説明

報知装置及び方法

【課題】ユーザの移動状況に基づく報知の確実性を高めることが可能な報知技術を提供する。
【解決手段】状況推定部51は、ユーザの移動状況を推定する。移動パターン推定部52は、移動状況の履歴に基づいて、移動パターンを状況推定成功確率と対応付けて移動パターンテーブル57に記憶させる。アラーム条件テーブル58は、報知を行う報知状況を報知タイミングと対応つけてアラーム条件として記憶し、アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム条件によって表される報知状況を表す移動パターンと対応付けて記憶された状況推定成功確率を用いて、当該アラーム条件によってアラームを正しく鳴らすことができるアラーム条件成功確率を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの状況を推定し、推定した状況に応じて報知を行う報知装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS(Global Positioning System)や加速度センサなどのセンサから得られた情報を用いて、ユーザの移動状況を推定して、備忘録機能としてToDo通知を行ったり、乗り過ごしを防止するための報知を行ったりするシステムがある。例えば、特許文献1には、移動速度に基づいて移動距離を算出して目的地への到着を推定し、報知を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−268891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、GPSや加速度センサなどのセンサから得られる情報は必ずしも完全ではなく、またその情報から推定されるユーザの移動状況も必ずしも完全でない。このため、推定されたユーザの移動状況に基づく報知は、確実には行われない恐れがあった。例えば、ユーザの移動状況として、「二子玉川駅で降りる」や「渋谷で降りる」などの状況を推定する場合がある。これより更に高度な推定として、例えば、「二子玉川駅で降りる5分前」や「渋谷でバスから降りたとき」などの移動状況の推定が必要な場合がある。このような高度な推定が必要とされる場合には、報知が確実に行われないことが多くなる。従って、ユーザの移動状況として高度な推定が必要とされる場合にも、ユーザの移動状況に基づく報知の確実性を高めることが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの移動状況に基づく報知の確実性を高めることが可能な報知装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、本発明は、ユーザの移動に関する移動状況に応じて報知を行う報知装置であって、前記移動状況を推定する状況推定部と、前記移動状況の履歴に基づいて、当該移動状況を表す情報を当該移動状況の推定に成功する第1確率と対応付けて記憶する第1記憶部と、報知を行う報知状況を表す報知状況情報をその報知タイミングと対応付けて記憶する第2記憶部と、前記報知状況情報が表す前記報知状況と同じ前記移動状況を表す前記移動状況情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該移動状況情報と対応付けて記憶された前記第1確率を用いて、当該移動状況が発生する場合に前記報知タイミングで報知を行うことが成功する第2確率を算出する確率算出部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ユーザの移動に関する移動状況に応じて報知を行う報知装置で実行される報知方法であって、前記報知装置は、状況推定部と、第1記憶制御部と、第2記憶制御部と、確率算出部とを備え、前記状況推定部が、前記移動状況を推定するステップと、前記第1記憶制御部が、前記移動状況の履歴に基づいて、当該移動状況を表す情報を当該移動状況の推定に成功する第1確率と対応付けて第1記憶部に記憶させるステップと、前記第2記憶制御部が、報知を行う報知状況を表す報知状況情報をその報知タイミングと対応付けて第2記億部に記憶させるステップと、前記確率算出部が、前記報知状況情報が表す前記報知状況と同じ前記移動状況を表す前記移動状況情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該移動状況情報と対応付けて記憶された前記第1確率を用いて、当該移動状況が発生する場合に前記報知タイミングで報知を行うことが成功する第2確率を算出するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの移動状況に基づく報知の確実性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態にかかる携帯電話端末50の機能的構成を例示する図である。
【図2】同実施の形態にかかる移動パターンテーブルを例示する図である。
【図3】同実施の形態にかかるアラーム設定/代替案提示UI54により表示部に表示される画面を例示する図である。
【図4】同実施の形態にかかるアラーム条件テーブルを例示する図である。
【図5】同実施の形態にかかる代替アラーム条件が記録されたアラーム条件テーブルを例示する図である。
【図6】同実施の形態にかかる移動パターンを生成する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】同実施の形態にかかるアラーム条件を記録する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】同実施の形態にかかるアラーム設定/代替案提示UI54により表示部に表示される画面を例示する図である。
【図9】同実施の形態にかかるアラーム設定/代替案提示UI54により表示部に表示される画面を例示する図である。
【図10】同実施の形態にかかるアラーム部にアラーム音を発生させる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる報知装置及び方法を適用した携帯電話端末の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(1)構成
ここで、携帯電話端末のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の携帯電話端末は、制御部と、記憶部と、通信制御部と、表示部と、操作入力部と、アラーム部と、加速度センサと、GPS情報受信部とを備える。制御部は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、装置全体を制御する。また、制御部は、現在の時刻を計時する計時機能を有する。記憶部は、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disc Drive)などから構成される。表示部は、制御部の制御の下、情報を表示する。操作入力部は、操作キーや操作ボタンから構成され、ユーザの指示入力を受け付ける。通信制御部は、基地局との通信を制御する。アラーム部は、アラーム音を発生させる。加速度センサは、当該携帯電話端末の加速度を計測する。加速度センサは、例えば、XYZの3軸それぞれの方向に対する加速度を計測する3軸加速度センサや、2軸や1軸のみの方向に対する加速度を計測する加速度センサであっても良い。加速度を計測する型式は、ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型のいずれであっても良いし、動電式、歪みゲージ式、圧電式のいずれであっても良い。GPS情報受信部は、GPS衛星からGPS情報を受信し、緯度及び経度により当該携帯電話端末の位置を表す位置情報を得る。
【0012】
次に、このようなハードウェア構成において、携帯電話端末のCPUが記憶装置や外部記憶装置に記憶された各種プログラムを実行することにより実現される各種機能について説明する。図1は、携帯電話端末50の機能的構成を例示する図である。携帯電話端末50は、状況推定部51と、移動パターン推定部52と、アラーム条件成功確率算出部53と、アラーム設定/代替案提示UI(user interface)54と、アラーム制御部55と、ユーザ設定POI(Point of Interest/施設情報)データテーブル56と、移動パターンテーブル57と、アラーム条件テーブル58とを有する。状況推定部51と、移動パターン推定部52と、アラーム制御部55と、アラーム条件成功確率算出部53とは、CPUのプログラム実行時にRAMなどの記憶部上に生成されるものである。ユーザ設定POIデータテーブル56と、移動パターンテーブル57と、アラーム条件テーブル58とは、HDDなどの記憶部に記憶されるものである。
【0013】
ユーザ設定POIデータテーブル56は、ユーザ設定POIデータを記憶する。ユーザ設定POIデータとは、ユーザがPOIについて予め設定したデータであり、例えば、POI名、その位置を緯度及び経度により表すPOI位置情報及び対象とするPOIへの距離を表すPOI距離情報を含む。
【0014】
状況推定部51は、上述したGPS受信部及び加速度センサを定期的に駆動させ、GPS情報受信部から位置情報を取得すると共に、加速度を表す加速度情報を加速度センサから取得して、位置情報及び加速度情報に基づいて、ユーザの移動に関する移動状況を推定する。尚、状況推定部51は、位置情報を取得する際には、GPS情報受信部が位置情報の取得に成功したか否かを表す取得成否情報もGPS情報受信部から取得する。
【0015】
ユーザの移動状況の推定として、現在地POIコンテクスト、目的地POIコンテクスト、移動速度コンテクスト及び移動手段コンテクストを状況推定部51は推定する。具体的には、状況推定部51は、取得した位置情報と、ユーザ設定POIデータテーブル56に記憶されたユーザ設定POIデータとを用いて、ユーザが現在どのPOIの近くにいるかを表す現在地POIコンテクストを推定し、位置情報の推移から、ユーザがどのPOIに向かっているかを表す目的地POIコンテクストを推定する。また、状況推定部51は、位置情報の推移及び加速度情報を用いて、ユーザの現在の移動速度を表す移動速度コンテクストを推定する。更に、状況推定部51は、加速度情報を用いて、ユーザが静止しているか、乗り物に乗っているか、歩いているか、走っているかなどの移動状態を表す移動手段コンテクストを推定する。そして、状況推定部51は、以上のように推定した現在地POIコンテクスト、目的地POIコンテクスト、移動速度コンテクスト及び移動手段コンテクストをユーザの移動状況を表す情報として移動パターン推定部52及びアラーム制御部55に送る。このとき、状況推定部51は、これらの各コンテクストの推定に成功したか否かを表す推定成否情報も移動パターン推定部52に送る。尚、各コンテクストの推定の成否については、例えば以下のようにして状況推定部51は判断する。状況推定部51は、上述した位置情報に関する取得成否情報を用いてコンテクストの推定の成否を判断したり、加速度情報からニューラルネットワークなどのシステムによって、推定された各コンテクストについてその確からしさを表す確率(推定成功確率という)と共に出力したり、推定された移動速度が異常な変動をみせた場合は失敗と判断するなどの条件を用いたりして、コンテクストの推定の成否を判断する。例えば、加速度情報は、加速度を統計処理した結果、確率表現による移動手段コンテクストとして、歩行の可能性が84%、走行の可能性が10%など、推定される移動手段コンテクストとその確率が得られる。
【0016】
移動パターン推定部52は、状況推定部51が推定したユーザの移動状況の履歴に基づいて、ユーザの日々の行動の中で繰り返し現れる、あるPOIを出発地とし他のPOIを目的地とする移動をパターン(移動パターンという)として推定し、推定した移動パターンを上述の推定成功確率と共に移動パターンテーブル57に記録する。具体的には、移動パターン推定部52は、ユーザの移動状況を表す情報として状況推定部51から送られた現在地POIコンテクスト、目的地POIコンテクスト、移動速度コンテクスト及び移動手段コンテクストを用いて、図2に例示されるように、移動パターンとして、出発地のPOI及び目的地のPOIと、その移動に用いる移動手段と、その移動にかかる所要時間又は所要時間の分布と、その移動における現在地POIコンテクストの推定成功確率(現在地POI推定成功確率という)の時間毎の遷移と、目的地POIコンテクストの推定成功確率(目的地POI推定成功確率という)の時間毎の遷移と、移動速度コンテクストの推定成功確率(移動速度推定成功確率という)の時間毎の遷移と、移動手段コンテクストの推定成功確率(移動手段推定成功確率という)の時間毎の遷移とを移動パターンテーブル57に記録する。尚、各コンテクストの推定成功確率については、所定の時間(5分など)内の推定成功確率の平均を所定の時間毎に算出したり、成功回数や失敗回数から成功確率を算出したりすることで移動パターン推定部52は算出する。この推定成功確率の値が「0」である場合とは、例えば、電車が地下を走行しているためにGPS衛星からのGPS情報を受信できず、位置情報を用いた推定が行えない場合などである。移動パターンテーブル57は、移動パターン推定部52が推定した移動パターンを記憶する。
【0017】
アラーム設定/代替案提示UI54は、ある状況においてアラームを鳴らすためのアラーム条件をユーザに設定させるインターフェースであり、例えば、表示部に表示される画面により実現される。この画面において、ユーザは、アラーム条件として、時間帯、曜日、場面、報知タイミングなどの各項目を設定する。尚、場面とは、アラームを鳴らす報知状況を表し、場所情報及び移動手段情報を含む。場所情報は、あるPOI、もしくはあるPOI(出発地)から他のPOI(目的地)への移動として表される。移動手段情報は、ある移動手段、もしくはある移動手段から他の移動手段への遷移として表される。
【0018】
図3は、アラーム設定/代替案提示UI54により表示部に表示される画面を例示する図である。同図に示される名前は、その条件を識別するためのものであり、ユーザがアラーム条件を再度設定するときなどに設定しやすくするためにつけられるものである。時間帯、曜日は、アラームを鳴らす時間帯及び曜日を設定するためのものである。場面は、アラームを鳴らす対象の報知状況として、場所情報及び移動手段情報を設定するためのものである。報知タイミングは、アラームを鳴らす対象の報知状況においてアラームを実際に鳴らすタイミングとして、目的地への到着何分前か、もしくは目的地からの出発後何分か、目的地に到着したその時又は出発地から出発したその時かなどを設定するためのものである。尚、これらの各項目全てを設定する必要はなく、一部の項目を設定するだけでも良い。
【0019】
以上のようにして設定されるアラーム条件をアラーム設定/代替案提示UI54はアラーム条件成功確率算出部53に送る。また、アラーム設定/代替案提示UI54は、以下に説明するアラーム条件成功確率算出部53の制御の下、代替アラーム条件を表示部に表示させる。
【0020】
図1の説明に戻る。アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム設定/代替案提示UI54からアラーム条件が送られると、これをアラーム条件テーブル58に記録する。図4は、アラーム条件テーブル58を例示する図である。アラーム条件テーブル58には、各アラーム条件について、名前、時間帯、曜日、場面及び報知タイミングが記録される。そして、アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム条件の各項目のうち場面を参照して、アラームを鳴らす対象の移動パターンを移動パターンテーブルから検索し、検索された移動パターンにおける現在地POI推定成功確率、目的地POI推定成功確率、移動速度コンテクスト推定成功確率及び移動手段コンテクスト推定成功確率のうち少なくとも1つを用いて、アラームを正しく鳴らすことができる確率、即ち、アラーム条件によって表される報知状況が発生した場合に当該アラーム条件によって表される報知タイミングでアラームを鳴らすことが成功する確率(アラーム条件成功確率という)がどの程度あるかを判断する。アラーム条件成功確率が閾値より小さい場合、アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム条件成功確率が閾値より大きく且つ当該アラーム条件の代替となる他のアラーム条件(代替アラーム条件という)があるか否かを解析して、解析結果に応じて、代替アラーム条件を生成する。アラーム条件成功確率の算出及び代替アラーム条件の生成については後述の動作欄で詳述する。そして、アラーム条件成功確率算出部53は、生成した代替アラーム条件をアラーム設定/代替案提示UI54に送る。アラーム設定/代替案提示UI54が上述したように代替アラーム条件を画面に表示させ、当該画面において当該代替アラーム条件を承認する操作入力が操作入力部を介してなされた場合、アラーム条件成功確率算出部53は、当該代替アラーム条件をアラーム条件テーブル58に記録する。
【0021】
アラーム条件テーブル58は、ユーザによって設定されたアラーム条件や、アラーム条件成功確率算出部53が生成した代替アラーム条件を記憶する。図5は、ユーザによって設定されたアラーム条件と共に代替アラーム条件が記録されたアラーム条件テーブル58を例示する図である。同図においては、図4の1行目に示したアラーム条件に対して生成された代替アラーム条件が、その下の行に示されている。
【0022】
アラーム制御部55は、アラーム部を制御するものであり、アラーム条件テーブル58に記録された、代替アラーム条件を含むアラーム条件と、ユーザの移動状況を表す情報として状況推定部51から送られた各コンテクストとを照合して、アラーム条件の成立に応じて、アラーム部にアラーム音を発生させる。
【0023】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる携帯電話端末50の行う処理の手順について説明する。本実施の形態においては、携帯電話端末50は、移動パターン推定部52及び状況推定部51の機能により、ユーザの移動状況に応じた移動パターンを記録する処理と、アラーム条件成功確率算出部53及びアラーム設定/代替案提示UI54の機能により、アラーム条件を記録する処理と、アラーム制御部55及び状況推定部51の機能により、ユーザの移動状況及びアラーム条件に応じてアラーム部にアラーム音を実際に発生させる処理とを行う。ここでは、まず、移動パターンを生成する処理の手順について図6を用いて説明する。
【0024】
移動パターン推定部52は、現在地POIコンテクスト、目的地POIコンテクスト、移動速度コンテクスト及び移動手段コンテクストがユーザの移動状況を表す情報として状況推定部51から送られると、まず現在地POIコンテクストによって、現在地がPOIであると判断できる程度に十分近いか否かを判断する(ステップS1)。十分近いと判断した場合(ステップS1:YES)、移動パターン推定部52は、そのPOIを出発地とする移動パターンの記録を開始する(ステップS2)。記録先は例えばRAMなどの記憶部である。また、移動パターン推定部52は、現在地POI推定成功確率と、目的地POI推定成功確率と、移動速度コンテクスト推定成功確率と、移動手段コンテクスト推定成功確率とを状況推定部51から受け取ると、これらを所定の時間毎に時系列で記録する(ステップS3)。移動パターン推定部52は、現在地POIコンテクスト及び目的地POIコンテクストによって、出発地以外の他のPOIにユーザが十分接近したと判断できるまで、各コンテクストに関する推定成否情報を時系列で記録する。そして、ユーザが他のPOIに十分接近し、そのPOIに到着したと判断した場合(ステップS4:YES)、移動パターン推定部52はその移動を移動パターンとして移動パターンテーブル57に記録する(ステップS5)。尚、移動パターンテーブル上に同じ移動パターンが既に記録されている場合は、移動パターン推定部52は、当該移動パターンについて、所要時間及び各推定成功確率を更新したり追加したりする。
【0025】
次に、アラーム条件を記録する処理の手順について図7を用いて説明する。ユーザが設定したアラーム条件がアラーム設定/代替案提示UI54により送られると、これをアラーム条件テーブル58に記録する(ステップS20)。次いで、アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム条件の各項目のうち場面を参照して、アラームを鳴らす対象の移動パターンを移動パターンテーブル57から検索する(ステップS21)。そして、アラーム条件成功確率算出部53は、検索の結果該当する移動パターンにおける現在地POI推定成功確率、目的地POI推定成功確率、移動速度コンテクスト推定成功確率及び移動手段コンテクスト推定成功確率のうち少なくとも1つを取得し(ステップS22)、これを用いて、アラーム条件成功確率を算出する(ステップS23)。具体的には、アラーム条件成功確率算出部53は以下のようにしてアラーム条件成功確率を算出する。
(a)場面に含まれる場所情報が単一のPOIを表している場合、そのPOIが目的地又は出発地として含まれている移動パターンについて当該POIに関する推定成功確率、即ち、現在地POI推定成功確率又は目的地POI推定成功確率を用いて、アラーム条件成功確率を求める。
(b)場面に含まれる場所情報が2つのPOI間の移動を表している場合、一方のPOIが目的地として含まれ他方のPOIが出発地として含まれる移動パターンについて、現在地POI推定成功確率、目的地POI推定成功確率及び移動速度推定成功確率を用いて、アラーム条件成功確率を求める。例えば、現在地POI推定成功確率、目的地POI推定成功確率及び移動速度推定成功確率を掛け合わせることにより、アラーム条件成功確率を求める。
(c)場面に移動手段が含まれている場合、当該移動手段が含まれる移動パターンについて移動手段推定成功確率を用いて、アラーム条件成功確率を求める。
【0026】
そして、アラーム条件成功確率算出部53は、以上のようにして求めたアラーム条件成功確率が閾値より大きいか否かを判断する(ステップS24)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS24:YES)、アラーム条件成功確率算出部53は処理を終了する。当該判断結果が否定的である場合(ステップS24:NO)、アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム設定/代替案提示UI54を介して、当該アラーム条件の成功確率が低いことを通知する警告メッセージを表示装置に表示させる(ステップS25)。
【0027】
例えば、図3に示されるアラーム条件においては、出発地が「渋谷」、目的地が「二子玉川」、移動手段が「電車」、報知タイミングが「到着5分前」として各々設定されているが、渋谷から二子玉川へ電車で移動中の場合、到着5分前というのは地下である可能性が高いため、GPS情報を受信できない可能性が高い。このため、アラーム成功確率が所定の値より小さくなる可能性が高い。このような場合、アラーム条件成功確率算出部53は、アラーム設定/代替案提示UI54を介して、例えば図8に示されるように、ユーザの設定したアラーム条件J1を上部に表示させ、そのアラーム条件J1の成功確率が低いことをその理由と共に警告メッセージとして下部に表示させる。
【0028】
図6の説明に戻る。次いで、アラーム条件成功確率算出部53は、当該アラーム条件の代替となる他のアラーム条件(代替アラーム条件)があるか否かを解析して(ステップS26)、代替アラーム条件があると解析した場合(ステップS26:YES)、代替アラーム条件を生成する(ステップS27)。具体的には、例えば以下のようにしてアラーム条件成功確率算出部53は代替アラーム条件を生成する。
(d)アラーム条件の各項目のうち報知タイミングとして「到着n分前」という形態で設定されている場合、その移動パターンの対応する時間帯における目的地POI推定成功確率などが閾値以下であるために到着直前の移動状況の推定が困難であり、かつ出発地での現在地POI推定成功確率が閾値より大きく、出発地の推定を正しく行えると解析した場合、移動パターンテーブル57に記録された移動パターンのうち当該移動パターンと同一の移動パターンにおける所要時間の平均を用いて、「到着n分前」が「出発後m分」に相当するかを算出する。そして、報知タイミングを「出発後m分」に替えた代替アラーム条件を生成する。(e) アラーム条件の各項目のうち移動手段についてその変化が設定されているが、その周辺時間での移動手段コンテクスト推定成功確率が閾値より小さいと解析した場合、場面において移動手段を含まない代替アラーム条件を生成する。
また、アラーム条件成功確率算出部53は、場面において、目的地を含まないようにして代替アラーム条件を生成しても良い。
【0029】
例えば、図4の1行目に示されるアラーム条件については、場面の設定として、出発地を「渋谷」、移動手段を「電車」として設定して、目的地を設定せず、更に、報知タイミングを「出発20分後」として設定した代替アラーム条件をアラーム条件成功確率算出部53は生成する。渋谷から二子玉川へ電車で移動する場合の所要時間は図2にも示したように「20〜30分」であるから、二子玉川へ到着する5分前と、渋谷を出発してから20分後とは略同じタイミングとなる。出発地である渋谷ではGPS情報を受信できる可能性は高いため、当該代替アラーム条件によれば、アラームを正しく鳴らすことができる可能性は高くなる。
【0030】
アラーム条件成功確率算出部53は、以上のようにして生成した代替アラーム条件をアラーム設定/代替案提示UI54を介して表示部に表示させると、例えば図9に示される画面が表示される。同図に示されるように、先に設定されたアラーム条件J1に対し、代替アラーム条件J2が表示される。また、この代替アラーム条件J2を承認するか否かを入力させるための入力ボタンBT1,BT2が表示される。この画面において当該代替アラーム条件を承認する入力BT1を押下する操作入力が操作入力部を介してなされた場合(ステップS28:YES)、アラーム条件成功確率算出部53は、当該代替アラーム条件をアラーム条件テーブル58に記録する(ステップS29)。例えば、図5に示されるように、図8に例示した画面において表示された代替アラーム条件について、時間帯、曜日、場面、報知タイミングが記録される。その後、アラーム条件成功確率算出部53は処理を終了する。図6の説明に戻り、ステップS24の判断結果が肯定的である場合及びS26,S28の判断結果が否定的である場合も、アラーム条件成功確率算出部53は処理を終了する。
【0031】
次に、以上のようにしてアラーム条件テーブル58に記録された、代替アラーム条件を含むアラーム条件と、ユーザの移動状況を表す情報として状況推定部51から送られた各コンテクストとを用いて、アラーム部にアラーム音を発生させる処理の手順について図10を用いて説明する。アラーム制御部55は、アラーム条件テーブル58に記録されたアラーム条件について1つずつ以下のチェック処理を行う。まず、アラーム制御部55は、アラーム条件を1つ読み出し(ステップS41)、当該アラーム条件の各項目のうち時間帯と、制御部により計時される現在時刻とを照合して、当該時間帯が現在の時間帯と一致するか否かを判断する(ステップS42)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS42:YES)、アラーム制御部55は、当該アラーム条件の各項目のうち曜日が、現在の曜日と一致するか否かを判断する(ステップS43)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS43:YES)、アラーム制御部55は、当該アラーム条件の各項目のうち場面と、ユーザの移動状況を表す情報として状況推定部51から送られた現在地POIコンテクスト、目的地POIコンテクスト、移動速度コンテクスト及び移動手段コンテクストとを照合して、当該場面が現在のユーザの移動状況と一致するか否かを判断する(ステップS44)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS44:YES)、アラーム制御部55は、当該アラーム条件の各項目のうち報知タイミングが「到着n分前」の形態で設定されているか否かを判断する(ステップS45)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS45:YES)、アラーム制御部55は、移動速度コンテクストを用いて、目的地である目的地のPOIに到着するまでの時間(到着予測時間という)を算出する(ステップS46)。そして、アラーム制御部55は、現在時刻が、算出した到着予測時間から、「到着n分前」において設定された「n」分前であるか否かを判断する(ステップS47)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS47:YES)、アラーム制御部55は、アラーム部にアラーム音を発生させる(ステップS51)。
【0032】
一方、ステップS45の判断結果が否定的である場合(ステップS45:NO)、即ち、当該アラーム条件の各項目のうち報知タイミングが「出発後m分」の形態で設定されている、目的地に到着した「その時」又は出発地から出発した「その時」として設定されている場合、アラーム制御部55は、当該アラーム条件の各項目のうち出発地が、現在地POIコンテクストと一致するか否かを判断する(ステップS48)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS48:YES)、アラーム制御部55は、当該アラーム条件の各項目のうち報知タイミングが「出発後m分」の形態で設定されているか否かを判断する(ステップS49)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS49:YES)、アラーム制御部55は、m分後にアラーム音を発生させるようにアラーム部を制御して(ステップS50)、ステップS40に戻る。当該アラーム条件の各項目のうち報知タイミングが、目的地に到着した「その時」又は出発地から出発した「その時」として設定されている場合は(ステップS49:NO)、ステップS51に進み、アラーム部にアラーム音を発生させる。ステップS42〜S44,S47の判断結果が否定的である場合には、ステップS40に戻る。ステップS40では、アラーム制御部55は、アラーム条件テーブル58に記録された全てのアラーム条件についてチェック処理が終了したか否かを判断し、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS40:YES)、処理を終了する。
【0033】
以上のようにして、ユーザの日常生活における移動において、加速度センサからの加速度情報やGPS情報に関して取得が成功したか否かに基づいて、ユーザの移動に関する移動状況を表す情報としての各コンテクストの推定成功確率を時間毎に記録する。そして、当該推定成功確率に基づいて、アラーム条件によってアラームを正しく鳴らすことができるアラーム条件成功確率を算出し、当該アラーム条件成功確率が低い場合には、当該アラーム条件の代替となる代替アラーム条件を生成する。このようなアラーム条件によってアラームを鳴らすことにより、ユーザの移動状況を推定するための加速度情報やGPS情報の取得が不完全であったとしても、アラームを正しく鳴らすことが可能になる。このため、ユーザの移動状況に応じてアラームを鳴らす機能としてより実用的な機能を提供することができる。
【0034】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0035】
上述した実施の形態において、携帯電話端末50で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0036】
上述した実施の形態においては、本発明にかかる報知装置及び方法を携帯電話端末について説明したが、例えば、PDAなど、携帯電話端末以外のさまざまな装置に対して適用することができる。さらには、GPS情報受信部及び加速度センサを備えた機器と通信可能なPCやサーバなどの機器に対して適用しても良い。
【0037】
上述した実施の形態において、移動パターン推定部52は、同一の移動パターンについて移動パターンテーブル57に記録された回数を記録し、当該回数が所定の回数以上の移動パターンのみを実際に処理に用いる移動パターンとして、回数が所定の回数より小さい移動パターンと区別して移動パターンテーブル57に記録するようにしても良い。
【0038】
上述の実施の形態においては、携帯電話端末50は、アラームを鳴らす、即ち、アラーム音を発生させることにより報知を行ったが、これに限らない。例えば、携帯電話端末50は、発光体を備え、これをアラームとして発光や点灯させるようにしても良いし、振動体を備え、これをアラームとして振動させるようにしても良いし、また、アラーム条件が成立した旨を示す報知メッセージを表示部に表示させるようにしても良い。
【0039】
また、アラーム条件として設定されるものは上述のものに限らず、例えば、アラーム条件の成立時に表示部に表示させる通知メッセージを設定できるようにしても良い。
【0040】
上述した実施の形態においては、携帯電話端末50は、代替アラーム条件をアラーム条件テーブル58に記録する際、アラーム設定/代替案提示UI54を介してユーザの承認を求め、代替アラーム条件に対して承認するユーザの操作入力があった場合に、代替アラーム条件をアラーム条件テーブル58に記録するように構成した。しかし、代替アラーム条件に対して承認するユーザの操作入力が入力されなくても、携帯電話端末50が、アラーム代替条件をアラーム条件テーブル58に記録するように構成しても良い。
【0041】
上述した実施の形態においては、アラーム設定/代替案提示UI54は、表示部に表示される画面により実現されるようにした。しかし、これに限らず、携帯電話端末50は、例えば、音声が入力される音声入力部や音声を出力する音声出力部を備え、アラーム設定/代替案提示UI54は、音声出力部から出力される音声や音声入力部から入力される音声により実現されるようにしても良い。例えば、携帯電話端末50は、音声入力部から入力される音声の内容に従って、アラーム条件を設定したり、当該アラーム条件を音声で読み上げたりしても良い。
【0042】
また、アラーム条件の代替となる代替アラーム条件をアラーム条件テーブル58に新たに記録するのではなく、アラーム条件テーブル58に既に記録されている当該アラーム条件を代替アラーム条件に変更するようにしても良い。
【0043】
上述した実施の形態においては、携帯電話端末50は、ユーザが設定したアラーム条件のアラーム条件成功確率が閾値以下である場合に、代替アラーム条件を生成するようにした。しかし、携帯電話端末50は、代替アラーム条件を生成せずに、例えば、アラーム設定/代替案提示UI54を介して当該アラーム条件成功確率を表示部に表示させ、ユーザ自身に代替アラーム条件を設定させるようにしても良い。
【0044】
上述した実施の形態においては、アラーム条件成功確率及び各コンテクストの推定成功確率と各々比較する閾値は、全て同じ値であっても良いし、一部が異なる値であっても良いし、各々異なる値であっても良い。また、これらの閾値は、固定の値であっても良いし、可変の値であっても良い。
【0045】
上述した実施の形態においては、アラーム条件成功確率算出部53は、代替アラーム条件を生成する際に、代替アラーム条件の候補となるアラーム条件について、アラーム条件成功確率を算出して、当該アラーム条件成功確率が閾値より大きい場合に、当該代替アラーム条件を代替アラーム条件として、アラーム設定/代替案提示UI54を介して表示部に表示させたり、アラーム条件テーブル58に記録させたりするようにしても良い。また、代替アラーム条件の候補となるアラーム条件についてのアラーム条件成功確率が閾値以下であっても、代替される元のアラーム条件のアラーム条件成功確率より大きければ、代替アラーム条件の候補となるアラーム条件を代替アラーム条件として、アラーム設定/代替案提示UI54を介して表示部に表示させたり、アラーム条件テーブル58に記録させたりするようにしても良い。
【符号の説明】
【0046】
50 携帯電話端末
51 状況推定部
52 移動パターン推定部
53 アラーム条件成功確率算出部
54 アラーム設定/代替案提示UI
55 アラーム制御部
56 ユーザ設定POIデータテーブル
57 移動パターンテーブル
58 アラーム条件テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの移動に関する移動状況に応じて報知を行う報知装置であって、
前記移動状況を推定する状況推定部と、
前記移動状況の履歴に基づいて、当該移動状況を表す移動状況情報を当該移動状況の推定に成功する第1確率と対応付けて記憶する第1記憶部と、
報知を行う報知状況を表す報知状況情報をその報知タイミングと対応付けて記憶する第2記憶部と、
前記報知状況情報が表す前記報知状況と同じ前記移動状況を表す前記移動状況情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該移動状況情報と対応付けて記憶された前記第1確率を用いて、当該報知状況が発生する場合に前記報知タイミングで報知を行うことが成功する第2確率を算出する確率算出部とを備える
ことを特徴とする報知装置。
【請求項2】
前記報知状況及び前記報知タイミングをユーザに設定させる設定部を更に備え、
前記第2記憶部は、ユーザにより設定された前記報知状況を表す報知状況情報を、設定された前記報知タイミングと対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
【請求項3】
前記状況推定部は、
現在位置を表す位置情報と、加速度を表す加速度情報とを取得する取得部と、
前記位置情報及び加速度情報を用いて、ユーザの移動に関し、現在地、目的地、移動速度及び移動手段を含む前記状況を推定する推定部とを有し、
推定された現在地が所定の地点である場合に当該現在地を出発地として表し、推定された現在地が他の所定の地点である場合に当該現在地を目的地として表し、推定された移動速度及び移動手段を各々表す前記移動状況情報を、前記第1確率と対応付けて前記第1記憶部に記憶させる第1記憶制御部を更に備え、
前記第2記憶部は、出発地、目的地及び移動手段のうち少なくとも1つを含む前記報知状況情報を前記報知タイミングと対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の報知装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記位置情報の取得に成功するか否かを表す取得成否情報を当該位置情報と共に取得し、
前記状況推定部は、前記取得成否情報及び前記加速度情報のうち少なくとも1つを用いて、現在地の推定に成功する確率、目的地の推定に成功する確率、移動速度の推定に成功する確率及び移動手段の推定に成功する確率のうち少なくとも1つを含む前記第1確率を算出する第1算出部を更に有し、
前記第1記憶制御部は、前記第1確率を所定の時間毎に前記移動状況情報と対応付けて前記第1記億部に記憶させる
ことを特徴とする請求項3に記載の報知装置。
【請求項5】
第1の前記報知状況に対する前記第2確率が閾値より小さい場合、第1の前記報知状況の代替となる第2の前記報知状況を表す第2の前記報知状況情報を第2の前記報知タイミングと対応付けて生成する代替生成部を更に備える
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の報知装置。
【請求項6】
前記第1記憶部は、出発地から目的地への移動にかかる所要時間を前記移動状況と対応付けて記憶し、
前記代替生成部は、
第1の前記報知状況に対する前記第2確率が閾値より小さい場合、且つ、第1の前記報知状況が、出発地から目的地への移動であり、第1の前記報知状況に対応付けられている第1の前記報知タイミングが、目的地への到着より前である場合、前記所要時間を用いて、当該第1の報知タイミングに相当する、出発地からの出発後の第2の報知タイミングを算出する算出部と、
第2の前記報知状況を表す第2の前記報知状況情報を第2の前記報知タイミングと対応付けて生成する生成部とを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の報知装置。
【請求項7】
前記生成部は、第1の前記報知状況を出発地からの移動に変更した第2の前記報知状況を表す第2の前記報知状況情報を、第2の前記報知タイミングと対応付けて生成する
ことを特徴とする請求項6に記載の報知装置。
【請求項8】
前記生成部は、第1の前記報知状況が、出発地から目的地への移動であって当該移動の際に変化する複数の移動手段を含む場合且つ移動手段の推定に成功する確率が閾値より小さい場合、移動手段を含まない第2の前記報知状況を表す第2の前記報知状況情報を、第2の前記報知タイミングと対応付けて生成する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の報知装置。
【請求項9】
第2の前記報知状況情報を、第2の前記報知タイミングと対応付けて提示する提示部と、
提示された第2の前記報知状況情報の記録を承認するか否かをユーザに問い合わせる問い合わせ部と、
第2の前記報知状況情報の記録が承認された場合に、第2の前記報知状況情報を第2の前記報知タイミングと対応付けて前記第2記憶部に記憶させる第2記憶制御部とを更に備える
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の報知装置。
【請求項10】
前記提示部は、第2の前記報知状況情報を、第2の前記報知タイミングと対応付けて表示部に表示させ、
前記問い合わせ部は、表示された第2の前記報知状況情報の記録を承認するか否かを問い合わせるメッセージを前記表示部に表示させ、
前記第2記憶制御部は、第2の前記報知状況情報の記録を承認する操作入力が操作入力部を介してあった場合に、第2の前記報知状況情報を第2の前記報知タイミングと対応付けて前記第2記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項9に記載の報知装置。
【請求項11】
前記確率算出部は、第2の前記報知状況に対して前記第2確率を更に算出し、
算出された前記第2確率が閾値より大きい場合又は算出された前記第2確率が第1の前記報知状況に対する前記第2確率より大きい場合に、第2の前記報知状況情報を第2の前記報知タイミングと対応付けて前記第2記憶部に記憶させる第3記憶制御部を更に備える
ことを特徴とする請求項5乃至10のいずれか一項に記載の報知装置。
【請求項12】
前記報知状況と同一の前記移動状況が前記状況推定部によって推定された場合に、当該報知状況と対応付けられた前記報知タイミングで報知を行う報知部を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の報知装置。
【請求項13】
ユーザの移動に関する移動状況に応じて報知を行う報知装置で実行される報知方法であって、
前記報知装置は、状況推定部と、第1記憶制御部と、第2記憶制御部と、確率算出部とを備え、
前記状況推定部が、前記移動状況を推定するステップと、
前記第1記憶制御部が、前記移動状況の履歴に基づいて、当該移動状況を表す情報を当該移動状況の推定に成功する第1確率と対応付けて第1記憶部に記憶させるステップと、
前記第2記憶制御部が、報知を行う報知状況を表す報知状況情報をその報知タイミングと対応付けて第2記億部に記憶させるステップと、
前記確率算出部が、前記報知状況情報が表す前記報知状況と同じ前記移動状況を表す前記移動状況情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該移動状況情報と対応付けて記憶された前記第1確率を用いて、当該移動状況が発生する場合に前記報知タイミングで報知を行うことが成功する第2確率を算出するステップとを含む
ことを特徴とする報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−166155(P2010−166155A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4987(P2009−4987)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】