説明

基板対基板コネクタ

【課題】第1補強金具及び/又は第2補強金具の変形を防止することができ、第1補強金具と第2補強金具との係合状態が強固となり、強い抜去り力が必要となり、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が確実に保持され、操作性が高く、信頼性が高くなるようにする。
【解決手段】第1端子と、挿入凹部を備える概略直方体の第1ハウジングと、挿入凹部に配設された第1補強金具とを有する第1コネクタと、第1端子と接触する第2端子と、挿入凹部に挿入される挿入凸部を備える概略直方体の第2ハウジングと、挿入凸部に配設され、第1補強金具と係合する第2補強金具とを有する第2コネクタとから成る基板対基板コネクタであって、第1補強金具及び第2補強金具の少なくとも一方は、挿抜方向から観てクランク状に形成された屈曲部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板対基板コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の平行な回路基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタが使用されている。このような基板対基板コネクタは、一対の回路基板における相互に対向する面の各々に取付けられ、互いに嵌(かん)合して導通するようになっている。また、両端部に取付けた補強金具をロック部材として機能させ、相手方コネクタとの嵌合状態を保持する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図8は従来の基板対基板コネクタの補強金具を示す斜視図である。
【0004】
図8(b)において、811は図示されない第1回路基板に実装される第1コネクタのハウジングとしての第1ハウジングであり、図8(a)において、911は図示されない第2回路基板に実装される第2コネクタのハウジングとしての第2ハウジングである。前記第1ハウジング811には図示されない複数の第1端子が装填(てん)され、前記第2ハウジング911には図示されない複数の第2端子が装填されている。そして、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合すると、対応する第1端子と第2端子とが相互に接触することによって第1回路基板と第2回路基板とが電気的に接続される。
【0005】
また、前記第1ハウジング811の長手方向の両端部には溝状の第1金具収容凹部826が形成され、該第1金具収容凹部826内に第1補強金具851が圧入されて取付けられている。該第1補強金具851は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施して一体的に形成された部材であり、本体部852、該本体部852の両端から下方に延出し、第1回路基板にはんだ付される固定用の脚部856、前記本体部852から下方に延出する一対の突起片857、該突起片857の間に形成された弾性片853、及び、該弾性片853の内面から突出するロック突起854を備える。
【0006】
同様に、前記第2ハウジング911の長手方向の両端部の左右には、第2補強金具951が取付けられている。該第2補強金具951は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施して一体的に形成された部材であり、本体部952、該本体部952の両端から下方に延出し、第2回路基板にはんだ付される固定用の脚部956、前記本体部952から外方に突出するロック突起954を備える。
【0007】
そして、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合すると、第1補強金具851のロック突起854と第2補強金具951のロック突起954とが互いに係合する。これにより、第1コネクタと第2コネクタとがロックされ、その嵌合状態が保持される。なお、嵌合の際には、第1ハウジング811又は第2ハウジング911のいずれか一方が図に示される姿勢とは上下逆様となって、相手方のハウジングと嵌合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−55306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の基板対基板コネクタにおいては、第1補強金具851及び/又は第2補強金具951が弾性的に変形するので、第1補強金具851のロック突起854と第2補強金具951のロック突起954とが互いに係合していても、十分に大きな力で第1コネクタと第2コネクタとをロックすることができない。すなわち、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を解除する力である抜去り力が第1コネクタ及び/又は第2コネクタに付与されると、第1補強金具851の本体部852及び/又は第2補強金具951の本体部952に捩(ねじ)れが発生し、第1補強金具851のロック突起854と第2補強金具951のロック突起954との係合が容易に解除されてしまう。特に、第1補強金具851の場合、本体部852の両端に形成された脚部856間のスパンが長いので、本体部852の中心部分の捩れ変形量が大きくなり、その結果、ロック突起854の変位量が大きくなって、第2補強金具951のロック突起954から外れやすくなってしまう。
【0010】
本発明は、前記従来の基板対基板コネクタの問題点を解決して、第1コネクタの第1補強金具及び第2コネクタの第2補強金具の少なくとも一方に、挿抜方向から観てクランク状の屈曲部を形成することによって、第1補強金具及び/又は第2補強金具の変形を防止することができ、第1補強金具と第2補強金具との係合状態が強固となり、強い抜去り力が必要となり、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が確実に保持され、操作性が高く、信頼性の高い基板対基板コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明の基板対基板コネクタにおいては、第1端子と、挿入凹部を備える概略直方体の第1ハウジングと、前記挿入凹部に配設された第1補強金具とを有する第1コネクタと、前記第1端子と接触する第2端子と、前記挿入凹部に挿入される挿入凸部を備える概略直方体の第2ハウジングと、前記挿入凸部に配設され、前記第1補強金具と係合する第2補強金具とを有する第2コネクタとから成る基板対基板コネクタであって、前記第1補強金具及び第2補強金具の少なくとも一方は、挿抜方向から観てクランク状に形成された屈曲部を備える。
【0012】
本発明の他の基板対基板コネクタにおいては、さらに、前記第1補強金具は、前記第1ハウジングの幅方向に延在する帯状の第1本体部と、該第1本体部に形成された第1ロック部とを備え、前記第2補強金具は、前記第2ハウジングの幅方向に延在する帯状の第2本体部と、該第2本体部に形成され、前記第1ロック部と係合する第2ロック部とを備え、前記第1ロック部及び第2ロック部の一方は凸部であり、他方は凹部又は開口部である。
【0013】
本発明の更に他の基板対基板コネクタにおいては、さらに、前記第1ロック部及び第2ロック部は、各々、複数であり、少なくとも2つは左右対称に配置される。
【0014】
本発明の更に他の基板対基板コネクタにおいては、さらに、前記第1補強金具は、前記第1本体部の両端に接続され、前記第1ハウジングの長手方向に延在し、前記第1ハウジングに保持される第1腕部を備え、前記第2補強金具は、前記第2本体部の両端に接続され、前記第2ハウジングの長手方向に延在し、前記第2ハウジングに保持される第2腕部を備える。
【0015】
本発明の更に他の基板対基板コネクタにおいては、さらに、前記第1本体部は、前記第1ロック部が形成され、挿抜方向から観て第1ハウジングの幅方向に直線状に延在する中央部と、該中央部の両端に接続された一対の前記屈曲部と、該屈曲部から前記第1ハウジングの幅方向に延出する一対の外側端部とを備える。
【0016】
本発明の更に他の基板対基板コネクタにおいては、さらに、前記挿入凹部は前記第1ハウジングの長手方向両端に形成され、前記第1補強金具は各挿入凹部の長手方向外側寄りに配設され、前記挿入凸部は前記第2ハウジングの長手方向両端に形成され、前記第2補強金具は各挿入凸部の長手方向外側端に沿って配設される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板対基板コネクタは、第1コネクタの第1補強金具及び第2コネクタの第2補強金具の少なくとも一方に、挿抜方向から観てクランク状の屈曲部が形成される。これにより、第1補強金具及び/又は第2補強金具の変形が防止され、第1補強金具と第2補強金具との係合状態が強固となり、強い抜去り力が必要となり、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が確実に保持され、操作性及び信頼性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態における第1コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図である。
【図2】本発明の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが互いに嵌合した状態を示す斜視図であり第1コネクタの嵌合面側から観た図である。
【図3】本発明の実施の形態における第1コネクタの斜視図であり嵌合面側から観た図である。
【図4】本発明の実施の形態における第2コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図である。
【図5】本発明の実施の形態における第2コネクタの斜視図であり嵌合面側から観た図である。
【図6】本発明の実施の形態における補強金具を示すコネクタの第1の断面図であり図2におけるA−A矢視断面図であって、(a)は通常の状態を示し、(b)は抜去り力が付与された状態を示している。
【図7】本発明の実施の形態における補強金具を示すコネクタの第2の断面図であり図2におけるB−B矢視断面図であって、(a)は通常の状態を示し、(b)は抜去り力が付与された状態を示している。
【図8】従来の基板対基板コネクタの補強金具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態における第1コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図、図2は本発明の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが互いに嵌合した状態を示す斜視図であり第1コネクタの嵌合面側から観た図、図3は本発明の実施の形態における第1コネクタの斜視図であり嵌合面側から観た図である。
【0021】
図において、1は本実施の形態における一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタであり、図示されない第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。また、101は本実施の形態における一対の基板対基板コネクタの他方としての第2コネクタであり、図示されない第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。本実施の形態における基板対基板コネクタは、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101を含み、第1基板及び第2基板を電気的に接続する。なお、前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0022】
また、本実施の形態において、基板対基板コネクタの各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記基板対基板コネクタの各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0023】
そして、前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。該第1ハウジング11は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、第2コネクタ101が嵌入される側、すなわち、嵌合面側(図3における上側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部12が形成されている。前記第1コネクタ1は、例えば、縦約10.0〔mm〕、横約2.5〔mm〕及び厚さ約1.0〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。そして、前記凹部12内には島部としての第1凸部13が第1ハウジング11と一体的に形成され、また、前記第1凸部13の両側には該第1凸部13と並行に延在する側壁部14が第1ハウジング11と一体的に形成されている。この場合、前記第1凸部13及び側壁部14は、凹部12の底面から上方に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向に延在する。これにより、前記第1凸部13の両側には、凹部12の一部として、第1ハウジング11の長手方向に延在する細長い凹部である凹溝部12aが第1凸部13と側壁部14との間に形成される。なお、図に示される例において、前記第1凸部13は単数であるが、複数であってもよく、その数はいくつであってもよい。また、前記第1凸部13は、例えば、幅約0.6〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。
【0024】
ここで、前記第1凸部13の両側の側面には凹溝状の第1端子収容内側キャビティ15aが形成されている。また、前記側壁部14の内側の側面には凹溝状の第1端子収容外側キャビティ15bが形成されている。そして、前記第1端子収容内側キャビティ15aと第1端子収容外側キャビティ15bとは、凹溝部12aの底面において連結され互いに一体化しているので、第1端子収容内側キャビティ15aと第1端子収容外側キャビティ15bとを統合的に説明する場合には、第1端子収容キャビティ15として説明する。
【0025】
該第1端子収容キャビティ15は、第1凸部13の両側に、例えば、約0.4〔mm〕のピッチで8個ずつ形成されている。そして、第1端子収容キャビティ15の各々に収容される第1端子61も、第1凸部13の両側に、例えば、約0.4〔mm〕のピッチで8個ずつ配設されている。なお、前記第1端子収容キャビティ15のピッチ及び数は適宜変更することができる。
【0026】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続されたテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された上側接続部67と、該上側接続部67の内方端近傍に形成された第2接触部66と、該第2接触部66に接続された下側接続部64と、該下側接続部64の自由端近傍に形成された第1接触部65とを備える。
【0027】
そして、前記被保持部63は、上下方向、すなわち、第1ハウジング11の厚さ方向に延在し、前記第1端子収容外側キャビティ15bに嵌入されて保持される部分である。また、前記テール部62は、被保持部63に対して曲げて接続され、左右方向、すなわち、第1ハウジング11の幅方向に外方を向いて延出し、第1基板上の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。さらに、前記上側接続部67は、被保持部63に対して曲げて接続され、第1ハウジング11の幅方向に内方を向いて延出する。
【0028】
前記上側接続部67の内方端には、下方に向けて曲げられ、かつ、第1ハウジング11の幅方向に内方を向いて突出する湾曲した第2接触部66が形成されている。また、前記下側接続部64は、前記第2接触部66の下端に接続されたU字状の側面形状を備える部分である。前記下側接続部64の自由端、すなわち、前記内方の上端近傍には、U字状に曲げられ、かつ、第1ハウジング11の幅方向に外方を向いて突出する湾曲した第1接触部65が形成されている。
【0029】
前記第1端子61は、実装面側(図3における下側)から、第1端子収容キャビティ15内に嵌入され、被保持部63が側壁部14の内側の側面に形成された第1端子収容外側キャビティ15bの側壁によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1端子61が第1ハウジング11に装填された状態において、前記第1接触部65と第2接触部66とは、凹溝部12aの左右両側に位置し、互いに向合っている。
【0030】
なお、第1端子61は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、互いに向合う第1接触部65と第2接触部66との間隔は、弾性的に変化可能である。すなわち、第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入されると、それにより、第1接触部65と第2接触部66との間隔は弾性的に伸長する。
【0031】
また、前記第1ハウジング11の長手方向両端には第1嵌合ガイド部としての第1突出端部21が各々配設されている。各第1突出端部21には、前記凹部12の一部として突出端凹部22が形成されている。該突出端凹部22は、略長方形の凹部であり、各凹溝部12aの長手方向両端に接続されている。そして、前記突出端凹部22は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、該第2コネクタ101が備える後述される第2突出端部122が挿入される挿入凹部として機能する。
【0032】
さらに、前記第1突出端部21は、側壁部14の長手方向両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する側壁延長部21bと、第1ハウジング11の短手方向に延在し、両端が側壁延長部21bに接続された端壁部21cとを備える。各第1突出端部21において、端壁部21cとその両端に接続された側壁延長部21bとは、連続したコ字状の側壁を形成し、略長方形の突出端凹部22の三方を画定する。
【0033】
そして、前記第1突出端部21には、補強金具としての第1補強金具51が取付けられる。該第1補強金具51は、突出端凹部22における第1ハウジング11の長手方向外側寄りに配設され、第1突出端部21に形成された第1金具保持凹部26内に収容されて保持される。
【0034】
本実施の形態において、第1補強金具51は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、全体として第1ハウジング11の幅方向に延在する細長い帯状の第1本体部52と、該第1本体部52の左右両端に曲げて接続され、第1ハウジング11の長手方向に延在し、前記第1ハウジング11に保持される第1腕部57と、該第1腕部57の下端に接続された第1基板接続部56と、前記第1本体部52に形成された第1ロック部54とを備える。
【0035】
そして、前記第1本体部52は、第1コネクタ1と第2コネクタ101との挿抜方向、すなわち、上下方向から観て第1ハウジング11の幅方向に直線状に延在する中央部52aと、上下方向から観てクランク状の形状となるように屈曲し、前記中央部52aの両端に接続された屈曲部52bと、上下方向から観て第1ハウジング11の幅方向に直線状に延在し、前記屈曲部52bから第1ハウジング11の幅方向に延出する外側端部52cとを備える。なお、図に示される例において、屈曲部52bは、中央部52aが外側端部52cよりも第1ハウジング11の長手方向中心寄りに位置するように屈曲しているが、外側端部52cが中央部52aよりも第1ハウジング11の長手方向中心寄りに位置するように屈曲していてもよい。
【0036】
また、図に示される例において、前記中央部52aには一対の第1ロック部54が形成されているが、第1ロック部54の数は単数であってもよいし、3つ以上であってもよいし、いくつであってもよい。なお、第1ロック部54の位置は、任意に決定することができるが、典型的には、第1ハウジング11の幅方向の中心軸に関して左右対称となるように配置される。すなわち、第1ロック部54の数が奇数である場合には、1つが第1ハウジング11の幅方向の中心軸上に配置され、残りが中心軸に関して左右対称となるように左右に同数ずつ配置され、第1ロック部54の数が偶数である場合には、中心軸に関して左右対称となるように左右に同数ずつ配置される。さらに、図に示される例において、第1ロック部54は、中央部52aの表面から突出する凸部であるが、後述される第2ロック部154と係合可能な形状であればよく、必ずしも凸部である必要はない。例えば、第2ロック部154が凸部である場合には、該凸部と係合可能な凹部又は開口部となる。なお、ここでは、説明の都合上、第1ロック部54が凸部であって、かつ、一対であって第1ハウジング11の幅方向の中心軸に関して左右対称となるように配置されている場合についてのみ説明する。
【0037】
さらに、前記第1腕部57は、前記外側端部52cの外側端から第1ハウジング11の長手方向中心に向けて延出し、その自由端には、凹凸形状の第1ロック掛止部57aを備える。また、第1腕部57の下端には、第1基板接続部56が、その自由端が第1ハウジング11の幅方向外側を向くように曲げて接続されている。前記第1基板接続部56は、第1補強金具51のはんだテール部として機能し、その下面が第1ハウジング11の図示されない実装面とほぼ平行となるように形成され、第1基板上の固定用のパッドにはんだ付等によって固定される。
【0038】
前記第1金具保持凹部26は、第1ハウジング11の厚さ方向かつ幅方向に延在する溝状の外側端部収容部26aと、第1ハウジング11の厚さ方向かつ長手方向に延在し、前記外側端部収容部26aに連結するように側壁延長部21bに形成された溝状の第1腕部収容部26bと、該第1腕部収容部26bにおける第1ハウジング11の長手方向中心寄り端部に配設され、前記第1ロック掛止部57aが掛止する第1ロック被掛止部26cと、前記第1腕部収容部26bに連結し、前記第1基板接続部56が外側から視認可能なように、側壁延長部21bの外面に開口する接続部収容開口部26dとを備える。
【0039】
なお、第1補強金具51は、第1突出端部21に取付けられた状態では、ほぼ全体が第1金具保持凹部26内に収容されるが、第1本体部52の中央部52aにおける第1ハウジング11の長手方向中心側の面が、第1ロック部54とともに、突出端凹部22に露出し、第1基板接続部56及び第1腕部57における第1基板接続部56の上方に位置する部分の外側面が、接続部収容開口部26dにおいて露出する。
【0040】
次に、前記第2コネクタ101の構成について説明する。
【0041】
図4は本発明の実施の形態における第2コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図、図5は本発明の実施の形態における第2コネクタの斜視図であり嵌合面側から観た図である。
【0042】
第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、例えば、縦約8.0〔mm〕、横約1.5〔mm〕及び厚さ約0.8〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。そして、第2ハウジング111の第1コネクタ1に嵌入される側、すなわち、嵌合面側(図における上側)には、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凹溝部113と、該凹溝部113の外側を画定するとともに、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凸部としての第2凸部112とが一体的に形成されている。該第2凸部112は、凹溝部113の両側に沿って、かつ、第2ハウジング111の両側に沿って形成されている。また、各第2凸部112には、端子としての第2端子161が配設されている。
【0043】
図に示されるように、凹溝部113は、第2基板に実装される側、すなわち、実装面(図における下面)側が底部によって閉止されている。なお、図に示される例において、前記第2凸部112は2本であるが、単数であってもよく、その数はいくつであってもよい。また、前記凹溝部113は、例えば、幅約0.7〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。
【0044】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、図示されない本体部と、該本体部の下端に接続されたテール部162と、前記本体部の上端に接続された第1接触部165と、該第1接触部165の上端に接続された接続部164と、該接続部164の外方端に接続された第2接触部166とを備える。なお、前記第1接触部165の表面には、第1端子61の第1接触部65と係合する第1接触凹部165aが形成され、前記第2接触部166の表面には、第1端子61の第2接触部66と係合する第2接触凹部166aがそれぞれ形成されている。
【0045】
そして、前記本体部は、第2ハウジング111に周囲を囲まれて保持される部分であり、図4及び5には示されていない部分である。また、前記テール部162は、本体部の左右方向、すなわち、第2ハウジング111の幅方向に延在する下端に接続され、第2ハウジング111の外方を向いて延出し、第2基板上の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。さらに、前記第1接触部165は、本体部に接続され、上下方向、すなわち、第2ハウジング111の厚さ方向に延在する平板状の部分である。そして、前記接続部164は、第1接触部165に対して曲げて接続され、第2ハウジング111の幅方向に外方を向いて延出する。また、前記第2接触部166は、接続部164の外方端に、下方に向けて曲げられて接続され、下方に延出する部分である。
【0046】
前記第2端子161はオーバーモールドによって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に樹脂を充填することによって成形される。これにより、第2端子161は、本体部が第2ハウジング111内に埋没し、第1接触部165、接続部164及び第2接触部166の表面が第2凸部112の各側面及び嵌合面に露出した状態で、第2ハウジング111に一体的に取付けられる。この場合、前記第2端子161は、例えば、約0.4〔mm〕のピッチで16個ずつ配設されている。なお、第2端子161のピッチ及び数は適宜変更することができる。
【0047】
そして、前記第2ハウジング111の長手方向両端には第2嵌合ガイド部としての第2突出端部122が各々配設されている。該第2突出端部122は、第2ハウジング111の幅方向に延在し、両端が各第2凸部112の長手方向両端に接続された肉厚の部材であり、その上面は概略長方形の形状を備える。そして、前記第2突出端部122は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、前記第1コネクタ1が備える第1突出端部21の突出端凹部22に挿入される挿入凸部として機能する。
【0048】
また、前記第2突出端部122には、補強金具としての第2補強金具151が取付けられる。該第2補強金具151は、第2突出端部122における第2ハウジング111の長手方向外側端に沿って配設され、第2突出端部122に形成された第2金具保持凹部126内に収容されて保持される。
【0049】
本実施の形態において、第2補強金具151は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、全体として第2ハウジング111の幅方向に延在する細長い帯状の第2本体部152と、該第2本体部152の左右両端に曲げて接続され、第2ハウジング111の長手方向に延在し、前記第2ハウジング111に保持される第2腕部157と、該第2腕部157の下端に接続された第2基板接続部156と、前記第2本体部152に形成された第2ロック部154とを備える。
【0050】
図に示される例において、前記第2本体部152には一対の第2ロック部154が形成されているが、第2ロック部154の数は、単数であってもよいし、3つ以上であってもよいし、いくつであってもよく、前記第1補強金具51が有する第1ロック部54の数に対応するように設定される。また、第2ロック部154の配置も、前記第1ロック部54の配置に対応するように設定され、典型的には、第2ハウジング111の幅方向の中心軸に関して左右対称となるように配置される。さらに、図に示される例において、第2ロック部154は、第2本体部152を厚さ方向に貫通する開口部であるが、第2本体部152の表面を窪(くぼ)ませた凹部であってもよく、前記第1ロック部54と係合可能な形状であれば、必ずしも開口部である必要はない。例えば、第1ロック部54が凹部又は開口部である場合には、凹部又は開口部と係合可能な凸部となる。なお、ここでは、説明の都合上、第2ロック部154が開口部であって、かつ、一対であって第2ハウジング111の幅方向の中心軸に関して左右対称となるように配置されている場合についてのみ説明する。
【0051】
さらに、前記第2腕部157は、前記第2本体部152の左右両端から第2ハウジング111の長手方向中心に向けて延出し、その自由端には、上方に向けて突出する第2ロック掛止部157aを備える。また、第2腕部157の下端には、第2基板接続部156が、その自由端が第2ハウジング111の幅方向外側を向くように曲げて接続されている。前記第2基板接続部156は、第2補強金具151のはんだテール部として機能し、その下面が第2ハウジング111の図示されない実装面とほぼ平行となるように形成され、第2基板上の固定用のパッドにはんだ付等によって固定される。
【0052】
前記第2金具保持凹部126は、第2突出端部122における第2ハウジング111の長手方向外側面であって第2ハウジング111の厚さ方向かつ幅方向に延在する第2本体部収容部126aと、第2ハウジング111の厚さ方向かつ長手方向に延在し、前記第2本体部収容部126aの両端に連結するように形成された溝状の第2腕部収容部126bと、該第2腕部収容部126bにおける第2ハウジング111の長手方向中心寄り端部に配設され、上下方向に延在してその上端が第2突出端部122の上面に開口し、前記第2ロック掛止部157aが掛止する第2ロック被掛止部126cとを備える。
【0053】
なお、第2補強金具151は、第2突出端部122に取付けられた状態では、ほぼ全体が第2金具保持凹部126内に収容されるが、第2本体部152における第2ハウジング111の長手方向外側の面が、第2ロック部154とともに、第2突出端部122における第2ハウジング111の長手方向外側面に露出し、第2基板接続部156の下面が第2ハウジング111の実装面に露出する。そして、第2ロック部154は、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合された状態において、第1コネクタ1が備える第1補強金具51の第1ロック部54と係合する。
【0054】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合する動作について説明する。
【0055】
図6は本発明の実施の形態における補強金具を示すコネクタの第1の断面図であり図2におけるA−A矢視断面図、図7は本発明の実施の形態における補強金具を示すコネクタの第2の断面図であり図2におけるB−B矢視断面図である。なお、図6及び7において、(a)は通常の状態を示し、(b)は抜去り力が付与された状態を示している。
【0056】
ここで、第1コネクタ1は、第1端子61のテール部62が図示されない第1基板上の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第1補強金具51の第1基板接続部56が第1基板上の固定用のパッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。
【0057】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161のテール部162が図示されない第2基板上の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第2補強金具151の第2基板接続部156が第2基板上の固定用のパッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。
【0058】
まず、オペレータは、第1コネクタ1の嵌合面と第2コネクタ101の嵌合面とを対向させた状態とし、第2コネクタ101の左右の第2凸部112の位置が第1コネクタ1の左右の凹溝部12aの位置と合致すると、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0059】
この状態で、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の左右の第2凸部112が第1コネクタ1の左右の凹溝部12a内に挿入される。そして、各第1端子61の第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入され、第1端子61の第1接触部65と第2端子161の第1接触部165とが接触し、第1端子61の第2接触部66と第2端子161の第2接触部166とが接触する。
【0060】
これにより、図2に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通した状態となる。詳細には、第1端子61の第1接触部65が第2端子161の第1接触凹部165aと係合し、第1端子61の第2接触部66が第2端子161の第2接触凹部166aと係合した状態となる。その結果、第1端子61のテール部62が接続された第1基板上の接続パッドに接続された導電トレースと、第2端子161のテール部162が接続された第2基板上の接続パッドに接続された導電トレースとが導通する。この場合、第1端子61と第2端子161とが多点接触となるので、導通状態が確実に維持される。
【0061】
また、図6及び7に示されるように、第1コネクタ1が備える第1補強金具51と第2コネクタ101が備える第2補強金具151とが相互に係合してロックした状態となる。この場合、凸部である第1補強金具51の第1ロック部54が開口部である第2補強金具151の第2ロック部154に進入して第1ロック部54と第2ロック部154とが互いに係合し、第1コネクタ1と第2コネクタ101とがロックされる。
【0062】
そのため、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合を解除する力、すなわち、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去るための抜去り力を受けた場合でも、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去ることが困難である。つまり、必要な抜去り力が大きくなる。
【0063】
ここで、抜去り力を受けた場合の第1補強金具51及び第2補強金具151の状態を子細に観察すると、図6(b)に示されるように、第1補強金具51の第1本体部52に捩れが発生することが分かる。図6(a)と対比すると明らかなように、抜去り力を受けると、第1補強金具51に対して第2補強金具151が相対的に上昇し、これにより、第2ロック部154と係合している第1ロック部54が上方に変位する方向の力を受けて、第1本体部52が捩れモーメントを受けるからである。
【0064】
抜去り力が大きい場合には、第1本体部52の捩れ変形量が大きくなり、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が解除され、その結果、第1コネクタ1と第2コネクタ101とのロックが解除されて、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が解除されるであろうことが理解される。
【0065】
しかし、本実施の形態において、前記第1本体部52は、第1コネクタ1と第2コネクタ101との挿抜方向から観てクランク状の形状となるように屈曲する屈曲部52bを備える。より詳細には、第1ロック部54が形成された中央部52aの両側にクランク状の屈曲部52bがそれぞれ接続されている。そのため、第1本体部52は、断面係数が高く、捩れ剛性が高いので、捩れ変形しにくくなっている。したがって、第1本体部52が捩れモーメントを受けた場合であっても、第1本体部52の捩れ変形量が小さいので、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が解除されることがない。つまり、クランク状の屈曲部52bを備えるために第1本体部52の捩れ剛性が高いので、必要な抜去り力が大きく、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去ることが困難である。
【0066】
さらに、本実施の形態において、前記第1本体部52は、左右に配設された一対の第1ロック部54を備える。そのため、左右の第1ロック部54は、捩れ剛性が高い左右の屈曲部52bに近接した位置に存在する。したがって、第2ロック部154から力を受けても、第1ロック部54の上方への変位量が小さいので、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が解除されることがない。つまり、第1ロック部54がクランク状の屈曲部52bに近接しているので、必要な抜去り力が更に大きく、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去ることが更に困難である。また、第1ロック部54の数が3つ以上であれば、各第1ロック部54が受ける力が更に減少するので、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去ることが更に困難になる。
【0067】
なお、第2補強金具151の第2本体部152も、第1補強金具51の第1本体部52と同様に、捩れモーメントを受ける。しかし、第2ハウジング111の幅方向に関する第2本体部152の寸法は、前記第1本体部52と比較すると、非常に小さい。そのため、同じ大きさの捩れモーメントを受けた場合であっても、第2本体部152の捩れ変形量は小さいと考えられるので、本実施の形態においては、第2本体部152には前記屈曲部52bのようなクランク状の部分が形成されていない。もっとも、第2本体部152の捩れ変形量をより小さくする必要があるときには、第2本体部152にも、前記屈曲部52bと同様の、クランク状の屈曲部を形成することができる。
【0068】
また、実際の使用状況下では、抜去り力の方向が第1コネクタ1及び第2コネクタ101の挿抜方向に対して傾斜している場合がある。つまり、斜めの抜去り力を受ける場合がある。ここで、斜めの抜去り力を受けた場合の第1補強金具51及び第2補強金具151の状態を子細に観察すると、図7(b)に示されるように、第2補強金具151の第2本体部152が第1補強金具51の第1本体部52に対して傾斜することが分かる。図7(a)と対比すると明らかなように、抜去り力を受けると、第1本体部52に対して第2本体部152の幅方向の一端側(図に示される例においては左端側)が相対的に上昇する。つまり、第2本体部152の幅方向の中心を通り、かつ、図面に対して垂直に延在する軸を中心として第2本体部152を回転させる(図に示される例においては時計回り方向に回転させる)ような回転モーメントが作用する。
【0069】
このように、斜めの抜去り力を受けると、前述したような第1補強金具51に対して第2補強金具151を相対的に上昇させる力に加えて、回転モーメントによる力が第1ロック部54及び第2ロック部154に作用するので、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が解除されやすくなる。
【0070】
しかし、本実施の形態において、前記第1本体部52及び第2本体部152は、それぞれ、左右に配設された一対の第1ロック部54及び第2ロック部154を備える。そのため、該第1ロック部54及び第2ロック部154は、前記回転モーメントの中心軸から離間した位置に配設されている。したがって、幅方向の一端側(図に示される例においては左端側)の第1ロック部54が受ける回転モーメントによる上向きの力が小さいので、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が解除されることがない。つまり、第1ロック部54及び第2ロック部154が幅方向の中心から離間しているので、斜めの抜去り力を受けた場合であっても、回転モーメントによる力の影響が低下し、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去ることが困難である。また、第1ロック部54及び第2ロック部154の数が各々3つ以上であれば、各第1ロック部54が受ける力が更に減少するので、第1コネクタ1から第2コネクタ101を抜去ることが更に困難になる。
【0071】
なお、前記第1補強金具51及び第2補強金具151をグランド端子として使用することもできる。この場合、第1補強金具51の第1基板接続部56は、第1基板上のグランドラインに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続され、第2補強金具151の第2基板接続部156は、第2基板上のグランドラインに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。
【0072】
このように、本実施の形態においては、第1補強金具51及び第2補強金具151の少なくとも一方は、挿抜方向から観てクランク状に形成された屈曲部52bを備える。これにより、第1補強金具51及び/又は第2補強金具151の変形が防止され、第1補強金具51と第2補強金具151との係合状態が強固となり、強い抜去り力が必要となり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が確実に保持され、操作性及び信頼性を高くすることができる。
【0073】
また、第1補強金具51は、第1ハウジング11の幅方向に延在する帯状の第1本体部52と、第1本体部52に形成された第1ロック部54とを備え、第2補強金具151は、第2ハウジング111の幅方向に延在する帯状の第2本体部152と、第2本体部152に形成され、第1ロック部54と係合する第2ロック部154とを備え、第1ロック部54及び第2ロック部154の一方は凸部であり、他方は凹部又は開口部である。これにより、第1ロック部54と第2ロック部154とが確実に係合し、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが確実にロックされる。
【0074】
さらに、第1ロック部54及び第2ロック部154は、各々、複数であり、少なくとも2つは左右対称に配置される。これにより、斜めの抜去り力を受けた場合であっても、回転モーメントによる力の影響が低下し、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が確実に保持される。
【0075】
さらに、第1補強金具51は、第1本体部52の両端に接続され、第1ハウジング11の長手方向に延在し、第1ハウジング11に保持される第1腕部57を備え、第2補強金具151は、第2本体部152の両端に接続され、第2ハウジング111の長手方向に延在し、第2ハウジング111に保持される第2腕部157を備える。これにより、第1補強金具51及び第2補強金具151の剛性が高くなり、変形が防止されるので、第1補強金具51と第2補強金具151との係合状態が強固となる。また、第1補強金具51及び第2補強金具151が第1ハウジング11及び第2ハウジング111に確実に保持されるので、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が確実に維持される。
【0076】
さらに、第1本体部52は、第1ロック部54が形成され、挿抜方向から観て第1ハウジング11の幅方向に直線状に延在する中央部52aと、中央部52aの両端に接続された一対の屈曲部52bと、屈曲部52bから第1ハウジング11の幅方向に延出する一対の外側端部52cとを備える。これにより、第1本体部52は、断面係数が高く、捩れ剛性が高く、捩れ変形しにくいので、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が解除されることがない。したがって、第1ロック部54と第2ロック部154との係合が確実に維持され、第1コネクタ1と第2コネクタ101とのロックが確実になる。
【0077】
さらに、突出端凹部22は第1ハウジング11の長手方向両端に形成され、第1補強金具51は各突出端凹部22の長手方向外側寄りに配設され、第2突出端部122は第2ハウジング111の長手方向両端に形成され、第2補強金具151は各第2突出端部122の長手方向外側端に沿って配設される。これにより、第1ハウジング11及び第2ハウジング111の長手方向両端において第1補強金具51と第2補強金具151とが係合され、かつ、第1補強金具51と第2補強金具151との係合状態がいずれも強固であって強い抜去り力が必要なので、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が更に確実なものとなる。
【0078】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、基板対基板コネクタに適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 第1コネクタ
11、811 第1ハウジング
12 凹部
12a、113 凹溝部
13 第1凸部
14 側壁部
15a 第1端子収容内側キャビティ
15b 第1端子収容外側キャビティ
21 第1突出端部
21b 側壁延長部
21c 端壁部
22 突出端凹部
26 第1金具保持凹部
26a 外側端部収容部
26b 第1腕部収容部
26c 第1ロック被掛止部
26d 接続部収容開口部
51、851 第1補強金具
52 第1本体部
52a 中央部
52b 屈曲部
52c 外側端部
54 第1ロック部
56 第1基板接続部
57 第1腕部
57a 第1ロック掛止部
61 第1端子
62、162 テール部
63 被保持部
64 下側接続部
65、165 第1接触部
66、166 第2接触部
67 上側接続部
101 第2コネクタ
111、911 第2ハウジング
112 第2凸部
122 第2突出端部
126 第2金具保持凹部
126a 第2本体部収容部
126b 第2腕部収容部
126c 第2ロック被掛止部
151、951 第2補強金具
152 第2本体部
154 第2ロック部
156 第2基板接続部
157 第2腕部
157a 第2ロック掛止部
161 第2端子
164 接続部
165a 第1接触凹部
166a 第2接触凹部
826 第1金具収容凹部
852、952 本体部
853 弾性片
854、954 ロック突起
856、956 脚部
857 突起片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1端子と、挿入凹部を備える概略直方体の第1ハウジングと、前記挿入凹部に配設された第1補強金具とを有する第1コネクタと、
(b)前記第1端子と接触する第2端子と、前記挿入凹部に挿入される挿入凸部を備える概略直方体の第2ハウジングと、前記挿入凸部に配設され、前記第1補強金具と係合する第2補強金具とを有する第2コネクタとから成る基板対基板コネクタであって、
(c)前記第1補強金具及び第2補強金具の少なくとも一方は、挿抜方向から観てクランク状に形成された屈曲部を備えることを特徴とする基板対基板コネクタ。
【請求項2】
前記第1補強金具は、前記第1ハウジングの幅方向に延在する帯状の第1本体部と、該第1本体部に形成された第1ロック部とを備え、
前記第2補強金具は、前記第2ハウジングの幅方向に延在する帯状の第2本体部と、該第2本体部に形成され、前記第1ロック部と係合する第2ロック部とを備え、
前記第1ロック部及び第2ロック部の一方は凸部であり、他方は凹部又は開口部である請求項1に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項3】
前記第1ロック部及び第2ロック部は、各々、複数であり、少なくとも2つは左右対称に配置される請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項4】
前記第1補強金具は、前記第1本体部の両端に接続され、前記第1ハウジングの長手方向に延在し、前記第1ハウジングに保持される第1腕部を備え、
前記第2補強金具は、前記第2本体部の両端に接続され、前記第2ハウジングの長手方向に延在し、前記第2ハウジングに保持される第2腕部を備える請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項5】
前記第1本体部は、前記第1ロック部が形成され、挿抜方向から観て第1ハウジングの幅方向に直線状に延在する中央部と、該中央部の両端に接続された一対の前記屈曲部と、該屈曲部から前記第1ハウジングの幅方向に延出する一対の外側端部とを備える請求項2〜4のいずれか1項に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項6】
前記挿入凹部は前記第1ハウジングの長手方向両端に形成され、
前記第1補強金具は各挿入凹部の長手方向外側寄りに配設され、
前記挿入凸部は前記第2ハウジングの長手方向両端に形成され、
前記第2補強金具は各挿入凸部の長手方向外側端に沿って配設される請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板対基板コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−60650(P2011−60650A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210528(P2009−210528)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレイテド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】