説明

基板のアース構造及びそれを備えた電子機器

【課題】基板の導電層が酸化した場合でも確実にアースに落とすことのできる基板のアース構造及びそれを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】基板30には矩形状の板金部材である導電部材33が導電層に接触するように連結されており、基板30は導電部材33を介して接地されている。導電部材33には基板30にビス固定される連結部35が突設されている。連結部35には固定ビス37が貫通する貫通孔35aと、画像形成装置100本体側のボス39に嵌合する位置決め孔35bとが形成されている。貫通孔35aは略矩形状であり、貫通孔35aの開口縁には、対向する二辺に各2本ずつ、計4本の爪部40が形成されている。爪部40は連結部35の基板30との対向面から斜めに突出しており、部品実装面30aに接触する先端部は鋭角になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の電子機器に用いられる基板を接地させるアース構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置等の電子機器の本体フレームには、電源基板、制御基板等の複数の基板が固定されている。このような基板においては、静電気が基板へ蓄積されることにより誤作動を生じる場合があった。そのため、基板への静電気放電を防止する方法として、従来の電子機器では、基板のはんだ面側(裏面側)に導電部材をビス固定し、はんだ面をアース面として基板を接地(アース)させていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、ロータリートランス基板と回転磁気ヘッド装置用の固定ドラムとを座金を介してビス固定するアース構造において、基板と下ドラムとの間に挟持される座金の表面及び裏面に鋸歯状の歯または微小突起を形成したアース構造が開示されている。この構成によれば、座金に形成された歯または微小突起が基板と下ドラムの表面に僅かに食い込むことで強固に固定され、確実な接地を行うことができる。
【0004】
一方、特に基板の表面及び裏面に電子部品が実装される両面実装の基板で確実に接地したい場合、図14及び図15に示すように、基板30の部品実装面30a側(表面側)に銅などの導電層(図示せず)を形成し、固定ビス37を経由してはんだ面30b側(裏面側)の導電部材33に接地させる構成が広く用いられている。この方法によれば、部品実装面30aの導電層が酸化したとしても、固定ビス37の締結時に酸化した導電層の表面が固定ビス37との摩擦によって削り取られるため、基板30の部品実装面30aを導電層及び固定ビス37を介してはんだ面30b側の導電部材33に確実に接地させることができる。
【0005】
しかし、基板30の裏面側が樹脂等の非導電性材料で形成されている場合、基板30の裏面側に導電部材33を別途設ける必要がある。そのため、予め裏面側に固定ビス37で導電部材33を固定した基板30を、導電部材33と共に装置本体に取り付ける必要が生じ、組み立て順序が制約を受ける。また、基板30が導電層、固定ビス37、及び導電部材33を介して本体フレームに連結(接地)されるため、本体フレームまでの連結部品が増加して抵抗値が高くなるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−309640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、部品実装面側の導電層に導電部材を直接ビス固定する方法が考えられる。この方法によれば、装置本体に基板を装着した後に部品実装面側から導電部材をビス固定することができ、組み立て手順を簡略化することができる。しかし、この構成では基板表面の導電層とビスとの間に導電部材が介在するため、ビス締結時に酸化した導電層の表面をビスとの摩擦によって削り取る効果がなくなる。その結果、導電層の表面が酸化した場合に接地が不安定になるおそれがあった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、基板の導電層が酸化した場合でも確実にアースに落とすことのできる基板のアース構造及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、電子部品の実装面に導電層が形成された基板と、該基板の実装面側から前記導電層に固定される導電部材と、該導電部材と前記基板とを前記導電部材側から締結する固定ビスと、を備え、前記導電部材を介して前記基板を接地させるアース構造において、前記導電部材には前記固定ビスが貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の周囲に前記導電層側へ突出する爪部を設けたことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、上記構成のアース構造において、前記爪部は、前記貫通孔の開口縁から内向きに突出することを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成のアース構造において、前記爪部は、先端部が前記固定ビスの締結方向下流側に向くように設けられることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成のアース構造において、前記導電部材は、前記基板の実装面を覆うように配置されることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成のアース構造において、前記爪部は、前記貫通孔の周囲に複数設けられることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成のアース構造において、前記爪部は、先端部が鋭角であることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成のアース構造を備えた電子機器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の構成によれば、導電部材に形成されたビス固定用の貫通孔の周囲に、基板の導電層側へ突出する爪部を設けることにより、固定ビスの締結により爪部が導電層の表面を削り取って内部に深く食い込む。従って、実装面に形成された導電層の表面が酸化している場合でも、爪部が導電層の酸化した表面を削り取ることで基板と導電部材との電気的な導通を確実にすることができる。また、基板の表面側から導電部材をビス固定できるため、組み立て手順も簡素化される。
【0017】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成のアース構造において、爪部を貫通孔の開口縁から内向きに突出させることにより、爪部はビスの締結によりビスの頭部からの圧力を受け易くなって導電層の表面を効果的に削り取ることができる。また、開口縁から離れた貫通孔の周囲に爪部を形成する構成に比べて、より簡単に爪部を形成することができる。
【0018】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成のアース構造において、先端部が固定ビスの締結方向下流側に向くように爪部を設けることにより、導電部材の貫通孔周辺にはビス締結方向に回転しようとする力が加わるため、爪部が導電層により深く食い込み易くなる。
【0019】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成のアース構造において、導電部材を基板の実装面を覆うように配置することにより、導電部材を基板にビス固定するだけで、基板のアース処理を行うとともに、基板に流れる電流によって発生する電磁波ノイズの漏洩を防止することができる。
【0020】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成のアース構造において、貫通孔の周囲に複数の爪部を設けることにより、基板と導電部材との電気的な導通をより確実にすることができる。
【0021】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成のアース構造において、爪部の先端部を鋭角にすることにより、固定ビスの締結によって爪部が導電層の表面を削り取る効果を一層高めることができる。
【0022】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1乃至第6のいずれかの構成のアース構造を備えることにより、簡単な構成で基板を確実にアース処理することができ、静電気が基板へ蓄積されることによる誤作動を効果的に抑制できる電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のアース構造を備えたカラー画像形成装置の構成を示す概略図
【図2】本発明の第1実施形態に係るアース構造を示す基板30周辺の斜視図
【図3】図2における導電部材33の連結部35付近の部分拡大図
【図4】第1実施形態のアース構造に用いられる導電部材33の連結部35を表面側から見た斜視図
【図5】第1実施形態のアース構造に用いられる導電部材33の連結部35を側方から見た斜視図
【図6】第1実施形態のアース構造に用いられる導電部材33を基板30に位置決めした状態を示す斜視図
【図7】図6の状態から固定ビス37を締結した状態を示す斜視図
【図8】図7の状態から固定ビス37を弛めて導電部材33を取り外した状態を示す斜視図
【図9】本発明の第2実施形態に係るアース構造に用いる導電部材33の連結部35を表面側から見た斜視図
【図10】第2実施形態のアース構造に用いる導電部材33の連結部35を裏面側から見た斜視図
【図11】第2実施形態のアース構造に用いられる導電部材33を基板30に位置決めした状態を示す斜視図
【図12】図11の状態から固定ビス37を締結した状態を示す斜視図
【図13】本発明の第3実施形態に係るアース構造を示す基板30周辺の斜視図
【図14】従来のアース構造を基板30の部品実装面30a側から見た斜視図
【図15】従来のアース構造を基板30のはんだ面30b側から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明のアース構造を備えたカラー画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
【0025】
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において反時計回りに回転しながら各画像形成部Pa〜Pdに隣接して移動する中間転写ベルト8上に順次転写(一次転写)された後、転写ローラー9において用紙上に一度に転写(二次転写)され、さらに、定着部7において用紙上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0026】
トナー像が転写される用紙は、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、ピックアップローラー12a、給紙ローラー対12b及びレジストローラー対13を介して用紙搬送路18aに沿って転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、中間転写ベルト8の回転方向に対し感光体ドラム1aの上流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのベルトクリーニング装置19が配置されている。
【0027】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
【0028】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置4によって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む現像剤がトナーコンテナ6a、6b、6c及び6dによって所定量充填されている。このトナーは、現像装置3a〜3dの現像ローラーにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0029】
そして、中間転写ベルト8の内側に配置された一次転写ローラーと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
【0030】
中間転写ベルト8は、従動ローラー10、駆動ローラー11に掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対13から所定のタイミングで転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にトナー像が転写される。フルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙は定着部7へと搬送される。
【0031】
定着部7に搬送された用紙は、定着ローラー対14のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙の表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。用紙の片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー15によって排出トレイ17に排出される。
【0032】
一方、用紙の両面に画像を形成する場合は、定着部7を通過した用紙の一部を一旦排出ローラー15から装置外部にまで突出させる。その後、排出ローラー15を逆回転させることにより用紙が反転搬送路18bに振り分けられ、画像面を反転させた状態で転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が転写ローラー9により用紙の画像が形成されていない面に転写され、定着部7に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
【0033】
フロントカバー21は、下部を支点として装置本体に対し開閉可能に支持されており、搬送フレーム25との間に反転搬送路18bを形成すると共に、搬送フレーム25を回動可能に支持している。搬送フレーム25には転写ローラー9を有する二次転写ユニット27が着脱可能に搭載されている。搬送フレーム25はフロントカバー21と一体となって回動することで、レジストローラー対13から定着部7に至る用紙搬送路18aを開放可能となっている。また、搬送フレーム25はフロントカバー21に対して相対回動することで、反転搬送路18bを開放可能となっている。
【0034】
次に、本発明の第1実施形態に係るアース構造について説明する。図2は、画像形成装置100の正面側(図1において紙面表側)の外装カバー内に配置される基板(制御基板)30周辺の斜視図であり、図3は、図2における導電部材33の連結部35付近(図1の破線円内)の部分拡大図である。基板30の部品実装面30aには、コンデンサー、コネクター等の複数の電子部品31が配置されている。なお、部品実装面30a上には他の電子部品や回路も存在するが、ここでは説明の便宜のため記載を省略している。また、部品実装面30aには銅やアルミニウム等の導電層(図示せず)が積層されている。
【0035】
基板30には矩形状の板金部材である導電部材33が導電層に接触するように連結されている。導電部材33の一部(図示せず)は画像形成装置100本体側のフレームに接触しており、基板30は導電部材33を介して接地されている。導電部材33には基板30にビス固定される連結部35が突設されている。
【0036】
図4及び図5は、それぞれ導電部材33の連結部35付近を表面側及び側方から見た斜視図である。連結部35は導電部材33の角部近傍からL字状に突出するように一体形成されている。連結部35には固定ビス37(図3参照)が貫通する貫通孔35aと、画像形成装置100本体側のボス39(図3参照)に嵌合する位置決め孔35bとが形成されている。
【0037】
貫通孔35aは略矩形状であり、貫通孔35aの開口縁には、対向する二辺(貫通孔の短辺)に各2本ずつ、計4本の爪部40が形成されている。爪部40は連結部35の基板30との対向面(図5の下面)から斜めに突出しており、部品実装面30aに接触する先端部は鋭角になっている。対向する爪部40の間隔は、固定ビス37の挿通領域を確保するために固定ビス37の軸径よりも大きく形成されている。
【0038】
図6及び図7を用いて、基板30への導電部材33の取り付け手順について説明する。先ず、図6に示すように、連結部35の位置決め孔35bがボス39に嵌合するように導電部材33を配置する。これにより、連結部35の貫通孔35aが基板30のビス孔30cに重なる位置に位置決めされる。
【0039】
次いで、図7に示すように、貫通孔35aを介してビス孔30cに固定ビス37を締結する。固定ビス37を締結していくにつれて、貫通孔35aから突出する爪部40が部品実装面30aに突き刺さる。その結果、図8に示すように、導電部材33を取り外した後には部品実装面30aに爪部40による傷痕41が残る。
【0040】
上記の構成により、固定ビス37を締結していくにつれて、爪部40が導電層の表面を削り取って内部に深く食い込む。従って、部品実装面30aに形成された導電層の表面が酸化している場合でも、導電層の酸化した表面を削り取ることで導電層と導電部材33との電気的な導通が確実なものとなる。なお、爪部40は少なくとも1本形成されていれば良いが、貫通孔35aの開口縁に沿って複数設けることが好ましい。
【0041】
図9及び図10は、本発明の第2実施形態に係るアース構造に用いる導電部材33の連結部35をそれぞれ表面側及び裏面側から見た斜視図である。本実施形態では、矩形状の貫通孔35の各辺から1本ずつ計4本の爪部40が形成されている。また、各爪部40の先端部は固定ビス37の締結方向(図9において矢印A方向、図10において矢印B方向)下流側に突出している。4本の爪部40で囲まれた領域は固定ビス37の挿通領域となるために、固定ビス37の軸径よりも大きく形成されている。他の部分の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0042】
基板30への導電部材33の取り付け手順は第1実施形態と同様であり、図11に示すように、連結部35の位置決め孔35bがボス39に嵌合するように導電部材33を配置する。そして、図12に示すように、貫通孔35aを介してビス孔30cに固定ビス37を締結する。
【0043】
本実施形態においても、固定ビス37を締結していくにつれて、貫通孔35aから突出する爪部40が部品実装面30aに突き刺さるため、部品実装面30aに形成された導電層の表面が酸化している場合でも導電層と導電部材33との電気的な導通が確実なものとなる。また、連結部35には固定ビス37の締結方向(爪部40の突出方向)に回転しようとする力が加わるため、爪部40が部品実装面30aにより深く食い込み易くなる。従って、基板30と導電部材33との電気的な導通をより効果的に安定して行うことができる。
【0044】
図13は、本発明の第3実施形態に係るアース構造を示す基板30周辺の斜視図である。本実施形態では、基板30の部品実装面30aを覆うように導電部材33が配置されている。連結部35の構成は第1または第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0045】
上記の構成により、基板30の部品実装面30aが導電部材33でカバーされるため、基板30に流れる電流によって発生する電磁波ノイズの漏洩を防止することができる。即ち、導電部材33を基板30にビス固定することにより、基板30からの電磁波ノイズの漏洩対策とアース処理とを同時に且つ簡単に行うことができる。
【0046】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、導電部材33や連結部35の形状、個数についても特に制限はなく、例えば、1つの導電部材33に複数の基板30を連結する場合は基板30の数に応じて複数の連結部35を設けておけば良い。また、ここでは基板30として制御基板を例示したが、電源基板や回路基板等のアース構造にも全く同様に適用可能である。
【0047】
また、本発明のアース構造は、図1に示したようなタンデム型のカラープリンターに限らず、モノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機、モノクロプリンター等の他のタイプの画像形成装置にも適用でき、画像形成装置以外の電子機器に用いられる基板のアース構造にも適用できるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、画像形成装置等の電子機器に用いられる基板のアース構造に利用可能である。本発明の利用により、基板の導電層が酸化した場合でも確実にアースに落とすことができ、組み立て手順も簡単な基板のアース構造及びそれを備えた電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0049】
30 基板
30a 部品実装面
30b はんだ面
30c ビス孔
31 電子部品
33 導電部材
35 連結部
35a 貫通孔
35b 位置決め孔
37 固定ビス
39 ボス
40 爪部
100 画像形成装置(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の実装面に導電層が形成された基板と、
該基板の実装面側から前記導電層に固定される導電部材と、
該導電部材と前記基板とを前記導電部材側から締結する固定ビスと、
を備え、
前記導電部材を介して前記基板を接地させるアース構造において、
前記導電部材には前記固定ビスが貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の周囲に前記導電層側へ突出する爪部を設けたことを特徴とするアース構造。
【請求項2】
前記爪部は、前記貫通孔の開口縁から内向きに突出することを特徴とする請求項1に記載のアース構造。
【請求項3】
前記爪部は、先端部が前記固定ビスの締結方向下流側に向くように設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアース構造。
【請求項4】
前記導電部材は、前記基板の実装面を覆うように配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアース構造。
【請求項5】
前記爪部は、前記貫通孔の周囲に複数設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアース構造。
【請求項6】
前記爪部は、先端部が鋭角であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のアース構造。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアース構造を備えた電子機器。

【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−231044(P2012−231044A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99039(P2011−99039)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】