埋め込みセンサ処理システム
【課題】人体内等における量的な分析物測度を獲得するための、外部ユニット(101a)および内部ユニット(102a)を含む量的測定システムを提供する。
【解決手段】内部ユニット(102a)が患者の体内に埋め込まれる。内部ユニット(102a)は、光学電子回路(102b)を含んでおり、そのコンポーネントは、蛍光センシング・デバイスを備える。光学電子回路(102b)は、量的測度情報を獲得する。負荷(102c)は、外部ユニット(101a)のコイル(101f)に結合されているコイル(102d)を通る電流量を変化させる。復調器(101b)が、外部コイル(101f)内の内部コイル(102d)によって誘導された電流の変動を検出し、検出した信号をプロセッシング回路、たとえばパルス・カウンタ(101c)およびコンピュータ・インターフェース(101d)等に印加する。
【解決手段】内部ユニット(102a)が患者の体内に埋め込まれる。内部ユニット(102a)は、光学電子回路(102b)を含んでおり、そのコンポーネントは、蛍光センシング・デバイスを備える。光学電子回路(102b)は、量的測度情報を獲得する。負荷(102c)は、外部ユニット(101a)のコイル(101f)に結合されているコイル(102d)を通る電流量を変化させる。復調器(101b)が、外部コイル(101f)内の内部コイル(102d)によって誘導された電流の変動を検出し、検出した信号をプロセッシング回路、たとえばパルス・カウンタ(101c)およびコンピュータ・インターフェース(101d)等に印加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば人体等の、液体または気体の媒体内における分析物の存在もしくは濃度を検出するための埋め込みセンシング・デバイスの出力を処理する回路ならびに方法に関する。より詳細に述べれば、本発明は、蛍光性指示体の蛍光輝度の関数として分析物の濃度を示す埋め込み蛍光センサの出力を処理するための回路ならびに方法に関する。この埋め込み蛍光センサは、受動デバイスであり、電源を含んでいない。プロセッシング回路が、当該プロセッシング回路によって放出される誘導結合RFエネルギを介してセンサに電力供給する。プロセッシング回路は、埋め込みセンサからの情報を、当該プロセッシング回路上における負荷の変動として受け取る。
【背景技術】
【0002】
参照により開示内容をこれに援用している米国特許第5,517,313号は、蛍光性指示体分子包含マトリクス(以下「蛍光性マトリクス」)、ハイ−パス・フィルタ、および光学検出器の積層化アレイを備える蛍光センシング・デバイスについて述べている。このデバイスにおいては、好ましくは発光ダイオード(「LED」)とする光源が少なくとも部分的に指示体物質内に配置され、その結果、光源からの入射光が指示体分子の蛍光発光を生じさせる。ハイ−パス・フィルタは、放出された光が光学検出器に到達することを可能にする一方、光源からの散乱入射光をフィルタ・アウトする。分析物は、蛍光性マトリクスへの浸透が許され、指示体物質の蛍光特性を、そこに存在する分析物の量に比例して変化させる。続いて蛍光発光が光学検出器によって検出されて測定され、それにより注目する環境内に存在する分析物の量もしくは濃度といった測度が提供される。
【0003】
米国特許第5,517,313号に開示されたタイプのセンサ・デバイスの1つの好適な応用は、皮下、静脈内、あるいはその他による体内へのデバイスの埋め込みであり、任意の所望の時点における分析物の瞬時測定を可能にする。たとえば、麻酔下にある患者の血中酸素濃度、あるいは糖尿病患者の血中グルコース濃度を測定することは望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,517,313号
【特許文献2】米国特許第5,517,313号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
獲得した測定情報を使用するためには、それをセンシング・デバイスから回収しなければならない。体内に埋め込まれるセンサ・デバイスに係るサイズならびにアクセス可能性上の制限から、センサ・デバイスへのデータ送信回路および/または電源の提供に関連した欠点が存在する。したがって、この分野においては、体内に埋め込まれる改善されたセンサ・デバイス、および埋め込みセンサ・デバイスからのデータの回収システムに対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、センサ・デバイスから情報を回収するための装置が提供され、当該装置は、量的な分析物の測度を獲得するための内部センサ・ユニットであり、前記センサ・ユニットのための電源の一部を構成する第1のコイル、前記第1のコイルに結合される負荷、および前記負荷を修正するためのセンサ回路であってそれによって獲得されたセンサ測度情報に従って前記負荷を修正するためのセンサ回路を含む内部センサ・ユニットと、第2のコイルであってそれが前記第1のコイルからあらかじめ決定済みの近接距離内に配置されているときに前記第1のコイルと相互誘導結合される第2のコイル、前記第2のコイルをドライブして前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータ、および前記内部センサ・ユニット内の前記負荷に対する変化によって誘導される前記第2のコイル上の負荷における変動を検出するため、ならびに前記負荷の変化に対応する情報信号を提供するための検出器を含む外部ユニットと、前記情報信号を受け取り、処理するためのプロセッサを備える。
【0007】
本発明は、以下の添付図面に関連した好ましい実施態様の詳細な説明を参照することによってより良好な理解が得られようが、これらは例証のみを目的として提供されているものであって、本発明を限定する意図ではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に従った好ましい一実施態様のブロック図である。
【図2】本発明の好ましい一実施態様に従った内部センサ・デバイス・ユニットの回路図である。
【図3】センサ・デバイス回路内の各種ポイントにおける信号波形を示した波形図である。
【図4】センサ・デバイス回路内の各種ポイントにおける信号波形を示した波形図である。
【図5A】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5B】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5C】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5D】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5E】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図6】本発明に従った埋め込み可能な蛍光発光ベースのセンサの概略断面図である。
【図7】図6に示されている蛍光発光ベースのセンサの導波特性を示した説明図である。
【図8】図6の部分図であり、センサ本体内における内部反射ならびにセンサ/組織界面層の好ましい構成を示した詳細図である。
【図9】本発明の第2の好ましい実施態様に従った内部センサ・デバイス・ユニットの回路図である。
【図10】検出器回路が動作を反復するときの図9のコンパレータの各種端子の電圧レベルを示したタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明に従った埋め込み蛍光センサ処理システムの好ましい一実施態様をブロック図の形式で示している。
【0010】
このシステムは、外部ユニット101および内部ユニット102を備えている。このシステムの応用の一例においては、内部ユニット102が患者の皮下その他の体内に埋め込まれる。内部ユニットは、光学電子回路102bを含んでおり、そのコンポーネントは、図6〜8を参照してより完全な説明を後述する蛍光センシング・デバイスを備えるものとすることができる。光学電子回路102bは、量的測度情報を獲得し、獲得した情報の関数として負荷102cを修正する。一方負荷102cは、外部ユニットのコイル101fに結合されているコイル102dを通る電流量を変化させる。振幅変調(AM)復調器101bが、コイル102dによって誘導された電流の変動をコイル102dと対になったコイル101fにより検出し、検出した信号をプロセッシング回路、たとえばパルス・カウンタ101cおよびコンピュータ・インターフェース101d等に印加し、これらがその信号をコンピュータ101eに入力するためのコンピュータ可読フォーマットに処理する。
【0011】
可変RFオシレータ101aは、コイル101fにRF信号を提供し、一方それは、コイル101fと102dが互いに充分に近接しており、それらのコイル間に充分な誘導結合が得られるとき、コイル102dに電磁エネルギを提供する。RF信号からのエネルギは、内部ユニット102が量的測度を獲得するための動作電力を提供し、それが使用されて負荷102cが変化し、続いてその負荷の変動がコイル101fに提供され、さらにそれが外部ユニットによって検出されて情報にデコードされる。負荷の変動は、コイル101fと102dの間における相互結合を介して内部ユニットから外部ユニットに結合される。ローディングは、内部コイルならびに外部コイルをともに略同一周波数に同調し、かつ適切な構成テクニックを用いて共振回路のQ係数を増加することによって改善することが可能である。これらの相互結合に起因して、一方のコイル内の電流変化が他方のコイル内の電流を誘導する。誘導された電流は、検出され、対応する情報にデコードされる。
【0012】
RFオシレータ101aは、コイル101fをドライブし、それがコイル102d内に電流を誘導する。誘導された電流は整流回路102aによって整流され、光学電子回路102bの電力に使用される。データは、光学電子回路によってパルス列の形式で生成され、その周波数は、前述の米国特許第5,517,313号に記述されているような蛍光センサによって放出された光の輝度の関数として変化する。このパルス列は、整流器出力端子を一時的にグラウンドに短絡する態様で負荷102cを変調する。負荷におけるこの変化は、対応する変化を、内部コイル102dを通る電流内にもたらし、その結果、外部コイル101fを取り囲む磁界に変化がもたらされる。この磁界の変化は、それに比例する変化をコイル101fの端子間電圧にもたらし、振幅変調としてそれを観測することが可能になる。次に示す式は、外部コイル上に見られる電圧を記述している。
【0013】
V=I[Z+((ωM)2)/Zs] (1)
これにおいて、
V=外部コイルの端子間電圧
I=外部コイル内の電流
Z=一次コイルのインピーダンス
ω=周波数(rad/秒)
M=コイル間の相互インダクタンス
Zs=センサ等価回路のインピーダンス
【0014】
式(1)によって示されるように、外部コイルの端子間電圧と内部センサ回路によって与えられるインピーダンスの間には直接的な関係が存在する。インピーダンスZsは、発振信号の振幅および周波数における変化にそれぞれが対応する実数部ならびに虚数部を伴う複素数であるが、この実施態様に従ったシステムは、この相互作用の実数部のみを取り扱う。当業者であれば、両タイプの相互作用が、適切に外部回路を修正することによって検出可能となり、信号対ノイズ比を改善できることを認識するであろう。
【0015】
図2は、本発明に従った内部センサ・デバイスの一実施態様の回路図を示している。コイル102d(L1)は、キャパシタC1、ダイオードD1(整流器102a)、ツェナー・ダイオードD2、およびキャパシタC2とともに、内部ユニット102用の電源を構成する。オシレータ101aによって外部コイル101fに印加されたRF電圧(図1参照)によりコイルL1内に誘導される電流は、L1およびキャパシタC1によって構成されるL−Cタンク内において共振され、ダイオードD1によって整流されて、キャパシタC2によってフィルタリングされる。ツェナー・ダイオードD2は、回路に印加される電圧が最大値、たとえば5ボルトを超えることを防止するために備えられている。当業者であれば周知のとおり、キャパシタC2両端の電圧がツェナー・ダイオードD2の逆方向破壊電圧を超え始めると、ダイオードD2が、その逆方向破壊領域内において導通を開始し、回路の最大許容電圧に関してキャパシタC2が過充電されることを防止する。
【0016】
電圧レギュレータ205は、キャパシタC2から電圧を受け取り、演算増幅器201の非反転入力に対する固定出力電圧Vrefを生成する。この演算増幅器201の出力端子は、フィードバック抵抗R1と直列に接続された発光ダイオード(LED)202に接続されている。演算増幅器201の反転入力端子には、R1の端子間電圧が供給され、それによってLED202を通る電流がVref/R1に調整される(小さいバイアス電流を無視している)。LED202から放出された光は、センサ・デバイス(図示せず)に入射され、当該センサ・デバイスによる、モニタ対象となる特定分析物の量の関数としての発光をもたらす。センサ・デバイスからの光は、感光性抵抗203に当たるが、その抵抗値は、それに入射された光の量の関数として変化する。フォトレジスタ203は、キャパシタC3と直列に接続されており、フォトレジスタとキャパシタC3の接合部は、コンパレータ204の反転入力端子に接続されている。フォトレジスタ203の他端は、導体Vcompを介してコンパレータ204の出力端子に接続される。コンパレータ204の出力は、負荷キャパシタC4、および抵抗回路R2、R3、およびR4にも接続されている。このコンパレータは、R2、R3、およびR4の値によって決定されるスイッチング・ポイントを伴う可変抵抗オシレータを構成する。C3はチャージ−アップ・キャパシタであり、与えられた光レベルに関するオシレータの基本周波数を決定する。この周波数は次式によって与えられる。
【0017】
f=1/(1.38×Rphoto×C3) (2)
Rphoto=R2fc[10−γlog(a/2fc] (3)
これにおいて、
R2fc(=24kΩ)は、2フィート燭における203の抵抗
γ(=0.8)はフォトレジスタの感度
a=フィート燭単位で表した入射光レベル
【0018】
式(3)は、反転して所定の光電性抵抗をもたらす光の輝度を決定することができる;光の輝度は、式(2)を用いて周波数から決定することができる。当然のことながら上記の値は、説明を目的としただけの例として提供されている。この種の値は、個々のフォトレジスタのジオメトリおよび使用されている材料に基づいて決定される。
【0019】
コンパレータ204は、Vtime=V/3、Vcomp=V、かつVtrip=2V/3のとき、ハイ出力に切り替わる。キャパシタC3は、時定数Rphoto×Ctimeを伴って充電を開始する。Vtimeが2V/3に到達すると、コンパレータの状態がロー出力に切り替わり、VcompがVcomp=0に、VtripがVtrip=V/3に変化する。この時点においてC3がRphotoを介して放電する。したがって、50%のデューティ・サイクルが確立され、その周波数は式(2)によって決定される。Rphotoは、入射光の関数として変化し、式(3)によって与えられる。
【0020】
C4は負荷キャパシタであり、コンパレータが状態を切り替えるとC2の端子間電圧の減少をもたらす。C4は、コンパレータ204がハイ出力レベル状態に切り替わるとき、0VからVdcに充電されなければならない。C4を通る電流はC2によって供給され、それがC2の端子間電圧を下げることになる。一方これは、キャパシタC2の充電を開始する整流器102aを通る電流の流れをもたらし、内部コイル102dを含むタンク回路の瞬時負荷を変化させる。この負荷は、式(1)によって与えられるように、外部コイル101fのインピーダンスに反映される。
【0021】
単一パルスに関するこのセンサの動作を図3に示す。チャンネル4は、C2上のDC電圧であり、チャンネル3は、外部コイル101f上の同一のパルスを示しており、AM復調器の出力がチャンネル2に示されている。チャンネル1は、AM復調器の出力をディジタル・カウンタによる処理が可能な矩形波に変換するコンパレータの出力を示している。図4は、2つの完全な動作サイクルを示しており、同一のチャンネルの表示は、回路内の同一のポイントを示す。
【0022】
外部ユニット101は、マイクロプロセッサを使用してパルス・カウンタ101cを具体化している。有効な読み取りが獲得できる充分なデータを受け取ると、プロセッサはRFオシレータをシャット・ダウンする。図5A〜5Eは、測度の読みに関するタイミング図を示している。図5Aは、外部コイルに印加されるRF電圧信号の包絡線を示し;図5Bは、内部電源電圧の波形を示し;図5Cは、LED202の輝度の波形を示し;図5Dは、AM復調器101bの出力を示し;および図5Eはセンサ・ユニットに供給される電力に従った回路動作の状態のタイミングを示す。内部ユニットの電源は、磁界の強度の増加とともに上昇する。電源出力がLEDのスレッショルド電圧にフィードバック電圧を加えた電圧と交差すると、LEDがオンになる。AM復調器の出力は、測度データおよびIDコードの形式のディジタル・データならびに内部ユニットが埋め込まれている患者に固有のそのほかのパラメータを含んでいる。このデータは、ディジタル識別およびパラメータ・ストレージ回路(図示せず)を伴った光学電子出力の時分割多重を通じてRF電圧信号にエンコードされる。このディジタル回路は、RF電圧を使用して適切なクロック信号を生成する。
【0023】
内部ストレージ回路は、IDコードならびに較正定数等のパラメータ値をストアすることができる。この情報は、それぞれの読みまたは量的測度とともに返される。信号は、測定シーケンス内のあらかじめ定義済みのポイントにおいてアナログ・パルス列のローディングからディジタル的にコントロールされたローディングに切り替えることによって記録される。このポイントは、出力データ・ストリーム内においてあらかじめ定義済みビット同期パターンを検出することによって、外部ユニット内において検出される。ID番号は、特定の患者の識別に使用され、2ないしはそれを超える数の患者が外部ユニットの近傍にいる場合のデータへの悪影響を防止する。較正係数は、測度情報に適用されて臨床単位での分析物のレベルが獲得される。
【0024】
本発明の一側面に従った、蛍光性指示体分子の蛍光発光を基礎とするセンサ10を図6に示す。センサ10は、センサ本体12;センサ本体12の外側表面上にコーティングされる、蛍光性指示体分子16が全体に分布したマトリクス層14;指示体分子と相互作用する波長にわたる、あるいはその波長の範囲にわたる放射エネルギ、すなわち蛍光発光ベースのセンサの場合であれば、指示体分子16の蛍光発光を生じさせる波長もしくはその波長の範囲内の波長の放射エネルギを含む放射エネルギを放出する放射源18、たとえばLED;および感光性エレメント20、たとえば光学検出器、すなわち蛍光発光ベースのセンサの場合であれば、指示体分子16によって放出された蛍光に感応し、それに応答して、指示体分子の蛍光発光のレベルを示す信号を生成するエレメントを含んで構成される。センサ10はさらに、電子回路を収めたモジュールまたはハウジング66、温度の読みを提供するための温度センサ64を備える。もっとも単純な実施態様においては、指示体分子16がセンサ本体の表面上に単純にコーティングされる。しかしながら好ましい実施態様においては、指示体分子が、生物学的適合性のある高分子マトリクスで構成されるマトリクス層14内に含められ、それがこの分野において周知の方法によって準備され、センサ本体の表面上にコーティングされる。適切な生物学的適合性のあるマトリクス材料は、分析物にとって浸透可能でなければならず、それにはメタクリレートおよびヒドロゲルが含まれ、これらは好都合にも分析物にとって選択的に浸透可能に作ることができる。
【0025】
センサ本体12は、適切な、光学的に透過性のある高分子材料から好適に形成され、当該材料はセンサが使用されることになる媒体と充分に異なる屈折率を有し、その結果、当該高分子が光学的導波体として作用することになる。好ましい材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシプロピルメタクリレートおよびその類似物等のアクリル高分子、およびLexan(登録商標)(レキサン)の商標の下に販売されている類のポリカーボネートが挙げられる。この材料は、放射源18によって生成された放射エネルギ(たとえば、放射源をLEDとする実施態様においては適切な波長の光)、および蛍光発光ベースの実施態様の場合には指示体分子によって放出された蛍光の透過を可能にする。放射源またはLED18は、図2に示されているLED202に対応する。
【0026】
図7に示されているように、放射エネルギ(たとえば光)が放射源18によって放出され、この放射エネルギの少なくとも一部が、最初にセンサ本体12の表面、たとえばロケーション22において内側に反射され、その態様に従ってセンサ本体12の内側を前後左右に「跳ね返る」。
【0027】
センサ本体とそれを取り囲む媒体の界面から反射された光は、表面上にコーティングされた指示体分子(その上に直接コーティングされているか、あるいはマトリクス内に含まれているかによらない)との相互作用が可能であること、たとえばその表面にコーティングされた蛍光性指示体分子内の蛍光発光の励起が可能であることがわかっている。それに加えて、界面に当たる角度(界面に垂直な方向を基準に測定する)が小さすぎて反射しない光も、界面を通過して蛍光性指示体分子内の蛍光発光を励起する。光(もしくはそのほかの放射エネルギ)と界面ならびに指示体分子の間における相互作用のそのほかのモードもまた、センサの構成ならびにそれに関する応用に応じて有用であることが明らかになっている。この種の別のモードには、一過性の励起および表面プラズマ共振タイプの励起が含まれる。
【0028】
図8によって例証されるように、蛍光性指示体分子16によって放出される光の少なくとも一部は、直接、もしくは領域30として示されているマトリクス層14の(センサ本体12に関して)最外側表面によって反射された後に、センサ本体12内に入る。この種の蛍光28は、その後、放射源18によって放出された放射エネルギの場合と非常によく似た態様でセンサ本体12内の全体にわたって反射され、放射源によって放出された放射エネルギと同様に、その一部は、センサ本体とそれを取り囲む媒体の間の界面に当たる角度が小さすぎて反射しないために再びセンサ本体の外に出る。
【0029】
さらに図6を参照すると、センサ10は、センサ本体12の両側の、センサ本体の外側表面とマトリクス層14の間に反射コーティング32も備え、蛍光性指示体分子によって放出された放射エネルギおよび/または光の内部反射を最大化もしくは強化できることが示されている。この反射コーティングは、たとえばペイントもしくは金属化材料から形成することができる。
【0030】
好ましくは光学検出器20の感光性表面に、感光性材料から製造される光学フィルタ34を備える。光学検出器20は、図2に示されている光学検出器203に対応する。フィルタ34は、この分野において周知のとおり、放射源18によって生成された放射エネルギが感光性エレメント20の感光性表面に衝突することを防止するか、実質的にその量を抑える。同時にこのフィルタは、蛍光性指示体分子によって放出された蛍光がそれを通過して、検出器の感光性領域に当たることを可能にする。これは、放射源18からの入射エネルギに帰すことのできる光学検出器信号内の「ノイズ」を大幅に低減する。
【0031】
本発明の一側面に従ったセンサ10は、特に人体内の各種生物学的分析物、たとえばグルコース、酸素、毒素、医薬もしくはそのほかの薬物、ホルモン、およびその他の代謝分析物の測定に関連して開発されたが、それが適している唯一の応用であるという意味ではまったくない。マトリクス層14ならびに指示体分子16の特定の組成は、このセンサが使用されて検出される個々の分析物、および/または分析物の検出にこのセンサが使用される部位(つまり、血液中または皮下組織内)によって異なることがある。しかしながら、2つの不変要件は、マトリクス層14が分析物に対する指示体分子の暴露を促進すること、および指示体分子の光学特性(たとえば、蛍光性指示体分子の蛍光発光レベル)が、指示体分子がさらされる特定の分析物の濃度の関数となることである。
【0032】
人体内の自然位での使用を容易にするためにセンサ10は、好ましくは滑らかな長円もしくは丸みを帯びた形状に形成される。好適には、近似的に豆もしくは医薬用ゼラチン・カプセルの形状ならびにサイズを有するもの、すなわち長さLを約300〜500ミクロンから約0.5インチ台まで、太さDを約300ミクロンから約0.3インチ台までとし、全体的になめらかでありかつ丸みのある表面を有するものとする。当然のことながら、使用材料に応じて、またデバイスに意図される用途に応じて、より大きい、もしくはより小さいデバイスとすることができる。この構成は、センサによる基本的な身体機能への干渉または過剰な痛みもしくは不快感をもたらすことなく、センサ10を人体内に埋め込むこと、つまり皮膚に、あるいは下部組織内(器官もしくは血管を含む)に埋め込むことを可能にする。
【0033】
さらに、人(もしくはほかの動物の)体内に配置されるインプラントが、「生物学的適合性のある」材料からなるインプラントであったとしても、単にインプラントが刺激を与えるという事実によってそのインプラントが挿入される生物体内に何らかの「異物反応」が生じることは認識されよう。人体内に埋め込まれるセンサ10の場合においては、「異物反応」が繊維皮膜、すなわち瘢痕組織の形成となることがもっとも頻繁である。グルコースは、本発明に従ったセンサが使用されて検出されることが期待される主要な分析物であるが、その種の繊維皮膜によって伝播もしくは移動のレートが妨げられることがある。非常に小さい分子酸素(O2)でさえも、その種の繊維皮膜によって伝播もしくは移動のレートが妨げられることがある。これは、単に、繊維皮膜(瘢痕組織)を形成する細胞が、極めて密な性質を有し、あるいは正常組織と異なる代謝特性を有することによる。
【0034】
指示体分子を生物学的分析物にさらすことにおけるこの潜在的な障害またはその遅延を克服するために、2つの基本的なアプローチが企図されている。おそらくはもっとも単純なアプローチとなる一方のアプローチによれば、センサ/組織界面層、すなわちセンサ本体の表面上において指示体分子が直接的に固定されるときはセンサ本体12の表面および/または指示体分子自体の上を覆う層、もしくは指示体分子がマトリクス層14内に包含されるときはその表面を覆う層が、繊維皮膜の形成をほとんど生じないか、あるいは許容可能なレベルでそれを生じる材料を用いて用意される。この特性を有するとして文献に述べられているその種の材料の2つの例として、ケネディ(Kennedy)著,「Tailoring Polymers for Biological Uses(生物学的使用のための高分子の調整)」Chemtech(ケムテック),1994年2月,p.24−31に記述されているように、W.L.Gore(W.L.ゴア)から入手可能なPrecludeTM Periocardial Membrane(プレクルード(商標)ペリオカーディアル・メンブレーン)および親水性物質と共有結合されたポリイソブチレンが挙げられる。
【0035】
上記に代えて、専用の生物学的適合性を有する数層の材料から構成されるセンサ/組織界面層をセンサの上に備えることもできる。図8に示されているように、たとえばセンサ/組織界面層36が、3つの部分層36a、36b、および36cを含むものとすることができる。部分層36aは、組織の内側への伸びを促進する層であり、好ましくは、その上に繊維形成細胞39(瘢痕組織)の蓄積がある場合においても毛細血管37の侵入を許容する生物学的適合性材料から作られる。長年にわたって使用されているGore−Tex(登録商標)(ゴアテックス)人工血管材料(ePTFE)、Dacron(登録商標)(ダクロン)(PET)人工血管材料、および高密度ポリエチレンから製造されるMEDPOR Biomaterial(メドポア・バイオマテリアル)(POREX Surgical Inc.(ポーレックス・サージカル・インク)から入手可能)は、基本的な組成、ポア・サイズ、およびポアのアーキテクチャが、内向き組織成長層への組織ならびに脈管の内側への伸びを促進する材料の例である。
【0036】
これに対して部分層36bは、好ましくは内向き組織成長部分層36aのポア・サイズよりはるかに小さいポア・サイズ(5マイクロメートル未満)を伴う生物学的適合性のある層であり、組織の内側への伸びを妨げる。部分層36bを作ることが可能な現在のところ好ましいとされる材料は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から構成されるW.L.Gore,Inc.(W.L.ゴア・インク)から入手可能なPreclude Periocardial Membrane(プレクルード・ペリオカーディアル・メンブレーン)(以前のGORE−TEX Surgical Membrane(ゴアテックス・サージカル・メンブレーン))である。
【0037】
第3の部分層36cは、分子篩として作用して分子量カット−オフ機能を提供し、免疫グロブリン、タンパク、および糖タンパク等の分子を排除する一方、1ないしは複数の注目分析物がそれを通過して指示体分子(センサ本体12上に直接コーティングされるか、マトリクス層14内に固定される)に到達することを可能にする。多くの周知のセルロース−タイプの、たとえば腎臓透析濾過カートリッジに使用されている種類の膜を分子量カット−オフ層36cに使用することができる。
【0038】
ここで認識されることになろうが、図6に示されているようなセンサは、完全自給式であり、センサ本体の内に入り、あるいはそこから外に延びてセンサに電力を供給するため(たとえば放射源18をドライブするため)、あるいはセンサから信号を送信するための電気リードがまったく存在しない。図2に示されているすべてのエレクトロニクスは、図6に示されているように、モジュール66内に収容することができる。
【0039】
第2の好ましい実施態様を図9に示すが、それにおいては2つの検出器が使用されており、それぞれは信号チャンネル検出器901および基準チャンネル検出器902である。図2に示されているように、第1の実施態様においては、単一の検出器203が使用されて蛍光性指示体センサ・デバイスからの放射エネルギが検出される。そのシステムは良好に機能するが、各種の擾乱がシステムに発生し、それが最初に較正されたとおりのセンサ出力の精度に影響を及ぼす可能性がある。
【0040】
その種の擾乱の例として:センサの構成に固有のコンポーネントの動作における変化もしくはドリフト;センサ外部の環境条件;あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。中でも:センサ放射源の経年変化;感光性エレメントの性能もしくは感度に影響する変化;指示体分子の劣化;センサ本体、指示体マトリクス層等の放射エネルギ透過率における変化;およびほかのセンサ・コンポーネントにおける変化;などによって内部変化が招かれることもある。別の例においては、光学基準チャンネルを使用して、分析物の存在もしくは濃度と無関係な指示体分子の光学的特性ないしは見かけ上の光学的特性に影響を与え得る環境要因(たとえばセンサ外部の要因)を補償し、あるいは矯正することができる。これに関し、外部要因の例としては、とりわけ:温度レベル;pHレベル;周囲光の存在;センサが適用される媒体の反射率もしくは濁り;などが挙げられる。基準チャンネルを使用すれば、センサの動作条件におけるその種の変動を補償することができる。基準チャンネルは、信号チャンネルとすべての側面において同じであるが、基準チャンネルは、測定される分析物に反応しない点が異なる。
【0041】
光学測定における基準チャンネルの使用は、概してこの分野において周知である。たとえば、参照によりその全開示内容をこれに援用している米国特許第3,612,866号は、基準チャンネルが測定チャンネルと同一の指示体化学物質を含むが、基準チャンネルには酸素に対して不浸透性とするバーニッシュによるコーティングが施される蛍光酸素センサを開示している。
【0042】
参照によりその全開示内容をこれに援用している米国特許第4,861,727号および第5,190,729号は、2つの異なる波長で放射する2つの異なるランタニド−ベースの指示体化学物質、酸素によって消光されるテルビウム−ベースの指示体、および概略で酸素に影響されないユーロピウム−ベースの指示体を使用する酸素センサを開示している。参照によりその全開示内容もこれに援用している米国特許第5,094,959号は、単一の指示体分子が特定の波長において照射され、その分子によって放出された蛍光が、酸素に対して2つの異なる感度を有する2つの異なる放射スペクトルにわたって測定される酸素センサを開示している。より厳密に言えば、酸素に対する感度の低い放射スペクトルが、2つの放射強度の比に対する基準として使用される。さらに参照によりその全開示内容もこれに援用している米国特許第5,462,880号および米国特許第5,728,422号は、酸素によって実質的な影響を受けず、指示体分子に類似の光分解比を有する基準分子を使用する比測定蛍光酸素検出方法を開示している。それらに加えて、参照によりその全開示内容をこれに援用しているミュラー,B(Muller,B)ほか著,「ANALYST(アナリスト)」第121巻,1996年3月,p.339−343は、溶解CO2用の蛍光センサを開示しており、それにおいては青色LED光源が光ファイバ・カプラを介して指示体チャンネルとLED光の輝度における変化を検出する分離された基準光学検出器に指向されている。
【0043】
さらに、参照によりその全開示内容をこれに援用している米国特許第4,580,059号は、励起光源の輝度における変化を測定するための基準光測定セルを含む蛍光発光ベースのセンサを開示しており、たとえば当該特許文献の第10コラム第1行以下を参照されたい。
【0044】
図9に示されているように、信号チャンネルおよび基準チャンネル検出器は、背合せのフォトダイオード901および902である。ここにはフォトダイオードが図示されているが、たとえばフォトレジスタ、フォトトランジスタ等といった多くのほかのタイプの光学検出器も使用可能である。LED903は、図2の光源202に対応する。動作においては、コンパレータ904が、抵抗905、906、および907によってバイアスされたとおりに電源電圧Vssの1/3および2/3においてトリガされるべくセットされる。コンパレータ904のトリガ電圧は、抵抗の値を変更することによって所望に応じて修正可能である。キャパシタC2は、タイミング・エレメントであり、その値は信号ならびに基準チャンネルの大きさに関して調整される。各フォトダイオードを通る電流は、それに入る入射光の輝度またはエネルギの関数であり、式I=RPによって表される。それにおいて、
I=電流
R=応答度(アンペア/ワット)
P=ワットを単位とする光のエネルギ
【0045】
蛍光発光の実施態様においては、フォトダイオード検出器に当たる入射光のエネルギが分析物の濃度とともに変化する。
【0046】
図10は、コンパレータ904の端子904a、904b、および904cの電圧レベルを示したタイミング図である。サイクルの開始時においては、出力端子904cの電圧レベルがグラウンド(ロー出力状態)であり、キャパシタC2の電圧レベル(入力端子904bの電圧レベルに対応する)がVss・2/3であり、入力端子904aの電圧レベルがVss・1/3である。この時点においては、フォトダイオード901が順方向バイアスされており、フォトダイオード902が逆方向バイアスされている。順方向バイアスされたフォトダイオード901の端子間電圧降下は、単純にそのスレッショルド値になるが、逆方向バイアスされたフォトダイオード902は、それに当たる入射光に比例する電流の流れを示す。この電流は、図10に示されているように、キャパシタC2を、それがVss・1/3の電圧レベルに達するまでdV/dt=I902/C2のレートで放電する。フォトダイオード電流に関する上記の式を挿入すると、式dV/dt=RP/C2が得られる。Pについてこれを解くと、P=(dV×C2)/(dt×R)となる。それにおいて、
dV=コンパレータのトリガ・ポイント間の差(この例ではVss・1/3)
C2=ファラッドを単位とするキャパシタC2の値
dt=充電または放電の時間(外部ユニットにより測定)
R=光検出器の応答度(アンペア/ワット)
【0047】
その時点においてコンパレータ904が、出力端子904c上をハイ出力状態Vssに切り替える。それによりトリガ・ポイント(入力端子904a)がVss・2/3になり、フォトダイオード901および902の極性が反転する。つまりこの時点において、フォトダイオード901が逆方向バイアスになり、フォトダイオード902が順方向バイアスになる。
【0048】
この状態のフォトダイオード901は、キャパシタC2の充電をコントロールし、dV/dt=I901/C2のレートで、キャパシタC2の電圧がVss・2/3となるまでそれが行われる。キャパシタC2の端子間電圧がVss・2/3に到達すると、コンパレータ904の出力が再びロー出力状態に切り替わる。システムへの電力供給が続く限り、かつフォトダイオード上に入射光が存在する限り、図10に示されているようにこのサイクルが反復される。
【0049】
フォトダイオード検出器901および902のそれぞれに対する入射光の輝度が等しい場合には、コンパレータの出力のデューティ・サイクルが50%になる。各フォトダイオード検出器に対する入射光の輝度が等しくない場合には、キャパシタの充電電流とキャパシタの放電電流に差が生じることになる。これが図10に示されているケースであり、キャパシタの充電電流がキャパシタの放電電流より大きい。同一のキャパシタが充電され、かつ放電されることから、充電時間と放電時間の差は、2つのフォトダイオード検出器に対する入射光レベルの間の差のみの関数となる。つまり、コンパレータ904によって生成される矩形波のデューティ・サイクルは、信号チャンネル・フォトダイオード上の入射光と、基準チャンネル・フォトダイオード上の入射光の間における変化を表すことになる。分析物の濃度の決定においてコンパレータからの矩形波のデューティ・サイクルにおける変化を処理するための適切なアルゴリズムは、この分野に一般的に知られており(前述した先行技術情報を参照されたい)、それ以上のことをここでは説明しない。
【0050】
矩形波が設定された後は、それを外部ユニットに送信する必要がある。これは内部コイル908にローディングし、続いて当該内部コイルと誘導結合された外部コイル上の負荷における変化を検出することによってなされる。このローディングは、コンパレータ904の出力端子904cに接続されている抵抗910によって提供される。コンパレータがハイ出力状態のときは、電圧レギュレータ909から追加の電流Vss/R910が引き出される。コンパレータがロー出力状態のときは、この追加の電流が存在しない。その結果、抵抗910が負荷として作用し、それが分析物の濃度ならびに基準チャンネルの出力によって決定されるレートで回路内に入り、かつその外に出る。抵抗910を通る電流が、コイル908を含む内部の同調済みタンク回路によって提供されることから、この抵抗負荷の切り替えは、内部コイル908を含むタンク上の負荷も切り替える。負荷の切り替えにより生じるタンクのインピーダンスの変化は、前述のように、誘導結合された外部コイル上の負荷における対応する変化によって検出される。電圧レギュレータ909は、磁界内のコイルの配置によってもたらされる効果を除去する。LED903は、指示体分子センサ用の励起光を放出する。LED903用の電力は、電圧レギュレータによって提供される。分析物の測度を読み取る間にわたってLEDの輝度を一定に保つことは重要である。電圧レギュレータの出力のレギュレーションの後は、LEDの輝度が一定になる。この電圧レギュレータのステップ・リカバリ時間は非常に高速であり、ローディング状態の間の遷移は、外部回路における弁別ならびにAC結合を可能にする充分な迅速さを有する。
【0051】
ここで認識されようが、図6〜8に示した蛍光発光ベースのセンサの実施態様は、開示した本発明を適用することが可能な例にすぎない。本発明は、たとえば参照によりこれに援用されている米国特許出願第09/383,148号(1999年8月28日出願)に記述されているような吸光度ベースのセンサまたは屈折率ベースのセンサといったほかの多数の応用に適用することも可能である。
【0052】
以上、本発明を説明してきたが、当業者にとっては明らかなように、本発明の精神ならびに特許請求の範囲から逸脱することなく多くの方法でそれを変形することが可能である。たとえば、本発明はアナログ回路を参照して説明されているが、本発明の原理を、適切にプログラムされたディジタル信号プロセッサの使用を介して等しく実施することができる。その種の一切の修正は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0053】
101 外部ユニット、102 内部ユニット、102b 光学電子回路、102c 負荷、102d コイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば人体等の、液体または気体の媒体内における分析物の存在もしくは濃度を検出するための埋め込みセンシング・デバイスの出力を処理する回路ならびに方法に関する。より詳細に述べれば、本発明は、蛍光性指示体の蛍光輝度の関数として分析物の濃度を示す埋め込み蛍光センサの出力を処理するための回路ならびに方法に関する。この埋め込み蛍光センサは、受動デバイスであり、電源を含んでいない。プロセッシング回路が、当該プロセッシング回路によって放出される誘導結合RFエネルギを介してセンサに電力供給する。プロセッシング回路は、埋め込みセンサからの情報を、当該プロセッシング回路上における負荷の変動として受け取る。
【背景技術】
【0002】
参照により開示内容をこれに援用している米国特許第5,517,313号は、蛍光性指示体分子包含マトリクス(以下「蛍光性マトリクス」)、ハイ−パス・フィルタ、および光学検出器の積層化アレイを備える蛍光センシング・デバイスについて述べている。このデバイスにおいては、好ましくは発光ダイオード(「LED」)とする光源が少なくとも部分的に指示体物質内に配置され、その結果、光源からの入射光が指示体分子の蛍光発光を生じさせる。ハイ−パス・フィルタは、放出された光が光学検出器に到達することを可能にする一方、光源からの散乱入射光をフィルタ・アウトする。分析物は、蛍光性マトリクスへの浸透が許され、指示体物質の蛍光特性を、そこに存在する分析物の量に比例して変化させる。続いて蛍光発光が光学検出器によって検出されて測定され、それにより注目する環境内に存在する分析物の量もしくは濃度といった測度が提供される。
【0003】
米国特許第5,517,313号に開示されたタイプのセンサ・デバイスの1つの好適な応用は、皮下、静脈内、あるいはその他による体内へのデバイスの埋め込みであり、任意の所望の時点における分析物の瞬時測定を可能にする。たとえば、麻酔下にある患者の血中酸素濃度、あるいは糖尿病患者の血中グルコース濃度を測定することは望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,517,313号
【特許文献2】米国特許第5,517,313号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
獲得した測定情報を使用するためには、それをセンシング・デバイスから回収しなければならない。体内に埋め込まれるセンサ・デバイスに係るサイズならびにアクセス可能性上の制限から、センサ・デバイスへのデータ送信回路および/または電源の提供に関連した欠点が存在する。したがって、この分野においては、体内に埋め込まれる改善されたセンサ・デバイス、および埋め込みセンサ・デバイスからのデータの回収システムに対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、センサ・デバイスから情報を回収するための装置が提供され、当該装置は、量的な分析物の測度を獲得するための内部センサ・ユニットであり、前記センサ・ユニットのための電源の一部を構成する第1のコイル、前記第1のコイルに結合される負荷、および前記負荷を修正するためのセンサ回路であってそれによって獲得されたセンサ測度情報に従って前記負荷を修正するためのセンサ回路を含む内部センサ・ユニットと、第2のコイルであってそれが前記第1のコイルからあらかじめ決定済みの近接距離内に配置されているときに前記第1のコイルと相互誘導結合される第2のコイル、前記第2のコイルをドライブして前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータ、および前記内部センサ・ユニット内の前記負荷に対する変化によって誘導される前記第2のコイル上の負荷における変動を検出するため、ならびに前記負荷の変化に対応する情報信号を提供するための検出器を含む外部ユニットと、前記情報信号を受け取り、処理するためのプロセッサを備える。
【0007】
本発明は、以下の添付図面に関連した好ましい実施態様の詳細な説明を参照することによってより良好な理解が得られようが、これらは例証のみを目的として提供されているものであって、本発明を限定する意図ではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に従った好ましい一実施態様のブロック図である。
【図2】本発明の好ましい一実施態様に従った内部センサ・デバイス・ユニットの回路図である。
【図3】センサ・デバイス回路内の各種ポイントにおける信号波形を示した波形図である。
【図4】センサ・デバイス回路内の各種ポイントにおける信号波形を示した波形図である。
【図5A】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5B】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5C】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5D】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図5E】データを受け取る外部のユニットによって生成される信号の説明図である。
【図6】本発明に従った埋め込み可能な蛍光発光ベースのセンサの概略断面図である。
【図7】図6に示されている蛍光発光ベースのセンサの導波特性を示した説明図である。
【図8】図6の部分図であり、センサ本体内における内部反射ならびにセンサ/組織界面層の好ましい構成を示した詳細図である。
【図9】本発明の第2の好ましい実施態様に従った内部センサ・デバイス・ユニットの回路図である。
【図10】検出器回路が動作を反復するときの図9のコンパレータの各種端子の電圧レベルを示したタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明に従った埋め込み蛍光センサ処理システムの好ましい一実施態様をブロック図の形式で示している。
【0010】
このシステムは、外部ユニット101および内部ユニット102を備えている。このシステムの応用の一例においては、内部ユニット102が患者の皮下その他の体内に埋め込まれる。内部ユニットは、光学電子回路102bを含んでおり、そのコンポーネントは、図6〜8を参照してより完全な説明を後述する蛍光センシング・デバイスを備えるものとすることができる。光学電子回路102bは、量的測度情報を獲得し、獲得した情報の関数として負荷102cを修正する。一方負荷102cは、外部ユニットのコイル101fに結合されているコイル102dを通る電流量を変化させる。振幅変調(AM)復調器101bが、コイル102dによって誘導された電流の変動をコイル102dと対になったコイル101fにより検出し、検出した信号をプロセッシング回路、たとえばパルス・カウンタ101cおよびコンピュータ・インターフェース101d等に印加し、これらがその信号をコンピュータ101eに入力するためのコンピュータ可読フォーマットに処理する。
【0011】
可変RFオシレータ101aは、コイル101fにRF信号を提供し、一方それは、コイル101fと102dが互いに充分に近接しており、それらのコイル間に充分な誘導結合が得られるとき、コイル102dに電磁エネルギを提供する。RF信号からのエネルギは、内部ユニット102が量的測度を獲得するための動作電力を提供し、それが使用されて負荷102cが変化し、続いてその負荷の変動がコイル101fに提供され、さらにそれが外部ユニットによって検出されて情報にデコードされる。負荷の変動は、コイル101fと102dの間における相互結合を介して内部ユニットから外部ユニットに結合される。ローディングは、内部コイルならびに外部コイルをともに略同一周波数に同調し、かつ適切な構成テクニックを用いて共振回路のQ係数を増加することによって改善することが可能である。これらの相互結合に起因して、一方のコイル内の電流変化が他方のコイル内の電流を誘導する。誘導された電流は、検出され、対応する情報にデコードされる。
【0012】
RFオシレータ101aは、コイル101fをドライブし、それがコイル102d内に電流を誘導する。誘導された電流は整流回路102aによって整流され、光学電子回路102bの電力に使用される。データは、光学電子回路によってパルス列の形式で生成され、その周波数は、前述の米国特許第5,517,313号に記述されているような蛍光センサによって放出された光の輝度の関数として変化する。このパルス列は、整流器出力端子を一時的にグラウンドに短絡する態様で負荷102cを変調する。負荷におけるこの変化は、対応する変化を、内部コイル102dを通る電流内にもたらし、その結果、外部コイル101fを取り囲む磁界に変化がもたらされる。この磁界の変化は、それに比例する変化をコイル101fの端子間電圧にもたらし、振幅変調としてそれを観測することが可能になる。次に示す式は、外部コイル上に見られる電圧を記述している。
【0013】
V=I[Z+((ωM)2)/Zs] (1)
これにおいて、
V=外部コイルの端子間電圧
I=外部コイル内の電流
Z=一次コイルのインピーダンス
ω=周波数(rad/秒)
M=コイル間の相互インダクタンス
Zs=センサ等価回路のインピーダンス
【0014】
式(1)によって示されるように、外部コイルの端子間電圧と内部センサ回路によって与えられるインピーダンスの間には直接的な関係が存在する。インピーダンスZsは、発振信号の振幅および周波数における変化にそれぞれが対応する実数部ならびに虚数部を伴う複素数であるが、この実施態様に従ったシステムは、この相互作用の実数部のみを取り扱う。当業者であれば、両タイプの相互作用が、適切に外部回路を修正することによって検出可能となり、信号対ノイズ比を改善できることを認識するであろう。
【0015】
図2は、本発明に従った内部センサ・デバイスの一実施態様の回路図を示している。コイル102d(L1)は、キャパシタC1、ダイオードD1(整流器102a)、ツェナー・ダイオードD2、およびキャパシタC2とともに、内部ユニット102用の電源を構成する。オシレータ101aによって外部コイル101fに印加されたRF電圧(図1参照)によりコイルL1内に誘導される電流は、L1およびキャパシタC1によって構成されるL−Cタンク内において共振され、ダイオードD1によって整流されて、キャパシタC2によってフィルタリングされる。ツェナー・ダイオードD2は、回路に印加される電圧が最大値、たとえば5ボルトを超えることを防止するために備えられている。当業者であれば周知のとおり、キャパシタC2両端の電圧がツェナー・ダイオードD2の逆方向破壊電圧を超え始めると、ダイオードD2が、その逆方向破壊領域内において導通を開始し、回路の最大許容電圧に関してキャパシタC2が過充電されることを防止する。
【0016】
電圧レギュレータ205は、キャパシタC2から電圧を受け取り、演算増幅器201の非反転入力に対する固定出力電圧Vrefを生成する。この演算増幅器201の出力端子は、フィードバック抵抗R1と直列に接続された発光ダイオード(LED)202に接続されている。演算増幅器201の反転入力端子には、R1の端子間電圧が供給され、それによってLED202を通る電流がVref/R1に調整される(小さいバイアス電流を無視している)。LED202から放出された光は、センサ・デバイス(図示せず)に入射され、当該センサ・デバイスによる、モニタ対象となる特定分析物の量の関数としての発光をもたらす。センサ・デバイスからの光は、感光性抵抗203に当たるが、その抵抗値は、それに入射された光の量の関数として変化する。フォトレジスタ203は、キャパシタC3と直列に接続されており、フォトレジスタとキャパシタC3の接合部は、コンパレータ204の反転入力端子に接続されている。フォトレジスタ203の他端は、導体Vcompを介してコンパレータ204の出力端子に接続される。コンパレータ204の出力は、負荷キャパシタC4、および抵抗回路R2、R3、およびR4にも接続されている。このコンパレータは、R2、R3、およびR4の値によって決定されるスイッチング・ポイントを伴う可変抵抗オシレータを構成する。C3はチャージ−アップ・キャパシタであり、与えられた光レベルに関するオシレータの基本周波数を決定する。この周波数は次式によって与えられる。
【0017】
f=1/(1.38×Rphoto×C3) (2)
Rphoto=R2fc[10−γlog(a/2fc] (3)
これにおいて、
R2fc(=24kΩ)は、2フィート燭における203の抵抗
γ(=0.8)はフォトレジスタの感度
a=フィート燭単位で表した入射光レベル
【0018】
式(3)は、反転して所定の光電性抵抗をもたらす光の輝度を決定することができる;光の輝度は、式(2)を用いて周波数から決定することができる。当然のことながら上記の値は、説明を目的としただけの例として提供されている。この種の値は、個々のフォトレジスタのジオメトリおよび使用されている材料に基づいて決定される。
【0019】
コンパレータ204は、Vtime=V/3、Vcomp=V、かつVtrip=2V/3のとき、ハイ出力に切り替わる。キャパシタC3は、時定数Rphoto×Ctimeを伴って充電を開始する。Vtimeが2V/3に到達すると、コンパレータの状態がロー出力に切り替わり、VcompがVcomp=0に、VtripがVtrip=V/3に変化する。この時点においてC3がRphotoを介して放電する。したがって、50%のデューティ・サイクルが確立され、その周波数は式(2)によって決定される。Rphotoは、入射光の関数として変化し、式(3)によって与えられる。
【0020】
C4は負荷キャパシタであり、コンパレータが状態を切り替えるとC2の端子間電圧の減少をもたらす。C4は、コンパレータ204がハイ出力レベル状態に切り替わるとき、0VからVdcに充電されなければならない。C4を通る電流はC2によって供給され、それがC2の端子間電圧を下げることになる。一方これは、キャパシタC2の充電を開始する整流器102aを通る電流の流れをもたらし、内部コイル102dを含むタンク回路の瞬時負荷を変化させる。この負荷は、式(1)によって与えられるように、外部コイル101fのインピーダンスに反映される。
【0021】
単一パルスに関するこのセンサの動作を図3に示す。チャンネル4は、C2上のDC電圧であり、チャンネル3は、外部コイル101f上の同一のパルスを示しており、AM復調器の出力がチャンネル2に示されている。チャンネル1は、AM復調器の出力をディジタル・カウンタによる処理が可能な矩形波に変換するコンパレータの出力を示している。図4は、2つの完全な動作サイクルを示しており、同一のチャンネルの表示は、回路内の同一のポイントを示す。
【0022】
外部ユニット101は、マイクロプロセッサを使用してパルス・カウンタ101cを具体化している。有効な読み取りが獲得できる充分なデータを受け取ると、プロセッサはRFオシレータをシャット・ダウンする。図5A〜5Eは、測度の読みに関するタイミング図を示している。図5Aは、外部コイルに印加されるRF電圧信号の包絡線を示し;図5Bは、内部電源電圧の波形を示し;図5Cは、LED202の輝度の波形を示し;図5Dは、AM復調器101bの出力を示し;および図5Eはセンサ・ユニットに供給される電力に従った回路動作の状態のタイミングを示す。内部ユニットの電源は、磁界の強度の増加とともに上昇する。電源出力がLEDのスレッショルド電圧にフィードバック電圧を加えた電圧と交差すると、LEDがオンになる。AM復調器の出力は、測度データおよびIDコードの形式のディジタル・データならびに内部ユニットが埋め込まれている患者に固有のそのほかのパラメータを含んでいる。このデータは、ディジタル識別およびパラメータ・ストレージ回路(図示せず)を伴った光学電子出力の時分割多重を通じてRF電圧信号にエンコードされる。このディジタル回路は、RF電圧を使用して適切なクロック信号を生成する。
【0023】
内部ストレージ回路は、IDコードならびに較正定数等のパラメータ値をストアすることができる。この情報は、それぞれの読みまたは量的測度とともに返される。信号は、測定シーケンス内のあらかじめ定義済みのポイントにおいてアナログ・パルス列のローディングからディジタル的にコントロールされたローディングに切り替えることによって記録される。このポイントは、出力データ・ストリーム内においてあらかじめ定義済みビット同期パターンを検出することによって、外部ユニット内において検出される。ID番号は、特定の患者の識別に使用され、2ないしはそれを超える数の患者が外部ユニットの近傍にいる場合のデータへの悪影響を防止する。較正係数は、測度情報に適用されて臨床単位での分析物のレベルが獲得される。
【0024】
本発明の一側面に従った、蛍光性指示体分子の蛍光発光を基礎とするセンサ10を図6に示す。センサ10は、センサ本体12;センサ本体12の外側表面上にコーティングされる、蛍光性指示体分子16が全体に分布したマトリクス層14;指示体分子と相互作用する波長にわたる、あるいはその波長の範囲にわたる放射エネルギ、すなわち蛍光発光ベースのセンサの場合であれば、指示体分子16の蛍光発光を生じさせる波長もしくはその波長の範囲内の波長の放射エネルギを含む放射エネルギを放出する放射源18、たとえばLED;および感光性エレメント20、たとえば光学検出器、すなわち蛍光発光ベースのセンサの場合であれば、指示体分子16によって放出された蛍光に感応し、それに応答して、指示体分子の蛍光発光のレベルを示す信号を生成するエレメントを含んで構成される。センサ10はさらに、電子回路を収めたモジュールまたはハウジング66、温度の読みを提供するための温度センサ64を備える。もっとも単純な実施態様においては、指示体分子16がセンサ本体の表面上に単純にコーティングされる。しかしながら好ましい実施態様においては、指示体分子が、生物学的適合性のある高分子マトリクスで構成されるマトリクス層14内に含められ、それがこの分野において周知の方法によって準備され、センサ本体の表面上にコーティングされる。適切な生物学的適合性のあるマトリクス材料は、分析物にとって浸透可能でなければならず、それにはメタクリレートおよびヒドロゲルが含まれ、これらは好都合にも分析物にとって選択的に浸透可能に作ることができる。
【0025】
センサ本体12は、適切な、光学的に透過性のある高分子材料から好適に形成され、当該材料はセンサが使用されることになる媒体と充分に異なる屈折率を有し、その結果、当該高分子が光学的導波体として作用することになる。好ましい材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシプロピルメタクリレートおよびその類似物等のアクリル高分子、およびLexan(登録商標)(レキサン)の商標の下に販売されている類のポリカーボネートが挙げられる。この材料は、放射源18によって生成された放射エネルギ(たとえば、放射源をLEDとする実施態様においては適切な波長の光)、および蛍光発光ベースの実施態様の場合には指示体分子によって放出された蛍光の透過を可能にする。放射源またはLED18は、図2に示されているLED202に対応する。
【0026】
図7に示されているように、放射エネルギ(たとえば光)が放射源18によって放出され、この放射エネルギの少なくとも一部が、最初にセンサ本体12の表面、たとえばロケーション22において内側に反射され、その態様に従ってセンサ本体12の内側を前後左右に「跳ね返る」。
【0027】
センサ本体とそれを取り囲む媒体の界面から反射された光は、表面上にコーティングされた指示体分子(その上に直接コーティングされているか、あるいはマトリクス内に含まれているかによらない)との相互作用が可能であること、たとえばその表面にコーティングされた蛍光性指示体分子内の蛍光発光の励起が可能であることがわかっている。それに加えて、界面に当たる角度(界面に垂直な方向を基準に測定する)が小さすぎて反射しない光も、界面を通過して蛍光性指示体分子内の蛍光発光を励起する。光(もしくはそのほかの放射エネルギ)と界面ならびに指示体分子の間における相互作用のそのほかのモードもまた、センサの構成ならびにそれに関する応用に応じて有用であることが明らかになっている。この種の別のモードには、一過性の励起および表面プラズマ共振タイプの励起が含まれる。
【0028】
図8によって例証されるように、蛍光性指示体分子16によって放出される光の少なくとも一部は、直接、もしくは領域30として示されているマトリクス層14の(センサ本体12に関して)最外側表面によって反射された後に、センサ本体12内に入る。この種の蛍光28は、その後、放射源18によって放出された放射エネルギの場合と非常によく似た態様でセンサ本体12内の全体にわたって反射され、放射源によって放出された放射エネルギと同様に、その一部は、センサ本体とそれを取り囲む媒体の間の界面に当たる角度が小さすぎて反射しないために再びセンサ本体の外に出る。
【0029】
さらに図6を参照すると、センサ10は、センサ本体12の両側の、センサ本体の外側表面とマトリクス層14の間に反射コーティング32も備え、蛍光性指示体分子によって放出された放射エネルギおよび/または光の内部反射を最大化もしくは強化できることが示されている。この反射コーティングは、たとえばペイントもしくは金属化材料から形成することができる。
【0030】
好ましくは光学検出器20の感光性表面に、感光性材料から製造される光学フィルタ34を備える。光学検出器20は、図2に示されている光学検出器203に対応する。フィルタ34は、この分野において周知のとおり、放射源18によって生成された放射エネルギが感光性エレメント20の感光性表面に衝突することを防止するか、実質的にその量を抑える。同時にこのフィルタは、蛍光性指示体分子によって放出された蛍光がそれを通過して、検出器の感光性領域に当たることを可能にする。これは、放射源18からの入射エネルギに帰すことのできる光学検出器信号内の「ノイズ」を大幅に低減する。
【0031】
本発明の一側面に従ったセンサ10は、特に人体内の各種生物学的分析物、たとえばグルコース、酸素、毒素、医薬もしくはそのほかの薬物、ホルモン、およびその他の代謝分析物の測定に関連して開発されたが、それが適している唯一の応用であるという意味ではまったくない。マトリクス層14ならびに指示体分子16の特定の組成は、このセンサが使用されて検出される個々の分析物、および/または分析物の検出にこのセンサが使用される部位(つまり、血液中または皮下組織内)によって異なることがある。しかしながら、2つの不変要件は、マトリクス層14が分析物に対する指示体分子の暴露を促進すること、および指示体分子の光学特性(たとえば、蛍光性指示体分子の蛍光発光レベル)が、指示体分子がさらされる特定の分析物の濃度の関数となることである。
【0032】
人体内の自然位での使用を容易にするためにセンサ10は、好ましくは滑らかな長円もしくは丸みを帯びた形状に形成される。好適には、近似的に豆もしくは医薬用ゼラチン・カプセルの形状ならびにサイズを有するもの、すなわち長さLを約300〜500ミクロンから約0.5インチ台まで、太さDを約300ミクロンから約0.3インチ台までとし、全体的になめらかでありかつ丸みのある表面を有するものとする。当然のことながら、使用材料に応じて、またデバイスに意図される用途に応じて、より大きい、もしくはより小さいデバイスとすることができる。この構成は、センサによる基本的な身体機能への干渉または過剰な痛みもしくは不快感をもたらすことなく、センサ10を人体内に埋め込むこと、つまり皮膚に、あるいは下部組織内(器官もしくは血管を含む)に埋め込むことを可能にする。
【0033】
さらに、人(もしくはほかの動物の)体内に配置されるインプラントが、「生物学的適合性のある」材料からなるインプラントであったとしても、単にインプラントが刺激を与えるという事実によってそのインプラントが挿入される生物体内に何らかの「異物反応」が生じることは認識されよう。人体内に埋め込まれるセンサ10の場合においては、「異物反応」が繊維皮膜、すなわち瘢痕組織の形成となることがもっとも頻繁である。グルコースは、本発明に従ったセンサが使用されて検出されることが期待される主要な分析物であるが、その種の繊維皮膜によって伝播もしくは移動のレートが妨げられることがある。非常に小さい分子酸素(O2)でさえも、その種の繊維皮膜によって伝播もしくは移動のレートが妨げられることがある。これは、単に、繊維皮膜(瘢痕組織)を形成する細胞が、極めて密な性質を有し、あるいは正常組織と異なる代謝特性を有することによる。
【0034】
指示体分子を生物学的分析物にさらすことにおけるこの潜在的な障害またはその遅延を克服するために、2つの基本的なアプローチが企図されている。おそらくはもっとも単純なアプローチとなる一方のアプローチによれば、センサ/組織界面層、すなわちセンサ本体の表面上において指示体分子が直接的に固定されるときはセンサ本体12の表面および/または指示体分子自体の上を覆う層、もしくは指示体分子がマトリクス層14内に包含されるときはその表面を覆う層が、繊維皮膜の形成をほとんど生じないか、あるいは許容可能なレベルでそれを生じる材料を用いて用意される。この特性を有するとして文献に述べられているその種の材料の2つの例として、ケネディ(Kennedy)著,「Tailoring Polymers for Biological Uses(生物学的使用のための高分子の調整)」Chemtech(ケムテック),1994年2月,p.24−31に記述されているように、W.L.Gore(W.L.ゴア)から入手可能なPrecludeTM Periocardial Membrane(プレクルード(商標)ペリオカーディアル・メンブレーン)および親水性物質と共有結合されたポリイソブチレンが挙げられる。
【0035】
上記に代えて、専用の生物学的適合性を有する数層の材料から構成されるセンサ/組織界面層をセンサの上に備えることもできる。図8に示されているように、たとえばセンサ/組織界面層36が、3つの部分層36a、36b、および36cを含むものとすることができる。部分層36aは、組織の内側への伸びを促進する層であり、好ましくは、その上に繊維形成細胞39(瘢痕組織)の蓄積がある場合においても毛細血管37の侵入を許容する生物学的適合性材料から作られる。長年にわたって使用されているGore−Tex(登録商標)(ゴアテックス)人工血管材料(ePTFE)、Dacron(登録商標)(ダクロン)(PET)人工血管材料、および高密度ポリエチレンから製造されるMEDPOR Biomaterial(メドポア・バイオマテリアル)(POREX Surgical Inc.(ポーレックス・サージカル・インク)から入手可能)は、基本的な組成、ポア・サイズ、およびポアのアーキテクチャが、内向き組織成長層への組織ならびに脈管の内側への伸びを促進する材料の例である。
【0036】
これに対して部分層36bは、好ましくは内向き組織成長部分層36aのポア・サイズよりはるかに小さいポア・サイズ(5マイクロメートル未満)を伴う生物学的適合性のある層であり、組織の内側への伸びを妨げる。部分層36bを作ることが可能な現在のところ好ましいとされる材料は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から構成されるW.L.Gore,Inc.(W.L.ゴア・インク)から入手可能なPreclude Periocardial Membrane(プレクルード・ペリオカーディアル・メンブレーン)(以前のGORE−TEX Surgical Membrane(ゴアテックス・サージカル・メンブレーン))である。
【0037】
第3の部分層36cは、分子篩として作用して分子量カット−オフ機能を提供し、免疫グロブリン、タンパク、および糖タンパク等の分子を排除する一方、1ないしは複数の注目分析物がそれを通過して指示体分子(センサ本体12上に直接コーティングされるか、マトリクス層14内に固定される)に到達することを可能にする。多くの周知のセルロース−タイプの、たとえば腎臓透析濾過カートリッジに使用されている種類の膜を分子量カット−オフ層36cに使用することができる。
【0038】
ここで認識されることになろうが、図6に示されているようなセンサは、完全自給式であり、センサ本体の内に入り、あるいはそこから外に延びてセンサに電力を供給するため(たとえば放射源18をドライブするため)、あるいはセンサから信号を送信するための電気リードがまったく存在しない。図2に示されているすべてのエレクトロニクスは、図6に示されているように、モジュール66内に収容することができる。
【0039】
第2の好ましい実施態様を図9に示すが、それにおいては2つの検出器が使用されており、それぞれは信号チャンネル検出器901および基準チャンネル検出器902である。図2に示されているように、第1の実施態様においては、単一の検出器203が使用されて蛍光性指示体センサ・デバイスからの放射エネルギが検出される。そのシステムは良好に機能するが、各種の擾乱がシステムに発生し、それが最初に較正されたとおりのセンサ出力の精度に影響を及ぼす可能性がある。
【0040】
その種の擾乱の例として:センサの構成に固有のコンポーネントの動作における変化もしくはドリフト;センサ外部の環境条件;あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。中でも:センサ放射源の経年変化;感光性エレメントの性能もしくは感度に影響する変化;指示体分子の劣化;センサ本体、指示体マトリクス層等の放射エネルギ透過率における変化;およびほかのセンサ・コンポーネントにおける変化;などによって内部変化が招かれることもある。別の例においては、光学基準チャンネルを使用して、分析物の存在もしくは濃度と無関係な指示体分子の光学的特性ないしは見かけ上の光学的特性に影響を与え得る環境要因(たとえばセンサ外部の要因)を補償し、あるいは矯正することができる。これに関し、外部要因の例としては、とりわけ:温度レベル;pHレベル;周囲光の存在;センサが適用される媒体の反射率もしくは濁り;などが挙げられる。基準チャンネルを使用すれば、センサの動作条件におけるその種の変動を補償することができる。基準チャンネルは、信号チャンネルとすべての側面において同じであるが、基準チャンネルは、測定される分析物に反応しない点が異なる。
【0041】
光学測定における基準チャンネルの使用は、概してこの分野において周知である。たとえば、参照によりその全開示内容をこれに援用している米国特許第3,612,866号は、基準チャンネルが測定チャンネルと同一の指示体化学物質を含むが、基準チャンネルには酸素に対して不浸透性とするバーニッシュによるコーティングが施される蛍光酸素センサを開示している。
【0042】
参照によりその全開示内容をこれに援用している米国特許第4,861,727号および第5,190,729号は、2つの異なる波長で放射する2つの異なるランタニド−ベースの指示体化学物質、酸素によって消光されるテルビウム−ベースの指示体、および概略で酸素に影響されないユーロピウム−ベースの指示体を使用する酸素センサを開示している。参照によりその全開示内容もこれに援用している米国特許第5,094,959号は、単一の指示体分子が特定の波長において照射され、その分子によって放出された蛍光が、酸素に対して2つの異なる感度を有する2つの異なる放射スペクトルにわたって測定される酸素センサを開示している。より厳密に言えば、酸素に対する感度の低い放射スペクトルが、2つの放射強度の比に対する基準として使用される。さらに参照によりその全開示内容もこれに援用している米国特許第5,462,880号および米国特許第5,728,422号は、酸素によって実質的な影響を受けず、指示体分子に類似の光分解比を有する基準分子を使用する比測定蛍光酸素検出方法を開示している。それらに加えて、参照によりその全開示内容をこれに援用しているミュラー,B(Muller,B)ほか著,「ANALYST(アナリスト)」第121巻,1996年3月,p.339−343は、溶解CO2用の蛍光センサを開示しており、それにおいては青色LED光源が光ファイバ・カプラを介して指示体チャンネルとLED光の輝度における変化を検出する分離された基準光学検出器に指向されている。
【0043】
さらに、参照によりその全開示内容をこれに援用している米国特許第4,580,059号は、励起光源の輝度における変化を測定するための基準光測定セルを含む蛍光発光ベースのセンサを開示しており、たとえば当該特許文献の第10コラム第1行以下を参照されたい。
【0044】
図9に示されているように、信号チャンネルおよび基準チャンネル検出器は、背合せのフォトダイオード901および902である。ここにはフォトダイオードが図示されているが、たとえばフォトレジスタ、フォトトランジスタ等といった多くのほかのタイプの光学検出器も使用可能である。LED903は、図2の光源202に対応する。動作においては、コンパレータ904が、抵抗905、906、および907によってバイアスされたとおりに電源電圧Vssの1/3および2/3においてトリガされるべくセットされる。コンパレータ904のトリガ電圧は、抵抗の値を変更することによって所望に応じて修正可能である。キャパシタC2は、タイミング・エレメントであり、その値は信号ならびに基準チャンネルの大きさに関して調整される。各フォトダイオードを通る電流は、それに入る入射光の輝度またはエネルギの関数であり、式I=RPによって表される。それにおいて、
I=電流
R=応答度(アンペア/ワット)
P=ワットを単位とする光のエネルギ
【0045】
蛍光発光の実施態様においては、フォトダイオード検出器に当たる入射光のエネルギが分析物の濃度とともに変化する。
【0046】
図10は、コンパレータ904の端子904a、904b、および904cの電圧レベルを示したタイミング図である。サイクルの開始時においては、出力端子904cの電圧レベルがグラウンド(ロー出力状態)であり、キャパシタC2の電圧レベル(入力端子904bの電圧レベルに対応する)がVss・2/3であり、入力端子904aの電圧レベルがVss・1/3である。この時点においては、フォトダイオード901が順方向バイアスされており、フォトダイオード902が逆方向バイアスされている。順方向バイアスされたフォトダイオード901の端子間電圧降下は、単純にそのスレッショルド値になるが、逆方向バイアスされたフォトダイオード902は、それに当たる入射光に比例する電流の流れを示す。この電流は、図10に示されているように、キャパシタC2を、それがVss・1/3の電圧レベルに達するまでdV/dt=I902/C2のレートで放電する。フォトダイオード電流に関する上記の式を挿入すると、式dV/dt=RP/C2が得られる。Pについてこれを解くと、P=(dV×C2)/(dt×R)となる。それにおいて、
dV=コンパレータのトリガ・ポイント間の差(この例ではVss・1/3)
C2=ファラッドを単位とするキャパシタC2の値
dt=充電または放電の時間(外部ユニットにより測定)
R=光検出器の応答度(アンペア/ワット)
【0047】
その時点においてコンパレータ904が、出力端子904c上をハイ出力状態Vssに切り替える。それによりトリガ・ポイント(入力端子904a)がVss・2/3になり、フォトダイオード901および902の極性が反転する。つまりこの時点において、フォトダイオード901が逆方向バイアスになり、フォトダイオード902が順方向バイアスになる。
【0048】
この状態のフォトダイオード901は、キャパシタC2の充電をコントロールし、dV/dt=I901/C2のレートで、キャパシタC2の電圧がVss・2/3となるまでそれが行われる。キャパシタC2の端子間電圧がVss・2/3に到達すると、コンパレータ904の出力が再びロー出力状態に切り替わる。システムへの電力供給が続く限り、かつフォトダイオード上に入射光が存在する限り、図10に示されているようにこのサイクルが反復される。
【0049】
フォトダイオード検出器901および902のそれぞれに対する入射光の輝度が等しい場合には、コンパレータの出力のデューティ・サイクルが50%になる。各フォトダイオード検出器に対する入射光の輝度が等しくない場合には、キャパシタの充電電流とキャパシタの放電電流に差が生じることになる。これが図10に示されているケースであり、キャパシタの充電電流がキャパシタの放電電流より大きい。同一のキャパシタが充電され、かつ放電されることから、充電時間と放電時間の差は、2つのフォトダイオード検出器に対する入射光レベルの間の差のみの関数となる。つまり、コンパレータ904によって生成される矩形波のデューティ・サイクルは、信号チャンネル・フォトダイオード上の入射光と、基準チャンネル・フォトダイオード上の入射光の間における変化を表すことになる。分析物の濃度の決定においてコンパレータからの矩形波のデューティ・サイクルにおける変化を処理するための適切なアルゴリズムは、この分野に一般的に知られており(前述した先行技術情報を参照されたい)、それ以上のことをここでは説明しない。
【0050】
矩形波が設定された後は、それを外部ユニットに送信する必要がある。これは内部コイル908にローディングし、続いて当該内部コイルと誘導結合された外部コイル上の負荷における変化を検出することによってなされる。このローディングは、コンパレータ904の出力端子904cに接続されている抵抗910によって提供される。コンパレータがハイ出力状態のときは、電圧レギュレータ909から追加の電流Vss/R910が引き出される。コンパレータがロー出力状態のときは、この追加の電流が存在しない。その結果、抵抗910が負荷として作用し、それが分析物の濃度ならびに基準チャンネルの出力によって決定されるレートで回路内に入り、かつその外に出る。抵抗910を通る電流が、コイル908を含む内部の同調済みタンク回路によって提供されることから、この抵抗負荷の切り替えは、内部コイル908を含むタンク上の負荷も切り替える。負荷の切り替えにより生じるタンクのインピーダンスの変化は、前述のように、誘導結合された外部コイル上の負荷における対応する変化によって検出される。電圧レギュレータ909は、磁界内のコイルの配置によってもたらされる効果を除去する。LED903は、指示体分子センサ用の励起光を放出する。LED903用の電力は、電圧レギュレータによって提供される。分析物の測度を読み取る間にわたってLEDの輝度を一定に保つことは重要である。電圧レギュレータの出力のレギュレーションの後は、LEDの輝度が一定になる。この電圧レギュレータのステップ・リカバリ時間は非常に高速であり、ローディング状態の間の遷移は、外部回路における弁別ならびにAC結合を可能にする充分な迅速さを有する。
【0051】
ここで認識されようが、図6〜8に示した蛍光発光ベースのセンサの実施態様は、開示した本発明を適用することが可能な例にすぎない。本発明は、たとえば参照によりこれに援用されている米国特許出願第09/383,148号(1999年8月28日出願)に記述されているような吸光度ベースのセンサまたは屈折率ベースのセンサといったほかの多数の応用に適用することも可能である。
【0052】
以上、本発明を説明してきたが、当業者にとっては明らかなように、本発明の精神ならびに特許請求の範囲から逸脱することなく多くの方法でそれを変形することが可能である。たとえば、本発明はアナログ回路を参照して説明されているが、本発明の原理を、適切にプログラムされたディジタル信号プロセッサの使用を介して等しく実施することができる。その種の一切の修正は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0053】
101 外部ユニット、102 内部ユニット、102b 光学電子回路、102c 負荷、102d コイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデバイスから情報を回収するための装置であって、
量的な分析物の測度を獲得するための内部センサ・ユニットであり、前記センサ・ユニットのための電源の一部を構成する第1のコイル、前記第1のコイルに結合される負荷、および前記負荷を修正するためのセンサ回路であってそれによって獲得されたセンサ測度情報に従って前記負荷を修正するためのセンサ回路を含む内部センサ・ユニットと、
第2のコイルであってそれが前記第1のコイルから所定の近接距離内に配置されているときに前記第1のコイルと相互誘導結合される第2のコイル、前記第2のコイルをドライブして前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータ、および前記内部センサ・ユニット内の前記負荷に対する変化によって誘導される前記第2のコイル上の負荷における変動を検出するため、ならびに前記負荷の変化に対応する情報信号を提供するための検出器を含む外部ユニットと、
前記情報信号を受け取り、処理するためのプロセッサと、
を備える装置。
【請求項2】
前記センサ回路が、前記分析物のレベルに比例する放射エネルギを放出する指示体エレメントを備える請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記負荷が、前記指示体エレメントからの放射エネルギを受け取る感光性抵抗である請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記センサ回路が、さらに放射エネルギの放出を誘発する電磁放射エネルギを放出するための放射源を備える請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記指示体エレメントが、前記分析物のレベルに比例する蛍光放射エネルギを放出する請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記負荷が、前記指示体エレメントからの蛍光放射エネルギを受け取る感光性抵抗を備える請求項3記載の装置。
【請求項7】
前記電磁放射エネルギを放出するための放射源が、蛍光放射エネルギの放出を誘発する請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記内部ユニットが、哺乳類の体内に埋め込み可能である請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記電源が、さらに前記充電電流によって充電される充電キャパシタを含む請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記外部ユニットの前記検出器が、前記負荷内の変化によって生じた電圧波形の振幅における変化を検出するための振幅変調(AM)復調器を含み、前記電圧波形が、前記第1のコイルを介して前記第2のコイル内に誘導的に反映される請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記外部ユニットが、さらに波形の振幅内における前記検出された変化をコンピュータ可読形式への変換に適したパルスに変換するためのパルスカウンタを含む請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、コンピュータを含む請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記内部ユニットは、哺乳類の体内に経口摂取可能である請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記内部ユニットは、魚類の体内に埋め込み可能である請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記内部ユニットは、植物の体内に埋め込み可能である請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記センサ回路が、前記分析物のレベルに比例する放射エネルギを吸収する指示体エレメントを備える請求項1記載の装置。
【請求項17】
センサデバイスから情報を回収するための装置であって、
量的な分析物の測度を獲得するための内部センサ・ユニットであり、前記センサ・ユニットのための電源の一部を構成する第1のコイル、前記第1のコイルに結合される負荷、および前記負荷を修正するためのセンサ回路であってそれによって獲得されたセンサ測度情報に従って前記負荷を修正するためのセンサ回路を含むものとし、かつ前記センサ回路が分析物測度情報に反応する信号チャンネル検出器、および基準測度情報に反応する基準チャンネル検出器を含み、前記信号チャンネル検出器ならびに前記基準チャンネル検出器の出力が、前記負荷を修正するために前記センサ測度情報内において結合されるものとする内部センサ・ユニットと、
第2のコイルであってそれが前記第1のコイルから所定の近接距離内に配置されているときに前記第1のコイルと相互誘導結合される第2のコイル、前記第2のコイルをドライブして前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータ、および前記内部センサ・ユニット内の前記負荷に対する変化によって誘導される前記第2のコイル上の負荷における変動を検出するため、ならびに前記負荷の変化に対応する情報信号を提供するための検出器を含む外部ユニットと、
前記情報信号を受け取り、処理するためのプロセッサと、
を備える装置。
【請求項18】
前記信号チャンネル検出器ならびに基準チャンネル検出器がフォトダイオードである請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記信号チャンネル検出器のフォトダイオードと前記基準チャンネル検出器のフォトダイオードが、そのカソード同士が接続されている請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記信号チャンネル検出器および前記基準チャンネル検出器の一方が、前記負荷の修正の正の遷移時間を決定可能な出力を生成し、その他方が、前記負荷の修正の負の遷移時間を決定可能な出力を生成し、その結果、正の負荷の持続時間と負の負荷の持続時間の間における時間の差が、分析物の濃度をはじめ、前記基準チャンネル検出器の出力と前記信号チャンネル検出器の出力の間における差を表す請求項17記載の装置。
【請求項21】
前記負荷が、フォトダイオード、コンパレータ、および抵抗を備え、それらが互いに機能的に結合されて分析物の濃度の関数として変化する負荷を提供する請求項2記載の装置。
【請求項22】
センサシステムであって、
第1コイルと、
前記第1コイルに接続される電圧レギュレータと、
前記第1コイル及び前記電圧レギュレータに接続される負荷と、
前記電圧レギュレータと前記負荷に接続され、センサ測度情報に基づき負荷を変化させるセンサ回路であって、
分析物の存在または濃度を検出する信号チャンネル検出器と、
前記分析物に応答しない基準チャンネル検出器と、
前記負荷に接続され、前記信号及び基準チャンネル検出器により供給されるセンサ測度情報に基づき変化する出力電圧レベルを有する比較器であって、複数の所定電圧レベルにおいてトリガするための複数の抵抗器によりバイアスされる比較器と、
を含むセンサ回路と、
を含む内部ユニットと、
外部ユニットであって、
第2コイルと、
前記第2コイルに接続され、前記第2コイルが前記第1コイルに誘導的に結合されるときに前記第1コイルに充電電流を生じさせるオシレータと、
前記第2コイルに接続され、第2コイルが前記第1コイルに誘導的に結合されるときに前記負荷における変化を検出する検出器と、
を含む外部ユニットと、
を備えるセンサシステム。
【請求項23】
前記複数の所定電圧レベルは、低コンパレータ出力電圧レベルに関連する第1所定電圧レベルと、高コンパレータ出力電圧レベルに関連する第2所定電圧レベルを含む請求項22記載のセンサシステム。
【請求項24】
前記低コンパレータ出力電圧レベルは、前記負荷を低レベルに変化させ、前記高コンパレータ出力レベルは、前記負荷を高レベルに変化させる請求項23記載のセンサシステム。
【請求項25】
前記センサ回路は、光源を含み、前記信号及び基準チャンネル検出器は、背中合わせに配置されるフォトダイオードである請求項22記載のセンサシステム。
【請求項26】
前記負荷は、抵抗器であり、前記センサ回路は、前記フォトダイオードとコンパレータに接続され、前記コンパレータへの入力電圧レベルの一つを制御するキャパシタを含む請求項25のセンサシステム。
【請求項27】
前記フォトダイオードは、前記キャパシタの充電及び放電周波数を制御する請求項26記載のセンサシステム。
【請求項28】
前記コンパレータの出力は、前記フォトダイオードのそれぞれの入射光強度に依存するデューティサイクル及び/又は周波数を有する矩形波である請求項27記載のセンサシステム。
【請求項29】
前記検出器は、負荷に対する変化をエンコードするための、振幅変調復調器及びパルスカウンタを含む請求項28記載のセンサシステム。
【請求項30】
(a)回路を有する内部センサ・ユニットと、(b)外部センサ・ユニットとを備えるシステムにおいて、分析物の濃度を決定するための方法であって、
前記内部センサ・ユニットに電力を供給するために前記外部センサ・ユニットを使用するステップと、
前記外部センサ・ユニットが前記内部センサに電力を供給している間に、
分析物の濃度を決定し得る情報を前記外部センサ・ユニットに伝達するステップであり、前記分析物の濃度の関数として前記回路のインピーダンスを変化させるステップを含み、前記回路のインピーダンス変化は前記外部センサ・ユニットの電圧に変化を生じさせるステップと、
電圧測定値を取得するステップと、
前記電圧測定値から情報を生成するステップであって、前記情報は前記分析物の濃度を検出し得る情報を含むステップと、
を備える方法。
【請求項31】
前記伝達するステップは、前記分析物の濃度の関数として前記回路のインピーダンスを本質的に変化させるステップである請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記伝達するステップは、前記分析物の濃度の関数として前記回路のインピーダンスを変化させるステップである請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記伝達するステップは、前記分析物の濃度の関数として前記回路の抵抗を変化させるステップである請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記内部センサ・ユニットは、前記分析物の存在または濃度を検出する信号チャンネル検出器と、前記分析物に応答しない基準チャンネル検出器とを備え、前記外部センサ・ユニットに伝達される情報は、前記信号検出器の出力及び前記基準チャンネル検出器の出力の関数である情報を含む請求項30記載の方法。
【請求項35】
デューティサイクルを有する信号を生成するステップをさらに含み、前記信号のデューティサイクルは信号チャネル検出器の出力及び基準チャンネル検出器の出力の関数である請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記信号を使用して前記回路のインピーダンスを変化させるステップを含む請求項35記載の方法。
【請求項37】
センサシステムであって、
内部ユニットであって、
第1のコイルとキャパシタとを含むタンク回路と、
前記タンク回路に接続された光学電子回路であって、(1)量的な測度情報を獲得し、(2)前記タンク回路に接続された回路のインピーダンスを、前記獲得された量的な測度情報の関数として変化させるよう構成された光学電子回路と、
を含む内部ユニットと、
外部ユニットであって、
第2のコイルと、
該第2のコイルに接続されるオシレータと、
前記第2のコイルに接続される検出器であって、前記第2のコイルが前記第1コイルに誘導的に接続される場合に前記インピーダンスにおける変化を検出する検出器と、
を含む外部ユニットと、
を備えるセンサシステム。
【請求項38】
前記光学電子回路は、光源と、信号チャンネル光学検出器と、基準チャンネル光学検出器とを含み、前記第1及び第2の光学検出器は背中合わせに配置される請求項37記載のセンサシステム。
【請求項39】
前記光学電子回路はさらにコンパレータを含み、該コンパレータの入力端子が前記光学検出器のうち1つの光学検出器の端子に接続される請求項38記載のセンサシステム。
【請求項40】
前記光学電子回路は、前記信号チャンネル光学検出器への入射光と前記基準チャンネル光学検出器に対する入射光との変化を表すデューティサイクルを有する信号を出力するよう構成される請求項39記載のセンサシステム。
【請求項41】
前記コンパレータの出力端子と前記第1のコイルの端子との間に抵抗が電気的に接続される請求項40記載のセンサシステム。
【請求項42】
内部センサ・ユニットであって、
外部ユニットにより供給されるエネルギを吸収するよう構成されたコイルと、
前記コイルに接続された光学電子回路であって、
第1の光学検出器及び第2の光学検出器と、
前記光学検出器のうちの1光学検出器の端子に接続された入力端子を有するコンパレータと、
前記コンパレータの出力端子と前記コイルの端子とのあいだに接続された抵抗と、
放射源と、
を含む、光学電子回路と、
を備え、
前記光学電子回路は、前記信号チャンネル光学検出器への入射光と前記基準チャンネル光学検出器に対する入射光との変化を表すデューティサイクルを有する信号を生成することにより、前記外部ユニットに情報を伝達するように構成され、
前記光学電子回路は、前記コイルの負荷が前記信号の関数であるように構成される内部センサ・ユニット。
【請求項43】
前記抵抗は、前記信号に基づき、前記コイルを含む回路の内外に切り替えられる負荷として機能する、請求項42記載の内部センサ・ユニット。
【請求項44】
前記光学電子回路が、さらに、
第1の端子と第2の端子と有する第1のバイアス抵抗であって、該第1の端子が前記コンパレータの出力端子に接続される第1のバイアス抵抗と、
第1の端子と第2の端子と有する第2のバイアス抵抗であって、該第1の端子が前記第1のバイアス抵抗の第2の端子に接続される第2のバイアス抵抗と、
第1の端子と第2の端子と有する第3のバイアス抵抗であって、該第1の端子が前記第1のバイアス抵抗の第2の端子に接続される第3のバイアス抵抗と、
第1の端子と第2の端子と有するキャパシタであって、該第1の端子が前記コンパレータの入力に接続され、該第2の端子が第2のバイアス抵抗の第2の端子に接続されるキャパシタと、
を含む請求項42記載の内部センサ・ユニット。
【請求項45】
分析物のレベルに比例する放射線を放出する指示体エレメントをさらに有する請求項42記載の内部センサ・ユニット。
【請求項46】
前記放射源は前記指示体エレメントを照射する、請求項45記載の内部センサ・ユニット。
【請求項47】
請求項42記載の内部センサ・ユニットを含み、さらに該内部センサ・ユニットにエネルギを供給するための外部ユニットを備えるセンサシステム。
【請求項48】
前記外部ユニットが、
第2のコイルであって、該第2のコイルが前記第1のコイルから所定の近接距離内に配置されると前記第1コイルと相互誘導結合される第2のコイルと、前記第2のコイルを駆動して前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータと、前記内部センサ・ユニットにより吸収されたエネルギにおける変動を検出し、かつ前記エネルギ吸収の変動に対応する情報信号を提供する検出器とを含む請求項47記載のセンサシステム。
【請求項1】
センサデバイスから情報を回収するための装置であって、
量的な分析物の測度を獲得するための内部センサ・ユニットであり、前記センサ・ユニットのための電源の一部を構成する第1のコイル、前記第1のコイルに結合される負荷、および前記負荷を修正するためのセンサ回路であってそれによって獲得されたセンサ測度情報に従って前記負荷を修正するためのセンサ回路を含む内部センサ・ユニットと、
第2のコイルであってそれが前記第1のコイルから所定の近接距離内に配置されているときに前記第1のコイルと相互誘導結合される第2のコイル、前記第2のコイルをドライブして前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータ、および前記内部センサ・ユニット内の前記負荷に対する変化によって誘導される前記第2のコイル上の負荷における変動を検出するため、ならびに前記負荷の変化に対応する情報信号を提供するための検出器を含む外部ユニットと、
前記情報信号を受け取り、処理するためのプロセッサと、
を備える装置。
【請求項2】
前記センサ回路が、前記分析物のレベルに比例する放射エネルギを放出する指示体エレメントを備える請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記負荷が、前記指示体エレメントからの放射エネルギを受け取る感光性抵抗である請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記センサ回路が、さらに放射エネルギの放出を誘発する電磁放射エネルギを放出するための放射源を備える請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記指示体エレメントが、前記分析物のレベルに比例する蛍光放射エネルギを放出する請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記負荷が、前記指示体エレメントからの蛍光放射エネルギを受け取る感光性抵抗を備える請求項3記載の装置。
【請求項7】
前記電磁放射エネルギを放出するための放射源が、蛍光放射エネルギの放出を誘発する請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記内部ユニットが、哺乳類の体内に埋め込み可能である請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記電源が、さらに前記充電電流によって充電される充電キャパシタを含む請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記外部ユニットの前記検出器が、前記負荷内の変化によって生じた電圧波形の振幅における変化を検出するための振幅変調(AM)復調器を含み、前記電圧波形が、前記第1のコイルを介して前記第2のコイル内に誘導的に反映される請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記外部ユニットが、さらに波形の振幅内における前記検出された変化をコンピュータ可読形式への変換に適したパルスに変換するためのパルスカウンタを含む請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、コンピュータを含む請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記内部ユニットは、哺乳類の体内に経口摂取可能である請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記内部ユニットは、魚類の体内に埋め込み可能である請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記内部ユニットは、植物の体内に埋め込み可能である請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記センサ回路が、前記分析物のレベルに比例する放射エネルギを吸収する指示体エレメントを備える請求項1記載の装置。
【請求項17】
センサデバイスから情報を回収するための装置であって、
量的な分析物の測度を獲得するための内部センサ・ユニットであり、前記センサ・ユニットのための電源の一部を構成する第1のコイル、前記第1のコイルに結合される負荷、および前記負荷を修正するためのセンサ回路であってそれによって獲得されたセンサ測度情報に従って前記負荷を修正するためのセンサ回路を含むものとし、かつ前記センサ回路が分析物測度情報に反応する信号チャンネル検出器、および基準測度情報に反応する基準チャンネル検出器を含み、前記信号チャンネル検出器ならびに前記基準チャンネル検出器の出力が、前記負荷を修正するために前記センサ測度情報内において結合されるものとする内部センサ・ユニットと、
第2のコイルであってそれが前記第1のコイルから所定の近接距離内に配置されているときに前記第1のコイルと相互誘導結合される第2のコイル、前記第2のコイルをドライブして前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータ、および前記内部センサ・ユニット内の前記負荷に対する変化によって誘導される前記第2のコイル上の負荷における変動を検出するため、ならびに前記負荷の変化に対応する情報信号を提供するための検出器を含む外部ユニットと、
前記情報信号を受け取り、処理するためのプロセッサと、
を備える装置。
【請求項18】
前記信号チャンネル検出器ならびに基準チャンネル検出器がフォトダイオードである請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記信号チャンネル検出器のフォトダイオードと前記基準チャンネル検出器のフォトダイオードが、そのカソード同士が接続されている請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記信号チャンネル検出器および前記基準チャンネル検出器の一方が、前記負荷の修正の正の遷移時間を決定可能な出力を生成し、その他方が、前記負荷の修正の負の遷移時間を決定可能な出力を生成し、その結果、正の負荷の持続時間と負の負荷の持続時間の間における時間の差が、分析物の濃度をはじめ、前記基準チャンネル検出器の出力と前記信号チャンネル検出器の出力の間における差を表す請求項17記載の装置。
【請求項21】
前記負荷が、フォトダイオード、コンパレータ、および抵抗を備え、それらが互いに機能的に結合されて分析物の濃度の関数として変化する負荷を提供する請求項2記載の装置。
【請求項22】
センサシステムであって、
第1コイルと、
前記第1コイルに接続される電圧レギュレータと、
前記第1コイル及び前記電圧レギュレータに接続される負荷と、
前記電圧レギュレータと前記負荷に接続され、センサ測度情報に基づき負荷を変化させるセンサ回路であって、
分析物の存在または濃度を検出する信号チャンネル検出器と、
前記分析物に応答しない基準チャンネル検出器と、
前記負荷に接続され、前記信号及び基準チャンネル検出器により供給されるセンサ測度情報に基づき変化する出力電圧レベルを有する比較器であって、複数の所定電圧レベルにおいてトリガするための複数の抵抗器によりバイアスされる比較器と、
を含むセンサ回路と、
を含む内部ユニットと、
外部ユニットであって、
第2コイルと、
前記第2コイルに接続され、前記第2コイルが前記第1コイルに誘導的に結合されるときに前記第1コイルに充電電流を生じさせるオシレータと、
前記第2コイルに接続され、第2コイルが前記第1コイルに誘導的に結合されるときに前記負荷における変化を検出する検出器と、
を含む外部ユニットと、
を備えるセンサシステム。
【請求項23】
前記複数の所定電圧レベルは、低コンパレータ出力電圧レベルに関連する第1所定電圧レベルと、高コンパレータ出力電圧レベルに関連する第2所定電圧レベルを含む請求項22記載のセンサシステム。
【請求項24】
前記低コンパレータ出力電圧レベルは、前記負荷を低レベルに変化させ、前記高コンパレータ出力レベルは、前記負荷を高レベルに変化させる請求項23記載のセンサシステム。
【請求項25】
前記センサ回路は、光源を含み、前記信号及び基準チャンネル検出器は、背中合わせに配置されるフォトダイオードである請求項22記載のセンサシステム。
【請求項26】
前記負荷は、抵抗器であり、前記センサ回路は、前記フォトダイオードとコンパレータに接続され、前記コンパレータへの入力電圧レベルの一つを制御するキャパシタを含む請求項25のセンサシステム。
【請求項27】
前記フォトダイオードは、前記キャパシタの充電及び放電周波数を制御する請求項26記載のセンサシステム。
【請求項28】
前記コンパレータの出力は、前記フォトダイオードのそれぞれの入射光強度に依存するデューティサイクル及び/又は周波数を有する矩形波である請求項27記載のセンサシステム。
【請求項29】
前記検出器は、負荷に対する変化をエンコードするための、振幅変調復調器及びパルスカウンタを含む請求項28記載のセンサシステム。
【請求項30】
(a)回路を有する内部センサ・ユニットと、(b)外部センサ・ユニットとを備えるシステムにおいて、分析物の濃度を決定するための方法であって、
前記内部センサ・ユニットに電力を供給するために前記外部センサ・ユニットを使用するステップと、
前記外部センサ・ユニットが前記内部センサに電力を供給している間に、
分析物の濃度を決定し得る情報を前記外部センサ・ユニットに伝達するステップであり、前記分析物の濃度の関数として前記回路のインピーダンスを変化させるステップを含み、前記回路のインピーダンス変化は前記外部センサ・ユニットの電圧に変化を生じさせるステップと、
電圧測定値を取得するステップと、
前記電圧測定値から情報を生成するステップであって、前記情報は前記分析物の濃度を検出し得る情報を含むステップと、
を備える方法。
【請求項31】
前記伝達するステップは、前記分析物の濃度の関数として前記回路のインピーダンスを本質的に変化させるステップである請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記伝達するステップは、前記分析物の濃度の関数として前記回路のインピーダンスを変化させるステップである請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記伝達するステップは、前記分析物の濃度の関数として前記回路の抵抗を変化させるステップである請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記内部センサ・ユニットは、前記分析物の存在または濃度を検出する信号チャンネル検出器と、前記分析物に応答しない基準チャンネル検出器とを備え、前記外部センサ・ユニットに伝達される情報は、前記信号検出器の出力及び前記基準チャンネル検出器の出力の関数である情報を含む請求項30記載の方法。
【請求項35】
デューティサイクルを有する信号を生成するステップをさらに含み、前記信号のデューティサイクルは信号チャネル検出器の出力及び基準チャンネル検出器の出力の関数である請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記信号を使用して前記回路のインピーダンスを変化させるステップを含む請求項35記載の方法。
【請求項37】
センサシステムであって、
内部ユニットであって、
第1のコイルとキャパシタとを含むタンク回路と、
前記タンク回路に接続された光学電子回路であって、(1)量的な測度情報を獲得し、(2)前記タンク回路に接続された回路のインピーダンスを、前記獲得された量的な測度情報の関数として変化させるよう構成された光学電子回路と、
を含む内部ユニットと、
外部ユニットであって、
第2のコイルと、
該第2のコイルに接続されるオシレータと、
前記第2のコイルに接続される検出器であって、前記第2のコイルが前記第1コイルに誘導的に接続される場合に前記インピーダンスにおける変化を検出する検出器と、
を含む外部ユニットと、
を備えるセンサシステム。
【請求項38】
前記光学電子回路は、光源と、信号チャンネル光学検出器と、基準チャンネル光学検出器とを含み、前記第1及び第2の光学検出器は背中合わせに配置される請求項37記載のセンサシステム。
【請求項39】
前記光学電子回路はさらにコンパレータを含み、該コンパレータの入力端子が前記光学検出器のうち1つの光学検出器の端子に接続される請求項38記載のセンサシステム。
【請求項40】
前記光学電子回路は、前記信号チャンネル光学検出器への入射光と前記基準チャンネル光学検出器に対する入射光との変化を表すデューティサイクルを有する信号を出力するよう構成される請求項39記載のセンサシステム。
【請求項41】
前記コンパレータの出力端子と前記第1のコイルの端子との間に抵抗が電気的に接続される請求項40記載のセンサシステム。
【請求項42】
内部センサ・ユニットであって、
外部ユニットにより供給されるエネルギを吸収するよう構成されたコイルと、
前記コイルに接続された光学電子回路であって、
第1の光学検出器及び第2の光学検出器と、
前記光学検出器のうちの1光学検出器の端子に接続された入力端子を有するコンパレータと、
前記コンパレータの出力端子と前記コイルの端子とのあいだに接続された抵抗と、
放射源と、
を含む、光学電子回路と、
を備え、
前記光学電子回路は、前記信号チャンネル光学検出器への入射光と前記基準チャンネル光学検出器に対する入射光との変化を表すデューティサイクルを有する信号を生成することにより、前記外部ユニットに情報を伝達するように構成され、
前記光学電子回路は、前記コイルの負荷が前記信号の関数であるように構成される内部センサ・ユニット。
【請求項43】
前記抵抗は、前記信号に基づき、前記コイルを含む回路の内外に切り替えられる負荷として機能する、請求項42記載の内部センサ・ユニット。
【請求項44】
前記光学電子回路が、さらに、
第1の端子と第2の端子と有する第1のバイアス抵抗であって、該第1の端子が前記コンパレータの出力端子に接続される第1のバイアス抵抗と、
第1の端子と第2の端子と有する第2のバイアス抵抗であって、該第1の端子が前記第1のバイアス抵抗の第2の端子に接続される第2のバイアス抵抗と、
第1の端子と第2の端子と有する第3のバイアス抵抗であって、該第1の端子が前記第1のバイアス抵抗の第2の端子に接続される第3のバイアス抵抗と、
第1の端子と第2の端子と有するキャパシタであって、該第1の端子が前記コンパレータの入力に接続され、該第2の端子が第2のバイアス抵抗の第2の端子に接続されるキャパシタと、
を含む請求項42記載の内部センサ・ユニット。
【請求項45】
分析物のレベルに比例する放射線を放出する指示体エレメントをさらに有する請求項42記載の内部センサ・ユニット。
【請求項46】
前記放射源は前記指示体エレメントを照射する、請求項45記載の内部センサ・ユニット。
【請求項47】
請求項42記載の内部センサ・ユニットを含み、さらに該内部センサ・ユニットにエネルギを供給するための外部ユニットを備えるセンサシステム。
【請求項48】
前記外部ユニットが、
第2のコイルであって、該第2のコイルが前記第1のコイルから所定の近接距離内に配置されると前記第1コイルと相互誘導結合される第2のコイルと、前記第2のコイルを駆動して前記第1のコイル内に充電電流を誘導するオシレータと、前記内部センサ・ユニットにより吸収されたエネルギにおける変動を検出し、かつ前記エネルギ吸収の変動に対応する情報信号を提供する検出器とを含む請求項47記載のセンサシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−143616(P2012−143616A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−96246(P2012−96246)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【分割の表示】特願2002−506636(P2002−506636)の分割
【原出願日】平成13年6月27日(2001.6.27)
【出願人】(500425068)センサーズ・フォー・メディシン・アンド・サイエンス・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【分割の表示】特願2002−506636(P2002−506636)の分割
【原出願日】平成13年6月27日(2001.6.27)
【出願人】(500425068)センサーズ・フォー・メディシン・アンド・サイエンス・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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