説明

地盤振動計測装置

【課題】天候気象などの外部条件に左右されにくく、列車による地盤振動を長時間連続して計測可能でコンパクト化された地盤振動測定装置を提供すること。
【解決手段】振動レベル計20が、鉄道車両が鉄道線路を走行する際に発生する地盤振動を計測し、データロガー30が、振動レベル計20によって計測された地盤振動を示すデータを記録する。そして、バッテリ40が電力を蓄積し、蓄積した電力を振動レベル計20およびデータロガー30へ予め設定された測定期間の間供給する。また、これら振動レベル計20、データロガー30およびバッテリ40は収納ケース10の収納部17に収納される。収納ケース10は、鉄道線路の近傍に設置可能であり、収納ケース10の収納部17は防水性能を有し、その内部に振動レベル計20と、データロガー30と、バッテリ40と、太陽電池充電コントローラ60と、ヒューズホルダ70とが収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天候気象などの外部条件に左右されにくく、列車による地盤振動を長時間連続して計測可能でコンパクト化された地盤振動計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道からの騒音・振動は、走行列車の高速化、長大化に伴い、その影響範囲が拡大し、環境破壊の公害問題を生じている。この対策のために、鉄道沿線の広範囲な地域にわたって、走行列車を対象とした騒音及び/又は振動の測定が行なわれている。上記の測定方法としては、鉄道騒音が住居地域で70dB(A)、商工業地域で75dB(A)、鉄道振動が70dBを超える地点で、上り下りの連続通過する20本の列車毎に、騒音振動のピークレベルを読み取り、その上位レベル10個の平均値によって評価するものであり、該測定は午前6時から午後12時までの間に行うものとされている。
【0003】
なお、新幹線による騒音および振動については、それぞれ、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」(昭和50年7月29日環境庁公示第46号)、「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」(昭和51年3月12日環大特32号)に基づいて定められた調査方法により計測を実施している。
【0004】
なお、上記条例に基づく騒音、振動等の環境測定に留まらず、鉄道事業者としては、更なる環境対策のために、線路沿線の騒音、振動計測を幅広く実施している。具体的には、より長時間に及ぶ計測を行い、例えば丸一日(24時間)に及ぶ時間帯別の騒音、振動の変動を調査したり、季節変動の影響を考慮するための定点観測を行ったりしている。その背景には、上記のように測定した測定値が、測定地点を代表する値であることを証明するため、長時間測定が必要とされていることが挙げられる。
【0005】
さらに、その測定の際に、走行列車の種別、上り下りの区別、走行速度なども併せて識別記録することが望まれている。
そこで、現場に常駐した測定者の視覚・聴覚により走行列車の近接を感知した時点で測定データ記録装置を手動により始動し、走行列車の通過後に停止せしめるように操作する方法が一般に採用され、その間に列車種別、上り下りの区別の目視確認及びスピードガンやストップオッチにより走行速度の測定、記録を行っている。
【0006】
その際の地盤振動の測定には、例えば、データレコーダ、振動レベル計、延長ケーブルなどの測定機器が用いられる。測定手順としては、まず、列車接近が見通せる場所にいる列車見張員が、計測器の傍にいる計測員に列車の接近を連絡する。次に、連絡を受けた計測員が、計測器具を用いて列車通過時の振動レベルを計測する。なお、計測された振動レベルについては、データレコーダを用いてMOなどの記録媒体に記録される。そして、列車見張員が、列車通過時の列車情報を計測する。なお、列車情報とは、列車が走行する上下線の区別や、列車種別、車両形式などであり、列車見張員が目視により判断する。また、列車の走行速度については、列車見張員が、列車前部から列車後部までの通過時間をストップウォッチで計測し、列車種別や車両形式から特定される列車の全長をその計測した時間で走行したことから算出する。
【0007】
そして、上述のように地盤振動を計測した計測結果を解析する。具体的には、列車見張員が計測した列車情報を整理するとともに、データレコーダで再生した記録波形をレベルレコーダで出力して目視でピーク値を読み取るとともに、データレコーダで再生した記録波形を周波数解析器にて周波数分析を行う。
【特許文献1】特開平08−105792号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述のような列車による地盤振動を測定する装置においては、次のような問題があった。
(1)上述のように列車見張員と計測者の最低2名が列車通過の度に手動および目視で計測を行うため、データ取得ミスや速度算出の誤差が生じるおそれがあった。
【0009】
(2)列車による地盤振動を長時間継続して計測するために、列車見張員および計測者の交代要員も確保する必要があり、必要な人員が増加するという問題があった。また、このことに伴い計測者による測定結果に個人差が生じるおそれがあった。
【0010】
(3)計測機器等は、ピックアップ以外は計測車に搭載されるため、計測車を駐車する場所を探すとともにその場所への駐車許可を得るといった具合に、計測車を駐車するスペースを確保する必要があった。
【0011】
(4)測定場所としての諸条件を満たす場所に設置されたピックアップと、計測車に搭載されたピックアップ以外の計測機器とをケーブル類で接続するための配線作業に多くの時間を要していた。
【0012】
(5)現場に常駐した測定者の視覚・聴覚により長時間測定を行うため、測定者に過度の負担を強いることになるばかりでなく、天候気象等の外部条件により往々にして感知遅れによるデータ取得ミスや速度算出の誤差が生じるおそれがあった。
【0013】
なお、特許文献1に記載されるように、鉄道近傍の一地点に設置した騒音計及び/又は振動計ともに走行列車から継続的に放射される電波の電界強度測定器を併置して、その電界強度測定データによって、騒音・振動測定データ中に混入した走行列車以外の発生源からのデータを適確容易に識別する手法も考えられるが、天候気象等の外部条件により電界強度に乱れが生じる可能もあり、このような場合には、鉄道線路を走行する列車を例えば走行中のトラックと判定したり、走行中のトラックを鉄道線路を走行する列車と判定したりするといった具合に、取得するデータの精度が低下するおそれがある。
【0014】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、天候気象などの外部条件に左右されにくく、列車による地盤振動を長時間連続して計測可能でコンパクト化された地盤振動計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る地盤振動計測装置(1:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、鉄道車両が鉄道線路を走行する際に発生する地盤振動を計測し、その計測結果を示すデータを出力する振動レベル計(20)と、前記振動レベル計から出力されたデータを記録するデータレコーダ(30)と、電力を蓄積し、蓄積した電力を少なくとも前記振動レベル計および前記データレコーダへ予め設定された測定期間の間供給する電源部(40)と、防水性能を有し、少なくとも前記振動レベル計、前記データレコーダおよび前記電源部をその内部に収納可能な収納部(17)を有し、前記鉄道線路の近傍に設置可能な収納ケース(10)と、を備えることを特徴とする。
【0016】
このように構成された本発明の地盤振動計測装置によれば、振動レベル計が、鉄道車両が鉄道線路を走行する際に発生する地盤振動を計測し、データレコーダが、振動レベル計によって計測された地盤振動を示すデータを記録する。そして、電源部が電力を蓄積し、蓄積した電力を少なくとも振動レベル計およびデータレコーダへ予め設定された測定期間の間供給する。また、これら振動レベル計、データレコーダおよび電源部は収納ケースの収納部に収納される。収納ケースは、鉄道線路の近傍に設置可能であり、収納ケースの収納部は、防水性能を有し、その内部に少なくとも前記振動レベル計、データレコーダおよび電源部を収納可能である。
【0017】
このことにより、当該地盤振動計測装置を野外に設置可能とするとともに、次のような作用効果を奏する。
(1)地盤振動計測装置が自動で長時間連続して列車による地盤振動を計測するので、人的問題による誤差が発生することを防ぐことができる。
【0018】
(2)従来の測定装置を設置する際に不可欠であったピックアップと計測機器との間を接続するケーブル類の配線作業が不要となるため、設置撤去作業の時間が縮小される。
(3)短時間におけるデータ精度については従来の計測手法と同等の精度を維持することができるとともに、長時間の計測実施でも測定精度が低下することがなく、定常的な計測が可能である。
【0019】
(4)従来の計測では計測実施に2名以上の計測要員を必要としていたのに対して、本発明の地盤振動計測装置によれば、地盤振動、列車速度、列車が走行する上下線の区別(上下線別は2台必要)の3項目の計測を計測要員が居なくても可能となるため、経済的効果があり、同時に複数点の計測を実施する際には、計測のため常駐する人員が減少するため、さらに効率的に作業が行える。
【0020】
(5)長時間連続したデータを取得することで、データの取り逃しがなく、対象外のデータをデータ整理時に評価することが可能となる。
したがって、走行列車から継続的に放射される電波の電界強度を利用する必要がないために天候気象などの外部条件に左右されにくく、列車による地盤振動を長時間連続して計測可能でコンパクト化された地盤振動計測装置を提供することができる。
【0021】
この場合、収納ケースの収納部内部にて少なくとも振動レベル計、前記データレコーダおよび電源部が載置される載置面が、収納ケースが地面などに設置される設置面よりも上方に位置するよう構成されていることが考えられる。なお、収納ケースが設置される設置面から上述の載置面までの高さ寸法については、その設置される地域における一日当たりの降雨量などを考慮して、測定時間の間雨が降り続いて設置場所が浸水しても、設置面まで水面が到達しないように設定されることが望ましい。このように構成すれば、雨天にも左右されずに、列車による地盤振動を長時間連続して計測することができる。
【0022】
ところで、列車による地盤振動を長時間連続して測定するためには、振動レベル計およびデータレコーダを長時間駆動させる必要があり、そのためには電力を長時間連続して供給し続ける必要がある。そこで、自然エネルギーを電気に変換し、その変換された電気を電源部に供給して蓄積することが考えられる。一例を挙げると、請求項3のように、太陽光エネルギーを電気に変換し、その変換した電気を前記電源部に供給する発電部を備えるといった具合である。このように構成すれば、振動レベル計およびデータレコーダを駆動するために必要な消費電力の一部またはすべてを発電で賄うことができ、列車による地盤振動をさらに長時間連続して計測することができる。また、上述の電源部の電力容量を小さくし、その分電源部を小型化することも可能であり、その場合、収納ケースの収納部の容積を小さくすることもできる。
【0023】
ところで、列車が通過する度に計測を開始および終了を断続的に行う場合、列車が通過した回数と同数のデータが作成されることとなる。この場合、各データにはヘッダなどデータを定義する情報が含まれることとなり、データの本体部分以外のデータ量が増加して、その分データを記憶する容量を多く用意する必要がある。そこで、振動レベル計によって計測された地盤振動を示すデータを複数のデータで構成するのではなく、連続した一つのデータとして構成することが考えられる。具体的には、請求項4のように、データレコーダが、振動レベル計から出力されたデータを一つのデータとして構成して記録することが考えられる。このように構成すれば、データに含まれるデータの本体部分以外のデータ量が少なくなり、データを記憶する容量を少なくすることができる。
【0024】
また、請求項5のように、データレコーダは、振動レベル計から出力されたデータをバイナリー形式で記録することが考えられる。このように構成すれば、例えばアスキー形式などの他のデータ形式と比べてデータ量が少なくなり、データを記憶する容量を少なくすることができる。
【0025】
また、請求項6のように、データレコーダは、振動レベル計から出力されたデータを周波数1.0kHzでサンプリングして記録することが考えられる。このように構成すれば、従来構成で一般的な周波数1.5kHzでデータをサンプリングする場合に比べてデータ量が少なくなり、データを記憶する容量を少なくすることができる。
【0026】
ところで、列車の走行速度については、上述のように、列車見張員が、列車前部から列車後部までの通過時間をストップウォッチで計測し、列車種別や車両形式から特定される列車の全長をその計測した時間で走行したことから算出していた。この場合、列車見張員と計測者の最低2名が列車通過の度に手動および目視で計測を行うため、データ取得ミスや速度算出の誤差が生じるおそれがあった。
【0027】
そこで、振動レベル計によって計測された地盤振動を示すデータを分析することで鉄道車両の走行速度を算出することが考えられる。具体的には、請求項7のように、振動レベル計から出力されたデータを分析することで鉄道車両の走行速度を算出する速度算出部を備えることが考えられる。一例を挙げると、速度算出部が、振動レベル計から出力されたデータを周波数分析することで鉄道車両の走行速度を算出すること(請求項8)や、速度算出部が、振動レベル計から出力されたデータに基づき自己相関関数を計算することで鉄道車両の走行速度を算出する(請求項9)といった具合である。
【0028】
このように構成すれば、鉄道車両の走行速度を、人手を必要とせずに精度良く算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
[第一実施形態]
図1は地盤振動計測装置1の各部構成を示すブロック図である。また、図2は地盤振動計測装置1の平面図であり、図3は地盤振動計測装置1の正面図であり、図4は地盤振動計測装置1の左側面図であり、図5は地盤振動計測装置1の右側面図である。
【0030】
[地盤振動計測装置1の構成の説明]
図1に示すように、地盤振動計測装置1は、収納ケース10と、振動レベル計20と、データレコーダとしてのデータロガー30と、電源部としてのバッテリ40と、発電部としての太陽電池モジュール50と、太陽電池充電コントローラ60と、ヒューズホルダ70と、を備え、鉄道線路を走行する鉄道車両(以下列車とも言う)による地盤振動を計測する機能を有する。
【0031】
[振動レベル計20の構成の説明]
振動レベル計20は、地盤振動を計測可能な計測器である。この振動レベル計20には、地盤振動を検出する3方向振動ピックアップ(以下ピックアップ)21がケーブル22を介して接続される。また、振動レベル計20は、筐体に画面表示部(図示省略)とキースイッチ等の入力スイッチ(図示省略)とを有している。なお、画面表示部は、任意な表示が可能な液晶表示装置であっても、また振動波形等を表示するものであっても良い。また、振動レベル計20は、ピックアップ21が計測した地盤振動を示すデータ(測定データ)に対して周波数解析を行うこともできる。なお、この場合の振動レベル計20は速度算出部に該当する。
【0032】
なお、本実施形態では、鉄道車両が鉄道線路を走行する際に発生する地盤振動を計測することを目的とし、振動レベル計20としてリオン社製の振動レベル計(品番VM−53Aまたは品番VM−52A)が用いられ、ピックアップ21として同じくリオン社製の3方向振動ピックアップ(品番PV−83CまたはPV−83B)が用いられる。
【0033】
[データロガー30の構成の説明]
データロガー30は、各種センサで収集したデータをリアルタイムで長時間にわたって記録する装置である。なお、本実施形態では、データロガー30は、振動レベル計20によって計測された地盤振動を示すデータをコンパクトフラッシュ(登録商標)31に記録する。
【0034】
また、データロガー30は、省電力化および省データ量化を目的として、取得したデータを一つのデータとして構成してA/D変換するとともに、データ形式をバイナリー形式(従来はアスキー形式)としている。なお、サンプリング周波数は1.0kHz(従来は1.5kHz)である。このことにより、バッテリ40の容量を従来と同様としても連続10日間の計測が可能となっている。なお、本実施形態では、データロガー30としてユニパルス社製のデータロガー(品番UL84特)が用いられる。
【0035】
[バッテリ40およびヒューズホルダ70の構成の説明]
バッテリ40は、電力を蓄積し、蓄積した電力を振動レベル計20およびデータロガー30へ供給することが可能である。なお、バッテリ40と振動レベル計20およびデータロガー30との間には、ヒューズホルダ70が接続されており、バッテリ40から過剰な電流が流れないようになっている。
【0036】
このバッテリ40の容量については、振動レベル計20およびデータロガー30に対して予め設定された測定時間の間電力供給が可能に設定されている。なお、測定時間としては、一般的には1回当たり3時間や15時間であるが、前述の測定時間にて連続10日間測定を行うことを想定して150時間としている。なお、本実施形態では、バッテリ40としてユアサ社製のバッテリ(品番NP10−6)が用いられる。
【0037】
[太陽電池モジュール50および太陽電池充電コントローラ60の構成の説明]
太陽電池モジュール50は、太陽光エネルギーを電気に変換する機能を有する。このように太陽光エネルギーを電気に変換するこの太陽電池モジュール50で発電された電力は、太陽電池充電コントローラ60を通ってバッテリ40に供給され、バッテリ40に蓄積される。なお、本実施形態では、太陽電池モジュール50としてスペースデバイス社製の太陽電池モジュール(品番GT618)が用いられ、太陽電池充電コントローラ60としてアクソンデータマシン社製の太陽電池充電コントローラ(品番F37M−060)が用いられる。
【0038】
なお、太陽電池モジュール50の代わりに充電器を接続してバッテリ40を充電するようにしてもよい。
[収納ケース10の構成の説明]
図2〜図5に示すように、収納ケース10は、設置面から所定距離だけ上方に水平となる姿勢で配置された略方形の底板11と、底板11の上方に底板11と平行となる姿勢で配置された略方形の天板12と、底板11および天板12の周囲を囲むように立設する四枚の側板13,14,15,16と、を備える。なお、底板11と、天板12と、四枚の側板13,14,15,16とは、互いに接触する部分同士が密着するように連結されており、その内部に形成された空間が、振動レベル計20、データロガー30、バッテリ40、太陽電池充電コントローラ60およびヒューズホルダ70を収納するための収納部17となっている。この収納部17は、上述のように、底板11と、天板12と、四枚の側板13,14,15,16とが互いに接触する部分同士が密着するように連結されることで防水性能を有する。また、収納ケース10では天板12が取り外し可能になっており、振動レベル計20などを出し入れすることができる。なお、四枚の側板13,14,15,16の何れかに扉を設け、その扉から振動レベル計20などを出し入れするように構成してもよい。
【0039】
また、底板11の手前側の左寄りの部分には、振動レベル計本体21とピックアップ22とを接続するためのケーブル23を挿通可能な挿通孔11aが形成されており、この挿通孔11aには、ナットおよびゴムワッシャからなるケーブルクランプ11bが取り付けられている。このことにより、挿通孔11aにケーブル23を挿通した際に、ケーブルクランプ11bがケーブル23に密着して隙間がなくなるようになっている。
【0040】
また、上述の四枚の側板13,14,15,16のうち手前から見て奥に配置される側板16の中央から左寄りの部分には、太陽電池モジュール50と太陽電池充電コントローラ60とを接続するためのケーブル51を挿通可能な挿通孔16aが形成されており、この挿通孔16aには、ナットおよびゴムワッシャからなるケーブルクランプ16bが取り付けられている。このことにより、挿通孔16aにケーブル51を挿通した際に、ケーブルクランプ16bがケーブル51に密着して隙間がなくなるようになっている。
【0041】
また、収納部17内部には、略方形の取付ベース(メイン)18aが底板11と平行となる姿勢で配置されており、この取付ベース(メイン)18aは、その四隅付近がスペーサ18bを介して底板11に支持されている。さらに、収納部17内部には、取付ベース(メイン)18aよりも小さい略方形の取付ベース(サブ)18cが底板11と平行となる姿勢で取付ベース(メイン)18aの上方に配置されており、この取付ベース(サブ)18cは、その四隅付近がスペーサ18dを介して取付ベース(メイン)18aに支持されている。なお、本実施形態では、取付ベース(サブ)18cは、収納部17内部の手前側から見て左側に配置されている。
【0042】
また、取付ベース(メイン)18aには、振動レベル計20、バッテリ40、太陽電池充電コントローラ60およびヒューズホルダ70が載置されている。なお、本実施形態では、収納部17内部の手前側の右側にバッテリ40が配置され、バッテリ40の奥に振動レベル計20が配置されている。また、振動レベル計20の左側には、手前側にヒューズホルダ70が配置され、その奥に太陽電池充電コントローラ60が配置されている。また、取付ベース(サブ)18cには、データロガー30が載置されている。なお、取付ベース(メイン)18aおよび取付ベース(サブ)18cが特許請求の範囲の載置面に相当する。なお、収納ケースが設置する設置面から載置面(取付ベース(メイン)18aおよび取付ベース(サブ)18c)までの高さ寸法については、その設置される地域における一日当たりの降雨量などを考慮して、測定時間の間雨が降り続いて設置場所が浸水しても、設置面まで水面が到達しないように設定される。
【0043】
また、上述の四枚の側板13,14,15,16のうち手前から見て左右に配置される側板13および側板15には、地面に設置するための脚部13aが各側板の下部の左右端にそれぞれ取り付けられている。また、同じく側板13および側板15には、地面に設置するための脚部13bがL字形のブラケット13cを介して各側板の下部の中央にそれぞれ取り付けられている。脚部13bは、設置される地形に合わせて接地面(設置面)を上下方向に変更することが可能である。
【0044】
また、天板12の上方には、断熱性能を有する材料で構成された略方形の遮熱板19が天板12と平行となる姿勢で配置されており、この遮熱板19は、その四隅付近が遮熱板取付吸盤19aおよびコの字型の遮熱板取付金具19bを介して天板12に支持されている。このことにより、遮熱板19は、遮熱板取付吸盤19aの作用によって天板12から着脱可能となっている。また、遮熱板19には太陽電池モジュール50が載置されている。
【0045】
また、振動レベル計20と右側の側板15との間には板状の緩衝材18eが配置され、バッテリ40と前側の側板14との間には板状の緩衝材18fが配置され、バッテリ40と天板12との間にはブロック状の緩衝材18gが配置され、データロガー20と天板12との間には板状の2つの緩衝材18hが配置されている。
【0046】
[列車による地盤振動を測定する例(1)の説明]
次に、地盤振動計測装置1を用いて列車による地盤振動を測定する例(1)を図6(a)を参照して説明する。なお、図6(a)は列車による地盤振動を測定する様子を示す説明図(1)である。
【0047】
本例は1測線2測点で3時間計測する例であり、3台の地盤振動計測装置1を用いて測定を行う。
(1)まず、計測車より地盤振動計測装置1を各測点に運搬して設置する。具体的には、鉄道線路に対して直交する測線上に2つの測点(測点No.1、測点No.2)を設定する。なお、本実施形態では、2つの測点が鉄道線路に対して直交する測線上で互いに25m離れる、線路中心から25m、50mの2地点に設定される。また、鉄道線路に近い方の測点No.1から鉄道線路に沿って100m程離れた場所に上下線判定用測点を設定し、この上下線判定用測点にも地盤振動計測装置1を設置する。
【0048】
(2)続いて、各地盤振動計測装置1の電源を入れ、測定を開始する。
(3)測定中は1名の計測要員(兼監視員)が、各地盤振動計測装置1が盗難に遭ったり車両等に触車したりしないよう巡回しながら警備を行う。この間、各地盤振動計測装置1が自動的に地盤振動を計測して記録する。
【0049】
(4)測定時間が終了したら、各地盤振動計測装置1の電源をオフにし、測定を終了する。
(5)各地盤振動計測装置1を計測車へ運搬し作業を終了する。
【0050】
この間の作業時間は、準備作業((1)と(2))が約20分(従来は1時間)、測定時間(3)が3時間(従来と同じ)、撤去時間((4)と(5))が約10分(従来:30分)である。また、作業人員は、監視員を兼ねる計測要員が1名(従来は計測要員が1名と列車見張員が1名の計2名)である。
【0051】
さらに、次の(6)〜(9)の手順にて、計測した測定データの整理を行う。
(6)通過列車の振動レベルの算出
測定した振動加速度データからJISで定められた計算式を用いて振動レベルを算出する。この際、算出した振動レベルの最大値を読み取る。
(7)通過列車の上下線の別を判定
測点No.1に設置された地盤振動計測装置1による測定データと、上下線判定用測点に設置された地盤振動計測装置1による測定データとから、通過列車の上下線の別を判定する。具体的には、測点No.1に設置された地盤振動計測装置1が、判定プログラムを実行し、上記2台の地盤振動計測装置1のうちどちらが同一の列車を先に検出したかを判定することで、通過列車の上下線の別を判定する。なお、上述の判定を測点No.2に設置された地盤振動計測装置1や上下線判定用測点に設置された地盤振動計測装置1などが行ってもよい。
(8)通過列車の速度を算出
測点No.1〜測点No.2に設置された地盤振動計測装置1による測定データから、次の(A)〜(C)のような手法により通過列車の速度を算出する。なお、このような演算については振動レベル計20が行ってもよいし、パーソナルコンピュータのような演算機器にて行ってもよい。
【0052】
(A)測定データを周波数分析し、卓越振動数の周波数間隔から通過列車の速度を算出する。
(B)測定データから、ピーク値波形の自己相関関数を計算することでピーク値間の時間間隔を得て、通過列車の速度を算出する。
【0053】
(C)測定した列車による振動波形と列車速度ごとに軸距一定により予め算出した振動波形とを照合することで列車速度を算出する。
(9)一覧表作成
(6)にて算出した振動レベルの最大値を表に記録する。また、(7)で判定した通過列車の上下線の別を通過列車ごとに表に記録する。さらに、(8)で算出した通過列車の速度を通過列車ごとに表に記録する。なお、この一覧表作成はプログラムによって自動的に行われる。
【0054】
[列車による地盤振動を測定する例(2)の説明]
次に、地盤振動計測装置1を用いて列車による地盤振動を測定する例(2)を図6(a)を参照して説明する。なお、図6(b)は列車による地盤振動を測定する様子を示す説明図(2)である。
【0055】
本例は4測線1測点で15時間計測する例であり、4台の地盤振動計測装置1を用いて測定を行う。
(1)まず、計測車より地盤振動計測装置1を各測点に運搬して設置する。具体的には、鉄道線路に対して直交する4本の測線上に各1つの測点(測点No.1、測点No.2、測点No.3、測点No.4)を設定する。なお、これら4つの測点は鉄道線路に沿って互いに十分に離れるように設定され、本実施形態では、4つの測点が鉄道線路に沿って互いに500〜1000m(1km)離れるように設定される。なお、この4測線1測点の例では、上述の1測線2測点の例とは異なり、上下線判定用測点を設定しない。
【0056】
(2)続いて、各地盤振動計測装置1の電源を入れ、測定を開始する。
(3)測定中は4名の監視員が各地盤振動計測装置1をそれぞれ担当し、各地盤振動計測装置1が盗難に遭ったり車両等に触車したりしないよう警備を行う。この間、各地盤振動計測装置1が自動的に地盤振動を計測して記録する。
【0057】
(4)測定時間が終了したら、各地盤振動計測装置1の電源をオフにし、測定を終了する。
(5)各地盤振動計測装置1を計測車へ運搬し作業を終了する。
【0058】
この間の作業時間は、準備作業((1)と(2))が約40分(従来は各装置ごとに1時間の計4時間)、測定時間(3)が15時間(従来と同じ)、撤去時間((4)と(5))が約20分(従来:30分)である。また、作業人員は、監視員を兼ねる計測要員4名と巡回員1名とを二交代制として計10名(従来は計測要員4名と列車見張員4名とを二交代制として計16名)である。
【0059】
さらに、次の(6)〜(9)の手順にて、計測した測定データの整理を行う。
(6)通過列車の振動レベルの算出
測定した振動加速度データからJISで定められた計算式を用いて振動レベルを算出する。この際、算出した振動レベルの最大値を読み取る。
(7)通過列車の上下線の別を判定
測点No.1〜測点No.4に設置された地盤振動計測装置1のうちの任意の2台による測定データから、通過列車の上下線の別を判定する。具体的には、任意の2台の地盤振動計測装置1のうちの一方が、判定プログラムを実行し、任意の2台の地盤振動計測装置1のうちどちらが同一の列車を先に検出したかを判定することで、通過列車の上下線の別を判定する。なお、上述の判定を任意の2台の地盤振動計測装置1のうちの他方や他の地盤振動計測装置1などが行ってもよい。
(8)通過列車の速度を算出
測点No.1〜測点No.4に設置された4台の地盤振動計測装置1による測定データから、次の(A)〜(C)のような手法により通過列車の速度を算出する。なお、このような演算については振動レベル計20が行ってもよいし、パーソナルコンピュータのような演算機器にて行ってもよい。
【0060】
(A)測定データを周波数分析し、卓越振動数の周波数間隔から通過列車の速度を算出する。
(B)測定データから、ピーク値波形の自己相関関数を計算することでピーク値間の時間間隔を得て、通過列車の速度を算出する。
【0061】
(C)測定した列車による振動波形と列車速度ごとに軸距一定により予め算出した振動波形とを照合することで列車速度を算出する。
(9)一覧表作成
(6)にて算出した振動レベルの最大値を表に記録する。また、(7)で判定した通過列車の上下線の別を通過列車ごとに表に記録する。さらに、(8)で算出した通過列車の速度を通過列車ごとに表に記録する。なお、この一覧表作成はプログラムによって自動的に行われる。
【0062】
[第一実施形態の効果]
(1)このように第一実施形態の地盤振動計測装置1によれば、振動レベル計20が、鉄道車両が鉄道線路を走行する際に発生する地盤振動を計測し、データロガー30が、振動レベル計20によって計測された地盤振動を示すデータを記録する。そして、バッテリ40が電力を蓄積し、蓄積した電力を振動レベル計20およびデータロガー30へ予め設定された測定期間の間供給する。また、これら振動レベル計20、データロガー30およびバッテリ40は収納ケース10の収納部17に収納される。収納ケース10は、鉄道線路の近傍に設置可能であり、収納ケース10の収納部17は防水性能を有し、その内部には振動レベル計20と、データロガー30と、バッテリ40と、太陽電池充電コントローラ60と、ヒューズホルダ70とが収納される。
【0063】
このことにより、当該地盤振動計測装置1を野外に設置可能とするとともに、次のような作用効果を奏する。
(1−1)地盤振動計測装置1が自動で長時間連続して列車による地盤振動を計測するので、人的問題による誤差が発生することを防ぐことができる。
【0064】
(1−2)従来の測定装置を設置する際に不可欠であったピックアップと計測機器との間を接続するケーブル類の配線作業が不要となるため、設置撤去作業の時間が縮小される。
【0065】
(1−3)短時間におけるデータ精度については従来の計測手法と同等の精度を維持することができるとともに、長時間の計測実施でも測定精度が低下することがなく、定常的な計測が可能である。
【0066】
(1−4)従来の計測では計測実施に2名以上の計測要員を必要としていたのに対して、当該地盤振動計測装置1によれば、地盤振動、列車速度、列車が走行する上下線の区別(上下線別は2台必要)の3項目の計測を計測要員が常時居なくても可能となるため、経済的効果があり、同時に複数点の計測を実施する際には、計測のため常駐する人員が減少するため、さらに効率的に作業が行える。
【0067】
(1−5)長時間連続したデータを取得することで、データの取り逃しがなく、対象外のデータをデータ整理時に評価することが可能となる。
したがって、走行列車から継続的に放射される電波の電界強度を利用する必要がないために天候気象などの外部条件に左右されにくく、列車による地盤振動を長時間連続して計測可能でコンパクト化された地盤振動計測装置1を提供することができる。
【0068】
(2)また、第一実施形態の地盤振動計測装置1によれば、収納ケース10の収納部17が接地面(設置面)よりも上方にあるので、雨天にも左右されずに、列車による地盤振動を長時間連続して計測することができる。
【0069】
(3)また、第一実施形態の地盤振動計測装置1によれば、太陽電池モジュール50および太陽電池充電コントローラ60を備え、太陽光エネルギーを電気に変換するこの太陽電池モジュール50で発電された電力が、太陽電池充電コントローラ60を通ってバッテリ40に供給され、バッテリ40に蓄積される。なお、太陽光エネルギー以外の自然エネルギーを電気に変換してバッテリ40に蓄積するようにしてもよい。一例を挙げると、風力発電装置を備え、風力エネルギーを電気に変換するといった具合である。
【0070】
このことにより、振動レベル計20およびデータロガー30を駆動するために必要な消費電力の一部またはすべてを発電で賄うことができ、列車による地盤振動をさらに長時間連続して計測することができる。また、上述のバッテリ40の電力容量を小さくし、その分バッテリ40を小型化することも可能であり、その場合、収納ケース10の収納部17の容積を小さくすることもできる。
【0071】
(4)また、第一実施形態の地盤振動計測装置1によれば、データロガー30が、省電力化および省データ量化を目的として、取得したデータを一つのデータとして構成してA/D変換するとともに、データ形式をバイナリー形式(従来はアスキー形式)としている。なお、サンプリング周波数は1.0kHz(従来は1.5kHz)である。このことにより、データを記憶する容量を少なくすることができ、バッテリ40の容量を従来と同様としても連続10日間の計測が可能となる。
【0072】
(4)また、第一実施形態の地盤振動計測装置1によれば、測点に設置された地盤振動計測装置1による測定データから通過列車の速度を算出するので、通過列車の速度を、人手を必要とせずに精度良く算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】地盤振動計測装置の各部構成を示すブロック図である。
【図2】地盤振動計測装置の平面図である。
【図3】地盤振動計測装置の正面図である。
【図4】地盤振動計測装置の左側面図である。
【図5】地盤振動計測装置の右側面図である。
【図6】(a)は列車による地盤振動を測定する様子を示す説明図(1)であり、(b)は列車による地盤振動を測定する様子を示す説明図(2)である。
【符号の説明】
【0074】
1…地盤振動計測装置、10…収納ケース、11…底板、11a…挿通孔、11b…ケーブルクランプ、12…天板、13,14,15,16…側板、13a,13b…設置部、13c…ブラケット、16a…挿通孔、16b…ケーブルクランプ、17…収納部、18a…取付ベース(メイン)、18b…スペーサ、18c…取付ベース(サブ)、18d…スペーサ、18e,18f,18g,18h…緩衝材、19…遮熱板、19a…遮熱板取付吸盤、19b…遮熱板取付金具、20…振動レベル計、21…ピックアップ、22…ケーブル、30…データロガー、31…CFカード、40…バッテリ、50…太陽電池モジュール、51…ケーブル、60…太陽電池充電コントローラ、70…ヒューズホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両が鉄道線路を走行する際に発生する地盤振動を計測し、その計測結果を示すデータを出力する振動レベル計と、
前記振動レベル計から出力されたデータを記録するデータレコーダと、
電力を蓄積し、蓄積した電力を少なくとも前記振動レベル計および前記データレコーダへ予め設定された測定期間の間供給する電源部と、
防水性能を有し、少なくとも前記振動レベル計、前記データレコーダおよび前記電源部をその内部に収納可能な収納部を有し、前記鉄道線路の近傍に設置可能な収納ケースと、
を備えることを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地盤振動計測装置において、
前記収納ケースは、前記収納部内部にて少なくとも前記振動レベル計、前記データレコーダおよび前記電源部が載置される載置面が、前記収納ケースが設置される設置面よりも上方に位置するよう構成されていることを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の地盤振動計測装置において、
太陽光エネルギーを電気に変換し、その変換した電気を前記電源部に供給する発電部を備えることを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の地盤振動計測装置において、
前記データレコーダは、前記振動レベル計から出力されたデータを一つのデータとして構成して記録することを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の地盤振動計測装置において、
前記データレコーダは、前記振動レベル計から出力されたデータをバイナリー形式で記録することを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の地盤振動計測装置において、
前記データレコーダは、前記振動レベル計から出力されたデータを周波数1.0kHzでサンプリングして記録することを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載の地盤振動計測装置において、
前記振動レベル計から出力されたデータを分析することで前記鉄道車両の走行速度を算出する速度算出部を備えることを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項8】
請求項7に記載の地盤振動計測装置において、
前記速度算出部は、前記振動レベル計から出力されたデータを周波数分析することで前記鉄道車両の走行速度を算出することを特徴とする地盤振動計測装置。
【請求項9】
請求項7に記載の地盤振動計測装置において、
前記速度算出部は、前記振動レベル計から出力されたデータに基づき自己相関関数を計算することで前記鉄道車両の走行速度を算出することを特徴とする地盤振動計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−294028(P2009−294028A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146877(P2008−146877)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(390021577)東海旅客鉄道株式会社 (413)
【出願人】(398040642)ジェイアール東海コンサルタンツ株式会社 (7)
【出願人】(000210908)中央開発株式会社 (25)
【Fターム(参考)】