説明

埋め込み医療装置のためのエネルギー発生システム

ペースメーカ及び除細動器のような埋め込み医療装置を給電するため、エネルギーを生じさせる装置及びシステムを提供する。幾つかの好適な実施形態では、本発明は、連続的な自動充電を提供する発生器部品を含む。幾つかの実施形態では、本発明は、血流の血流力学的な力または心臓の鼓動のような、装置が埋め込まれた患者の物理的、化学的または生理学的活性により給電される電力発生システムを提供する。発生器は、様々な方法例えば、電磁誘導または圧電効果により電力を生じさせることができる。他の実施形態では、本発明は、光源、電気源または磁気源のような電磁気放射源の外部源から再充電されるバッテリを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【化1】

(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願第60/782,837号(2006年3月17日出願、題名「High Endurance Pacemakers and IDCs」)の利益および該出願に基づく優先権を主張し、該出願は、あらゆる目的で参考として本明細書に全面的に援用される。
【背景技術】
【0002】
現在、使用されている多くの「能動」埋め込み医療装置は電力の入力を必要とする。電源は装置の内部または外部に存在し、一般的に電気化学電池(バッテリ)から成る。一般的な能動埋め込み装置の一例として、
−伝導障害及び心不全を治療するのに用いられる心臓ペースメーカ、
−心室及び心房頻脈性不整脈及び細動を治療するのに用いられる心臓除細動器、
−心不全を治療するのに用いられる左心室補助装置、
−例えば、尿失禁及び胃不全麻痺を治療するのに用いられる筋刺激装置、
−本態性振戦(例えば、パーキンソン病による)を治療するのに用いられる神経刺激装置、
−聴覚障害を治療するのに用いられる人工内耳、
−例えば、発作を治療するのに用いられる監視装置、
−例えば、痛み、糖尿病、痙性を治療するため、薬を投与するのに用いられる薬ポンプ(糖尿病に対するインスリンポンプ、痙性に対する髄腔内バクロフェンポンプ)
が挙げられる。
【0003】
このような埋め込み装置の製造業者(及びユーザ)にとって装置の長寿化及び信頼性が大きな関心事であることは明らかである。ペースメーカ及び埋め込み除細動器(ICD)に対してバッテリ故障は再手術の主な原因であり、ペースメーカ故障の76%はバッテリ故障によるものである。再手術が患者の合併症を深刻化し、健康管理に対して金銭上かなりの支出を増やすので、再手術は望ましくない。埋め込みペースメーカ及びICDにおいて電力の枯渇による再手術の発生率を減少させる必要がある。
【0004】
(A.埋め込み電気装置(ペースメーカ、ICD、BVP))
ペースメーカ及びICDは類似の設計及び構造を有する。これらの間の主な違いは、大きさ、内部回路及びリードの数である。装置は、3つの主要部品すなわち、(1)発生器、(2)コネクタ及び(3)リードを備える。
【0005】
発生器は、心臓の活動を監視する装置及び電子機器を給電するバッテリを含み、電気的刺激を生じさせ、軽量の平滑なプラスチック生体適合性ケーシング内にすべて収納されている。これらの装置はリチウムイオンバッテリを用いる。従来、医療用電気装置は、ニッケルカドミウム及び水銀亜鉛バッテリ、原子(プルトニウム)力バッテリ、更には、ある時期、生物学的バッテリにより給電されていた。ICDの発生器の大きさはペースメーカの発生器の大きさよりも大きく、2つの装置が異なる病気を治療するので、ペースメーカ及びICD内の電子機器は異なる。
【0006】
コネクタは、リードを発生器に接続し、保護するプラスチックヘッドである。
【0007】
リードは、電気的刺激を発生器から心臓へ伝達する可撓性の生体適合性絶縁ワイヤである。ICDはペースメーカよりも多くのリードを有する。ペースメーカでは、リードは右心房及び右心室内に固定されている。リードは心臓の鼓動を感知し、心臓に刺激を伝達して心臓の鼓動を速める。
【0008】
(ペースメーカ)
ペースメーカは、病気の心臓の、心臓自体の電気信号を生じる能力の不全を治療する低電圧の律動的な電気信号を発生する。この不全は、心臓の鼓動を速くしすぎたり、遅くしすぎたり、あるいは不規則にさせたりすることがある。ペースメーカは心臓の電気系を継続的に監視し、心臓を補助する必要性を検出した場合、心臓に電気的刺激を伝達して心臓を補助する。ペースメーカの大部分は、徐脈性不整脈または徐脈を治療するのに用いられる。徐脈性不整脈または徐脈は、洞房結節の欠陥または心臓自体の電気伝導系の閉塞によって心臓の鼓動が遅すぎる場合であり、血流を減少させ、身体が必要とする血液を身体が受け取らないようにする。
【0009】
ペースメーカのバッテリは10年まで持続することができが、一般的には、これらは4〜5年持続する。このことは、12〜18ヶ月持続した最初のバッテリ給電のペースメーカからの著しい改善である。
【0010】
(ICD)
ICDが、心臓の病気により生じる心臓停止または他の不規則なリズムを検出すると、ICDは電気的刺激を心臓に伝達する。ICDはペースメーカの大きさの約2倍であり、皮膚の下に埋め込まれる。
【0011】
NIHは、ICDから利益を得ることができる5つの主要な候補者群、すなわち、少し前に起こった心臓発作でVFが起こらず心臓停止を生き延びた人と、生命にかかわるVTの症状を有する人と、弱ったポンプ機能を有する心臓発作の生存者と、拡張型心筋症及び肥大型心筋症(特に原因不明の失神発作が生じた時)のような心筋の構造欠陥を有する人と、35%以下の左心室駆出率(LVEF)として評価されることが多い、心臓の低下したポンプ機能を有する人とを規定する。
【0012】
(BVP)
BVPは、心臓再同期療法を与えてうっ血性心不全の患者を治療するのに用いられる特定タイプのペースメーカである。追加のリード(通常のペースメーカが2である代わりに3または4の)により、ペースメーカは、左心室及び右心室を同時に刺激することを確実にすることができる。患者がCHFを患っている場合、2つの心室は常に同時に発射するとは限らず、これにより、各収縮による充分な血液を排出する心臓の機能は低下される。
【0013】
埋め込み装置の市場は極めて大きい。2005年において、市場全体の大きさは92億ドルであったと試算されている。ICD産業は、この市場の最大シェアである62億ドルの収益を生み、ペースメーカは残りの30億ドルの利益を得た。
【0014】
(埋め込み処置)
ペースメーカ及びICDを埋め込む基本的な処置は同じである。ペースメーカの埋め込み手術は一般的に1〜2時間継続し、ICDの埋め込み手術は2〜3時間継続する。一般的な手術前の作業を受けた後、まず、患者は、2インチの切開が行われる胸部に局部麻酔をかけられる。次に、装置は患者に対して較正され、リードは、鎖骨の下に位置する胸部の2〜4インチの切開部分から挿入され、リードが心臓に達するまで静脈を介して移動される。次に、リードは誘導され、心臓内の正確な位置に設定される。次に、発生器は医師により皮膚と胸筋との間に配置され、安定した位置に据え付けられる。これに加えて、適切な手術を確保するため、切開部分が閉じられる前に装置は更に較正される。外科手術の後、患者には、起こりうる感染に対抗する抗生物質が与えられる。一般的に、ペースメーカの速度やパラメータなどを調整する必要があるかどうかを確かめるため、最初の月、患者は2週間ごとに検査される。その後、半年、詳細な検査が行われ、これに続いて、その後、一般的には半年ごとまたは1年ごとに検査が行われる。これらの定期的な検査は、バッテリの寿命を評価するのにも利用される。
【0015】
(再手術)
装置が内蔵型であるので、装置は、限られた寿命を有する。ペースメーカ故障の76%はバッテリ故障によるものである。装置に障害が起こると、外科医は傷口を再び開き、元のリードを患者の体内に保持しながら、古い装置を新たな装置と置き換え、古い装置を除去する。追加手術を行うことは他の外科手術同様にリスクまたは再感染が存在する。従って、これらの追加手術を防止することができれば、感染のリスクは最小限に抑えられる。このことは、患者にとって良い結果を生じさせ、その一方で安価でもある。どのような手術でも、合併症は生じることがあり、再手術の処置も同じである。これらの外科手術は以下の合併症及びそれを起こす確率、すなわち1%の死亡率と、4.9%の嚢状血腫と、5%の感染と、7.7%の皮膚侵食とを有する。
【0016】
記述された埋め込みシステムのすべては何らかの電力貯蔵装置を必要とする。電力発生、充電及び電力貯蔵の様々な手段が検討されている。この手段には、各種の主要な化学バッテリ、原子力バッテリ及び再充電可能なバッテリが含まれる。幾つかの電力システムは電力パックを患者の体外に配置し、エネルギーのパルスが受動埋め込み受信機及びリードに送信される。再充電可能なペースメーカ装置は、電磁誘導または他の手段により給電される充電回路を組み入れることができる。これは、再充電可能なバッテリに流される電流を充電回路内に生じさせる。再充電可能なバッテリに基づく心臓ペースメーカについて、特許文献1〜5を含む当該技術分野の参考文献に記述されている。他の関連文献には、電力発生器が、心臓の筋肉の収縮から派生された流圧を利用するペースメーカと用いられる電源について記述された特許文献6(1971年2月16日出願、題名「Biologically Implantable and Energized Power Supply」)と、磁気誘導または圧電効果を用いることにより電気を生じさせる心臓内使用の刺激装置について記述された特許文献7(1974年9月17日出願、題名「Intra−Cardiac Stimulator」)と、エネルギー収穫システムについて記述された特許文献8(2006年1月10日出願、題名「High efficiency vibration energy harvester」)とが含まれる。これら文献は参照することにより本開示に組み込まれる。
【特許文献1】米国特許第3,454,012号明細書
【特許文献2】米国特許第3,824,129号明細書
【特許文献3】米国特許第3,867,950号明細書
【特許文献4】米国特許第3,888,260号明細書
【特許文献5】米国特許第4,014,346号明細書
【特許文献6】米国特許第3,563,245号明細書
【特許文献7】米国特許第3,835,864号明細書
【特許文献8】米国特許第3,835,864号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ペースメーカまたは除細動器のような能動埋め込み医療装置と用いるのに適するエネルギー発生、充電及び貯蔵システムの必要性について長年にわたる切実な思いがある。このエネルギー発生、充電及び貯蔵システムは有利な特性すなわち、以下の(1)〜(7)を有する。(1)長続きする寿命:装置の電力の枯渇までの時間を約50%〜100%増大させる。例えば、ペースメーカバッテリの寿命は5〜7.5年または10年、あるいはそれ以上増大する。(2)優れた信頼性:低い故障率が再手術の発生率を減少させる。(3)所有者の総費用の減少:埋め込みの総費用(追加処置を含む)を減少させる。(4)保守を不要とする使用。(5)患者または医師が装置を充電するのに積極的な措置を取る必要がない連続充電。特に、装置が埋め込まれた患者の物理的、化学的または生理学的活性により給電される電力発生システムを提供するのが極めて望ましい。(6)高速充電。(7)一貫性のある電力出力及び電流発生。更に、エネルギー発生システムは、電流発生器の体積しか場所を取らないことが必要であり、埋め込み処置が簡潔であり、かつ外科医に無理なく馴染むものである必要がある。しかも、このようなシステムのバッテリはセル電圧を高め、サイクル寿命を延ばし、高放電率の機能を備え、高充電率の機能を備え、メモリ効果がなく、ガスを発生させず、バッテリ内に有毒な化学薬品を含まず、エネルギー密度を高め、様々な構成においてバッテリを形作る機能を備え、自己放電を低減し、適切な充電状態を示し、信頼性を改善しなければならない。本発明は、これらの必要性を満足する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、ペースメーカ及び除細動器のような埋め込み医療装置と用いるのに適する電気エネルギーを発生、充電及び貯蔵する装置、システム、方法及びキットを提供する。幾つかの好適な実施形態では、本発明は、連続的な自動充電を提供する発生器部品を含む。幾つかの実施形態では、本発明は、血流の血流力学的な力または心臓の鼓動のような、装置が埋め込まれた患者の物理的、化学的または生理学的活性により給電される電力発生システムを提供する。発生器は、様々な方法例えば、電磁誘導または圧電効果により電力を生じさせることができる。他の実施形態では、本発明は、光源、電気源または磁気源のような電磁気放射源の外部源から再充電されるバッテリを含む。本発明を多くの方法で実施することができ、これらの方法の幾つかを以下に簡単に説明する。
【0019】
好適な実施形態は、完全埋め込み可能であり、生体適合性のある運動式電気発生器を含む。完全埋め込み可能とは、発生器の構造全体を患者の体内に埋め込むことができることを意味する。発生器は、埋め込み医療装置を給電するために用いられ、磁石及び導体を備え、更には、導体及び埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを備える。リードが装置との電気伝達に適合されたとは、リードの設計及び構造がこのような電気伝達を容易にするように具体的に工夫されていることを意味する。磁石及び導体は相対的に移動することができ、使用中、磁石が導体に相対して移動する場合、電流は導体に誘導され、電流は電気リードを介して埋め込み医療装置に送信される。
【0020】
リードが装置との電気伝達に適合されることに関して、このことは、この装置が、任意の適切な装置または、バッテリのようなエネルギー貯蔵素子を含むこのような装置の部品であり得ることを意味する。
【0021】
他の実施形態は、長手方向の軸線を中心として細長状の管腔を規定するように導体がコイル状に巻かれた前述したような発生器を含む。すなわち、導体は、カテーテルまたは類似の構造体のような管の内側の長さに沿って配置することができる長いコイルを形成する。外管は、一般的に絶縁材料から構成されている。磁石は、管腔内に少なくとも部分的に配置され、このことは、磁石が常に管腔内に部分的に入っているか、または、使用中の時間の少なくとも一部において磁石が管腔内に入っていることを意味する。磁石は、コイル状に巻かれた導体の管腔内を移動することができ、使用中、発生器が長手方向のほぼ軸線に沿って移動される場合、磁石は管腔内を移動する。
【0022】
他の実施形態は、シャフトに取り付けられた偏心重り付きカムを更に備える前述したような発生器を含む。カムの運動が磁石に随伴運動を生じさせるようにシャフトは磁石と機械伝達する。装置が移動する時に偏心重り付きカムがシャフト(軸)の運動を生じさせる限り、偏心重り付きカムを任意の適切な構造とすることができる。シャフト及び磁石を機械的に接続する1つ以上の歯車を設けることができる。このような歯車は磁石の運動を増幅することができる。
【0023】
好適な実施形態では、磁石は球状または細長状であって、例えば、ほぼ管状または円筒状である。
【0024】
第1端及び第2端を有する管状区画内に球状磁石を封入することができる。幾つかの実施形態では、各端は壁により囲まれ、各壁の内面は偏向素子を備え、偏向素子は、球状磁石が偏向素子に衝突すると球状磁石をはじくように適合されている。偏向素子を、付勢ばね、弾性緩衝器及び磁石より成る群から選択することができる。偏向素子は、可変ギャップキャパシタまたは圧電材料を追加として組み入れることができる。
【0025】
他の実施形態は、端から端まで設置された複数の個々の管状区画を備え、各区画は、隣接した区画から壁により分離され、各区画は少なくとも1つの球状磁石を含む。図3及び図4を参照されたい。
【0026】
別の代替の実施形態では、前述した発生器では、導体は移動可能であり、使用中、磁石は静止している。
【0027】
実施形態のいずれかにおいて、発生器は、例えば、5、10、15、20、30、40、50、70または100mm以下の最大寸法を有することができる。
【0028】
実施形態のいずれかにおいて、発生器は、40μW〜1000μWの範囲にある平均電力出力を生じさせることができる。平均電力は、例えば1時間〜数日間にわたって、実際またはシミュレーションの使用条件の下で測定された電力出力である。
【0029】
実施形態のいずれかにおいて、発生器は、0.25cc〜50ccの範囲、例えば、10、20、30、40または50ccまでの体積を有することができる。
【0030】
別の代替の実施形態は、完全埋め込み可能であって、生体適合性のある運動式電気発生器であって、埋め込み医療装置を給電するため、発生器は、ばね付き釣合い錘に機械的に接続された可変距離キャパシタを備え、ばね付き釣合い錘が移動されると、可変距離キャパシタは圧縮され、これにより電流を生じさせ、可変距離キャパシタ及び埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを更に備える発生器である。
【0031】
本発明は、埋め込み医療装置を給電する方法をも含み、この方法は、前述した運動式電気発生器を提供する工程と、電気リードを介して発生器を医療装置へ電気的に接続する工程と、次に、医療装置を所望の位置に埋め込む工程と、次に、発生器を所望の位置に埋め込む工程と、次に、発生器を移動させ、これにより電気を生じさせて埋め込み医療装置を給電する工程とを含む。心臓の壁に接近して、例えば、心臓の鼓動が発生器を移動させることができるように充分に心臓に近づけて発生器を埋め込むことができる。発生器を、例えば、心筋または心膜に取り付けるか、心筋または心膜内に配置するか、あるいは、心筋または心膜の表面上に配置することができ、これにより、発生器は、心臓の鼓動によって発生された規則正しい拍動運動を受けることができ、運動は、約0.5Hz〜約2Hzの範囲の周波数を有し、これにより、約40μW〜200μWの範囲にある電力を生じさせる。あるいはまた、発生器を、規則正しく運動する肺または他の臓器の付近内に配置することができる。
【0032】
本発明は、本明細書で記述された発生器と、(a)ペースメーカ、(b)除細動器、(c)左心室補助装置、(d)筋刺激装置、(e)神経刺激装置、(f)人工内耳、(g)監視装置及び(h)薬ポンプから選択された埋め込み医療装置とを備えるキットをも含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、電気エネルギーを発生、充電及び蓄積する装置及びシステムを含む。本発明の装置及びシステムは生体適合性を有し、ペースメーカ及び除細動器のような能動埋め込み医療装置と用いるのに適し、更には心室補助装置、筋刺激装置、神経刺激装置、人工内耳、監視装置及び薬ポンプと用いるのに適する。
【0034】
本発明と関連して、生体適合性とは、装置または材料が生物学との関係において比較的不活性であり、これによって、装置または材料が埋め込まれた場合に生物材料と不利益に反応しないことを意味する。
【0035】
本発明の実施形態の幾つかは、連続的な自動充電を提供する発生器部品を含む。様々な実施形態では、装置の発生器は、患者または医師が装置を充電するのに積極的な措置を取る必要なしに電気を生じさせる。特に、本発明は、装置が埋め込まれた患者の物理的、化学的または生理学的活性により給電される電力発生システムを提供する。特に、本発明の幾つかの実施形態は、熱差、生理学的圧力、血流の血流力学的な力のような流れ及び運動により給電されるか、または、心筋の鼓動により発生された収縮及び運動のような筋肉の収縮及び運動により給電される電力発生システムを提供する。
【0036】
発生器を、ペースメーカのような埋め込み装置の構造に組み入れ、統合することができる。または、発生器をペースメーカから離間し、導体(リード)を介して電気的伝達するように機能的に取り付けることができる。
【0037】
一実施形態では、本発明は、所望に応じて、心臓の近隣のような、運動または筋肉活動の領域内に配置することができるカテーテル内に配置された自動的な連続電気発生器を提供する。幾つかの好適な実施形態では、発生器は、電磁誘導様々な手段を用いて、または熱差により、あるいは、圧電効果を介するなど、様々な手段を用いて電力を生じさせることができる。
【0038】
本発明の発生器により発生されたエネルギーを電位エネルギーとして、一般的に化学バッテリを用いて蓄積することができる。多くのこのような装置は当該技術分野において周知である。本発明と用いられるバッテリを再充電可能とすることができ、あるいは再充電可能でないとすることができる。電気エネルギーをキャパシタにも蓄積することができる。幾つかの実施形態では、装置はバッテリ及びキャパシタの双方を含むことができ、一方が他方のバックアップとして機能する。あるいはまた、装置は、別のエネルギー貯蔵部品が故障した場合にエネルギーのバックアップ源として作用する再充電可能でないバッテリをも含むことができる。
【0039】
(本発明の実施形態)
本発明は、以下に示すように異なる原理を用いてエネルギーを生じさせる発生器部品を使用する様々な実施形態を含む。
【0040】
(1.運動式充電)
(電磁気式発生器)
機械的エネルギー及び運動エネルギーは、装置(例えば、ペースメーカまたはICD)を給電するのに用いられる使用可能または貯蔵可能な電気エネルギーへ電磁誘導により変換される。連続的な運動を行い、信頼性を備え、残りのペーシング及び/または除細動装置に隣接する心臓のような様々な供給源から機械的エネルギーまたは運動がもたらされ得る。心筋の収縮は磁性体と誘導コイルのような導電性素子との間に相対運動を生じさせる。磁石と導体との間の相対運動は、電流を誘導して導体に電流を流す。この運動を並進、回転、屈曲またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0041】
電気導体(ワイヤ)は、ループ内に配置されるか、または、最も多くの磁束を収集する他の形状をとることができる。磁石がその中に入って来る管に様々なピッチ角でこのワイヤを巻くことができ、あるいは、磁石が移動する端部の上または下にこのワイヤをコイル状に巻くことができる。磁性、強磁性、常磁性または非磁性材料を用いて管を構成することにより利益を得ることができる。また、これら材料のいずれもが、コイルのループ内に保持されることができ、または、磁石の移動中、または、磁束回路を完成する磁石の移動の終了時にこれら材料が磁石または磁石の極と接触することができる位置に保持されることができる。
【0042】
運動式発生器により発生された電流を蓄積することができ、または直ぐに用いることができる。様々な回路、貯蔵装置、バッテリなどを用いてエネルギーを収集及び/または蓄積することができる。
【0043】
幾つかの運動式実施形態では、導電性ワイヤを含むことができる管または水路(race)により磁石の運動を制約することができる。システムの最適化に応じて、このガイドを直線または曲線、更には環状にすることができる。慣性力の結果として回転、並進またはこれら2つの組み合わせを促すように、このガイドを構成することができる。システムの応答を生じさせるか、または、複数の物質間に力を生じさせるために、ウェットまたはドライ潤滑剤、MR流体、真空、または空気で管を満たすことができる。
【0044】
管の端部は、他端へ移動する磁石を「跳ね返し」、及び/または場合によりスピンの方向を逆転させるスプリングまたは他の磁石を含むことができる。システムが共振を呈するようにスプリングを調整することができる。スプリング自体を、磁束を獲得できる導電性ワイヤとすることができる。スプリングは、圧力が加えられると、電圧を生じさせることができる可変ギャップキャパシタまたは圧電材料を含むことができる。
【0045】
本発明の様々な実施形態の各々では、磁石またはワイヤをMEMSまたはナノメートルサイズの構造体ほどに小さくすることができる。
【0046】
運動式充電の1つの利点は、受動エネルギースカベンジングの可能性である。患者または医師に何の要求もすることなしにエネルギーを収集することができ、心臓が鼓動し続ける限り、ペーシング装置を給電するのに充分な速度でエネルギーを供給することができる。本発明の発生器は、カテーテル先端で利用可能なエネルギーの1%未満を収穫することにより、埋め込み装置を給電するのに充分なエネルギーを供給することができる。好適な実施形態では、本発明の発生器は、発生器が結合された埋め込み装置を給電するのに充分な電気を生じさせる。大抵の場合、40μWで充分である。しかし、1mWまでの電力発生が得られる。幾つかの実施形態では、例えば、複数の装置または、複数のユニットを有する装置を用いることにより、更に多くの電力量を生じさせることができる。これにより、バッテリパックを従来技術よりも非常に小さくすることができ、潜在的には、装置全体の大きさを約1/3〜1/2またはそれ以上減少させる。例えば、16ミリリットルの体積を有する一般的な市販のペースメーカ全体の大きさを約11ml〜8mlの範囲に減少させることができる。50mlの除細動器の大きさを約35ml〜25mlの範囲に減少させることができる。
【0047】
好適な実施形態では、運動式発生器は、心室の壁に固定された1つ以上のリードに統合されている。運動式発生器を心臓の壁に配置することにより、発生器は、60拍/分の脈拍数に対応する1Hz程度のほぼ連続した振動を受ける。機械的に調整されたシステムは、この一貫性したリズムを活用することができ、このシステムを、機械的な共振を活用して振動を増幅するように設計することができる。共振は、充分に理解された現象であり、共振周波数が、発生器を駆動する物理的な刺激の周波数またはその付近であるように本発明の発生器を設計することは、日常的な設計事項であろう。
【0048】
静脈埋め込みの場合、例えば、鎖骨下静脈への埋め込みを、当該技術分野で周知である標準の医療行為を用いて行うことができる。標準の処置では、リードは鎖骨下静脈を通して配置され、静脈を通って心臓の右側へ通される。ペースメーカが有するリードの数に応じて、リードは、右心室である心臓の頂点(先端)へ埋め込まれる。次に、これらリードは、(しばしば、推進作用により)心内膜に固定される。他のリードを右心房(一般的に内壁)に埋め込むことができ、両心室ペースメーカの場合、第3のリードは心臓の左側上の冠状静脈洞内へ蛇行して入れられる。発生器をほぼ円筒状とすることができ、外径は4mmを超えるべきではない。装置が、心血管系の機能と干渉するか、または埋め込みを阻止するほど大規模でない限り、長さの制約はやや小さい。
【0049】
無定限の動作期間、約40μWを生じさせるように本発明の運動式発生器を設計することができる。約40μWは、ペースメーカまたは除細動器を給電するのに充分である。幾つかの実施形態では、本発明の磁気的発生器は、1mWと同じ量のエネルギーを生じさせることができる(Mitchesonなど著,「Architectures for Vibration−Driven Micropower Generators」,J.Microelectromechanical Systems,第13巻,3番,2004年,p.429−440を参照されたい)。
【0050】
本発明の発生器により発生される平均電力を24時間にわたり、約10μW〜約1000μWの範囲、例えば、平均して少なくとも30μW、少なくとも40μW、少なくとも60μW、少なくとも100μW、少なくとも150μW、少なくとも200μW、少なくとも300μWまたは少なくとも500μWとすることができる。
【0051】
所望の電力を供給するのに単一の発生器ユニットを用いることができ、または、幾つかの実施形態では、複数のこのようなユニットを用いることができる。異なる発生器タイプを単一の装置に組み合わせることができる。
【0052】
発生器ユニットは、心臓カテーテルリードの先端またはその付近に配置される。しかし、必ずしもそうである必要はない。位置決めは、必要に応じて、任意の特定の位置で発生器に伝達される運動の程度と、特定の位置に埋め込むことに固有の困難及び危険とを考慮して行われる。
【0053】
運動式充電システムに用いることができる実施形態が幾つかある。回転質量式実施形態、移動磁石式実施形態及び可変キャパシタ式実施形態を示す図2を参照されたい。
【0054】
((i)移動磁石式実施形態)
好適な実施形態は電磁誘導により電流を生じさせる。本発明は、移動磁石実施形態及び移動コイル実施形態の双方を含む。どちらの場合にも、相対運動は、コイルに電流を誘導する磁束のカッティング(flux−cutting)を提供する。磁石とワイヤとの間の相対運動はワイヤに電流を誘導する。
【0055】
Seiko社により製造された腕時計(図6参照)のような腕時計に電気を生じさせるのに用いられるマイクロ発生器に類似するワイヤのコイルに対して相対的に磁石を移動、振動またはスピンさせるのに、並進質量または回転質量を用いることができる。電力を直接に供給するか、または、化学バッテリのような貯蔵装置に蓄積するため、電流は、埋め込み装置の1つ以上の部品と電気接触するワイヤに誘導される。
【0056】
このような移動質量式発生器は、無定限の動作期間、ペースメーカまたは除細動器を給電するのに充分なほぼ一定の電力を供給することができる。
【0057】
図3及び図4に示す一実施形態は、コイル状に巻かれた導体内を前後に移動して導体に電流を誘導する磁性球体を用いる。導体は埋め込み装置と電気的伝達する。図3には、細長状ワイヤコイル(22)内に多数の個々の磁性球体(20)を含むカテーテル構造(19)に組み込まれた移動磁石型発生器を示す。磁性球体は、ワイヤコイルの長さ内で回転及び滑動することにより移動して電流を誘導し、その後、電流は、除細動器のような取り付けられた埋め込み装置に送信される。図3のAには、単一球体の拡大図を示す。図4には、絶縁ケーシング(26)を有する細長状中空円筒内で滑動及び/または回転する磁性球体(23)を備える単一の密閉型発生ユニット(27)を示す。ワイヤコイル(24)はケーシングに巻かれ、埋め込み装置と電気接触する。スプリング(26)は円筒内部のそれぞれの端部に位置付けられ、これにより、スプリングによって跳ね返る球体を偏向させ、球体が円筒の中を移動し、これにより外部のワイヤコイルに電流を誘導する。
【0058】
関連の実施形態では、磁石がコイルの端部に到達した時に磁石が他の端部へ跳ね返されて、より多くのエネルギーを生じさせることができる振動運動を発生させるように円筒をそれぞれの端部で磁石と適合させることができる。
【0059】
他の実施形態では、磁石を球状にする必要も、磁石が回転する必要もなく、磁石をいかなる形状にもすることができる。例えば、磁石を、ワイヤコイルの中を滑動できる細長状多面体または円筒、ピル状または長円体、長方形、角柱などとすることができる。環状構造体を示すために「コイル」なる用語を用いているわけではない。ワイヤコイルをいかなる形状にもすることができ、ワイヤ導体を所望の形状及び寸法のアーマチャ上に巻き付けることにより簡単に製造することができる。一般的に、磁石は、最大磁束密度、従って最大電流を供給するために、ワイヤコイル内にかなり密接に適合するように設計される。
【0060】
ワイヤループ内で「ぱたぱたと動く(flap)」マトリクス状の小磁石が電流を生じさせるのに用いられている市販の集積回路も存在する。1つのこのような製造業者はFerro Solutions社である。
【0061】
((ii)可変距離キャパシタ実施形態)
運動式充電を用いる別の実施形態は、磁気式マイクロ発生器の代わりに(可変キャパシタまたはVCとも称される)可変距離キャパシタ(図5参照)を用いる装置である。他の運動式「振動装置」と似た方法で可変距離キャパシタを実施することができる。しかし、可変距離キャパシタは、他の運動式「振動装置」ほど離散的でない可動部を有する。可変距離キャパシタは、脈拍の共振周波数に同調された心臓の運動を活用することができ、あるいは、心臓の運動または他の力にプレートを作動させ、プレートが収縮及び拡張することにより電流を生じさせることができる。心臓の加速を用いるよりはむしろ、圧力変化によりこのようなキャパシタを給電することもできる。何人かの研究者は、犬の研究において試作品のVCを用いて生じさせた平均電力が2時間にわたって36μWであったということを発見した。Ryoichi Tashiroなど著,「Development of an electrostatic generator for a cardiac pacemaker that harnesses the ventricular wall motion」,J Artif Organs(2002)5:p.239−245を参照されたい。人体構造は、より大規模なVCを用いることができ、従って、より高い電力を期待することができる。
【0062】
((iii)圧電式実施形態)
代替の実施形態は、圧電技術を用いることである。圧電素子は、力または歪を電位に変換する。間接的な(慣性)力を受けている時、または、心臓の収縮により生じる直接的な力を受けている時にエネルギーを収穫するのに圧電素子を用いることができる。
【0063】
1つの圧電実施形態は、リード全体の長さに及ぶ圧電ワイヤの層を用いる。市販のこのようなワイヤ(例えば、Ormal Vibetek piezoTMワイヤ)を商業的に入手することができる。圧電ワイヤは、例えば、絶縁体を含めて約2.7mmの厚さを有することができる。一実施形態は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)圧電材料の層で構成された新規のリードワイヤを用いる。心臓が鼓動する間、ワイヤが「どたばた動き回る(flop around)」ので圧電はひずみを受け、電気が発生され、装置またはバッテリへ送信される。
【0064】
一実施形態では、このようなワイヤの構造は、絶縁体材料により囲まれたコアに従来のリード部品を有する。絶縁体材料は導体材料により囲まれ、導体材料はPVDF層により囲まれ、PVDF層は別の導体材料の層により囲まれ、最後に、別の導体材料の層はシリコーン被覆物のような外側絶縁層により囲まれる。導電層の間に挟み込まれた圧電材料は、導体に流れる電流を生じさせる電荷を発生させる。導体は、埋め込み装置の1つ以上の部品、例えば貯蔵装置(一般的に化学バッテリ)と電気的に接触する。
【0065】
高効率レベルを達成し、部品故障が万一発生した場合に部品故障を補償するため、冗長性をシステムに組み込む目的で、別のアプローチが、前述した概念の要素を組み合わせることができる。マイクロ発生器または可変キャパシタ要素が、圧電性ワイヤ/リード組み合わせの端部に設置され得る。
【0066】
(2.光式充電)
この概念は、皮膚を通って光パワーを、皮膚の表面の下に埋め込まれた太陽電池アレイへ送信することにより埋め込み心電装置の内部バッテリを充電することを含む。近赤外線光の形態をとる電力を体外の光パワー源から、皮膚の下に埋め込まれた太陽電池アレイへ放出させることができる。その後、これらの電池により受信された電力は、埋め込み装置の内部にある再充電可能なバッテリを充電または再充電するのに用いられる。太陽電池(フォトコレクタ)は電気導管(リード)を介してバッテリと電気的に接続する。バッテリは、電気回路またはペースメーカあるいは他の装置と電気的に接続する。
【0067】
電源は高出力近赤外線レーザダイオードの形態をとることができ、太陽電池アレイの電力受信機は光ダイオードから構成することができる。光パワーが皮膚を直接通過するので、人の組織に対して侵襲性が低いことにより近赤外線光を用いることができる。電磁誘導充電技術に用いられる無線周波数波とは異なって、光は埋め込み装置の動作と干渉しない。生体適合性を得るために太陽電池アレイを包装し、密封することができる。患者または医師は、所定の期間、フォトコレクタ上の皮膚の表面近くに光源を配置することにより所定の間隔で装置を簡単に充電することができる。
【0068】
近赤外線光は、このような装置に特に適する。しかし、他の光波長及び他のタイプの電磁放射パワーをも用いることができる。
【0069】
光学上の概念を実施することができる2つの実施形態がある。すなわち、太陽電池アレイを埋め込み装置内へ(または、埋め込み装置の表面上で)パッケージすることができ、または、装置の別個の部分に埋め込み、ワイヤにより埋め込み装置に接続することができる。更に、配信及び受信されるパワー量を増大または減少させるため、光送信機のパワー送信レベル及び太陽電池アレイの面積を変更することができ、放射または熱の供給は人の皮膚及び組織に損傷を与えず、人体への埋め込みの場合、寸法はそれほど大きくはない。
【0070】
(3.熱電式充電)
温度勾配の存在下で電流を生じさせる熱電材料を利用して埋め込み心電装置を給電するか、または内部バッテリを充電するのに熱電力を用いることができる。熱電材料は本質的に半導体であって、直列に電気的に接続されたp型及びn型塔状体の対から成り、ゼーベック効果により電流を生じさせる。温度が異なる2つの媒体の間に熱電材料の層を挿入して人体の自然な熱処理を活用することにより、材料に電流を生じさせることができ、その後、電流は埋め込み装置により利用される。熱電材料の厚さは、熱い面と冷たい面との間の距離であり、この厚さを、例えば約3mmとすることができる(M.Wiener,S.Cooper著,「Nanotechnology Based Biothermal Materials For Implantable Devices and Other Applications」,Ind.Biotech.,第1巻,3番,2005年秋,p.194−195を参照されたい)。
【0071】
熱電発生器を以下のように構築することができる。熱電材料のシートを皮膚と、装置ケーシング、筋肉または外部環境との間に挟み込み、材料の縁を(セラミックまたは炭化水素ポリマ材料のような)断熱材料で囲んで温度勾配を失わないようにし、熱流を最適化する。装置バッテリへ、または、熱電発生器及び装置に電気的に接続している導体を介して直接に装置へ配信される電力を生じさせることができる。バッテリが用いられる場合、熱電発生器は導体を介してバッテリと電気接続するように配置され、通常通りにバッテリを簡単に充電する。再充電可能なバッテリを用いず、電力発生用の熱電材料の使用だけに依存する埋め込み装置を継続的かつ永続的に給電することができ、装置の寿命は患者の寿命だけによって制限され、装置を故障または劣化により再配置するためのいかなる必要性も無視することができる。
【0072】
熱電充電システムを様々な方法で実施することができる。高い温度差を生じさせる身体の一部内に、例えば、表面部の血管または毛細血管床と、皮膚表面との間に熱電シートを装置自体から離れて配置することができ、ワイヤは埋め込み装置まで延在する。また、皮膚と、その下の組織またはケーシング内の空き空間との間の温度勾配を利用するため、人体の外側に材料を外部的に配置するか、または、装置のケーシング内に統合することができる。更に、所望に応じて異なる電流量を生じさせるため、材料の面積を調整することができる。
【0073】
現在の熱電材料を用いる前述のような熱電充電システムは、搭載バッテリを用いることなしにペースメーカ装置を無定限に給電するのに充分な電力を生じさせることができ、ペースメーカの寿命は、装置の故障または劣化だけによって制約される。好適な一実施形態では、発生器は電流を、再充電可能でないバッテリに結合されたキャパシタに供給する。バッテリを使い果たし、もはやICDを維持することができなくなってはじめて、ICDは、バッテリを再充電するこの電力配信機構を用いることができる。このことは、ICDの寿命に極めて重要な改善を与える。実際には、Quallion社から市販された化学バッテリのような最新の化学バッテリを用いれば、ICDの寿命が容易に10年以上持つことができると予想されている。本発明の熱電充電システムを用いるこのようなバッテリ、例えばポリシロキサンポリマ電解質リチウムバッテリを有するICDは、5年より長い、例えば、7年より長い、10年より長い、13年より長い、更には15年より長い平均作業寿命を有する。
【0074】
本発明と用いることができる様々な利用できる再充電可能なバッテリ技術が存在する。一般的な再充電可能なバッテリ技術のうちリチウムイオンバッテリは最も高いエネルギー密度(現在の再充電可能でないペースメーカバッテリの約2/3のエネルギー密度)を有する。ニッケル水素バッテリのエネルギー密度は、現在の再充電可能でないバッテリの約1/3のエネルギー密度である。従って、1回の充電について、再充電可能なバッテリは、現在の技術を用いる再充電可能でないバッテリほど長く持続しない。更に、一般的な再充電可能なバッテリの寿命は限られている。ニッケル水素は10年程度の寿命を有するが、リチウムイオンバッテリは約5年の寿命を有する。
【0075】
(4.直接差し込み式)
この実施形態は、埋め込み可能な装置との直接の導電接触により外部の電源を介して充電することができる完全埋め込み装置を含む。充電機構は、感染症または他の合併症に侵されないように実施される。電源プラグが標準の壁電気ソケットに挿入される方法に酷似して、装置の電源の端子との直接接続を経皮的に確立することにより装置が充電される。
【0076】
一実施形態は、注射針の注入と同じようにリードを「注入する」ことである。これらの比較的小さい切開は感染の可能性を、無視し得る値に減少させる。大部分の消毒針の注入では、感染の危険性がほとんどない。身体組織にわたって電位を与える発生率を減少させるため、リードを絶縁材料で被覆することにより埋め込み装置の接点を身体組織から絶縁する必要がある。
【0077】
別の実施形態は、ペースメーカの表面に配置された2つの大きな接点と、これら接点の上に配置された絶縁体とから成る。ペースメーカの寸法に近似するように設計された特別なプレートが、充電用リードをペースメーカと外部的に簡単に位置合わせさせ、容易な充電を可能にするのに用いられる。ペースメーカは、その表面上に2つの絶縁接点を有し、これらを介してリードは挿入される。金属製装置がペースメーカの上に適合する。この装置は、経皮的にペースメーカの形状の上に適合するのに用いられ、従って、医者または看護師は充電用針をペースメーカ充電用接点へ効果的に誘導することができる。これら2つのリードを、同軸ケーブルに酷似する1つの統合ワイヤに束ねるか、または絡み合わせることができ、従って、埋め込み装置への接続部が、2つではなく1つで足りる。
【0078】
(5.無線誘導式)
この実施形態は、無線周波数の電磁力を用いる無線方法で埋め込み装置を誘導的に充電することを含む。電流は電力供給コイルを通って流れ、これにより、互いに接近して配置されると、埋め込み装置内に入れられたコイルに電流を誘導する。従って、電流を生じさせ、電源とのいかなる物理的な接続も持たずに電源に配信することができる。埋め込み装置(ペースメーカ)(3)の上に配置される充電器(1)の切断図を示す図1を参照されたい。充電器は本質的に中空のほぼディスク状カプセルであって、カプセルの内壁を回るように延在する複数のワイヤループ(2)を含む。ペースメーカが皮膚の直下に位置し、充電器が患者の体外で皮膚に接触して配置されるように充電器はペースメーカと近接して配置される。電流は充電器のワイヤループを通って電磁界を生じさせる。電流を交互になるように生じさせるか、または変化させることは、充電器から放射された磁束に変化を生じさせ、磁束は皮膚を通り、これにより、磁束線はペースメーカの内部ワイヤループ(4)と交わり、これらを貫通する。この磁束の貫通はペースメーカの内部ワイヤループ(4)に電流を誘導し、電流は内部バッテリを充電するか、または、出力をペースメーカの1つ以上の電気部品に直接に供給するのに用いられる。
【0079】
コイルの寸法及びコイルの巻数は、配信される電力の量を決定する。熱制限に関しては、標準の計算を用いて最適な電力配信量を決定することができる。
【0080】
(6.圧力エネルギー式:ピストン‐隔膜)
心臓収縮期と拡張期との間の血圧の変動は、皮膜、隔膜、ピストンまたは、エネルギー変換素子に接続できる他のタイプのトランスデューサの変位を生じさせる。
【0081】
(本発明の他の実施形態)
本発明は、埋め込み医療装置を給電する方法をも含み、この方法は、(1)完全埋め込み可能であって、生体適合性のある運動式電気発生器であって、埋め込み医療装置を給電するため、発生器は磁石及び導体を備え、導体及び埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを更に備え、磁石及び導体は相対的に移動することができ、導体は、長手方向の軸線を中心として細長状の管腔を規定するようにコイル状に巻かれ、磁石は、管腔内に少なくとも部分的に配置され、コイル状に巻かれた導体の管腔内を移動することができ、使用中、発生器が長手方向のほぼ軸線に沿って移動される場合、磁石は管腔内を移動する発生器、を提供する工程と、(2)電気リードを介して発生器を医療装置へ電気的に接続する工程と、(3)医療装置を所望の位置に埋め込む工程と、(4)発生器を所望の位置に埋め込む工程と、(5)発生器を移動させ、これにより電気を生じさせて埋め込み医療装置を給電する工程とを含む。
【0082】
前述の方法を用いて、発生器を心臓の壁に極めて接近して埋め込むことができ、これにより、発生器が、心臓の鼓動によって発生された規則正しい拍動運動を受けることができ、運動は、約0.5Hz〜約2Hzの範囲の周波数を有し、これにより、約40μW〜200μWの範囲にある電力を生じさせる。
【0083】
本発明は、(1)完全埋め込み可能であって、生体適合性のある運動式電気発生器であって、埋め込み医療装置を給電するため、発生器は磁石及び導体を備え、導体及び埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを更に備え、磁石及び導体は相対的に移動することができ、導体は、長手方向の軸線を中心として細長状の管腔を規定するようにコイル状に巻かれ、磁石は、管腔内に少なくとも部分的に配置され、コイル状に巻かれた導体の管腔内を移動することができ、使用中、発生器が長手方向のほぼ軸線に沿って移動される場合、磁石は管腔内を移動する、発生器と、(2)(a)ペースメーカ、(b)除細動器、(c)左心室補助装置、(d)筋刺激装置、(e)神経刺激装置、(f)人工内耳、(g)監視装置及び(h)薬ポンプより成る群から選択された埋め込み医療装置とを備えるキットをも含む。
【0084】
(開示に関する一般的な表現)
本書に開示された実施形態は例示であって一例にすぎず、本発明を限定するものではない。他の実施形態を用いることができ、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく、構造上の変更を行うことができる。本明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、文脈上、他に意味されることが明示されていない限り、単数複数について記載のないものは1つ以上とする。例えば、「一部」は、複数のこのような部分を含む。
【0085】
本開示では、本発明の特定の特徴について言及した。当然のことながら、本明細書における本発明の開示は、このような特定の特徴の適切な組み合わせのすべてを含む。例えば、特定の特徴が特定の実施形態または特定の特許請求の範囲の文脈において開示されている場合、他の特定の実施形態及び特許請求の範囲の文脈においても、また、本発明において広く、この特徴を適切な範囲で用いることができる。
【0086】
本書に開示された実施形態は例示であって一例にすぎず、本発明を限定するものではない。他の実施形態を用いることができ、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく、構造上の変更を行うことができる。本開示では、(例えば、部品、材料、素子、装置、機器、システム、群、範囲、方法の工程、試験結果などを含む)特定の特徴について言及した。当然のことながら、本明細書における本発明の開示は、このような特定の特徴の可能な組み合わせのすべてを含む。
【0087】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、文脈上、他に意味されることが明示されていない限り、単数複数について記載のないものは1つ以上とする。例えば、「一部」は、複数のこのような部分を含む。
【0088】
本明細書において、「備える」、「含む」なる用語及びこれと文法上等価な用語は、具体的に特定された特徴に加えて他の特徴が任意選択的に存在することを意味する。本明細書において、後に数字が続く「少なくとも」なる用語は、(定義された変数に応じて上限を有するか、または上限を有しない範囲とすることができる)範囲がその数字から始まることを示すために用いられている。例えば、「少なくとも1つ」とは1つ以上を意味し、「少なくとも80%」とは80%以上を意味する。本明細書において、後に数字が続く「多くとも」なる用語は、(定義された変数に応じて下限として1または0を有する範囲、または、下限を有しない範囲とすることができる)範囲がその数字で終わることを示すために用いられている。例えば、「多くとも4つ」とは4つ以下を意味し、「多くとも40%」とは40%以下を意味する。本明細書において、「(最初の数字)〜(次の数字)」または「(最初の数字)−(次の数字)」として範囲が示された場合、このことは、最初の数字である下限と、次の数字である上限とを有する範囲を意味する。
【0089】
本明細書において、規定された2つ以上の工程を含む方法に言及した場合、規定された工程をいかなる順序にも、または同時に行うことができ(ただし、文脈がこの可能性を排除した場合を除く)、方法は、規定された工程のいずれかの前に、または、規定された工程のうち2つの工程間に、あるいは、すべての規定された工程の後に行われる1つ以上の他の工程を任意選択的に含むことができる(ただし、文脈がこの可能性を排除した場合を除く)。本明細書において示された数字は、文脈及び表現に適切な許容度を持って解釈すべきである。例えば、各数字は、当業者によって従来通りに用いられた方法により測定することができる精度に応じて変更される。
【0090】
本明細書は、本明細書において参照されたすべての文献と、本明細書と同時に出願されたか、または、本明細書と一緒に公開された文献を含むがこれに限定されない本願に関連
して以前出願されたすべての文献とを参照することにより組み入れる。
【0091】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、埋め込み装置(ペースメーカ)(3)上に配置される充電器(1)の切断図を示す概略図である。充電器は本質的に中空のほぼディスク状カプセルであって、カプセルの内壁を回るように延在する複数のワイヤループ(2)を含む。ペースメーカが皮膚の直下に位置する場合、充電器が患者の体外で皮膚に接触して配置されるように充電器はペースメーカと近接して配置される。電流は充電器のワイヤループを通って電磁界を生じさせる。電流を交互になるように生じさせるか、または変化させることは、充電器から放射された磁束に変化を生じさせ、磁束は皮膚を通り、これにより、磁束線はペースメーカの内部ワイヤループ(4)と交わり、これらを貫通する。この磁束の貫通はペースメーカの内部ワイヤループ(4)に電流を誘導し、電流は内部バッテリを充電するか、または、出力をペースメーカの1つ以上の電気部品に直接に供給するのに用いられる。
【図2】図2は、運動式充電器システムの3つの実施形態、すなわち、回転質量式充電器(6)、移動磁石式充電器(12)及び可変キャパシタ式充電器(13)を示す概略図である。各充電器は、カテーテル(9)に取り付けられた状態で示されている。カテーテルはペースメーカ(17)のリード(12)に電気的に接続されている。回転質量式充電器(6)は、マイクロ発生器(8)のアクセルを中心として回転する質量(7)を備える。移動磁石式充電器(12)は、ワイヤコイル(10)の中を移動(滑動)してコイルに電流を生じさせる磁石(11)を含む。可変キャパシタ式充電器(13)は、スプリング(14)に配置された質量を用いて、可変距離キャパシタ(15)を連続的に圧縮及び解放し、これにより電流を生じさせる。
【図3】図3は、複数の個々の磁性球体(20)を備え、カテーテル構造(19)に組み込まれた移動磁石型発生器(18)の変形例の概略図である。各磁性球体(20)は、絶縁カテーテル壁部(21)の内側に沿って長手方向にカテーテルを通って延在する細長状ワイヤコイル(22)内に配置されている。図3Aには、単一球体の拡大図を示す。
【図4】図4は、単一の密閉型発生ユニット(27)を示す移動磁石型発生器の一実施形態の概略図である。密閉型発生ユニット(27)は、絶縁ケーシング(26)を有する細長状中空円筒内に滑動可能及び/または回転可能に配置された磁性球体(23)を備える。絶縁ケーシング(26)の外側にはワイヤコイル(24)が巻き付けられている。スプリング(26)は円筒内部のそれぞれの端部に配置され、これにより、スプリングによって跳ね返る球体を偏向させ、球体が円筒の中を移動し、これにより外部のワイヤコイルに電流を生じさせる。
【図5】図5は、2つのアクリル板間に位置する「蛇腹」配置のアルミニウム蒸着ポリエステルフィルムから構成された可変距離キャパシタを示す概略図である。使用中、キャパシタが圧縮及び解放されると、キャパシタは電荷を生じさせる。
【図6】図6は、磁石及びコイルを相対的に移動するのに使用される振動錘を用いる充電機構の部品を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
完全埋め込み可能であって、生体適合性のある運動式電気発生器であって、
埋め込み医療装置を給電するため、該発生器は、心臓カテーテルのリードの先端またはその近くに位置決めされ、
磁石及び導体を備え、
該導体及び該埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを更に備え、
該磁石及び該導体は相対的に移動することができ、使用中、該磁石が該導体に相対して移動する場合、電流が該導体に誘導され、該電流は該電気リードを介して該埋め込み医療装置に送信される、発生器。
【請求項2】
請求項1に記載の発生器であって、前記導体は、長手方向の軸線を中心として細長状の管腔を規定するようにコイル状に巻かれ、前記磁石は、該管腔内に少なくとも部分的に配置され、該コイル状に巻かれた導体の該管腔内を移動することができ、使用中、該発生器が該長手方向のほぼ軸線に沿って移動される場合、該磁石は該管腔内を移動する、発生器。
【請求項3】
請求項2に記載の発生器であって、シャフトに取り付けられた偏心重り付きカムを更に備え、該シャフトは、該カムの運動が前記磁石に随伴運動を生じさせるように該磁石と機械伝達する、発生器。
【請求項4】
請求項3に記載の発生器であって、前記シャフト及び前記磁石を機械的に接続する1つ以上の歯車を更に備える、発生器。
【請求項5】
請求項2に記載の発生器であって、前記磁石は球状である、発生器。
【請求項6】
請求項5に記載の発生器であって、前記球状磁石は、第1端及び第2端を有する管状区画内に封入されている、発生器。
【請求項7】
請求項6に記載の発生器であって、各端は壁により囲まれ、各壁の内面は偏向素子を備え、該偏向素子は、前記球状磁石が該偏向素子に衝突すると該球状磁石をはじくように適合されている、発生器。
【請求項8】
請求項7に記載の発生器であって、前記偏向素子は、付勢ばね、弾性緩衝器及び磁石より成る群から選択されている、発生器。
【請求項9】
請求項8に記載の発生器であって、前記偏向素子は、可変ギャップキャパシタまたは圧電材料を追加として組み入れている、発生器。
【請求項10】
請求項2に記載の発生器であって、前記磁石は細長状磁石であり、該細長状磁石は、第1端及び第2端を有する管状区画内に封入されている、発生器。
【請求項11】
請求項10に記載の発生器であって、各端は壁により囲まれ、各壁の内面は偏向素子を備え、該偏向素子は、前記細長状磁石が該偏向素子に衝突すると該細長状磁石をはじくように適合されている、発生器。
【請求項12】
請求項6に記載の発生器であって、端から端まで設置された複数の個々の管状区画を備え、各区画は、隣接した区画から壁により分離され、各区画は少なくとも1つの球状磁石を含む、発生器。
【請求項13】
請求項2に記載の発生器であって、前記導体は移動可能であり、使用中、前記磁石は静止している、発生器。
【請求項14】
請求項2に記載の発生器であって、20mm以下の最大寸法を有する、発生器。
【請求項15】
請求項2に記載の発生器であって、使用中、40μW〜1000μWの範囲にある平均電力出力を生じさせる、発生器。
【請求項16】
請求項2に記載の発生器であって、0.25cc〜5ccの範囲の体積を有する、発生器。
【請求項17】
完全埋め込み可能であって、生体適合性のある運動式電気発生器であって、
埋め込み医療装置を給電するため、該発生器は、
ばね付き釣合い錘に機械的に接続された可変距離キャパシタであって、
該ばね付き釣合い錘が移動されると、該可変距離キャパシタは圧縮され、これにより電流を生じさせる、可変距離キャパシタを備え、
可変距離キャパシタ及び該埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを更に備える、
発生器。
【請求項18】
請求項17に記載の発生器であって、使用中、40μW〜1000μWの範囲にある平均電力出力を生じさせる、発生器。
【請求項19】
埋め込み医療装置を給電する方法であって、
(1)完全埋め込み可能であって、生体適合性のある運動式電気発生器であって、
埋め込み医療装置を給電するため、該発生器は磁石及び導体を備え、該導体及び該埋め込み医療装置との電気伝達に適合された電気リードを更に備え、該磁石及び該導体は相対的に移動することができ、該導体は、長手方向の軸線を中心として細長状の管腔を規定するようにコイル状に巻かれ、該磁石は、該管腔内に少なくとも部分的に配置され、該コイル状に巻かれた導体の該管腔内を移動することができ、使用中、該発生器が該長手方向のほぼ軸線に沿って移動される場合、該磁石は該管腔内を移動する、発生器
を提供する工程と、
(2)該電気リードを介して該発生器を該医療装置へ電気的に接続する工程と、
(3)該医療装置を所望の位置に埋め込む工程と、
(4)該発生器を所望の位置に埋め込む工程と、
(5)該発生器を移動させ、これにより電気を生じさせて該埋め込み医療装置を給電する工程と
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記発生器を心臓の壁に接近して埋め込む工程を含み、
前記心臓の鼓動によって発生された規則正しい拍動運動を該発生器に受けさせる工程を更に含み、
該運動は約0.5Hz〜約2Hzの範囲の周波数を有し、これにより、約40μW〜200μWの範囲にある電力を生じさせる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−529975(P2009−529975A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500531(P2009−500531)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006917
【国際公開番号】WO2007/109272
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(501243030)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー (17)
【Fターム(参考)】