基礎ブロックの連結構造及び当該連結構造を備えた基礎ブロック
【課題】境界壁の基礎ブロックに関し、構築及び撤去する際の作業性に優れ、連結部に3軸方向の可動性を付与することが可能な連結構造を得る。
【解決手段】端部の一方(凸連結端)は、鉛直方向の半円筒凸部と、その幅方向両側の肩面と、高さ中間部の切込みとを備え、切込みより上方の半円筒凸部の軸心にボルト挿通孔を、下方にインサートナットを備える。端部の他方(凹連結端)は、鉛直方向の半円筒凹部と、その幅方向両側の当り面と、切込みに対向するフックとを備える。フックを切込みに挿入した状態で半円筒凸部を半円筒凹部に挿入し、ボルト挿通孔に挿入したボルトをフックを貫通してインサートナットに螺着することにより連結される。
【解決手段】端部の一方(凸連結端)は、鉛直方向の半円筒凸部と、その幅方向両側の肩面と、高さ中間部の切込みとを備え、切込みより上方の半円筒凸部の軸心にボルト挿通孔を、下方にインサートナットを備える。端部の他方(凹連結端)は、鉛直方向の半円筒凹部と、その幅方向両側の当り面と、切込みに対向するフックとを備える。フックを切込みに挿入した状態で半円筒凸部を半円筒凹部に挿入し、ボルト挿通孔に挿入したボルトをフックを貫通してインサートナットに螺着することにより連結される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガードレールやフェンス、工事区画を示す仮設の防護壁などの境界壁の基礎を施工する際に用いるコンクリートブロック(プレキャストコンクリート。以下「ブロック」と言う。)に関するもので、特に細長いブロックを長手方向に連結して直線及び曲線の基礎を構築するブロックの連結構造、及びそのような連結構造を備えたブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路の境界に沿って設置されるガードレールをその境界に沿って長手方向に連結した多数のブロックで構築する方法は公知である。このような基礎を構築するためのブロック(基礎ブロック)の連結構造として、特許文献1及び2に記載されたものがある。特許文献1に記載された連結構造は、長手両端が円弧状に形成され、当該両端に互いに相対して位置する複数の長孔を有するリブを備えたブロック相互を、互いのリブの長孔にボルトを貫通させ、このボルトを介して、座金及びナットでもって、それぞれ両側からリブを挟み込むように締結するというものである。
【0003】
一方、特許文献2に記載された連結構造は、対向する両端が凸円弧状に形成され、その一方の端部に上側が他方に向けて突出しかつ下面に円形凹状の嵌合凹部を有する上側突出部を備え、前記他方の端部に下側が前記一方に向けて突出しかつ上面に円形凸状の嵌合凸部を有する下側突出部を備えているブロックの当該両端を、連結されるブロック相互が前記嵌合凸部と嵌合凹部とをその嵌合部を支点として回動自在となるように嵌合し、さらに、該嵌合凹部及び嵌合凸部の中心に設けたボルト孔にボルトを挿通して連結するというものである。なお、嵌合凹部と嵌合凸部とは、上下を逆にして設けても良いものである。
【0004】
上記のような連結構造を備えた基礎ブロックは、その長手端部に設けた連結部を隣接する基礎ブロックの連結部に順次連結して境界に沿った細長い基礎を施工する。基礎ブロックには、例えばガードレール用の基礎ブロックであれば、ガードレールの支柱を立設するための丸孔が予め設けられており、基礎を施工した後、この丸孔にガードレールの支柱を立設する。
【0005】
恒久的な境界壁を構築する場合には、隣接する基礎ブロックとの連結端に形成される隙間ないし凹部にコンクリートやモルタルを流し込んで一体の基礎とする。また、仮設の境界壁の場合には、基礎ブロックを地表面に定着しないで、基礎ブロックの自重によって境界壁の位置が保持されるようにする。地表面に定着されていない境界壁、例えばガードレールに自動車が衝突したような場合には、その衝撃によって基礎ブロックが設置位置からずれるが、基礎ブロックの両端が隣接する基礎ブロックに順次連結されているため、衝撃が複数の基礎ブロックの重量ないし摩擦力で受け止められて、ガードレールの倒伏や大きな移動が生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−309594号公報
【特許文献2】特開2005−179949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の連結構造は、隣接するブロックの端部相互が複数本のボルトでしっかりと締結されるので、連結部の強度及び剛性の大きな強固な基礎を構築することができるが、連結作業が面倒で時間がかかる。また、強度や剛性が大きいことによる欠点として、自動車などが衝突したときの衝撃が大きく、自動車に与える損傷が大きい。また、一旦設置した後、設置位置をずらしたり撤去したりする際の作業も面倒である。
【0008】
一方、特許文献2に記載の連結構造によれば、隣接する基礎ブロック相互がその連結部において、鉛直軸回りの角度を自由に設定できるので、境界の角や曲がりくねった境界に沿って境界壁を構築することが容易である。しかし、隣接する基礎ブロックの端部相互が一方の端部に形成された下側突出部の上面と、他方の端部に形成された上側突出部の下面との当接及びこれらの面に形成された円形の凹部と凸部との嵌合により連結されているので、設置する地表面のねじれや上下方向の傾斜の変化に対応することが困難である。
【0009】
この発明は、上記のような従来の連結構造の問題点を解決するためになされたもので、境界壁を構築及び撤去する際の作業性に優れ、隣接する基礎ブロックとの連結部における鉛直軸回り、水平軸回り及びねじれ方向の適切な可動性を付与することが可能で、かつその連結部をコンクリートやモルタルで埋めて基礎を一体化するときに必要なコンクリートやモルタルの量も少なくて済む基礎ブロックの連結構造を得ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の基礎ブロックの連結構造は、断面が略矩形の細長いコンクリート製ブロックの長手方向の端部相互を連結する構造であって、連結しようとする端部の一方は、ブロックの幅方向中間に鉛直方向の半円筒凸部を備え、他方のブロックは、鉛直方向の半円筒凹部を備えている。以下、半円筒凸部21を備えた端部を凸連結端、半円筒凹部31を備えた端部を凹連結端という。
【0011】
凸連結端2の半円筒凸部21は、ブロック1(1、11、12)の長手端部の幅方向中央ないし中央から若干偏倚した位置に形成され、その幅方向両側の部分には、肩面22が形成されている。半円筒凸部21の半円の頂角は、180度を超える角度とする。このようにして形成した半円筒凸部21の高さ中間部には、ブロックの端部からその半凸円筒の軸心を超える深さで切り込まれた切込み24を備えている。この切込み24は、ブロック側面から見た形状が深い台形ないし片台形とするのが好ましい。
【0012】
この切込みの上下方向の幅寸法ないし台形としたときの斜辺の傾斜角により、連接したブロック相互の水平軸回り(ブロックの幅方向の水平軸回り)の許容回動角、すなわち隣接するブロック相互の上下の傾斜の変化に対応可能な角度を設定できる。
【0013】
この切込み24より上方の半円筒凸部21の軸心には、ボルト挿通孔27が上下方向に貫通している。また、この切込み24より下方の半円筒凸部の軸心には、上方に開口するインサートナット28が埋設されている。ボルト挿通孔27の上端には、座ぐり孔29が設けられており、ボルト挿通孔27の上端から挿入したボルトをインサートナット28に螺着することができるようになっている。
【0014】
凹連結端3の半円筒凹部31は、半円筒凸部21の半径より大きな半径を備え、かつその半凹円の頂角は、前記半円筒凸部の半凸円の頂角よりも小さい180度前後である。半円筒凹部31は、ブロックの端部の幅方向中央ないし中央から若干偏倚した位置に設けられ、その幅方向両側には当り面32が形成されている。半円筒凸部21の半凸円の頂角と、半円筒凹部31の半凹円の頂角との差により、連結されるブロック相互の鉛直軸回りの回動角の許容量が設定される。
【0015】
半円筒凹部31の前記切込み24に対向する位置に、当該凹円筒の軸心に向かって延びるU字状のフック34がその基端をブロック内に埋設して突設されている。このフックは、防錆処理した丸鋼で形成され、そのU字の底の円弧が半円筒凹部の軸心と中心が一致するように設けられている。
【0016】
凸連結端2と凹連結端3とは、フック34を切込み24に挿入した状態で半円筒凸部21を半円筒凹部31に挿入し、ボルト挿通孔27に上方から挿入したボルトをフック34のU字を貫通してインサートナット28に螺着することにより連結される。
【0017】
半円筒凸部21と半円筒凹部31とは、その頂角の差により鉛直軸回りの回動の自由度が制限され、また、その半径の差により上下方向の傾斜及びねじれに対する自由度が制限されている。従って、この許容した制限内で隣接するブロック相互は、境界の屈曲、地表面のねじれ及び上下方向の傾斜の差に対応でき、自動車の衝突などによって基礎ブロックの1個に衝撃が加わったとき、そのブロックが変位した後、衝撃が隣接するブロックに順次伝わるという過程で衝撃が段階的に受け止められることにより、衝突した自動車や基礎ブロックの上に設置されたガードレールなどに加わる衝撃が緩和される。
【0018】
この発明の基礎ブロックは、長手両端の一方に凸連結端2を備え、他方に凹連結端3を備えた基礎ブロックである。境界壁の端部に設ける基礎ブロックは、その長手両端の一方のみを凸連結端2又は凹連結端3としたブロックである。この発明の基礎ブロックの連結端は、当該連結端における鉛直軸回りの角度が規制されているため、境界の角部の基礎は屈折した基礎ブロックによって構築される。角部に設ける基礎ブロックの屈折角は、90度や135度など複数角度のものを用意し、その中間の角度については、屈折した基礎ブロックと、これに連接する直線の基礎ブロックの連結部における鉛直軸回りの角度の調整によって対応することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
この発明の連結構造によれば、隣接する基礎ブロックの凸連結端2と凹連結端3とをつき合わせて上方から挿通したボルト6をインサートナット28に螺着することにより連結されるので、特許文献2記載の連結構造と同様にブロックの連結作業が容易である。
【0020】
また、この発明の基礎ブロックの連結構造は、鉛直軸回り、水平軸回り及びねじれ方向の角度に対して設定した範囲内での自由度を付与しているので、設置する地表面のねじれや傾斜の変化に適宜対応することができると共に、許容された範囲でのブロックの変位によって衝撃を吸収しながら当該衝撃を隣接するブロックに伝達するという作用が発揮され、基礎ブロックを地表面に定着しないで設置した場合のガードレールのフェンスにかかる衝撃を緩和して損傷を軽減するという効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】基本形状のブロックの一例を示す平面図
【図2】同側面図
【図3】凸連結端と凹連結端との連結状態を示した平面図
【図4】同断面側面図
【図5】連結ボルト回りの回動を示す平面図
【図6】屈曲した境界線に沿って連結配置された基礎ブロックの平面図
【図7】ねじれ方向の回動を示す連結部の断面正面図
【図8】水平軸回りの回動を示す連結部の断面側面図
【図9】端部に設ける基礎ブロックの第1例を示す平面図
【図10】同第2例を示す平面図
【図11】境界の角部に設けられる基礎ブロックの第1例を示す平面図
【図12】同第2例を示す平面図
【図13】角部に設けるブロックと直線状のブロックとの連結状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、この発明の基礎ブロック及びその連結構造の実施例を説明する。
【0023】
図1及び図2は、基礎ブロックの基本形状の一例を示す平面図及び側面図で、直線及び円弧状の境界線に設置される基礎ブロックの例である。基礎ブロック1は、幅400〜600mm、高さ450〜650mm、長さ1000〜2000mm程度の大きさのブロックである。ブロック1の長手一端は凸連結端2とされ、他端は凹連結端3とされている。ブロックには、当該ブロックの長さ及び設置するガードレールの支柱間隔に対応する位置に当該支柱を立設するための孔4が設けられている。また、ブロックの下面には、地表面に設置した際に、当該ブロックによって雨水などが堰き止められるのを防止するためのブロックの幅方向に貫通する凹み5が設けられている。
【0024】
凸連結端2は、ブロックの幅方向中央部に鉛直方向の半円筒凸部21と、その幅方向両側に設けられた肩面22とを備えている。肩面22は、半円筒凸部21の幅方向両側に形成された平面で、半円筒凸部21側が長手方向に若干突出する方向の傾斜平面となっている。図の例では、半円筒凸部21の周面は、短い平面からなる裾面23を介して肩面22に連結されている。
【0025】
半円筒凸部21の高さ中間部に切込み24が設けられている。この切込みは、下面25がブロックの上下面と平行な水平面とされ、天井面26が半円筒凸部の先端に向かって高さが高くなる方向の斜面とされ、半円筒凸部21の軸心を超え、かつ肩面22を切り込まない深さで設けられている。従って、半円筒凸部21は、切込み24によって上方部21aと下方部21bとに分割されている。そして、上方の半円筒凸部21aには、軸心にボルト挿通孔27が設けられ、下方の半円筒凸部21bの軸心には、上方にねじ孔が開口するインサートナット28が埋設されている。ボルト挿通孔27の上端には、挿通するボルトの頭を隠すための座ぐり孔29が設けられている。
【0026】
凹連結端3は、ブロックの幅方向中央に設けた鉛直軸方向の半円筒凹部31と、ブロックの幅方向両側において、半円筒凹部31の周面に連接する当り面32とを備えている。半円筒凹部31の半径Rは、半円筒凸部21の半径rより若干大きく、例えば、半円筒凸部の半径110に対して半円筒凹部の半径が125である。
【0027】
半円筒凹部31の高さ中間部に、当該凹部の底の部分からブロックの長手方向に当該凹部の軸心まで延びる細いU字状のフック34が設けられている。このフックは、その基端がブロック1に埋設して一体化された鋼棒で、その先端の屈曲円の中心が半円筒凹部31の軸心と一致するように設けられている。
【0028】
図3及び4は、上記構造の凸連結端2と凹連結端3との連結状態を示した平面図及び断面側面図である。1個の基礎ブロック1aの凸連結端2と、隣接する基礎ブロック1bの凹連結端3とは、凹連結端のフック34を凸連結端の切込み24に、その先端の屈曲中心が半円筒凸部21の軸心に一致するまで差し込んだ状態でボルト挿通孔27に連結ボルト6を挿入してフック34を貫通したボルトの先端をインサートナット28に螺着することによって連結される。
【0029】
この連結状態において、図5に示すように、隣接するブロック1aと1bは、肩面22と当り面32とが当接するまでの範囲内において、連結ボルト6回りに回動可能であり、この回動により図6に示すように、屈曲した境界線に沿って基礎ブロックを連結配置することができる。許容される回動角は、半円筒凸部21と肩面22、及び半円筒凹部31と当り面32の位置関係によって設定することができる。
【0030】
また、図7に示すように、基礎ブロック1aと1bとは、半円筒凸部21の側面と半円筒凹部の側面とが、その上下端で当接するまでの範囲内でねじれ方向の回動が許容され、地表面のねじれに対応することができる。この回動の許容量は、半円筒凸部21の半径rと、半円筒凹部31の半径Rとの寸法差によって設定することができる。
【0031】
また、隣接するブロック1aと1bとは、図8に示すように、フック34の先端がボルト6で係止された状態で、半円筒凸部21の上端と半円筒凹部31の周面の上端とが当接するか、又は、それらの下端相互が当接するまでの範囲でブロックの幅方向の水平軸回りに回動することができ、地表面の上下方向の傾斜に対応することができる。この回動の許容量は、ねじれの場合と同様に、半円筒凸部21と半円筒凹部31の半径の差により設定することができる。
【0032】
更に隣接する基礎ブロック1aと1bとは、切込み24内でフック34が高さ方向に上下遊動できる範囲内において、高さ方向に変位することができ、地表面の僅かな凹凸に対応することができる。
【0033】
連結されたブロック相互にこのような回動や変位が若干許容されていることにより、自動車の衝突などによって、あるブロックに加わった衝撃が当該ブロックが若干変位した後、隣接するブロックに順次伝播してゆくことになり、衝撃が緩和されて、そのような衝突による危害や損傷を軽減することができる。
【0034】
図9及び10は、ガードレールの端部に設ける基礎ブロックの例で、その長手一端に凸連結端2又は凹連結端3が形成され、他端は、連結端を有しない端部となっている。このような端部の基礎ブロックには、支柱を立設するための孔4が必ず設けられる。
【0035】
図11及び12は、境界の角部に設けられる基礎ブロックの例を示した図で、図11は90度の角部に設けられる基礎ブロック11、図12は135度の角部に設けられる基礎ブロック12の例を示した平面図である。これらのブロック11、12は、その長手中間部が90度ないし135度に屈曲している点が図1、2に示した直線状のブロック1と異なるのみで、その長手両端の凸連結端2及び凹連結端3の構造は、図3、4で説明した構造と同じである。
【0036】
これらのブロック11、12は、図13に示すように、直線状のブロック1と前述した構造で順次連結することにより、角部を含む直線状ないし曲線状の境界に沿って設ける境界壁の基礎を形成する。
【0037】
なお、上記実施例は、ガードレールの支柱を立設する孔4を設けたものについて説明したが、他の構造のフェンスなどの基礎とするのであれば、そのようなフェンスを定着するためのインサートナットを上面に設けたものなど、構築しようとする境界壁の構造に応じた構造とすることができ、更には低いコンクリートの境界壁を一体に設けたブロックとすることもできる。
【符号の説明】
【0038】
1(11,12) ブロック
2 凸連結端
3 凹連結端
21 半円筒凸部
22 肩面
24 切込み
27 ボルト挿通孔
28 インサートナット
29 座ぐり孔
32 当り面
24 フック
31 半円筒凹部31
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガードレールやフェンス、工事区画を示す仮設の防護壁などの境界壁の基礎を施工する際に用いるコンクリートブロック(プレキャストコンクリート。以下「ブロック」と言う。)に関するもので、特に細長いブロックを長手方向に連結して直線及び曲線の基礎を構築するブロックの連結構造、及びそのような連結構造を備えたブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路の境界に沿って設置されるガードレールをその境界に沿って長手方向に連結した多数のブロックで構築する方法は公知である。このような基礎を構築するためのブロック(基礎ブロック)の連結構造として、特許文献1及び2に記載されたものがある。特許文献1に記載された連結構造は、長手両端が円弧状に形成され、当該両端に互いに相対して位置する複数の長孔を有するリブを備えたブロック相互を、互いのリブの長孔にボルトを貫通させ、このボルトを介して、座金及びナットでもって、それぞれ両側からリブを挟み込むように締結するというものである。
【0003】
一方、特許文献2に記載された連結構造は、対向する両端が凸円弧状に形成され、その一方の端部に上側が他方に向けて突出しかつ下面に円形凹状の嵌合凹部を有する上側突出部を備え、前記他方の端部に下側が前記一方に向けて突出しかつ上面に円形凸状の嵌合凸部を有する下側突出部を備えているブロックの当該両端を、連結されるブロック相互が前記嵌合凸部と嵌合凹部とをその嵌合部を支点として回動自在となるように嵌合し、さらに、該嵌合凹部及び嵌合凸部の中心に設けたボルト孔にボルトを挿通して連結するというものである。なお、嵌合凹部と嵌合凸部とは、上下を逆にして設けても良いものである。
【0004】
上記のような連結構造を備えた基礎ブロックは、その長手端部に設けた連結部を隣接する基礎ブロックの連結部に順次連結して境界に沿った細長い基礎を施工する。基礎ブロックには、例えばガードレール用の基礎ブロックであれば、ガードレールの支柱を立設するための丸孔が予め設けられており、基礎を施工した後、この丸孔にガードレールの支柱を立設する。
【0005】
恒久的な境界壁を構築する場合には、隣接する基礎ブロックとの連結端に形成される隙間ないし凹部にコンクリートやモルタルを流し込んで一体の基礎とする。また、仮設の境界壁の場合には、基礎ブロックを地表面に定着しないで、基礎ブロックの自重によって境界壁の位置が保持されるようにする。地表面に定着されていない境界壁、例えばガードレールに自動車が衝突したような場合には、その衝撃によって基礎ブロックが設置位置からずれるが、基礎ブロックの両端が隣接する基礎ブロックに順次連結されているため、衝撃が複数の基礎ブロックの重量ないし摩擦力で受け止められて、ガードレールの倒伏や大きな移動が生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−309594号公報
【特許文献2】特開2005−179949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の連結構造は、隣接するブロックの端部相互が複数本のボルトでしっかりと締結されるので、連結部の強度及び剛性の大きな強固な基礎を構築することができるが、連結作業が面倒で時間がかかる。また、強度や剛性が大きいことによる欠点として、自動車などが衝突したときの衝撃が大きく、自動車に与える損傷が大きい。また、一旦設置した後、設置位置をずらしたり撤去したりする際の作業も面倒である。
【0008】
一方、特許文献2に記載の連結構造によれば、隣接する基礎ブロック相互がその連結部において、鉛直軸回りの角度を自由に設定できるので、境界の角や曲がりくねった境界に沿って境界壁を構築することが容易である。しかし、隣接する基礎ブロックの端部相互が一方の端部に形成された下側突出部の上面と、他方の端部に形成された上側突出部の下面との当接及びこれらの面に形成された円形の凹部と凸部との嵌合により連結されているので、設置する地表面のねじれや上下方向の傾斜の変化に対応することが困難である。
【0009】
この発明は、上記のような従来の連結構造の問題点を解決するためになされたもので、境界壁を構築及び撤去する際の作業性に優れ、隣接する基礎ブロックとの連結部における鉛直軸回り、水平軸回り及びねじれ方向の適切な可動性を付与することが可能で、かつその連結部をコンクリートやモルタルで埋めて基礎を一体化するときに必要なコンクリートやモルタルの量も少なくて済む基礎ブロックの連結構造を得ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の基礎ブロックの連結構造は、断面が略矩形の細長いコンクリート製ブロックの長手方向の端部相互を連結する構造であって、連結しようとする端部の一方は、ブロックの幅方向中間に鉛直方向の半円筒凸部を備え、他方のブロックは、鉛直方向の半円筒凹部を備えている。以下、半円筒凸部21を備えた端部を凸連結端、半円筒凹部31を備えた端部を凹連結端という。
【0011】
凸連結端2の半円筒凸部21は、ブロック1(1、11、12)の長手端部の幅方向中央ないし中央から若干偏倚した位置に形成され、その幅方向両側の部分には、肩面22が形成されている。半円筒凸部21の半円の頂角は、180度を超える角度とする。このようにして形成した半円筒凸部21の高さ中間部には、ブロックの端部からその半凸円筒の軸心を超える深さで切り込まれた切込み24を備えている。この切込み24は、ブロック側面から見た形状が深い台形ないし片台形とするのが好ましい。
【0012】
この切込みの上下方向の幅寸法ないし台形としたときの斜辺の傾斜角により、連接したブロック相互の水平軸回り(ブロックの幅方向の水平軸回り)の許容回動角、すなわち隣接するブロック相互の上下の傾斜の変化に対応可能な角度を設定できる。
【0013】
この切込み24より上方の半円筒凸部21の軸心には、ボルト挿通孔27が上下方向に貫通している。また、この切込み24より下方の半円筒凸部の軸心には、上方に開口するインサートナット28が埋設されている。ボルト挿通孔27の上端には、座ぐり孔29が設けられており、ボルト挿通孔27の上端から挿入したボルトをインサートナット28に螺着することができるようになっている。
【0014】
凹連結端3の半円筒凹部31は、半円筒凸部21の半径より大きな半径を備え、かつその半凹円の頂角は、前記半円筒凸部の半凸円の頂角よりも小さい180度前後である。半円筒凹部31は、ブロックの端部の幅方向中央ないし中央から若干偏倚した位置に設けられ、その幅方向両側には当り面32が形成されている。半円筒凸部21の半凸円の頂角と、半円筒凹部31の半凹円の頂角との差により、連結されるブロック相互の鉛直軸回りの回動角の許容量が設定される。
【0015】
半円筒凹部31の前記切込み24に対向する位置に、当該凹円筒の軸心に向かって延びるU字状のフック34がその基端をブロック内に埋設して突設されている。このフックは、防錆処理した丸鋼で形成され、そのU字の底の円弧が半円筒凹部の軸心と中心が一致するように設けられている。
【0016】
凸連結端2と凹連結端3とは、フック34を切込み24に挿入した状態で半円筒凸部21を半円筒凹部31に挿入し、ボルト挿通孔27に上方から挿入したボルトをフック34のU字を貫通してインサートナット28に螺着することにより連結される。
【0017】
半円筒凸部21と半円筒凹部31とは、その頂角の差により鉛直軸回りの回動の自由度が制限され、また、その半径の差により上下方向の傾斜及びねじれに対する自由度が制限されている。従って、この許容した制限内で隣接するブロック相互は、境界の屈曲、地表面のねじれ及び上下方向の傾斜の差に対応でき、自動車の衝突などによって基礎ブロックの1個に衝撃が加わったとき、そのブロックが変位した後、衝撃が隣接するブロックに順次伝わるという過程で衝撃が段階的に受け止められることにより、衝突した自動車や基礎ブロックの上に設置されたガードレールなどに加わる衝撃が緩和される。
【0018】
この発明の基礎ブロックは、長手両端の一方に凸連結端2を備え、他方に凹連結端3を備えた基礎ブロックである。境界壁の端部に設ける基礎ブロックは、その長手両端の一方のみを凸連結端2又は凹連結端3としたブロックである。この発明の基礎ブロックの連結端は、当該連結端における鉛直軸回りの角度が規制されているため、境界の角部の基礎は屈折した基礎ブロックによって構築される。角部に設ける基礎ブロックの屈折角は、90度や135度など複数角度のものを用意し、その中間の角度については、屈折した基礎ブロックと、これに連接する直線の基礎ブロックの連結部における鉛直軸回りの角度の調整によって対応することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
この発明の連結構造によれば、隣接する基礎ブロックの凸連結端2と凹連結端3とをつき合わせて上方から挿通したボルト6をインサートナット28に螺着することにより連結されるので、特許文献2記載の連結構造と同様にブロックの連結作業が容易である。
【0020】
また、この発明の基礎ブロックの連結構造は、鉛直軸回り、水平軸回り及びねじれ方向の角度に対して設定した範囲内での自由度を付与しているので、設置する地表面のねじれや傾斜の変化に適宜対応することができると共に、許容された範囲でのブロックの変位によって衝撃を吸収しながら当該衝撃を隣接するブロックに伝達するという作用が発揮され、基礎ブロックを地表面に定着しないで設置した場合のガードレールのフェンスにかかる衝撃を緩和して損傷を軽減するという効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】基本形状のブロックの一例を示す平面図
【図2】同側面図
【図3】凸連結端と凹連結端との連結状態を示した平面図
【図4】同断面側面図
【図5】連結ボルト回りの回動を示す平面図
【図6】屈曲した境界線に沿って連結配置された基礎ブロックの平面図
【図7】ねじれ方向の回動を示す連結部の断面正面図
【図8】水平軸回りの回動を示す連結部の断面側面図
【図9】端部に設ける基礎ブロックの第1例を示す平面図
【図10】同第2例を示す平面図
【図11】境界の角部に設けられる基礎ブロックの第1例を示す平面図
【図12】同第2例を示す平面図
【図13】角部に設けるブロックと直線状のブロックとの連結状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、この発明の基礎ブロック及びその連結構造の実施例を説明する。
【0023】
図1及び図2は、基礎ブロックの基本形状の一例を示す平面図及び側面図で、直線及び円弧状の境界線に設置される基礎ブロックの例である。基礎ブロック1は、幅400〜600mm、高さ450〜650mm、長さ1000〜2000mm程度の大きさのブロックである。ブロック1の長手一端は凸連結端2とされ、他端は凹連結端3とされている。ブロックには、当該ブロックの長さ及び設置するガードレールの支柱間隔に対応する位置に当該支柱を立設するための孔4が設けられている。また、ブロックの下面には、地表面に設置した際に、当該ブロックによって雨水などが堰き止められるのを防止するためのブロックの幅方向に貫通する凹み5が設けられている。
【0024】
凸連結端2は、ブロックの幅方向中央部に鉛直方向の半円筒凸部21と、その幅方向両側に設けられた肩面22とを備えている。肩面22は、半円筒凸部21の幅方向両側に形成された平面で、半円筒凸部21側が長手方向に若干突出する方向の傾斜平面となっている。図の例では、半円筒凸部21の周面は、短い平面からなる裾面23を介して肩面22に連結されている。
【0025】
半円筒凸部21の高さ中間部に切込み24が設けられている。この切込みは、下面25がブロックの上下面と平行な水平面とされ、天井面26が半円筒凸部の先端に向かって高さが高くなる方向の斜面とされ、半円筒凸部21の軸心を超え、かつ肩面22を切り込まない深さで設けられている。従って、半円筒凸部21は、切込み24によって上方部21aと下方部21bとに分割されている。そして、上方の半円筒凸部21aには、軸心にボルト挿通孔27が設けられ、下方の半円筒凸部21bの軸心には、上方にねじ孔が開口するインサートナット28が埋設されている。ボルト挿通孔27の上端には、挿通するボルトの頭を隠すための座ぐり孔29が設けられている。
【0026】
凹連結端3は、ブロックの幅方向中央に設けた鉛直軸方向の半円筒凹部31と、ブロックの幅方向両側において、半円筒凹部31の周面に連接する当り面32とを備えている。半円筒凹部31の半径Rは、半円筒凸部21の半径rより若干大きく、例えば、半円筒凸部の半径110に対して半円筒凹部の半径が125である。
【0027】
半円筒凹部31の高さ中間部に、当該凹部の底の部分からブロックの長手方向に当該凹部の軸心まで延びる細いU字状のフック34が設けられている。このフックは、その基端がブロック1に埋設して一体化された鋼棒で、その先端の屈曲円の中心が半円筒凹部31の軸心と一致するように設けられている。
【0028】
図3及び4は、上記構造の凸連結端2と凹連結端3との連結状態を示した平面図及び断面側面図である。1個の基礎ブロック1aの凸連結端2と、隣接する基礎ブロック1bの凹連結端3とは、凹連結端のフック34を凸連結端の切込み24に、その先端の屈曲中心が半円筒凸部21の軸心に一致するまで差し込んだ状態でボルト挿通孔27に連結ボルト6を挿入してフック34を貫通したボルトの先端をインサートナット28に螺着することによって連結される。
【0029】
この連結状態において、図5に示すように、隣接するブロック1aと1bは、肩面22と当り面32とが当接するまでの範囲内において、連結ボルト6回りに回動可能であり、この回動により図6に示すように、屈曲した境界線に沿って基礎ブロックを連結配置することができる。許容される回動角は、半円筒凸部21と肩面22、及び半円筒凹部31と当り面32の位置関係によって設定することができる。
【0030】
また、図7に示すように、基礎ブロック1aと1bとは、半円筒凸部21の側面と半円筒凹部の側面とが、その上下端で当接するまでの範囲内でねじれ方向の回動が許容され、地表面のねじれに対応することができる。この回動の許容量は、半円筒凸部21の半径rと、半円筒凹部31の半径Rとの寸法差によって設定することができる。
【0031】
また、隣接するブロック1aと1bとは、図8に示すように、フック34の先端がボルト6で係止された状態で、半円筒凸部21の上端と半円筒凹部31の周面の上端とが当接するか、又は、それらの下端相互が当接するまでの範囲でブロックの幅方向の水平軸回りに回動することができ、地表面の上下方向の傾斜に対応することができる。この回動の許容量は、ねじれの場合と同様に、半円筒凸部21と半円筒凹部31の半径の差により設定することができる。
【0032】
更に隣接する基礎ブロック1aと1bとは、切込み24内でフック34が高さ方向に上下遊動できる範囲内において、高さ方向に変位することができ、地表面の僅かな凹凸に対応することができる。
【0033】
連結されたブロック相互にこのような回動や変位が若干許容されていることにより、自動車の衝突などによって、あるブロックに加わった衝撃が当該ブロックが若干変位した後、隣接するブロックに順次伝播してゆくことになり、衝撃が緩和されて、そのような衝突による危害や損傷を軽減することができる。
【0034】
図9及び10は、ガードレールの端部に設ける基礎ブロックの例で、その長手一端に凸連結端2又は凹連結端3が形成され、他端は、連結端を有しない端部となっている。このような端部の基礎ブロックには、支柱を立設するための孔4が必ず設けられる。
【0035】
図11及び12は、境界の角部に設けられる基礎ブロックの例を示した図で、図11は90度の角部に設けられる基礎ブロック11、図12は135度の角部に設けられる基礎ブロック12の例を示した平面図である。これらのブロック11、12は、その長手中間部が90度ないし135度に屈曲している点が図1、2に示した直線状のブロック1と異なるのみで、その長手両端の凸連結端2及び凹連結端3の構造は、図3、4で説明した構造と同じである。
【0036】
これらのブロック11、12は、図13に示すように、直線状のブロック1と前述した構造で順次連結することにより、角部を含む直線状ないし曲線状の境界に沿って設ける境界壁の基礎を形成する。
【0037】
なお、上記実施例は、ガードレールの支柱を立設する孔4を設けたものについて説明したが、他の構造のフェンスなどの基礎とするのであれば、そのようなフェンスを定着するためのインサートナットを上面に設けたものなど、構築しようとする境界壁の構造に応じた構造とすることができ、更には低いコンクリートの境界壁を一体に設けたブロックとすることもできる。
【符号の説明】
【0038】
1(11,12) ブロック
2 凸連結端
3 凹連結端
21 半円筒凸部
22 肩面
24 切込み
27 ボルト挿通孔
28 インサートナット
29 座ぐり孔
32 当り面
24 フック
31 半円筒凹部31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の端部に連結部を備え、当該連結部を隣接するブロックの対向する連結部に順次連結することにより地表面の境界に沿ってガードレールその他の境界壁を形成する際の基礎を構築する連結形基礎ブロックの連結構造であって、
隣接するブロック相互の長手対向端部に設けられる連結部の一方が、
鉛直方向の軸心を備えた半円筒凸部と、当該半円筒凸部の両側に位置する肩面と、前記半円筒凸部の高さ中間部に当該半円筒の軸心を超える深さでブロック端部から切り込まれた水平方向の切込みと、当該切込みより上方の前記軸心に設けたボルト挿通孔と、前記切込みより下方の前記軸心に設けたインサートナットとを備えた凸連結端とされ、
前記連結部の他方が、
鉛直方向の軸心を備えた半円筒凹部と、当該半円筒凹部の両側に位置する鉛直平面からなる当り面と、前記切込みに挿入される高さ位置にブロックの長手方向に突設されたU字フックとを備えた凹連結端とされ、
前記切込みに隣接するブロックのU字フックを挿入して前記ボルト挿通孔に挿通したボルトを当該フックのU字を貫通して前記インサートナットに螺着することにより、前記凸連結端と凹連結端とが連結される、基礎ブロックの連結構造。
【請求項2】
連結されたブロックの長手方向を同一方向にしたときに隣接するブロックの連結部における前記肩面の鉛直平面と当たり面とが離隔するように当該肩面と当たり面とが形成され、肩面と当り面とが当接するまでの範囲内で隣接するブロック相互が前記連結ボルト回りに回動可能に連結される、請求項1記載の連結構造。
【請求項3】
連結されたブロックの長手方向を同一方向にして前記U字フックの内側先端と当該U字に挿通されている連結ボルトとを当接させたときに、隣接するブロックの連結部における前記半円筒凸部の周面と半円筒凹部の周面とが離隔するように当該半円筒凸部と半円筒凹部とが形成され、当該半円筒凸部と半円筒凹部との上下端相互が当接するまでの範囲内で隣接するブロック相互が長手方向の軸回り及び幅方向の軸回りに回動可能に連結される、請求項1又は2記載の連結構造。
【請求項4】
長手方向の一端に前記凸連結端を備え、他端に前記凹連結端を備えている、長手方向に隣接するブロック相互が請求項1、2又は3記載の連結構造で連結される、基礎ブロック。
【請求項1】
長手方向の端部に連結部を備え、当該連結部を隣接するブロックの対向する連結部に順次連結することにより地表面の境界に沿ってガードレールその他の境界壁を形成する際の基礎を構築する連結形基礎ブロックの連結構造であって、
隣接するブロック相互の長手対向端部に設けられる連結部の一方が、
鉛直方向の軸心を備えた半円筒凸部と、当該半円筒凸部の両側に位置する肩面と、前記半円筒凸部の高さ中間部に当該半円筒の軸心を超える深さでブロック端部から切り込まれた水平方向の切込みと、当該切込みより上方の前記軸心に設けたボルト挿通孔と、前記切込みより下方の前記軸心に設けたインサートナットとを備えた凸連結端とされ、
前記連結部の他方が、
鉛直方向の軸心を備えた半円筒凹部と、当該半円筒凹部の両側に位置する鉛直平面からなる当り面と、前記切込みに挿入される高さ位置にブロックの長手方向に突設されたU字フックとを備えた凹連結端とされ、
前記切込みに隣接するブロックのU字フックを挿入して前記ボルト挿通孔に挿通したボルトを当該フックのU字を貫通して前記インサートナットに螺着することにより、前記凸連結端と凹連結端とが連結される、基礎ブロックの連結構造。
【請求項2】
連結されたブロックの長手方向を同一方向にしたときに隣接するブロックの連結部における前記肩面の鉛直平面と当たり面とが離隔するように当該肩面と当たり面とが形成され、肩面と当り面とが当接するまでの範囲内で隣接するブロック相互が前記連結ボルト回りに回動可能に連結される、請求項1記載の連結構造。
【請求項3】
連結されたブロックの長手方向を同一方向にして前記U字フックの内側先端と当該U字に挿通されている連結ボルトとを当接させたときに、隣接するブロックの連結部における前記半円筒凸部の周面と半円筒凹部の周面とが離隔するように当該半円筒凸部と半円筒凹部とが形成され、当該半円筒凸部と半円筒凹部との上下端相互が当接するまでの範囲内で隣接するブロック相互が長手方向の軸回り及び幅方向の軸回りに回動可能に連結される、請求項1又は2記載の連結構造。
【請求項4】
長手方向の一端に前記凸連結端を備え、他端に前記凹連結端を備えている、長手方向に隣接するブロック相互が請求項1、2又は3記載の連結構造で連結される、基礎ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−2175(P2013−2175A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135548(P2011−135548)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【特許番号】特許第4949530号(P4949530)
【特許公報発行日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(393028128)山形新興株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【特許番号】特許第4949530号(P4949530)
【特許公報発行日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(393028128)山形新興株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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