0053】
3.0 例示的な駆動回路実現例
ここでの駆動回路または圧電アクチュエータ駆動回路(圧電アクチュエータ駆動回路18など)への以下の包括的な言及は、1つ以上のタイプの圧電アクチュエータ駆動回路、たとえば概して上述されたタイプの駆動回路に言及し得る。駆動回路または圧電アクチュエータ駆動回路(圧電アクチュエータ駆動回路18など)への言及は、ここに提供される例によって制約または限定されない。
【0054】
図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、(たとえば上述の圧電アクチュエータ駆動回路18のうちの1つ以上のために利用可能な)圧電アクチュエータ駆動回路18の例示的な(非限定的な)実現例をより詳細に示している。前述のように、ここに説明する圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータを有するポンプのための駆動信号を生成し、その圧電アクチュエータは駆動回路の一部を形成して、圧電アクチュエータのための駆動信号の波形を形作る役割を果たす。
【0055】
3.1 第1の例示的な駆動回路:構造
図5Aの例示的な実施例では、圧電アクチュエータ駆動回路18は、パルス発生器100と、変換回路102と、圧電アクチュエータ14とを含む。変換回路102は、パルス発生器100によって生成されたデジタルパルスを用いて、高電圧短周期パルス(電荷パケット)を生成する。以下に説明するように、圧電アクチュエータ14は、その容量性により、電荷パケットを一体化して、好ましくは正弦波に近似する駆動電界を産出する。圧電アクチュエータのキャパシタンスは本質的に固定されているものの、発生器のデジタルパルスをパルスごとに制御する(たとえばパルス幅変調デューティサイクルを変える)ことによって、任意の複雑度の波形が生成可能である。
【0056】
図5Aの非限定的で例示的な実施例では、パルス発生器100は、(1つ以上のマイクロコントローラ116を有する)マイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM
)回路を含み、変換回路102はフライバック回路を含む。フライバック回路102は、電気接地に対してバイポーラである電位を生成する。フライバック回路102によって生成されるパルスが圧電アクチュエータ14における機械的非効率性およびノイズのうちの1つに寄与しないよう、好ましくは、フライバック回路102によって生成される電荷パケットの周波数は、圧電アクチュエータ14が機械的に応答する能力のものよりも大きい。有利には、図5Aの実施例では、フライバック回路102と圧電アクチュエータ14との間に、ブリッジ変換回路も電荷蓄積回路も接続される必要はない。
【0057】
例示された非限定的な実施例では、パルス発生器100はマイクロコントローラ116を含むよう図示されている。パルス発生器100は、1つ以上のマイクロコントローラまたはプロセッサおよび/または他の回路を含んでいてもよい。加えて、ここにマイクロコントローラ116に起因する或る動作または機能性が、マイクロコントローラ116を含むマイクロプロセッサを含むもののそれに限定されない1つ以上のプロセッサによって実行されることも考慮され得る。この点に関し、たとえば、図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様では、パルス発生器100(2)および100(3)はそれぞれ、複数のまたは偶数のy個のマイクロコントローラを、y個の圧電アクチュエータ14(x)yを制御するために含んでいてもよい。また、これに代えて、図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様のためのパルス発生器100(2)および100(3)は、y個の圧電アクチュエータ14(x)yを駆動するためのマルチタスク能力および異なる出力ピン配置を有する好適なマイクロコントローラを含んでいてもよい。
【0058】
圧電アクチュエータ駆動回路18は、電源103に接続されている。圧電アクチュエータ駆動回路18は、電源モニタ118を含む。電源モニタ118は、入力電圧分割網119(電源103と接地との間で直列に接続されている抵抗R1およびR2を含む)と、電源103と接地との間に接続された入力キャパシタンスC1と、電圧入力調整器120とを含む。抵抗R1、R2によって形成された電圧分割網は、入力供給電圧を監視するために(ピン118において印加された)マイクロコントローラ116へのアナログ入力を発生させる役割を果たす。これにより、マイクロコントローラ116は、ソフトウェアを介して、変動する供給のために回路性能全体を最大にするよう調整を行なう。キャパシタC1は、電源103からの主要供給をフィルタにかける。電圧入力調整器120は、パルス発生器100に接続された入力端子と、マイクロコントローラ116のピン15に接続された出力端子とを有する。
【0059】
有利には、圧電アクチュエータ駆動回路18は、ユーザ入力および外部センサ入力を含む入力を受取ることができる。この目的を達成するために、それぞれ抵抗器(トリマー抵抗器)R8およびR9の形をした2つの例示的なユーザ入力装置106および108が、マイクロコントローラ116のピン17と接地との間に接続されている。より多い、またはより少ない数のユーザ入力装置を設けることができる。コネクタ110は、マイクロコントローラ116の一定のピンに接続された導線を有する。上述のように、コネクタ110のピンのうちのいくつかは、線104上に印加される駆動信号の波形を形作る際にマイクロコントローラ116によって利用され得る信号を生成する源(たとえばコンピュータまたは1つ以上のセンサ)に接続されてもよい。そのような外部センサの数は、ユーザの要望および/またはポンプ10の使用の用途または環境に従って変更可能である。
【0060】
(抵抗R6およびR7を含む)フィードバック電圧分割網の形をした出力モニタ122は、線104上に印加される駆動信号と接地との間に接続されている。抵抗R6とR7との間のフィードバック電圧分割網のノードは、マイクロコントローラ116のピン19に接続されている。
【0061】
前述の事項から理解されるように、パルス発生器100はマイクロコントローラであり
得る。また、パルス発生器100は、ここに説明した一般的な目的のためにフライバック回路102および圧電アクチュエータ14によって使用されるのに好適なパルスを発生させるASICまたは任意の他の装置もしくは回路でもあり得る。図示された非限定的で例示的な実施例では、パルス発生器100は、ATTINY26Lマイクロコントローラなどのマイクロコントローラ116である。
【0062】
図示された実施例のマイクロコントローラ116についてのピン接続を、ここで簡単に説明する。ピン1、2、3および4は、回路内プログラミングピンとして、および以下に説明する機能として二役をこなす。たとえば、ピン2および4は、マイクロコントローラ116に具現化されたソフトウェア制御パルス幅変調器の出力であり、フライバック回路102を駆動するために使用される。特に、信号PWM−Aは、ピン2から線124を伝ってフライバック回路102へ出力され、信号PWM−Bはピン4から線126を伝ってフライバック回路102へ出力される。パルス幅変調された信号PWM−Aは、周期Pと(正の)パルス幅Wとを有するような、図4Aに示すもののような正のデジタルパルスを含む。パルス幅変調された信号PWM−Bは、周期Pと(負の)パルス幅Wとを同様に有するような、図4Bに示すもののような負のデジタルパルスを含む。
【0063】
ピン2および3は、他のシステムとの通信のためにマイクロコントローラ116に2線式シリアルインターフェイスバス128を提供する(たとえば、バス128を介して、一連のポンプがデスクトップコンピュータなどの別のシステムによって遠隔で制御可能である)。ピン5は、電圧入力調整器120の出力端子に、およびフィルタ「バイパス」キャパシタC2に接続されている。ピン7、8、9、11、12および20は、温度センサまたは圧力センサといったさまざまなものがポンプに取付けられてその動作を制御することができるよう、外部アナログおよび/またはデジタル通信を提供する汎用入力/出力ピンである。ピン13および14はそれぞれユーザ入力装置108およびユーザ入力装置106からの入力信号である。ピン17は、(たとえばユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108のための)アクセスをマイクロコントローラ116のアナログ基準バンドパス基準電圧に提供する。ピン17と接地との間に接続されたキャパシタC3は、マイクロコントローラ116のアナログデジタル変換器のためのアナログ基準電圧用バイパスキャパシタである。ピン18は、電源モニタ103からのアナログ入力であり、入力電圧分割網119の抵抗R1と抵抗R2との間のノードに接続されている。ピン19は、出力モニタ122のためのアナログ入力であり、出力モニタ122を含む電圧分割網の抵抗R6と抵抗R8との間のノードに接続されている。
【0064】
フライバック回路102は、トランジスタQ1と、トランジスタQ2と、トランジスタQ3と、トランジスタQ4とを含む。図示された実施例では、トランジスタは金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。マイクロコントローラ116のピン2から出力されたパルス幅変調された信号PWM−Aは、線124を伝い、キャパシタC4を介してトランジスタQ1のゲートに印加され、マイクロコントローラ116のピン4から出力されたパルス幅変調された信号PWM−Bは、線126上を伝ってトランジスタQ2のゲートに印加される。線126と接地との間に接続された抵抗R10は、ノイズ排除性を高めるプルダウンとしての役割を果たす。
【0065】
トランジスタQ1のソースは、線130によって電源103に接続されている。トランジスタQ2のドレインは、線132によってインダクタL2を介して電源103に接続されている。トランジスタQ2のソースは接地に接続されている。
【0066】
抵抗R3およびダイオードD1は、線124と130との間に接続されている。キャパシタC4、抵抗R3およびダイオードD1は、主要供給電圧がマイクロコントローラ116の供給電圧を大幅に上回った場合でもマイクロコントローラ116がトランジスタQ1
をオンおよびオフにすることができるよう、主要供給電圧を下回る或るマイクロコントローラ出力電圧レベルに至るまでマイクロコントローラ116の出力にバイアスをかける役割を果たす。
【0067】
トランジスタQ1のドレインは、インダクタンスL1を通って接地に接続され、また、ダイオードD2の陰極に接続されている。ダイオードD2の陰極は、スナバキャパシタC5を通って接地に接続され、また、トランジスタQ3のエミッタに接続されている。トランジスタQ3のドレインは、抵抗R4を取って接地に接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、線104を介して圧電アクチュエータ14に接続されている。
【0068】
トランジスタQ4のエミッタは、線132により、インダクタL2およびダイオードD3を通って電源103に接続されている。ダイオードD3の陽極は、インダクタL2に、およびトランジスタQ2のドレインに接続されている。ダイオードD3の陰極は、スナバキャパシタC6を通って接地に接続され、また、トランジスタQ4のエミッタに接続されている。トランジスタQ4のゲートは、抵抗R5を通って線132に接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、線104を介して圧電アクチュエータ14に接続されている。
【0069】
トランジスタQ1、トランジスタQ2、インダクタL1、インダクタL2、ダイオードD2、およびダイオードD3は、上述のような正および負の高電圧フライバックパルスを発生させるための主要構成要素である。キャパシタC5およびC6は、制御トランジスタQ3およびQ4の周波数応答能力の範囲内にフライバックパルスの基本周波数成分を収めるようにする「スナバ」キャパシタである。
【0070】
トランジスタQ3、トランジスタQ4、抵抗R4、および抵抗R5は、フライバック電圧のためのステアリング回路を形成しており、他の場合では回路を機能不全にするであろう電荷クロス伝導を防止する。
【0071】
抵抗R6およびR7は、出力モニタ122のための分圧器を形成しており、マイクロコントローラ116に出力電圧の監視、ひいては駆動電圧の調整を行なわせるようにする役割を果たす。駆動電圧の調整は、マイクロコントローラ116がPWM−Aとして線124上に、およびPWM−Bとして線126上に印加されたパルスバーストのパルス幅W(図4B参照)を変えることによって達成される。線104上に印加された実際の駆動信号は本質的に、変換回路102に印加されたパルス幅変調された信号、たとえば線124上に印加された信号PWM−A、および線126上に印加された信号PWM−Bから導出される。
【0072】
3.2 第1の例示的な駆動回路:動作
動作中に、圧電アクチュエータ駆動回路18のパルス発生器100(たとえば、マイクロコントローラ116)は出力パルスを発生させる。特に、図3に示される実施例では、パルスサイクルの前半または正の半分(たとえば、前半のサイクル)の間、マイクロコントローラ116は、図4Aに示される信号などのパルス幅変調信号PWM−Aを線124上で発生させる。次いで、サイクルの後半または負の半分(たとえば、後半のサイクル)の間、マイクロコントローラ116は、図4Bに示される信号などの対応するパルス幅変調信号PWM−Bを線126上で発生させる。サイクル全体は周波数または周期PまたはPumpRateに対応し、これらは1つの例示的な実施例ではユーザ入力値であり得る。
【0073】
フライバック回路102は、マイクロコントローラ116によって発生される信号PWM−AおよびPWM−Bによって駆動される。示される実施例では、信号PWM−AおよびPWM−Bは、周波数が125KHzの可変周波数パルス列である。たとえば60Hz
で駆動されるポンプの典型的な動作中に、前半のサイクルの間、約1/120秒続くパルスのバーストはPWM−Aとして線124に沿って送られるであろうが、線126上のPWM−Bの信号は接地に保持される(トランジスタQ2を「オフ」にする)。線124に沿ってPWM−Aとして印加される一連のデジタルパルスの例は図4Aに示される。逆に、後半のサイクルの間、線124上のPWM−A信号はハイに保持され(トランジスタQ1をオフにする)、同一の一連の駆動パルスは信号PWM−Bとして線126に沿ってトランジスタQ2に送られる。線126に沿ってPWM−Bとして印加される一連のデジタルパルスの例は図4Bに示される。
【0074】
後に本明細書に説明されるように、線124に沿って信号PWM−Aとしておよび線126に沿って信号PWM−Bとして印加されるデジタルパルスのパルス幅は、1つ以上の要因に従ってマイクロコントローラ116によって制御されることが可能である。たとえば、励振電圧および反転頻度は、アクチュエータの負荷、アクチュエータの共振、ポンプ圧力、温度などの局所的に監視される外部制御信号またはパラメータに基づいて動的に操作されることが可能である。さらに、1つの例示的なモードでは、信号PWM−AおよびPWM−Bの周期Pは、以下に記載されるように所望であれば調整されることが可能である。
【0075】
マイクロコントローラ116から線124に沿ってフライバック回路102に印加されるPWM−Aデジタルパルスは、トランジスタQ1のスイッチをオンおよびオフにさせる。オンであるとき、トランジスタQ1は磁束をインダクタL1に蓄積させる。トランジスタQ1がオフになったすぐ後、蓄積された磁束は、ダイオードD2およびキャパシタC5によって取込まれる負の「フライバック」電圧を発生させ、トランジスタQ3を導通させ、したがって、取込まれた電荷はさらにポンプ10および特に圧電アクチュエータ14に分散される。
【0076】
前半のサイクルの終わりに、たとえば1/120秒の周期の終わりに、線124上の信号PWM−Aはハイに保持され(トランジスタQ1をオフにする)、同一の一連の駆動パルスは信号PWM−Bとして線126に沿ってトランジスタQ2に送られ、インダクタL2から一連の正のフライバックパルスを発生させる。これらのフライバックパルスは、ダイオードD3、キャパシタC6およびトランジスタQ4を介してポンプ10に供給される。これらの正のパルスは最初に、制御された態様でポンプの中の負の電荷を放電する働きをし、次いでポンプの中に正の電荷を構築する働きをする。
【0077】
このように、パルス発生器100はデジタルパルスをフライバック回路102に印加する。フライバック回路102はデジタルパルスを受取り、電荷パケット(たとえば35)を生成する。変換回路102によって線104に沿って出力される電荷パケットは、図4Cに示されるものと同等の態様で基本的には現われ、周波数Fおよび振幅を有する。電荷パケットの振幅は、線124および126に沿って変換回路102に印加されるPWMパルスのパルス幅Wと関連する。
【0078】
線104に沿って印加される繰返すフライバックまたは電荷パケットは、ポンプのキャパシタンス、つまり圧電アクチュエータ14の中に電荷を構築し、正弦波に近似する電圧曲線の形をとる線104上の信号をもたらす。言い換えると、圧電アクチュエータは、駆動信号の波形を成形するために正の電荷パケットと負の電荷パケットとを一体化するように使用される。上述の周期が何度も繰返され、その結果、ポンプ10は図4Dに示される態様で60Hzの正弦波に近似する線104上の駆動信号を「見る」。マイクロコントローラ116のピン19に印加される、出力モニタ122からのフィードバック信号は、一体化された電圧である。125KHzのパルス周波数は、応答時間が125KHzよりも非常に遅いために、ポンプによって完全に除去される。
【0079】
このように、フライバック回路102は圧電アクチュエータ14に、圧電アクチュエータ14によって電界に一体化される電荷パルス、たとえば電荷パケットを印加する。圧電アクチュエータ14は、電荷パケットをより低い周波数の励振信号に変換する。言い換えると、圧電アクチュエータ14の中に電荷を構築することによって(たとえば、多少の電荷を加えることによって)、圧電アクチュエータ14は圧電アクチュエータ14で波形を構築することに関与する。このような一体化によって、圧電アクチュエータ14は基本的には電源103のための電荷蓄積装置の役割を果たす。基本的に、圧電アクチュエータ14は電源におけるフィルタキャパシタンスとよく似たように作動する。
【0080】
電荷発生構成要素トランジスタQ1、インダクタL1、トランジスタQ2およびインダクタL2は常にデジタル方式で駆動されており(オンでもオフでも)、したがって、最高効率で動作している(切換電源理論)。しかしながら、ポンプ10は正弦波の駆動波形を「見る」。これは、この擬似切換電源の構成の中で一次電荷蓄積装置として圧電アクチュエータ14自体を使用することによって絶対最小数の部品を用いて達成される。
【0081】
フライバック信号の最速の構成要素は、キャパシタC5およびキャパシタC6によって「抑えられる」。フライバック高周波数の大部分は、ポンプ自体によってフィルタにかけられる。125KHzのPWM/フライバック周波数は、機械的に応答するポンプの能力を少なくとも2桁上回る。
【0082】
このように、圧電アクチュエータ駆動回路18は、切換タイプの駆動供給回路の一体化した部品としてポンプキャパシタンス自体、たとえば圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを使用する。
【0083】
これまでに記載された実施例の局面では、圧電アクチュエータ駆動回路18はマイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM)回路である可能性があり、マイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM)回路は、システム接地に対してバイポーラである電位を生成する能力を非常に独自に有するフライバック回路を駆動するために使用される。ブリッジ切換回路も電荷蓄積回路も利用されない。その代わりに、フライバック回路は、アクチュエータの所望の駆動周波数に等しい率で、正のパルスを生成することと負のパルスを生成することとを切換える。回路の効率およびEMI低減のために、パルスのより高い周波数の構成要素のうちのいくつかは容量的にフィルタをかけられる。パルスは次いで圧電アクチュエータに直接に渡され、正弦波に非常に近く近似する駆動電界を生み出すように圧電アクチュエータの容量性の性質によって一体化される。フライバックパルスの周波数は、機械的に応答するアクチュエータの能力よりも大きいように設計され、そのため、フライバックパルスは機械的な非効率またはアクチュエータにおけるノイズの一因にはならない。
【0084】
図3Iは、圧電アクチュエータ駆動回路18の変形例を示す。特に、図3Iの圧電アクチュエータ駆動開路18(3A)は、同一の電圧および周波数で一度にいくつかの圧電素子を駆動する。図3Iに基本的に示されるように、マイクロコントローラ116は線124上の信号PWM−Aおよび線126上の信号PWM−Bを複数のフライバック回路1021から102nに供給する。複数のフライバック回路1021から102nの各々は、それぞれの線1041から104nに沿って、対応する圧電アクチュエータ141から14nに駆動信号を印加する。圧電アクチュエータ駆動回路18は、複数のポンプの圧電アクチュエータが複数のダイヤフラムポンプの用途向けに適切に位相を等しくされることを確実にする。いずれの位相整合もPWM信号を反転させることによって達成され得る。
【0085】
3.3 第2の例示的な駆動回路:構造
図5Cは、図3ならびに図3A、図3B、図3C、図3D、図3E(1)、図3E(2)、図3F、図3G、図3H(1)、図3H(2)、図3I(1)、図3I(2)、図3I(3)、および図3Jのすべての実施例とともに利用されることも可能である駆動回路18Cの別の実現例を示す。図5Cに示されるように、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、パルス発生器100、変換回路102Cおよび圧電アクチュエータ14を含む。変換回路102Cは、高電圧で短い周期のパルス(電荷パケット)を生成するために、パルス発生器100によって生成されたデジタルパルスを使用する。以前に記載されたのと同様の態様で、圧電アクチュエータ14は、その容量性の性質によって、線104上の駆動信号の波形を成形するように電荷パケットを一体化する。好ましくは、圧電14アクチュエータは、正弦波に概して近似する駆動電界を生み出すように電荷パケットを一体化する。
【0086】
図5Cの非限定的で例示的な実施例では、パルス発生器100は、マイクロコントローラベースのパルス幅変調器(PWM)回路を含む。以前に説明されたように、パルス発生器100は1つ以上のマイクロコントローラもしくはプロセッサおよび/または他の回路を含んでもよいことが理解されるべきである。さらに、本明細書においてマイクロコントローラに帰する特定の動作または機能性は、マイクロプロセッサを含むがマイクロプロセッサに限定されない1つ以上のプロセッサによって実行されると考えられることもできる。マイクロコントローラなどではなく、パルス発生器100は、本明細書に記載される一般的な目的のために変換回路102および圧電アクチュエータ14によって使用されるのに好適なパルスを発生させる任意のASICまたは他の装置もしくは回路である可能性もある。
【0087】
駆動回路18Cは、単一の圧電アクチュエータを駆動する実施例および複数の圧電アクチュエータを駆動する実施例を含むすべての実施例とともに利用されることが可能である。たとえば、再び図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様に関して、パルス発生器100(2)および100(3)は、それぞれのy数の圧電アクチュエータ14(x)yを制御するための複数のマイクロコントローラまたはy数のマイクロコントローラさえ含んでもよい。代替的には、図3I(2)および図3I(3)の実施例/態様のためのパルス発生器100(2)および100(3)は、y数の圧電アクチュエータ14(x)yを駆動するためのマルチタスク式機能および異なる出力ピンの構成を有する好適なマイクロコントローラを含んでもよい。
【0088】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cは電源103に接続される。以前の実施例を参照して理解される電源モニタも含まれることが可能である。
【0089】
有利に、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、ユーザ入力および外部センサ入力を含む入力を受取ることができる。圧電アクチュエータ駆動回路18Cによって受取られる可能な入力は、図3ならびに図3A、図3B、図3C、図3D、図3E(1)、図3E(2)、図3F、図3G、図3H(1)、図3H(2)、図3I(1)、図3I(2)、図3I(3)、および図3Jに関連して以前に記載されたものすべてを含む。ユーザ入力装置106および108、他の信号源、外部センサなどからの入力が含まれるが、これらの入力に限定されない。さらに、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、電圧フィードバック信号が線105に沿ってパルス発生器100に与えられる状態で、出力モニタ122を任意に有し得る。
【0090】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cのパルス発生器は、たとえば図5Aの圧電アクチュエータ駆動回路18Aの二重のPWMパルス列ではなく単一のPWMパルス列を発生させる。本明細書における説明の多くは図5Aの実施例のPWMデジタルパルスPWM−AおよびPWM−Bを参照するが、いずれのこのような参照も、図5Cの圧電アクチュエータ
駆動回路18Cのパルス発生器によって出力される単一のPWMパルス列に同様に当てはまることが理解されるべきである。
【0091】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cは線104上でバイポーラ駆動信号を発生させ、圧電アクチュエータ14または他の容量性負荷に印加する。圧電アクチュエータ駆動回路18Cの典型的ではあるが非限定的な適用例は、5ボルトのDC電源から圧電ポンプを駆動するというものであり、+300ボルトから−100ボルトまで変動するおよそ60Hzの正弦波である励振電圧を圧電アクチュエータで発生させる。
【0092】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cはユニポーラ電源を使用する。変換回路102Cは、比較的小さい電圧の電力切換素子Q1およびトランスT1を含み、トランスT1はタップを持たない二次トランスを1つだけ有するが、高電圧のバイポーラ出力を発生させる。変換回路102Cは単一のユニポーラパルス源に関連して機能し、単一のユニポーラ極性制御信号は動作に必要である。示される実現例では、パルス発生器100はユニポーラパルス源およびユニポーラ極性制御信号の供給源の両方の役割を果たす。さらに、パルス発生器は線105に沿って圧電アクチュエータ14からフィードバック信号を受取る。
【0093】
変換回路102Cはさらに、トランジスタQ2およびQ3を含む。トランジスタQ2およびQ3のゲートは、抵抗器R1およびR2を介してそれぞれに極性駆動信号の供給源に接続される。トランジスタQ3のエミッタは電源103に接続され、トランジスタQ3のコレクタはダイオードD2を介してトランスT1の二次トランスに接続される。図5Cでは、電流I4はトランスT1の二次トランスとダイオードD2との間の電流を示す。トランジスタQ2のコレクタはダイオードD1を介してトランスT1の二次トランスに接続される。図5Cでは、電流I3はトランジスタQ2のコレクタとダイオードD2との間の電流を示す。
【0094】
圧電アクチュエータ駆動回路18Cでは、トランスT1の二次トランスの「遅い側」で(電圧に対する)電流を制御することによって極性切換が達成される。これは、大量生産される非常に低コストで遅い高電圧のトランジスタの使用を可能にする。さらに、単一の低電位で低周波数のユニポーラステアリング信号のみが動作に必要である。このような簡略さは、できる限り複数の、より複雑な、より高い電圧駆動およびバイアス要件を有するより高価なSCRまたはMOSFETSまたはトランジスタと対照的である。
【0095】
バイポーラ電圧発生は、トランスの巻線の寄生キャパシタンスによって発生される、半分のサイクルでのトランスT1の「共振戻り」起電力(emf)を捉えることによって圧電アクチュエータ駆動回路18Cで達成される。逆説的に、トランスにおける寄生キャパシタンスは概して、トランスおよびその関連の回路の効率を低減する設計障害であると考えられる。しかしながら、圧電アクチュエータ駆動回路18Cは、反対のemfを発生させるためにトランスT1の寄生キャパシタンスを巧妙におよび独自に使用する。有利に、これはトランスT1が非常に低コストで製造されることができるようにする。代替的には、図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dの中でT1′として示されるトランスなどの2つの二次トランス(またはタップ付き二次トランス)が利用されることが可能である。図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cの素子と共通の、図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dの素子は同程度に少ない。図5CのトランスT1の使用が好ましいが、それにもかかわらず、トランスT1′を有する図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dは、圧電アクチュエータ駆動回路18Cおよび圧電アクチュエータ駆動回路18Dの両方に共通する極性切換の考慮すべき事項に特に鑑みて、かなり有用である。
【0096】
3.4 第2の例示的な駆動回路:動作
図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cは2つのモードで動作し、モードは変換回
路102Cに印加される極性駆動信号の論理レベルによって決定される。極性駆動信号の出力極性との関係は、二次トランスに対する一次トランスの巻線の意味によって決定される。いくつかの例示的な圧電アクチュエータの物理学は、アクチュエータが負の電位よりも高い正の電位(たとえば、+300、−100)で駆動されることを必要とする。圧電アクチュエータ駆動回路18Cによってもたらされる寄生/共振戻り技術は、「戻り」を捉えるときよりも一次フライバックemfを捉えるときにより高い電位を自然に生成する。したがって、効率および利便性のために、本明細書において利用されるトランスは、駆動回路が以下に記載されるように動作するように巻かれる。他の構成が確実に可能であり、本明細書に記載される実施例の範囲内である。
【0097】
図20Aは、図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cを動作させる第1のモードについての信号図を示す。第1のモードでは、極性駆動信号はローであり、正に向かう圧電駆動波をもたらす。図20Bは、図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路18Cを動作させる第2のモードについての信号図を示す。第2のモードでは、極性駆動信号はハイであり、負に向かう圧電駆動波をもたらす。図5Dの圧電アクチュエータ駆動回路18Dは同様に動作され得ることが理解される。
【0098】
図20Aに示される動作の第1のモードでは、パルス発生器100は入力レベル(たとえば、5ボルト)のパルス列を発生させ、そのパルス幅は「PWM Drive」で任意に変調されてもよい。このようなパルス列は図20Aで信号PWMによって示される。極性駆動信号はローであり、そのため、トランジスタQ3は「オン」であり、したがって、電流は必要に応じてダイオードD2に流入し得る。PWM駆動パルスがハイであるとき、トランジスタQ1は「オン」であり、電流はトランスT1の一次トランスに流入し、磁束をトランスの鉄芯に蓄積する。
【0099】
信号PWMの各々のハイのパルスの終わりに、トランジスタQ1は「オフ」になり、一次トランスT1は、一次トランス(V1)および二次トランス(V2)で「フライバック」正電荷パルスを発生させることによって反応する(v=di/dt)。示される例示的な実施例では、二次トランスは一次トランスに対して15:1の割合で巻かれ、そのため、V2における誘導電圧はV1よりも15倍大きい。トランジスタQ3が順方向バイアスをかけられるので、電流はI2から(線104に沿って)圧電アクチュエータ104に流れることができ、圧電アクチュエータで電位の正のステップ(S+)が結果として生じる。例示的な実現例では、PWM駆動パルスは約100KHzで発生する。これらのPWMパルスの個々のパルス幅は、いずれの正の方向の振幅/波の形状も圧電アクチュエータ14で誘導されることができるように変調されることが可能である。
【0100】
図10Bに示される動作の第2のモードでは、パルス発生器100は入力レベル(たとえば、5ボルト)のパルス列を発生させ、そのパルス幅は「PWM Drive」で任意に変調されてもよい。これは第1のモードと同様の態様であるが、PWMパルス幅は異なってもよい。第2のモードでは、極性駆動信号はハイであり、そのためトランジスタQ2は「オン」であり、したがって電流は必要に応じてダイオードD1に流入し得る。PWM Driveパルスがハイであるとき、トランジスタQ1は「オン」であり、電流はトランスT1の一次トランスに流入し、磁束をトランスの鉄芯に蓄積する。
【0101】
第1のモードと同様に、各々のハイのパルスの終わりに、トランジスタQ1は「オフ」になり、トランスT1の一次トランスは、一次トランス(V1)および二次トランス(V2)で「フライバック」正電荷パルスを発生させることによって反応する(v=di/dt)。しかしながら、第2のモードでは、トランジスタQ3は「オフ」であり、したがって、電流はダイオードD2に流入することができず、その方向のためにダイオードD1に流入することもない。これは、フライバック電位をトランスT1に「閉じ込めさせ」、ト
ランスの抵抗損失中で部分的に放散させ、残りはトランスT1の寄生キャパシタンスに蓄積される。寄生キャパシタンスおよびトランスのインダクタンスは、極性が逆のV2において「戻り」電荷を生成することによってすぐ後に応答するLC共振回路を形成する。その新しい極性のために、電流はここで圧電アクチュエータ14からダイオードD1およびトランジスタQ2を通って流出することができ、圧電アクチュエータ14で電位の負の方向のステップを誘導する。PWM駆動パルスの個々のパルス幅は、いずれの負の方向の振幅/波の形状も圧電アクチュエータ14で誘導されることができるように変調されることが可能である。
【0102】
したがって、圧電アクチュエータ駆動回路18C(もしくは、圧電アクチュエータ駆動回路18D)を使用してPWM駆動および極性駆動信号のデューティサイクルならびに/または周波数を適切に変調することによって、実質的に任意の所望のバイポーラ波形が圧電または他の容量性負荷で誘導されることが可能である。
【0103】
4.0 例:アナログ入力を受取る駆動回路
図3Bに示される実施例などの実施例では、たとえば、圧電アクチュエータ駆動回路18はユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108を介してユーザ入力を受取る。特に示される実現例では、ユーザ入力装置106は線104に沿って印加される駆動信号の周期/周波数を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器であり、ユーザ入力装置108は線104に沿って印加される駆動信号の電圧/振幅を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器である。ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108からのアナログ信号はマイクロコントローラ116のピン14および13にそれぞれ印加され、線104に沿って印加される駆動信号の電圧および周波数に最終的に影響を及ぼす。線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号は、マイクロコントローラ116から出力されるデジタルPWM−AおよびPWM−B信号に基づき、そのため、線104に沿って印加される駆動信号はそれ自体がデジタルである。したがって、ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108によって生成され、マイクロコントローラ116に印加される信号は、マイクロコントローラ116がデジタル駆動信号を発生させることに従うアナログ入力信号の2つの例である。アナログ入力信号はマイクロコントローラ116の内部(マルチチャネル)アナログデジタル変換器(ADC)に印加される。周波数/周期および振幅/電圧以外のパラメータまたは基準を圧電アクチュエータ駆動回路18に供給するために同等のユーザ入力装置が利用され得ることが理解される。
【0104】
5.0 駆動信号:固定PWMモード
上述のように、1つの示される実施例では、線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号は、マイクロコントローラ116から出力されるデジタルPWM−AおよびPWM−B信号に基づく。以下に記載される動作のPWMサーボモードでは、変換回路102に印加されるパルス幅変調信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅は、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の波形を変化させるために変化されることが可能であり、ポンプ10のリアルタイムの動作中に動的に変化されることさえ可能である。しかしながら、固定PWMモードとして公知の別の実施例では、パルス発生器100によって実行される論理(たとえば、ソフトウェア)は、信号PWM−Aおよび信号PWM−Bのパルス幅が均一であるように構成される。
【0105】
固定PWMモードは、圧電アクチュエータ14の共振を判断する場合のように、圧電アクチュエータ駆動回路18の動作中に選択的に開始され、終了されてもよい。これに対して、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅が決して変化しないことが予想される特定の「固定」用途では、圧電アクチュエータ14のための動作パラメータ(たとえば、駆動信号のパルス幅、周波数)は不揮発性記憶装置に格納されてもよい。たとえば、固定PWMモードに必要な動作パラメータは、製造時に、適用時に、またはさらに言えばいつで
もマイクロコントローラ116に「バーンイン」されてもよい。したがって、マイクロコントローラ116は基本的にはいずれの用途でも動作するように構成されることが可能である。
【0106】
6.0 駆動信号:最適化された波形モード
圧電アクチュエータ駆動回路は、最適化された波形モードでも動作することができる。最適化された波形モードでは、圧電アクチュエータ駆動回路18は、基本的には一定の波形の形状を維持するために予め格納された値を使用する。図12に示される例示的な正弦波形は、ポイントX1、X2...などを有する360度の周期の波形を示す働きをし、各々のポイントは1つの周期の1度または数分の1度に対応する。各々のポイントXにおいて、波形は対応する(電圧)振幅Vを有する。たとえば、ポイントX1では、図12の波形は振幅V1を有する。
【0107】
最適化された波形モードでは、最適化された波形を有する駆動信号を発生させるために利用される特定の値は、圧電アクチュエータ14のための駆動信号を発生させる際にパルス発生器100によって使用されるテーブル(図5Bのルックアップテーブル140など)に準備され、予め格納される。図18Aのテーブル140−18Aによって代表的に示される1つの実現例では、最適化された波形を生み出す予め格納された値は、振幅値自体である(たとえば、対応するポイントX1、X2などに関連付けられる値V1、V2など)。
【0108】
図18Bのテーブル140−18Bによって代表的に示される別の実現例では、最適化された波形を生み出す予め格納された値は、ポイントX1、X2などの各々についてのパルス幅変調値であるかまたはそれらのパルス幅変調値を含み、このパルス幅変調値は所望のそれぞれの振幅、したがって所望の全体波形を生み出す。言い換えると、最適化された波形モードの第2の実現例では、周期Pの間に波形に沿って選択された間隔またはポイントで、線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのために利用されるようにパルス幅を判断するためにルックアップテーブル140−18Bが利用される。したがって、最適化された波形モードのこの実現例のバージョンは、線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅が少なくとも最初に使用するためにそれぞれに予め格納されるという点で固定PWMモードに似ている。これらの予め格納されたPWMの値は、入力信号に基づいて(たとえば、センサ入力信号またはユーザ入力信号には基づかずに)後に動的に調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0109】
上述の一例として、ポイントX1=P/20では、PWMルックアップテーブル140からの第1の値がPWM−A信号のパルス幅のために利用され、ポイントX2=2*P/20では、PWMルックアップテーブル140からの第2の値がPWM−A信号のパルス幅のために利用されるなどである。中間ポイント、たとえばこの例ではポイント10*P/20では、PWM−A信号ではなく信号PWM−Bが利用され、この場合にはPWM−Bの適切な値はPWMルックアップテーブル140から得られ、ポイント11*P/20ではPWMルックアップテーブル140の別の対応する値が続くなどである。
【0110】
したがって、ルックアップテーブル140は、波形ポイントおよび適切なパルス幅の値(上述のように、任意の特定のパルス幅の値はPWM−A信号またはPWM−B信号のためのものである)の対を含む。さらに本明細書に記載されるように、PWMルックアップテーブル140に格納されるパルス幅の値は、圧電アクチュエータが利用されている特定のポンプに従って、ポンプが利用される特定の環境に従って、1つ以上の基準(たとえば、センサ入力値)に従って、および/または上述の1つ以上に従って予め定められるかまたは「最適化」されることができる。
【0111】
ルックアップテーブル140は好ましくは不揮発性メモリに格納される。典型的には、
ルックアップテーブル140はマイクロコントローラ116に格納される。代替的には、いくつかの用途の場合、ルックアップテーブル140はさらにマイクロコントローラ116に外付けであってもよい。図5Bにおけるルックアップテーブル140の図は、圧電アクチュエータ駆動回路にルックアップテーブル140を与える任意の態様を包含するように意図される。本明細書に記載される最適化は利用装置としてのポンプの1つの特定の例と関連しているが、他の圧電利用装置のための波形の最適化も包含され、本明細書において明白な実現例である。
【0112】
7.0 駆動信号制御プログラム:概要
ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108から受取られるアナログ入力信号などの入力信号を扱う際にマイクロコントローラ116によって実現される論理の1つの例示的なモードの例示的な基本ステップならびに動作の固定PWMモードおよびPWMサーボモードは、図6A〜図6Gに関連して理解される。マイクロコントローラ116によって実現される論理は、マイクロコントローラ116によって実行されるプログラム可能命令(たとえば、駆動信号制御プログラム150)の形態であり得る。代替的には、同等の命令は、特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を使用して、汎用コンピュータの形態を取るマイクロコントローラ116とともに実行されることが可能である。本明細書に記載される駆動信号制御プログラム150のステップおよび任意の構成要素のルーチンまたは他のルーチンのステップは単に例証のためのものであり、さまざまな他の論理および/もしくはプログラミング技術を使用して実現または達成され得ることが理解されるべきである。
【0113】
前に記載されたように、示される例では、ユーザ入力装置106は線104に沿って印加される駆動信号の周期/周波数を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器であり、ユーザ入力装置108は線104に沿って印加される駆動信号の電圧/振幅を設定するために使用されることができるトリマー抵抗器である。「周期」または「周波数」によって、図4AにPとして示される周期などの周期、たとえば信号PWM−Aの起動に続く信号PWM−Bの起動で構成される周期が意味される。図6A〜図6Gの論理では、ユーザ入力装置106によって入力される値はCheckRateInputと称される。なぜなら、ユーザ入力周期はポンプが動作する率にも対応するためである。「振幅」または「電圧」によって、線124および126に沿って印加される信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅Wにそれぞれに関連し(たとえば、導出され)、フライバック回路102が実際にインダクタL1(図5A参照)を荷電する持続時間にも関連する、図4Dに示される振幅または電圧Aが意味される。図6A〜図6Gの論理では、振幅または電圧を設定するためにユーザ入力装置108によって入力される値は、SetVoltsInputと称される。
【0114】
7.1 駆動信号制御プログラム:メインルーチン
図6Aは、駆動信号制御プログラム150のメインルーチンにかかわる選択された基本ステップを示す。図6Aのメインルーチンは、ステップ6A−1で開始されるのだが、基本的には初期化およびユーザインターフェイスモニタリングにかかわる。メインルーチンのステップ6A−2は概して、オンボードアナログデジタル変換器(ADC)のポート、メモリ、タイマ(割込タイマを含む)、チャネル選択などのもの、および特定のPWMの値を初期化するために特定の他の初期化ルーチンを呼出すメインルーチンを示す。ステップ6A−3として、メインルーチンは、図6Bを参照して以下に記載される割込処理ルーチンのための割込を含む特定の割込をイネーブルにする。ステップ6A−4では、メインルーチンは周期カウンタ(「Counter」)および半周期カウンタ(「CounterHalf」)のデフォルト値を設定する。ステップ6A−5において、プロセッサがリセット段階に入らないように、メインルーチンはウォッチドッグタイマをリセットする。
【0115】
ステップ6A−6において、メインルーチンは、ポンプ10の動作に影響を及ぼす外部
ユーザデジタル入力が受取られたかどうかを判断するために調べる。外部ユーザデジタル入力が受取られたかどうかを調べることは、スタートビットがシリアルインターフェイスバス(ユニバーサルシリアルインターフェイス(USI)バス)128上で設定されたかどうかを調べることを伴う可能性がある。外部ユーザデジタル入力が受取られた場合、ステップ6A−7において、外部ユーザデジタル入力の受取を扱うようにルーチンが呼出される(USIハンドラ)。ステップ6A−6における判断がノーである場合、およびステップ6A−7の実行の後、実行はステップ6A−6に戻る。
【0116】
7.2 駆動信号制御プログラム:割込処理ルーチン
図6Bは、Timer0 ISRとも略称を付けられている割込処理ルーチンにかかわる基本ステップを示す。図6Bの割込処理ルーチンは毎秒3906回実行され、ステップ6B−1において開始される。図6Bの割込処理ルーチンは、タイマ(Timer 0)に対してオーバーフローが発生するたびに呼出される。言い換えると、示される実施例では、このオーバーフロー、したがって図6Bの割込処理ルーチンの呼出は3906Hzの率で発生する。
【0117】
ポンプ10の動作がソフトウェアによって終了されるかまたは止められることができるので、ポンプ10のソフトウェア終了が存在したかどうかの調査がステップ6B−2において行なわれる。ソフトウェア終了の場合には、ステップ6B−3において示されるように、図6Bの割込処理ルーチンも終了される。
【0118】
図6Bの割込処理ルーチンは、変数CounterおよびCounterHalfを利用する。変数CounterおよびCounterHalfのデフォルト値は、メインルーチンのステップ6A−4において設定される。その後、変数Counterの値は、図6Gに示されるCheckRateInputルーチンによって(ユーザ入力に従って、たとえばユーザ入力装置108において)リセットされる。図6Gの示されるCheckRateInputルーチンの実行は、値CounterResetを得るまたは計算し、この値は変数Counterをリセットするために使用される。値CounterResetは、3906(値タイマT0)を、ユーザ入力装置106から取得されるユーザ入力値PumpRateで除算することによって計算される。したがって、カウンタはCounterReset=3906/PumpRateとしてリセットされる。変数Counterがリセットされた後、変数CounterHalfはCounter/2としてリセットされる。
【0119】
変数Counterの値は、駆動信号の周期または周波数(図4A〜図4D参照)に影響を及ぼす。この例では、変数Counterの値は、ユーザ入力装置106においてユーザによって設定される値に依存する。以下に説明されるように、カウンタCounterは周波数の跡を追い、図4Cの電荷パケットの構築を通じて実際に波形を辿る。
【0120】
ポンプの動作が終了されないことがステップ6B−2において判断されるとき、ステップ6B−4においてカウンタCounterはデクリメントされる。ステップ6B−5は、カウンタCounterの(デクリメントされたばかりの)値が波形の半分の直前のポイントに対応するかどうか(たとえば、Counterが値CounterHalf+1に到達したかどうか)調べることを伴う。
【0121】
イエスの判断がステップ6B−5において行なわれる場合、ステップ6B−6として、図6Bの割込処理ルーチンは線124および126上の信号PWM−Aおよび信号PWM−Bの両方をオフにする。信号PWM−Aが正の方向に圧電アクチュエータ14を駆動し、信号PWM−Bが負の方向に圧電アクチュエータ14を駆動することが想起される。そして、図4Dの波形の中間ポイントに近づくと、信号PWM−Aおよび信号PWM−Bの両方がオフにされる。
【0122】
信号PWM−Aおよび信号PWM−Bは、その後のステップ6B−7の準備をするために波形の中間ポイントの直前でオフにされる。ステップ6B−7は、マイクロコントローラ116のマルチチャネルアナログデジタル変換器(ADC)から得られる電圧を調べることを伴う。PWM信号PWM−AおよびPWM−Bは、万一ADCからの電圧判断と干渉するかもしれないノイズをそれらの信号が発生させる場合には、オフにされる。
【0123】
そして、ステップ6B−6において信号PWM−Aおよび信号PWM−Bがオフにされるとすぐに、ステップ6B−7において電圧の測定ができる限りすばやく行われる。ステップ6B−7のADC読取は、ポンプ10に印加される電圧の読取である。この読取は、ポンプが振幅の所望の設定値で駆動されていることを確実にするように行なわれる。言い換えると、ステップ6B−7における読取は、ポンプ10に印加される図4Dの駆動信号の振幅Aの読取である。以前に説明されたように、ポンプへの出力における電圧は、たとえばR6およびR7(たとえば、図5A参照)を含む分圧器の中間ポイントにおいて電圧モニタ122から得られる。ポンプ10に印加される実際の電圧(400ボルトと同じぐらい高いかまたは400ボルト付近である可能性があるだろう)は、マイクロコントローラ116のADCで読取可能ではない場合があり、このため、出力モニタ122の分圧器はマイクロコントローラ106のために電圧をより低い電圧まで(たとえば、2.68ボルト未満に)下げる。
【0124】
このように、波形の中間の直前のポイントが到達されたというイエスの判断がステップ6B−5においてなされるとき、信号PWM−AおよびPWM−Bがオフにされ、ステップ6B−14において図6Bの割込処理ルーチンを終了する前に、ポンプ10への電圧のサンプルが取られる。したがって、電圧のサンプルは(できる限りピークに最も近い)波形上の最高ポイントで取られる。
【0125】
ステップ6B−5におけるノーの判断は、波形がサンプリングポイントにない(中間波形ポイントの直前ではない)ことを意味する。ノーの判断がステップ6B−5においてなされるとき、デクリメントされたCounterの値がCounterHalfに厳密に等しい(波形がその厳密な中間ポイントに到達したことを意味する)かどうかの調査がステップ6B−8において実行される。ステップ6B−8における調査がイエスである場合、ステップ6B−9として、図6Bの割込処理ルーチンは信号PWM−B(線126に沿って変換回路102に印加される負のPWM信号)をオンにするようにマイクロコントローラ116を促し、そのため、図4Cの負の一連の電荷パケットが形成されることが可能である。その後、図6Bの割込処理ルーチンは終了される(ステップ6B−14)。
【0126】
ステップ6B−8における調査がノーである(これは、波形の形成がその中間ポイントを過ぎていることを意味する)場合、Counterの値が1に到達したかどうかの調査がステップ6B−10においてなされる。Counterが1に到達することは、負のパルスの形成が基本的に完了されることを意味する。したがって、ステップ6B−10における判断がノーである場合、ステップ6B−11において、図6Bの割込処理ルーチンは線124上の信号PWM−Aおよび線126上の信号PWM−Bの両方をオフにするようにマイクロコントローラ116に命令し、この時点で、図6Bの割込処理ルーチンは終了される(ステップ6B−14)。
【0127】
ステップ6B−10における調査がノーである場合、Counterのデクリメントされた値が0に到達したかどうかのさらなる調査がステップ6B−12においてなされる。もし到達していれば、新しい波形の形成を始めるときであり、したがって、ステップ6B−13において、図6Bの割込処理ルーチンは信号PWM−Aをオンにし、新しいパルスの正の部分を始めるために線124に沿って印加するようにマイクロコントローラ116を促す(新しい波形は図6Bの割込処理ルーチンの連続する繰返しの間に形成されることになる
)。次いで、ステップ6B−14において、図6Bの割込処理ルーチンは終了される。
【0128】
任意のステップとして、ステップ6B−11において信号PWM−Aおよび信号PWM−Bの両方をオフにした後、ユーザ入力装置106のADCにおける電圧は再びステップ6B−7の態様で調べられることができるであろう。
【0129】
このように、図6Bの割込処理ルーチンの繰返される実行は、図4Cの電荷パケットなどの一連の電荷パケットの形成をもたらし、この電荷パケットは線に沿って印加される線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号である。図6Bの割込処理ルーチンはポンプの率を制御する。Counterの値は、タイマ(Timer 0)周波数(たとえば、3906)を、所望の率(PumpRate)を示すユーザ入力値で除算することによって設定される。Counterの値は、割込処理ルーチンの各々の実行中にデクリメントされ、割込処理ルーチンの各々の実行時に、ステップ6B−5、ステップ6B−8、ステップ6B−10、およびステップ6B−12の比較のうちの少なくとも1つが実行される。
【0130】
図6Bの割込処理ルーチンの実行の結果、線104に沿って印加される信号は一連の正の電荷パケットの後に一連の負の電荷パケットが続くように現われるであろうということが予想されるであろう。これらの連なりは、信号が図4Cの電荷パケットの包絡線の形状と同等の全体的に方形波の形状を有するであろうように配置される。このような場合には、図4Cに示される電荷パケットは、ユーザ入力値InputVoltに依存する振幅と、ユーザ入力値RateInputに依存する周期とを有するであろう。しかしながら、前に記載されたように、圧電アクチュエータ14はたとえば線104に沿って印加される信号を一体化する働きをし、そのため、少なくとも1つの例示的な実現例では、線104上の実際の波形はむしろ図4Dに示される正弦波形に近いように現われる。図4Dにおける一体化された信号の波形は図4Cの信号と同一の周期を有するが、図4Dの一体化された信号は正方形の形状よりも正弦波の形状を有する。特に、図4Dにおける一体化された信号の波形のパルスの各々のサイクルは、第1の正の傾斜する部分4D−1、第2の正の傾斜する部分4D−2、ピーク4D−3、第1の負の傾斜する部分4D−4、および第2の負の傾斜する部分4D−5を有する。
【0131】
一体化された波形の形状は、(たとえば、図5Aの回路におけるそれぞれに線124および126上のPWM−AおよびPWM−B信号の)パルス幅変調を特に考慮して、駆動回路の制御下にある。基本的には正弦形状の波形が本明細書において記載されるが、駆動回路は複雑な波形の形状を含む他の波の形状を達成するために、さまざまな(たとえば、各々のおよびすべての)PWMパルスの後の波形をサンプリングすることができ、PWM周期を調整することができるであろうということが専ら可能である。
【0132】
7.3 駆動信号制御プログラム:ADCを調べる
上述のステップ6B−7は、マイクロコントローラ116のアナログデジタル変換器(ADC)を調べることを伴う。ステップ6B−7は基本的には、CheckAtoDsと名づけられるルーチンの実行を伴う。ルーチンCheckAtoDsの選択された例示的な基本ステップは図6Cに示される。
【0133】
ルーチンCheckAtoDsはステップ6C−1において開始される。マイクロコントローラ116のADCはマルチチャネルADCであり、したがって、対応する数の供給源からいくつかのチャネルでアナログ信号を受取ることができることが想起される。たとえば、マイクロコントローラ116のマルチチャネルADCは、ポンプ10の圧電アクチュエータ14に印加される線104上の電圧に関する、出力モニタ122からの電圧フィードバック信号と、ユーザ入力装置106およびユーザ入力装置108から入力される2つの別個の他の電圧信号とを受取る。
【0134】
ルーチンCheckAtoDsは、予め定められたシーケンスで、出力モニタ122からの電圧を受取るADCのチャネルと、RateInputを示すユーザ入力装置106からの電圧を受取るADCのチャネルと、VoltInputを示すユーザ入力装置108からの電圧を受取るADCのチャネルと、電源103からの供給電圧を受取るADCのチャネルとを調べるように構成される。ルーチンCheckAtoDsの動作の順序付けはカウンタAtoDCtrに基づき、このカウンタAtoDCtrは、ステップ6C−20においてインクリメントされるときには1から6まで数える。
【0135】
ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−2において、カウンタAtoDCtrが現在1という値を有するかどうかの調査が実行される。ステップ6C−2における調査がイエスである場合、ステップ6C−3において、ルーチンCheckAtoDsはマイクロコントローラ116のADCの以前に選択されたチャネルから以前に読取られた値を処理する。特に、ステップ6C−3において、ルーチンCheckAtoDsはルーチンCheckVoltsを呼出す。ルーチンCheckVoltsは、出力モニタ122から得られる、マイクロコントローラ116のADCによってたった今デジタルに変換された電圧フィードバック信号を実際には処理する。ステップ6C−3において処理されるデジタル電圧値は、そのピーク(図4D参照)における駆動信号の振幅Aに対応するはずである。そうでなければ、以下に記載されるように、ルーチンCheckVoltsは、線104に沿って印加される駆動信号に所望の振幅を達成するために、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を調整する。デジタル方式で変換されたフィードバック電圧信号を処理するためにルーチンCheckVoltsを呼出した後、ルーチンCheckAtoDsは、ステップ6C−4において、選択されたチャネルがそこに印加されたアナログ情報を取得するように、ユーザ入力装置108を扱うADCのチャネルを(ステップ6C−4において)選択することによって、次の実行の準備をする。その後、ルーチンCheckAtoDsは、(ステップ6C−20において)カウンタAtoDCtrをインクリメントし、終了される(ステップ6C−21)。
【0136】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−5において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が2である場合、ルーチンCheckAtoDsは、ユーザ入力装置108を扱うADCのチャネルが、ユーザ入力装置108から得られかつステップ6C−4の以前の実行時に読取られたアナログ値を処理するように、ルーチンCheckVoltsInputを呼出す。ユーザ入力装置108において設定されるユーザ設定値はVoltInputに対応し、線124および126に沿って信号PWM−AおよびPWM−Bとしてそれぞれに印加されるデジタルパルスのパルス幅を求め、したがって、線104上の駆動信号の振幅を求めることが想起される。アナログ値を読取るようにADCの適切なチャネルをイネーブルにした後、ステップ6C−7において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122からの電圧(したがって、線104に沿って印加される駆動信号)の読取を扱うADCのチャネルを選択する。ステップ6C−7のチャネル選択は、ルーチンCheckAtoDsの次の実行に備えて、そこに印加されたアナログ値を読取る選択されたチャネルをもたらす。その後、カウンタAtoDCtrがインクリメントされ(ステップ6C−20)、ルーチンCheckAtoDsは終了される(ステップ6C−21)。
【0137】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−8において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が3である場合、ステップ6C−9において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122から取得されるデジタル方式で変換されたフィードバック電圧(圧電アクチュエータ14への駆動信号として印加される電圧の実際の振幅を表わす)を処理するために、ルーチンCheckVoltsを呼出す。必要であれば、その処理の際に、ルーチンCheckVoltsは、圧電アクチュエータ14への駆動信号に所望の振幅を達成するために、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を調整する。次いで、ルーチンCheckAtoDsは、ステップ6C−10において、選択されたチャネルがそこに印加されたアナログ情報を取
得するように、ユーザ入力装置106を扱うADCのチャネルを(ステップ6C−10において)選択することによって次の実行の準備をする。その後、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−20において)カウンタAtoDCtrをインクリメントし、終了される(ステップ6C−21)。
【0138】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−11において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が4である場合、ルーチンCheckAtoDsは、ユーザ入力装置106を扱うADCのチャネルが、ユーザ入力装置106から得られかつステップ6C−10の以前の実行時に読取られたアナログ値を処理するように、ルーチンCheckRateInputを呼出す。ユーザ入力装置108において設定されるユーザ設定値は、RateInputまたはPumpRateに対応し、線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の周波数または周期を求めることが想起される。アナログ値を読取るようにADCの適切なチャネルをイネーブルにした後、ステップ6C−13において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122からの電圧(したがって、線104に沿って印加される駆動信号)の読取を扱うADCのチャネルを選択する。ステップ6C−13のチャネル選択は、ルーチンCheckAtoDsの次の実行に備えて、そこに印加されたアナログ値を読取る選択されたチャネルをもたらす。その後、カウンタAtoDCtrはインクリメントされ(ステップ6C−20)、ルーチンCheckAtoDsは終了される(ステップ6C−21)。
【0139】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−14において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が5である場合、ステップ6C−15において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122から取得されるデジタル方式で変換されたフィードバック電圧(圧電アクチュエータ14への駆動信号として印加される電圧の実際の振幅を表わす)を処理するために、ルーチンCheckVoltsを呼出す。必要であれば、その処理の際に、ルーチンCheckVoltsは、圧電アクチュエータ14への駆動信号に所望の振幅を達成するために、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を調整する。次いで、ルーチンCheckAtoDsは、ステップ6C−16において、選択されたチャネルがそこに印加されたアナログ情報を取得するように、電源103からの供給電圧を扱うADCのチャネルを(ステップ6C−16において)選択することによって次の実行の準備をする。その後、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−20において)カウンタAtoDCtrをインクリメントし、終了される(ステップ6C−21)。
【0140】
ルーチンCheckAtoDsに入ったときに(ステップ6C−17において判断されるように)カウンタAtoDCtrの値が6である場合、ステップ6C−18において、ルーチンCheckAtoDsは変数SupplyVoltsRawを、ステップ6C−16において読取られたデジタル方式で変換された値に設定し、カウンタAtoDCtrの値を0に戻すようにリセットする。次いで、ステップ6C−19において、ルーチンCheckAtoDsは再び、出力モニタ122からの電圧(したがって、線104に沿って印加される駆動信号)の読取を扱うADCのチャネルを選択する。ステップ6C−19のチャネル選択は、ルーチンCheckAtoDsの次の実行に備えて、そこに印加されたアナログ値を読取る選択されたチャネルをもたらす。その後、カウンタAtoDCtrはインクリメントされ(ステップ6C−20)、ルーチンCheckAtoDsは終了される(ステップ6C−21)。
【0141】
このように、上述および図6Cから見られるように、ルーチンCheckAtoDsは、線104上の圧電アクチュエータ14への駆動信号が適切なまたは所望の振幅を確実に有するようにするために、ルーチンCheckVoltsを呼出す。さらに、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−6において)、ユーザ入力装置108から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の振幅がユーザによって変更されたことを示すかどうか、およびもし示すのであれば所望の振幅の調整を行なうかどうかを判断するために、ルーチンCheckVoltsInputを呼出す。同様に、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−12において)、ユーザ入力装置1
06から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の周波数がユーザによって変更されたことを示すかどうか、およびもし示すのであれば所望の周波数の調整を行なうかどうかを判断するために、ルーチンCheckRateInputを呼出す。
【0142】
7.4 駆動信号制御プログラム:CheckVoltsInputルーチン
ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−3、ステップ6C−9、およびステップ6C−15において呼出されたルーチンCheckVoltsInputにおける基本ステップは図6Dに示される。ルーチンCheckVoltsInputはステップ6D−1において開始される。次いで、ステップ6D−2において、出力モニタ122を扱うチャネルによって(ステップ6C−19、ステップ6C−7およびステップ6C−13においてそれぞれに)読取られたばかりの(たった今デジタル方式で変換された)電圧は、変数actual_voltsの値として設定される。ステップ6D−3において、ポンプ短絡検出が実行される。短絡状態がポンプ10に対して存在することが分かった場合、短絡タイムアウトカウンタが切れた後(ステップ6D−5)、ウォッチドッグタイマのリセットは待たれる(ステップ6D−6)。短絡が検出されない場合、ステップ6D−7において短絡タイマはリセットされる。
【0143】
ステップ6D−8において、変数actual_voltsの値が変数SetVoltsを超えるかどうかの調査がなされる。変数SetVoltsの値は、線104上の圧電アクチュエータ14のための駆動信号に所望の実際の振幅を表わす。変数SetVoltsの値は、ユーザ入力、たとえばユーザ入力装置108によって与えられるかまたは図3Cの実施例によって以前に示された態様でGUIから与えられるVoltInputなどのアナログ入力によって設定されることが可能である。いずれにしても、変数actual_voltsの値が変数SetVoltsの値を超えることがステップ6D−8において判断される場合、ステップ6D−9において変数PWMカウンタはデクリメントされる。これに対して、変数actual_voltsの値が変数SetVoltsの値未満であるかまたは変数SetVoltsの値に等しいことがステップ6D−10において判断される場合、ステップ6D−11において変数PWMカウンタはインクリメントされる。変数PMWカウンタのデクリメント(ステップ6D−9)またはインクリメント(ステップ6D−11)の後、変数PWMカウンタの値は値PWMとしてルーチンPWM Setに送られる。
【0144】
7.5 駆動信号制御プログラム:PWM設定ルーチン
ルーチンPWM Setは、線124に沿って変換回路102に印加される信号PWM−Aおよび線126に沿って変換回路102に印加される信号PWM−Bの両方に含まれるデジタルパルスのパルス幅Wを調整する(適宜増加または減少させる)働きをする。パルス幅Wは、変換回路102のインダクタL1が荷電されている電荷時間の時間量に対応することが想起される。ルーチンPWM Setの例示的な基本ステップは図6Eに示される。ルーチンPWM Setはステップ6E−1において開始される。ステップ6E−2において、ルーチンPWM Setは、(図6DのルーチンCheckVoltsから得られた)変数PWMが許容し得る最大(PWM最大)を超えたかどうかを調べる。もし超えていれば、ステップ6E−3において変数PWMはPWM最大に設定され、その後、ステップ6E−6においてルーチンPWM Setは終了される。変数PWMが許容し得る最大を超えていない場合、ステップ6E−4において、ルーチンPWM Setは信号PWM−A(PWM正)および信号PWM−B(PWM負)の両方のパルス幅をPWMの値に設定し、そのため、信号PWM−AおよびPWM−Bは所望のパルス幅W(図4A参照)を有することになる。
【0145】
図7A〜図7Dは、線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を変化させることが線104上の圧電アクチュエータ14の駆動信号にどのように影響を及ぼすかを図示する。図7A〜図7Dに示される周期P1は図4A〜図4Dに示される周期Pに似ており、信号PWM−AおよびPWM−Bのデジタルパルスはパルス幅Wを
有する。周期P1では、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号は振幅Aを有し、この振幅Aはパルス幅Wに依存する。しかしながら、ユーザ入力値VoltInputが(たとえば、ユーザ入力装置108を介して実現される設定の変化によって)変更される場合、ルーチンCheckVoltsInputはVoltInputのために使用されるように新しい制御電圧を得て、ルーチンCheckVoltsはそれに従ってPWM値をインクリメントまたはデクリメントする。たとえば、VoltInputのユーザ入力値が増加される場合、PWM値はインクリメントされる(ステップ6D−11)。図7A〜図7Dは、周期P2に影響を及ぼすパルス幅のこのようなインクリメントを示し、そのため、周期P2では(図7Aおよび図7Bにそれぞれに示される)信号PWM−AおよびPWM−Bのデジタルパルスの幅はWからW′に増加される。信号PWM−AおよびPWM−Bのパルスのパルス幅の増加の結果、線に沿って印加されるパルス出力、線104に沿って印加される駆動信号の振幅、および圧電アクチュエータ14による一体化から結果として生じる正弦波の振幅は周期P2の間にAからA′に増加される。図7A〜図7Dでは、周期P1およびP2は、異なる添字を有するが、同一の持続期間を有する。図7A〜図7Dにおける周期Pについての異なる添字は単に、WからW′へのパルス幅の変化およびAからA′への結果として生じる振幅の変化を強調するためのものである。パルス幅のこの変化、したがって圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の振幅の変化は、ポンプのリアルタイムの動作中に駆動信号(たとえば、駆動信号の形状)を動的に変化させる一例である。
【0146】
上述のように、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−6において)、ユーザ入力装置108から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の振幅がユーザによって変更されたことを示すかどうかを判断するために、ルーチンCheckVoltsInputを呼出す。必要であれば、ルーチンCheckVoltsInputは所望の振幅の調整を行なう。ルーチンCheckVoltsInputの例示的な実現例の基本ステップは図6Fに示される。ルーチンCheckVoltsInputはステップ6F−1において開始される。ステップ6F−2において、ユーザ入力装置108を扱うチャネルによって(ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−4において)読取られたばかりの(たった今デジタル方式で変換された)電圧は、変数volts_ctlの値として設定される。念のため、(1)トリマー抵抗器106および108がイネーブルにされているという調査、および(2)取得されたばかりの変数volts_ctlの値が閾値を超えるという調査がステップ6F−3においてなされる。ステップ6F−3のいずれかの条件が満たされない場合、ステップ6F−7においてルーチンCheckVoltsInputは終了される。
【0147】
ステップ6F−4において、変数volts_ctlの値が変数MAX_VOLTS未満であるかどうかの調査がなされる。変数MAX_VOLTSの値は、圧電アクチュエータ14のための駆動信号の最大許容振幅を表わす。変数volts_ctlの値が変数MAX_VOLTS未満である場合、ステップ6F−5において変数SetVoltsの値は変数volts_ctlに等しく設定される。そうでなければ、ステップ6F−6において変数volts_ctlは値MAX_VOLTSに設定される。変数volts_ctlの値が(ステップ6F−5またはステップ6F−6において)確立された後、ステップ6F−7においてルーチンCheckVoltsInputは終了される。
【0148】
7.6 駆動信号制御プログラム:CheckRateInputルーチン
上述のように、ルーチンCheckAtoDsは(ステップ6C−12において)、ユーザ入力装置106から得られるユーザ入力電圧が、駆動信号の所望の周波数がユーザによって変更されたことを示すかどうかを判断するために、ルーチンCheckRateInputを呼出す。必要であれば、ルーチンCheckRateInputは所望の周波数の調整を行なう。ルーチンCheckRateInputの例示的な実現例の基本ステップは図6Gに示される。ルーチンCheckRateInputはステップ6G−1において開始される。念のため、トリマー抵抗器106および108がイネーブルにされているという調査がステップ6G−2においてなされる。ステップ6G−2の調査がイエスである場合、ステップ6G−3において、変数PumpRateの値は、ユーザ入
力装置106を扱うチャネルによって(ルーチンCheckAtoDsのステップ6C−10において)読取られたばかりの(たった今デジタル方式で変換された)電圧に設定される。ステップ6G−2の調査がノーであることが判明した場合、変数PumpRateの値が値MIN_RATE未満であるかどうかの調査がステップ6G−4においてなされる。ステップ6G−4における調査がイエスである場合、ステップ6G−5において変数PumpRateの値は値MIN_RATEに等しく設定される。これに対して、ステップ6G−6において、変数PumpRateの値が値MAX_RATEよりも大きいかどうかの調査がなされる。ステップ6G−6における調査がイエスである場合、ステップ6G−7において変数PumpRateの値は値MAX_RATEに等しく設定される。ステップ6G−9において終了する前に、ステップ6G−8において、ルーチンCheckRateInputは変数CounterResetを求めるために変数PumpRateの値を使用する。特に、ステップ6G−8において、ルーチンCheckRateInputは、変数CounterResetを求めるために、3906(図6Bの割込処理ルーチンが呼出される周波数)を変数PumpRateの値で除算する。以前に説明されたように、変数CounterResetの値は、変数Counterの値を確立するために使用される。変数Counterは、図6Bの割込処理ルーチンを参照して以前に説明されたように、線104上の圧電アクチュエータ14への駆動信号のための周期または周波数の所望の設定に影響を及ぼす。
【0149】
図8A〜図8Dは、線104に沿って印加される駆動信号の周期または周波数の変化を図示する。図8A〜図8Dでは、PAは図4A〜図4Dにおける周期Pと同等の持続時間を有する第1の周期を指す。しかしながら、図8A〜図8Dの周期PBは、(たとえば、ユーザ入力装置106を介して入力され得る)変数PumpRateの新しいユーザ入力値に従ってどのように周期が変化され得るかを示す。特に、図8A〜図8Dは、変数PumpRateの新しい(より小さな)値を考慮して周期PAよりも短い周期PBを示す。上で説明されたように、線104に沿って印加される駆動信号の周期は、図6Gを参照して上述されたルーチンCheckRateInputを使用して実現される。圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号の周期または周波数のこの変化は、ポンプのリアルタイムの動作中に駆動信号(たとえば、駆動信号の形状)を動的に変化させる別の例である。
【0150】
PWM−AおよびPWM−Bの波形のパルス周期は、「リアルタイム」でパルスごとに調整されることができ、際限ない数々の駆動波形の可能性を生成する。このような複雑な波形のために、デジタル信号プロセッサタイプのマイクロコントローラを利用することが必要であり得る。
【0151】
8.0 圧電アクチュエータのパラメータを求める
上述の圧電アクチュエータ駆動回路18の1つ以上の実施例および動作のモードのうちの1つの使用例は、圧電アクチュエータ14もしくは圧電アクチュエータ14が動作するシステムの1つ以上のパラメータまたは特徴を求めることを伴う。
【0152】
8.1 圧電アクチュエータのキャパシタンスを求める
ポンプ10の正確な動作のために、圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを正確に求めることが重要である。原則として、より高いキャパシタンスの圧電素子はより低いキャパシタンスの圧電素子よりも多くのエネルギを有し、より遠くに移動させる。圧電アクチュエータ14で利用される特定の圧電材料は規定または公称キャパシタンスを有し得るが、同一の生産ロットで製造される圧電素子のキャパシタンスは部品ごとに5%ほども異なる場合があり、異なるロットで製造される同一のタイプの圧電素子のキャパシタンスは25%ほども異なる場合があることが経験から明らかである。
【0153】
本明細書に記載される圧電アクチュエータ駆動回路18の実施例によって、ポンプ製造業者はそのタイプについての公称キャパシタンスとは異なる圧電素子を使用することができる。有利に、圧電アクチュエータ駆動回路18のこれらの実施例は、自動的に実際のキ
ャパシタンスを求め、それによって、実際のキャパシタンスを考慮して適切な電圧を送出する。言い換えると、圧電アクチュエータ駆動回路18は圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを検出し、それに従って駆動信号をカスタマイズする。たとえば、セラミックが時間とともに劣化する圧電アクチュエータ14の場合、圧電アクチュエータ駆動回路18は負荷(たとえば、圧電アクチュエータ14)を検査することができ、その後、ある期間にわたる圧電素子の劣化または変化を補償するためにより高い電圧で圧電アクチュエータ14を駆動する。
【0154】
図9Aは、動作の例示的なモードのための圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを求めるキャパシタンスチェックルーチンにかかわるいくつかの選択された代表的な基本ステップを示す。図9Aのキャパシタンスチェックルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行され、ステップ9A−1において開始される。ステップ9A−2において、キャパシタンスチェックルーチンは、圧電アクチュエータ駆動回路18のPWMサーボ機能をオフにする。言い換えると、キャパシタンスチェックルーチンは(図6Dに示された)ルーチンCheckVoltsの呼出をディスエーブルにし、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号を制御するための固定PWMモードに入る。固定PWMモードでは、ステップ9A−3として、デジタルパルスがパルス発生器100によって発生され、線124および126に沿ってそれぞれに印加される信号PWM−AおよびPWM−Bのこのパルス幅は一貫しており、圧電アクチュエータ14にパルスの状態で印加される電荷の量(たとえば、メモリに予め格納され得る確認可能な電荷の量)は公知である。ステップ9A−4として、ユーザ入力装置106は、圧電アクチュエータ14に印加される電荷に注目する。
【0155】
電荷の公知の量を(クーロン単位で)圧電アクチュエータに印加し、その後(ステップ9A−5において)圧電アクチュエータで電圧を(ボルト単位で)測定することによって、キャパシタンスは直接に計算されることができる。電圧測定は、出力モニタ122によって線105に沿ってマイクロコントローラ106に印加される電圧フィードバック信号によって得られる。キャパシタンスチェックルーチンは、出力モニタ122によって線105に沿ってマイクロコントローラ106に印加される電圧フィードバック信号をサンプリングする。
【0156】
代替的には、キャパシタンスチェックルーチンは、波形に沿った連続するポイント、特に波形のピークにおいておよび波形のピーク後に、出力モニタ122から得られる電圧フィードバック信号をサンプリングする。たとえば、キャパシタンスチェックルーチンは、図10Aの波形などの波形のピークK付近の時間の中のいくつかのポイントにおいて電圧測定値を求める。線S10Aは、ピークK後の図10Aの波形についての電圧測定値の傾きを示す。キャパシタンス定数を求める1つの方法は、この傾きを使用することである。さらなる代替例として、PWMモードが終了されることができ、2つの正確にタイミングが取れた電圧読取が行なわれることができる。次いで、キャパシタンスは、(実験的にまたは製造およびEEPROMなどのメモリへの格納時に)回路の抵抗性のリークを知り、単純なRC時定数計算を使用して計算されることができる。
【0157】
圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを求めた後、(ステップ9A−7によって示されるように)キャパシタンスチェックルーチンは終了することが可能である。しかしながら、より好ましくは、キャパシタンスチェックルーチンはキャパシタンス補償ルーチンを呼出す、またはキャパシタンス補償ルーチンによって受け継がれることができる。図9Bは、キャパシタンス補償ルーチンにかかわる選択された基本ステップを示し、キャパシタンス補償ルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行され、ステップ9B−1において開始される。
【0158】
ステップ9B−2において、キャパシタンス補償ルーチンは、圧電アクチュエータ14のキャパシタンスを考慮して、PWM信号(たとえば、図5Aの回路における線124上の信号PWM−Aおよび線126上の信号PWM−B、または図5Cの回路におけるPWM信号)に適切なパルス幅の値を求める。言い換えると、キャパシタンス補償ルーチンはここで、圧電アクチュエータへの駆動信号を制御するために、圧電アクチュエータの検出されたパラメータを使用する。圧電アクチュエータ14のキャパシタンスは、キャパシタンスチェックルーチン(図9A参照)の以前の実行によって求められたかもしれない。パルス幅の値はいくつかの方法のうちのいずれでも求められ得る。たとえば、ステップ9B−2のパルス幅の値の決定は、(圧電アクチュエータ14の測定されたキャパシタンス値を示す)格納されたフィードバック電圧値と、(圧電アクチュエータ14のための対応する電荷をもたらす)格納されたパルス幅の値との間で対になった対応を有するルックアップテーブルなどを調べることを伴ってもよい。別の例として、キャパシタンス補償ルーチンはパルス幅の計算を行なってもよい。基本的な例として、以前に求められたキャパシタンスは、所望のアクチュエータ電圧をもたらすことになるPWM幅の設定を求めるために好適な方程式の中で使用されることが可能である。代替的には、ルックアップテーブルの動作はパルス幅を求めるためにも使用されてもよい。
【0159】
キャパシタンスを考慮してPWM信号(たとえば、線124上のPWM−Aおよび線126上の信号PWM−B)に必要なパルス幅を求めた後、ステップ9B−3として、キャパシタンス補償ルーチンは値PWMを、ステップ9B−2において求められた適切なキャパシタンスを求められたパルス幅の値に設定する。次いで、ステップ9B−4として、キャパシタンス補償ルーチンは動作の固定PWMモードを起動すべきかまたは動作のPWMサーボモードを起動すべきかを調べる。
【0160】
ステップ9B−4において動作の固定PWMモードが選択される場合、ステップ9B−5として、キャパシタンス補償ルーチンは固定PWMモードを開始させるかまたは固定PWMモードをイネーブルにする。固定PWMモードを開始させるまたはイネーブルにすることは基本的には、一貫したPWMの値(ステップ9B−2において求められ、ステップ9B−3において設定された値)が信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅を形成するために一貫して利用されることを意味する。言い換えると、固定PWMモードでは、ルーチンCheckVoltsは省略され、そのため、PWMの値はフィードバック信号または他の信号によって更新されない。
【0161】
ステップ9B−4において動作のPWMサーボモードが選択される場合、ステップ9B−6として、キャパシタンス補償ルーチンはPWMサーボモードを開始させるかまたはPWMサーボモードをイネーブルにする。PWMサーボモードを開始させるまたはイネーブルにすることは基本的には、PWMの値が出力モニタ122によって線105に沿って印加されるフィードバック電圧信号などの入力に従って更新または変更され得ることを意味する。そうする際に、キャパシタンス補償ルーチンは最初に固定PWMモードをオフにする必要があるかもしれない(たとえば、ステップ9A−2などにおいて、固定PWMモードがオンにされていた場合)。PWMサーボの機能性をオンにすることは、ルーチンCheckVoltsをマイクロコントローラ116の実行の一部として含むことを伴い、そのため、PWMの値は入力値(たとえば、ステップ6D−2において得られたADC読取値)に従って更新される(たとえば、ステップ6D−9においてデクリメントされる、またはステップ6D−11においてインクリメントされる)。
【0162】
図10Aは、第1の例示的な圧電アクチュエータのキャパシタンスを求めるための(たとえば、キャパシタンスチェックルーチンのステップ9A−5において得られた)電圧測定値の波形を示すように上述された。図10Bは、第2の例示的な圧電アクチュエータのキャパシタンスを求めるために得られる電圧測定値の別の波形を図示する。図10Bの第
2の圧電アクチュエータは、図10Aの第1の圧電アクチュエータよりも少ないキャパシタンスを偶然有し、これは図10Bの波形の傾きが図10Aの波形の傾きよりも(負の方向に)大きいという事実によって図示される。
【0163】
8.2 圧電システムのインピーダンス/共振を求める
圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電アクチュエータ14が動作するシステムのインピーダンスを求めることを容易にし、インピーダンスは圧電アクチュエータ14の共振周波数を表わす。たとえば、圧電アクチュエータ14がポンプで動作するとき、システムのインピーダンスは圧電ポンプ、取付けられた管、流体粘性、閉じ込められた空気などを含む。システムのインピーダンスはこのシステムの共振周波数と関係がある。周波数スペクトルにおける低インピーダンスのポイントは共振周波数を示す。このシステムの共振周波数が分かっている場合、ポンプの性能はその特定のシステムのために最適化されることが可能である。典型的には、システムの共振周波数は40から130Hertzのどこかである。2つの異なるシステムの中の1つのポンプは2つの異なる共振周波数を有することになり、したがって、リアルタイムでシステムの共振周波数を測定できることが望ましい。一旦共振周波数がわかると、マイクロコントローラは最大性能を求めて駆動周波数を調整することが可能である。
【0164】
2つの例示的で非限定的なインピーダンス/共振決定手法は、インピーダンス測定法およびインパルス応答法である。インピーダンス測定法およびインパルス応答法の両方は、ポンプ10のリアルタイムの動作中、たとえば、圧電アクチュエータ14がポンプ10の中で流体を実際に汲み上げている間に好ましくは実現される。
【0165】
8.2.1 インピーダンス測定法
第1の手法は、以前に記載されたキャパシタンス法と非常に似ている。定電力駆動がさまざまな駆動周波数で印加され、信号減衰が測定される。最大減衰が発生する周波数は最小インピーダンスを示し、したがって、共振周波数を示す。
【0166】
インピーダンス測定法の例示的な基本ステップは図11Aに示される。インピーダンス測定法では、ポンプ10の共振周波数は、多くの異なる周波数で圧電アクチュエータ14の一連の粗いインピーダンス測定を行なうことによって、および最小周波数を見つけることによって、間接的に見つけられる。インピーダンス測定法を実現するためのルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行されることができ、ステップ11A−1において開始される。
【0167】
ステップ11A−2として、インピーダンス測定ルーチンは圧電アクチュエータ駆動回路18のPWMサーボ機能をオフにする。これは、電圧制御サーボ回路がディスエーブルにされた状態で圧電アクチュエータ14を駆動することによって、特定の周波数の圧電アクチュエータ14のインピーダンスが作られるためである。これは、(図6Dに示された)ルーチンCheckVoltsの呼出をディスエーブルにするかまたはそうでなければルーチンCheckVoltsを省略し、ステップ11A−3によって示される固定PWMモードに入るインピーダンス測定ルーチンによって達成される。固定PWMモードでは、マイクロコントローラ116は固定パルス幅変調を有する信号PWM−AおよびPWM−Bを発生させ、そのため、圧電アクチュエータ14は定電力入力で駆動され、定電力入力はそのインピーダンスに比例する、圧電アクチュエータ14で達成されるピーク電圧に変換することになる。
【0168】
残りのステップで、図11Aのインピーダンス測定ルーチンは、一連の励振周波数にわたって掃引し、各々の周波数ごとに電圧フィードバック測定を行ない、電圧フィードバック信号を正規化し、次いで最小のインピーダンスを求める。ステップ11A−4において、インピーダンス測定ルーチンは最初の励振周波数を設定する。励振周波数が設定された
状態で、ステップ11A−5において、インピーダンス測定ルーチンは圧電アクチュエータ14からのピーク電圧フィードバック信号を(出力モニタ122から線105に沿って)得る。ステップ11A−5において得られた電圧フィードバック信号は、生成された励振周波数に関連付けられて格納される。ステップ11A−6において、インピーダンス測定ルーチンは、それが掃引する励振周波数の全帯域を完了したかどうかを判断する。完了していなければ、ステップ11A−7において帯域の次の励振周波数が選択され、その後、ステップ11A−5において次の励振周波数のためのピーク電圧フィードバックが得られ、格納される。したがって、インピーダンス測定ルーチンは、励振周波数の帯域を通じて駆動信号を変更しており、励振周波数の各々ごとのフィードバック信号から電圧値を得ている。
【0169】
励振周波数の全帯域が調べられたことがステップ11A−6において判断された後、ステップ11A−8において、全帯域にわたって得られたピーク電圧フィードバック信号値が正規化される。次いで、ステップ11A−9として、インピーダンス測定ルーチンは、最小インピーダンス値(つまり、最小電圧フィードバックピーク値)をもたらす走査範囲で特定の励振周波数としてポンプ10の共振周波数を求める。
【0170】
8.2.2 インパルス応答法
第2の手法は、動的インピーダンスを測定することによってではなく、システムのインパルス応答を測定することによって共振周波数を測定する。これは、ハンマーを用いて音叉を打ち、その音叉の周波数を測定することと全く等価である。圧電は電気インパルスで打たれ、次いでポンプシステムの中に伝わる物理的な衝撃波のための電圧フィードバック線を介して「聞かれ」、次いで圧電に「戻り」、物理的に圧電を移動させ、反響した電気インパルスを発生させる。インパルス励振とエコーとの間の時間の逆数は、システムの共振周波数である。
【0171】
インパルス応答法の例示的な基本ステップは図11Bに示される。インパルス応答法を実現するためのルーチンは、マイクロコントローラ116によって実行されることができ、ステップ11B−1において開始される。以前の記載を考慮して理解されるように、ステップ11B−2において、インパルス応答ルーチンは、圧電アクチュエータ駆動回路18のPWMサーボ機能をオフにする。次いで、インパルス応答ルーチンの残りのステップで、ポンプ10の共振周波数はステップ機能駆動信号を用いて圧電ダイヤフラム(たとえば、圧電アクチュエータ14)を「検査(ping)し」、次いで、「エコー」を探すために圧電アクチュエータ14の両端の電圧を連続的に監視することによって直接に測定される。エコー周期の逆数は共振周波数である。
【0172】
ステップ11B−4として、マイクロコントローラ116はステップ機能駆動モードを開始させ、ステップ機能駆動モードでは、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅はステップ機能に従って設定される。つまり、信号PWM−AおよびPWM−Bのパルス幅は最初に第1の値で設定され、次いで第2の(より大きな)値に増加され、次いで第3の(さらにより大きな)値に増加されるなどである。言い換えると、インパルス応答ルーチンは駆動信号を変化させ、その間中、ステップ11B−5として、線に沿った出力モニタ122からの電圧フィードバック信号線105に沿った電圧フィードバック信号は、マイクロコントローラ116またはいくつかの他のプロセッサによって監視される。エコーが見つけられるとき、ステップ11B−6において、エコー周期の逆数は圧電アクチュエータ14の共振周波数として考えられる。
【0173】
9.0 センサ信号を受取る駆動回路
上述のように、コネクタ110は1つ以上のセンサに接続されることが可能である。このようなセンサは、対応するセンサ信号を圧電アクチュエータ駆動回路18および特にマ
イクロコントローラ116に供給する。たとえば、図19は、アクチュエータ駆動回路18に印加される、たとえばセンサからのデジタル入力信号を示す。パルス発生器(たとえば、マイクロコントローラ116)は、デジタル入力を受取り、デジタル入力信号を線105上のフィードバック信号と組合せて、組合せられた出力191を生成する信号論理組合せ機能190を有する。信号論理組合せ機能に入力される前に、線105上のフィードバック信号はアナログからデジタルに変換されることができる。当業者は、幅広く理解されている制御理論を考慮して信号論理組合せ機能190の働きを理解する。なぜなら、信号論理組合せ機能190は基本的には、パルス発生器100の出力を修正するためにデジタル入力信号を使用するためである。
【0174】
図19に示されるデジタル入力信号は、図3Cに示されるグラフィカルユーザインターフェイスなどから、または図3Dに示されるポンプ内センサから、または図3E、図3Fおよび図3Gに示される(たとえば)その他の場所に位置するセンサからのものであり得る。たとえば、ポンプが冷却のために使用され、検出された温度が上昇していることをパルス発生器100へのデジタル入力信号が示す場合、制御理論を使用して、信号論理組合せ機能190はポンプ動作を強めるであろう。逆に、デジタル入力信号によって示されるように温度が低下する場合、パルス発生器はポンプ動作を低下させるであろう。
【0175】
10.0 駆動信号の波形の最適化
以前に示されたように、波形最適化モードでは、圧電アクチュエータ駆動回路18は、最適化された波形を有する駆動信号を発生させてポンプの圧電アクチュエータ14に印加するために、以前に準備されたおよび/または予め格納された情報(たとえば、波形形状データ)を使用し得る。以前に準備されたおよび予め格納された情報は、ルックアップテーブル140(図5B参照)などのテーブルに格納されることができる。この情報は、波形が1つ以上の基準(たとえば、1つ以上の動作パラメータ/変数)に対して最適化されるように準備されることができる。波形形状データは、より効率的に、より少ないノイズのために、および願わくは最小限の(もしあれば)電荷回復措置を用いて供給される電力を圧電アクチュエータに使用させる目的を含む目的のために波形最適化モードで最適化される。
【0176】
10.1 波形最適化装置
図13は、波形最適化値のテーブルを生成する例示的な実施例の波形オプティマイザー200を示す。波形オプティマイザー200によって作り出される波形最適化値は、ターゲット圧電ポンプのための駆動信号を発生させるためのターゲット駆動回路によって波形形状データとして使用されるように意図される。これらの波形最適化値を作り出すために、波形オプティマイザー200は、デジタルアナログ変換器(DAC)201に印加される駆動信号を発生させ、その後アナログ駆動信号は(増幅器202によって)増幅され、線204に沿って圧電アクチュエータに印加される。圧電アクチュエータは動作ポンプの中に位置する。圧電アクチュエータ14およびポンプ10の素子を参照するために以前の図と同一の参照数字が図13で利用されているが、波形オプティマイザー200によって準備される波形最適化データはターゲットポンプおよびターゲット圧電アクチュエータのためのものであり、ターゲットポンプおよびターゲットアクチュエータは波形最適化データの生成中に駆動される同一のポンプ/圧電アクチュエータであり得るが、必ずしも同一のポンプ/圧電アクチュエータではないことが理解されるべきである。この点に関して、波形オプティマイザー200によって準備される波形最適化データは、別の(しかしながら、好ましくは同様のタイプの)圧電アクチュエータのためのものである場合もあれば、波形最適化データの生成中に利用されるものとは別の(しかしながら、好ましくは同様のタイプの)ポンプのためのものである場合もある。
【0177】
以前に示されたように、波形オプティマイザー200によって準備される波形データは
、1つ以上の動作パラメータ、たとえば1つ以上の基準に対して最適化されることができる。最適化可能な基準の例は、流れ(たとえば、ポンプを通る流体の流量)、加速度、ノイズのなさ、圧力、温度、高度、電力消費、および他のアナログもしくはデジタルフィードバック装置からの信号または入力を含む。駆動信号波形の最適化は典型的には、最適化される動作パラメータに関する信号(たとえば、フィードバック信号)を得るためにセンサを使用することを伴う。2つ以上のこのようなセンサが利用されてもよく、このようなセンサの位置および/または位置決めは検出/最適化されるパラメータに依存する。簡潔にするために、図13は総称的に単一のセンサ112−13を示す。利用されるセンサのタイプおよび性質に応じて、波形オプティマイザー200は、センサ信号を波形オプティマイザー200によって使用可能なものにするセンサインターフェイス208を含んでもよい。たとえば、センサインターフェイス208はアナログデジタル変換器(ADC)222(図16参照)を含んでもよい。
【0178】
続く説明には、最適化されるパラメータがポンプを通る流体の流れである、例示的で非限定的な波形最適化シナリオが記載される。このような例示的なシナリオでは、センサは流量計である可能性があり、この流量計はポンプの出口またはポンプの出口から下流に位置決めされてもよいことが理解されるべきである。
【0179】
波形オプティマイザー200は線204に沿って駆動信号を出力する。1つの例示的な実施例では、波形オプティマイザー200は駆動信号として使用されるデジタル出力信号を発生させるための、以前に記載されたパルス発生器および/またはマイクロコントローラのものと似た構成要素ならびに動作を有することが認識される。さらに、波形オプティマイザー200は典型的には、波形最適化プログラム210などの実行可能なプログラムを含む。波形最適化プログラム210は、圧電アクチュエータに印加されるべき駆動信号を発生させるため、および波形最適化データ値のテーブルを得るために解かれる波形方程式を発生させるためにメモリに格納された命令に基づいてステップを実行する。波形最適化データ値は、図13にテーブル212として示される波形オプティマイザー200のテーブルメモリに格納される。
【0180】
入力/出力装置220は波形オプティマイザー200に接続され、そのため、テーブル212に格納された波形最適化データはそこから取出されることができる。入力/出力装置220は、(テーブル212からデータ値を読取るための)ディスプレイ、または(リードオンリメモリ(ROM)に値を格納するためのROMバーナーなどの)ハードウェアメモリ生成装置などのさまざまな形態を取り得る。
【0181】
10.2 波形最適化伝達技術
図14は、圧電ポンプのパルス発生器が最適化された波形を生成できるようにするための手順の一般的な局面またはイベントを示す。イベント14−1として、波形オプティマイザー200は、機能ポンプの中で動作している圧電アクチュエータに駆動信号を印加するように(図13に示される例示的な態様で)接続される間、(たとえば、波形最適化プログラム210を実行することによって)波形最適化手順を実行する。上述のように、この接続にかかわる特定のアクチュエータまたはポンプは、波形最適化データが利用されることになるターゲットアクチュエータ/ポンプと同一のものである場合もあれば、同一のものでない場合もある。図14に示されるように、イベント14−1の実行中に、波形オプティマイザー200は波形最適化に影響を及ぼす1つ以上の動作パラメータ(「基準」)に関するフィードバックまたは少なくとも境界条件を受取ってもよい。上述の例示的なセンサ112−13は、動作パラメータの1つのタイプのための信号を印加する一例である。いくつかの実施例では、波形最適化は1つだけの動作パラメータのために実行され得るが、図14は任意の数(「N」)の動作パラメータのための入力を考慮する。
【0182】
波形オプティマイザー200の出力は、波形形状データとしても公知の波形最適化データのテーブルまたは一覧である。このようなテーブルのための波形最適化データの生成は、図14のイベント14−2として示される。このようなテーブルの例示的なフォーマットは、後に記載される図18Aおよび図18Bに示される。
【0183】
波形オプティマイザー200によって生成される波形最適化データは後に、ターゲットポンプにおいて線104に沿って圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号を線に沿って印加される波形を最適化するために(本明細書に記載される実施例などの)ターゲット圧電アクチュエータ駆動回路18において使用されることになる。波形オプティマイザー200によって生成される波形最適化データのターゲットポンプへの伝達は、図14にイベント14−3A、14−3Bおよび14−3Cによってそれぞれに示されるモードなどのいくつかのモードで発生し得る。
【0184】
波形最適化データ伝達モード14−3Aとして、波形オプティマイザー200によって生成される特定の波形最適化データは、利用されるターゲットポンプのパルス発生器100を含むかまたはパルス発生器100にアクセス可能なメモリテーブルへの入力であり得る。たとえば、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)などは、波形オプティマイザー200によって作り出された波形最適化データを圧電アクチュエータ駆動回路18のためのメモリに入力するために利用されることが可能である。メモリは、(たとえば、マイクロコントローラ116のための)オンボードメモリである可能性もあれば、メモリの他の形態(たとえば、リードオンリメモリ(ROM))である可能性もある。
【0185】
波形最適化データ伝達モード14−3Bとして、波形オプティマイザー200によって生成される特定の波形最適化データは、メモリチップまたは他のメモリ装置にテーブル形式で格納されることができ、その後、波形最適化データを有するメモリチップ/装置はターゲットポンプの圧電アクチュエータ駆動回路18にインストールされることが可能である。このモードは図15Aおよび図15Bにも示され、ターゲットポンプのパルス発生器100に基本的には組入れられる、メモリテーブル212の形式の波形最適化データのバージョンを示す。
【0186】
波形最適化データ伝達モード14−3Cとして、波形オプティマイザー200によって生成される特定の波形最適化データは、テーブル形式で、またはそうでなければターゲットポンプのマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラに格納されることができる。たとえば、伝達モード14−3Cでは、マイクロコントローラ116全体およびおそらく圧電アクチュエータ駆動回路18全体がターゲットポンプに供給される。
【0187】
10.3 波形最適化データ準備手順
波形オプティマイザー200によって実行される波形最適化プログラム210の論理は、さまざまな方法で順に行なわれることができ、配置されることができ、フォーマット化されることができ、プログラムされることができる。さらに、波形オプティマイザー200は、分散された態様でまたは統合された態様で、以下に示される例示的なステップなどの基本的な動作を実行する1つ以上のコントローラ、プロセッサまたはASICを含んでもよい。図16に示される1つの非限定的で例示的な構成では、波形最適化プログラム210は、ダイナミックローダブルライブラリ226に関連して機能するプログラムインターフェイスツール224を含む。好適なプログラムインターフェイスツールの一例は、ナショナルインスツルメンツラボVIEW(National Instruments LabVIEW)(登録商標)である。ダイナミックローダブルライブラリ226は、コンパイラによって作られるモジュールであり、たとえばCなどのプログラミング言語で書かれるコードであってもよい。プログラムインターフェイスツールまたはプログラミングアプローチの他のタイプが代替的に利用されてもよい。
【0188】
図17A〜図17Dは、波形オプティマイザー200によって実行される非限定的で例示的な波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。ステップ17−1は波形最適化手順の始まりを表わす。
【0189】
基本的には、波形最適化手順は最初に波動方程式の係数を求める。波動方程式の係数は、ポンプの少なくとも1つの動作パラメータを最適化するために求められる。次いで、波形最適化手順は、ポンプの圧電アクチュエータ駆動回路によって利用されることができる波形形状データを得るために波形方程式を解き、そのため、波形の周期内の複数のポイントの各々ごとに、駆動信号は予め定められた波形の形状(たとえば、ポンプのために最適化される波形の形状)に適切な振幅を有する。波形形状データはメモリ(図13のテーブルメモリ212など)に格納され、図14のイベント14−3A、14−3Bおよび14−3Cによって示されるモードなどのモードで圧電アクチュエータ駆動回路に伝達されることができる。波形形状データは、振幅値、たとえば図18Aのテーブル140−18Aの態様のように波形周期の複数のポイントが対になった振幅値の形態を取ってもよい。代替的にまたは追加として、波形形状データは、たとえば図18Bのテーブル140−18Bの態様で波形周期の複数のポイントが対になったパルス幅変調値の形態を取ってもよい。
【0190】
任意の好適な基本波形方程式は、たとえば正弦波、方形波、矩形波などの波形オプティマイザー200によって利用されることが可能である。ここで記載される非限定的で例示的なモードでは、方程式1の一般的な形態を有する基本波動方程式が利用される。
【0191】
【数1】
【0192】
方程式1では、Dはボルト単位の駆動振幅であり、fはHz単位の動作周波数であり、Nは考慮されるべき高調波の数であり、i=0,...N−1は高調波の指数範囲である。
上に記載され、以下により詳細に説明されるように、方程式1の波形方程式の係数AiおよびBiが最初に求められ、その後、波形方程式がその振幅(電圧)Vのために解かれる。方程式1では、係数AiおよびBiについて、添字iは基本項の対(i=0のとき)および高調波項の対(i>0の項)のサイン項ならびにコサイン項にそれぞれに関連付けられる。
【0193】
ステップ17−2からステップ17−4は、波形最適化手順で利用されるさまざまな変数のための初期化動作を伴う。これらの初期化動作は、図17Cに示される例示的なステップを有する係数決定ルーチンの呼出の準備として実行される。係数決定ルーチンは、さらなる高調波項が波形方程式に加えられるときに、係数添字カウンタiとしても公知の係数のための高調波の対のカウンタがインクリメントされる外側ループの実行を伴う。したがって、ステップ17−2として、係数添字カウンタiは0で初期化される。さらに、係数決定ルーチンによって実行される各々の係数の決定は、特定の値step_sizeによって係数の大きさを増加または減少させることを伴う。したがって、ステップ17−3として、最初のstep_size(たとえば、0.2)が選択される。さらに、係数決定ルーチンは項の高調波の対のサイン項およびコサイン項の対の両方のために波形方程式の係数を求めるが、1つの項(「アクティブな」項)だけが任意の所与の時間に求められた係数を有する。したがって、ステップ17−4として、サイン項は第1のアクティブな項(たとえば、active_term=sine)として設定される。
【0194】
上述のように、波形最適化手順は、1つ以上の動作パラメータ(たとえば、動作基準)に従って最適化される波形形状データを生成することが可能である。1つ以上のこれらの動作パラメータに対して特定の境界条件が存在する可能性があり、その範囲内でポンプは動作しなければならない。たとえば、流体の流れがこのような動作パラメータである場合、ポンプの動作は流れの値の特定の範囲内でのみ許容可能であり得る。したがって、任意のステップ17−5は、波形最適化手順のための境界条件を入力することを伴う。たとえば、ステップ17−5において、上部の流体流量および/または下部の流体流量が波形最適化手順に入力されてもよい。
【0195】
次のステップ17−10は、波形方程式の係数を求めるための係数決定ルーチンの実行を伴う。前触れとして波形方程式の係数AiおよびBiの公称予備値がステップ17−7において得られる。1つの例示的な実現例では、係数AiおよびBiのこれらの公称予備値は好ましくは不揮発性メモリに格納される。次いで、波形方程式の係数AiおよびBiのこれらの公称予備値を使用して、波形方程式は、動作するポンプの圧電アクチュエータに線204に沿って印加される駆動信号を発生させるために、ステップ17−8において波形オプティマイザー200によって利用される。ステップ17−9によって示されるように、波形最適化プログラム210は、さらなる動作を継続する前に(好ましくは予め定められた)整定時間を待つ。整定時間はポンプの利用の分野に依存するが、たとえば約20秒であってもよい。整定時間が経過した後、シンボル17−10によって示されるように、波形最適化プログラム210は図17Bに示されるステップで実行を継続する。
【0196】
図17Bのステップ17−10として、波形方程式の係数は第1の動作基準に基づいて計算される。このステップ17−10は基本的には、図17Cに示されるサブステップを有する係数決定ルーチンを呼出すことを伴う。後に説明されるように、図17Cの係数決定ルーチンの実行は(図17Dに示される)テーブル生成ルーチンを呼出し、テーブル生成ルーチンは最終的には(図13のテーブル212などの)波形形状データのテーブルの生成をもたらす。
【0197】
ステップ17−10の係数決定ルーチンが波形方程式のすべての係数、たとえばすべての高調波項の対を求めた後、ステップ17−11において波形最適化プログラム210は係数をさらに正確なものにする機会を与える。特に、ステップ17−10において求められた係数から始まり、その係数を基にして、波形オプティマイザーはステップ17−10を基本的には繰返すことによって動作し続ける。そのようにする前に、ステップ17−12において適切なカウンタおよび値がリセットまたは再初期化される。たとえば、係数添字カウンタは0で再初期化され、step_sizeの値は再びリセットされ、active_termはサイン項を指し示すように設定される。波形オプティマイザーは、ステップ17−10を数回繰返すように元に戻ってもよく、そのたびに最後のループの間に計算された係数を次にくるループの開始係数として使用する。たとえば、ステップ17−10が第1の基準に基づいて三回実行されるようにループが繰返されてもよい。
【0198】
さらに正確にすることに加えて、オプションとして、波形オプティマイザーは冗長性検査のための機会ももたらす。つまり、第1の基準に対して波形係数を最初に求めた後、ステップ17−13において、波形オプティマイザーは、新しく初期化された係数で最初からやり直すことができ、ステップ17−10の冗長性によって起動される実行がステップ17−10の元々の実行と同等の係数を生み出したかどうかを調べるためにステップ17−10を一回以上実行する。ステップ17−13の冗長性検査は、同一の基本的な波形方程式または別の波形方程式を使用することを伴い得る。ステップ17−11の冗長性検査は、所望の回数実行されることが可能である。示されていないが、ステップ17−10の係数決定ルーチンを繰返す前に、ステップ17−12と同様の態様で、適切なカウンタおよび値がリセットまたは再初期化されることが認識される。(ステップ17−13におい
て判断されるように)冗長性検査が実行された場合、図17Cの係数決定ルーチンによって準備される波形形状データのテーブルの複数のバージョン(係数決定ルーチンの各々の実行ごとに1つのバージョン)が存在することになる。ステップ17−14は、両方のテーブルにおいて係数が同様に収束することを確認するために複数のバージョンを比較することを伴う。確認が比較によって得られない場合、適切な措置(たとえば、係数決定ルーチンのさらなる繰返し、または多数決、または一方のテーブルもしくは他方のテーブルを受入れるための予め定められた論理の実現)が取られ得る。
【0199】
上述のように、いくつかの用途および/または動作のモードでは、波形最適化プログラム210は1つの動作パラメータのみ(たとえば、1つの基準のみ)に基づいて波形形状データを最適化し得る。これに対して、他の用途および/または動作のモードでは、波形最適化プログラム210は複数の動作パラメータ(たとえば、2つ以上の基準)に基づいて波形形状データを最適化し得る。ステップ17−15からステップ17−18と称される図17Bの一連のステップは、最適化が複数の動作基準に基づくかまたは複数の動作基準を考慮に入れるときに実行されることができる。これらの複数の基準ステップが任意である(たとえば、1つだけの動作パラメータのために最適化されるモードに対しては実行されないかもしれない)ので、これらのステップは破線で枠を付けられて示される。
【0200】
例示的で非限定的な実現例では、波形最適化プログラム210が複数の動作基準に基づいてその最適化を実行する(たとえば、多変数最適化)場合、波形方程式の係数は一つずつおよびシーケンシャルな態様で考慮される。たとえば、波形方程式の係数は最初に、係数決定ルーチンの第1の実行によって、第1の動作パラメータ(たとえば第1のフィードバック信号に基づく第1の動作基準)に対してステップ17−10において求められる。次いで、係数の第1の組が求められた後、それらの係数は(ステップ17−16において)係数決定ルーチンの第2の実行のための開始ポイントとして利用され、係数決定ルーチンの第2の実行中に、第2の動作パラメータが(たとえば、第2のフィードバック信号に基づいて)係数決定に影響を及ぼす。同様に、最適化が依存する他の動作基準が存在する場合、最も最近に求められた係数が(ステップ17−18において)係数決定ルーチンの別の実行のための開始ポイントとして利用され、係数決定ルーチンの別の実行中に、別の動作パラメータが(たとえば、さらに別のフィードバック信号に基づいて)係数決定に影響を及ぼす。
【0201】
もちろん、係数決定ルーチンの各々の実行の前に、適切な初期化およびリセットがなされなければならない(たとえば、i=0、step_size、active_term=sine)。これらの初期化およびリセットはステップ17−15およびステップ17−17によって表され、これらはそれぞれのステップ17−16およびステップ17−18に先行する。
【0202】
複数の基準を受取る(たとえば、複数のセンサ入力を受取る)ときに波形最適化を実行するための他の技術が可能である。たとえば、代替的な実現例として、ステップ17−10などのステップは、(一次入力と考えられる)センサ/入力のうちの1つに対して実行されることができる。たとえば、一次入力はポンプにおける流れであるかもしれない。波形オプティマイザ−は、ニ次基準として考えられる他のセンサからの信号の後を辿ることもする。特に、この代替的な実現例における波形オプティマイザ−は、ニ次基準センサのために受取られた入力信号が確実にニ次基準のための所定の境界値内であるようにするために監視する。ニ次基準センサのために受取られた入力信号が所定の境界値内である限り、一次センサのために得られた読取は有効化され、波形係数を計算するために使用される。しかしながら、ニ次センサのための入力がその境界条件以外であるときにはいつでも、一次入力信号は廃棄され、したがって、係数計算では使用されない。したがって、複数のセンサ入力のすべてが境界条件内であるときに集められたデータのみが、一次入力に基づいて波形係数を計算するために使用される。
【0203】
必要に応じてわずかな動作パラメータが、または必要なだけ多くの動作パラメータが考慮され、最終的な係数が求められた後、図17Dのテーブル生成ルーチンは最終波形形状データを含む。ステップ17−19として、最終波形形状データはテーブル212に格納またはバーンインされる。
【0204】
上記の例示的な説明では、係数を求める際に複数の動作基準が基本的にはシーケンシャルに考慮されたが、他の実施例では、波形方程式の係数はすべての動作基準を基本的には同時に考慮しながら求められ得ることが理解されるべきである。
【0205】
10.3.1 係数決定ルーチン
係数決定ルーチンの例示的なシナリオに関わる基本ステップは図17Cに示される。以前に示されたように、係数決定ルーチンは、波形最適化プログラム210の波形最適化手順が波形方程式の係数を求める準備が整うたびに呼出される。たとえば、図17Aおよび図17Bの波形最適化手順の例示的な論理では、波形方程式の係数が第1の動作基準に従って波形形状データを最適化するために求められることになるとき、ステップ17−10において係数決定ルーチンが呼出される。さらに、図17Aおよび図17Bの波形最適化手順の例示的な論理では、波形形状データがポンプのための複数の動作基準に依存して最適化されることになるとき、係数決定ルーチンは図17Bにおける例示的なステップ17−16および例示的なステップ17−18におけるように複数の動作基準の各々ごとに後に呼出されてもよい。
【0206】
続く説明から明らかであるように、係数決定ルーチンは、ステップの外側ループ内で入れ子にされたステップの内側ループを含む。ステップの外側ループは、係数添字カウンタiをインクリメントする。つまり、外側ループの第1の実行中に、内側ループは、波形方程式の項の基本的な対についてサイン項の係数A0およびコサイン項の係数B0の両方を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行される。外側ループの第2の実行中に、内側ループは、波形方程式の項の第1の高調波の対についてサイン項の係数A1およびコサイン項の係数B1の両方を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行される。同様に、外側ループの第3の実行中に、内側ループは、波形方程式の項の第2の高調波の対についてサイン項の係数A2およびコサイン項の係数B2の両方を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行されるなどである。
【0207】
ステップの内側ループは、波形方程式の単一の項の最適化された係数値を求めるために必要に応じて何度でも繰返して実行される。波形方程式の項の所与の対(たとえば、項の基本的な対または項の高調波の対のいずれか)について、内側ループは最初に、サイン項の最適係数を見つけるために(active_term=sineである間)必要に応じて何度でも実行される。サイン項の最適係数が求められた後、内側ループがコサイン項の最適係数を見つけるために必要に応じて何度でも実行されるようにactive_termは(active_term=cosineに)切換えられる。したがって、任意の所与の瞬間に求められる係数は、(サイン項またはコサイン項のいずれかを示す)active_term変数および(項がどちらの項の対に属するか、つまり項の基本的な対(i=0)に属するか、または項の高調波の対のうちの1つ(i>0)に属するかを示す)係数添字カウンタiによって求められる。
【0208】
係数決定ルーチンの始まりはステップ17C−1によって示される。係数決定ルーチンが起動された後、ステップ17C−2として、波形オプティマイザー200に接続された動作ポンプの圧電アクチュエータ14に駆動信号を印加するために波形方程式の現在の既存のバージョンが使用される。その後、たとえばおそらく時間遅延の後、ステップ17C−3として、係数決定ルーチンはポンプから受取られたフィードバック信号を評価する。たとえば、係数決定ルーチンのこの実行にとって関心のある基準がポンプにおける流体の
流れである場合、ステップ17C−3として流量計からのセンサ信号が評価される。
【0209】
この評価に関連して、ステップ17C−4として、係数決定ルーチンは基準センサからのフィードバック信号がその基準の必要条件と一致するかどうかを判断する。たとえば、フィードバック信号が流体の流れである場合、ステップ17C−3の論理はポンプを通る流体の流れが(所望のごとく)増加し続けるか、または流体の流れが不所望に減少するかどうかを判断し得る。フィードバックが必要条件と一致する場合(たとえば、流体の流れが増加し続ける場合)、次いでステップ17C−5として、求められている係数の現在の値は最新の最良の係数として格納される。これに対して、フィードバックが必要条件と一致しない場合(たとえば、流体の流れが増加するのではなく減少する場合)、次いで係数決定ルーチンは係数を求めようとする際に進みすぎたことを知り、したがって、ステップ17C−6として、係数決定ルーチンは係数の添字iのための最新の最良の係数値を使用することを受け入れる。
【0210】
ステップ17C−4のフィードバック一致調査は、波形最適化プログラム210が係数、したがって波形形状データを現在最適化しようとしていることを考慮して、1つの動作基準を参照して記載されてきた。ステップ17C−4のフィードバック一致調査は、波形形状データを最適化するために波形オプティマイザー200も要求され得る他の動作基準に関する調査も伴ってもよいことが理解されるべきである。たとえば、ポンプを通る流体の流れが増加していることを流量計からの信号が確実に示すようにステップ17C−4において調べている間に、ステップ17C−4における調査は、別の動作パラメータ(たとえば、動作基準)に関するフィードバック信号またはセンサ信号がその他のパラメータ/基準のための境界条件内であることを判断することを伴ってもよい。例として、流体の流れだけではなく流体の温度も考慮して波形形状データが最適化される例示的な実施例を考慮されたい。このような例では、ステップ17C−4において実行される第2の調査は、ポンプ室の中の温度を示す信号が確実に境界条件の範囲内である(たとえば、予め定められた温度を上回るかもしくは予め定められた温度未満である、または第1の予め定められた温度と第2の予め定められた温度との間である)ようにするというものであってもよい。
【0211】
基準センサからのフィードバック信号がその基準の必要条件に一致することがステップ17C−4において判断される場合、ステップ17C−5の後に、step_sizeの値が予め定められた値未満であるかまたは予め定められた値に等しいかどうかの調査がなされる。示されるモードでは、係数決定ルーチンによって利用されるstep_sizeの予め定められた最小値は0.001である。
【0212】
変数step_sizeがその予め定められた最小値に到達していない場合、係数決定ルーチンの内側ループのさらなる繰返しが係数を最適化するのに必要である。同一の係数のための内側ループのさらなる実行に備えて、ステップ17C−8からステップ17C−10が実行される。ステップ17C−8において、変数step_sizeの符号および大きさが調整される(たとえば、より小さな値にデクリメントされる)。これは、係数決定ルーチンが現在扱われている係数の最適値により近づくにつれてstep_sizeを減少させるためになされる。1つの例示的な実現例では、ステップ17C−8において、step_sizeの値は半分にされる。ステップ17C−9において、係数決定ルーチンによって現在扱われている項の新しい係数値は、(ステップ17C−8において計算されたばかりの)変数step_sizeの値を現在の項の最新の最良の係数値に加算することによって計算される。次いで、ステップ17C−10として、波形方程式は、係数決定ルーチンによって現在扱われている項の係数がステップ17C−9において求められたばかりの値を有するように更新される。その後、ステップ17C−10において更新される波形方程式が駆動信号をポンプに印加するために使用されるように内側ループが繰返される(ステップ17C−2に戻るように分岐
する)。
【0213】
変数step_sizeがその予め定められた最小値に到達したことがステップ17C−7において判断される場合、係数決定ルーチンの内側ループのさらなる繰返しは係数を最適化するのに必要ではない。この時点で、係数決定ルーチンによって現在扱われている項の係数の最適値は、少なくとも最適化が現在実行されている動作基準に対して求められている。したがって、係数決定ルーチンはここで、波形方程式の次の項の係数を求める準備ができており、ステップ17C−11を継続する。
【0214】
予め定められた最小値に到達する変数step_sizeの値は、係数決定ルーチンが特定の項の係数を求めることで終了されることを認識し得る1つの方法に過ぎない。係数決定ルーチンは、ステップ17C−4の必要条件の調査が満たされないときに(少なくとも現在の基準の)最適係数を求めたことも認識することができる。ステップ17C−4の調査が失敗する(たとえば、流体の流れが増加するのではなく減少し始める)とき、係数決定ルーチンは係数の値の増加の際に行き過ぎたことを認識する。したがって、このような場合には、ステップ17C−6として、係数決定ルーチンは現在扱われている項の係数として(ステップ17C−5の以前の実行時に求められた)係数の最新の最良の値を使用する。その後、係数決定ルーチンはステップ17C−11を継続する。
【0215】
ステップ17C−11は、係数決定ルーチンが現在最適化されている基準の最適係数を見つけたばかりであることを認識するときに実行される。係数決定ルーチンはここで、波形方程式の次の項のための内側ループを(必要に応じて何度でも)実行する準備ができている。処理されたばかりの項がサインであった場合、次の項はコサインになり、その逆の場合も同様である。このために、ステップ17C−11として、係数決定ルーチンは(たとえば、サインからコサインへ、またはコサインからサインへ)active_term変数を切換える。
【0216】
ステップ17C−12として、係数決定ルーチンは、所与の項の対についてサイン項およびコサイン項の両方の係数が完了されたかどうかを確認する。係数の添字iが0である場合、ステップ17C−12として、係数決定ルーチンは基本項の対についてサイン項の係数A0およびコサイン項の係数B0が完了されたかどうかを調べる。または、係数の添字iが1である場合、ステップ17C−12として、係数決定ルーチンは第1の高調波項の対のサイン項の係数A1およびコサイン項の係数B1が完了されたかどうかを調べる。所与の項の対の両方の係数が処理されていない場合、内側ループが項の対のコサイン項の係数を求めるために必要に応じて繰返し実行されることができるように実行はステップ17C−2に戻る。
【0217】
所与の項の対のサイン項およびコサイン項の両方の最適係数が求められたことがステップ17C−12において判断されたとき、すべての項の対が処理されたかどうかのさらなる調査がステップ17C−13においてなされる。言い換えると、ステップ17C−13は、係数添字カウンタの値が、波形方程式が最適化されている高調波の最大数に等しいかどうかを判断する。示される実施例では、波形方程式の7つの高調波がポンプの帯域幅内にあると考えられ、このために、係数決定ルーチンは、ステップ17C−13における調査がi=7であることを示すときにすべての項の対のすべての係数を見つけたことを認識する。
【0218】
(ステップ17C−13において判断されるように)係数が求められる必要のある他の項の対が残っているとき、係数決定ルーチンの外側ループが再び開始される。この点に関して、ステップ17C−14として、さまざまな再初期化およびリセットが発生する。たとえば、係数添字カウンタの値はインクリメントされ(たとえば、i=i+1)、step_
sizeの値は再びその初期値にリセットされ、active_term=sineである。ステップ17C−15として、新しい高調波のための項の新しい対が波形方程式に加えられる。その後、外側ループは再び、ステップ17C−2に戻るように分岐することによって、今回は新しい高調波項の対のために内側ループを起動する。
【0219】
(ステップ17C−13において判断されるように)波形方程式のすべての項の対の係数の最適値が(少なくとも現在のところ考えられる動作基準に対して)求められたとき、ステップ17C−16として、図17Dのテーブル生成ルーチンが実行される。図17Dのテーブル生成ルーチンが完了され、図18Aのテーブル212−18Aまたは図18Bのテーブル212−18Bなどのテーブルのバージョンが係数決定ルーチンのこの実行の間に生成された後、係数決定ルーチンはステップ17C−17によって示されるように終了される。
【0220】
10.3.2 テーブル生成ルーチン
図17Dのテーブル生成ルーチンは、係数決定ルーチン(図17C参照)のいくつかの可能な実行のうちの1つが(少なくとも係数決定ルーチンが呼出された動作基準に対して)波形方程式の最適係数を求めたことを判断するたびに、呼出される。図17Cの係数決定ルーチンの例示的な論理では、テーブル生成ルーチンはステップ17C−16として呼出される。
【0221】
テーブル生成ルーチンへの入りはステップ17D−1として示される。この時点で、最適化された基準に対して求められる波形方程式のすべての最適化された係数は公知である。ステップ17D−2として、波形オプティマイザー200によって実行される波形最適化プログラム210は、波形に沿った各々のポイントごとに振幅(たとえば、電圧V)を求めるために、波形に沿った各々のポイントごとに波形方程式(波形方程式はここで公知の最適化された係数を有する)を解くかまたは評価する。波形周期が360度として考えられるので、波形に沿ったポイントは度として考えられる(または、ポイントの数は数分の1度のように十分に大きいものであるはずである)。図12の例示的な正弦波形では、各々のポイントX1,X2,...などは1つの周期の1度または数分の1度に対応し、波形に沿った各々のポイントXは対応する(電圧)振幅Vを有する。
【0222】
ステップ17D−3として、テーブル生成ルーチンはステップ17D−2において求められた振幅値を使用して初期テーブルを構築する。例示的なこのようなテーブルは、概して図18Aに示されるテーブル212−18Aのフォーマットに似たフォーマットを有し、振幅値Vは波形に沿った対応する周期ポイントXと対になる。
【0223】
1つの実現例では、波形方程式がステップ17D−2において評価されるポイントXの数は1000を超えてもよい(たとえば、10000または20000でさえあってもよい)。しかしながら、現実的な問題として、はるかに小さい数のポイントの値が実際には必要である。したがって、任意のステップ17D−4として、ステップ17D−3において生成されたテーブルの大きさは、波形に沿って選択された(好ましくは、等間隔に置かれた)ポイントのみを使用することによって低減されてもよい。たとえば、ステップ17D−3において生成されたテーブルの大きさが20000ポイントである場合、テーブルの大きさは波形に沿った1000番目のポイントごとのみを利用することによって低減されてもよい。
【0224】
別の任意の動作ではあるが、好ましい動作として、ステップ17D−5として、テーブル生成ルーチンは、それが生成するテーブルの中に、ポイントX1、X2などの各々ごとにパルス幅変調値を含むこともでき、このパルス幅変調値は所望のそれぞれの振幅、したがって所望の全体的な波形を生み出す。このようなテーブルの例示的なフォーマットは図1
8Bのテーブル140−18Bによって示される。この実現例では、テーブル140−18Bは、周期Pを通る波形に沿って選択された間隔またはポイントにおいて(ターゲットポンプのための圧電アクチュエータ駆動回路18によって利用されるように)線124および126上の信号PWM−AおよびPWM−Bのためのパルス幅をもたらす。
【0225】
図17Dのテーブル生成ルーチンがそのテーブルの生成を完了した後、テーブル生成ルーチンはステップ17D−6によって示されるように終了される。図17Aおよび図17Bの波形最適化プログラム210が完了された際に、そのように生成されたテーブルがテーブルの最新バージョンとして残る場合、ステップ17−19として、テーブルは適切に格納され、バーンインされ、または利用される。言い換えると、そこに格納される波形形状データをターゲットポンプのためのターゲット圧電アクチュエータ駆動回路に伝達するための選択された伝達モードと一致するテーブルが格納または利用される。
【0226】
11.0 駆動回路:投与量送出のスケジューリング
マイクロコントローラ116の内部クロックシステムは、(1)フライバック回路102のための信号PWM−Aおよび信号PWM−Bを発生させるため、および(2)印加された電界の反転を制御するために使用される。これらの信号はもっぱらソフトウェア制御下にあり、したがって、駆動振幅および周波数はリアルタイムでおよび無限の数の方法で操作されることができる。たとえば、圧電ポンプは、連続的な流れを生成するために(たとえば)60Hzで400ボルトという従来の態様で駆動されることができ、または予定通りに患者に少量の薬剤を確実に送出するために1分ごとに400ボルトで1/30秒の間(1ポンプ「ストローク」)たとえば60Hzというもっぱら従来とは異なる、はるかにより複雑な態様で駆動されることができる。このような従来とは異なる動作は、図3H(1)および図3H(2)に関連して記載される送出スケジューラ160によって起動されることができる。このような例の場合、駆動回路は駆動信号を動的に変化させ、それによって、基本的には非連続的な投与量の流体がポンプによって送出されるように駆動信号は時間が経つにつれて変化する。
【0227】
低流量の用途では、ポンプは非常に遅い周波数(つまり、1分あたり1ストローク)で駆動されてもよい。この回路によって、フライバック発生は、ポンプがある期間の間電気的に浮動することになる方法でいつでも割込まれることが可能であり、機械的なポンプのストロークサイクルの中のいずれのポイントでもポンプの位置を保持する。したがって、マイクロコンピュータはトランスデューサを浮動させることができ、ある期間の間スリープ状態に行くことができ、フライバック発生が再開するまでポンプがその前回の位置に留まることになることを知っている。これによって、低流量の用途で非常に低い電力消費が可能になる。非常に長い「浮動」期間は、わずかな回路の修正によって達成されることができる。
【0228】
さらに、マイクロコントローラおよび送出スケジューラ160の正確なタイミング機能は、1日に1度工場に水を供給するために圧電ポンプを使用するなどの世界の時刻に関連する方法で特定の用途において圧電アクチュエータを制御するためにさらに利用される。
【0229】
12.0 駆動回路を用いた2方向の通信
不揮発性オンボードメモリによっても、各々の圧電制御回路18または圧電作動ホスト(利用)装置は直列化され、独自に特定されることが可能である。これは、製造品質制御に役立ち、アクチュエータが特定のリモートシステムの用途で利用されるときには特に重要である。たとえば、図3H(2)に示される通信チャネル164および通信インターフェイスは、1つ以上のポンプと制御エンティティ(たとえば、リモートユニット162)との間の2方向の通信をもたらすことができる。上述の直列化によって、ネットワークの中の各々のポンプは個々に制御可能であり、監視されるいずれの局所的なパラメータもシ
ステムコントローラによってアクセス可能である。
【0230】
13.0 エピローグ
圧電アクチュエータ14を駆動するためにさまざまな周波数で動作する、電子プリント回路基板(PCB)の形態で好ましいが排他的ではないように実施される圧電アクチュエータ駆動回路18は、比較的低いDC電圧を非常に高いAC電圧まで進める。圧電アクチュエータ駆動回路18は、いくつかの例を挙げると、(たとえば)首振り扇風機、空気圧縮機、スピーカ励振器、エアゾール器(たとえば、超音波撹拌器)、アクチュエータ、アクティブ弁、精密アクチュエータなどの、ポンプ以外の電気化学装置を駆動することもできるであろう。圧電アクチュエータ駆動回路18は、圧電素子および他の電気化学装置を駆動するために必要な電圧および周波数をもたらし、圧電アクチュエータ14の効率を最適化するのに必要な電圧および周波数を変更するオンボード機能を有利に有する。
【0231】
圧電アクチュエータ駆動回路18は、電圧、周波数、波形およびフィードバックループの点で、圧電/電気化学装置を基本的には完全に制御する。圧電アクチュエータ駆動回路18は、電力増幅器、信号発生器およびオシロスコープなどの大きな検査ならびに駆動装置が圧電装置を検査、評価および動かす必要性を排除する。圧力および温度などのフィードバックループによって、PDCは効率的な動作に適切な周波数を自動的に設定することができる。
【0232】
動作のPWMサーボモードでは、マイクロコントローラ116は、従来の切換電源の種類の方法で印加電圧を調整するために、トランスデューサに印加される電圧を連続的に監視し、PWMの特徴を動的に変更する。マイクロコントローラ116がポンプ駆動環境の要素−電圧、PWMデューティ、駆動周波数にアクセスできるので、アクチュエータの負荷および/または効率は駆動周波数を負荷に相互に関連付けることによって測定されることができる。これは、たとえば圧電ポンプにおける非常に価値ある機能である。この機能を使用して、ポンプの「共振周波数」は動的に求められることができ、ポンプ逆圧が測定され得ることが予想される。
【0233】
マイクロコントローラ116を有する圧電アクチュエータ駆動回路18は、調整抵抗器および温度もしくは圧力トランスデューサによって、またはオン/オフスイッチと同じぐらい単純な何かによってさえもたらされる入力などの外部ローカル入力を監視することができる。これらの入力は、圧電アクチュエータ14に印加される駆動信号を制御することによって圧電アクチュエータ14を制御するために使用され得る。
【0234】
上述のように、マイクロコンピュータは多くの利用可能なデジタル/アナログI/O線を有する。これらは、デジタルまたはアナログセンサ手段によって、温度、圧力、ダイヤフラムの位置、流れなどのものを監視するために使用されることができる。これらの入力は次いで、多くの方法でソフトウェアを介してポンプを制御するためにマイクロコンピュータの中で使用されることができる。入力は、システム監視のための2線式シリアルインターフェイスを介して制御システムに戻るように供給されることもできる。
【0235】
1つ以上の複数のおよび別個の局面に従って、圧電アクチュエータ駆動回路18は、エレクトロルミネッセント(EL)ランプ駆動装置および他の回路に勝るいくつかの利点を提供する。これらの利点の中で、圧電アクチュエータ駆動回路18はその選択された局面に従って以下をもたらすことができる。
【0236】
・ 圧電素子(たとえば、圧電アクチュエータ14)のための共振周波数の自動的な探索。これによって、変化する圧力および流れの下での最適性能を保証する。
【0237】
・ 1つ以上のフィードバックループ。これによって、1つ以上のセンサが駆動信号、したがって駆動波形に影響を及ぼすための検出された情報(圧力および温度など)を提供できる。
【0238】
・ 圧電素子からの直接のフィードバック。これによって、圧電素子によってなされる「動作」の検出が可能になる。
【0239】
・ 電力消費の低減、およびリモート検出用途のためのスリープモード。
・ ELランプ駆動装置による、以前に達成可能であったものよりも高い電圧。
【0240】
・ 可変駆動信号波形。これによって、圧電がより静かに、およびより効率的になる。
・ 電界において変更されることができないキャパシタまたは抵抗器などのボード構成要素によって電圧および周波数トリマー/抵抗器を設定するのではなく、ボード上で電圧および周波数トリマー/抵抗器を制御すること。
【0241】
・ プリントデジタル回路上の複数の駆動電子機器。これによって、いくつかの圧電素子が同一の電圧および周波数で1度に駆動されることができる。
【0242】
・ 「注射器」のようなモード。つまり、非常に正確な流れのための圧電素子の注意深い位置決め。
【0243】
・ 圧電素子を十分な偏向位置に位置決めでき、液体圧電弁の開発を可能にするようにそこに圧電素子を保持できるようにするための「設定および保持」機能。
【0244】
基本的には、圧電アクチュエータ駆動回路18によって、圧電素子(たとえば、圧電アクチュエータ14)がその動作の範囲内で常に最適効率および正確性で動作できるようになる。これによって、以下のものが可能になる。
【0245】
・ 正確な汲み上げを必要とする薬剤注入のために使用される圧電ポンプ。
・ 空気ではなく液体の冷却を使用するより効果的な電子冷却装置。(たとえば、コンピュータ製造業者は、受動的な冷却で現在のところ達成されることができる周波数よりもはるかに高い周波数でプロセッサを動作させることができ、それによって、コンピュータ/電子機器産業全体の様相を変える)
・ (たとえば、コンピュータ産業にとって)これまで以上により小さく、より軽量におよびより安くされる圧電装置。
【0246】
・ 燃料電池のための技術を可能にする圧電ポンプ。
このように、圧電アクチュエータ駆動回路18は、アクチュエータ駆動信号を反転させる必要な高電圧を発生させ、変化する周波数および電圧で圧電素子または電気化学装置を駆動し、アクチュエータおよびその環境の多くの鍵となるパラメータを監視するための手段、および外部入力を受取るための手段をもたらす。圧電アクチュエータ駆動回路18の別個に実現可能な局面に従って、これらのパラメータおよび入力は、圧電アクチュエータを制御し、その性能を最適化するためにリアルタイムで作用されることが可能である。圧電アクチュエータの動作特徴は、いつでもマイクロコントローラの中にプログラムされることができ、既存の構造の「モナリザ」特徴を完全に排除する。
【0247】
さらに、本明細書に記載される駆動回路は、(たとえば、インストールされた後)周波数または電圧を動的に変化させる機能を有し、それによって、周波数または電圧の最適化を容易にし、逆圧、温度および他の動作条件に対処する。
【0248】
この発明は、最も実用的および好ましい実施例であると現在のところ考えられているものに関連して記載されてきたが、この発明は開示される実施例に限定されるべきではなく、それどころか、特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれるさまざまな修正例および等価の構成を包含するように意図されることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】例示的な圧電ポンプの上面図である。
【図2】線2−2に沿った図1のポンプの側断面図である。
【図3】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3A】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3B】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3C】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3D】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3E(1)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3E(2)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3F】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3G】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3H(1)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3H(2)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3I(1)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3I(2)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3I(3)】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図3J】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路の一実施例の概略図である。
【図4A】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図4B】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図4C】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図4D】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路において発生する信号の波形図である。
【図5A】例示的で非限定的な圧電アクチュエータ駆動回路の詳細な概略図である。
【図5B】PWMルックアップテーブルを含むことを示す例示的で非限定的な圧電アクチュエータ駆動回路の詳細な概略図である。
【図5C】別の例示的で非限定的な圧電アクチュエータ駆動回路の詳細な概略図である。
【図5D】図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路の変形例の詳細な概略図である。
【図6A】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6B】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6C】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6D】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6E】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6F】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図6G】例示的で非限定的な実施例に従った、パルス発生器によるさまざまなルーチンの実行時に行なわれる基本ステップを示すフローチャートである。
【図7A】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図7B】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図7C】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図7D】圧電アクチュエータのための駆動信号のパルス幅変調の変化および振幅の対応する変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8A】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8B】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8C】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図8D】圧電アクチュエータのための駆動信号の周波数または周期の変化を図示するための例示的な信号の波形図である。
【図9A】キャパシタンスチェックルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図9B】キャパシタンス補償ルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図10A】圧電アクチュエータのキャパシタンスの決定に関与する原理を図示する波形の波形図である。
【図10B】圧電アクチュエータのキャパシタンスの決定に関与する原理を図示する波形の波形図である。
【図11A】インピーダンス測定ルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図11B】インピーダンスインパルス応答ルーチンに含まれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図12】圧電ポンプのための駆動信号用の最適化された波形の波形図である。
【図13】圧電ポンプのための駆動信号用の波形最適化値のテーブルを生成する波形オプティマイザーの使用を示す概略図である。
【図14】圧電ポンプのパルス発生器が最適化された波形を生成できるようにするための手順の一般的な局面の概略図である。
【図15A】開ループ制御手法を用いて最適化された波形を生成する圧電ポンプのための駆動回路の概略図である。
【図15B】閉ループ制御手法を用いて最適化された波形を生成する圧電ポンプのための駆動回路の概略図である。
【図16】例示的な波形オプティマイザーの概略図である。
【図17】図17A〜図17Dの関係を示す概略図である。
【図17A】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図17B】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図17C】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図17D】波形最適化手順において行なわれる例示的な基本ステップを示すフローチャートである。
【図18A】例示的な一実施例に従った、最適化された波形テーブルの概略図である。
【図18B】別の例示的な一実施例に従った、最適化された波形テーブルの概略図である。
【図19】例示的な圧電アクチュエータ駆動回路によるデジタル入力信号の受取および取扱を示す概略図である。
【図20A】図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路を動作させる第1のモードについての信号図である。
【図20B】図5Cの圧電アクチュエータ駆動回路を動作させる第2のモードについての信号図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプであって、
少なくとも部分的にポンプ室を規定するためのポンプ本体と、
ポンプ本体内に位置し、流体を汲み上げるための駆動信号に応答する圧電アクチュエータと、
駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成する駆動回路とを含み、駆動回路はメモリを含み、メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データをその中に記憶する、ポンプ。
【請求項2】
圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路であって、駆動回路は、駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成するよう構成されており、駆動回路はメモリを含み、メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データをその中に記憶する、駆動回路。
【請求項3】
圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路によって使用されるメモリであって、メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データをその中に記憶する、メモリ。
【請求項4】
駆動回路は、メモリに記憶された波形形状データを使用してデジタル信号を発生させるコントローラを含む、請求項1または2に記載の機器。
【請求項5】
駆動回路は、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを利用する、請求項1、2または3に記載の機器。
【請求項6】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある、請求項1、2、または3に記載の機器。
【請求項7】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある振幅値を含む、請求項1、2または3に記載の機器。
【請求項8】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にあるパルス幅変調値を含む、請求項1、2または3に記載の機器。
【請求項9】
装置はポンプである、請求項2または3に記載の機器。
【請求項10】
波形形状データは、ポンプの動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項1または9に記載の機器。
【請求項11】
波形形状データによって最適化される動作パラメータは、ポンプ内の流体流、ポンプ内の圧力、加速度、およびノイズの無さのうちの1つである、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
波形形状データは、ポンプの複数の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項10に記載の機器。
【請求項13】
波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、ポンプの少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する、請求項1または9に記載の機器。
【請求項14】
波形方程式について求められた係数の数は、ポンプの帯域幅内にある波形の高調波の数に依存する、請求項13に記載の機器。
【請求項15】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある、請求項3に記載の機器。
【請求項16】
ポンプ本体内に位置する圧電アクチュエータを有する装置を動作させる方法であって、圧電アクチュエータは駆動信号に応答し、前記方法は、
メモリに記憶された波形形状データを使用して、駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成するステップと、
駆動信号を圧電アクチュエータに印加するステップとを含む、方法。
【請求項17】
ターゲット駆動回路によって発生する駆動信号を受取る圧電アクチュエータを含む装置のターゲット駆動回路によって使用されるための波形形状データを作成する方法であって、
動作装置の動作圧電アクチュエータに印加すべき駆動信号を発生させるステップと、
装置の動作パラメータに従ってポンプからフィードバック信号を取得するステップと、
フィードバック信号を使用して波形方程式の係数を求めるステップと、
波形方程式を解いて波形形状データを取得するステップと、
波形形状データをメモリに記憶させるステップとを含む、方法。
【請求項18】
波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを使用して駆動信号を生成するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある波形形状データをフォーマット化するステップをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
波形形状データは振幅値を含み、前記方法はさらに、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある波形形状データをフォーマット化するステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項21】
波形形状データはパルス幅変調値を含み、前記方法はさらに、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある波形形状データをフォーマット化するステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項22】
波形形状データは、装置の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項16または17に記載の方法。
【請求項23】
装置はポンプであり、圧電アクチュエータは、ポンプ本体の入口と出口との間の流体を汲み上げるための駆動信号に応答する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項24】
波形形状データによって最適化される動作パラメータは、ポンプ内の流体流、ポンプ内の圧力、加速度、およびノイズの無さのうちの1つである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
波形形状データは、ポンプの複数の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する、請求項1
6または17に記載の方法。
【請求項27】
波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項28】
装置の帯域幅内にある波形の高調波の数に依存して、波形方程式について係数の数を求めるステップをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項29】
ターゲット駆動回路にメモリをインストールするステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
メモリから波形形状データを読出すステップと、波形形状データをターゲット駆動回路の別のメモリに記憶させるステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
波形形状データをプロセッサに記憶させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
フィードバック信号を使用して、動作パラメータの点で性能を最適化する波形方程式の係数を求めるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項1】
ポンプであって、
少なくとも部分的にポンプ室を規定するためのポンプ本体と、
ポンプ本体内に位置し、流体を汲み上げるための駆動信号に応答する圧電アクチュエータと、
駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成する駆動回路とを含み、駆動回路はメモリを含み、メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データをその中に記憶する、ポンプ。
【請求項2】
圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路であって、駆動回路は、駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成するよう構成されており、駆動回路はメモリを含み、メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データをその中に記憶する、駆動回路。
【請求項3】
圧電アクチュエータを有する装置のための駆動信号を生成する駆動回路によって使用されるメモリであって、メモリは、駆動信号を生成する際に駆動回路によって利用される波形形状データをその中に記憶する、メモリ。
【請求項4】
駆動回路は、メモリに記憶された波形形状データを使用してデジタル信号を発生させるコントローラを含む、請求項1または2に記載の機器。
【請求項5】
駆動回路は、波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを利用する、請求項1、2または3に記載の機器。
【請求項6】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある、請求項1、2、または3に記載の機器。
【請求項7】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある振幅値を含む、請求項1、2または3に記載の機器。
【請求項8】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にあるパルス幅変調値を含む、請求項1、2または3に記載の機器。
【請求項9】
装置はポンプである、請求項2または3に記載の機器。
【請求項10】
波形形状データは、ポンプの動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項1または9に記載の機器。
【請求項11】
波形形状データによって最適化される動作パラメータは、ポンプ内の流体流、ポンプ内の圧力、加速度、およびノイズの無さのうちの1つである、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
波形形状データは、ポンプの複数の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項10に記載の機器。
【請求項13】
波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、ポンプの少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する、請求項1または9に記載の機器。
【請求項14】
波形方程式について求められた係数の数は、ポンプの帯域幅内にある波形の高調波の数に依存する、請求項13に記載の機器。
【請求項15】
波形形状データは、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある、請求項3に記載の機器。
【請求項16】
ポンプ本体内に位置する圧電アクチュエータを有する装置を動作させる方法であって、圧電アクチュエータは駆動信号に応答し、前記方法は、
メモリに記憶された波形形状データを使用して、駆動信号が予め定められた波形形状の波形を有するように駆動信号を生成するステップと、
駆動信号を圧電アクチュエータに印加するステップとを含む、方法。
【請求項17】
ターゲット駆動回路によって発生する駆動信号を受取る圧電アクチュエータを含む装置のターゲット駆動回路によって使用されるための波形形状データを作成する方法であって、
動作装置の動作圧電アクチュエータに印加すべき駆動信号を発生させるステップと、
装置の動作パラメータに従ってポンプからフィードバック信号を取得するステップと、
フィードバック信号を使用して波形方程式の係数を求めるステップと、
波形方程式を解いて波形形状データを取得するステップと、
波形形状データをメモリに記憶させるステップとを含む、方法。
【請求項18】
波形の周期を構成する複数のポイントの各々について、駆動信号が予め定められた波形形状にとって適切な振幅を有するように、波形形状データを使用して駆動信号を生成するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある波形形状データをフォーマット化するステップをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
波形形状データは振幅値を含み、前記方法はさらに、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある波形形状データをフォーマット化するステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項21】
波形形状データはパルス幅変調値を含み、前記方法はさらに、波形の周期を構成する複数のポイントと対の関係にある波形形状データをフォーマット化するステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項22】
波形形状データは、装置の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項16または17に記載の方法。
【請求項23】
装置はポンプであり、圧電アクチュエータは、ポンプ本体の入口と出口との間の流体を汲み上げるための駆動信号に応答する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項24】
波形形状データによって最適化される動作パラメータは、ポンプ内の流体流、ポンプ内の圧力、加速度、およびノイズの無さのうちの1つである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
波形形状データは、ポンプの複数の動作パラメータを最適化するよう作成されたものである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する、請求項1
6または17に記載の方法。
【請求項27】
波形形状データは波形方程式を解くことによって作成されており、波形方程式は、装置の少なくとも1つの動作パラメータを最適化するよう求められた係数を有する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項28】
装置の帯域幅内にある波形の高調波の数に依存して、波形方程式について係数の数を求めるステップをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項29】
ターゲット駆動回路にメモリをインストールするステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
メモリから波形形状データを読出すステップと、波形形状データをターゲット駆動回路の別のメモリに記憶させるステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
波形形状データをプロセッサに記憶させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
フィードバック信号を使用して、動作パラメータの点で性能を最適化する波形方程式の係数を求めるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E(1)】
【図3E(2)】
【図3F】
【図3G】
【図3H(1)】
【図3H(2)】
【図3I(1)】
【図3I(2)】
【図3I(3)】
【図3J】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E(1)】
【図3E(2)】
【図3F】
【図3G】
【図3H(1)】
【図3H(2)】
【図3I(1)】
【図3I(2)】
【図3I(3)】
【図3J】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【公表番号】特表2007−533902(P2007−533902A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506354(P2007−506354)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/011342
【国際公開番号】WO2005/097508
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506330324)アダプティブエナジー・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー (8)
【氏名又は名称原語表記】ADAPTIVENERGY LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/011342
【国際公開番号】WO2005/097508
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506330324)アダプティブエナジー・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー (8)
【氏名又は名称原語表記】ADAPTIVENERGY LLC
【Fターム(参考)】
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