説明

基板接続用コネクタ組立体

【課題】より薄く構成することが可能な基板接続用コネクタ組立体を得る。
【解決手段】雌コネクタ3は、係止孔31と、係止孔31の周面及び周縁部のうちの少なくとも一部に設けられた雌側端子とを有する一方、雄コネクタ2は、係止孔31を貫通した状態で係止孔31の周縁部に対向する雄側端子としてのバンプ11を有し、係止孔31を貫通したバンプ11が雌コネクタ3に引っ掛かることで雌コネクタ3と雄コネクタ2とを係止し、この係止状態で雌側端子とバンプ11とが接触する。また、雌側基体32は、2つの板部材が積層された2層構造を有し、一方の板部材33に係止孔31及び雌側端子35が形成され、他方の板部材34には、係止孔31に連通する収納孔38が形成され、この収納孔38は、係止孔31から突出するバンプ11の突出部分を収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板接続用コネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の基板接続用のコネクタとして、特許文献1に開示されるものが知られている。この特許文献1に開示されるコネクタでは、一方のコネクタとしてのソケットに帯状導体を袋小路状に折り曲げ成形されたコンタクトを設け、このコンタクトの袋小路状部分に、他方のコネクタとしてのヘッダから突出させた導体部分を有するポストを挿入して嵌め込み、コンタクトの袋小路状部分の内側面とポストの外側面とを接触させて導通させる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−055464号公報(図20)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話器等の小型の電子機器では、より一層の小型化、軽量化が求められており、これに伴って、当該電子機器内で用いられる基板接続用のコネクタに対しては、より一層の薄型化が求められている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のコネクタでは、コンタクトの袋小路状部分の内側面とポストの外側面とを接触させて導通させる構造となっており、かかる構造をさらに薄型化しようとすると、コンタクトとポストとの嵌合による結合力が弱くなって、離間しやすくなってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、より薄く構成することが可能な基板接続用コネクタ組立体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明の基板接続用コネクタ組立体は、係止孔が設けられた雌側基体と、前記係止孔の周面及び周縁部のうちの少なくとも一部に設けられ第1の回路基板に電気的に接続される雌側端子と、を有する雌コネクタと、雄側基体と、この雄側基体に突設され前記係止孔を貫通した状態で該係止孔の周縁部に対向する係止片と、第2の回路基板に電気的に接続される雄側端子と、を有する雄コネクタと、を備え、前記係止孔を貫通した前記係止片が前記雌側基体に引っ掛かることで前記雌コネクタと前記雄コネクタとを係止し、この係止状態で前記雌側端子と前記雄側端子とが接触するとともに、前記雌側基体は、2つの板部材が積層された2層構造を有し、一方の前記板部材に前記係止孔及び前記雌側端子が形成され、他方の前記板部材には、前記係止孔に連通する収納孔が形成され、この収納孔は、前記係止孔から突出する前記係止片の突出部分を収納する。
【0008】
請求項2に記載の発明の基板接続用コネクタ組立体は、係止孔が設けられた雌側基体と、前記係止孔の周面及び周縁部のうちの少なくとも一部に設けられ第1の回路基板に電気的に接続される雌側端子と、を有する雌コネクタと、雄側基体と、この雄側基体に突設され前記係止孔を貫通した状態で該係止孔の周縁部に対向する係止片と、第2の回路基板に電気的に接続される雄側端子と、を有する雄コネクタと、を備え、前記係止孔を貫通した前記係止片が前記雌側基体に引っ掛かることで前記雌コネクタと前記雄コネクタとを係止し、この係止状態で前記雌側端子と前記雄側端子とが接触するとともに、前記雌側基体は、1層構造であり、該雌側基体には、該雌側基体の一面側に開口する前記係止孔とこの係止孔よりも大径に形成されて前記係止孔に連通すると共に該雌側基体の他面側に開口する収納孔とを有する段差孔が形成され、前記収納孔は、前記係止孔から突出する前記係止片の突出部分を収納する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基板接続用コネクタ組立体において、前記係止片は、前記雄側基体に突設され前記係止孔に挿通される首部と、この首部の突端部に連設され前記係止孔の周縁部に対向する頭部とを有し、前記雌側基体における前記係止孔の周囲部分は、前記頭部が前記係止孔を通過することを許容する弾性を有する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、係止孔を貫通した係止片が雌側基体に引っ掛かることで雌コネクタと雄コネクタとを係止するので、係止片の高さを低くしても雌コネクタと雄コネクタとを確実に係止することができ、よって、基板接続用コネクタ組立体をより薄く構成することができる。
【0011】
また、雌側基体が2層構造であることにより、雌側端子が形成された一方の板部材が他方の板部材によって補強、保護され、雌側端子と雄側端子との接触信頼性を向上させることができる。また、係止孔から突出する係止片の突出部分が他方の板部材の収納孔に収納されることにより、基板接続用コネクタ組立体の見栄えを良くすることができると共に、その突出部分が周辺部品の実装の邪魔になることを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、係止孔を貫通した係止片が雌側基体に引っ掛かることで雌コネクタと雄コネクタとを係止するので、係止片の高さを低くしても雌コネクタと雄コネクタとを確実に係止することができ、よって、基板接続用コネクタ組立体をより薄く構成することができる。
【0013】
また、係止孔から突出する係止片の突出部分が収納孔に収納されることにより、基板接続用コネクタ組立体の見栄えを良くすることができると共に、その突出部分が周辺部品の実装の邪魔になることを防止することができる。また、雌側基体が1層構造であることにより、雌側基体を簡素化することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、係止孔に係止片を押し込むことで、雌側基体における係止孔の周囲部分が弾性変形し、これにより、係止片の頭部が係止孔を通過し、雌コネクタと雄コネクタとが係止されるので、雌コネクタと雄コネクタとの結合作業を比較的容易に行なうことができると共に、係止孔を比較的小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体を回路基板と共に示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる回路基板に実装された状態の雄コネクタと雌コネクタとを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体を組立状態で示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる雄コネクタを表面側から見て示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる雄コネクタを裏面側から見て示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる雄コネクタを示し、(a)は、平面図、(b)は、正面図、(c)は、側面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる雌コネクタを表面側から見て示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態にかかる雌コネクタを裏面側から見て示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施形態にかかる雌コネクタを示し、(a)は、平面図、(b)は、正面図、(c)は、側面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態にかかる雌コネクタの一部を拡大して示す平面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態にかかる組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体の雌コネクタ3の一部を拡大して示す平面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態にかかる組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体の雌コネクタの一部を拡大して示す平面図である。
【図15】本発明の第3の実施形態にかかる組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体の雌コネクタの一部を拡大して示す平面図である。
【図17】本発明の第4の実施形態にかかる組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図11に基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体を回路基板と共に示す分解斜視図、図2は、回路基板に実装された状態の雄コネクタと雌コネクタとを示す斜視図、図3は、基板接続用コネクタ組立体を組立状態で示す斜視図である。
【0017】
図1ないし図3に示すように、本実施形態の基板接続用コネクタ組立体1は、雄コネクタ2と雌コネクタ3とから構成されている。この基板接続用コネクタ組立体1は、概略的には、雄コネクタ2に設けられた係止片であるバンプ11が、雌コネクタ3に設けられた係止孔31を貫通した状態で、雄コネクタ2と雌コネクタ3とを相互に係止するものである。そして、この係止状態では、雌コネクタ3に接続された第1の回路基板4と、雄コネクタ2に接続された第2の回路基板5とが電気的に接続されるようになっている。
【0018】
図4は、雄コネクタ2を表面側から見て示す斜視図、図5は、雄コネクタ2を裏面側から見て示す斜視図、図6は、雄コネクタ2を示し、(a)は、平面図、(b)は、正面図、(c)は、側面図である。
【0019】
図4ないし図6に示すように、雄コネクタ2は、帯板状に形成された雄側基体12を有している。この雄側基体12の表面には、複数のバンプ11が突設されている。これらのバンプ11は、所定の間隔をあけて雄側基体12の長手方向に沿って一列に配置されている。バンプ11は、金属材料によって構成され導電性を有している。バンプ11は、雄側基体12の表面に突設された断面円状の首部13と、この首部13の突端部に連設された頭部14とを有して、縦断面がマッシュルーム形状に形成されている。首部13は、その基部から突端部へ向うに従い径が大きくなるように形成されており、雌コネクタ3の係止孔31に挿通される。頭部14は、断面ドーム状に形成されると共に、その径は、首部13の径よりも大きく形成されている。この頭部14は、首部13が雌コネクタ3の係止孔31に挿通された状態では、係止孔31の周縁部31aに対向する。
【0020】
また、各バンプ11の首部13は、雄側基体12の表面に突設された円環状の端子部15によって囲繞されると共に、その端子部15に接続されている。そして、バンプ11は、端子部15と共に雄側端子16を構成している。
【0021】
端子部15は、雄側基体12の表面に設けられた接続部17と雄側基体12の表裏面を貫通して形成されたスルーホールメッキ部18とを介して、雄側基体12の裏面に設けられた実装パッド部19に接続されている。これら接続部17、スルーホールメッキ部18及び実装パッド部19は、導電性を有している。そして、実装パッド部19が第2の回路基板5上の電気回路5aに接続された状態で、雄コネクタ2が第2の回路基板5に実装され、これにより、第2の回路基板5と雄側端子16とが電気的に接続される。
【0022】
また、雄側基体12の表面における長手方向の両端部には、円柱状の位置決め用のボス20が突設されている。これらのボス20は、雌コネクタ3と雄コネクタ2とを結合する際の相互の位置決めに使用される。
【0023】
図7は、雌コネクタ3を表面側から見て示す斜視図、図8は、雌コネクタ3を裏面側から見て示す斜視図、図9は、雌コネクタ3を示し、(a)は、平面図、(b)は、正面図、(c)は、側面図、図10は、雌コネクタ3の一部を拡大して示す平面図である。
【0024】
図7ないし図10に示すように、雌コネクタ3は、帯板状に形成された雌側基体32を有している。この雌側基体32は、2つの板部材としてFPC(Flexible Printed Circuit)33とカバー部材34とが積層された2層構造を有している。
【0025】
FPC33には、雄コネクタ2の各バンプ11に対応した複数の係止孔31が貫通して形成されている。この係止孔31の周面31b及び周縁部31aには、第1の回路基板4に電気的に接続される雌側端子35が形成されている。
【0026】
雄側端子16は、FPC33の裏面に設けられた接続部36を介して、FPC33の裏面に設けられた実装パッド部37に接続されている。これら接続部36と実装パッド部37とは導電性を有している。そして、実装パッド部37が第1の回路基板4上の電気回路4aに接続された状態で、雌コネクタ3が第1の回路基板4に実装され、これにより、第1の回路基板4と雌側端子35とが電気的に接続される。
【0027】
ここで、係止孔31は、バンプ11の頭部14の径よりも大きい径の大径部31cと、この大径部31cに連通しバンプ11の頭部14の径よりも小さい径の小径部31dとを有しており、達磨状に形成されている。小径部31dと大径部31cとは、雌側基体32の短手方向に沿って配置されている。そして、係止孔31は、大径部31cと小径部31dとの間の首部13の移動を許容している。
【0028】
カバー部材34は、FPC33の表面に積層されている。カバー部材34には、FPC33の各係止孔31に対応して収納孔38が貫通して形成されており、これらの収納孔38は、対応する係止孔31に連通している。収納孔38の径は、係止孔31の径よりも大きく形成されており、係止孔31に首部13が挿通されたバンプ11において係止孔31(FPC33)から突出する部分である頭部14を収納するようになっている。そして、収納孔38は、小径部31dと大径部31cとの間のバンプ11の移動を許容する大ききに形成されている。
【0029】
また、雌側基体32の長手方向の両端部には、雄コネクタ2のボス20が嵌合されるガイド孔39が形成されている。ガイド孔39は、雌側基体32の短手方向へのボス20の移動をガイドするように長孔状に形成されている。
【0030】
次に、基板接続用コネクタ組立体1の組立手順を説明する。図11は、組立状態の基板接続用コネクタ組立体1の一部を拡大して示す縦断側面図である。まず、雄コネクタ2のバンプ11を雌コネクタ3の係止孔31の大径部31cに貫通させて、バンプ11の首部13を係止孔31に位置させると共に頭部14を係止孔31から突出した状態にする。また、このとき、ボス20をガイド孔39に挿通する。次に、雄コネクタ2と雌コネクタ3とを、それらの短手方向に沿って相対的にスライド移動させて、バンプ11を係止孔31の大径部31cから小径部31dに移動させる(図3)。これにより、バンプ11の首部13が係止孔31の周縁に引っ掛かり、雌コネクタ3と雄コネクタ2とがバンプ11によって相互に係止され結合される(図11)。この係止状態では、雌側端子35と雄側端子16とが接触する。ここで、本実施形態では、雄側端子16のうち雌側端子35と接触する部分aは、端子部15及びバンプ11の首部13である。そして、この係止状態では、雌コネクタ3に接続された第1の回路基板4と、雄コネクタ2に接続された第2の回路基板5とが電気的に接続される。
【0031】
以上説明した本実施形態によれば、係止孔31を貫通したバンプ11が雌側基体32に引っ掛かることで雌コネクタ3と雄コネクタ2とを係止するので、バンプ11の高さを低くしても雌コネクタ3と雄コネクタ2とを確実に係止することができ、基板接続用コネクタ組立体1をより薄く構成することができる。
【0032】
また、本実施形態では、雄コネクタ2と雌コネクタ3とが結合された状態では、バンプ11の頭部14が雌コネクタ3の係止孔31の周縁部31aに対向するので、バンプ11の頭部14と係止孔31の周縁部31aとによっても雌コネクタ3と雄コネクタ2とを係止することができ、より確実に雄コネクタ2と雌コネクタ3とを結合することができる。
【0033】
また、本実施形態では、バンプ11を係止孔31の大径部31cに貫通させて小径部31dに移動させることで、バンプ11が雌側基体32に引っ掛かり雌コネクタ3と雄コネクタ2とが係止されるので、雌コネクタ3と雄コネクタ2との結合作業を比較的容易に行なうことができる。また、バンプ11を大径部31cから小径部31dへ移動させる過程でバンプ11を係止孔31の周面31bに摺接させることにより、係止孔31の周面31bとバンプ11の首部13とが相互に清掃されるので、係止孔31の周面31bとバンプ11の首部13との接触をより良好にすることができ、雄側端子16であるバンプ11と雌側端子35との接触信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態では、雌側基体32が2層構造であることにより、雌側端子35が形成された一方の板部材であるFPC33が他方の板部材であるカバー部材34によって補強、保護され、雌側端子35と雄側端子16との接触信頼性を向上させることができる。また、係止孔31から突出するバンプ11の頭部14がカバー部材34の収納孔38に収納されることにより、基板接続用コネクタ組立体1の見栄えを良くすることができると共に、その突出部分が周辺部品の実装の邪魔になることを防止することができる。また、このとき、バンプ11の厚さを雌側基体32の厚みで吸収できるので、低背化を図ることができる。
【0035】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図12及び図13に基づいて説明する。図12は、本実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体の雌コネクタの一部を拡大して示す平面図、図13は、組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図。なお、前述した実施形態と同じ部分は、同一符号で示し説明も省略する(以降の実施形態でも同様)。
【0036】
本実施形態では、雌側基体32Aが、2層構造ではなく、単一の板部材による1層構造である点が第1の実施形態に対して異なる。これに伴い、本実施形態の雌側基体32Aには、段差孔51が貫通して形成されており、この段差孔51に、雌側基体32Aの一面側に開口する係止孔31と、係止孔31よりも大径に形成されて係止孔31に連通すると共に雌側基体32の他面側に開口する収納孔38とが形成されている。
【0037】
また、雌側端子35は、係止孔31の周面31bを含む段差孔51の周面に形成されている。
【0038】
本実施形態によれば、雌側基体32Aが1層構造であることにより、2層構造の雌側基体32に比べて、雌側基体32Aを簡素化することができる。
【0039】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図14及び図15に基づいて説明する。図14は、本実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体の雌コネクタの一部を拡大して示す平面図、図15は、組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【0040】
本実施形態の雌側基体32Bにおける係止孔31Bにかかる部分が第1の実施形態に対して異なる。雌側基体32BのFPC33Bにおける係止孔31Bの周囲部分は、バンプ11の頭部14が係止孔31Bを通過することを許容する弾性を有している。詳しくは、係止孔31Bが円形状に形成されると共に、雌側基体32BのFPC33Bには、係止孔31Bに連通する切欠41が係止孔31の周囲に略等間隔で形成されている。これにより、FPC33における係止孔31Bの周囲部分が、係止孔31Bの軸方向に弾性変形可能となっている。また、本実施形態では、カバー部材34Bの収納孔38Bは、円状に形成されている。
【0041】
本実施形態によれば、バンプ11の頭部14が係止孔31Bを通過することを許容する弾性を、雌側基体32Bにおける係止孔31Bの周囲部分が有することにより、係止孔31にバンプ11を押し込むことで、雌側基体32Bにおける係止孔31Bの周囲部分が弾性変形し、これにより、バンプ11の頭部14が係止孔31Bを通過し、雌コネクタ3と雄コネクタ2とが係止されると共に雌側端子35と雄側端子16とが接触するので、雌コネクタ3と雄コネクタ2との結合作業を比較的容易に行なうことができる。また、このように、バンプ11の頭部14が係止孔31Bを通過することを許容する弾性を、雌側基体32Bにおける係止孔31Bの周囲部分が有していることにより、係止孔31Bを第1の実施形態の係止孔31のように達磨形状にする必要がないので、係止孔31Bを第1の実施形態の係止孔31よりも小さくすることができる。これにより、基板接続用コネクタ組立体1を第1の実施形態よりも小型化することができる。
【0042】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態を図16及び図17に基づいて説明する。図16は、本実施形態にかかる基板接続用コネクタ組立体の雌コネクタの一部を拡大して示す平面図、図17は、組立状態の基板接続用コネクタ組立体の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【0043】
本実施形態では、雌側基体32Cが、2層構造ではなく、単一の板部材による1層構造である点が第3の実施形態に対して異なる。これに伴い、本実施形態の雌側基体32Cには、段差孔51Cが貫通して形成されており、この段差孔51Cに、雌側基体32Cの一面側に開口する係止孔31Bと、係止孔31Bよりも大径に形成されて係止孔31Bに連通すると共に雌側基体32Cの他面側に開口する収納孔38Bとが形成されている。
【0044】
また、係止孔31Bに連通した切欠41は、雌側基体32Cの一面側に開口すると共に係止孔31Bと同じ高さに形成されており、雌側基体32Cにおける係止孔31Bの周囲部分が、係止孔31Bの軸方向に弾性変形可能となっている。これにより、雌側基体32Cにおける係止孔31Bの周囲部分は、第3の実施形態と同様に、バンプ11の頭部14が係止孔31Bを通過することを許容する弾性を有している。
【0045】
また、雌側端子35は、係止孔31Bの周面31Bbを含む段差孔51の周面に形成されている。
【0046】
本実施形態によれば、雌側基体32Cが1層構造であることにより、2層構造の雌側基体32Bに比べて、雌側基体32Cを簡素化することができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 基板接続用コネクタ組立体
2 雄コネクタ
3 雌コネクタ
4 第1の回路基板
5 第2の回路基板
11 バンプ(係止片)
12 雄側基体
13 首部
14 頭部
16 雄側端子
31 係止孔
31a 係止孔の周縁部
31b 係止孔の周面
31c 大径部
31d 小径部
31B 係止孔
31Bb 係止孔の周面
32 雌側基体
32A 雌側基体
32B 雌側基体
32C 雌側基体
33 FPC(板部材)
33B FPC(板部材)
34 カバー部材(板部材)
34B カバー部材(板部材)
35 雌側端子
38 収納孔
38B 収納孔
51 段差孔
51C 段差孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係止孔が設けられた雌側基体と、前記係止孔の周面及び周縁部のうちの少なくとも一部に設けられ第1の回路基板に電気的に接続される雌側端子と、を有する雌コネクタと、
雄側基体と、この雄側基体に突設され前記係止孔を貫通した状態で該係止孔の周縁部に対向する係止片と、第2の回路基板に電気的に接続される雄側端子と、を有する雄コネクタと、
を備え、
前記係止孔を貫通した前記係止片が前記雌側基体に引っ掛かることで前記雌コネクタと前記雄コネクタとを係止し、この係止状態で前記雌側端子と前記雄側端子とが接触するとともに、
前記雌側基体は、2つの板部材が積層された2層構造を有し、
一方の前記板部材に前記係止孔及び前記雌側端子が形成され、他方の前記板部材には、前記係止孔に連通する収納孔が形成され、この収納孔は、前記係止孔から突出する前記係止片の突出部分を収納する基板接続用コネクタ組立体。
【請求項2】
係止孔が設けられた雌側基体と、前記係止孔の周面及び周縁部のうちの少なくとも一部に設けられ第1の回路基板に電気的に接続される雌側端子と、を有する雌コネクタと、
雄側基体と、この雄側基体に突設され前記係止孔を貫通した状態で該係止孔の周縁部に対向する係止片と、第2の回路基板に電気的に接続される雄側端子と、を有する雄コネクタと、
を備え、
前記係止孔を貫通した前記係止片が前記雌側基体に引っ掛かることで前記雌コネクタと前記雄コネクタとを係止し、この係止状態で前記雌側端子と前記雄側端子とが接触するとともに、
前記雌側基体は、1層構造であり、該雌側基体には、該雌側基体の一面側に開口する前記係止孔とこの係止孔よりも大径に形成されて前記係止孔に連通すると共に該雌側基体の他面側に開口する収納孔とを有する段差孔が形成され、
前記収納孔は、前記係止孔から突出する前記係止片の突出部分を収納する基板接続用コネクタ組立体。
【請求項3】
前記係止片は、前記雄側基体に突設され前記係止孔に挿通される首部と、この首部の突端部に連設され前記係止孔の周縁部に対向する頭部とを有し、
前記雌側基体における前記係止孔の周囲部分は、前記頭部が前記係止孔を通過することを許容する弾性を有する請求項1または2に記載の基板接続用コネクタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−245058(P2010−245058A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176426(P2010−176426)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【分割の表示】特願2005−326140(P2005−326140)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】