説明

塩基性セラミック材料及びその焼結体の製造方法。

【課題】 空気と水の浄化、改質、改善、食品の鮮度保持、土壌改良に適した粒体状、粉体状の塩基性セラミック材料及び、それ等の加工による、焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】 貝殻を主原料とし、副原料に、沸石、(天然ゼオライト)、珪藻土、遠赤外線放射原料、放射性鉱物原料、陶磁器用原料を用いて、仮焼、粉砕、分級の工程を経て、塩基性セラミック材料を得、当該材料等を、加工、本焼成して、その、焼結体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌、抗菌、殺菌能力が高く、且つ、酸化還元電位の低い、アルカリイオン還元水による、水質改善(PH調整)、と浄化、空気中のマイナスイオンの増加と浄化、脱臭、並びに食品の鮮度保持、土壌改良等、機能性に優れた、塩基性セラミック材料及びその焼結体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年生活環境に関する問題がクローズアップされ始め、それに伴って、水質、空気、(シックハウス症候群を含む)、土壌等の改善に、遠赤外線放射セラミックや、マイナスイオン発生セラッミク、トルマリンセラミック、消臭セラミック、珪藻土等を、利用したポーラスセラミック、除菌、抗菌セラッミクとして、銀イオンセラミック、銅イオンセラミック、さらに防汚セラミックとして、チタン製のセラミックが、市場に出回るようになってきた。
【0003】
しかし、これ等のセラミック類は、一部のセラミックを除いて、還元剤(材)としての反応が遅いため、その効果を疑問視される、風潮もある。
【0004】
一方、牡蠣貝殻、ホタテ貝殻、真珠貝(アコヤ貝)殻、ホッキ貝殻等には、消臭、除菌、抗菌、殺菌等、の効果があることも、知られてきた。特にNHKが、平成14年に、中部(東海)地区の総合テレビで、貝殻のパワーとして、ホタテ貝、ホッキ貝の貝殻の効能、効果を放送してから、急に貝殻についての関心と研究が盛んになってきた。
【0005】
しかし、貝殻をセラミックに利用する技術は、今までになく、文献にも(陶芸セラミック辞典)、貝殻積以外には見当たらない、これは、窯道具の一種である。
【0006】
貝殻を利用する窯業技術は、今後、研究、開発が進んで行くものと思われるが、現在のところは、各社で研究、開発中であるのが実情である。
【開発の開示】

【発明が解決しようとする課題】
【0007】
貝殻には、殺菌力と、消臭力があることは、最早や公知の事実である、貝殻とセラミックに関する特許申請関係を調べてみると、利用目的としては、水質浄化、水質改善、アルカリ還元水の製造、塗料原料、土壌改良等が、主たる利用目的であり、特殊なものとしては、保健用カルシュウムの利用目的のものもある。
【0008】
これ等の内、セラミックスの製造に関するものとしては、
(ア)、一般陶磁器の製法に貝殻片を混入したもの、
(イ)、貝殻粉末と他原料を混合し、バインダーで固結さして、焼成したもの、
(ウ)、焼成後に粉体、または、粒体にしたもの、
(エ)、焼成前に、粉体、または流体にして、焼成するもの、等々である。また各れも 貝蛾が、主成分ではなく、副原料であった。
【0009】
以上の実情に鑑み、本発明品の主原料は、貝殻とし、副原料に沸石(天然ゼオライト)、珪藻土、遠赤外線放射原料、放射性鉱物原料、可塑性材に、カリウム(kO)を混合した陶磁器用坏土の各粉末を使用した、なお貝殻は、ホタテ貝、ホッキ貝、真珠貝(アコヤ貝)牡蠣貝の、各貝殻の粉末を、2種以上混合して使用した。
【0010】
本発明が、利用目的として追求するものは、以下のとおりである、
(ア)、水質改善と水質の浄化。
(イ)、殺菌力、抗菌力、除菌力の向上。
(ウ)、空気の浄化(脱臭、消臭)とマイナスイオンの発生増加。
(エ)、食品の鮮度保持。
(オ)、土壌改良。
【0011】
前記の利用目的を、充分に完遂して、より一層の利用効果を得るには、
(ア)、主原料である、貝殻成分と、相性が良くて、相乗効果が期待できる、物質の 探求。
(イ)、貝殻成分がもつ、殺菌力、抗菌力、除菌力、消臭力を充分に発揮できる、物 理的、化学的作用の研究、が必要であり、鋭意研究の結果、相乗効果を生じる ものとしては、沸石(天然ゼオライト)、珪藻土、遠赤外線放射原料、放射性 鉱物原料、であることを知見した。
【0012】
特許請求項1、同4、同7、にかかる、赤外線とは、可視光線下限の、電磁波の波長0.76μmから1000μm位までのスペクトルをいい、その赤外線領域に現れる物質の吸収、または、発光スペクトルであるが、分子の固有振動数は、その化学構造によって異なる、一般的には、そのうち、波長4μmまたは、16μm位までを、近赤外線と称し、4μmまたは、16μm位から、34μm位までを、中赤外線と呼んでおり、34μm位から1000μm位までを、遠赤外線と称されている、(書籍によって、16μmと4μmの違いが有るが、実務的には大して影響はない、)。
【0013】
波長0.76μm〜4μmまたは、16μmまでの近赤外線の、分子、原子に及ぼす作用は、振動スペクトルであって、分子のち、OH、NH、CH基の伸縮を主とする振動が現れる。
【0014】
波長4μmまたは、16μmから34μmまでのスペクトルの中赤外線の原子、分子に及ぼす作用は、OH、NH、CH基の変角振動(結合角を変化させる振動)とC、H、N原子、分子の伸縮振動が現れる。
【0015】
波長34μm位から、1000μm位までの、遠赤外線領域では、C、H、Nなどの原子、分子への骨格の変角振動、重原子の関与する、伸縮、変角振動、或いは、配位結合、イオン結合、水素結合などが、関係する振動、及び分子内回転振動が、現われる。
【0016】
以上を要約して説明すると、
エネルギー保存の法則、及びキルヒホフの法則より、
α+τ+ρ=1. τ+ρ=0 ∴α=1・・・・・黒体の場合、
τ=0・・・・・不透明の場合
ε=1−ρ、 ∴放射率=1−τとなる、
但、α=吸収率 τ=反射率 ρ=透過率 ε=放射エネルギー
即ち赤外線放射は、原子、分子の振動を促す、赤外線吸収に密接な関係が有ることがわかり、また放射エネルギーは、シュテアン、ボルツマンの法則によって、絶対温度Kの4乗に比例することも理解できる。
【0017】
特許請求項1、同4、同7にかかる、遠赤外線放射原料には白色系原料と、有色系原料とに分類される、白色系原料は、主として陶磁器原料に使用されるものであり
AI、SiO、MgO,ZrSiO、ZrO、コージライト(2MgO・2AI・5SiO)、βスポジューメン(LiO・AI・4SiO)、ペタライト(LiO・AI・8SiO)等が、一般に使用されている。
【0018】
有色性遠赤外線原料としては、Fe、Fe・CuO、CuO、CO、CO、MnO、NiO、CrO等の遷移金属元素が一般に使用されている。
【0019】
以上の各原料を使用目的に応じて、調合を決めるべきものであるが、一般に、有色系遠赤外線放射原料は、近赤外線領域での、放射率は低く、中赤外線領域から、遠赤外線領域にかけて、放射率が高くなり、白色系遠赤外線放射原料は、近赤外域では、放射率は、高くなるが、中赤外線、遠赤外線領域での、有色系より、やや劣るようである。
【0020】
請求項1〜6及び同9に係る、主原料である貝殻の原料組織を調べると、真珠貝(アコヤ貝)殻では、(以下重量%)
カルシウム=35.86 マグネシウム=0.69 カリウム=0.03、
ナトリウム= 0.42 珪 酸=0.23 鉄 =0.01
マンガン = 0.003 リ ン=0.002 窒 素=0.63
強熱減量 =46.55
【0021】
ホタテ貝では、(以下重量%)(微量成分は、PPM)、
カルシウム=56.10 マグネシウム=0.16 カリウム=0.06、
リ ン = 0.15 珪 酸=0.41 鉄 =0.02
窒 素= 0.17
微量成分(PPM) マンガン =22.5 ホウ素 =1.7
亜 鉛= 8.8 銅 = 6.3、
【0022】
牡蠣貝殻では、(以下重量%)
カルシウム=39,00 カリウム=2.00 ナトリウム=2.00、
微分量、(分析値なし、物質名だけ)
鉄、セレン、亜鉛、マンガン、マグネシウム。
【0023】
貝殻の主構成物質である、カルシウムは、結晶質ではなく、非晶質である、珪酸も同じ非晶質である、微量成分は、アルカリ金属族、アルカリ土類金属族で電子軌道は、M殻、N殻のものが、多い。
【0024】
請求項2、同5、にかかる、沸石(天然ゼオライト)の特徴(性質、構成物質、形態、用途、等)を調べてみる。
【0025】
沸石(天然ゼオライト)は、Na,Kの1族と、Ca、Mgの2族を含んだ典形金属元素を含み、水分子(HO)を結晶水の形で保有する、アルミの珪酸塩鉱物である、
化学式は、(M2+、M)・Al・mSiO・nH
但M2+=Ca、Mg、M=Na、K、 m、n=分子の数、その特徴の第1は、nHOの結晶水をもつこと、即ち殻の孔(孔径は1Å、(オングストローム)の中に、結晶水を内蔵しているが、特定温度で放出、冷えると、また新しく水を吸蔵する。
【0026】
第2の特徴は、イオン交換能をもつこと、即ち前述の化学式のM2+は交換性(+)イオンを示す、これをゼオライトの塩基置換能、または、陽イオン交換能と称し、置換容量の大きさは、C・E・Cで示される。
【0027】
前述の特徴を利用して、以下の用途に用いられている
吸湿材、保温材、飼料、土壌改良、緑化、水質浄化、排水処理、PH調整、農薬、養育培土、吸着剤(アンモニア臭吸着、一般ガス吸着)、脱臭剤、
最近は鮮度保持のための、研究がなされている。
【0028】
沸石(天然ゼオライト)は、我が国では、約40種類位発見されているが、使用されているのは、斜プチロル沸石(クリノプチロル沸石)
(Ca、Na、K)(AlSi 70 18)・6H
モルデン沸石(Ca、Na、K)(AlSi5012)・70HO2種類だけである、
鉱物組成を、重量%で示す、
SiO=66.87、 Al=15.82 Fe=1.65 CaO=3,07、KO=1.34、 NaO=2.12、 HO(+)=8.80
【0029】
請求項3、同6にかかる、珪藻土の特徴〔性質、構成分質、形態、用途、等〕を示す。
【0030】
珪藻土は、1個の化石珪殻は、ミクロン単位で、無数の孔のあいた殻(セル)が、円形や針状に、規則正しく配列している、珪藻土は、この化石珪殻(セル)が集合、固結して、できたものである。
【0031】
その特徴は、
(ア)構成物質の80%以上が、珪酸質であり、その大部分が、非品質で、可容体であ る。
(イ)珪殻(セル)には、無数の微孔が、あいている。
(ウ)海水成と淡水成の2種類がある。
【0032】
鉱物組成は、(重量%)で示す、
SiO=80.54、 Al=1.27、Fe=2.34、Cao=1.4
Mgo = 0.66、 IgLOSS=12.30
【0033】
物理的特性としては、セルの無数の孔によって、濾過機能が、大きく、表面積が、大きいため密度小、故に軽量、化学的に安定。
【0034】
用途としては、耐火断熱レンガ、保温材、断熱材、濾過材、充填材、顔料沈降防止剤、食品添加剤、吸着能を利用した複合肥料、農薬キャリヤー、(担体)、保水、通気、吸着性を利用した 猫砂、及び酸性水中和材、
最近では、プールの水の循環濾過に添加すると、除菌と、除濁の効果があることが確認されている。
【0035】
請求項2、同3、同5、同6、同8にかかる、放射性鉱物の特徴(性質、構成物質、)形態、用途、等)を示す、
放射性鉱物には、種々の鉱物があり、わが国に、賦存する鉱物だけでも、約16種類が、発見されている、主な鉱物は、苗木石、恵那石、燐灰ウラン石、北斗石、閃ウラン、河辺石、含むウラン砂岩、瀝青ウラン鉱、銅ウラン鉱、モナズ石、等が知られている。
【0036】
然し、国内の放射性鉱物は、鉱業法、その他の法律で、規制されているため、一般民間企業では、採掘できず、専ら輸入に依存している、輸入先は、印度、オーストラリア、ブラジル国、等であり、輸入品名は、租塩化希土類である。
【0037】
租塩化希土類の、化学組成は,(重量%)、
=46.0 CeO/R45.3、ThO=0.04、CaO=0.81、
MgO=0.02、NaO=0.38、SO=0.23、Cl=29.56、
IgLoSS=51.97である。
【0038】
租塩化希土類の用途は、ミッシュメタル(ライターの石等)、脱硫剤、脱散剤、研磨材、

微量な放射線による、他物質へのイオン化作用と、他物質への励起作用を利用しようとするものである。
【0039】
しかし、租塩化希土類は、ThOを含むため、放射性鉱物であり、「核原料物質、核燃料質及び原子炉の規制に関する法律」の適用を受ける、同法施行令19条によって370ベクレム毎グラム以下の放射線を発する、放射能濃度の放射性鉱物であれば、使用の届出を必要としないので、本発明では、放射能濃度370ベクレム毎グラム以下の、放射性鉱物を使用するものとする。
【0040】
核種は、ThOである、ThOは、以下の放射線を発射する、
α壌変を起こすときに、Heの原子核を、放出して、光速の1/10程度の速度で、進行する)、
β線(中性子が、陽子に壌変して、質量が減る、そのときに発射される放射線で、進行速度は、光速と、ほぼ同じ)、
β線(陽子が中性子に壌変して質量、が増す、そのときに発射される放射線で進行速度は、光速とほぼ同じ)、
γ線(励起状態の原子核から、放出される、電磁放射線で、その、エネルギーは、10Kev〜10Mev位で、波長に換算すると、10−L1〜10−L4m程度)
【0041】
前述の放射線が、発射され、それを受けた物質は、必ずイオン化され、且つ、必ず励起される、その状態を、3相のモデルについて記す、

【0042】
前記(0012)〜(0041)までの記述を総合的に判断すると、貝殻(アルカリ質、 可溶体)、沸石(天然ゼオライト−アルカリ質)、珪藻土(弱酸性質〜弱アルカリ質、PH6〜PH8,可溶体)は、充分に物質問親和力がある、
沸石(天然ゼオライト)と珪藻土の利用目的には、共通性があり、貝殻の機能とも一致する、よってこれ等を、組み合わせて、貝殻の機能を増幅させることは、可能である。
【0043】
一方、赤外線の作用は、物質の吸収スペクトル、または、発光スペクトルによる、振動スペクトルであり、その波長は、10−6m〜10−3mである、
赤外線の、場合は、放射特性と、対象物の、吸収特性が、一致することで、はじめて、その効果が、発揮できるものである、
本発明に用いる、遠赤外線放射原料は、高効率用を、用いるので、その、放射率は、黒体を、1とした場合、全スペクトル域で、0.95位の高効率である、
その吸収特性の主なものを掲げると、水の場合は、2.7μm以上の波長を、ピークとして、3,6,12μmの波長が、吸収特性が良い、
有機体(人を含む、動、植物)の、場合は、3,6,10μm以上の波長に、有効な、吸収スペクトルがある。
【0044】
また、放射性核種が発射する、各種の放射線の波長は、10−10〜10−14m位で、あって、そのエネルギーは10kev〜10Mevの膨大なものである、
この、膨大なエネルギーによって、対象物質を、必ず励起し、必ずイオン化する。
【0045】
従来技術による、製品は、単一機能のものが多く、還元性に劣り、且つ、効果確認に、長時間を要する等、或いは、その効果に、疑問をもつものもあった、
本発明は、これ等の欠点をカバーするために、なされたものであり、前述のとおり、物質問の親和性を、利用して、その機能を、増幅させると共に、赤外線による振動スペクトル、及び、放射線による、物質の、励起、イオン化、作用によって、対象物質を、振動、励起、イオン化させて、一層の機能増大と、機能の、複合化の開発に成功した、新素材と、その、焼結体の製造方法の、技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0046】
本発明は、以上の目的達成のために、なされたものであり、請求項1、にかかる、塩基性セラッミク材料は、主原料の、貝殻粉末と、セラミック用、遠赤外線放射原料粉末を含む、混合物を、仮焼して、複合一体化した後に、これを、破砕、または、摩砕して、粉体状、または、粒体状にしたものである。
【0047】
請求項2にかかる、塩基性セラミックは、主原料の、貝殻粉末と、沸石(天然ゼオライト)粉末と、放射性鉱物、粉末を含む、混合物を、仮焼して、複合一体化した後に、これを破砕、または、摩砕して、粉体状に、したものである。
【0048】
請求項3にかかる、塩基性セラミック材料は、主原料の貝殻粉末と、珪藻土粉末と、放射性鉱物粉末を含む、混合物を仮焼して、複合一体化した後に、破砕、または、摩砕して、粉体状、または、粒体状にしたものである。
【0049】
請求項4にかかる、遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック焼結体は、請求項1にかかる、貝殻粉末と、セラミック用遠赤外線放射原料粉末、とで生成された、塩基性セラミック材料粉末に、陶磁器用坏土粉末を、混練、精製の後に、所望の、形状に成形し、本焼成して、複合一体化した遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラッミク焼結体に関するものである。
【0050】
請求項5にかかる、沸石を含む、塩基性セラミック焼結体は、請求項2にかかる、貝殻粉末と、沸石(天然ゼオライト)粉末と、放射性鉱物粉末とで、生成された、塩基性材料粉末に、陶磁器用坏土粉末を、混練、精製の後に、所望の形に成形、本焼成して、複合一体化した、沸石(天然ゼオライト)を含む、塩基性セラミック焼結体に関するものである。
【0051】
請求項6にかかる、珪藻土を含む、塩基性セラミック焼結体は、請求項3にかかる、貝殻、珪藻土、放射性鉱物の、各粉末とで精製された、塩基性材料粉末に、陶磁器用坏土粉末を、混練、精製の後に、所望の形に、成形、本焼成して、複合一体化した、珪藻土を含む、塩基性セラミック焼結体に、関するものである。
【0052】
請求項7にかかる、セラミック用遠赤外線放射原料は、白色系遠赤外線放射原料、及び、有色系遠赤外線放射原料に関するものである。
【0053】
請求項8にかかる、放射性鉱物は、その種類を、問わないが、放射能濃度が、370ベクレル毎グラム以下であることを、特徴とする、放射性鉱物に関するものである。
【0054】
請求項9にかかる、貝殻は、牡蠣貝、ホタテ貝、真珠貝(アコヤ貝)、ホッキ貝の、貝殻粉末であって、1種類若しくは、1種類以上の混合物であっても、差し支えない、貝殻に関するものである。
【0055】
請求項10にかかる、塩基性セラミック焼結体は、請求項1〜同3の塩基性セラミック材料粉末のうち、2種類以上を選択して混合した後、陶磁器用坏土粉末と、混練、精製の後に、所望の形状に成形、本焼成して、複合一体化した、塩基性材料混合セラミック焼結体に関するものである。
【0056】
以上の、特許請求項に記載の、事項を、実施するものであるが、基本的には、貝殻のもつ機能を最大限発揮できるように、副原料を配合することと、配合した原料混合物の、赤外線放射スペクトル帯を、出来るだけ幅広くして、原子、分子の、振動域を、大きくし、また、膨大なエネルギーを有する、放射線による励起、イオン化作用を、利用して、本発明品にかかる、物質の原子、分子のエネルギー準位を高めるだけでなく、対象物質にも、その効果の範囲を広めんとするものである(例えば、空気のマイナスイオン化、水分子のクラスター化)等。
【発明の効果】
【0057】
請求項1にかかる、塩基性セラミック材料は、貝殻粉末と、セラミック用遠赤外線放射原料粉末を含む混合物を、仮焼、複合一体化した後、粉砕、分級して、粒体状、及び粉体状にしたものである、
したがって、各原料は、混合により、均一に配合され、仮焼によって、有機質や、水分等の揮発成分は、発散されて緻密化されたものを、さらに粉砕によって、粒子を一層均一化して、高品質に成ったものを、分級して、粒体状、粉体状にした、塩基性セラミック材料であり、対象物に及ぼす効果は、被対象原子、分子のラジカル化(イオン化)と、被対象物が、液相の場合は、アルカリイオン化を促し、固相の場合は、接触面の中和化(酸化力減少)を進行させ、遠赤外線効果の、振動を促進させる、
また、該材料は、粉体状、または、粒体状であるから、充填材(プラスチック、塗料吹付材)等、練込用添加剤(陶磁器、繊維)等に利用することが出来る。
【0058】
請求項2にかかる、塩基性セラミック材料は、貝殻粉末と、沸石(天然ゼオライト)粉末と、放射性鉱物粉末を、含む混合物を、仮焼、複合一体化した後、粉砕、分級して、粒体状、及び、粉体状にしたものであるが、製造工程に於ける、発明の効果は、請求項1と同じである、利用面に於ける効果は、貝類の機能(殺菌力、抗菌力、除菌力、消臭力)と、沸石(天然ゼオライト)の機能(沸石水の吸退蔵能、陽イオン交換能)、放射性鉱物の機能(放射線発射能)等が、複合して、機能するため、その利用効果は、固相、液相、気相全域に亘る、
即ち、(ア)、水の改質(酸性水を、アルカリ水にする、PH調整)
(イ)、水の改善(有菌水を、無菌水にする、活性化作用−放射能効果)
(ウ)、改質水の製造(無菌のアルカリイオン水の製造)
(エ)、空気の浄化(脱臭、消臭、湿度調整)
(オ)、マイナスイオン空気の増加(放射能効果、〔0041〕参照、
(カ)、食品の鮮度保持(気相によるものと、接触によるものがある)、
(キ)、土壌改良、(肥料成分の吸蔵と、供給、地力の活性化外)、
また、粒体状、粉体状であるから、充填材、練込用添加剤に利用可。
【0059】
請求項3にかかる、塩基性セラミック材料は、貝殻粉末と、珪藻粉末と、放射性鉱物粉末粉末とを、含む混合物を、仮焼、複合一体化した後、粉砕、分級して、粒体状及び、粉体状にしたものであるが、製造工程に於ける、発明の効果は、前記(0057)と同じである、利用面に於ける効果は、貝殻及び、放射性鉱物の、各粉末についての機能は、前述のとおりであり、これに、珪藻土の機能(珪酸質の大部分が、非晶質で、可溶体であり、大きな濾過能力と、吸着能力)が、付加された、複合機能が、発揮される、
即ち、(ア)、水の浄化(汚濁源の吸着、水の活性化)、
(イ)、空気の浄化(脱臭、消臭、臭源の吸着)、
(ウ)、マイナスイオン空気の増加、
(エ)、食品の、鮮度保持(気相によるもの−放射能効果)
(オ)、土壌改良(保水、地力の活性化、−放射能効果)
また、粒体状、粉体状であるから、充填材、練込用添加剤として、利用可。
【0060】
請求項4にかかる、塩基性セラミック焼結体は、請求項1のセラミック材料粉末に、陶磁器用坏土粉末を、混練、精製したものを、所望する形に、成形して、本焼成し、複合一体化したものであるが、可塑製材に、陶磁器用坏土を、使用しているため、強度の高い成形体を得ることが出来る、
利用効果としては、例えば、セラミックボールや、セラミック成形体を作ることができ、対象物に、及ぼす効果は、(0057)に記載の請求項1の塩基性セラミック材料の効果と同じである。
【0061】
請求項5にのかかる、塩基性セラミック焼結体は、請求項2のセラミック材料粉末に陶磁器用坏土粉末を、混練、精製したものを、所望する形に成形して、本焼成し、複合一体化したものであるが、可塑製材に、陶磁器用坏土を使用しているため、高強度の、成形体を得ることが出来る、
利用上の効果としては、種々の成形体を得ることができ、対象物に及ぼす効果は、(0058)に記載の請求項2の塩基性セラミック材料の効果と同じである。
【0062】
請求項6にかかる、塩基性セラミック焼結体は、請求項3のセラミック材料粉末に、陶磁器用坏土粉末を混練、精製したものを、所望の形に成形して、本焼成し、複合一体化したものであるが、可塑性材に、陶磁器用坏土を使用しているため、高強度の成形体を、得ることができる、
利用上の効果としては、種々の成形体を作ることができ、対象物に、及ぼす効果は、(0059)に記載の請求項3の塩基性セラミック材料の効果と同じである。
【0063】
請求項7にかかる、セラミック用、遠赤外線放射原料は、請求項1の白色系原料と、有色系原料に、大別される、
白色系原料は、前記(0017)に記載のとおり、主として、陶磁器原料として、使用されているものである、
赤外線放射効率は、近赤外線領域では、有色系原料よりも、やや、大であるが、中赤外線以降、1000μmまでの全域に亘っての、放射効率は、有色系原料よりやや劣る、(参照(0012)〜(0019)。
【0064】
有色系原料は、前記(0018)に記載のとおりの、遷移金属元素の原子が、使用されている、
赤外線放射効率は、近赤外線領域での、放射効率は、白色系原料より、も、ややおとるが、中赤外線領域以降、1000μmの、全域に 亘っての放射効率は、白色系原料よりも良好(大)である、参照(0012)〜(0018)
【0065】
請求項8にかかる、放射性鉱物は、天然放射性核種であって、合成核種でないものとし、その放射能度は、370ベクレル毎グラム以下とする、これは、370ベクレル毎グラム以上であれば、法の規制を受けるからである、(放射線取扱主任者等の、国家資格必要)
具体的には、工業原料として、使用されている、モナザイト、鉱石粉末を、用いる、
本鉱石の利用効果は、放射線を利用した、イオン化作用と、励起作用を得るためである、参照(0035)〜(0041)
【0066】
請求項9にかかる、貝類は、ホタテ貝殻、真珠貝(アコヤ貝)殻、牡蠣貝殻、ホッキ貝殻であって、一種以上を使用することができる、
上記、貝殻の主成分は、アルカリ土類金属族とアルカリ金属族であり、特徴は、非晶質の可溶体である、塩基性化合物に、殺菌力のあることは、古来より、知られている、本発明は、この機能を増幅させるために、なされたものである。
【0067】
請求項10にかかる、塩基性セラミック焼結体は、請求項1〜同3の、塩基性セラミック材料粉末を、任意に混合して、混練、精製の後に所望の形に成形して、焼成したものである、
その効果は、前記(0057)〜(0059)に、記載の、各塩基性セラミック材料の、有する機能を、相乗的に利用して、より一層の複合機能を増加せしめるためになされるものである、
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
本発明品は、貝殻を主原料とし、副原料に、沸石(天然ゼオライト)、珪藻土、放射性鉱物の、各粉末を、用いて、主原料のもつ機能を助長、増幅させる目的でなされたものであり、以下詳細に、最良と思われる、実施の形態を説明する。
【0069】
請求項1〜同3にかかる、塩基性セラミック材料の製造工程は、各原料を、粗混合した後、ボールミルへ入れ、約、4時間精混合した後、これを乾燥させ、匣鉢に入れて、窯詰め、点火(火入)を行い、300℃位までは、約2時間かけて、焙焼を、行って、皮膜水を蒸発させ、300℃〜500℃位までは、約1時間で、焼成して、結晶水、等を、揮発させる500℃〜600℃の間は、原料の、異状膨張を、防ぐため、約1時間30分かけて、焼成し、600℃〜800℃までは、100℃/1時間の割合で、焼成し、COその他の、熱分解を行い、800℃になれば、その温度を維持し乍ら、約30分練らし焼を行った後、火止めをする、除令は、約12時間行った後、窯出しをする、
該焼成は、焙焼=仮焼であるから、酸化焔焼成で、実施しなければならない、
複合一体化された、焼成品は、破砕、または、粉砕された後、1mm〜5mmに分級して、粒体を得る、一方該粒体を、ボールミルに入れて、約24時間、混練、摩砕して、
10μm以下の、粉体を、得て成る、塩基性セラッミク材料、
各原料の、混合割合は、貝殻粉末と、遠赤外線放射原料粉末の場合は、
55:45w%、貝殻粉末と、沸石(天然ゼオライト)粉末及び、珪藻土粉末と、放射性鉱物粉末の、混合割合は、45:35:20w%を、基準とする、
【0070】
請求項1にかかる、遠赤外線放射原料には、(0017)に記述のとおり、白色系原料と、有色系原料が、あるが、本発明では、白色系原料として、ジルコン、(ZrSiO)40w%ペタライト(LiO・Al・8SiO)40w%コージライト(2Mg・2AI・4SiO)20w%として使用する、従って、前記(0069)に記載の遠赤外線放射原料w%に、換算すると、ジルコン粉末18w%、ペタライト粉末18w%、コージライト粉末、9w%となり、これを貝殻粉末55w%との、配合割合として、前記(0069)記載の工程を、経由して、請求項1にかかる、白色系遠赤外線放射原料を、含む、塩基性セラミック材料を得る。
【0071】
請求項1にかかる、遠赤外線放射原料の内、有色系原料としては、前記(0018)に記載の、遷移金属元素の原子、分子が広く用いられているが、本発明では、MnO粉末50w%、Fe粉末20w%、CuO粉末10w%、CO粉末10w%CrO粉末10w%として使用する、従って、前記、(0069)記載の遠赤外線放射原料45w%に換算すると、MnO、粉末、22.5w%、Fe粉末9w%、CuO粉末4.5w%、CO粉末4.5w%、CrO粉末4.5w%、となり、これを貝殻粉末55w%との配合割合として、前記(0069)記載の工程を経由して、請求項1にかかる、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料を得る。
【0072】
請求項4にかかる、白色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック焼結体の製造工程は、前記(0070) で得た白色系遠赤外放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末60〜70w%と陶磁器用坏土粉末30〜40w%を、ボールミルで、約4〜5時間精混合を、行い適度の硬さの粘度した後、真空土練機で、練り上げて、これを所望の形状にして、乾燥後匣鉢に入れ、窯詰をなして、点火(火入)を行い800℃までは、前記(0069)の工程と、同工程で実施、800℃から1,160℃までは、酸化焔焼成で、100℃/1時間の割合で、焼成して、所定温度に至ると、該温度を保持し乍ら、約1時間練らし、焼成を行って、火止めする、除冷は、約12時間以上行った後、窯出しをして焼結体を得る。
【0073】
請求項4にかかる、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック焼結体の、製造工程は前記(0072)の白色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック工程と同じだが、所定温度が、白色系よりも、20℃〜30℃低い、1,130℃〜1,140℃である、
焼成所定温度を除けば、全工程は、上記と同じである、以上の工程を経て、請求項4の、塩基性セラミック焼結体を得る、なお当該焼成は、酸化焔焼成とし、前記(0072)も、同様である、
【0074】
請求項5にかかる、沸石(天然ゼオライト)を含む、塩基性セラミック焼結体の、製造工程は、前記(0069)の、工程で得た、請求項2にかかる、塩基性セラミック材料粉末60〜70w%陶磁器用坏土粉末30〜40w%とを、ボールミルで4〜5時間精混合を、行い、適度の硬さの粘度にした後、真空土練機で、練り上げて、これを所望の形状にして、乾燥後、匣鉢に入れ、窯詰をなして、点火(火入)を行い、800℃までは、前記(0069)に記載の、工程と、同じ工程で実施、
800℃から、1,160℃〜1,180℃の間は、還元焼成で、100℃/1時間の割合で、焼成して、所定温度(1,160℃〜1,180℃)に達すると、該温度を保持し乍ら、約1時間、練らし焼成を行って火止めする、除冷は、約12時間以上行った後、窯出しをなして、請求項5にかかる、沸石(天然ゼオライト)を含む、塩基性セラミックの焼結体を得る。
【0075】
請求項6にかかる、珪藻土を含む、塩基性セラミック焼結体の、製造工程は、前記(0069)に記載の工程で得た、請求項3にかかる、塩基性セラミック材料粉末60〜70w%と、陶磁器用坏土粉末30〜40w%とを粗混合した後の製造工程は、焼成所定温度が、1,170℃〜1,190℃である以外は、前記(0074)に記載の工程と、全く同じ、工程で、得られる、請求項6にかかる、珪藻土を含む、塩基性セラミックの、焼結体を得る。
【0076】
請求項7にかかる、セラミック用遠赤外線には、前記(0017)に記載の白色系原料と、前記(0018)に記載の有色系原料があり、その特質は、前記(0012)〜(0016)に記載のとおり、赤外線放射と、吸収のスペクトル合致による共振から、生ずる、物理的作用の、一種である、またその製造工程は、前記(0069)〜(0071)に記載のとおりである。
【0077】
請求項8にかかる、放射性鉱物は、モナザイト粉末であって、使用中、特に注意を要する点は、事前に、該原料の、(Bq=放射能濃度)を、測定して、調合割合を、決定することである、その基準は、安全率を考慮して、300Bq/gとする(同一メーカーの原料であっても、ロット毎に品位の、バラツキがある)、また出納を確認して、記帳し、常に残高を、把握しておくことである。
【0078】
請求項9にかかる、貝殻は、牡蠣貝、ホタテ貝、真珠貝(アコヤ貝)、ホッキ貝の、貝殻であり貝殻粉末は、2種類以上を混合して、使用しても、差し支えなく、所定の調合で使用すればよい。
【0079】
請求項10かかる、塩基性セラミック焼結体は、請求項1〜同3の、塩基性セラミック材料粉末と、陶磁器用坏土粉末とを、任意の調合割合で、混合するものであるが、その製造工程は、前記〔0072〕〜〔0075〕の各れかの工程で実施するものとする、焼成工程に於ける、所定温度は、各材料の、調合割合によって、異なるため、その都度、ゼーゲル式 によって求める必要が生じる。
【0080】
また、焼成分類も、基本的には、材料、原料の調合割合、及び、利用目的によって異なるが、大略を示せば、遠赤外線放射原料の混合された材料は、酸化焔焼成が主体であり、沸石(天然ゼオライト)または、珪藻土等の混合された材料は、還元焔焼成が主体になる。
【0081】
遠赤外線の混合された、請求項1に係る、遠赤外線放射原料を、含む、遠基性材料を、基にした、請求項4に係る、焼結体の、焼成には、酸化焔焼成が、必要である理由は、赤外線スペクトルは、その全域に於いて、準物質よりも酸化物のほうが、格段に高い赤外線の放射効率を、示すからである。
【0082】
また、沸石(天然ゼオライト)や珪藻土が、混合された、請求項2、同3にかかる、塩基性セラミック材料を、基にした、請求項5、同6にかかる、焼結体の焼成には、還元焔焼成が、必要である理由は、可能な限り準物質に近付けて、液相中で、(+)イオンを発生させたいためである。
【0083】
以下に本発明の、実施例、及び、試験例を挙げて、詳細に説明する、なお、%は、重量を示す。
【0084】
(実施例1)
請求項1にかかる、遠赤外線放射原料のうち、白色系原料粉末として、
ジルコン:40% ペタライト:40% コージライト:20%を、粗混合して、これを45%とし、これにホタテ貝殻55%を、粗混合してボールミルに入れ、約4時間精混合して、ミル出し、乾燥後、匣鉢に入れて、窯詰め、点火、300℃まで2時間、500℃まで1時間、600℃まで1時間30分、800℃まで2時間、800℃から、練らし焼を、30分間、行って、火止めする、除冷を12時間行い、窯出し、複合一体化された、焼成品をクラシャーで、破砕、ふるいで1mm〜5mm に分級して、粒体を得た、更に、該粒体の一部をミルに入れて、24時時間、摩砕し、ミル出し、分級して、10μm以下の白色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料を得た。
【0085】
(実施例2)
請求項1にかかる、遠赤外線原料のうち、有色系原料粉末として、
MnO:50%、Fe20%、CuO:10%、CO:10%、CrO10%を、粗混合した後、ボールミルに入れ、約4時間、精混合して、ミル出し、乾燥後、匣鉢に入れて、窯詰め、上記(0084)と同様工程で、焼成し、窯だし後も、上記(0084)と同様の、工程を、経て、請求項1に、かかる、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料を得た。
【0086】
(実施例3)
請求項2にかかる、塩基性セラミック材料の原料として、沸石(天然ゼオライト)粉末35%と、ホタテ貝殻粉末45%、放射性鉱物モナザイト粉末、20%を、粗混合、ボールミルに入れ、約4時間、精混合した後、ミル出し、乾燥後、匣鉢に入れて、窯詰め、上記、(0084)の実施例1と同様工程で、焼成し、窯だし後も、上記(0084)と同様の、工程を、経て、請求項2にかかる、沸石入り塩基性セラミック材料を得た。
【0087】
(実施例4)
請求項3にかかる、塩基性セラミック材料の原料として、珪藻土粉末を、35%、ホタテ貝殻粉末45%、放射能鉱物モナザイト粉末20%を、粗混合、して、上記(0084)と同様の、工程を、経て、請求項3にかかる、珪藻土入塩基性セラミック材料を得た。
【0088】
(実施例5)
実施例1により得た、請求項1にかかる、白色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末70%と、陶磁器用坏土粉末30%を、粗混合して、ボールミルに入れ、約4時間、精混合を行い、適度の硬さの、粘度にした後、真空土練機で、練り上げて、成形用坏土を作り、当該坏土を用いて、直系10mmの、球形を加工し、乾燥後、匣鉢に入れて、窯詰めをし、点火、500℃まで、3時間、600℃まで、1時間30分、以後、100℃/1時間の割合で、約6時間焼成1,160℃の所定温度に達した後、当該温度を、保持し乍ら、1時間練らし焼成を行って、火止め、12時間除冷して、窯出し、検品をして、請求項4にかかる、白色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック焼結体を得た。
【0089】
(実施例6)
実施例2によって得た、請求項1にかかる、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末70%と、陶磁器用坏土粉末、30%を、粗混合した後、前記(0088)の実施例5と、同じ工程経由して、焼成温度1,140℃の所定温度に達した後、所定温度を保ちながら、1時間練らし焼成を行って火止め、12時間除冷して、窯出し、検品をして、請求項4にかかる、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック焼結体を得た。
【0090】
(実施例7)
実施例3によって得た、請求項2にかかる、沸石入り、塩基性セラミック材料粉末70%と、陶磁器用坏土粉末30%を 粗混合した後、ボールミルに入れ、約4時間 精混合を、行い、適度の硬さの、粘度にした後、真空土練機で、練り上げて、成形用坏土を作り、当該坏土を用いて、直系10mmの、球形を加工し、乾燥後、匣鉢に入れて、窯詰めをなし、点火、500℃まで、3時間、600℃まで、1時間30分、800℃まで2時間で焼成し、800℃で、還元焔焼成に、着手、以後所定の温度の、1,170℃まで、還元焔焼成を、行い、所定の温度の、1,170℃に、達すると、その温度を保持しながら、中性焔焼成に切り替えて、1時間、練らし焼成を行って、火止め、12時間除冷して、窯出し、検品をして、請求項5にかかる、沸石入り、塩基性セラミック焼結体を得た。
【0091】
(実施例8)
実施例4によって得た、請求項3にかかる、珪藻土入り塩基性セラミック材料粉末を、70%と、陶磁器用坏土粉末30%を 粗混合した後、前記(0090)記載の実施例7と、同じ工程を経て、所定の温度の、1,180℃に達した後、該温度を保持して、1時間、練らし焼成を行って、火止め、12時間除冷して、窯出し、検品をして、請求項6にかかる、珪藻土入り、塩基性セラミック焼結体を得た。
【0092】
(実施例9)
実施例1で得た、白色系遠赤外線放射原料を含む 塩基性セラミック材料粉末と同実施例3で得た、沸石入り、塩基性セラミック材料粉末とを、配合比率1:1で混合したもの、70%と、陶磁器用坏土粉末30%を 粗混合して、前記、実施例7の、工程を経由して、焼成温度が、1,000℃に、達すると、中性焔焼成に切り替えて、所定温度の、1,160℃に、達するまで焼成を行い、所定の温度に達すると、該温度を保持したまま、1時間練らし焼成を行い、火止め、12時間除冷して、窯出し、検品をして、請求項10にかかる、混合塩基性セラミック焼結体を得た。
【0093】
(実施例10)
前記、実施例2で得た、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末と、実施例3で得た、沸石入塩基性セラミック材料粉末とを、1:1の配合比率で、混合したもの、70%と、陶磁器用坏土粉末30%を 粗混合して、前記、実施例9の工程を経由して、焼成温度が、1,150℃に、達すると、該温度を保持し乍ら、1時間練らし焼成を行い、火止め、12時間除冷して、窯出し、検品をして、請求項10にかかる、混合塩基性セラミック焼結体を得た。
【0094】
(実施例11)
前記、実施例3で得た、沸石入り塩基性セラミック材料粉末と、実施例4で得た、珪藻土入り、塩基性セラミック材料粉末とを、1:1の配合比率で、混合したもの、70%と、陶磁器用坏土粉末30%を 粗混合して、前記、実施例7の工程を経由して、所定温度の、1,180℃に達すると、該温度を保持して、1時間練らし焼成を行い、火止め、12時間除冷後、窯出し、検品をして、請求項10にかかる、混合塩基性セラミック焼結体を得た。
【0095】
(実施例12)
前記、実施例1、及び、同2で得た、白色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末及び、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末とを、1:1の配合比率で、混合したもの、70%と、陶磁器用坏土粉末30%を、粗混合して、前記、実施例5、または、同6の工程を経由して、所定の温度、1,160℃に、達した後、再度、前記、実施例5、または、同6と同様工程で、窯焚きを、終了し、窯出し、検品工程を経て、請求項10にかかる、混合塩基性セラミック焼結体を得た。
【0096】
(実施例13)
前記、実施例2で得た、有色系遠赤外線放射原料を含む、塩基性セラミック材料粉末と、実施例4で得た、珪藻土入り、塩基性セラミック材料粉末とを、1:1の配合比率で、混合したもの、70%と、陶磁器用坏土粉末30%を、粗混合して、前記、実施例9の、工程を経由して、所定焼成温度の、1,160℃に、達した後、再度、実施例9の、工程を経由して、窯焚きを、終了し、窯出し、検品工程を経て、請求項10にかかる、混合塩基性セラミック焼結体を得た。
【0097】
(試験例1、水のP・H試験)
水道水1lをビーカーへ入れ、その中に、実施例1〜同13で得た、塩基性セラミック材料及び、同焼結体を、供試体として、各500宛を入れて、経過時間を、1,6,12,18,24時間とし、経過時間毎に、P・Hを測定器でP・H、を、測定した、その試験例を、図1に示す、
水道法に基づく、飲用水に関する水質基準の、P・H(水素イオン濃度指数)は、5.8〜8.6である、今これを、中性とするならば、前記、実施例で得た、実施例1、同2の、塩基性材料、及び、実施例5、同6、同9、同10、同12、同13、で得た、塩基性セラミック焼結体は、中性である、また、実施例3、同4、同7、同8、同11、の各材料及び、焼結体を入れた水の、P・Hは、9以上であり、アルカリイオン水である。
【0098】
経過時間と共に、P・H値が、変わるのは、H+、OH(H+eaq)等の基や団のクラスターが、微分化されて、ラジカルになったためである、一般には、

際には、もっと複雑な作用を、繰り返している。
【0099】
(試験例1、水の蒸発による鮮度保持試験)
H50cm、L50cm、W50cmの鉄製の箱に、水道水(P・H6.8)4lと、自然砂、2000gを入れて、敷均し、その上に、小松菜、1000gを、敷並べた、この試験箱を、NO1とする、同様形状の、鉄箱に、実施例5と、同6で得た、白、有色系遠赤外線放射原料を含む塩基性セラミックボールを、各1000g宛、計2000gを、混合して、敷均し、水道水を、4l注水して、その上に、小松菜、1000gを、敷並べた、この試験箱を、NO2とする、
同様形状の鉄箱に、実施例7と、同8で得た、沸石入塩基性セラミックボールを、1000gと、珪藻土入塩基性セラミックボール、1000gを混合して敷均し、水道水4lを注水して、その上に、小松菜、1000gを、敷並べた、この試験箱を、NO3とする、以上の試験結果を図2に示す。
【0100】
NO1の、小松菜の新鮮食品として、利用できる限度は、投入後3日である、
NO2の、小松菜の新鮮食品として、利用できる限度は、投入後6日である、
NO3の、小松菜の新鮮食品として、利用できる限度は、投入後10日位であると推定できる、(該試験を、7日で、中止したため、推定日数を算定した)、
水のP・H測定値は、前述の、試験例1大差がない、これは、水が、平衝状態を、繰り返しながら、安定したものと思われる、
またNO2は、水が遠赤外線の、放射効果によって、水分子が、ラジカル化して、蒸発し、一方、小松菜の方は、遠赤外線を吸収し、微分化された水蒸気と複合して、活性化し、鮮度が、NO1よりも長く、保たれたものと、思われる、
NO3は、放射線により、水は、微分化(ラジカル)化されて蒸発し、それが又、気相で、空気と共に、ラジカル化され、且(陰)イオンを発し、一方、小松菜は、(陰)イオンを吸収し、且、微量な、放射能による放射線によって、細胞が活性化し、水蒸気と、親和する等、複合的な要素によって、NO2の鮮度よりも、長く保たれるものと、思われる、
又、図中の×印は、使用不能を意味する。
【0101】
(試験例3、脱臭、消臭試験)
H50cm、L50cm、W50cmの鉄製の箱に、自然砂6kg敷均べその上に生乾きの、鯵の干物と、鯖の、干物を、各10尾づつ敷き並べた、この鉄箱を、NO1、とする、
別の箱へ、実施例5と、6で得た、白系、有色系遠赤外線放射原料を含む塩基性セラミックボールを、各3Kg宛、計6kgを、混合して、敷均べその上に生乾きの、鯵の干物と、鯖の、干物を、各10尾宛敷き並べた、この鉄箱を、NO2とする、
別の箱へ、実施例7と、8で得た、沸石入塩基性セラミックボールと、珪藻土入塩基性セラミックボールを、各3kg宛、計6kgを、混合して、敷均べその上に生乾きの、鯵の干物と、鯖の、干物を、各10尾宛、計20尾を、敷き並べた、この鉄箱を、NO3とする、
各鉄箱にそれぞれ蓋を、被せ30分毎に、1回、以降、1時間毎に、蓋を開け、匂いを嗅ぎ、体感による、脱臭、消臭試験を行った、
以上の試験結果を図3に示す。
【0102】
試験結果、NO1、の箱は、4時間目で、嗅い強烈、5時間目では、嫌悪感が生じるほど嗅う、
NO2、の箱は、3時間目で、嗅いが減り、4時間目では、前よりも嗅いが減り、7時間目には、微かに嗅う程度である、
NO3、の箱では、2時間目で、嗅いが減り、4時間目では、微かに嗅う程度であり、6時間目では、ほとんど嗅おわない、図中の×印は、嫌悪寒が生じる位の悪臭を意味する。
【0103】
NO2は、貝殻の消臭力と、脱臭力が、遠赤外線の放射と符合して、空気をラジカルにし、遠赤外線の放射効果で、魚体分子を、活性化させ、腐敗を遅らせる、NO3は、微量な、放射線により、魚体分子を、活性化させ、且、腐敗臭を、沸石、珪藻土のもつ、吸着機能で、吸着、貝殻のもつ、殺菌作用で、腐敗菌を殺す等、各物質のもつ機能が、魚体に有効に作用したと思われる。
(産業上の利用の可能性)
【0104】
貝殻を利用した産業では、過去に、土木建築用貝灰の製造、釦への加工等が、隆盛を極めたが、現在では、衰退の一途を辿っている、僅かに、医療保険用の、カルシウム
製造業が、存在するくらいである、窯業界に於いては、貝殻を、利用した、既往の、技術はなく、未だ開発もされていない。
【0105】
本発明は、貝殻のもつ特性に着目、これ等の機能を充分に理解、解明した結果、これを主原料とし、副原料に、遠赤外線放射原料、微量な、放射能を有する、放射性鉱物原料、一般陶磁器原料等を、用いて、新素材、新製品を、開発し、以って、日本産業活性化の1翼を、担うために、この技術を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の試験例1にかかる、供試体毎の、経過時間と水素イオン濃度指数との関係を示す図である、
【図2】本発明の試験例2にかかる、日日経過と鮮度と、水素イオン濃度指数との関係を示す図である、
【図3】本発明の試験例3にかかる、経過時間と、脱臭、消臭効果の関係を示す図である

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主原料である貝殻粉末と、セラミック用遠赤外線放射原料粉末を含む混合物を仮焼して、複合一体化した後、これを破砕、または、摩砕して、粒体状、または、粉体状にしたことを特徴とする、塩基性セラミック材料。
【請求項2】
主原料である、貝殻粉末と、沸石(天然ゼオライト)粉末と、放射性鉱物粉末を含む混合物を、仮焼して、複合一体化した後、これを破砕、または、摩砕して、粒体状、または、粉体状にしたことを特徴とする、塩基性セラミック材料。
【請求項3】
主原料である、貝殻粉末と、珪藻土粉末と、放射性鉱物粉末を含む混合物を、仮焼して、複合一体化した後、これを破砕、または、摩砕して、粒体状、または、粉体状にしたことを特徴とする、塩基性セラミック材料。
【請求項4】
主原料である、貝殻粉末と、セラミック用遠赤外線放射原料粉末を含む混合物を、仮焼して、複合、一体化した後、これを破砕、または、摩砕して、粒体状、または、粉体状にした請求項1記載の、塩基性セラミック材料に、陶磁器用坏土粉末を混練、精製の後に、所望の形状に成形、本焼成して、複合、一体化したことを特徴とする、塩基性セラミック焼結体。
【請求項5】
主原料である、貝殻粉末と、沸石(天然ゼオライト)粉末と、放射性鉱物粉末を含む混合物を、仮焼して、複合、一体化した後、これを破砕、または、摩砕して、粒体状、または、粉体状にした、請求項2、記載の塩基性セラミック材料に、陶磁器用坏土粉末を混練、精製の後に、所望の形状に成形、本焼成して、複合一体化したことを特徴とする、塩基性セラミック焼結体。
【請求項6】
主原料である、貝殻粉末と、珪藻土粉末と、放射性鉱物粉末を含む混合物を、仮焼して、複合一体化した後、これを破砕、または、摩砕して、粒体状、または、粉体状にした、請求項3、記載の塩基性セラミック材料に、陶磁器用坏土粉末を混練、精製の後に、所望の形状に成形、本焼成して、複合一体化したことを特徴とする、塩基性セラミック焼結体。
【請求項7】
前記セラミック用遠赤外線放射原料は、白色系遠赤外線放射原料、及び、有色系遠赤外線放射原料からなることを特徴とする、請求項1、及び請求項4並びに請求項10のいずれか1項に記載の遠赤外線放射原料粉末。
【請求項8】
前記放射性鉱物は、放射能濃度が370ベクレル毎グラム以下である、放射性鉱物であることを特徴とする、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、並びに請求項10の、いずれか1項に記載の放射性鉱物粉末。
【請求項9】
前記貝殻は、牡蠣貝殻、ホタテ貝殻、真珠貝(アコヤ貝)殻、ホッキ貝殻であって、1種類若しくは、1種類以上の混合物であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6、及び請求項10の、いずれか1項に記載の貝殻粉末
【請求項10】
前記、請求項1、乃至請求項3、の塩基性セラミック材料の内、2種類以上を選択して、陶磁器坏用土粉末と、混練、精製の後に、所望の形状に成形、本焼成して、複合一体化したことを特徴とする塩基性セラミック焼結体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−131486(P2006−131486A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350432(P2004−350432)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(599092181)丸北窯業株式会社 (1)
【出願人】(598044143)
【Fターム(参考)】