説明

増大された高磁場特性を有する超電導体、それを製造する方法、及びそれを含むMRI装置

本明細書で例示的に記述した超電導体は、超電導材料を含み、この超電導材料は、その内部に形成された磁性不純物と非磁性無秩序性とを含む。本明細書で記述した超電導体は、磁石用途及び送電に使用するのに適している。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、一般的に超電導体及びこれを製造する方法に関する。より詳細には、本発明の実施例は、高磁場特性を有する超電導体、及び超電導体の高磁場特性を増大する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高磁場の磁石を製造するために、Nb−Ti合金とNbSnを主に使用する。最近に発見された39K超電導体MgBは、磁石用として大きい可能性を有していて、これに対する集中的な研究が行われている(C. Buzea及びT. Yamashita, “Review of the Superconducting Properties of MgB”, Supercond. Sci. Technol. 15, R115−R146 (2001)(非特許文献1)を参照)。送電のために、高いTのクプラート(cuprate)で作られた超電導ケーブルが開発中にある(W. Buckel及びR. Kleiner, “Superconductivity”, Wiley−VCH, Weinheim (2004), p.382(非特許文献2)を参照)。
【0003】
磁石用途及び送電のため、超電導材料は、強いボルテックスピンニング(vortex pinning)または磁束ピンニング(flux pinning)により、高磁場で高い臨界電流密度を有さなければならない。Nb−Ti合金とNbSnは、良好なピンニング特性を示す。それにもかかわらず、加速器用途のような特別な科学的な応用のために、これら材料の高磁場特性をさらに増大させる必要がある。さらに、20K近くで使用することができるMgBは、良好なピンニング特性を示さない。
【0004】
不純物、柱状欠陥、人工ピン及びナノ粒子を付加し、機械的合金化を行い、結晶粒界と沈殿物を導入し、放射ダメージを適用することによって、超電導材料のピンニング特性を増大させることができる(W. Buckel及びR. Kleiner, “Superconductivity”, Wiley−VCH, Weinheim (2004), p.282(非特許文献2)を参照)。サンプルの製造条件を変更することも、無秩序性(disorder)を引き起こし、高磁場特性の増大をもたらす。これらの方法は、基本的に、臨界温度Tを大きく減少させることなく、超電導体内に磁束ピンニングセンターを誘導する。一般的に、無秩序性によって生じたボルテックスピンニングに対する信頼できる微視的理論が存在しないため、大部分の進歩は、試行錯誤を経て経験的に行われて来た(W. BuckelとR. Kleiner, “Superconductivity”, Wiley−VCH, Weinheim (2004), p.284(非特許文献2)を参照)。
【0005】
物理的な観点から見れば、上記ピンニングセンターは、基本的に電気ポテンシャル揺動を生成し、電子密度揺動を引き起こす。電子−フォノン相互作用、すなわち超電導性の誘導力が電子密度相関を助けるため(Mi−Ae Park及びYong−Jihn Kim, “Weak localization effect in superconductors from radiation damage”, Phys. Rev. B 61, 14733 (2000)(非特許文献3)を参照)、タイプII超電導体の高い磁場においてこれらのピンニング位置は、磁束の浸透を促進し、局所的には超電導性を破壊するが、全体的には超電導性を有することができるようにする。つまり、これらの公知技術は、電気ポテンシャル揺動、すなわち電気的特性を利用して超電導体内でピンニングセンターを生成する。しかし、これらのピンニングセンター近くの超電導性は、局所的な電気ポテンシャル揺動に起因しているというよりは、磁束浸透の存在下で、広範囲なエネルギー最小化に起因して破壊される。言い換えれば、これらのポテンシャル揺動は、局所的に超電導性を破壊する程度に充分に強くなく、したがって、最も好ましいピンニングセンターとなることができない。
【0006】
超電導磁石は、動作温度と使用可能な磁場強度に影響を与えるので、磁気共鳴映像(MRI)装置と核磁気共鳴(NMR)装置において超電導磁石は、重要な部品である。現在、Nb−TiとNbSn磁石を主に利用する。しかし、これらの材料は、転移温度Tが低いため、液体ヘリウムを必要とする。そのため、MRIとNMR装置は、高価であり、高い維持保守費用をもたらす。したがって、MRI及び関連NMR装置用磁石として、高価の液体ヘリウムを必要とせず、高いTを有する材料を探すことが非常に好ましい。
【0007】
2001年に、Akimitsuらは、MgBがT=39Kを有する超電導体であることを発見した(J. Nagamatsuら, Nature, volume 410 (2001), p.63−64(非特許文献4)を参照)。高いT、低いコスト及び良好な機械的な特性によって、MgBは、磁石用途として大きい可能性を有している。実際に、2006年11月に、ASG Superconductors、Paramed Medical Systems、及びColumbus Superconductorsにより最初にMgB磁石ベースのMRIが紹介された。何ら極低温液体を使用せずに、2つの極低温冷凍機(cryocooler)のみを使用して20Kの動作温度を得た。しかし、MgB磁石は、0.5Tしか生成しないので、MgB磁石ベースのMRIの市場性には限界があった。なぜなら、現在のNb−Ti及びNbSn磁石ベースのMRIは、液体ヘリウムを使用して4Kで3Tを生成することができるからである。イメージの解像度は、磁場強度の二乗に左右されるので、高い磁場は、さらに良好な映像を提供する(E. M. Haake, R. W. Brown, M. R. Thomson及びR. Venkatesan, “Magnetic Resonance Imaging: Physical Principles and Sequence Design”, (Wiley−Liss, New York, 1999), p.6(非特許文献5)参照)。
【0008】
磁石用途に利用するためには、超電導材料は、強いボルテックスまたは磁束ピンニングにより、高磁場で高い臨界電流密度を有さなければならない。しかし、MgBは、良好なピンニング特性を示さない。したがって、ボルテックスまたは磁束ピンニングを増大させるために、MgBに添加剤を注入することができる。例えば、典型的な添加剤は、C(S. X. Douら, Appl. Phys. Lett. 83, (2003), p.4996(非特許文献6)を参照)、Al(A. Berenovら, Cond−mat/0405567 (2004)(非特許文献7)を参照)、SiC(S. X. Douら, Appl. Phys. Lett. 81, (2002), p.3419(非特許文献8)を参照)、Ti、Zr(Y. Zhaoら, Appl. Phys. Lett. 79 (2001), p.1154(非特許文献9)を参照)、Si(X. L. Wangら, Physica C 385 (2003), p.461(非特許文献10)を参照)、Y(J. Wangら, Appl. Phys. Lett. 81 (2002), p.2026(非特許文献11)を参照)、及びMg(B、O)沈殿物(Eomら, Nature 411 (2001), p.558(非特許文献12)を参照)を含む。かなり進歩してきたが、MgBを高磁場磁石用に使用するためには、さらなる進歩が要求される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】C. Buzea及びT. Yamashita, “Review of the Superconducting Properties of MgB2”, Supercond. Sci. Technol. 15, R115−R146 (2001)
【非特許文献2】W. BuckelとR. Kleiner, “Superconductivity”, Wiley−VCH, Weinheim (2004)
【非特許文献3】Mi−Ae Park及びYong−Jihn Kim, “Weak localization effect in superconductors from radiation damage”, Phys. Rev. B 61, 14733 (2000)
【非特許文献4】J. Nagamatsuら, Nature, volume 410 (2001), p.63−64
【非特許文献5】E. M. Haake, R. W. Brown, M. R. Thomson及びR. Venkatesan, “Magnetic Resonance Imaging: Physical Principles and Sequence Design”, (Wiley−Liss, New York, 1999)
【非特許文献6】S. X. Douら, Appl. Phys. Lett. 83, (2003), p.4996
【非特許文献7】A. Berenovら, Cond−mat/0405567 (2004)
【非特許文献8】S. X. Douら, Appl. Phys. Lett. 81, (2002), p.3419
【非特許文献9】Y. Zhaoら, Appl. Phys. Lett. 79 (2001), p.1154
【非特許文献10】X. L. Wangら, Physica C 385 (2003), p.461
【非特許文献11】J. Wangら, Appl. Phys. Lett. 81 (2002), p.2026
【非特許文献12】Eomら, Nature 411 (2001), p.558
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願は、“METHOD OF ENHANCING HIGH MAGNETIC FIELD PROPERTIES OF SUPERCONDUCTING MATERIALS, WIRES, AND TAPES INCLUDING Nb−Ti, NbSn AND MgB”という発明の名称で、2007年8月1日に出願した米国仮特許出願第60/963,145号と、“MgB MAGNET−BASED MRI AND RELATED APPARATUS”という発明の名称で、2007年8月10日に出願した米国仮特許出願第60/964,441号の優先権を主張し、これらの全体内容は、参照として本明細書に取り込む。
【0011】
本明細書において例示的に記述した一実施例は、一般的に、超電導体と特徴付けられる。超電導体は、超電導材料を含むことができ、このような超電導材料は、その内部に形成された磁性不純物と非磁性無秩序性を含み、磁性不純物と非磁性無秩序性を含む超電導材料の上部臨界磁場及び臨界電流密度のうち少なくとも1つは、磁性不純物を含み且つ非磁性無秩序性を含まない超電導材料のそれよりさらに大きい。
【0012】
本明細書において例示的に記述した他の実施例は、一般的に超電導体を製造するための方法と特徴付けられる。この方法は、超電導材料を調製する段階と、超電導材料内に磁性不純物を形成する段階及び超電導材料内に非磁性無秩序性を形成する段階を含むことができ、磁性不純物と非磁性無秩序性を含む超電導材料の上部臨界磁場及び臨界電流密度のうち少なくとも1つは、磁性不純物を含み且つ非磁性無秩序性を含まない超電導材料のそれよりさらに大きい。
【0013】
本明細書において例示的に記述したさらに他の実施例は、一般的に、本明細書において記述した超電導体を含むMRI装置またはNMR装置と特徴付けられる。
【0014】
本発明のこれら及び他の様態は、添付の図面を参照する本発明の下記説明を参照することによって自明になるだろう。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例は、磁石用途と送電のために、超電導材料のピンニング特性を増大させる方法、及び、ひいては、高磁場特性を提供することができるものと特徴付けられる。本明細書に記述するように、超電導材料のピンニング特性は、超電導体内にピンニングセンターを生成する磁性不純物の特性を利用して増大され得、これにより、超電導性は局所的に破壊される。不純物、欠陥などのような非磁性無秩序性は、Tの顕著な減少による高磁場特性に対する磁性不純物の負の影響を(部分的に、または完全に)補償する。このように、非磁性無秩序性を付加すれば、高磁場特性、すなわちボルテックスピンニング、臨界電流密度J、及び臨界磁場H(特に、上部臨界磁場Hc2)を増幅させることができるが、これは、対応するボルテックスのサイズが従来のボルテックスのサイズより非常に小さいからである。したがって、磁性不純物によるボルテックスピンニングが維持且つ増幅されることができると共に、全体的な超電導性が維持されることができる。
【0016】
磁性不純物の影響に対する最近の走査トンネル顕微鏡(STM)研究(A. Yazdani, B. A. Jones, C. P. Luz, M. F. Crommie, 及びD. M. Eigler, “Probing the Local Effects of Magnetic Impurities on Superconductivity”, Science Vol. 275, 1767 (1997)を参照)は、各々の磁性不純物の1ナノメートル内で超電導性が破壊されることを示すと理解されることができるが、これは、ボルテックスが非常に小さいサイズを有することができることを示唆する。この場合、ボルテックスを通じた磁束が量子化されるので、上部臨界磁場は非常に高くなり、ボルテックスは、強くピンニングされる。また、KIM及びOverhauserは、他の環境、すなわち磁場がないとき(Yong−Jihn Kim及びA. W. Overhauser, “Magnetic Impurities in Superconductors: A Theory with Different Predictions”, Phys. Rev. B 49, 15799 (1994)を参照)、磁性不純物によって引き起こされたT減少が非磁性無秩序性によって補償される可能性があることを明らかにした。それにもかかわらず、磁性不純物によるボルテックスピンニングを解決するために、上記で引用したKIM及びOverhauser理論を一般化する方法は知られていない。
【0017】
本発明の実施例は、実験データから得た、ボルテックスピンニングに対する磁性不純物の影響に関するさらに良好な理解に依存することによって、そして、このような影響に対する上記で引用したKIM及びOverhauser理論の制限を認識することによって達成される。まず、前述したSTMデータは、磁性不純物がクーパー対(Cooper pair)を破壊するか、または磁性不純物近くの超電導性を破壊し、ナノメートル長スケールr(〜10Å)を有しながら、あまり長くないコヒーレンス長スケールξ(MgBの場合、ξ=〜50Å(C. Buzea及びT. Yamashita, “Review of the Superconducting Properties of MgB”, Supercond. Sci. Technol. 15, (2001), p.R115−R146を参照)を有する準粒子束縛状態を誘導することを示す。言い換えれば、磁性不純物は、非常に強いピンニングセンターであり、対応するボルテックスサイズは、約〜10Åであり、これは、磁束量子化によって上部臨界磁場Hc2を顕著に増加させる。
【0018】
上記の点から見て、磁性不純物は、不純物近くの超電導性を局所的に破壊するボルテックスピンニングに対する正の影響と、全体超電導自由エネルギー及び対応する超電導転移温度Tを減少させるボルテックスピンニングに対する負の影響を共に有する。Tの減少は、究極的に臨界電流Jと上部臨界磁場Hc2の減少をもたらすので、負の影響は、磁性不純物濃度が増加するときに大きくなる。
【0019】
超電導体内に非磁性無秩序性を形成すれば、磁性不純物の負の影響を(部分的に、または完全に)抑制し、したがって、磁性不純物の正の影響を増幅させることができる。例えば、以前の実験的な研究は、ただ極少量の磁性不純物が超電導体の高磁場特性を増大させることができ、これに少量の磁性不純物をさらに付加すれば、このような増加が消えることを示した。このような影響は、図6に線51で示されている。ここで、ΔHc2=Hc2−Hc2,0であり、ΔJ=J−Jc0であり、Hc2,0及びJc0は、磁性不純物がない純粋な超電導体の上部臨界磁場及び臨界電流密度である。しかし、本発明の実施例によって、磁性不純物を含む超電導体に非磁性無秩序性を付加すれば、臨界電流密度J及び/または上部臨界磁場Hc2は、顕著に増大し、これは、非常に重要(non−trivial)である。このような影響は、図6に線52で示されている。非磁性無秩序性により高磁場特性を増大させることができるこのような理論を、図1と図2を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】磁性不純物と非磁性無秩序性を共に含む、本発明の一実施例による超電導ワイヤの断面図である。
【図2】図1の超電導体内の対応するボルテックスの構成を示す概略図である。
【図3】従来例の特性と本発明の一実施例による例の特性を比較するもので、LaAlベースの超電導材料のHc2の温度依存性を示すグラフである。
【図4】従来例の特性と本発明の一実施例による例の特性を比較するもので、純粋なMgB及び2%ナノ−CoがドープされたMgBに対して、5Kで臨界電流密度J対印加された磁場を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例によって製造されたMgB磁石を具備したMRI装置またはNMR装置を示す概略図である。
【図6】ボルテックスピンニングに対する磁性不純物の影響と、本発明の実施例による非磁性無秩序性による高磁場特性の増大を示すもので、JとHc2の磁性不純物濃度依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の一実施例による超電導体を示す断面図である。
【0022】
超電導体10は、ワイヤとして提供されることができる。超電導体10は、Nb−Ti合金、NbSn、MgBなどのような超電導材料を含むことができる。Nb−Ti合金の使用時に、Nbは、超電導材料として作用し、Tiは、非磁性無秩序性として作用することができる。超電導材料内に磁性不純物11(矢印で表示)が形成されることができ、これは、ボルテックスピンニングセンターとして作用する。磁性不純物11による全体的なT減少を(部分的にまたは完全に)補償するために、非磁性無秩序性12(「x」で表示)を付加する。一実施例において、磁性不純物11のスピンは、図1に示されたように、任意に配向されることができる(すなわち、常磁性)。他の実施例において、磁性不純物11のスピンは、超電導体10内で強磁性または反強磁性に配向されることができる。一実施例において、磁性不純物は、磁性ナノ粒子として提供されることができ、この場合、高磁場特性を大きく増大させるために、ナノ粒子のサイズを制御することができる。
【0023】
図2は、図1の超電導体内で対応するボルテックスの構成を示す概略図である。
【0024】
図2を参照すれば、線20は、磁力線を示す。ボルテックスのサイズξは、従来のボルテックスのサイズより小さい。一実施例において、ボルテックスのサイズξは、r=〜10Åのオーダーである。結果的に得られたボルテックスのサイズと上部臨界磁場Hc2は、概算することができ、本発明者が知っている限り、このような概算は、過去に決して成就されなかった。ボルテックスサイズξは、準粒子束縛状態のサイズr=〜10Åと、(磁性不純物11による)平均自由行程l及びクーパー対のサイズ(すなわち、Bardeen−Cooper−Schrieffer(BCS)コヒーレンス長)ξの割合によって制約を受ける。lがξとほぼ同一であれば、ボルテックスサイズξは、準粒子束縛状態のサイズr=〜10Å(さらに正確には、ξ≒2r=〜20Å)に相当する。しかし、l>ξなら、ボルテックスサイズξは、2rより大きい(すなわち、ξに相当する)。これらの2つの場合を組み合わせれば、次が得られる。
式(1):

ここで、「f」は、適切な関数を意味する。簡単に、「f」は、特定指数αを有し、次の方式で選択することができる。
式(2):

対応するギンツブルグ−ランダウ(Ginzburg−Landau)コヒーレンス長ξGLは、次で与えられる。
式(3):

最後に、上部臨界磁場Hc2は、次のように得ることができる(W. Buckel及びR. Kleinerによる“Superconductivity”, Wiley−VCH, Weinheim (2004), p.236を参照)。
式(4):

【0025】
不純物、欠陥などのような非磁性無秩序性12の存在時に、非磁性無秩序性による平均自由行程が

<ξである場合、クーパー対のサイズは、ξからξeffに減少する。
式(5):

【0026】
したがって、ξeffは、大部分の超電導体内で2r=〜20Åより非常に大きい。結果的に、ボルテックスサイズは、依然として2rによって制約を受け、式(4)は、依然として有効である。磁性不純物11は、基本的に小さいサイズのボルテックスを引き起こし、したがって、上部臨界磁場Hc2の顕著な増加をもたらす点が強調される。JがHc2に比例するものと仮定すれば、臨界電流密度も、ほぼ同一の割合で増大する(W. Buckel及びR. Kleiner, “Superconductivity”, Wiley−VCH, Weinheim (2004), p.271を参照)。
式(6):

ここで、Jc0は、純粋な超電導体に対する臨界電流密度である。したがって、非可逆性磁場Hirrは、顕著に増大する。
【0027】
実験的に、少量の磁性不純物が超電導体の高磁場特性を増大させることができることが知られている(Y. Kuwasawa, K. Sekizawa, N. Usui及びK. Yasukochi, “Effects of Paramagnetic Impurities on Superconducting Properties in the La3−xGdAl System”, J. Phys. Soc. Japan 27, 590 (1969); D. K. Finnermore, D. L. Johnson, J. E. Ostenson, F. H. Spedding及びB. J. Beaudry, “Superconductivity in Pure La and La−Gd”, Phys. Rev. 137, A550 (1965); 及びR. P. Guertin, J. E. Crow, A. R. Sweedler, 及びS. Foner, “Upper critical fields of superconducting Gd and Tm doped LaSn: Effects of crystalline electric fields”, Sol. Sta. Commun. 13, 25 (1973))。しかし、このような増大は、ただ少量の磁性不純物が提供されたときにのみ得られ、磁性不純物によって顕著なT減少を伴った。したがって、このような増大は、実用的ではない。
【0028】
本発明の実施例は、Nb−Ti、NbSn、及びMgBを含む任意の超電導体の高磁場特性を顕著に増大させる実用的な方法を提供する。例えば、図3は、LaAlの上部臨界磁場Hc2を増大させるために、本発明の実施例をどのように適用することができるかを示すT−Hc2グラフである。0.3at.%のGdを付加することによって、約1KでTが減少すると共に、Hc2の温度依存性の傾きが増加することが明らかにされた(Y. Kuwasawa, K. Sekizawa, N. Usui及びK. Yasukochi, “Effects of Paramagnetic Impurities on Superconducting Properties in the La3−xGdAl System”, J. Phys. Soc. Japan 27, 590 (1969)を参照)。この結果は、実線30で示されている。破線31は、傾きの増加を考慮せず、T減少を補償するために、LaAlに非磁性無秩序性のみ付加するときの予想結果を示す。実線32は、LaAlに磁性不純物と非磁性無秩序性を付加するときの結果を示す。図示のように、実線32の傾きは、破線31の傾きに比べてさらに増加する。理論上の予測である式(4)は、磁性不純物及び非磁性無秩序性の両方ともによるHc2の増大量を計算する、すなわち、線31(l=3.349ξ

=0.5ξ,及びα=1)と線32(l=2.817ξ

=0.5ξ,及びα=1)である。
【0029】
本発明者が知っている限り、MgBでボルテックスピンニングに対する磁性不純物の影響に関して何ら実験的研究はなかった。しかし、MgBでボルテックスピンニングに対する磁性ナノ粒子の影響に関するいくつかの研究が行われている。磁性ナノ粒子と磁性不純物は、ボルテックスピンニングに対してほぼ同一の影響を及ぼす。図4は、線40でMgBの臨界電流密度J、線41で2%Coナノ粒子にドープされたMgBの臨界電流密度J、線42で本発明の実施例によって非磁性無秩序性及び2%Coナノ粒子にドープされたMgBの臨界電流密度Jを示す。
【0030】
図4に関しては、2%Coナノ粒子を付加して、MgBの臨界電流密度Jを増大させることがAwandaらによって報告された(Cond−mat/0601359)。Awandaらは、Tの減少と付随的なJの減少によって、4%及び6%のCoナノ粒子に対してJが減少し始めることを発見した。したがって、2%のドーピングは、従来に達成された臨界電流密度Jで最大の増加を示す。しかし、本発明の実施例によれば、MgB+2%Coの臨界電流密度Jは、非磁性無秩序性を付加することによって、さらに増大させることができる。仮に、MgBのクーパー対サイズを減少させるために、平均自由行程1〜30Å<ξ〜50Åを有する十分な非磁性無秩序性が付加されれば、Tの減少を補償しつつ、ボルテックスピンニングが増幅されることができ、線42(l=1.7ξ

=0.6ξ,及びα=1の場合)で示すように、Jの追加的な増幅をもたらす。
【0031】
0.13wt.%のFeナノ粒子を有するサンプルが磁性ヒステリシスの相当な増大を示す一方、0.26wt.%が付加されたサンプルは、ヒステリシスの中程度の増加を示すことが明らかにされた(Prozorovら, Appl. Phys. Lett. 83 (2003), p.2019を参照)。結果的に、磁性ナノ粒子ドーピングによる磁束ピンニングの増大は、非常に低いドーピングレベルにのみ制限され、これは、あまり有用ではない。一方、1wt.%を超過するさらに高いドーピングレベルで、FeBナノ粒子によって臨界電流が減少することが明らかにされた(Douら, Supercond. Sci. Technol. 18 (2005), p.710を参照)。Douらは、約0.2wt.%の低いドーピングレベルに対しては増大を見つけたかもしれないと考えられる。しかし、本発明の実施例によれば、超電導材料に非磁性無秩序性を付加して磁性不純物の負の影響(すなわち、TまたはJの減少)を補償すると同時に、正の影響(すなわち、Hc2とJの増加)を増幅させることができる。したがって、磁性不純物と非磁性無秩序性を含む超電導材料の超電導転移温度は、磁性不純物のみを含み、非磁性無秩序性を含まない超電導材料の超電導転移温度よりさらに高くなり得る。
【0032】
発明のための形態
本発明の一実施例によれば、磁性不純物と非磁性無秩序性を超電導体に注入するために、利用可能な任意の技術を使用することができる。例えば、磁性不純物と非磁性無秩序性を超電導体に注入するために、拡散、アーク溶解、固相反応、急冷−凝結、パルスレーザー蒸着(pulsed laser deposition;PLD)、スパッタリング、分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy;MBE)、機械的合金化、照射及び注入(irradiation and implantation)、化学気相蒸着(chemical vapor deposition;CVD)、管内粉末(powder−in−tube;PIT)などの技術を使用することができる。超電導材料内で磁性不純物の溶解度は問題になり得る。したがって、超電導材料及び技術によって最適の溶解度を有する磁性不純物を選択しなければならない。仮に、溶解度限界を超過して磁性不純物を付加すれば、一部の磁性不純物は、沈殿物を形成し得る。この場合、沈殿物は、依然として臨界電流密度Jを増加させるのに寄与することができる。しかし、沈殿物は、基本的に超電導マトリックスと独立的なので、上部臨界磁場 Hc2は大きく増加しない。磁性ナノ粒子(T. H. Alden及びJ. Livingston, “Ferromagnetic Particles in a Type−II superconductor”, J. Appl. Phys. 37, 3551 (1966); C. C. Koch及びG. R. Love, “Superconductivity in Niobium containing ferromagnetic Gadolinium or paramagnetic Yttrium dispersions”, J. Appl. Phys. 40, 3582 (1969); 及びA. Snezhko, T. Prozorov及びR. Prozorov, “Magnetic nanoparticles as efficient bulk pinning centers in type−II superconductors”, Phys. Rev. B71, 024527 (2005)を参照)と, 人工磁性ピン(N. D. Rizzo, J. Q. Wang, D. E. Prober, L. R. Motowidlo, 及びB. A. Zeitlin, “Ferromagnetic artificial pinning centers in superconducting Nb0.36Ti0.64 wires”, Appl. Phys. Lett. 69, 2285 (1996)参照)と, 磁性ドット(G. Teniers, M. Lange, V. V. Moshchalkov, “Vortex dynamics in superconductors with a lattice of magnetic dots”, Physica C 369, 268 (2002)を参照)を付加することは、磁性不純物付加のように、臨界電流の類似の増大をもたらすことができる。しかし、これらの技術は、ナノ粒子サイズの微細調整を必要とする可能性があり、大量生産に適さないと考えられる。それにもかかわらず、磁性ナノ粒子の負の影響も、本明細書で論議する非磁性無秩序性の付加を通じて補償することができ、したがって、正の影響は、非磁性無秩序性によって増幅されることができる。したがって、本発明の実施例で開示した方法は、超電導体の高磁場特性、すなわちHc2とJの両方を顕著に増大させることができ、これは、磁性不純物が誘導したボルテックスの強いピンニングにより、固有で且つ強力なので、本発明の方法が有利である。
【0033】
本発明の一部実施例によれば、磁性不純物は、例えば、Mn、Fe、Ni、Cr、Co、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rhなどのように部分的に満たされたd−電子を有するイオン(すなわち、転移金属)、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Uなどのように部分的に満たされたf−電子を有するイオン(すなわち、希土類元素)及び磁性粒子(例えば、磁性沈殿物)よりなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0034】
本発明の一部実施例によれば、非磁性無秩序性は、例えば、Zn、Al、Ti、C、B、Liなどのようなs−電子及び/またはp−電子を有する非磁性イオンよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。本発明の一部実施例によれば、非磁性無秩序性は、例えば、空孔型欠陥、格子間型欠陥、転位、放射ダメージなどよりなる群から選択された少なくとも1つの欠陥のような任意形態の結晶欠陥を含むことができる。本発明の他の実施例によれば、非磁性無秩序性は、例えば、非磁性粒子(例えば、非磁性沈殿物)、第2相包有物(second−phase inclusion)、ナノサイズ粒子、超電導材料の結晶粒界での析出物(segregate)などよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。また、非磁性無秩序性が上記例の組み合わせを含むことができることも理解することができる。一実施例において、超電導材料の形成間に工程条件を変化させることによって、超電導材料内に非磁性無秩序性を形成することができる。他の実施例として、超電導体材料を形成した後、非磁性無秩序性を形成することができる。磁性不純物と非磁性無秩序性の最適の組み合わせのためには、これらの製造上のすべての問題を考慮しなければならない。例えば、本発明の実施例によって、磁性不純物として、Mn、Co、Fe、Niなどと、非磁性無秩序性としてC、Zn、Alなどの組み合わせを使用することができる。
【0035】
MgBは、37〜128範囲の多少小さいクーパー対のサイズを有する(C. Buzea及びT. Yamashita, “Review of the Superconducting Properties of MgB”, Supercond. Sci. Technol. 15, (2001), p.R115−R146を参照)。MgBが結晶粒界の間で弱いリンク問題を有さないとしても、結晶粒界でクーパー対のサイズに相当する沈殿物、ナノ粒子または第2相包有物の過剰は、依然として臨界電流を減少させ得る。結果的に、ドーピング元素の沈殿物、ナノ粒子または第2相包有物のサイズをクーパー対のサイズより小さく制御することが好ましく、この場合には、臨界電流を増大させることができる。
【0036】
図5は、本発明の実施例によって製造したMgB磁石を有するMRI装置またはNMR装置を示す概略図である。
【0037】
図5を参照すれば、MRI装置またはNMR装置は、磁性不純物と非磁性無秩序性の両方を含むMgB磁石100を含むことができる。MgB磁石100は、20Kで1〜3テスラの磁場を生成することができる。極低温冷凍器110を使用すれば、MRIまたはNMRは、スキャナーボア(scanner bore)120に横になっている患者の映像を生成するように構成されることができる。
【0038】
磁性不純物と非磁性無秩序性の最適の量は、MgBのような超電導材料の臨界電流密度Jと上部臨界磁場Hc2の最適の増加から決定することができる。一実施例において、磁性不純物の濃度は、超電導材料の0.1at.%から20at.%までの範囲であってもよい。これは、磁性不純物と超電導材料によってTが20〜30%減少することに相当する。
【0039】
一実施例において、超電導体材料内の非磁性無秩序性の濃度は、結果として得られる平均自由行程lによって算定することができ、これは、下記のように、超電導材料のBCSコヒーレンス長ξと同等であるか、または、それより小さくなければならない。
式(7):1/3ξ/l
【0040】
一実施例において、非磁性無秩序性の濃度は、超電導材料の1at.%から40at.%までの範囲であってもよい。他の実施例において、超電導材料内で非磁性無秩序性の濃度は、任意の非磁性無秩序性が平均自由行程lを誘導し、式(7)を満たすように選択することができる。
【0041】
上記の内容から分かるように、本発明の実施例は、様々な方式で実施することができる。下記に記載したことは、本発明の一部の実施例に対する非制限的な説明である。
【0042】
一実施例において、超電導転移温度未満で高磁場特性を有する超電導体は、超電導性を有する超電導材料;超電導材料内に形成された磁性不純物;及び超電導材料内に形成された非磁性無秩序性を含む。この非磁性無秩序性は、超電導材料内に磁性不純物のみを形成する場合よりさらに大きい値で超電導体の上部臨界磁場または臨界電流密度を増加させることができる。
【0043】
他の実施例において、超電導転移温度未満で高磁場特性を有する超電導体を製造する方法は、超電導性を有する超電導材料を調製する段階;超電導材料内に磁性不純物を形成する段階;及び超電導材料内に非磁性無秩序性を形成する段階を含む。この非磁性無秩序性は、超電導材料内に磁性不純物のみを形成する場合よりさらに大きい値で超電導体の上部臨界磁場または臨界電流密度を増加させることができる。磁性不純物と非磁性無秩序性は、超電導材料を調製する間に、または超電導材料を形成した後に、単一工程で形成することができる。
【0044】
本明細書で例示的に記述したように、超電導体は、磁性不純物と非磁性無秩序性(例えば、不純物、欠陥など)を共に含み、それにより、超電導体の高磁場特性は、顕著に増大されることができる。仮に、溶解度限界以上に不純物を付加すれば、これらは、依然として高磁場特性の増大に寄与することができる別途の沈殿物またはナノ粒子を形成することができる。本発明の実施例は、管内粉末(PIT)MgBワイヤ及びテープに容易に適用することができる。結果として得られるMgB磁石は、20Kで1〜3Tを生成するものと予想されるが、これは、現在のMRI及び関連NMR装置用Nb−Ti磁石を代替することができる。磁性不純物は、超電導材料内で最適の溶解度を有するように選択することができる。
【0045】
以上、本発明の実施例を例示的に図示及び説明したが、当業者なら添付の請求範囲によって規定された本発明の思想と範疇を脱しない範囲内で形式と詳細事項で様々な変更が行われることを理解することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部に形成された磁性不純物(magnetic impurity)及び非磁性無秩序性(non−magnetic disorder)とを含む超電導材料を含み、
前記磁性不純物と前記非磁性無秩序性を含む前記超電導材料の上部臨界磁場及び臨界電流密度のうち少なくとも1つは、磁性不純物を含み且つ非磁性無秩序性を含まない超電導材料のそれより大きい、超電導体。
【請求項2】
前記超電導材料は、NbSnとMgBよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項3】
前記磁性不純物は、ボルテックスピンニングセンター(vortex pinning center)として作用する、請求項1記載の超電導体。
【請求項4】
超電導材料としてNbと、非磁性無秩序性としてTiと、磁性不純物とを含むNb−Ti合金を含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項5】
前記磁性不純物は、部分的に満たされたd−電子を有する磁性イオン、部分的に満たされたf−電子を有する磁性イオン、及び磁性粒子よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項6】
前記磁性不純物は、Mn、Fe、Ni、Cr、Co、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru及びRhよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項7】
前記磁性不純物は、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びUよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項8】
前記超電導材料内の磁性不純物の濃度は、0.1at.%から20at.%までの範囲である、請求項1記載の超電導体。
【請求項9】
前記磁性不純物と前記非磁性無秩序性とを含む前記超電導材料の超電導転移温度は、前記磁性不純物を含み且つ前記非磁性無秩序性を含まない超電導材料の超電導転移温度より大きい、請求項1記載の超電導体。
【請求項10】
前記非磁性無秩序性は、結晶欠陥、s−電子またはp−電子を有する非磁性イオン、及び非磁性粒子よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項11】
前記非磁性無秩序性は、空孔型欠陥、格子間型欠陥、転位、及び放射ダメージよりなる群から選択された少なくとも1つの結晶欠陥を含む、請求項10記載の超電導体。
【請求項12】
前記非磁性無秩序性は、沈殿物、第2相転移、ナノサイズ粒子、及び前記超電導材料の結晶粒界での析出物(segregate)よりなる群から選択された少なくとも1つの非磁性粒子を含む、請求項10記載の超電導体。
【請求項13】
前記非磁性無秩序性は、Zn、Al、Ti、C、B及びLiよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む、請求項1記載の超電導体。
【請求項14】
前記超電導材料内で前記非磁性無秩序性の濃度は、ξ/ lが1/3ξ/l3の範囲にあるように選択され、ξは、前記超電導材料のBCSコヒーレンス長であり、かつlは、前記非磁性無秩序性を含む前記超電導材料内での平均自由行程である、請求項1記載の超電導体。
【請求項15】
前記超電導材料内の前記非磁性無秩序性の濃度は、1at.%から40at.%までの範囲である、請求項1記載の超電導体。
【請求項16】
超電導材料を調製する段階;
前記超電導材料内に磁性不純物を形成する段階;及び
前記超電導材料内に非磁性無秩序性を形成する段階を含む、
超電導体を製造する方法であって、
前記磁性不純物と前記非磁性無秩序性とを含む前記超電導材料の上部臨界磁場及び臨界電流密度のうち少なくとも1つは、磁性不純物を含み且つ非磁性無秩序性を含まない超電導材料のそれより大きい、方法。
【請求項17】
前記非磁性無秩序性は、前記超電導材料を調製する段階中に形成される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記非磁性無秩序性は、前記超電導材料を調製する段階後に形成される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
請求項1記載の超電導体を含む、MRIまたはNMR装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−535414(P2010−535414A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519152(P2010−519152)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004454
【国際公開番号】WO2009/017370
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(510013253)
【Fターム(参考)】