説明

増粘毛髪染色剤及び脱色組成物

本発明は、少なくとも1つの酸化剤とC6〜C16アルキルグルコシドとを含む第1の構成成分と、アニオン性界面活性剤と脂肪族アルコールとを含む第2の構成成分と、を含む毛髪染色及び毛髪脱色組成物に関する。該組成物は、驚くべきことに、リフト、明るさ、及び色を送達すると同時にダメージを最小限に抑え、かつ、第1の構成成分と第2の構成成分とを混合する前及び後の両方で、所要の粘度を提供する、改善された毛髪染色剤及び脱色組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪染色及び毛髪脱色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン性繊維、特にヒトの毛髪の色を毛髪染料の塗布により永続的に変えることは周知である。消費者に所望の毛髪の色及び色の強度を提供するために、非常に複雑な化学的プロセスが利用される。永続的な毛髪染色製剤は、典型的には酸化毛髪染料前駆体を含み、これは毛小皮を通して毛髪中及び毛皮質中に拡散することができ、そこで次に互いに適した酸化剤と反応して最終的な染料分子を形成することができる。結果として得られるこれらの分子の大きさがより大きいため、それらは水及び/又は洗剤によるその後の洗浄中に毛髪から外へ容易に拡散できないことから、消費者の所望する色の永続性が達成される。この反応は典型的には、アルカリ化剤の存在下及び酸化剤の存在下の、pH約10の過激な環境において起こる。その上、消費者はこのプロセスを、所望の毛髪の色及び色相及び色の強度を維持するために、並びに新たな発毛の被覆を包含する毛髪の連続的で均一な被覆を確実にするために定期的に繰り返す。
【0003】
このような製品の製造者はまた、多数の制約内で機能することも要求されている。これらの製品は消費者の皮膚に直接接触して置かれるため、偶発的に(例えば)目に入ったり、又は口に入ったりする可能性が存在する。これの事態は染色プロセス中に起こり得る。そのため、製剤は、厳格な安全要件を満たさなければならず、いかなるアレルギー反応も生じさせてはならない。これらの要件を満たすことに加えて、製品はまた、視覚的及び嗅覚的にも消費者を満足させなければならない。特に、製品はまた、消費者の衣類、特に毛髪の流れに沿った皮膚又は他の物体を、不用意に染色することなく、消費者によって製品を容易に毛髪に塗布させ、所望の効果を提供することを確実にするために、特定の物理的パラメータを満たす必要もある。
【0004】
製造者はまた、毛髪染色を行う消費者に、広い範囲の、結果として得られる様々な色を提供することも要求される。ある消費者は、毛髪の自然な色の強化だけを望む場合もあり、一方、他の消費者は、白髪を隠すこと又は毛髪の色を異なる自然に見える毛髪の色に若しくは「人工的に」見える毛髪の色に完全に変えることを望む場合もある。したがって、製造者は、消費者の一連の特定のニーズに対応するよう、色や色相が異なる20種類をはるかに超える異なる製剤を提供する場合がある。これらの製剤類は、個々に処方される必要があり、そして典型的には、異なる染料化合物類の混合物を含有する複雑な処方である。結果としてこのような製品範囲の製造は、費用が高く複雑になる可能性がある。
【0005】
また一方、商業的毛髪染色製品は長年の間利用されてきたという事実にもかかわらず、その製品はなお消費者に関係する多くの欠陥を示している。
【0006】
典型的には、永続的毛髪染料製品は、アルカリ、典型的にはアンモニア供給源を含有する。これは、毛髪を膨張させて、染料前駆体分子の毛髪中への侵入を可能にする目的に役立ち、そして典型的には過酸化水素である酸化剤の明るさ効果をも改善する。しかしながら、アンモニアは揮発性でもあり、そしてそれに付随する臭気は、かかる製品を用いる消費者にとって、特にこれらの毛髪染料製品類が鼻の領域に近接して用いられるときには極めて不快である。それ故、消費者が要求する明るさの程度及び色を提供するが、感知されるアンモニア臭を低減又は除去した酸化的毛髪染色及び/又は脱色組成物を提供することが極めて望ましい。
【0007】
実際、現行の毛髪染色製品類の別の不完全分野は、要求される毛髪の明るさ効果を達成する毛髪染色製品を提供することである。要求される明るさの程度を達成することは、消費者に要求される色相の全ての範囲、特に金髪の色相及び白髪の被覆を提供するために特に重要である。かかる製品は、所要の明るさ効果を達成するために、それらが通常、高濃度の酸化剤及びアンモニアの使用を必要とすることから、製造者に特別な難題を課す。しかしながら、本明細書における上述のようなこれらの製品中の高濃度のアンモニアの存在に関連する問題に加えて、これらの高濃度のアンモニア及び/又は酸化剤の存在はまた、毛髪の状態に影響を及ぼし、そして頭皮に軽い皮膚のかぶれを生じさせる場合がある。特に、染色プロセス中に毛髪表面の親水性が増加し、これが染色中及び直後、その後の洗浄中及び次の染色剤塗布までの整髪サイクル中の毛髪の感覚認知及びその全体的な扱いやすさを変化させる。それ故、不必要に毛髪を損傷することなく及び/又は頭皮のかぶれを生じさせることなく、必要とされる明るさ及び/又は色を送達する酸化毛髪染色及び/又は脱色組成物を提供することも極めて望ましい。
【0008】
更に、皮膚、衣類又は浴室若しくはサロン表面上に滴下することなく毛髪に容易に塗布できる製品を提供するために、毛髪染色剤製品は、塗布される組成物が特定の必要とされる粘性を有するようにデザインされなければならない。これは、混合されると増粘するいわゆる希薄−希薄(thin-thin)型液体製剤である染料組成物(毛髪染料)及び酸化組成物(顕色剤)を提供することによって、あるいは、成分の少なくとも一方(染料組成物若しくは酸化組成物のいずれか、好ましくは染料組成物)が、混合すると総組成物を増粘する濃厚製剤として提供される場合、又は別の方法としては、染料及び酸化組成物の両方が、混合の前に高粘度である(即ち高粘度−高粘度−高粘度(thick-thick-thick)系)である場合、のいずれかに達成される。これらの増粘した組成物は、染料組成物又は酸化組成物あるいは両方の組成物に対して所望の粘度を提供するゲル網状組織系の使用により達成され得る。更に、クリームのような手ざわり、コンディショナーのような感覚及び外観、滑らかなすすぎ及び改善された毛髪感覚という追加的利益も提供するようなゲル網状組織は、極めて望ましい。このような増粘したゲル網状組織系は、例えば、国際公開特許WO2007/102119号及び欧州特許第1878469号に記載されている。ゲル網状組織系を提供するために使用することができる種々の界面活性剤の中でも、好ましい界面活性剤は、こうした組成物中に通常存在する様々な染料、酸化剤、コンディショニング材料等との最大限の相溶性を確実にする。そのような界面活性剤としては、例えば、欧州特許第1669105号に記述されているようなアルキルエーテルホスフェートを挙げることができる。
【0009】
希薄−高粘度−高粘度型系は、高粘度−高粘度−高粘度型系と比較した場合、消費者による使用前の顕色剤と毛髪染料成分との混合を容易にするので、特定の小売市場にとって特に望ましい。このような希薄−高粘度−高粘度型系は、典型的には、希薄な酸化成分(顕色剤)と高粘度の染料成分(毛髪染料)とを備える。高粘度の顕色剤成分もまた、ペルオキシド安定化剤(peroxide stability)などの高粘度の毛髪染料成分との効率的な混合を可能する能力、及び混合組成物の所望のレオロジーを達成しかつ維持するのを確実にすること以外に、更に多くの要件を満たす必要がある。
【0010】
こうしたニーズを達成するための既知の手段は、顕色剤組成物中でアニオン性界面活性剤、特にラウリル硫酸ナトリウムを使用することである。しかしながら、こうした材料は、過酸化物に対して安定でありかつ混合の前後に所望のレオロジープロファイルを提供する一方で、ある特定の状況では皮膚のかぶれを引き起こすことでも知られており、望ましくない。しかしながら、非イオン性界面活性剤、特にエトキシ化非イオン性界面活性剤を主成分とする代替の系は、特に、高温気候において輸送若しくは、保管、又は販売される際に製品が暴露される可能性がある高温で過酸化水素と接触する場合、長期間安定性を示さない。更に、これら製品はまた、毛髪染料と混合する際に一定のレオロジーを維持せず、そのため、粘度は時間経過に伴って増加して、消費者が、典型的には狭い先端部を備える容器から、組成物を容易に絞り出すことができないといった結果となり得る。
【0011】
前述した問題は、会合性ポリマーなどのポリマーもまた顕色剤組成物中に存在する場合に、特に深刻である。会合性ポリマーは、しばしば、希薄−高粘度−高粘度型系において望ましく、毛髪染料を含有するゲル網状組織と混合する際に好ましい混合粘度を達成するために、顕色剤組成物に好ましく組み込まれる。もしも上述のアニオン性界面活性剤を使用しなければ、結果として得られる粘度は高過ぎる場合が多い。例えば安定性が乏しいという理由で、こうした界面活性剤のレベルを低減する場合、容認できないレオロジー上昇が生じることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開特許WO2007/102119号
【特許文献2】欧州特許第1878469号
【特許文献3】欧州特許第1669105号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、要求される明るさ、色付着を送達するのに加えて、消費者が容易に使用することができるように、混合の前及び後に所要のレオロジー及び粘度を有し、かつ皮膚のかぶれを生じさせない毛髪染色剤製品を消費者に提供するのが望ましい。かかる系に付随するクリームのような手ざわりをもたらすために、ゲル網状組織構造を有する組成物を提供するのもまた望ましい。
【0014】
驚くべきことに、少なくとも1種の酸化剤、C6〜C16アルキルグルコシドを含む顕色剤成分と、C8〜30アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、又はこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤と、C14〜C30脂肪族アルコールと、を含む毛髪染料成分との組み合わせで構成される、酸化毛髪染色組成物は、混合前及び後の所望のレオロジー要件を提供することができ、かつ皮膚のかぶれを好ましく引き起こさないことが、今では判明している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、酸化剤とC6〜C14アルキルグルコシドとを含む第1の構成成分と、C8〜30アルキルホスフェート、C8〜C30アルキルエーテルホスフェート、又はこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤と、C14〜C30脂肪族アルコール及びこれらの混合物とを含む第2の構成成分と、を含む毛髪染色及び毛髪脱色組成物に関する。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、本発明の第1の構成成分と第2の構成成分との混合組成物を約2〜60分にわたって毛髪に塗布する工程と、続いて上記組成物を毛髪からすすぐ工程と、を含む、毛髪の処理方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書は、本発明を詳しく指摘し明確に請求する特許請求の範囲でまとめられるが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0018】
本明細書で使用するとき、扱われる用語「毛髪」は、「生きている」、すなわち、生体上にあるものであり得、又は、「生きていない」、すなわち、かつら、ヘアピース又は他の非生体ケラチン性繊維の凝集体であり得る。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、ウール、毛皮及び他のケラチン含有繊維は、本発明による組成物に好適な基材である。
【0019】
特に記述されない限り、全ての百分率は、総組成物の重量によるものである。処理中に1種を超える組成物が用いられるとき、考慮すべき総重量は、特に指示がない限り、毛髪に同時に塗布する全ての組成物の総重量(すなわち「頭上に」にある重量)である。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。モル濃度は全て、総組成物の重量を基準とし、組成物1キログラム中の構成成分(単数又は複数)のモル数、つまり「モル/kg」で表される。処理中に2種以上の組成物が用いられるとき、考慮すべき総重量は、特に指示がない限り、毛髪に同時に塗布する全ての組成物の総重量(すなわち「頭上に」にある重量)である。
【0020】
本発明は、酸化剤を含む第1の構成成分と界面活性剤系を含む第2の構成成分と(存在する場合には染料と)を含む2つの部分からなる形態で提供される、毛髪染色及び/又は脱色組成物に関し、第1の構成成分及び第2の構成成分は、結果として得られる組成物を消費者の毛髪に塗布する前に、一緒に混合される。
【0021】
第1の構成成分
酸化剤
本発明による組成物は、少なくとも1つの酸化剤供給源、好ましくは酸化剤を含む第1の組成物を含むか、又は該組成物と組み合わせて用いられる。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。「水溶性」は、本明細書で定義するとき、標準的な条件下で、少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gのその酸化剤が、1リットルの脱イオン水に溶解され得ることを意味する。酸化剤は、初期可溶化及びメラニンの脱色(漂白)にとって有益であり、毛幹中での酸化染料前駆体の酸化(酸化染色)を促進する。
【0022】
本発明において、当該技術分野において既知のいかなる酸化剤が用いられてもよい。好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中に過酸化水素を生成できる無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は、当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、並びに無機過水和物塩の漂白化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩は、一水和物、四水和物などとして組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物、並びに/又はペルオキシダーゼも用いてもよい。所望であれば、2種以上のこうした酸化剤の混合物を用いることができる。酸化剤は、水溶液中に提供されてもよいし、使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。本発明の組成物内で使用するのに好ましいのは、過酸化水素、過カーボネート(酸化剤及びカーボネートイオン類の両方の供給源を提供するために使用される)、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。
【0023】
本発明によると、第1の構成成分は、約0.1重量%〜約12重量%、好ましくは約3重量%〜約10重量%、及び最も好ましくは約6重量%〜約9重量%の酸化剤を含む。
【0024】
アルキルグルコシド
本発明は、第1又は顕色剤組成物中に含まれる、式R1−O−(G)x−Hで表わされるC6〜C16アルキルグルコシドを更に含み、式中、R1は、6〜16個の炭素原子、好ましくは8〜14個、より好ましくは8〜12個、最も好ましくは10個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖状のアルキル又はアルケニル基である。Gは無水グルコース単位であり、xは1〜2.5の数字である。炭素鎖長は、通常、典型的な鎖長分布を示すことに留意すべきである。したがって、この生成物が完全に精製されていない限り、C10アルキルグルコシドは、典型的には、他の炭素鎖長の残基を含む。この組成物は、典型的には、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%、好ましくは1重量%〜2重量%のアルキルグルコシド及びその混合物を含む。本明細書に用いるのに好適なアルキルグルコシドは、Seppicから供給されるOranix、及びCognisから供給されるPlantacare 200UPとして入手可能である。
【0025】
理論に拘束されるものではないが、組成物の第1の構成成分と第2の構成成分とを混合する際に、アルキルグルコシドは、毛髪染料中の特定のゲル網状組織界面活性剤と相乗的に作用すると考えられている。これにより、混合組成物の粘度は、消費者が望む範囲まで低減する結果となる。この効果は、会合性ポリマーなどの他の任意の増粘剤が組成物に組み込まれる場合に、特に望ましい。
【0026】
会合性ポリマー
本発明の組成物は、好ましくは、第1の(顕色剤)構成成分に含まれるのが好ましい会合性ポリマーを含む。本明細書に用いるのに好適な会合性ポリマー増粘剤は、不飽和カルボン酸又はその誘導体である少なくとも1つの親水性ユニット、及びC8〜C30アルキルエステル又は不飽和カルボン酸のオキシエチレン化C8〜C30アルキルエステルである少なくとも1つの疎水性ユニットを含む。不飽和カルボン酸は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸又はイタコン酸である。実施例は、Rohm and Haas社によって商品名Aculy−22で販売されている物質、Noveon社によって商品名Permulen TR1、Carbopol 2020、Carbopol Ultrez−21で販売されている物質、並びにNational Starch社によって商品名Structure 2001及びStructure 3001で販売されている物質から調製することができる。本発明の高分子増粘系に用いるための別の好ましい会合性ポリマーとしては、ポリエーテルポリウレタン、例えばRohm & Haas社によって商品名Aculyn−44及びAculyn−46で販売されている物質が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましい別の会合性ポリマーは、少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース、例えばAqualon社により販売されている製品Natrosol Plus Grade 330CSである。この組成物は、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%の会合性ポリマーを含んでもよい。
【0027】
第2の構成成分
界面活性剤
本発明によると、毛髪染色及び脱色組成物は、アニオン性界面活性剤と脂肪族アルコールとを含み、これらは典型的には、第2の(毛髪染料)構成成分中に含まれる。
【0028】
アニオン性界面活性剤は、C8〜C30アルキルホスフェート、C8〜C30アルキルエーテルホスフェート、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、アルキルエーテルホスフェートは、平均1〜20個、好ましくは1〜15個、最も好ましくは2〜10個のエチレンオキシド単位を有する。本発明によると、組成物は、第2の構成成分の約0.1重量%〜5重量%、好ましくは約0.5重量%〜3重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%の上記アニオン性界面活性剤を含む。
【0029】
本発明によると、脂肪族アルコールは、好ましくはセチル、ステアリル、セトステアリル、若しくはベヘニルアルコール、又はこれらの混合物から選択される直鎖状あるいは分枝鎖状のC14〜C30脂肪族アルコールである。本発明によると、第2の構成成分は、約1重量%〜10重量%、好ましくは約2重量%〜8重量%の上記脂肪族アルコールを含み得る。
【0030】
追加成分
本発明の組成物は、酸化染料前駆体、非酸化予備形成染料などの毛髪染色剤、炭酸イオン供給源、追加的な増粘剤及び/又はレオロジー改質剤、溶媒、ラジカルスカベンジャー、酵素、追加的な界面活性剤、コンディショニング剤、キャリア、酸化防止剤、安定剤、キレート剤、パーマ活性剤、香料、真珠光沢剤、乳白剤、蛍光染料、還元剤(チオ乳酸)、毛髪膨潤剤及び/又はポリマーが挙げられるが、これらに限定されない追加成分を更に含んでもよい。これら追加成分のいくつかについては、後で詳細に述べる。このような追加成分は、第1の構成成分若しくは第2の構成成分又は両方に含まれてもよく、あるいは、独立した第3の構成成分として含まれてもよい。
【0031】
ゲル網状組織増粘剤
本発明によると、毛髪染色及び脱色組成物は、ゲル網状組織増粘系を含むのが好ましい。本発明のゲル網状組織増粘系は、典型的には染料(第2の構成成分)組成物中に提供され、後で、得られた混合組成物中のゲル様網状組織系を維持した状態で、酸化組成物(第1の構成成分)と混合される。
【0032】
ゲル網状組織増粘系は、C8〜C30アルキルホスフェート、C8〜C30アルキルエーテルホスフェート、又はこれらの混合物から選択される本明細書で上述したアニオン性界面活性剤と、C14〜C30脂肪族アルコールとを含む。
【0033】
ゲル網状組織は、任意に、追加のイオン性若しくは非イオン性界面活性剤、又は両染性物質を含んでもよい。ゲル網状組織増粘系の任意の非イオン性界面活性剤は、好ましくは少なくとも約25個、好ましくは約50〜200個、最も好ましくは約100〜200個のエチレンオキシド単位を有する1つ以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテルから選択されてもよい。好適な界面活性剤としては、セテアレス−25、ステアレス−100、ステアレス−150、ステアレス−200、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、ポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテル類から選択される非イオン性界面活性剤である。これら界面活性剤は、ゲル網状組織系の共乳化剤及び安定剤として作用する。本発明によると、組成物は、約0.1重量%〜5重量%、好ましくは約0.5重量%〜1重量%の上記界面活性剤を含み得る。
【0034】
当業者は、ゲル網状組織増粘系が、網状ラメラ二重膜及び/又は小胞及びしばしば結晶の複雑な構造を通常有していることを理解するであろう。これらの系は通常、クリーム状の外観と手ざわりを有し、したがって特に望ましい。
【0035】
特に、ゲル網状組織増粘系は、染料組成物(第2の構成成分)と、過酸化水素などの酸化剤を含む酸化組成物(第1の構成成分)との、容易かつ効率的な混合を促進する。
【0036】
アニオン性界面活性剤は、ゲル網状組織の形成を補助し、かつ、過剰な粘性を防止するために特に上方値にて所望のレオロジー範囲を維持するのを補助する。
【0037】
脂肪族アルコールは、第2の構成成分中に含まれるが、酸化組成物中にも存在し得る。脂肪族アルコールは、ゲル網状組織系の安定化を補助し、更に、所望のレオロジー範囲の維持を補助する。
【0038】
カチオン性ポリマー
組成物は、カチオン性ポリマーを更に任意に含んでもよい。好ましいカチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム37、ポリクオタニウム7、ポリクオタニウム22、ポリクオタニウム87、及びこれらの混合物である。特に好ましいものは、ポリクオタニウム37及びポリクオタニウム22並びにこれらの混合物である。本発明の組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%、好ましくは約0.5重量%〜2重量%のカチオン性ポリマーを含む。
【0039】
アルカリ化剤
本発明によると、組成物は、アルカリ化剤、好ましくは、アンモニウムイオン及び/又はアンモニアなどのアルカリ化剤の少なくとも1つの供給源を任意に含んでもよい。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオンの供給源をもたらすものである。いずれのアンモニウムイオン供給源も本明細書で用いるのに好適である。好ましい供給源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオンを含んでもよい。好ましくは、存在する場合、アンモニウムイオンと炭酸イオンは組成物中に、3:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:5の重量比で存在する。
【0040】
好ましくは、本発明の組成物は、約12〜約7.5、好ましくは約11〜約8.4、及び最も好ましくは約10.5〜約8.5のpHを有する。
【0041】
本組成物のpHは、Mettler Toledo製MP220又はMP225 pH装置(標準実験室用pH電極を装着)を使用して測定できる。装置は、毎回使用前に、較正用標準緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0042】
毛髪染料
本発明の毛髪染色組成物は、好ましくは、酸化染色組成物を含む毛髪染色組成物である。このような組成物は、毛髪に様々な毛髪色をもたらす酸化毛髪染料前駆体又は展開剤(一次中間体としても既知)を含む。これらの小さい分子は酸化剤により活性化され、更なる分子と反応して毛幹中により大きい着色錯体を形成する。
【0043】
前駆体は、単独で又は他の前駆体と組み合わせて用いることができ、1種以上の前駆体を1種以上のカップラーと組み合わせて用いることもできる。カップラー(色調整剤又は二次中間体としても知られる)は、一般に、活性化された前駆体類の存在下で色を形成できる無色の分子類であり、特定の色の効果を生成するため又は色を安定化させるために、他の前駆体又はカップラーと共に使用される。前駆体及びカップラーの選択は、所望の染色の色、色相及び強度により決定される。前駆体及びカップラーを、本明細書において、単一で又は組み合わせにより用いて、灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色相を有する染料を提供することができる。
【0044】
これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン、アミノフェノール、芳香族ジオール及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、Sagarin,「Cosmetic Science and Technology」,「Interscience,Special Edn.Vol.2の308〜310ページに見出すことができる」)。以下に述べる前駆体は、例示のためだけのものであり、本明細書の組成物及びプロセスを限定する目的でないことを理解すべきである。
【0045】
顕色剤
本明細書に記載の組成物で使用するのに適した顕色剤としては、これらに限定されるものではないが、p−フェニレンジアミン誘導体、例えば、ベンゼン−1,4−ジアミン(一般にp−フェニレンジアミンとして知られる)、2−クロロ−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−フェニル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−エトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール(一般にN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンとして知られる)、(2,5−ジアミノ−フェニル)−メタノール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール、N−(4−アミノフェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2,6−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−イソプロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン、1−[(4−アミノフェニル)アミノ]−プロパン−2−オール、2−プロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン、1,3−ビス[(4−アミノフェニル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロパン−2−オール、N4,N4,2−トリメチルベンゼン−1,4−ジアミン、2−メトキシ−ベンゼン−1,4−ジアミン、1−(2,5−ジアミノフェニル)エタノール、1−(2,5−ジアミノジフェニル)エタン−1,2−ジオール、2,3−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、2,6−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン、2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、2−チエン−2−イルベンゼン−1,4−ジアミン、2−チエン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン、2−ピリジン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン、1,1’−ビフェニル−2,5−ジアミン、2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(アミノメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エタノール、N−[2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エチル]−アセトアミド、N,N−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ジプロピルベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノフェニル)(エチル)アミノ]エタノール、2−[(4−アミノ−3−メチル−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、N−(2−メトキシエチル)−ベンゼン−1,4−ジアミン、3−[(4−アミノフェニル)アミノ]プロパン−1−オール、3−[(4−アミノフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール、N−{4−[(4−アミノフェニル)アミノ]ブチル}ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[2−(2−{2−[(2,5−ジアミノフェニル)−オキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]ベンゼン−1,4−ジアミン、1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール、2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン、p−アミノフェノール誘導体、例えば、4−アミノ−フェノール(一般にp−アミノフェノールとして知られる)、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチル−フェノール、4−アミノ−2−メチル−フェノール、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン、4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール、5−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸、1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール、4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−3−フルオロ−フェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)−フェノール、4−アミノ−2−フルオロ−フェノール、1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン、o−フェニレンジアミン誘導体、例えば、3,4−ジアミノ安息香酸及びそれらの塩、o−アミノフェノール誘導体、例えば、2−アミノ−フェノール(一般にo−アミノフェノールとして知られる)、2,4−ジアミノフェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−5−エチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、及び2−アミノ−4−メチル−フェノール、並びに複素環誘導体、例えば、ピリミジン−2,4,5,6−テトラミン(一般に2,4,5,6−テトラアミノピリジンとして知られる)、1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール、N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン、2−[(3−アミノ−6−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]エタノール、6−メトキシ−N2−メチル−ピリジン−2,3−ジアミン、2,5,6−トリアミノピリミジン−4(1H)−オン、ピリジン−2,5−ジアミン、1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−クロロベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、ピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン−3,7−ジアミン、5,6,7−トリメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンヒドロクロリド、7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンヒドロクロリド、2,5,6,7−テトラメチル(teramethyl)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンヒドロクロリド、5,7−ジ−tert−ブチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンヒドロクロリド、5,7−ジ−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンヒドロクロリド、2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミンヒドロクロリド、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1(5H)−オンジメトスルホネート(dimethosulfonate)1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール、2,5−ジアミノフェニルエチルアルコール、並びにこれらの塩が挙げられる。
【0046】
更なる顕色剤は、N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド、2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−ピリジン−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン、3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド、2−チアゾール−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン、4−ヒドロキシ−安息香酸(2,5−ジアミノ−ベンジリデン)−ヒドラジド、3’−フルオロ−ビフェニル−2,5−ジアミン、2−プロペニル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2’−クロロ−ビフェニル−2,5−ジアミン、N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、4’−メトキシ−ビフェニル−2,5−ジアミン、N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド塩酸塩、4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール、4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール塩酸塩、4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩、4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール、5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール、4,5−ジアミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル、3−メトキシ−1−プロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(2−アミノエチル)−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、8−メトキシ−1,2,4,5−テトラヒドロピラゾロ[5,1−d][1,3,5]オキサジアゼピン−9−アミン、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−シクロヘキシル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、6−メトキシ−1−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−b]ピラゾール−7−アミン、2−メトキシ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−アミン、3−メトキシ−1−オクチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−メトキシ−1−ペンチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−b]ピラゾール−7−アミン、3−メトキシ−N5,N5−ジメチル−1−プロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−ヘキシル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−ブチル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−イソプロピル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−エチル−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−メトキシ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−メトキシ−1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−エチルフェニル)−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−メトキシ−1−p−トリル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−シアノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−ブチル−3−シアノ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−シアノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−シアノ−1−ヘキシル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−ブチル−3−シアノ−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−シアノ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−シアノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−シクロヘキシル−3−フルオロ−N5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−メチル−3−(トリフルオロメトキシ)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−フルオロ−1−オクチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−クロロ−1−ヘキシル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−フルオロ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−クロロ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−クロロ−1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−クロロ−1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−クロロ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、3−クロロ−1−エチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(3−メトキシプロピル)−3−(メチルスルフィニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(メチルスルフィニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−メチル−3−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、及びこれらの塩からなる群より選択される。
【0047】
一部の実施形態では、顕色剤としては、これらに限定されるものではないが、p−フェニレンジアミン誘導体、例えば2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、ベンゼン−1,4−ジアミン、1−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール、2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール、2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−メトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール、2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、及びこれらの混合物、p−アミノフェノール誘導体、例えば4−アミノ−フェノール、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール、1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン、5−アミノサリチル酸及びこれらの塩、並びにこれらの混合物、o−フェニレンジアミン誘導体、例えば3,4−ジアミノ安息香酸及びこれらの塩、o−アミノフェノール誘導体、例えば2−アミノ−フェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、2−アミノ−4−メチル−フェノール、2−アミノ−5−エチル−フェノール、及びこれらの混合物、及び複素環式誘導体、例えばピリミジン−2,4,5,6−テトラミン、1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール、1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、これらの塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
特定の実施形態では、顕色剤としては、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、ベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−フェノール、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、2−アミノ−フェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−5−エチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール、2,5−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノフェニルエチルアルコール、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0049】
カップラー
本明細書に記載されている組成物で用いるための好適なカップラーとしては、これらに限定されるものではないが、フェノール、レゾルシノール、ナフトール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、及び複素環式化合物、並びにこれらの誘導体、例えば、2−アミノ−5−エチル−フェノール、ナフタレン−1,7−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、ナフタレン−1−オール、2−メチル−ナフタレン−1−オール、ナフタレン−1,5−ジオール、ナフタレン−2,7−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、7−アミノ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−スルホン酸、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1,5−ジオール、2−クロロ−ベンゼン−1,3−ジオール、4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−スルホン酸、ベンゼン−1,2,3−トリオール、ナフタレン−2,3−ジオール、5−クロロ−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール、4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール、2,3−ジヒドロキシ−[1,4]ナフトキノリン、及び1−アセトキシ−2−メチルナフタレン、2,4−ジアミノフェノールのようなm−フェニレンジアミン、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール、2−[(3−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−[[2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エチル]−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェニル)−エタノール、2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール、4−(2−アミノ−エトキシ)−ベンゼン−1,3−ジアミン、(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−酢酸、2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール、4−エトキシ−6−メチル−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェノキシ)−エタノール、4,6−ジメトキシ−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェニルアミノ]−エタノール、3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール、N−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]尿素、4−メトキシ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、4−フルオロ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,6−ジメトキシフェニル}−アミノ)エタノール、3−(2,4−ジアミノフェノキシ)−プロパン−1,2−ジオール、2−[2−アミノ−4−(メチルアミノ)−フェノキシ]エタノール、2−[(5−アミノ−2−エトキシ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、2−[(3−アミノフェニル)アミノ]エタノール、2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン、N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン、N−(2−アミノエチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、4−{[(2,4−ジアミノ−フェニル)オキシ]メトキシ}−ベンゼン−1,3−ジアミン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、及び2,4−ジメトキシベンゼン−1,3−ジアミン、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール、5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール、5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール、ビフェニル−2,4,4’−トリアミンヒドロクロリド、5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノールヒドロクロリド、5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノールヒドロクロリド、4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール、N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド、4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール、4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン、5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン、2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール、5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール、5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール、4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール、5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノールヒドロクロリド、N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール、2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オールヒドロクロリド、ビフェニル−2,4,4’−トリアミン、5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノールヒドロクロリド、5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノールヒドロクロリド、N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノールヒドロクロリド、N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミンヒドロクロリド、3−アミノ−フェノールのようなm−アミノフェノール、2−(3−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルアミノ)−アセトアミド、2−(3−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−アセトアミド、5−アミノ−2−メチル−フェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール、5−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール、3−アミノ−2−メチル−フェノール、3−アミノ−2,6−ジメチル−フェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチル−フェノール、5−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノール、2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−フェノール、5−アミノ−4−クロロ−2−メチル−フェノール、3−シクロペンチルアミノ−フェノール、5−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール、3−(ジメチルアミノ)フェノール、3−(ジエチルアミノ)フェノール、5−アミノ−4−フルオロ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−エトキシ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール、3−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェノール、3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、5−アミノ−2−エチル−フェノール、5−アミノ−2−メトキシフェノール、5−[(3−ヒドロキシ−プロピル)アミノ]−2−メチルフェノール、3−[(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール、3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メチルフェノール、2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール、5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール、5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール、5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ−ベンゼン、及び3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−オールのような複素環式誘導体、6−メトキシキノリン−8−アミン、4−メチルピリジン−2,6−ジオール、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルアミノ)エタノール、3,4−ジメチルピリジン−2,6−ジオール、5−クロロピリジン−2,3−ジオール、2,6−ジメトキシピリジン−3,5−ジアミン、1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン、2−{[3,5−ジアミノ−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]オキシ}−エタノール、1H−インドール−4−オール、5−アミノ−2,6−ジメトキシピリジン−3−オール、1H−インドール−5,6−ジオール、1H−インドール−7−オール、1H−インドール−5−オール、1H−インドール−6−オール、6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、2−アミノピリジン−3−オール、ピリジン−2,6−ジアミン、3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]プロパン−1,2−ジオール、5−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]ペンタン−1,3−ジオール、インドリン−5,6−ジオール、3,5−ジメトキシピリジン−2,6−ジアミン、6−メトキシピリジン−2,3−ジアミン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−アミン、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、1H−5−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンズイミダゾール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、5−メチルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール、5−メチル−6−クロロピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール、5−フェニルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール及びその付加塩、1H−2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールトシレート、7,8−ジシアノ−4−メチルイミダゾロ−[3,2−a]イミダゾール、2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オン、2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン、及び2−メチル−5−メトキシメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン、6−ヒドロキシベンゾモルホ
リン、及び3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、これらの塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
一部の実施形態では、カップラーとしては、これらに限定されるものではないが、フェノール、レゾルシノール、及びナフトール誘導体、例えば2−アミノ−5−エチル−フェノール、ナフタレン−1,7−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、ナフタレン−1−オール、2−メチル−ナフタレン−1−オール、ナフタレン−1,5−ジオール、ナフタレン−2,7−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、及び2−イソプロピル−5−メチルフェノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1−アセトキシ−2−メチルナフタレン、及びこれらの混合物、m−フェニレンジアミン誘導体、例えばベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール、4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール、2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール、及び3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール、2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン、N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン、2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、及びこれらの混合物、m−アミノフェノール誘導体、例えば3−アミノフェノール、5−アミノ−2−メチル−フェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール、及び3−アミノ−2−メチル−フェノール、1−ヒドロキシ−3−アミノ−2,4−ジクロロベンゼン、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール、及びこれらの混合物、及び複素環式誘導体、例えば3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン、1H−インドール−4−オール、1H−インドール−5,6−ジオール、1H−インドール−7−オール、1H−インドール−5−オール、1H−インドール−6−オール、ピリジン−2,6−ジアミン、2−アミノピリジン−3−オール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、1H−5−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、これらの塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
特定の実施形態では、カップラーとしては、2−アミノ−5−エチル−フェノール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノアニソール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノフェニルエチルアルコール、m−フェニレンジアミン、5−アミノ−2−メチル−フェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、4−アミノ−2−ヒドロキシフェノキシエタノール、1−ナフトール、2−メチル−ナフトール、3−アミノフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、4−ヒドロキシ−1,2−メチレンジオキシベンゼン、4−アミノ−1,2−メチレンジオキシベンゼン、4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ−1,2−メチレンジオキシベンゼン、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、2,4−ジアミノフェネトール、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール、4−ヒドロキシインドール、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,6−ジメトキシピリジン、及び3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−アミノピリジン−3−オール、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
加えて、一部の実施形態では、顕色剤及びカップラーとしては、5−メトキシメチル−2−アミノフェノール、5−エチル−2−アミノフェノール、5−フェニル−2−アミノフェノール、5−シアノエチル−2−アミノフェノール、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
上述した顕色剤及びカップラーの任意のものを組み合わせて、顕色剤とカップラーとの混合物を形成してもよい。本発明の毛髪染料組成物は、一般に染色組成物の約0.001重量%〜約10重量%の顕色剤及びカップラー染料を含有するであろう。例えば、天然のブロンドから明るい茶色の毛髪の色合いなどの低強度染色を提供する組成物は、通常、染色組成物の約0.001重量%〜約5重量%、一部の実施形態では約0.1重量%〜約2重量%、特定の実施形態では約0.2重量%〜約1重量%の顕色剤及びカップラーを含む。茶色及び黒色などのより暗い色合いは、典型的には、約0.001重量%〜約10重量%、一部の実施形態では約0.05重量%〜約7重量%、特定の実施形態では約1重量%〜約5重量%の顕色剤及びカップラーを含む。顕色剤化合物は、一般に、カップラー化合物に対してほぼ等モル量で使用される。しかしながら、顕色剤化合物は、カップラー化合物よりも多いか又は少ない量で存在してもよい。
【0054】
直接染料
本発明の組成物はまた、染色を提供するのに、特に強度に関して十分な量で、相溶性の直接染料を含んでもよい。典型的には、そのような量は、染料組成物の約0.05重量%〜約4重量%の範囲であろう。好適な直接染料としては、これらに限定されるものではないが、アシッドイエロー1、アシッドオレンジ3、ディスパースレッド17、ベーシックブラウン17、アシッドブラック52、アシッドブラック1、ディスパースバイオレット4、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、HCレッドNo.13、1,4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−2−ニトロベンゼン、HCイエローNo.5、HCレッドNo.7、HCブルーNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.2、HCオレンジNo.1、HCレッドNo.1、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、HCレッドNo.3、4−アミノ−3−ニトロフェノール、2−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロアニソール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、6−ニトロ−o−トルイジン、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン、HCイエローNo.11、HCバイオレットNo.1、HCオレンジNo.2、HCオレンジNo.3、HCイエローNo.9、4−ニトロフェニルアミノエチル尿素、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸、HCブルーNo.12、HCイエローNo.6、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、HCイエローNo.12、HCブルーNo.10、HCイエローNo.7、HCイエローNo.10、HCブルーNo.9、N−エチル−3−ニトロPABA、4−アミノ−2−ニトロフェニル−アミン−2’−カルボン酸、2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、6−ニトロ−2,5−ピリジンジアミン、HCバイオレットNo.2、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、HCイエローNo.13、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ニトロキノキサリン、HCレッドNo.14、HCイエローNo.15、HCイエローNo.14、3−アミノ−6−メチルアミノ−2−ニトロピリジン、2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)アゾ)ピリジン、ベーシックレッドNo.118、ベーシックオレンジNo.69、N−(2−ニトロ−4−アミノフェニル)−アリルアミン、4−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)(4−イミノ−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)メチル]−2−メチル−ベンゼンアミン−ヒドロクロリド、2−[[4−(ジメチル−アミノ)フェニル]アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド、1−メチル−4−[(メチルフェニル−ヒドラゾノ)メチル]−ピリジニウム、メチルサルフェート、2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックブラウン16、ベーシックイエロー57、7−(2’,4’−ジメチル−5’−スルホフェニルアゾ)−5−スルホ−8−ヒドロキシナフタレン、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、1−(3’−ニトロ−5’−スルホ−6’−オキソフェニルアゾ)−オキソ−ナフタレンクロミウム錯体、アシッドイエロー23、アシッドブルー9、ベーシックバイオレット14、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、キノフタラノン又は2−キノリルインダンジオンのモノ−及びジスルホン酸(主に後者)の混合物のナトリウム塩、ベーシックレッド2、ベーシックブルー99、ディスパースレッド15、アシッドバイオレット43、ディスパースバイオレット1、アシッドブルー62、ピグメントブルー15、アシッドブラック132、ベーシックイエロー29、ディスパースブラック9、1−(N−メチルモルホリウム−プロピルアミノ)−4−ヒドロキシ−アントラキノンメチルサルフェート、N,N−ジメチル−3−((4−(メチルアミノ)−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−1−イル)アミノ)−N−プロピルプロパン−1−アミニウムブロミド,HCブルーNo.8、HCレッドNo.8、HCグリーンNo.1、HCレッドNo.9、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノリン、アシッドブルー199、アシッドブルー25、アシッドレッド4、ヘナレッド、インディゴ、コチニール、HCブルーNo.14、ディスパースブルー23、ディスパースブルー3、ディスパースブルー377、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい直接染料としては、これらに限定されるものではないが、ディスパースブラック9、HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー15、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、HCレッド3、ディスパースバイオレット1、HCブルー2、ディスパースブルー3、ディスパースブルー377、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
界面活性剤
本発明による組成物は、少なくとも約0.01%の1種以上の追加的な界面活性剤を更に含んでもよい。本明細書に用いるのに適した界面活性剤は、一般に、約8〜約30個の炭素原子の親油性の鎖長を有し、アニオン性、非イオン性、両性及びカチオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態において、第1の構成成分は、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を、第1の構成成分の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは1重量%未満の濃度で含んでもよい。かかるアニオン性界面活性剤を低濃度で使用することにより、あらゆる潜在的な関連した皮膚のかぶれを最小限に抑える。
【0057】
ポリマー
本発明の組成物は、任意に、少なくとも約0.01%のポリマーを更に含んでよい。ポリマーは、例えば、本明細書で上述されたような会合性ポリマー、非会合性ポリマー、架橋アクリル酸ホモポリマー、(メタ)アクリル酸及び(C1〜C6)アルキルアクリレートの架橋コポリマーから選択され得る。ポリマーは、下記のようにコンディショニング剤としても機能し得る。ポリマーは、一般に組成物の、約0.01重量%〜約20.0重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で用いられるであろう。
【0058】
本明細書で使用するのに好適な非会合性架橋ポリカルボン酸ポリマーは、例えば、(i)架橋アクリル酸ホモポリマー、及び(ii)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸及びC1〜C6アルキルアクリレート又は(メタ)アクリレートのコポリマーから選択することができる。好ましいポリマーは、Noveon社によって名称Carbopol 980、981、954、2984、5984で販売されている製品、又は3V Sigma社によって名称Synthalen M、Synthalen L及びSynthalen Kで販売されている製品、又はRohm and Haas社によって名称Aculyn−33で販売されている製品である。
【0059】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、コンディショニング剤を含む組成物を含んでもよく、又はコンディショニング剤と組み合わせて用いてもよい。本明細書での使用に好適なコンディショニング剤は、シリコーン材料、アミノシリコーン、高分子樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性界面活性剤、不溶性油及び油由来材料並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質としては、鉱油及びその他の油、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。
【0060】
コンディショニング剤は、一般に組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の濃度で用いられるであろう。
【0061】
特に有用なコンディショニング材料は、シリコーンである。シリコーンは、ポリアルキルシロキサン油、トリメチルシリル若しくはヒドロキシジメチルシロキサン末端基を含有する直鎖ポリジメチルシロキサン油、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルフェニルシロキサン若しくはポリジメチルジフェニルシロキサン油、シリコーン樹脂、一般構造において1個又は、同一若しくは異なる多数個の有機官能基がシロキサン鎖に直接結合している有機官能性シロキサンから選択することができる。上記有機官能基は、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基、(全)フッ化素基、チオール基、置換又は非置換アミノ基、カルボキシレート基、ヒドロキシル化基、アルコキシル化基、四級アンモニウム基、両性及びベタイン基から選択される。シリコーンは、純流体として、又は予備形成されたエマルションの形態として、使用され得る。
【0062】
ラジカルスカベンジャー
本発明によれば、組成物は、ラジカルスカベンジャー供給源を更に含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「ラジカルスカベンジャー」は、炭酸塩ラジカルと反応してその炭酸塩ラジカルを一連の速い反応によって、より反応性の低い種、即ち炭酸塩ラジカルスカベンジャーへと変換させることのできる種である。
【0063】
本明細書に用いるのに好適なラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル及びこれらの混合物の部類から選択してよい。特に好ましい化合物は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、並びにこれらの混合物、及び塩類、例えばこれらのカリウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物である。
【0064】
特に好ましい化合物は、グリシン、ザルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン(piperdine)、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物である。
【0065】
本発明の組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。ラジカルスカベンジャーはまた、アルカリ化剤と同一の種にならないように好ましく選択される。本発明の一実施形態によると、ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に毛髪染色組成物中においてその場で形成されてよい。
【0066】
キレート剤
本発明によると、組成物はキレート剤を含んでよい。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、各々が金属イオンとキレートを形成できる分子又は異なる分子の混合物を指す。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、その非包括的なリストは、AE Martell & RM Smith,Critical Stability Constants,Vol.1,Plenum Press,New York & London(1974)及びAE Martell & RD Hancock,Metal Complexes in Aqueous Solution,Plenum Press,New York & London(1996)に見出すことができる。
【0067】
本明細書において用いるのに適したキレート剤の例としては、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、ホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)及びポリリン酸(特に、直鎖ポリリン酸)、それらの塩及び誘導体が挙げられる。
【0068】
キレート剤は、本発明の組成物中に安定剤及び/又は防腐剤として組み込まれてもよい。加えて、キレート剤は、毛髪繊維の損傷について効果を提供するので、それらは本発明の毛髪損傷の様相を更に改善するために使用されてもよいことが見出されてきている。本発明のキレート剤の濃度は、ジアミン−N,N’−ジポリ酸及びモノアミンモノアミド−N,N’−ジポリ酸キレート剤(例えばEDDS)のような最も有効なキレート剤について、約0.1%、好ましくは少なくとも約0.25%、より好ましくは約0.5%の低さであってもよい。有効性が低いキレート剤は、キレート剤の有効性によって、より好ましくは、組成物の少なくとも約1重量%、更により好ましくは約2重量%を超える濃度で用いられるであろう。
【0069】
溶媒
本組成物は、水、プロピレングリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール及びこれらの混合物などの組成物での使用のための溶媒を更に含んでもよい。典型的には、本発明による組成物は、水性組成物として提供される。本発明の組成物は、典型的には、少なくとも約10重量%から、好ましくは少なくとも約20重量%から、より好ましくは約30重量%から、並びに最も好ましくは約50重量%からの水を含む。
【0070】
粘度
本発明によると、第1の(顕色剤)組成物は、0.001〜10Pa.s、好ましくは0.01Pa.s未満の粘度を有し、第2の構成成分(毛髪染料)組成物は、1〜30Pa.s、及び最も好ましくは5〜15Pa.sの粘度を有する。結果として生じる第1の構成成分と及び第2の構成成分との混合組成物は、典型的には、3〜15Pa.s、及び最も好ましくは5〜8Pa.sの粘度を有する。粘度は、下記に定義される試験方法に従って決定される。
【0071】
使用方法
本明細書に記載される使用方法の実施例及び実施形態は、単に例示することが目的であり、本発明の範囲から逸脱することなくこれらについての種々の修正又は変更が当業者に提示されることが理解される。
【0072】
小売の酸化毛髪染料組成物は、通常、分離した容器と、酸化染料、前駆体、典型的には好適なキャリア中のアンモニアであるアルカリ化剤を含む染料成分(エマルションについては「染料クリーム」、又は、溶液については「染料液」とも呼ばれる)と、酸化剤(通常は過酸化水素)を含む過酸化水素成分(エマルションについては「過酸化水素クリーム」、又は、溶液については「過酸化水素液」とも呼ばれる)といった個々にパッケージ化された成分を含むキットで販売される。消費者は、染料成分と過酸化水素成分とを共に使用直前に混合し、それを毛髪上に塗布する。
【0073】
同様に、小売の脱色組成物もまた、典型的には2個又は3個の分離した容器の中に個々にパッケージ化された2つ又は3つの成分を含むキットとして通常販売される。第1の構成成分はアンモニウムイオン供給源(例えばアンモニア)を含み、第2の構成成分は酸化剤を含み、第3の(任意の)構成成分は、典型的には粉末の形態の第2の酸化剤を含む。脱色組成物は、上記組成物を使用直前に混合することにより得られる。
【0074】
組み合わせた混合物を数分にわたって(確実に毛髪全部に均一に塗布させるために)作用させた後、酸化染料組成物を染色が生じるのに十分な量(通常、約2〜60分、典型的には約30〜45分)にわたって毛髪上にそのまま維持する。消費者又はサロンのプロフェッショナルは次に、毛髪を水で十分にすすぎ並びに/又はシャンプーし、乾燥させる。毛髪がその元々の色から所望の色に変化することが観察される。
【0075】
酸化染料組成物及び脱色組成物中に存在するとき、任意のコンディショニング剤は、第3の容器内に提供され得る。後者の場合、全ての3つの組成物を使用直前に混合し共に塗布することができ、又は第3の容器中の内容物を、他の容器の混合の結果得られる酸化染料組成物又は脱色組成物の直後に後処置として、(任意のすすぎ工程の後に)塗布することができる。
【0076】
本発明はまた、毛髪を染色又は脱色する方法が、上記に定義された少なくとも1つの酸化剤、アルキルグルコシド、アニオン性界面活性剤、及び脂肪族アルコールを含む組成物を、毛髪に塗布する工程を含む実施形態を包含する。
【0077】
以上に記載されたキットは、当該技術分野において周知であり、各容器内の組成物は、標準的手法のいずれか1つを使用して製造でき、これらには、a)「水中油型」プロセス、b)「転相」プロセス、及びc)「1ポット」プロセスが挙げられる。例えば、「水中油」プロセスを用いる場合、本発明の界面活性剤は、約90℃にて組成物の総水量のおよそ50%に添加し、15〜30分にわたって均質化し、次に室温に冷却し、このプレミックスを次に冷やしながら残量の水、他の任意の成分、及び、適切な場合、酸化剤と混合することで上記脱色又は染色キットの第1又は第2の構成成分部分が形成される。
【0078】
本発明は、各種のパッケージ用及び小出し用器具にて利用してもよい。これら分配デバイスは、独立して又は互いに組み合わせて使用してもよい別個のデバイスの形態で実現することができる。典型的には、毛髪染色又は脱色組成物は、使用前に組成物をお互い分離して保存できるように、分離した単独又は複数の区画容器に収納される。組成物は、次に、混合手段によって一緒に混合され、次に塗布手段によって消費者の毛髪に塗布される。
【0079】
本発明のために使用できる最も一般的なパッケージデバイスは、ボトル、チューブ、エアゾール又はサッシェなどの容器に顕色剤を収容することと、染料ローションを顕色剤容器内の追加的な区画に、あるいは、例えば、二重サッシェ若しくはエアゾール系などの同一容器に又はボトル若しくはチューブ系などの異なるものであり得る別個の容器に別個に収容することを伴う。
【0080】
消費者又はヘアサロンのプロフェッショナルは、顕色剤ローションと染料ローションとを任意の手段により混合し得る。これには、単純に混合用ボウルを使用して、その中へローションを分配し、好ましくは器具などの混合手段を用いて混合することが含まれる。あるいは、他のローションの容器内へローションの1つを追加して(典型的には、染料ローションが顕色剤ローションへ追加される)、次に手で振って混ぜるか、又は器具を使って混合してもよい。別の系は、単独の容器又は袋内の染料及び顕色剤ローションの分離隔室間にあるシールの穿孔又は変位と、続いて容器内又は別個及び/又は追加の容器内にて手動で混合することも含む。
【0081】
本明細書中にて上述したデバイスは、毛髪上への製品塗布を手助けするための、製品送達及び/又は塗布用具と組み合わせて使用することもできる。また、これらのデバイスは、容器又は櫛やブラシのような別個のアプリケーターデバイスの1つにノズルが取り付けられているという非常に単純な性質のものであってもよい。このような櫛及びブラシは、素早くむらのない被覆又は根元/ヘアラインのタッチアップ又はハイライト又はストリークにするかどうかという特定の効果を得るために、用いることができる。あるいは、容器又は容器の1つに、櫛を取り付けてもよく、又は分配用ノズルの代わりに櫛を取り付けてもよく、製品は中空の櫛の歯及び櫛の歯に設けられた分配用開口部を通って分配される。櫛の歯は、製品塗布及び特に根元から先端への均一性を向上させるため、櫛の歯に沿った単一又は複数の開口部と共に提供されてもよい。製品の分配は、例えば、ボトルの層状剥離又は上述した任意のメカニズムによって容器に加えられた機械的圧力によって行うことができる。櫛は、例えば、塗布を容易にするために容器上に備えられてもよく、垂直に(いわゆるバーティコーム(verticomb))又は消費者があらゆる領域にアクセスできるような角度で配置されてもよい。全ての器具は、消費者に毛髪への塗布のための一連の異なった用具を提供できるように、互いに交換可能になるように設計されてもよい。
【0082】
適用デバイスはまた、例えば、ハイライト化などの特定の効果を得るのを助けるデバイス、例えば、ハイライト化用の櫛、クリップ、ブラシ及び用具、フォイル、及びハイライト化用キャップなどを含んでよい。
【0083】
追加の器具技術を、製品が毛髪内に浸透するのを補助するために使用することができる。このような技術の例としては、加熱器具、紫外線器具及び超音波器具が挙げられる。
【実施例】
【0084】
以下の実施例は、本発明による毛髪染色又は脱色組成物を説明する。本明細書に記載された実施例及び実施形態は例示だけが目的であり、それを考慮した様々な修正又は変更が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者に示唆されるであろうことが理解される。
【0085】
全てが同等なリフトレベルに毛髪を脱色する、以下の毛髪脱色組成物を調製する。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
粘度試験方法
TA Instrumentsにより製造されたAR500、AR1000又はAR2000タイプの応力レオメータ又は同様の装置で粘度測定を行う。6cmの平らなアクリル製のクロスハッチ平行板ジオメトリ(TA item 518600.901)とステンレス鋼クロスハッチ基板(TA item 570011.001)を使用する。標準的な製造業者手順の通りに、流れ測定のためにレオメータを準備する。平行板ジオメトリ間隔を1000マイクロメートルに設定する。以下の条件で流れ手順をレオメータにプログラムした:25℃にて2分にわたって連続応力傾斜面0.1〜300Pa、線状モードでの250測定点を含む。最終毛髪染色混合物は、例えば、均一な混合稠度を確実にするために所要の部の組成物を混合することによって調製される。生成物を標準手順通りにジオメトリの中に装填し、測定を混合物調製後5分の時点で開始する。剪断応力対剪断速度曲線から10秒-1剪断速度における剪断応力値を得、得られた剪断応力を10で除算することにより対応する粘度を計算する。
【0089】
【表3】

【0090】
比較例は、非イオン性界面活性剤増粘系を含む従来技術の製剤を代表する。
【0091】
上記データから、C6〜C16アルキルグルコシドを含まないが、非イオン性界面活性剤系を含む比較例の製剤は、混合組成物の低くかつ望ましくない初期粘度を有するが、この粘度はまた、粘度値が120%増加するように、60分間にわたって有意に増加することが明確にわかる。しかしながら、本発明の実施例は、高くかつ望ましい初期レオロジー値を有するだけでなく、この値は、同一時間にわたって22%増加するだけであり、かつ塗布時間を通じて消費者が好む粘度を維持する。本発明の例示の組成物及び比較例は共に、ゲル網状組織構造を含み、かつ望ましいクリーム状の外観を有する。
【0092】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤と、C6〜C16アルキルグルコシド及びこれらの混合物とを含む第1の構成成分と、
C8〜30アルキルホスフェート、C8〜C30アルキルエーテルホスフェート、又はこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤と、C14〜C30脂肪族アルコール及びこれらの混合物とを含む第2の構成成分と、を含む毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項2】
前記アルキルグルコシドが、C8〜C12アルキルグルコシド及びこれらの混合物、好ましくはC10アルキルグルコシドである、請求項1に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項3】
前記組成物が、0.1%〜10%、好ましくは0.5%〜5%の前記アルキルグルコシドを含む、請求項1に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項4】
前記組成物が、0.1%〜10%の会合性ポリマーを更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項5】
前記第1の構成成分が、0.1%〜10%の前記酸化剤を含み、前記第2の構成成分が、0.1%〜5%の前記アニオン性界面活性剤と、2%〜10%の前記脂肪族アルコールとを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項6】
前記第2の構成成分が、アルカリ化剤の少なくとも1つの供給源、好ましくはアンモニウムイオン又はアンモニアの供給源を更に含む、請求項1に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項7】
前記第2の構成成分が、非イオン性界面活性剤を含み、少なくとも25個の、好ましくは100〜200個のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレンC14〜C30アルキルエーテルから好ましくは選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項8】
前記組成物が、0.1重量%〜5重量%の前記非イオン性界面活性剤を含む、請求項7に記載の毛髪染色又は脱色組成物。
【請求項9】
前記組成物が、少なくとも1つの酸化染料前駆体及び/又は少なくとも1つの予備形成された染料を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の毛髪染色組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物を毛髪に塗布する工程と、前記組成物を前記毛髪上に2〜60分にわたって置いておく工程と、続いて前記組成物を前記毛髪からすすぐ工程と、を含む、毛髪の処理方法。

【公表番号】特表2013−516434(P2013−516434A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547341(P2012−547341)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020431
【国際公開番号】WO2011/085140
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】