説明

基準電圧回路及び電子機器

【課題】電源電圧変動除去比を悪化させることなく、低電圧動作を維持したまま消費電流の低い基準電圧回路を実現すること。
【解決手段】ED型基準電圧のデプレッショントランジスタを直列に接続した複数のデプレッショントランジスタで構成し、カスコード用デプレッショントランジスタのゲート端子をED型基準電圧のデプレッショントランジスタの接続点に接続する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、より詳しくは電源電圧の変動に対して出力電圧の変動が小さく低電圧動作化、低消費電流化が可能な基準電圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ回路の電源電圧変動除去比を改善する目的で、カスコード回路を付加する手法は従来から、広く用いられてきている。さらに、電源電圧変動除去比を改善しつつ低電圧動作可能な基準電圧回路が用いられている(例えば、特許文献1参照)。図4に従来の基準電圧回路の回路図を示す。
【0003】
Nチャネルデプレッション型トランジスタ301ならびにNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ302はED型基準電圧回路310を構成しており、ED型基準電圧回路310に対して直列にカスコード回路として動作するNチャネルデプレッション型トランジスタ303が接続されている。Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ302に並列に制御電流源であるNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ304が接続され、ゲート端子とソース端子が接続されたNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ305がNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ304に直列に接続されている。さらに、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ305のソース端子がNチャネルデプレッション型トランジスタ303のゲート端子に接続される。Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ304およびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ305は、カスコード回路として動作するNチャネルデプレッション型トランジスタ303に対して一定のバイアス電圧を供給するバイアス回路311となっている。
【0004】
上述の回路において、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ302と304およびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ303と305の特性およびトランスコンダクタンス係数も等しいとする。この場合には、各々のデプレッション型トランジスタのソース・バックゲート間電圧−ドレイン電流特性が等しくなり、かつドレイン電流が等しくなるため、各々のデプレッション型トランジスタのソース電位は等しくなる。
【0005】
ここで、MOSトランジスタ305のソース電位は以下の方法にてNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ303のソース電位よりも下げる事が可能となる。
1)Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ302のトランスコンダクタンス係数に対して、L長を固定してW長を大きくするなどしてNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ304のトランジスタのトランスコンダクタンス係数を大きくする。
2)Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ303のトランスコンダクタンス係数に対してNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ305のトランジスタのトランスコンダクタンス係数を小さくする。
3)1および2の両方を実施する。
このようにすることで、図4の基準電圧回路は低電圧動作が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-266715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上述の基準電圧回路は、Nチャネルデプレッション型トランジスタ305からNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ304の経路と、Nチャネルデプレッション型トランジスタ303からED型基準電圧回路310の経路の、2つの経路で電流が流れるため、消費電流が多くなることが欠点であった。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するために考案されたものであり、低電圧動作や電源電圧変動除去比を悪化させることなく、より低い消費電流で動作する基準電圧回路を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の課題を解決するために、本発明の基準電圧回路はカスコード用デプレッショントランジスタを設け、基準電圧を決定するデプレッショントランジスタを複数のデプレッショントランジスタで構成し、第1のデプレッショントランジスタのドレインと第2のデプレッショントランジスタのソースの接続点をカスコード用デプレッショントランジスタのゲート端子に接続する構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の基準電圧回路は、従来の回路と比較して、低電圧動作や電源電圧変動除去比を悪化させることなく、より低い消費電流で動作する基準電圧回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の基準電圧回路の第一の実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明の基準電圧回路の第二の実施形態を示す回路図である。
【図3】本発明の基準電圧回路の第三の実施形態を示す回路図である。
【図4】従来の基準電圧回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の基準電圧回路の第一の実施形態を示す回路図である。
【0013】
本実施形態の基準電圧回路は、電源端子101とGND端子100とNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1とNチャネルデプレッション型トランジスタ2とNチャネルデプレッション型トランジスタ3とNチャネルデプレッション型トランジスタ4と出力端子102を備えている。
【0014】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。さらに、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1と、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。すなわち、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2及びNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は、ED型基準電圧回路110を構成している。
【0015】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ4は、ゲートをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のドレインおよびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のソースに接続され、ソースをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のドレインに接続され、ドレインを電源端子101に接続され、バックゲートはGND端子100に接続される。すなわち、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ4は、ED型基準電圧回路110に対してカスコード回路として機能している。
【0016】
ED型基準電圧回路110は、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のソースとNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1のドレインの接続点を出力端子としている。また、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は1個以上のトランジスタで構成されている。
【0017】
上述の回路において、Nチャネルデプレッション型トランジスタ4のゲートはNチャネルデプレッション型トランジスタ3のソースとNチャネルデプレッション型トランジスタ2のドレインに接続されるため、Nチャネルデプレッション型トランジスタ4のゲートの電位はNチャネルデプレッション型トランジスタ3のドレイン−ソース間電圧分、ソースの電位より低くすることが可能になる。
【0018】
ここでNチャネルデプレッション型トランジスタ4のゲート電位はソース電位よりも低いためVgs4<0となり、従来の構成と同様に最低動作電圧VDD(min)を閾値の低いNチャネルデプレッション型トランジスタを別途用意することなく、下げることが可能となる。そして、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1、Nチャネルデプレッション型トランジスタ2、Nチャネルデプレッション型トランジスタ3、Nチャネルデプレッション型トランジスタ4の経路のみで電流が流れるため、バイアス回路を用いた従来の回路に比べ消費電流を下げることが可能となる。
【0019】
なお、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のソースに接続してもよい。Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のソースもしくはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のソースに接続してもよい。
【0020】
図2に、第二の実施形態の基準電圧回路の回路図を示す。第二の実施形態は、第一の実施形態の基準電圧回路を2つ備え、等しい基準電圧を2箇所の出力端子から出力するように構成した基準電圧回路である。
【0021】
第2の実施形態の基準電圧回路は、電源端子101とGND端子100とNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1とNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ5とNチャネルデプレッション型トランジスタ2とNチャネルデプレッション型トランジスタ3とNチャネルデプレッション型トランジスタ4とNチャネルデプレッション型トランジスタ6とNチャネルデプレッション型トランジスタ7とNチャネルデプレッション型トランジスタ8と出力端子102と出力端子103とを備えている。
【0022】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。さらに、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1と、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。すなわち、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2及びNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は、ED型基準電圧回路110を構成している。
【0023】
同様に、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7は、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。さらに、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ5と、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。すなわち、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ5とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6及びNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7は、ED型基準電圧回路111を構成している。
【0024】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ4は、ゲートをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6のドレインおよびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7のソースに接続され、ソースをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のドレインに接続され、ドレインを電源端子101に接続され、バックゲートはGND端子100に接続される。すなわち、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ4は、ED型基準電圧回路110に対してカスコード回路として機能している。
【0025】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ8は、ゲートをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のドレインおよびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のソースに接続され、ソースをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7のドレインに接続され、ドレインを電源端子101に接続され、バックゲートはGND端子100に接続される。すなわち、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ8は、ED型基準電圧回路111に対してカスコード回路として機能している。
【0026】
ED型基準電圧回路110は、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のソースとNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1のドレインの接続点を出力端子としている。また、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は1個以上のトランジスタで構成されている。
【0027】
ED型基準電圧回路111は、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6のソースとNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ5のドレインの接続点を出力端子としている。また、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7は1個以上のトランジスタで構成されている。
【0028】
上述の回路においても、Nチャネルデプレッション型トランジスタ4のゲートはNチャネルデプレッション型トランジスタ7のソースおよびNチャネルデプレッション型トランジスタ6のドレインに接続されるため、Nチャネルデプレッション型トランジスタ4のゲートの電位はNチャネルデプレッション型トランジスタ7のドレイン−ソース間電圧分、ソースの電位より低くすることが可能になる。また、Nチャネルデプレッション型トランジスタ8のゲートはNチャネルデプレッション型トランジスタ3のソースおよびNチャネルデプレッション型トランジスタ2のドレインに接続されるため、Nチャネルデプレッション型トランジスタ8のゲートの電位はNチャネルデプレッション型トランジスタ3のドレイン−ソース間電圧分、ソースの電位より低くすることが可能になる。
【0029】
ここでNチャネルデプレッション型トランジスタ4のゲート電位はソース電位よりも低いためVgs4<0となり最低動作電圧VDD(min)を下げることが可能となる。また、Nチャネルデプレッション型トランジスタ8に関しても同様でゲート電位はソース電位よりも低いためVgs8<0となり最低動作電圧VDD(min)を下げることが可能となる。そして、出力は出力端子102と出力端子103の2箇所から同様の基準電圧を得ることができる。さらに、2箇所の基準電圧の出力に対して、バイアス電圧を供給する回路を必要とせず、2経路のみで電流が流れるため、従来の構成に比べ消費電流を下げることが可能となる。
【0030】
なお、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のソースに接続してもよい。Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のソースもしくはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のソースに接続してもよい。
【0031】
また、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6のソースに接続してもよい。Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7のソースもしくはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6のソースに接続してもよい。
【0032】
図3に、第三の実施形態の基準電圧回路の回路図を示す。ここで、Mは0または正の整数で4の倍数、NとPは0または正の整数である。第三の実施形態は、第一の実施形態の基準電圧回路を複数備え、等しい基準電圧を複数箇所の出力端子から出力するように構成した基準電圧回路である。
【0033】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。さらに、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1と、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。すなわち、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ1とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2及びNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3は、ED型基準電圧回路110を構成している。
【0034】
同様に、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7は、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。さらに、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ5と、ゲートを共通に接続され、直列に接続されている。すなわち、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ5とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6及びNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7は、ED型基準電圧回路111を構成している。
【0035】
更に、同様の構成をした基準電圧回路を複数備えている。
【0036】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ4は、ゲートをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ6のドレインおよびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7のソースに接続され、ソースをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のドレインに接続され、ドレインを電源端子101に接続され、バックゲートはGND端子100に接続される。すなわち、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ4は、ED型基準電圧回路110に対してカスコード回路として機能している。
【0037】
Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ8は、ソースをNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ7のドレインに接続され、ドレインを電源端子101に接続され、バックゲートはGND端子100に接続される。すなわち、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ8は、ED型基準電圧回路111に対してカスコード回路として機能している。そして、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタ8のゲートは、図示されない次の基準電圧回路のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ11のドレインおよびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ10のソースに接続される。
【0038】
同様の構成をした最後の基準電圧回路は、カスコード回路として機能しているNチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+4のゲートを、最初の基準電圧回路のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ2のドレインおよびNチャネルデプレッション型MOSトランジスタ3のソースに接続される。
【0039】
ED型基準電圧回路P+111は、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+2のソースとNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタM+1のドレインの接続点を出力端子としている。また、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+2とNチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+3は1個以上のトランジスタで構成されている。
【0040】
上述の回路においても、全ての基準電圧回路のカスコードトランジスタのゲート電位は、ソース電位よりも低いためVgs4<0となり、最低動作電圧VDD(min)を下げることが可能となる。そして、複数箇所の出力端子N+102(Nは正の整数)から同様の基準電圧を得ることができる。さらに、複数箇所の基準電圧の出力に対して、バイアス電圧を供給する回路を必要としないので、従来の構成に比べ消費電流を下げることが可能となる。
【0041】
なお、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+2のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+2のソースに接続してもよい。Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+3のバックゲートはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+3のソースもしくはNチャネルデプレッション型MOSトランジスタM+2のソースに接続してもよい。
【0042】
以上に説明したように、本発明の基準電圧回路によれば、従来の回路と比較して、低電圧動作や電源電圧変動除去比を悪化させることなく、より低い消費電流で動作する基準電圧回路を提供することができる。
【符号の説明】
【0043】
101 電源端子
100 GND端子
102、103、N+102 基準電圧出力端子
110、111、P+110、310 ED型基準電圧回路
311 バイアス回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートを互いに接続したNチャネルデプレッション型MOSトランジスタとNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタとを有するED型基準電圧回路と、電源端子と前記ED型基準電圧回路の間に設けられたカスコード回路と、を備えた基準電圧回路であって、
前記Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタは、直列に接続された複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタからなり、
前記カスコード回路は、ゲートを前記直列に接続された複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタの接続点のうちいずれかと接続したNチャネルデプレッション型MOSトランジスタからなることを特徴とする基準電圧回路。
【請求項2】
前記ED型基準電圧回路は、
ドレイン及びゲートを出力端子に接続し、ソースをGND端子に接続した前記Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタと、
ソース及びゲートを前記出力端子に接続した第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタと、
ゲートを前記出力端子に接続し、ソースを前記第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのドレインに接続した第2のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタと、を有し、
前記カスコード回路は、
ドレインを前記電源端子に接続し、ゲートを前記第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのドレインと前記第2のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのソースと接続した第3のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタを、
有したことを特徴とする請求項1に記載の基準電圧回路。
【請求項3】
前記第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタと第2のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのどちらか、または両方が、複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタで構成されている請求項2に記載の基準電圧回路。
【請求項4】
ゲートを互いに接続したNチャネルデプレッション型MOSトランジスタとNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタとを有するED型基準電圧回路と、電源端子と前記ED型基準電圧回路の間に設けられたカスコード回路と、をn個(nは2以上の整数)備えた基準電圧回路であって、
前記Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタは、直列に接続された複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタからなり、
前記カスコード回路は、Nチャネルデプレッション型MOSトランジスタからなり、
第m(mは0<m<nの整数)番目のカスコード回路のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタは、ゲートを第m+1番目のED型基準電圧回路の前記直列に接続された複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタの接続点のうちいずれかと接続し、
第n番目のカスコード回路のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタは、ゲートを第1番目のED型基準電圧回路の前記直列に接続された複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタの接続点のうちいずれかと接続したことを特徴とする基準電圧回路。
【請求項5】
前記ED型基準電圧回路は、
ドレイン及びゲートを出力端子に接続し、ソースをGND端子に接続した前記Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタと、
ソース及びゲートを前記出力端子に接続した第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタと、
ゲートを前記出力端子に接続し、ソースを前記第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのドレインに接続した第2のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタと、を有し、
前記カスコード回路は、
ドレインを前記電源端子に接続し、ゲートを前記第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのドレインと前記第2のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのソースと接続した第3のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタを、
有したことを特徴とする請求項4に記載の基準電圧回路。
【請求項6】
前記第1のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタと第2のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタのどちらか、または両方が、複数のNチャネルデプレッション型MOSトランジスタで構成されている請求項5に記載の基準電圧回路。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の基準電圧回路を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−29912(P2011−29912A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173384(P2009−173384)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】