説明

基地局および通信方法

【課題】複数のアンテナを使用して通信する際の通信性能を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】第1基地局機能部100および第2基地局機能部200は、第1アンテナ群110および第2アンテナ群120においてある通信端末2から受信信号を受信する。第1基地局機能部100は、第1アンテナ群110から、通信端末2に無線信号を送信する。第2基地局機能部200は、第2アンテナ群120から、通信端末2に無線信号を送信する。無線制御部41は、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質、および、第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質に基づいて、第1基地局機能部100および第2基地局機能部200のいずれか一方を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアンテナを有する基地局、および、複数のアンテナを使用した通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から基地局と通信端末との通信に関して様々な技術が提案されている。基地局には、通信端末と無線通信を行う際に、アレイアンテナの指向性を制御するアダプティブアレイアンテナ方式を用いるものがある。特許文献1には、アレイアンテナを構成する各アンテナにおいて無線信号を受信し、その無線信号に基づいてウェイトを生成する技術が開示されている。アダプティブアレイアンテナ方式を用いる基地局は、受信用ウェイトが設定された複数の受信信号を合成して得られた信号に対して復調処理を行い、その一方で、送信用ウェイトに基づいて、無線信号を通信端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−311780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、基地局では、通信端末からの無線信号を受信できる受信エリアを拡大することが求められている。上述のようなアダプティブアレイアンテナ方式を用いた基地局では、通信端末からの無線信号を受信する際に用いるアンテナの数を増やすことにより、基地局の受信エリアの拡大を実現しようとする構成が提案されている。そのような基地局として、2つのアンテナ群のいずれか一方を用いて、通信端末に無線信号を送信するのに対し、当該送信に用いる一方のアンテナ群に他方のアンテナ群を加えた全アンテナを用いて、通信端末からの無線信号を受信する構成が提案されている。
【0005】
さて、このような基地局では、2つのアンテナ群のうち、無線信号の送信に用いられるアンテナ群と通信端末との間の通信状態が悪化した場合には、基地局は、通信端末に無線信号を送信できなくなり、通信性能が低下する場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、複数のアンテナを使用して通信する際の通信性能を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る基地局は、第1アンテナ群および第2アンテナ群からなる複数のアンテナを共有する、それぞれが基地局として機能する第1および第2基地局機能部を備える基地局であって、前記第1基地局機能部は、前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得し、さらに、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第1アンテナ群から無線信号を送信する第1通信部と、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する第1推定部とを有し、前記第2基地局機能部は、前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得し、さらに、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第2アンテナ群から無線信号を送信する第2通信部と、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する第2推定部とを有し、前記第1および第2基地局機能部は、それらの動作を統括的に制御する共通の制御部を有し、前記制御部は、ある通信端末についての前記第1および第2推定部での推定結果に基づいて、前記第1および第2基地局機能部のうち、当該ある通信端末と通信を行う基地局機能部を決定する。
【0008】
また、本発明に係る基地局の一態様は、前記第1推定部は、前記第1アンテナ群で受信された受信信号の信号レベルを求めることによって、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定し、前記第2推定部は、前記第2アンテナ群で受信された受信信号の信号レベルを求めることによって、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する。
【0009】
また、本発明に係る基地局の一態様は、前記第1推定部は、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に含まれるデータについてのエラーの有無を求めることによって、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定し、前記第2推定部は、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に含まれるデータについてのエラーの有無を求めることによって、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する。
【0010】
本発明に係る基地局の一態様は、前記制御部は、前記第1および第2基地局機能部のうち、ある通信端末と通信する一方の基地局機能部が、当該ある通信端末から受信する、当該ある通信端末と通信を開始するために必要な所定情報を管理し、前記制御部は、前記ある通信端末についての前記第1および第2推定部での推定結果に基づいて、前記ある通信端末と通信を行う基地局機能部を、前記一方の基地局機能部から他方の基地局機能部に変更した場合には、当該他方の基地局機能部が前記ある通信端末と通信を開始する際に前記所定情報を使用する。
【0011】
また、本発明に係る通信方法は、第1アンテナ群および第2アンテナ群からなる複数のアンテナを共有する、それぞれが基地局として機能する第1および第2基地局機能部を備え、当該第1および第2基地局機能部には、それらの動作を統括的に制御する共通の制御部が設けられた基地局での通信方法であって、(a)前記第1基地局機能部が、前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得する工程と、(b)前記第1基地局機能部が、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第1アンテナ群から無線信号を送信する工程と、(c)前記第1基地局機能部が、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する工程と、(d)前記第2基地局機能部が、前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得する工程と、(e)前記第2基地局機能部が、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第2アンテナ群から無線信号を送信する工程と、(f)前記第2基地局機能部が、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する工程と、(g)前記制御部が、ある通信端末についての前記工程(c),(f)での推定結果に基づいて、前記第1および第2基地局機能部のうち、当該ある通信端末と通信を行う基地局機能部を決定する工程とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1基地局機能部および第2基地局機能部での通信品質に基づいて、第1基地局機能部および第2基地局機能部のうち、通信端末と通信を行う基地局機能部が決定される。そのため、第1基地局機能部および第2基地局機能部のいずれか一方が、通信端末と通信をしている場合に、それらの間の通信状態が悪化しても、他方と当該通信端末との通信状態が良い場合には、他方を用いて、当該通信端末と通信を行うことができる。その結果、通信性能が向上する。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、通信端末と通信を開始するのに必要な所定情報
を管理し、当該通信端末と通信を行う基地局機能部を、一方の基地局機能部から他方の基地局機能部に変更する場合には、当該他方の基地局機能部が当該通信端末と通信を開始する際に所定情報を使用する。そのため、通信端末と通信を行う基地局機能部を、一方の基地局機能部から他方の基地局機能部に変更した際に、当該他方の基地局機能部は当該通信端末とすぐに通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る基地局の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態に係る基地局が備える通信テーブルを示す図である。
【図5】実施の形態に係る無線通信システムの制御シーケンスを示すタイミングチャートである。
【図6】従来の無線通信システムの制御シーケンスを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。本実施の形態に係る無線通信システムは、基地局1と、複数の通信端末2とを備える。基地局1は、通信端末2と無線信号を送受信することにより、通信端末2と無線通信を行う。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る基地局1の構成を示す図である。図2に示されるように、本実施の形態に係る基地局1は、複数の第1アンテナ11からなる第1アンテナ群110と、複数の第2アンテナ12からなる第2アンテナ群120と、破線で示される第1通信部21および第2通信部31と、第1推定部25と、第2推定部35と、無線制御部41と、中央制御部42と、回線制御部43とを備える。第1通信部21は、複数の第1受信部22と、複数の第1送信部23と、第1データ処理部24とを備える。第2通信部31は、複数の第2受信部32と、複数の第2送信部33と、第2データ処理部34とを備える。
【0017】
本実施の形態では、基地局1は、基地局2台分の機能を有している。第1アンテナ群110、第2アンテナ群120、第1通信部21、第1推定部25、複数の第2受信部32、複数の第2送信部33、無線制御部41、中央制御部42、および、回線制御部43は、一つの基地局として機能する第1基地局機能部100を構成している。また、第1アンテナ群110、第2アンテナ群120、複数の第1受信部22、複数の第1送信部23、第2通信部31、第2推定部35、無線制御部41、中央制御部42、および、回線制御部43は、一つの基地局として機能する第2基地局機能部200を構成している。第1基地局機能部100および第2基地局機能部200は、第1アンテナ群110および第2アンテナ群120からなる複数のアンテナを共有している。そして、第1基地局機能部100、および、第2基地局機能部200のそれぞれには、その動作を統括的に制御する、無線制御部41、中央制御部42および回線制御部43からなる制御部が共通に設けられている。以下、第1基地局機能部100と、第2基地局機能部200との総称を、「基地局機能部」と呼ぶこともある。
【0018】
第1基地局機能部100は、第1アンテナ群110を用いて、無線信号を送信するのに対し、当該第1アンテナ群110に第2アンテナ群120を加えた全アンテナを用いて、通信端末2からの無線信号を受信する。こうして、通信端末2からの無線信号を受信する際に用いるアンテナの数を増やすことにより、第1基地局機能部100の受信エリアの拡大を実現している。同様に、第2基地局機能部200は、第2アンテナ群120を用いて、通信端末2に無線信号を送信するのに対し、当該第2アンテナ群120に第1アンテナ群110を加えた全アンテナを用いて、通信端末2からの無線信号を受信する。こうして、通信端末2からの無線信号を受信する際に用いるアンテナの数を増やすことにより、第2基地局機能部200の受信エリアの拡大を実現している。
【0019】
第1基地局機能部100、および、第2基地局機能部200は、互いに独立して基地局として動作しており、基本的には、互いに異なる通信端末2と無線通信を行う。基地局1は、複数の通信端末2と通信を行う際には、複数の通信端末2のそれぞれに対して、第1基地局機能部100および第2基地局機能部200のうち、通信状態が良い方の基地局機能部を用いる。以下、基地局1の構成及び動作について詳細に説明する。
【0020】
<第1基地局機能部の受信動作>
第1基地局機能部100が、通信端末2からの無線信号を受信する際、第1アンテナ群110および第2アンテナ群120の両方で当該無線信号を受信する。第1受信部22および第1送信部23は、第1アンテナ群110を構成する複数の第1アンテナ11のそれぞれに対して設けられている。複数の第1受信部22は、複数の第1アンテナ11でそれぞれ受信された複数の受信信号に対してダウンコンバートをそれぞれ行って、当該複数の受信信号を複数のベースバンド信号にそれぞれ変換し、当該複数のベースバンド信号を第1データ処理部24に出力する。
【0021】
第2受信部32および第2送信部33は、第2アンテナ群120を構成する複数の第2アンテナ12のそれぞれに対して設けられている。複数の第2受信部32は、複数の第2アンテナ12でそれぞれ受信された複数の受信信号に対してダウンコンバートをそれぞれ行って、当該複数の受信信号を複数のベースバンド信号にそれぞれ変換し、当該複数のベースバンド信号を第1データ処理部24に出力する。
【0022】
第1データ処理部24は、複数の第1受信部22および複数の第2受信部32からの複数のベースバンド信号のそれぞれに対して増幅処理を行う。そして、第1データ処理部24は、増幅処理された、複数の第1受信部22および複数の第2受信部32のそれぞれからの複数のベースバンド信号のそれぞれに対して、後述する第1受信用ウェイトを設定して(重み付けを行って)、各ベースバンド信号の位相および振幅を制御する。また、第1データ処理部24は、増幅処理された、複数の第1受信部22からの複数のベースバンド信号のそれぞれに対して、後述する第2受信用ウェイトを設定して、各ベースバンド信号の位相および振幅を制御する。
【0023】
そして、第1データ処理部24は、第1受信用ウェイトが設定された、複数の第1受信部22および複数の第2受信部32からの複数のベースバンド信号を合成して、第1合成信号を生成する。これにより、複数の第1アンテナ11および複数の第2アンテナ12からなるアレイアンテナのビームを希望波に向けることができる。その後、第1データ処理部24は、第1合成信号に対して復調処理を行って、第1既知信号と第1受信データを取得する。第1データ処理部24は、復調処理を行って取得された第1受信データを、無線制御部41に出力する。
【0024】
第1データ処理部24は、第2受信用ウェイト設定が設定された、複数の第1受信部22からの複数のベースバンド信号を合成して、第2合成信号を取得する。その後、第1データ処理部24は、第2合成信号に対して復調処理を行って、第2既知信号と第2受信データを取得する。
【0025】
また、第1データ処理部24は、第1既知信号に基づいて、第1受信用ウェイトを算出し、第2既知信号に基づいて、第2受信用ウェイトを算出する。そして、第1データ処理部24は、第2受信用ウェイトに基づいて、送信用ウェイトを算出する。
【0026】
<第1基地局機能部の送信動作>
第1基地局機能部100が送信動作を行う場合には、無線制御部41から送信データが出力される。第1データ処理部24は、無線制御部41からの送信データに基づいて、受信側のベースバンド信号の周波数と同じ周波数の搬送波を変調し、当該搬送波からなるベースバンド信号を生成する。このベースバンド信号は、複数の第1アンテナ11の数だけ準備される。そして、第1データ処理部24は、自身が求めた送信用ウェイトを、自身が生成した複数のベースバンド信号のそれぞれに設定し、送信用ウェイト設定後の複数のベースバンド信号を複数の第1送信部23にそれぞれ出力する。
【0027】
複数の第1送信部23は、第1データ処理部24から出力された複数のベースバンド信号を、アップコンバートおよび増幅処理をそれぞれ行った後、複数の第1アンテナ11にそれぞれ出力する。これにより、第1アンテナ群110からは、通信端末2に向かって無線信号が送信される。
【0028】
<第2基地局機能部の受信動作>
第2基地局機能部200が、通信端末2からの無線信号を受信する際、第1アンテナ群110および第2アンテナ群120の両方で当該無線信号を受信する。複数の第1受信部22は、複数の第1アンテナ11でそれぞれ受信された複数の受信信号に対してダウンコンバートをそれぞれ行って、当該複数の受信信号を複数のベースバンド信号にそれぞれ変換し、当該複数のベースバンド信号を第2データ処理部34に出力する。複数の第2受信部32は、複数の第2アンテナ12でそれぞれ受信された複数の受信信号に対してダウンコンバートをそれぞれ行って、当該複数の受信信号を複数のベースバンド信号にそれぞれ変換し、当該複数のベースバンド信号を第2データ処理部34に出力する。
【0029】
第2データ処理部34は、複数の第1受信部22および複数の第2受信部32からの複数のベースバンド信号のそれぞれに対して増幅処理を行う。そして、第2データ処理部34は、増幅処理された、複数の第1受信部22および複数の第2受信部32のそれぞれからの複数のベースバンド信号のそれぞれに対して、後述する第1受信用ウェイトを設定して、各ベースバンド信号の位相および振幅を制御する。また、第2データ処理部34は、増幅処理された、複数の第2受信部32からの複数のベースバンド信号のそれぞれに対して、後述する第2受信用ウェイトを設定して、各ベースバンド信号の位相および振幅を制御する。
【0030】
そして、第2データ処理部34は、第1受信用ウェイトが設定された、複数の第1受信部22および複数の第2受信部32からの複数のベースバンド信号を合成して、第1合成信号を生成する。これにより、複数の第1アンテナ11および複数の第2アンテナ12からなるアレイアンテナのビームを希望波に向けることができる。その後、第2データ処理部34は、第1合成信号に対して復調処理を行って、第1既知信号と第1受信データを取得する。第2データ処理部34は、復調処理を行って取得された第1受信データを、無線制御部41に出力する。
【0031】
また、第2データ処理部34は、第2受信用ウェイト設定が設定された、複数の第2受信部32からの複数のベースバンド信号を合成して、第2合成信号を取得する。その後、第2データ処理部34は、第2合成信号に対して復調処理を行って、第2既知信号と第2受信データを取得する。
【0032】
また、第2データ処理部34は、第1既知信号に基づいて、第1受信用ウェイトを算出し、第2既知信号に基づいて、第2受信用ウェイトを算出する。そして、第2データ処理部34は、第2受信用ウェイトに基づいて、送信用ウェイトを算出する。
【0033】
<第2基地局機能部の送信動作>
第2基地局機能部200が送信動作を行う場合には、無線制御部41から送信データが出力される。第2データ処理部34は、無線制御部41からの送信データに基づいて、受信側のベースバンド信号の周波数と同じ周波数の搬送波を変調し、当該搬送波からなるベースバンド信号を生成する。このベースバンド信号は、複数の第2アンテナ12の数だけ準備される。そして、第2データ処理部34は、自身が求めた送信用ウェイトを、自身が生成した複数のベースバンド信号のそれぞれに設定し、送信用ウェイト設定後の複数のベースバンド信号を複数の第2送信部33にそれぞれ出力する。
【0034】
複数の第2送信部33は、第2データ処理部34から出力された複数のベースバンド信号を、アップコンバートおよび増幅処理をそれぞれ行った後、複数の第2アンテナ12にそれぞれ出力する。これにより、第2アンテナ群120からは、通信端末2に向かって無線信号が送信される。
【0035】
<その他の構成>
第1基地局機能部100と無線通信をしている通信端末2と、第2基地局機能部200と無線通信をしている通信端末2とは基本的に互いに異なるため、第1データ処理部24から出力される第1受信データと、第2データ処理部34から出力される第1受信データとは互いに異なる。無線制御部41は、第1基地局機能部100を構成する第1データ処理部24から出力される第1受信データを中央制御部42に出力するとともに、第2基地局機能部200を構成する第2データ処理部34から出力される第1受信データを中央制御部42に出力する。
【0036】
回線制御部43は、ネットワークから受信したデータを中央制御部42に出力する。無線制御部41と中央制御部42とは、本基地局1と通信端末2との通信で使用される第1プロトコルに従って通信し、回線制御部43と中央制御部42とは、本基地局1とネットワークとの通信で使用される第2プロトコルに従って通信する。中央制御部42は、無線制御部41からの第1プロトコルに応じたデータを、第2プロトコルに応じたデータに変換して回線制御部43に出力する。回線制御部43は、中央制御部42から出力されたデータをネットワークに送信する。一方、中央制御部42は、回線制御部43からの第2プロトコルに応じたデータを、第1プロトコルに応じたデータに変換して無線制御部41に出力する。
【0037】
複数の第1受信部22は、第1アンテナ群110で受信された受信信号、つまり、複数の第1アンテナ11でそれぞれ受信された複数の受信信号を、第1基地局機能部100に設けられた第1推定部25に出力する。第1推定部25は、第1アンテナ群110で受信された受信信号に基づいて、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質を推定する。第1推定部25の推定動作は、第1基地局機能部100と通信している通信端末2、および、第2基地局機能部200と通信している通信端末2を区別することなく、基地局1と通信している複数の通信端末2からそれぞれ送信された複数の無線信号に対してそれぞれ行われる。本実施の形態では、第1推定部25は、第1アンテナ群110を構成する複数の第1アンテナ11でそれぞれ受信された複数の受信信号のそれぞれの信号レベルを求め、当該複数の受信信号それぞれの信号レベルのうち、最大信号レベル(以下、「第1最大信号レベル」と呼ぶ)を特定する。第1推定部25が特定する第1最大信号レベルは、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質が良いほど大きくなるため、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質の優劣を示す指標となる。この第1推定部25での特定動作は、一定時間内に複数回行われる。第1推定部25は、特定した第1最大信号レベルを、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質の推定結果として、無線制御部41に出力する。
【0038】
複数の第2受信部32は、第2アンテナ群120で受信された受信信号、つまり、複数の第2アンテナ12でそれぞれ受信された複数の受信信号を、第2基地局機能部200に設けられた第2推定部35に出力する。第2推定部35は、第2アンテナ群120で受信された受信信号に基づいて、第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質を推定する。第2推定部35の推定動作は、第1基地局機能部100と通信している通信端末2、および、第2基地局機能部200と通信している通信端末2を区別することなく、基地局1と通信している複数の通信端末2からそれぞれ送信された複数の無線信号に対してそれぞれ行われる。本実施の形態では、第2推定部35は、第2アンテナ群120を構成する複数の第2アンテナ12でそれぞれ受信された複数の受信信号のそれぞれの信号レベルを求め、当該複数の受信信号それぞれの信号レベルのうち、最大信号レベル(以下、「第2最大信号レベル」と呼ぶ)を特定する。第2推定部35が特定する第2最大信号レベルは、第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質が良いほど大きくなるため、第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質の優劣を示す指標となる。この第2推定部35での特定動作は、一定時間内に複数回行われる。第2推定部35は、特定した第2最大信号レベルを、第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質の推定結果として、無線制御部41に出力する。
【0039】
無線制御部41は、ある通信端末2についての第1推定部25での推定結果、および、当該ある通信端末2についての第2推定部での推定結果に基づいて、第1基地局機能部100および第2基地局機能部200のいずれか一方を、当該ある通信端末2と無線通信を行う基地局機能部として決定する。本実施の形態では、無線制御部41は、第1推定部25で特定された、ある通信端末2についての第1最大信号レベル、および、第2推定部35で特定された、当該ある通信端末2についての第2最大信号レベルのいずれが大きいかを判定する。
【0040】
ある通信端末2についての第1最大信号レベルが、当該ある通信端末2についての第2最大信号レベルよりも大きいと判定した場合には、第1基地局機能部100を、当該ある通信端末2と無線通信を行う基地局機能部として決定する。一方、無線制御部41は、ある通信端末2についての第1最大信号レベルが、当該ある通信端末2についての第2最大信号レベルよりも小さいと判定した場合には、第2基地局機能部200を、当該ある通信端末2と無線通信を行う基地局機能部として決定する。この無線制御部41での決定動作は、一定時間内に複数回行われる。以下、無線制御部41で決定された基地局機能部を、「切替候補の基地局機能部」と呼ぶこともある。
【0041】
ある通信端末2と通信を行う基地局機能部として第1基地局機能部100が決定された場合には、無線制御部41は、第1基地局機能部100が備える第1データ処理部24に送信データを出力し、第1基地局機能部100が、当該送信データを当該ある通信端末2に送信するように、第1基地局機能部100を制御する。一方、ある通信端末2と通信を行う基地局機能部として第2基地局機能部200が決定された場合には、無線制御部41は、第2基地局機能部200が備える第2データ処理部34に送信データを出力し、第2基地局機能部200が、当該送信データを当該ある通信端末2に送信するように、第2基地局機能部200を制御する。
【0042】
次に、基地局1が、複数の通信端末2のうちのある通信端末2と無線通信を行う基地局機能部を切り替える際の切替処理動作について説明する。以下、当該ある通信端末2を、対象通信端末2aと記す。以下では、対象通信端末2aについての切替処理動作を説明するが、基地局1は、当該切替処理動作を、自機と無線通信をしている複数の通信端末2のそれぞれについて個別に行う。
【0043】
図3は、本実施の形態に係る基地局1が、対象通信端末2aと無線通信をする基地局機能部を切り替える際の切替処理動作を示すフローチャートである。まず、対象通信端末2aから送信された無線信号が、第1アンテナ群110および第2アンテナ群120において、受信信号としてそれぞれ受信される(ステップS1)。
【0044】
ステップS1の後、第1推定部25は、第1アンテナ群110で受信された受信信号に基づいて第1最大信号レベルを特定し、第2推定部35は、第2アンテナ群120で受信された受信信号に基づいて、第2最大信号レベルを特定する。無線制御部41は、第1推定部25で特定された、対象通信端末2aについての第1最大信号レベル、および、第2推定部35で特定された、対象通信端末2aについての第2最大信号レベルのいずれが大きいかを判定する(ステップS2)。
【0045】
ステップS2において、第1最大信号レベルが、第2最大信号レベルよりも大きいと判定された場合には、無線制御部41は、第1基地局機能部100と対象通信端末2aとの通信状態が良好であると判断して、対象通信端末2aと無線通信を行う基地局機能部として、第1基地局機能部100を決定する(ステップS11)。ステップS2において、第1最大信号レベルと、第2最大信号レベルとが等しいと判定された場合には、無線制御部41は、切替処理動作を終了する(ステップS19)。ステップS2において、第1最大信号レベルが、第2最大信号レベルよりも小さいと判定された場合には、無線制御部41は、第2基地局機能部200と対象通信端末2aとの通信状態が良好であると判断して、対象通信端末2aと無線通信を行う基地局機能部として、第2基地局機能部200を決定する(ステップS21)。
【0046】
ステップS11の後、無線制御部41は、決定された第1基地局機能部200が、現在、対象通信端末2aと無線通信している基地局機能部(以下、「現在使用中の基地局機能部」と呼ぶ)と異なるかを判定する(ステップS12)。つまり、無線制御部41は、現在使用中の基地局機能部が、第2基地局機能部200であるかを判定する。
【0047】
ステップS12において、現在使用中の基地局機能部が、第1基地局機能部100であると判定された場合には、無線制御部41は、切替処理動作を終了する(ステップS13)。一方、ステップS12において、現在使用中の基地局機能部が、第2基地局機能部200であると判定された場合には、無線制御部41は、自身が管理している通信テーブルを参照し、第1基地局機能部100と対象通信端末2aとの間の無線通信に使用できる無線リソースに空きがあるかを判定する(ステップS14)。図4は、無線制御部41が管理している通信テーブルを示す。図4が示す通信テーブルには、第1基地局機能部100と第2基地局機能部200が使用できる無線リソースと、無線リソースがどの通信端末2との無線通信に使用されているかが示されている。次に、図4に示される通信テーブルの各項目について説明する。
【0048】
通信テーブルの項目「基地局機能部」において、「1」は、第1基地局機能部100を示し、「2」は、第2基地局機能部200を示す。通信テーブルの項目「通信端末ID」には、基地局機能部と無線通信を行っている通信端末2の通信端末IDが示される。この通信端末IDは、各通信端末2に予め付与された、各通信端末2に固有の識別情報である。図4が示す通信テーブルには、第1基地局機能部100が、通信端末IDとして「A」が付与された通信端末2(以下、「通信端末2A」と呼ぶ)と無線通信を行っていることが示されている。また、同図が示す通信テーブルには、第2基地局機能部200が、通信端末IDとして「B」が付与された通信端末2(以下、「通信端末2B」と呼ぶ)、および、通信端末IDとして「C」が付与された通信端末2(以下、「通信端末2C」と呼ぶ)のそれぞれと無線通信を行っていることが示されている。
【0049】
通信テーブルの項目「周波数番号」には、基地局1と通信端末2との間で送受信される無線信号の周波数の番号が示され、「スロット番号」には、基地局1と通信端末2とが通信する時間帯であるスロットの番号が示される。図4が示す通信テーブルには、第1基地局機能部100が、通信端末2Aと、周波数番号「36」で特定される周波数の無線信号を用いて、スロット番号「1」で特定されるスロットにおいて無線通信を行っていることが示されている。
【0050】
通信テーブルの項目「その他の情報」には、基地局機能部が通信端末2と無線通信を開始した際に、当該通信端末2からサービスチャネル確立フェーズにおいて受信したサービスチャネル確立情報などが管理されている。このサービスチャネル確立情報は、基地局機能部が、通信端末2と通信を開始するために必要な情報である。
【0051】
通信テーブルの項目「通信端末ID」において示される「−」は、その「−」が示された箇所と同じ行に示されている周波数番号で特定される周波数、および、同行に示されているスロット番号で特定されるスロットが無線リソースとして使用されていないことを示す。つまり、通信テーブルの項目「通信端末ID」において示される「−」は、その「−」が示された箇所と同じ行に示されている周波数番号で特定される周波数、および、同行に示されているスロット番号で特定されるスロットを無線リソースとして用いて、新規に通信端末2と無線通信を行うことができることを示す。
【0052】
さて、上述したように、ステップS14では、無線制御部41は、通信テーブルを参照し、第1基地局機能部100が使用できる無線リソースに空きがあるかを判定する。ステップS14において、第1基地局機能部100が使用できる無線リソースに空きがないと判定された場合には、無線制御部41は、上述したステップS13と同様に、無線制御部41は、切替処理動作を終了する。
【0053】
ステップS14において、第1基地局機能部100が使用できる無線リソースに空きがあると判定された場合には、無線制御部41は、第2基地局機能部200が、TCH切替指示情報を重畳した無線信号を対象通信端末2aに送信するように、第2基地局機能部200を制御する(ステップS15)。
【0054】
図5は、図3が示すステップS15,S16の全てのステップが行われたときの、本実施の形態に係る無線通信システムの制御シーケンスを示すタイミングチャートである。ステップS15が行われることにより、対象通信端末2aと第2基地局機能部200との間の無線通信が行われている通信フェーズ(時間帯t−1)から、第2基地局機能部200が、対象通信端末2aに対してTCH切替指示情報を送信する状態(時間帯t−2)に移行する。
【0055】
時間帯t−2において、第2基地局機能部200から対象通信端末2aに送信されるTCH切替指示情報は、基地局1が、対象通信端末2aに対して、現在使用中の第2基地局機能部200から切替候補の第1基地局機能部100に、TCH(Traffic Channel)の接続を切り替えて、第1基地局機能部100に割り当てられている無線リソースで第1基地局機能部100と無線通信するように指示するための情報である。TCHは、音声などのデータを伝送するためのチャネルである。本実施の形態に係るTCH切替指示情報には、対象通信端末2aが、切替候補の基地局機能部と無線通信するのに必要な情報、例えば、プロトコル種別、メッセージ種別、周波数番号、基地局識別、SCH(Service-Channel)種別、スロット番号、ユニークワード複数化などを特定する情報が含まれる。
【0056】
無線制御部41は、TCH切替指示情報に含める周波数番号に、第1基地局機能部100が使用していない無線リソースの周波数番号を割り当て、同TCH切替指示情報に含めるスロット番号に、当該無線リソースのスロット番号を割り当てる。図4が示す通信テーブルで示される通信状態の場合、第1基地局機能部100は、周波数番号「54」およびスロット番号「2」で特定される無線リソースと、周波数番号「45」およびスロット番号「3」で特定される無線リソースを使用していないので、いずれか一方の無線リソースを特定する周波数番号およびスロット番号を、TCH切替指示情報に含める周波数番号およびスロット番号にそれぞれ割り当てる。
【0057】
ここで、本実施の形態に係る無線制御部41は、現在使用中の第2基地局機能部200と対象通信端末2aと間で送受信されている無線信号の周波数を特定する周波数番号に、TCH切替指示情報に含める周波数番号を可能な限り一致させる。例えば、図4が示す通信テーブルに示される通信状態において、対象通信端末2aが、通信端末2Cである場合、通信端末2Cと第2基地局機能部200との間で送受信されている無線信号の周波数を特定する周波数番号は、「54」である。この場合、無線制御部41は、第1基地局機能部100が使用していない無線リソースを特定する周波数番号「45」およびスロット番号「3」と、第1基地局機能部100が使用していない無線リソースを特定する周波数番号「54」およびスロット「2」とのうち、周波数番号「54」およびスロット「2」を、TCH切替指示情報に含める。この割当動作以降、無線制御部41は、TCH切替指示情報に含めた周波数番号およびスロット番号が、一定時間、他の通信端末2に割り当てられないようにする。
【0058】
ステップS15の後、無線制御部41は、第1基地局機能部100が、TCH切替指示情報に含めた周波数番号およびスロット番号によりそれぞれ特定される周波数およびスロットを用いて、対象通信端末2aと無線通信するように第1基地局機能部100を制御する(ステップS16)。このとき、無線制御部41は、図4が示す通信テーブルで管理しているサービスチャネル確立情報を、切替候補の第1基地局機能部100が対象通信端末2aと無線通信を開始する際に使用する。つまり、無線制御部41は、前に使用されていた第2基地局機能部200が対象通信端末2aと無線通信を開始した際に、対象通信端末2aから送信されたサービスチャネル確立情報を、第1基地局機能部100が対象通信端末2aと無線通信を開始する際に使用する。
【0059】
このステップS16では、図5に示すように、第1基地局機能部100と対象通信端末2aとの間で、同期バーストが送受信されることにより、第1基地局機能部100と対象通信端末2aとの間の無線通信で用いられる周波数および時間の同期が取られる(時間帯t−3、t−4)。このステップS16での、無線制御部41による切替制御が行われることにより、第1基地局機能部100が、対象通信端末2aと無線通信を行う通信フェーズに移行する(時間帯t−5)。
【0060】
ステップS22〜ステップS26では、ステップS12〜ステップS16において、第1基地局機能部100と第2基地局機能部200とを入れ替えたときの通信動作と同様の通信動作が行われる。
【0061】
以上のような本実施の形態に係る基地局1によれば、第1基地局機能部100での通品品質と第2基地局機能部200での通信品質に基づいて、第1基地局機能部100および第2基地局機能部200のうち、通信端末2と無線通信する基地局機能部を決定している。具体的には、第1アンテナ群110で受信された、ある通信端末2からの受信信号の信号レベルと、第2アンテナ群120で受信された、当該ある通信端末2からの受信信号の信号レベルとの大小関係に基づいて、第1アンテナ群110を用いる第1基地局機能部100、および、第2アンテナ群120を用いる第2基地局機能部200のうち、当該ある通信端末2と無線通信する基地局機能部を決定している。これにより、例えば、第1基地局機能部100が、第1アンテナ群110を介してある通信端末2に無線信号と無線通信している場合に、第1アンテナ群110で受信した、当該ある通信端末2からの受信信号の信号レベルよりも、第2アンテナ群120で受信した、当該ある通信端末2からの受信信号の信号レベルが大きい場合には、第1基地局機能部100から第2基地局機能部200に切り替えて、第2基地局機能部200が、第2アンテナ群120を介して当該ある通信端末2と無線通信することができる。こうして、第1基地局機能部100とある通信端末2との間の通信状態が悪化しても、第2基地局機能部200と当該ある通信端末2との間の通信状態が良い場合には、基地局1は、第1基地局機能部100から第2基地局機能部200に切り替えて、第2基地局機能部200を使用して当該ある通信端末2と無線通信することができる。
【0062】
次に、本実施の形態に係る基地局1の他の効果を説明するために、従来の基地局の動作について説明する。図6は、従来の無線通信システムの制御シーケンスを示すタイミングチャートである。従来の無線通信システムにおいて、第2基地局機能部と通信端末との間で無線通信が行われている通信フェーズ(時間帯t−11)から、第2基地局機能部から第1基地局機能部に切り替えられて、第1基地局機能部と通信端末との間で無線通信が行われる通信フェーズ(時間帯t−31)に移行するためには、まず、時間帯t−12〜t−14において、リンクチャネル確立フェーズが行われる。リンクチャネル確立フェーズでは、制御チャネルを用いて、各サービスの呼接続に必要なチャネル、および、サービスチャネル確立フェーズの呼接続に必要なプロトコル種別が特定される。
【0063】
具体的には、第2基地局機能部から通信端末にTCH切替指示情報が送信される(時間帯t−12)。ただし、従来の無線通信システムでは、本実施の形態とは異なり、従来の第2基地局機能部から通信端末に送信されるTCH切替指示情報には、通信端末が第1基地局機能部と無線通信するのに必要な周波数番号、スロット番号は含まれない。
【0064】
次に、TCH切替指示情報を受信した通信端末は、第1基地局機能部にリンクチャネル確率要求情報を送信する(時間帯t−13)。リンクチャネル確立要求情報を受信した第1基地局機能部は、自身で使用可能な周波数およびスロットを検索し、当該周波数およびスロットを通信端末に割り当てるリンクチャネル割当情報を通信端末に送信する(時間帯t−14)。
【0065】
リンクチャネル確立フェーズ(時間帯t−12〜t−14)後、時間帯t−15〜t−30において、サービスチャネル確立フェーズが行われる。サービスチャネル確立フェーズでは、リンクチャネル確立フェーズで設定された機能を用いて、サービスを提供するために必要なチャネル(サービスチャネル)、および、通信フェーズに必要なプロトコル種別が特定される。
【0066】
具体的には、第1基地局機能部と通信端末との間で、同期バーストが送受信されることにより、第1基地局機能部と通信端末との間の無線通信で用いられる周波数および時間の同期が取られる(時間帯t−15、t−16)。それから、通信端末から第1基地局機能部にSABM(SetAsynchronous Balanced Mode)コマンドが送信されることにより、マルチフレーム確認形動作モードに移行する(時間帯t−17)。その後、第1基地局機能部は、UA(Unnumbered Acknowledge)コマンドを通信端末に送信することにより、第1基地局機能部がSABMコマンドを受け入れた旨が通信端末に通知される(時間帯t−18)。
【0067】
その後、回線呼接続を制御するCC(Call Control)機能を行うために必要なCC呼設定情報が、通信端末から第1基地局機能部に送信される(時間帯t−19)。第1基地局機能部は、CC呼設定受付情報を通信端末に送信し、呼設定を受け付けた旨を通信端末に知らせる(時間帯t−20)。次に、無線リソースを管理するRT(Radio Frequency Transmission Management)機能を要求するためのRT機能要求情報が、通信端末から第1基地局機能部に送信される(時間帯t−21)。第1基地局機能部は、RT機能要求応答情報を通信端末に送信する(時間帯t−22)。通信端末は、秘匿鍵を特定する情報を含むRT秘匿鍵設定情報を第1基地局機能部に送信する(時間帯t−23)。
【0068】
次に、通信端末の移動性を支援するMM(Mobility Management)機能を要求するためのMM機能要求情報を通信端末に送信する(時間帯t−24)。第1基地局機能部は、MM機能要求応答情報を通信端末に送信する(時間帯t−25)。その後、第1基地局機能部は、認証乱数を示す情報を含むMM認証要求情報を通信端末に送信する(時間帯t−26)。通信端末は、第1基地局機能部からの認証乱数と、自身が持つ認証鍵とを用いて演算を行い、その演算結果を示す情報を含むMM認証応答情報を第1基地局機能部に送信する(時間帯t−27)。
【0069】
その後、DISC(Disconnection)コマンドが、第1基地局機能部から通信端末に送信されることにより、マルチフレーム確認形動作モードが終了する(時間帯t−28)。それから、通信端末は、UAコマンドを第1基地局機能部に送信することにより、通信端末がDISCコマンドを受け入れた旨が第1基地局機能部に通知される(時間帯t−29)。その後、第1基地局機能部から通信端末にCC応答情報が送信される(時間帯t−30)。サービスチャネル確立フェーズ(時間帯t−19〜t−30)後、第1基地局機能部と通信端末との間で無線通信が行われる通信フェーズ(時間帯t−31)に移行する。
【0070】
以上のような従来の制御シーケンスに対して、本実施の形態に係る基地局1によれば、切替候補の基地局機能部が、現在使用中の基地局機能部と異なる場合には、現在使用中の基地局機能部が通信端末2と無線通信を開始した際に、通信端末2からサービスチャネル確立フェーズの時間帯t−17〜t−30において送信されたサービスチャネル確立情報が、切替候補の基地局機能部が通信端末2と無線通信を開始する際に使用される。これにより、図5に示されるように、サービスチャネル確立フェーズにおける送受信動作の大部分が不要となる。したがって、通信端末2と無線通信を行う基地局機能部を、現在使用中の基地局機能部から切替候補の基地局機能部に切り替えた際に、切替候補の基地局機能部は、当該通信端末2とすぐに通信することができる。
【0071】
なお、伝搬路の周波数特性により、通信端末2が送信する信号の周波数が変わると、周波数以外は何も変わらなくても、第1アンテナ群110および第2アンテナ群120でそれぞれ受信される受信信号の信号レベルも変化する。そのため、受信信号の信号レベルに基づいて、通信端末2と無線通信をする基地局機能部を切り替えても、その切り替えと同時に通信周波数が変わってしまうと、使用する基地局機能部での受信信号の信号レベルがかえって悪化してしまう場合がある。
【0072】
そこで、本実施の形態に係る無線制御部41は、現在使用中の基地局機能部と通信端末2との間で送受信されている無線通信の周波数を特定する周波数番号に、TCH切替指示情報に含める周波数番号を可能な限り一致させている。
【0073】
これにより、通信端末2と無線通信をする基地局機能部を切り替えても、通信周波数が変化するのを抑制することができるため、使用する基地局機能部での受信信号の信号レベルが突発的に悪くなるのをできる限り防ぐことができる。その結果、通信端末2と無線通信をする基地局機能部を、現在使用中の基地局機能部から切替候補の基地局機能部に切り替えたときに、切替候補の基地局機能部と通信端末2との間の通信状態が突発的に悪化して、それらの間で無線通信ができなくなるのを防ぐことができる。
【0074】
<変形例>
上記の例では、第1アンテナ群110で受信された受信信号の信号レベルと、第2アンテナ群120で受信された受信信号の信号レベルとの大小関係に基づいて、第1アンテナ群110を用いる第1基地局機能部100、および、第2アンテナ群120を用いる第2基地局機能部200のいずれか一方を、通信端末2と無線通信する基地局機能部として用いた。本変形例では、第1アンテナ群110で受信された受信信号に含まれるデータにエラーがあるかないかという判定結果、および、第2アンテナ群120で受信された受信信号に含まれるデータにエラーがあるかないかという判定結果に基づいて、第1アンテナ群110を用いる第1基地局機能部100、および、第2アンテナ群120を用いる第2基地局機能部200のいずれか一方を、通信端末2に無線信号を送信する基地局機能部として用いる。以下、本変形例に係る基地局1について、上述した基地局1と異なる点を中心に説明する。
【0075】
第1データ処理部24は、上記例と同様、第2受信用ウェイトが設定された、複数の第1受信部からそれぞれ出力される複数のベースバンド信号を合成して、第2合成信号を生成する。その後、第1データ処理部24は、第2合成信号に対して復調処理を行って、当該第2合成信号に含まれる第2既知信号と第2受信データを取得する。この第2受信データは第1推定部25に入力される。
【0076】
第1推定部25は、第1データ処理部24から出力された第2受信データにエラーがあるかないかを判定することによって、第1基地局機能部100での通信品質を推定する。このエラー判定には、例えば、CRC(Cyclic Redundancy Check)を用いる。
【0077】
第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質が良い場合には、第1データ処理部24からの第2受信データにエラーは生じず、当該通信品質が悪い場合には、当該第2受信データにエラーが生じる。そのため、第1推定部25によって判定される、第1データ処理部24からの第2受信データにエラーがあるかどうかという判定結果は、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質の優劣を示す指標となる。この第1推定部25のエラー判定動作は、一定時間内に複数回行われる。第1推定部25は、エラー判定の結果を、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質の推定結果として、無線制御部41に出力する。
【0078】
第2データ処理部34は、上記例と同様、第2受信用ウェイトが設定された、複数の第2受信部からそれぞれ出力される複数のベースバンド信号を合成して、第2合成信号を取得する。その後、第2データ処理部34は、当該第2合成信号に対して復調処理を行って、第2既知信号と第2受信データを取得する。この第2受信データは第2推定部35に入力される。
【0079】
第2推定部35は、第2データ処理部34から出力された第2受信データにエラーがあるかないかを判定することによって、第2基地局機能部200での通信品質を推定する。第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質が良い場合には、第2データ処理部34からの第2受信データにエラーは生じず、当該通信品質が悪い場合には、当該第2受信データにエラーが生じる。そのため、第2推定部35によって判定される、第2データ処理部34からの第2受信データにエラーがあるかどうかという判定結果は、第2基地局機能部200と通信端末2との通信品質の優劣を示す指標となる。この第2推定部35のエラー判定動作は、一定時間内に複数回行われる。第2推定部35は、エラー判定の結果を、第1基地局機能部100と通信端末2との通信品質の推定結果として、無線制御部41に出力する。
【0080】
無線制御部41は、ある通信端末2についての第1推定部25での推定結果、および、当該ある通信端末2についての第2推定部での推定結果に基づいて、第1基地局機能部100および第2基地局機能部200のいずれか一方を、当該ある通信端末2と無線通信を行う基地局機能部、つまり切替候補の基地局機能部として決定する。この無線制御部41での決定動作は、一定時間内に複数回行われる。
【0081】
次に、本変形例に係る基地局1が、対象通信端末2aと無線通信をする基地局機能部を切り替える際の切替処理動作について、図3に示されるフローチャートを用いて説明する。本変形例に係る基地局1が、対象通信端末2aと無線通信をする基地局機能部を切り替える際の切替処理動作は、上記例の基地局1の当該切替処理動作と、ステップS2、S11,S19,S21での処理が異なる。そこで、以下、ステップS2,S11,S19,S21での処理についてのみ説明する。
【0082】
本変形例では、ステップS1の後、第1推定部25は、第1アンテナ群110で受信された受信信号に含まれる第2受信データにエラーがあるかないかを判定する。一方、第2推定部35は、第2アンテナ群120で受信された受信信号に含まれる第2受信データにエラーがあるかないかを判定する。無線制御部41は、ある通信端末2についての第1推定部25での推定結果、および、当該ある通信端末2についての第2推定部での推定結果に基づいて、第1基地局機能部100および第2基地局機能部200のいずれか一方を、当該ある通信端末2と無線通信を行う基地局機能部として決定する(ステップS2)。
【0083】
ステップS2において、第1推定部25が、第1データ処理部24からの第2受信データにエラーがないと判定し、かつ、第2推定部35が、第2データ処理部34からの第2受信データにエラーがないと判定した場合には、切替処理動作を終了する(ステップS19)。ステップS2において、第1推定部25が、第1データ処理部24からの第2受信データにエラーがないと判定し、かつ、第2推定部35が、第2データ処理部34からの第2受信データにエラーがあると判定した場合には、無線制御部41は、第1基地局機能部100と対象通信端末2aとの通信状態は良好であり、第2基地局機能部200と対象通信端末2aとの通信状態は不良であると判断し、対象通信端末2aと無線通信を行う基地局機能部として、第1基地局機能部100を決定する(ステップS11)。
【0084】
ステップS2において、第1推定部25が、第1データ処理部24からの第2受信データにエラーがあると判定し、かつ、第2推定部35が、第2データ処理部34からの第2受信データにエラーがないと判定した場合には、無線制御部41は、第1基地局機能部100と対象通信端末2aとの通信状態は不良であり、第2基地局機能部200と対象通信端末2aとの通信状態は良好であると判断し、対象通信端末2aと無線通信を行う基地局機能部として、第2基地局機能部200を決定する(ステップS12)。ステップS2において、第1推定部25が、第1データ処理部24からの第2受信データにエラーがあると判定し、かつ、第2推定部35が、第2データ処理部34からの第2受信データにエラーがあると判定した場合には、無線制御部41は、切替処理動作を終了する(ステップS13)。
【0085】
以上のような変形例に係る基地局1によれば、第1アンテナ群110での受信信号に含まれる第2受信データにエラーがあるかないかという判定結果、および、第2アンテナ群120での受信信号に含まれる第2受信データにエラーがあるかないかという判定結果に基づいて、第1アンテナ群110を用いる第1基地局機能部100、および、第2アンテナ群120を用いる第2基地局機能部200のいずれか一方を、通信端末2に無線信号を送信する基地局機能部として用いる。これにより、例えば、第1基地局機能部100が、第1アンテナ群110を介してある通信端末2に無線信号と無線通信している場合に、第1アンテナ群110で受信した第2受信データにエラーがあり、かつ、第2アンテナ群120で受信した第2受信データにエラーがない場合には、第1基地局機能部100から第2基地局機能部200に切り替えて、第2基地局機能部200が、第2アンテナ群120を介して当該ある通信端末2と無線通信することができる。こうして、第1基地局機能部100とある通信端末2との間の通信状態が悪化しても、第2基地局機能部200と当該ある通信端末2との間の通信状態が良い場合には、基地局1は、第1基地局機能部100から第2基地局機能部200に切り替えて、第2基地局機能部200を使用して、当該ある通信端末2と無線通信することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 基地局
2 通信端末
25 第1推定部
35 第2推定部
41 無線制御部
42 中央制御部
43 回線制御部
100 第1基地局機能部
110 第1アンテナ群
120 第2アンテナ群
200 第2基地局機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナ群および第2アンテナ群からなる複数のアンテナを共有する、それぞれが基地局として機能する第1および第2基地局機能部を備える基地局であって、
前記第1基地局機能部は、
前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得し、さらに、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第1アンテナ群から無線信号を送信する第1通信部と、
前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する第1推定部と
を有し、
前記第2基地局機能部は、
前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得し、さらに、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第2アンテナ群から無線信号を送信する第2通信部と、
前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する第2推定部と
を有し、
前記第1および第2基地局機能部は、それらの動作を統括的に制御する共通の制御部を有し、
前記制御部は、ある通信端末についての前記第1および第2推定部での推定結果に基づいて、前記第1および第2基地局機能部のうち、当該ある通信端末と通信を行う基地局機能部を決定する、基地局。
【請求項2】
請求項1に記載の基地局であって、
前記第1推定部は、前記第1アンテナ群で受信された受信信号の信号レベルを求めることによって、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定し、
前記第2推定部は、前記第2アンテナ群で受信された受信信号の信号レベルを求めることによって、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する、基地局。
【請求項3】
請求項1に記載の基地局であって、
前記第1推定部は、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に含まれるデータについてのエラーの有無を求めることによって、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定し、
前記第2推定部は、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に含まれるデータについてのエラーの有無を求めることによって、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する、基地局。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の基地局であって、
前記制御部は、前記第1および第2基地局機能部のうち、ある通信端末と通信する一方の基地局機能部が、当該ある通信端末から受信する、当該ある通信端末と通信を開始するために必要な所定情報を管理し、
前記制御部は、前記ある通信端末についての前記第1および第2推定部での推定結果に基づいて、前記ある通信端末と通信を行う基地局機能部を、前記一方の基地局機能部から他方の基地局機能部に変更した場合には、当該他方の基地局機能部が前記ある通信端末と通信を開始する際に前記所定情報を使用する、基地局。
【請求項5】
第1アンテナ群および第2アンテナ群からなる複数のアンテナを共有する、それぞれが基地局として機能する第1および第2基地局機能部を備え、当該第1および第2基地局機能部には、それらの動作を統括的に制御する共通の制御部が設けられた基地局での通信方法であって、
(a)前記第1基地局機能部が、前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得する工程と、
(b)前記第1基地局機能部が、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第1アンテナ群から無線信号を送信する工程と、
(c)前記第1基地局機能部が、前記第1アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第1基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する工程と、
(d)前記第2基地局機能部が、前記複数のアンテナで受信された複数の受信信号に基づいて受信用ウェイトを算出し、当該受信用ウェイトが設定された当該複数の受信信号を合成して得られる合成信号に対して復調処理を行うことにより当該合成信号に含まれる受信データを取得する工程と、
(e)前記第2基地局機能部が、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて送信用ウェイトを算出し、当該送信用ウェイトに基づいて前記第2アンテナ群から無線信号を送信する工程と、
(f)前記第2基地局機能部が、前記第2アンテナ群で受信された受信信号に基づいて、前記第2基地局機能部と通信端末との通信品質を推定する工程と、
(g)前記制御部が、ある通信端末についての前記工程(c),(f)での推定結果に基づいて、前記第1および第2基地局機能部のうち、当該ある通信端末と通信を行う基地局機能部を決定する工程と
を備える、通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−200014(P2010−200014A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42923(P2009−42923)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】