説明

基板洗浄装置及び基板洗浄方法

【課題】基板の表面に付着した塵埃などを効率良く除去すると共に、洗浄後にこれらが基板の表面に再付着することを防止した基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】浸漬槽2内に洗浄液Lを層流の状態で水平方向に流しながら、この浸漬槽2内の洗浄液Lに基板Wを保持したホルダ50を浸漬させることによって、基板Wの洗浄を行う。このとき、基板Wの主面が洗浄液Lの流れる方向と平行となるように浸漬槽2内にホルダ50を配置して、このホルダ50よりも上流側を流れる洗浄液Lの一部に乱流を発生させながら、基板Wの洗浄を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば磁気記録媒体用基板などの基板の洗浄を行う基板洗浄装置及び基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハードディスクドライブなどに用いられる磁気記録媒体用の基板には、中心孔が形成された円盤状のアルミニウム基板やガラス基板などが用いられている。このような磁気記録媒体用基板は、表面に研磨加工などの様々な表面処理工程を経て作製されるため、表面処理工程等の後には、基板の表面に付着した塵埃などを除去する基板洗浄工程が行われている。
【0003】
また、磁気記録媒体の更なる高記録密度化が要求に伴って、磁気記録媒体の高い平坦度が求められる一方で、基板の表面に付着した塵埃などを除去するための高度な洗浄技術が求められている。
【0004】
このような磁気記録媒体用基板の洗浄には、浸漬槽の底部から洗浄液を供給して、この洗浄液を浸漬槽の上部からオーバーフローさせながら、浸漬槽内の洗浄液に基板を保持したホルダを浸漬させて基板の洗浄を行う基板洗浄装置が、精密洗浄の分野で一般的に用いられている(例えば、特許文献1などを参照。)。
【0005】
しかしながら、浸漬槽の下方から上方に向かって洗浄液を流す基板洗浄装置では、基板の表面から剥離した塵埃等を含むダストが浸漬槽の上部から洗浄液と共に排出されずに一部が浸漬槽内に滞留してしまうことがあり、この浸漬槽内に洗浄液の淀みを生じさせることがあった。この場合、ホルダを浸漬槽から引き上げる際に、洗浄液内に滞留したダストが基板の表面に再付着することがある。
【0006】
一方、浸漬槽内に洗浄液を層流の状態で水平方向に流しながら、この浸漬槽内の洗浄液に基板を保持したホルダを浸漬させることによって、基板の洗浄を行う基板洗浄装置が提案されている(例えば、特許文献2などを参照。)。
【0007】
このような洗浄液を層流の状態で水平方向に流す基板洗浄装置では、ダストを含む洗浄液を浸漬槽の外へと速やかに排出することができるため、基板の表面にダストが再付着することを防止することができる。
【0008】
しかしながら、洗浄液を層流の状態で流す基板洗浄装置を用いて、磁気記録媒体用基板のような平板状の被洗浄物を洗浄する場合には、基板の表面に対する洗浄液の当たりがスムーズ過ぎて、洗浄能力が低下するといった欠点がある。
【特許文献1】特開2008−135109号公報
【特許文献2】特開平11−76956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、基板の表面に付着した塵埃などを効率良く除去すると共に、洗浄後にこれらが基板の表面に再付着することを防止した基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の手段を提供する。
(1) 基板を保持したホルダを洗浄液に浸漬させる浸漬槽と、
前記浸漬槽内に洗浄液を層流の状態で水平方向に流す層流発生機構と、
前記層流の状態で流れる洗浄液の一部に乱流を発生させる乱流発生機構とを備え、
前記基板の主面が前記洗浄液の流れる方向と平行となるように前記浸漬槽内に前記ホルダが配置され、このホルダよりも上流側に前記乱流発生機構が配置されていることを特徴とする基板洗浄装置。
(2) 前記乱流発生機構は、前記浸漬槽内の洗浄液に浸漬された状態で往復操作されるポールを有することを特徴とする前項(1)に記載の基板洗浄装置。
(3) 前記ポールは、少なくとも前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に往復操作されることを特徴とする前項(2)に記載の基板洗浄装置。
(4) 前記ポールは、前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に複数並んで配置されて、互いに同期して操作されることを特徴とする前項(2)又は(3)に記載の基板洗浄装置。
(5) 前記ホルダには、前記基板が互いに平行な状態で複数並んで保持されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の基板洗浄装置。
(6) 前記基板は、磁気記録媒体用基板であることを特徴とする前項(1)〜(5)の何れか一項に記載の基板洗浄装置。
(7) 浸漬槽内に洗浄液を層流の状態で水平方向に流しながら、この浸漬槽内の洗浄液に基板を保持したホルダを浸漬させることによって、前記基板の洗浄を行う基板洗浄方法であって、
前記基板の主面が前記洗浄液の流れる方向と平行となるように前記浸漬槽内に前記ホルダを配置し、前記ホルダよりも上流側を流れる洗浄液の一部に乱流を発生させながら、前記基板の洗浄を行うことを特徴とする基板洗浄方法。
(8) 前記浸漬槽内の洗浄液に浸漬されたポールを往復操作することによって、前記洗浄液の一部に乱流を発生させることを特徴とする前項(7)に記載の基板洗浄方法。
(9) 前記ポールを、少なくとも前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に往復操作することを特徴とする前項(8)に記載の基板洗浄方法。
(10) 前記ポールを、前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に複数並べて配置して、互いに同期させて操作することを特徴とする前項(8)又は(9)に記載の基板洗浄方法。
(11) 前記ホルダに互いに平行な状態で複数並んで保持された基板に対して洗浄を行うことを特徴とする前項(7)〜(10)の何れか一項に記載の基板洗浄方法。
(12) 前記基板として、磁気記録媒体用基板を洗浄することを特徴とする前項(7)〜(11)の何れか一項に記載の基板洗浄方法。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、基板の表面に付着した塵埃などを効率良く除去すると共に、洗浄後にこれらが基板の表面に再付着することを防止した高度な基板洗浄を行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した基板洗浄装置及び基板洗浄方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各部の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0013】
本実施形態では、例えば図1及び図2に示すような本発明を適用した基板洗浄装置1を用いて、ハードディスクドライブに搭載される磁気記録媒体用の基板Wを洗浄する場合を例に挙げて説明する。
【0014】
なお、基板Wを洗浄する洗浄液Lとしては、基本的に純水が使用されるが、それ以外にも化学的な処理等が施された処理水などを使用することができ、これらの洗浄液Lは、洗浄対象となる基板Wに応じて適宜選択して使用することが可能である。
【0015】
本発明を適用した基板洗浄装置1は、図1及び図2に示すように、基板Wを保持したホルダ50を洗浄液Lに浸漬させる浸漬槽2と、浸漬槽2内に洗浄液Lを層流の状態で水平方向に流す層流発生機構3と、層流の状態で流れる洗浄液Lの一部に乱流を発生させる乱流発生機構4とを備えている。
【0016】
ホルダ50には、中心孔が形成された円盤状の基板Wが互いに平行な状態で複数並んで保持されている。また、各基板Wは、ホルダ50に設けられた一対の支持プレート51a,51bによって、その中心孔を通る鉛直方向の中心線を挟んだ両側の外周部が支持されている。なお、これら一対の支持プレート51a,51bには、各基板Wの外周部が係合されるV字状の溝部(図示せず。)が設けられている。
【0017】
各基板Wは、これら一対の支持プレート51a,51bに支持されることによって、縦置き状態(基板Wの主面が鉛直方向と平行となる状態)でホルダ50に保持されている。そして、このホルダ50は、各基板Wの主面が洗浄液Lの流れる方向と平行となるようにして、浸漬槽2の底面上に配置されている。なお、本例では、直径2.5インチの基板Wを約5mm間隔で1列に50枚程度並べてホルダ50に保持している。
【0018】
浸漬槽2は、長方形を為す底壁2aと、底壁2aの周囲から立ち上がる4つの側壁2b,2c,2d,2eと、底壁2aと対向する上面の開口部2fとを有して、全体が略直方体状に形成されている。また、浸漬槽2の底壁2aには、洗浄液Lを供給する供給口5aと、洗浄液Lを排出する排出口5bとが設けられている。このうち、供給口5aは、洗浄液Lの流れる長手方向の上流側の側壁2bの近傍に沿って複数並んで設けられている。一方、排出口5bは、洗浄液Lの流れる長手方向の下流側の側壁2dの近傍に沿って複数並んで設けられている。
【0019】
また、浸漬槽2の上流側には、後述する層流発生機構3が、上記供給口5aから供給された洗浄液Lが貯留される貯留空間S1と、上記ホルダ50が浸漬される浸漬空間S2との間を仕切るように設けられている。一方、浸漬槽2の下流側には、上記浸漬空間S2と、上記排出口5bから洗浄液Lが排出される排出空間S3との間を仕切る仕切り壁6が設けられている。この仕切り壁6には、上記基板Wを洗浄した洗浄液Lを通す複数の貫通孔6aが設けられている。また、仕切り壁6の高さは、洗浄液Lの一部を上部からオーバーフローさせるように、上記4つの側壁2b,2c,2d,2eよりも低く設定されている。
【0020】
層流発生機構3は、例えば多孔質板や不織布などの通水抵抗を有した緩衝材等を用いて、貯留空間S1から浸漬空間S2に向かって流れる洗浄液Lの流れを整流し、浸漬空間S2内の洗浄液Lを層流の状態で水平方向に流すためのものである。
【0021】
なお、層流とは、流れの流線が線状を為して整然と流れる状態のことを言う。本例では、このような層流状態の洗浄液Lを一定の流速(例えば10mm/sec程度)で水平方向に流している。また、層流発生機構3の構成については、洗浄液Lを層流の状態で水平方向に流すことができるものであれば、特に制限されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
【0022】
乱流発生機構4は、浸漬空間S2内の洗浄液Lに浸漬された状態で、この洗浄液Lの流れる方向と交差する方向に往復操作される複数本のポール7を有している。具体的に、ポール7は、上記ホルダ50よりも上流側の浸漬空間S2内に、洗浄液Lの流れる方向と直交する方向に一定間隔で複数並んで配置されている。
【0023】
また、これら複数のポール7は、図示を省略する駆動機構に連結されて、この駆動機構の駆動により互いに同期しながら、洗浄液Lの流れる方向と直交する方向に一定のストロークで往復移動(振動)される。これにより、乱流発生機構4では、浸漬空間S2内を層流の状態で流れる洗浄液Lの一部に乱流を発生させることができる。なお、乱流とは、流れの流線が乱れて混合しながら流れる状態のことを言う。
【0024】
なお、本例では、ポール7の太さは2〜3mm程度であり、1枚の基板Wにつき1本のポール7を配置して、各ポール7のストロークを10mm程度としながら、各ポール7を0.5秒程度の周期で往復操作しているが、ポール7のストロークを大きくした場合には、2〜3枚の基板Wにつき1本のポール7を配置した構成とすることも可能である。
【0025】
また、基板洗浄装置1には、浸漬槽2内を流れる洗浄液Lを循環的に再使用するため、排出口5bから排出された洗浄液Lが貯留されるリザーバータンク8と、リザーバータンク8に貯留された洗浄液Lを供給口5aに圧送するためのポンプ9と、ポンプ9により圧送された洗浄液Lを浄化するフィルタ10とが設けられている。
【0026】
本発明を適用した基板洗浄方法は、以上のような構造を有する基板洗浄装置1を用いて、ホルダ50に保持された複数の基板Wに対する洗浄を行う。具体的に、この基板洗浄装置1を用いた基板洗浄方法では、浸漬槽2の浸漬空間S2内で洗浄液Lを層流の状態で水平方向に流しながら、この浸漬空間S2内の洗浄液Lに複数の基板Wを保持したホルダ50を浸漬させる。
【0027】
このとき、浸漬槽2内では、ホルダ50に保持された各基板Wの主面が洗浄液Lの流れる方向と平行とされて、これら各基板Wの間を層流状態の洗浄液Lが流れることになる。さらに、この浸漬槽2内では、ホルダ50よりも上流側を流れる洗浄液Lの一部に乱流を発生させることによって、各基板Wの間に乱流状態の洗浄液Lが流れ込むことになる。これにより、本発明では、各基板Wの間を層流状態の洗浄液Lのみが流れる場合よりも、各基板Wの表面に付着した塵埃などのダストを効率良く除去することが可能である。
【0028】
また、この基板洗浄装置1では、洗浄液Lを水平方向に流すことによって、上述したダストを含む洗浄液Lを浸漬槽2の外へと速やかに排出することができる。したがって、本発明では、ホルダ50を浸漬槽2から引き上げる際に、基板Wの表面にダストが再付着することを防ぐことが可能である。
【0029】
以上のように、本発明によれば、基板の表面に付着した塵埃などを効率良く除去すると共に、洗浄後にこれらが基板の表面に再付着することを防止した高度な基板洗浄を行うことが可能である。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
例えば、上記乱流発生機構4では、層流の状態で流れる洗浄液Lの一部に乱流を発生させるため、上記ポール7を洗浄液Lの流れる方向と交差する方向に移動操作する構成となっているが、この操作方向以外にも、例えば、上記ポール7を洗浄液Lの流れる方向に往復操作したり、上記ポール7を上下方向(軸方向)に往復操作したりすることも可能である。さらに、これらの操作を組み合わせたりすることも可能である。
【0032】
また、上記ポール7の形状や数、配置等については、洗浄対象となる基板Wに応じて適宜変更して実施することが可能である。
【0033】
さらに、本発明では、基板Wに対する洗浄能力を高めるため、浸漬空間S2内の洗浄液Lに超音波振動(例えば、200kHzで500W程度)を加えることも可能である。
【0034】
また、上記ホルダ50は、一対の支持プレート51a,51bにより各基板Wの外周部を2点で支持する構成となっているが、このような構成に限らず、各基板Wを支持する外周部の位置や点数などについては、適宜変更して実施することが可能であり、例えば各基板Wの外周部を3点で支持したり、4点で支持したりすることが可能である。
【0035】
また、各基板Wの外周部を支持する部材についても、上記支持プレート51a,51bのようなものに限定されるものではなく、浸漬槽2内を流れる洗浄液Lの流れを乱さないものであれば、その形状等については適宜変更して実施することが可能である。
【0036】
また、本発明は、上述した磁気記録媒体用の基板Wについて、表面処理工程等の後に表面に付着した塵埃などを除去する工程とは別に、例えば磁性膜等を成膜した後や、潤滑剤を塗布する前の磁気記録媒体の洗浄にも適用することが可能である。さらに、本発明は、上述した磁気記録媒体用の基板Wを洗浄する場合に限らず、平板状の被洗浄物を洗浄する場合に好適に用いることが可能である。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0038】
(実施例1)
実施例1では、上記図1,2に示す基板洗浄装置1を用いて、実際に基板Wの洗浄を行った。浸漬槽2は、長さ約300mm、奥行き約200mm、高さ約200mmである。洗浄液Lには純水を使用し、洗浄液Lの層流の流速は5cm/秒とした。基板Wは、外径65mm、内径20mm、厚さ0.8mmの円盤状のガラス基板である。ホルダ50には、この基板Wを7mm間隔で25枚平行に並べて載置した。そして、このホルダ50を浸積層2内の中央付近に浸漬させ、各基板Wの主面が各洗浄液Lの流れる方向と平行となるように配置した。浸積層2内のホルダ50から上流側に20mm離れた位置には、太さ3mmのポール7を洗浄液Lの流れる方向と直交する方向に7mm間隔で25本並べて設けた。そして、洗浄中は、これらのポール7を洗浄液Lの流れる方向と直交する方向に±5mmの範囲で移動させながら、1秒周期で往復運動させた。なお、洗浄中は、浸積槽2の底部から洗浄液Lに200kHz、500Wの超音波振動を印加した。洗浄時間は2分間とし、洗浄後は基板Wをスピン乾燥させた。このような洗浄を1000枚の基板Wに対して行った。
【0039】
そして、実施例1の各基板Wについて、レーザー光散乱式の表面検査機を用いて、その表面に残留する埃を調べた。その結果、洗浄した1000枚の基板Wから埃は検出されなかった。
【0040】
(比較例1)
比較例1では、浸漬槽2内に乱流を発生させるポール7は設けなかった以外は、実施例1と同様に1000枚の基板Wに対して洗浄を行った。そして、比較例1の各基板Wについて、その表面に残留する埃を調べたところ、洗浄した1000枚の基板Wのうち5枚の基板Wから、大きさが1〜5μm程度の埃が検出された。
【0041】
以上のように、本発明によれば、基板の表面に付着した塵埃などを効率良く除去すると共に、洗浄後にこれらが基板の表面に再付着することを防止した高度な基板洗浄を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明を適用した基板洗浄装置の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明を適用した基板洗浄装置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…基板洗浄装置 2…浸漬槽 3…層流発生機構 4…乱流発生機構 5a…供給口 5b…排出口 6…仕切り壁 6a…貫通孔 7…ポール 8…リザーバータンク 9…ポンプ 10…フィルタ 50…ホルダ W…基板 L…洗浄液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持したホルダを洗浄液に浸漬させる浸漬槽と、
前記浸漬槽内に洗浄液を層流の状態で水平方向に流す層流発生機構と、
前記層流の状態で流れる洗浄液の一部に乱流を発生させる乱流発生機構とを備え、
前記基板の主面が前記洗浄液の流れる方向と平行となるように前記浸漬槽内に前記ホルダが配置され、このホルダよりも上流側に前記乱流発生機構が配置されていることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記乱流発生機構は、前記浸漬槽内の洗浄液に浸漬された状態で往復操作されるポールを有することを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記ポールは、少なくとも前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に往復操作されることを特徴とする請求項2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記ポールは、前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に複数並んで配置されて、互いに同期して操作されることを特徴とする請求項2又は3に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記ホルダには、前記基板が互いに平行な状態で複数並んで保持されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記基板は、磁気記録媒体用基板であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
浸漬槽内に洗浄液を層流の状態で水平方向に流しながら、この浸漬槽内の洗浄液に基板を保持したホルダを浸漬させることによって、前記基板の洗浄を行う基板洗浄方法であって、
前記基板の主面が前記洗浄液の流れる方向と平行となるように前記浸漬槽内に前記ホルダを配置し、前記ホルダよりも上流側を流れる洗浄液の一部に乱流を発生させながら、前記基板の洗浄を行うことを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項8】
前記浸漬槽内の洗浄液に浸漬されたポールを往復操作することによって、前記洗浄液の一部に乱流を発生させることを特徴とする請求項7に記載の基板洗浄方法。
【請求項9】
前記ポールを、少なくとも前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に往復操作することを特徴とする請求項8に記載の基板洗浄方法。
【請求項10】
前記ポールを、前記洗浄液の流れる方向と交差する方向に複数並べて配置して、互いに同期させて操作することを特徴とする請求項8又は9に記載の基板洗浄方法。
【請求項11】
前記ホルダに互いに平行な状態で複数並んで保持された基板に対して洗浄を行うことを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記基板として、磁気記録媒体用基板を洗浄することを特徴とする請求項7〜11の何れか一項に記載の基板洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−99637(P2010−99637A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275901(P2008−275901)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】