説明

塵芥収集車

【課題】作業者の負担を軽減しかつ車両の運行中に積込動作を実行可能な塵芥収集車を提供する。
【解決手段】開閉可能なホッパドア20aが設けられた開口部から投入された塵芥を、電動モータ210の出力を利用して圧縮し塵芥収容部10へ積み込む積込動作を実行する電動塵芥積込装置1を有する塵芥収集車を、電動塵芥積込装置の前回の積込動作終了後の塵芥投入量を推定する塵芥投入量推定手段と、車両の停車を検出する停車検出手段と、ホッパドアの閉塞を検出するホッパドア閉塞検出手段302と、塵芥投入量推定手段が推定した塵芥投入量が所定値以上でありかつ車両の停止及びホッパドアの閉塞がともに検出された場合に、電動塵芥積込装置の積込動作を自動的に開始させる積込制御手段300とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥の積込を電力によって行なう電動式の塵芥収集車に関し、特に作業者の負担を軽減したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥収集車は、走行用のエンジンの出力をパワーテイクオフ(PTO)機構により機械的に抽出して油圧ポンプを駆動し、発生した油圧でシリンダ等を駆動することで塵芥収集装置の積込動作を行なわせていた。
このような塵芥収集車においては、作業ステーション(塵芥収集場所)ごとに、先ず運転席のインストルメントパネルに組み込まれたPTOスイッチを操作してトランスミッションと油圧ポンプを接続し、その後作業者が車両後部に移動して塵芥をテールゲートホッパ内に投入した後に、テールゲートホッパの近傍に配置された積込スイッチを操作することで、塵芥を圧縮してボディ内に押し込む積込動作が開始される。
【0003】
また、近年では、塵芥収集車の運用中の燃料消費量、CO排出量、騒音等の低減を目的として、車両にバッテリを搭載して油圧ポンプを電動モータにより駆動し、積込動作を電力によって行なう電動式の塵芥収集車が実用化されている。
このような電動式の塵芥収集車であれば、PTO装置関係の操作は不要となるが、積込動作は従来と同様に作業者の操作に基づいて開始していた。
【0004】
このような塵芥収集車に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、車両の後端部に塵芥積込装置の始動スイッチを設けた塵芥収集車が記載されている。
また、特許文献2には、複数の動作を順次行なって積込動作を行う塵芥収集車において、通常時は各動作の完了を検出する完了スイッチの出力に基づいて次動作を開始するとともに、完了スイッチの故障時には当該動作の時間に応じて制御を行なうようにした塵芥収集車が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平 1−226605号公報
【特許文献2】特開2006− 96426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の塵芥収集車においては、作業ステーションで作業者が塵芥を投入した後、ホッパドアを閉じて積込開始操作を手動により行なう必要があったため、作業者の負担が大きかった。
また、塵芥収集車は積込動作が完了するまで作業ステーションで停車している必要があり、道路混雑や騒音の原因となったり、塵芥収集ための運行時間が長くなるという問題があった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、作業者の負担を軽減しかつ車両の運行中に積込動作を実行可能な塵芥収集車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、開閉可能なホッパドアが設けられた開口部から投入された塵芥を、電動モータの出力を利用して圧縮し塵芥収容部へ積み込む積込動作を実行する電動塵芥積込装置を有する塵芥収集車であって、前記電動塵芥積込装置の前回の積込動作終了後の塵芥投入量を推定する塵芥投入量推定手段と、前記車両の停車を検出する停車検出手段と、前記ホッパドアの閉塞を検出するホッパドア閉塞検出手段と、前記塵芥投入量推定手段が推定した塵芥投入量が所定値以上でありかつ前記車両の停止及び前記ホッパドアの閉塞がともに検出された場合に、前記電動塵芥積込装置の前記積込動作を自動的に開始させる積込制御手段とを備えることを特徴とする塵芥収集車である。
これによれば、車両の停止及びホッパドアの閉塞が検出され安全が確保された状況では、所定量以上の塵芥が投入された場合に自動的に積込動作を開始することによって、作業者の負担を軽減することができる。
また、積込動作を例えば信号待ちなどの間に実行することが可能であり、作業ステーションでの停車時間を短縮し、道路混雑や騒音を防止し、また塵芥収集車の運行時間を短縮することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記積込制御手段は、前記電動塵芥積込装置の前記積込動作の自動開始及び手動開始を選択する選択操作手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車である。
これによれば、既存の手動による積込動作の始動との選択を可能とすることによって、操作の自由度を増し利便性を向上できる。
請求項3に係る発明は、前記電動塵芥積込装置が前記手動開始により前記積込動作を実行中に車体外部に設けられた灯火装置を点灯又は点滅させ、前記自動開始により前記積込動作を実行中に前記灯火装置を消灯させる灯火制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の塵芥収集車である。
これによれば、作業ステーションにおける積込動作の実行時に灯火装置を用いて周囲に注意を喚起することができ、また、車両の運行中での停車時に自動的に積込動作を行う場合には、灯火装置を消灯することによって、周囲に警戒感を与えることを防止できる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、作業者の負担を軽減しかつ車両の運行中に積込動作を実行可能な塵芥収集車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した塵芥収集車の実施例における側面視図である。
【図2】実施例の塵芥収集車の後方斜視図である。
【図3】実施例の塵芥収集車の油圧回路の構成を示す図である。
【図4】実施例の塵芥収集車の作動制御バルブの構成を示す図である。
【図5】実施例の塵芥収集車の油圧ポンプ駆動機構の構成を示す模式図である。
【図6】実施例の塵芥収集車における積込制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図7】図6の積込制御装置における自動積込開始制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、作業者の負担を軽減しかつ車両の運行中に積込動作を実行可能な塵芥収集車を提供する課題を、ホッパドアが閉じられ車両が停車中である場合に、塵芥投入量の推定値が所定値以上であった場合に積込動作を自動的に開始させることによって解決した。
【実施例】
【0012】
以下、本発明を適用した塵芥収集車の実施例について説明する。
図1は、実施例の塵芥収集車の側面視図である。
図2は、実施例の塵芥収集車を斜め後方の斜め上方側から見た後方斜視図である。
図1、図2に示すように、塵芥収集装置1は、トラックシャーシ2に架装され、電動作業車両の一種である塵芥収集車を構成するものである。
トラックシャーシ2は、フレーム3、エンジン4、トランスミッション5、パワーテイクオフ(PTO)機構6等を備えている。
フレーム3は、キャビン及び塵芥収集装置1が搭載されるとともに、パワートレーンやサスペンション等が取り付けられる構造部材である。
エンジン4(図5参照)は、車両の走行用動力源であって、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関である。
トランスミッション5は、エンジン4の回転出力を増減速し、プロペラシャフト及び最終減速装置を介して後輪車軸に伝達するものである。
PTO機構6は、トランスミッション5に設けられ、エンジン4の回転出力を抽出してポンプ120に伝達するものである。
【0013】
塵芥収集装置1は、ボデー10、テールゲートホッパ20、逆流防止シリンダC1、リフトシリンダC2、自動ロックシリンダC3、上下動シリンダC4、カキ込シリンダC5、排出シリンダC6等を備えている。
【0014】
ボデー10は、車両後方側に開口が設けられたボックス状に構成されている。
ボデー10は、回収された塵芥が内部に収容される部分である。
また、ボデー10の内部には、収容された塵芥を後方側へ押し出す排出パネル11が設けられている。
【0015】
テールゲートホッパ20は、ボデー10の後部開口を実質的に閉塞するように配置されている。
テールゲートホッパ20は、ボデー10の開口上端部に設けられたヒンジ回りに回動し、ボデー10の開口を開閉可能となっている。
テールゲートホッパ20は、作業者が塵芥を投入する開口を開閉するホッパドア20aを備えている。また、ホッパドア20aには、その開閉を検出するホッパドアスイッチ302(図6参照)が設けられている。
テールゲートホッパ20は、積込パネル21によって投入した塵芥を圧縮しつつボデー10内に押し込む積込装置を備えている。
積込装置は、テールゲートホッパ20の下部に投入された塵芥を、所定の軌跡に沿って駆動される積込みパネル21によってすくい上げ、ボデー10内にかき込む。
【0016】
逆流防止シリンダC1は、積み込まれた塵芥の逆流を防止するため、逆流防止用のパネルのカキ込及び反転動作を行なう油圧シリンダである。
リフトシリンダC2は、テールゲートホッパ20を回動させてボデー10の開口を開閉する油圧シリンダである。
自動ロックシリンダC3は、テールゲートホッパ20をロックしてボデー10に対する相対回転を規制するロック機構を駆動する油圧シリンダである。
上下動シリンダC4は、テールゲートホッパ20の積込パネル21を上下させる油圧シリンダである。
カキ込シリンダC5は、積込パネル21のカキ込動作及び反転動作を行なう油圧シリンダである。
排出シリンダC6は、ボデー10内に積み込まれた塵芥を車両後方側へ押し出して排出する排出パネルの排出及び戻し動作を行なう油圧シリンダである。
【0017】
以上説明した各シリンダC1〜C6は、以下説明する油圧回路によって、油圧ラインLを介して油圧供給されて駆動される。
図3は、実施例の塵芥収集装置における油圧回路の構成を示す図である。
油圧回路100は、作動油タンク110、ポンプ120、アキュムレータ130、フィルタ140、レギュレータ150、作動制御バルブ160等を備えて構成されている。
作動油タンク110は、各シリンダC1〜C6を駆動する作動油が貯留される容器である。
ポンプ120は、作動油タンク110に貯留された作動油を加圧して吐出する例えばギヤポンプ等のポンプである。
アキュムレータ130は、ポンプ120から吐出された高圧の作動油を蓄積する蓄圧容器である。
アキュムレータ130は、レギュレータ150と作動制御バルブ160との間に設けられている。
フィルタ140は、作動制御バルブ160及びレギュレータ150から作動油タンク110に戻る作動油を濾過するものである。
レギュレータ150は、ポンプ120から作動制御バルブ160に送られる作動油の流量を制御するものである。
【0018】
作動制御バルブ160は、ポンプ120から、レギュレータ150及びアキュムレータ130を介して供給される作動油を、油圧ラインLを介して各シリンダC1〜C6に供給するものである。
図4は、作動制御バルブ160の構成を示す図である。
作動制御バルブ160は、三位置の方向制御弁であるソレノイドバルブSV1〜SV5等を備えて構成されている。
各ソレノイドバルブSV1〜SV5は、積込制御装置300(図6参照)からの指令に基づいて供給される駆動電力に応じて、各シリンダC1〜C6への油圧の供給有無及び方向を切換えるものである。
【0019】
ソレノイドバルブSV1は、逆流防止シリンダC1に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV2は、リフトシリンダC2及び自動ロックシリンダC3に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV3は、上下動シリンダC4に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV4は、カキ込シリンダC5に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV5は、排出シリンダC6に油圧を供給するものである。
また、ソレノイドバルブSV1、SV2、SV4、SV5から各シリンダへ油圧を供給する油路には、圧力が所定値以上となったときに作動油を作動油タンク110側へブリードオフさせるリリーフ弁等が設けられている。
【0020】
図5は、実施例の塵芥収集車の油圧ポンプ駆動機構の構成を示す模式図である。
図5に示すように、実施例において、ポンプ120は、PTO機構6を用いたエンジン4の出力による駆動、及び、電動のモータ210による駆動が選択可能となっている。
塵芥収集装置1は、モータ210、バッテリ220、インバータ230等を備えている。
モータ210は、ポンプ120のPTO機構6側の端部に、ポンプ120の入力軸と同軸に設けられた例えばACモータである。
モータ210の回転軸(出力軸)は、ポンプ120の入力軸に接続されている。
モータ210の回転軸のポンプ120側と反対側の端部には、動力伝達軸を介してPTO機構6が接続されている。
【0021】
バッテリ220は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の2次電池であって、モータ210の駆動用の電力を供給するものである。
バッテリ220は、例えば塵芥収集車の基地(ステーション)において充電されるほか、回生発電手段を用いて車両の運用中に追加充電を行なってもよい。
バッテリ220は、例えば塵芥収集装置1の下部などに搭載される。
【0022】
インバータ230は、バッテリ220が出力する電力をDC−AC変換してモータ210に供給し、モータ210を駆動させるとともに、モータ210の出力を制御するものである。
【0023】
また、図1に示すように、塵芥収集車の前後左右には、ターンシグナルランプSが設けられている。
ターンシグナルランプSは、左右群ごとに点滅させることによって方向指示に用いられるほか、全てを同時に点滅させて周囲に注意を喚起するいわゆるハザード点滅が可能となっている。
【0024】
塵芥収集車は、以下説明する積込制御装置を備えている。
図6は、積込制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
積込制御装置300は、塵芥収集装置1の積込動作を制御するものである。
積込制御装置300は、CPU等の情報処理手段、ROMやRAM等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備えて構成されている。
【0025】
積込制御装置300には、車速センサ301、ホッパドアスイッチ302、ナビゲーション装置303、積込・排出切替スイッチ311、手動積込スイッチ312、自動積込スイッチ313等が接続されている。
積込制御装置300は、これらからの入力に基づいて、インバータ230、作動制御バルブ160に指令を出力して積込動作を行なわせる。
また、積込制御装置300は、ターンシグナルランプS等の灯火類を制御する灯火制御ユニット320にも指令を出力する。
灯火制御ユニット320は、塵芥収集装置1が作業者の手動操作によって積込動作を実行した場合には、作業完了までの間ターンシグナルランプSのハザード点滅を行う。
【0026】
車速センサ301は、塵芥収集車の走行速度に応じた車速パルス信号を出力するものである。
ホッパドアスイッチ302は、ホッパドア20aの開閉状態を検出するものである。
ナビゲーション装置303は、例えばHDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体に蓄積された地図データ、及び、GPSによって得られる測位情報を用いて、自車両の現在位置を算出するものである。
また、ナビゲーション装置303は、予め登録された作業ステーション(塵芥収集場所)に関する位置データを保持しており、自車両が停車しているのが作業ステーションであるか否かを判別可能となっている。
【0027】
積込・排出切替スイッチ311は、塵芥収集装置1の積込動作と排出動作とを切替えるものである。
手動積込スイッチ312は、積込・排出切替スイッチ311で積込動作が選択されている場合に、作業者がマニュアル操作により積込動作を開始させるものである。
積込・排出切替スイッチ311及び手動積込スイッチ312は、テールゲートホッパ20のホッパドア20aに隣接する箇所に配置されている。
自動積込スイッチ313は、作業者が自動的な積込動作の許可、不許可を切替えるものである。自動積込スイッチ313は、例えば、運転席のインストルメントパネル内またはその近傍に配置される。
【0028】
以下、積込制御装置300における自動積込開始制御について説明する。
図7は、自動積込制御時の積込制御装置300の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
【0029】
<ステップS01:自動積込スイッチオン判断>
積込制御装置300は、自動積込スイッチ313がオンであるかオフであるかを検出し、オンである場合は、ステップS02に進む。
一方、自動積込スイッチ313がオフである場合は、ステップS01に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。
【0030】
<ステップS02:車両停車中判断>
積込制御装置300は、車速センサ301の出力に基づいて車両の走行速度を検出し、車両の走行速度が実質的にゼロと判定された場合には、車両が停車中であるものとして、ステップS03に進む。
一方、走行速度がゼロではない場合には、車両が走行中であるものとして、ステップS01に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。
【0031】
<ステップS03:ホッパドア閉判断>
積込制御装置300は、ホッパドアスイッチ302の出力に基づいてホッパドア20aの開閉を検出し、ホッパドア20aが閉状態である場合にはステップS04に進む。
一方、ホッパドア20aが開状態である場合にはステップS01に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。
【0032】
<ステップS04:塵芥量判断>
積込制御装置300は、前回の積込動作完了以来の塵芥投入量を推定し、推定塵芥投入量が予め設定された閾値以上である場合には、ステップS05に進む。
一方、推定塵芥投入量が閾値未満である場合には、ステップS01に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。
ここで、塵芥投入量の推定は、例えば、作業ステーション(収集場所)の停車時間に基づいて推定する(停車時間が長いほど塵芥投入量が多い)ことができる。例えば、停車時間と推定塵芥投入量とを関連付けたデータベースを準備し、停車時間に応じて推定塵芥投入量が求められるようにすることができる。
車両が停車したのが作業ステーションであるか否かは、ナビゲーション装置303から得られる情報に基づいて判断することができる。
【0033】
<ステップS05:自動積込開始(ハザードオフ)>
積込制御装置300は、インバータ230に指令を出してモータ210の駆動を開始させ、ポンプ120による油圧の発生を開始させるとともに、作動制御バルブ160に指令を出して各シリンダを駆動させ、塵芥の積込動作を開始させる。
そして、積込パネル21による塵芥の圧縮及びボデー10への押込み動作を含む積込動作を行い、完了した後(テールゲートホッパ20内の塵芥が実質的になくなった後)一連の処理を終了(リターン)する。
このとき、積込制御装置300は、灯火制御ユニット320に指令を出し、ハザード点滅は行なわないようにする。
【0034】
以上説明した本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)自動積込スイッチがオンされている場合には、車両が停車し、ホッパドアが閉じられ、推定塵芥投入量が所定量以上の場合に自動的に積込動作が開始されることによって、作業者が作業ステーションで塵芥投入作業を行う都度積込開始操作をする必要がなく、作業者の負担が軽減される。
(2)車両が停止しかつホッパドアが閉じられた場合にのみ積込動作を自動的に開始することによって、安全性を確保することができる。
(3)塵芥投入量が閾値以上となった場合に積込動作を行うことによって、ステーションごとに少量の塵芥を積み込むために電力を無駄に消費することを防止し、バッテリの電力を有効に利用することができる。
(4)積込動作を自動的に行なう場合には、ターンシグナルランプのハザード点滅を行なわないことによって、周囲に警戒感を与えることを防止できる。
【0035】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)塵芥収集車及び塵芥収集装置の構成は、上述した実施例のものに限らず、適宜変更することが可能である。
例えば、実施例の塵芥収集装置は圧縮板式のものであったが、回転板式のものであってもよい。
また、油圧ポンプ駆動機構の構成、電気回路、油圧回路等の構成も特に限定されない。
(2)上述した実施例においては、車両の停車を車速センサの出力に基づいて検出しているが、これに限らず、例えばパーキングブレーキやサービスブレーキの作動に基づいて停車を判断してもよい。
また、GPSによって検出される自車両位置が移動していない場合に停車を判定してもよい。
(3)上述した実施例においては、作業ステーションでの停車時間に基づいて塵芥投入量を推定しているが、これに限らず、他の手法によって塵芥投入量を推定してもよい。
例えば、ホッパドア20aの開時間に応じて塵芥投入量を推定してもよい。
さらに、積込パネル21に設けられ、塵芥圧縮時の圧力を検出する圧力センサの出力に基づいて塵芥投入量を推定してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 塵芥収集装置 2 トラックシャーシ
3 フレーム 4 エンジン
5 トランスミッション 6 PTO機構
10 ボデー 11 排出パネル
20 テールゲートホッパ 20a ホッパドア
21 積込パネル
C1 逆流防止シリンダ C2 リフトシリンダ
C3 自動ロックシリンダ C4 上下動シリンダ
C5 カキ込シリンダ C6 排出シリンダ
100 油圧回路 110 作動油タンク
120 ポンプ 130 アキュムレータ
140 フィルタ 150 レギュレータ
160 作動制御バルブ SV1〜SV5 ソレノイドバルブ
L 油圧ライン
210 モータ 220 バッテリ
230 インバータ
300 積込制御装置 301 車速センサ
302 ホッパドアスイッチ 303 ナビゲーション装置
311 積込・排出切替スイッチ 312 手動積込スイッチ
313 自動積込スイッチ 320 灯火制御ユニット
S ターンシグナルランプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なホッパドアが設けられた開口部から投入された塵芥を、電動モータの出力を利用して圧縮し塵芥収容部へ積み込む積込動作を実行する電動塵芥積込装置を有する塵芥収集車であって、
前記電動塵芥積込装置の前回の積込動作終了後の塵芥投入量を推定する塵芥投入量推定手段と、
前記車両の停車を検出する停車検出手段と、
前記ホッパドアの閉塞を検出するホッパドア閉塞検出手段と、
前記塵芥投入量推定手段が推定した塵芥投入量が所定値以上でありかつ前記車両の停止及び前記ホッパドアの閉塞がともに検出された場合に、前記電動塵芥積込装置の前記積込動作を自動的に開始させる積込制御手段と
を備えることを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記積込制御手段は、前記電動塵芥積込装置の前記積込動作の自動開始及び手動開始を選択する選択操作手段を備えること
を特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記電動塵芥積込装置が前記手動開始により前記積込動作を実行中に車体外部に設けられた灯火装置を点灯又は点滅させ、前記自動開始により前記積込動作を実行中に前記灯火装置を消灯させる灯火制御手段を備えること
を特徴とする請求項2に記載の塵芥収集車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−60281(P2013−60281A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200349(P2011−200349)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】