説明

塗装用治具及び塗装方法

【課題】 設備コスト及びランニングコストの低減が得られ、かつ簡単な構成により塗装の品質向上を安価に得ることができる塗装用治具及び塗装方法を提供する。
【解決手段】 自動車フード11のコーナ部13と塗装機の吹出ノズル20との間であり、コーナ部13の端面13a、13bから所定距離隔ててこれら端面13a、13bに対向する高さ位置に塗料遮蔽板2を配置し、上記吹出ノズル20から吹付けられる塗料の一部を上記塗料遮蔽板2で遮蔽して上記コーナ部13への塗布量を調整することで塗料のタレ、タマリを防止し、自動車用フード11の塗装品質向上を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗装物の平板状に形成されたコーナ部を有する被塗装物、例えば自動車用フードの塗装の際に使用される塗装用治具及び塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両製造ラインの車体塗装工程においては、自動塗装機による静電塗装が広く行われている。しかし、外周がヘム加工された自動車用フードの先端部の端部のように被塗装面が平板状で平坦面及び端面を有するコーナ部が形成される場合には、このフード先端部近傍領域に塗料吹付けを行うと、特にフード先端部の両端に形成された平板状のコーナ部に過剰の塗料が付着して塗料のタレやタマリ現象が発生することがある。この塗料のタレやタマリの発生は吹出ノズルからフード先端部の平坦な上面や端面方向に吹付けられた塗料が、静電によりフード先端部の裏面に回り込むことにより過剰に塗料が付着することに起因する。
【0003】
図7及び図8は吹付塗装の際の自動車用フード11のフード先端部12へ塗料を吹付けられる吹付方向を示す説明図である。図7に示すように、自動塗装機の吹出ノズル20から矢印Aで示すように平面部13cに向けて塗料を吹付け、かつ図8に示すようにこのA方向に対して直交する矢印Bで示すように側方の端面13a及び矢印Cで示すように先方の端面13b方向に向けて塗料の吹付けが行われる。これによって、フード先端部12の端部に形成される平板状のコーナ部13には平坦部13c、端面13a及び13bに向けて多方向から塗料が吹付けられる状態になり、平板状に形成されたコーナ部13には過剰の塗料が吹付けられ、該部に塗料のタレやタマリ等がより発生しやすくなる。
【0004】
このようなタレやタマリ等の発生は、車体に塗装を行う際にのみではなく、上記コーナ部13のような平板状のコーナ部を有する被塗装面を塗装する場合にも同様に生じる。
【0005】
一方、塗装品質を向上さるためには塗膜を厚くすることがある。この塗膜を厚くするために自動塗装機による塗料の吹き付け量を増加するとより顕著にコーナ部に塗料のタレやタマリ等の塗装欠陥が発生することが生懸念される。
【0006】
従って、このような塗料の過剰塗布に起因する塗料のタレやタマリ等の塗装欠陥が生じやすい部分への塗装は、吹付ける塗布量を減少させるように制御することで塗料のタレやタマリ等の発生を抑制している。この一例として平板状のコーナ部においては他の部分に対して吹付け塗料の粒子径を小さくするように制御する塗装方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、開口部を有する被塗物の開口部周縁も塗装欠陥が生じやすい部位であるが、このような開口部周縁の塗装欠陥を回避する方法として、被塗物の開口部内周に伝導体よりなる治具を嵌合させ、この治具と被塗物とを電気的に電通させた状態で塗装を行い、塗装終了後に上記治具を被塗物の開口部から取り外す塗装方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平6−328012号公報
【特許文献2】特開平6−134383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1による塗装方法では、吹付け塗料の粒子径を小さくするための微粒化手段を要し、その構成が複雑であるとともに、塗布量の制御が複雑であり、多くの設備コスト及びランニングコストを要する。
【0010】
一方、上記特許文献2によると、被塗装物の開口部の内周に治具を保持し、該治具の中央部に形成された開口部を仮想的な被塗装物の開口部にすることで、被塗装物の開口部の周縁における塗料の塗膜を正常な厚さにすることができる。しかし、これは静電塗装を施す際、上記被塗装物の開口部の周縁部が電極化して塗料の塗膜が局部的に厚くなり、その部分の塗膜に発生するピンホールを回避するものであり、かかる塗装方法を用いても上記フード先端部に形成されるような平板状のコーナ部における塗装品質の向上を得ることはできない。
【0011】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、設備コスト及びランニングコストの低減が得られ、且つ簡単な構成により塗装の品質向上を安価に得ることができる塗装用治具及び塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する請求項1に記載の塗装用治具の発明は、被塗装物と塗装機の吹出ノズルとの間の所定位置に配置され、上記吹出ノズルから上記被塗装物に吹付けられる塗料の一部を遮蔽して上記被塗装物のコーナ部への塗布量を調整する塗料遮蔽板と、上記塗料遮蔽板を上記所定位置に保持する支持部材と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1の塗装用治具において、上記被塗装物のコーナ部は平坦面及び該平坦面に連続する端面を有し、上記塗料遮蔽板は上記平坦面の端面から所定距離隔てて該端面に対向する高さ位置に配置されたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の塗装用治具において、上記塗料遮蔽板は、コーナ部を成す2つの端面にそれぞれ対向配置される第1の遮蔽面および第2の遮蔽面を有する略L字状に折曲形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項の塗装用治具において、塗料遮蔽板は、被塗装物のコーナ部の端面より16mm〜20mm隔てて対向配置されることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項の塗装用治具において、塗料遮蔽板は、被塗装物のコーナ部の板厚より長寸に形成され、コーナ部に対して上方に17mm〜19mm突出するように配置されることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項の塗装用治具において、上記被塗装物は自動車用フードであり、上記支持部材は上記自動車用フードが取付けられる自動車ボディの車体部材に形成されたフランジ部に着脱自在に嵌合固定されることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成する請求項7に記載の塗装方法の発明は、被塗装物に形成された平板状のコーナ部と塗装機の吹出ノズルとの間であり、上記被塗装物のコーナ部の端面から所定距離隔てて該端面に対向する高さ位置に塗料遮蔽板を配置し、上記吹出ノズルから吹付けられる塗料の一部を上記塗料遮蔽板で遮蔽して上記コーナ部への塗布量を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記請求項1の発明によると、塗装機の吹出ノズルから被塗装物のコーナ部及びコーナ部の裏面に回り込んで付着される塗料の一部が塗料遮蔽板によって遮蔽されてコーナ部に過剰に付着するする塗料の量が調整できる。その結果、被塗装物に平板状に形成されるコーナ部に付着する塗料は調整されて塗料によるタレ、タマリの発生が防止されて被塗装物の塗装品質が向上が得られる。また、この塗装用治具は、吹出ノズルから被塗装物に付着される塗料の一部を遮蔽して塗布量を調整する極めて簡素な構成にかかわらず塗装装置による複雑な塗布量の制御が不要になり大幅な設備コスト及びランニングコストの低減が期待できる。
【0020】
また、被塗装物への塗布量を増大させることも可能になり、平板状のコーナ部を有する被塗装物の鮮映性(外観品質)が向上できる。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1の塗料遮蔽板の配置位置を具体的に限定するもので、塗料遮蔽板をコーナ部の端面に対向する高さ位置に配置することで、吹出ノズルからコーナ部へ吹付けられる塗料のうち、上記コーナ部の端面に向けて吹付けられる塗料の塗布量を制御することができる。
【0022】
請求項3の発明は、略L字状に折曲形成された塗料遮蔽板を、平板状のコーナ部を成す2つの端面に対向配置することで、吹出ノズルからコーナ部を成す2つの端面へ吹付けられる塗料の一部を確実に遮蔽してコーナ部における端面への塗布量が良好に調整されてタレやタマリ等の塗装欠陥を防止することができる。
【0023】
請求項4の発明は、塗料遮蔽板の配置位置をより具体的に限定するもので、コーナ部の端面より16mm〜20mm隔てて対向配置することで、コーナ部に発生する塗りムラ等の欠陥を防止することができる。
【0024】
請求項5の発明は、塗料遮蔽板の寸法、配置位置をさらに適切に限定するもので、被塗装物の平板状のコーナ部の厚さより長寸に形成された塗料遮蔽板の上端縁を、コーナ部の端面より平坦面に対し垂直方向上方に17mm〜19mm突出するように配置することで、上記端面及び端面の上方部に吹付けられる塗料をより確実に調整することができる。従って、静電により平板状コーナ部の裏面に回り込む余分な塗料を防ぐことができる。
【0025】
請求項6の発明は、自動車用フードのコーナ部の端面から所定距離隔てて設置されるので、自動車用フードの塗装欠陥を防止できるとともに、塗装用治具は自動車ボディの車体部材のフランジ部に容易にかつ確実に取付けることができる。
【0026】
請求項7の発明は、被塗装物のコーナ部の端面から所定距離隔てて該端面に対向する高さ位置に塗料遮蔽板を配置し、吹出ノズルから吹付けられる塗料の一部を塗料遮蔽板で遮蔽することで、コーナ部への塗布量を調整して塗料のタレやタマリ等の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る塗装用治具及び塗装方法の実施の形態を、被塗装物が自動車用フードである場合を例に図1乃至図6を参照して説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態における塗装用治具の取付け状態を示す斜視図で、図2は塗装用治具の正面図、図3は要部を示す図2のX方向矢視図、図4は塗料遮蔽板の配置位置を示す斜視図、図5は塗料遮蔽板の配置位置を示す平面図、図6は吹付け塗料が調整された状態を示す説明図である。
【0029】
本発明の塗装用治具1は、矩形の平板材を略L字状に折曲形成した塗料遮蔽板2と、該塗料遮蔽板2を所定位置に保持する支持部材3を備えている。
【0030】
即ち、略L字状に折曲形成された塗料遮蔽板2は、自動車用フード11のフード先端部12の端部に形成される平板状のコーナ部13における側方の端面13aに対向配置される第1の遮蔽面2aと、先方の端面13bに対向配置される第2の遮蔽面2bを有しており、上記フード先端部12、特にコーナ部13の端面13a及び端面13bに向けて吹出ノズル20から吹付けられる塗料の塗布量を調整するものである。
【0031】
支持部材3は、自動車用フード11が取付けられる車体部材であるラジエータパネル15の前面に上下に連続して突出形成される第1フランジ部16に車体前方から嵌合固定される断面略U字状で連続する第1の嵌合部材4と、フロントフレーム17の上面に前後に連続して形成される第2フランジ部18に上方から嵌合固定される第2の嵌合部材5とを有している。この第2の嵌合部材5の前端部には、フロントフレーム17の前端に設けられたバンパ取付けフランジ19に係止される略U字状に折曲形成された係止部材6が設けられている。これらの第1の嵌合部材4及び第2の嵌合部材5が、平板状のベース板7に棒材製でL字形状に形成された脚部材9、9を介して結合されている。更に、ベース板7の上面中央部位に下端部が結合され、上部が上記塗料遮蔽板2の遮蔽面2aに結合される棒材製のアーム材8を有している。
【0032】
このように構成された支持部材3は、上記第1の嵌合部4をラジエータパネル15に形成された第1のフランジ部16に前方から嵌合し、第2の嵌合部5をフロントフレーム17に形成された第2フランジ部18に上方から嵌合し、かつ係止部材6をバンパ取付けフランジ19に嵌合することによって、塗料遮蔽板2の第1の遮蔽面2aが端面13aに対向し第2の遮蔽面2bが端面13bに対向する予め設定された所定位置に保持される。
【0033】
このように車体部材に嵌合支持された支持部材3によって所定位置に位置決め配置された塗料遮蔽板2の配置位置は、極めて重要であって塗料遮蔽板2の第1遮蔽面2a及び第2の遮蔽面2bとフード先端部12に形成される端面13a及び13bとが過剰に離れ過ぎる吹出ノズル20から吹付けられる塗料が塗料遮蔽板2により良好に遮蔽されず塗料の吹き付け量を調整する効果が薄れてしまう。一方、塗料遮蔽板2とフード先端部12の端面13a、13bが近接して距離が十分に確保できないと、コーナ部13に均等に塗布されず塗りムラ等の別な塗装欠陥が発生する。
【0034】
従って、図4に示すように、上記塗料遮蔽板2は、その上端縁2cが自動車用フード11の平板状に形成されたコーナ部13の端面13a、13bより、上記フードコーナ部13の平坦面13cに対して上方に寸法L1突出する状態で、かつ図5に示すようにコーナ部13の端面13a、13bよりそれぞれ寸法L2隔てて対向配置されることが望ましい。
【0035】
次に塗装吹付け状態について説明する。
【0036】
先ず、図1に示すように塗装用治具1の支持部3に形成された第1の嵌合部4をラジエータパネル15に形成された第1のフランジ部16に前方から嵌合し、第2の嵌合部5をフロントフレーム17に形成された第2フランジ部18に上方から嵌合し、かつ係止部材6をバンパ取付けフランジ部19に嵌合して塗料遮蔽板2が予め設定された所定位置に保持される。
【0037】
そして、図1に矢印Aで示すように吹出ノズル20から自動車用フード11の上面に沿って車幅方向に往復動しつつフード11の上面に向けて塗料を吹き付けてコーナ部13の平坦面13cを含む主にフード11の上面を塗布する。続いて吹出ノズル20からフード11の前方の端面13a及び側方の端面13bに向けて塗料を吹き付けて主に端面13a及び端面13bを塗布する。
【0038】
ここで、塗装用治具1の塗装遮蔽板2によって図6に示すように吹出ノズル20から端面13a、13b方向に吹付けられる塗料の一部が遮蔽されて塗布量が調整されると、コーナ部13に塗布される過剰の塗布量によって発生する塗料のタレやタマリ等の塗装欠陥を発生させる過剰の塗料が第1の遮蔽面2aと第2の遮蔽面2bに遮蔽されて塗布量が理想的に調整される。従って、フード先端部12、特に平板状に形成されたコーナ部13に発生する塗料のタレやタマリ等が防止されてコーナ部13の塗装品質の向上を得ることができる。
【0039】
また、本実施の形態の場合、縦20mm、横60mmの矩形平板材を、内角130度に折曲形成した塗料遮蔽板2を用いて、その塗料遮蔽板2の上端縁2cが自動車用フード11の平板状に形成されたコーナ部13の端面13a、13bより、コーナ部13の平坦面13cに対して上方に突出する寸法L1を17mm〜19mm、コーナ部13の端面13a、13bに対向して離間する寸法L2を16〜20mmに設定したときが最も良い塗装品質が得られた。
【0040】
以上説明した本実施の形態によると、塗装機の吹出ノズル20からフード先端12のコーナ部13に吹付けられる塗料の一部を塗料遮蔽板2で遮蔽し、コーナ部13に付着される塗布量を調整する簡単な構成で塗料のタレやタマリ等の発生を有効的に防止でき、設備コスト及びランニングコストの増大を招くことなく自動車用フード11の塗装品質を向上させることができる。
【0041】
更に、塗料遮蔽板2でコーナ部13へ吹付けられる塗料の一部を遮蔽する簡単な構成で、塗布量が容易に調整できると共に、フード11への塗料の塗布量を増加することも可能なので、フード11の鮮映性(外観品質)が向上できる。その結果、自動車用フード11の良好な塗装品質を得ることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本実施形態では塗料遮蔽板の形状を矩形の平板材を略L字状に押曲形成した形状としたが、これに限られず、コーナ部の形状に応じて例えばV字状、U字状、弧状等にしても良い。また、複数の孔を設けた塗料遮蔽板を用いてもコーナ部へ吹付けられる塗布量を調整することができる。
【0043】
また、本実施の形態では嵌合部材を用いて車体部材に着脱自在に取付ける例について説明したが、これに限らず、上記嵌合部材の代わりに磁石材製の吸着体を用いて車体部材の金属面に吸着固定することも可能である。
【0044】
更に、本発明による塗装用治具は、自動車用フードに限らず平板状のコーナ部を有する被塗装面を塗装する場合に広く適用することができる。また、本発明による塗装用治具は、電着塗装に限らず一般の吹付塗装の塗布量調整にも適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る塗装用治具の取付け状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る塗装用治具の正面図である。
【図3】図2のX方向矢視図である。
【図4】塗料遮蔽板の配置位置を示す斜視図である。
【図5】塗料遮蔽板の配置位置を示す平面図である。
【図6】吹付け塗料が調整された状態を示す説明図である。
【図7】塗料の吹付方向を示す断面図である。
【図8】図7の平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 塗装用治具
2 塗料遮蔽板
2a 第1の遮蔽面
2b 第2の遮蔽面
2c 上端縁
3 支持部材
4 第1の嵌合部材
5 第2の嵌合部材
11 自動車用フード(被塗装物)
12 フード先端部
13 コーナ部
13a 端面
13b 端面
13c 平坦面
15 ラジエータパネル(車体部材)
16 第1フランジ部(フランジ部)
17 フロントフレーム(車体部材)
18 第2フランジ部(フランジ部)
19 バンパ取付けフランジ(フランジ部)
20 吹出ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗装物と塗装機の吹出ノズルとの間の所定位置に配置され、上記吹出ノズルから上記被塗装物に吹付けられる塗料の一部を遮蔽して上記被塗装物の平板状に形成されたコーナ部への塗布量を調整する塗料遮蔽板と、
上記塗料遮蔽板を上記所定位置に保持する支持部材と、を備えることを特徴とする塗装用治具。
【請求項2】
上記被塗装物のコーナ部は平坦面及び該平坦面に連続する端面を有し、上記塗料遮蔽板は上記平坦面の端面から所定距離隔てて該端面に対向する高さ位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の塗装用治具。
【請求項3】
上記塗料遮蔽板は、コーナ部を成す2つの端面にそれぞれ対向配置される第1の遮蔽面及び第2の遮蔽面を有する略L字状に折曲形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の塗装用治具。
【請求項4】
上記塗料遮蔽板は、被塗装物のコーナ部の端面より16mm〜20mm隔てて対向配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗装用治具。
【請求項5】
上記塗料遮蔽板は被塗装物のコーナ部の板厚より長寸に形成され、該塗料遮蔽板の上端縁がコーナ部に対して上方に17mm〜19mm突出するように配置されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の塗装用治具。
【請求項6】
上記被塗装物は自動車用フードであり、上記支持部材は上記自動車用フードが取付けられる自動車ボディの車体部材に形成されたフランジ部に着脱自在に嵌合固定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗装用治具。
【請求項7】
被塗装物に平板状に形成されたコーナ部と塗装機の吹出ノズルとの間であり、
上記被塗装物のコーナ部の端面から所定距離隔てて該端面に対向する高さ位置に塗料遮蔽板を配置し、
上記吹出ノズルから吹付けられる塗料の一部を上記塗料遮蔽板で遮蔽して上記コーナ部への塗布量を調整することを特徴とする塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−334462(P2006−334462A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159655(P2005−159655)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】