説明

増圧器付油圧シリンダ

【課題】 作業用シリンダのキャップ側シリンダ室の作動油の漏れを防止するパイロット操作逆止め弁を不要にし、構成を簡素化し得る増圧器付油圧シリンダを提供する。
【解決手段】 作業用シリンダ本体2の接続孔4へ、増圧シリンダ本体13より突出した増圧ピストンロッド17を挿入して作業用シリンダ本体2と増圧シリンダ本体13とを液密に連結する。接続孔4の内周には増圧ピストンロッド17の外周面と摺接してキャップ側シリンダ室9を密封する環状のシール部材23を配置する。シール部材23と増圧ピストンロッド17の外周面とが離脱した状態で、作動油をシール部材23と増圧ピストンロッド17の外周面との間を通してキャップ側シリンダ室9に供給する給排路22を設ける。このため、キャップ側シリンダ室9の増圧した作動油の漏れ防止をシール部材23で図ることができ、構成を簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動油を増圧する増圧器を備えた増圧器付油圧シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の増圧器付油圧シリンダは、作業用シリンダのキャップ側シリンダ室(ヘッド側シリンダ室)に増圧室を連通して増圧シリンダを備え、作業用シリンダのロッド側ポートと切換弁との間をロッド側給排回路で接続すると共に、ヘッド側ポートと切換弁との間をヘッド側給排回路で接続し、このヘッド側給排回路には、ロッド側給排回路の圧力をパイロット圧力としてヘッド側ポートから切換弁側へ制御流れとなるパイロット操作逆止め弁を配設し、増圧シリンダの駆動室側をシーケンス弁を配設した油圧回路によってヘッド側給排回路の切換弁とパイロット操作逆止め弁との間に接続している。そして、切換弁の操作でヘッド側給排回路よりパイロット操作逆止め弁を介してヘッド側シリンダ室に作動油を供給すると、作業用シリンダのピストン・ロッドが高速低圧で前進する。このピストン・ロッドが所定位置に達して金型に当接して停止し、ヘッド側給排回路の圧力がシーケンス弁の設定圧力を超えるとシーケンス弁が開作動し、増圧シリンダの駆動室に作動油が供給され、増圧シリンダが作動してプランジャロッドとピストンの受圧面積比に相当する増圧比で増圧室の作動油を増圧し、この増圧した作動油がヘッド側シリンダ室よりピストンに作用し、ピストン・ロッドを高圧で押圧する。このとき、パイロット操作逆止め弁は閉作動してヘッド側シリンダ室の作動油の洩れ防止を図っている。
【特許文献1】特許第3474840号公報(段落番号0020−0025、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、かかる従来の増圧器付油圧シリンダでは、増圧シリンダの作動で作業用シリンダのキャップ側シリンダ室の増圧した作動油の漏れを防止するパイロット操作逆止め弁が必要となるため、部品点数が増加して構成が複雑になる問題があった。
【0004】
本発明の課題は、作業用シリンダのキャップ側シリンダ室の作動油の漏れを防止するパイロット操作逆止め弁を不要にし、構成を簡素化し得る増圧器付油圧シリンダを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を達成すべく、本発明は次の手段をとった。即ち、
ピストンロッドで負荷を作動する作業用シリンダと、増圧ピストンと増圧ピストンロッドの受圧面積比に応じた増圧比で増圧した作動油を作業用シリンダに供給する増圧シリンダとを備え、作業用シリンダは、作業用シリンダ本体の摺動孔にピストンを軸方向へ摺動自在に嵌挿し、このピストンの一端には作業用シリンダ本体を軸方向へ液密に貫通して先端を外部に突出するピストンロッドを設け、作業用シリンダ本体の内部でピストンロッドを突出したピストンの一端側にヘッド側シリンダ室を区画形成すると共に、ピストンの一端側と対向する他端側にキャップ側シリンダ室を区画形成し、このキャップ側シリンダ室に接続して作業用シリンダ本体の軸方向他端側に開口する接続孔を設け、増圧シリンダは、増圧シリンダ本体の摺動孔に増圧ピストンを軸方向へ摺動自在に嵌挿し、この増圧ピストンの一端には増圧シリンダ本体を軸方向へ液密に貫通して先端を突出する増圧ピストンロッドを設け、増圧ピストンロッドの受圧面積を増圧ピストンの受圧面積より小さく設け、増圧シリンダ本体の内部で増圧ピストンロッドを突出した増圧ピストンの一端側に戻し用ヘッド側シリンダ室を区画形成すると共に、増圧ピストンの一端側と対向する他端側に駆動用キャップ側シリンダ室を区画形成して設け、作業用シリンダ本体の軸方向他端側に開口する接続孔へ、増圧シリンダ本体より突出した増圧ピストンロッドを挿入自在に作業用シリンダ本体と増圧シリンダ本体とを液密に連結して設け、接続孔の内周には増圧ピストンロッドの外周面と摺接してキャップ側シリンダ室を密封する環状のシール部材を配置し、このシール部材と増圧ピストンロッドの外周面とが離脱した状態で、作動油をシール部材と増圧ピストンロッドの外周面との間を通してキャップ側シリンダ室に供給する給排路を設けたことを特徴とする増圧器付油圧シリンダがそれである。
【0006】
この場合、前記増圧シリンダ本体に取付面を形成し、この取付面に作動油の圧力が設定圧力を超えると開作動して作動油を前記増圧シリンダの前記駆動用キャップ側シリンダ室に供給するシーケンス弁を着脱自在に取付けても良い。
【発明の効果】
【0007】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明は、給排路からシール部材とピストンロッドの外周面との間を通してキャップ側シリンダ室に作動油を供給して作業用シリンダのピストンおよびピストンロッドを高速低圧で作動する。また、増圧シリンダの駆動用キャップ側シリンダ室に作動油を供給して増圧ピストンおよび増圧ピストンロッドを作動して増圧ピストンロッドの外周面にシール部材が摺接すると、作業用シリンダのキャップ側シリンダ室が密封され、増圧ピストンおよび増圧ピストンロッドの作動でキャップ側シリンダ室の作動油が増圧され、作業用シリンダのピストンおよびピストンロッドを低速高圧で作動する。このため、作業用シリンダのキャップ側シリンダ室の増圧した作動油の漏れ防止を、増圧ピストンロッドの外周面に摺接するシール部材で図ることができ、従来のものと比較し、作業用シリンダのキャップ側シリンダ室の作動油の漏れを防止するパイロット操作逆止め弁を不要にできて、構成を簡素化することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加え、増圧シリンダ本体に形成した取付面に、作動油の圧力が設定圧力を超えると開作動して作動油を増圧シリンダの駆動用キャップ側シリンダ室に供給するシーケンス弁を着脱自在に取付けているため、作業用シリンダと増圧シリンダとシーケンス弁とを一体的に配置することができ、全体をコンパクトにまとめることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1および図2において、1は作業用シリンダで、矩形状に形成した作業用シリンダ本体2に摺動孔3と摺動孔3より小径の接続孔4とを連ねて穿設し、摺動孔3を作業用シリンダ本体2の軸方向一端側に開口すると共に、接続孔4を作業用シリンダ本体2の軸方向他端側に開口し、摺動孔3の開口を作業用シリンダ本体2の軸方向一端側に備えたシリンダヘッド部材5で閉塞している。接続孔4は摺動孔3側より小径部と中径部と大径部とを連ねた段付形状で、開口側を大径部としている。6はピストンで、作業用シリンダ本体2の摺動孔3に軸方向へ摺動自在に嵌挿する。7はピストンロッドで、ピストン6の一端に設け、作業用シリンダ本体2に備えたシリンダヘッド部材5を軸方向へ貫通して先端を外部に突出し、貫通箇所を液密にするようシリンダヘッド部材5に備えた環状の密封部材5Aにピストンロッド7外周面を摺接している。8はヘッド側シリンダ室で、作業用シリンダ本体2の内部でピストン6の一端側に摺動孔3内周面とピストンロッド7外周面とシリンダヘッド部材5とで区画形成する。9はキャップ側シリンダ室で、ピストン6の他端側に摺動孔3内周面で区画形成する。10は圧力センサで、作業用シリンダ本体2に着脱自在に取付け、キャップ側シリンダ室9の圧力を検出する。11は戻し用給排路で、作業用シリンダ本体2に穿設してヘッド側シリンダ室8に接続し、ヘッド側シリンダ室8に作動油を供給したりヘッド側シリンダ室8の作動油を排出したりする。
【0010】
12は増圧シリンダで、矩形状に形成した増圧シリンダ本体13に有底の摺動孔14を穿設し、摺動孔14を増圧シリンダ本体13の軸方向一端側に開口し、摺動孔14の開口を増圧シリンダ本体13の軸方向一端側に備えたシリンダヘッド部材15で閉塞している。シリンダヘッド部材15は軸方向に突出して凸部15Aを備えている。16は増圧ピストンで、増圧シリンダ本体13の摺動孔14に軸方向へ摺動自在に嵌挿する。17は増圧ピストンロッドで、増圧ピストン16の一端に設け、増圧シリンダ本体13に備えたシリンダヘッド部材15を軸方向へ貫通して先端を突出し、貫通箇所を液密にするようシリンダヘッド部材15に備えた環状の密封部材15Bに増圧ピストンロッド17の外周面を摺接している。そして、増圧ピストンロッド17の受圧面積を増圧ピストン16の受圧面積より小さく設ける。18は戻し用ヘッド側シリンダ室で、増圧シリンダ本体13の内部で増圧ピストン16の一端側に摺動孔14内周面とピストンロッド17外周面とシリンダヘッド部材15とで区画形成する。19は駆動用キャップ側シリンダ室で、増圧ピストン16の他端側に摺動孔14内周面で区画形成する。20は増圧戻し用給排路で、増圧シリンダ本体13に穿設して戻し用ヘッド側シリンダ室18に接続し、戻し用ヘッド側シリンダ室18に作動油を供給したり戻し用ヘッド側シリンダ室18の作動油を排出したりする。21は駆動用給排路で、増圧シリンダ本体13に穿設して駆動用キャップ側シリンダ室19に接続し、駆動用キャップ側シリンダ室19に作動油を供給したり駆動用キャップ側シリンダ室19の作動油を排出したりする。
【0011】
22は給排路で、増圧シリンダ本体13およびシリンダヘッド部材15を径方向に貫通し、シリンダヘッド部材15の増圧ピストンロッド17が貫通する内周面で、密封部材15Bの配置箇所より軸方向の外方で、かつ凸部15Aより軸方向の内方の位置に開口している。作業用シリンダ1と増圧シリンダ12は、作業用シリンダ本体2の接続孔4の大径部へ、増圧シリンダ本体13のシリンダヘッド部材15の凸部15Aを嵌合し、作業用シリンダ本体2と増圧シリンダ本体13とを液密に図示しないボルトにより連結し、増圧ピストンロッド17を接続孔4へ挿入自在にする。23は環状のシール部材で、接続孔4の中径部内周に配置して小径部と凸部15Aとの間に挟持し、増圧ピストンロッド17の外周面と離脱自在に摺接してキャップ側シリンダ室9を密封する。
【0012】
24は取付面で、増圧シリンダ本体13の上面を平坦にして形成する。取付面24にはスペーサ25、シーケンス弁26、ポートカバー27を着脱自在に積層配設する。スペーサ25は戻し用給排路11と配管28を介して接続する流路29と、流路29から分岐して増圧戻し用給排路20に接続する流路30と、駆動用給排路21と接続する流路31と給排路22と接続する流路32とを有している。シーケンス弁26は流路29に接続する流路33と、流路31に接続する流路34と、流路32に接続する流路35とを垂直方向に貫通形成し、流路34には作動油の圧力が設定圧力を超えると開作動して作動油を駆動用キャップ側シリンダ室19に供給するシーケンス弁体36を配設し、このシーケンス弁体36と並列に駆動用キャップ側シリンダ室19側からの作動油の流れを自由流れとする向きに逆止め弁体37を配設している。ポートカバー27は流路33に接続する流路38と、流路34および流路35に接続する流路39とを有し、流路38、39を電磁切換弁40の通電非通電操作により作動油の供給源PとタンクTとに切換連通自在にする。
【0013】
次に、かかる構成の作動を説明する。
ピストン6、ピストンロッド7が図1、図2の上半分に示す原位置で停止している状態では、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17は図1、図2の上半分に示す原位置で停止し、シール部材23と増圧ピストンロッド17外周面とが離脱している。
【0014】
このピストン6、ピストンロッド7、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17が原位置で停止している状態で、電磁切換弁40を通電して左側位置に切換操作すると、供給源Pの作動油が流路39、35、32、給排路22よりシール部材23と増圧ピストンロッド17の外周面との間を通ってキャップ側シリンダ室9に供給され、ピストン6、ピストンロッド7を高速低圧で図示左方向に作動し、ヘッド側シリンダ室8の作動油は戻し用給排路11より配管28、流路29、33、38を流れてタンクTに排出される。このとき、キャップ側シリンダ室9に供給される作動油の圧力はシーケンス弁26の設定圧力以下で、流路39を流れた作動油はシーケンス弁26により駆動用キャップ側シリンダ室19への流れを阻止され、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17は図1、図2の上半分に示す原位置で停止している。
【0015】
ピストン6、ピストンロッド7が高速低圧で図示左方向に作動している状態で、ピストンロッド7が図示しない負荷に当接し、作動油の圧力がシーケンス弁26の設定圧力を超えると、流路39を流れる作動油が開作動したシーケンス弁26より流路34、31、駆動用給排路21を通って駆動用キャップ側シリンダ室19に供給され、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17を図示左方向に作動し、戻し用ヘッド側シリンダ室18の作動油は増圧戻し用給排路20より流路30、29、33、38を流れてヘッド側シリンダ室8から排出される作動油とともにタンクTに排出される。そして、増圧ピストンロッド17の外周面にシール部材23が摺接すると、キャップ側シリンダ室9が密封され、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17の作動で、キャップ側シリンダ室9の作動油が増圧ピストン16と増圧ピストンロッド17の受圧面積比に応じた増圧比で増圧され、ピストン6、ピストンロッド7を低速高圧で図示左方向に作動して負荷を押圧する。
【0016】
そして、圧力センサ10で検出するキャップ側シリンダ室9の作動油の増圧した圧力が設定値に達すると、電磁切換弁40を非通電にして図2の中立位置に復帰操作し、ピストン6、ピストンロッド7、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17が図1、図2の下半分に示す作動位置で負荷の押圧を完了して停止する。
【0017】
このピストン6、ピストンロッド7、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17が作動位置で停止している状態で、電磁切換弁40を通電して右側位置に切換操作すると、供給源Pの作動油が流路38、33、29、30より増圧戻し用給排路20を通って戻し用ヘッド側シリンダ室18に供給され、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17を高速低圧で図示右方向に作動して増圧ピストンロッド17の外周面がシール部材23から離脱し、駆動用キャップ側シリンダ室19の作動油は駆動用給排路21より流路31、34、シーケンス弁26の逆止め弁体37、流路39を流れてタンクTに排出される。また、流路29の作動油が配管28より戻し用給排路11を通ってヘッド側シリンダ室8に供給され、ピストン6、ピストンロッド7を高速低圧で図示右方向に作動し、キャップ側シリンダ室9の作動油はシール部材23と増圧ピストンロッド17の外周面との間を通って給排路22より流路32、35、39を流れて駆動用キャップ側シリンダ室19から排出される作動油とともにタンクTに排出される。
【0018】
そして、ピストン6、ピストンロッド7、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17が図1、図2の上半分に示す原位置に復帰作動すると、電磁切換弁40を非通電にして図2の中立位置に復帰操作し、ピストン6、ピストンロッド7、増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17を停止する。
【0019】
かかる作動で、増圧シリンダ12の駆動用キャップ側シリンダ室19に作動油を供給して増圧ピストン16、増圧ピストンロッド17を作動して増圧ピストンロッド17の外周面にシール部材23が摺接すると、作業用シリンダ1のキャップ側シリンダ室9が密封される。このため、作業用シリンダ1のキャップ側シリンダ室9の増圧した作動油の漏れ防止を、増圧ピストンロッド17の外周面に摺接するシール部材23で図ることができ、従来のものと比較し、作業用シリンダのキャップ側シリンダ室の作動油の漏れを防止するパイロット操作逆止め弁を不要にできて、構成を簡素化することができる。
【0020】
また、増圧シリンダ本体13に形成した取付面24に、作動油の圧力が設定圧力を超えると開作動して作動油を増圧シリンダ12の駆動用キャップ側シリンダ室19に供給するシーケンス弁26を着脱自在に取付けているため、作業用シリンダ1と増圧シリンダ12とシーケンス弁26とを一体的に配置することができ、全体をコンパクトにまとめることができる。
【0021】
また、増圧シリンダ本体13の取付面24には、シーケンス弁26以外の弁も着脱自在に積層配設できるから、用途に応じて種々の弁を適宜に積層配設でき、最適な回路構成を容易に達成することができる。
【0022】
なお、一実施形態では、キャップ側シリンダ室9の圧力を検出する圧力センサ10を備えたが、圧力センサ10は必ずしも具備することなく必要に応じて適宜備えれば良い。また、電磁切換弁40を作業用シリンダ1、増圧シリンダ12、シーケンス弁26と別に配置したが、電磁切換弁40を増圧シリンダ本体13の取付面24にシーケンス弁26とともに積層配設しても良い。また、作業用シリンダ本体2の接続孔4の大径部へ、増圧シリンダ本体13のシリンダヘッド部材15の凸部15Aを嵌合し、作業用シリンダ本体2と増圧シリンダ本体13とを連結したが、これに限定されるものではなく、例えば、作業用シリンダ本体の軸方向他端側に凸部を形成すると共に、増圧シリンダ本体の軸方向一端側に凹部を形成し、作業用シリンダ本体の凸部を増圧シリンダ本体の凹部に嵌合して作業用シリンダ本体と増圧シリンダ本体とを連結しても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示した増圧器付油圧シリンダの縦断面図である。
【図2】一実施形態の油圧回路図である。
【符号の説明】
【0024】
1:作業用シリンダ
2:作業用シリンダ本体
3、14:摺動孔
4:接続孔
6:ピストン
7:ピストンロッド
8:ヘッド側シリンダ室
9:キャップ側シリンダ室
12:増圧シリンダ
13:増圧シリンダ本体
16:増圧ピストン
17:増圧ピストンロッド
18:戻し用ヘッド側シリンダ室
19:駆動用キャップ側シリンダ室
22:給排路
23:シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンロッドで負荷を作動する作業用シリンダと、増圧ピストンと増圧ピストンロッドの受圧面積比に応じた増圧比で増圧した作動油を作業用シリンダに供給する増圧シリンダとを備え、作業用シリンダは、作業用シリンダ本体の摺動孔にピストンを軸方向へ摺動自在に嵌挿し、このピストンの一端には作業用シリンダ本体を軸方向へ液密に貫通して先端を外部に突出するピストンロッドを設け、作業用シリンダ本体の内部でピストンロッドを突出したピストンの一端側にヘッド側シリンダ室を区画形成すると共に、ピストンの一端側と対向する他端側にキャップ側シリンダ室を区画形成し、このキャップ側シリンダ室に接続して作業用シリンダ本体の軸方向他端側に開口する接続孔を設け、増圧シリンダは、増圧シリンダ本体の摺動孔に増圧ピストンを軸方向へ摺動自在に嵌挿し、この増圧ピストンの一端には増圧シリンダ本体を軸方向へ液密に貫通して先端を突出する増圧ピストンロッドを設け、増圧ピストンロッドの受圧面積を増圧ピストンの受圧面積より小さく設け、増圧シリンダ本体の内部で増圧ピストンロッドを突出した増圧ピストンの一端側に戻し用ヘッド側シリンダ室を区画形成すると共に、増圧ピストンの一端側と対向する他端側に駆動用キャップ側シリンダ室を区画形成して設け、作業用シリンダ本体の軸方向他端側に開口する接続孔へ、増圧シリンダ本体より突出した増圧ピストンロッドを挿入自在に作業用シリンダ本体と増圧シリンダ本体とを液密に連結して設け、接続孔の内周には増圧ピストンロッドの外周面と摺接してキャップ側シリンダ室を密封する環状のシール部材を配置し、このシール部材と増圧ピストンロッドの外周面とが離脱した状態で、作動油をシール部材と増圧ピストンロッドの外周面との間を通してキャップ側シリンダ室に供給する給排路を設けたことを特徴とする増圧器付油圧シリンダ。
【請求項2】
前記増圧シリンダ本体に取付面を形成し、この取付面に作動油の圧力が設定圧力を超えると開作動して作動油を前記増圧シリンダの前記駆動用キャップ側シリンダ室に供給するシーケンス弁を着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項1に記載の増圧器付油圧シリンダ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−133858(P2008−133858A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318882(P2006−318882)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000241267)豊興工業株式会社 (63)
【Fターム(参考)】