説明

型枠および新設構造物の構築方法

【課題】コストおよび環境への負荷を抑えつつ、容易かつ確実に撤去することのできる型枠および新設構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】既設構造物10の側方に間隔を隔ててコンクリートCを打設するときに用いる型枠20であって、型枠パネル30と、型枠パネルと既設構造物の側面との間に挟み込まれ、既設構造物の側面に沿った一方向に延びるスペーサ40と、を備え、型枠パネルは、コンクリートに接する型枠面を形成するパネル材31と、パネル材の型枠面の反対側の面に設けられ、パネル材とスペーサとが近接・離間する方向に弾性変形可能な弾性変形部材32と、パネル材および弾性変形部材を一体に連結する連結部材34と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設構造物の側方に狭隘な間隔を隔ててコンクリートを打設して新設構造物を構築するときに用いる型枠および新設構造物の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設構造物の側方に、間隙を隔てて新たにコンクリート構造物を新たに形成する場合、既設構造物の側方に型枠を設置し、コンクリートを打設する。
通常、打設したコンクリートが所定の強度を発現した後に、型枠を構成する支保工や型枠板などは撤去する。しかし、既設構造物と新設のコンクリート構造物との間の間隙が狭隘な場合、支保工や型枠板を撤去するのが困難な場合がある。
【0003】
そこで、支保工として、スタイロフォーム等の硬質樹脂発泡材で形成したスチロールパネルを用い、コンクリートの硬化後にスチロールパネルをハツリして撤去する方法がある。
【0004】
また、軟質樹脂製のコアパネルと、コアパネルよりも高硬度な材料で形成された受圧パネルを備えた間隙形成用型枠を用いる方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−309772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、支保工としてスチロールパネルを用いた場合、撤去のためのハツリ作業に手間と時間がかかる。また、型枠の面積が大きい場合や、既設構造物との間隙が非常に狭い場合等、ハツリ作業を行うこと自体が困難である場合もある。
【0007】
これに対し、特許文献1に記載の方法によれば、コアパネルを、その厚さ方向に弾性変形させることによって、間隙形成用型枠を既設構造物と新設構造物との間隙から引き抜くことができるため、上記問題は回避することができる。しかしながら、この方法では、コアパネルや受圧パネルが特殊な材料で形成されるため、コストが高くなる。また、間隙形成用型枠は、その現場における既設構造物と新設構造物との間隙に合わせて形成されているため、他の現場に転用することができない。つまり、引き抜いた間隙形成用型枠は、廃棄物とせざるを得ず、廃棄コストや環境負荷の観点から改善の余地がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コストおよび環境への負荷を抑えつつ、容易かつ確実に撤去することのできる型枠および新設構造物の構築方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、既設構造物の側方に間隔を隔ててコンクリートを打設するときに用いる型枠であって、型枠パネルと、該型枠パネルと前記既設構造物の側面との間に挟み込まれ、前記既設構造物の側面に沿った一方向に延びるスペーサと、を備え、前記型枠パネルは、前記コンクリートに接する型枠面を形成するパネル材と、該パネル材の前記型枠面の反対側の面に設けられ、前記パネル材と前記スペーサとが近接・離間する方向に弾性変形可能な弾性変形部材と、前記パネル材および前記弾性変形部材を一体に連結する連結部材と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
このような型枠によれば型枠パネルの弾性変形部材が、パネル材とスペーサとが近接・離間する方向に弾性変形することによって、スペーサを容易に引き抜くことができる。
また、型枠パネルは、パネル材、弾性変形部材が連結部材によって一体に連結されてユニット化されているため、スペーサを引き抜いた後に容易に引き抜き、撤去することができる。
【0011】
また、請求項2に記載した発明は、前記弾性変形部材が、波板からなることを特徴としている。
【0012】
このように弾性変形部材を波板で構成することにより、コンクリートを打設したときに作用する圧力によって塑性変形せずに弾性変形を許容する強度を備えることができ、しかも低コストで実現することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載の型枠を用い、既設構造物の側方に間隔を隔ててコンクリートを打設して新設構造物を構築する方法であって、前記既設構造物の側面に沿って前記スペーサを設置する工程と、前記スペーサに、コンクリート打設用の前記型枠パネルを押し当てて設置する工程と、前記型枠パネルの型枠面側に鉄筋を配筋した後にコンクリートを打設する工程と、打設した前記コンクリートが予め定めた強度を発現した後に、前記スペーサを、前記スペーサが延在する方向に引き抜く工程と、前記型枠パネルを前記既設構造物と前記コンクリートとの間から引き抜く工程と、を有し、前記スペーサを引き抜く工程では、前記型枠パネルの前記弾性変形部材が、前記パネル材と前記スペーサとが近接する方向に弾性変形することによって、前記スペーサが引き抜き可能とされていることを特徴としている。
【0014】
このように、型枠パネルの弾性変形部材が、パネル材とスペーサとが近接する方向に弾性変形することによって、スペーサを容易に引き抜くことができる。また、スペーサを引き抜いた後には、型枠パネルを引き抜くことで、型枠を容易に撤去することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、既設構造物と新設構造物との隙間に位置するスペーサと型枠パネルを、順次引き抜くことで、型枠を撤去することができる。
ここで、型枠パネルの弾性変形部材が、パネル材とスペーサとが近接する方向に弾性変形することによって、スペーサを容易に引き抜くことができる。
また、型枠パネルは、パネル材、弾性変形パネルが連結部材によって一体に連結されてユニット化されているため、スペーサを引き抜いた後に容易に引き抜き、撤去することができる。
したがって、型枠を、容易かつ確実に撤去することができる。
また、型枠パネルやスペーサは、建築現場で多用されている部材で形成することができるため、撤去後にはこれらを繰り返し用いることができ、コストを抑えるとともに、廃棄物の発生、環境への負荷を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る型枠を示す平面図である。
【図2】(a)は型枠パネルの構成を示す部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図である。
【図3】本実施形態に係る新設構造物の構築方法を示す図であり、(a)はスペーサを既設構造物の側面に沿って設けた状態を示す側断面図であり、(b)はスペーサの上部を既設構造物に仮固定する方法を示す正面図、(c)は(b)の側断面図である。
【図4】スペーサに沿って型枠パネルを設けた状態を示す側断面図である。
【図5】クレーンでスペーサを引き抜く工程を示す側断面図である。
【図6】(a)はスペーサの上部にチャック用のプレートを溶接した状態を示す正面図であり、(b)はその側断面図である。
【図7】多滑車引抜工法に用いるフレームの下端部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明による型枠および新設構造物の構築方法を実施するための実施形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
図1に示すように、型枠20は、ボックスカルバート等の既設構造物10の側方に、新設のコンクリート構造物100の側壁部を形成するために設けられている。
【0019】
型枠20は、新設のコンクリート構造物100の側壁部を形成する型枠パネル30と、型枠パネル30と既設構造物10の側面との間に挟み込まれたスペーサ40とを備えて構成されている。
【0020】
図1、図2に示すように、型枠パネル30は、コンクリート打設面(型枠面)側に設けられたパネル材31と、パネル材31の背面(型枠面の反対側の面)に設けられた弾性変形パネル(弾性変形部材)32と、弾性変形パネル32においてパネル材31と反対側の背面に設けられたサポート部材33,35と、これらパネル材31、弾性変形パネル32、サポート部材33,35を一体に連結する連結部材34と、を備えている。
【0021】
パネル材31は、例えばベニヤ合板からなり、複数枚を並べることで型枠パネル30の型枠面を構成している。
【0022】
弾性変形パネル32は、樹脂製で、断面波形を有した、いわゆる波板であり、コスト面から市販品を用いるのが好ましい。この弾性変形パネル32は、パネル材31とサポート部材33との間に挟み込まれており、パネル材31とサポート部材33とが互いに近接する方向に変位したときに、その厚さ方向に弾性変形する。弾性変形パネル32は、例えば厚さ10mmを有している場合、約3mm程度の弾性変形を許容できるものを採用する。
【0023】
サポート部材33は、例えば断面角型の鋼管であり、弾性変形パネル32の背面に沿って、一方向(例えば水平方向)に延びるよう設けられている。サポート部材33は、該サポート部材33が延びる方向に直交する方向に間隔を隔てて複数本が設けられている。
【0024】
また、もう一つのサポート部材35には、足場材等として多用されている、いわゆる単管が用いられている。ここで、サポート部材35は、例えば2本一対で用いられている。
【0025】
連結部材34は、サポート部材35を支持する止め金物36および押さえ金具37と、を備えている。
【0026】
止め金物36は、いわゆるフォームタイ(登録商標)であり、パネル材31の型枠面に押し当てられた状態で図示しないボルト等によって固定されるプレート部36aと、プレート部36aからパネル材31に形成された孔31aを貫通してサポート部材35側に延びるボルト部36bと、を備えている。
【0027】
押さえ金具37は、座金であり、ボルト部36bにねじ込まれることで、サポート部材35をサポート部材33との間に挟み込んで保持できるように構成されている。
【0028】
図1に示したように、スペーサ40には、H型断面を有したH鋼材が用いられている。なお、スペーサ40には、矩形断面を有した鋼管等を用いることもできる。スペーサ40にH鋼材を用いる場合、フランジ部40a、40bを既設構造物10および型枠パネル30にそれぞれ対向させるように設置する。このスペーサ40は、サポート部材33に直交するよう設けられている。本実施形態では、スペーサ40は、施工後に引き抜くため、その長手方向(スペーサ40が延在する方向)を引き抜き方向に合わせて設置される。つまり、スペーサ40はその長手方向がほぼ鉛直方向になるように配置され、サポート部材33はその長手方向がほぼ水平方向になるように配置される。
【0029】
ここで、サポート部材35は、このスペーサ40と平面視で干渉しない位置に、互いに間隔を隔てて設置される。
【0030】
さらに、サポート部材35および止め金物36は、サポート部材33からの突出寸法が、スペーサ40の厚さ(フランジ部40aと40bとの間隔)よりも小さくなるよう設定されている。
【0031】
次に、上記したような型枠20を用い、既設構造物10の側方に間隔を隔てて新たにコンクリート構造物(新設構造物)100を構築する施工方法について説明する。
【0032】
図3(a)に示すように、まず、既設構造物10の側面に沿って、所定本数のスペーサ40を設置する。具体的に、H型鋼からなる各スペーサ40は、クレーンを使用して建て込む。図3(b)、(c)に示すように、各スペーサ40は、その上部において、フランジ部40aを既設構造物10側に押さえる押さえ部材50と、既設構造物10の側面に打ち込まれるホールインアンカー等のアンカー部材51と、を備えた固定部材により、既設構造物10に仮固定される。
【0033】
続いて、図4に示すように、予め組み立てておいた型枠パネル30をクレーンで吊り込み、サポート部材33をスペーサ40のフランジ部40bに押し当てた状態とする。この状態で、型枠パネル30の上部は、スペーサ40に、針金やワイヤーで固縛する。
【0034】
型枠パネル30の下部は、型枠パネル30のパネル材31の型枠面側に配筋される鉄筋の差し筋や、鉄筋を組み上げるための作業用の鉄筋架台60との間に、鉄筋スペーサ61を挟み込むことで仮固定する。
【0035】
この後、型枠パネル30のパネル材31のコンクリートに接する型枠面側で、鉄筋を組み上げる。鉄筋の配筋完了後、型枠パネル30のパネル材31の全面にわたって、適宜の間隔で鉄筋スペーサ(図示無し)を鉄筋とパネル材31の型枠面との間に挟み込むことで、型枠パネル30を既設構造物10側に押さえ込んで固定する。
【0036】
これにより、スペーサ40は、型枠パネル30と既設構造物10との間に挟み込まれた状態となるため、押さえ部材50およびアンカー部材51を撤去し、スペーサ40の上部における仮固定を解除する。
【0037】
この後、上記のようにして設置した型枠パネル30の鉄筋を介在させた側の反対側に型枠を所定形状に組み立てる。そして、型枠20内にコンクリートCを打設し、打設完了後、所定期間の養生を行う。
【0038】
打設したコンクリートC(新設のコンクリート構造物100)が所定の強度を発現した後に、まず、スペーサ40を引き抜く。図5に示すように、スペーサ40は、クレーン80等により、スペーサ40の長手方向に引っ張ることによって引き抜く。このとき、図1に示したように、スペーサ40は、型枠パネル30と既設構造物10との間に挟み込まれているが、弾性変形パネル32がその厚さ方向に弾性変形可能となっている。これにより、スペーサ40を引き抜く際に、スペーサ40が型枠パネル30と既設構造物10とを結ぶ方向、つまり弾性変形パネル32の厚さ方向への変位するのを許容することができる。その結果、スペーサ40を容易に引き抜くことが可能となっている。
【0039】
なお、スペーサ40の引き抜きには、公知の多滑車引抜工法を用いるのが好ましい。多滑車引抜工法は、アタッチメントに多滑車をセットし、クレーン80のウインチワイヤロープWによる引張力を多滑車で増大させ、H型鋼や鋼矢板を引き抜くのに用いられている工法である。
【0040】
図6(a)、(b)に示すように、この多滑車引抜工法を用いるにあたり、クレーン80のチャック81でスペーサ40のウェブ部40cをチャックするため、ウェブ部40cに、プレート82を溶接し、プレート82の上端部をスペーサ40やその周囲よりも上方に突出させておくとチャックしやすくなり好ましい。
【0041】
ところで、図5に示したように、多滑車引抜工法では、クレーン80においてチャック81を引き上げる時の反力を受けるため、クレーン80のブーム83の先端部と既設構造物10の上面との間に、フレーム85を設ける必要がある。
【0042】
このとき、スペーサ40を引き抜く時点では、スペーサ40の上方に、新設のコンクリート構造物100の床版等を形成するための差し筋90が配筋されている場合がある。この場合、フレーム85の設置時に差し筋90と干渉するのを防ぐため、図7に示すように、フレーム85の下部に、上下方向に延びるH型鋼86等を横方向(水平方向)に間隔を隔てて設ける。そして、互いに隣接するH型鋼86、86間に差し筋90を挿入することによって、干渉を回避することができる。
【0043】
上記のようにして全てのスペーサ40を引き抜いた後は、型枠パネル30をクレーン80で引き上げて既設構造物10と新設のコンクリート構造物100との隙間から引き抜く。
このとき、引き上げようとする型枠パネル30の上方に、上述した差し筋90が配筋されている場合は、この型枠パネル30を、まだ差し筋90が配筋されていない位置までウインチ等により移動させ、その後にクレーン80で引き上げて撤去する。
【0044】
上述したような構成によれば、型枠20を、型枠パネル30と、型枠パネル30と既設構造物10の側面との間に挟み込まれたH型鋼等からなるスペーサ40とを備えるようにした。そして、型枠20の撤去時には、まずスペーサ40を引き抜くようにした。型枠パネル30には、いわゆる波板からなる弾性変形パネル32が設けられているため、この弾性変形パネル32がその厚さ方向に弾性変形することにより、スペーサ40を容易に引き抜くことができる。
スペーサ40を引き抜いた後は、ユニット化された型枠パネル30を引き抜けばよいため、型枠20の撤去作業を容易かつ確実に行うことが可能となる。
【0045】
また、型枠パネル30やスペーサ40は、H型鋼、角形鋼管、単管、フォームタイ(登録商標)等、建築現場で多用されている部材で形成されているため、撤去後にはこれらを繰り返し用いることができ、コストを抑えるとともに、廃棄物の発生を抑えることができる。さらに、H型鋼や角形鋼管には様々な断面寸法のものが存在するため、既設構造物10と新設のコンクリート構造物100との隙間に応じて、H型鋼や角形鋼管の断面寸法を適宜選択すればよい。これらにより、上記のような型枠20を低コストで提供することが可能となる。
【0046】
また、スペーサ40の引き抜きには、多滑車引抜工法を用いるようにしたため、無振動で既設構造物10や新設のコンクリート構造物100の躯体に影響を与えることなくスペーサ40を容易に引き抜くことができる。また、スペーサ40の引き抜きが完了してスペーサ40と既設構造物10および型枠パネル30との間の静摩擦が切れた際の反動がクレーン80に作用せず、安全に施工が行える。
【0047】
なお、本発明の型枠、新設構造物の構築方法は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、型枠パネル30やスペーサ40を構成する各部材は、同様の機能を発揮することができるのであれば、適宜他のものを用いることができる。
また、作業手順も、上記に限るものではない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
10…既設構造物 20…型枠 30…型枠パネル 31…パネル材 32…弾性変形パネル 33…サポート部材 34…連結部材 35…サポート部材 36…止め金物 37…押さえ金具 40…スペーサ 50…押さえ部材 51…アンカー部材 60…鉄筋架台 61…鉄筋スペーサ 80…クレーン 81…チャック 82…プレート 83…ブーム 85…フレーム 86…H型鋼 90…差し筋 100…コンクリート構造物(新設構造物) C…コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設構造物の側方に間隔を隔ててコンクリートを打設するときに用いる型枠であって、
型枠パネルと、
該型枠パネルと前記既設構造物の側面との間に挟み込まれ、前記既設構造物の側面に沿った一方向に延びるスペーサと、を備え、
前記型枠パネルは、前記コンクリートに接する型枠面を形成するパネル材と、
該パネル材の前記型枠面の反対側の面に設けられ、前記パネル材と前記スペーサとが近接・離間する方向に弾性変形可能な弾性変形部材と、
前記パネル材および前記弾性変形部材を一体に連結する連結部材と、を備えていることを特徴とする型枠。
【請求項2】
前記弾性変形部材は、波板からなることを特徴とする請求項1に記載の型枠。
【請求項3】
請求項1または2に記載の型枠を用い、既設構造物の側方に間隔を隔ててコンクリートを打設して新設構造物を構築する方法であって、
前記既設構造物の側面に沿って前記スペーサを設置する工程と、
前記スペーサに、コンクリート打設用の前記型枠パネルを押し当てて設置する工程と、
前記型枠パネルの型枠面側に鉄筋を配筋した後にコンクリートを打設する工程と、
打設した前記コンクリートが予め定めた強度を発現した後に、前記スペーサを、前記スペーサが延在する方向に引き抜く工程と、
前記型枠パネルを前記既設構造物と前記コンクリートとの間から引き抜く工程と、を有し、
前記スペーサを引き抜く工程では、前記型枠パネルの前記弾性変形部材が、前記パネル材と前記スペーサとが近接する方向に弾性変形することによって、前記スペーサが引き抜き可能とされていることを特徴とする新設構造物の構築方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−241356(P2012−241356A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110353(P2011−110353)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】