説明

在宅服薬コンプライアンス支援装置とプログラム及び服薬コンプライアンス確認方法

【課題】長期間分処方された一包化薬剤を服薬時間毎に折りたたんで収納し、在宅において患者に服薬時間を知らせるとともに、一包化された薬剤を服薬数だけ取り出せる服薬コンプライアンス支援装置を提供する。
【解決手段】服薬時間になると、薬剤送り機構2によって、一包化薬剤1aの一回分の長さを送り出す手段と、薬剤を取り出すために薬剤を引っ張ってもストッパー機構が動作する手段と、服薬時間に警報出力部から設定した時間中、警報を出力する手段と、薬剤を取り出すと薬剤検出センサ3が検知して警報出力を停止する手段と、設定した服薬時間を過ぎても薬剤が薬剤取り出し口から取り出されない場合には、連絡先電話番号に通信して、連続音またはプッシュ音を発信する手段と、連絡先を複数登録した場合には、1番目に登録した連絡先が通信できない場合には、2番目以降に登録した連絡先に通信する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在宅において高血圧などの慢性疾患患者が服薬時刻をアラームによって
知り、朝、昼、夜、寝る前等の服薬時間毎に一包化された薬剤を1回分のみ取り出
すことができ、服薬したことが表示されて確認できるとともに、その情報を記録し、
服薬時刻から一定時間を過ぎても服薬しない場合には、介護者等の電話に服薬し
ない情報を送信して、介護者等が患者に電話等の手段によって声がけして服薬を
促して服薬コンプライアンスを向上させる服薬コンプライアンス支援装置とプログ
ラム及び服薬コンプライアンス確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
在宅療養中の高齢者は毎日決まった時間に服薬することが大変であり、特に高血圧
などの慢性疾患患者が継続的に服薬するのは難しいと考えられる。特に、独居者や
認知症患者においては本人の管理が難しい。
【0003】
現状の患者の服薬方法は、本人あるいは家族が服薬時間になると薬局からもらった
薬袋や薬箱から必要な薬剤を選んで服薬する。または、患者が自分で服薬管理でき
ない場合には、訪問看護師が訪問時に服薬を行っている。
【0004】
現在市販されている服薬を知らせる製品は、薬箱にタイマーが付いており服薬時間
になるとアラームが鳴って服薬を知らせるものであり、薬剤と服薬時間のセット、
そして服薬管理は患者あるいは介護者等の個人の責任で行うしかない。
【0005】
一方、薬剤を処方した医師は、患者が処方通りに服薬していることを前提に診察を
行っており、特に高血圧患者においては降圧薬を服用したという前提で血圧測定を
行い、服薬せずに血圧が下がっていない場合にも薬剤の効果が出ていないと判断さ
れ、薬剤を過剰投与することになって患者の副作用等による身体負担を増加し、さ
らには医療費の増加につながると考えられる。
【0006】
服薬時間をアラームで知らせる薬箱の一例として、例えば特許文献1は薬箱に時計機
能と開閉センサを有し、服薬時刻をアラームで知らせ、薬箱の開閉を記録して服薬し
たことを患者に記憶させるものがある。また、服薬情報を外部に知らせる方法の一例
として、例えば特許文献2は端末装置の電子メールによって服用スケジュール情報を
受け取るものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−209980号公報
【特許文献2】特開2007−26254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする第1の課題は、長期間分処方された一包化された薬剤(以下、
「一包化薬剤」ともいう)を服薬時間ごとに折りたたんで収納することを提供するこ
とにある。
【0009】
解決しようとする第2の課題は、在宅において患者に服薬時間を知らせるととも
に、一包化された薬剤を服薬回数分だけ取り出せる服薬コンプライアンス支援装
置を提供することにある。
【0010】
解決しようとする第3の課題は、在宅において患者が服薬時間を過ぎても服薬しな
い場合に介護者等に未服用情報を送信し、介護者は患者に連絡して服薬を促すこと
にある。
【0011】
解決しようとする第4の課題は、患者の服薬コンプライアンス情報を介護者、薬
局、医療機関等の2つ以上の第三者間で情報共有することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の第1、第2の課題を解決するために、所定の服薬時間毎に一包化された薬剤
を折りたたんで収納する薬剤収納部と、薬剤を薬剤取り出し口に送り出す薬剤送り
機構と、薬剤を一定の長さ送り出したことを検出して、さらに薬剤を取り出したこ
とを検出する薬剤検出部と、薬剤を取り出すために薬剤を引っ張っても必要量以上
の薬剤を取り出すことを防止するストッパー機構を備え、さらに薬剤を服薬する時
間を設定する設定部と、設定内容を表示し、薬剤の服薬時間であることを表示し、
または/及び、服薬したことと服薬した時刻を表示する表示部と、薬剤の服薬時間
であることを知らせる警報部と、外出時に薬剤を設定の時刻以外に取り出すことが
できる外出スイッチを備え、薬剤を取り出した情報、すなわち服薬したという情報
と、取り出さなかった情報、すなわち服薬していない情報と、外出スイッチが押さ
れた情報、すなわち外出して服薬したという情報とを記憶する記憶部と、服薬の情
報を外部に送信する通信部とを備えたことにある。
【0013】
また、上記の第3の課題を解決するために、患者が服薬しない場合に、通信制御部
から連絡先電話番号に一般電話回線を介して通信することを備えたことにある。
【0014】
上記の第4の課題を解決するために、管理サーバに送信された服用、未服用、外出
の情報と、連絡先に自動通信した情報を管理センターに蓄積して、介護者、薬局、
医療機関の2つ以上の第三者間で服薬管理情報を共有するプログラムとを備えたこ
とにある。
【発明の効果】
【0015】
患者は、本発明の服薬コンプライアンス支援装置を使用することによって警報に
よって服薬時間を知ることができ、決められた服薬時間に決められた薬剤を取り出
すことができる。服薬時間を過ぎても服薬しない場合には、あらかじめ登録された
介護者等の登録者に服薬しない情報が送信され、登録者は患者に電話連絡して患者
に服用を促すことによって薬剤の飲み忘れをなくすことができる。
【0016】
従来から研究開発されている在宅患者の健康管理システムの多くはインターネット
回線を必要とするため、実際に高齢者宅に導入する際にインターネットの新規契約
と運用コストがかかるため、市場展開する際の足かせとなり、ビジネスとして成り
立ちにくかった。本発明の服薬コンプライアンス支援装置は高齢者宅でも一般的に
普及している一般電話回線に接続して運用するので、高齢者にも導入しやすい装置
である。
【0017】
本発明の服薬コンプライアンス支援装置の連絡先を訪問看護師が行うことによっ
て、訪問看護師が担当患者の服薬管理指導に使用することができる。
【0018】
本発明の服薬コンプライアンス支援装置の連絡先を薬剤師が行うことによって、薬
剤師が担当患者の服薬管理指導に使用することができる。
【0019】
本発明の服薬コンプライアンス支援装置から送信される情報を管理サーバで管理す
ることによって、患者の服薬情報を薬剤師、訪問看護師、医師等で情報共有するこ
とによって服薬コンプライアンスを把握でき、医師は薬剤の効果を判定することが
できる。特に高血圧患者に対する降圧剤の効果判定、または認知症患者に対する薬
剤投与後の深夜徘徊の効果判定には有用である。
【0020】
また、在宅患者の服薬状況を管理することによって遠隔から、いつもと変わらない
生活を送っていることを確認でき、服薬していないときには電話連絡することによ
って安否確認することができ、見守り機器としても活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る服薬コンプライアンス支援装置の概観斜視図である。
【図2】図1の服薬コンプライアンス支援装置の断面図である。
【図3】図1の服薬コンプライアンス支援装置に一包化薬剤をセットする治具の図である。
【図4】図1の服薬コンプライアンス支援装置の設定方法のブロック図である。
【図5】図1の服薬コンプライアンス支援装置の装置制御に関するブロック図である。
【図6】図1の服薬管理方法のブロック図である。
【図7】図1の服薬コンプライアンス支援装置を管理サーバで管理する場合の服薬管 理方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0023】
図1〜図3は本発明の第1の実施の形態に係り、図1はその概観斜視図、図2は断
面図、図3は一包化薬剤をセットする治具の図、図4は設定方法のブロック図、図
5は装置制御に関するブロック図、図6は服薬管理方法のブロック図、図7は管理
サーバで管理する場合の服薬管理方法のブロック図である。
【0024】
まず本発明の装置に薬剤を設定する方法から説明する。例えば朝服用の28日、
30日、60日または90日分がつながった一包化薬剤1aの先端部分に、薬剤
セット治具10を差し込む。装置の薬剤セット扉9を開けて、薬剤送り機構2の上
下のローラ間に薬剤セット治具10をはさみこんで、一包化薬剤1aの先端部分を
薬剤検出センサ3を有する薬剤検出部で検出されるようにセットする。薬剤セット
治具10は薬剤をセットしたら取り出す。セットされた一包化薬剤1aの残り部分
は山折りに折りたたんで収納する。一包化薬剤が最後まで引っかかりのないように
折りたたむのは言うまでもない。同様に昼、夜、寝る前の薬剤をセットする。薬剤
送り機構2の上下のローラは一包化薬剤1aの両端にあって、一包化薬剤1aを弛
まないようにセットする。また、薬剤のセット方法として、一包化薬剤1aをドラ
ムを用いて巻きつける方法もある。
【0025】
次に図4の服薬時間設定7bと警報持続時間設定7cと連絡先電話番号設定7dに
ついて説明する。患者の食事時間を基に服薬時間設定7bで例えば朝の服薬時間7
時30分、昼の服薬時間12時30分、夜の服薬時間18時30分、寝る前の服薬
時間21時00分と設定部7で入力する。次に警報持続時間設定7cで、服薬時間
から警報を連続して出力する時間を例えば30分と設定部7で入力する。この警報
持続時間は変更可能である。次に連絡先電話番号設定7dで、患者が薬剤を飲み忘
れたときに電話で連絡してもらうために介護者等の連絡先電話番号を設定部7で入
力する。電話番号は複数登録しても良い。以上の設定は、設定部7が有する記憶部
15に記憶される。
【0026】
装置を居間のポットの付近等の薬剤を服用しやすい場所に設置し、電話回線用モ
ジュラージャック4を家庭内の一般電話回線から分岐して接続する。
【0027】
次に本発明の服薬コンプライアンス支援装置の服薬管理方法について図5を用いて
説明する。時計機能は計時機構12で設定を行い、表示ディスプレイ11に表示さ
れる。服薬時間設定7bで設定した服薬時間になると、薬剤送り機構2が一包化薬
剤の一回分の長さ、具体的には一包化薬剤のミシン目の長さ間の距離分薬剤を送り
出す。長さの検出は光反射式センサ等の薬剤検出センサ3によって検出する。一回
分の薬剤が薬剤送り機構2によって送り出された後は、ストッパー機構8によって
薬剤を取り出すために薬剤を引っ張っても必要量以上の薬剤を取り出すのを防止
し、またその逆に薬剤が装置内に入り込んでしまうのを防止する。一回分の薬剤が
取り出し口に服薬時間に出てくるので、患者はミシン目に沿って薬剤を切り取って
取り出すことができる。薬剤送り機構2は例えば電磁モータによらず他の方法を用
いても良い。また、警報持続時間設定7cで設定した例えば30分間は警報出力部
13から服薬を促すアラーム音やメロディを出力して、患者に服薬時間を知らせ
る。アラーム音やメロディは変更可能である。アラーム音やメロディは患者が所定
の薬剤を取り出すまで鳴り続ける。患者が薬剤を取り出すと薬剤検出センサ3が検
知して服薬したという情報を記憶部15に記憶する。
【0028】
警報持続時間設定7cで設定した時間、例えば30分を過ぎても薬剤が取り出され
ない場合には、連絡先電話番号設定7dで入力した電話番号に通信制御部14から
一般電話回線に通信して、連絡先の電話のナンバーディスプレィに電話番号を表示
し、「ピー」という連続音を発信することによって患者が服薬時間に服用していな
いことを連絡先電話に通信する。連絡先電話に電話番号登録機能があれば、患者の
電話番号を登録することによって、電話のディスプレイ上に患者名が表示される。
連絡先を複数登録していた場合で、1番目に登録した連絡者が電話を受け取らない
場合には、2番目に登録した連絡先に通信する。以降同様に連絡先に通信する。な
お、患者が服薬時間に服用した情報も通知するようにしてもよい。
【0029】
患者が服薬していないことを知った家族等の介護者は、患者に電話等を用いて口頭
で服薬を忘れていることを知らせて服薬を促す。電話を用いて口頭で話すのは患者
とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことも兼ねている。
【0030】
本発明の服薬管理方法に関して人手を介すことを強調するのは、患者と介護者ある
いは医療福祉サービス関係者との信頼関係を築くことを副次的に求めているからで
ある。
【0031】
患者が外出するときには、例えば昼は家庭で服薬することができないので外出前に
あらかじめ外出スイッチ6を押すことによって、所定の薬剤を取り出すことができ
る。外出スイッチ6が押されたことによって、例えば昼に服薬したとみなして昼の
装置の起動はされない。すなわち外出先で服薬したという情報を記憶部15に記憶
する。また、夜の服薬時間からは通常に装置は起動する。
【0032】
服薬コンプライアンス支援装置は患者が1回分の薬剤をミシン目に沿って切り取っ
て取り出し、また、外出ボタンを押す等の操作のすべてを片手で行うことができる
ので、片麻痺患者でも利用することができる。また、音声表示によることに加え、
点字表示あるいは吹き出し絵等の触覚で判断できる手段を追加することによって、
視覚障害者でも利用するすることができる。
【0033】
本発明の服薬コンプライアンス支援装置の服薬管理方法を図6を用いてさらに説明
する。患者は服薬時間16になると薬剤取り出し17を行い、薬剤服用18を行
う。もし、服薬時間16に薬剤取り出し17されないで設定時間経過19したら、
登録した連絡先電話発信+「ピー発信音」20を発信して家族等の介護者に患者が
薬剤を服用していないことを知らせる。発信情報等は全て記憶部15に記憶され
る。「ピー発信音」は別の発信音でも良いし、別の手段を用いてもよい。次に家族
等の介護者は電話等で患者に連絡して薬剤服用18を促す。
【0034】
以上、本発明の第1の実施の形態を患者と例えば介護者の1対1の関係に用いる
ことによって、患者に服薬時間を知らせ、あるいは介護者が患者に服薬を促すこ
とが実現できる。この時管理サーバ等は必要なく、簡単に患者宅に導入でき、導
入コストを抑えた服薬管理ができる。服薬情報は記憶部15に記憶され、必要に
応じて外部の記憶装置に取り出すことができる。
【0035】
次に本発明の第1の実施の形態に係り、コンピュータで音声を管理するシステム
であるCTIシステムと管理サーバを設置して服薬管理情報を共有する方法につい
て図を用いて説明する。図7は管理サーバで管理する場合の服薬管理方法のブ
ロック図である。
【0036】
次に服薬管理方法について図7を用いて説明する。患者が服薬時間16になっ
て、薬剤取り出し17を行うと、管理サーバ電話番号+「#2」21を発信し、
薬剤服用18の情報と服薬した時間を管理サーバに蓄積する。
【0037】
患者が設定時間経過19しても薬剤取り出し17を行わない場合には、管理サーバ
電話番号+「#1」23を発信する。未服用情報を受け取ったCTIシステム及び管
理サーバは家族等の介護者の電話に通信して、音声連絡またはメール送信24で
患者が服薬していないことを知らせる。家族等の介護者に電話通信した情報も管理
サーバに蓄積する。1番目に登録した連絡者が電話を受け取らない場合には、2番
目に登録した連絡先に通信し、その情報を管理サーバに蓄積するのはいうまでもな
い。患者が服薬していないことを知った家族等の介護者は、患者に電話等で連絡し
て服薬を忘れていることを知らせて服薬を促す。家族等の介護者は電子メール等の
手段によって連絡終了通知25を管理サーバに送信し、連絡終了通知25と時間を
管理サーバに蓄積する。管理サーバから音声通話24によって患者宅に直接電話を
かけることによって運用するという方法もある。
【0038】
患者が外出するときに外出スイッチ6を押せば、管理サーバ電話番号+「#3」
22を発信し、外出情報と時間を管理サーバに蓄積する。
【0039】
患者が携帯電話等を持って外出しているときには、管理サーバは携帯電話等のメー
ルあるいは音声で服薬時間を知らせることができる。
【0040】
患者の服薬、未服薬、外出の情報、そして連絡先や患者への連絡情報はその時間と
ともに管理サーバに蓄積される。
【0041】
患者の服薬管理情報は、管理サーバで管理され、介護者、薬剤師、訪問看護師、医
師等で服薬情報の共有を行う。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の服薬コンプライアンス支援装置のサーバ管理を管理センターが行うことに
よって、患者の服薬情報を医療福祉関係者に提供することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 薬剤収納部
1a 一包化薬剤
1b 薬剤
2 薬剤送り機構
3 薬剤検出センサ
4 電話回線用モジュラージャック
5 装置本体
6 外出スイッチ
7 設定部
7a 薬剤設定
7b 服薬時間設定
7c 警報持続時間設定
7d 連絡先電話番号設定
8 ストッパー機構
9 薬剤セット扉
10 薬剤セット治具
11 表示ディスプレイ
12 計時機構
13 警報出力部
14 通信制御部
15 記憶部
16 服薬時間
17 薬剤取り出し
18 薬剤服用
19 設定時間経過
20 連絡先電話発信+「ピー発信音」
21 CTI電話番号+「#2」
22 CTI電話番号+「#3」
23 CTI電話番号+「#1」
24 音声連絡またはメール送信
25 連絡終了通知




【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬時間になると、薬剤送り機構によって、一包化された薬剤の一回分の長さを送り出す手段と、ストッパー機構によって薬剤を取り出すために薬剤を引っ張ってもストッパー機構が動作する手段と、服薬時間に警報出力部から設定した時間中、警報を出力する手段と、薬剤を取り出すと薬剤検出センサが検知して警報出力を停止する手段と、設定した服薬時間を過ぎても薬剤が薬剤取り出し口から取り出されない場合には、連絡先電話番号に通信して、連続音またはプッシュ音を発信する手段と、連絡先を複数登録した場合には、1番目に登録した連絡先が通信できない場合には、2番目以降に登録した連絡先に通信する手段と、通信後に薬剤を取り出すと薬剤検出センサが検知して警報出力を停止する手段と、を有することを特徴とする服薬コンプライアンス支援装置。
【請求項2】
外出前に外出スイッチを押すことによって、所定の薬剤を取り出すことができる手段と、外出スイッチを押すことによって、取り出した薬剤分だけ装置の起動が行われないようにする手段と、取り出した薬剤分の時間が経過した後に装置の起動が再開される手段と、をさらに有する請求項2に記載の服薬コンプライアンス支援装置。
【請求項3】
設定部で入力した警報持続時間を過ぎても服薬されない時に、通信制御部から連絡先電話番号に一般電話回線を介して通信する手段をさらに有する請求項2に記載の服薬コンプライアンス支援装置。
【請求項4】
所定の服薬時間毎に一包化された薬剤を折りたたんで収納する薬剤収納部と、薬剤を薬剤取り出し口に送り出す薬剤送り機構と、薬剤を一定の長さ送り出したことを検出して、さらに薬剤を取り出したことを検出する薬剤検出部と、薬剤を取り出すために薬剤を引っ張っても必要量以上の薬剤を取り出すことを防止するストッパー機構を備え、さらに薬剤を服薬する時間を設定する設定部と、設定内容を表示し、薬剤の服薬時間であることを表示し、または/及び、服薬したことと服薬した時刻を表示する表示部と、薬剤の服薬時間であることを知らせる警報部と、外出時に薬剤を設定の時刻以外に取り出すことができる外出スイッチを備え、薬剤を取り出した情報、すなわち服薬したという情報と、取り出さなかった情報、すなわち服薬していない情報と、外出スイッチが押された情報、すなわち外出して服薬したという情報とを記憶する記憶部と、服薬の情報を外部に送信する通信部とを備える服薬コンプライアンス支援装置。
【請求項5】
薬剤収納部は、患者の服薬回数によって1回〜4回分まで分離できるように構成されている請求項4に記載した服薬コンプライアンス支援装置。
【請求項6】
情報を外部に送信する通信部を有する服薬コンプライアンス支援装置と、データを管理する管理サーバと、CTIシステムとを用いた服薬管理方法であって、CTIシステムと管理サーバが服薬コンプライアンス支援装置から薬剤が取り出されなかった情報を受信した時に、自動的に連絡先電話番号に送信して服薬していないことを通知する工程を含む、服薬管理方法。
【請求項7】
薬剤を取り出した時には服薬したという情報を管理サーバに通信し、服薬時間を過ぎても薬剤と取り出さない時には、服用していない情報を管理サーバに通信し、外出スイッチを押した時には、外出して服薬したという情報を管理サーバに通信する工程をさらに有する請求項6に記載の服薬管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の管理サーバに送信された服用、未服用、又は外出の情報と、連絡先に送信した情報とを管理センターに蓄積して、2以上の第三者間で患者の服薬コンプライアンス情報を共有する工程をさらに含む服薬管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−165800(P2012−165800A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26978(P2011−26978)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(309026299)
【Fターム(参考)】