説明

型枠保持具

【課題】互いに対向して配置されるコンクリート型枠の上縁部の高さが異なっていても、簡単かつ確実に取り付けることができ、型枠間隔を安定に保持することができる型枠保持具を提供すること。
【解決手段】本体部1と、本体部1の一端側に設けられ、一の型枠500の堰板510の上縁部に当接可能な当接部2と、一の型枠500の上桟520を引掛け可能な固定フック部3と、本体部2の他端側に設けられ、他の型枠600の堰板610の上縁部及び中程部に同時に当接可能な縦ガイド部4と、縦ガイド部4に沿って上下移動可能に設けられ、他の型枠600の上桟620を引掛け可能な可動フック部5と、可動フック部5を縦ガイド部4の所望の位置に固定可能な固定手段6と、から型枠保持具10を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向して配置された一の型枠と他の型枠との間隔を保持するための型枠保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の基礎構造の一つである、ベタ基礎を構築する場合、図7に示すように、互いに対向して配置されて対を成すコンクリート型枠200・300が使用される。即ち、ベタ基礎100の立上部120の外側面を形成するための外側の型枠200を、捨てコンクリート130上に配置する一方、立上部120の内側面を形成するための内側の型枠300を、基礎スラブ110の上面レベルに合わせて公知の段差フレーム140上に配置する。そして、これら型枠200・300の各上縁部に型枠保持具400を取り付けることによって、型枠200・300同士の間隔を保持するようにしている。
【0003】
ところが、従来の型枠保持具400は、対向配置された型枠200・300の上縁部の高さが揃っていないと、型枠の上縁部に確実に取り付けることができない難点があった。したがって、施工業者は、建築物の設計に応じて基礎スラブ110の厚み等を変える場合においても、対向配置される型枠の上縁部の高さを揃えるために、予め高さの異なる複数種の型枠を用意しておかなければならなかった。
【0004】
そこで、現在までに、対向配置される型枠の上縁部の高さが異なっていても、そのまま各型枠に取り付けることができる、高さ調節可能な型枠保持具が提案されている(下記特許文献1参照)。しかしながら、この型枠保持具にあっては、型枠の高さに合わせて一方の取付フックの高さ調節を行うと、この一方の取付フックと他方の取付フックとの間隔も同時に変更されてしまい、取付け作業に手間取る難点があった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−155624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のコンクリート型枠の型枠保持具に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、対向配置される型枠の上縁部の高さが異なっていても、簡単かつ確実に取り付けることができ、型枠間隔を安定に保持することができる型枠保持具を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、互いに対向して配置される一の型枠と他の型枠との間隔を保持するための型枠保持具であって、
本体部と、該本体部の一端側に設けられ、前記一の型枠の堰板の上縁部に当接可能な当接部と、該本体部の一端側に設けられ、前記一の型枠の上桟を引掛け可能な固定フック部と、該本体部の他端側に設けられ、前記他の型枠の堰板の上縁部及び中程部に同時に当接可能な縦ガイド部と、該縦ガイド部に沿って上下移動可能に設けられ、前記他の型枠の上桟を引掛け可能な可動フック部と、該可動フック部を前記縦ガイド部の所望の位置に固定可能な固定手段と、を備え、前記固定フック部及び前記可動フック部がそれぞれ、前記一の型枠及び前記他の型枠の上桟の下部にそれぞれ係止可能な爪部を備えていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、前記固定手段が、前記縦ガイド部に形成されたスリットと、前記可動フック部に設けられ、該スリットに抜差し自在に挿通可能な固定ボルトと、該固定ボルトに螺合可能な固定ナットと、を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記本体部に、前記当接部と前記縦ガイド部との距離を変更し得る間隔変更手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る型枠保持具によれば、固定フック部を一の型枠の上縁部に取り付け、縦ガイド部を他の型枠の堰板に当接させることによって他の型枠の位置決めを行い、その後、他の型枠の上縁部の高さに合わせた位置に可動フック部を固定することができるので、従来の高さ調節可能な型枠保持具のように取付け作業に手間取ることがない。
【0011】
しかも、縦ガイド部を他の型枠の堰板における上縁部及び中程部に同時に当接させることによって、他の型枠の上縁部側だけでなく、この型枠保持具の縦ガイド部側も素早く安定に位置決めすることができるので、簡単かつ確実に型枠保持具の取付け作業を行うことができる。
【0012】
さらに、固定フック部が一の型枠の上桟の下部に係止可能な爪部を備え、可動フック部が他の型枠の上桟の下部に係止可能な爪部を備えているので、固定フック部及び可動フック部を各型枠の上縁部に確実に引っ掛けることができ、打設されたコンクリートの大きな圧力が型枠に加わっても型枠保持具が簡単に外れてしまうこともなく、型枠間隔を安定に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本実施形態の型枠保持具10について、図1〜図5を参照しながら詳しく説明する。
【0014】
本実施形態の型枠保持具10は主として、図1に示すように、本体部1と、本体部1の一端側に設けられた当接部2と、同じく本体部1の一端側に設けられた固定フック部3と、本体部1の他端側に設けられた縦ガイド部4と、この縦ガイド部4に沿って上下移動可能に設けられる可動フック部5と、この可動フック部5を縦ガイド部4の所望位置に固定可能な固定手段6と、から構成されている。
【0015】
本実施形態の本体部1は、横断面コ字形状の溝形鋼により構成されており、ウェブ11と一対のフランジ12・12とを備えている。この溝形鋼の長手方向、即ち、本体部1の長手方向の一端部に当接部2が形成されている。本実施形態では、本体部1の一対のフランジ12・12の長手方向の一端部がそれぞれ、当接部2とされている。
【0016】
固定フック部3は、本体部1のウェブ11の長手方向の一端部から本体部1の長手方向に沿って外向き(図1では左向き)に持ち出された持出部31と、この持出部31の先端部から、本体部1の長手方向と直交し、上記フランジ12がウェブ11から突出する向きと同じ向き(図1では下向き)に延びる引掛部32と、この引掛部32の先端部から本体部1の長手方向に沿って上記当接部2側へ突出する爪部33と、から構成されている。
【0017】
この構成によって、本実施形態の型枠保持具10は、図2に示すように、上記当接部2を一の型枠500の堰板510の上縁部に当接させ、固定フック部3の爪部33を一の型枠500の上桟520の下部に係止させた状態で、引掛部32を上桟520の側面に引っ掛けることができる。なお、ここでは、一の型枠500として、上桟520が板状のウェブ521と板状のリブ522とから成る鉄鋼製のコンクリート型枠を例示しているが、本実施形態の固定フック部3は、上桟が例えば角材等から成る木質材製のコンクリート型枠にも引っ掛けることができる。
【0018】
縦ガイド部4は、図1に示すように、横断面コ字形状の溝形鋼により構成されており、ウェブ41と一対のフランジ42・42とを備えている。この縦ガイド部4は、上記本体部1のウェブ11の長手方向の他端部に、本体部1の長手方向と直交し、上記引掛部32が持出部31から延びる向きとは逆向き(図1では上向き)に立設されている。つまり、縦ガイド部4の長手方向と本体部1の長手方向とは直交している。また、本実施形態では、縦ガイド部4のフランジ42・42の長手方向の中程部と本体部1の長手方向の中程部とを連繋する一対の補強部43・43が設けられている。これら補強部43は、持ち手としても利用できる。
【0019】
可動フック部5は、縦ガイド部4のウェブ41の長手方向に沿って移動可能な基部50と、この基部50の端部から、縦ガイド部4の長手方向と直交し、上記固定フック部3の持出部31とは逆向き(図1では右向き)に持ち出された持出部51と、この持出部51の先端部から縦ガイド部4の長手方向に沿って上記固定フック部3の引掛部32と同じ向き(図1では下向き)に延びる引掛部52と、この引掛部52の先端部から、縦ガイド部4の長手方向と直交し、縦ガイド部4側へ突出する爪部53と、から構成されている。
【0020】
この構成によって、本実施形態の型枠保持具10は、図2に示すように、縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610の上縁部及び中程部に同時に当接させ、可動フック部5の爪部53を他の型枠600の上桟620の下部に係止させた状態で、引掛部52を上桟620の側面に引っ掛けることができる。なお、上述した一の型枠500と同様、ここでは他の型枠600として、上桟620が板状のウェブ621と板状のリブ622とから成る鉄鋼製のコンクリート型枠を例示しているが、本実施形態の可動フック部5は、上桟が例えば角材等から成る木質材製のコンクリート型枠にも引っ掛けることができる。
【0021】
固定手段6は、図1に示すように、縦ガイド部4のウェブ41にその長手方向に沿って形成されたスリット61と、上記可動フック部5の基部50に設けられ、雄ネジ部63がスリット61に抜差し自在に挿通可能な固定ボルト62と、この固定ボルト62の雄ネジ部63に螺合可能な雌ネジ部を備えた固定ナット65と、から構成されている。本実施形態では、固定ボルト62の頭部64が可動フック部5の基部50に溶接されており、固定ボルト62は可動フック部5に対して回転不能に固定されている。また、固定ナット65は、コンクリート打設時にコンクリートが固定ボルト62の雄ネジ部63等に付着するのを防ぐために、鍔付きの袋ナットとして構成されている。そしてまた、固定ナット65には、固定ボルト62に対する螺合操作を容易化するために、操作レバー66が設けられている。
【0022】
この固定手段6によって、本実施形態の型枠保持具10は、図2に示すように、固定ボルト62の雄ネジ部63を、他の型枠600側からスリット61間に挿通し、そして、この挿通した雄ネジ部63に、一の型枠500側から固定ナット65を螺合し締結すれば、簡単かつ確実に可動フック部5を縦ガイド部4の所望の位置に固定することができる。そして、この固定ナット65を緩めれば、他の型枠600の上縁部の高さに応じて、可動フック部5を縦ガイド部4に沿って適宜、上下に移動させることができるのである。
【0023】
以下、本実施形態の型枠保持具10の使用手順について図3〜図5を参照しながら説明する。なお、ここでは、ベタ基礎の立上部の外側面を形成するために配置される一の型枠500の上縁部よりも、立上部の内側面を形成するために配置される他の型枠600の上縁部が高い場合を例に説明する。
【0024】
まず、図3に示すように、型枠保持具10の固定フック部3を、一の型枠500の上縁部に引っ掛ける作業を行う。即ち、図3に示すように、型枠保持具10全体を傾斜させ、先に爪部33を上桟520の下方に差し入れ、その後、引掛部32を上桟520の側面に引っ掛けて当接部2を堰板510の上縁部に当接させる。この作業によって、固定フック部3において型枠保持具10が、一の型枠500の上縁部に取り付けられる。なお、一の型枠500は、その下桟530が公知の段差フレーム140のベース部141により位置決めされており、そして、外方又は内方へ倒れないように不図示の支持部材によって外側から支えられている。
【0025】
次いで、図4に示すように、型枠保持具10の縦ガイド部4を、他の型枠600の堰板610の上縁部及び中程部に同時に当接させる作業を行う。他の型枠600の下桟630は段差フレーム140により位置決めされているが、その上縁部は不安定な状態にある。一方、型枠保持具10もまた、その固定フック部3は一の型枠500の上縁部に取り付けられているが、縦ガイド部4側は不安定な状態にある。しかしながら、この作業を行って型枠保持具10の縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610の上縁部及び中程部に同時に当接させれば、縦ガイド部4と他の型枠600とが、上下方向に隔たる少なくとも二つの部位で同時に接触し合うことになり、他の型枠600の上縁部側だけでなく、型枠保持具10の縦ガイド部4側も安定に位置決めされるのである。
【0026】
次いで、図4に示すように、予め取り外しておいた可動フック部5を、他の型枠600の上縁部に引っ掛ける作業を行う。即ち、図4に示すように、可動フック部5の爪部53を他の型枠600の上桟620の下方に差し入れながら、引掛部52を上桟620の側面に引っ掛ける。この作業によって、図5に示すように、他の型枠600の上縁部の高さに応じて、可動フック部5が縦ガイド部4の長手方向において位置決めされる。
【0027】
そして、図5に示すように、予め取り外しておいた固定ナット65を固定ボルト62の雄ネジ部63に螺合し締結する作業を行う。この作業によって可動フック部5が縦ガイド部4に固定され、可動フック部5において型枠保持具10が他の型枠600の上縁部に取り付けられる。こうして、図2に示すように、本実施形態の型枠保持具10によって、上縁部の高さが互いに異なる、一の型枠500と他の型枠600との間隔が安定に保持されるのである。
【0028】
なお、上記使用手順においては、図4に示すように、型枠保持具10の縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610に当接させる作業を行った後、予め取り外しておいた可動フック部5を他の型枠600の上縁部に引っ掛ける作業を行っているが、決してこの手順に限定されるものではなく、固定ナット65を緩めた状態で可動フック部5を縦ガイド部4に上下移動自在に取り付けておき、この状態で、型枠保持具10の縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610に当接させる作業を行うようにしても良い。
【0029】
また、上記使用手順は、公知の段差フレーム140を用いて一の型枠(外側の型枠)と他の型枠(内側の型枠)とを設置してベタ基礎の立上部と基礎スラブとを同時に打設する施工方法において型枠保持具10を使用する例を説明しているが、本実施形態の型枠保持具10は、一の型枠(外側の型枠)を設置して基礎スラブを打設し硬化させた後、硬化させた基礎スラブ上に他の型枠(内側の型枠)を設置して立上部を打設する施工方法においても使用可能である。
【0030】
このように本実施形態の型枠保持具10によれば、固定フック部3を一の型枠500の上縁部に取り付け、縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610に当接させることによって他の型枠600の位置決めを行い、その後、他の型枠600の上縁部の高さに合わせた位置に可動フック部5を固定することができるので、従来の高さ調節可能な型枠保持具のように取付け作業に手間取ることがない。
【0031】
しかも、縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610における上縁部及び中程部に同時に当接させることによって、他の型枠600の上縁部側だけでなく、型枠保持具10の縦ガイド部4側も素早く安定に位置決めすることができるので、簡単かつ確実に型枠保持具10の取付け作業を行うことができる。
【0032】
また、固定フック部3が一の型枠500の上桟520の下部に係止可能な爪部33を備え、可動フック部5が他の型枠600の上桟620の下部に係止可能な爪部53を備えているので、固定フック部3及び可動フック部5を各型枠の上縁部に確実に引っ掛けることができ、打設されたコンクリート圧力が型枠に加わっても型枠保持具10が簡単に外れてしまうこともない。
【0033】
また、本実施形態の型枠保持具10にあっては、可動フック部5を縦ガイド部4に対し取り外し可能に構成されているので、縦ガイド部4を他の型枠600の堰板610に当接させた後に、爪部53を備えた可動フック部5を簡単に他の型枠600の上縁部に引っ掛けることができ、この点においても簡単に型枠保持具10の取付け作業を行うことができる。
【0034】
以上、本実施形態の型枠保持具10について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【0035】
例えば、図6に示す、型枠保持具20のように、一の型枠の堰板に当接させる当接部7と他の型枠の堰板に当接させる縦ガイド部4との水平距離Dを、型枠間隔に応じて変更し得る間隔変更手段8を本体部1に設けても良い。
【0036】
図6に示すように、間隔変更手段8は、本体部1のウェブ11にその長手方向に沿って開設された複数の止着孔81と、当接部7の端部に設けられ、雄ネジ部83が各止着孔81に抜差し自在に挿通可能な止着ボルト82と、この止着ボルト82の雄ネジ部83に螺合可能な雌ネジ部を備えた止着ナット85と、から構成されている。止着ボルト82は、その頭部84が当接部7に固定されており、止着ナット85は、コンクリート打設時にコンクリートが止着ボルト82の雄ネジ部83等に付着するのを防ぐために、鍔付きの袋ナットとして構成されている。なお、この型枠保持具20において、固定フック部3は当接部7に固定されている。
【0037】
この型枠保持具20によれば、止着ボルト82の雄ネジ部83を挿通する止着孔81を適宜に選択するだけで、簡単に当接部7と縦ガイド部4との水平距離Dを変更することができる。なお、本体部1のウェブ11に、複数の止着孔81を開設する代わりに、スリットを形成して水平距離Dを無段階で変更できるようにしても良い。
【0038】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態の型枠保持具の全体斜視図である。
【図2】本実施形態の型枠保持具の取付状態を示す側面図である。
【図3】本実施形態の型枠保持具の使用手順を説明する側面図である。
【図4】本実施形態の型枠保持具の使用手順を説明する側面図である。
【図5】本実施形態の型枠保持具の使用手順を説明する側面図である。
【図6】本発明に係る実施変形例の型枠保持具の分解側面図である。
【図7】従来の型枠保持具の取付状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
10、20 型枠保持具
1 本体部
2、7 当接部
3 固定フック部
31 持出部
32 引掛部
33 爪部
4 縦ガイド部
5 可動フック部
51 持出部
52 引掛部
53 爪部
6 固定手段
61 スリット
62 固定ボルト
65 固定ナット
7 間隔変更手段
500 一の型枠
510(一の型枠の)堰板
520(一の型枠の)上桟
600 他の型枠
610(他の型枠の)堰板
620(他の型枠の)上桟

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置される一の型枠と他の型枠との間隔を保持するための型枠保持具であって、
本体部と、
該本体部の一端側に設けられ、前記一の型枠の堰板の上縁部に当接可能な当接部と、
該本体部の一端側に設けられ、前記一の型枠の上桟を引掛け可能な固定フック部と、
該本体部の他端側に設けられ、前記他の型枠の堰板の上縁部及び中程部に同時に当接可能な縦ガイド部と、
該縦ガイド部に沿って上下移動可能に設けられ、前記他の型枠の上桟を引掛け可能な可動フック部と、
該可動フック部を前記縦ガイド部の所望の位置に固定可能な固定手段と、
を備え、
前記固定フック部及び前記可動フック部がそれぞれ、前記一の型枠及び前記他の型枠の上桟の下部にそれぞれ係止可能な爪部を備えていることを特徴とした型枠保持具。
【請求項2】
前記固定手段が、
前記縦ガイド部に形成されたスリットと、
前記可動フック部に設けられ、該スリットに抜差し自在に挿通可能な固定ボルトと、
該固定ボルトに螺合可能な固定ナットと、
を備えていることを特徴とした請求項1記載の型枠保持具。
【請求項3】
前記本体部に、前記当接部と前記縦ガイド部との距離を変更し得る間隔変更手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の型枠保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−280806(P2008−280806A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127854(P2007−127854)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(507156196)有限会社井本建設 (1)
【Fターム(参考)】