説明

塗布装置、及び光学フィルムの製造方法

【課題】スロット間隔を精度よく調整する。
【解決手段】塗布装置10は、スロットダイ12、及びスロット間隔を調整する調整手段30を備える。スロットダイ12は、本体の内部に設けられたマニホールド14と、マニホールド14と連通するスロット16とを有する。スロット間隔を調整する調整手段30が上部ダイブロック20上に設置される。調整手段30は、脚部32を有するブロック31、固定ボルト33、調整ボルト34,35を含む。ブロック31は、脚部32が上部ダイブロック20に当接するように設置される。固定ボルト33はブロック31の脚部32を挿通し、上部ダイブロック20内に延びる。調整ボルト34,35は、ブロック31の脚部32を除く領域を挿通し、上部ダイブロック20内に延びる。ブロック31は120GPa以上のヤング率、及び6000N/m以下の自重による圧力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗布装置、及び光学フィルムの製造方法に関して、スリット間隔の調整手段を備える塗布装置、及びこれを用いた光学フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学フィルムの製造において、連続走行する基材に塗布液を塗布することが行われる。このような塗布液を塗布する装置として、マニホールドと連通するスロットを有するスロットダイが知られている。マニホールドに連通するスロット(スリットともいう)の先端から塗布液が吐出される。塗布液が塗布される基材は、バックアップローラに巻き掛けられて連続走行する。スロットダイ先端と基材との間に、スリットから吐出された塗布液のビードが形成され、このビードを介して基材に塗布液が供給される。
【0003】
近年、光学フィルムの塗膜を均一な厚さで塗布することが求められる。そのため、スロットダイのスロット間隔を幅方向に亘り一定に維持することが必要となる。この問題を解決するため、スロットダイのスロット間隔を調整する方法が提案されている。特許文献1は、スリットダイの先端部に所定角度で取り付けられた調整ボルトによりスリット幅が調整されるスリットダイを開示する。このスリットダイから重力方向に液体が吐出される。特許文献2は、山部を備える当て板をダイスロットの外周に配置し、固定ボトルと調整ボルトで固定したスロットダイを開示する。このダイスロットから重力と反対方向に液体が吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−205031号公報
【特許文献2】特開平5−293419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学フィルムの製造において、スロットダイのスロット間隔を調節するために調整ボルトを用いることがある。このとき、特許文献1の方法ではスロットダイに多数のボルトを配置する必要があり、スロット間隔の調整作業に長時間かかってしまう。
【0006】
特許文献2の方法では、連続走行する基材に対して横方向から塗布液を供給するとき当て板がスロットダイの上部に配置される。そのため当て板の自重によりスロット間隔が変形する問題があった。一方、当て板を軽量化しすぎると、当て板の剛性が不足し、スロット間隔を調整できなくなる問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、スロット間隔を高精度に調整することができる塗布装置、及び光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、走行する帯状の基材に塗布液を供給する塗布装置であって、塗布液が供給されるマニホールド、前記マニホールド連通するスロットを有し、前記基材に水平方向から塗布液を供給するスロットダイと、前記スロットダイの上部に設置され、前記スロットの間隔を調整する手段を備え、前記調整手段は、脚部を有するブロック、固定ボルトと調整ボルトを含み、前記脚部が前記スロットダイに当接され、前記脚部を挿通する前記固定ボルトと前記脚部以外を挿通する前記調整ボルトにより、前記ブロックが前記スロットダイに固定され、前記ブロックが120GPa以上のヤング率、及び6000N/m以下の自重による圧力を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ブロックを軽くて剛性の高い素材で構成することにより、自重による圧力を6000N/m以下でヤング率を120GPa以上にする。その結果、ブロックの自重によるスロット間隔の変形をなくし、スロット間隔を調整することができる。
【0010】
本発明の塗布装置の他の態様によると、好ましくは、前記ブロックが繊維強化プラスチック、又はセラミックで構成される。
【0011】
本発明の塗布装置の他の態様によると、好ましくは、前記スロットダイが1m以上の幅を有する。
【0012】
本発明の塗布装置の他の態様によると、好ましくは、前記スロットダイが、その上部に複数の前記固定ボルトの穴と前記調整ボルトの穴の組を有し、前記調整手段が任意の数、及び位置に配置される。
【0013】
本発明の塗布装置の他の態様によると、好ましくは、前記スロットダイの下部に減圧チャンバーをさらに有する。
【0014】
本発明の別の態様によると、走行する帯状の基材に塗布液を供給する光学フィルムの製造方法であって、塗布液が供給されるマニホールド、前記マニホールド連通するスロットを有し、前記基材に水平方向から塗布液を供給するスロットダイと、前記スロットダイの上部に設置され、前記スロットの間隔を調整する手段を備え、前記調整手段は、脚部を有するブロック、固定ボルトと調整ボルトを含み、前記脚部が前記スロットダイに当接され、前記脚部を挿通する前記固定ボルトと前記脚部以外を挿通する前記調整ボルトにより、前記ブロックが前記スロットダイに固定され、前記ブロックが120GPa以上のヤング率、及び6000N/m以下の自重による圧力を有する塗布装置を準備する工程と、前記調整手段により前記スロットの間隔を調整する工程と、連続走行する基材に塗布液を前記塗布装置により供給する工程と、を含む。
【0015】
本発明の光学フィルムの製造方法の他の態様によると、好ましくは、前記ブロックが繊維強化プラスチック、又はセラミックで構成される。
【0016】
本発明の光学フィルムの製造方法の他の態様によると、好ましくは、前記スロットダイが1m以上の幅を有する。
【0017】
本発明の光学フィルムの製造方法の他の態様によると、好ましくは、前記スロットダイが、その上部に複数の前記固定ボルトの穴と前記調整ボルトの穴の組を有し、前記調整手段が任意の数、及び位置に配置される。
【0018】
本発明の光学フィルムの製造方法の他の態様によると、好ましくは、前記スロットダイの下部に減圧チャンバーをさらに有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ブロックを軽くて剛性の高い素材で構成することにより、自重による圧力を6000N/m以下でヤング率を120GPa以上にする。したがって、ブロックの自重によるスロット間隔の変形をなくし、スロット間隔を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】塗布装置の断面図である。
【図2】塗布装置の斜視図である。
【図3】スロットダイ、バックアップローラ、およびその周辺の構成図である。
【図4】光学フィルムの製造ラインを示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
【0022】
図1は、塗布装置の断面図を示す。塗布装置10は、スロットダイ12、及びスロット間隔を調整する調整手段30を備える。スロットダイ12は、本体の内部に設けられたマニホールド14と、マニホールド14と連通するスロット16とを有する。スロットダイ12は、下部ダイブロック18、及び上部ダイブロック20の二つのブロックによって構成される。マニホールド14、及びスロット16は下部ダイブロック18と上部ダイブロック20により形成される。このように、スロットダイ12を多ブロック構造とすることで、スロットダイ12の加工精度を高めることができる。下部ダイブロック18、及び上部ダイブロック20は、200GPa以上のヤング率を有するSUS等の材料で構成される。これらの材料を使用するのは耐腐食性が高いことや加工精度が高い理由からである。下部ダイブロック18と上部ダイブロック20を一体的に形成することもできる。
【0023】
スロットダイ12のマニホールド14は、供給された塗布液を塗布幅方向(ウェブ幅方向)へ拡流する液溜め部であり、ウェブ幅方向へ延びる。本実施の形態のマニホールド14は略円形の断面形状を有する。マニホールド14はウェブ幅方向に沿って略同一の断面形状をもつ空洞部を構成する。
【0024】
スロット間隔を調整する調整手段30が上部ダイブロック20上に設置される。スロット間隔tとは、スロット16の先端部(塗布液の出口)での下部ダイブロック18と上部ダイブロック20の距離を意味する。調整手段30は、脚部32を有するブロック31、固定ボルト33、調整ボルト34,35を含む。ブロック31は、脚部32が上部ダイブロック20に当接するように設置される。固定ボルト33はブロック31の脚部32を挿通し、上部ダイブロック20内に延びる。調整ボルト34,35は、ブロック31の脚部32を除く領域を挿通し、上部ダイブロック20内に延びる。調整ボルト34,35は回転自在に取り付けられる。調整ボルト34,35の何れか又は両方を上部ダイブロック20側に締め付けることにより、脚部32を支点として、スロット間隔tを大きくする方向に力が働く。これにより、スロット間隔tを調整することができる。
【0025】
脚部32が一体的に形成されたブロック31を示したが、これに限定されない。脚部を別部材とすることができる。また、必要に応じてブロックと上部ダイブロック間に他の板材等が挿入される。
【0026】
本実施の形態では、ブロック31は120GPa以上のヤング率を有する。ブロック31が高い剛性を有するので、調整ボルト34,35により荷重を加えた場合でも、脚部32を支点にテコの原理を作用させることができる。ブロック31は6000N/m以下の自重による圧力を有する。したがって、ブロック31の自重によりスロット間隔tが狭められるのを防止することができる。ブロック31は、繊維強化プラスチック、又はセラミックで構成される。繊維強化プラスチックとして、FRP等を使用することができる。本実施の形態によれば、自重によるスロット間隔の変形をなくし、スロット間隔を精度よく調整することができる。
【0027】
図2は塗布装置の斜視図を示す。塗布装置10は1個のスロットダイ12と、3個の調整手段30を含んでいる。近年、生産性を上げるため、塗布液が供給されるウェブの幅が広くなっている。ウェブの幅に応じて、1m以上の幅Lを有するスロットダイ12が使用される。スロットダイ12が大きくなるにしたがい、スロットダイ12を製作するときの加工精度を上げることが難しくなる。その結果、スロットダイ12の幅L方向に亘り、スロット間隔にバラツキが生じる場合がある。均一な膜厚の塗膜を得るために、複数の調整手段30をスロットダイ12の任意の箇所に配置する必要がある。図2に示すように上部ダイブロック20には、複数の、固定ボルト33用の穴36と調整ボルト34,35用の穴37,38の組合せが形成される。これにより、任意の数の調整手段30を任意の位置に配置することができる。
【0028】
図3は、塗布装置10、バックアップローラ40、およびその周辺の構成図である。図中のバックアップローラ40、及びおよびウェブWの近傍の矢印は、ウェブWの走行方向を示す。なお、理解を容易にするため、図3に示されている各機器類の大きさや向きは実際の装置と必ずしも一致しない。
【0029】
図3に示されるように、本実施の形態では、バックアップローラ40により支持された状態で連続走行するウェブ(基材)Wの表面に向かってスロットダイ12のスロット16から塗布液が吐出される。塗布液はウェブWに対し水平方向から塗布液が供給される。水平方向とは重力方向に対し略直交する方向を意味する。スロットダイ12とウェブWとの間に塗布液のビード42が形成される。塗膜を精度良く形成する上で、ビード42の状態を安定化させることが好ましい。そのため、ビード42の近傍の圧力状態を理想的な状態に保つため、下部ダイブロック18に隣接した位置に減圧チャンバー50が設けられる。
【0030】
なお、ウェブWに塗布液が供給される前に、又は後に、調整手段30によりスロット16の間隔が精度よく調整される。この調整により、ウェブW上に均一の膜厚で塗布液を供給することができる。
【0031】
ウェブWに塗布される塗布液としては、光学補償フィルム用塗布液、反射防止フィルム用塗布液、視野角拡大用塗布液のように低粘度・薄膜塗布が必要な有機溶剤塗布液を好適に使用できる。例えば、メチルエチルケトン等が使用される。
【0032】
ウェブWとしては公知の各種ウェブを用いることができる。一般的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等の公知の各種プラスチックフィルム、紙、紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネートした各種積層紙、アルミニウム、銅、スズ等の金属箔等、帯状基材の表面に予備的な加工層を形成させたもの、あるいはこれらを積層した各種複合材料が含まれる。
【0033】
図4は、光学フィルムの製造ライン100の全体構成を示す図である。図中の矢印はウェブWの走行方向を示す。なお、ウェブWを搬送する複数のパスローラ68については、代表的な位置に配置されるパスローラ68のみが図示されている。
【0034】
本実施の形態の製造ライン100では、上流側から下流側に向かって、送り出し機66、除塵機74、バックアップローラ40、塗布装置10、乾燥装置76、加熱装置78、紫外線照射装置80、および巻き取り機82が順次設置されている。なお、ここでいう「上流」および「下流」は、ウェブWの走行方向を基準としている。
【0035】
送り出し機66は、ポリマー層が予め形成された透明な支持体であるウェブWを、下流側へ順次送り出す。除塵機74は、ウェブWに付着する塵等の異物を除去する。
【0036】
バックアップローラ40によって搬送、支持されるウェブWに向かってスロットダイ12から塗布液が吐出され、ウェブW上に塗膜が形成される。スロットダイ12の上流側に減圧チャンバー50が配置される。減圧チャンバー50は2枚のサイドプレート52とバックプレート54と有する。減圧チャンバー50で減圧することにより、ビードを精度よく形成できる。上述したように、スロットダイ12の上には調整手段30が設置される。
【0037】
乾燥装置76および加熱装置78は、ウェブW上に形成された塗膜を乾燥させるゾーンを形成する。乾燥装置76は、塗膜に含まれる溶媒を蒸発させる。加熱装置78は、必要により加熱して溶剤を除去したり、膜硬化させたりするのに用いられることもある。
【0038】
なお、乾燥装置76および加熱装置78による溶媒の乾燥は、カバーで覆った状態で行われることが好ましい。乾燥風として、整流した風、均質な風、等を用いることができる。蒸発した溶媒を、塗膜面に対向して設置された冷却凝縮板により、凝縮させて取り除いてもよい。
【0039】
紫外線照射装置80は、紫外線ランプによって塗膜に紫外線を照射する。紫外線により塗膜のモノマー等を架橋させて、所望のポリマーを形成する。巻き取り機82は、ポリマー化された塗膜が積層されているウェブWを、ロール状に巻き取って回収する。
【0040】
なお、塗膜の成分に応じて、塗膜を熱により硬化させるための熱処理ゾーンをさらに設けることもでき、所望の塗膜の硬化および架橋を行ってもよい。また、製造ライン100と別の工程で、ウェブW上の塗膜に対して熱処理等の他の処理を施してもよい。
【0041】
各機器類の間にはパスローラ68が複数設けられる。ウェブWは、これらのパスローラ68によって上流側から下流側へ送られる。パスローラ68の位置および数、隣接するパスローラ68の回転中心の相互間距離、等は必要に応じて適宜調整される。
【0042】
また、バックアップローラ40およびパスローラ68が、ウェブWを搬送するガイドローラとして機能する。また、必要に応じて他の機器類を製造ライン100に導入することもできる。例えば、光学補償フィルムでは、塗膜の液晶部の配向を調整するためのラビング処理装置を除塵機74の前後に設置することもできる。
【0043】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。但し、これらに限定されるものではない。
【0044】
表1は、実施例と比較例におけるスロットダイの素材、ブロックの素材、ブロック形状、ブロックの密度、自重による圧力、ブロックのヤング率、及び評価のデータである。評価は、スリット間隔の調整、自重によるスリット間隔の変化、総合評価の3項目で行った。スリット間隔の調整について、5μmまで変形調整可能の場合を○、1μmの変形調整不可能の場合を×とした。自重によるスリット間隔の変化について、経時で1μm以下の変形が起きた場合を○、経時で3μm以下の変形が起きた場合を△、経時で5μm以下の変形が起きた場合を×とした。総合評価について、上記の2評価結果が両方とも○の場合を○、片方が△で片方が○の場合を△、どちらか片方が×の場合を×とした。
【0045】
【表1】

表1に示すように、ブロックが自重による圧力を6000N/m以下、ヤング率120GPa以上を満たすとき、スリット間隔の調整、自重によるスリット間隔の変化、及び総合評価の全てにおいて○の評価を得た。
【0046】
一方、比較例1〜3について、自重による圧力が6000N/mより大きいので、自重によるスリット間隔の変化は△以下の評価であった。比較例4〜6について、ヤング率が120GPaより小さいため、スリット間隔の調整は×の評価であった。
【符号の説明】
【0047】
10…塗布装置、12…スロットダイ、14…マニホールド、16…スロット、18…下部ダイブロック、20…上部ダイブロック、30…調整手段、31…ブロック、32…脚部、33…固定ボルト、34、35…調整ボルト、40…バックアップローラ、50…減圧チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する帯状の基材に塗布液を供給する塗布装置であって、
塗布液が供給されるマニホールド、前記マニホールド連通するスロットを有し、前記基材に水平方向から塗布液を供給するスロットダイと、
前記スロットダイの上部に設置され、前記スロットの間隔を調整する手段を備え、前記調整手段は、脚部を有するブロック、固定ボルトと調整ボルトを含み、前記脚部が前記スロットダイに当接され、前記脚部を挿通する前記固定ボルトと前記脚部以外を挿通する前記調整ボルトにより、前記ブロックが前記スロットダイに固定され、
前記ブロックが120GPa以上のヤング率、及び6000N/m以下の自重による圧力を有することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
請求項1記載の塗布装置であって、前記ブロックが繊維強化プラスチック、又はセラミックで構成される塗布装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の塗布装置であって、前記スロットダイが1m以上の幅を有する塗布装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか記載の塗布装置であって、前記スロットダイが、その上部に複数の前記固定ボルトの穴と前記調整ボルトの穴の組を有し、前記調整手段が任意の数、及び位置に配置される塗布装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか記載の塗布装置であって、前記スロットダイの下部に減圧チャンバーをさらに有する塗布装置。
【請求項6】
走行する帯状の基材に塗布液を供給する光学フィルムの製造方法であって、
塗布液が供給されるマニホールド、前記マニホールド連通するスロットを有し、前記基材に水平方向から塗布液を供給するスロットダイと、前記スロットダイの上部に設置され、前記スロットの間隔を調整する手段を備え、前記調整手段は、脚部を有するブロック、固定ボルトと調整ボルトを含み、前記脚部が前記スロットダイに当接され、前記脚部を挿通する前記固定ボルトと前記脚部以外を挿通する前記調整ボルトにより、前記ブロックが前記スロットダイに固定され、前記ブロックが120GPa以上のヤング率、及び6000N/m以下の自重による圧力を有する塗布装置を準備する工程と、
前記調整手段により前記スロットの間隔を調整する工程と、
連続走行する基材に塗布液を前記塗布装置により供給する工程と、
を含む光学フィルムの製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の光学フィルムの製造方法であって、前記ブロックが繊維強化プラスチック、又はセラミックで構成される光学フィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載の光学フィルムの製造方法であって、前記スロットダイが1m以上の幅を有する光学フィルムの製造方法。
【請求項9】
請求項6〜8の何れか記載の光学フィルムの製造方法であって、前記スロットダイが、その上部に複数の前記固定ボルトの穴と前記調整ボルトの穴の組を有し、前記調整手段が任意の数、及び位置に配置される光学フィルムの製造方法。
【請求項10】
請求項6〜9の何れか記載の光学フィルムの製造方法であって、前記スロットダイの下部に減圧チャンバーをさらに有する光学フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−30164(P2012−30164A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170847(P2010−170847)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】