説明

地物情報管理システム

【課題】システム運用のための費用を少なく、かつ、地物情報管理の電子化も図る。
【解決手段】GISデータを蓄積するGISデータ蓄積手段11と、GISで表示される地図を印刷するGIS印刷手段13と、該印刷手段の印刷内容を一時蓄積する印刷データ一時蓄積手段14と、印刷手段が印刷した地図15に地物情報を追記した情報追記地図16をスキャンし、その画像情報を読み取る読取手段17と、読み取った画像データと印刷データ一一時蓄積手段14に格納しているデータを比較して追記した情報を抽出する抽出手段18と、抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段19と、登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段12と、GISデータ蓄積手段11および業務データ蓄積手段12に蓄積されているデータを表示する表示手段20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施設や設備などの管理対象物である地物の情報をデータベースに格納して管理する地物情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自治体や電力・通信等のインフラストラクチャー(infrastructure)を有する企業などにおいては、遠隔地の地物(例えば、管理したい対象物である施設、設備、道路、鉄道、河川など)の管理業務は従来から存在している。
これら地物の管理業務は、紙ベースの図面や台帳等によって管理されており、これら(即ち、紙ベースの図面や台帳等)を電子化して業務効率化を図ろうとする動きが急速に拡大しつつある。
電子化の手法として、図面や台帳等のデータを情報システムのデータベースに投入し、情報の検索性を向上させることが通常行なわれる。
また、情報の検索手段として、通常のキーワード検索に加えてGIS(Geographic Information System:地理情報システム)を利用して地図から検索する方法も実現されている。
特に、維持管理の局面においては、情報更新の際にパソコンを利用し難い出先や現場で発生することを考慮して、PDA(Personal digital assistant:個人向け携帯型情報通信機器)などのモバイル端末に地図を載せて利用するシステムの構築例が増えている。
【0003】
図5は、GISとモバイル端末を利用した従来の地物(施設や設備など)管理システムの構成例を示している。
図において、GISデータ蓄積手段1にはGIS(Geographic Information System)から得られる地理情報(GISデータ)が蓄積(保持)され、業務データ蓄積手段2には地物情報管理に必要な業務データが蓄積される。
モバイル端末4は、データ出力手段3によりGISデータ蓄積手段1および業務データ蓄積手段2から出力されて管理対象の地物が設置されている場所に伝送されてくるデータを表示する。
管理作業者は、モバイル端末4に表示されている画面を確認し、必要に応じてGISデータや業務データに追加すべき情報をモバイル端末4に付属のペンで書き込み、データ登録手段5に伝送するか、もしくはモバイル端末4を持ち帰ってシステムに接続し、データ登録手段5に読み込ませる。
データ登録手段5は、モバイル端末4から伝送されてくるデータをGISデータ蓄積手段1あるいは業務データ蓄積手段2に蓄積する。
【0004】
また、例えば特開平7−92907号公報には、「情報を追加すべき対象周辺区域の地図を、紙に印刷または手書きした地図を原紙にして、一般的なファクシミリ装置を用いて、または、該当地図を保管する遠隔施設から通信回線経由で伝送させ、その間、一般的なファクシミリ伝送手順により一旦アナログモードで伝送し、受信時にモデムでA/D変換して、ペンで表示画面に直接触れて操作できる携帯形ペンコンピュータの記憶装置に取り込んだ内容を、モバイル端末であるペンコンピュータの画面に表示させながら、現地に出向いて調査することにより、その場で直ちに上記必要な情報の追加入力作業を行う」ことを特徴とする「地図に情報を追加する方法(システム)」が示されている。
また、この特開平7−92907号公報では、モバイル端末である携帯形ペンコンピュータと本体システム間のデータ転送量を減らす工夫がされている。
【特許文献1】特開平7−92907号公報(図4、段落0009)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来の地物情報管理システムにおいては、モバイル端末を用いる場合に発生する問題がいくつかある。
1つは使用するモバイル端末の表示領域の問題である。
現状のモバイル端末は、解像度がVGA(Video Graphics Array:640×480画素の表示モード)からSVGA(Super Video Graphics Array:通常800×600画素の表示モード)への移行が進みつつあるが、モバイル端末の表示領域の大きさでは、紙に地図を印刷する場合と比較して、狭い範囲の地図しか表示することができない。
解像度の向上は今後の技術開発により期待できる。しかし、ディスプレイ自体の大きさが変わらないとすると、解像度が上がることにより文字、図形等の表示サイズが小さくなり、見難くなる。
モバイル端末の表示サイズを大きくするにはディスプレイサイズを大きくする必要があるが、その場合はモバイル端末のサイズも大きくなり携行性が低下する。
モバイル端末の表示領域、見易さ、携行性のトレードオフは、根本的な問題であり相当な技術的ブレイクスルーがない限り解決は困難である。
【0006】
次に、モバイル端末が使用されることの多い出先や現場では、通常業務としてパソコンを多用しないため、パソコン等の情報機器を扱いなれないユーザが多いと想定される。
このことは、モバイル端末利用のシステムを導入する際に、管理作業者の教育・研修にかかるコストが増大し、システム利用の初期における一時的な業務の非効率化を招くことを示している。
【0007】
さらに、モバイル端末を出先や現場で利用したいユーザ全員に割り当てることはコストの面から困難であることが多い。
導入台数が限られる場合、これを複数人で共有して融通しあうことになるが運用に支障が出る場合がある。
これらの問題は、紙での運用と比較した場合のモバイル端末の宿命的な弱点と言える。
【0008】
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、モバイル端末を利用することなく、出先や現場のユーザに対するシステム運用のための教育費用やシステム運用のための設備機器導入費用の負担を小さくすることができ、かつ、情報管理の電子化も図れる地物情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による地物情報管理システムは、GIS(Geographic Information System)で得られるデータを蓄積するGISデータ蓄積手段と、前記GISで表示される地図を印刷するGIS印刷手段と、前記GIS印刷手段が印刷する内容を一時蓄積しておく印刷データ一時蓄積手段と、前記GIS印刷手段が印刷した地図に管理対象の地物に関する情報を手書追記した情報追記地図をスキャンし、前記情報追記地図の画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った画像データと前記印刷データ一時蓄積手段に格納されているデータとを比較して手書き追記された前記情報をデータとして抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段と、前記データ登録手段に登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段と、前記GISデータ蓄積手段に蓄積されているGISデータおよび前記業務データ蓄積手段に蓄積・管理されているデータを検索閲覧するための表示手段を備えたものである。
【0010】
また、この発明による地物情報管理システムは、地図情報である図面データを蓄積する図面データ蓄積手段と、前記図面データ蓄積手段に蓄積されている図面データを所望の大きさの地図として印刷できる図面印刷手段と、前記図面印刷手段が印刷する内容を一時蓄積しておく印刷データ一時蓄積手段と、前記図面印刷手段が印刷した地図に管理対象の地物に関する情報を手書追記した情報追記地図をスキャンし、前記情報追記地図の画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った画像データと前記印刷データ一時蓄積手段に格納されているデータとを比較して手書き追記された前記情報をデータとして抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段と、前記データ登録手段に登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段と、前記図面データ蓄積手段に蓄積されている図面データおよび前記業務データ蓄積手段に蓄積・管理されているデータを検索閲覧するための図面表示手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、モバイル端末を利用することなく、出先や現場のユーザに対するシステム運用のための教育費用やシステム運用のための設備機器導入費用の負担を小さくすることができ、かつ、情報管理の電子化も図れる地物情報管理システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1によるGISを利用した地物情報管理システムの構成を概念的に示す図である。
図1において、図示しないGIS(Geographic Information System)から得られる地図(地理)情報は、GISデータ蓄積手段11に格納されている。
なお、地図情報は、ベースとなる背景地図と地物(即ち、管理したい対象物である施設、設備、道路、鉄道、河川など)の位置情報で構成される。
GISデータ蓄積手段11とは別に業務データ蓄積手段12には地物の属性情報を格納しておく。
これら(即ち、GISデータ蓄積手段11および業務データ蓄積手段12)の蓄積手段としてはデータベースが利用される。
【0013】
なお、地物の属性情報とは、その地物と関連付けられる全ての情報(但し、GISで扱う位置座標や図形形状の情報などは除く)を指す。
例えば、地物が「道路」の場合は、「名称」、「起点」、「開通年月日」、「総延長距離」、「補修履歴」などであり、地物が「街灯」の場合は、「ランプ点数」、「ランプ型名」、「電源電圧」、「ランプ交換日」などであり、地物が「下水処理場」の場合は、「住所」、「電話番号」、「管理者名」、「処理能力」などであり、地物が「風致地区」の場合は、「風致地区指定年月日」、「管理番号」、「面積」などである。
【0014】
表示手段20が両者(即ち、GISデータ蓄積手段11および業務データ蓄積手段12)の情報を重ね合わせて表示することにより、地図上で各種の情報を視覚的に管理することが可能となる。
また、GISデータ蓄積手段11および業務データ蓄積手段12のデータベースやGISの検索機能を使うことにより、情報の検索性が向上し、効率的な情報管理を行うことも可能となる。これはGISを用いた情報システムの一般的な利用法である。
GIS印刷手段13は、これら(即ち、GISデータ蓄積手段11からの情報および業務データ蓄積手段12からの情報)を重ね合わせた状態の地図を紙に印刷する。
このとき、印刷データ一時蓄積手段14に、印刷データを画像化したものと、どのような種類の地物(管理したい施設や設備など)をどのように重ね合わせて印刷したかの情報を保持(蓄積)しておく。
【0015】
作業者は、GIS印刷手段13によって印刷された印刷済みの地図15を持って出先や現場で作業を行う。
作業の中で地物に対しての情報の更新が発生した場合は、GIS印刷手段13によって印刷された地図15上に直接手書きで新たな情報を追記する。
例えば、設備に故障が発生していたときには、その情報(例えば、故障が発生していることや故障の内容などの情報)を地図上の該当設備あるいはその周辺にコメントとして書き込む。これにより管理対象の地物の事故を管理することもできる。
このとき(即ち、印刷された地図上に手書きで情報を書き込むとき)、後の処理がし易いように、予め書き込む内容や書き込みのフォーマットを業務に応じてルール決めし、定型化しておく。
【0016】
作業者は、書き込み済みの地図(即ち、刷済みの地図15に故障や事故の情報が書き込まれたもの)16を地物情報管理システムが設置されている場所に持ち帰り、読取手段17によって書き込み済みの地図16を読み取らせて画像データに変換する。
この読取手段17によって変換された画像データと印刷データ一時蓄積手段14に保管(蓄積)されている画像を抽出手段18によって比較し、差分を取る。
さらに、この差分データに対して、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)の技術を応用して、地図に書き込まれた文字や図形の判別を行う。
なお、現場で地図に情報を書き込む際の手書きルールを厳密に決めておけば、文字と図形の判別がし易くなる。
また、情報は地図上に直接記入しているので、文字や図形の内容だけでなく書き込みされた位置も重要な情報であり、これも読み取っておく。
これら読み取った文字・図形の情報や位置情報を、データ登録手段19によってGISデータ蓄積手段11および業務データ蓄積手段12に書き込みを行う。
書き込まれたデータは表示手段20によって参照可能であると同時に、次に地図を印刷した場合は、更新済みの最新データが記入された地図がGIS印刷手段13から出力される。
【0017】
以上説明したように、本実施の形態による地物情報管理システムは、GIS(Geographic Information System)で得られるデータを蓄積するGISデータ蓄積手段11と、GISで表示される地図を印刷するGIS印刷手段13と、GIS印刷手段13が印刷する内容を一時蓄積しておく印刷データ一時蓄積手段14と、GIS印刷手段13が印刷した地図15に管理対象の地物に関する情報を手書追記した情報追記地図16をスキャンし、この情報追記地図の画像情報を読み取る読取手段17と、読取手段17が読み取った画像データと印刷データ一時蓄積手段14に格納されているデータとを比較して手書き追記された情報をデータとして抽出する抽出手段18と、抽出手段18で抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段19と、データ登録手段19に登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段12と、GISデータ蓄積手段11に蓄積されているGISデータおよび業務データ蓄積手段12に蓄積・管理されているデータを検索閲覧するための表示手段20とを備えている。
【0018】
本実施の形態による地物情報管理システムは、GISを併用しており、データを参照する側(即ち、地物情報管理システムが設置されている側)では情報をデータベースに蓄積しているので、データ等の検索性を向上することができる。
更に、現場では、紙に出力(印刷)した地図を運用とすることによって、モバイル端末を用いた場合の「表示領域、見易さ、携行性の問題」を解決することができる。
さらに、出先や現場のユーザに対するシステム運用のための教育費用やシステム運用のための機器(モバイル端末)導入費用の負担を少なくすることができる。
また、書き込まれたデータ(即ち、管理対象の地物に関する情報)は表示手段によって参照可能であると同時に、次に地図を印刷した場合は更新済みの最新データが記入された地図がGIS印刷手段13から出力される。
【0019】
実施の形態2.
図2は、実施の形態2による地物情報管理システムの構成を概念的に示す図である。
前述した実施の形態1による地物情報管理システムはGISを利用したものであったが、本実施の形態では、GISに代わり「図面を管理するための手段」を適用している。
具体的には、図面データ蓄積手段21、図面印刷手段23、印刷された図面25、コメント書き込み済みの図面(情報追記地図)26、図面表示手段30を備えていることが実施の形態1と異なる。
【0020】
本実施の形態における動作は、基本的には実施の形態1とほぼ同様である。
図面データ蓄積手段21に蓄積した図面データおよび業務データ蓄積手段22に蓄積した業務データを図面印刷手段23によって重ね合わせて印刷し、これ(即ち、図面データに業務データを重ねて印刷したもの)を作業者が現場に持ち込む。
図面印刷手段23が印刷した図面25にコメント(即ち、管理対象の地物に関する新たな情報)を書き込んだものを読取手段27にかけ、抽出手段28によって抽出したコメントデータとその位置情報をデータ登録手段29によって業務データ蓄積手段22に書き込む。書き込まれたデータは、図面表示手段30によって検索、参照可能である。
【0021】
本実施の形態による地物情報管理システムは、地図情報である図面データを蓄積する図面データ蓄積手段21と、図面データ蓄積手段21に蓄積されている図面データを所望の大きさの地図として印刷できる図面印刷手段23と、図面印刷手段23が印刷する内容を一時蓄積しておく印刷データ一時蓄積手段24と、図面印刷手段23が印刷した地図25に管理対象の地物に関する情報を手書追記した情報追記地図26をスキャンし、情報追記地図26の画像情報を読み取る読取手段27と、読取手段27が読み取った画像データと印刷データ一時蓄積手段24に格納されているデータとを比較して手書き追記された情報をデータとして抽出する抽出手段28と、抽出手段28で抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段29と、データ登録手段29に登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段22と、図面データ蓄積手段21に蓄積されている図面データおよび業務データ蓄積手段22に蓄積・管理されているデータを検索閲覧するための図面表示手段30とを備えている。
【0022】
土木や建築などの分野で作成される図面は、紙に印刷するとA3以上のサイズとなり、モバイル端末のような小さな画面では参照に堪えるものではない。しかし、本実施の形態によれば、図面印刷手段23は図面データ蓄積手段21に蓄積されている図面データを所望の大きさの地図(例えば、A3以上の大きさの地図)として印刷できるので、現場の管理作業者はA3以上の紙に印刷された地図を用いて運用することにより、参照性を十分確保することができ、かつ、システム電子化の恩恵も受けることができる。
【0023】
従って、実施の形態1の場合と同様に、モバイル端末を用いた場合の「表示領域、見易さ、携行性の問題」を解決することができると共に、出先や現場のユーザに対するシステム運用のための教育費用やシステム運用のための機器(モバイル端末)導入費用の負担を少なくすることができる。
また、書き込まれたデータ(即ち、管理対象の地物に関する情報)は図面表示手段によって参照が可能であると同時に、次に地図を印刷した場合は、更新済みの最新データが記入された地図が図面印刷手段から出力されるので、システム電子化の恩恵を受けることができる。
【0024】
実施の形態3.
実施の形態3による地物情報管理システムについて説明する。
本実施の形態による地物情報管理システムの基本的な構成は、前述した実施の形態1の構成(図1)と同様であるが、図1において、GIS印刷手段13で縮尺を2種類またはそれ以上に変えた複数枚の地図を印刷する。
例えば、GIS印刷手段13は、大縮尺(地図をズームインした状態)と小縮尺(地図をズームアウトした状態)の2種類の地図を印刷し、小縮尺の地図には管理対象地物の位置のみを記しておき、大縮尺の地図には細かい図形やコメントを記入するといった運用を行う。
【0025】
つまり、本実施の形態では、GIS印刷手段13は、縮尺を変えた複数の地図を印刷し、読取手段17は、GIS印刷手段13が印刷した複数の地図に管理対象の地物に関する情報をそれぞれ手書追記した複数の情報追記地図をスキャンし、複数の情報追記地図の画像情報を読み取る。
その他の手段についての動作は、実施の形態1と同様である。
このように複数枚の地図を印刷して併用し、それぞれにコメント等を書き込むことによって、よりきめ細かなデータ登録を可能となり、地図が1枚の場合に比べて利便性が向上すると共によりきめ細かなデータの登録を行いやすくなる。
【0026】
実施の形態4.
図3は、実施の形態4による地物情報管理システムの構成を概念的に示す図である。
図3に示しているデータ登録手段31は、図1や図2に示しているデータ登録手段19あるいはデータ登録手段29と同等のものである。
本実施の形態は、データ登録手段31に対してユーザの手で登録データをチェック・修正するためのデータ修正手段32を更に備えていることを特徴とする。
本実施の形態による地物情報管理システムでは、読取手段が読み取った画像情報データを修正できるデータ修正手段32を有し、データ修正手段32は、データ登録手段31がデータベースに登録するデータを修正可能である。
このような構成とすることにより、地図上に書き込む手書きの情報に文字が多く認識率に問題がある場合でも、データ修正手段32によってデータを修正することができるので、入力情報(即ち、データベースへ登録するデータ)の正確性を確保することができる。
【0027】
実施の形態5.
図4は、実施の形態5による地物情報管理システムの構成を概念的に示す図である。
本実施の形態による地物情報管理システムの構成は、基本的には図1に示した実施の形態1による地物情報管理システムの構成と同様であるが、業務データ蓄積手段42は作成済みの文書の文書データも蓄積可能である。
また、データ登録手段49は、作成済み文書51の文書データを管理対象の地物に関連付けて登録し、登録した文書データを業務データ蓄積手段42に蓄積する。
【0028】
このシステム構成において、作業者は印刷済み地図45に対象地物の位置情報を書き込み、それ以外の情報は別途ワープロなどで文書データを作成する。
記入済み地図(情報追記地図)46を読取手段47にかけ、抽出手段48、データ登録手段49を通して登録すると同時に、作成済みの文書データはデータ登録手段49を通して業務データ蓄積手段42に登録(蓄積)する。
【0029】
以上のように、本実施の形態による地物情報管理システムは、業務データ蓄積手段42は、文書データの蓄積が可能であり、データ登録手段49は、文書データを管理対象の地物に関連付けて登録し、登録した文書データを業務データ蓄積手段42に蓄積する。
このような構成とすることによって、GISを利用した情報システムにおいて、文書データを位置情報と関連付けて容易に登録することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、システム運用のための費用負担を少なくし、情報管理の電子化も図れる地物情報管理システムの実現に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態1による地物管理システムの構成を概念的に示す図である。
【図2】実施の形態2による地物管理システムの構成を概念的に示す図である。
【図3】実施の形態4による地物管理システムの構成を概念的に示す図である。
【図4】実施の形態5による地物管理システムの構成を概念的に示す図である。
【図5】従来の地物管理システムの構成を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0032】
11、41 GISデータ蓄積手段
12、22、42 業務データ蓄積手段
13、43 GIS印刷手段
14、24、44 印刷データ一時蓄積手段
15、25、45 印刷済み地図
16、26、46 情報追記地図
17、27、47 読取手段
18、28、48 抽出手段
19、29、31、49 データ登録手段
20、50 表示手段
21 図面データ蓄積手段
23 図面印刷手段
29 図面表示手段
30 図面表示手段
32 データ修正手段
51 作成済み文章

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GIS(Geographic Information System)で得られるデータを蓄積するGISデータ蓄積手段と、
前記GISで表示される地図を印刷するGIS印刷手段と、
前記GIS印刷手段が印刷する内容を一時蓄積しておく印刷データ一時蓄積手段と、
前記GIS印刷手段が印刷した地図に管理対象の地物に関する情報を手書追記した情報追記地図をスキャンし、前記情報追記地図の画像情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った画像データと前記印刷データ一時蓄積手段に格納されているデータとを比較して手書き追記された前記情報をデータとして抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段と、
前記データ登録手段に登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段と、
前記GISデータ蓄積手段に蓄積されているGISデータおよび前記業務データ蓄積手段に蓄積・管理されているデータを検索閲覧するための表示手段とを備えたことを特徴とする地物情報管理システム。
【請求項2】
地図情報である図面データを蓄積する図面データ蓄積手段と、
前記図面データ蓄積手段に蓄積されている図面データを所望の大きさの地図として印刷できる図面印刷手段と、
前記図面印刷手段が印刷する内容を一時蓄積しておく印刷データ一時蓄積手段と、
前記図面印刷手段が印刷した地図に管理対象の地物に関する情報を手書追記した情報追記地図をスキャンし、前記情報追記地図の画像情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った画像データと前記印刷データ一時蓄積手段に格納されているデータとを比較して手書き追記された前記情報をデータとして抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出されたデータをデータベースに登録するデータ登録手段と、
前記データ登録手段に登録されたデータを蓄積・管理する業務データ蓄積手段と、
前記図面データ蓄積手段に蓄積されている図面データおよび前記業務データ蓄積手段に蓄積・管理されているデータを検索閲覧するための図面表示手段とを備えたことを特徴とする地物情報管理システム。
【請求項3】
前記GIS印刷手段は、縮尺を変えた複数の地図を印刷し、
前記読取手段は、前記GIS印刷手段が印刷した複数の地図に管理対象の地物に関する情報をそれぞれ手書追記した複数の情報追記地図をスキャンし、前記複数の情報追記地図の画像情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の地物情報管理システム。
【請求項4】
読取手段が読み取った画像情報データを修正できるデータ修正手段を有し、前記データ修正手段は、前記データ登録手段が前記データベースに登録するデータを修正可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の地物情報管理システム。
【請求項5】
前記業務データ蓄積手段は、文書データの蓄積が可能であり、前記データ登録手段は、前記文書データを管理対象の地物に関連付けて登録し、登録した前記文書データを前記業務データ蓄積手段に蓄積することを特徴とする請求項1または2に記載の地物情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−211521(P2009−211521A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55142(P2008−55142)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】