説明

基準位置指示装置及びメタルマスク位置アラインメント装置

【課題】 複数のマスク部2を有するメタルマスク1にテンションを加えた状態で枠状のフレームに固定するに際し、各マスク部の位置を正確に位置決めする技術を提供する。
【解決手段】 メタルマスク1の各辺を、複数のテンションユニット13で把持して引っ張り、メタルマスク1にテンションを加えると共に、そのメタルマスク1にガラススケール25を重ね合わせ、メタルマスク1に形成した十字マークが、ガラススケール25に形成した基準マークに一致するように、テンション調整することで各マスク部2の位置を正確に位置決めする構成とし、更にガラススケール25の上面に金属板26を固定して補強し、ガラススケール25の撓みを抑制してガラススケール25とメタルマスク1のギャップ寸法を均一とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、有機EL素子製造工程で使われる蒸着マスクに使用される、多数の微少な細長い開口部を備えたマスク部を有するメタルマスクのような、極く薄い且つ剛性の異なる領域を備えたメタルマスクをゆがみのない平坦な状態で枠状のフレームに固定するに際し、メタルマスクの位置アラインメントを取る装置に関し、また、メタルマスクの位置アラインメントを取る際にメタルマスク内の複数箇所の基準位置を示すために用いるのに好適な基準位置指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL素子製造において真空蒸着が行われており、その蒸着マスクとして、蒸着を許容する多数の細長い微少な開口部を備えたマスク部を有するメタルマスクが使用されている。そして蒸着に当たってはそのメタルマスクを、前記マスク部よりも大きい開口を備えた剛性の大きい枠状のフレームに磁石等によって取り付けていた。しかしながら、近年、パターニングの微細化が進み、マスク部に形成している開口部が微細になり且つメタルマスクの板厚自体も薄くなってくると、メタルマスクを単に枠状のフレームに磁石等を用いて固定しただけでは、マスク部にゆがみやたるみが生じ、開口部の精度が維持できなくなるという問題が生じた。
【0003】
そこで、本出願人はこの問題を解決すべく検討の結果、極く薄い金属板で製作し且つ複数のマスク部を形成した構造の多面付けのメタルマスクでも、メタルマスクの4辺のそれぞれを、複数のクランプで把持し、各クランプによって前記メタルマスクにテンションを加え、かつそのテンションを各クランプごとに調整することで、メタルマスクをしわやたるみの無い平坦な状態とし、各マスク部の開口部を直線状に且つ一定ピッチに保持できること及びその状態で枠状のフレームにスポット溶接等によって固定することで、クランプを外した後においてもメタルマスクをテンションが掛けられ平坦となった状態に保持でき、従って、単純な構造のフレームを用いて多面付けマスクをゆがみやたるみの無い状態に保持できることを見出し、そのメタルマスクをゆがみやたるみの無い状態で枠状のフレームに固定する方法及び装置を開発した(特開2004−311335号公報参照)。
【0004】
ところが、この方法及び装置にも更に改良すべき点のあることが判明した。すなわち、メタルマスクの4辺のそれぞれにテンションを加えてフレームに固定する際、単にメタルマスクにゆがみやたるみが無いようにテンションを調整しただけでは、メタルマスクに生じる伸びが必ずしも均一とはならず、そのためメタルマスクに形成している複数のマスク部の位置が適正な位置からずれてしまうことがあった。例えば、有機EL素子製造に用いる蒸着用の多面付けマスクの場合、各マスク部の位置に関して±10μm以下のトータルピッチが求められることがあるが、メタルマスクに対するテンションの掛け具合によっては、そのピッチの誤差が大きくなるとか、全体的にねじれたような配置になることがあった。これを防ぐには、メタルマスクにテンションを加えた状態で、いくつかのマスク部の位置を、X−Y方向(縦横方向)の位置を高精度(ミクロンオーダー)で測定可能な測長装置を用いて測定し、適正な位置となるようにテンションを調整するという方法を採ればよい。しかしながら、この方法には、(1)測長装置は高価である、(2)測長に時間を要するため、作業効率が悪い、(3)一度に複数箇所の位置管理ができない等の問題があった。
【特許文献1】特開2004−311335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者らは、高価な測長装置を用いることなく、簡単な操作でメタルマスク内の複数箇所の位置を高精度で適正な位置となるように管理することを可能とするため、メタルマスクの複数箇所の位置を定めるための基準マークを形成したガラススケールを用いることに着目し、図14に示すように、ガラススケール25の中央部分を保持部材34で保持し、その保持部材34を往復駆動機構36によって下降させて、テンションユニット13によってテンションを付与された状態のメタルマスク1に近接した測定位置に位置させ、ガラススケール25の下面に形成されている基準マークとメタルマスク1の上面にあらかじめ形成しているアラインメント用マークをCCDカメラ30で監視し、ガラススケールの基準マークに、メタルマスクにあらかじめ形成しているアラインメント用マークを一致させるようにテンション調整を行うことで、メタルマスク内の複数箇所の位置を高精度で適正な位置に位置決めする構成のメタルマスク位置アラインメント装置を開発した。
【0006】
ところが、この装置にも更に改良すべき点のあることが判明した。すなわち、メタルマスク1を大型化すると、それに伴いガラススケール25も大型化し、図15に誇張して示すように、ガラススケール25に自重による撓みが発生してしまう。このような撓みが発生すると、ガラススケール25を下降させてメタルマスク1に近接した測定位置に位置させる際にガラススケール25の周縁部分がメタルマスクにぶつかってメタルマスク1を損傷することがあり、また、ガラススケール25の周縁部分がメタルマスク1に接触しないように下降位置を設定した場合には、ガラススケール25とメタルマスク1との間のギャップが中央に近づくにつれて大きくなる。CCDカメラ30でメタルマスク1のアラインメント用マークとガラススケール25の基準マークとを同時に撮像するには両者が共にCCDカメラの焦点深度内に入っていることが必要であり、従って、CCDカメラ30による撮像位置におけるガラススケール25とメタルマスク1のギャップ間隔LがCCDカメラの焦点深度よりも小さくなっている必要があるが、図15に示すように、ガラススケール25が撓んでいると、ギャップ間隔LがCCDカメラの焦点深度よりも大きくなる領域が広くなり、撮像位置によっては、CCDカメラ30によってメタルマスクのアラインメント用マークとメタルマスクの基準マークとを同時に良好に撮像することができないという問題が生じた。この問題を避けるには、ガラススケールの厚さを厚くして剛性を上げることが考えられるが、ガラススケールのコストが高くなってしまう。また、ガラススケール25の中央を保持する代わりに、ガラススケールの複数箇所(例えば、四隅)を保持して昇降させることも考えられるが、その場合には昇降機構が複雑になってコスト高となるとか、CCDカメラの設置が難しくなるといった問題が生じる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、メタルマスクのような平面状の被測定材の複数箇所に対する基準位置を示すために用いるガラススケールを、その撓みを抑制して、前記被測定材に対してほぼ一定のギャップ寸法で位置させることを可能とした装置(基準位置指示装置という)を提供することを課題とする。また、その基準位置指示装置を用いたメタルマスク位置アラインメント装置を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべくなされた本願請求項1に係る発明は、平面状の被測定材の複数箇所に対する基準位置を示す複数の基準マークを備えた平板状のガラススケールと、該ガラススケールの一方の表面に固定された補強用の金属板と、該金属板を介して前記ガラススケールを保持し該ガラススケールを、所定位置に配置された前記被測定材に近接した測定位置に位置させるガラススケール保持移動装置を備え、前記金属板が、前記ガラススケール表面の、中央領域を含む50%以上の領域を覆うように配置されていると共に前記基準マークに重なる位置に貫通孔を形成していることを特徴とする基準位置指示装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の基準位置指示装置において、前記金属板を前記ガラススケールの全面を覆うように配置したものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の基準位置指示装置において、前記ガラススケールに格子状に複数の基準ラインを形成し、縦横の前記基準ラインが交差して形成する格子十字点を前記基準マークとし、前記金属板には前記格子十字点に重なる位置に貫通孔を形成するという構成としたものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の基準位置指示装置において、前記ガラススケール保持移動装置を、所定位置に配置される平面状の被測定材に直角方向に移動可能に設けられた保持部材と、該保持部材を前記被測定材に直角方向に往復動させる往復駆動機構と、前記保持部材と前記金属板を連結する固定型球面ジョイントを有する構成としたものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、上記した構成の基準位置指示装置をメタルマスク位置アラインメント装置に適用したものである。すなわち、請求項5に係る発明は、あらかじめ複数箇所にアラインメント用マークを付したメタルマスクの4辺の各々の複数箇所を把持してテンションを加えることができるように配置された複数のテンションユニットと、前記メタルマスクに付与している複数のアラインメント用マークに対する基準位置を示す基準マークを有するガラススケールを備え、該ガラススケールを前記複数のテンションユニットに保持されている前記メタルマスクの上面に近接した測定位置に位置させることができるように配置された請求項1から4のいずれか1項記載の基準位置指示装置と、前記メタルマスクの複数箇所に形成されているアラインメント用マークと前記ガラススケールの基準マークの重なり部分を撮像する撮像手段と、前記複数のテンションユニットが付与するテンションを個々に調整可能な調整手段を有することを特徴とするメタルマスク位置アラインメント装置である。
【0013】
請求項6に係る発明は、上記請求項5記載のメタルマスク位置アラインメント装置において、前記複数のテンションユニットをX、Y、θステージに搭載しておき、X、Y、θステージによってメタルマスクとガラススケールとの粗位置決めを行なうことができる構成としたものである。
【0014】
請求項7に係る発明は、上記請求項5又は6記載のメタルマスク位置アラインメント装置において、前記メタルマスクにアラインメント用マークを4箇所に設けておき、その4箇所のアラインメント用マークに対応して前記撮像手段を4個設け、同時に各アラインメント用マークを撮像可能な構成としたものである。
【発明の効果】
【0015】
上記した本発明の基準位置指示装置では、ガラススケールの一方の表面に金属板を固定して補強したことにより、ガラススケール自体の厚みを増して剛性を高める場合に比べて低コストで剛性を増すことができ、低コストでガラススケールの撓みを防止でき、被測定材に近接配置した際の被測定材との間のギャップ寸法をほぼ均一にできる。また、金属板にはガラススケールの基準マークに重なる位置に貫通孔を形成しているので、CCDカメラなどによって支障なく基準マークを確認できる。金属板によるガラススケールの補強は、その金属板を少なくともガラススケールの中央領域を覆う位置に配置し、その中央領域を保持する構成とした場合、金属板がガラススケール表面の50%を覆う大きさがあればかなりの効果を発揮するので、本発明では、金属板を、前記ガラススケール表面の、中央領域を含む50%以上の領域を覆うように配置する構成とする。そして、金属板をガラススケールの全面を覆うように設けることが補強効果が最も大きく、好ましい。
【0016】
ここで、前記したガラススケールに格子状に複数の基準ラインを形成しその基準ラインが交差して形成する格子十字点で基準マークを構成とすると、ガラススケールに多数の格子十字点が存在することとなり、これらを基準マークとすることで、種々なサイズの被測定材に対して使用することが可能となる利点が得られる。
【0017】
また、ガラススケールを固定した金属板を固定型球面ジョイントを介して保持する構成とすると、固定型球面ジョイントをゆるめてガラススケールを任意の方向で任意の傾きに調整することが可能となり、簡単な調整作業でガラススケールを被測定材に対して高精度に平行とすることができる利点が得られる。
【0018】
本発明のメタルマスク位置アラインメント装置によれば、メタルマスクの4辺にテンションを加えた状態でその上面に、基準位置指示装置によってガラススケールを近接して位置させ、メタルマスクの複数箇所のアラインメント用マークとガラススケールの基準マークの重ね合わせ状態を、例えばCCDカメラによって見ることでメタルマスクのアラインメント用マークを付した位置が所定の適正な位置となっているか否かを見ることができ、メタルマスクのアラインメント用マークにガラススケールの基準マークを合わせ込むようにメタルマスクに付与するテンションを調整することで、メタルマスク内の位置を高精度で適正となる位置に合わせ、アラインメントを取ることができ、例えば、メタルマスクに複数のマスク部が形成されている場合において各マスク部の位置を高精度で所定の位置に位置決めすることができる。このアラインメントを行なうに際しては、メタルマスクのアラインメント用マークとガラススケールの基準マークを合わせればよいので、判断が容易であり、メタルマスクのテンション調整を容易に行なうことができ、短時間での調整が可能であり、測長装置が不要なため、安価な装置で機能を満足でき、経済的に有利である。更に、ガラススケールには撓みがあまり生じていないので、ガラススケールとメタルマスクとのギャップ寸法をほぼ一定で且つCCDカメラの焦点深度内に保つことができ、メタルマスクの所望位置においてCCDカメラによってメタルマスクのアラインメント用マークとガラススケールの基準マークを一緒に撮像して両者の重なりを確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のメタルマスク位置アラインメント装置は、ゆがみやたるみのない平坦な状態に保持する必要がある任意のメタルマスクに対して使用可能であるが、特に精密さを要求される有機EL素子製造用の蒸着用多面付けマスクとして使用するメタルマスクに使用することが好ましい。以下、有機EL素子製造における蒸着用多面付けマスクとして使用するメタルマスクを例にとって本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る基準位置指示装置を備えたメタルマスク位置アラインメント装置(以下アラインメント装置と略称する)の主要部分の概略斜視図、図2、図3はそのアラインメント装置を異なる作動状態で示す概略断面図、図4はそのアラインメント装置に設けている複数のテンションユニット及びそれに保持されているメタルマスクを示す概略平面図、図5はテンションユニットの概略側面図、図6は、このアラインメント装置で取り扱うメタルマスク及びそれを固定する枠状のフレームを示す概略斜視図、図7はフレームにメタルマスクを取り付けて形成した蒸着マスクユニットを示す概略斜視図である。
【0020】
図6において、1は蒸着マスクとして使用する直角四辺形状のメタルマスクであり、複数のマスク部2を縦横に並べて形成している。各マスク部2は、蒸着を許容する多数の微少な開口部を備えたものである。各マスク部2における開口部の形状、配列は任意であり、例えば、細長いスリット状の開口部を平行に並べたもの、スロット状の開口部を縦方向に並べると共に平行にも並べたもの等を挙げることができる。3はメタルマスク1を取り付けるための剛性の大きいフレームであり、メタルマスク1の多数のマスク部2を形成した領域(有効領域という)を包含する大きさの開口4を備えている。メタルマスク1は、フレーム3よりも縦横両方向ともに大きいサイズに作られており、フレーム3の外周縁にほぼ対応する位置に、折り曲げることで容易に切断可能な易切断線5を形成している。なお、易切断線5は、メタルマスク1に加える引張力には耐え得る強度を備えたものである。更に、メタルマスク1には、複数のマスク部2を形成している有効領域の四隅の近傍にアラインメント用マークとして、十字マーク6a、6b、6c、6dを形成している。この十字マーク6a、6b、6c、6dの詳細は後述する。メタルマスク1の厚さ、マスク部2の寸法、それに形成した多数の微少な開口部の寸法等は特に限定するものではないが、代表的なものとして、メタルマスク1の厚さは30〜200μm、マスク部2の寸法は長さが50〜70mm、幅が30〜50mm、開口部の幅が40〜100μm、平行に配列された開口部間の無孔部分の幅が80〜200μm等を例示できる。
【0021】
図1〜図4において、全体を参照符号10で示すアラインメント装置は、支持台11と、その支持台11に、上面12aが水平となるように保持されたX、Y、θステージ12と、そのX、Y、θステージ12の上面12aに、メタルマスク1の4辺の各々の複数箇所を把持してテンションを加えることができるように配置された複数のテンションユニット13を備えている。X、Y、θステージ12は、水平な上面12aを、水平面内で縦方向(X方向)、横方向(Y方向)に位置調整することができると共に中心の垂直な軸線を中心として回転方向(θ方向)にも位置調整することができるものである。
【0022】
各テンションユニット13は、図5に拡大して示すように、ベース部材15と、そのベース部材15に直動案内16を介して移動可能に保持されたクランプ17と、クランプ17を往復動させる駆動手段18等を備えている。ここで、駆動手段18にはエアシリンダが用いられているが、エアシリンダに代えて、油圧シリンダ、サーボモータ等を用いてもよい。クランプ17は、固定爪17aと、可動爪17bと、可動爪17bを固定爪17aに強く押し付けて両者の間にメタルマスク1を把持するよう可動爪17bを旋回させ且つ閉位置に保持するトグル機構及びエアシリンダ(共に図示せず)等を備えている。各テンションユニット13は、図4から良く分かるように、メタルマスク1の各辺をそれぞれ複数のテンションユニット13で把持してその辺に直角方向にテンションを加えることができるように配置されている。更に、メタルマスク1の各辺を把持するように配置されている複数のテンションユニット13のクランプ17は、メタルマスク1のマスク部2と非マスク部に合わせて配置されており、従って、メタルマスク1のマスク部2を形成した縦方向に延びる領域及び横方向に延びる領域と、マスク部の無い縦方向に延びる領域及び横方向に延びる領域とを、それぞれ別個のクランプ17で引っ張ってテンションを付与することが可能である。
【0023】
複数のテンションユニット13にそれぞれ設けられている駆動手段18には、メタルマスク1に付与するテンションを個々に調整できるよう、その駆動手段による駆動力を個々に調整する調整手段(図示せず)が設けられている。更に具体的には、駆動手段18を構成するエアシリンダにはエア供給配管が接続されており、そのエア供給配管に、各エアシリンダへの供給圧力を個々に調整可能なレギュレータが調整手段として設けられている。なお、全部のテンションユニット13の駆動手段(エアシリンダ)18を同時に作動させることができるよう、これらのエアシリンダに連結されているエア供給配管には共通の開閉弁を介してエアが供給されるようになっており、且つ各エアシリンダの作動タイミングを調整することができるよう各エアシリンダへのエア供給配管にスピードコントローラも設けられている。
【0024】
図2、図5において、テンションユニット13のベース部材15には、フレーム3を支持するフレーム支え20が設けられている。このフレーム支え20は、その上にフレーム3を乗せることで、フレーム3を水平面内の所定位置に位置決めすると共にフレーム3の上面が、クランプ17に把持されてテンションを付与されているメタルマスク1にほぼ接する位置となるように上下方向にも位置決めすることができるように配置されている。
【0025】
図1〜図4において、アラインメント装置10は更に、支持台11に固定されている側枠22に水平に移動可能に保持された移動台23と、その移動台23を、テンションユニット13に保持されているメタルマスク1の上方の所定位置と、メタルマスク1の上方を離れる待機位置とに往復動させる移動装置(図示せず)と、その移動台23に保持された基準位置指示装置24と、移動台23に保持された4個の撮像手段30等を備えている。
【0026】
基準位置指示装置24は、図8〜図11にも示すように、ガラススケール25と、ガラススケール25に固定された補強用の金属板26と、ガラススケール25及び金属板26を保持して昇降させるガラススケール保持移動装置27等を備えている。ガラススケール25は、ガラス板などの透明板の表面に多数の基準ライン28を縦横に一定ピッチ(例えば10mmピッチ)で格子状に形成し、縦横の基準ライン28が交差して形成する格子十字点を位置決め用の基準マークとしたものである。なお、基準ライン28間の目盛りとしてに縦横に一定ピッチで十字マーク29(図11参照)も形成されている。基準ライン28の線幅は、特に限定するものではないが、20μm程度に定められている。図8(b)に示す領域A、B、C、Dにある基準ライン28の格子十字点は、メタルマスク1に形成されているアラインメント用マークである十字マーク6a、6b、6c、6dの基準位置を示す基準マークとして作用する。すなわち、メタルマスク1の4箇所の十字マーク6a、6b、6c、6dを、ガラススケール25の領域A、B、C、Dにある基準ライン28の格子十字点に合わせることで、メタルマスク1の4個の十字マーク6a、6b、6c、6dの位置を所定位置に位置決めし、メタルマスク1の有効領域を所定位置に位置決めできる。換言すれば、メタルマスク1の4箇所の十字マーク6a、6b、6c、6dの形成位置は、メタルマスク1に加えるテンションを調整して十字マーク6a、6b、6c、6dをガラススケール25の領域A、B、C、Dにある基準ライン28の格子十字点に合わせた時に、メタルマスク1がゆがみやたわみの無い状態に張られ且つ各マスク部2が所定の位置に位置決めされるように、定められている。ここで、十字マーク6a、6b、6c、6dの形成位置は、図8(a)に示すように、多数のマスク部2を形成している有効領域の四隅近傍とすることが、有効領域全体の伸び及び位置を高精度で適正に調整でき、且つ各マスク部2の位置も適正に調整できるので好ましいが、この位置に限定されるものではない。また、メタルマスク1に形成する十字マーク6a〜6dの個数も適宜増減可能である。
【0027】
メタルマスク1に十字マーク6(十字マークの設置場所に関係のない一般的な説明の場合には符号6で示す)を形成する手段は特に限定するものではないが、好ましくはハーフエッチングで形成する。この十字マーク6は、図11に示すように、ガラススケール25の基準ライン28の線幅よりも広い線幅となるように形成されており、図11(c)に示すように、十字マーク6に縦横の基準ライン28が正しく重なった状態を撮像してモニター31に拡大して表示した時、基準ライン28の両側に十字マーク6の線が現れ、これを目視により或いは画像処理することにより認識できるようにしている。十字マーク6の線幅としては、基準ライン28の線幅を20μmとした時に、50μm程度に選定すればよい。また十字マーク6の長さは、モニター31での目視或いは画像処理で認識できる長さがあればよく、例えば、250μm程度でよい。
【0028】
図9、図10等において、ガラススケール25に固定された金属板26は、ガラススケール25の中央部を吊り下げて保持する際にガラススケール25の撓みを抑制するために設けたものであり、この実施の形態ではガラススケール25の上面の全域を覆う大きさのものが用いられている。なお、金属板26はガラススケール25の基準ライン28を形成している面とは反対側に固定されており、従って、ガラススケール25をガラススケール保持移動装置27で水平に保持した状態では、そのガラススケール25の下面側に基準ライン28が形成されている。金属板26には、ガラススケール25に形成している基準ライン28の各格子十字点に対応する位置に貫通孔26aを設けており、従って、各格子十字点を上方から視認可能である。金属板26のガラススケール25に対する固定には接着剤が用いられるが、それ以外の手段、例えばねじ等を用いても良い。金属板26の材質としては、鋼板、ステンレス板等を例示できる。金属板26の厚さは、ガラススケール25の大きさに応じて、撓みを所望の範囲内に抑制することができるように定めればよく、例えば、ガラススケール25の面積が1000mm×1000mmの場合、金属板26の厚さは3〜10mm程度とすればよい。
【0029】
図1〜図3及び図9において、ガラススケール保持移動装置27は、ガラススケール25及びその上面に固定された金属板26を、その下方に位置している被測定材であるメタルマスク1に平行になるように保持し、そのガラススケール25をメタルマスク1の上方に離れた待機位置(図2に示す位置)とメタルマスク1の上面に近接した測定位置(図3に示す位置)に昇降させるためのものである。このガラススケール保持移動装置27は、移動台23に固定された支持板32と、その支持板32に設けられた直動軸受(図示せず)に垂直方向に即ちクランプ17で保持されたメタルマスク1に直角方向に移動可能に案内されたガイドロッド33の下端に固定され、メタルマスク1に直角方向に移動可能な保持部材34と、その保持部材34をメタルマスク1に直角方向に往復動させる電動アクチュエータなどの往復駆動機構36等を備えており、その保持部材34をガラススケール25上面の金属板26の中央領域に固定することでガラススケール25を保持している。
【0030】
上記したように、ガラススケール保持移動装置27はガラススケール25を、図2に示す待機位置と図3に示す測定位置とに往復移動させることができる。ここで、ガラススケール25を測定位置に降下させた時、そのガラススケール25がメタルマスク1に接触してトラブルを生じることがないよう、測定位置はガラススケール25がメタルマスク1に非接触な位置とするが、ガラススケール25の基準ライン28とメタルマスク1の十字マーク6を同時に撮像手段30で撮像可能なように、極力近づけておく。この際、ガラススケール25は金属板26で補強されているので、撓みがほとんど発生せず、このため、ガラススケール25の全面においてメタルマスク1との間のギャップ寸法は均一となっている。測定位置に降下したガラススケール25とメタルマスク1の間隔としては、50〜200μm程度に設定することが好ましく、更には、50〜100μm程度に設定することが一層好ましい。
【0031】
撮像手段30は、ガラススケール25の基準ライン28とメタルマスク1の十字マーク6を同時に撮像可能なものであり、この実施の形態ではCCDカメラが用いられている。CCDカメラ30は、4箇所の十字マーク6a、6b、6c、6d及びそれに対応するガラススケール25の基準ライン28による格子十字点(図8に示す領域A、B、C、Dの格子十字点)を撮像することができる位置にそれぞれ設けられており、且つ、その焦点深度は、メタルマスク1の十字マーク6と測定位置にあるガラススケール25の基準ライン28を同時に撮像できるように定められている。
【0032】
次に、上記構成のアラインメント装置10によるアラインメント動作を説明する。ガラススケール25を保持している移動台23がX、Y、θステージ12の上方を外れた待機位置にある状態で、複数のテンションユニット13のフレーム支え20にフレーム3を保持させ、次いで、その上にメタルマスク1を乗せ、その4辺を複数のテンションユニット13のクランプ17で把持させる。この状態が図4に示す状態である。この際、複数の位置決めピン(図示せず)を用いてフレーム3に対してメタルマスク1を位置決めしておく。次に、移動台23がX、Y、θステージ12の上方に移動してきて、所定位置に停止する(図2参照)。次に、各クランプ17に連結している駆動手段(エアシリンダ)18に加圧エアを送って各クランプ17をメタルマスク1から離れる方向に移動させ、メタルマスク1に多数のクランプによって縦横両方向に小さいテンションを加え、メタルマスク1を張った状態とする。その後、位置決めピンを外してメタルマスク1に大きいテンションを支障なく加えることができるようにする。なお、メタルマスク1から位置決めピンを外しても、フレーム3に対するメタルマスク1の位置はあまり変動することはなく、メタルマスク1のフレーム3に対する所望の位置決め精度は保たれる。
【0033】
次に、図3に示すように、ガラススケール保持移動装置27がガラススケール25をメタルマスク1の上面に近接した測定位置に降下させ、その位置に停止させる。次いで、CCDカメラ30で撮像を開始し、モニター31に画像を表示する。オペレータはそれを確認しながら、X、Y、θステージ12を調整してメタルマスク1の位置をX方向、Y方向、θ方向に移動させ、メタルマスク1の十字マーク6a、6b、6c、6dを、ガラススケール25の基準ライン28の対応する格子十字点に粗位置決めする。粗位置決めした後は、X、Y、θステージ12をその位置に固定し、モニター31で確認しながら、複数のテンションユニット13の駆動手段18の駆動力を個々に調整してメタルマスク1に加えるテンションを調整し、各十字マーク6a、6b、6c、6dを対応するガラススケール25の格子十字点に一致させてゆく。そして、全部の十字マーク6a、6b、6c、6dが対応する格子十字点に一致すると、メタルマスク1に形成されている複数のマスク部2がそれぞれ所定の位置に位置決めされたこととなる。また、メタルマスク1はゆがみやたるみのない平坦な状態で且つマスク部2の多数の開口部が平行に引き揃えられた状態となる。すなわち、メタルマスク位置アラインメントが完成する。
【0034】
その後は、メタルマスク1にテンションを加えた状態で、ガラススケール25を上方の待機位置に戻し、且つ移動台23もメタルマスク1の上方を外れた待機位置に戻し、メタルマスク1をフレーム3にレーザ等(図示せず)を用いてスポット溶接(図4の符号45参照)し、固定する。その後、メタルマスク1をクランプ17から外し、メタルマスク1の周縁部分を易切断線5を利用して除去する。以上により、図7に示すように、フレーム3にメタルマスク1を固定した構成の蒸着マスクユニット8を製造できる。
【0035】
得られた蒸着マスクユニット8では、メタルマスク1がゆがみやたるみの無い状態で且つマスク部2の多数の開口部が正確に平行に揃った状態に保たれており、且つ各マスク部の位置も所定の寸法精度内に保たれている。かくして、この蒸着マスクユニット8を用いて蒸着を行うことにより、微細なパターンの蒸着を多面付けで正確に行うことができる。例えば、この蒸着マスクユニット8にガラス基板等の被蒸着基材を取り付け、蒸着機にセットし、有機EL素子の有機層又はカソード電極の蒸着を行うことで、微細なパターンの蒸着を位置精度良く行うことができ、高品質の有機層又はカソード電極を形成できる。
【0036】
なお、上記した実施の形態では、ガラススケール保持移動装置27の保持部材34に直接ガラススケール25上面の金属板26を固定しているが、この構造に代えて、図12(a)に示すように、保持部材34に固定型球面ジョイント37を介してガラススケール25上面の金属板26を保持させる構成とすることも可能である。ここで用いる固定型球面ジョイント37は、図13に示すように、球状の部分を備えた球部材40と、その球部材40の球面に適合する球面状の受面を備え、球部材40を回転自在に支持する支持部材41と、球部材40が支持部材41に対して回転しないように固定する固定ねじ42を備えており、固定ねじ42をゆるめることで球部材40を支持部材41に対して任意の方向に向けることが可能である。固定型球面ジョイント37は、支持部材41をガラススケール25上面の金属板26の中央領域に固定し、球部材40を保持部材34に固定して設けられており、固定ねじ42をゆるめることで、ガラススケール25を保持部材34に対して任意の方向に、任意に傾けることができ、固定ねじ42を締めることで、ガラススケール25を保持部材34に対して動かないように固定することができる。
【0037】
この固定型球面ジョイント37を設けたことで、ガラススケール25とメタルマスク1の平行度の調整がきわめて容易となる。ガラススケール25はメタルマスク1に正確に平行とする必要があることから、図1〜図3に示すように、ガラススケール25上面の金属板26を保持部材34に直接固定した構造では、装置の製作、組み立て時にガラススケール25がメタルマスク1に正確に平行となるように高精度での部品製造及び組み立て調整が必要となるが、固定型球面ジョイント37を用いると以下のように簡単に平行度調整を行うことができる。すなわち、装置の組み立て後に、図12(a)に誇張して示すように、ガラススケール25がメタルマスク1に対して傾斜していたとしても、固定ねじ42をゆるめ、ガラススケール25の保持部材34に対する取付角度を自在に可変とした状態で、ガラススケール25を往復駆動機構36によって下降させてメタルマスク1に押し当て、図12(b)に示すように、ガラススケール25の全面をメタルマスク1に接触させ、その状態で固定ねじ42を締め込み、球部材40が動かないように固定する。これにより、ガラススケール25がメタルマスク1に対して高精度で平行となるように調整され、その状態に保持される。その後、ガラススケール25を上方の待機位置に戻し、メタルマスク1のテンション調整の際には、図12(c)に示すように、ガラススケール25をメタルマスク1に近接した測定位置に下降させることで、ガラススケール25をメタルマスク1に対して高精度で平行とすることができ、ガラススケール25とメタルマスク1のギャップ寸法を均一とすることができる。
【0038】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、メタルマスク1に付加するテンション調整の際に、メタルマスク1の十字マーク6とガラススケール25の格子十字点の重なりが一致しているか否かの判断をモニター31を目視して行なっているが、目視による代わりにCCDカメラ30からの信号を画像処理して判定する構成としてもよい。また、上記実施の形態では、CCDカメラ30を各十字マーク6に対応して設けているが、これに限らず、1個或いは2個のCCDカメラ30を用い、そのCCDカメラ30を撮像すべき位置に移動させて用いる方法を採っても良い。ただし、図示の実施の形態のように、各十字マーク6に対応してCCDカメラ30を設けておくと、全部の十字マーク6を監視しながらテンション調整を行なうことができ、テンション調整を容易に且つ敏速に行なうことができる利点が得られる。
【0039】
更に、上記した実施の形態では、メタルマスク1に形成するアラインメント用マークとして十字マーク6を用いているが、アラインメント用マークは十字マークに限らず、ガラススケール25に形成する基準マーク(例えば、基準ライン28)に合わせて位置決め可能なものであれば任意であり、例えば、正方形のマークを用いてもよい。また、アラインメント用マークは、十字マークや正方形のマークのように、一つのマークで縦方向及び横方向の位置を示すことができるものに限らず、単に横方向の直線或いは縦方向の直線のように、縦方向の位置のみを示すもの或いは横方向の位置のみを示すものを、適当に組み合わせて用いてもよい。なお、ガラススケールに形成している基準ラインの格子十字点を基準マークとして用いる代わりに、基準ラインの他の領域を基準マークとして用いる場合には、金属板には、基準マークとして用いる基準ラインの領域を露出させるように貫通孔を設けておけばよい。更に、上記した実施の形態では、ガラススケール25に、基準マークとして多数の基準ライン28を格子状に形成しているが、ガラススケール25に設ける基準ライン28はこのように多数設ける必要はなく、図8のA、B、C、Dの領域のみを通る基準ライン28を設けたものを用いても良く、更には、図8のA、B、C、Dの領域に十字マークを形成して基準マークとしてもよい。なお、図示したガラススケール25のように、多数の基準ライン28を格子状に形成したものを用いると、種々なサイズのメタルマスクに対応できる利点が得れらる。
【0040】
更に、上記した実施の形態では、メタルマスク1の4箇所にアラインメント用マーク(十字マーク6)を形成しているが、アラインメント用マークの形成箇所は適宜増減可能であり、例えば、メタルマスクの縦方向のみ、或いは横方向のみの位置決めで十分な場合には、縦方向に離れた2箇所のみ、或いは横方向に離れた2箇所のみにアラインメント用マークを形成するように変更してもよい。
【0041】
更に上記した実施の形態では、メタルマスク1とガラススケール25の粗位置決めを行なうために、メタルマスク1を支持するテンションユニット13をX、Y、θステージ12に保持させているが、この代わりに、ガラススケール25を備えた基準位置指示装置24をX、Y、θステージに保持させ、ガラススケール25の位置を調整するようにしてもよい。また、場合によっては粗位置決めを省略し、テンション調整のみで十字マークと基準ラインの位置合わせを行なうようにしてもよい。ただし、実施の形態で説明したように、粗位置合わせを行なっておくと、十字マークと基準ラインの位置合わせのためのテンション調整が容易となる利点が得られる。
【0042】
以上に本発明の基準位置指示装置をメタルマスクの位置アラインメントを行う装置に用いた実施の形態を説明したが、本発明の基準位置指示装置はこの用途に限らず、平面状の被測定材上の複数箇所の位置を指示する必要がある任意の用途に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係るアラインメント装置の主要部分の概略斜視図
【図2】図1に示すアラインメント装置を、ガラススケールを上方の待機位置とした状態で示す概略断面図
【図3】図1に示すアラインメント装置を、ガラススケールをメタルマスク上面に近接した測定位置とした状態で示す概略断面図
【図4】図1に示すアラインメント装置に設けている複数のテンションユニット及びそれに保持されているメタルマスクを示す概略平面図
【図5】テンションユニットの概略側面図
【図6】図1に示すアラインメント装置で取り扱うメタルマスク及びそれを固定する枠状のフレームを示す概略斜視図
【図7】メタルマスクをフレームに固定して形成した蒸着マスクユニットの概略斜視図
【図8】(a)はメタルマスクの概略平面図、(b)はガラススケールの概略平面図
【図9】図1のアラインメント装置に設けている基準位置指示装置の概略斜視図
【図10】メタルマスクと金属板の概略上面図
【図11】(a)はガラススケールに形成している基準ラインの格子十字点領域を拡大して示す概略平面図、(b)はメタルマスクに形成している十字マークを拡大して示す概略平面図、(c)は格子十字点と十字マークの重なり領域を撮像してモニターに表示した状態を示す概略正面図
【図12】(a)、(b)、(c)は、本発明の他の実施の形態に用いたガラススケール保持移動装置によって保持しているガラススケールの角度調整を行う手順を説明する概略側面図
【図13】図12に示すガラススケール保持移動装置に設けた固定型球面ジョイントの概略側面図
【図14】ガラススケールを、テンションを掛けた状態のメタルマスクに近接した位置に配置し、メタルマスクの位置アラインメントを行う状態を示す概略側面図
【図15】ガラススケールを、テンションを掛けた状態のメタルマスクに近接した位置に配置した時に生じる問題点を説明する概略側面図
【符号の説明】
【0044】
1 メタルマスク
2 マスク部
3 フレーム
4 開口
5 易切断線
6、6a、6b、6c、6d 十字マーク(アラインメント用マーク)
8 蒸着マスクユニット
10 アラインメント装置
11 支持台
12 X、Y、θステージ
13 テンションユニット
15 ベース部材
16 直動案内
17 クランプ
17a 固定爪
17b 可動爪
18 駆動手段(エアシリンダ)
20 フレーム支え
22 側枠
23 移動台
24 基準位置指示装置
25 ガラススケール
26 金属板
26a 貫通孔
27 ガラススケール保持移動装置
28 基準ライン(基準マーク)
30 撮像手段(CCDカメラ)
31 モニター
32 支持板
33 ガイドロッド
34 保持部材
36 往復駆動機構
37 固定型球面ジョイント
40 球部材
41 支持部材
42 固定ねじ
45 スポット溶接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の被測定材の複数箇所に対する基準位置を示す複数の基準マークを備えた平板状のガラススケールと、該ガラススケールの一方の表面に固定された補強用の金属板と、該金属板を介して前記ガラススケールを保持し該ガラススケールを、所定位置に配置された前記被測定材に近接した測定位置に位置させるガラススケール保持移動装置を備え、前記金属板が、前記ガラススケール表面の、中央領域を含む50%以上の領域を覆うように配置されていると共に前記基準マークに重なる位置に貫通孔を形成していることを特徴とする基準位置指示装置。
【請求項2】
前記金属板が前記ガラススケールの全面を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1記載の基準位置指示装置。
【請求項3】
前記ガラススケールが、格子状に形成された複数の基準ラインを備え、縦横の前記基準ラインが交差して形成する格子十字点が前記基準マークを構成しており、前記金属板が前記格子十字点に重なる位置に貫通孔を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の基準位置指示装置。
【請求項4】
前記ガラススケール保持移動装置が、所定位置に配置された平面状の被測定材に直角方向に移動可能に設けられた保持部材と、該保持部材を前記被測定材に直角方向に往復動させる往復駆動機構と、前記保持部材と前記金属板を連結する固定型球面ジョイントを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の基準位置指示装置。
【請求項5】
あらかじめ複数箇所にアラインメント用マークを付したメタルマスクの4辺の各々の複数箇所を把持してテンションを加えることができるように配置された複数のテンションユニットと、前記メタルマスクに付与している複数のアラインメント用マークに対する基準位置を示す基準マークを有するガラススケールを備え、該ガラススケールを前記複数のテンションユニットに保持されている前記メタルマスクの上面に近接した測定位置に位置させることができるように配置された請求項1から4のいずれか1項記載の基準位置指示装置と、前記メタルマスクの複数箇所に形成されているアラインメント用マークと前記ガラススケールの基準マークの重なり部分を撮像する撮像手段と、前記複数のテンションユニットが付与するテンションを個々に調整可能な調整手段を有することを特徴とするメタルマスク位置アラインメント装置。
【請求項6】
前記複数のテンションユニットがX、Y、θステージに搭載されていることを特徴とする請求項5記載のメタルマスク位置アラインメント装置。
【請求項7】
前記メタルマスクにアラインメント用マークが4箇所に設けられており、前記撮像手段が、4箇所のアラインメント用マークに対応して4個設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載のメタルマスク位置アラインメント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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