説明

基板処理装置

【課題】小型で、基板の搬送ブロックにダウンフローを形成する際の消費エネルギーが少ない基板処理装置を提供する。
【解決手段】第1の基板処理部2に対して基板Wの搬送を行うための第1の搬送ブロック142aの下方側には、第2の基板処理部2に対して基板Wの搬送を行うための第2の搬送ブロック142bが積層して設けられ、第1のファンフィルタユニット31は、第1の搬送ブロック142a内に清浄気体のダウンフローを形成し、第2のファンフィルタユニット32は第1の搬送ブロック142aの底部の床板15に設けられた排気口151から前記ダウンフローを取り込んで第2の搬送ブロック142b内に清浄気体のダウンフローを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に設けられた基板の搬送ブロック内にダウンフローを形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面に集積回路の積層構造を形成する半導体装置の製造工程においては、ウエハに種々の薬液(洗浄液)を供給して、その表面に付着した汚染物質や自然酸化膜などを除去する液処理、フォトリソグラフィ工程におけるレジスト膜の塗布、現像処理等、基板処理部内にて種々のプロセス処理を行う基板処理装置が利用されている。
【0003】
この基板処理装置には、ウエハの搬送機構(基板搬送機構)を備えた搬送ブロックに複数台の基板処理部を接続し、複数枚のウエハを並行して処理できるように構成されているものがある。さらに、キャリアからウエハを払い出す機構に、前記搬送ブロックを複数組接続すれば、基板処理部の台数が増え、単位時間あたりのウエハ処理枚数を増やすことができる。
【0004】
一方で搬送ブロック内には、基板搬送機構の駆動部など、パーティクルの発生源となる機器が配置されるので、搬送ブロック内に清浄気体(例えば清浄空気)のダウンフローを形成してパーティクルの巻き上げを抑え、ウエハへの付着を防止する手法が採用される。このようなダウンフローを形成する手法の一つとして、ファンフィルタユニット(Fan Filter Unit、以下FFUという)がある(例えばFFUによりダウンフローを形成する技術につき特許文献1)。
【0005】
FFUは、微小なパーティクルを捕集可能なフィルタを送風ファンの吐出側に配置した機器であり、このFFUを搬送ブロックの天井部に設けることでその下方の空間内にダウンフローを形成することができる。そして搬送ブロックの底部側に排気ファンを設け、いわゆるプッシュ-プル方式の供給、排気を行うことにより、ダウンフローは均一で乱れの少ない状態となる。
【0006】
このようにFFUと排気ファンとを組み合わせると、搬送ブロック内に安定したダウンフローを形成することができる。一方で、これらの機器の設置にはある程度の設置スペースが必要となることから基板処理装置の小型化を図る上での制約となる。特に、既述のように複数組の搬送ブロックに各々FFUに対応して排気ファンを設けると、基板処理装置のさらなる大型化に繋がると共に、エネルギー消費量も増大する。
【0007】
ここで特許文献2には、レジストの塗布機構や露光後の現像を行う現像機構などの各種処理機構(基板処理部)を多段に積み重ね、これら処理機構を積層して構成される複数の処理部を互いに離して配置することにより、垂直方向に伸びる搬送路(搬送ブロック)を形成し、この搬送路内にウエハ移載機構(基板搬送機構)を設けたレジスト処理装置(基板処理装置)が記載されている。さらにこのレジスト処理装置では、これら処理機構とウエハ移載機構とを上下に2組配置し、各ウエハ移載機構の上部に設けたフィルタ部を介して清浄気体を供給し、各搬送路内にダウンフローを形成している。
しかしながらこの特許文献2には、各搬送路内に清浄気体を供給する手法についての記載はなく、既述の基板処理装置の小型化の制約や消費エネルギーの増大などの課題を解決する手法についての言及や示唆はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−72374:段落0029〜0030、図2
【特許文献2】特開平9−171961号公報:請求項10、段落0019、0021、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、小型で、基板の搬送ブロックにダウンフローを形成する際の消費エネルギーが少ない基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る基板処理装置は、第1の基板処理部に対して第1の基板搬送機構により基板の搬送を行うための第1の搬送ブロックと、
この第1の搬送ブロックの下方側に積層して設けられ、第2の基板処理部に対して第2の基板搬送機構により基板の搬送を行うための第2の搬送ブロックと、
前記第1の搬送ブロック内に清浄気体のダウンフローを形成するために、当該第1の搬送ブロックの上部に設けられた第1のファンフィルタユニットと、
前記第1の搬送ブロックの底部には排気口を備えた床板が設けられ、この排気口から前記ダウンフローを取り込んで前記第2の搬送ブロック内に清浄気体のダウンフローを形成するために、当該第2の搬送ブロックの上部に設けられた第2のファンフィルタユニットと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上述の基板処理装置は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記第1の基板搬送機構は、基板保持部と、前記第1の搬送ブロックの底部に設けられ、当該基板保持部を走行させるための軌道を構成する走行ガイド機構部とを備え、当該走行ガイド機構部には、前記第1の搬送ブロック内のダウンフローを前記第2のファンフィルタユニット側へ向けて通過させるための通気口が設けられていること。
(b)前記走行ガイド機構部には、前記通気口を通過するダウンフローを前記第2のファンフィルタユニット側へ向けて送り出すための中間ファンが設けられていること。
(c)前記第1の搬送ブロックの底部と、前記第2のファンフィルタユニットの吸込口との間を連通させる空間内に外部の雰囲気を取り込むための開口部が設けられていること。
【0012】
(d)前記第1のファンフィルタユニット及び第2のファンフィルタユニットには、送風量の調節を行うための風量調節部が設けられ、前記第1の搬送ブロック内の圧力、及び第2の搬送ブロック内の圧力を検出する内部圧力検出部と、これら内部圧力検出部の検出結果に基づいて、前記第1の搬送ブロック内の圧力と第2の搬送ブロック内の圧力とが揃うように前記風量調節部に制御信号を出力する制御部と、を備えること。
(e)(d)において、第1の搬送ブロック及び第2の搬送ブロックの外部の圧力を検出する外部圧力検出部を備え、前記前記制御部は、前記内部検出部及び外部検出部の検出結果に基づいて、第1の搬送ブロック内及び第2の搬送ブロック内の圧力が外部の圧力よりも高くなるように前記風量調節部に制御信号を出力すること。
(f)前記第1の搬送ブロックの天井部には、前記第1のファンフィルタユニットから吐出された清浄気体の流れを整えるための整流板が設けられ、この整流板に形成された清浄気体の供給口の開口面積は、前記床板の排気口の開口面積よりも大きいこと。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、第1の搬送ブロック内を流れるダウンフローを取り込むファンとして、第2の搬送ブロックにダウンフローを形成するための第2のファンフィルタユニットを利用しているので、第1の搬送ブロックの排気を行う専用の排気ファンを必要としない。この結果、排気ファンや排気ダクトの設置スペースを節約し、消費エネルギーも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係わる液処理装置の横断平面図である。
【図2】前記液処理装置を横方向からみた縦断側面図である。
【図3】前記液処理装置を前方向からみた縦断側面図である。
【図4】前記液処理装置に設けられている液処理部の構成を示す縦断側面図である。
【図5】前記液処理装置の上段側の搬送ブロックと下段側の搬送ブロックとの間に設けられているFFUの構成を示す一部破断斜視図である。
【図6】前記上段側、下段側の搬送ブロックの構成を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、基板処理装置の一例として、基板であるウエハWの表面の洗浄を行う液処理装置1に本発明を適用した実施の形態を説明する。図1の横断平面図、図2の縦断側面図に示すように、液処理装置1は、複数のウエハWを収容した基板収納容器であるFOUP100を載置する載置ブロック11と、載置ブロック11に載置されたFOUP100からのウエハWの搬入・搬出を行う搬入出ブロック12と、搬入出ブロック12と後段の液処理ブロック14との間でウエハWの受け渡しを行う受け渡しブロック13と、ウエハWに液処理を施すための液処理ブロック14と、この液処理ブロック14に設けられた液処理部2との間でウエハWの搬送が行われる搬送ブロック142a、142bとを備えている。
【0016】
図2、3に示すように、本例の液処理ブロック14は、上段側の第1の処理ブロック141aと下段側の第2の処理ブロック141bとに分かれ、これらの処理ブロック141a、141bが上下に積層して配置されている。これらの処理ブロック141a、141bには複数台の液処理部2が設けられていて複数枚のウエハWを並行して処理することができるようになっている。
また載置ブロック11を手前としたとき、載置ブロック11、搬入出ブロック12、受け渡しブロック13、液処理ブロック14は、手前側からこの順に、隣接して設けられている。
【0017】
載置ブロック11は、複数のウエハWを水平状態で収容するFOUP100を載置台111上に載置する。搬入出ブロック12は、FOUP100から払い出されたウエハWの搬送を行う。受け渡しブロック13は、ウエハWの受け渡しを行う。搬入出ブロック12および受け渡しブロック13は、筐体内に収められている。
【0018】
搬入出ブロック12は、ウエハ搬送機構121を有している。ウエハ搬送機構121は、ウエハWを保持する搬送アーム122、および搬送アーム122を前後に移動させる機構を有している。またウエハ搬送機構121は、FOUP100の配列方向に延びる水平ガイド123(図1参照)に沿って移動する機構、垂直方向に設けられた不図示の垂直ガイドに沿って移動する機構、水平面内で搬送アーム122を回転させる機構を有している。このウエハ搬送機構121により、FOUP100と受け渡しブロック13との間でウエハWが搬送される。
【0019】
受け渡しブロック13は、ウエハWを載置可能な受け渡し棚131を有している。図2に示すように受け渡し棚131は、上段側の第1の処理ブロック141aとの間でウエハWの搬入、搬出が行われる第1の受け渡し棚131aと、下段側の第2の処理ブロック141bとの間でウエハWの搬入、搬出が行われる第2の受け渡し棚131bと、に上下に分けて設けられている。第1の処理ブロック141aで処理されるウエハWは、一旦、下段側の第2の受け渡し棚131bに載置され、上下方向に昇降自在に構成された移載機構132(図1参照)によって第1の受け渡し棚131aに移載される。そして、処理を終えたウエハWは、同じく移載機構132によって第1の受け渡し棚131aから第2の受け渡し棚131bに移載され、ウエハ搬送機構121によってFOUP100へ向けて搬送されるようになっている。
【0020】
既述のように液処理ブロック14は、第1の処理ブロック141aと第2の処理ブロック141bとが上下に積層して設けられており、各処理ブロック141a、141bには複数の液処理部2が配置されている。手前側(載置ブロック11)側から見ると、各処理ブロック141a、141bは、搬送ブロック(上段側の第1の搬送ブロック142a、下段側の第2の搬送ブロック142b)を挟んで左右に複数台の液処理部2を並べた構成となっている。
【0021】
本例では、受け渡しブロック13との接続部を基端として、前後方向に伸びる搬送ブロック142a、142bに沿って4台の液処理部2が2列ずつ、上下2段に配置されている。従って、本例の液処理装置1は、合計16台の液処理部2を備えていることになる。
また、上段側の第1の搬送ブロック142aに接続された液処理部2が第1の基板処理部に相当し、下段側の第2の搬送ブロック142bに接続された液処理部2が第2の基板処理部に相当する。
【0022】
各段の搬送ブロック142a、142bにはウエハ搬送機構143が設けられている(第1の搬送ブロック142a内のものが第1の基板搬送機構、第2の搬送ブロック142b内のものが第2の基板搬送機構に相当する)。これらウエハ搬送機構143は互いにほぼ同じ構成を備えており、例えば図5に示すようにウエハWを保持する3枚のフォーク部144と、これらフォーク部144を各液処理部2に向かって横方向にスライドさせるスライド機構147と、これらフォーク部144及びスライド機構147を鉛直軸回りに回転自在に支持する基台部145と、この基台部145を上下方向に移動させる機構である垂直ガイド146とを備えている。このウエハ搬送機構143により、既述の受け渡し棚131a、131bと各液処理部2との間でウエハWの搬送が行われる。また、フォーク部144、スライド機構147、基台部145、垂直ガイド146は、本例の基板保持部に相当する。
【0023】
またウエハ搬送機構143の垂直ガイド146は、各搬送ブロック142a、142bの底部を前後方向に伸びるように配置された水平ガイド機構部16内に設けられた駆動機構に接続されている。例えばこの駆動機構は、正転、逆転自在な回転モータ171にその一端側が接続され、水平方向に伸びるボールネジ172と、このボールネジ172の回転によって当該ボールネジ172上を横方向に移動できるように雌ネジが切られ、前記垂直ガイド146に接続されたスライダー173とからなるボールネジ機構として構成されている。そして、ボールネジ172の回転方向と回転量とを調節することによりウエハ搬送機構143を所望の位置まで移動させることができる。
また特に、水平ガイド機構部16は、第1の搬送ブロック142a、第2の搬送ブロック142b内に均一なダウンフローを形成するための特別な特徴を備えているがその詳細については後述する。
【0024】
処理ブロック141a、141b内に設けられている各液処理部2は、例えばスピン処理によりウエハWの液処理を1枚ずつ行うことができる。図4の縦断側面図に例示するように液処理部2は、アウターチャンバー21内に配置されたウエハ保持機構23にてウエハWをほぼ水平に保持し、このウエハ保持機構23を鉛直軸周りに回転させることによりウエハWを回転させる。そして回転するウエハWの上方にノズルアーム24を進入させ、その先端部に設けられたノズル241から処理液及びリンス液を予め定められた順に供給することによりウエハの上面側(表面を上面に向けて保持されている場合には表面、裏面を上面に向けている場合には裏面)の液処理が行われる。
【0025】
液処理は、例えばアルカリ性の処理液であるSC1液(アンモニアと過酸化水素水の混合液)によるパーティクルや有機性の汚染物質の除去→リンス液である脱イオン水(DeIonized Water:DIW)によるリンス洗浄→酸性薬液である希フッ酸水溶液(以下、DHF(Diluted HydroFluoric acid))による自然酸化膜の除去→DIWによるリンス洗浄が行われる。また、これらの処理に際し、ブラシや液体スプレーによる物理的洗浄を行ってもよい。これらの薬液はアウターチャンバー21やその内側に配置されたインナーカップ22に受け止められて排液口211、221より排出される。またアウターチャンバー21内の雰囲気は排気口212より排気されている。薬液による液処理を終えたら、ウエハWを回転させながらその上面にIPA(IsoPropyl Alcohol)を供給し、IPAを振り切るIPA乾燥を行う。
【0026】
以上に説明した構成を備える本実施の形態の液処理装置1において、上下に積層して配置された第1の搬送ブロック142aと、第2の搬送ブロック142bとには、各搬送ブロック142a、142b内に清浄気体のダウンフローを形成するための第1のFFU31(第1のファンフィルタユニット)及び第2のFFU32(第1のファンフィルタユニット)が設けられている。そして、背景技術にて説明した液処理装置1を小型化する際の制約やエネルギー消費量に関する問題を軽減するため、本例の液処理装置1は、下段側の第2の搬送ブロック142bに清浄気体を供給する第2のFFU32が上段側の第1の搬送ブロック142aの排気ファンとしての機能を兼ね備えている点に特徴がある。以下、第1、第2のFFU31、32とその関連機器の構成について説明する。
【0027】
図2、3に示すように第1の搬送ブロック142aの上部には、当該空間142aの天井面から清浄気体を供給する第1のFFU31が設けられている。第1のFFU31は、第1の搬送ブロック142aの伸びる前後方向に沿って例えば4台配置されており、これらは互いに同様の構成を備えている。
【0028】
図6に示すように第1のFFU31は、送風ファン311とこの送風ファン311の吐出側に配置されたフィルタ部313とを上下に並べて配置した構成となっている。送風ファン311は、第1の搬送ブロック142a内の気圧、ダウンフローの流速や流量が予め設定された条件となるように吸込側と吐出側の圧力差(昇圧能力)を調節する能力を備えた例えば軸流式のファンである。送風ファン311は、図示しない電源から供給される電力により羽根車を回転させて外部(例えば液処理装置1が配置されているクリーンルーム内の雰囲気)から取り込んだ空気を第1の搬送ブロック142a側へ向けて送り出す。さらに送風ファン311は、インバータなどにより回転速度を変化させることが可能であり、送風量を増減することができる。この観点において、送風ファン311は本実施の形態の風量調節部を構成している。
【0029】
送風ファン311は、上面及び下面が開口しているファンケーシング312内に配置されており、その吸込側を上面の開口部に向け、吐出側を下面の開口部に向けている。但し、本例の第1のFFU31に適用可能な送風ファン311の構成は軸流式に限定されず、斜流式や遠心式など、任意の方式のものを採用することができる。空気が吐出される方向に合わせ、ファンケーシング312がフィルタ部313に向けて気流を案内する方向を調整すればよい。
【0030】
フィルタ部313は、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタやULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタなど、微小なパーティクルを捕集可能なエアフィルタによって構成されている。フィルタ部313は、その上面及び下面が開口したフィルタケーシング314内に配置されており、フィルタケーシング314は上面側の開口部を送風ファン311の吐出側に向けてファンケーシング312に接続されている。
【0031】
一方、フィルタケーシング314の下面側の開口部は第1の搬送ブロック142aを構成する筐体の天井面に接続されており、フィルタ部313は、フィルタケーシング314の上面、下面の開口部の間を遮るように水平方向に配置されている。またフィルタ部313は、そのろ過面積が大きくなるようにプリーツ状に折られた状態でフィルタケーシング314内に配置されている。
【0032】
フィルタ部313の下方側には、第1の搬送ブロック142aの天井部に複数台連設された第1のFFU31の各機から供給された清浄気体を均一な流れに整えて第1の搬送ブロック142aの空間内に供給するための整流板315が設けられている(図6参照)。整流板315には、パンチングなどにより形成された多数の貫通孔が供給口316として設けられており、各第1のFFU31から供給された清浄気体の流れを整えて第1の搬送ブロック142a内に供給することができる。
【0033】
かかる構成を備えた第1のFFU31の送風ファン311を作動させると、ファンケーシング312の上面側の開口部を介して外部(クリーンルーム)の空気が取り込まれ、フィルタ部313に向けて吐出される。フィルタケーシング314内に供給された空気は、フィルタ部313を通過する際にパーティクルが除去され、清浄気体となった後、整流板315にて流れが整えられて第1の搬送ブロック142aに流れ込み、図6に示すようにダウンフローとなって第1の搬送ブロック142a内を流下していく。
【0034】
さらに本例の液処理装置1では、図2、3、4、6に示すように第1の搬送ブロック142a内に安定なダウンフローを形成するための排気ファンとして、下段側の第2の搬送ブロック142bにダウフローを形成するための第2のFFU32を用いている。詳細には、第1の搬送ブロック142aの底部に設けられた床板15には、ダウンフローの排気を行うための排気口151が形成されており、この床板15の下方側(排気口151の出口側)に第2のFFU32が配置されている。
第2のFFU32にて上段側のダウンフローを取り込むことにより、第1の搬送ブロック142a内に均一で乱れの少ないダウンフローが形成される。
【0035】
下段側の第2のFFU32は、図2、3に示すように第1の搬送ブロック142aの床板15の下方側の空間に、第1、第2の搬送ブロック142a、142bの伸びる前後方向に沿って例えば4台配置されている。これら第2のFFU32についても互いに同様の構成を備えている。
【0036】
第2のFFU32は、ファンケーシング322内に設けられた送風ファン321と、フィルタケーシング324内に設けられたフィルタ部323とを上下に重ねた構成となっている。そして、フィルタ部323の出口側には、パンチングなどにより形成された多数の貫通孔(供給口326)を備えた整流板325が配置されている。送風ファン321やフィルタ部323などの詳細な構成については、既述の第1のFFU31と同様なので重複の説明を省略するが、第2のFFU32についても、第2の搬送ブロック142b内の気圧、ダウンフローの流速や流量が予め設定された条件となるように昇圧する能力を備えており、送風ファン321の回転速度を変化させて送風量を増減することもできる。従って、第2のFFUの送風ファン321についても本実施の形態の風量調節部に相当する。
【0037】
特に本例の液処理装置1では、第1、第2の搬送ブロック142a、142b内の圧力、ダウンフローの流速や流量が揃うように両送風ファン311、321の送風量を調節することができる。この結果、これらの搬送ブロック142a、142bに接続された液処理部2内の処理雰囲気を大きく変化させることなく、均一な条件下でウエハWの処理を行うことができる。
【0038】
本例の液処理装置1では、各液処理部2の天井部にも例えば小型のFFUが設けられていて、液処理部2を格納する空間内にも各々清浄気体のダウンフローが形成されている。このような場合であっても、例えば液処理部2へのウエハWの搬入出口などを介して各搬送ブロック142a、142b内の圧力状態やダウンフローの流れの状態が液処理部2内の処理雰囲気に影響を与えることがある。従って、本例のように複数の搬送ブロック142a、142bが設けられている場合には、これらの空間142a、142b内の圧力や流速(両空間142a、142bの横断面積が同じであればダウンフロー流量)はできるだけ揃っていることが要求され、その差はおよそ±5%程度以内であることが好ましい。
【0039】
また、液処理後のウエハWが搬送される各搬送ブロック142a、142b内の雰囲気は、パーティクルなどの汚染源を伴った外部雰囲気がフィルタなどを通過せずに漏れ込んだり、液処理部2内の薬液を含む雰囲気が流れ込んだりすることを避ける必要がある。そこで、これら搬送ブロック142a、142b内の圧力は、液処理装置1の外部雰囲気や液処理部2内などの外部の圧力よりも高くなるように各送風ファン311、321の送風量や後述する排気ファン331からの排気量が調節される。
【0040】
第2のFFU32は、床板15の排気口151を通過した第1の搬送ブロック142aのダウンフローを送風ファン321にて取り込み、フィルタ部323によってパーティクルが除去された清浄気体が第2の搬送ブロック142bに流れ込むことにより、当該空間142b内にダウンフローが形成される。
【0041】
このように本例の第2のFFU32は、第1の搬送ブロック142aからのダウンフローを取り込んで、第2の搬送ブロック142bにダウンフローを形成する構成となっている。一方で第1の搬送ブロック142aの底部には床板15や水平ガイド機構部16が存在し、送風ファン321の吸込側の圧力の低下の要因となる。また第1の搬送ブロック142a内を流れるダウンフローの一部は液処理部2を格納する空間などに流れ込んでしまい、送風ファン321にて取り込むことができない場合もある。
【0042】
この結果、クリーンルーム内の大気など液処理装置1の外部雰囲気を取りこむ上段側の送風ファン311と比べて、下段側の送風ファン321は吸込側の圧力が低く、空気の供給量が少ない条件下で稼動することになる。このような条件下で下段側の第2の搬送ブロック142b内の圧力条件やダウンフローの流量、流速を上段側の第1の搬送ブロック142aと同じにしようとすると、下段側の第2のFFU32には、よりも大きな送風能力を有する送風ファン321が必要となり、装置コストの上昇要因となる。また第1の搬送ブロック142a側で失われた空気を補う必要も生じる。
【0043】
そこで本例の液処理装置1は、こうした圧力低下や上段側の第1の搬送ブロック142aからのダウフローの流量の低下を補うための種々の技術的特徴を備えている。
一つ目の特徴として、既述のように第1の搬送ブロック142aの床板15には、パンチングなどにより形成された多数の貫通孔が排気口151として設けられている(図5、6参照)。これらの貫通孔の面積、開孔数などを調整することによりダウンフローが床板15を通過する際の圧力損失を調整することができる。
【0044】
例えば、第1の搬送ブロック142aの天井部側に設けられた整流板315の単位面積あたりの供給口316の開口面積Sと、底部側に設けられた床板15の単位面積あたりの排気口151の開口面積Sとを比較すると、S>Sとなっている。この結果、清浄気体が整流板315を通過する際の圧力損失よりも床板15を通過する際の圧力損失が大きくなるので、床板15の下方側に配置された第2のFFU32にて第1の搬送ブロック142a内の清浄気体が取り込まれ、強制排気が行われる場合であっても、第1の搬送ブロック142a内の圧力を外部(液処理装置1の外部雰囲気や液処理部2内の雰囲気)の圧力よりも高くする調節がしやすくなる。
【0045】
二つ目の特徴として、図5、6に示すように、第1の搬送ブロック142aの底部に設けられ、ウエハ搬送機構143の駆動機構を格納した水平ガイド機構部16のカバー部材にもパンチングなどにより形成された多数の貫通孔が通気口161として設けられている。そして水平ガイド機構部16内の底部には、前記通気口161を介して水平ガイド機構部16内に流れ込んだ気流を第2のFFU32側へ向けて送り出すための中間ファン18が水平ガイド機構部16の伸びる方向に沿って複数個設置されている。
【0046】
これらの中間ファン18は、少なくともダウンフローが水平ガイド機構部16を通過する際の圧力損失を補う昇圧能力を備えていればよいので汎用の小型の送風ファンを採用することが可能であり、大型の送風ファン321の能力をさらに大きくする場合に比べて機器のコストが低い。
また、中間ファン18として、水平ガイド機構部16を通過する際の圧力損失を補う分よりも大きな昇圧能力を有する物を用い、ダウンフローが床板15を通過する際の圧力損失についても補う構成としてもよい。
【0047】
これとは反対に、ダウンフローが水平ガイド機構部16を通過する際の圧力損失がそれほど大きくない場合には、中間ファン18を設置せずに水平ガイド機構部16の底部にも床板15を成す多数の貫通孔を設けるだけの構成としてもよい。
また、ウエハ搬送機構143の駆動機構にて発生したパーティクルが第2のFFU32を介して第2の搬送ブロック142bに供給されるのを抑制するため、各中間ファン18の吐出側にエアフィルタを配置してもよい。
【0048】
さらに三つ目の特徴として、既述のように第1の搬送ブロック142aから各液処理部2などへ流れ込む気流の損失分を補うため、図2に示すように第2のFFU32を格納する空間(第1の搬送ブロック141aの底部と第2のFFU32の吸込口とを連通させる空間)の側壁にフィルタを備えた開口部119を設け、外部の雰囲気(クリーンルーム内の雰囲気)を取り込む構成としてもよく、この開口部119に外気取り込み用の補助ファンを設けてもよい。
【0049】
また開口部119は、例えば液処理部2を格納する空間の下方側に設けられた配管収納部19に設け、この配管収納部19を介して外部雰囲気を取り込んでもよい。この配管収納部19は、ノズル241に薬液を供給する配管や排液口211、221からの排液、排気口212からの排気が流れる配管を収納する空間である(図3ではこれらの配管の記載は省略してある)。この場合、外部雰囲気は、例えば配管収納部19を構成する筐体の外側壁面に設けられた他の開口部等を介して配管収納部19に取り込まれ、この配管収納部19から第2のFFU32の吸込口側に供給される。
【0050】
これら各種の特徴を備えることにより、第1のFFU31の送風ファン311と同等の昇圧能力を有する送風ファン321を用いて第2のFFU32を構成した場合であっても、これらの搬送ブロック142a、142b内の圧力雰囲気やダウンフローの流量、流速を揃えることができる。
【0051】
第2の搬送ブロック142bの底部の床板には、図5に示した床板15と同様に排気口を成す多数の貫通孔が形成されており、当該排気口の出口側には、図2、3に示すように排気ファン331が設けられている。さらに排気ファン331の吐出側は排気ダクト332に接続されており、下段側の第2の搬送ブロック142bのダウンフローはこれら排気ファン331、排気ダクト332を介して外部に排出される。第1の搬送ブロック142aの排気ファンとして第2のFFUを利用することにより、第1の搬送ブロック142aのダウンフローを排気する独自の排気ダクトが不要となり、液処理装置1の省スペース化に寄与する。
【0052】
ここで、第2の搬送ブロック142bに設けられたウエハ搬送機構143の水平ガイド部16にも、第1の搬送ブロック142aと同様に通気口161や中間ファン18が設けられている。これにより、ダウンフローが第2の搬送ブロック142bの床板に設けられた排気口を通過する際の圧力損失を補っている。
【0053】
また、第2の搬送ブロック142bの天井部側に設けられた整流板315の単位面積あたりの供給口326の開口面積S’と、底部側に設けられた床板の単位面積あたりの排気口の開口面積S’との関係についてもS’>S’となっており、第1の搬送ブロック142b内の圧力を外部よりも高くする調節をしやすくしている。
【0054】
また、前記排気ダクト332が工場に共通の排気ファンの吸込ラインに接続されおり、排気ダクト332内の圧力が第2の搬送ブロック142b内の圧力よりも低くなっている場合などは、必ずしも排気ファン331を設けなくてもよい。但し、この場合であっても第1の搬送ブロック142aのダウンフローを第2の搬送ブロックのダウンフローに利用することにより、工場に共通の排気ファンの負荷を低減することができる。
【0055】
以上に説明した構成を備える液処理装置1は、図1に示すように制御部4と接続されている。制御部4は図示しないCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には液処理装置1の作用、即ちFOUP100からウエハWを取り出し、載置棚131、上下の搬送ブロック142a、142bを介して各液処理部2に搬送し、ウエハWに対する液処理を行ってから、搬入時とは反対の経路でウエハWを搬送してFOUP100に収納するまでの動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0056】
ここで第1、第2の搬送ブロック142a、142b内の圧力を調整する機能に関し、制御部4は、これらのブロック142a、142b内の圧力が外部の圧力よりも高くなるように調節する機能を備えている。例えば第1、第2の搬送ブロック142a、142bや、液処理装置1の外部、各液処理部2内には、これらの雰囲気の圧力を検出するため複数の圧力計(不図示)が設けられている。そして、各圧力計の検出結果に基づいて、第1、第2のFFU31、32の送風ファン311、321の回転数を調節し、第1、第2の搬送ブロック142a、142b内の圧力を外部(液処理装置1の外部雰囲気や液処理部2)の圧力よりも高くする制御を行っている。この場合は、第1、第2の搬送ブロック142a、142bの内部の圧力を検出する圧力計は内部圧力検出部に相当し、液処理装置1の外部や各液処理部2内の圧力を検出する圧力計は内部圧力検出部に相当する。
またこのとき、既述のように第1、第2の搬送ブロック142a、142b内の圧力やダウンフロー流量、流速が揃うように調整される。
【0057】
さらに、既述の中間ファン18や開口部119に設けられた補助ファン、排気ファン331の回転数を調整したり、排気ダクト332に設けられた不図示のダンパの開度調整を行ったりして、第2の搬送ブロック142a、142b内の圧力制御を行ってもよい。
【0058】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1の作用について説明する。まず載置ブロック11に載置されたFOUP100からウエハ搬送機構121によりウエハWを取り出して受け渡し棚131に載置し、この動作を連続的に行う。受け渡し棚131(図2の第2の受け渡し棚131b)に載置されたウエハWの一部は、移載機構132によって上段側の第1の受け渡し棚131aに移載され、ウエハ搬送機構143によって取り出され、第1の搬送ブロック142a内を搬送されて各液処理部2に搬入される。
【0059】
このとき、第1の搬送ブロック142aの天井面側と底部側では、第1のFFU31、第2のFFU32、中間ファン18が稼動しており、第1の搬送ブロック142aの内部には清浄気体のダウンフローが形成されていて、パーティクルの巻き上げなどの少ない清浄な空間内をウエハWが搬送される。
【0060】
また、各FFU31、32の送風ファン311、321などは、各圧力計の検出結果に基づいて回転速度が調節され、第1の搬送ブロック142a内の圧力が外部(液処理装置1の外部雰囲気や液処理部2内の雰囲気)の圧力よりも高くなるように制御されている。
【0061】
また残るウエハWはウエハ搬送機構143によって第2の受け渡し棚131bから取り出され、下段側の第2の搬送ブロック142b内を搬送されて各液処理部2に搬入される。
このときも第2の搬送ブロック142bの天井面側と底部側では、第2のFFU32、排気ファン331が稼動しており、上段側の第1の搬送ブロック142aを通過したダウンフローが第2のFFU32に取り込まれる。この結果、下段側第2の搬送ブロック142bにダウンフローが形成され、パーティクルの巻き上げなどの少ない清浄な空間内をウエハWが搬送される。
【0062】
またこのとき中間ファン18が稼動していることにより、上段側の第1の搬送ブロック142aを通過する際のダウンフローの圧力損失が補われ、また開口部119から外気を取り込むことにより、当該第1の搬送ブロック142aを通過する際に失われた気流の損失分が補われる。この結果、上段側の第1の搬送ブロック142aからのダウンフローを取り込んで下段側の第2の搬送ブロック142bのダウンフローを形成する場合であっても、例えば第1のFFU31の送風ファン311とほぼ同じ昇圧能力の送風ファン321を用いて、上段、下段の搬送ブロック142a、142b内の圧力、ダウンフローの流量、流速を揃えることができる。さらに送風ファン321の回転速度の調整などにより、第2の搬送ブロック142b内の圧力も外部の圧力よりも高くなるように制御されている。
【0063】
液処理部2においては、図4にて説明した順序でSC1液やDHF、DIWを供給し、液処理が行われる。この液処理を終えたら、回転するウエハWの表面にIPAを供給してIPA乾燥を行い、ウエハWの処理が終了する。
【0064】
このようにして液処理を行った後、ウエハ搬送機構143により液処理部2からウエハWを搬出して受け渡し棚131に載置し(上段側の第1の受け渡し棚131aに載置されたウエハWは下段側の第2の受け渡し棚131bに移載し)、ウエハ搬送機構121により受け渡し棚131からFOUP100にウエハWを戻す。そして液処理装置1に設けられた複数の液処理部2により、以上に説明したウエハWに対する処理や搬送動作が並行して実行され、複数枚のウエハWに対する液処理が行われる。
【0065】
本実施の形態に係わる液処理装置1によれば以下の効果がある。上段側の第1の搬送ブロック142a内を流れるダウンフローを取り込むファンとして、下段側の第2の搬送ブロック142bにダウンフローを形成するための第2のFFU32を利用しているので、第1の搬送ブロック142aの排気を行う専用の排気ファンを必要としない。この結果、排ファンや排気ダクトの設置スペースを節約し、消費エネルギーも削減することができる。
【0066】
ここで例えば水平ガイド機構部16を通過する気流を第2のFFU32の吸込側に送り込む中間ファン18の回転速度をインバータなどにより変化させて送風量を調節可能な構成としてもよい。また、外部雰囲気を取り込む開口部119に補助ファンを設け、同様の調節を行ってもよい。このときも例えば第1の搬送ブロック142a及び第2の搬送ブロック142bに圧力計を設け、両空間の圧力が揃うように中間ファン18や上記の補助ファンの回転速度を変化させる制御が行われる。また、第2のFFU32の吸込側と吐出側とに圧力計を設け、その圧力差が予め定めた値(例えば設計値)となるように中間ファン18や前記補助ファンの回転速度を変化させ、これにより間接的に第1の搬送ブロック142aと第2の搬送ブロック142bとの圧力を揃えてもよい。
【0067】
このほか、上述の例では第1、第2のFFU31、32は送風ファン311、321の回転速度を変化させることにより送風量を増減する場合を示したが、風量調節部の構成はこれに限られるものではない。例えば第1、第2のFFU31、32の出口側に風量調節部である開閉自在なルーバを設け、各圧力計による圧力検出値に基づいて制御部4がルーバの開度を調節する構成としてもよい。
【0068】
また本例の液処理装置1では、フットプリントの削減の観点から、第1の搬送ブロック142a、第2の搬送ブロック142b及びこれらに接続された液処理部2を上下に積層した構成を採用した。但し、第2のFFU32が第1の搬送ブロック142aからのダウンフローを取り込んで第2の搬送ブロック142bのダウンフローを形成可能な構成を備えていれば、これらの搬送ブロック142a、142bは積層されていなくてもよい。例えば複数の液処理部2が接続された第1の搬送ブロック142a、第2の搬送ブロック142bを横方向に並べて配置し、第1の搬送ブロック142aからのダウンフローの排気部と、第2のFFU32の吸込部とをダクトで接続してもよい。
【0069】
また、本例を適用可能な基板処理装置は、基板処理部として液処理部2を備える液処理装置1に限定されない。例えば基板にレジスト液を塗布するレジスト塗布部や露光後の現像を行う現像部、レジスト塗布後、露光後の加熱処理を行う加熱部を基板処理部として備えた塗布、現像装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
W ウエハ
142a 第1の搬送ブロック
142b 第2の搬送ブロック
143 ウエハ搬送機構
15 床板
151 排気口
16 水平ガイド機構部
161 通気口
18 中間ファン
2 液処理部
31 第1のFFU
32 第2のFFU
331 排気ファン
4 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板処理部に対して第1の基板搬送機構により基板の搬送を行うための第1の搬送ブロックと、
この第1の搬送ブロックの下方側に積層して設けられ、第2の基板処理部に対して第2の基板搬送機構により基板の搬送を行うための第2の搬送ブロックと、
前記第1の搬送ブロック内に清浄気体のダウンフローを形成するために、当該第1の搬送ブロックの上部に設けられた第1のファンフィルタユニットと、
前記第1の搬送ブロックの底部には排気口を備えた床板が設けられ、この排気口から前記ダウンフローを取り込んで前記第2の搬送ブロック内に清浄気体のダウンフローを形成するために、当該第2の搬送ブロックの上部に設けられた第2のファンフィルタユニットと、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の基板搬送機構は、基板保持部と、前記第1の搬送ブロックの底部に設けられ、当該基板保持部を走行させるための軌道を構成する走行ガイド機構部とを備え、当該走行ガイド機構部には、前記第1の搬送ブロック内のダウンフローを前記第2のファンフィルタユニット側へ向けて通過させるための通気口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記走行ガイド機構部には、前記通気口を通過するダウンフローを前記第2のファンフィルタユニット側へ向けて送り出すための中間ファンが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1の搬送ブロックの底部と、前記第2のファンフィルタユニットの吸込口との間を連通させる空間内に外部の雰囲気を取り込むための開口部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1のファンフィルタユニット及び第2のファンフィルタユニットには、送風量の調節を行うための風量調節部が設けられ、
前記第1の搬送ブロック内の圧力、及び第2の搬送ブロック内の圧力を検出する内部圧力検出部と、
これら内部圧力検出部の検出結果に基づいて、前記第1の搬送ブロック内の圧力と第2の搬送ブロック内の圧力とが揃うように前記風量調節部に制御信号を出力する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
第1の搬送ブロック及び第2の搬送ブロックの外部の圧力を検出する外部圧力検出部を備え、
前記前記制御部は、前記内部検出部及び外部検出部の検出結果に基づいて、第1の搬送ブロック内及び第2の搬送ブロック内の圧力が外部の圧力よりも高くなるように前記風量調節部に制御信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1の搬送ブロックの天井部には、前記第1のファンフィルタユニットから吐出された清浄気体の流れを整えるための整流板が設けられ、この整流板に形成された清浄気体の供給口の開口面積は、前記床板の排気口の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−89689(P2013−89689A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227104(P2011−227104)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】