塵芥収集車
【課題】 塵芥収容箱の収容スペースを減少させることなく駆動装置の配置スペースを増加することができる塵芥収集車を提供する。
【解決手段】
塵芥収容箱2の底部であって、排出板18を最前方位置に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方のデッドスペースに、第1収納部64と第2収納部69とを車幅方向に配置し、第1収納部64にバッテリボックス49を収納し、第2収納部69にパワーユニット48を収納する。
【解決手段】
塵芥収容箱2の底部であって、排出板18を最前方位置に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方のデッドスペースに、第1収納部64と第2収納部69とを車幅方向に配置し、第1収納部64にバッテリボックス49を収納し、第2収納部69にパワーユニット48を収納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを動力源として駆動される積込装置により塵芥を圧縮して収容する塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の塵芥収集車は、塵芥収容箱の後部に塵芥投入箱を備えており、この塵芥投入箱内には、投入された塵芥を塵芥収容箱に積み込むための積込装置が設けられている。上記積込装置は、電動モータを有する駆動装置を駆動させることにより、積み込み動作を行えるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
上記電動モータは車両に搭載されたバッテリから電力供給を受けて駆動されるため、エンジンを停止させた状態で積込装置を動作させることができ、積み込み作業を低騒音で行うことができるとともに、排気ガス量を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−329871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記塵芥収集車は、エンジンの近くにバッテリや電動モータ等の駆動装置が配置されているため、車種によっては、駆動装置が他の搭載機器と干渉して、駆動装置を取り付けることができないという問題があった。
そこで、上記問題を解決するものとして、キャブ(運転室)と塵芥収容箱との間に存在するキャブバックスペースに駆動装置を配置する塵芥収集車が知られている。このキャブバックスペースは、上記積込装置の油圧機器の作動油を貯留するオイルタンクを配置するために従来から存在するスペースであることから、車種に影響を受けることなく駆動装置を配置することができる。
ところが、近年、上記バッテリの蓄電量を増加させるなどの理由により駆動装置が大型化しており、従来のキャブバックスペースだけでは駆動装置を配置することができないため、塵芥収容箱の前後方向の長さを短く形成してキャブバックスペースを広げることが行われている。しかし、塵芥収容箱の前後方向の長さを短くすると、塵芥収容箱内の収容スペースが減少するという新たな問題が生じる。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、塵芥収容箱の収容スペースを減少させることなく駆動装置の配置スペースを増加することができる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための本発明の塵芥収集車は、車体フレームに搭載され、後面に開口部を有する塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱の前記開口部に連接して設けられている塵芥投入箱と、前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込むための積込装置と、バッテリを有するとともに、当該バッテリを動力源として前記積込装置を駆動する駆動装置と、前記塵芥収容箱内に、最前方位置と最後方位置との間で前後移動可能に設けられているとともに、下部に後下がりに傾斜している傾斜部を有し、後方に移動することで当該塵芥収容箱内に収容されている塵芥を前記開口部から排出する排出板と、前記塵芥収容箱の底部であって、前記排出板を前記最前方位置に位置させた状態で前記傾斜部の下部より前方に配置されているとともに、前記駆動装置の少なくとも一部が収納された収納部と、を備えていることを特徴としている。
このような構成の塵芥収集車によれば、排出板を最前方位置に位置させたときに、当該排出板の傾斜部の下部より前方であって、塵芥収容箱の底部に形成されるデッドスペースに、駆動装置の一部が収納される収納部を配置するようにしたので、塵芥収容箱内の排出板より後方の塵芥収容スペースを減少させることなく、駆動装置の配置スペースを増加することができる。
【0006】
また、前記塵芥収集車は、前記車体フレームの車幅方向の一方側に設けられているとともに、エンジンの駆動燃料を貯留している燃料タンクをさらに備え、前記収納部が、前記車体フレームの車幅方向の他方側に配置されているとともに、前記バッテリを収納していることが好ましい。
この場合、バッテリを燃料タンクから離反した位置に配置するようにしたので、バッテリの発熱によって燃料タンクから漏洩した燃料が引火するのを防止することができる。
【0007】
また、前記収納部は、車幅方向の一方側に配置されている第1収納部と、車幅方向の他方側に配置されている第2収納部と、を有することが好ましい。
この場合、第1収納部と第2収納部とを車幅方向に配置するようにしたので、収納部を前後方向に長く形成することなく、駆動装置の配置スペースをさらに増加させることができる。
【0008】
また、前記塵芥収集車は、前記収納部が、前記塵芥収容箱に取り付けられていることが好ましい。
この場合、塵芥収容箱を車体フレームに組み付ける前に、収納部をあらかじめ塵芥収容箱に取り付けておくことができるので、組み付け作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塵芥収集車によれば、塵芥収容箱の底部に形成されるデッドスペースに、駆動装置の一部が収納される収納部を配置するようにしたので、塵芥収容箱内の排出板より後方の塵芥収容スペースを減少させることなく、駆動装置の配置スペースを増加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施形態による塵芥収集車を左舷側から見た側断面図である。図において、この塵芥収集車1は、キャブ(運転室)1aと、左右一対の車体フレーム1bと、車体フレーム1b上に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後部に連接された塵芥投入箱3とを備えている。上記塵芥収容箱2は、その後面に開口部2aを有し、底板2bには左右一対の断面Z型の主桁2cが固定され、この主桁2cが車体フレーム1bの上面に固定されている(図16参照)。上記塵芥投入箱3の後部には、塵芥が投入される投入口3aが形成されており、この投入口3aを上下にスライドして開閉する蓋3bが設けられている。塵芥投入箱3の前方下部には、塵芥投入箱3に投入された塵芥を塵芥収容箱2に収容するための開口3dが設けられている。
塵芥投入箱3は、上部に設けられた支点Pを中心に回動可能であり、これによって塵芥収容箱2に対しての開閉動作が可能である。塵芥投入箱3は、図の実線で示す位置では塵芥収容箱2を閉鎖し、図の二点鎖線で示すように上方へ回動したときは塵芥収容箱2を開放して塵芥を排出することができる状態とする。
【0011】
次に、塵芥投入箱3内に設けられている積込装置Tについて説明する。まず、塵芥投入箱3の左右の側壁3cには斜め上下に延びるガイドレール4が設けられており、スライダ5に取り付けられた左右一対二組のローラ6は、このガイドレール4内を斜め上下に移動することができる。スライダ5は、図示のような側面形状の左右の部材間を車幅方向に延びるプレート等(図示せず。)により接続して一体化したものである。また、スライダ5の下端部には、ピン7を介して押込板8が回動自在に取り付けられている。押込板8もまた、図示のような側面形状の左右の部材間を車幅方向に延びるプレート等(図示せず。)により接続して一体化したものである。
【0012】
一方、プッシュシリンダ9(圧縮駆動手段)のシリンダ側端部はピン10により左右両側壁3cに取り付けられており、ピストン側端部はピン11により、スライダ5の上端部に接続されている。他方、プレスシリンダ12(押込駆動手段)のシリンダ側端部はピン13により押込板8に接続されており、ピストン側端部は上記ピン11により、スライダ5の上端部に接続されている。スライダ5は押込板8と共に、プッシュシリンダ9の伸長動作により斜めに上昇し、収縮動作により斜めに下降する。これによりスライダ5は、後述する一次圧縮および押込に対応した往復動が可能である。また、押込板8は、プレスシリンダ12の伸長動作によりピン7を中心として時計回り方向に回動し、収縮動作により反時計回り方向に回動する。これにより押込板8は、後述する反転および二次圧縮に対応した往復回動が可能である。
【0013】
図2の(a)は、図1から押込板8、プッシュシリンダ9およびプレスシリンダ12のみを抜き出した動作説明図である(但し、図面を見易くするためプッシュシリンダ9の位置を少しずらしている。)。押込板8は、(a)に示す位置を原位置として、プレスシリンダ12が収縮動作することにより「反転」の行程を行い、(b)に示す状態となる。次に押込板8は、プッシュシリンダ9が収縮動作することにより「一次圧縮」の行程を行い、(d)に示す状態となる。続いて押込板8は、プレスシリンダ12が伸長動作することにより「二次圧縮」の行程を行い、(c)に示す状態となる。最後に押込板8は、プッシュシリンダ9が伸長動作することにより「押込」の行程を行い、(a)に示す状態に戻る。このようにしてプッシュシリンダ9およびプレスシリンダ12が交互に動作することにより、押込板8は、1サイクルの行程動作(反転、一次圧縮、二次圧縮、押込)を行う。押込板8の先端部8aは、図示のように、動作軌跡が4点を結ぶ閉じた形状を描く。
【0014】
上記プッシュシリンダ9およびプレスシリンダ12の近傍には、それらの伸縮動作が伸長端および収縮端に達したことをそれぞれ検知する近接スイッチ(14,15,16,17)が設けられている。第1近接スイッチ14は、プッシュシリンダ9の動作が伸長端に達したことを検知する。第2近接スイッチ15は、プレスシリンダ12に取り付けられたドグ12aを検知することにより、その動作が収縮端に達したことを検知する。第3近接スイッチ16は、プッシュシリンダ9の動作が収縮端に達したことを検知する。そして、第4近接スイッチ17は、プレスシリンダ12の動作が伸長端に達したことを検知する。なお、第1近接スイッチ14および第3近接スイッチ16は塵芥投入箱3に対して固定的に取り付けられているが、第2近接スイッチ15および第4近接スイッチ17はスライダ5側に取り付けられており、プッシュシリンダ9の伸縮動作に伴って移動する。
【0015】
図1に戻り、塵芥収容箱2の内部には、車体の前後方向に移動可能に排出板18が設けられ、この排出板18の後方(排出板18と開口部2aとの間)に、塵芥を収容する収容スペースSが形成されている。テレスコ式のディスチャージシリンダ19(排出板駆動手段)の一端部19aは排出板18の後述する傾斜部18bの車幅方向略中間部に接続され、他端部19bは塵芥収容箱2の前壁2dの車幅方向略中間部に接続されている。排出板18は、ディスチャージシリンダ19の伸縮により、図の実線で示す最後方位置と二点鎖線で示す最前方位置との間で移動可能である。上記収容スペースSが空のとき、排出板18は最後方位置より少し前方に位置する初期位置にあり、押込板8により塵芥収容箱2内に積み込まれた塵芥を、押込板8と排出板18との間で圧縮するようになっている。そして、上記塵芥の積み込み量が増加すると、ディスチャージシリンダ19を徐々に収縮させて排出板18を前方へ移動させ、上記収容スペースSを広げるようになっている。また、上記ディスチャージシリンダ19を伸長させて排出板18を後方へ移動させることにより、塵芥収容箱2に収容された塵芥を、上記開口部2aから排出できるようになっている。
【0016】
上記排出板18の下部には、後ろ下がりに傾斜した傾斜部18aが形成されており、押込板8の押込動作により、上記収容スペースSに積み込まれた塵芥を、前記傾斜部18aに沿って上方へ移動させるようになっている。これにより、収容スペースS全体にわたって隙間なく塵芥を収容することができる。
【0017】
図3は、塵芥収集車1の背面図である。塵芥投入箱3の左右両端に配置された一対のスイングシリンダ20(投入箱駆動手段)は、上端が塵芥収容箱2側に取り付けられ(図1参照)、下端が塵芥投入箱3に取り付けられている。このスイングシリンダ20を伸長動作させると塵芥投入箱3が上方へ回動して塵芥収容箱2を開き、収縮動作するとこれを閉じる。
【0018】
図4は、上記プッシュシリンダ9、プレスシリンダ12、ディスチャージシリンダ19およびスイングシリンダ20に関する油圧回路図である。当該油圧回路は、オイルタンク21、油圧ポンプ22、圧力制御弁23a〜23e、プッシュシリンダ用電磁弁24、プレスシリンダ用電磁弁25、ディスチャージシリンダ用電磁弁26、スイングシリンダ用電磁弁27(テールゲートロック用電磁弁を兼用)、切換弁28a〜28b、逆止弁29a〜29g、およびフィルタ30a〜30b、テールゲートロック(シリンダ)31、及び圧力センサ32を図示のように接続して構成されている。上記油圧ポンプ22は後述する電動モータ45により駆動される。また、圧力センサ32は、油圧ポンプ22の吐出油路の作動圧を常時検出し、その検出出力を後述のコントローラ47に提供する。上記圧力制御弁23a〜23e、各電磁弁24〜27、切換弁28a、逆止弁29a〜29g、フィルタ30a〜30bおよび圧力センサ32は、バルブボックス33に収納されている。
【0019】
押込板8が原位置(図2の(a))に停止しているとき、プッシュシリンダ9及びプレスシリンダ12は共に伸長状態にあり、対応する各電磁弁24,25は中立位置にある。プレスシリンダ用電磁弁25のソレノイド25sが励磁されると「反転」、ソレノイド25eが励磁されると「二次圧縮」、プッシュシリンダ用電磁弁24のソレノイド24sが励磁されると「一次圧縮」、ソレノイド24eが励磁されると「押込」、の各動作が行われる。
【0020】
上記排出板18が最後方位置(図1の実線)で停止しているとき、ディスチャージシリンダ19は最も伸長した状態にあり、ディスチャージシリンダ用電磁弁26は中立位置にある。ディスチャージシリンダ用電磁弁26のソレノイド26eが励磁されると、ディスチャージシリンダ19は伸長動作する。また、ソレノイド26sが励磁されると、ディスチャージシリンダ19は収縮動作する。励磁オフでディスチャージシリンダ用電磁弁26が中立位置にあるときは、ディスチャージシリンダ19の両ポート19e,19sは封止された状態となる。但し、圧力制御弁23cや切換弁28aが開位置に動作すれば、ディスチャージシリンダ用電磁弁26が中立位置であってもディスチャージシリンダ19が収縮可能となり、排出板18は前方移動可能となる。
【0021】
上記塵芥投入箱3が閉鎖されているとき(図1の実線)、スイングシリンダ20は最も収縮した状態にあり、スイングシリンダ用電磁弁27は中立位置にあり、切換弁28bは図示の位置にある。スイングシリンダ用電磁弁27のソレノイド27eが励磁されるとテールゲートロック31がロック解除方向に動作し、スイングシリンダ20が伸長動作して塵芥投入箱3が上方回動する。ソレノイド27eが消磁され、かつ、切換弁28bが励磁されると、塵芥投入箱3の自重によりスイングシリンダ20内の作動油が切換弁28b及びスイングシリンダ用電磁弁27を介してタンク21に戻され、これにより、スイングシリンダ20が収縮動作して塵芥投入箱3が下方回動する。また、塵芥投入箱3が下方回動端に達した後、スイングシリンダ用電磁弁27のソレノイド27sが励磁されると、テールゲートロック31がロック動作し、塵芥投入箱3がロックされる。その後、ソレノイド27sは消磁されるが、逆止弁29gによりテールゲートロック31のロック状態は維持される。
【0022】
図5は、上記キャブ1a内に設けられているスイッチボックスSB1を示す平面図ある。図において、スイッチボックスSB1には、メインスイッチ34、テールゲートスイッチ35、排出板スイッチ36、かき出しスイッチ37、メインランプ38、ロックランプ39、充電ランプ40及び警報ブザー41(図6参照)が設けられている。
メインスイッチ34は、「積込」、「OFF」、「排出」のいずれかの位置に保持することができるスイッチであり、「OFF」から「積込」位置に操作することで積込動作が可能である。「排出」位置ではディスチャージシリンダ19やスイングシリンダ20を動作させることができる。
【0023】
テールゲートスイッチ35は、「上」に操作すると塵芥投入箱3が上昇し、「下」に操作すると塵芥投入箱3が下降する。また、手を離すと「OFF」の中立位置に戻るタイプのスイッチである。排出板スイッチ36は、「排出」に操作するとディスチャージシリンダ19が伸長動作して排出板18が最後方位置まで後退し、「戻り」に操作すると排出板18が初期位置に戻る。また、手を離すと「OFF」の中立位置に戻るタイプのスイッチである。
かき出しスイッチ37は、「自動」又は「手動」の選択スイッチであり、「自動」位置では、塵芥投入箱3を上方端まで回動させると自動的に積込と同様の動作が行われ、塵芥投入箱3の底に残っている塵芥を排出することができる。
メインランプ38は、スイッチボックスSB1の各スイッチ操作が可能な状態のとき点灯している。ロックランプ39は、上記テールゲートロック31がロック状態のとき点灯している。充電ランプ40は、後述するリレーボックス54の開閉蓋54dが開放された状態のとき点灯している。
警報ブザー41は、後述する第5近接スイッチ63が検知状態のときにキースイッチ55がオンになると鳴動するようになっている。
【0024】
一方、図3において、塵芥投入箱3の左右両側壁3cの後部には、それぞれスイッチボックスSB2,SB3が設けられている。スイッチボックスSB2の側面には、押込板8の動作として「連続サイクル」または「1サイクル」のどちらかの動作モードに選択するための動作選択スイッチ42が、正面には、上記各動作モードで積込動作を開始させるための積込スイッチ43、連続サイクル動作を停止させるための停止スイッチ44がそれぞれ設けられている。その他のスイッチについては、緊急時にのみ用いるスイッチ等であり、詳細な説明は省略する。なお、停止スイッチ44は右側のスイッチボックスSB3にも設けられている。
【0025】
図6は、塵芥収集車1の制御ブロック図である。上記油圧ポンプ22は電動モータ45により駆動され、この電動モータ45は、専用のバッテリ46を動力源としてコントローラ47の出力により駆動される。なお、上記油圧ポンプ22と電動モータ45とによりパワーユニット48が構成されている。上記バッテリ46は、バッテリボックス49に収納されており、充電器50を介して外部の商用電源から供給される電力で充電されるようになっている。なお、1回の充電により、6回の収集作業(1回の収集作業は、積込装置Tの1サイクル動作を100回および排出板18の排出動作を1回行う作業)を行うことができる程度の電力を蓄電することができる。上記充電器50は、バッテリ46の充電を制御する制御部50aと、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換する整流部50bとを備えている。
【0026】
上記充電器50は、商用電源からの電源ケーブル51を充電器50に接続するためのコネクタ52と、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ53とともにリレーボックス54に収納されている。AC/DCコンバータ53により変換された直流電力は、コントローラ47を介して電動モータ45に供給されるようになっており、電動モータ45を商用電源からの電力供給により直接駆動することもできる。
【0027】
上記コントローラ47は、キャブ1a内に設けれたエンジン始動用のキースイッチ55および上記メインスイッチ34を介して通電される。また上記コントローラ47を収納するコントローラボックス56には非常停止スイッチ57が設けられており、コントローラ47が故障をした場合などの非常時に、バッテリ46およびAC/DCコンバータ53(商用電源)からの電力供給を遮断できるようになっている。
上記バルブボックス33内の各ソレノイド24e〜27e,24s〜27s及び切換弁28a〜28bは、コントローラ47によって励磁・消磁される。なお、各ソレノイド等のブロックの名称は、機能で表示している。コントローラ47には、図示の各機能スイッチ(SWと表記。以下同様。)34〜37,42〜44、前述の第1〜第4近接スイッチ14〜17、後述する第5近接スイッチ63、圧力センサ32、後述する温度計59および回転数センサ60から入力信号が与えられる。また、各種ランプ38〜40および警報ブザー41がコントローラ47の出力により点灯する。
なお、上記バルブボックス33、パワーユニット48、バッテリボックス49、リレーボックス54、コントローラボックス56および上記各ボックス33、49、54、56にそれぞれ収納されている機器が、本発明の駆動装置58を構成している。
【0028】
上記電動モータ45には、該電動モータ45の温度を検出する温度計59および電動モータ45の回転数を検出する回転数センサ60が取り付けられており、温度計59および回転数センサ60から入力信号がコントローラ47に与えられることにより、電動モータ45の出力が制御されるようになっている。
電動モータ45の制御は、図7のPQ線図において、温度計59の温度が100℃以下の場合には、図中の「低温時」と表示した高出力設定に従って行われる。具体的には、上記圧力センサ32から入力される信号によって表される作動圧をP[Pa]、回転数センサ60から入力される信号によって表される回転数を吐出量換算してQ[m3/秒]とすると、電動モータ45の出力(P・Q)が一定値(11kW)となるように制御される。例えば、P=P1(16MPa)のとき、Q=Q1(0.69×10−3m3/秒(41リットル/分))となり、電動モータ45の出力は、
P1・Q1=16×106×0.69×10−3
=11×103[W]=11[kW]
となる。
【0029】
また、電動モータ45を長時間駆動させることにより、温度計59の温度が120℃まで上昇した場合は、電動モータ45の出力(P・Q)が一定値(3.3kW)となるように、図中の「高温時」と表示した低出力設定に従って行われる。例えば、P=P2(8MPa)のとき、Q=Q2(0.41×10−3m3/秒(25リットル/分))となり、電動モータ45の出力は、
P2・Q2=8×106×0.41×10−3
=3.3×103[W]=3.3[kW]
となる。
そして、上記低出力設定により電動モータ45を低出力で駆動すると、徐々に電動モータ45の温度が下降し、温度計59の温度が100℃以下まで下降すると、上記高出力設定の制御に切り変わる。このように、電動モータ45の温度が高温になると、高出力設定から低出力設定の制御に切り換えるようにしたので、電動モータ45が温度上昇により破損するのを防止することができる。
【0030】
次に、上記駆動装置58を構成する各ボックス33、49、54、56およびパワーユニット48の各構成およびその取付構造について詳しく説明する。図1において、バルブボックス33およびコントローラボックス56は、キャブ1aと塵芥収容箱2の前壁2dとの間に形成されているキャブバックスペースCに配置されている。具体的には、バルブボックス33は、上記前壁2dの上端部であって車幅方向の略中央部に固定されている(図8参照)。コントローラボックス56は、バルブボックス33の左側(図8の下側)に隣接した前壁2dに、上記非常停止スイッチ57が左側面に配置されるように固定されている。これにより、作業者は車両の左舷側から容易に非常停止スイッチ57を操作することができる。なお、上記キャブバックスペースCは、上記オイルタンク21を配置するために従来から形成されているスペースであり、キャブバックスペースCの車幅方向の右側(図8の上側)の主桁2c上に上記オイルタンク21が固定されている。オイルタンク21とバルブボックス33との間には、上述のオイルフィルタ30aが配置されている。
【0031】
図1において、上記リレーボックス54は、車両の左舷側であって塵芥収容箱2の底部に配置されている。図9は、リレーボックス54の取付構造を示す図1の要部拡大図であり、図10は、上記リレーボックス54の平面図である。図9および図10において、リレーボックス54は、その前後の側壁54aが、塵芥収容箱2の前後方向略中央部の底板2bに垂下固定されている前後一対の支持ブラケット61に、ボルト・ナットにより固定されている。このように、リレーボックス54は上記底板2bの下方のデッドスペースに配置されているため、リレーボックス54の配置により、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少することはない。
【0032】
上記リレーボックス54の左舷側の側壁54bには、開口部54cが形成されているとともに、この開口部54cを開閉するための開閉蓋54dが回動可能に取り付けられている。開閉蓋54dはバネ(図示せず)により閉鎖方向に付勢されている。リレーボックス54内の開口部54d付近にはコ字型の取付部54gを介して上記コネクタ52が取り付けられており、開閉蓋54dを開放させた状態(図10)で、商用電源から延びる電源ケーブル51をコネクタ52に接続することができる。
【0033】
上記リレーボックス54内には、上記充電器50とAC/DCコンバータ53とを収納した充電ボックス54eが固定されており、この充電ボックス54eと開口部54cとの間には取付部54gを介して排気ファン62が取り付けられている。この排気ファン62は、電源ケーブル51をコネクタ52に接続すると、充電器50の制御部50aによって自動的に作動され、充電中に充電器50の発熱によって生じた熱気を開口部54cから外部へ排気するようになっている。その際、開口部54cが排気ファン62の排気口としての役割を果たすため、排気ファン62専用の排気口を別途形成する必要がない。また、充電完了後に開閉蓋54dを閉鎖することにより、排気ファン62の排気口である開口部54cが閉鎖されるため、リレーボックス54内を密閉状態にすることができ、排気口(開口部54c)から雨水等が侵入するのを防止することができる。なお、AC/DCコンバータ53は、リレーボックス54の底面に固定されている。
【0034】
上記リレーボックス54の内部には、上記開閉蓋54dが閉鎖されているときに、その内面に固定されているドグ54fを検知する第5近接スイッチ63(充電検知手段)が取り付けられている。この第5近接スイッチ63は、B接点型のスイッチ(通常ONで、検知対象を検出するとOFFとなるスイッチ)であり、開閉蓋54dが開放されて第5近接スイッチ63が非検知状態になると、キャブ1a内に配置されている上記充電ランプ40が点灯するようになっている。これにより、運転者は、キャブ1a内においてバッテリ46が充電中であることを容易に確認することができる。
また、第5近接スイッチ63が非検知状態のときに、キャブ1a内のキースイッチ55が運転者によりオン操作されると、キャブ1a内の警報ブザー41を鳴動させ、運転者に警報を発するようになっている。これにより、運転者が誤ってバッテリ46の充電中に車両を走行させるのを防止することができる。
【0035】
図1において、上記バッテリボックス49は、塵芥収容箱2の底部の左舷側であって、排出板18を最前方位置に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方に配置された第1収納部64に収納されている。図11は図1の第1収納部64付近を示す要部拡大図であり、図12は第1収納部64を車両の前方側から見た正面図である。図11および図12において、第1収納部64は、前面(図11の左側)を開口させた箱形に形成されており、ディスチャージシリンダ19より左舷側(図12の右側)であって、塵芥収容箱2の底板2b、主桁2cおよび前壁2dの一部を切断した箇所に配置されている。
【0036】
バッテリボックス49は、第1収納部64内の左右の側面64aにそれぞれ固定された係止部64bに係止された状態で収納されている。上記左右の側面64aは、上記底板2bおよび前壁2dの各切断端縁に溶接により固定されている。また、第1収納部64の底面64cは、上記底板2bに垂下固定されている前後一対の支持ステー65上に載置された状態で、該支持ステー65に溶接により固定されている。上記一対の支持ステー65は、その長手方向(車幅方向)の中間部を角パイプからなる連結部材66により連結されており、この連結部材66が車体フレーム1bの上面に載置された状態で、該車体フレーム1bに固定されている。また、図12において、各支持ステー65の長手方向の先端部には、第1収納部64をカバーするカバー板67の下端縁が溶接固定されており、このカバー板67の上端縁は塵芥収容箱2の側壁2eの下端部に溶接固定されている。このように、第1収納部64は、上記傾斜部18aの下部より前方であって、ディスチャージシリンダ19の伸縮動作と干渉しないデッドスペースを利用して配置されている。
【0037】
図13は、塵芥収集車1を右舷側から見た側断面図である。図において、車体フレーム1bの外側方にはエンジンの駆動燃料(軽油)を貯留する燃料タンク68が取り付けられている。上記パワーユニット48は、この燃料タンク68上方の塵芥収容箱2の底部であって、排出板18を最前方位置(図13の二点鎖線)に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方に配置された第2収納部69に収納されている。
【0038】
図14は図1の第2収納部69の取付構造を示す要部拡大図であり、図15は第2収納部69を車両の前方側から見た断面図である。図14および図15において、第2収納部69は、ディスチャージシリンダ19より右舷側(図15の左側)に配置されている。また、第2収納部69は、塵芥収容箱2の底板2bと、この底板2bを一部切断した箇所に固定された逆凹型の天板70と、塵芥収容箱2の主桁2cと、この主桁2cの外側方に配置された凹型の支持板71と、この支持板71および塵芥収容箱2の側壁2e下端部に固定されたカバー板72(図15)とにより形成されている。上記支持板71は、前後一対の支持ステー73上に防振ゴム74を介して固定されている。支持ステー73は、主桁2cの外側面に固定された取付ブラケット75に固定されている。このように、第2収納部69は、上記傾斜部18aの下部より前方(図14右側)であって、ディスチャージシリンダ19の伸縮動作と干渉しないデッドスペースを利用して配置されている。また、第2収納部69は底板2bおよび主桁2cを利用して形成されているため、安価な構成である。
【0039】
上記支持板71には、パワーユニット48の電動モータ45が載置された状態で固定され、電動モータ48に油圧ポンプ22が固定されている。支持板71は、前後の支持ステー73間において下方に窪むように形成されており、また、天板70は、底板2bよりも上方に窪むように形成されているため、第2収納部69の収納スペースを広く形成することができ、本実施形態のように大型のパワーユニット48を収納することができる。
なお、上記第1収納部64と第2収納部69とにより収納部76(図16参照)が構成されている。
【0040】
図16は、上記第1収納部64、第2収納部69および燃料タンク68との配置関係を模式的に示す車両前方から見た断面図である。図において、上記第1収納部64は車幅方向の一方側である左舷側(図16右側)に配置されており、第2収納部69は、ディスチャージシリンダ19を挟んで車幅方向の他方側である右舷側(図16左側)に配置されている。このため、収納部76を前後方向に長く形成することなく、駆動装置58の配置スペースを増加させることができる。
また、上記第1収納部64は車幅方向の一方側である左舷側(図16右側)に配置されており、燃料タンク68は車幅方向の他方側である右舷側(図16左側)に配置されている。このように、バッテリ46を収納する第1収納部64と燃料タンク68は、それぞれ車幅方向に離反した位置に配置されているため、バッテリ46の発熱によって、燃料タンク68から漏洩した燃料が引火するのを防止することができる。
【0041】
さらに、第1収納部64に収納されるバッテリボックス49の重量(バッテリ46の重量も含む)は、第2収納部69に収納されるパワーユニット48の重量よりも重いため、上記第1収納部64と第2収納部69とは車幅方向にバランス良く配置されている。具体的には、第1収納部64および第2収納部69は、塵芥収集車1の車幅方向中心線Xと第1収納部64の車幅方向の中心線Aとの間の水平距離L1が、上記中心線Xと第2収納部69の車幅方向の中心線Bとの間の水平距離L2よりも短くなるように配置されている。上記水平距離L1とL2との長さの比率は、上記各収納部64,69にバッテリボックス49およびパワーユニット48を収納した状態で、車両全体の車幅方向の重心位置Gが、上記中心線X上に配置されるように、バッテリボックス49の重量とパワーユニット48の重量とを勘案して決定される。
【0042】
これにより、駆動装置58を構成する機器の中で比較的重量の重いバッテリ46およびパワーユニット48を車両に搭載しても、車両の車幅方向の重心位置Gが変化することはほとんどないため、車両の走行安定性が損なわれるのを防止することができる。また、本実施形態では、第1収納部64と第2収納部69とを塵芥収容箱2の底部に取り付けているため、塵芥収容箱2を車体フレーム1b上に組み付ける前に、各収納部64,69にバッテリボックス49およびパワーユニット48をあらかじめ収納することができるが、この場合には、塵芥収容箱2をクレーン等により安定した状態で吊り下げることができるため、車体フレーム1bへの組み付け作業を安全に行うことができる。
【0043】
以上のように、駆動装置58の一部であるバッテリボックス49およびパワーユニット48を収納する収納部76を、最前方位置にある排出板18の傾斜部18aの下部より前方に存在するデッドスペースを利用して配置するようにしたので、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少させることなく、駆動装置58の配置スペースを増加することができる。
また、第1収納部64および第2収納部69は、車体フレーム1bより上方に取り付けられているため、車体フレーム1bを加工させることなく収納部76を取り付けることができる。
さらに、第1収納部64と第2収納部69とを塵芥収容箱2に取り付けるようにしたので、塵芥収容箱2を車体フレーム1b上に組み付ける前に、収納部76をあらかじめ塵芥収容箱2に取り付けておくことができる。このため、上記組み付け作業を容易に行うことができる。
【0044】
図17は、本発明の第2の実施形態による塵芥収集車の前部左舷側を模式的に示した側断面図であり、図18は、図17を前方から見た断面図である。この実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、第1収納部77の取付位置とその取付構造である。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様であるため、以下の説明では、第1の実施形態と同一符号で示す。
図17および図18において、塵芥収容箱2の底部の左舷側であって、排出板18を最前方位置(図17の左側)に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方(図17の左側)に、第1収納部77が配置されている。
第1収納部77は、塵芥収容箱2の前壁2dおよび側壁2eに対して水平方向に垂直に折り曲げて一体形成された水平部78と、塵芥収容箱2の底板2bに対して鉛直方向に垂直に折り曲げて一体形成された鉛直部79と、塵芥収容箱2の主桁2cおよび車体フレーム1bの外側面に固定されているL型の支持部材80とから形成されている。支持部材80の水平方向に延びる載置部80aにバッテリボックス49が載置固定されている。
【0045】
このように、第2の実施形態の第1収納部77は、最前方位置にある排出板18の傾斜部18aの下部より前方に存在するデッドスペースを利用して配置されているため、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少させることなく、駆動装置58の配置スペースを増加することができる。
また、第1収納部77は、車体フレーム1bの側方に配置されているため、その取付位置を低くすることができるため、上記デッドスペースが上下方向に低く形成されている場合(例えば傾斜部18aの水平面に対する傾斜角が小さい場合)でも、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少させることなく、駆動装置58の配置スペースを増加することができる。
【0046】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば上記各実施形態では、収納部76に駆動装置58の一部(バッテリボックス49とパワーユニット48)を配置しているが、傾斜部18aの前方のデッドスペースが広い場合には、駆動装置58の全部を収納するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、収納部76を第1収納部64(77)と第2収納部69とにより構成しているが、少なくとも1つの収納部を形成していればよい。
さらに、第1収納部64(77)を車両の左舷側に、第2収納部69を車両の右舷側に配置しているが、第1収納部64(77)と第2収納部69とを逆に配置してもよい。
また、上記各実施形態では、第1収納部64(77)にバッテリボックス49を収納し、第2収納部69にパワーユニット48を収納しているが、バッテリボックス49とパワーユニット48とを逆に収納してもよい。その際、燃料タンク68が第1収納部64(77)の下方に配置されている場合は、前述の如く燃料タンク68の火災を防止することができるという点で有効である。また、第1収納部64(77)と第2収納部69には、その他の駆動装置58を構成するバルブボックス33、リレーボックス54またはコントローラボックス56のいずれかを収納するようにしてもよい。
【0047】
また、上記第1の実施形態では、第2収納部69が底板2bや主桁2cを利用して形成されているが、第1収納部64のように別部材で形成するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、塵芥収容箱2の主桁2cを切断した箇所に第1収納部64を配置しているが、傾斜部18aの前方のデッドスペースが上下方向に広く形成されている場合(例えば傾斜部18aの水平面に対する傾斜角が大きい場合)は、主桁2cを切断せずに、主桁2c上に第1収納部64を配置してもよい。
また、上記第1の実施形態では、第1収納部64および第2収納部69を底板2bや前壁2dの一部を切断して配置しているが、傾斜部18a前方の塵芥収容箱2内に形成されるデッドスペースが広い場合には、この塵芥収容箱2内のデッドスペースに配置することも可能である。この場合は、上記各部2a,2cを切断することなく第1収納部64および第2収納部69を容易に配置することができる。
また、上記各実施形態では、排出板18の傾斜部18aは平面状に形成されているが、円弧状に形成するようにしてもよい。
また、上記各実施形態の積込装置Tは、押込板8のみで塵芥を積み込むプレス式であるが、押込板と回転板との協働により塵芥を積み込む回転板式であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態による塵芥収集車を左舷側から見た側断面図である。
【図2】上記塵芥収集車における押込板、プッシュシリンダおよびプレスシリンダの動作説明図である。
【図3】上記塵芥収集車の背面図である。
【図4】上記塵芥収集車の油圧回路図である。
【図5】上記塵芥収集車のキャブ内のスイッチボックスの正面図である。
【図6】上記塵芥収集車の制御ブロック図である。
【図7】上記塵芥収集車のコントローラによる電動モータの制御を示すPQ線図である。
【図8】上記塵芥収集車の平面図である。
【図9】上記塵芥収集車のリレーボックスの取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図10】上記リレーボックスの平面図である。
【図11】上記塵芥収集車の第1収納部の取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図12】上記第1収納部を車両の前方側から見た正面図である。
【図13】上記塵芥収集車を右舷側から見た側断面図である。
【図14】上記塵芥収集車の第2収納部の取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図15】上記第2収納部を車両の前方側から見た断面図である。
【図16】上記第1収納部と第2収納部との配置関係を模式的に示す車両前方から見た断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態による塵芥収集車の前部左舷側を模式的に示した側断面図である。
【図18】図17の塵芥収集車を前方から見た断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 塵芥収集車
1b 車体フレーム
2 塵芥収容箱
2a 開口部
3 塵芥投入箱
18 排出板
18a 傾斜部
46 バッテリ
58 駆動装置
64 第1収納部
68 燃料タンク
69 第2収納部
76 収納部
T 積込装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを動力源として駆動される積込装置により塵芥を圧縮して収容する塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の塵芥収集車は、塵芥収容箱の後部に塵芥投入箱を備えており、この塵芥投入箱内には、投入された塵芥を塵芥収容箱に積み込むための積込装置が設けられている。上記積込装置は、電動モータを有する駆動装置を駆動させることにより、積み込み動作を行えるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
上記電動モータは車両に搭載されたバッテリから電力供給を受けて駆動されるため、エンジンを停止させた状態で積込装置を動作させることができ、積み込み作業を低騒音で行うことができるとともに、排気ガス量を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−329871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記塵芥収集車は、エンジンの近くにバッテリや電動モータ等の駆動装置が配置されているため、車種によっては、駆動装置が他の搭載機器と干渉して、駆動装置を取り付けることができないという問題があった。
そこで、上記問題を解決するものとして、キャブ(運転室)と塵芥収容箱との間に存在するキャブバックスペースに駆動装置を配置する塵芥収集車が知られている。このキャブバックスペースは、上記積込装置の油圧機器の作動油を貯留するオイルタンクを配置するために従来から存在するスペースであることから、車種に影響を受けることなく駆動装置を配置することができる。
ところが、近年、上記バッテリの蓄電量を増加させるなどの理由により駆動装置が大型化しており、従来のキャブバックスペースだけでは駆動装置を配置することができないため、塵芥収容箱の前後方向の長さを短く形成してキャブバックスペースを広げることが行われている。しかし、塵芥収容箱の前後方向の長さを短くすると、塵芥収容箱内の収容スペースが減少するという新たな問題が生じる。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、塵芥収容箱の収容スペースを減少させることなく駆動装置の配置スペースを増加することができる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための本発明の塵芥収集車は、車体フレームに搭載され、後面に開口部を有する塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱の前記開口部に連接して設けられている塵芥投入箱と、前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込むための積込装置と、バッテリを有するとともに、当該バッテリを動力源として前記積込装置を駆動する駆動装置と、前記塵芥収容箱内に、最前方位置と最後方位置との間で前後移動可能に設けられているとともに、下部に後下がりに傾斜している傾斜部を有し、後方に移動することで当該塵芥収容箱内に収容されている塵芥を前記開口部から排出する排出板と、前記塵芥収容箱の底部であって、前記排出板を前記最前方位置に位置させた状態で前記傾斜部の下部より前方に配置されているとともに、前記駆動装置の少なくとも一部が収納された収納部と、を備えていることを特徴としている。
このような構成の塵芥収集車によれば、排出板を最前方位置に位置させたときに、当該排出板の傾斜部の下部より前方であって、塵芥収容箱の底部に形成されるデッドスペースに、駆動装置の一部が収納される収納部を配置するようにしたので、塵芥収容箱内の排出板より後方の塵芥収容スペースを減少させることなく、駆動装置の配置スペースを増加することができる。
【0006】
また、前記塵芥収集車は、前記車体フレームの車幅方向の一方側に設けられているとともに、エンジンの駆動燃料を貯留している燃料タンクをさらに備え、前記収納部が、前記車体フレームの車幅方向の他方側に配置されているとともに、前記バッテリを収納していることが好ましい。
この場合、バッテリを燃料タンクから離反した位置に配置するようにしたので、バッテリの発熱によって燃料タンクから漏洩した燃料が引火するのを防止することができる。
【0007】
また、前記収納部は、車幅方向の一方側に配置されている第1収納部と、車幅方向の他方側に配置されている第2収納部と、を有することが好ましい。
この場合、第1収納部と第2収納部とを車幅方向に配置するようにしたので、収納部を前後方向に長く形成することなく、駆動装置の配置スペースをさらに増加させることができる。
【0008】
また、前記塵芥収集車は、前記収納部が、前記塵芥収容箱に取り付けられていることが好ましい。
この場合、塵芥収容箱を車体フレームに組み付ける前に、収納部をあらかじめ塵芥収容箱に取り付けておくことができるので、組み付け作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塵芥収集車によれば、塵芥収容箱の底部に形成されるデッドスペースに、駆動装置の一部が収納される収納部を配置するようにしたので、塵芥収容箱内の排出板より後方の塵芥収容スペースを減少させることなく、駆動装置の配置スペースを増加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施形態による塵芥収集車を左舷側から見た側断面図である。図において、この塵芥収集車1は、キャブ(運転室)1aと、左右一対の車体フレーム1bと、車体フレーム1b上に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後部に連接された塵芥投入箱3とを備えている。上記塵芥収容箱2は、その後面に開口部2aを有し、底板2bには左右一対の断面Z型の主桁2cが固定され、この主桁2cが車体フレーム1bの上面に固定されている(図16参照)。上記塵芥投入箱3の後部には、塵芥が投入される投入口3aが形成されており、この投入口3aを上下にスライドして開閉する蓋3bが設けられている。塵芥投入箱3の前方下部には、塵芥投入箱3に投入された塵芥を塵芥収容箱2に収容するための開口3dが設けられている。
塵芥投入箱3は、上部に設けられた支点Pを中心に回動可能であり、これによって塵芥収容箱2に対しての開閉動作が可能である。塵芥投入箱3は、図の実線で示す位置では塵芥収容箱2を閉鎖し、図の二点鎖線で示すように上方へ回動したときは塵芥収容箱2を開放して塵芥を排出することができる状態とする。
【0011】
次に、塵芥投入箱3内に設けられている積込装置Tについて説明する。まず、塵芥投入箱3の左右の側壁3cには斜め上下に延びるガイドレール4が設けられており、スライダ5に取り付けられた左右一対二組のローラ6は、このガイドレール4内を斜め上下に移動することができる。スライダ5は、図示のような側面形状の左右の部材間を車幅方向に延びるプレート等(図示せず。)により接続して一体化したものである。また、スライダ5の下端部には、ピン7を介して押込板8が回動自在に取り付けられている。押込板8もまた、図示のような側面形状の左右の部材間を車幅方向に延びるプレート等(図示せず。)により接続して一体化したものである。
【0012】
一方、プッシュシリンダ9(圧縮駆動手段)のシリンダ側端部はピン10により左右両側壁3cに取り付けられており、ピストン側端部はピン11により、スライダ5の上端部に接続されている。他方、プレスシリンダ12(押込駆動手段)のシリンダ側端部はピン13により押込板8に接続されており、ピストン側端部は上記ピン11により、スライダ5の上端部に接続されている。スライダ5は押込板8と共に、プッシュシリンダ9の伸長動作により斜めに上昇し、収縮動作により斜めに下降する。これによりスライダ5は、後述する一次圧縮および押込に対応した往復動が可能である。また、押込板8は、プレスシリンダ12の伸長動作によりピン7を中心として時計回り方向に回動し、収縮動作により反時計回り方向に回動する。これにより押込板8は、後述する反転および二次圧縮に対応した往復回動が可能である。
【0013】
図2の(a)は、図1から押込板8、プッシュシリンダ9およびプレスシリンダ12のみを抜き出した動作説明図である(但し、図面を見易くするためプッシュシリンダ9の位置を少しずらしている。)。押込板8は、(a)に示す位置を原位置として、プレスシリンダ12が収縮動作することにより「反転」の行程を行い、(b)に示す状態となる。次に押込板8は、プッシュシリンダ9が収縮動作することにより「一次圧縮」の行程を行い、(d)に示す状態となる。続いて押込板8は、プレスシリンダ12が伸長動作することにより「二次圧縮」の行程を行い、(c)に示す状態となる。最後に押込板8は、プッシュシリンダ9が伸長動作することにより「押込」の行程を行い、(a)に示す状態に戻る。このようにしてプッシュシリンダ9およびプレスシリンダ12が交互に動作することにより、押込板8は、1サイクルの行程動作(反転、一次圧縮、二次圧縮、押込)を行う。押込板8の先端部8aは、図示のように、動作軌跡が4点を結ぶ閉じた形状を描く。
【0014】
上記プッシュシリンダ9およびプレスシリンダ12の近傍には、それらの伸縮動作が伸長端および収縮端に達したことをそれぞれ検知する近接スイッチ(14,15,16,17)が設けられている。第1近接スイッチ14は、プッシュシリンダ9の動作が伸長端に達したことを検知する。第2近接スイッチ15は、プレスシリンダ12に取り付けられたドグ12aを検知することにより、その動作が収縮端に達したことを検知する。第3近接スイッチ16は、プッシュシリンダ9の動作が収縮端に達したことを検知する。そして、第4近接スイッチ17は、プレスシリンダ12の動作が伸長端に達したことを検知する。なお、第1近接スイッチ14および第3近接スイッチ16は塵芥投入箱3に対して固定的に取り付けられているが、第2近接スイッチ15および第4近接スイッチ17はスライダ5側に取り付けられており、プッシュシリンダ9の伸縮動作に伴って移動する。
【0015】
図1に戻り、塵芥収容箱2の内部には、車体の前後方向に移動可能に排出板18が設けられ、この排出板18の後方(排出板18と開口部2aとの間)に、塵芥を収容する収容スペースSが形成されている。テレスコ式のディスチャージシリンダ19(排出板駆動手段)の一端部19aは排出板18の後述する傾斜部18bの車幅方向略中間部に接続され、他端部19bは塵芥収容箱2の前壁2dの車幅方向略中間部に接続されている。排出板18は、ディスチャージシリンダ19の伸縮により、図の実線で示す最後方位置と二点鎖線で示す最前方位置との間で移動可能である。上記収容スペースSが空のとき、排出板18は最後方位置より少し前方に位置する初期位置にあり、押込板8により塵芥収容箱2内に積み込まれた塵芥を、押込板8と排出板18との間で圧縮するようになっている。そして、上記塵芥の積み込み量が増加すると、ディスチャージシリンダ19を徐々に収縮させて排出板18を前方へ移動させ、上記収容スペースSを広げるようになっている。また、上記ディスチャージシリンダ19を伸長させて排出板18を後方へ移動させることにより、塵芥収容箱2に収容された塵芥を、上記開口部2aから排出できるようになっている。
【0016】
上記排出板18の下部には、後ろ下がりに傾斜した傾斜部18aが形成されており、押込板8の押込動作により、上記収容スペースSに積み込まれた塵芥を、前記傾斜部18aに沿って上方へ移動させるようになっている。これにより、収容スペースS全体にわたって隙間なく塵芥を収容することができる。
【0017】
図3は、塵芥収集車1の背面図である。塵芥投入箱3の左右両端に配置された一対のスイングシリンダ20(投入箱駆動手段)は、上端が塵芥収容箱2側に取り付けられ(図1参照)、下端が塵芥投入箱3に取り付けられている。このスイングシリンダ20を伸長動作させると塵芥投入箱3が上方へ回動して塵芥収容箱2を開き、収縮動作するとこれを閉じる。
【0018】
図4は、上記プッシュシリンダ9、プレスシリンダ12、ディスチャージシリンダ19およびスイングシリンダ20に関する油圧回路図である。当該油圧回路は、オイルタンク21、油圧ポンプ22、圧力制御弁23a〜23e、プッシュシリンダ用電磁弁24、プレスシリンダ用電磁弁25、ディスチャージシリンダ用電磁弁26、スイングシリンダ用電磁弁27(テールゲートロック用電磁弁を兼用)、切換弁28a〜28b、逆止弁29a〜29g、およびフィルタ30a〜30b、テールゲートロック(シリンダ)31、及び圧力センサ32を図示のように接続して構成されている。上記油圧ポンプ22は後述する電動モータ45により駆動される。また、圧力センサ32は、油圧ポンプ22の吐出油路の作動圧を常時検出し、その検出出力を後述のコントローラ47に提供する。上記圧力制御弁23a〜23e、各電磁弁24〜27、切換弁28a、逆止弁29a〜29g、フィルタ30a〜30bおよび圧力センサ32は、バルブボックス33に収納されている。
【0019】
押込板8が原位置(図2の(a))に停止しているとき、プッシュシリンダ9及びプレスシリンダ12は共に伸長状態にあり、対応する各電磁弁24,25は中立位置にある。プレスシリンダ用電磁弁25のソレノイド25sが励磁されると「反転」、ソレノイド25eが励磁されると「二次圧縮」、プッシュシリンダ用電磁弁24のソレノイド24sが励磁されると「一次圧縮」、ソレノイド24eが励磁されると「押込」、の各動作が行われる。
【0020】
上記排出板18が最後方位置(図1の実線)で停止しているとき、ディスチャージシリンダ19は最も伸長した状態にあり、ディスチャージシリンダ用電磁弁26は中立位置にある。ディスチャージシリンダ用電磁弁26のソレノイド26eが励磁されると、ディスチャージシリンダ19は伸長動作する。また、ソレノイド26sが励磁されると、ディスチャージシリンダ19は収縮動作する。励磁オフでディスチャージシリンダ用電磁弁26が中立位置にあるときは、ディスチャージシリンダ19の両ポート19e,19sは封止された状態となる。但し、圧力制御弁23cや切換弁28aが開位置に動作すれば、ディスチャージシリンダ用電磁弁26が中立位置であってもディスチャージシリンダ19が収縮可能となり、排出板18は前方移動可能となる。
【0021】
上記塵芥投入箱3が閉鎖されているとき(図1の実線)、スイングシリンダ20は最も収縮した状態にあり、スイングシリンダ用電磁弁27は中立位置にあり、切換弁28bは図示の位置にある。スイングシリンダ用電磁弁27のソレノイド27eが励磁されるとテールゲートロック31がロック解除方向に動作し、スイングシリンダ20が伸長動作して塵芥投入箱3が上方回動する。ソレノイド27eが消磁され、かつ、切換弁28bが励磁されると、塵芥投入箱3の自重によりスイングシリンダ20内の作動油が切換弁28b及びスイングシリンダ用電磁弁27を介してタンク21に戻され、これにより、スイングシリンダ20が収縮動作して塵芥投入箱3が下方回動する。また、塵芥投入箱3が下方回動端に達した後、スイングシリンダ用電磁弁27のソレノイド27sが励磁されると、テールゲートロック31がロック動作し、塵芥投入箱3がロックされる。その後、ソレノイド27sは消磁されるが、逆止弁29gによりテールゲートロック31のロック状態は維持される。
【0022】
図5は、上記キャブ1a内に設けられているスイッチボックスSB1を示す平面図ある。図において、スイッチボックスSB1には、メインスイッチ34、テールゲートスイッチ35、排出板スイッチ36、かき出しスイッチ37、メインランプ38、ロックランプ39、充電ランプ40及び警報ブザー41(図6参照)が設けられている。
メインスイッチ34は、「積込」、「OFF」、「排出」のいずれかの位置に保持することができるスイッチであり、「OFF」から「積込」位置に操作することで積込動作が可能である。「排出」位置ではディスチャージシリンダ19やスイングシリンダ20を動作させることができる。
【0023】
テールゲートスイッチ35は、「上」に操作すると塵芥投入箱3が上昇し、「下」に操作すると塵芥投入箱3が下降する。また、手を離すと「OFF」の中立位置に戻るタイプのスイッチである。排出板スイッチ36は、「排出」に操作するとディスチャージシリンダ19が伸長動作して排出板18が最後方位置まで後退し、「戻り」に操作すると排出板18が初期位置に戻る。また、手を離すと「OFF」の中立位置に戻るタイプのスイッチである。
かき出しスイッチ37は、「自動」又は「手動」の選択スイッチであり、「自動」位置では、塵芥投入箱3を上方端まで回動させると自動的に積込と同様の動作が行われ、塵芥投入箱3の底に残っている塵芥を排出することができる。
メインランプ38は、スイッチボックスSB1の各スイッチ操作が可能な状態のとき点灯している。ロックランプ39は、上記テールゲートロック31がロック状態のとき点灯している。充電ランプ40は、後述するリレーボックス54の開閉蓋54dが開放された状態のとき点灯している。
警報ブザー41は、後述する第5近接スイッチ63が検知状態のときにキースイッチ55がオンになると鳴動するようになっている。
【0024】
一方、図3において、塵芥投入箱3の左右両側壁3cの後部には、それぞれスイッチボックスSB2,SB3が設けられている。スイッチボックスSB2の側面には、押込板8の動作として「連続サイクル」または「1サイクル」のどちらかの動作モードに選択するための動作選択スイッチ42が、正面には、上記各動作モードで積込動作を開始させるための積込スイッチ43、連続サイクル動作を停止させるための停止スイッチ44がそれぞれ設けられている。その他のスイッチについては、緊急時にのみ用いるスイッチ等であり、詳細な説明は省略する。なお、停止スイッチ44は右側のスイッチボックスSB3にも設けられている。
【0025】
図6は、塵芥収集車1の制御ブロック図である。上記油圧ポンプ22は電動モータ45により駆動され、この電動モータ45は、専用のバッテリ46を動力源としてコントローラ47の出力により駆動される。なお、上記油圧ポンプ22と電動モータ45とによりパワーユニット48が構成されている。上記バッテリ46は、バッテリボックス49に収納されており、充電器50を介して外部の商用電源から供給される電力で充電されるようになっている。なお、1回の充電により、6回の収集作業(1回の収集作業は、積込装置Tの1サイクル動作を100回および排出板18の排出動作を1回行う作業)を行うことができる程度の電力を蓄電することができる。上記充電器50は、バッテリ46の充電を制御する制御部50aと、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換する整流部50bとを備えている。
【0026】
上記充電器50は、商用電源からの電源ケーブル51を充電器50に接続するためのコネクタ52と、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ53とともにリレーボックス54に収納されている。AC/DCコンバータ53により変換された直流電力は、コントローラ47を介して電動モータ45に供給されるようになっており、電動モータ45を商用電源からの電力供給により直接駆動することもできる。
【0027】
上記コントローラ47は、キャブ1a内に設けれたエンジン始動用のキースイッチ55および上記メインスイッチ34を介して通電される。また上記コントローラ47を収納するコントローラボックス56には非常停止スイッチ57が設けられており、コントローラ47が故障をした場合などの非常時に、バッテリ46およびAC/DCコンバータ53(商用電源)からの電力供給を遮断できるようになっている。
上記バルブボックス33内の各ソレノイド24e〜27e,24s〜27s及び切換弁28a〜28bは、コントローラ47によって励磁・消磁される。なお、各ソレノイド等のブロックの名称は、機能で表示している。コントローラ47には、図示の各機能スイッチ(SWと表記。以下同様。)34〜37,42〜44、前述の第1〜第4近接スイッチ14〜17、後述する第5近接スイッチ63、圧力センサ32、後述する温度計59および回転数センサ60から入力信号が与えられる。また、各種ランプ38〜40および警報ブザー41がコントローラ47の出力により点灯する。
なお、上記バルブボックス33、パワーユニット48、バッテリボックス49、リレーボックス54、コントローラボックス56および上記各ボックス33、49、54、56にそれぞれ収納されている機器が、本発明の駆動装置58を構成している。
【0028】
上記電動モータ45には、該電動モータ45の温度を検出する温度計59および電動モータ45の回転数を検出する回転数センサ60が取り付けられており、温度計59および回転数センサ60から入力信号がコントローラ47に与えられることにより、電動モータ45の出力が制御されるようになっている。
電動モータ45の制御は、図7のPQ線図において、温度計59の温度が100℃以下の場合には、図中の「低温時」と表示した高出力設定に従って行われる。具体的には、上記圧力センサ32から入力される信号によって表される作動圧をP[Pa]、回転数センサ60から入力される信号によって表される回転数を吐出量換算してQ[m3/秒]とすると、電動モータ45の出力(P・Q)が一定値(11kW)となるように制御される。例えば、P=P1(16MPa)のとき、Q=Q1(0.69×10−3m3/秒(41リットル/分))となり、電動モータ45の出力は、
P1・Q1=16×106×0.69×10−3
=11×103[W]=11[kW]
となる。
【0029】
また、電動モータ45を長時間駆動させることにより、温度計59の温度が120℃まで上昇した場合は、電動モータ45の出力(P・Q)が一定値(3.3kW)となるように、図中の「高温時」と表示した低出力設定に従って行われる。例えば、P=P2(8MPa)のとき、Q=Q2(0.41×10−3m3/秒(25リットル/分))となり、電動モータ45の出力は、
P2・Q2=8×106×0.41×10−3
=3.3×103[W]=3.3[kW]
となる。
そして、上記低出力設定により電動モータ45を低出力で駆動すると、徐々に電動モータ45の温度が下降し、温度計59の温度が100℃以下まで下降すると、上記高出力設定の制御に切り変わる。このように、電動モータ45の温度が高温になると、高出力設定から低出力設定の制御に切り換えるようにしたので、電動モータ45が温度上昇により破損するのを防止することができる。
【0030】
次に、上記駆動装置58を構成する各ボックス33、49、54、56およびパワーユニット48の各構成およびその取付構造について詳しく説明する。図1において、バルブボックス33およびコントローラボックス56は、キャブ1aと塵芥収容箱2の前壁2dとの間に形成されているキャブバックスペースCに配置されている。具体的には、バルブボックス33は、上記前壁2dの上端部であって車幅方向の略中央部に固定されている(図8参照)。コントローラボックス56は、バルブボックス33の左側(図8の下側)に隣接した前壁2dに、上記非常停止スイッチ57が左側面に配置されるように固定されている。これにより、作業者は車両の左舷側から容易に非常停止スイッチ57を操作することができる。なお、上記キャブバックスペースCは、上記オイルタンク21を配置するために従来から形成されているスペースであり、キャブバックスペースCの車幅方向の右側(図8の上側)の主桁2c上に上記オイルタンク21が固定されている。オイルタンク21とバルブボックス33との間には、上述のオイルフィルタ30aが配置されている。
【0031】
図1において、上記リレーボックス54は、車両の左舷側であって塵芥収容箱2の底部に配置されている。図9は、リレーボックス54の取付構造を示す図1の要部拡大図であり、図10は、上記リレーボックス54の平面図である。図9および図10において、リレーボックス54は、その前後の側壁54aが、塵芥収容箱2の前後方向略中央部の底板2bに垂下固定されている前後一対の支持ブラケット61に、ボルト・ナットにより固定されている。このように、リレーボックス54は上記底板2bの下方のデッドスペースに配置されているため、リレーボックス54の配置により、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少することはない。
【0032】
上記リレーボックス54の左舷側の側壁54bには、開口部54cが形成されているとともに、この開口部54cを開閉するための開閉蓋54dが回動可能に取り付けられている。開閉蓋54dはバネ(図示せず)により閉鎖方向に付勢されている。リレーボックス54内の開口部54d付近にはコ字型の取付部54gを介して上記コネクタ52が取り付けられており、開閉蓋54dを開放させた状態(図10)で、商用電源から延びる電源ケーブル51をコネクタ52に接続することができる。
【0033】
上記リレーボックス54内には、上記充電器50とAC/DCコンバータ53とを収納した充電ボックス54eが固定されており、この充電ボックス54eと開口部54cとの間には取付部54gを介して排気ファン62が取り付けられている。この排気ファン62は、電源ケーブル51をコネクタ52に接続すると、充電器50の制御部50aによって自動的に作動され、充電中に充電器50の発熱によって生じた熱気を開口部54cから外部へ排気するようになっている。その際、開口部54cが排気ファン62の排気口としての役割を果たすため、排気ファン62専用の排気口を別途形成する必要がない。また、充電完了後に開閉蓋54dを閉鎖することにより、排気ファン62の排気口である開口部54cが閉鎖されるため、リレーボックス54内を密閉状態にすることができ、排気口(開口部54c)から雨水等が侵入するのを防止することができる。なお、AC/DCコンバータ53は、リレーボックス54の底面に固定されている。
【0034】
上記リレーボックス54の内部には、上記開閉蓋54dが閉鎖されているときに、その内面に固定されているドグ54fを検知する第5近接スイッチ63(充電検知手段)が取り付けられている。この第5近接スイッチ63は、B接点型のスイッチ(通常ONで、検知対象を検出するとOFFとなるスイッチ)であり、開閉蓋54dが開放されて第5近接スイッチ63が非検知状態になると、キャブ1a内に配置されている上記充電ランプ40が点灯するようになっている。これにより、運転者は、キャブ1a内においてバッテリ46が充電中であることを容易に確認することができる。
また、第5近接スイッチ63が非検知状態のときに、キャブ1a内のキースイッチ55が運転者によりオン操作されると、キャブ1a内の警報ブザー41を鳴動させ、運転者に警報を発するようになっている。これにより、運転者が誤ってバッテリ46の充電中に車両を走行させるのを防止することができる。
【0035】
図1において、上記バッテリボックス49は、塵芥収容箱2の底部の左舷側であって、排出板18を最前方位置に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方に配置された第1収納部64に収納されている。図11は図1の第1収納部64付近を示す要部拡大図であり、図12は第1収納部64を車両の前方側から見た正面図である。図11および図12において、第1収納部64は、前面(図11の左側)を開口させた箱形に形成されており、ディスチャージシリンダ19より左舷側(図12の右側)であって、塵芥収容箱2の底板2b、主桁2cおよび前壁2dの一部を切断した箇所に配置されている。
【0036】
バッテリボックス49は、第1収納部64内の左右の側面64aにそれぞれ固定された係止部64bに係止された状態で収納されている。上記左右の側面64aは、上記底板2bおよび前壁2dの各切断端縁に溶接により固定されている。また、第1収納部64の底面64cは、上記底板2bに垂下固定されている前後一対の支持ステー65上に載置された状態で、該支持ステー65に溶接により固定されている。上記一対の支持ステー65は、その長手方向(車幅方向)の中間部を角パイプからなる連結部材66により連結されており、この連結部材66が車体フレーム1bの上面に載置された状態で、該車体フレーム1bに固定されている。また、図12において、各支持ステー65の長手方向の先端部には、第1収納部64をカバーするカバー板67の下端縁が溶接固定されており、このカバー板67の上端縁は塵芥収容箱2の側壁2eの下端部に溶接固定されている。このように、第1収納部64は、上記傾斜部18aの下部より前方であって、ディスチャージシリンダ19の伸縮動作と干渉しないデッドスペースを利用して配置されている。
【0037】
図13は、塵芥収集車1を右舷側から見た側断面図である。図において、車体フレーム1bの外側方にはエンジンの駆動燃料(軽油)を貯留する燃料タンク68が取り付けられている。上記パワーユニット48は、この燃料タンク68上方の塵芥収容箱2の底部であって、排出板18を最前方位置(図13の二点鎖線)に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方に配置された第2収納部69に収納されている。
【0038】
図14は図1の第2収納部69の取付構造を示す要部拡大図であり、図15は第2収納部69を車両の前方側から見た断面図である。図14および図15において、第2収納部69は、ディスチャージシリンダ19より右舷側(図15の左側)に配置されている。また、第2収納部69は、塵芥収容箱2の底板2bと、この底板2bを一部切断した箇所に固定された逆凹型の天板70と、塵芥収容箱2の主桁2cと、この主桁2cの外側方に配置された凹型の支持板71と、この支持板71および塵芥収容箱2の側壁2e下端部に固定されたカバー板72(図15)とにより形成されている。上記支持板71は、前後一対の支持ステー73上に防振ゴム74を介して固定されている。支持ステー73は、主桁2cの外側面に固定された取付ブラケット75に固定されている。このように、第2収納部69は、上記傾斜部18aの下部より前方(図14右側)であって、ディスチャージシリンダ19の伸縮動作と干渉しないデッドスペースを利用して配置されている。また、第2収納部69は底板2bおよび主桁2cを利用して形成されているため、安価な構成である。
【0039】
上記支持板71には、パワーユニット48の電動モータ45が載置された状態で固定され、電動モータ48に油圧ポンプ22が固定されている。支持板71は、前後の支持ステー73間において下方に窪むように形成されており、また、天板70は、底板2bよりも上方に窪むように形成されているため、第2収納部69の収納スペースを広く形成することができ、本実施形態のように大型のパワーユニット48を収納することができる。
なお、上記第1収納部64と第2収納部69とにより収納部76(図16参照)が構成されている。
【0040】
図16は、上記第1収納部64、第2収納部69および燃料タンク68との配置関係を模式的に示す車両前方から見た断面図である。図において、上記第1収納部64は車幅方向の一方側である左舷側(図16右側)に配置されており、第2収納部69は、ディスチャージシリンダ19を挟んで車幅方向の他方側である右舷側(図16左側)に配置されている。このため、収納部76を前後方向に長く形成することなく、駆動装置58の配置スペースを増加させることができる。
また、上記第1収納部64は車幅方向の一方側である左舷側(図16右側)に配置されており、燃料タンク68は車幅方向の他方側である右舷側(図16左側)に配置されている。このように、バッテリ46を収納する第1収納部64と燃料タンク68は、それぞれ車幅方向に離反した位置に配置されているため、バッテリ46の発熱によって、燃料タンク68から漏洩した燃料が引火するのを防止することができる。
【0041】
さらに、第1収納部64に収納されるバッテリボックス49の重量(バッテリ46の重量も含む)は、第2収納部69に収納されるパワーユニット48の重量よりも重いため、上記第1収納部64と第2収納部69とは車幅方向にバランス良く配置されている。具体的には、第1収納部64および第2収納部69は、塵芥収集車1の車幅方向中心線Xと第1収納部64の車幅方向の中心線Aとの間の水平距離L1が、上記中心線Xと第2収納部69の車幅方向の中心線Bとの間の水平距離L2よりも短くなるように配置されている。上記水平距離L1とL2との長さの比率は、上記各収納部64,69にバッテリボックス49およびパワーユニット48を収納した状態で、車両全体の車幅方向の重心位置Gが、上記中心線X上に配置されるように、バッテリボックス49の重量とパワーユニット48の重量とを勘案して決定される。
【0042】
これにより、駆動装置58を構成する機器の中で比較的重量の重いバッテリ46およびパワーユニット48を車両に搭載しても、車両の車幅方向の重心位置Gが変化することはほとんどないため、車両の走行安定性が損なわれるのを防止することができる。また、本実施形態では、第1収納部64と第2収納部69とを塵芥収容箱2の底部に取り付けているため、塵芥収容箱2を車体フレーム1b上に組み付ける前に、各収納部64,69にバッテリボックス49およびパワーユニット48をあらかじめ収納することができるが、この場合には、塵芥収容箱2をクレーン等により安定した状態で吊り下げることができるため、車体フレーム1bへの組み付け作業を安全に行うことができる。
【0043】
以上のように、駆動装置58の一部であるバッテリボックス49およびパワーユニット48を収納する収納部76を、最前方位置にある排出板18の傾斜部18aの下部より前方に存在するデッドスペースを利用して配置するようにしたので、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少させることなく、駆動装置58の配置スペースを増加することができる。
また、第1収納部64および第2収納部69は、車体フレーム1bより上方に取り付けられているため、車体フレーム1bを加工させることなく収納部76を取り付けることができる。
さらに、第1収納部64と第2収納部69とを塵芥収容箱2に取り付けるようにしたので、塵芥収容箱2を車体フレーム1b上に組み付ける前に、収納部76をあらかじめ塵芥収容箱2に取り付けておくことができる。このため、上記組み付け作業を容易に行うことができる。
【0044】
図17は、本発明の第2の実施形態による塵芥収集車の前部左舷側を模式的に示した側断面図であり、図18は、図17を前方から見た断面図である。この実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、第1収納部77の取付位置とその取付構造である。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様であるため、以下の説明では、第1の実施形態と同一符号で示す。
図17および図18において、塵芥収容箱2の底部の左舷側であって、排出板18を最前方位置(図17の左側)に位置させた状態で、その傾斜部18aの下部より前方(図17の左側)に、第1収納部77が配置されている。
第1収納部77は、塵芥収容箱2の前壁2dおよび側壁2eに対して水平方向に垂直に折り曲げて一体形成された水平部78と、塵芥収容箱2の底板2bに対して鉛直方向に垂直に折り曲げて一体形成された鉛直部79と、塵芥収容箱2の主桁2cおよび車体フレーム1bの外側面に固定されているL型の支持部材80とから形成されている。支持部材80の水平方向に延びる載置部80aにバッテリボックス49が載置固定されている。
【0045】
このように、第2の実施形態の第1収納部77は、最前方位置にある排出板18の傾斜部18aの下部より前方に存在するデッドスペースを利用して配置されているため、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少させることなく、駆動装置58の配置スペースを増加することができる。
また、第1収納部77は、車体フレーム1bの側方に配置されているため、その取付位置を低くすることができるため、上記デッドスペースが上下方向に低く形成されている場合(例えば傾斜部18aの水平面に対する傾斜角が小さい場合)でも、塵芥収容箱2の収容スペースSを減少させることなく、駆動装置58の配置スペースを増加することができる。
【0046】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば上記各実施形態では、収納部76に駆動装置58の一部(バッテリボックス49とパワーユニット48)を配置しているが、傾斜部18aの前方のデッドスペースが広い場合には、駆動装置58の全部を収納するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、収納部76を第1収納部64(77)と第2収納部69とにより構成しているが、少なくとも1つの収納部を形成していればよい。
さらに、第1収納部64(77)を車両の左舷側に、第2収納部69を車両の右舷側に配置しているが、第1収納部64(77)と第2収納部69とを逆に配置してもよい。
また、上記各実施形態では、第1収納部64(77)にバッテリボックス49を収納し、第2収納部69にパワーユニット48を収納しているが、バッテリボックス49とパワーユニット48とを逆に収納してもよい。その際、燃料タンク68が第1収納部64(77)の下方に配置されている場合は、前述の如く燃料タンク68の火災を防止することができるという点で有効である。また、第1収納部64(77)と第2収納部69には、その他の駆動装置58を構成するバルブボックス33、リレーボックス54またはコントローラボックス56のいずれかを収納するようにしてもよい。
【0047】
また、上記第1の実施形態では、第2収納部69が底板2bや主桁2cを利用して形成されているが、第1収納部64のように別部材で形成するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、塵芥収容箱2の主桁2cを切断した箇所に第1収納部64を配置しているが、傾斜部18aの前方のデッドスペースが上下方向に広く形成されている場合(例えば傾斜部18aの水平面に対する傾斜角が大きい場合)は、主桁2cを切断せずに、主桁2c上に第1収納部64を配置してもよい。
また、上記第1の実施形態では、第1収納部64および第2収納部69を底板2bや前壁2dの一部を切断して配置しているが、傾斜部18a前方の塵芥収容箱2内に形成されるデッドスペースが広い場合には、この塵芥収容箱2内のデッドスペースに配置することも可能である。この場合は、上記各部2a,2cを切断することなく第1収納部64および第2収納部69を容易に配置することができる。
また、上記各実施形態では、排出板18の傾斜部18aは平面状に形成されているが、円弧状に形成するようにしてもよい。
また、上記各実施形態の積込装置Tは、押込板8のみで塵芥を積み込むプレス式であるが、押込板と回転板との協働により塵芥を積み込む回転板式であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態による塵芥収集車を左舷側から見た側断面図である。
【図2】上記塵芥収集車における押込板、プッシュシリンダおよびプレスシリンダの動作説明図である。
【図3】上記塵芥収集車の背面図である。
【図4】上記塵芥収集車の油圧回路図である。
【図5】上記塵芥収集車のキャブ内のスイッチボックスの正面図である。
【図6】上記塵芥収集車の制御ブロック図である。
【図7】上記塵芥収集車のコントローラによる電動モータの制御を示すPQ線図である。
【図8】上記塵芥収集車の平面図である。
【図9】上記塵芥収集車のリレーボックスの取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図10】上記リレーボックスの平面図である。
【図11】上記塵芥収集車の第1収納部の取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図12】上記第1収納部を車両の前方側から見た正面図である。
【図13】上記塵芥収集車を右舷側から見た側断面図である。
【図14】上記塵芥収集車の第2収納部の取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図15】上記第2収納部を車両の前方側から見た断面図である。
【図16】上記第1収納部と第2収納部との配置関係を模式的に示す車両前方から見た断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態による塵芥収集車の前部左舷側を模式的に示した側断面図である。
【図18】図17の塵芥収集車を前方から見た断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 塵芥収集車
1b 車体フレーム
2 塵芥収容箱
2a 開口部
3 塵芥投入箱
18 排出板
18a 傾斜部
46 バッテリ
58 駆動装置
64 第1収納部
68 燃料タンク
69 第2収納部
76 収納部
T 積込装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに搭載され、後面に開口部を有する塵芥収容箱と、
前記塵芥収容箱の前記開口部に連接して設けられている塵芥投入箱と、
前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込むための積込装置と、
バッテリを有するとともに、当該バッテリを動力源として前記積込装置を駆動する駆動装置と、
前記塵芥収容箱内に、最前方位置と最後方位置との間で前後移動可能に設けられているとともに、下部に後下がりに傾斜している傾斜部を有し、後方に移動することで当該塵芥収容箱内に収容されている塵芥を前記開口部から排出する排出板と、
前記塵芥収容箱の底部に配置され、かつ前記排出板を前記最前方位置に位置させた状態で前記傾斜部の下部より前方に配置されているとともに、前記駆動装置の少なくとも一部が収納された収納部と、
を備えていることを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記車体フレームの車幅方向の一方側に設けられているとともに、エンジンの駆動燃料を貯留している燃料タンクをさらに備え、
前記収納部が、前記車体フレームの車幅方向の他方側に配置されているとともに、前記バッテリを収納している請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記収納部は、車幅方向の一方側に配置されている第1収納部と、車幅方向の他方側に配置されている第2収納部と、を有する請求項1または2に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記収納部が、前記塵芥収容箱に取り付けられている請求項1ないし3に記載の塵芥収集車。
【請求項1】
車体フレームに搭載され、後面に開口部を有する塵芥収容箱と、
前記塵芥収容箱の前記開口部に連接して設けられている塵芥投入箱と、
前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込むための積込装置と、
バッテリを有するとともに、当該バッテリを動力源として前記積込装置を駆動する駆動装置と、
前記塵芥収容箱内に、最前方位置と最後方位置との間で前後移動可能に設けられているとともに、下部に後下がりに傾斜している傾斜部を有し、後方に移動することで当該塵芥収容箱内に収容されている塵芥を前記開口部から排出する排出板と、
前記塵芥収容箱の底部に配置され、かつ前記排出板を前記最前方位置に位置させた状態で前記傾斜部の下部より前方に配置されているとともに、前記駆動装置の少なくとも一部が収納された収納部と、
を備えていることを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記車体フレームの車幅方向の一方側に設けられているとともに、エンジンの駆動燃料を貯留している燃料タンクをさらに備え、
前記収納部が、前記車体フレームの車幅方向の他方側に配置されているとともに、前記バッテリを収納している請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記収納部は、車幅方向の一方側に配置されている第1収納部と、車幅方向の他方側に配置されている第2収納部と、を有する請求項1または2に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記収納部が、前記塵芥収容箱に取り付けられている請求項1ないし3に記載の塵芥収集車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−56778(P2013−56778A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−282274(P2012−282274)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2008−294540(P2008−294540)の分割
【原出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2008−294540(P2008−294540)の分割
【原出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
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